JP2012232735A - 自動復元フレームと航空機 - Google Patents

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Abstract

【課題】転倒した姿勢から直立姿勢へ自動的に復元する航空機を提供する。
【解決手段】自動復元中央垂直軸から上方へ向けて伸びる突起部158を有する自動復元フレーム構成140を有している。フレーム構成内の中央ボイド146内部に設置することができ、浮上力を発生させる。電源176は自動復元フレーム内の中央ボイド内部に設置され、稼働可能状態で最低一つのローター172,173に接続され、そのローターに回転可能な電力を供給する。自動復元フレーム内の中央ボイド内部には、航空機を遠隔操作で離陸、飛行、着陸させるために電源に通信可能な状態で相互接続された、遠隔操作指令を受信するための電子装置178も設置されている。
【選択図】図2

Description

本開示は、概して、一つの安定した姿勢に自動復元するフレーム及びフレーム構成を実現するための装置及び方法に関するものである。より具体的にいうと、本開示は、フレームが地表に置かれた際の最初の方向に関係なく、上方に向けて自動的に復元する卵型のフレームに関するものである。
遠隔操作(RC)型飛行機は長年にわたり愛好家たちに好まれてきた。もともと、RC型飛行機が人気を得た当初は、ラジオコントロールは比較的高価であり、また、モデル飛行機の遠隔操作性を確保するために必要なバッテリー、レシーバー、及び様々なサーボの重量を運ぶためには比較的大型のモデルである必要があった。このような飛行機は、典型的には、バルサ木材のような軽量資材を使用して愛好家がオーダーメードで作成していた。その結果、このようなRCモデルは愛好家が時間、労力、経験、及び金銭を相当につぎ込むことで知られていた。さらに、このような投資が必要であったため、愛好家は安全に操作して事故を防止するためにモデル飛行機操縦の高度な専門知識を有している必要があった。事故が起こった場合には、ほとんどの場合モデルは重大な構造的ダメージを負い、高価な修理が必要となるか、もしくはゼロから作り直さなければならなくなった。このような理由から、この手の趣味に参加できるのは必要とされる時間や金銭の投資ができる一部の人に限られていた。
電機業界の革新により電子装置の小型化と低価格化が進むにつれて、ラジオコントロールユニットのコスト及びサイズも低下し、より多くの愛好家らがこれらの機器を購入できるようになった。さらに、このような進歩はバッテリー、レシーバー、サーボ等の軽量化にもつながり、より小型かつ軽量のモデル飛行機が登場した。そのため、エアフレームの製作はよりシンプルになり、もはや以前に必要とされていたような高度なモデリングの専門知識は必要とされなくなった。構造のシンプルさやエアフレームの耐久性は、合成プラスチック、発泡材、合成材等のより現代的な材料の登場によっても高められ、エアフレームは事故が起こっても最小限のダメージもしくは全くダメージを受けずに済むほどになった。
しかし、このようなRCモデルであっても航空力学による制約、つまり離陸・着陸のための滑走路を必要とするという制約は依然として受けていた。必要となる滑走路(たとえ比較的短い草の生えた滑走路であっても)の長さはRCモデルの大きさによって異なるが、滑走路が必要であるためにこのようなモデルを飛ばす場所は通常の裏庭とは異なる所定のエリアに追いやられていた。この点、モデルヘリコプターは、その基となった実物のヘリコプターと同様に滑走路を必要とせず、狭く囲われた場所からでも発進できる。しかしながら、シングルメインローターのヘリコプターは、実物大のものであろうとモデルであろうとテールローターを必要とし、そのテールローターによって飛行中の回転モーメントないしメインローターのトルクに反対する力を発生させなければならない。メインローターとテールローターを有するヘリコプターを飛ばすためには、固定翼の航空機を飛ばすために必要とされる専門知識よりもさらに相当高度な専門知識が必要とされ、そのためこの趣味を楽しむことができる愛好家の数は限られている。
モデルヘリコプターを遠隔操作で飛ばすことの難しさは、逆方向に回転する二つのローターを積んだバッテリー駆動小型組立てモデルによって、少なくとも部分的には解決された。二つのローターを逆方向に回転させることにより、機体に均衡した力量の逆作用モーメントないしトルクを発生させることができ、その結果、ヘリコプター式の垂直離着陸モデルを操縦することの複雑さが一つ取り除かれた。しかしこれらのモデルは通常、その構造及び機体上部にローターが設置されていることが原因となって、着陸時に一方側面に傾いてしまい易いという別の制約も抱えている。このような事態が生じた場合、操縦を継続するためには機体の姿勢を立て直さなければならず、そのためには操縦者ないしその他の者が離れた場所に着地した機体がある場所まで歩いて行き、操縦者が再度離陸操作を行えるようにその機体の姿勢を立て直さなければならない。
以上より、ヘリコプター式RCモデルの機体が直立方向以外の方向を向いて着地した際に機体の姿勢を立て直すために機体着地地点まで歩いて行く必要なしに遠隔操作をするためには、自動復元構造フレーム及びこれに対応する垂直離陸機のデザインが必要である。
本開示は、概して、自動復元フレーム構成を有する航空機を対象としている。この自動復元フレーム構成は、中央垂直軸を有する二つ以上の垂直フレームを有しており、それらが中心ボイドを形成している。また、垂直フレーム間に存在する間隔を一定に保つために、垂直フレームには少なくとも一つの水平フレームを固定し、垂直フレームの内部表面周辺を拡張することが望ましい。その固定された一つ以上の水平フレームが構造的支柱となり、垂直フレームの剛性を下げることが可能となる。垂直フレームがそれだけで構造として十分となるように設計されている場合には、一つ以上の水平フレームは省略可能である。フレーム構成の重心がフレーム構成の底部付近に来るようにするため、フレーム構成内の底部付近には中央垂直軸に沿って錘が設置されている。垂直軸の先端部には、フレーム構成が転倒した際に自動復元プロセスを開始させるために必要な最初の不安定性を与えるために、垂直フレーム上部を拡張する突起部を設置することが望ましい。転倒時の不安定性を最大化するために自動復元フレーム構成の同部分の支持表面積を小さくするように設計されている場合には、この突起部は取り除くことが可能である。フレーム構成が転倒し、地表にもたれかかる姿勢となった場合には、フレーム構成はその突起部と一つ以上の垂直フレームの一点において地表に接触する。突起部は垂直軸の先端部から垂直フレーム上方へ伸びることによって中心軸を垂直方向から水平方向へ向けて鋭角にし、重心を垂直フレームの接地点を超えた先まで移動させ、もってフレーム構成が直立均衡姿勢に戻るための復元モーメントを生み出す。
ある形態では、転倒姿勢から直立姿勢へ自動復元できる航空機は、中央垂直軸から上方に向かって突き出す突起部を有する自動復元フレーム構成を有している。航空機が地表に転倒した際には、この突起部が自動復元プロセスの開始に必要な最初の不安定性を発生させる。自動復元フレーム構成内の中心ボイド内部には一つ以上のローターが回転可能な状態で設置されており、これが浮上力を発生させる。自動復元フレーム構成内の中心ボイド内部には電源も設置され、回転に必要な電力をローターに供給するために、一つ以上のローターに稼動可能な状態で接続されている。自動復元フレーム内の中央ボイド内部には電源が設置され、稼働可能状態で最低一つのローターに接続され、そのローターに回転可能な電力を供給する。自動復元フレーム内の中央ボイド内部には、航空機を遠隔操作で離陸、飛行、着陸させるために電源に通信可能な状態で相互接続された、遠隔操作指令を受信するための電子装置も設置されている。
ある形態では、転倒姿勢から直立姿勢へ自動復元できる航空機は、交差する二つ以上の小判型垂直フレームを有する自動復元フレーム構造を有している。このフレームは中心ボイドを形成し、各フレームは垂直マイナー軸と水平メジャー軸を有し、各フレームはそれぞれの垂直マイナー軸のところで交差している。二つの水平フレームは垂直フレームに固定されており、垂直フレーム相互間の距離を一定に保つために垂直フレームの内部表面周辺を拡張している。フレーム構成の重心がフレーム構成の底部付近に来るようにするため、フレーム構成内の底部付近には中央垂直軸に沿って錘が設置されている。垂直軸の先端部には、少なくともその一部に球形を有する突起部が設置され、航空機が地表に転倒した際に自動復元プロセスを開始するために必要な最初の不安定性を与えるために、垂直フレームの上を伸ばしている。フレーム構成が転倒し、地表にもたれかかる姿勢となった場合には、フレーム構成はその突起部と一つ以上の垂直フレームの一点において地表に接触する。突起部は垂直軸の先端部から垂直フレーム上方へ伸びることによって中心軸を垂直方向から水平方向へ向けて鋭角にし、重心を垂直フレームの接地点を超えた先まで移動させ、もってフレーム構成が直立均衡姿勢に戻るための復元モーメントを生み出す。少なくとも二つのローターが回転可能な状態で自動復元フレーム構成内のボイド内部に設置されている。この二つのローターは中心軸に沿って同軸となっており、相互に逆回転する。そのローターは浮上力を発生させ、各ローターは水平フレームの一つとほぼ共面となる。錘の内部には電源が設置され、稼働可能状態でローターに接続され、そのローターに回転可能な電力を供給する。錘の内部には、航空機を遠隔操作で離陸、飛行、着陸させるために電源に通信可能な状態で相互接続された、遠隔操作指令を受信するための電子装置も設置されている。
ある形態では、自動復元航空機は有人にも無人にも設計できる。自動復元航空機は、対象とする適用に応じてあらゆる合理的なサイズにすることができる。自動復元航空機は、人や荷物を運ぶために大型にすることもできるし、ラジオコントロールの玩具のように小型にすることもできる。
ある形態では、垂直及び水平の推進装置は当業者に既知のなんらかの装置でよい。これは、回転装置、ジェット推進、ロケット推進等を含む。
ある形態では、フレームは自動復元構造を採用することが望ましい様々な適用に利用することができる。これは、様々な乗物一般、建築機器、回転支持部材、玩具等を含む。
後述の明細、請求、及び添付図面を参照することで、当業者は、本発明の上記及びその他の特徴、形態、及び利点をさらによく理解し、認識するはずである。
以下では、添付図面を参照しながら例を用いて本発明を説明する。同じ参照番号は同じ構成部品を指す。添付図面の記載事項は以下のとおり:
図1では、本発明に従った自動復元フレームを有する航空機の概観;
図2では、航空機を45度斜めから見た側面図;
図3では、航空機の側面図;
図4では、航空機の平面図;
図5では、航空機の低面図;
図6では、図4の航空機を線6-6に沿って見た横断図;
図7では、航空機を遠隔操作しているユーザーの透視図;
図8では、転倒して地表にもたれかかっている航空機の正面図;
図9では、地表にもたれかかった姿勢から自動復元プロセスが開始している航空機の正面図;
図10では、地表にもたれかかった姿勢から自動復元プロセスを継続している航空機の正面図;
図11では、地表にもたれかかった姿勢からおよそ半分まで自動復元した航空機の正面図;
図12では、地表にもたれかかった姿勢から半分以上まで自動復元した航空機の正面図;
図13では、地表にもたれかかった姿勢から自動復元をほぼ完了した航空機の正面図;
図14では、自動復元をほぼ完了した図13の航空機を反対側から見た正面図;
図15では、自動復元プロセスを完了した航空機の正面図;
図16では、ユーザーが航空機を遠隔操作するための典型的な遠隔操作ユニットの図。
様々な方向から見た図の全て通じて、同じ参照番号は同じ部品を指す。
以下の詳細説明は性質を説明するためだけのものであり、説明されている実施形態ないし適用、及び実施形態の使用を制限する意図はない。ここで使用される限り、「例示的」ないし「例証的」という用語は「例示、実証、ないし例証として働く」という意味である。ここで「例示的」ないし「例証的」として説明されている実施形態は、必ずしも他の実施形態よりも好ましいないし優れていることを意味しない。以下で説明されている全ての実施形態は、当業者が本開示にかかる実施形態を作成ないし使用できるようにするための例示的実施形態であり、出願請求で定義される本開示の範囲を制限する意図を含まない。本説明のために使用される限り、「上方」「下方」「左方」「後方」「右方」「前方」「垂直」「水平」等の用語、およびこれらの派生語は、図1に示された発明の方向に対応する。また、先行技術分野、背景、簡単な説明、ないし以下の詳細な説明の中で明示的ないし暗示的に触れられている理論に拘束される意図もない。添付図面で例証されている特定の装置やプロセス、及び以下の詳述において説明されている特定の装置やプロセスは、別紙請求で定義されている発明概念の単なる例示的実施形態に過ぎない。よって、ここで開示されている実施形態に関わる特定の寸法や物理的特性は、請求において明示的に述べられている場合を除き、制限を課すものではない。
図面について説明すると、図面1は、140番の自動復元フレームを組み込んだ120番の遠隔操作航空機の図であり、これは本開示の望ましい形態の一つであり、様々な構成部品を例示している。
図1から6を見ると、120番の航空機と140番の自動復元フレーム構成に、ほぼ同形の垂直フレーム142番が二つ以上組み込まれており、このフレームが交差することによってできるその交差軸が140番の自動復元フレーム構成の中央垂直軸150番にもなっている。142番のフレームは、140番の自動復元フレームの外面がほぼ同じ角度になるように相互に方向付けられている。
142番の各フレームは、142番のフレームの外周に切れ目なくつながった外側カーブを有している144番の外縁を形成している。142番のフレームが有する144番の外側カーブは円形である場合もあるが、望ましい形態においては、142番のフレームはほとんどの場合、142番のフレームの水平軸をメジャー軸(図2の186番のaの寸法)、142番のフレームの垂直軸をマイナー軸(図2の187番のbの寸法)とする楕円形である(つまり、186番のaは187番のbよりも大きい)。142番のフレームは148番の内周も有しており、142番のフレームが150番の軸の周りを回転する際には、この内周が146番の中央ボイドを形成する。142番のフレームの底部であり140番のフレーム構成の底部でもある124番は、楕円形ではなく150番の中心軸を囲んだ平面となっている。142番のフレームの124番の平面底部は、140番の楕円形フレーム構成が安定して直立するために有用である。
少なくとも一つの152番の水平フレームは146番の中央ボイドの内周まで届いている。152番の二つの水平フレームが相互に上下間隔を空けながら両方とも146番のボイドの内周まで届いている形態が最も望ましい。152番のフレームは142番の各フレームの内周148番にほぼ固定されており、複数ある142番のフレーム相互間の間隔を適切に固定して維持している。つまり、142番のフレームの角度をその隣の142番のフレームとの関係においてほぼ同一にしている。
140番のフレーム構成には154番の錘が設置され、動かないように固定されている。図に例示されているように、154番の錘は、複数の142番のフレームの底部124番付近に、150番の中央垂直軸に沿って、固定された状態で固定されている。154番の錘を固定する方法は、図に例示されているように142番のフレームを154番の錘の外面形に合わせる方法でも良いし、メカニカルファスナー、糊やエポキシ等の接着剤、その他の業界既知の接着手段を用いても良い。152番の錘の望ましい位置と重量は、120番の航空機の重心が120番の機体の底部である124番にできる限り近づくように選択するが、できるだけ154番の錘のフォームファクタの範囲内であることが望ましい。
140番のフレーム構成の頂上部分である122番には、158番の突起部が取り付けられている。158番の突起部は、142番のフレームの外縁である144番から上外方へ向けて伸びており、望ましい形態においては、158番の突起部の最先端には160番の球形部が付いている。当分野の熟練者であれば本開示により容易に認識することであるが、158番の突起部は、140番のフレーム構成が102番の地表(図8、9)に転倒した際に158番の突起部と102番の地表(図9)とが接する194番の接地点(図9)が一点のみとなる形であれば、どのような形でも良い。
図1から6、なかでも特に図2と図6に例示されているように、140番の自動復元フレームは120番の垂直離着陸型航空機(VTOL)への適用が容易である。ここでは遠隔操作飛行モデルが例示されている。120番の航空機は、140番の自動復元フレーム構成を有し、さらに120番の航空機を飛行中に操縦したり上昇させたりするための170番の上昇操縦メカニズムを有している。170番の上昇操縦メカニズムは、飛行中に航空機に電力を供給しこれを操縦するために、176番の電源と178番の遠隔操作電子装置を有している。例示されている176番の電源は電池と電動機から構成されることを想定しているが、飛行可能な航空機に使用されている他の器機構成も想定可能である。178番の遠隔操作電子装置は遠隔操作無線周波数(RF)信号を受信し、この信号を制御入力に変換して176番の電源に入力し、120番の航空機の方向と速度を操作することができる。176番の電源と178番の電子装置は遠隔操作ヘリコプターに使用されている類似メカニズムとほぼ同じもの、もしくは適応するように調整が施されたものが想定されているが、120番の航空機に合わせたユニークかつ当分野の熟練者に知られたデザインも可能である。
176番の電源と178番の電子装置は、154番の錘の内部に収納され、前述した錘の機能に貢献することが望ましい。174番の回転マストは154番の錘から上方に向かって伸びて176番の電源とつながっており、150番の中心軸と重複している。172番の空力ローターのうち少なくとも一つは174番のマストに固定されており、これが十分なスピードで回転すると120番の航空機を飛行オペレーションのために空中へ飛行させる上昇力を発生させる回転翼として機能する。しかし、上昇力を発生させる回転空力ローターを採用している全ての航空機がそうであるように、120番の航空機もまた140番の自動復元フレーム構成の回転安定性を維持するために逆トルクメカニズムを必要とする。120番の航空機は、176番の電源から電力供給を受けて回転する173番の第二空力ローターを有する形態が望ましい。この場合、172番及び173番の各ローターは図2及び図3に例示されているように152番の各水平フレームとほぼ共面となる。しかし、173番のローターは172番のローターとは逆方向に回転するように調整されており、172番のローターから発生するトルクに逆トルクを与える。このような同軸に逆回転するローターが取り付けられているシステムは、VTOLの設計では良く知られたものである。ここで想定しうる当業者に既知の逆トルクシステムには、一つのメインローターに加えて140番のフレームの外周付近にメインローターに対して直角に設置された第二の小型ローターのような第二メカニズムを有するシステムや、側面に二重の逆回転ローターを別々に有するシステム等がある。
170番の上昇操縦メカニズムは、その一方の端に181番の錘が付き逆端は172番及び173番のローターと一体となって回転するために174番のマストに回転可能な状態で固定されている180番のスタビライザで構成された、安定化メカニズムを有することもある。180番のスタビライザと181番の錘は、回転中は回転面において比較的安定した状態にあり、120番の航空機の安定飛行に資する。180番のスタビライザと191番の錘は、ヘリコプターデザイン技術の分野で知られている形状である。
図7と16を参照すると、120番のVTOL型航空機の飛行オペレーションを示しており、104番のユーザーが106番の遠隔操作コントローラーを使用して102番の地表から離陸し上空を飛行させるために120番の航空機へ向けて操作信号を送信しているところである。106番の遠隔操作コントローラーは、図16に詳しく示されているとおり、104番のユーザーが握るための110番のハンドルを形成している108番のケースを含んでいる。108番のケースは、120番の機体の遠隔操作飛行を可能にするために、120番の機体へ向けて送信されるRFコントロールシグナルを発生・伝達するための電子回路(図には描かれていないが)を内蔵している。106番のコントローラーは、バッテリーを再充電するための114番のパワーコードの他、111番の電源スイッチや、104番のユーザーが120番の機体を縦横に移動させて120番の機体を離陸、飛行、着陸させるために必要な指令信号を発生させるための112番、113番のジョイスティック等の制御装置を有している。
遠隔操作ヘリコプターの飛行オペレーション中に発生する主な問題の一つは、機体がひっくり返ったり、直立していない姿勢のまま着地したりした場合に発生する。このような場合、ユーザーはオペレーションを再開する前に、機体がある場所まで移動して機体の向きを修正しなければならない。120番のVTOL航空機に組み込まれた140番の自動復元フレームにより、直立していない姿勢で着地してしまった場合でも、120番の機体はユーザーの助けなしで自動的に向きを修正することができるようになる。
120番の航空機が転倒した姿勢で着地するという最悪のケースと、そこからの自動復元プロセスは図8から15に例示されており、ここで詳しく説明する。図8では、120番の機体は102番の地表に転倒という最悪の姿勢で着地したと仮定しており、そこでは120番の航空機は158番の突起部に組み込まれている160番の球形部分の一点において102番の地表にもたれかかっていると仮定している。160番部分が球形をしているため、もしくは160番部分が円錐形等の転倒した際の接地点が一点のみとなるような球形以外の形状をしているため、まずは158番の突起部が140番のフレーム構成に最初の不安定性を与える。さらに、その最初の不安定性は154番の錘によって高められ、その結果、156番の重心が、158番の突起部の160番部分の一点のみの接地点の反対側の最も遠い場所へと移動する。最初の不安定性が189番のモーメントMの力を発生させ、160番部分の接地点周辺から120番の機体を回転させ始める。
図9を見ると、120番の機体は図8に描かれているような最初の不安定姿勢から均衡のとれる姿勢をとろうとし始める。メカニカルアートの経験者であれば容易に分かることであるが、このような均衡姿勢が生じるのは、フレーム構成が102番の地表に三点で接し接地平面を構成するとともに、120番の機体に生じる188番の荷重ベクトルを垂直に伸ばした線が、140番のフレーム構成が102番の地表に接地する三点で構成される三角形の範囲内に来た時である。図9に例示されているように、158番の突起部は160番の球形部分とともに、142番のフレームの小判型輪郭の上部で193番のZの寸法距離を伸ばしている。120番の機体が158番の突起部の接地点194番から一方側に傾くと、142番のフレームの外端144番は195番のフレーム接点で102番の地表と接する。142番のフレーム上にある158番の突起部と160番部分が193番のZの寸法を延伸することにより、150番の中心軸の角度が垂直から190番の角度Aの分だけ鋭角になる。
例示されているように、隣り合っている142番のフレームはそれぞれが一つずつ195番の接地点を有しており(図9では、二つ目の142番フレームは例示されている142番フレームの後ろに隠れている)、例示されているとおり、195番の接地点同士を相互に接続した線は図面ページとは直交しており、接地三角形の辺の一本となって120番の機体の接地面を形成している。195番の接地点を結んだ線は、158番の突起部の接地点である194番から192番のYの分だけ広がっている。188番の荷重ベクトルが横方向ないし水平方向へ移動して、188番のベクトルが、158番の突起部の接地点194番及び隣接し合う142番のフレームのそれぞれの195番の接地点二点によって形成される接地三角形を貫く位置に来た場合には、120番の機体は均衡姿勢となり、不安定な姿勢へと乱されるまでその姿勢を維持する。しかし、図9に例示されているように、高さZが角度A形成するため、154番の錘と156番の機体重心は191番の距離Xの分だけ垂直から水平へ向けて移動する。高さZは191番の距離Xが192番の距離Yよりも確実に長くなるように設定される。
図10は、図9の機体を図9の左側方向から見た図であり、図9に描かれている195番の接地点の奥側に154番の錘がついており189番の復元モーメントMを発生させているところであるが、120番の機体は189番の復元モーメントMに従って直立姿勢へ向けて回転を続けている。同様に、図11に例示されているように、154番の錘は垂直姿勢から90度の回転姿勢へ近づいている。当分野の熟練者であれば容易に分かることであるが、望ましい形態においては、120番の機体ないし140番のフレームが102番の地表を回転しても水平フレームの外周152番は102番の地表に接触しない。このように、189番のモーメントMによって引き起こされた自動復元モーションは妨害を受けることなく継続する。
図12から14を見ると、120番の機体と140番のフレームが直立姿勢へ向けて回転を継続し、154番の錘は隣接する142番の垂直フレームそれぞれの接地点が動いている向こう側で絶えず動いている。図12では、154番の錘が90度の姿勢から下に向かって回転しており、図13と図14では、154番の錘が102番の地表付近に近づくとともに120番の機体が直立に近づいており、図14は図13を180度反対側から見た図である。
図15を見ると、120番の機体が安定した直立均衡姿勢となっており、154番の錘は102番の地表に最も近い位置に来ており、120番の機体の直立安定性を保つために124番の平面底が102番の地表への接地面となっている。120番の航空機が自動復元したら、104番のユーザーが事前に120番の機体の場所まで移動してそれを直立させなくても、120番の機体はフライトオペレーションを再開できる。
当業者であれば142番の垂直フレーム量のデザイン選択は分かるはずである。また、152番の水平フレームの数についても同様のことがいえる。推進システムには、シングルローター、同軸に固定された二本の逆回転ローター、同軸ないし異軸に接続された複数のローター、ジェットパック、ロケット推進システム等を使用することができる。
当業者であれば、様々な乗物一般、建築機器、回転支持部材、玩具、文鎮等にも自動復元フレーム構成を適用できる可能性があることが分かるはずである。
140番の自動復元構造フレームは、高さよりも横幅の方が長い物体が自動的に望ましい直立姿勢をとることができるような構造を提供している。 140番の自動復元構造フレームの底部の重量を増やせば、それだけ140番のフレームは自動復元装置の機能を損なわずに高さを低くし、横幅を広くすることが可能となる。
以上で説明した本発明の望ましい形態には細部に様々な修正、変更、改変を施すことが可能であるため、前述の説明に記載された全ての事項及び添付図面に示された全ての事項は例示として解釈されるべきものであり、制限的意味を有しない。よって、本発明の範囲の決定は、別紙請求及び法的にそれと同等となるものによって行われるべきである。

Claims (24)

  1. 以下のもので構成されている航空機のための自動復元フレーム構成:中央ボイドを形成し、中央垂直軸を有し、一定の間隔をあけて並んでいる二つ以上の垂直フレーム;前述のフレーム構成の重心をそのフレーム構成の底部付近に置く目的で、前述の中央垂直軸に沿って前述のフレーム構成の底部付近に組み込まれた錘;;前述の垂直軸に取り付けられ、前述のフレーム構成が転倒した際の自動復元プロセス開始に必要な最初の不安定性を与えるために、前述の垂直フレームから上方へ伸びている突起部;この自動復元フレーム構成は:前述のフレーム構成が転倒して地表面にもたれかかった際、そのフレーム構成は前述の突起部と前述の一つ以上の垂直フレームの一点で地表面に接することとなり、さらに、前述の突起部は前述の垂直軸の前述の先端部から前述の垂直フレーム上方へ伸びることによって前述の中心軸を垂直方向から水平方向へ向けて鋭角にし、前述の重心を前述の一つ以上の垂直フレームの前述の接地点を超えた先まで移動させ、もって前述のフレーム構成が直立均衡姿勢に戻るための復元モーメントを生み出す。
  2. 請求項1記載の自動復元フレーム構成において、前述の二つ以上の垂直フレームを相互に交差させ、さらに互いの角度をほぼ同一にすることによってその交差部分が中央垂直軸を形成しているもの。
  3. 請求項2記載の自動復元フレーム構成において、前述の垂直フレームの外周がほぼ切れ目なくつながった外側カーブを形成しているもの。
  4. 請求項3記載の自動復元フレーム構成において、前述の垂直フレームの横幅の寸法が高さの寸法よりも長いもの。
  5. 請求項4記載の自動復元フレーム構成において、前述の垂直フレームが小判型をしており、さらにその小判型が水平メジャー軸と垂直マイナー軸を有しているもの。
  6. 請求項3記載の自動復元フレーム構成において、前述の垂直フレームが円形であるもの。
  7. 請求項1記載の自動復元フレーム構成において、前述のフレーム構成が転倒して地表面にもたれかかった際、前述のフレーム構成が前述の突起部、前述の一つ目の垂直フレームの外周の一点、及び前述の二つ目の垂直フレームの外周の一点で地表に接し、二つの垂直フレームの接点二つが線を形成し、前述の突起部が垂直フレーム上部で垂直方向に伸びるために前述のフレーム構成の前述の重心が前述の突起部から前述の直線を挟んだ反対側へ来て、前述の復元モーメントを生み出し前述のフレーム構成を直立均衡姿勢へ戻すもの。
  8. 請求項1記載の自動復元フレーム構成において、前述の垂直フレーム相互間の間隔を一定に保つために、前述の垂直フレームに固定されて前述の垂直フレームの内面を拡張している水平フレームを一つ以上有しているもの。
  9. 請求項1記載の自動復元フレーム構成において、前述の突起部が少なくとも部分的に球形であるもの。
  10. 以下のもので構成された、転倒した姿勢から直立姿勢へと自動的に復元する航空機:中央ボイドを形成し、中央垂直軸から上方に向けて伸びて航空機が地表に転倒した際に自動復元プロセスを開始するために必要な最初の不安定性を与える突起部を有する自動復元フレーム構成;前述の自動復元フレーム構成の前述のボイド内部に設置され、浮上力を発生させる一つ以上の推進システム;前述の自動復元フレーム構成に設置され、前述の一つ以上の推進システムを稼働させるための電力を供給するためにその一つ以上の推進システムに稼働可能状態で接続された電源;前述の自動復元フレームの前述のボイド内部に設置され、前述の航空機を遠隔操作で離陸、飛行、着陸させるために前述の電源に通信可能な状態で相互接続された、遠隔操作指令を受信するための電子装置。
  11. 請求項10記載の航空機において、前述の自動復元フレーム構成がさらに以下のものを含むもの:中央ボイドを形成し中央垂直軸を有している二つ以上の垂直フレーム;前述の垂直フレーム相互間の間隔を一定に保つために、前述の垂直フレームに固定されて前述の垂直フレームの内面を拡張している一つ以上の水平フレーム;前述のフレーム構成の重心をそのフレーム構成の底部付近に置く目的で、前述の中央垂直軸に沿って前述のフレーム構成の底部付近に組み込まれた錘;この自動復元フレーム構成は:そのフレーム構成が転倒して地表面にもたれかかった際、そのフレーム構成は前述の突起部と前述の一つ以上の垂直フレームの一点で地表面に接することとなり、さらに、前述の突起部が前述の垂直軸の前述の先端部から前述の垂直フレーム上方へ向かって伸びるため前述の中心軸を垂直方向から水平方向へ向けて鋭角にし、前述の重心を前述の一つ以上の垂直フレームの前述の接地点を超えた先まで移動させ、もって前述のフレーム構成が直立均衡姿勢に戻るための復元モーメントを生み出す。
  12. 請求項11記載の航空機において、前述の二つ以上の垂直フレームを相互に交差させ、さらに互いの角度をほぼ同一にすることによってその交差部分が中央垂直軸を形成しているもの。
  13. 請求項12記載の自動復元フレーム構成において、前述の垂直フレームの外周がほぼ切れ目なくつながった外側カーブを形成しているもの。
  14. 請求項13記載の自動復元フレーム構成において、前述の垂直フレームが小判型をしており、さらにその小判型が水平メジャー軸と垂直マイナー軸を有しているもの。
  15. 請求項13記載の自動復元フレーム構成において、前述の垂直フレームが円形であるもの。
  16. 請求項10記載の自動復元フレーム構成において、前述のフレーム構成が転倒して地表面にもたれかかった際、前述のフレーム構成が前述の突起部、前述の一つ目の垂直フレームの外周の一点、及び前述の二つ目の垂直フレームの外周の一点で地表に接し、二つの垂直フレームの接点二つが線を形成し、前述の突起部が垂直フレーム上部で垂直方向に伸びるために前述のフレーム構成の前述の重心が前述の突起部から前述の直線を挟んだ反対側へ来て、前述の復元モーメントを生み出し前述のフレーム構成を直立均衡姿勢へ戻すもの。
  17. 請求項10記載の自動復元フレーム構成において、前述の突起部が少なくとも部分的に球形であるもの。
  18. 請求項10記載の航空機において、少なくとも一つの推進システムが自動復元フレーム構成の中心ボイド内部に回転可能な状態で設置された一つ以上のローターで構成されており、その一つ以上のローターが浮上力を発生させるもの。
  19. 請求項18記載の航空機において、前述の自動復元フレーム構成がさらに以下のものを含むもの:中央ボイドを形成し中央垂直軸を有している二つ以上の垂直フレーム;前述の垂直フレーム相互間の間隔を一定に保つために、前述の垂直フレームに固定されて前述の垂直フレームの内面を拡張している一つ以上の水平フレーム;前述のフレーム構成の重心をそのフレーム構成の底部付近に置く目的で、前述の中央垂直軸に沿って前述のフレーム構成の底部付近に組み込まれた錘;この自動復元フレーム構成は:そのフレーム構成が転倒して地表面にもたれかかった際、そのフレーム構成は前述の突起部と前述の一つ以上の垂直フレームの一点で地表面に接することとなり、さらに、前述の突起部が前述の垂直軸の前述の先端部から前述の垂直フレーム上方へ向かって伸びるため前述の中心軸を垂直方向から水平方向へ向けて鋭角にし、前述の重心を前述の一つ以上の垂直フレームの前述の接地点を超えた先まで移動させ、もって前述のフレーム構成が直立均衡姿勢に戻るための復元モーメントを生み出す。
  20. 請求項19記載の航空機において、前述の一つ以上の水平フレームが前述の一つ以上のローターの回転面とほぼ共面であるもの。
  21. 二つのローターを有する請求項18記載の航空機において、前述のローターが前述の中心軸に沿って同軸となっており、相互に逆回転するもの。
  22. 二つの水平フレームを有する請求項21記載の航空機において、それぞれの水平フレームが前述の二つの逆回転ローターのうちの片方とほぼ共面であるもの。
  23. 請求項19記載の航空機において、前述の錘が前述の電源と前述の電子装置を内包しているもの。
  24. 以下のもので構成された、転倒した姿勢から直立姿勢へと自動的に復元する航空機:以下のもので構成された自動復元フレーム:二つ以上の交差した小判型垂直フレームであって、それぞれのフレームが垂直マイナー軸と水平メジャー軸を有し、そのフレームは中央ボイドを形成するとともに各垂直マイナー軸と重なる中央垂直軸を有しているもの;前述の垂直フレームに固定されて垂直フレーム相互間の空間を一定に保つために垂直フレームの内部表面周辺を拡張している二つの水平フレーム;前述のフレーム構成の重心をそのフレーム構成の底部付近に置く目的で、前述のフレーム構成の底部付近に前述の中央垂直軸に沿ってそのフレーム構成に組み込まれた錘;前述の垂直軸に取り付けられ、前述のフレーム構成が転倒した際の自動復元プロセス開始に必要な最初の不安定性を与えるために、前述の垂直フレームから上方へ伸びている突起部であって、少なくともその突起部の先端部が球形をしているもの;この自動復元フレームは:前述の航空機が転倒して地表面にもたれかかった際、そのフレーム構成は前述の突起部と前述の一つ以上の垂直フレームの一点で地表面に接することとなり、さらに、前述の突起部は前述の垂直軸の前述の先端部から前述の垂直フレーム上方へ伸びることによって前述の中心軸を垂直方向から水平方向へ向けて鋭角にし、前述の重心を前述の一つ以上の垂直フレームの前述の接地点を超えた先まで移動させ、もって前述のフレーム構成が直立均衡姿勢に戻るための復元モーメントを生み出す;前述の自動復元フレーム構成の前述のボイド内部に回転可能な状態で設置された二つ以上のローターであって、その二つのローターが前述の中心軸に沿って同軸となっており相互に逆回転をして浮上力を発生させ、各ローターが前述の水平フレームのうちの一つとほぼ共面となっているもの;前述の錘の内部に設置され、前述のローターに回転可能な電力を供給するために稼働可能状態で前述のローターに接続された電源;前述の錘の内部に設置され、前述の航空機を遠隔操作で離陸、飛行、着陸させるために前述の電源に通信可能な状態で相互接続された、遠隔操作指令を受信するための電子装置。
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