JP2012236725A - 水素の発生方法及び燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】加水分解反応によって水素貯蔵材料の表面に生じる水酸化マグネシウム膜(Mg(OH)膜)の不均一化又は生成の抑制を図ることにより、水素発生率の向上を図る。
【解決手段】水素化マグシウムを加圧成型して得られる粒状物を加水分解して水素を発生させる水素の発生方法を提供する。また、水素化マグシウムを加圧成型して得られる粒状物を加水分解して水素を発生させる水素供給部と、酸素供給部と、前記水素供給部から供給される水素と前記酸素供給部から供給される酸素を反応させて発電を行う燃料電池本体とを備える燃料電池システムを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水素の発生方法及び燃料電池システムに関する。
地球環境保全や化石燃料の枯渇の問題から、化石燃料に代わる代替エネルギーとして燃料電池が電力の供給源として考えられている。燃料電池は原料に水素と酸素を用い、その排ガスもクリーンであることから注目されている。ところが、燃料を水素とする場合、メタノールや天然ガスの改質を利用する方法では、起動に時間がかかることや急激な電力需要に対応しにくいという欠点がある。そこで、水素を貯蔵する必要があるが、従来の方法では、自動車への搭載を想定すると1回の水素充填で400〜500km走行するためには水素5kg程度が必要となり、この水素量を圧縮した高圧ボンベや低温にした液体水素にしなければならない。しかし、圧縮水素を使用する場合、35〜70MPaに圧縮された水素を高圧ボンベに貯蔵しても水素の圧縮率低下のためそれほど体積が小さくならず、それを充填する高圧ボンベが重くなるという欠点がある。また、液体水素の場合、水素を常時−252℃に冷却して貯蔵しなければならず、冷却機構を含む貯蔵容器が大きくなる欠点がある。
したがって、これらの問題を解決できる貯蔵容積が小さくて軽量な水素貯蔵材料が求められている。現在、安全面から実用化を検討されているものは水素吸蔵合金であり、これは水素を金属水素化物として貯蔵するものである。しかし、水素吸蔵合金の単位重量当たりの水素貯蔵量は未だ少ない。5kgの水素を必要とする車載用には合金重量が400kgを超えるという問題があり、未だ実用化に至っていない。また、水素吸蔵合金の場合、水素の吸着及び放出時には、合金を高圧、高温条件に曝す必要があるために、その繰り返しによる水素吸蔵合金の劣化及び性能低下、また構成元素が希少金属の場合には、資源枯渇等の問題がある。
アルカリ金属やアルカリ土類金属、あるいはその水素化物は、加水分解反応により水素を発生することが知られており、これを水素貯蔵材料として利用する試みが注目を集めている。水素化マグネシウム(MgH)は、比較的取り扱いが容易なことと、工業用途が幅広いためにコストが安価であるという特長があり、加水分解反応を利用した水素貯蔵材料として着目されている。水素化マグネシウムの製造方法自体も改良されている(特許文献1)。
しかし、水素化マグネシウムは、製造直後から空気酸化により表面に不活性な水酸化マグネシウム(Mg(OH))膜が形成されるため、室温では加水分解反応速度は非常に遅くなり、実質的な水素発生量は理論値よりも少ないという問題がある。特に、粉体では水素発生量に対して理論量よりもはるかに多い給水が必要となる問題がある。
特開2009−132553号公報
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、加水分解反応によって水素貯蔵材料の表面に生じる水酸化マグネシウム(Mg(OH))膜の生成の抑制を図ることにより、水素発生率の向上を図ることを目的とする。
本発明者は、水素化マグネシウム粉末を加水分解して効率よく水素を発生させる方法を検討した。しかし、水素化マグネシウム粉末と水の接触性が悪く、粉末の表面で水がはじかれ、速やかに加水分解反応が開始されず、加水分解反応の開始後も、発生する水素ガスが気泡となり、気泡が粉末粒子をガス中に巻き込むため、燃料電池本体に粉末が混入する課題があることを見出した。また、水素化マグネシウム粉末の上方から水を添加した場合、粉末表面上に水が蓄積して粉末の温度が下がり、水素ガスの発生速度が遅くなり、水素化マグネシウム粉末の下方から水を添加した場合、水層と粉末層との間に水素ガス層が形成され、粉末層が持ち上げられる課題があることを見出した。本発明者は、粉末を利用してこれらの課題を解消するには限界があると考え、水素化マグシウム粉末を加圧成型して得られる粒状物を加水分解することを検討し、本発明を完成させたものである。
本発明は、水素化マグシウムを加圧成型して得られる粒状物を加水分解して水素を発生させる水素の発生方法を提供する。また、水素化マグシウムを加圧成型して得られる粒状物を加水分解して水素を発生させる水素供給部と、酸素供給部と、前記水素供給部から供給される水素と前記酸素供給部から供給される酸素を反応させて発電を行う燃料電池本体とを備える燃料電池システムを提供する。
本発明によれば、加水分解反応によって水素化マグネシウム粉末の表面に生じるMg(OH)膜の生成を抑制でき、高い水素発生率を実現することができる。また、燃料電池本体に水素化マグネシウム粉末が混入することもなく、理論値に近い給水量あるいは多くても理論量の2倍程度の給水量で水素を発生できるため、過剰の水により反応温度が低下する可能性も低い。
一つの実施形態である燃料電池システムの要部の概略構成を示すブロック図を示す。 実施例で使用した水素発生装置を示す。 積算水素発生量と積算供給水量に関する実施例1の結果を示す。 積算水素発生量と積算供給水量に関する実施例2の結果を示す。
本発明は、水素を発生させるため、水素化マグネシウム(MgH)を加水分解する。水素化マグネシウムの加水分解反応は、以下の式で表すことができる。
MgH+2HO → Mg(OH)+2H
加水分解反応の温度は、好ましくは40〜100℃の範囲で適宜選択すれば、塩酸、硫酸、酢酸、クエン酸などの酸の添加が不要となる。ただし、この加水分解反応は発熱を伴うので、加熱は当初のみで足りる。加熱については、酸以外でMgHの表面酸化膜を取り除いたもの、例えば、製造直後など粒子表面が酸化されていないMgH粉末を使用するか、MgH粉体を水素またはN、Ar、Heなどの不活性ガス中でメカノケミカル処理したものと水を接触させれば、容易に40〜100℃、あるいはそれ以上の熱量が得られる。
水素化マグシウムは、加圧成型して得られる粒状物を用いる。加圧成型して得られる粒状物として、水素化マグネシウム粉末を打錠成型して得られたペレットを用いてもよい。例えば平均粒径1〜100μm、好ましい平均粒径20〜50μmの水素化マグネシウム粉末を、市販の打錠成型機を用い、好ましくは当該粉末の嵩密度0.3〜0.6g/mlが固体密度0.8〜1.5g/mlとなり、好ましくは少なくとも2倍の密度となる圧力で成型して、好ましくは平均粒径1〜10mmのペレットを得る。平均粒径が10mmを超えると、加水分解用容器への充填性が悪くなり、空隙が増加し、水素発生速度の低下を招く場合がある。平均粒径が1mm未満では、加水分解反応により生成したガスによるペレットの気泡への取り込や粒子の移動が無視できず、加水分解反応が進行しにくい場合がある。ペレットの大きさは、打錠成型機の設定により選択できるが、異なる粒径の粒子を用いる場合は、篩を用いて平均粒径を求めてもよい。
ペレット化にすることにより、充填密度(充填率)が例えば0.6〜1.0g/mlとなり、ペレット化前の粉末の嵩密度である0.3〜0.6g/mlより大幅に向上できる。
打錠成型機を用いる場合は、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤を打錠される粉体全体中に通常0.1〜3.0質量%添加することが必要となるが、滑沢剤が、発生する水素ガスに混入しないように注意が必要である。
加圧成型して得られる粒状物として、水素化マグネシウム粉末を加圧成型し、得られたシートを破砕した粒状物を用いてもよい。例えば平均粒径1〜100μm、好ましい平均粒径20〜50μmの水素化マグネシウム粉末を、好ましくは当該粉末の嵩密度0.3〜0.6g/mlが固体密度0.8〜1.5g/mlとなる圧力で成型して成型してシートを得る。シートの大きさは限定されないが、例えば(80〜150)mm×(80〜150)mmで高さが5〜20mmの金型を用いることができる。得られたシートを、例えばミル等の粉砕機を用いて破砕し、好ましくは平均粒径1〜10mmの粒状物を得る。平均粒径が10mmを超えると、加水分解用容器への充填性が悪くなり、空隙が増加し、水素発生速度が低下する場合がある。平均粒径が3mm未満になると、加水分解反応により生成したガスによるペレットの気泡への取り込や粒子の移動が無視できず、加水分解反応が進行しにくい場合がある。粒径が大きいため、平均粒径は、篩を用いた質量平均粒径を用いる。
加圧成型して得られる粒状物しては、水素化マグネシウム粉末を加圧成型し、得られたシートを破砕した粒状物がより好ましい。滑沢剤を使用しないため、水素ガスに滑沢剤が混入することがなく、滑沢剤の質量を水素発生可能な水素化マグネシウムに置き換えることができ質量損がなく、打錠成型よりも固体密度を上げることができるからである。
水素化マグシウム粉末を加圧成型して得られる粒状物は、好ましくは0.6g/ml以上、より好ましくは0.8g/ml以上の充填密度を有する。水素化マグネシウム粉末の嵩密度は0.3〜0.6g/mlであるが、固体密度を好ましくは0.8〜1.5g/mlとなるように成型して、充填密度が好ましくは0.6g/ml以上となる粒状物とすると、加水分解反応により粒子表面に形成される水酸化マグネシウム膜の影響を抑制することができ、加水分解反応を速やかに進行させることができる。充填密度の上限は、好ましくは水素化マグネシウムの結晶密度である1.5g/mlである。充填密度は、500mlメスシリンダーに粒状物を充填して測定できる。
水素化マグシウム粉末を加水分解する場合には、全ての水素化マグネシウムを反応させるストイチオメトリックな理論量の10倍の水が必要なることが経験的に見出されている。しかし、水素化マグシウム粉末を加圧成型して得られる粒状物を加水分解する場合には、大幅な水量の削減が可能となる。後述する実施例では、全ての水素化マグネシウムを反応させるストイチオメトリックな理論量の1.5倍の水で、理論量の92.7%の水素発生を確認している。
加水分解反応を促進するために、酸性物質又は弱塩基性物質を添加してもよい。酸性物質又は弱塩基性物質の添加により、加水分解反応時に溶液中のpHを固定し、水素発生を阻害するMg(OH)の生成を抑制できる。酸性物質は、酸解離定数pKaが4〜9であることが好ましい。pKaが4未満では、酸が強いため、反応を急激に進めることができ、pKaが9を超えると酸が弱くMg(OH)の生成を防止する効果が十分に得られない場合がある。
酸性物質としては、塩酸、硫酸、酢酸などのカルボン酸、炭酸、燐酸水素ナトリウム等が挙げられ、それらを混合して用いることもできる。弱塩基性物質としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化アンモニウム等が挙げられる。また、pHの固定作用を維持するために、その水溶液の濃度は、例えば、塩酸:0.001〜1mol/l、硫酸:0.001〜1mol/l、酢酸:0.01〜1mol/l、炭酸水素ナトリウム:0.01〜1mol/l、水酸化アンモニウム:0.01〜1mol/lとすることが好ましい。
本発明の水素発生方法により発生された水素は、燃料電池システムに利用できる。燃料電池システムは、水素化マグシウム粉末を加圧成型して得られる粒状物を加水分解して水素を発生させる水素供給部と、酸素供給部と、前記水素供給部から供給される水素と前記酸素供給部から供給される酸素を反応させて発電を行う燃料電池本体とを備える。
燃料電池システムの一つの実施形態を、燃料電池システムの要部の概略構成を示すブロック図である図1を用いて説明する。燃料電池としては、固体高分子形燃料電池(PEFC)が好適であるが、その形式は問わない。
燃料電池(燃料電池システム)1には、水素と酸素とによって電気化学反応(発電反応)による発電が行われる燃料電池4(燃料電池本体)と、燃料電池4に水素を供給する水素発生装置2と酸素を供給する酸素供給源3とが備えられている。燃料電池4には、固体電解質膜の両面に酸素極および水素極が圧着された膜電極接合体5が備えられている。
水素発生装置2には、水貯蔵容器6に貯蔵された水が供給されるように構成されている。水素発生装置2では、水素化マグネシウムを加圧成型して得られる粒状物と水とが混合されることによって水素が発生する。生成された水素は、燃料電池スタック4の水素極へ供給される。酸素供給源3の酸素は、燃料電池の酸素極へ供給される。
水素極に供給された水素は、水素極でイオン化した水素イオンとされ、固体電解質膜中を酸素極側へ移動する。一方、イオン化にて生成した電子は水素極から図示しない外部負荷を流れ、酸素極に移動することで電力を供給する。酸素極に供給された酸素は、酸素極に移動した電子によってイオン化される。イオン化された酸素イオンと、固体電解質膜中を移動して酸素極に到達した水素イオンとが反応し、水が生成される。生成された水を水貯蔵容器6に供給して再利用してもよい。
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
水素化マグネシウム試料として、打錠成型により製造したペレット(Φ5mm×L5mm)を用いた。滑沢剤として使用されたステアリン酸マグネシウムのペレット中の含有率は0.02質量%であった。ペレットの固体密度は1.0g/mlであり、500mlメスシリンダー(外径55mm、高さ360mm)を用いた充填密度は0.80g/mlであった。
使用した水素発生装置を図2に示す。水は、天秤11で供給量を測定しながら送液ポンプ12で0.5g/分で試験容器13(内径135.0mm×高さ200.0mm)に送られ、試験容器13内の水素化マグネシウム試料915.0gと反応させた。発生した水素ガスの量は、積算流量計14で測定された。積算水素発生量と積算水素供給水量に関する結果を図3に示す。
図3において、ライン21は、供給水量に対する理論積算水素発生量を示し、理論水素ガス発生量1527.5Lを示すa点に対応する、積算供給水量を示すライン23のb点が理論供給水量となり、1227.4gであった。ライン22は、積算水素発生量を示し、水素発生停止点であり、理論量の92.7%に相当する水素発生量を示すc点に対応する、積算供給水量を示すライン23のd点が水素発生総供給水量であり、1585gであった。したがって、供給水量として1585g用いると、理論量の1.3倍の供給水量で理論量の92.7%の水素発生量を得たことになり、水供給を停止したe点における全供給水量である1879gを用いると、理論量の1.5倍の供給水量で理論量の92.7%の水素発生量を得たことになった。これは、理論量の10倍の水が必要なる水素化マグネシウム粉末の加水分解からは予想できない結果であった。
<実施例2〜3>
φ50mmの金型に嵩密度0.5g/mlの水素化マグネシウム粉末を充填後、高圧プレス機を用いてプレスすることにより、φ50mm×厚さ2mmのシートを得た。複数枚のシートを得た後、破砕して平均粒径3mm破砕品(実施例2)と平均粒径5mm破砕品(実施例3)を得て、これらを試料として用いた。それぞれの平均粒径となるように、平均粒径3mm破砕品については2mmと4mmの2種類の篩を利用し、平均粒径5mm破砕品については4mmと6mmの2種類の篩を利用した。
平均粒径3mm破砕品(実施例2)と平均粒径5mm破砕品の固体密度は、1.5g/mlであり、500mlメスシリンダー(外径55mm、高さ360mm)を用いた充填密度はいずれも0.63g/mlであった。
実施例1で用いた図2に示す水素発生装置と構成的には同様な水素発生装置であるが、実施例1よりも小型のものを使用した。水は、天秤11で供給量を測定しながら送液ポンプ12で1.0g/分で試験容器13(内径45.0mm×高さ85.0mm)に送られ、試験容器13内の水素化マグネシウム試料25.0gと反応させた。発生した水素ガスの量は、積算流量計14で測定された。
積算水素発生量と積算水素供給水量に関する平均粒径3mm破砕品(実施例2)の結果を図4に示す。図4において、ライン31は、供給水量に対する理論積算水素発生量を示し、理論水素ガス発生量42.5Lを示すa’点に対応する、積算供給水量を示すライン23のb’点が理論供給水量となり、34.2gであった。水の供給は、積算供給水量が理論供給水量の2倍でとなった68.4gで停止したが、水の供給停止後も水素は発生し、水素発生量の測定を継続した。ライン32は、積算水素発生量を示し、理論量の89.4%に相当する水素発生量38.0Lを示した。すなわち、理論量の2.0倍の供給水量で理論量の89.4%の水素発生量を得た。
平均粒径5mm破砕品(実施例3)も、水の供給は、積算供給水量が理論供給水量の2倍でとなった68.4gで停止したが、水の供給停止後も水素は発生し、水素発生量の測定を継続した。積算水素発生量と積算水素供給水量に関する平均粒径5mm破砕品の結果は図示していないが、ほとんど図4と同様であった。理論量の89.2%に相当する水素発生量37.9Lを示した。すなわち、理論量の2.0倍の供給水量で理論量の89.2%の水素発生量を得た。
実施例2〜3は、ステアリン酸マグネシウムを使用しない例である。発生水素量が少ない場合には、ステアリン酸マグネシウムの存在は問題とならないが、多量の水素を発生させる場合には分解したステアリン酸マグネシウムの一部が燃料電池まで到達し、故障の原因となる。加圧成型で得られたシートを破砕して得られた粒状物は、ステアリン酸マグネシウムの添加を必要とする打錠成型機を用いて得られたペレットと比べて、ステアリン酸マグネシウムなしで同等の給水量で水素が発生するメリットがある。なお、加圧成型で得られたシートを破砕して得られた粒状物は、反応開始に酸が不要である。
実施例2〜3では、積算供給水量が理論供給水量の2倍でとなったときに水の供給を停止した。これは、水素放出の末期では、水素放出速度が遅くなるため、水素の発生量と比べて効率の悪い無駄な水供給となり、また、理論値の90%程度の水素が放出できれば満足できるからである。過剰な水は、水酸化マグネシウムの粒子間に含有されると考えられる。
<比較例1>
嵩密度0.5g/mlの水素化マグネシウム粉末を試料として用い、実施例2〜3と同じ水素発生装置を使用した。水は、天秤11で供給量を測定しながら送液ポンプ12で1.0g/分で試験容器13(内径45.0mm×高さ85.0mm)に送られ、試験容器13内の水素化マグネシウム試料25.0gと反応させた。発生した水素ガスの量は、積算流量計14で測定された。
理論水素ガス発生量42.1Lのときの理論供給水量が34.2gであり、水の供給は、積算供給水量が理論供給水量の2倍でとなった68.4gで停止した。水素の発生は遅く、スラリー状のものが生成され、最終的な水素の発生量は0.1Lに過ぎなかった。すなわち、理論量の2.0倍の供給水量で理論量の0.2%の水素発生量を得たことになった。
1 燃料電池システム
2 水素発生装置
3 酸素供給源
4 燃料電池
5 膜電極接合体
6 水貯蔵容器
11 天秤
12 送液ポンプ
13 試験容器
14 積算流量計
21、22、23 ライン
31、32、33 ライン

Claims (6)

  1. 水素化マグシウムを加圧成型して得られる粒状物を加水分解して水素を発生させる水素の発生方法。
  2. 前記粒状物が、平均粒径3〜10mmを有する請求項1に記載の水素の発生方法。
  3. 前記粒状物が、前記加圧成型で得られたシートを破砕して得られたものである請求項1又は請求項2に記載の水素の発生方法。
  4. 前記粒状物が、ペレットである請求項1又は請求項2に記載の水素の発生方法。
  5. 前記粒状物が、0.8〜1.5g/mlの固体密度と、0.6g/ml以上の充填密度を有する請求項1〜4のいずれかに記載の水素発生方法。
  6. 水素化マグシウムを加圧成型して得られる粒状物を加水分解して水素を発生させる水素供給部と、
    酸素供給部と、
    前記水素供給部から供給される水素と前記酸素供給部から供給される酸素を反応させて発電を行う燃料電池本体と
    を備える燃料電池システム。
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