JP2012233470A - 風力発電装置の伝達機構 - Google Patents

風力発電装置の伝達機構 Download PDF

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Abstract

【課題】安定性の良い偶力を利用して複数の発電機を駆動したり、風力発電が可能な風力を微風から強風まで可能な限り拡大し、風力をより有効利用可能とする。
【解決手段】風力又は風車の回転速度を検出し、その結果に応じて増速比率に切り換えてから、発電機の前段の通常の増速機を増速する。又は、弱い風力でも駆動可能な小型の発電機に切り換えたり、複数の風車の出力を合成して発電機を駆動してもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、偶力を利用した伝達機構、特に歯車手段による偶力を利用した伝達機構並びに風力発電が可能な風力を微風から強風まで可能な限り拡大し、風力をより有効に発電機の駆動に利用可能とする伝達機構に関する。
風力発電装置が各種発売されており、今後広く実用化が期待されているが、1台の風車で1台の発電機しか駆動できないのが実状である。1台の風車で用途に応じた各種の発電機を複数台駆動できると重宝される。特に強風時のように風力が強い場合は、複数の発電機を駆動することが望まれる。
特開2004−124771 特開2006−46306 特開2005−248939
風車の種類として特許文献1のようなプロペラ型風車が代表する水平軸型と特許文献2のようなシャイロミル型風車などの垂直軸風車とに大別できる。また、水平軸型風車の回転を垂直に設置した発電機で発電するには、特許文献3のように傘歯車などで方向変換する必要がある。
しかしながら、方向変換する場合に、1対の傘歯車だけで行なうと安定性が悪く、安定した発電が不可能で、偶力を利用した伝達機構が安定よく円滑に発電できる。従って、特に1台の風車で複数台の発電機を駆動する場合は、偶力の利用が望まれる。
本発明の技術的課題は、このような問題に着目し、複数台の発電機を駆動する場合に、安定性の良い偶力を利用して伝達可能とすることにある。
化石燃料を使用しない、最後の手段として、原子力発電が実用化されているが、トラブルが発生した場合は大事に至る危険をはらんでいるので、原子力発電の見直しが必至である。このような状況を考慮すると、風力をより有効に活用することが望まれる。
しかしながら、風車の羽根の角度を調節しながらでも3m/s〜25m/s位しか利用できないので、特に風力の弱い夏期でも発電機が充分に駆動されるような工夫か必要となる。例えば、風力が弱くなると、増速比率を大きくしたり、小型の発電機に切り換えるか、複数の風車でより少ない発電機を駆動すること等も肝要である。
本発明の第二の技術的課題は、このような問題に着目し、風力発電が可能な風力を微風から強風まで可能な限り拡大し、風力をより有効利用可能とすることにある。
請求項1は、風力が強くない場合を検出手段で検出した場合に、風力が強い場合に比べて、強くない場合の増速比率を大きくするか又は強くない風力でも駆動可能な少数の発電機に減らすか、小型の発電機に切り換えるか又は複数の風車の出力を合成することでより少ない数の発電機を駆動することによって、1又は複数の発電機を駆動することを特徴とする風力発電機の駆動方法であり、請求項2は、風力が強くない場合を検出手段で検出した場合に、風力が強い場合に比べて、強くない場合の増速比率を大きくするか又は強くない風力でも駆動可能な少数の発電機に減らすか、小型の発電機に切り換えるか又は複数の風車の出力を合成することでより少ない数の発電機を駆動することによって、1又は複数の発電機を駆動することを特徴とする風力発電機の駆動装置である。
つまり、請求項1は方法の発明であるのに対し、請求項2は装置すなわち物の発明である。そして何れの請求項も、風力又は風車の回転速度を検出し、その結果に応じて増速比率を切り換えてから、発電機の前段の通常の増速機を増速する。なお、風車の回転速度の検出はどの部位で行なってもよい。また、弱い風力でも駆動可能な少数の発電機に減らすか、複数の風車の出力を合成して一つの発電機を駆動してもよい。これらの具体的な実施形態は各図で示している。
請求項3は、図6のように、水平軸型風車の出力軸に傘歯車を設けると共に前記傘歯車を挟むように傘歯車を垂直向きに互いに対向するように一対配置し、
少なくとも前記一対の傘歯車の間に発電機を駆動する傘歯車を配設することを特徴とする請求項2に記載の風力発電装置の伝達機構である。前記一対の傘歯車には、発電機を連結して駆動してもよいし、風力発電用の風車を連結して弱風でも発電可能にしてもよい。
請求項4は、図8のように、一対の大径傘歯車の内側に小径傘歯車を固設し、
前記一対の大径傘歯車は風車側の傘歯車と、また前記の小径傘歯車を発電機側の傘歯車とそれぞれかみ合わせることを特徴とする請求項2に記載の風力発電装置の伝達機構である。前記一対の大径傘歯車は、発電機を連結して駆動してもよいし、風力発電用の風車を連結して弱風でも発電可能にしてもよい。
請求項5は、図9のように、鉛直軸型風車の出力軸に傘歯車を垂直向きに配設すると共に前記傘歯車と対向する傘歯車を配置して発電機を駆動するか風車を連結し、
しかも前記一対の傘歯車の間に発電機を駆動するか又は風車で回転する傘歯車を配設することを特徴とする請求項2に記載の風力発電装置の伝達機構である。
請求項6は、図10のように、一対の大径歯車の内側に小径傘歯車を連結すると共に鉛直軸型風車で駆動する構造において、
前記一対の小径傘歯車を発電機側の傘歯車とかみ合わせ、一対の大径歯車の間の大径歯車を発電機又は水平軸型風車と連結することを特徴とする請求項2に記載の風力発電装置の伝達機構である。
請求項7は、図7のように、アップウインド方式の風車と対向する位置にダウンウインド方式の風車を設けるか及び/又は鉛直軸型風車を設けて、複数の風車で発電機を駆動する構造であることを特徴とする請求項2に記載の風力発電装置の伝達機構である。
請求項1、2によると、風力又は風車の回転速度を検出し、その結果に応じて増速比率を切り換えてから、発電機の前段の通常の増速機を増速したり、弱い風力でも駆動可能な小型の発電機に切り換えるか、少数の発電機に減らすか、複数の風車の出力を合成してより少数の発電機を駆動するので、強風によって高速回転する場合も、弱風で低速回転する場合も発電でき、可能な限り発電範囲を拡大し、風力をより有効利用することが出来る。
請求項3によると、すべての傘歯車が、1か所だけでなく、180度離れた2箇所で駆動したり駆動されたりするので、偶力を発生したり、偶力で安定良く駆動されることになる。従って、微風や弱風でも風力発電したい場合に適している。
請求項4によると、一対の大径の傘歯車は、外側の大径傘歯車で駆動力を受け、内側の一対の小径傘歯車で発電機を駆動するので、より速く負荷を駆動できる。一対の大径傘歯車の軸を発電機と連結すると、より多くの発電機を駆動できるし、風車と連結すると、微風や弱風でも発電可能となる。
請求項5のように鉛直軸型風車で駆動する場合も、すべての傘歯車が、1か所だけでなく、180度離れた2箇所で駆動したり駆動されたりするので、偶力を発生したり、偶力で安定良く駆動されることになる。また、図9のように多くの発電機を駆動したり、微風や弱風でも駆動可能としたり、選択肢が増える。
請求項6のように、外側の大径傘歯車で鉛直軸型風車による駆動力を受け、内側の小径傘歯車で発電機を駆動するため、より大きな負荷を駆動できる。また、外側の大径傘歯車でも負荷を駆動した場合は、多くの発電機を駆動でき、風車と連結した場合は、微風や弱風でも発電可能となる。
請求項7によると、アップウインド方式の風車と対向する位置にダウンウインド方式の風車を設けてあるので、ダウンウインド方式の風車の力によっても発電できる。ダウンウインド方式の風車と鉛直軸型風車を設けて、複数の風車で発電機を駆動する構造も可能であり、ダウンウインド方式の風車に代えて鉛直軸型風車を設けてもよい。ダウンウインド方式の風車に代えて鉛直軸型風車を設ける場合は、傘歯車をさらに増やして方向変換する。
風力発電が可能な風力を微風から強風まで可能な限り拡大するために、弱風用と強風用の比率の切り換え装置の実施形態の断面図である。 比率の切り換え装置を平歯車で実現した実施形態の側面図である。 2台の水平軸型風車で1台の発電機を偶力を利用して駆動する例の平面図である。 2台の鉛直軸型風車で1台の発電機を偶力を利用して駆動する例の側面図である。 歯車に代えてタイミングベルトを用いた例を示す正面図である。 水平軸型の風車で発電機を駆動する実施形態を示す側面図である。 水平軸型の前後の風車で発電機を駆動する実施形態を示す側面図である。 大小の傘歯車で負荷を駆動する実施形態を示す側面図である。 垂直軸型の風車で発電機を駆動する実施形態を示す側面図である。 垂直軸型の風車で作動する大小の傘歯車で負荷を駆動する実施形態を示す側面図である。
次に本発明による伝達機構が実際上どのように具体化されるか実施形態を詳述する。図1は、風力発電が可能な風力を微風から強風まで可能な限り拡大するために、2種の増速手段を配設する実施形態の断面図である。
風力発電機は、風力で回転する風車と、風車の回転数を発電機の駆動に適した回転数に増速する増速機と、発電機とに分けられる。本発明の、風力に応じて風車速度を2分する装置は、風車と前記増速機との間に設けられる。
図1の実施形態は、風車1の回転軸2で回転される小径傘歯車61と大径傘歯車62とを有し、それぞれの傘歯車61、62で回転される増速傘歯車71、72を有している。増速傘歯車72は増速比率の低い低比率用であるのに対し、増速傘歯車71は増速比率の高い高比率用である。
大径の低比率用の増速傘歯車72は、その大径軸部73に円筒状の電磁石Mg1を固設すると共に、小径の高比率用の増速傘歯車71の小径軸部74が貫通するように電磁石Mg2、Mg3を筒状に構成してある。
電磁クラッチ手段を成す電磁石Mg2、Mg3も電磁石Mg1と同様に円筒状ないしドーナツ状に形成され、外側はコイルcが巻回してあり、その内側にボビン状の鉄芯iを有している。ただし、両側の電磁石Mg1、Mg3は、内側の鉄芯iが外側のコイルcと独立して回転可能であり、かつ図の左側の電磁石Mg1の鉄芯iは低比率用の大径軸部73に固定され、また図の右側の電磁石Mg3の鉄芯iは高比率用の小径軸部74にそれぞれ固定されている。なお、小径軸部74は、磁束の漏れにくい非磁性体とする。
真ん中の電磁石Mg2は、その鉄芯iが外側の回転円筒8と固定されており、回転円筒8の右端はスプライン軸81になっていて、発電機前段の増速機と連結される。
前記の回転円筒8の内外に配設してあるのは導電性のブラシB…であり、前記の回転円筒8の内外面に設けた円筒状の導電性の電極にバネ圧で圧接している。なお、内側のブラシB…は電磁石の各コイルc…の両端と接続され、外側のブラシB…は電源に接続されている。電源のオン・オフは、風車の回転速度の検出器9から出力される検出信号Sで制御される。
いま、例えば10m以下の弱風が吹いているとすると、風車の回転速度が低いために高い比率で増速しないと発電機をカットインできないので、検出信号Sによって図の右端の電磁石Mg3の電源がオンされ、必要が有れば真ん中の電磁石Mg2は逆極性となるように通電される。その結果、真ん中の電磁石Mg2が右端の電磁石Mg3に吸引され、吸着される。
そのため、真ん中の電磁石Mg2を介して回転円筒8が高比率で回転され、スプライン軸81を介して増速機が駆動され、発電機が定格の1500rpm 〜1800rpm で駆動されて発電が行われる。
10m以上の強風が吹いて、風車の回転速度が高いために低い比率で増速したい場合は、検出信号Sによって図の左端の電磁石Mg1の電源がオンされ、必要が有れば真ん中の電磁石Mg2は逆極性となるように通電されるので、真ん中の電磁石Mg2が左端の電磁石Mg1に吸引、吸着される。その結果、真ん中の電磁石Mg2を介して回転円筒8が低比率で回転され、スプライン軸81を介して増速機が駆動され、発電機が定格の1500rpm 〜1800rpm で駆動されて発電が行われる。
なお、スプライン軸81の左右動が円滑でない場合は、増速機と発電機との間にもON/OFF用のクラッチ手段を介在させて、電磁石Mg1〜Mg3による切り換え時のみ発電機の駆動力を遮断してもよい。公知のブレーキで、風車自体の回転を止めてもよい。
真ん中の電磁石Mg2は、磁力を発生するコイルに代えて、永久磁石を利用したり、左右の電磁石Mg1、Mg3に吸着される磁性体を用いることもできる。
また、風車自体の回転速度を検出器9から出力させる代わりに、カップ型風速計やエーロベーンの出力を信号Sとして利用してもよい。信号Sで自動的に比率を切り換える代わりに、手動で切り換えることもできる。
風車速度を2分して用いるための歯車増速手段のうち、片方の増速手段の増速比率はゼロでも差し支えない。例えば、低比率用の増速手段の歯車を同じ径にして、増速も減速も不能とする。
図2は風車の回転速度を平歯車で2分する実施形態とブラシを使用しない実施形態の側面図である。図1の場合と同様に、風車1の回転軸2で回転される大径平歯車11と小径平歯車12とを有し、それぞれの平歯車11、12で回転される増速平歯車13、14を有している。増速平歯車14は増速比率の低い低比率用であるのに対し、増速平歯車13は増速比率の高い高比率用である。
なお、比率の切り換え装置は、ブラシレスの実施例である。
以上の構成において、検出器9から出力される検出信号Sで制御されるクラッチ手段は、電磁クラッチに限られず、流体クラッチなども有る。
なお、夏期のように風速が弱くなったら、公知のブレーキ手段で風車の回転を止めてから、高比率の増速手動に手動で切り換えることも可能である。
図1のようにブラシが摺動する実施形態に代えて、ブラシレスも可能である。すなわち、図2のように、左端のみ電磁石Mg1とし、真ん中の電磁石Mg2に代えて永久磁石から成る連結リングとし、右端の電磁Mg3に代えて磁性体又は永久磁石から成る高比率リングとする。そして、磁力だけでは力の伝達が困難な場合を想定して、凹凸で回転力を伝える構造を採っている。
いま、10m以上の強風が吹いて、風車の回転速度が高いために低い比率で増速したい場合は、検出信号Sによって図の上端の電磁石Mg1の電源がオンされ、永久磁石リング75と逆極性に磁化されると、永久磁石リング75が吸引されると共に互いに凸が凹に嵌入して、回転円筒8が低比率で回転され、スプライン軸81を介して増速機が駆動され、発電機が定格の1500rpm 〜1800rpm で駆動されて発電が行われる。
逆に、例えば10m以下の弱風になると、風車の回転速度が低いために高い比率で増速しないと発電機をカットインできないので、検出信号Sによって電磁石Mg1が逆極性すなわち永久磁石リング75と同極性になるように通電され、互いに反発し合うと共に永久磁石リング75が磁性リング76に押し付けられて、互いに凸が凹に嵌入し、回転円筒8が高比率で回転される。
その結果、スプライン軸81を介して増速機が駆動され、発電機が定格の1500rpm 〜1800rpm で駆動されて発電が行われる。
このように、比率の切り換え装置は、いろいろな実施形態が可能である。
図1、図2は1台の風車で1台の発電機を駆動するの対し、図3は2台の風車で1台の発電機を偶力を利用して駆動する例であり、風力が弱い場合に適している。
例えば、2台の風車1、1’の出力軸に取付けた歯車z1、z2で偶力を利用して駆動される歯車z3を配設する。このように偶力で合成された出力軸2’’=図1、図2の出力軸2である。
図4は、2台の鉛直軸型風車4、4’の出力軸に取付けた歯車z1、z2で偶力を利用して駆動される歯車z3を配設した例である。
図5は、歯車に代えて、タイミングベルト15、16を用いた例であり、チエーンを代用することをできる。
次に図6は、水平軸型の風車1で3台の発電機E1〜E3を駆動する実施形態を示す側面図である。
鉛直軸型の傘歯車Z1、Z2は大径の傘歯車であり、互いに対向するように上下を向いている。また、Z3、Z4は、前記傘歯車Z1、Z2間に配設された傘歯車で、小径の傘歯車である。
そして、小径の傘歯車Z3の回転軸を水平軸型の風車1の出力軸2は接続してあり、反対側の小径の傘歯車Z4の出力軸を発電機E1の駆動軸3と接続してある。
発電機E2、E3のように、その駆動軸3を鉛直にできれば、大径の傘歯車Z1、Z2で発電機を駆動することもできる。
紙面と垂直方向の発電機を、手前方向と奥方向の2方向に配設して、大径の傘歯車Z1、Z2で駆動すれば、一つの風車で三つの発電機を駆動できる。
しかも、すべての歯車が180度異なる2位置で駆動力を受けるので、偶力で駆動されることになり、安定的にかつ小さい力で駆動されることになる。
この実施形態の場合、図7のように発電機E1に代えて、水平軸型の風車1’を出力軸2’を介して後部にも取付けるダウンウインド方式の風車を採用すると、各発電機の駆動力をより大きくすることができる。
発電機E2、E3に代えて、鉛直軸型風車を採用すると、風車が増えるので、微風でも発電可能となる。
図8は、大径の傘歯車Z1、Z2を内側の小径傘歯車Z11、Z21と外側の大径傘歯車Z12、Z22とに2分割した例である。
そして、大径傘歯車Z12、Z22が風車1側の大径傘歯車Z30と、小径傘歯車Z11、Z21が発電機E5側の小径傘歯車Z10とそれぞれかみ合っている。従って、一つの風車で三つの発電機を駆動できる。
このように、大径傘歯車Z12、Z22が風車1の回転力で駆動され、小径傘歯車Z11、Z21で発電機E5を駆動するので、より高速で駆動できる。
また、外側の大径傘歯車Z12、Z22でも発電機E2、E3を駆動する場合は、負荷を高速駆動できるという効果は無いが、負荷を増やすことはできる。なお、発電機E2、E3に代えて鉛直軸型の風車を設ければ、複数の風車の回転力を合成できるので、微風でも発電可能となる。
図9は鉛直軸型の風車4の出力で発電機を駆動する実施形態を示す側面図である。
傘歯車Z1、Z2は鉛直軸型の大径傘歯車で、互いに対向するように上下を向いており、Z3、Z4は、前記傘歯車Z1、Z2間に配設された小径の傘歯車である点は、図6と同じである。
そして、大径の傘歯車Z1の中心の回転軸を鉛直軸型の風車4の出力軸5と接続してあり、反対側の大径の傘歯車Z2の回転軸を発電機E6の駆動軸3と接続してある。
大径傘歯車Z1、Z2から偶力を受ける小径の傘歯車Z3、Z4で駆動される発電機E4、E5で発電されるが、紙面と垂直方向の発電機を、手前方向と奥方向の2方向に配設して、大径の傘歯車Z1、Z2の偶力で駆動することもできる。
このように、すべての歯車が180度異なる2位置で駆動力を受けるので、偶力で駆動されることになり、安定的にかつ小さい力で円滑に駆動される。
この実施形態の場合、発電機E6に代えて、鉛直軸型の風車(ただし、風車4とは逆回転)を取付けると、発電機の駆動力を大きくすることができる。発電機E4又はE5に代えて、水平軸型の風車を設けると、駆動力が更に大きくなり、微風でも発電可能となる。
図10は、大径の傘歯車Z1、Z2を内側の小径傘歯車Z11、Z21と外側の大径傘歯車Z12、Z22とに2分割した例である。
そして、大径傘歯車Z12、Z22が鉛直軸型の風車4、4’側と接続されるが、上側の大径傘歯車Z12は上側の風車4で駆動され、下側の大径傘歯車Z22は下側の逆転風車4’で駆動して、全体の駆動力を大きくすることも可能である。
一方、小径傘歯車Z11、Z21が発電機E5側の小径傘歯車Z10と偶力が発生するように2箇所でかみ合っている。なお、前記のように、紙面と垂直方向の発電機を、手前方向と奥方向の2方向に配設することもできるが、この2方向の発電機を駆動する傘歯車は、Z30のような大径でもよいし、Z10のような小径でもよい。
このように、大径傘歯車Z12、Z22が鉛直軸型風車で駆動され、小径傘歯車Z11、Z21や外側の大径傘歯車Z12、Z22で発電機E5、E4を駆動するので、回転数や負荷の異なる発電機を駆動でき、負荷の数を増やすことで使い勝手が良くなる。
なお、発電機E4に代えて水平軸型の風車を設けると、駆動力が更に大きくなり、微風でも発電可能となる。
風車1、4、4’は模式図で小さく図示してある。また、垂直軸型風車4’に代えて、発電機を設けることも可能である。
各発電機の前段には通常、増速機が装備されるが、図示を省略してある。1〜3台の風車で複数の発電機を駆動する場合は、複数の発電機を駆動できるように、風車の駆動力と総ての発電機による負荷の大きさとのバランスを考慮することは言うまでもない。従って、複数の発電機を駆動する場合は、発電機は、弱い風力でも駆動可能な小型にならざるを得ない場合も有りうる。
図示のギヤーボックスは、4つの傘歯車を四角形に配置する例であるが、理論上は傘歯車を3つ配設した3角形や5個以上配設した5角形以上も可能である。
図6〜図10は風力をそのまま使用する図であるのに対し、風車1、1’、4、4’の出力軸2、5の出力端に図1、図2の2分装置を装備すると、より効率的に風力を利用できる。
また、図6〜図10で複数の発電機を駆動している際に、風速が低下して使用する発電機の数を減らすには、図1、図2のクラッチ手段を、信号Sでオフにして、使用を止める発電機を自動的に停止するか、又は手動で止めれば足りる。
風速が低下した場合に小型の発電機に切り換えるには、図6〜図10において、大型の発電機を止めて、小型の発電機を始動すれば足りる。前記の手法で、自動的又は手動で行われる。
図1、図2の2分気置は、鉛直の状態で使用すると、個々の部品が重力で下降する恐れが有るので、2分装置は水平の状態で使用するのが好ましい。従って、図2の平歯車を使用した2分装置を鉛直軸型風車に用いる場合は、傘歯車等を用いて、90度方向変換することになる。
これに対し、図1の傘歯車を使用した2分装置は、軸2を立てれば、鉛直軸型の風車にも使用できる。
図3〜図10では、風力が弱い場合は、他の風車の回転力をアシストに利用しているが、一旦蓄電池に蓄えておいて発電機の駆動に利用することも可能である。この場合の蓄電は、通常の風力で発電した蓄電池を利用してもよい。
また、風力発電装置を利用して蓄電した場合に限らず、太陽電池を利用して蓄電した蓄電池を利用して、風車の回転をアシストしてもよい。
従って、図3〜図10における一部の風車や発電機に代えて、蓄電池で作動するモーターを利用して、他の風車の回転力が弱い場合にアシストすることもできる。
以上のように、本発明の歯車機構によると、複数台の発電機を駆動する場合に、安定性の良い偶力を利用して、かつ複数の負荷を駆動できるので、用途に応じた各種の負荷を駆動する場合に有効である。また、逆に複数の風車でより少ない発電機を駆動したり、風速や風車の回転速度を検出して、回転数の多い領域と多くない領域に2分すると共に、多い領域に比べて、多くない領域の増速比率を大きくするので、強風によって高速回転する場合も、弱風で低速回転する場合も発電でき、可能な限り発電範囲を拡大し、風力をより有効利用することが出来る。
1・1’ 水平軸型の風車
2 水平軸型の風車の回転軸
3 発電機の駆動軸
4・4’ 垂直軸型の風車
5 垂直軸型の風車の出力軸
E1〜E6 発電機
Z1・Z2 大径の傘歯車
Z3・Z4 小径の傘歯車
Z11、Z21 内側の小径傘歯車
Z12、Z22 外側の大径傘歯車
Z10 発電機側の小径傘歯車
61 小径傘歯車
62 大径傘歯車
71・72 増速傘歯車
73 大径軸部
74 小径軸部
Mg1・Mg2・Mg3 電磁石
8 回転円筒(比率の切り換え装置)
81 スプライン軸
B 導電性のブラシ
9 風車の回転速度の検出器
S 回転信号
11 大径平歯車
12 小径平歯車
13・14 増速平歯車
15・16 タイミングベルト
請求項1は、風力が強くないことを検出した場合に、
増速比の大きな歯車を選択すべく、増速比の大きな歯車の軸の回転を、回転円筒と連動するリングと磁力で吸着して伝動し、発電機を駆動することで、風力が強くない場合の増速比率を大きくするか又は複数の風車の出力を合成することで風車数より少ない数の発電機を駆動することによって、1以上の発電機を駆動する風力発電装置の伝達方法であり、
請求項2は、風力が強くないことを検出した場合に、
増速比の大きな歯車を選択すべく、増速比の大きな歯車の軸の回転を、回転円筒と連動するリングと磁力で吸着して伝動し、発電機を駆動することで、風力が強くない場合の増速比率を大きくするか又は複数の風車の出力を合成することで風車数より少ない数の発電機を駆動することによって、1以上の発電機を駆動する構造とした風力発電装置の伝達機構である。
つまり、請求項1は方法の発明であるのに対し、請求項2は物の発明である。そして何れの請求項も、風力又は風車の回転速度を検出し、その結果、風力が強くない場合すなわち風力が弱い場合は、増速比の大きな歯車を選択すべく、回転円筒と連動するリングと磁力で吸着して伝動し、発電機を駆動することで、風力が強い場合に比べて、強くない場合の増速比率を大きくする。このように、風力や風車の回転速度に応じて増速比率を切り換えてから、発電機の前段の通常の増速機で増速する。なお、風車の回転速度の検出はどの部位で行なってもよい。
また、複数の風車の出力を図3〜図10のように合成することで風車数より少ない数の発電機を駆動することによって、1以上の発電機を駆動することもできる。
請求項1、2によると、風力又は風車の回転速度を検出し、その結果、風力が弱い場合は、増速比の大きな歯車を選択すべく、回転円筒と連動するリングと磁力で吸着して伝動し、発電機を駆動することで、風力が強い場合に比べて、弱い場合の増速比率を大きくしてから、発電機の前段の通常の増速機で増速したり、複数の風車の出力を合成して、風車数より少数の発電機を駆動するので、強風によって高速回転する場合も、夏場のように弱風の場合も発電でき、可能な限り発電範囲を拡大し、風力をより有効利用することが出来る。

Claims (7)

  1. 風力が強くないことを検出した場合に、風力が強い場合に比べて、強くない場合の増速比率を大きくするか、駆動する発電機を減らすか又は強くない風力でも駆動可能な小型の発電機に切り換えるか又は複数の風車の出力を合成することでより少ない数の発電機を駆動することによって、1又は複数の発電機を駆動することを特徴とする風力発電機の駆動方法。
  2. 風力が強くないことを検出した場合に、風力が強い場合に比べて、強くない場合の増速比率を大きくするか、駆動する発電機を減らすか又は強くない風力でも駆動可能な小型の発電機に切り換えるか又は複数の風車の出力を合成することでより少ない数の発電機を駆動することによって、1又は複数の発電機を駆動することを特徴とする風力発電機の駆動装置。
  3. 水平軸型風車の出力軸に傘歯車を設けると共に前記傘歯車を挟むように傘歯車を垂直向きに互いに対向するように一対配置し、
    少なくとも前記一対の傘歯車の間に発電機を駆動する傘歯車を配設することを特徴とする請求項2に記載の風力発電装置の伝達機構。
  4. 一対の大径傘歯車の内側に小径傘歯車を固設し、
    前記一対の大径傘歯車は風車側の傘歯車と、また前記の小径傘歯車を発電機側の傘歯車とそれぞれかみ合わせることを特徴とする請求項2に記載の風力発電装置の伝達機構。
  5. 鉛直軸型風車の出力軸に傘歯車を垂直向きに配設すると共に前記傘歯車と対向する傘歯車を配置して発電機を駆動するか風車を連結し、
    しかも前記一対の傘歯車の間に発電機を駆動するか又は風車で回転する傘歯車を配設することを特徴とする請求項2に記載の風力発電装置の伝達機構。
  6. 一対の大径歯車の内側に小径傘歯車を連結すると共に鉛直軸型風車で駆動する構造において、
    前記小径傘歯車を発電機側の傘歯車とかみ合わせ、一対の大径歯車の間の大径歯車を発電機又は水平軸型風車と連結することを特徴とする請求項2に記載の風力発電装置の伝達機構。
  7. アップウインド方式の風車と対向する位置にダウンウインド方式の風車を設けるか及び/又は鉛直軸型風車を複数設けて、複数の風車で発電機を駆動する構造であることを特徴とする請求項2に記載の風力発電装置の伝達機構。
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