JP2012228850A - 液体吐出装置、及び、液体吐出方法 - Google Patents

液体吐出装置、及び、液体吐出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液体の加温を適切に行う。
【解決手段】液体を媒体に吐出するヘッドと、ヘッドへ液体を供給するための液体供給部37と、液体供給部とヘッドの間に設けられた液体供給用チューブ72と、液体供給用チューブの内部に備えられたコイル状の発熱線と、を有する。発熱線は、強磁性を有する鉄クロム電熱線であり、インク供給用チューブ72の一端部72aから他端部72bまで設けられている。この発熱線が通電されることによりインクを加温する。
【選択図】図4

Description

本発明は、液体吐出装置、及び、液体吐出方法に関する。
液体吐出装置は既によく知られている。かかる液体吐出装置としては、例えば、紙、フィルムなどの各種媒体にインクを吐出して、印刷を行うインクジェットプリンターが知られている。また、当該液体吐出装置の中には、液体を媒体に吐出するヘッドと、当該ヘッドへ液体を供給するための液体供給部と、液体供給部とヘッドの間に設けられた液体供給用チューブと、を有するものがある。
特開2000−158793号公報
ところで、液体を適切に吐出させるためには、液体の粘度をある程度抑える必要があるが、かかる目的を達成する方法として、液体を加温することにより、液体の温度を上昇させて液体の粘度を下げる方策が知られている。そして、かかる際に、当該液体の加温が適切に行われることが要請される。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、液体の加温を適切に行うことである。
主たる本発明は、液体を媒体に吐出するヘッドと、
前記ヘッドへ前記液体を供給するための液体供給部と、
前記液体供給部と前記ヘッドの間に設けられた液体供給用チューブと、
前記液体供給用チューブの内部に備えられたコイル状の発熱線と、
を有することを特徴とする液体吐出装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
プリンター1の構成を示すブロック図である。 プリンター1のヘッド31周辺の概略図である。 キャリッジ21の横面の概略図である。 図4A及び図4Bは、キャリッジ21とインクカートリッジ37との位置関係を示す概略図である。 ヘッド31のノズルの概略図である。 インク供給用チューブ72の内部に備えられた発熱線90を示した概略図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
液体を媒体に吐出するヘッドと、
前記ヘッドへ前記液体を供給するための液体供給部と、
前記液体供給部と前記ヘッドの間に設けられた液体供給用チューブと、
前記液体供給用チューブの内部に備えられたコイル状の発熱線と、
を有することを特徴とする液体吐出装置。
かかる場合には、液体の加温を適切に行うことが可能となる。
また、前記ヘッドが設けられ、移動方向に移動することにより該ヘッドを該移動方向に移動させるキャリッジを備え、
前記ヘッドは、該移動方向に移動しながら液体を媒体に吐出し、
前記液体供給用チューブ及びその内部に備えられた前記発熱線が位置する位置は、前記ヘッドの移動方向への移動に伴って変動することとしてもよい。
かかる場合には、液体の加温がより適切に行われることとなる。
また、該液体吐出装置の非移動部に取り付けられた磁石を有し、
前記発熱線が位置する位置が前記ヘッドの移動方向への移動に伴って変動することにより、前記磁石と前記発熱線との間に働く磁力が変化することとしてもよい。
かかる場合には、液体の加温がより一層適切に行われることとなる。
次に、媒体に液体を吐出する液体吐出方法であって、
液体を媒体に吐出するヘッドと、前記ヘッドへ前記液体を供給するための液体供給部と、前記液体供給部と前記ヘッドの間に設けられた液体供給用チューブと、前記液体供給用チューブの内部に備えられたコイル状の発熱線と、を有する液体吐出装置を用いて媒体に液体を吐出することを特徴とする液体吐出方法。
かかる場合には、液体の加温を適切に行うことが可能となる。
===プリンター1の概要===
以下、図1乃至図5を参照しながら液体吐出装置の一例としてのプリンター1について説明する。図1は、プリンター1の構成を示すブロック図である。図2は、プリンター1のヘッド周辺の概略図である。図3は、キャリッジ21の横面の概略図である。図4A及び図4Bは、キャリッジ21とインクカートリッジ37との位置関係を示す概略図である。図5は、ヘッド31のノズルの概略図である。
プリンター1は、紙、フィルム等の媒体に向けて、電磁波の一例としての紫外線(以下、UV)の照射によって硬化する電磁波硬化型インクの一例としての紫外線硬化型インク(以下、UVインク)を吐出することにより、媒体に画像を印刷する装置である。UVインクは、紫外線硬化樹脂を含むインクであり、UVの照射を受けると紫外線硬化樹脂において光重合反応が起こることにより硬化する。なお、本実施形態のプリンター1は、CMYKの4色のUVインクを用いて画像を印刷する。
プリンター1は、搬送ユニット10、キャリッジユニット20、ヘッドユニット30、インク供給ユニット35、照射ユニット40、検出器群50、及びコントローラー60を有する。外部装置であるコンピューター110から印刷データを受信したプリンター1は、コントローラー60によって各ユニット(搬送ユニット10、キャリッジユニット20、ヘッドユニット30、インク供給ユニット35、照射ユニット40)を制御する。コントローラー60は、コンピューター110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、媒体に画像を印刷する。プリンター1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラー60に出力する。コントローラー60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット10は、媒体を搬送方向に搬送させるためのものである。この搬送ユニット10は、図3に示すように、給紙ローラー(不図示)と、搬送ローラー13と、プラテン14と、排紙ローラー15とを有する。給紙ローラーは、紙挿入口に挿入された媒体をプリンター内に給紙するためのローラーである。搬送ローラー13は、給紙ローラーによって給紙された媒体を印刷可能な領域まで搬送するローラーであり、搬送モーターによって駆動される。プラテン14は、印刷中の媒体を支持する。排紙ローラー15は、媒体をプリンターの外部に排出するローラーであり、印刷可能な領域に対して搬送方向下流側に設けられている。
キャリッジユニット20は、キャリッジ21と、キャリッジモーター(不図示)とを有する。キャリッジ21は、図2及び図3に示すように、後述するヘッド31及び仮硬化用照射部41、42を備えており、当該ヘッド31及び仮硬化用照射部41、42を移動方向に移動させるためのものである。
すなわち、キャリッジ21は、キャリッジモーターによって駆動されて移動方向に移動する。そして、キャリッジ21の当該移動により、当該キャリッジ21に設けられたヘッド31及び仮硬化用照射部41、42も移動することとなる。なお、キャリッジ21は、図2乃至図4Bに示すように、移動方向に沿ったガイド軸24に支持されており、ガイド軸24に沿って往復移動する。
ヘッドユニット30は、複数のノズルを有するヘッド31を備える。このヘッド31は、媒体にUVインクを吐出するものである。ヘッド31は、キャリッジ21に設けられているため、キャリッジ21が前記移動方向に移動すると、ヘッド31も前記移動方向に移動する。そして、ヘッド31が前記移動方向に移動しながらUVインクを断続的に吐出することによって、前記移動方向に沿ったドットライン(ラスタライン)が媒体に形成される。なお、以下、ヘッド31の移動について、図2の一端側から他端側に向かって移動することを往動と呼び、他端側から一端側に移動することを復動と呼ぶ。本実施形態では、往動の期間中及び復動の期間中にUVインクの吐出が行われる。すなわち、本実施の形態に係るプリンター1は双方向印刷を行なう。
ヘッド31の下面にはUVインクを吐出するための複数のノズルが設けられている。本実施形態のヘッド31は、図5に示すように、CMYKのインク色毎に複数のノズルを有する。複数のノズルは、一定のノズルピッチで、前記搬送方向に並んでいる。このようにヘッド31には、CMYK4色分のノズル列Nc、Nm、Ny、Nkが形成されている。
本実施形態では、各ノズル列には、搬送方向に並ぶ180個のノズルがノズルピッチD(例えば360dpi)で設けられている。また、各ノズル列のノズルには、搬送方向下流側のノズルほど若い番号が付されている。各ノズルには、各ノズルからUVインクを吐出させるための駆動素子としてピエゾ素子(不図示)が設けられている。このピエゾ素子を駆動信号によって駆動させることにより、前記各ノズルから滴状のUVインクが噴射される。吐出されたUVインクは、媒体に着弾してドットを形成する。
インク供給ユニット35は、液体供給部の一例としてのインクカートリッジ37を有する。このインクカートリッジ37は、UVインクを貯留しており、ヘッド31によるUVインクの吐出に起因してヘッド31内のUVインクの量が減った際に、ヘッド31へUVインクを供給(補給)する役割を果たす。インクカートリッジ37は、本実施の形態においては、図4A及び図4Bに示すように、プリンター1の筐体1aの前記移動方向における中央部に着脱可能に設けられている。なお、図を分かり易くするために、図4A及び図4Bには、一つのインクカートリッジ37のみが表されているが、インクカートリッジ37は、UVインクの色毎に設けられている(本実施の形態においては、CMYKの4色なので、4つのインクカートリッジ37が存在する)。
また、インクカートリッジ37とヘッド31との間には、UVインクの流路70が設けられており、インクカートリッジ37からヘッド31へUVインクが供給される際に、UVインクは当該流路70内を移動する。当該流路70については、後に詳述する。
照射ユニット40は、媒体に着弾したUVインクに向けてUVを照射するものである。媒体上に形成されたドットは、照射ユニット40からのUVの照射を受けることにより、硬化する。本実施形態の照射ユニット40は、ヘッド31により吐出された媒体上のUVインクにUVを照射して、UVインクを仮硬化させる仮硬化用照射部41、42と前記媒体上のUVインクにUVを照射して、UVインクを本硬化させる本硬化用照射部43とを備えている。なお、仮硬化とは、媒体に着弾したUVインクの流動(ドットの広がり)を抑えるためのものであり、本硬化とは、UVインクを完全に硬化させるためのものである。仮硬化用照射部41、42及び本硬化用照射部43は、それぞれ媒体に向けてUVを照射するための光源を備えている。
仮硬化用照射部41、42は、図2に示すように、それぞれキャリッジ21に搭載されている。仮硬化用照射部41は、キャリッジ21の前記移動方向の一端側に設けられ、仮硬化用照射部42は、キャリッジ21の前記移動方向の他端側に設けられている。したがって、キャリッジ21の移動に伴って、ヘッド31と仮硬化用照射部41、42とは一体的に移動方向に移動する。換言すると、ヘッド31の各色のノズル列が往復移動する際、仮硬化用照射部41、42は、各色のノズル列に対する相対位置を維持しながら往復移動する。この際に仮硬化用照射部41、42から、媒体に向けてUVが照射される。具体的には、往動の期間には仮硬化用照射部41からUVが照射され、復動の期間には仮硬化用照射部42からUVが照射される。このように仮硬化は、ヘッド31が前記移動方向に移動する期間に行われるものであり、ドットを形成するのと同じパスにおいて行なわれる。
本硬化用照射部43は、ヘッド31よりも搬送方向下流側に設けられており、前記移動方向の長さが印刷対象となる媒体の幅よりも長くなっている。そして、本硬化用照射部43は、移動することなく媒体に向けてUVを照射する。この構成により、パスによってドットの形成された媒体が、搬送動作によって本硬化用照射部43の下まで搬送されると、本硬化用照射部43によるUVの照射を受けるようになっている。
なお、本硬化用照射部43による照射は、パス(インク吐出)と搬送を交互に行なう搬送によって媒体が本硬化用照射部43に達したら行なわれてもよいし、本硬化用照射部43がより搬送方向下流にあり、1頁などの所定の印刷が完了した後に媒体を排出する搬送動作によって媒体が本硬化用照射部43に達したら行なわれてもよい。
なお、本実施形態では、仮硬化用照射部41、42の光源として発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を用いている。LEDは入力電流の大きさを制御することによって、照射量を容易に変更することが可能である。また、本硬化用照射部43の光源としては、ランプ(メタルハライドランプ、水銀ランプなど)を用いている。
検出器群50には、リニア式エンコーダー、ロータリー式エンコーダー、紙検出センサー、光学センサー等が含まれる。リニア式エンコーダーは、キャリッジ21の前記移動方向の位置を検出する。ロータリー式エンコーダーは、搬送ローラー13の回転量を検出する。紙検出センサーは、給紙中の媒体の先端の位置を検出する。光学センサーは、キャリッジ21に取付けられている発光部と受光部により、媒体の有無を検出する。そして、光学センサーは、キャリッジ21によって移動しながら媒体の端部の位置を検出し、媒体の幅を検出することができる。また、光学センサーは、状況に応じて、媒体の先端(搬送方向下流側の端部であり、上端ともいう)・後端(搬送方向上流側の端部であり、下端ともいう)も検出できる。
コントローラー60は、プリンター1の制御を行うための制御ユニット(制御部)である。コントローラー60は、インターフェイス部61と、CPU62と、メモリー63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェイス部61は、外部装置であるコンピューター110とプリンター1との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンター1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPU62は、メモリー63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
<<<印刷動作について>>>
本実施の形態に係るプリンター1は、所謂インターレース印刷を実行する。コントローラー60は、コンピューター110から受信した印刷データに基づいてインターレース印刷を行なう際、プリンター1の各ユニットに以下の処理を行わせる。
まず、コントローラー60は、給紙ローラーを回転させ、印刷すべき媒体を搬送ローラー13の所まで送る。次に、コントローラー60は、搬送モーター(不図示)を駆動させることによって搬送ローラー13を回転させる。搬送ローラー13が所定の回転量にて回転すると、媒体は所定の搬送量にて搬送される。
媒体がヘッド31の下部まで搬送されると、コントローラー60は、キャリッジユニット20を制御することにより、キャリッジモーターを回転させる。このキャリッジモーターの回転に応じて、キャリッジ21が前記移動方向に移動(具体的には、往動)する。また、キャリッジ21が移動することによって、キャリッジ21に設けられたヘッド31及び仮硬化用照射部41、42も前記移動方向に移動する。コントローラー60は、ヘッド31及び仮硬化用照射部41、42が移動(往動)している間に、断続的にインク滴をヘッド31に吐出させ、仮硬化用照射部41にUV照射を行なわせる(仮硬化用照射部42からのUV照射は行なわれない)。すなわち、コントローラー60は、キャリッジユニット20、ヘッド31、仮硬化用照射部41を制御することにより、ヘッド31を媒体に対して移動(往動)させながら、UVインクを媒体に吐出する吐出動作をヘッド31に実行させ、かつ、仮硬化用照射部41を媒体に対して移動(往動)させながら、媒体上のUVインクにUVを照射する照射動作を仮硬化用照射部41に実行させる。
そして、この1パス目のUVインク吐出動作及び照射動作により、前記移動方向に複数のドットが並ぶドット列が形成される。
次に、コントローラー60は、搬送ユニット10を制御して、搬送モーターを駆動させる。搬送モーターは、コントローラー60からの指令された駆動量に応じて回転方向の駆動力を発生する。そして、搬送モーターは、この駆動力を用いて搬送ローラー13を回転させる。搬送ローラー13が所定の回転量にて回転すると、媒体は所定の搬送量にて搬送される。
次に、コントローラー60は、キャリッジユニット20を制御することにより、キャリッジモーターを回転させる。このキャリッジモーターの回転に応じて、キャリッジ21が前記移動方向に移動(具体的には、復動)する。また、キャリッジ21が移動することによって、キャリッジ21に設けられたヘッド31及び仮硬化用照射部41、42も前記移動方向に移動する。コントローラー60は、ヘッド31及び仮硬化用照射部41、42が移動(復動)している間に、断続的にインク滴をヘッド31に吐出させ、仮硬化用照射部42にUV照射を行なわせる(仮硬化用照射部41からのUV照射は行なわれない)。すなわち、コントローラー60は、キャリッジユニット20、ヘッド31、仮硬化用照射部42を制御することにより、ヘッド31を媒体に対して移動(復動)させながら、UVインクを媒体に吐出する吐出動作をヘッド31に実行させ、かつ、仮硬化用照射部42を媒体に対して移動(復動)させながら、媒体上のUVインクにUVを照射する照射動作を仮硬化用照射部42に実行させる。
そして、この2パス目のUVインク吐出動作及び照射動作により、前記移動方向に複数のドットが並ぶドット列が形成される。
以降、コントローラー60は、媒体の搬送と、(3パス以降の)UVインクの吐出及びUVインクへの仮硬化処理と、を繰り返し、媒体の各画素にドットを形成していく。
なお、搬送ユニット10により媒体が搬送されて、媒体上のドット(UVインク)が本硬化用照射部43の下部に至ると、コントローラー60が本硬化用照射部43を制御し、本硬化用照射部43によりUVインクにUVインクが照射される。そして、このことにより、UVインクの本硬化が行なわれる。
印刷の終わった媒体は、排紙ローラーによって、排出される。
以上のようにして、媒体に画像が印刷される。
===流路70について===
前述したとおり、インクカートリッジ37とヘッド31との間には、UVインクが流れる流路70が設けられおり、UVインクは、インクカートリッジ37から、流路70を通って、ヘッド31へ流れるようになっている。ここでは、当該流路70について、図4A、図4B、図6を用いて詳しく説明する。図6は、インク供給用チューブ72の内部に備えられた発熱線90を示した概略図である。なお、図6は、図4A、図4Bに示されたインク供給用チューブ72の一部分を表している。
なお、前述したとおり、インクカートリッジ37はUVインクの色毎に設けられているため、流路70も当該色毎(本実施の形態においては、4色の各色毎)に設けられている。しかしながら、各流路70の構成は同様であるので、以下においては、一つの(例えば、イエローインクに対応した)流路70を例に挙げて説明する。また、図4A、図4B、図6においても、図を分かり易くするために、一つの流路70のみを図示することとし、他の流路70の図示については省略している。
本実施の形態において、流路70は、キャリッジ21内に金属で形成されたトンネル状の部分(不図示。以下、キャリッジ流路部と呼ぶ)と、インクカートリッジ37からキャリッジ21までの間に存在するチューブ状の部分(以下、インク供給用チューブ72と呼ぶ。図4A及び図4B参照)と、を有している。
キャリッジ流路部は、インク供給用チューブ72から受け取ったUVインクをヘッド31へと送る役割を果たす。このキャリッジ流路部は、キャリッジ21の上部(具体的には、最上部)に設けられている。
インク供給用チューブ72は、インクカートリッジ37からのUVインクをキャリッジ流路部へ送る役割を果たす。このインク供給用チューブ72は、フレキシブル(柔軟で自由自在に曲げることが可能)なチューブである。
また、図6に示すように、インク供給用チューブ72の内部には、当該インク供給用チューブ72内を流れるUVインクを加温するための発熱線90が備えられている。この発熱線90は、コイル状であり、本実施の形態においては、強磁性を有する鉄クロム電熱線である。すなわち、当該発熱線90が、不図示の通電部により通電されることにより発熱し、UVインクを加温するようになっている。なお、本実施の形態に係るインク供給用チューブ72においては、発熱線90が、該インク供給用チューブ72の一端部72aから他端部72bまで設けられている。
また、図6に示すように、インク供給用チューブ72の外部であって、プリンター1の筐体1a(液体吐出装置の非移動部に相当)には、磁石92が取り付けられている。この磁石92は、発熱線90を振動させて、インク供給用チューブ72内のUVインクを攪拌する役割を果たす。すなわち、前述したとおり、インク供給用チューブ72はフレキシブルなチューブであるため、当該インク供給用チューブ72(及びその内部に備えられた発熱線90)の位置が、変化可能となっている。つまり、インク供給用チューブ72及びその内部に備えられた発熱線90が位置する位置は、図4A及び図4Bに示すように、ヘッド31(キャリッジ21)の前記移動方向への移動に伴って変動するようになっている。そして、当該発熱線90が位置する位置が当該移動に伴って変動することにより、磁石と発熱線90との間に働く磁力が変化することになる。すなわち、図4Bの状態においては、当該磁力が強いため、インク供給用チューブ72の内部の発熱線90が磁石92に引き付けられている状態となる。そして、図4Bの状態から、図4Aの状態へ移行する際に、発熱線90の位置が変動して、前記磁力が弱くなり、引き付けられている前記状態が解消される。そして、このときに、発熱線90が、インク供給用チューブ72の内部で振動し、UVインクを攪拌させることとなる。
なお、インク供給用チューブ72の長さは、ヘッド31(キャリッジ21)が前記移動方向における一端側から他端側までのどの位置にいても、キャリッジ21からインクカートリッジ37までの直線距離よりも大きい長さとなっている。
===本実施の形態に係るプリンター1の有効性について===
上述したとおり、本実施の形態に係るプリンター1は、UVインクを媒体に吐出するヘッド31と、前記ヘッド31へUVインクを供給するためのインクカートリッジ37と、前記インクカートリッジ37と前記ヘッド31の間に設けられたインク供給用チューブ72と、前記インク供給用チューブ72の内部に備えられたコイル状の発熱線90と、を有している。このことにより、UVインクの加温を適切に行うことが可能となる。
すなわち、前述したとおり、液体(UVインク)を適切に吐出させるためには、UVインクの粘度をある程度抑える必要があるが、かかる目的を達成する方法として、UVインクを加温することにより、UVインクの温度を上昇させてUVインクの粘度を下げる方策が知られている。そして、かかる際に、当該UVインクの加温が適切に行われることが要請される。
これに対し、本実施の形態に係るプリンター1は、かかる要請に応えるものとなっている。すなわち、本実施の形態に係るプリンター1においては、発熱線90がインク供給用チューブ72の内部でUVインクに直接触れるようにしたので、UVインクが適切に温まるようになっている。また、発熱線90がコイル状という複雑な形状となっているため、UVインクの攪拌が促進され、加温ムラ(温度が高すぎたり、低すぎたりするUVインクが、局所的に生じてしまう現象)の発生が抑えられる。したがって、本実施の形態においては、UVインクの加温が適切に行われることとなる。
なお、本実施の形態に係るプリンター1においては、UVインクの攪拌が促進されることで、UVインクの沈殿の発生を抑える効果も生じ得る。
===その他の実施の形態===
上記の実施の形態は、主として液体吐出装置について記載されているが、液体吐出方法等の開示も含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
上記実施の形態においては、液体吐出装置(液体噴射装置)をインクジェット式プリンターに具体化したが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置を採用してもよく、微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状態、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうち何れか一種の噴射装置に本発明を適用することができる。
また、上記実施の形態においては、インクとして電磁波硬化型インクを例に挙げたが、これに限定されるものではなく、例えば、電磁波硬化型でない他のインクであってもよい。
また、上記実施の形態においては、電磁波硬化型インクとして紫外線硬化型インクを例に挙げたが、これに限定されるものではない。例えば、電子線、X線、可視光線、赤外線等の電磁波で硬化するインクであってもよい。
また、上記実施の形態においては、発熱線90が、インク供給用チューブ72の全部(インク供給用チューブ72の一端部72aから他端部72bまで)に設けられていることとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、インク供給用チューブ72の一部のみに設けられていることとしてもよい。
また、上記実施の形態においては、ヘッド31が設けられ、移動方向に移動することにより該ヘッド31を該移動方向に移動させるキャリッジ21を備え、前記ヘッド31は、該移動方向に移動しながらUVインクを媒体に吐出し、インク供給用チューブ72及びその内部に備えられた発熱線90が位置する位置は、ヘッド31の移動方向への移動に伴って変動することとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、インク供給用チューブ72及びその内部に備えられた発熱線90が位置する位置が変動しないこととしてもよい。
上記実施の形態においては、インク供給用チューブ72が動き、その中の発熱線90も動くことで、UVインクの攪拌がより促進され、加温ムラの発生がより抑えられる。したがって、UVインクの加温がより適切に行われることとなり、かかる点で上記実施の形態の方がより望ましい。また、上記実施の形態においては、UVインクの攪拌がより促進されることで、UVインクの沈殿の発生をより抑えることが可能となる。
また、上記実施の形態においては、プリンター1の筐体1aに取り付けられた磁石92を有し、発熱線90が位置する位置がヘッド31の移動方向への移動に伴って変動することにより、磁石92と発熱線90との間に働く磁力が変化することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、当該磁石92が設けられていないこととしてもよい。
上記実施の形態においては、上述したとおり、磁石92が、発熱線90を振動させて、インク供給用チューブ72内のUVインクを攪拌する役割を果たす。そのため、UVインクの攪拌がより一層促進され、加温ムラの発生がより一層抑えられる。したがって、UVインクの加温がより一層適切に行われることとなり、かかる点で上記実施の形態の方がより望ましい。また、上記実施の形態においては、UVインクの攪拌がより一層促進されることで、UVインクの沈殿の発生をより一層抑えることが可能となる。
なお、上記実施の形態においては、発熱線90として、強磁性を有する鉄クロム電熱線を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、磁石92を用いない場合には、強磁性を有さないものでもよい。また、磁石92を用いる場合に、発熱線90自体は強磁性を有さないが、当該発熱線90に強磁性体が付着しているようなものでもよい。
1 プリンター、1a 筐体、10 搬送ユニット、13 搬送ローラー、14 プラテン、15 排紙ローラー、20 キャリッジユニット、21 キャリッジ、24 ガイド軸、30 ヘッドユニット、31 ヘッド、35 インク供給ユニット、37 インクカートリッジ、40 照射ユニット、41 仮硬化用照射部、42 仮硬化用照射部、43 本硬化用照射部、50 検出器群、60 コントローラー、61 インターフェイス部、62 CPU、63 メモリー、64 ユニット制御回路、70 流路、72 インク供給用チューブ、72a 一端部、72b 他端部、90 発熱線、92 磁石、110 コンピューター

Claims (4)

  1. 液体を媒体に吐出するヘッドと、
    前記ヘッドへ前記液体を供給するための液体供給部と、
    前記液体供給部と前記ヘッドの間に設けられた液体供給用チューブと、
    前記液体供給用チューブの内部に備えられたコイル状の発熱線と、
    を有することを特徴とする液体吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
    前記ヘッドが設けられ、移動方向に移動することにより該ヘッドを該移動方向に移動させるキャリッジを備え、
    前記ヘッドは、該移動方向に移動しながら液体を媒体に吐出し、
    前記液体供給用チューブ及びその内部に備えられた前記発熱線が位置する位置は、前記ヘッドの移動方向への移動に伴って変動することを特徴とする液体吐出装置。
  3. 請求項2に記載の液体吐出装置であって、
    該液体吐出装置の非移動部に取り付けられた磁石を有し、
    前記発熱線が位置する位置が前記ヘッドの移動方向への移動に伴って変動することにより、前記磁石と前記発熱線との間に働く磁力が変化することを特徴とする液体吐出装置。
  4. 媒体に液体を吐出する液体吐出方法であって、
    液体を媒体に吐出するヘッドと、前記ヘッドへ前記液体を供給するための液体供給部と、前記液体供給部と前記ヘッドの間に設けられた液体供給用チューブと、前記液体供給用チューブの内部に備えられたコイル状の発熱線と、を有する液体吐出装置を用いて媒体に液体を吐出することを特徴とする液体吐出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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