以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、遊技領域に設けられ遊技媒体が進入したときに所定の始動条件が成立する始動領域と、当該始動条件が成立したことに基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行なって表示結果を導出表示する変動表示部を含む演出装置とを備え、前記変動表示部に導出表示される表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに遊技者にとって通常状態よりも有利な特定遊技状態に移行させ、前記変動表示部に導出表示される表示結果が前記特定表示結果のうち特別表示結果となったことを条件として前記特定遊技状態終了後に前記通常状態よりも前記始動領域に遊技媒体が進入しやすい高進入状態に移行させる遊技機であればどのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図、図2は遊技盤の前面を示す正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には遊技媒体としての遊技球(打球)を貯留する打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄を変動表示する複数の変動表示領域を含む変動表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられている。また、変動表示装置9の上部には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。変動表示装置9には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア)がある。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄であって、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての飾り図柄の変動表示を行なう。変動表示装置9は、後述する演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ800(図4参照)によって制御される。特別図柄表示器8は表示部が小型であるので、変動表示の態様および変動表示の表示結果が変動表示装置9と比べて見づらいため、遊技者は主として変動表示装置9の方に注目する。
特別図柄表示器8は、たとえば0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8は、遊技者に当りの種類を把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を変動表示するように構成されていてもよい。また、変動表示装置9は、液晶表示装置よりなる画像表示装置で実現されている。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、飾り図柄の変動表示を行なう。
なお、本実施の形態においては、変動表示装置9は、液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、変動表示装置9は、CRT、プラズマ表示やエレクトロルミネセンスあるいはドットマトリックス表示を利用したもの等、その他の画像表示式の表示装置であってもよい。
変動表示装置9の下部には、始動入賞口14に入った有効入賞球の記憶数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう)数を表示する4つの特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、始動入賞口14に始動入賞があるごとに、保留記憶の記憶データが1増えて、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、保留記憶の記憶データが1減って、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。なお、この例では、始動入賞口14への入賞による保留記憶数に上限数(4個まで)が設けられている。しかし、これに限らず、保留記憶数の上限数は、4個以上の値にしてもよく、4個よりも少ない値にしてもよい。
変動表示装置9の下方には、始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15には、開閉動作をすることが可能な態様で左右一対の可動片が設けられている。可変入賞球装置15の可動片は、後述する開放条件が成立したときに、ソレノイド16によって駆動されて所定期間開状態とされる。可変入賞球装置15の可動片が開状態となることにより、遊技球が始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1の状態)となる。一方、可変入賞球装置15の可動片が閉状態となることにより、遊技球が始動入賞口14に入賞しにくくなり(始動入賞しにくくなり)、遊技者にとって不利な状態(第2の状態)となる。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。
可変入賞球装置15の下部には、ソレノイド21によって開閉される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板によって開閉される大入賞口が設けられており、大当り遊技状態において開閉板が遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)に制御され、大当り遊技状態以外の状態において開閉板が遊技者にとって不利な閉状態(第2の状態)に制御される。このように、特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態となったときに開放条件が成立する。特別可変入賞球装置20に入賞した入賞球は、カウントスイッチ23で検出される。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10における変動表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15の開放条件が成立し、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した有効通過球の記憶数、すなわち、始動通過記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過があるごとに、始動通過記憶の記憶データが1増えて、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10における変動表示が開始されるごとに、始動通過記憶の記憶データが1減って、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられる。遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。賞球ランプ51、球切れランプ52、装飾ランプ25、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28c等の各種発光手段は、後述するランプドライバ基板35によって点灯制御(ランプ制御)される。また、スピーカ27からの音発生制御(音制御)は、後述する音声出力基板70によって行なわれる。
カードユニット50には、たとえば、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口、および、カード挿入口の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放するためのカードユニット錠が設けられている。
遊技者の操作により打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の変動表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が変動表示を始める。図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示は、変動表示が行なわれるごとに設定された変動時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が特定表示結果としての大当り図柄(大当り表示結果ともいう)であると、大当りとなり、特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、所定の開放終了条件が成立するまで開放する。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値に達するまで繰返される。このように特別可変入賞球装置20の開放が繰返し継続される制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態がラウンドと呼ばれる。継続権が発生する開放回数の上限値は、大当りの種類により異なり、たとえば15ラウンドまたは2ラウンドのような所定回数に設定されている。本実施の形態における特定表示結果としての大当り図柄とは、後述するように、15R通常大当り図柄1、15R通常大当り図柄2、15R確変大当り図柄1、15R確変大当り図柄2、2R確変大当り図柄1、2R確変大当り図柄2をいう。また、特定表示結果のうち第1特定表示結果としての大当り図柄とは、15R通常大当り図柄1、15R通常大当り図柄2、15R確変大当り図柄1、15R確変大当り図柄2をいう。また、特定表示結果のうち第2特定表示結果としての大当り図柄とは、2R確変大当り図柄1、2R確変大当り図柄2をいう。
15ラウンド大当りの場合には、15ラウンドが最終ラウンドとなり、2ラウンド大当りの場合には、2ラウンドが最終ラウンドとなる。
この実施の形態の場合は、特定遊技状態として、第1特定表示結果としての大当り図柄となったときに移行される第15ラウンドを最終ラウンドとして第15ラウンドとなるまで無条件で継続権が成立する第1特定遊技状態としての15ラウンド大当り(以下、15R大当りという)と、第2ラウンドを最終ラウンドとして第2ラウンドとなるまで無条件で継続権が成立する第2特定遊技状態としての2ラウンド大当り(以下、2R大当りという)とが設けられている。これにより、15R大当りの場合は、特別可変入賞球装置20が必ず15回開放される制御が行なわれ、2R大当りの場合は、特別可変入賞球装置20が必ず2回開放される制御が行なわれることとなる。ただし、15R大当りのときの開放終了条件は、開放してから30秒間(所定時間)経過するまで、または、10個(所定個数)の遊技球が入賞するまでという2つの条件のうちいずれかが成立したときに成立する。また、2R大当りのときの開放終了条件は、開放してから1秒間(所定時間)経過するまで、または、10個(所定個数)の遊技球が入賞するまでという2つの条件のうちいずれかが成立したときに成立する。
特別図柄表示器8での変動表示の停止時における特別図柄の表示結果が、大当り図柄のうちの予め定められた確変大当り図柄(15R確変大当り図柄、2R確変大当り図柄)である場合には、大当り遊技状態終了後に大当りになる確率が、大当り遊技状態と異なる通常状態である通常遊技状態(後述する低確低ベース状態)よりも高くなる確率変動状態(以下、確変状態、高確率状態、または高確状態と呼ぶ場合もある)という遊技者にとって有利な状態になる。また、確変状態以外の非確変状態は、低確率状態(低確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。
また、特別図柄表示器8での変動表示の停止時における特別図柄の表示結果が、大当り図柄のうちの特別表示結果として予め定められた大当り図柄(15R確変大当り図柄1、15R確変大当り図柄2、2R確変大当り図柄1(後述する低確低ベース時での大当りを除く)、2R確変大当り図柄2(後述する低確低ベース時での大当りを除く)、15R通常大当り図柄1、15R通常大当り図柄2)である場合には、大当り遊技状態が終了してから変動表示装置9において所定回数変動表示が行なわれるまでの間、変動時間短縮状態である時短状態に制御される。時短状態とは、通常遊技状態(後述する低ベース状態)に比べて、特別図柄表示器8、変動表示装置9、および、普通図柄表示器10のそれぞれの変動時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御状態をいう。
さらに、時短状態中には、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率を高める普通図柄確変制御、普通図柄表示器10における変動時間を短縮する普通図柄時短制御、可変入賞球装置15の開放時間を長くする開放延長制御、および開放回数を増加する回数増加制御が行なわれる。時短状態中では、図柄の変動時間が短縮されるので、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(たとえば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に大当り表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。
また、入賞に応じた遊技球の払出しの面から考えると、時短状態は、非時短状態と比べて、普通図柄の変動時間が短縮され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における可変入賞球装置15の開放時間が長くされ、当り時における可変入賞球装置15の1度の開放回数が多くされることに基づいて、通常遊技状態と比べて可変入賞球装置15が開放状態となりやすい。したがって、時短状態では、始動入賞口14への入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだ遊技球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出される遊技球数(払出球数)の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。一般的に、発射球数に対する入賞による払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。たとえば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。この実施の形態の場合では、たとえば通常遊技状態のような非時短状態よりもベースが高い時短状態を高ベース状態と呼び、逆に、そのような高ベース状態と比べてベースが低い通常遊技状態のような非時短状態を低ベース状態と呼ぶ。
また停止時の特別図柄表示器8における特別図柄が予め定められた小当り図柄である場合には、2R確変大当りの大当り遊技状態の場合と同様の態様で特別可変入賞球装置20が2回開放される当り状態(以下、小当り遊技状態という)となる小当りとなる。具体的に、小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置20が2回開放されることが予め定められた一連の動作として設定されており、このような一連の動作が1回だけ行なわれることにより、特別可変入賞球装置20が2回開放された後、閉鎖される。より具体的に説明すると、小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置20が、2R確変大当りの第1ラウンドと同一時間開状態とされた後、2R確変大当りの第1,2ラウンド間のインターバル時間と同一時間(1秒間)閉状態とされ、さらに、2R確変大当りの第2ラウンドと同一時間(1秒間)開状態とされた後、閉状態とされる。このような小当りの場合は、2R確変大当りの場合と異なり、小当り遊技状態終了後の大当り確率およびベースの状態は、小当り遊技状態前の遊技状態と同様となり、変化しない。
以上に示した各種大当りと小当りとは、まとめて当りと呼ぶ場合がある。また、以上に示した各種大当りの大当り遊技状態と、小当り遊技状態とは、まとめて当り遊技状態と呼ぶ場合がある。2R確変大当りおよび小当りのそれぞれは、当り遊技状態が、可変入賞球装置15の開放動作を1秒間という短期間の開放を2回という少ない回数行なうものであり、遊技者にとっては当りとなったことを認識しにくい。
この実施の形態においては、前述した15R大当りとして、大当り遊技状態終了後に確変状態および時短状態となる15R確変大当り1および15R確変大当り2と、大当り遊技状態終了後に確変状態とならず時短状態となる15R通常大当り1および15R通常大当り2とが設けられている。すなわち、15R確変大当り1および15R確変大当り2は、大当り遊技状態終了後に高確率状態かつ高ベース状態である高確高ベース状態となる大当りである。また、15R通常大当り1および15R通常大当り2は、大当り遊技状態終了後に低確率状態かつ高ベース状態である低確高ベース状態となる大当りである。
また、前述した2R大当りとしては、後述するように低確低ベース時で大当りした場合を除き、大当り遊技状態終了後に確変状態および時短状態となる2R確変大当り1および2R確変大当り2が設けられている。すなわち、低確低ベース時で大当りした場合を除き、2R確変大当り1および2R確変大当り2は、大当り遊技状態終了後に高確率状態かつ高ベース状態である高確高ベース状態となる大当りである。
なお、低確低ベース時に2R確変大当り1または2R確変大当り2となったときには、大当り遊技状態終了後に時短状態とならず確変状態となる。すなわち、後述する低確低ベース時で大当りした場合、2R確変大当り1および2R確変大当り2は、大当り遊技状態終了後に高確率状態かつ低ベース状態である高確低ベース状態となる大当りである。以下の説明においては、大当りの種類を特定せずに単に「大当り」と示すときは、これら複数種類の大当りを代表して示す場合である。
前述したように、大当り遊技状態終了後に制御される時短状態は、変動表示装置9において所定回数変動表示が行なわれたときに終了する。よって、大当りとなり時短状態に制御され高ベース状態となった後、変動表示装置9において所定回数変動表示が行なわれたときに、低ベース状態に制御される。たとえば、15R通常大当り1および15R通常大当り2は、大当り遊技状態終了後に低確高ベース状態となり、変動表示装置9において所定回数変動表示が行なわれたときに低確率状態、かつ、低ベース状態となる低確低ベース状態となる。また、15R確変大当り1および15R確変大当り2は、大当り遊技状態終了後に高確高ベース状態となり、変動表示装置9において所定回数変動表示が行なわれたときに高確率状態、かつ、低ベース状態となる高確低ベース状態となる。
確変状態(高確率状態)と非確変状態(低確率状態)とのどちらの状態であるかは、確変状態においてセットされるフラグである確変フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。また、時短状態(高ベース状態)と非時短状態(低ベース状態)とのどちらの状態であるかは、時短状態においてセットされるフラグである時短フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。これら確変フラグおよび時短フラグのセット状態により、現在制御されている遊技状態が特定され、現在の遊技状態である現遊技状態が特定される。
15R通常大当り1、15R通常大当り2、15R確変大当り1、15R確変大当り2、2R確変大当り1、および2R確変大当り2のそれぞれについては、特別図柄の大当り図柄が予め定められている。15R通常大当りを示す特別図柄の大当り表示結果は、15R通常大当り図柄と呼ばれる。15R確変大当りを示す特別図柄の大当り表示結果は、15R確変大当り図柄と呼ばれる。2R確変大当りを示す特別図柄の大当り表示結果は、2R確変大当り図柄と呼ばれる。
変動表示装置9において変動表示される飾り図柄は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために、特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄である。このような図柄についての所定の関係には、たとえば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始する関係、および、特別図柄の変動表示の終了時に特別図柄の表示結果が導出表示されるときに飾り図柄の表示結果が導出表示されて飾り図柄の変動表示が終了する関係等が含まれる。
特別図柄表示器8により15R確変大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、変動表示装置9により後述する15R確変大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。特別図柄表示器8により15R通常大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、変動表示装置9により後述する15R通常大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。特別図柄表示器8により2R確変大当り図柄または小当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、変動表示装置9により後述する飾り小当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。特別図柄表示器8と変動表示装置9とは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて変動表示部と呼ぶ場合がある。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および、すべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
たとえば、変動表示装置9において、図柄が停止することで大当りとなる有効ライン(本実施の形態の場合は横1本の有効ライン)が予め定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(たとえば、変動表示装置9における左,中,右の変動表示領域のうち左,右の表示領域に同一の図柄が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および、有効ライン上の表示領域のすべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(たとえば、変動表示装置9における左,中,右の表示領域のすべてに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、飾り図柄の背面側に表示される背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、はずれ時より大当り時に選択されやすいリーチがある。当該リーチが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、変動表示装置9については、大当りを発生させる契機となる変動表示において、大当りとなることを報知する予告演出である大当り予告が行なわれる場合がある。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図3を参照して説明する。図3は、パチンコ遊技機1を裏面から見た背面図である。
図3に示すように、パチンコ遊技機1裏面側では、変動表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、ランプドライバ基板(図示省略)、および、球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。
さらに、パチンコ遊技機1裏面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板910やタッチセンサ基板91Aが設けられている。電源基板910は、大部分が主基板31と重なっているが、主基板31に重なることなく外部から視認可能に露出した露出部分がある。この露出部分には、パチンコ遊技機1における主基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチが設けられている。さらに、露出部分における電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、電気部品制御基板には、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段が搭載されている。電気部品制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)にしたがってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置970、変動表示装置9、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を電気部品制御基板に含めて説明を行なうことがある。その場合には、電気部品制御基板に搭載される電気部品制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号にしたがってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。
パチンコ遊技機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、少なくとも、球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子および球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えた情報端子基板(情報出力基板)36が設置されている。
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レール(図示せず)を通り、カーブ樋を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置に至る。球払出装置の上部には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レールにおける上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞に基づく景品としての遊技球や球貸し要求に基づく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示せず)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示せず)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
図4は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、パチンコ遊技機1に搭載されている払出制御基板37、ランプドライバ基板35、音声出力基板70、インタフェース基板66、中継基板77、および、演出制御基板80も示されている。主基板(遊技制御基板)31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)となる遊技制御用マイクロコンピュータ560と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59と、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって各種の情報信号をホールコンピュータ等のパチンコ遊技機1の外部に設けられた装置に出力する情報出力回路53とが搭載されている。
なお、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行なう始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの各スイッチは、入賞領域への遊技球の入賞を検出する入賞検出手段でもある。
なお、ゲート32のような通過ゲートであっても、賞球の払出しが行なわれるものであれば、通過ゲートへ遊技球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(たとえばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。また、大入賞口に入賞した遊技球数は、カウントスイッチ23により検出される。よって、大入賞口に入賞した遊技球数は、カウントスイッチ23による検出数に相当する。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56、および、I/Oポート506を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、CPU56の他に少なくともRAM55が内蔵されていればよい。また、ROM54およびI/Oポート506は、外付けであっても内蔵されていてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、CPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行する。したがって、以下に説明するような遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的にはCPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、CPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ560で実現されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電源電力の供給が停止したときである電源断時でも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ、時短カウンタ等)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップデータとして、RAM55に保存される。制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを、遊技の進行状態を示すデータと定義する。この実施の形態では、RAM55の全部の記憶領域が、電源バックアップされているものとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板910からのリセット信号が入力される。また、払出制御用マイクロコンピュータのリセット端子にも、電源基板910からのリセット信号が入力される。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータは動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータは動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータの動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータの動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(主基板31を含む)に搭載してもよいし、複数の電気部品制御基板のうち一つまたは複数にリセット回路を搭載し、そこからリセット信号を他の電気部品制御基板に供給するようにしてもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、払出制御基板37を経由して、電源基板910からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
クリア信号は、主基板31において分岐され、払出制御基板37にも供給される。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が入力ポートを介して入力したクリア信号の状態を、出力ポートを介して払出制御基板37に出力してもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御基板80に表示制御、音制御、および、ランプ制御を含む演出制御を指令するための制御信号としての演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御基板80には、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、変動表示装置9での表示制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータ800等の電気部品制御手段が搭載されている。
演出制御用マイクロコンピュータ800は、表示制御用のプログラム等を記憶するROM84と、ワークメモリとして使用されるRAM85と、プログラムにしたがって表示制御動作を行なうCPU86と、I/Oポート87とを含む。この演出制御用マイクロコンピュータ800は、演出制御コマンドに応じて、変動表示装置9の変動表示等の各種表示の演出に関する制御と、賞球ランプ51、球切れランプ52、装飾ランプ25、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cの制御(ランプ制御)と、スピーカ27を用いた遊技音発生制御(音制御)とを含む各種演出に関する制御を行なう。
演出制御基板80には、演出制御用マイクロコンピュータ800の他に、VDP、キャラクタROM、および、VRAM(図示省略)が搭載されている。VDPは、画像表示を行なう表示制御機能および高速描画機能を有する処理装置であり、変動表示装置9の表示制御を行なう。CPU86は、受信した演出制御コマンドに従って、VDPに、表示制御用のコマンドに応じた画像表示をするための制御データを送信する。そして、そのように送信された制御データに従った画像表示をするために、VDPがキャラクタROMから必要なデータを読出す。キャラクタROMは、変動表示装置9に表示する画像データを予め格納しておくためのものである。
VDPは、CPU86とは独立した二次元のアドレス空間を持つVRAMにマッピングしている。VDPは、キャラクタROMの画像データに従って、変動表示装置9に表示するための画像データを生成し、VDPはVRAMに画像データを展開する。VRAMはVDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。VRAMに展開された画像データは、変動表示装置9に出力される。
演出制御用マイクロコンピュータ800は、音声出力基板70にスピーカ27の駆動信号を出力することにより、スピーカ27から効果音等の音声を出力させる制御を行なう。また、演出制御用マイクロコンピュータ800は、ランプドライバ基板35に各種発光手段の駆動信号を出力することにより、前述のような発光手段の制御を行なう。これにより、変動表示装置9での演出表示に対応して(同期して)、音の制御および発光制御が行なわれる。
図5は、主基板31における詳細な回路構成を示すブロック図である。主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560は、前述したROM54、RAM55、CPU56、I/Oポート506の他に、クロック回路501、システムリセット手段として機能するリセットコントローラ502、乱数回路503、および、CPUに割込要求信号を送出するCTC504を内蔵する。
クロック回路501は、システムクロック信号をCPU56に出力し、このシステムクロック信号を2の7乗(=128)分周して生成した所定の周期の基準クロック信号CLKを、乱数回路503に出力する。リセットコントローラ502は、ローレベルの信号が一定期間入力されたとき、CPU56および乱数回路503に所定の初期化信号を出力して、遊技制御用マイクロコンピュータ560をシステムリセットする。
また、図5に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、所定の範囲において乱数を発生させる乱数回路503を搭載する。乱数回路503は、16ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、16ビット乱数回路ともいう)である。乱数回路503は、16ビットで発生できる範囲(すなわち、0から65535までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。
主基板31と演出制御基板80との間には、演出制御コマンドを送信するための8本の信号線CD0〜CD7と、ストローブ信号を送信するための演出制御INT信号の信号線とが設けられている。
演出制御用マイクロコンピュータ800では、演出制御INT信号により示された取込みタイミングで、CD0〜CD7から演出制御コマンドを受信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ800では、受信した演出制御コマンドが示す演出に対応して行なうべき表示制御、音制御およびランプ制御をするために、変動表示装置9の表示制御を行なうとともに、スピーカ27の駆動信号および各種ランプの駆動信号を出力する。このような構成においては、演出制御コマンドに基づいて演出制御が行なわれるときに、演出制御用マイクロコンピュータ800により、変動表示装置9の表示制御に合わせて、音制御およびランプ制御が行なわれる。つまり、演出制御用マイクロコンピュータにおいて、演出制御コマンドに基づいて変動表示装置9の表示制御を行なうとともに、その表示制御内容に対応する音制御およびランプ制御を行なうことにより、変動表示装置9の表示制御の演出に合わせた(同期した)音制御およびランプ制御が行なわれるのである。
乱数回路503は、特別図柄および飾り図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否かを判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。この乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新させていき、始動入賞が発生したことに基づいて読出される数値データを乱数値とする乱数発生機能を有する。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞口14への始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データを乱数値R1として読出し、その数値データに基づいて、表示結果を大当り図柄にするか否かおよび表示結果を小当り図柄にするか否か、すなわち、大当りとするか否かおよび小当りとするか否かの当り判定を行なう。そして、当り判定により、大当りまたは小当りとすると判定したときに遊技状態を遊技者にとって有利な当り遊技状態に移行させる。
乱数回路503は、ユーザによる数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および、数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能により、乱数回路503は、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有しており、たとえば、RAM55の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。これにより、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。また、初期値を設定するときに、IDナンバを用いた所定の演算を行なうことにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバを見ただけでは乱数の初期値を認識しにくくすることができる。そのため、無線信号を用いた取込み信号をパチンコ遊技機1に対して発生させるなどの行為によって、当り状態への移行条件を不正に成立させられてしまうことをより確実に防止することができ、セキュリティ性を向上させることができる。なお、本実施形態においては、ハードウェア回路である乱数回路503により発生される乱数値であるR1を用いて当り判定を行なう例について説明するが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するソフトウェアにより更新される数値を用いて当り判定を行なうものであってもよい。
次に、この実施の形態のパチンコ遊技機1での制御に用いられる乱数を発生させるためにソフトウェアを用いて数値データを更新する数値更新手段としてのランダムカウンタについて説明する。図6(a)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が遊技制御に用いる乱数を発生させるために用いるランダムカウンタを説明するための図であり、図6(b)は、演出制御用マイクロコンピュータ800が演出制御に用いる乱数を発生させるために用いるランダムカウンタを説明するための図である。まず、図6(a)には、ランダムカウンタの一例として、ランダムカウンタR2〜R5が示されている。
大当りとするか否かおよび小当りとするか否かの判定(当り判定)は、ハードウェア回路である乱数回路503により発生される乱数値であるR1を用いて行なわれるが、当り判定以外の各種制御に用いられる乱数値は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するソフトウェアにより更新される数値を用いて生成される。
始動口スイッチ14aにより有効な始動入賞(保留記憶数が上限数に達していない状態での始動入賞)が検出されると、それに応じて、R1および後述するR2のそれぞれが抽出されて保留記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、R1については、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示を開始する前の段階で、そのようにRAM55に記憶されたR1の抽出値が予め定められた大当り判定値および小当り判定値と一致するか否かが判断される。この判断において、大当り判定値と一致した場合には、変動表示の表示結果を大当り図柄として大当りを発生させることが決定され、前述した大当り遊技状態の制御が行なわれる。また、小当り判定値と一致した場合には、変動表示の表示結果を小当り図柄として小当りを発生させることが決定され、前述した小当り遊技状態の制御が行なわれる。大当り判定値および小当り判定値のいずれとも一致しない場合には、変動表示の表示結果を当りとしないことが決定される。確変状態以外の低確率状態においては、大当り判定値として0〜179の値が設定される。確変状態である高確率状態においては、大当り判定値として0〜1799の値が設定されることにより、低確率状態の場合よりも大当りの発生確率が向上する。また、いずれの確率状態においても、小当り判定値としてたとえば1800〜1871の値が設定される。
R2は、R1を用いた当り判定により大当りを発生させることが事前決定されているときに、15R通常大当り1、15R通常大当り2、15R確変大当り1、15R確変大当り2、2R確変大当り1、および2R確変大当り2のうちのどの種類の大当りにするかの決定を行なうために用いられる乱数を発生させるための数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。R2は、「0」からその上限である「99」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このR2は、2msecごとに1ずつ加算更新されることとなる。
図7(a)に示すように、R2の値から、大当りの種類が決定される。図7(a)は、当り判定により大当りを発生させることが事前決定されているときに、大当りの種類の決定に用いる大当り種類決定用テーブルを説明するための図である。
大当り種類決定用テーブルは、R2からの値が、「0〜19」であるときに15R通常大当り1に決定し、「20〜29」であるときに15R通常大当り2に決定し、「30〜49」であるときに15R確変大当り1に決定し、「50〜69」であるときに15R確変大当り2に決定し、「70〜89」であるときに2R確変大当り1に決定し、「90〜99」であるときに2R確変大当り2に決定するように、振分けが設定されている。
本実施の形態においては、15R通常大当り1、15R通常大当り2、15R確変大当り1、15R確変大当り2、2R確変大当り1、および、2R確変大当り2のそれぞれについて、大当り種類と特別図柄との関係が1対1の関係で予め定められている。このため、R2の抽出値により、大当り種類と特別図柄の大当り図柄とが同時に選択決定される。
図6(a)に戻り、R3は、特別図柄表示器8の変動表示のパターンである変動パターンをランダムに選択決定するために用いられる乱数を発生するための数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。R3は、「0」からカウントアップしてその上限である「99」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、2msecごとおよび割込処理余り時間に1ずつ加算更新される。ここで、R3のランダムカウンタにおいて行なわれる割込み処理余り時間におけるカウントアップ動作について説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、定期的な割込み処理の実行により、各種制御を行なうが、ある割込み処理について、割込み処理が実行された後に、その割込み処理の次回の実行開始までの期間は割込み処理待ち状態となる。そのような割込み処理待ち状態である割込み処理の余り時間において、無限ループを利用してランダムカウンタの加算更新処理を繰返し実行することを割込み処理余り時間におけるカウントアップという。
特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングでR3から抽出されたカウンタの値に基づいて、予め定められた複数種類の変動パターンの中から、変動表示に用いる変動パターンが選択決定される。各変動パターンには、変動表示を開始してから表示結果が導出表示されるまでの変動時間が予め定められており、変動パターンを選択決定することにより、変動時間が選択決定されることとなる。このようなR3のカウント値と複数種類の変動パターンとの関係を定めたデータは、ROM54に格納されている下位バイト特定用テーブル(変動パターンテーブル)(図14参照)に設定されている。
R4は、普通図柄表示器10の変動表示について当りを発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数を発生させるための数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。R4は、「0」等の初期値からカウントアップしてその上限である「250」までカウントアップし、再度「0」等の初期値からカウントアップし直すように構成されており、2msecごとに1ずつ加算更新される。ゲートスイッチ32aにより有効な始動通過が検出されると、それに応じて、このR4の乱数が抽出されて通過記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、普通図柄の変動表示を開始する前の段階で、その抽出値が予め定められた当り判定値と一致するか否かが判断され、一致した場合には普通図柄の当りを発生させることが決定されて前述のような制御が行なわれ、不一致の場合にははずれとすることが決定されて前述のような制御が行なわれない。本実施形態における普通図柄の当り判定値は、低ベース状態であるときに0〜49が、高ベース状態であるときに0〜249が、各々セットされる。
R5は、変動表示装置9により向上演出を行なわせるか否かをランダムに決定するために用いられる乱数を発生するための数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。この向上演出とは、後に詳しく説明するが、事前に決定された時短回数(またはベース状態)よりも少ない(または低い)時短回数(またはベース状態)を変動表示装置9により一旦表示させた後、事前決定された真の時短回数(またはベース状態)を変動表示装置9により表示させる演出である。この向上演出が行なわれることにより、一旦表示された時短回数(またはベース状態)よりも多い(または高い)時短回数(またはベース状態)が後に表示され、段階を経て遊技者にとって有利な演出表示が行なわれる結果、遊技の興趣を向上させることができる。このR5は、「0」からカウントアップしてその上限である「99」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、2msec毎および割込処理余り時間に1ずつ加算更新される。
向上演出には、大きく分けて、大当り中に向上演出を実行する大当り中向上演出と、大当り中に向上演出を行なった後さらに大当り終了後に向上演出を行なう大当り後向上演出とがある。R5は、向上演出を行なうか否かに加えて、大当り中向上演出を行なうかまたは大当り後向上演出を行なうかの決定にも用いられる。
図6(b)は、演出制御用マイクロコンピュータ800が演出制御に用いる各種ランダムカウンタの一例を説明するための図である。図6(b)には、ランダムカウンタの一例として、演出内容決定用のランダムカウンタRS1、および飾り図柄の停止図柄決定用のランダムカウンタRS2−1〜RS2−3が示されている。
RS1は、変動表示装置9で行なわれる各種演出の内容をランダムに決定するために用いられる乱数を発生させる演出内容決定用の数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。RS1は、「0」からカウントアップしてその上限である「99」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、33msecごとに1ずつ加算更新される。RS1は、所定タイミングでカウンタの値が抽出され、抽出されたカウンタの値により、予め定められたカウンタの値と演出内容との関係に基づいて、演出内容が選択決定される。
RS2−1〜RS2−3は、変動表示装置9について、飾り図柄の停止図柄を事前にランダムに決定するために用いられる乱数を発生させるための飾り図柄停止図柄決定用の数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。RS2−1は、左図柄の停止図柄を決定するために用いられる。RS2−2は、中図柄の停止図柄を決定するために用いられる。RS2−3は、右図柄の停止図柄を決定するために用いられる。RS2−1〜RS2−3のそれぞれについては、RS2−1が33msecごと、RS2−2がRS2−1の桁上げごと、RS2−3がRS2−2の桁上げごとにそれぞれ加算更新され、0から更新されてその上限である9まで更新された後再度0から更新される。
飾り図柄は、予め定められた図柄の配列順序に従って変動(更新)表示される。予め定められたはずれ図柄決定用データテーブルにおいて、複数種類の飾り図柄のそれぞれには飾り図柄停止図柄決定用の数値データが対応付けられており、遊技制御用マイクロコンピュータ560により、当り判定(R1による判定)で当りとしないとする判定がされたことによりはずれとすることが決定された場合であってかつリーチ状態としないこと、すなわち、非リーチはずれとすることが判定された場合には、所定のタイミングでRS2−1〜RS2−3のそれぞれから抽出された乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の飾り図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。はずれとする場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、非リーチはずれとする場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、はずれとする場合であってかつリーチ状態とする場合には、前述したタイミングで抽出された乱数のうち、RS2−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各飾り図柄の停止図柄として決定され、RS2−2から抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560による当り判定で、15R通常大当り1,2、15R確変大当り1,2、2R確変大当り1,2、2R小当りが決定された場合には、RS2−1〜3とは無関係に、予め定められた大当り図柄の組合せとなるように変動表示装置9の表示結果が制御される。これについては、図32に基づいて後に詳しく説明する。
RS3は、前述した向上演出の内訳を事前にランダムに決定するために用いられる乱数を発生させるための数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。
この向上演出の内訳とは、たとえば、先行する向上する後行する向上演出とで、表示する時短回数(またはベース状態)の具体的内容のことである。たとえば、時短回数が50回に事前決定され、向上演出を2回行なう場合には、2回目の向上演出では時短回数50回を表示するが、1回目の向上演出では、その50回未満のどのような回数を表示するかの内訳が、このRS3を利用して決定される。このことについては、後に詳しく説明する。
次に、前述した大当り、小当り、およびはずれ各々について、特別図柄表示結果を説明する。図7(b)は、大当り、小当り、およびはずれ各々に対応する特別図柄表示結果を表形式で示す図である。
15R通常大当り1については、特別図柄の表示結果を「2」とすることが決定される。15R通常大当り2については、特別図柄の表示結果を「4」にすることが決定される。15R確変大当り1については、特別図柄の表示結果を「1」とすることが決定される。15R確変大当り2については、特別図柄の表示結果を「7」とすることが決定される。
2R確変大当り1については、特別図柄の表示結果を「3」とすることが決定される。2R確変大当り2については、特別図柄の表示結果を「5」とすることが決定される。2R小当りについては、特別図柄の表示結果を「6」とすることが決定される。はずれについては、特別図柄の表示結果を「0」とすることが決定される。
次に、現在の遊技状態および当り判定による大当りの種類から大当り遊技状態終了後に制御される遊技状態を特定するときに参照される大当り後遊技状態特定用テーブルについて説明する。図8は、大当り後遊技状態特定用テーブルを説明するための図である。大当り後遊技状態特定用テーブルは、ROM54に記憶されている。
前述したように15R通常大当り1または15R通常大当り2となり当該大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、低確高ベース状態に制御される。また、前述したように15R確変大当り1または15R確変大当り2となり当該大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、高確高ベース状態に制御される。また、遊技状態が低確低ベース状態である場合に、2R確変大当り1または2R確変大当り2となり当該大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、高確低ベース状態に制御される。遊技状態が低確低ベース状態以外の遊技状態である場合に、2R確変大当り1または2R確変大当り2となり当該大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、大当り遊技終了後の遊技状態として高確高ベース状態に制御される。
また、大当り遊技終了後の遊技状態として高ベース状態に制御される期間を示す時短回数は、大当り前の遊技状態と大当りの種類とに基づき特定される。本実施の形態においては、同じ種類の大当りであっても、そのときの遊技状態に応じて異なる時短回数が特定される。
たとえば、15R通常大当り1となったときであっても、大当り前の遊技状態が、低確低ベース状態である場合に「10」が、低確高ベース状態である場合に「30」が、高確低ベース状態である場合に「40」が、高確高ベース状態である場合に「50」が、当該大当り遊技状態終了後に移行される高ベース状態で実行可能な変動表示の上限回数を示す時短回数として特定される。
また、15R通常大当り2となったときであっても、大当り前の遊技状態が、低確低ベース状態である場合に「20」が、低確高ベース状態である場合に「40」が、高確低ベース状態である場合に「50」が、高確高ベース状態である場合に「60」が、当該大当り遊技状態終了後に移行される高ベース状態で実行可能な変動表示の上限回数を示す時短回数として特定される。
また、15R確変大当り1となったときであっても、大当り前の遊技状態が、低確低ベース状態である場合に「30」が、低確高ベース状態である場合に「50」が、高確低ベース状態である場合に「60」が、高確高ベース状態である場合に「70」が、当該大当り遊技状態終了後に移行される高ベース状態で実行可能な変動表示の上限回数を示す時短回数として特定される。
また、15R確変大当り2となったときであっても、大当り前の遊技状態が、低確低ベース状態である場合に「40」が、低確高ベース状態である場合に「60」が、高確低ベース状態である場合に「70」が、高確高ベース状態である場合に「80」が、当該大当り遊技状態終了後に移行される高ベース状態で実行可能な変動表示の上限回数を示す時短回数として特定される。
また、2R確変大当り1となったときであっても、大当り前の遊技状態が、低確高ベース状態である場合に「70」が、高確低ベース状態である場合に「80」が、高確高ベース状態である場合に「90」が、当該大当り遊技状態終了後に移行される高ベース状態で実行可能な変動表示の上限回数を示す時短回数として特定される。
また、2R確変大当り2となったときであっても、大当り前の遊技状態が、低確高ベース状態である場合に「80」が、高確低ベース状態である場合に「90」が、高確高ベース状態である場合に「100」が、当該大当り遊技状態終了後に移行される高ベース状態で実行可能な変動表示の上限回数を示す時短回数として特定される。
以上のように、同じ種類の大当りであっても、大当り前の遊技状態に応じて異なる時短回数が特定されるように設定されている。本実施の形態における大当り後遊技状態特定用テーブルは、大当り前の遊技状態が低確状態であるときより高確状態であるときの方が、より多い回数が時短回数として特定されるように構成されている。さらに、本実施の形態における大当り後遊技状態特定用テーブルは、大当り前の遊技状態が低ベース状態であるときより高ベース状態であるときの方が、より多い回数が時短回数として特定されるように構成されている。
また、大当り遊技状態終了後に高確率状態に制御される点において15R通常大当りよりも遊技者にとって有利な15R確変大当りの方が、より多い回数が高い割合で時短回数として特定されるように設定されている。たとえば、15R通常大当り2となったときと、15R確変大当り1となったときとを比較した場合、現在の遊技状態がいずれの状態であっても、15R確変大当り1となったときの方が、より多い回数が時短回数として特定される。すなわち、15R通常大当り2となったときよりも15R確変大当り1となったときの方が、4/4(100パーセント)の割合で多い回数が時短回数として特定されるように設定されている。その他の15R通常大当りと15R確変大当りとを比較した場合も同様である。このため、図8の大当り後遊技状態特定用テーブルは、15R通常大当りよりも15R確変大当りの方が、より多い回数が高い割合で時短回数として特定されるように設定されているといえる。
さらに、大当り遊技状態に制御された後、継続権が発生する開放回数の上限値が15R大当りよりも遊技者にとっての有利な程度の低い2R確変大当りの方が、より多い回数が高い割合で時短回数として特定されるように設定されている。たとえば、15R確変大当り2となったときと、2R確変大当り1となったときとを比較した場合、現在の遊技状態が低確低ベース状態のときを除き、現在の遊技状態が低確高ベース状態、高確低ベース状態、または高確高ベース状態のときに、2R確変大当り1となったときの方が、より多い回数が時短回数として特定される。すなわち、15R確変大当り2となったときよりも2R確変大当り1となったときの方が、3/4(75パーセント)の割合で多い回数が時短回数として特定されるように設定されている。その他の15R大当りと2R確変大当りとを比較した場合も同様である。このため、図8の大当り後遊技状態特定用テーブルは、15R大当りよりも2R確変大当りの方が、より多い回数が高い割合で時短回数として特定されるように設定されているといえる。
なお、前述したように、2R確変大当り1または2R確変大当り2となったときであっても、大当り前の遊技状態が、低確低ベース状態である場合には、大当り遊技状態終了後に高ベース状態に移行されない。すなわち、低確低ベース状態であるときに2R確変大当り図柄となった場合は、高確低ベース状態に制御される。一方、低確低ベース状態であるときに小当り図柄となった場合は、遊技状態が変化しないため、低確低ベース状態に制御されたままとなる。このため、低確低ベース状態であるときに飾り図柄の組合せとして「123」が導出表示された場合、2R確変大当りであったのか小当りであったのか遊技者は認識できないため、以後、高確状態であるかもしれないといった期待感を持ちながら遊技を行なうことができ、興趣を向上させることができる。
なお、低確高ベース状態であるときに、飾り図柄の組合せとして「123」が導出表示された場合についても同様である。すなわち、当り遊技状態が終了した後の遊技状態が高ベース状態に制御されたままとなるため、2R確変大当りであったのか小当りであったのか遊技者は認識できない。このため、低確高ベース状態であるときに、飾り図柄の組合せとして「123」が導出表示された場合には、以後、高確状態であるかもしれないといった期待感を持ちながら遊技を行なうことができ、興趣を向上させることができる。
図9は、向上演出決定用テーブルを説明するための図である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、前述したランダムカウンタR5の抽出値と、前述の大当り後遊技状態特定用テーブルをルックアップして決定された時短回数とに基づいて、この向上演出決定用テーブルをルックアップし、向上演出を行なわない、大当り中向上演出を行なう、大当り後向上演出を行なうの、いずれかを選択して決定する。
向上演出決定用テーブルは、図9に示すように、時短回数のデータとして、50回、60回、70回、80回、90回、100回が記録されており、そのそれぞれの時短回数毎に、ランダムカウンタR5の抽出値の範囲が3分割されて記憶されている。たとえば、時短回数が「70回」の場合には、ランダムカウンタR5の抽出値の範囲が、0〜17、18〜52、53〜99の3つに分割されている。それぞれの分割された範囲に対応して、「向上なし」、「大当り中向上」、「大当り後向上」のデータが記録されている。
たとえば、図8の大当り後遊技状態特定用テーブルをルックアップして時短回数が「70回」と決定され、ランダムカウンタR5の抽出値が「55」であった場合には、向上演出決定用テーブルにおける時短回数「70回」の行の「53〜99」の領域となり、その領域に対応する「大当り後向上」が決定される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、時短回数が「50回」未満の場合には、すべて「向上なし」に決定する。これにより、比較的少ない時短回数の場合小刻みに(例えば、時短回数の増加数が2、3回)時短回数を向上させるような自体を回避できる。
図10〜図12は、結果コマンド選択用テーブルを説明するための図である。結果コマンド選択用テーブルは、図10に示すその1と、その1の最後の行から続いているその2と、その2の最後の行から続いているその3との、3つに分けて図示している。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図7(a)の大当り種類決定用テーブルをルックアップして決定した大当り種類と、図8の大当り後遊技状態特定用テーブルをルックアップして決定した時短回数と、図9の向上演出決定用テーブルをルックアップして決定した「向上なし」、「大当り中向上」、「大当り後向上」のうちのいずれかの決定内容とに基づいて、結果コマンド選択用テーブルをルックアップして結果コマンドを決定する。結果コマンド選択用テーブルは、「向上なし」、「大当り中向上」、「大当り後向上」の3つに大きく分割されており、まず、図9に示された向上演出決定用テーブルをルックアップして決定された「向上なし」、「大当り中向上」、「大当り後向上」のいずれかの決定結果に基づいて結果コマンド選択用テーブルがルックアップされる。次に、前述の大当り種類決定用テーブルによる大当りの種類の決定結果と大当り後遊技状態特定用テーブルによる時短回数の決定結果とに基づいて、対応する結果コマンドを決定する。たとえば、向上演出決定用テーブルによる決定結果が「大当り中向上」の場合には、図11に示す結果コマンド選択用テーブル(その2)がルックアップされ、大当り種類決定用テーブルにより15R確変大当り1が決定され、大当り後遊技状態決定用テーブルにより時短回数「60」が決定された場合には、結果コマンド選択用テーブル(その2)の「15R確変大当り1(50回)がルックアップされて、結果コマンドが「8123」に決定される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は演出制御用マイクロコンピュータ800にその決定された結果コマンドである「8123」を送信する。
図13は、変動パターンコマンドの上位バイトを特定するために用いる上位バイト特定用テーブルを説明するための図である。本実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560は、現在制御されている遊技状態に対応する上位バイトを特定し、別途特定され下位バイトと組合せたコマンドを変動パターンコマンドとして、演出制御用マイクロコンピュータ800に送信する。演出制御用マイクロコンピュータ800は、受信した変動パターンコマンドの上位バイトから、現在制御されている遊技状態を特定し、該特定した遊技状態に対応する演出内容を実行する処理を行なう。
本実施の形態においては、保留記憶数が3以上であるときは、保留記憶数が3未満のときと比較して変動時間を短縮させる制御が行なわれる。このため、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、前述した保留記憶数が3以上であるか否かに応じて、異なる上位バイトを特定する。具体的には、保留記憶数が3未満であるときには、図13に示す通常変動時に対応する上位バイトが特定される。一方、保留記憶数が3以上であるときには、図13に示す短縮変動時に対応する上位バイトが特定される。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ800は、受信した変動パターンコマンドの上位バイトから、変動時間を短縮させる制御を行なう状態であるか否かを特定することができる。
図13を参照し、まず、通常変動時の変動パターンコマンドの上位バイトについて説明する。通常変動時の変動パターンコマンドの上位バイトとしては、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるときに「70」が、低確高ベース状態であるときに「71」が、高確低ベース状態であるときに「72」が、高確高ベース状態であるときに「73」が、各々特定される。
次に、短縮変動時の変動パターンコマンドの上位バイトについて説明する。短縮変動時の変動パターンコマンドの上位バイトとしては、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるときに「74」が、低確高ベース状態であるときに「75」が、高確低ベース状態であるときに「76」が、高確高ベース状態であるときに「77」が、各々特定される。
次に、図14を用いて、ROM54に記憶されている変動パターン決定用テーブル(下位バイト特定用テーブル)について説明する。本実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560は、当り判定により大当りまたは小当りにすると判定されたときにセットされる当りフラグの状態およびランダムR3の値に基づいて1の変動パターンを決定するとともに、当該変動パターンに対応する下位バイトを特定し、図13で説明した上位バイトと組合せたコマンドを変動パターンコマンドとして、演出制御用マイクロコンピュータ800に送信する。演出制御用マイクロコンピュータ800は、受信した変動パターンコマンドの下位バイトから、遊技制御用マイクロコンピュータ560により決定された変動パターンを特定するとともに、上位バイトから変動時間を短縮させる状態であるか否かに応じた飾り変動パターンを決定する処理を行なう。
図14(a)は、当りフラグとして15R大当りフラグがセットされているときにルックアップされる15R大当り時テーブルを示す図である。15R大当り時テーブルは、ランダムR3の値が、「0〜9」の範囲内のときに変動時間が「20秒」のノーマルリーチ当り1変動パターンが実行する変動パターンとして決定され、「10〜19」の範囲内のときに変動時間が「25秒」のノーマルリーチ当り2変動パターンが実行する変動パターンとして決定され、「20〜39」の範囲内のときに変動時間が「35秒」のスーパーリーチ当り1変動パターンが実行する変動パターンとして決定され、「40〜99」の範囲内のときに変動時間が「45秒」のスーパーリーチ当り2変動パターンが実行する変動パターンとして決定されるように、振分が設定されている。このように15R大当り時テーブルは、ノーマルリーチ当り1変動パターンが決定される割合よりも、ノーマルリーチ当り2変動パターン,スーパーリーチ当り1変動パターン,スーパーリーチ当り2変動パターンの順で、実行される変動パターンとして決定される割合が高くなるように振分が設定されている。
図14(b)は、当りフラグとして2R大当りフラグまたは小当りフラグがセットされているときにルックアップされる2R当り時テーブルを示す図である。2R当り時テーブルは、ランダムR3の値が、「0〜99」の全範囲内で、変動時間が「15秒」の2R当り変動パターンが実行する変動パターンとして決定される。2R当り変動パターンが実行されたときには、変動表示中においてリーチ状態を発生させる制御が行なわれない。なお、本実施の形態においては、当りフラグとして2R大当りフラグまたは小当りフラグがセットされているときに、2R当り変動パターンが実行する変動パターンとして決定される例について説明するが、これに限らず、複数種類の変動パターンからランダムR3の値に基づき一の変動パターンが決定されるように構成してもよい。
図14(c)は、はずれフラグがセットされているときにルックアップされるはずれ時テーブルを示す図である。はずれ時テーブルは、ランダムR3の値が、「0〜79」の範囲内のときに変動時間が「15秒」のノーマルはずれ変動パターンが実行する変動パターンとして決定され、「80〜87」の範囲内のときに変動時間が「20秒」のノーマルリーチはずれ1変動パターンが実行する変動パターンとして決定され、「88〜92」の範囲内のときに変動時間が「25秒」のノーマルリーチはずれ2変動パターンが実行する変動パターンとして決定され、「93〜96」の範囲内のときに変動時間が「35秒」のスーパーリーチはずれ1変動パターンが実行する変動パターンとして決定され、「97〜99」の範囲内のときに変動時間が「45秒」のスーパーリーチはずれ2変動パターンが実行する変動パターンとして決定されるように、振分が設定されている。このようにはずれ時テーブルは、ノーマルはずれ変動パターンが決定される割合が最も高く、ノーマルリーチはずれ1変動パターン,ノーマルリーチはずれ2変動パターン,スーパーリーチはずれ1変動パターン,スーパーリーチはずれ2変動パターンの順で、実行される変動パターンとして決定される割合が低くなるように振分が設定されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、はずれ時テーブルが用いられ、変動パターンとして、ノーマルはずれ変動パターンが決定されたときに変動パターンコマンドの下位バイトとして「00」が、ノーマルリーチはずれ1変動パターンが決定されたときに変動パターンコマンドの下位バイトとして「01」が、ノーマルリーチはずれ2変動パターンが決定されたときに変動パターンコマンドの下位バイトとして「02」が、スーパーリーチはずれ1変動パターンが決定されたときに変動パターンコマンドの下位バイトとして「03」が、スーパーリーチはずれ2変動パターンが決定されたときに変動パターンコマンドの下位バイトとして「04」が、各々特定される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、15R大当り時テーブルが用いられ、変動パターンとして、ノーマルリーチ当り1変動パターンが決定されたときに変動パターンコマンドの下位バイトとして「10」が、ノーマルリーチ当り2変動パターンが決定されたときに変動パターンコマンドの下位バイトとして「11」が、スーパーリーチ当り1変動パターンが決定されたときに変動パターンコマンドの下位バイトとして「12」が、スーパーリーチ当り2変動パターンが決定されたときに変動パターンコマンドの下位バイトとして「13」が、各々特定される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2R当り時テーブルが用いられ、変動パターンとして、2R当り変動パターンが決定されたときに変動パターンコマンドの下位バイトとして「14」が特定される。
なお、高ベース状態(時短状態)に制御されているとき、および保留記憶数が3以上あるときに変動時間を短縮させる状態である短縮変動時には、特別図柄表示器8等における変動表示の変動時間を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御が行なわれる。この場合、変動時間として括弧内に示す時間が設定されるように構成することにより、早期に表示結果を導出表示させる制御が行なわれる。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。図15および図16は、パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSという)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。なお、S2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードとなるように設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行なう(S4)。S4の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。
次に、入力ポート1のビット0の状態によって電源断信号がオフ状態になっているか否か確認する(S5)。パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたときに、+5V電源などの各種電源の出力電圧は徐々に規定値に達するのであるが、S5の処理によって、すなわち、電源断信号が出力されていない(ハイレベルになっている)ことを確認することにより遊技制御用マイクロコンピュータ560は電源電圧が安定したことを確認することができる。
電源断信号がオン状態である場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、所定期間(たとえば、0.1秒)の遅延時間の後に(S80)、再度、電源断信号がオフ状態になっているか否か確認する。電源断信号がオフ状態になっている場合には、RAM55をアクセス可能状態に設定する(S6)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、クリア信号のチェック処理に移行し、クリアスイッチオンフラグがセットされているか否か確認する(S7)。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。たとえば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(たとえば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
クリアスイッチオンフラグがセットされていない場合には、パチンコ遊技機1への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S8)。電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行なわれている。そのような電力供給停止時処理が行なわれていたことを確認した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電力供給停止時処理が行なわれた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行なわれていないことを確認した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行なわれていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(たとえば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、S8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行なわれたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう(S9)。クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。S9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(S10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態とを電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S93)、S15に移行する。
初期化処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、確変フラグ、時短フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。確変フラグおよび時短フラグ等は、たとえば、リセット状態に設定される。また、出力ポートバッファにおける接続確認信号を出力する出力ポートに対応するビットがセット(接続確認信号のオン状態に対応)される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S13)、その内容にしたがってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(S14)。初期化コマンドとして、変動表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。
以上のように、遊技店員等は、クリアスイッチをオン状態してクリア信号が出力される状態にしながらパチンコ遊技機1に対する電力供給を開始する(たとえば電源スイッチをオンする)ことによって、容易に初期化処理を実行させることができる。すなわち、RAMクリア等を行なうことができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S15)。具体的には、前述したように、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバを用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。この場合、CPU56は、乱数回路設定プログラムにしたがって処理を実行することによって、乱数回路503にR1の値を更新させるための設定を行なう。さらに、前述したユーザによる数値データの更新範囲の選択設定機能、数値データの更新規則の選択設定機能、および、数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能のそれぞれの設定が、S15により行なわれる。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、所定時間(たとえば2msec)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(S16)。すなわち、初期値としてたとえば2msecに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2msecごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、表示用乱数更新処理(S18)を繰返し実行する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして(S17)、表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする(S19)。なお、表示用乱数とは、特別図柄および飾り図柄の変動表示の制御のために用いる乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。具体的に、表示用乱数更新処理では、前述のR3の値が更新される。なお、本実施形態において、2msecごとの割込処理が実行された後次回の割込処理が実行されるまでの割込待ち処理余り時間に、S18の表示用乱数更新処理が繰返し行なわれることとなる。
なお、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、S18の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、S18の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
次に、遊技制御処理について説明する。図17は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、図16のS17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理において遊技制御処理を実行する。このタイマ割込処理は、たとえば2msecごとに1回実行される。
タイマ割込処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(S101)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S102)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を1加算する。各スイッチタイマは、各タイマの値が所定値以上となったとき、すなわち、各スイッチが所定時間継続してオン状態となったときに、各スイッチが正常にオン状態となったと判断するために用いられる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、S15の乱数回路設定処理において所定の最終値までカウント値が更新されたときに初期値を更新する旨の設定がされているかを確認し、乱数回路503に入力する初期値を更新する処理を行なう(初期値更新処理:S103)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技制御に用いる乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(乱数更新処理:S104)。具体的に、S104における乱数更新処理では、前述のR2〜R4の値が更新される。
初期値更新処理および乱数更新処理を行なうと、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503においてカウント値の順列を変更させるカウント値順列変更処理を行なう(S105)。この実施の形態では、乱数回路設定処理でカウント値順列変更フラグがセットされているか否かによって、カウント値順列変更処理を実行するか否かが決定されている。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、カウント値順列変更フラグがセットされていることに基づいて、カウント値順列変更処理を実行する。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセス処理を行なう(S106)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて特別図柄表示器8および特別可変入賞球装置20等を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行なう(S107)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動に同期する飾り図柄に関するコマンドを含む各種演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S108)。なお、飾り図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間が同じであることを意味する。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される当り情報、始動情報、確率変動中情報、および時短中情報などのデータを出力する情報出力処理を行なう(S109)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する(S110)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等がオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す賞球個数信号等の払出指令信号を出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ(図示省略)は、賞球個数を示す賞球個数信号の受信に応じて球払出装置970を駆動する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(S111)。また、パチンコ遊技機1の制御状態をパチンコ遊技機1外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(S112)。さらに、所定の条件が成立したときに出力回路59に各種ソレノイドについての駆動指令を行なうソレノイド出力処理(S113)を実行する。可変入賞球装置15、特別可変入賞球装置20を開状態または閉状態とするために、出力回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21を駆動する。
次に、特別図柄表示制御処理が行なわれる(S114)。特別図柄表示制御処理では、特別図柄表示器8の表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。また、普通図柄表示制御処理が行なわれる(S115)。普通図柄表示制御処理では、普通図柄表示器10の表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。
次に、状態表示灯表示処理が行なわれる(S116)。状態表示灯表示処理では、状態表示灯を制御するための状態表示灯表示処理が行なわれる。本実施の形態における状態表示灯表示処理においては、遊技状態が確変状態または時短状態であるときに、状態表示灯タイマの更新、状態表示灯の点滅設定、および、状態表示灯の点滅速度等を設定する処理が行なわれる。その後、割込許可状態に設定する(S117)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は定期的(たとえば2msecごと)に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はフラグがセットされたことに基づいてメイン処理において実行されるようにしてもよい。また、S102〜S116の処理(S109およびS112を除く)が、遊技の進行を制御する遊技制御処理に相当する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、タイマ割込処理を実行した回数をカウントする処理を実行する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、タイマ割込処理を実行するごとに、タイマ割込処理を実行した回数を示す割込回数カウンタをカウントアップする。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、S113においてソレノイド出力処理を完了すると、タイマ割込処理を実行した回数を示す割込回数カウンタの値を1加算する。この割込回数カウンタは、たとえば、乱数回路503から乱数値を読出す条件が成立したか否かを判断するために用いられる。
また、たとえば、タイマ割込処理では、遊技制御処理のうちスイッチ処理(S102)、演出制御コマンド制御処理(S108)、および、割込回数カウント処理(前述したタイマ割込処理を実行した回数をカウントする処理)のみを実行するようにし、遊技制御処理のうちの他の処理をメイン処理において実行するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、メイン処理におけるS17からS19までのループ処理において、遊技制御処理のうち、S103からS107、および、S110からS116(S112を除く)の処理を実行する(前述の割込回数カウント処理は含まない)。
また、CPU56は、タイマ割込処理において、前述のように割込回数をカウントした後に、タイマ割込回数が所定回数(たとえば、3回)に達したことを検出すると、乱数回路503から乱数値を読出す条件が成立したと判断し、乱数値の読出し条件が成立した旨を示す乱数読出フラグをセットする。CPU56は、メイン処理において、特別図柄プロセス処理(S106)における後述の始動口スイッチ通過処理(S132)の実行の際に、乱数読出フラグがセットされているか否かを判断し、乱数読出フラグがセットされていると判断すると、乱数回路503に出力制御信号を出力し、更新されているR1の値を読出す。そして、CPU56は、メイン処理において、特別図柄プロセス処理(S106)における後述の特別図柄通常処理(S140)の実行の際に、読出した乱数値に基づいて当り判定が行なわれる。
次に、メイン処理における特別図柄プロセス処理(S106)を説明する。図18は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムを示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(S131)、始動口スイッチ通過処理(S132)を行なった後に、内部状態に応じて、S140〜S147のうちのいずれかの処理を行なう。
S132の始動口スイッチ通過処理では、始動口スイッチ14aがオンしたとき(具体的には、始動口スイッチ14aに対応して設けられているスイッチタイマの値が所定値以上になったと判定されたとき)に、RAM55の保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)が上限値に達しているかどうか確認し、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が最大値に達していなければ、前述した乱数読出フラグがセットされているか否かの判定を行ない、セットされていれば、保留記憶数を示す保留記憶カウンタのカウント値を1増やす。そして、乱数回路503からR1の数値データ、特別図柄決定用のランダムカウンタからR2の数値データをそれぞれ抽出し、それらを保留記憶バッファの抽出順番に対応する(保留記憶カウンタの値に対応する)保存領域に格納する処理が実行される。ここで乱数回路503からのR1の数値データの抽出は、乱数回路503に出力制御信号を入力し、乱数回路503で更新された乱数値として記憶されているR1の数値データを読出すことにより行なわれる。このように始動口スイッチ14aがオンし、かつ、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)が上限値に達していないときに、数値データを抽出する条件が成立し、変動表示を実行するための実行条件、すなわち、変動表示の始動条件が成立することとなる。
特別図柄通常処理(S140):特別図柄の変動表示を実行開始できる状態(たとえば、特別図柄表示器8において図柄の変動がなされておらず、特別図柄表示器8における前回の図柄変動が終了してから所定期間が経過しており、かつ、大当り遊技中でもない状態)になるのを待つ。特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、変動表示の開始条件が成立し、特別図柄についての保留記憶カウンタのカウント値を確認することにより保留記憶数を確認する。そして、保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、特別図柄表示器8の変動表示の結果として当り判定を行なう。当り判定により大当りとする場合には、大当り種類を決定し対応する大当りフラグをセットする。当り判定により小当りとする場合には、小当りフラグをセットする。そして、特別図柄プロセスフラグをS141に移行するように更新する。
変動パターン設定処理(S141):当り判定の判定結果に基づいて、変動パターンテーブルを選択するともに、変動パターン決定用のランダムカウンタR3の値を抽出し、R3の値に応じて変動パターンテーブルに設定された複数種類の変動パターンの中から、実行する変動パターンを選択決定することにより、特別図柄表示器8および変動表示装置9での変動表示の変動パターンを選択決定する。
また、選択決定された変動パターンに基づいて、特別図柄表示器8での変動表示について、変動時間を特別図柄プロセスタイマにセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。また、特別図柄の変動表示を開始させるための駆動信号がセットされる。ここでセットされた駆動信号は、図17のS114において出力される。また、飾り図柄の変動時間を特定するための情報を含む変動パターンを指令するコマンドである変動パターンコマンドがセットされる。ここでセットされた変動パターンコマンドは、図17のS108において演出制御基板80に対して出力される。そして、特別図柄プロセスフラグをS142に移行するように更新する。
特別図柄変動処理(S142):変動パターン設定処理で選択決定された変動パターンでの変動時間が経過(S141でセットされた特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、特別図柄プロセスフラグをS143に移行するように更新する。
特別図柄停止処理(S143):特別図柄表示器8および変動表示装置9のそれぞれにおいて変動表示される図柄が停止されるように制御する。具体的には、特別図柄を停止する駆動信号がセットされる。ここでセットされた駆動信号は、図17のS114において出力される。そして、飾り図柄を停止させるための図柄停止コマンドがセットされる。ここでセットされた図柄停止コマンドは、図17のS108において演出制御基板80に対して出力される。そして、大当りフラグがセットされている場合と、小当りフラグがセットされている場合とには、特別図柄プロセスフラグをS144に移行するように更新する。そうでない場合には、特別図柄プロセスフラグをS140に移行するように更新する。
大入賞口開放前処理(S144):大当りまたは小当りとなったときに、特別図柄プロセスタイマに大入賞口開放中処理の実行時間を設定する等、大当り遊技状態または小当り遊技状態の制御に関するデータを設定し、特別図柄プロセスフラグをS145に移行するように更新する。より具体的には、S144では、大当り遊技状態における開放回数(ラウンド回数)の設定、大入賞口の開放時間の上限値の設定、各開放状態(ラウンド)間のインターバル期間の設定等の大当り遊技状態の制御に必要となるデータの設定、小当り遊技状態における開放回数の設定、大入賞口の開放時間の設定、および、各開放状態間のインターバル期間の設定等の小当り遊技状態の制御に必要となるデータの設定を行なう。
大入賞口開放中処理(S145):大当り遊技状態および小当り遊技状態中の各開放状態の開始条件の成立(当り開始時から所定時間経過(1回目の開放)時、前の開放終了時からインターバル時間経過(1回目以降の開放)時)を確認して大入賞口を開放する各開放状態の開始時処理を行なうとともに、各開放状態の開始を指定(特定)するためのラウンド開始コマンド等の各開放状態についての表示を行なうための演出制御コマンドを演出制御基板80に送信するための処理を行なう。そして、各開放状態中は、大入賞口への入賞個数の管理等の開放状態中処理を行なう。その後、各ラウンドの開放終了条件の成立を確認し、開放終了条件が成立したら、各開放状態の終了を指定(特定)するためのラウンド終了コマンドを演出制御基板80に送信するための処理を行ない、特別図柄プロセスフラグをS146に移行するように更新する。
大入賞口開放後処理(S146):まだ開放状態の残り回数があるか否かの判定を行ない、残り回数がある場合には特別図柄プロセスフラグをS145に移行するように更新し次の開放状態に移行させる。一方、開放状態の残り回数がない場合は、エンディング表示の実行時間を管理するための当り終了タイマをセットし、特別図柄プロセスフラグをS147に移行するように更新する。
当り終了処理(S147):当り遊技状態の終了時の表示を指定(特定)するためのエンディング表示コマンドを送信するための処理を行なう。そして、当り終了タイマ(減算更新されるタイマ)によりエンディング表示の実行時間が経過したときに、特別図柄プロセスフラグをS140に移行するように更新する。
図19は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S140)を示すフローチャートである。遊技制御マイクロコンピュータ560は、特別図柄通常処理において、以下のような処理を行なう。
まず、保留記憶カウンタの値を確認して保留記憶数が「0」であるか否かを判別する(S21)。なお、特別図柄通常処理は、特別図柄表示器8において特別図柄の変動処理が行なわれておらず、かつ、大当り遊技状態中でもない場合に実行される。保留記憶数が0であればそのまま特別図柄通常処理を終了する。
一方、保留記憶数が0でなければ、RAM55の保留記憶バッファにおける保留記憶数=1に対応する保留記憶バッファに格納されている各乱数(数値データ)を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(S22)、保留記憶数の値を1減らし(保留記憶カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S23)。すなわち、RAM55の保留記憶バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数が抽出された順番は、常に保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、変動表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数が抽出された順番を特定することができる。
次に、乱数バッファ領域から当り判定用乱数(R1の抽出データ)を読出し(S24)、当り判定処理を実行する(S25)。当り判定処理においては、次のような処理を行なう。まず、確変フラグがセットされているか否かを判別する。確変フラグがセットされているとき(確変状態となるときに、後述する図23のS173においてセットされる)には、当り判定に用いる大当り判定値に高確率状態時の大当り判定値をセットし、確変フラグがセットされていないときには、当り判定に用いる大当り判定値に低確率状態時の大当り判定値を設定する。そして、S24で読出した当り判定用乱数と大当り判定値とを比較し、当り判定用乱数と大当り判定値とが一致するときに大当りとする決定を行ない、これらが一致しないときには、当り判定に用いる当り判定値に小当り判定値を設定する。また、当り判定用乱数と大当り判定値とが一致しないときに、S24で読出した当り判定用乱数と小当り判定値とを比較し、当り判定用乱数と小当り判定値とが一致するときに小当りとする決定を行ない、これが一致しないときにはずれとする決定を行なう。
当り判定処理の結果、大当りとすることに決定した場合には(S26においてYES)、図7(a)で示した大当り種類決定テーブルをルックアップし大当りの種類が決定される(S30)。なお、S30において大当りの種類が決定されることにより、当該決定された大当り種類と現在の遊技状態とに基づき、時短回数が特定されることになる。すなわち、S30においては、さらに時短回数が決定されることになる。また、決定された大当りの種類に対応する大当りフラグがセットされる(S31)。たとえば、15R通常大当り1が決定されたときには15R通常大当り1フラグが、15R通常大当り2が決定されたときには15R通常大当り2フラグが、15R確変大当り1が決定されたときには15R確変大当り1フラグが、15R確変大当り2が決定されたときには15R確変大当り2フラグが、2R確変大当り1が決定されたときには2R確変大当り1フラグが、2R確変大当り2が決定されたときには2R確変大当り2フラグが、各々セットされる。
次に、大当りフラグ、確変フラグ、時短フラグに基づいて、大当り後遊技状態特定用テーブル(図8)を参照して、大当り後遊技状態を決定して対応する遊技状態フラグにセットする処理がなされる(S31a)。具体的には、大当り後遊技状態特定用テーブル(図8)を参照して、高ベース状態か低ベース状態か、および、高ベース状態のときの時短回数が決定される。そして、高ベース状態が決定されたときには高ベースフラグがセットされ、低ベース状態が決定されたときには低ベースフラグがセットされる。また、決定された大当り後時短回数は大当り後時短回数データとしてRAM55に記憶される。
次に、大当り後時短回数とランダムカウンタR4の値とに基づいて、向上演出決定用テーブルを参照して、「向上なし」、「大当り中向上」、「大当り後向上」のいずれかが決定される(S31b)。
一方、当り判定処理の結果、大当りにしないと決定された場合には(S26においてNO)、小当りにすると決定されたか否かを判別する処理が行なわれる(S27)。小当りとすることに決定した場合には(S27においてYES)、小当りフラグをセットする(S28)。なお、大当りフラグおよび小当りフラグを総称して当りフラグという場合がある。一方、小当りとしないことに決定された場合には(S27においてNO)、はずれフラグがセットされる(S29)。
S32では、送信する結果コマンドを選択する処理を行なう(S32)。具体的には、S31aにより決定された「向上なし」、「大当り中向上」、「大当り後向上」のいずれかの決定結果と、S31によりセットされた大当りフラグに対応する大当りの種類またはS29によりセットされたはずれフラグと、S30により決定された時短回数とに基づいて、結果コマンド選択用テーブル(図10〜図12参照)を参照して、結果コマンドが選択される。
S33においては、S32において選択された結果コマンドを、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ800へ送信する処理が行なわれる。そして、S34において、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S141)に対応した値に更新し、リターンする。
図20は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S141)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターン設定処理において、以下のような処理を行なう。
まず、S31でセットされる15R大当りフラグがセットされているか否かを判断することにより、変動表示について15R大当りとする決定がされているか否かを判断する(S61)。
S61において、15R大当りとする決定がされていると判断されたときは、図14(a)で説明した15R大当り時テーブルをルックアップし(S62)、R3から値を読出し該読み出した抽出値に応じて15R大当り時テーブルの振分けにしたがって変動パターンを決定する処理が行なわれる(S63)。
一方、S61において、15R大当りフラグがセットされていないと判断されたときは、S61aにおいてS29においてセットされるはずれフラグがセットされているか否かを判断することにより、変動表示についてはずれとする決定がされているか否かを判断する(S61a)。
S61aにおいて、はずれとする決定がされていないと判断されたときは、2R確変大当りまたは小当りとなるため、図14(b)で説明した2R当り時テーブルをルックアップし(S62a)、変動パターンとして2R当り変動パターンを決定する処理が行なわれる(S63a)。
一方、S61aにおいて、はずれフラグがセットされていると判断されたときは、図14(c)で説明したはずれ時テーブルをルックアップし(S64)、R3から値を読出し該読み出した抽出値に応じてはずれ時テーブルの振分けにしたがって変動パターンを決定する処理が行なわれる(S65)。
S66においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ800に送信される変動パターンコマンドの上位バイトを特定する処理が行なわれる。具体的には、図13で説明した上位バイト特定用テーブルをルックアップし、現在の遊技状態に対応する変動パターンコマンドの上位バイトを特定する処理が行なわれる。
S67においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ800に送信される変動パターンコマンドの下位バイトを特定する処理が行なわれる。具体的には、S63、S63aあるいはS65において決定された変動パターンに対応する変動パターンコマンドの下位バイトを特定する処理が行なわれる。
S68においては、S66において特定した上位バイトとS67において特定した下位バイトとに基づき、2バイトの変動パターンコマンドを特定し、セットする処理が行なわれる。S68において変動パターンコマンドをセットするとは、具体的には、RAM55のバッファに変動パターンコマンドのデータをセットする処理をいう。セットされた変動パターンコマンドは、演出制御コマンドとして、図17のS108において遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ800へ出力される。なお、S68により設定された変動パターンコマンドは、現在の遊技状態、および決定された変動パターンの種類を特定するマルチコマンドである。
なお、図19のS32、S33、図20のS66〜S68、図17のS108からなるコマンド送信手段は、識別情報(図柄)の変動表示の開始時に毎回コマンド送信するものに限らず、コマンド内容が変化したときのみ送信してもよく、また、大当り後1回だけ送信するものであってもよい。
そして、特別図柄表示器8において、特別図柄の変動表示を開始させるための処理を行なう(S69)。具体的には、特別図柄表示器8で特別図柄の変動表示を開始させる駆動信号がセットされ、その駆動信号が図17のS114で出力される。選択決定された変動パターンに基づいて、特別図柄表示器8において変動時間を特別図柄プロセスタイマにセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる(S70)。なお、高ベース状態に制御されているとき、および短縮変動時には、短縮変動時間を特別図柄プロセスタイマにセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。特別図柄プロセスタイマは、変動時間を管理するために用いられるタイマである。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動処理(S142)に対応した値に更新し(S71)、リターンする。
図21は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S143)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、次のような処理を行なう。
まず、特別図柄の変動表示を停止させるための処理を行なう(S150)。具体的には、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示を停止させる駆動信号がセットされ、その駆動信号が図17のS114で出力される。これにより、特別図柄が前述のように決定された停止図柄で停止表示される。さらに、図柄停止コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(S151)。図柄停止コマンドは、変動表示装置9における飾り図柄の変動表示を停止させる旨を指定(特定)するコマンドである。S151でセットされた図柄停止コマンドは、図17のS108において演出制御基板80に送信される。演出制御用マイクロコンピュータ800は、図柄停止コマンドを受信すると、変動表示装置9における飾り図柄の変動表示を停止して表示結果を導出表示させる制御を実行する。
次に、時短状態に制御されているか否かを判断するために、時短フラグがセット状態であるか否かを判断する(S152)。時短フラグがセットされている状態ではないとき、すなわち、低ベース状態であるときには、後述するS156に進む。一方、時短フラグがセットされている状態であるとき、すなわち、高ベース状態であるときには、時短カウンタから「1」を減算する(S153)。ここで、時短カウンタとは、時短状態の継続期間を管理するために用いられる計数手段である。時短カウンタは、図23のS173においてセットされ、特別図柄および飾り図柄の変動表示が1回行なわれるごとにS153により1ずつ減算更新される。
次に、時短カウンタの値が「0」になっているか否かを判断する(S154)。時短カウンタの値が「0」になっていないときには、後述するS156に進む。一方、時短カウンタの値が「0」になっているときには、時短状態の終了条件が成立したので、時短状態を終了させるために、時短フラグをリセットし(S155)、S156に進む。
S156では、大当りフラグがセットされているか否かを確認する。S156で大当りフラグがセットされているときには、すなわち、特別図柄通常処理(S140)におけるS25,S26で大当りと判定されてS30で決定された大当り種類の大当りが開始されることを示す当り開始コマンドである大当り開始コマンドを送信するための設定(コマンドのセット)をし(S157)、後述するS159aに進む。具体的に、S157では、S31でセットされた大当りフラグに対応する大当りの種類を特定する大当り開始コマンドを送信するための設定をする。
S157でセットされた大当り開始コマンドは、図17のS108により演出制御基板80に送信される。演出制御用マイクロコンピュータ800は、大当り開始コマンドを受信すると、変動表示装置9で受信した大当り開始コマンドに応じた表示制御を行なう。
また、S156で大当りフラグがセットされていないときには、小当りフラグがセットされているか否かを判断する(S158)。小当りフラグがセットされているときには、小当りが開始されることを示す当り開始コマンドである小当り開始コマンドを送信するための設定(コマンドのセット)をし(S159)、S159aに進む。一方、小当りフラグがセットされていないときには、変動表示結果がはずれとなるときであるので、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S140)に対応した値に更新し(S159b)、リターンする。また、S159aでは、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S144)に対応した値に更新し、リターンする。
図22は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(S144)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、次のような処理を行なう。
まず、2R確変大当りフラグがセットされているか否かを判断することにより、2R確変大当りとする決定がされているか否かを判断する(S160)。2R確変大当りとする決定がされていると判断されたときは、後述するS164に進む。一方、2R確変大当りとしない決定がされていると判断されたとき(15R通常大当り1、15R通常大当り2、15R確変大当り1、15R確変大当り2、または、小当りとする決定がされているとき)は、小当りフラグがセットされているか否かを判断することにより、小当りとする決定がされているか否かを判断する(S161)。
小当りとする決定がされていないとき、すなわち、15R通常大当り1、15R通常大当り2、15R確変大当り1、15R確変大当り2のうちいずれかにする決定がされているときには、15ラウンドで繰返し継続制御が行なわれるとき、すなわち、特別可変入賞球装置20が15回開放するときであるので、特別可変入賞球装置20の開放回数のデータを15回に設定し(S162)、各ラウンドにおける大入賞口の開放時間の上限値データを30秒に設定し(S163)、後述するS166に進む。これにより、大入賞口開放中処理において実行される開放回数が15回となり、各ラウンドにおける開放時間の最大時間が30秒間となる。一方、小当りとする決定がされていると判断されたときは、S164に進む。
S164では、大入賞口の開放回数のデータを2回に設定し、各大入賞口の開放回における大入賞口の開放時間の上限値データを1秒に設定し(S165)、S166に進む。これにより、2R確変大当り、および、小当りのそれぞれについては、大入賞口開放中処理において実行される大入賞口の開放回数が2回となり、各大入賞口の開放回における開放時間が1秒間となる。
S166では、前述した開放回数および開放時間の上限値の他に、大当りまたは小当りによる当り遊技状態の制御に必要となるデータを設定する。一例として、大当り遊技状態における各開放状態(ラウンド)間のインターバル期間は、S166により設定される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(S145)に対応した値に更新し(S167)、リターンする。
図23は、特別図柄プロセス処理における当り終了処理(S147)を示すフローチャートである。当り終了処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、次のような処理を行なう。
まず、大入賞口開放後処理(S146)においてセットされた当り終了タイマを減算更新する(S171)。そして、当り終了タイマがタイムアウト(値が「0」となったこと)したか否かを判断する(S172)。当り終了タイマがタイムアウトしていないと判断されたときは、リターンする。これにより、当り終了タイマは、当り終了処理が実行されるごとに減算更新されることによりエンディング表示の実行時間の計時を行なう。一方、当り終了タイマがタイムアウトしたときには、次に、大当り後遊技状態特定用テーブル(図8参照)をルックアップし、確変フラグおよび時短フラグのセット状態から特定される大当り前の遊技状態と大当り判定時の決定結果である大当りフラグとから特定される遊技状態(時短回数を含む)に更新する処理を行なう(S173)。S173では、確変フラグについて、低確率状態が特定されたときにリセット状態にし、高確率状態が特定されたときにセット状態にする。S173では、時短フラグについて、低ベース状態が特定されたときにリセット状態にし、高ベース状態が特定されたときにセット状態にする。S173では、時短カウンタについて、特定された値に更新する。これにより、大当り遊技状態の終了後に、大当り前の遊技状態と大当り判定時の決定結果である大当りフラグとから特定される遊技状態に制御される。大当りフラグまたは小当りフラグ等の当りフラグをリセットし(S174)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S140)に対応した値に更新し(S175)、リターンする。なお、S172でYESの判断がなされたときに、小当りフラグがセットされている場合には、S173の処理を行なうことなく次のS174のステップに移行する。
次に、メイン処理における普通図柄プロセス処理(S107)を説明する。図24は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する普通図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセス処理を行なう際に、遊技盤6に設けられているゲート32を遊技球が通過したことを検出するためのゲートスイッチ32aがオンしていたら、すなわち遊技球がゲート32を通過していたら(S450)、ゲートスイッチ通過処理(S451)を行なった後に、内部状態に応じて、S452〜S455のうちのいずれかの処理を行なう。
ゲートスイッチ通過処理においては、ゲートスイッチ32aを通過した遊技球のうち未だに普通図柄表示器10における普通図柄の変動表示に用いられていないものを保留記憶するゲート通過記憶カウンタの値がその上限である「4」以上になっているか否か判断する。そして、「4」未満の場合に、ゲート通過記憶カウンタを「1」加算更新し、普通図柄表示器10における停止図柄を当り図柄にするか否かを判定するための普通図柄判定用のランダムカウンタからカウント値を抽出し、加算したゲート通過記憶カウンタに対応する乱数記憶エリアに記憶する処理が行なわれる。
S452においては、普通図柄通常処理が行なわれる。普通図柄通常処理において、普通図柄判定用のランダムカウンタから抽出したカウント値に基づき、当り判定処理が行なわれる。当り判定処理により、当りと判定されたときには当りフラグがオン状態にセットされる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を、S453の普通図柄変動処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。当り判定処理においては、低ベース状態であるときより、高ベース状態であるときの方が、当りと判定する割合が高くなるように処理が行なわれる。当りと判定する割合が高くなるように処理としては、たとえば、当りと判定する当り判定値の数を、低ベース状態であるときより、高ベース状態であるときに、多く設定することにより行なわれるように構成してもよい。これにより、前述した普通図柄確変制御を行なうことができる。
S453においては、普通図柄変動処理が行なわれる。普通図柄変動処理において、予め定められた変動時間が経過すると、普通図柄プロセスフラグの値を、普通図柄停止処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。変動時間は、低ベース状態であるときより、高ベース状態であるときの方が、短くなるよう設定する処理が行なわれる。これにより、前述した普通図柄時短制御を行なうことができる。
S454においては、普通図柄停止処理が行なわれる。普通図柄停止処理において、普通図柄表示器10において普通図柄が停止されるように制御する処理が行なわれる。そして、当りフラグがオン状態にセットされているときには、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。一方、当りフラグがオン状態にセットされていないときには、普通図柄プロセスフラグの値を、普通図柄通常処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。
S455においては、普通電動役物作動処理が行なわれる。普通電動役物作動処理においては、可変入賞球装置15を開成させるとともに、可変入賞球装置15の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。閉成条件が成立しているときには、普通可変入賞球装置58の閉成状態に制御するとともに、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。閉成条件は、低ベース状態であるときより、高ベース状態であるときの方が、開放回数が多くかつ1開放当りの開放時間が長くなるよう設定されている。これにより、前述した開放延長制御および回数増加制御を行なうことができる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ800の動作を説明する。図25は、演出制御用マイクロコンピュータ800が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S201)。初期化処理が終了すると、演出制御用マイクロコンピュータ800は、タイマ割込フラグの監視を行なう(S202)。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ800は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグの値として「1」をセットする。S202において、タイマ割込フラグの値として「1」がセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ800は、タイマ割込フラグの値をクリアし(S203)、以下の演出制御処理を実行する。
タイマ割込は、たとえば33msecごとに発生する。すなわち、演出制御処理は、たとえば33msecごとに起動される。また、この実施の形態におけるタイマ割込処理では、タイマ割込フラグの値として「1」をセットする処理のみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
演出制御処理においては、まず、電源断信号が出力されたか否かを監視する電源断処理を実行する(S204)。次に、受信した演出制御コマンドを解析するコマンド解析処理を実行する(S205)。次いで、演出制御プロセス処理を行なう(S206)。演出制御プロセス処理の内容については、図28を用いて後述する。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応したプロセスを選択して変動表示装置9の表示制御を含む演出制御を実行する。
次に、所定のランダムカウンタを更新する乱数更新処理を実行する(S207)。乱数更新処理においては、たとえば、演出内容決定用のランダムカウンタRS1、および飾り図柄の停止図柄決定用のランダムカウンタRS2−1〜RS2−3等の各種ランダムカウンタが更新される。その後、S202のタイマ割込フラグの確認を行なう処理に戻る。主基板31からの演出制御用のINT信号は、演出制御用マイクロコンピュータ800の割込端子に入力されている。たとえば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、演出制御用マイクロコンピュータ800においてINT割込が発生する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ800は、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、演出制御用マイクロコンピュータ800は、受信した演出制御コマンドデータを、RAM85に設けられたコマンド受信バッファに格納する。
次に、図25のS205によるコマンド解析処理を説明する。図26は、コマンド解析処理を示すフローチャートである。
コマンド解析処理においては、コマンド受信バッファに受信コマンドがあるか否かを判断し(S211)、受信コマンドがないときには、リターンする。一方、受信コマンドがあるときには、受信コマンドを読出す(S212)。ここで読出されたコマンドのデータは、コマンド受信バッファにおいて消去される。そして、読出した受信コマンドが前述の結果コマンドであるか否かを判断する(S213)。結果コマンドであるときには、その結果コマンドが示す向上演出決定結果(向上なし、大当り中向上、大当り後向上のいずれか)をRAM85に格納し(S214)、決定結果コマンドが示す時短回数の決定結果を格納する(S215)。さらに、結果コマンドが示す決定結果(15R通常大当り1、15R通常大当り2、15R確変大当り1、15R確変大当り2、2R確変大当り1、2R確変大当り2、小当り、およびはずれ)を特定可能な受信フラグである決定結果受信フラグ(15R通常大当り1フラグ、15R通常大当り2フラグ、15R確変大当り1フラグ、15R確変大当り2フラグ、2R確変大当り1フラグ、2R確変大当り2フラグ、小当りフラグ、およびはずれフラグ)をセットする(S216)。そして、S211に戻る。
S213で結果コマンドではないと判断したときは、読出した受信コマンドが変動パターンコマンドであるか否かを判断する(S217)。変動パターンコマンドであるときには、変動パターンコマンドの下位バイトが示す変動パターンを特定可能な受信フラグである変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S219)。
次に、変動パターンコマンドの上位バイトが示す遊技状態が、受信前の遊技状態と比較し、変化しているか否かを判断する(S220)。なお、S220では、具体的には、変動パターンコマンドの上位バイトが示す遊技状態を特定し、該特定した遊技状態と受信前の遊技状態を示す遊技状態フラグから特定される遊技状態とを比較することにより、変化しているか否かを判断する。変化していないと判断されたときは、そのままS211に戻る。一方、変化していると判断されたときは、現在セットされている遊技状態フラグの値を、変動パターンコマンドの上位バイトが示す遊技状態に対応する遊技状態フラグに更新し(S221)、S211に戻る。具体的には、低確低ベース状態に対応して低確低ベースフラグが、低確高ベース状態に対応して低確高ベースフラグが、高確低ベース状態に対応して高確低ベースフラグが、高確高ベース状態に対応して高確高ベースフラグが、遊技状態フラグとしてセットされる。なお、通常変動時である場合には、短縮変動フラグがリセットされ、短縮変動時である場合には短縮変動フラグがセットされる。短縮変動フラグがセットされているときには、後述する飾り変動パターンの変動時間として短縮変動時間がセットされる。
本実施の形態においては、遊技状態フラグに基づく演出の種類が特定される。具体的には、遊技状態フラグに基づき、飾り図柄の背景として表示させる背景画像の種類や、前述した発光手段による点灯パターン・点灯色等の種類や、スピーカ27による音演出の種類等が特定される。図27は、演出態様としての背景画像の種類を説明するための図である。図27(a)は、遊技状態フラグとして、低確低ベース状態または高確低ベース状態に対応する遊技状態フラグがセットされているときの背景画像である。背景画像として、「たこ」をイメージしたキャラクタAが変動表示装置9の左下表示領域に表示される。図27(b)は、遊技状態フラグとして、低確高ベース状態または高確高ベース状態に対応する遊技状態フラグがセットされているときの背景画像である。背景画像として、「イカ」をイメージしたキャラクタBが変動表示装置9の左下表示領域に表示される。
図26に戻り、前述のS217において受信コマンドが変動パターンコマンドではないと判断されたときには、その他の受信コマンドがいかなるコマンドか判断し、受信コマンドに対応したコマンド受信フラグをセットし(S222)、S211に戻る。
次に、図25のS206による演出制御プロセス処理について説明する。図28は、演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御プロセスフラグの値に応じてS400〜S406のうちのいずれかの処理を実行する。各処理において、以下のような処理が実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S400):変動パターンコマンドを受信したか否かを確認し、変動パターンコマンドが受信されたことを確認したときには、演出制御プロセスフラグの値をS401に応じた値に更新する。
図柄変動開始処理(S401):飾り図柄の変動表示について、はずれ図柄の組合せ、小当り図柄の組合せ、および、大当り図柄の組合せ等の変動表示における飾り図柄の表示結果を決定する。そして、変動パターンコマンドに応じて、画像表示可能な変動パターンとして複数予め定められている飾り変動パターンから、実際に変動表示装置9での変動表示に使用する飾り変動パターンを決定する。また、決定した飾り変動パターンに応じて変動時間を設定し、変動表示装置9における飾り図柄(左,中,右図柄)の変動を開始させる。その後、演出制御プロセスフラグの値をS402に応じた値に更新する。図柄変動開始処理の内容については、図30を用いて後述する。
図柄変動中処理(S402):変動表示装置9での飾り図柄の変動パターンを構成する各変動状態(変動速度等)の切替えタイミングを制御するとともに、設定された変動時間の終了を監視する。そして、設定された変動時間が終了したときに、飾り図柄の左,中,右図柄を仮停止させ、表示結果が確定せずに図柄が揺れている揺れ変動状態とする制御を行なう。その後、演出制御プロセスフラグの値をS403に応じた値に更新する。
図柄停止待ち処理(S403):変動パターンコマンドにより指定された変動時間が経過して飾り図柄の全図柄停止を指定する図柄停止コマンドを受信していたら、変動表示装置9での飾り図柄の変動を停止(前述の揺れ変動状態を停止)し、変動表示結果としての停止図柄を表示する制御を行なう。その後、変動表示装置9での飾り図柄の停止図柄が当り表示結果(大当り、小当りを含む)となるときは、演出制御プロセスフラグの値をS404に応じた値に更新し、変動表示装置9での飾り図柄の停止図柄がはずれ表示結果となるときは、演出制御プロセスフラグの値をS400に応じた値に更新する。
当り表示処理(S404):15R通常大当り1、15R通常大当り2、15R確変大当り1、または、15R確変大当り2となったときには、変動表示装置9での飾り図柄の変動時間の終了後、大当り開始時における表示を行なう。その後、演出制御プロセスフラグの値をS405に応じた値に更新する。一方、2R確変大当り1、2R確変大当り2、または小当りとなったときには、装飾された特別な当り表示を行なわず、演出制御プロセスフラグの値をS405に応じた値に更新する。
当り遊技中処理(S405):特定遊技状態としての大当り遊技状態中における演出、および小当り遊技状態中における演出を含む当り遊技状態中の処理を行なう。たとえば、第1特定遊技状態としての15R大当り遊技状態においては、大当り遊技状態における各開放状態中の各種演出、および、各開放状態間のインターバル期間中の各種演出等の15R大当り遊技状態中における装飾された演出をするための表示が実行される。一方、第2特定遊技状態としての2R大当り遊技状態、および小当り遊技状態のそれぞれにおいては、15R大当り遊技状態のような装飾された特別な演出が行なわれない。そして、当り遊技中処理が終了すると、演出制御プロセスフラグの値をS406に応じた値に更新する。当り表示処理が終了するときには、エンディング表示を行なうために、エンディング表示の実行時間を管理するための終了表示タイマにエンディング表示の実行時間に対応する終了表示時間をセットし、終了表示タイマをスタートさせる。
当り遊技終了処理(S406):大当り遊技状態および小当り遊技状態を含む当り遊技状態を終了させるときの演出としてのエンディング表示を行なう。その後、演出制御プロセスフラグの値をS400に応じた値に更新する。エンディング表示の表示時間は、当り遊技中処理において時間がセットされる終了表示タイマを用いて管理する。たとえば、15R大当りの種類に応じたエンディング表示が行なわれる。また、2R確変大当りと小当りとは、基本的に、装飾された特別な演出およびエンディング表示を行なわない。これにより、遊技者は、特別可変入賞球装置20が2回開放される当り遊技状態が行なわれたこと、および2R確変大当りと小当りとのどちらであるかを認識し難くなる。
次に、図28のS400による変動パターンコマンド受信待ち処理について説明する。図29は、図28の変動パターンコマンド受信待ち処理(S400)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用マイクロコンピュータ800は、次のような処理を行なう。
まず、図26のS219において変動パターンコマンドを受信したことに伴い変動パターンコマンド受信フラグがセットされたか否かを判断する(S225)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていないときは、そのまま変動パターンコマンド受信待ち処理を終了する。
一方、S225において変動パターンコマンド受信フラグがセットされていると判断されたときには、S226において現在セットされている遊技状態フラグに対応する種類の演出を行なうための演出態様表示データを設定する処理が行なわれる。より具体的に、遊技状態フラグが低ベース状態を示す場合には、図27(a)に示すキャラクタA(たこのキャラクタ)を背景画像として表示するための演出態様表示データを設定し、遊技状態フラグが高ベース状態を示す場合には、図27(b)に示すキャラクタB(いかのキャラクタ)を背景画像として表示するための演出態様表示データを設定する処理が行なわれる。これにより、以降実行される飾り図柄の変動表示において、遊技状態フラグに対応する種類の背景画像が表示される。また、本実施の形態のいては、遊技状態フラグに対応する種類の画像(背景画像)を変動表示装置9に表示する制御を行なうとともに、遊技状態フラグに対応する種類の点灯パターン・点灯色で前述した発光手段を発光させる制御や、遊技状態フラグに対応する種類の音色をスピーカ27から発生させる制御が行なわれる。
S226aにおいては、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否かを判別する。S226aにより高ベース状態であると判別されたときは、S226bにおいて表示用時短回数カウンタの値が0であるか否かを判別する処理が行なわれる。
表示用時短回数カウンタとは、変動表示装置9の右下表示領域に残り時短回数を表示するために更新される値をいう。表示用時短回数カウンタは、当り遊技状態終了後に時短状態に制御されるときにセットされ、その後変動表示が行なわれる毎に1ずつ減算される。
S226bにおいて表示用時短回数カウンタの値が0であると判別されたときには、そのまま、S227へ移行する。一方、S226bにおいて表示用時短回数カウンタの値が0であると判別されたときは、現在制御されている遊技状態が高ベース状態であるにも関わらず、前回の変動表示終了時に表示用時短回数カウンタの値が0になりキャラクタBからキャラクタAに切り替えられた後の状態である。このため、S226cにおいては、真の時短回数を報知するために時短回数を加算することを示唆する加算演出をセットし、さらに表示用時短回数カウンタの値として10をセットする処理を行ない、S227へ移行する。
加算演出としては、変動表示開始時に現在制御されている遊技状態と異なる遊技状態に対応するキャラクタ(たとえば、前回変動表示終了時に表示されていたキャラクタA)を表示し、変動表示開始から所定のタイミングで現在制御されている遊技状態に対応するキャラクタ(たとえば、キャラクタB)に切り替える演出を行なうとともに、真の時短回数を報知する演出を行なうものであってもよい。また、加算演出としては、前述した演出に限らず、変動表示開始時から現在制御されている遊技状態に対応するキャラクタ(たとえば、キャラクタB)を表示するとともに、所定のタイミングで真の時短回数を報知する演出を行なうものであってもよい。
一方、S226aにより高ベース状態でないと判別されたときは、S226dにおいて表示用時短回数カウンタの値が0であるか否かを判別する処理が行なわれる。S226dにおいて表示用時短回数カウンタの値が0であると判別されたときには、そのまま、S227へ移行する。一方、S226dにおいて表示用時短回数カウンタの値が0でないと判別されたときには、現在制御されている遊技状態が低ベース状態であるにも関わらず、未だ表示用時短回数カウンタの値が0になっておらずかつキャラクタBが表示されている状態である。このため、S226eにおいては、真の時短回数を報知するために時短回数を減算することを示唆する減算演出をセットし、さらに表示用時短回数カウンタの値として0をセットする処理を行ない、S227へ移行する。
減算演出としては、変動表示開始時に現在制御されている遊技状態と異なる遊技状態に対応するキャラクタ(たとえば、前回変動表示終了時に表示されていたキャラクタB)を表示し、変動表示開始から所定のタイミングで現在制御されている遊技状態に対応するキャラクタ(たとえば、キャラクタA)に切り替える演出を行なうとともに、真の時短回数を報知する演出を行なうものであってもよい。また、減算演出としては、前述した演出に限らず、変動表示開始時から現在制御されている遊技状態に対応するキャラクタ(たとえば、キャラクタA)を表示するとともに、所定のタイミングで真の時短回数を報知する演出を行なうものであってもよい。
S226a〜S226eの処理により、後述する偽報知演出が行なわれたときであっても、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で決定された真の時短回数を最終的に報知する演出を行なうことができる。S227においては、演出制御プロセスフラグを図柄変動開始処理(S401)に対応した値に更新し、リターンする。
次に、図28のS401による図柄変動開始処理について説明する。図30は、図28の図柄変動開始処理(S401)を示すフローチャートである。図柄変動開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ800は、次のような処理を行なう。
まず、飾り図柄の変動表示における演出内容(飾り変動パターン、飾り図柄の表示結果)を決定し、該決定した演出内容に対応するデータを設定する飾り変動演出決定処理を行なう(S231)。飾り変動演出決定処理の処理内容については、図31を用いて後述する。飾り変動演出決定処理で設定された飾り変動パターンに対応する変動時間が、変動表示装置9での変動時間を計時するための変動時間タイマにセットされ、変動時間タイマによる変動時間の計時がスタートされる(S236)。そして、飾り変動演出決定処理で設定された飾り変動パターンで、変動表示装置9において表示結果を導出表示するための飾り図柄の変動表示を開始する(S237)。そして演出制御プロセスフラグを図柄変動中処理(S402)に対応した値に更新し(S238)、リターンする。
図31は、図柄変動開始処理における飾り変動演出決定処理(S231)を示すフローチャートである。
まず、S241において、はずれに対応する決定結果受信フラグがセットされているか否かを判別する処理が行なわれる。すなわち、S241においては、はずれフラグがセットされているか否かが判別される。はずれフラグがセットされていない場合には、S242により、飾り図柄組合せ決定用テーブルを参照して、変動表示結果としての飾り図柄の組合せを決定して記憶する処理が行なわれる。この飾り図柄組合せ決定用テーブルは、図32に示されている。この飾り図柄組合せ決定用テーブルは、決定結果受信フラグ(15R通常大当り1フラグ、15R通常大当り2フラグ、15R確変大当り1フラグ、15R確変大当り2フラグ、2R確変大当り1フラグ、2R確変大当り2フラグ、小当りフラグ)により特定される当りの種別と、高ベースで向上演出なし時および高ベースで向上演出あり時と低ベース時との二次元テーブルで構成されている。
たとえば、15R確変大当り1フラグがセットされており、S214により格納された向上演出決定結果が「向上演出なし」の場合で、S215により格納した時短回数決定結果が、「0回」でなかった場合には、15R確変大当り1の行と高ベースで向上演出なし時の列との交点のアドレスに記憶されている「777」の飾り図柄組合せが決定される。また、たとえば、15R通常大当り1フラグがセットされており、S215により格納された時短回数決定結果が「0回」すなわち時短を行なわない場合(低ベース時)には、「222」の飾り図柄組合せが決定される。
このように、飾り図柄組合せ決定用テーブルでは、高ベース(大当り終了後時短制御が行なわれる場合)で向上演出を行なう場合と、低ベース時(大当り終了時時短制御が行なわれない場合)とで、同じ飾り図柄組合せが決定される。その結果、高ベースで向上演出あり時の場合には、表示結果としての飾り図柄の組合せを見た遊技者が、大当り終了後時短制御が行なわれないと思った後、向上演出が行なわれることにより、大当り後時短制御が行なわれるという期待感を向上させることができる利点がある。
次にS243により、小当りであるか否かの判断が行なわれる。これは、小当りフラグがセットされているか否かで判断される。小当りフラグがセットされていない場合には、S250により、向上演出を実行するか否かの判断が行なわれる。S214により格納された向上演出決定結果が「向上演出なし」の場合には、S251により、大当り時飾り変動種別決定用テーブルをルックアップし、飾り変動種別をランダムに決定する処理が行なわれる。
飾り変動種別とは、飾り図柄の変動表示中に実行する演出の種類をいう。ここで、大当り時飾り図柄種別決定用テーブルを説明する。図33(a)は、大当り時飾り変動種別決定用テーブルを説明するための図である。
大当り時飾り変動種別決定用テーブルは、RS1からの値が、「0〜83」であるときに真報知飾り変動に決定し、「84〜86」であるときに偽報知飾り変動Aに決定し、「87〜89」であるときに偽報知飾り変動Bに決定し、「90〜99」であるときに報知なしの飾り変動に決定されるように、振分けが設定されている。
真報知飾り変動に決定されたときには、飾り図柄の変動表示中(たとえば、リーチ発生時)に後述するS215でRAM85に格納される時短回数を報知する演出が行なわれる。偽報知飾り変動に決定されたときには、飾り図柄の変動表示中にS215でRAM85に格納される時短回数と異なる偽の時短回数を報知する演出が行なわれる。偽報知飾り変動Aに決定されたときには、飾り図柄の変動表示中にS215でRAM85に格納される時短回数に所定数(たとえば、10)加算した回数を報知する演出が行なわれる。なお、加算後の回数が時短回数としてあらかじめ設定されている100を超えるときは時短回数として所定回数(たとえば、90回)を報知する演出が行なわれる。偽報知飾り変動Bに決定されたときには、飾り図柄の変動表示中にS215でRAM85に格納される時短回数から所定数(たとえば、10)減算した回数を報知する演出が行なわれる。なお、減算後の回数がマイナスの値となるときは時短回数として所定回数(たとえば、10回)を報知する演出が行なわれる。本実施の形態においては、報知演出を行なうタイミングとして、リーチ発生時を例にして説明するが、これに限らず、変動表示装置9において飾り図柄の変動表示が開始されたとき、飾り図柄の変動表示が終了したとき等であってもよい。なお、2R当り飾り変動パターンや小当り飾り変動パターンとして、真報知飾り変動や偽報知飾り変動が決定されたときには、左の変動表示領域において飾り図柄「1」が停止表示した後、右の変動表示領域において飾り図柄「3」が停止表示したときに、前述した報知演出が行なわれる。本実施の形態においては、2R大当りや小当りとなるときに、報知演出を行なう飾り変動種別を含む複数種類の飾り変動種別から一の飾り変動種別を決定する例について説明するが、これに限らず、2R大当りや小当りとなるときには、報知演出を行なう飾り変動種別を含まない複数種類の飾り変動種別から一の飾り変動種別を決定するように構成してもよい。これにより、2R当り飾り変動パターンや小当り飾り変動パターンによる変動表示中に、真報知演出や偽報知演出等が行なわれないように制御することができる。
図31に戻り、S252においては、短縮変動フラグ、変動パターンコマンド受信フラグおよびS251において決定された飾り変動種別に対応した飾り変動パターンの表示データを設定する処理を行ない、飾り変動演出決定処理を終了する。S252においては、たとえば、変動パターンコマンド受信フラグが図14(a)で示した変動時間35秒のスーパーリーチ当り1であり、S255において真報知飾り変動が決定されたときには、変動時間35秒であって真報知を行なう真報知飾りスーパーリーチ当り1の変動パターンを飾り変動パターンとして設定する処理を行なう。一方、たとえば、変動パターンコマンド受信フラグが図14(b)で示した変動時間15秒の2R当りが決定されたときには、変動時間15秒の飾り変動パターンを設定する処理が行なわれる。なお、前述したように短縮変動フラグがセットされている場合には、変動パターンコマンド受信フラグおよび決定された飾り変動種別に対応する変動パターンであって短縮変動時間の変動パターンを飾り変動パターンとして設定する処理が行なわれる。
このように、本実施の形態においては、図31のS251により真報知飾り変動が決定されたときには、S252により、RAM85に格納されている上限回数に応じた演出制御を行なうための手段が構成されている。また、図31のS251により偽報知飾り変動が決定されたときには、S252により、RAM85に格納されている上限回数と異なる上限回数に応じた演出制御を行なうための手段が構成されている。
S250により向上演出を実行すると判断された場合には、S253において、大当り中向上であるか否かの判断がなされる。このS253では、前述したS214により格納された向上演出決定結果(大当り中向上または大当り後向上)を判定し、大当り中向上の場合にはS254により、大当り中向上内訳テーブルをルックアップして大当り中向上内訳を決定してRAM85に記憶する処理が行なわれる。図32に基づいて説明したが、この大当り中向上の演出が実行される場合には、低ベース時(大当り終了時時短制御が行なわれない場合)と同じ飾り図柄組合せが導出表示される。
大当り中向上内訳テーブルは、図34に示されている。この大当り中向上内訳テーブルは、大当り制御中における5ラウンド目と10ラウンド目とで表示する時短回数の内訳を決定するためのテーブルである。なお、10ラウンド目に表示する時短回数は、図26のS215により格納された時短回数すなわち遊技制御用マイクロコンピュータ560により決定された時短回数となっている。
大当り中向上内訳テーブルは、S215により格納された時短回数とランダムカウンタRS3の値とによって、ルックアップされる二次元テーブルとなっている。たとえば、S215により格納された時短回数が「80回」で、ランダムカウンタRS3の値が「2」のときには、5ラウンド目で「30回」、10ラウンド目で「80回」が決定され、大当り制御中における5ラウンド目で一旦時短回数「30回」が表示された後、10ラウンド目で「時短回数80回」が表示されることとなる。
一方、S241によりはずれと判定されたときには、S244において、一旦リーチが成立した後はずれとなるリーチはずれか否かの判断が行なわれる。これは、リーチはずれに対応する変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否かに基づいて判別する。
S244においてリーチはずれとすると判断されたときには、S245において変動表示結果としてリーチはずれ図柄をランダムに決定してRAM85に記憶する処理が行なわれる。具体的には、まず、飾り図柄決定用のランダムカウンタRS2−1〜3の値を抽出する。そして、RS2−1の値とリーチ図柄との関係が予め定められたリーチ図柄決定用データテーブルを用いて、RS2−1の抽出値から対応するリーチ図柄を選択し、そのリーチ図柄の組合せを左,右図柄の停止図柄の組合せ(リーチ図柄)として決定する。そして、RS2−2と中図柄との関係が予め定められた中図柄決定用データテーブルを用いて、RS2−2の抽出値から対応する中図柄を選択する。ただし、RS2−2の抽出値に対応する中図柄がリーチ図柄と一致するときには、リーチ図柄と一致しないように中図柄を変更する補正を行なう。
S245処理の後またはS243によりYESの判断がなされたときには、制御がS246へ進む。
図31に戻り、S253により大当り中向上でないと判断された場合には、S255により、大当り後向上内訳テーブルをルックアップして大当り後向上内訳を決定し、その決定結果をRAM85により記憶する処理が行なわれる。図32に基づいて説明したが、この大当り後向上の演出が実行される場合には、低ベース時(大当り終了時時短制御が行なわれない場合)と同じ飾り図柄組合せが導出表示される。また、大当り後向上内訳テーブルは、図35に示されている。大当り後向上内訳テーブルも、前述の大当り中向上内訳テーブルと同様に、時短回数とランダムカウンタRS3の値とによりルックアップされる二次元テーブルで構成されている。大当り後向上内訳テーブルの場合には、大当り制御中における5ラウンド目と10ラウンド目と大当り後との3回にわたって増加して表示される時短回数を決定するものである。たとえばS215により格納された時短回数が「90回」であり、ランダムカウンタRS3の値が「3」の場合には、ラウンド5で「30回」、ラウンド10で「50回」、大当り後の段階で「90」の時短回数の表示が決定される。
S246においては、小当り・リーチはずれ時の飾り変動種別を決定するための小当り・リーチはずれ時飾り変動種別決定用テーブルをルックアップし、飾り変動種別をランダムに決定する処理が行なわれる。飾り変動種別とは、飾り図柄の変動表示中に実行する演出の種類をいう。ここで、小当り・リーチはずれ時飾り変動種別決定用テーブルを説明する。図33(b)は、小当り・リーチはずれ時飾り変動種別決定用テーブルを説明するための図である。
小当り・リーチはずれ時飾り変動種別決定用テーブルは、RS1からの値が、「0〜9」であるときに真報知飾り変動に決定し、「10〜49」であるときに偽報知飾り変動Aに決定し、「50〜91」であるときに偽報知飾り変動Bに決定し、「92〜99」であるときに報知なしの飾り変動に決定されるように、振分けが設定されている。
真報知飾り変動に決定されたときには、飾り図柄の変動表示中にはずれになり高ベースに移行されないことを報知する演出が行なわれる。偽報知飾り変動に決定されたときには、飾り図柄の変動表示中に予め定められた時短回数を報知する演出が行なわれる。偽報知飾り変動Aに決定されたときには、偽の時短回数として30回を報知する演出が行なわれる。偽報知飾り変動Bに決定されたときには、偽の時短回数として50回を報知する演出が行なわれる。
図31に戻り、S247においては、短縮変動フラグ、変動パターンコマンド受信フラグおよびS246において決定された飾り変動種別に対応した飾り変動パターンの表示データを設定する処理を行ない、飾り変動演出決定処理を終了する。S247においては、たとえば、変動パターンコマンド受信フラグが図14(a)で示した変動時間35秒のスーパーリーチはずれ1であり、S246において偽報知飾り変動Aが決定されたときには、変動時間35秒であって偽報知Aを行なう偽報知A飾りスーパーリーチはずれ1の変動パターンを飾り変動パターンとして設定する処理を行なう。
一方、S244においてリーチはずれとしないと判断されたときには、S248において変動表示結果としてリーチはずれ図柄以外のはずれ図柄の組合せをランダムに決定してRAM85に記憶する処理が行なわれる。具体的には、まず、飾り図柄決定用のランダムカウンタRS2−1〜3の値を抽出する。そして、RS2−1の値と左図柄との関係が予め定められた左図柄決定用データテーブル、前述の中図柄決定用データテーブル、および、RS2−3の値と右図柄との関係が予め定められた右図柄決定用データテーブルを用いて、RS2−1〜3のそれぞれの抽出値から、対応する飾り図柄を選択し、その飾り図柄の組合せを飾り図柄の停止図柄の組合せとして決定する。ただし、RS2−1〜3のそれぞれの抽出値に対応する飾り図柄の組合せが大当り図柄の組合せ、小当り図柄の組合せ、および、リーチはずれ図柄の組合せと一致するときには、一致しないように、予め定められた位置の図柄(たとえば、中図柄または右図柄)を変更する補正を行なう。S249においては、短縮変動フラグおよび変動パターンコマンド受信フラグに対応した飾り変動パターンの表示データを設定する処理を行ない、飾り変動演出決定処理を終了する。
図36は、図28の図柄変動中処理(S402)を示すフローチャートである。図柄変動中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ800は、次のような処理を行なう。
まず、前述の変動時間タイマと、図柄変動中処理における表示制御を管理するために用いられるプロセスタイマとを更新する(S291)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し(S292)、タイムアウトしていれば演出制御実行データの切替えを行ない(S293)、S294に進む。タイムアウトしていなければ、そのままS294に進む。この実施の形態では、飾り図柄の変動態様を示すプロセスデータが飾り変動パターンごとに設けられている(記憶されている)。プロセスデータは、プロセスタイマのデータと演出制御実行データとの組合せが複数集まったデータで構成される。演出制御用マイクロコンピュータ800は、飾り変動演出決定処理において設定された飾り変動パターンの表示データとしてのプロセスデータを設定する。そして、該プロセスデータを参照してプロセスタイマに設定されている時間だけ演出制御実行データに設定されている変動態様で飾り図柄を変動表示させる制御を行なう。これにより、図29のS226において設定された演出態様表示データに基づく演出態様で、変動表示を開始させた後、所定時間後に表示結果を導出表示する変動表示を行なうことができる。また、所定のタイミングで前述した真報知演出・偽報知演出等を行なうことができる。たとえば、図31の飾り変動演出決定処理により、真報知演出を行なう飾り変動パターンが設定されている場合、変動表示装置9における左,右の変動表示領域において同一の図柄が停止したタイミングで、真報知演出が行なわれる。また、図31の飾り変動演出決定処理により、偽報知演出を行なう飾り変動パターンが設定されている場合、変動表示装置9における左,右の変動表示領域において同一の図柄が停止したタイミングで、偽報知演出が行なわれる。
そして、変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを判断する(S294)。変動時間タイマがタイムアウトしていなければ、リターンする。一方、変動時間タイマがタイムアウトしていれば、図柄停止コマンドの受信期間を監視するための監視タイマをセットしてスタートさせ(S295)、演出制御プロセスフラグを図柄停止待ち処理(S403)に対応した値に更新し(S296)、リターンする。
図37は、図28の図柄停止待ち処理(S403)を示すフローチャートである。図柄停止待ち処理において、演出制御用マイクロコンピュータ800は、次のような処理を行なう。
まず、前述の図柄停止コマンドが受信されたか否かをコマンド受信フラグに基づいて判断する(S301)。図柄停止コマンドが受信されたと判断したときは、飾り図柄の変動表示の表示結果となる停止図柄を導出表示させ(S302)、後述するS305に進む。一方、S301により図柄停止コマンドが受信されていないと判断したときは、監視タイマがタイムアウトしたか否かを判断する(S303)。ここで、監視タイマは、飾り図柄の変動表示の終了タイミングを監視するためのタイマであり、監視タイマがタイムアップするまでに図柄停止コマンドが受信されたときには、そのときに飾り図柄の変動表示を停止させて表示結果を導出表示させ、監視タイマがタイムアップしたときまでに図柄停止コマンドが受信されないときには、監視タイマがタイムアップしたときに、これらの表示を停止させて表示結果を導出表示させる。
監視タイマがタイムアウトしていないときには、リターンする。一方、監視タイマがタイムアウトしているときには、飾り図柄の変動表示の表示結果となる停止図柄を導出表示させ(S302)、後述するS305に進む。
S305では、S216においてセットされる決定結果受信フラグに基づいて、今回の変動表示の表示結果が大当りまたは小当りとなるか否かを判断する。S305により大当りまたは小当りとなると判断したときは、演出制御プロセスフラグの値をS404に応じた値に更新する(S306)。一方、S305により大当りまたは小当りとしないと判断したときは、遊技状態フラグに基づき、現遊技状態が高ベース状態であるか否かを判別する(S307)。S307により高ベース状態であると判別されたときは、表示用時短回数カウンタの値を1減算するとともに、減算後の時短回数に表示を更新する(S308)。そして、減算後の表示用時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する処理が行なわれる(S309)。S309により表示用時短回数カウンタの値が「0」であると判別されたときには、キャラクタBをキャラクタAに切り替える表示を行ないS309bに移行される。一方、S307において高ベース状態でないと判別されたとき、またはS309において表示用時短回数カウンタの値が「0」でないと判別されたときは、S309bへ移行される。S309bにおいては、演出制御プロセスフラグの値をS400に応じた値に更新する(S312)。そして、図柄停止待ち処理を終了する。なお、キャラクタは、表示用時短回数カウンタの値と現遊技状態とに応じて切り替え表示を行なっているが、これに限らず、単に現遊技状態に応じて切り替える表示を行なってもよい。
図38は、演出制御プロセス処理における当り遊技中処理(S405)を示すフローチャートである。
S310においては、セットされている決定結果受信フラグに基づき、今回の当りが15R大当りであるか否かを判別する処理が行なわれる。S310において15R大当りでないと判断されたとき、つまり、2R確変大当りや小当りと判断されたときには、S311において今回の当り遊技状態が終了したか否かを判別する処理が行なわれる。S311において今回の当り遊技状態が終了していないと判断されたときには、そのまま当り遊技中処理を終了する。これにより、2R大当り遊技状態中および小当り遊技状態中において、装飾された特別な演出が行なわれないように制御される。一方、S311において今回の当り遊技状態が終了していると判断されたときには、後述するS319に移行される。
一方、S310において15R大当りであると判断されたときには、S312において今回の大当りの種別、および高確高ベース状態に繰返し制御された回数を示すループ回数カウンタの値に対応した演出を実行する処理を行なう。ループ回数カウンタの値に対応した演出としては、ループ回数カウンタの値を遊技者に報知する演出であればよい。たとえば、ループ回数カウンタの値が「1」であるときには、「高確高ベース2連荘!!」といったメッセージを変動表示装置9の画面の下方位置に表示し、ループ回数カウンタの値が「2」であるときには、「高確高ベース3連荘!!」といったメッセージを変動表示装置9の画面の下方位置に表示するようにしてもよい。
S313においては、当該演出を終了するタイミングであるか否かを判別する処理が行なわれる。S313において演出を終了するタイミングでないと判断されたときには、そのまま当り遊技中処理を終了する。
S313において演出を終了するタイミングであると判断されたときには、S314において今回の大当りが確変大当りであったか否かを判別する処理が行なわれる。S314において今回の大当りが確変大当りでないと判断されたときには、S318においてループ回数カウンタをリセットする処理を行ない後述するS317aへ移行する。
一方、S314において今回の大当りが確変大当りであると判断されたときには、S315において今回の大当りが15R確変大当りであったか否かを判別する処理が行なわれる。S315において15R確変大当りであったと判断されたときには、S316において遊技状態フラグに基づき大当り前の遊技状態が高確高ベース状態であったか否かを判別する処理が行なわれる。
S316において大当り前の遊技状態が高確高ベース状態であったと判断されたときには、S317においてループ回数カウンタを1加算する処理を行ない後述するS317aへ移行する。一方、S315において15R確変大当りでないと判断されたとき、または、S316において大当り前の遊技状態が高確高ベース状態でないと判断されたときには、S317aへ移行される。
S317aでは、向上演出があるか否かの判断がなされる。この判断は、図26のS214により格納された向上演出決定結果に基づいて行なわれる。向上演出決定結果が「向上演出なし」である場合には、S317aによりNOの判断がなされて制御がS319へ進むが、格納された向上演出決定結果が「大当り中向上演出」または「大当り後向上演出」であった場合には、S317aによりYESの判断がなされてS317bの向上演出処理が行なわれた後S322aに進む。この向上演出処理は、前述した大当り中向上内訳テーブルまたは大当り後向上内訳テーブルに基づいて決定された表示する時短回数の内訳に従って、大当り制御中にその決定された時短回数を変動表示装置9により表示させるための処理である。これについては、図39に基づいて後述する。
S319において飾り図柄の変動表示中(たとえば、リーチ発生時)に真報知演出が実行されたか否かを判別する処理が行なわれる。すなわち、飾り変動種別として真報知飾り変動パターンによる変動表示が行なわれたか否かを判断する。S319において真報知演出が実行済みであると判断されたときには、S320において再度真報知させるための真報知エンディングをセットする処理を行ないS322aへ移行される。
一方、S319において真報知演出が実行済みでないと判断されたときには、S321において図40に示すエンディング決定用テーブルをルックアップし、エンディングの種別を決定する処理が行なわれる。ここで、エンディング決定用テーブルを説明する。図40は、エンディング決定用テーブルを説明するための図である。
エンディング決定用テーブルは、RS1からの値が、「0〜54」であるときに真報知エンディングに決定し、「55〜74」であるときに偽報知エンディングAに決定し、「75〜89」であるときに偽報知エンディングAに決定し、「90〜99」であるときに報知なしのノーマルエンディングに決定されるように、振分けが設定されている。
真報知エンディングに決定されたときには、前述したS215でRAM85に格納された時短回数を報知するエンディング演出が行なわれる。偽報知エンディングに決定されたときには、S215でRAM85に格納される時短回数と異なる偽の時短回数を報知するエンディング演出が行なわれる。偽報知エンディングAに決定されたときには、S215でRAM85に格納された時短回数に所定数(たとえば、10)加算した回数を報知するエンディング演出が行なわれる。なお、加算後の回数が時短回数として予め設定されている100を超えるときは時短回数として所定回数(たとえば、90回)を報知するエンディング演出が行なわれる。
偽報知エンディングBに決定されたときには、S215でRAM85に格納された時短回数から所定数(たとえば、10)減算した回数を報知するエンディング演出が行なわれる。なお、減算後の回数がマイナスの値となるときは時短回数として所定回数(たとえば、10回)を報知するエンディング演出が行なわれる。
なお、15R大当り以外の場合のエンディング演出は、15R大当り時のエンディング演出と比較し、短い時間にわたり行なわれる。
図38に戻り、S322においては、S321において決定された種別のエンディングをセットする処理を行なう。S322aにおいては、S320またはS322においてセットされたエンディングにより報知される時短回数を表示用時短回数カウンタの値にセットする処理を行ない、S323へ移行される。なお、報知なしのノーマルエンディングがセットされた場合には、リーチ状態中に報知した時短回数を表示用時短回数カウンタの値にセットする処理を行なう。また、リーチ状態中に時短回数が報知されていない場合には、図26のS215で格納された時短回数を表示用時短回数カウンタの値にセットする処理を行なう。なお、リーチ状態中に時短回数が報知されておらず、かつ向上演出もおこなわれていいない場合には、図26のS215で格納された時短回数と異なる時短回数からランダムに決定した時短回数を表示用時短回数カウンタの値にセットする処理を行なうように構成してもよい。
S323においては、演出制御プロセスフラグの値をS406の当り遊技終了処理に応じた値に更新し(S323)、当り遊技中処理を終了する。S320またはS322でセットされたエンディングは、図28の当り遊技終了処理(S406)において実行される。
図39は、図38中のS317bに示された向上演出処理の具体的制御を示すフローチャートである。まずS350により大当り中向上であるか否かの判断がなされる。向上演出には、前述したように、大当り中向上と大当り後向上とがあり、図26のS214により格納された向上演出決定結果が、「大当り中向上」である場合には、S351により、第1向上実行ラウンドになったか否かの判断がなされる。大当り中向上演出の場合には、前述したように、ラウンド制御の第1の進行時点である第5ラウンドと、ラウンド制御の第2の進行時点である第10ラウンドとの2回に分けて向上演出を行なうのであり、大当り制御が第5ラウンドに到達した段階でS351によりYESの判断がなされて制御がS353に進み、大当り中向上内訳前半に従った向上演出のデータをセットする処理が行なわれてこの向上演出処理が終了する。たとえば、図34の大当り中向上内訳テーブルをルックアップして、5ラウンド目に「30回」、10ラウンド目に「70回」の時短回数を表示する演出が行なわれることが決定された場合には、S353により「30回」の時短回数を演出表示するためのデータがセットされることとなる。
次に、大当り制御が進行して第2向上実行ラウンドすなわち10ラウンド目に到達した場合には、S352によりYESの判断がなされて制御がS354へ進み、大当り中向上内訳後半に従った向上演出のデータがセットされる。前述の例すなわちラウンド5で30回、ラウンド10で70回の時短回数を表示する演出を行なうことが決定されている場合には、このS354により「70回」の時短回数を表示するためのデータがセットされることとなる。
図26のS214により格納された向上演出決定結果が「大当り後向上」であった場合には、S350によりNOの判断がなされて制御がS355へ進み、第1向上実行ラウンドに到達したか否かの判断がなされる。大当り後向上内訳テーブルの場合には、ラウンド5とラウンド10と大当り後との3回にわたって向上する時短回数を表示する演出が行なわれる。大当り制御の進行が第5ラウンドに到達した段階で、S355によりYESの判断がなされてS357へ進み、大当り後向上内訳第1部に従った向上演出データがセットされる。この第1部とは、ラウンド5の段階で表示される時短回数のことである。
一方、大当り制御が進行して第10ラウンドに到達した段階で、S356によりYESの判断がなされて制御がS358へ進み、大当り後向上内訳第2部に従った向上演出データがセットされる。この第2部とは、ラウンド10の段階で表示される時短回数のことである。
なお、大当り後向上演出を行なう場合の3回目の演出すなわち大当り後の時点で行なわれる演出は、図28のS406に示された大当り遊技終了処理で実行される。この大当り遊技終了処理の制御が、図41に示されている。
図41を参照して、まずS370により大当りの終了表示を変動表示装置9により表示させる処理が行なわれる。次にS371により、15R大当りの終了であるか否かの判断がなされる。15R大当りの終了でない場合にはS374へ進むが、今回終了した大当りが15R大当りの場合には制御がS372へ進み、大当り後向上演出があったか否かの判断がなされる。なかった場合には制御がS374へ進むが、あった場合にはS373へ進み、大当り後向上内訳第3部に従った向上演出を変動表示装置9により表示させる処理が行なわれる。この第3部とは、大当り後表示する時短回数のことである。
次に、変動表示装置9において行なわれる報知演出の一例を説明する。図42は、報知演出の一例を示す表示画面図である。図42では、低確低ベース状態のときに15R確変大当り2となり時短回数40回の高確高ベース状態に移行される場合について説明する。
図42(a)〜(f)は、リーチ発生時および大当り遊技終了時に真報知演出が行なわれたときの変動表示装置9の表示状態を示す説明図である。図42(a)〜(d)は、変動表示装置9において飾り図柄の変動表示が開始し、左図柄、右図柄、中図柄の順番で停止し、大当り図柄の組合せとなるまでの状態を示している。
図42(a)では、変動表示装置9において、左・中・右図柄の変動表示が一斉に開始した状態を示している。なお、前述したように遊技状態が低確低ベース状態であるため、背景画像としてキャラクタAが変動表示装置9の左下表示領域に表示されている。(b)では、左図柄および右図柄として、「7」が停止表示され、リーチ状態が発生した状態を示している。
図42(c)では、リーチ状態が発生した後、所定のタイミングで真報知演出が行なわれた状態を示している。真報知演出として、キャラクタAから「40」といった吹き出し画像が表示されている。これにより、「7」の大当りとなることにより、時短回数40回の高確高ベース状態に移行されることを示唆することができる。(d)では、中図柄が停止表示され変動表示結果として「7」の3つ揃いとなり、15R確変大当り図柄の組合せとなった状態を示している。また、変動表示結果の下方には、大当りとなった旨を報知するための「大当り」といったメッセージが表示される。以後、大当り遊技状態に移行され、大当り遊技が行なわれる。
図42(e)は、大当り遊技が終了し、真報知エンディング表示が行なわれた状態を示している。大当り遊技状態が終了した旨を報知するための「終了」といったメッセージが表示されるとともに、その下方に「“時短40回突入”」といったメッセージが表示される。なお、前述した表示用時短回数カウンタは、40にセットされている。
図42(f)は、大当り遊技が終了した後に飾り図柄の変動表示が行なわれた状態を示している。高ベース状態に移行されたことに応じて変動表示装置9の左下表示領域にキャラクタBを表示し、表示用時短回数カウンタに応じて右下表示領域に残り時短回数を報知するための「あと40回」といったメッセージが表示される。以後、飾り図柄の表示結果が導出表示される毎に表示用時短回数カウンタが1減算されることにより残り時短回数から1減算表示し、表示用時短回数カウンタが「1」になり残り時短回数として「1」が表示されている状態で飾り図柄の表示結果が導出表示されたときにキャラクタBがキャラクタAに切り替えて表示される。
次に、図42(g)〜(n)は、リーチ発生時および大当り遊技終了時に偽報知演出が行なわれたときの変動表示装置9の表示状態を示す説明図である。なお、図42(g)〜(n)についても、図42(a)〜(f)と同様に、低確低ベース状態のときに15R確変大当り2となり時短回数40回の高確高ベース状態に移行されているため、図42(n)で後述するように最終的には時短回数40回に移行されていたことが報知される。
図42(g)〜(j)は、変動表示装置9において飾り図柄の変動表示が開始し、左図柄、右図柄、中図柄の順番で停止し、大当り図柄の組合せとなるまでの状態を示している。なお、図42(g),(h),(j)は、図42(a),(b),(d)と同様のため、説明を繰返さない。
図42(i)では、リーチ状態が発生した後、所定のタイミングで偽報知演出が行なわれた状態を示している。偽報知演出として、キャラクタAから「50」といった吹き出し画像が表示されている。これにより、「7」の大当りとなることにより、偽報知として時短回数50回の高確高ベース状態に移行されることを示唆することができる。
図42(k)は、大当り遊技が終了し、偽報知エンディング表示が行なわれた状態を示している。大当り遊技状態が終了した旨を報知するための「終了」といったメッセージが表示されるとともに、その下方に偽報知として「“時短30回突入”」といったメッセージが表示される。なお、前述した表示用時短回数カウンタは、30にセットされている。
図42(m)は、大当り遊技が終了した後に飾り図柄の変動表示が行なわれた状態を示している。高ベース状態に移行されたことに応じて変動表示装置9の左下表示領域にキャラクタBを表示し、表示用時短回数カウンタに応じて右下表示領域に残り時短回数を報知するための「あと30回」といったメッセージが表示される。以後、飾り図柄の表示結果が導出表示される毎に表示用時短回数カウンタが1減算されることにより残り時短回数から1減算表示し、表示用時短回数カウンタが「1」になり残り時短回数として「1」が表示されている状態で飾り図柄の表示結果が導出表示されたときにキャラクタBがキャラクタAに切り替えて表示される。
なお、前述したように図42(j)の大当りにより時短回数40回の高確高ベース状態に移行されている。このため、大当り遊技状態が終了してから30回変動表示が行なわれたとしても、実際には時短回数として「10」回分残っている。よって、大当り遊技状態が終了してから31回目の飾り図柄の変動表示が開始するときに、時短回数を「10」加算して実際の残り時短回数を報知する加算演出が行なわれる。
図42(n)は、大当り遊技状態が終了してから31回目の飾り図柄の変動表示が開始され加算演出が行なわれたときの状態を示している。加算演出として、キャラクタAから「10回延長!」といった吹き出し画像が表示される。以降、キャラクタAが再度キャラクタBに切り替えて表示され、「あと10回」といったメッセージが表示される。これにより、図42(i)および(m)等において偽の時短回数が報知されたが、図42(n)で最終的に時短回数40回に移行されていたことが報知される。
なお、ここで減算演出が行なわれた場合について説明する。たとえば、図42(k)において、偽報知として「“時短50回突入”」といったメッセージが表示された場合、前述した表示用時短回数カウンタは、50にセットされる。よって、図42(m)では、高ベース状態に移行されたことに応じて変動表示装置9の左下表示領域にキャラクタBを表示し、表示用時短回数カウンタに応じて右下表示領域に残り時短回数を報知するための「あと50回」といったメッセージが表示される。以後、飾り図柄の表示結果が導出表示される毎に表示用時短回数カウンタが1減算されることにより残り時短回数から1減算表示される。しかし、前述したように図42(j)の大当りにより時短回数40回の高確高ベース状態に移行されているため、残り時短回数として「10」が表示されている状態で低ベース状態に移行されている。このため、大当り遊技状態が終了してから41回目の飾り図柄の変動表示が開始するときに、時短回数を「10」減算して高ベース状態から低ベース状態に移行したことを報知する減算演出が行なわれる。減算演出として、キャラクタBから「10回減算!」といった吹き出し画像が表示される。以降、キャラクタBがキャラクタAに切り替えて表示され、「あと10回」といったメッセージも消去され、低ベース状態に移行されたことが報知される。
図43〜図46は、前述の向上演出が行なわれたときの変動表示装置9の表示状態を示す説明図である。図43、図44は、大当り中向上演出を示し、図45、図46は、大当り後向上演出を示している。
図43、図44は、時短回数が50回でランダムカウンタRS3の値が「1」のときに選択決定されるラウンド5で「20回」、ラウンド10で「50回」の時短回数が向上演出表示される例が示されている。まず図43の(a)により、変動表示装置9における左・中・右図柄の変動表示が行なわれている状態が示されている。次に(b)に示すように、左・右図柄が停止し、中図柄が未だ変動表示している状態が示されている。
次に(c)に示すように、左・中・右図柄の表示結果としての停止表示図柄の組合せが「222」となり大当りが発生した表示画面が示されている。「222」の飾り図柄の表示結果の場合には、図32で説明したように、高ベース(時短あり)で高演出あり時と低ベース時(時短なし時)とのいずれかとなるのであり、この(c)の段階では、「時短なし」のメッセージ表示がなされている。
次に(d)に示すように、大当り状態が発生してその第1ラウンドが発生することがメッセージ表示されるとともに、画面右上に大当り時の表示結果である「222」が表示されるとともに、画面右下に「時短なし」のメッセージ表示が行なわれる。
このラウンド表示は、ラウンドが進行するごとに現在行なわれているラウンドが第何ラウンド目かのメッセージ表示がなされる。そして第5ラウンドに到達した段階で、(e)に示すように、第5ラウンドのメッセージ表示がなされた後、(f)、(g)に示す向上演出のための抽選表示画面が表示される。(f)に示すように、まず福引の画面が表示されて玉が放出され、(g)に示すように、その玉に「20」の数字が示される。この「20」の数字は、この大当り終了後20回の時短回数の時短制御が行なわれることを示している。この抽選表示は、図39のS353によりセットされた向上演出データに従って表示される。
次にこの抽選表示が行なわれた後、(h)に示すように、第5ラウンドである旨のメッセージ表示が行なわれた後、さらに大当り制御が進行してラウンドが進行していく。そして10ラウンドに達した段階で(i)に示すように、「第10ラウンド」のメッセージ表示がなされた後、(j)〜(n)に示す向上演出のための2回目の抽選表示が行なわれる。この2回目の抽選表示は、(j)に示すように、火が点火された爆弾が表示され、(k)に示すように、その爆弾が爆発した画面が表示され、(m)に示すように、爆弾の煙が表示され、(n)に示すように、「+30」のメッセージ表示が行なわれる。この「+30」のメッセージ表示は、時短回数がさらに「30回」上乗せ表示されたことを示すものであり、結局時短回数は20+30=50で、「50回」となる。
次に(o)に示すように、現在のラウンドである第10ラウンドのメッセージ表示が行なわれた後、(p)に示すように、「大当り終了」のメッセージ表示が行なわれて大当りが終了する。その段階で、(g)に示すように、最終的な時短回数である「時短50回!」のメッセージ表示が行なわれる。
図45、図46は、時短回数が100回でランダムカウンタRS3の値が「0」のときに図35の大当り後向上内訳テーブルをルックアップして決定された、ラウンド5で「10回」、ラウンド10で「20回」、大当り後で「100回」の決定結果に基づいた向上演出が示されている。
まず図45の(a)に示すように、変動表示装置9における左・中・右図柄の変動表示が行なわれ、左・右図柄が停止した段階で中図柄のみが変動表示している状態が、(b)に示されている。次に全図柄が停止した状態が(c)に示されており、「555」の表示結果が停止表示され、「大当り」のメッセージ表示と、「時短なし」のメッセージ表示とが行なわれる。この「555」の表示結果は、図32で説明したように、高ベース(時短あり)で向上演出あり時または低ベース時(時短なし時)のいずれかの表示結果となる。
次に、大当り制御が始まり、第1ラウンドが開始されたことが(d)に示すようにメッセージ表示されるとともに、画面の右上に「555」の大当り図柄と、画面の右下に「時短なし」のメッセージ表示とが行なわれる。
次に、大当り制御が進行して5ラウンド目に達した段階で、第1回目の向上演出のための抽選表示が行なわれる。この抽選表示は、たとえば前述したように、福引の画面が表示されて出てきた玉で時短回数を表示するようなもの等、どのようなものであってもよい。この第1回目の抽選結果では、「10回」の時短回数が表示されることとなる。なお、この第1回目の抽選表示は、図示を省略している。
次に大当り制御が進行して10ラウンド目に達した段階で(e)に示すように、「第10ラウンド」のメッセージ表示が行なわれた後、(f)、(g)の2回目の向上演出を行なうための抽選表示が行なわれる。この2回目の抽選表示では、(f)に示すように、福引の画面が表示されて、(g)に示すように、出てきた玉に「20」が表示される。この「20」は、時短回数を示している。
次に(h)に示すように現在のラウンド回数である第10ラウンドのメッセージ表示が行なわれた後、(i)に示すように、「大当り終了」のメッセージ表示が行なわれて大当りが終了する。この段階では時短回数が20回とメッセージ表示される。
次に、大当り終了後、(j)〜(n)に示すように、第3回目の向上演出のための抽選表示が行なわれる。この抽選表示では、前述と同様に、火が点火された爆弾が表示された後その爆弾が爆発し、煙が表示された後、「+80」のメッセージ表示が行なわれる。この「+80」は、時短回数を80回上乗せするという意味であり、結局、20+80=100となり、時短回数が「100回」となる。(o)では、高確率状態が発生した旨と、時短回数が100回である「100回!」のメッセージ表示が行なわれる。なお、本実の形態では、向上演出発生により時短回数が加算される例を示したが、向上演出が発生しても加算されない演出(例えば、向上演出前の時短回数が「50」で向上演出の実行でも「50」の時短回数が表示される)。
次に、前述した第1実施形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施の形態における時短回数は、図8で説明したように、大当り前の遊技状態と、図19のS30における大当り判定時の決定結果とに基づき決定される。よって、遊技者に対して、大当り判定時の決定結果がどのような決定結果になるかに応じて時短回数に対し異なる期待感を抱かせることができる。さらに、遊技者に対して、現在制御されている遊技状態がどの遊技状態であるかに応じて時短回数に対し異なる期待感を抱かせることができる。このため、現在制御されている遊技状態による制御内容自体により遊技者にとって有利の程度に差を設けることができるだけでなく、現在制御されている遊技状態に応じて大当り遊技状態終了後の時短回数に対し異なる期待感を抱かせることができるため、遊技状態に付加価値を付与することができるとともに、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 前述した実施の形態においては、図8で説明したように、2R大当り遊技状態に移行された場合であっても、15R大当り遊技状態に移行された場合と比較して、より多い回数が時短回数として決定される割合が高いため、遊技者にとって有利な程度が低い分を補うことができる。
また、前述した実施の形態においては、現遊技状態が低確低ベース状態である場合を除き、2R確変大当りとなった場合、高確高ベース状態に制御される。このため、既に高確状態に制御されている場合であっても、2R確変大当りとなることにより、高ベース状態への制御の開始あるいは時短回数の上乗せが行なわれるため、遊技者にとって有利な程度が低い分をより一層効果的に補うことができる。
(3) 前述した実施の形態においては、図31のS251において真報知飾り変動が飾り変動種別として決定された場合、図42(c)で説明したように、リーチ状態となった変動表示の表示結果が大当り図柄の組合せになり高ベース状態に移行されたときの時短回数を、当該リーチ状態であるときに報知することができる。このため、現遊技状態に基づき時短回数が決定されるパチンコ遊技機であっても、遊技者は、時短回数を容易に認識することができる。
なお、図31のS252において偽報知飾り変動が飾り変動種別として決定され図42(i)で説明したように、偽の時短回数が報知される場合もあるため、リーチ状態時における時短回数を報知する報知演出パターンを豊富にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 前述した実施の形態においては、リーチ状態時に時短回数について真報知されなかった場合であっても、図38のS320またはS322において真報知エンディングがセットされた場合、図42(e)で説明したように、大当り遊技状態が終了した後に時短回数を報知することができる。このため、現遊技状態に基づき時短回数が決定されるパチンコ遊技機であっても、遊技者は、時短回数を容易に認識することができる。
なお、図38のS322において偽報知エンディングがセットされ図42(k)で説明したように、偽の時短回数が報知される場合もあるため、大当り遊技状態が終了した後における時短回数を報知する報知演出パターンを豊富にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、偽の時短回数が報知された場合であっても、図29のS226cによる加算演出またはS226eによる減算演出がセットされて、図42(n)で説明したような正確な時短回数を報知するための演出が行なわれる。たとえば、高ベース状態に制御されているときには、加算演出が行なわれるかもしれないといった期待感と、減算演出が行なわれるかもしれないといった不安感とを抱かせながら遊技を進行させることができるため、マンネリ化を防止でき遊技の興趣を向上させることができる。
前述した実施の形態に示した遊技機は、次のような構成を有する。前記演出制御手段は、前記特定遊技状態終了後(図42(e)等参照)に、真の上限回数を報知する終了後報知手段(図34のS319〜S322、図40)をさらに含む。このような構成によれば、上限回数を特定遊技状態終了後に報知することができる。このため、現遊技状態に基づき上限回数が決定される遊技機であっても、遊技者は、上限回数を容易に認識することができる。
(5) 前述した実施の形態においては、図8で説明したように、15R確変大当り図柄となる場合には、15R通常大当り図柄となる場合と比較して、より多い回数が時短回数として決定される割合が高いため、遊技者にとって有利な程度をさらに高めることができる。
前述した実施の形態に示した遊技機は、次のような構成を有する。前記事前決定手段は、前記高確率状態に移行させないと決定したときより前記高確率状態に移行させると決定したときの方が、前記上限回数として多い回数を高い割合(15R通常大当り2となったときよりも15R確変大当り1となったときの方が、4/4(100パーセント)の割合で多い回数が時短回数として特定されるように設定されている)で決定する(図8参照、大当り遊技状態終了後に高確率状態に制御される点において15R通常大当りよりも遊技者にとって有利な15R確変大当りの方が、より多い回数が高い割合で時短回数として特定されるように設定されている)。このような構成によれば、高確率状態に移行された場合には、高確率状態に移行されない場合と比較して、より多い回数が上限回数として決定される割合が高いため、遊技者にとって有利な程度をさらに高めることができる。
(6) 前述した実施の形態においては、図26のS221で更新された遊技状態フラグに対応した演出態様表示データが図29のS226で設定され、背景画像として図27や図53等のキャラクタを表示する演出が行なわれる。これにより、背景画像の種類から現在低ベース状態であるか高ベース状態であるかを容易に認識することができる。
なお、図29等で説明した加算演出または減算演出が行なわれる場合には、図26のS221で更新された遊技状態フラグに対応した背景画像による演出が行なわれず、表示用時短回数カウンタの値に基づく背景画像による演出が行なわれる場合もある。しかし、この場合であっても、変動表示開始時または変動表示開始から所定のタイミングで、図26のS221で更新された遊技状態フラグに対応した背景画像による演出に切り替える演出が行なわれる。
(7) 図13、図14、図20のS66〜S68で説明したように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、現在制御されている遊技状態に対応する上位バイトと決定された変動パターンに対応する下位バイトと組合せたコマンドを変動パターンコマンドとして、演出制御用マイクロコンピュータ800に送信する。また、図26のS217〜S221、図29のS226、図31のS249、S247、S252で説明したように、演出制御用マイクロコンピュータ800は、受信した変動パターンコマンドの上位バイトから、現在制御されている遊技状態を特定するとともに、受信した変動パターンコマンドの下位バイトから、遊技制御用マイクロコンピュータ560により決定された変動パターンを特定するとともに、上位バイトから変動時間を短縮させる状態であるか否かに応じた飾り変動パターンを決定する処理を行なう。これにより、変動パターンを特定するための変動パターンコマンドに、現遊技状態を特定する情報を含めることができ、現遊技状態を特定するためのコマンドを別コマンドとして送信する必要がないため、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ800へ送信するコマンドの種類を極力低減することができる。
(8) 前述した実施の形態においては、図38のS312、S314〜S318で説明したように、高確高ベース状態に繰返し制御された回数を示すループ回数カウンタの値を特定し、大当り遊技状態中の演出としてループ回数カウンタの値に対応した演出が行なわれる。これにより、大当り遊技状態中の演出に応じて、遊技者の抱く優越感を異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(9) 前述した実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図13、図14、および図20で説明したように、変動表示を開始する毎に、現在制御されている遊技状態に対応する上位バイトを含む変動パターンコマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ800に送信する。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ800側では、図26および図29で説明したように、受信した変動パターンコマンドに基づき特定される遊技状態に対応する遊技状態フラグをセットし、当該遊技状態フラグに対応する演出態様表示データを設定し、以降実行される飾り図柄の変動表示において、遊技状態フラグに対応する種類の背景画像を表示することができる。これにより、たとえば、不測の停電等の電力供給停止が生じた場合であっても、電源断時にRAM54に保存された確変フラグ、時短フラグ、時短カウンタ等に基づき電源断前に制御されていた遊技状態に対応する種類の背景画像を変動表示装置9に表示することができ、当該遊技状態を遊技者に報知することができる。
(10) 前述した実施の形態においては、時短回数が上乗せされる向上演出が変動表示装置9により表示されるために、時短制御に対する遊技者の期待を段階的に高めることができ、興趣を向上させることができる。特に、大当り後向上演出を表示する場合には、3段階にわたって向上演出のための抽選表示が行なわれるために、時短制御に対する遊技者の期待を3段階にわたって向上させることができ、高い興奮状態に導くことができる。
さらに、向上演出を実行する場合には、変動表示装置9の表示結果として導出表示される当り図柄の組合せは、低ベース時(時短なし時)のときに表示される種類の当り図柄の組合せと同じであるために(図32参照)、その表示結果が導出表示された段階ではまた大当り終了後高ベース(時短)が発生するか否か不明である。この状態で、向上演出が行なわれることにより、向上演出実行時に初めて大当り終了後高ベース(時短制御状態)となることがわかり、遊技者の興奮を盛り上げることができる。
(11) さらに、大当り中向上演出における2回の向上演出(抽選演出)と、大当り後向上演出における3回の向上演出(抽選演出)のうちの1回目と2回目との向上演出(抽選演出)との実行時期が、同じ5ラウンドと10ラウンドであり、同じ時期に実行されるために、2回目の向上演出(抽選演出)が行なわれた段階では、さらに3回目の向上演出(抽選演出)が行なわれるか否か遊技者にとってはわからない。故に、3回目の向上演出(抽選演出)が行なわれれば、さらに遊技者の興奮を盛り上げることができる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第1実施形態においては、ベースの状態が、通常状態または高ベース状態のいずれかに制御可能な遊技機であって、同じ種類の大当りとなった場合であっても、現遊技状態に基づき高ベース状態で実行可能な変動表示の上限回数(時短回数)を決定して、それを向上演出等により表示する例について説明した。第2実施形態においては、ベース状態として、通常状態(低ベース状態)、第1高進入状態としての高ベース状態に加え、通常状態よりもベースが高く遊技者にとって有利であるが、高ベース状態よりもベースが低く遊技者にとって有利な程度の低い第2高進入状態としての中ベース状態のいずれかに制御可能な遊技機であって、同じ種類の大当りとなった場合であっても、現遊技状態に基づき中ベース状態または高ベース状態のいずれのベース状態に制御するかを決定し、その決定結果を向上演出等により表示する例について説明する。
なお、本実施の形態において、第1実施形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1実施形態と異なる部分について説明する。
前述したように第2実施の形態においては、同じ種類の大当りとなった場合であっても、現遊技状態に基づき、大当り遊技状態が終了した後に移行されるベース状態が決定される。図47は、第2実施形態における大当り後遊技状態特定用テーブルを説明するための図である。大当り後遊技状態特定用テーブルは、ROM54に記憶されている。
まず、確率状態について説明する。15R通常大当り1または15R通常大当り2となり当該大当り遊技状態が終了した後の確率状態は、低確状態に制御される。また、15R確変大当り1、15R確変大当り2、2R確変大当り1、および2R確変大当り2のいずれかになり当該大当り遊技状態が終了した後の確率状態は、高確状態に制御される。
次に、ベース状態について説明する。第2実施の形態におけるベース状態は、大当り前の遊技状態と大当りの種類とに基づき特定される。第2実施の形態においては、同じ種類の大当りであっても、そのときの遊技状態に応じたベース状態が特定される。
たとえば、15R通常大当り1となったときであっても、大当り前の遊技状態が、低確低ベース状態、低確中ベース状態、低確高ベース状態、高確低ベース状態のいずれかである場合に低ベース状態が、高確中ベース状態または高確高ベース状態である場合に中ベース状態が、当該大当り遊技状態終了後に移行されるベース状態として特定される。
また、15R通常大当り2となったときであっても、大当り前の遊技状態が、低確低ベース状態、低確中ベース状態、低確高ベース状態のいずれかである場合に低ベース状態が、高確低ベース状態または高確中ベース状態である場合に中ベース状態が、高確高ベース状態である場合に高ベース状態が、当該大当り遊技状態終了後に移行されるベース状態として特定される。
また、15R確変大当り1となったときであっても、大当り前の遊技状態が、低確低ベース状態または低確中ベース状態のいずれかである場合に低ベース状態が、低確高ベース状態または高確低ベース状態である場合に中ベース状態が、高確中ベース状態または高確高ベース状態である場合に高ベース状態が、当該大当り遊技状態終了後に移行されるベース状態として特定される。
また、15R確変大当り2となったときであっても、大当り前の遊技状態が、低確低ベース状態である場合に低ベース状態が、低確中ベース状態、低確高ベース状態、高確低ベース状態のいずれかである場合に中ベース状態が、高確中ベース状態または高確高ベース状態である場合に高ベース状態が、当該大当り遊技状態終了後に移行されるベース状態として特定される。
また、2R確変大当り1または2R確変大当り2となったときであっても、大当り前の遊技状態が、低確低ベース状態である場合に低ベース状態が、低確中ベース状態である場合に中ベース状態が、低確高ベース状態、高確低ベース状態、高確中ベース状態、高確高ベース状態のいずれかである場合に高ベース状態が、当該大当り遊技状態終了後に移行されるベース状態として特定される。
本実施の形態における大当り後遊技状態特定用テーブルは、大当り前の遊技状態が低確状態であるときより高確状態であるときの方が、より遊技者にとって有利の程度が高いベース状態が高い割合で特定されるように構成されている。さらに、本実施の形態における大当り後遊技状態特定用テーブルは、大当り前の遊技状態が低ベース状態であるときより中ベース状態であるときの方が、また中ベース状態であるときより高ベース状態であるときの方が、より遊技者にとって有利の程度が高いベース状態が高い割合で特定されるように構成されている。
このように、同じ種類の大当りであっても、大当り前の遊技状態に応じて予め定められたベース状態が特定されるように設定されている。また、大当り遊技状態終了後に高確率状態に制御される点において15R通常大当りよりも遊技者にとって有利な15R確変大当りの方が、より遊技者にとって有利なベース状態が高い割合で特定されるように設定されている。
たとえば、15R通常大当り2となったときと、15R確変大当り1となったときとを比較する。まず、15R通常大当り2となったときには、3/6(50パーセント)の割合で低ベース状態が特定され、2/6(約33パーセント)の割合で中ベース状態が特定され、1/6(約16パーセント)の割合で高ベース状態が特定される。一方、15R確変大当り1となったときには、2/6(約33パーセント)の割合で低ベース状態が特定され、2/6(約33パーセント)の割合で中ベース状態が特定され、2/6(約33パーセント)の割合で高ベース状態が特定される。すなわち、15R通常大当り2となったときと15R確変大当り1となったときとを比較した場合、低ベース状態が特定される割合は15R確変大当り1となったときより15R通常大当り2となったときの方が高く、高ベース状態が特定される割合は15R通常大当り2となったときより15R確変大当り1となったときの方が高くなるように大当り遊技状態終了後の遊技状態が特定されるように設定されている。その他の大当りを比較した場合も同様である。このため、図47の大当り後遊技状態特定用テーブルは、15R通常大当りよりも15R確変大当りの方が、より遊技者にとって有利なベース状態が高い割合で特定されるように設定されているといえる。
さらに、大当り遊技状態に制御された後、継続権が発生する開放回数の上限値が15R大当りよりも遊技者にとっての有利な程度の低い2R確変大当りの方が、より遊技者にとって有利なベース状態が高い割合で特定されるように設定されている。
たとえば、15R確変大当り2となったときと、2R確変大当り1となったときとを比較する。まず、15R確変大当り2となったときには、1/6(約16パーセント)の割合で低ベース状態が特定され、3/6(50パーセント)の割合で中ベース状態が特定され、2/6(約33パーセント)の割合で高ベース状態が特定される。一方、2R確変大当り1となったときには、1/6(約16パーセント)の割合で低ベース状態が特定され、1/6(約16パーセント)の割合で中ベース状態が特定され、4/6(約66パーセント)の割合で高ベース状態が特定される。すなわち、15R確変大当り2となったときと2R確変大当り1となったときとを比較した場合、中ベース状態が特定される割合は2R確変大当り1となったときより15R確変大当り2となったときの方が高く、高ベース状態が特定される割合は15R確変大当り2となったときより2R確変大当り1となったときの方が高くなるように大当り遊技状態終了後の遊技状態が特定されるように設定されている。その他の大当りを比較した場合も同様である。このため、図47の大当り後遊技状態特定用テーブルは、15R大当りよりも2R確変大当りの方が、より遊技者にとって有利なベース状態が高い割合で特定されるように設定されているといえる。
なお、低確状態であるときに飾り図柄の組合せとして「123」が導出表示された場合、当り遊技状態が終了した後の遊技状態が当該当り遊技状態前のベース状態に制御されたままとなるため、2R確変大当りであったのか小当りであったのか遊技者は認識できない。このため、低確状態であるときに飾り図柄の組合せとして「123」が導出表示された場合には、以後、高確状態であるかもしれないといった期待感を持ちながら遊技を行なうことができ、興趣を向上させることができる。
このように、第2実施の形態においては、現遊技状態と大当りの種類とに基づき、大当り遊技状態が終了した後のベース状態が決定される。よって、第2実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1実施の形態で説明した図19のS30において大当りの種類を決定することにより、当該決定した大当り種類と現在の遊技状態とに基づき、大当り遊技状態が終了した後のベース状態を決定し特定する処理を行なう。
現在制御されているベース状態は、中ベース状態においてセットされるフラグである中時短フラグがセットされているか、または高ベース状態においてセットされるフラグである高時短フラグがセットされているかに基づいて判断される。
第2実施の形態においては、中ベース状態および高ベース状態を総称して、時短状態という場合がある。第2実施の形態における時短状態は、時短状態であるときに予め定められた回数(たとえば、100回)分変動表示装置9において変動表示が行なわれたときに終了し、低ベース状態である通常状態に移行される。なお、本実施の形態においては、時短状態の終了条件が、予め定められた回数分変動表示装置9において変動表示が行なわれることにより成立する例について説明するが、これに限らず、変動表示装置9の表示結果が15R大当りとなることにより成立するものであってもよく、また変動表示装置9の表示結果が大当りとなることにより成立するものであってもよい。
このため、第2実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1実施の形態で説明した図21のS152において、時短状態に制御されているか否かを判断するために、中時短フラグまたは高時短フラグがセット状態であるか否かを判断する処理を行ない、中時短フラグまたは高時短フラグがセット状態である場合にS153において時短カウンタから「1」を減算する処理を行なう。第2実施の形態における中時短フラグ、高時短フラグ、および時短カウンタは、図23のS173においてセットされる。具体的には、図47で説明した大当り後遊技状態特定用テーブルをルックアップし、確変状態に制御されるときに確変フラグがセットされ、中ベース状態に制御されるときに中時短フラグがセットされ、高ベース状態に制御されるときに高時短フラグがセットされ、中ベース状態または高ベース状態に制御されるときに時短カウンタ(たとえば、「100」)がセットされる。これにより、大当り遊技状態の終了後に、大当り前の遊技状態と大当り判定時の決定結果である大当りフラグとから特定される遊技状態に制御される。
なお、時短回数として予め定められた回数(たとえば、100回)がセットされる例について説明するが、これに限らず、現在制御されている遊技状態と決定結果との組合せ毎に予め定められた回数が時短回数としてセットされるように構成してもよい。
図48は、向上演出決定用テーブルを示しており、第1実施の形態における図9に対応するテーブルである。図48を参照して、図47の大当り後遊技状態特定用テーブルをルックアップして決定された大当り後のベース状態と、ランダムカウンタR5の値とに基づいて、「向上なし」、「大当り中向上」、「大当り後向上」のいずれかが決定される。たとえば、大当り中遊技状態特定用テーブルをルックアップして大当り後の遊技状態として「高ベース」が決定された場合で、かつランダムカウンタR5の値が「80」であった場合には、図48の高ベースの行のR5のとり得る範囲を示している「51〜99」の範囲内にR5の値である「80」が属するために、その列における「大当り後向上」が選択決定されることとなる。
図49、図50は、結果コマンド選択用テーブルを示し、図49はその前半であるその1を示し、図50はその後半であるその2が示されている。この図49、図50の結果コマンド選択用テーブルは、第1実施の形態における図10〜図12の結果コマンド選択用テーブルに対応したテーブルである。この結果コマンド選択用テーブルは、「向上なし」、「大当り中向上」、「大当り後向上」の3つに大きく分かれており、図48の向上演出決定用テーブルをルックアップした決定結果に従って、3つのうちのどの部分がルックアップされるかが決まる。そして、事前に決定された大当りの種類(15R通常大当り1、15R確変大当り2、2R確変大当り1等)と、図47の大当り後遊技状態特定用テーブルをルックアップして決定された低ベース、中ベース、高ベースのいずれかのベースとに基づいて、結果コマンド選択用テーブルがルックアップされて結果コマンドが決定される。
たとえば、図48の向上演出決定用テーブルをルックアップして「向上なし」が決定され、大当りの種類として「15R確変大当り1」が決定され、図47の大当り後遊技状態特定用テーブルをルックアップして「高ベース」が決定された場合には、図49を参照して、結果コマンドとして「8010」が選択決定される。
次に、第2実施の形態における上位バイト特定用テーブルについて説明する。図51は、第2実施形態における変動パターンコマンドの上位バイトを特定するために用いる上位バイト特定用テーブルを説明するための図である。
図51を参照し、まず、通常変動時の変動パターンコマンドの上位バイトについて説明する。通常変動時の変動パターンコマンドの上位バイトとしては、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるときに「70」が、低確中ベース状態であるときに「71」が、低確高ベース状態であるときに「72」が、高確低ベース状態であるときに「73」が、高確中ベース状態であるときに「74」が、高確高ベース状態であるときに「75」が、各々特定される。
次に、短縮変動時の変動パターンコマンドの上位バイトについて説明する。短縮変動時の変動パターンコマンドの上位バイトとしては、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるときに「76」が、低確中ベース状態であるときに「77」が、低確高ベース状態であるときに「78」が、高確低ベース状態であるときに「79」が、高確中ベース状態であるときに「7A」が、高確高ベース状態であるときに「7B」が、各々特定される。
第2実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1実施の形態で説明した図20のS66において、図51で説明した上位バイト特定用テーブルをルックアップし、現在の遊技状態に対応する変動パターンコマンドの上位バイトを特定する処理を行なう。
図52(a)は、大当り中向上内訳テーブルを示しており、第1実施の形態における図34の大当り中向上内訳テーブルに対応するものである。図52(a)を参照して、大当り後遊技状態である中ベース、高ベース、およびランダムカウンタRS3の値に基づいて、ルックアップされる二次元テーブルの構成となっている。たとえば、図47の大当り後遊技状態特定用テーブルをルックアップして決定された大当り後の遊技状態が「高ベース」であり、ランダムカウンタR3の値が「1」であった場合には、図52(a)の大当り中向上内訳テーブルがルックアップされて、ラウンド5で「低ベース」、ラウンド10で「高ベース」を表示することが決定される。
図52(b)は、大当り後向上内訳テーブルを示し、第1実施の形態における図35の大当り後向上内訳テーブルに対応するテーブルである。この大当り後向上内訳テーブルの場合には、ラウンド5とラウンド10と大当り後との3段階にわたってベース状態を向上演出表示するために用いられる。大当り後のベース状態とランダムカウンタRS3の抽出値とに基づいてルックアップされる二次元テーブルの構成をとっている。たとえば、図47に示す大当り後遊技状態特定用テーブルをルックアップして大当り後のベース状態が「高ベース」に決定され、ランダムカウンタRS3の値が「1」であった場合には、図53(b)の大当り後向上内訳テーブルがルックアップされて、ラウンド5で「低ベース」、ラウンド10で「中ベース」、大当り後に「高ベース」を表示する演出が実行される。
次に、第2実施の形態における普通図柄プロセス処理について、図24を参照して説明する。第2実施の形態におけるS452の普通図柄通常処理では、当り判定処理が行なわれる。この当り判定処理においては、低ベース状態、中ベース状態、高ベース状態の順番で、当りと判定する割合が高くなるように処理が行なわれる。当りと判定する割合が高くなるように処理としては、たとえば、当りと判定する当り判定値の数を、低ベース状態、中ベース状態、高ベース状態の順番で、多くなるように設定することにより行なわれるように構成してもよい。これにより、前述した普通図柄確変制御を行ない、普通図柄の当り確率を、低ベース状態、中ベース状態、高ベース状態の順番で高くすることができる。
また、第2実施の形態におけるS453の普通図柄変動処理では、低ベース状態、中ベース状態、高ベース状態の順番で、短くなるよう設定された変動時間に従って普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理に対応する値に更新する処理が行なわれる。これにより、前述した普通図柄時短制御を行ない、普通図柄の変動時間を、低ベース状態、中ベース状態、高ベース状態の順番で、短くすることができる。
また、第2実施の形態におけるS455の普通電動役物作動処理では、低ベース状態、中ベース状態、高ベース状態の順番で、開放回数が多くかつ1開放当りの開放時間が長くなるよう、普通可変入賞球装置58を制御する。これにより、前述した開放延長制御および回数増加制御を行ない、普通図柄が当りとなったときの、可変入賞球装置15の開放回数を低ベース状態、中ベース状態、高ベース状態の順番で多くし、かつ1開放当りの開放時間を低ベース状態、中ベース状態、高ベース状態の順番で長くすることができる。
次に、第2実施の形態におけるコマンド解析処理について、図26を参照して説明する。第2実施の形態におけるコマンド解析処理では、S221において、低確低ベース状態に対応して低確低ベースフラグが、低確中ベース状態に対応して低確中ベースフラグが、低確高ベース状態に対応して低確高ベースフラグが、高確低ベース状態に対応して高確低ベースフラグが、高確中ベース状態に対応して高確中ベースフラグが、高確高ベース状態に対応して高確高ベースフラグが、遊技状態フラグとしてセットされる。そして、遊技状態フラグに基づき、飾り図柄の背景として表示させる背景画像の種類や、前述した発光手段による点灯パターン・点灯色等の種類や、スピーカ27による音演出の種類等が特定される。
図53は、第2実施の形態における演出態様としての背景画像の種類を説明するための図である。なお、図53(a)および(c)は、図27(a)および(b)と同様である。すなわち、図53(a)は、低確低ベース状態または高確低ベース状態に対応する遊技状態フラグがセットされているときの背景画像であり、図53(c)は、低確高ベース状態または高確高ベース状態に対応する遊技状態フラグがセットされているときの背景画像である。
図53(b)は、遊技状態フラグとして、低確中ベース状態または高確中ベース状態に対応する遊技状態フラグがセットされているときの背景画像である。背景画像として、「貝殻」をイメージしたキャラクタC(帆立貝のキャラクタ)が変動表示装置9の左下表示領域に表示される。
図54は、第2実施の形態におけるコマンド解析処理を示すフローチャートである。第1実施の形態(図26)との相違点は、S215aにおいて、ベース状態の決定結果をRAM85に格納する点である。つまり、図49、図50で説明したように、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてきた結果コマンドにより事前決定されたベース状態が特定でき、演出制御用マイクロコンピュータ800は、特定したベース状態をRAM85に格納する。
次に、第2実施の形態における変動パターンコマンド受信待ち処理について説明する。図55は、第2実施の形態における図28の変動パターンコマンド受信待ち処理(S400)を示すフローチャートである。第2実施の形態における図28の変動パターンコマンド受信待ち処理では、S226の処理を行なった後に、S226hへ移行する。
第2実施の形態においては、図58を用いて後述するように、エンディング演出においてベース状態を報知する演出が行なわれる場合があり、当該報知されたベース状態を特定するための大当り後ベースフラグがセットされる。S226hにおいては、大当り遊技状態のエンディング演出において報知されたベース状態を特定するための大当り後ベースフラグに基づき、エンディング演出で報知されたベース状態が遊技状態フラグから特定されるベース状態と同じであるか否か、すなわち大当り後ベースフラグが正しいベース状態を示すものであるか否かを判別する。この大当り後ベースフラグが正しいベース状態を示すものであるか否かの判別は、具体的には、当り遊技中処理におけるS322bにおいてセットされる大当り後ベースフラグから特定されるベース状態が、コマンド解析処理においてセットされる遊技状態フラグから特定される現在制御されているベース状態と同じであるか否かを判定することにより行なわれる。
S226hにより正しいと判別されたときは、S227へ移行される。一方、S226hにおいて大当り後ベースフラグが正しくないと判別されたときは、S226kにおいて、エンディング演出で報知されたベース状態から、遊技状態フラグから特定される正しいベース状態に切り替えるベース切替演出がセットされるとともに、大当り後ベースフラグを正しいベース状態を示す正常値にセットする処理が行なわれ、S227へ移行される。なお、S226kにおいては、通常状態から中ベース状態または高ベース状態に切り替えるベース切替演出がセットされたときに、表示用時短回数カウンタ(たとえば、100)をセットする処理も行なわれる。
ベース切替演出としては、変動表示開始時に大当り後ベースフラグから特定される遊技状態に対応するキャラクタを表示し、変動表示開始から所定のタイミングで現在制御されている遊技状態に対応するキャラクタに切り替える演出を行なうものであってもよい。また、ベース切替演出としては、前述した演出に限らず、変動表示開始時から現在制御されている遊技状態に対応するキャラクタを表示するとともに、大当り後ベースフラグから特定される遊技状態が偽であったことを報知する演出を行なうものであってもよい。これにより、偽報知演出が行なわれた場合であっても、遊技状態フラグから特定される正しいベース状態の背景画像が切り替える演出を行なうことができる。なお、S225、S226、およびS227の処理は、図29で説明した同一のステップ番号を付した処理と同様のため、説明を繰返さない。
なお、ベース切替演出が行なわれる場合には、図28のS221で更新された遊技状態フラグに対応した背景画像による演出が行なわれない場合もある。しかし、この場合であっても、変動表示開始時または変動表示開始から所定のタイミングで、図28のS221で更新された遊技状態フラグに対応した背景画像による演出に切り替える演出が行なわれる。これにより、背景画像の種類から現在低ベース状態であるか中ベース状態であるか高ベース状態であるかを容易に認識することができる。
次に、図30に示した図柄変動開始処理において実行される第2実施の形態における飾り変動演出決定処理について説明する。図56は、第2実施の形態における飾り変動演出決定処理を示すフローチャートである。第2実施の形態における飾り変動演出決定処理では、S251aにおいては、図33(a)に示した大当り時飾り変動種別決定用テーブルをルックアップし、飾り変動種別をランダムに決定する処理が行なわれる。S251aにおいて飾り変動種別として真報知飾り変動に決定されたときには、飾り図柄の変動表示中に前述のS215aでRAM85に格納されるベース状態を報知する演出が行なわれる。偽報知飾り変動に決定されたときには、飾り図柄の変動表示中にS215aでRAM85に格納されるベース状態と異なる偽のベース状態を報知する演出が行なわれる。偽報知飾り変動Aに決定されたときには、飾り図柄の変動表示中にS215aでRAM85に格納されるベース状態の次のベース状態を報知する演出が行なわれる。次のベース状態とは、S215aで低ベース状態が格納されたときには中ベース状態を、S215aで中ベース状態が格納されたときには高ベース状態を、S215aで高ベース状態が格納されたときには低ベース状態をいう。また、偽報知飾り変動Bに決定されたときには、飾り図柄の変動表示中にS215aで格納されるベース状態の前のベース状態を報知する演出が行なわれる。前のベース状態とは、S215aで高ベース状態が格納されたときには中ベース状態を、S215aで中ベース状態が格納されたときには低ベース状態を、S215aで低ベース状態が格納されたときには高ベース状態をいう。
図56に戻り、S252aにおいては、短縮変動フラグ、変動パターンコマンド受信フラグおよびS251aにおいて決定された飾り変動種別に対応した飾り変動パターンの表示データを設定する処理を行ない、飾り変動演出決定処理を終了する。
このように、第2の実施の形態においては、図56のS251aにより真報知飾り変動が決定されたときには、S252aにより、真のベース状態に応じた演出制御を行なうための手段が構成されている。また、図56のS251aにより偽報知飾り変動が決定されたときには、S252aにより、偽のベース状態に応じた演出制御を行なうための手段が構成されている。
また、第2実施の形態における飾り変動演出決定処理では、S246aにおいては、図33(b)に示した小当り・リーチ時飾り変動種別決定用テーブルをルックアップし、飾り変動種別をランダムに決定する処理が行なわれる。S246aにおいて飾り変動種別として真報知飾り変動に決定されたときには、ベース状態が変化しないことを報知する演出が行なわれる。偽報知飾り変動に決定されたときには、飾り図柄の変動表示中に予め定められたベース状態を報知する演出が行なわれる。偽報知飾り変動Aに決定されたときには、飾り図柄の変動表示中に中ベース状態を報知する演出が行なわれる。また、偽報知飾り変動Bに決定されたときには、飾り図柄の変動表示中に高ベース状態を報知する演出が行なわれる。
S247aにおいては、短縮変動フラグ、変動パターンコマンド受信フラグおよびS246aにおいて決定された飾り変動種別に対応した飾り変動パターンの表示データを設定する処理を行ない、飾り変動演出決定処理を終了する。
この第2実施の態様においても、図32で説明したのと同様に、S254の処理が行なわれて大当り中向上演出が実行される場合とS255の処理が行なわれて大当り後向上演出が行なわれる場合には、低ベース時(大当り終了高進入状態に突入しない場合)と同じ飾り図柄組合せが導出表示される。
なお、図56におけるその他の処理は、図31で説明した同一のステップ番号を付した処理と同様のため、説明を繰返さない。
次に、第2実施の形態における図柄停止待ち処理について説明する。図57は、図28の図柄停止待ち処理(S403)を示すフローチャートである。第2実施の形態における図柄停止待ち処理では、S305において今回の変動表示の表示結果が大当りまたは小当りとならないと判断したときは、S307aにおいて遊技状態フラグに基づき、現遊技状態が中ベース状態または高ベース状態であるか否かを判別する。そして、中ベース状態または高ベース状態であるときは、S308へ移行し、図37で説明したS308と同様の処理が行なわれる。なお、図41のその他の処理についても、図37で説明した同一のステップ番号を付した処理と同様のため、説明を繰返さない。
次に、第2実施の形態における当り遊技中処理について説明する。図58は、演出制御プロセス処理における当り遊技中処理(S405)を示すフローチャートである。第2実施の形態における当り遊技中処理では、S319において真報知演出が実行済みであると判断されたときに、S320aにおいて再度真報知させるための真報知エンディングをセットする処理を行ないS322bへ移行される。
一方、S319において真報知演出が実行済みでないと判断されたときには、S321aにおいて図40に示すエンディング決定用テーブルをルックアップし、エンディングの種別を決定する処理が行なわれる。第2実施の形態において真報知エンディングに決定されたときには、前述したS215aでRAM85に格納されたベース状態を報知するエンディング演出が行なわれる。なお、小当り遊技状態終了後に真報知エンディングに決定されたときには、ベース状態が変化しないことを報知する演出が行なわれる。
偽報知エンディングに決定されたときには、S215aでRAM85に格納されるベース状態と異なる偽のベース状態を報知するエンディング演出が行なわれる。偽報知エンディングAに決定されたときには、S215aでRAM85に格納されるベース状態の次のベース状態を報知するエンディング演出が行なわれる。
また、偽報知飾り変動Bに決定されたときには、S215aでRAM85に格納されるベース状態の前のベース状態を報知するエンディング演出が行なわれる。
S322においては、S321aにおいて決定された種別のエンディングをセットする処理を行なう。S322bにおいては、S320aまたはS322においてセットされたエンディングにより報知されるベース状態を特定するための大当り後ベースフラグをセットする処理を行なうとともに、当該報知されるベース状態が中ベース状態または高ベース状態である場合に表示用時短回数カウンタ(たとえば、100)をセットする処理を行ない、S323へ移行される。なお、報知なしのノーマルエンディングがセットされた場合には、リーチ状態中に報知したベース状態を特定するための大当り後ベースフラグをセットする処理を行なう。また、リーチ状態中にベース状態が報知されていない場合には、図54のS215aで特定されたベース状態を特定するための大当り後ベースフラグをセットする処理を行なう。なお、リーチ状態中に時短回数が報知されていない場合には、図54のS215aで格納されたベース状態と異なるベース状態からランダムに決定したベース状態を特定するための大当り後ベースフラグをセットする処理を行なう。なお、図58におけるその他の処理は、図38で説明した同一のステップ番号を付した処理と同様のため、説明を繰返さない。
次に、変動表示装置9において行なわれる報知演出の一例を説明する。図59は、第2実施形態における報知演出の一例を示す表示画面図である。図59では、高確中ベース状態に制御され残り時短回数が「34」回であるときに15R確変大当り2となり高確高ベース状態に移行される場合について説明する。
図59(a)〜(f)は、リーチ発生時および大当り遊技終了時に真報知演出が行なわれたときの変動表示装置9の表示状態を示す説明図である。図59(a)〜(d)は、変動表示装置9において飾り図柄の変動表示が開始し、左図柄、右図柄、中図柄の順番で停止し、大当り図柄の組合せとなるまでの状態を示している。
図59(a)では、変動表示装置9において、左・中・右図柄の変動表示が一斉に開始した状態を示している。なお、前述したように遊技状態が高確中ベース状態であるため、背景画像としてキャラクタCが変動表示装置9の左下表示領域に表示されている。(b)では、左図柄および右図柄として、「7」が停止表示され、リーチ状態が発生した状態を示している。
図59(c)では、リーチ状態が発生した後、所定のタイミングで真報知演出が行なわれた状態を示している。真報知演出として、キャラクタCがキャラクタBを予想しているような吹き出し画像が表示されている。これにより、「7」の大当りとなることにより、キャラクタBに対応する高ベース状態に移行されることを示唆することができる。(d)では、中図柄が停止表示され変動表示結果として「7」の3つ揃いとなり、15R確変大当り図柄の組合せとなった状態を示している。また、変動表示結果の下方には、大当りとなった旨を報知するための「大当り」といったメッセージが表示される。以後、大当り遊技状態に移行され、大当り遊技が行なわれる。
図59(e)は、大当り遊技が終了し、真報知エンディング表示が行なわれた状態を示している。大当り遊技状態が終了した旨を報知するための「終了」といったメッセージが表示されるとともに、その下方に「“高確高ベース突入”」といったメッセージが表示される。なお、前述した大当り後ベースフラグは、高ベース状態に対応する値がセットされている。また、表示用時短回数カウンタは、100がセットされている。
図59(f)は、大当り遊技が終了した後に飾り図柄の変動表示が行なわれた状態を示している。高ベース状態に移行されたことに応じて変動表示装置9の左下表示領域にキャラクタBを表示し、表示用時短回数カウンタに応じて右下表示領域に残り時短回数を報知するための「あと100回」といったメッセージが表示される。
次に、図59(g)〜(m)は、リーチ発生時および大当り遊技終了時に偽報知演出が行なわれたときの変動表示装置9の表示状態を示す説明図である。図59(g)〜(j)は、変動表示装置9において飾り図柄の変動表示が開始し、左図柄、右図柄、中図柄の順番で停止し、大当り図柄の組合せとなるまでの状態を示している。なお、図59(g),(h),(j)は、図59(a),(b),(d)と同様のため、説明を繰返さない。
図59(i)では、リーチ状態が発生した後、所定のタイミングで偽報知演出が行なわれた状態を示している。偽報知演出として、キャラクタCがキャラクタAを予想しているような吹き出し画像が表示されている。これにより、「7」の大当りとなることにより、偽報知として低ベース状態に移行されることを示唆することができる。
図59(k)は、大当り遊技が終了し、偽報知エンディング表示が行なわれた状態を示している。大当り遊技状態が終了した旨を報知するための「終了」といったメッセージが表示されるとともに、その下方に偽報知として「“高確低ベース突入”」といったメッセージが表示される。なお、前述した大当り後ベースフラグは、低ベース状態に対応する値がセットされている。
図59(m)は、大当り遊技が終了した後に飾り図柄の変動表示が開始された状態を示している。図55のS226hで説明したように、遊技状態フラグから高ベース状態であることが特定されるため、大当り後ベースフラグが正しくないと判断されて、S226kで説明した処理が行なわれる。ここでは、ベース切替演出として、低ベース状態に対応するキャラクタAが、高ベース状態に対応するキャラクタBに切り替わる演出が行なわれる。図59(m)に示すように、ベース切替演出として、キャラクタCがキャラクタBを予想しているような吹き出し画像が表示されている。これにより、高ベース状態に移行されていたことを報知することができる。なお、前述した大当り後ベースフラグは、正しい高ベース状態に対応する値に更新され、表示用時短回数カウンタとして100がセットされる。以降、図59(n)に示すように、キャラクタAが高ベース状態に対応するキャラクタBに切り替えて表示されるとともに、「あと100回」といったメッセージが表示される。
図60、図61は、大当り中向上演出を示し、図62、図63は、大当り後向上演出を示す説明図である。
図60、図61は、大当り後に「高ベース」となることが決定されており、RS3の値がたとえば「3」のときに図52に示す大当り中向上内訳テーブルをルックアップして、ラウンド5で「中ベース」、ラウンド10で「高ベース」を表示することが選択決定されている場合の、変動表示装置9の変動表示状態を示している。図43、図44の第1実施の形態との相違点を説明すると、(c)に示すように「555」の表示結果により大当りが発生した場合に、低ベースを示す「たこ」のキャラクタが画面表示される。この「たこ」のキャラクタは、第1ラウンドから第5ラウンドまで表示され、第5ラウンドになった段階で、(f)、(g)に示すように、1回目の向上演出である福引の抽選表示が画面表示される。そして、(g)に示すように、「中ベース」を示す「いか」のキャラクタが描かれた玉が放出されれば、中ベースになったことを示す「いか」のキャラクタが(h)に示すように画面左下に示され、以降ラウンドごとにその「いか」のキャラクタが表示される。
次に10ラウンドに達した段階で、(j)〜(o)に示すように、2回目の向上演出を示す抽選表示が行なわれる。この抽選表示で、爆弾が爆発して(n)に示すように「高ベース」を示す「帆立貝」のキャラクタが表示されれば、高ベース状態になることが遊技者に示される。そして、大当り終了が(p)に示すように表示され、(q)で示すように、「高確率」のメッセージ表示と「高ベース」を表わす「帆立貝」のキャラクタとが表示される。
図62、図63は、大当り後遊技状態が「高ベース」でありRS3の値がたとえば「1」の場合に図53の大当り後向上内訳テーブルをルックアップして、ラウンド5で「低ベース」、ラウンド10で「中ベース」、大当り後に「高ベース」が表示されることが決定されている場合の、変動表示装置9による表示状態が示されている。図45、図46の第1実施の形態との相違点を説明すると、変動表示装置9の変動表示が停止されて「555」で確定表示された段階で、低ベース状態を示すたこのキャラクタが画面右下隅に表示される。その状態が、(c)に示されている。その後大当りが発生して大当りが進行し第5ラウンドに達した段階で、第1回目の向上演出である抽選表示が行なわれ、その抽選表示の結果ベース状態が何ら向上しないはずれとなり、依然低ベース状態を示す「たこ」のキャラクタが表示される。
次に第10ラウンドに達し、(f)、(g)に示すように、2回目の向上演出である抽選表示が行なわれ、その結果「中ベース」を示す「いか」のキャラクタが描かれた玉が放出され、(h)に示すように「いか」のキャラクタによる「中ベース」になったことが表示される。
次に、2回目の向上演出である爆弾が爆発する抽選表示が、(j)〜(m)によりなされ、その結果、(n)に示すように、「高ベース」を示す「帆立貝」のキャラクタが表示される。そして、(o)に示すように、「高確率」のメッセージ表示と「高ベース」を示すホタテ貝のキャラクタ表示とがなされる。
次に、前述した第2実施形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施の形態におけるベース状態は、図36で説明したように、大当り前の遊技状態と、第1実施の形態で説明した図16のS30における大当り判定時の決定結果とに基づき決定される。よって、遊技者に対して、大当り判定時の決定結果がどのような決定結果になるかに応じてどのベース状態になるかに対し異なる期待感を抱かせることができる。さらに、遊技者に対して、現在制御されている遊技状態がどの遊技状態であるかに応じてどのベース状態になるかに対し異なる期待感を抱かせることができる。このため、現在制御されている遊技状態による制御内容自体により遊技者にとって有利の程度に差を設けることができるだけでなく、現在制御されている遊技状態に応じて大当り遊技状態終了後にどのベース状態になるかに対し異なる期待感を抱かせることができるため、遊技状態に付加価値を付与することができるとともに、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 前述した第2実施の形態に示した遊技機は、次のような構成を有する。事前決定手段は、
前記特定表示結果を導出表示するか否かの決定として、表示結果として導出表示されることにより前記特定遊技状態として第1特定遊技状態(15R大当り遊技状態)に移行させる第1特定表示結果(15R大当り図柄の組合せ)とするか否か、および表示結果として導出表示されることにより前記第1特定遊技状態よりも遊技者にとって有利の程度が低い第2特定遊技状態(2R確変大当り遊技状態)に移行させる第2特定表示結果(2R確変大当り図柄の組合せ)とするか否かを決定し(図19のS25、S26、S27、S30)、
前記特定遊技状態終了後の前記高進入状態として前記第1高進入状態に制御すると決定する割合よりも、高い割合で前記第2特定遊技状態終了後の前記高進入状態として前記第1高進入状態に制御すると決定する(たとえば、15R確変大当り2となったときと、2R確変大当り1となったときとを比較する。まず、15R確変大当り2となったときには、1/6(約16パーセント)の割合で低ベース状態が特定され、3/6(50パーセント)の割合で中ベース状態が特定され、2/6(約33パーセント)の割合で高ベース状態が特定される。一方、2R確変大当り1となったときには、1/6(約16パーセント)の割合で低ベース状態が特定され、1/6(約16パーセント)の割合で中ベース状態が特定され、4/6(約66パーセント)の割合で高ベース状態が特定される。)、
前記結果コマンドは、前記事前決定手段による前記第2特定表示結果を導出表示するか否かの決定結果をさらに示す(結果コマンド、図10〜図12参照)。
このような構成により、2R大当り遊技状態に移行された場合であっても、15R大当り遊技状態に移行された場合と比較して、遊技者にとって有利な程度が高いベース状態に決定される割合が高いため、遊技者にとって有利な程度が低い分を補うことができる。
(3) 前述した第2実施の形態に示した遊技機は、次のような構成を有する。前記演出制御手段は、
変動表示部は、変動表示を行なって前記識別情報を導出表示する変動表示領域を複数(「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域)有し、
前記演出制御手段は、
前記複数の変動表示領域のうち少なくともいずれかの変動表示領域(中の変動表示領域)において前記識別情報が未だ導出表示されていない段階であって既に導出表示されている識別情報が前記特定表示結果の組合せとなる条件を満たしているリーチ状態であるとき(左,右の変動表示領域に同一の図柄が停止表示されている状態、図42(c)等参照)に、前記特定手段により特定された進入状態を報知するリーチ時報知手段(図56のS251a、S252a、図33、図36)をさらに含む。
このような構成により、図56のS251aにおいて真報知飾り変動が飾り変動種別として決定された場合、図59(c)で説明したように、リーチ状態となった変動表示の表示結果が大当り図柄の組合せになり高ベース状態に移行されることを、当該リーチ状態であるときに報知することができる。このため、現遊技状態に基づきベース状態が決定されるパチンコ遊技機であっても、遊技者は、制御されているベース状態を容易に認識することができる。
なお、図56のS251aにおいて偽報知飾り変動が飾り変動種別として決定され図59(i)で説明したように、偽のベース状態が報知される場合もあるため、リーチ状態時におけるベース状態を報知する報知演出パターンを豊富にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 前述した第2実施の形態に示した遊技機は、次のような構成を有する。前記演出制御手段は、
前記特定遊技状態終了後(図59(e)等参照)に、前記特定手段により特定された進入状態を報知する終了後報知手段(図58のS319〜S322、図59)をさらに含む。
このような構成により、リーチ状態時にベース状態について真報知されなかった場合であっても、図58のS320aまたはS322bにおいて真報知エンディングがセットされた場合、図59(e)で説明したように、大当り遊技状態が終了した後にベース状態を報知することができる。このため、現遊技状態に基づきベース状態が決定されるパチンコ遊技機であっても、遊技者は、制御されているベース状態を容易に認識することができる。
なお、図58のS322bにおいて偽報知エンディングがセットされ図59(k)で説明したように、偽のベース状態が報知される場合もあるため、大当り遊技状態が終了した後におけるベース状態を報知する報知演出パターンを豊富にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、偽のベース状態が報知された場合であっても、図55のS226kによりベース切替演出がセットされて、図59(n)で説明したような正確なベース状態を報知するための演出が行なわれる。たとえば、大当り遊技状態が終了したときに低ベース状態や中ベース状態が報知されたときであっても、変動表示開始時にベース切替演出が行なわれて高ベース状態に切り替えられるかもしれないといった期待感を抱かせることができる。また、大当り遊技状態が終了したときに中ベース状態や高ベース状態が報知されたときであっても、ベース切替演出が行なわれて低ベース状態に切り替えられるかもしれないといった不安感を抱かせルことができる。これにより、マンネリ化を防止でき遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 前述した第2実施の形態に示した遊技機は、次のような構成を有する。前記事前決定手段は、前記特定遊技状態終了後に前記通常状態よりも前記変動表示の表示結果が前記特定表示結果となる確率が向上した高確率状態(高確率状態、高確状態)に遊技状態を移行させるか否かをさらに決定し(図19のS30)、
前記結果コマンドは、前記事前決定手段による前記高確率状態に移行させるか否かの決定結果をさらに特定し(図8参照)、
前記事前決定手段は、前記高確率状態に移行させないと決定したときより前記高確率状態に移行させると決定したときの方が、高い割合で前記高進入状態として前記第1高進入状態に制御すると決定する(15R通常大当り2となったときには、3/6(50パーセント)の割合で低ベース状態が特定され、2/6(約33パーセント)の割合で中ベース状態が特定され、1/6(約16パーセント)の割合で高ベース状態が特定される。一方、15R確変大当り1となったときには、2/6(約33パーセント)の割合で低ベース状態が特定され、2/6(約33パーセント)の割合で中ベース状態が特定され、2/6(約33パーセント)の割合で高ベース状態が特定される)。
このような構成により、図47で説明したように、15R確変大当り図柄となる場合には、15R通常大当り図柄となる場合と比較して、高い割合で高ベース状態が特定されるため、遊技者にとって有利な程度をさらに高めることができる。
(6) 前述した実施の形態においては、ベース状態が遊技者にとってより有利なベースとなる表示演出である向上演出が変動表示装置9により表示されるために、高ベース状態に対する遊技者の期待を段階的に高めることができ、興趣を向上させることができる。特に、大当り後向上演出を表示する場合には、3段階にわたって向上演出のための抽選表示が行なわれるために、高ベース状態に対する遊技者の期待を3段階にわたって向上させることができ、高い興奮状態に導くことができる。
さらに、向上演出を実行する場合には、変動表示装置9の表示結果として導出表示される当り図柄の組合せは、低ベース時のときに表示される種類の当り図柄の組合せと同じであるために(図32参照)、その表示結果が導出表示された段階ではまた大当り終了後高ベースが発生するか否か不明である。この状態で、向上演出が行なわれることにより、向上演出実行時に初めて大当り終了後高ベースとなることがわかり、遊技者の興奮を盛り上げることができる。
(7) さらに、大当り中向上演出における2回の向上演出(抽選演出)と、大当り後向上演出における3回の向上演出(抽選演出)のうちの1回目と2回目との向上演出(抽選演出)との実行時期が、同じ5ラウンドと10ラウンドであり、同じ時期に実行されるために、2回目の向上演出(抽選演出)が行なわれた段階では、さらに3回目の向上演出(抽選演出)が行なわれるか否か遊技者にとってはわからない。故に、3回目の向上演出(抽選演出)が行なわれれば、さらに遊技者の興奮を盛り上げることができる。
以上に示した第2実施形態については、前述した第1実施形態と共通する技術思想による構成について、前述した第1実施形態の場合と同様の技術的効果を得ることができる。
次に前述した実施の形態の変形例を挙げる。
(1) 前述した実施の形態においては、図29および図55のS226において遊技状態フラグに対応して設定される演出態様表示データから特定される背景画像(演出態様)として、図27、図53等で説明したように、変動表示装置9の左下表示領域に遊技状態に対応する種類のキャラクタを表示する例について説明した。しかし、演出態様表示データから特定される演出の種類としては、図27、図53等で示した背景画像に限らず、遊技状態フラグに対応する演出態様であればどのような演出態様であってもよい。たとえば、演出態様としては、図64に示す背景画像であってもよい。
図64は、背景画像の種類の変形例を説明するための図である。図64(a)〜(c)は、背景画像として変動表示装置9の左下表示領域に遊技状態の名称を表示した場合の例である。図64(a)は、遊技状態フラグとして低ベース状態に対応する遊技状態フラグがセットされているときの背景画像であり、「低ベース」といったメッセージが表示されている。図64(b)は、遊技状態フラグとして中ベース状態に対応する遊技状態フラグがセットされているときの背景画像であり、「中ベース」といったメッセージが表示されている。図64(c)は、遊技状態フラグとして高ベース状態に対応する遊技状態フラグがセットされているときの背景画像であり、「高ベース」といったメッセージが表示されている。
図64(d)〜(f)は、遊技状態に対応する背景画像を変動表示装置9の表示領域全面に表示した場合の例である。図64(d)は、遊技状態フラグとして低ベース状態に対応する遊技状態フラグがセットされているときの背景画像であり、「山」をイメージした画像が表示されている。図64(e)は、遊技状態フラグとして中ベース状態に対応する遊技状態フラグがセットされているときの背景画像であり、「海中」をイメージした画像が表示されている。図64(f)は、遊技状態フラグとして高ベース状態に対応する遊技状態フラグがセットされているときの背景画像であり、「宇宙」をイメージした画像が表示されている。
(2) 前述した実施の形態における図46における飾り変動演出決定処理により、飾り変動種別として報知飾り変動が決定されたときには、図59で示したように飾り図柄の変動表示中にベース状態に対応するキャラクタを表示することにより報知演出を行なう例について説明した。しかし、報知演出としては、ベース状態に対応するキャラクタを表示するものに限らず、ベース状態を特定できるための情報を報知するものであればどのようなものであってもよい。たとえば、報知演出としては、図65〜図67に示すものであってもよい。
図64は、報知演出の変形例を説明するための図である。図65では、リーチ状態を構成する識別情報画像の表示態様によりベース状態を報知する例について説明する。
図65(a)および(b)は、リーチ状態を構成する識別情報画像をレベルゲージ表示することによりベース状態を報知している。具体的には、リーチ状態となっている「7」の図柄画像の表示色を空白部分と斜線部分とに2分することによりレベルゲージ表示し、レベルゲージ表示された境界ラインの高低によりベース状態を報知している。図65(a)は、低ベース状態を報知するためのレベルゲージ表示を示している。図65(b)は、高ベース状態を報知するためのレベルゲージ表示を示している。図65(b)に示した境界ラインは、(a)で示した境界ラインよりも高くなっている。なお、図示していないが、図65(a)で示した境界ラインよりも高く、図65(b)で示した境界ラインよりも低いレベルゲージ表示により中ベース状態が報知される。
図66は、リーチ状態を構成する識別情報画像をレベルゲージ表示することによりベース状態を報知する報知演出の一例を示す表示画面図である。図66(a)〜(d)では、15R確変大当りとなり中ベース状態に移行される場合について説明する。図66(a)〜(d)は、変動表示装置9において飾り図柄の変動表示が開始し、左図柄、右図柄、中図柄の順番で停止し、大当り図柄の組合せとなるまでの状態を示している。
図66(a)では、変動表示装置9において、左・中・右図柄の変動表示が一斉に開始した状態を示している。(b)では、左図柄および右図柄として、「7」が停止表示され、リーチ状態が発生した状態を示している。図66(c)では、リーチ状態が発生した後、所定のタイミングで報知演出が行なわれた状態を示している。報知演出として、中ベース状態に対応するレベルゲージ表示された「7」の図柄画像が表示されている。これにより、「7」の大当りとなることにより、中ベース状態に移行されることを示唆することができる。(d)では、中図柄が停止表示され変動表示結果として「7」の3つ揃いとなり、15R確変大当り図柄の組合せとなった状態を示している。
図66(e)〜(h)では、15R確変大当りとなり高ベース状態に移行される場合について説明する。図66(e)、(f)、(g)は、図66(a)、(b)、(d)と同様のため、説明を繰返さない。
図66(g)では、リーチ状態が発生した後、所定のタイミングで報知演出が行なわれた状態を示している。報知演出として、高ベース状態に対応するレベルゲージ表示された「7」の図柄画像が表示されている。これにより、「7」の大当りとなることにより、高ベース状態に移行されることを示唆することができる。
なお、図65および図66では、リーチ状態を構成する識別情報画像の表示態様により、ベース状態を報知する例について説明したが、これに限らず、時短回数を報知するように構成してもよい。たとえば、高ベース状態に対応するレベルゲージ表示がされたときに時短回数として「100」を、中ベース状態に対応するレベルゲージ表示がされたときに時短回数として「50」を、低ベース状態に対応するレベルゲージ表示がされたときに時短回数として「0」を報知するように、レベルゲージ表示された境界ラインの高低により時短回数を報知するようにしてもよい。
図65に戻り、図65(c)および(d)は、リーチ状態を構成する識別情報画像として、当該識別情報とベース状態に関連する情報とを表示することによりベース状態を報知している。具体的には、「7」の図柄画像と、ベース状態に関連する情報としてベース状態の名称の一文字(高ベース状態であれば「高」、中ベース状態であれば「中」、低ベース状態であれば「低」)とを、リーチ状態を構成する識別情報画像として表示することにより、ベース状態を報知している。図65(c)は、低ベース状態を報知している。図65(d)は、高ベース状態を報知している。
図67は、リーチ状態を構成する識別情報画像として、当該識別情報とベース状態に関連する情報とを表示することによりベース状態を報知する報知演出の一例を示す表示画面図である。図67(a)〜(d)では、15R確変大当りとなり中ベース状態に移行される場合について説明する。図67(a)〜(d)は、変動表示装置9において飾り図柄の変動表示が開始し、左図柄、右図柄、中図柄の順番で停止し、大当り図柄の組合せとなるまでの状態を示している。
図67(a)では、変動表示装置9において、左・中・右図柄の変動表示が一斉に開始した状態を示している。(b)では、左図柄および右図柄として、「7」が停止表示され、リーチ状態が発生した状態を示している。図47(c)では、リーチ状態が発生した後、所定のタイミングで報知演出が行なわれた状態を示している。報知演出として、「7」の画像と中ベース状態の名称の一文字である「中」とが図柄画像として表示されている。これにより、「7」の大当りとなることにより、中ベース状態に移行されることを示唆することができる。(d)では、中図柄が停止表示され変動表示結果として「7」の3つ揃いとなり、15R確変大当り図柄の組合せとなった状態を示している。
図67(e)〜(h)では、15R確変大当りとなり高ベース状態に移行される場合について説明する。図67(e)、(f)、(g)は、図67(a)、(b)、(d)と同様のため、説明を繰返さない。
図67(g)では、リーチ状態が発生した後、所定のタイミングで報知演出が行なわれた状態を示している。報知演出として、「7」の画像と高ベース状態の名称の一文字である「高」とが図柄画像として表示されている。これにより、「7」の大当りとなることにより、高ベース状態に移行されることを示唆することができる。
なお、図65および図67では、リーチ状態を構成する識別情報画像として、当該識別情報とベース状態に関連する情報とを表示することにより、ベース状態を報知する例について説明したが、これに限らず、時短回数を報知するように構成してもよい。たとえば、「7」の画像と時短回数とを図柄画像として表示することにより、時短回数を報知するようにしてもよい。
(3) 前述した第2実施形態においては、図8で示すように2R確変大当り図柄の組合せおよび小当り図柄の組合せとして「123」が予め定められており、2R確変大当りとなる場合に図54のS215aでRAM85に格納されたベース状態とは無関係にS254で2R確変大当り図柄の組合せを記憶し、小当りとなる場合にS243で小当り図柄の組合せを記憶する例について説明した。しかし、これに限らず、2R確変大当り図柄の組合せおよび小当り図柄の組合せとして複数種類定め、2R確変大当りとなる場合に図54のS215aでRAM85に格納のされたベース状態に予め対応付けられた2R確変大当り図柄の組合せをS254で決定して記憶し、小当りとなる場合にS243で小当り図柄の組合せをランダムに決定して記憶するように構成してもよい。この場合、2R確変大当り図柄の組合せおよび小当り図柄の組合せを、たとえば、15R確変大当り図柄の組合せから中図柄が2図柄ずつずれた組合せ(ここでは低ベース状態に対応付けられた717、中ベース状態に対応付けられた737、高ベース状態に対応付けられた757とする)としてもよい。これにより、「7」の図柄によりリーチ状態が発生したときに、2R確変大当り、小当り、あるいは大当りになるかもしれないといった期待感を遊技者に抱かせることができる。また、変動表示中に、中図柄として「1」が表示されるより「3」が、「3」が表示されるより「5」が、「5」が表示されるより「7」が、といったように、中図柄に応じて異なる期待感を遊技者に抱かせることができる。
(4) 前述した実施の形態における図8、図47で示した大当り後遊技状態特定用テーブルおよび大当り後ベース特定用テーブルは、大当り前の遊技状態が低確状態であるときより高確状態であるときの方が、より遊技者にとって有利となる時短回数またはベース状態が特定されるように構成され、かつ、大当り前の遊技状態が低ベース状態であるときより中ベース状態であるときあるいは中ベース状態であるときより高ベース状態であるときの方が、より遊技者にとって有利となる時短回数またはベース状態が特定されるように構成されている例について説明した。しかし、このような法則にしたがって回数またはベース状態が特定される大当り後遊技状態特定用テーブルおよび大当り後ベース特定用テーブルに限らず、所定の遊技状態であるときに所定の決定結果となったときに、前記法則からはずれて、遊技者にとって有利となる時短回数またはベース状態が特定されるように構成されているものであってもよい。所定の遊技状態としてはたとえば、遊技者にとって有利な程度が低い低確状態、低ベース状態、および低確低ベース状態等であってもよい。また、所定の決定結果としては、たとえば、高確率状態に制御されない通常大当り図柄とする決定結果等、遊技者にとって有利な程度が低い決定結果であってもよい。これにより、法則に沿って時短回数またはベース状態が決定される場合もあれば、法則からはずれて時短回数またはベース状態が決定される場合もあるといった意外性のある遊技を遊技者に提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。大当り後遊技状態特定用テーブルおよび大当り後ベース特定用テーブルは、大当り前の遊技状態と決定結果とに基づき、一の時短回数またはベース状態が特定されるように構成されたものであれば、どのようなものであってもよい。
(5) 前述した実施の形態においては、大当り前の遊技状態と決定結果とに基づき大当り遊技状態が終了した後の時短回数を決定する例と、大当り前の遊技状態と決定結果とに基づき大当り遊技状態が終了した後のベース状態を決定する例とを、各々別実施の形態として説明した。しかし、これに限らず、大当り前の遊技状態と決定結果とに基づき、大当り遊技状態が終了した後の時短回数およびベース状態を決定するように構成してもよい。たとえば、第2実施の形態において、中ベース状態または高ベース状態に制御される時短回数を一律に「100」である場合について説明したが、一律に「100」として設定される時短回数に換えて、第1実施形態で説明した処理を準用することにより決定された時短回数を採用するように構成すればよい。すなわち、事前決定手段は、さらに、現遊技状態に基づいて、高進入状態で実行可能な変動表示の上限回数と、高進入状態として遊技者にとって有利な第1高進入状態に制御するか、第1高進入状態よりも有利な程度の低い第2高進入状態に制御するかとを決定するように構成してもよい。これにより、大当り前の遊技状態と決定結果とに基づき、大当り遊技状態が終了した後の時短回数およびベース状態を決定することができる。なお、第2実施形態で説明した処理により低ベース状態に制御される場合については、時短回数を決定する処理を行なう必要はない。
(6) 前述した第1実施の形態においては、15R大当りとなると、大当りの種類に関わらず、大当り遊技状態に移行された後、高ベース状態に移行される例について説明した。また、第2実施の形態においては、15R大当りとなると、大当りの種類に関わらず、大当り遊技状態に移行された後、中ベース状態または高ベース状態に移行可能である例について説明した。すなわち、特定表示結果と特別表示結果とが同一である例について説明した。しかし、これに限らず、大当りの種類として、大当り遊技状態に移行されるがその後高ベース状態等に移行されない大当りの種類と、大当り遊技状態に移行された後、高ベース状態等に移行可能な大当りの種類とを含むように構成してもよい。
(7) 前述した実施の形態においては、低ベース状態、中ベース状態、高ベース状態の順番で遊技者にとって有利になるように、普通図柄確変制御、普通図柄時短制御、開放延長制御、および回数増加制御を行なう例について説明した。しかし、これに限らず、低ベース状態、中ベース状態、高ベース状態の順番に遊技者にとって有利になれば、どのように前述した制御をどのように組合せてもよく、たとえば、各ベース状態に応じて、普通図柄確変制御、普通図柄時短制御、開放延長制御、および回数増加制御のうちから1つの制御を行なうものであってもよく、これらの制御を選択的に組合せたもの(いずれか2つの組合せ、いずれか3つの組合せ、または、すべての組合せ)であってもよい。
また、前述した実施の形態では、高ベース状態として、特別図柄の変動時間短縮状態を伴う例を示したが、これに限らず、高ベース状態としては、特別図柄の変動時間短縮状態を伴わない高ベース状態(たとえば、普通図柄確変制御、普通図柄時短制御、開放延長制御、および回数増加制御のみを行なう状態)であってもよい。
(8) 前述した実施の形態では、変動表示部について、変動表示装置9で構成される例を説明した。しかし、これに限らず、変動表示部は、特別図柄を表示する特別図柄表示装置のみで構成されるようにしてもよい。その場合には、変動表示装置9と同様の画像が表示可能な表示装置により特別図柄表示装置を構成し、当該特別図柄表示装置で表示する特別図柄として、前述した飾り図柄と同様の図柄を表示するとともに、前述した背景画像等の飾り図柄以外の各種画像を同様に表示するように制御する。
(9) 前述した実施の形態においては、制御信号に基づいて変動表示装置9を含む演出装置の制御(遊技の演出の制御)を行なう演出制御手段として、表示制御と音制御とランプ制御とを統括的に制御可能な演出制御用マイクロコンピュータ800を設けた。しかし、これに限らず、次のような構成を採用してもよい。表示制御を行なうマイクロコンピュータと、音制御を行なうマイクロコンピュータと、ランプ制御を行なうマイクロコンピュータとを設け、遊技制御用マイクロコンピュータが、これらのマイクロコンピュータのそれぞれに、表示制御コマンド、音制御コマンド、および、ランプ制御コマンドを与え、そのコマンドに応じて各マイクロコンピュータが各制御を個別に実行するような構成を採用してもよい。
(10) 変動表示装置9を含む演出装置の制御(遊技の演出の制御)を行なう演出制御手段としては、変動表示装置9の表示制御を行なう表示制御用マイクロコンピュータ(表示制御基板に設けられる)と、たとえば音制御およびランプ制御のような表示制御以外の演出制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータ(演出制御基板に設けられる)とを設け、遊技制御用マイクロコンピュータが、演出制御用マイクロコンピュータへ表示制御、音制御、および、ランプ制御を含む演出制御用のコマンドを与え、その演出制御用のコマンドに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータから表示制御用マイクロコンピュータへ表示制御コマンドを与えるようにしてもよい。演出制御用マイクロコンピュータから表示制御用マイクロコンピュータへの表示制御コマンドの与え方としては、遊技制御用マイクロコンピュータからの演出制御コマンドにより指定(特定)された表示制御の内容に応じて表示制御用コマンドを作成して出力する(加工して出力する)ようにしてもよく、遊技制御用マイクロコンピュータからの演出制御コマンドのうち、表示制御を対象とするコマンドをそのまま表示制御用マイクロコンピュータへ出力する(加工せずに出力する)ようにしてもよい。演出制御コマンドにより指定された表示制御の内容に応じて表示制御用コマンドを作成して出力する構成を採用したときには、演出制御手段側で演出に関する制御内容を決定することができ、その決定にしたがった処理を、ランプ、音、および、表示で統一させることができる。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ側から演出制御コマンドを受ける演出制御用マイクロコンピュータで演出制御手段側での演出に関する決定を行ない、さらに、その決定結果を、遊技制御用マイクロコンピュータ側で決定されて演出制御コマンドにより示された演出に関する制御内容の決定結果に合わせて、制御内容をまとめて示す表示制御用コマンドにより表示制御用マイクロコンピュータへ出力することができるので、演出制御用マイクロコンピュータから表示制御用マイクロコンピュータへ制御内容に関する各種決定事項を出力するための処理回数を増やさずに済むようになる。
また、変動表示装置9の表示制御を行なう表示制御用マイクロコンピュータを設けた表示制御基板と、たとえば音制御およびランプ制御を行なう音・ランプ用マイクロコンピュータを設けた音・ランプ制御基板とを設け、主基板31に設けた遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを表示制御用マイクロコンピュータが受信し、その受信したコマンドに基づいて、表示制御用マイクロコンピュータが、表示制御を行なうとともに、音・ランプ制御用マイクロコンピュータに音制御およびランプ制御を指令するための音・ランプ制御コマンドを送信し、音・ランプ制御用マイクロコンピュータが、その音・ランプ制御コマンドを受信して音制御およびランプ制御を行なうようにしてもよい。なお、この場合の音・ランプ制御用マイクロコンピュータは、音制御を行なう音制御用マイクロコンピュータ(音制御基板に設ける)と、ランプ制御を行なうランプ制御用マイクロコンピュータ(ランプ制御基板に設ける)とに分けて設け、音制御用マイクロコンピュータには音制御を指令するための音制御コマンドを送信し、ランプ制御を指令するためのランプ制御コマンドを送信するようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(12) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(13) 前述した実施の形態においては、飾り図柄の変動表示を停止させるためのコマンドとして、図柄停止コマンドを用いる例を示した。しかし、これに限らず、図柄停止コマンドを用いずに、飾り図柄の変動表示を開始してからの経過時間を演出制御用マイクロコンピュータ800において監視し、変動表示を開始してから、変動パターンコマンドにより指定された変動時間が経過したときに、飾り図柄の変動表示を停止させる制御を行なうようにしてもよい。
(14) 前述した実施形態においては、特別図柄表示器8で導出表示される大当り図柄(大当り表示結果)の種類により大当りの種類を示す例を説明した。しかし、これに限らず、特別図柄表示器8で導出表示される図柄としては、大当りの種類が特定されない大当り図柄を用いるようにしてもよい。その場合には、特別図柄表示器8で変動表示される特別図柄は、大当りの種類が特定されない大当り図柄と、はずれ図柄とで構成される。また、その場合には、大当り図柄に基づいて15R大当りと2R大当りとのどちらであるかのみを区別できるように、15R大当りの大当り図柄と2R大当りの大当り図柄とが別の図柄となるようにしてもよい。
同様に、前述した実施形態においては、変動表示装置9で導出表示される飾り図柄の組合せにより大当り種類を示す例を説明した。しかし、これに限らず、変動表示装置9で導出表示される飾り図柄の組合せとしては、大当りの種類が特定されないようにしてもよい。その場合には、変動表示装置9で変動表示される飾り図柄の組合せは、大当りの種類が特定されない大当り図柄の組合せと、はずれ図柄の組合せとで構成される。また、その場合には、大当り図柄の組合せに基づいて15R大当りの組合せと2R大当りの組合せとのどちらであるかのみを区別できるように、15R大当りの大当り図柄の組合せと2R大当りの大当り図柄の組合せとが別の図柄となるようにしてもよい。
(15) 前述した実施の形態における図38および図58のS319において、リーチ発生時に真報知演出が実行されたと判別されたときに、S320において真報知エンディングがセットされ再度真報知演出が行なわれる。一方、S319においてリーチ発生時に真報知演出が実行されていないと判別されたときには、真報知、偽報知、あるいは報知なしの種別から決定されたエンディングがセットされ対応する報知演出が行なわれる例について説明した。しかし、これに限らず、図38および図58のS319において、リーチ発生時に真報知演出が実行されていないと判別されたときに、真報知エンディングが強制的にセットされて真報知演出が実行されるように構成してもよい。これにより、遊技者は、大当り遊技状態が終了して新たな変動表示が開始するまでに、正確な時短回数またはベース状態を認識することができる。
(16) 前述した第1実施の形態に示した遊技機は、次のような構成を有する。遊技領域に設けられ遊技媒体が進入したときに所定の始動条件が成立する始動領域と、当該始動条件が成立したことに基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行なって表示結果を導出表示する変動表示装置を含む演出装置とを備え、前記変動表示装置における前記識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた所定表示結果(大当り図柄の組合せ、小当り図柄の組合せ)となった後に、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り、小当り)に制御される遊技機であって、遊技の進行を制御するとともに、前記演出装置を制御するための制御信号を送信する遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、該遊技制御手段からの前記制御信号に基づいて前記演出装置の制御を行なう演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ800)とを備え、前記遊技制御手段は、前記特定遊技状態に制御するか否か(図16のS24〜S27)と、前記特定遊技状態終了後に前記特定遊技状態と異なる通常状態よりも前記変動表示の表示結果が前記所定表示結果となる確率が向上した高確率状態に制御するか否か、および、前記特定遊技状態終了後に前記通常状態よりも前記始動領域へ遊技媒体が進入しやすい高進入状態に制御するか否か(図16のS30)とを前記変動表示の表示結果を導出表示する前に決定する事前決定手段と、該事前決定手段による決定結果に基づく遊技状態に制御する遊技状態制御手段(図16のS31、図23のS173)と、前記識別情報の変動表示を開始するときに、前記制御信号として、前記遊技状態制御手段により制御されている遊技状態である現遊技状態に応じた演出態様を特定するための演出態様コマンド(変動パターンコマンドの上位バイト、図10、図11参照)を送信する演出態様コマンド送信手段(図17のS66、S68、図14のS108)と、前記識別情報の変動表示を開始するときに、前記制御信号として、前記事前決定手段による決定結果を特定するための結果コマンド(結果コマンド、図8参照)を送信する結果コマンド送信手段(図16のS32、S33)と、前記事前決定手段による決定結果に基づいて、前記高進入状態で実行可能な前記変動表示の上限回数(時短回数)を特定する上限回数特定手段(図26のS215)とを含み、前記遊技状態制御手段は、前記事前決定手段により前記高進入状態に制御すると決定されたことを条件として前記高進入状態に移行してからの前記識別情報の変動表示の回数が前記上限回数特定手段により特定された上限回数に達したら遊技状態を前記通常状態に制御し(図23のS173、図18のS152〜S155)、前記演出制御手段は、前記演出態様コマンドに応じた演出態様で、前記演出装置を制御する演出態様制御手段(図24のS221、図27のS226、図32)と、前記結果コマンドに応じた表示結果を前記変動表示装置に導出表示する結果導出表示制御手段(図24のS216、図29、図33)とを含むことを特徴とする、遊技機。
(17) 前述した第2実施の形態に示した遊技機は、次のような構成を有する。遊技領域に設けられ遊技媒体が進入したときに所定の始動条件が成立する始動領域と、当該始動条件が成立したことに基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行なって表示結果を導出表示する変動表示装置を含む演出装置とを備え、前記変動表示装置における前記識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた所定表示結果(大当り図柄の組合せ、小当り図柄の組合せ)となった後に、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り、小当り)に制御される遊技機であって、遊技の進行を制御するとともに、前記演出装置を制御するための制御信号を送信する遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、該遊技制御手段からの前記制御信号に基づいて前記演出装置の制御を行なう演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ800)とを備え、前記遊技制御手段は、前記特定遊技状態に制御するか否か(図16のS24〜S27)と、前記特定遊技状態終了後に前記特定遊技状態と異なる通常状態よりも前記変動表示の表示結果が前記所定表示結果となる確率が向上した高確率状態に制御するか否か、および、前記特定遊技状態終了後に前記通常状態よりも前記始動領域へ遊技媒体が進入しやすい高進入状態に制御するか否か(図16のS30)とを前記変動表示の表示結果を導出表示する前に決定する事前決定手段と、該事前決定手段による決定結果に基づく遊技状態に制御する遊技状態制御手段(図16のS31、図23のS173)と、前記識別情報の変動表示を開始するときに、前記制御信号として、前記遊技状態制御手段により制御されている遊技状態である現遊技状態に応じた演出態様を特定するための演出態様コマンド(変動パターンコマンドの上位バイト、図10、図11参照)を送信する演出態様コマンド送信手段(図17のS66、S68、図14のS108)と、前記識別情報の変動表示を開始するときに、前記制御信号として、前記事前決定手段による決定結果を特定するための結果コマンド(結果コマンド、図10〜図12、図49、図50参照)を送信する結果コマンド送信手段(図16のS32、S33)と、前記事前決定手段による決定結果に基づいて、前記高進入状態に制御されているときに前記遊技媒体を前記始動領域へ進入させる割合(ベース)を示す進入割合(ベース状態)を特定する進入割合特定手段(図54のS215a)とを含み、前記遊技状態制御手段は、前記事前決定手段により前記高進入状態に制御すると決定されたことを条件として、前記特定遊技状態終了後に、前記進入割合特定手段により特定された進入割合となる前記高進入状態に制御し(図23のS173)、前記演出制御手段は、前記演出態様コマンドに応じた演出態様で、前記演出装置を制御する演出態様制御手段(図24のS221、図38のS226、図32)と、前記結果コマンドに応じた表示結果を前記変動表示装置に導出表示する結果導出表示制御手段(図24のS216、図39、図41)とを含むことを特徴とする、遊技機。
(18) 前述の実施の形態では、向上演出を実行する時期が、一律に定められているものを示したが(5ラウンド、10ラウンド、大当り終了時)、この向上演出を実行する時期を、ランダムカウンタ(数値情報更新手段)の値に基づいてランダムに決定し、ランダムな時期に実行するようにしてもよい。
(19) 前述の実施の形態では、変動表示装置9の表示結果として表示される識別情報(図柄)の種類により、大当り終了後に高ベース(時短あり)になることがわかるように構成されたものを示した(図32の「000」、「444」、「333」等)。しかし、それに代えて、或る一部の表示結果(たとえば「777」)のみ、高ベース(時短あり)になり、それ以外の表示結果については、高ベース(時短あり)になるか低ベース(時短なし)になるか定まらないように構成してもよい。
また、変動表示装置9の表示結果がどのような種類の表示結果になろうとも、一切高ベース(時短あり)になるか低ベース(時短なし)になるか定まらないように構成してもよい。この場合、図32に示す2R小当りを含む全ての図柄組合せをランダムカウンタ(数値情報更新手段)の値に従ってランダムに決定するようにしてもよい。
また、2R確変大当り図柄の組合せおよび小当り図柄の組合せを、たとえば、15R確変大当り図柄の組合せから中図柄が2図柄ずつずれた組合せ(ここでは717、737、757、797とする)とし、飾り図柄の変動表示中であってリーチ状態が成立した後、「1,3,5,9」の中図柄については図65および図67で説明したように図柄と時短回数とを組合せた画像を中図柄画像として変動表示させるようにしてもよい。これにより、「7」の図柄によりリーチ状態が発生したときに、2R確変大当り、小当り、あるいは大当りになるかもしれないといった期待感を遊技者に抱かせることができる。また、変動表示中に、中図柄として「1,3,5,9」が表示される毎に、当該図柄と組合せて表示される時短回数に応じて異なる期待感を遊技者に抱かせることができる。
(20) 前述したように、事前決定手段(図19のS24〜S30、S31b等)は、高確率状態に移行させないと決定したときより高確率状態に移行させると決定したときの方が、上限回数として多い回数を高い割合(15R通常大当り2となったときよりも15R確変大当り1となったときの方が、4/4(100パーセント)の割合で多い回数が時短回数として特定されるように設定されている)で決定する(図9参照、大当り遊技状態終了後に高確率状態に制御される点において15R通常大当りよりも遊技者にとって有利な15R確変大当りの方が、より多い回数が高い割合で時短回数として特定されるように設定されている)。
このような構成によれば、高確率状態に移行された場合には、高確率状態に移行されない場合と比較して、より多い回数が上限回数として決定される割合が高いため、遊技者にとって有利な程度をさらに高めることができる。
(21) 前述した実施の形態における変動表示装置9は、演出装置に含まれる構成とし、演出制御用マイクロコンピュータ800は、変動表示装置9を制御し、飾り図柄の変動表示を行なうとともに、遊技状態フラグに基づき特定される種類の演出を行なう例について説明した。しかし、これに限らず、変動表示装置9と、演出装置とを別個に設け、演出制御用マイクロコンピュータ800は、変動表示装置9を制御し飾り図柄の変動表示を行なうとともに、変動表示装置9と別に設けられている賞球ランプ51、球切れランプ52、装飾ランプ25、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28c等の発光手段、スピーカ27等を遊技状態フラグに基づき特定される種類の演出態様で制御を行なうように構成してもよい。
(22) 前述した実施の形態においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信される変動パターンコマンドの上位バイトに基づき、図26および図54のS221で遊技状態フラグが更新され、図29または図55のS226で遊技状態フラグに対応する演出態様表示データが設定され、図27、図42、図53、図59、図64等の背景画像を表示する演出を行なうことにより、背景画像の種類から現在制御されているベース状態を容易に認識することができる例について説明した。しかし、このように背景画像の種類から現在制御されているベース状態を常に報知するものに限らず、たとえば、図26および図54のS221で更新される遊技状態フラグに関わらず、所定の種類の背景画像(たとえば、遊技状態フラグに関わらず図27(a)等)を表示する演出を行なうことにより、背景画像の種類から現在制御されているベース状態を認識できないように構成してもよい。
具体的に、演出制御用マイクロコンピュータ800は、図26および図54のS221で更新される遊技状態フラグに関わらず所定の種類の背景画像を表示する演出を行なう無報知演出モード(かもね演出モード)と、図26および図54のS221で更新される遊技状態フラグに対応した種類の背景画像を表示する演出を行なう報知演出モード(通常演出モード)とに制御可能に構成してもよい。すなわち、前記演出態様制御手段は、前記演出態様コマンドに関わらず、所定の演出態様で前記演出装置を制御可能に構成してもよい。
また、前記演出態様制御手段は、所定条件が成立しているときに、前記演出態様コマンドに関わらず、所定の演出態様で前記演出装置を制御するように構成してもよい。具体的に、演出制御用マイクロコンピュータ800は、所定条件が成立しているときに次回15R大当りとなるまでの間、無報知演出モード(かもね演出モード)に制御し、所定条件が成立していないときに次回15R大当りとなるまでの間、報知演出モード(通常演出モード)に制御するように構成してもよい。所定条件としては、たとえば、所定のランダムカウンタから読み出した値が所定値であったときに成立するものであってもよい。読み出すタイミングは、大当り遊技状態が開始するとき、大当り遊技状態が終了するとき等、どのようなタイミングであってもよい。
さらに、前記演出態様制御手段が前記所定の演出態様で前記演出装置を制御するときは、前記演出実行手段は、前記特定遊技状態終了後に前記事前決定手段が決定したに応じた演出制御を行なうように構成してもよい。この場合、前述した所定条件としては、たとえば、図38のS321または図58のS321aにおいてエンディングの種別として真報知エンディングが決定されることにより成立するものであってもよい。これにより、大当り遊技状態が終了した後、エンディングにおいて真報知演出が行なわれて、RAM85に格納された時短回数またはベース状態が報知されるため、その後、無報知演出モード(かもね演出モード)に制御された場合であっても遊技者は時短回数やベース状態を容易に認識することができる。
以上の実施の形態には以下の発明が開示されている。
(1) 遊技領域(遊技領域7)に設けられ遊技媒体(遊技球、パチンコ玉)が進入したときに所定の始動条件(S131でYES)が成立する始動領域(可変入賞球装置15)と、当該始動条件が成立したことに基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(「0」〜「9」の飾り図柄)の変動表示を行なって表示結果を導出表示する変動表示部(変動表示領域)を含む演出装置(変動表示装置9、賞球ランプ51、球切れランプ52、装飾ランプ25、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28c等の発光手段、スピーカ27)とを備え、前記変動表示部に導出表示される表示結果が予め定められた特定表示結果(15R大当り図柄の組合せ)となったときに遊技者にとって通常状態(低ベース状態)よりも有利な特定遊技状態(15R大当り遊技状態)に移行させ、前記特定表示結果のうち特別表示結果とする決定がなされたときに(図19のS31aにより高ベース(時短状態)が決定されたときに)、前記特定遊技状態に移行させた後、当該特定遊技状態終了後に前記通常状態よりも前記始動領域に遊技媒体が進入しやすい高進入状態(高ベース状態、時短状態)に移行させる遊技機(第1実施形態におけるパチンコ遊技機1)であって、
遊技の進行と遊技状態の移行とを制御するとともに、前記演出装置を制御するための制御信号(演出制御コマンド)を送信する遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、
該遊技制御手段から送信される前記制御信号に基づいて前記演出装置の制御を行なう演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ800)とを備え、
前記遊技制御手段は、
前記始動条件の成立後、前記識別情報の変動表示の表示結果を導出表示する前(たとえば、変動表示開始前)に、前記変動表示部に前記特定表示結果を導出表示するか否か(図19のS25、S26)、前記所定の移行条件を成立させるか否か(図19のS31aにより高ベース(時短状態)にするか否か)、現在の遊技状態に基づいて前記高進入状態で実行可能な前記変動表示の上限回数(図19のS30、大当り種類が決定されることにより時短回数が決定される)、および前記上限回数を報知する時期を決定する(図19のS31bにより大当り中向上演出か大当り後向上演出かを決定する)事前決定手段(図19のS24〜S30、S31b等)と、
前記高進入状態に移行してからの前記識別情報の変動表示の回数が前記上限回数に達したら遊技状態を前記通常状態(低ベース状態)に移行させる終了手段(図21のS152〜S155)と、
前記制御信号として前記現在の遊技状態を示す演出態様コマンド(変動パターンコマンドの上位バイト、図13参照)と、前記事前決定手段の決定結果を示す結果コマンド(結果コマンド、図10〜図12参照)とを送信するコマンド送信手段(図19のS32、S33、図20のS66〜S68、図17のS108)とを含み、
前記演出制御手段は、
前記演出態様コマンドに応じた演出態様(図27等参照)で、前記演出装置を制御する演出態様制御手段(図26のS221、図29のS226、図36)と、
前記結果コマンドに応じた表示結果を前記変動表示部に導出表示する結果導出表示制御手段(図26のS216、図29、図33)と、
前記結果コマンドに基づいて前記事前決定手段が決定した前記上限回数と前記上限回数を報知する時期を特定する特定手段(図26のS214、S215)と、
該特定手段が特定した前記上限回数を報知する時期に当該上限回数を報知する演出を実行する第1演出実行手段(図39のS354、図41のS373)と、
前記上限回数の報知を実行する前に当該上限回数よりも少ない回数を示す演出を実行する第2演出実行手段(図39のS353、S357、S358)とを含む。
このような構成によれば、事前決定手段により現在の遊技状態に基づいて上限回数が決定される。このため、現在の遊技状態がどの遊技状態であるかに応じて上限回数に対し異なる期待感を遊技者に抱かせることができ、現在の遊技状態に付加価値を付与することができる。
また、遊技制御手段側で決定された上限回数を報知する時期に当該上限回数を演出装置に報知させる演出が第1演出実行手段により行なわれるのであるが、その上限回数の報知を実行する前に当該上限回数よりも少ない回数を示す演出を実行する第2演出実行手段が設けられているために、遊技者の上限回数に対する期待感を段階的に高めて興趣を向上させることができる。
(2) 前記事前決定手段は、
前記特定表示結果を導出表示するか否かの決定として、表示結果として導出表示されることにより前記特定遊技状態として第1特定遊技状態(15R通常大当り、15R確変大当り)に移行させる第1特定表示結果(15R通常大当り図柄の組合せ、15R確変大当り図柄の組合せ)とするか否か、および表示結果として導出表示されることにより前記第1特定遊技状態よりも遊技者にとって有利の程度が低い第2特定遊技状態(2R確変大当り図柄の組合せ、小当り図柄の組合せ)に移行させる第2特定表示結果(2R確変大当り図柄の組合せ、小当り図柄の組合せ)とするか否かを決定し(図19のS27、S31)、
前記第1特定表示結果を導出表示すると決定したときより前記第2特定表示結果を導出表示すると決定したときの方が、前記上限回数として多い回数を高い割合で決定し(たとえば、図8参照、15R確変大当り2となったときよりも2R確変大当り1となったときの方が、3/4(75パーセント)の割合で多い回数が時短回数として特定されるように設定されている)、
前記結果コマンドは、前記第1特定表示結果を導出表示するか否かおよび前記第2特定表示結果を導出表示するか否かの決定結果をさらに示す(図10〜図12の結果コマンド)ことを特徴とする。
このような構成によれば、第2特定遊技状態に移行された場合であっても、第1特定遊技状態に移行された場合と比較して、より多い回数が上限回数として決定される割合が高いため、遊技者にとって有利な程度が低い分を補うことができる。
(3) 前記変動表示部は、変動表示を行なって前記識別情報を導出表示する変動領域を複数有し(左・中・右図柄表示部を有し)、
前記演出制御手段は、
前記複数の変動領域のうち少なくともいずれかの変動領域において前記識別情報が未だ導出表示されていない段階であって既に導出表示されている識別情報が前記特定表示結果の組合せとなる条件を満たしているリーチ状態であるとき(図42(c)等参照)に、前記特定手段により特定された前記上限回数を報知するリーチ時報知手段(図31のS251、S252、図33、図36)をさらに含む。
このような構成によれば、リーチ状態となった変動表示の表示結果が特定表示結果になり高進入状態に移行されたときの上限回数を、当該リーチ状態であるときに報知することができる。このため、現在の遊技状態に基づき上限回数が決定される遊技機であっても、遊技者は、上限回数を容易に認識することができる。
(4) 前記演出態様制御手段は、前記結果コマンドに関わらず、所定の演出態様で前記演出装置を制御可能であり(図42(c)等参照)、
前記演出実行手段は、
前記演出態様制御手段が前記所定の演出態様で前記演出装置を制御するときは、前記特定遊技状態終了後に前記上限回数に応じた演出制御を行なう(図42(e)等参照)ことを特徴とする。
このような構成によれば、上限回数を特定遊技状態終了後に報知することができる。このため、現在の遊技状態に基づき上限回数が決定される遊技機であっても、遊技者は、上限回数を容易に認識することができる。
(5) 前記事前決定手段は、前記特定遊技状態終了後に前記通常状態(低確状態)よりも前記変動表示の表示結果が前記特定表示結果となる確率が向上した高確率状態(高確率状態、高確状態)に遊技状態を移行させるか否かをさらに決定し(図19のS30)、
前記結果コマンドは、前記事前決定手段による前記高確率状態に移行させるか否かの決定結果をさらに示すことを特徴とする(図10〜図12参照)。
このような構成によれば、演出制御手段は、結果コマンドを受信することにより高確率状態に移行させるか否かの決定結果も把握することができる。
(6) 前記結果導出表示制御手段は、前記事前決定手段が決定した前記上限回数を報知する時期が前記特定遊技状態中または前記特定遊技状態後であるとき(例えば、図31のS254またはS255が実行されるとき)、前記変動表示部に表示する識別情報の表示結果を前記特別表示結果以外の特定表示結果とする(図32をルックアップしてS242により、低ベース時(大当り終了高進入状態に突入しない場合)と同じ飾り図柄組合せが選択決定される)。
このような構成によれば、上限回数を報知する時期が前記特定遊技状態中または前記特定遊技状態後であるときには、変動表示部に表示される識別情報の表示結果が特別表示結果以外の特定表示結果となるために、変動表示部に表示結果が導出表示された段階では高進入状態になることを遊技者が認識しておらず、第1演出実行手段および第2演出実行手段による演出の段階で遊技者の第1高進入状態に対する期待感を向上させることができる。
(7) 前記演出制御手段は、前記第2演出実行手段が演出を実行する時期よりも前に当該第2演出実行手段による演出により示される回数よりも少ない回数を示す演出を実行する第3演出実行手段をさらに含むことを特徴とする(図39のS357)。
このような構成によれば、第1、第2、第3演出実行手段によりされに多くの段階を経てだんだんと多い上限回数を示す演出が行なわれ、より一層遊技者の上限回数に対する期待感を向上させることができる。
(8) 遊技者にとって有利な第1の状態と遊技者にとって不利な第2の状態とに変化可能な可変入賞球装置(特別可変入賞球装置20)をさらに備え、
前記遊技状態制御手段は、前記特定遊技状態として、前記可変入賞球装置を第1の状態にした後第2の状態にするラウンド制御を進行させ、最終ラウンドの制御が終了したときに前記特定遊技状態を終了させ(図18のS145、S146)、
前記演出制御手段は、前記特定手段により特定された前記上限回数を報知する時期が特定されているときに、前記第3演出実行手段により演出を実行させるか否かを判定する判定手段(図39のS350)を含み、
前記第1演出実行手段は、前記判定手段が前記第3演出実行手段による演出を実行しないと判定したときには(図39のS350でYESと判定したときには)前記ラウンド制御の第1の進行時点(第10ラウンド)で演出を実行し、前記判定手段が前記第3演出実行手段による演出を実行すると判定したときには(図39のS350でNOと判定したときには)前記第1の進行時点以降(大当り終了時)に演出を実行し、
前記第2演出実行手段は、前記判定手段が前記第3演出実行手段による演出を実行しないと判定したときには(図39のS350でYESと判定したときには)前記第1の進行時点よりも前の第2の進行時点(第5ラウンド)で演出を実行し、前記判定手段が前記第3演出実行手段による演出を実行すると判定したときには前記第1の進行時点(第10ラウンド)で演出を実行し、
前記第3演出実行手段は、前記判定手段が前記第3演出実行手段による演出を実行すると判定したときには、前記第2の進行時点(第5ラウンド)で演出を実行することを特徴とする。
このような構成によれば、第3演出実行手段による演出が行なわれない場合における第1演出実行手段と第2演出実行手段とによる演出実行時期と、第3演出実行手段による演出が行なわれる場合における第2演出実行手段と第3演出実行手段とによる演出実行時期とが一致するために、遊技者にしてみれば、最初の演出と2回目の演出とが実行された段階では、3回目の演出が実行されるか否か区別がつかず、3回目の演出に対する期待感を維持することができる。
(9) 遊技領域(遊技領域7)に設けられ遊技媒体(遊技球、パチンコ玉)が進入したときに所定の始動条件(S131でYES)が成立する始動領域(可変入賞球装置15)と、当該始動条件が成立したことに基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(「0」〜「9」の飾り図柄)の変動表示を行なって表示結果を導出表示する変動表示部(変動表示領域)を含む演出装置(変動表示装置9、賞球ランプ51、球切れランプ52、装飾ランプ25、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28c等の発光手段、スピーカ27)とを備え、前記変動表示部に導出表示される表示結果が予め定められた特定表示結果(15R大当り図柄の組合せ)となったときに遊技者にとって通常状態(低ベース状態)よりも有利な特定遊技状態(15R大当り遊技状態)に移行させ、前記特定表示結果のうち特別表示結果とする決定がなされたときに(図19のS31aにより高ベース(時短状態)が決定されたときに)、前記特定遊技状態に移行させた後、当該特定遊技状態終了後に前記通常状態よりも前記始動領域に遊技媒体が進入しやすい高進入状態(高ベース状態、時短状態)に移行させる遊技機(第1実施形態におけるパチンコ遊技機1)であって、
遊技の進行と遊技状態の移行とを制御するとともに、前記演出装置を制御するための制御信号(演出制御コマンド)を送信する遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、
該遊技制御手段から送信される前記制御信号に基づいて前記演出装置の制御を行なう演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ800)とを備え、
前記遊技制御手段は、
前記始動条件の成立後、前記識別情報の変動表示の表示結果を導出表示する前(たとえば、変動表示開始前)に、前記変動表示部に前記特定表示結果を導出表示するか否か(図19のS25、S26)、前記所定の移行条件を成立させるか否か(図19のS30)、現在の遊技状態に基づいて前記高進入状態として遊技者にとって有利な第1高進入状態(高ベース状態)に制御するか、該第1高進入状態よりも有利な程度の低い第2高進入状態(中ベース状態、低ベース状態)に制御するか、および当該第1高進入状態に制御することを報知する時期を決定する(図19のS31bにより大当り中向上演出か大当り後向上演出かを決定する)事前決定手段(図19のS24〜S30、S31b等)と、
前記変動表示を開始するときに、前記制御信号として前記現在の遊技状態を示す演出態様コマンド(変動パターンコマンドの上位バイト、図13参照)と、前記事前決定手段の決定結果を示す結果コマンド(結果コマンド、図49、図50参照)とを送信するコマンド送信手段(図19のS32、S33、図20のS66〜S68、図17のS108)とを含み、
前記演出制御手段は、
前記演出態様コマンドに応じた演出態様(図38等参照)で前記演出装置を制御する演出態様制御手段(図26のS221、図55のS226、図36)と、
前記結果コマンドに応じた表示結果を前記変動表示部に導出表示する結果導出表示制御手段(図26のS216、図56、図57)と、
前記結果コマンドとに基づいて前記第1高進入状態に制御するかと前記第1高進入状態に制御することを報知する時期とを特定する特定手段(図26のS214、S215)と、
該特定手段が特定した前記第1高進入状態に制御することを報知する時期に、前記第1高進入状態に制御することを報知する演出を実行する第1演出実行手段(図39のS354、図41のS373)と、
前記第1高進入状態に制御することの報知を実行する前に前記第1高進入状態よりも有利な度合いの低い前記第2高進入状態または通常状態に制御することを報知する演出を実行する第2演出実行手段(図39のS353、S357、S358)とを含むことを特徴とする。
このような構成によれば、事前決定手段により現在の遊技状態に基づいて第1高進入状態に制御するか第2高進入状態に制御するかが決定される。このため、現在の遊技状態がどの遊技状態であるかに応じてどの高進入状態になるのかに対し異なる期待感を遊技者に抱かせることができ、現在の遊技状態に付加価値を付与することができる。
また、遊技制御手段側で決定された第1高進入状態に制御することを報知する時期に当該第1高進入状態を演出装置に報知させる演出が第1演出実行手段により行なわれるのであるが、その第1高進入状態の報知を実行する前に当該第1高進入状態よりも有利な程度の低い第2高進入状態または通常状態に制御することを報知する演出を実行する第2演出実行手段が設けられているために、遊技者の高進入状態に対する期待感を段階的に高めて興趣を向上させることができる。
(10) 前記演出態様制御手段は、前記特定手段により特定された進入状態に応じた演出態様(図42(f)等参照)で、前記演出装置を制御する。
このような構成によれば、演出態様から進入状態を認識することができるため、遊技者は有利な状態であるか不利な状態であるかを容易に認識することができる。
(11) 前記結果導出表示制御手段は、前記事前決定手段が決定した高進入状態の内容を報知する時期が前記特定遊技状態中または前記特定遊技状態後であるとき(例えば、図56のS254またはS255が実行されるとき)、前記変動表示部に表示する識別情報の表示結果を前記特別表示結果以外の特定表示結果とする(図32をルックアップしてS242により、低ベース時(大当り終了高進入状態に突入しない場合)と同じ飾り図柄組合せが選択決定される)。
このような構成によれば、高進入状態の内容を報知する時期が前記特定遊技状態中または前記特定遊技状態後であるときは、変動表示部に表示される識別情報の表示結果が特別表示結果以外の特定表示結果となるために、変動表示部に表示結果が導出表示された段階では高進入状態になることを遊技者が認識しておらず、第1演出実行手段および第2演出実行手段による演出の段階で遊技者の高進入状態に対する期待感を向上させることができる。
(12) 前記事前決定手段は、前記第2高進入状態(中べース状態)よりも有利な程度の低い第3高進入状態(通常状態)に制御するか否かも決定し(図47の大当り後遊技状態特定用テーブルをルックアップして高ベース、中べース、低ベースのいずれかを決定する図19のS31a)、
前記特定手段は、前記演出態様コマンドと前記結果コマンドとに基づいて前記高進入状態として前記第1高進入状態に制御するか前記第2高進入状態に制御するか前記第3高進入状態に制御するかを特定し(図54のS215a)、
遊技機は、前記第2演出実行手段が演出を実行する時期よりも前に前記第3高進入状態に制御する(図39のS358が実行される時期よりも前にS357が実行される)ことを報知する演出を実行する第3演出実行手段をさらに含むことを特徴とする。
このような構成によれば、第1、第2、第3演出実行手段によりされに多くの段階を経てだんだんと有利な程度の低い高進入状態を示す演出が行なわれ、より一層遊技者の高進入状態に対する期待感を向上させることができる。
(13) 遊技者にとって有利な第1の状態と遊技者にとって不利な第2の状態とに変化可能な可変入賞球装置(特別可変入賞球装置20)をさらに備え、
前記遊技状態制御手段は、前記特定遊技状態として、前記可変入賞球装置を第1の状態にした後第2の状態にするラウンド制御を進行させ、最終ラウンドの制御が終了したときに前記特定遊技状態を終了させ(図18のS145、S146)、
前記事前決定手段は、現在の遊技状態に基づいて、前記第2高進入状態よりも有利な程度の低い第3高進入状態に制御するか否かも決定し(図47の大当り後遊技状態特定用テーブルをルックアップして「低ベース」を決定する場合もある)、
前記演出制御手段は、前記特定手段により前記第1高進入状態に制御することを報知する時期が特定されているときに、前記第3演出実行手段により演出を実行させるか否かを決定する決定手段(図39のS350)を含み、
前記第1演出実行手段は、前記決定手段が前記第3演出実行手段による演出を実行しないと決定したときには(図39のS350でYESと判定したときには)前記ラウンド制御の第1の進行時点(第10ラウンド)で演出を実行し、前記決定手段が前記第3演出実行手段による演出を実行すると決定したときには(図39のS350でNOと判定したときには)前記第1の進行時点以降(大当り終了時)に演出を実行し、
前記第2演出実行手段は、前記決定手段が前記第3演出実行手段による演出を実行しないと決定したときには(図39のS350でYESと判定したときには)前記第1の進行時点よりも前の第2の進行時点(第5ラウンド)で演出を実行し、前記決定手段が前記第3演出実行手段による演出を実行すると決定したときには前記第1の進行時(第10ラウンド)で演出を実行し、
前記第3演出実行手段は、前記決定手段が前記第3演出実行手段による演出を実行すると決定したときには前記第2の進行時点(第5ラウンド)で実行することを特徴とする。
このような構成によれば、第3演出実行手段による演出が行なわれない場合における第1演出実行手段と第2演出実行手段とによる演出実行時期と、第3演出実行手段による演出が行なわれる場合における第2演出実行手段と第3演出実行手段とによる演出実行時期とが一致するために、遊技者にしてみれば、最初の演出と2回目の演出とが実行された段階では、3回目の演出が実行されるか否か区別がつかず、3回目の演出に対する期待感を維持することができる。
(14) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。