このような構成によれば、演出制御手段が、コマンド送信手段から送信されたコマンドを受信し、受信したコマンドに応じて、音出力手段と発光手段との少なくとも一方を制御する第1演出制御手段と、第1演出制御手段に受信されたコマンドに応じて第1演出制御手段から出力される情報に基づいて変動表示装置を制御する手段であって、第1演出制御手段に受信された変動パターンコマンド、表示結果コマンド、および、確定コマンドが示す情報に基づいて、識別情報の変動表示を開始した後、識別情報の変動表示の表示結果を導出表示する制御を行なう第2演出制御手段とを含む構成において、演出制御手段で、変動パターンコマンドが受信されずに表示結果コマンドが受信され、かつ、表示結果コマンドにより識別情報の変動表示の表示結果を特定表示結果としないことが示されているときにおいては、変動表示時間が特定できないが、表示結果コマンドを受信したときに、判定された遊技状態に応じて定められた時間だけ、複数種類の変動パターンで共通して行なわれる演出で識別情報を変動表示させる一般変動演出が実行された後、特殊変動演出が実行され、確定コマンドを受信したことに基づいて、当該特殊変動演出が実行されている状態から特定表示結果とならない識別情報の変動表示の表示結果が導出表示させられる。このように、一般変動演出が実行された後に特殊変動演出が実行されるので、変動パターンコマンドが受信されなかったときに、確定コマンドの受信に基づいて特定表示結果とならない識別情報の変動表示の表示結果を導出表示するときの演出の違和感を軽減することができる。
また、表示結果コマンドが受信されずに変動パターンコマンドが受信されたときに行なわれる識別情報の変動表示において、受信された変動パターンコマンドが特定の変動パターンコマンドであるときには、識別情報の変動表示の表示結果が特別表示結果以外の特定表示結果に決定される。このように、表示結果コマンドが受信されずに変動パターンコマンドが受信されたときでも識別情報の変動表示を行なうことが可能であり、変動パターンコマンドに基づいて、識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果となるか否かが示されるので、識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果となるか否を遊技者に認識させることができる。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ側で、表示結果コマンドが受信されていなくても変動パターンコマンドが受信されたときには識別情報の変動表示の表示結果を導出表示することができるので、遊技制御用マイクロコンピュータ側から繰返し何回も同じコマンドを送らなくても済むため、遊技制御用マイクロコンピュータの制御負担を軽減することができる。
さらに、特定の変動パターンコマンドを受信したことに基づいて特別表示結果以外の特定表示結果が識別情報の変動表示の表示結果として決定され、決定された特定表示結果が導出表示された後において、高確率状態となることを示す高確率状態指定コマンドが受信されたことに基づいて、高確率状態となることを報知する高確率報知演出が行なわれるので、高確率状態となるか否かについて、実際に遊技機の内部で制御される状態と、遊技者が外部から認識できる状態とを整合させることができる。
このような構成によれば、遊技状態を変動時間短縮状態とするときに予め定められたフラグ情報が設定され、そのフラグ情報が設定されているときに、変動時間短縮状態であると判定される。そして、変動パターンコマンドが受信されずに表示結果コマンドが受信され、かつ、表示結果コマンドにより識別情報の変動表示の表示結果を特定表示結果としないことが示されているときにおいて、フラグ情報により変動時間短縮状態であると判定されたときは、変動時間短縮状態に応じて定められた時間だけ、一般変動演出が実行される。これにより、変動時間短縮状態であるときには、変動時間短縮状態に応じて定められた時間だけ一般変動演出が実行された後に特殊変動演出が実行されるので、変動時間短縮状態において変動パターンコマンドが受信されなかったときに、確定コマンドの受信に基づいて特定表示結果とならない識別情報の変動表示の表示結果を導出表示するときの演出の違和感を軽減することができる。
このような構成によれば、未実行条件の記憶数が所定数以上となっているときに、遊技状態が変動時間短縮状態とされる。そして、変動パターンコマンドが受信されずに表示結果コマンドが受信され、かつ、表示結果コマンドにより識別情報の変動表示の表示結果を特定表示結果としないことが示されているときにおいて、未実行条件記憶手段の未実行条件の記憶数が所定数以上となっていることにより変動時間短縮状態であると判定されたときは、変動時間短縮状態に応じて定められた時間だけ、一般変動演出が実行される。これにより、変動時間短縮状態であるときには、変動時間短縮状態に応じて定められた時間だけ一般変動演出が実行された後に特殊変動演出が実行されるので、変動時間短縮状態において変動パターンコマンドが受信されなかったときに、確定コマンドの受信に基づいて特定表示結果とならない識別情報の変動表示の表示結果を導出表示するときの演出の違和感を軽減することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、あるいは、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行なって表示結果を導出表示する変動表示装置を備え、前記変動表示装置における前記識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御される遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図、図2は遊技盤の前面を示す正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には遊技媒体としての遊技球(打球)を貯留する打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄を変動表示する複数の変動表示領域を含む変動表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられている。また、変動表示装置9の上部には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。変動表示装置9には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア)がある。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄であって、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての飾り図柄の変動表示を行なう。変動表示装置9は、後述する演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ800(図4参照)によって制御される。特別図柄表示器8は表示部が小型であるので、変動表示の態様および変動表示の表示結果が変動表示装置9と比べて見づらいため、遊技者は主として変動表示装置9の方に注目する。
特別図柄表示器8は、たとえば0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8は、遊技者に当りの種類を把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を変動表示するように構成されていてもよい。また、変動表示装置9は、液晶表示装置よりなる画像表示装置で実現されている。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、飾り図柄の変動表示を行なう。
なお、本実施の形態においては、変動表示装置9は、液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、変動表示装置9は、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス、7セグメントLED等のLED(Light Emitting Diode)、エレクトロルミネッセンス、蛍光表示管等のその他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。また、変動表示装置9は、回転ドラム式表示装置等の機械式の表示装置であってもよい。
変動表示装置9の下部には、始動入賞口14に入った有効入賞球の記憶数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう)数を表示する4つの特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、始動入賞口14に始動入賞があるごとに、保留記憶の記憶データが1増えて、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、保留記憶の記憶データが1減って、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。なお、この例では、始動入賞口14への入賞による保留記憶数に上限数(4個まで)が設けられている。しかし、これに限らず、保留記憶数の上限数は、4個以上の値にしてもよく、4個よりも少ない値にしてもよい。
変動表示装置9の下方には、始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15には、開閉動作をすることが可能な態様で左右一対の可動片が設けられている。可変入賞球装置15の可動片は、後述する開放条件が成立したときに、ソレノイド16によって駆動されて所定期間開状態とされる。可変入賞球装置15の可動片が開状態となることにより、遊技球が始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1の状態)となる。一方、可変入賞球装置15の可動片が閉状態となることにより、遊技球が始動入賞口14に入賞しにくくなり(始動入賞しにくくなり)、遊技者にとって不利な状態(第2の状態)となる。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。
可変入賞球装置15の下部には、ソレノイド21によって開閉される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板によって開閉される大入賞口が設けられており、大当り遊技状態において開閉板が遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)に制御され、大当り遊技状態以外の状態において開閉板が遊技者にとって不利な閉状態(第2の状態)に制御される。このように、特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態となるときに開放条件が成立する。特別可変入賞球装置20に入賞し遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出された後カウントスイッチ23で検出され、他方の領域に入った遊技球は、そのままカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切換えるためのソレノイド21Aも設けられている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10における変動表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15の開放条件が成立し、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した有効通過球の記憶数、すなわち、始動通過記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過があるごとに、始動通過記憶の記憶データが1増えて、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10における変動表示が開始されるごとに、始動通過記憶の記憶データが1減って、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられる。遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。賞球ランプ51、球切れランプ52、装飾ランプ25、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28c等の各種発光手段は、後述するランプドライバ基板35によって点灯制御(ランプ制御)される。また、スピーカ27からの音発生制御(音制御)は、後述する音声出力基板70によって行なわれる。
カードユニット50には、たとえば、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口、および、カード挿入口の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放するためのカードユニット錠が設けられている。
遊技者の操作により打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の変動表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が変動表示を始める。図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示は、変動表示が行なわれるごとに設定された変動表示時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が特定表示結果としての大当り図柄(大当り表示結果ともいう)であると、大当りとなり、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。そして、特別可変入賞球装置20の開放中に遊技球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、たとえば15ラウンドのような所定回数を上限値として許容される。このような制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態がラウンドと呼ばれる。なお、V入賞領域を設けずに、各ラウンドにおいて無条件で継続権が発生するように制御してもよい。
停止時の特別図柄表示器8における特別図柄が大当り図柄のうちの予め定められた特別な大当り図柄(確変大当り図柄)である場合には、大当り遊技状態後に大当りとすると判定される確率(大当り確率)が、大当り遊技状態と異なる通常状態である通常遊技状態よりも高くなる確率変動状態(以下、確変状態と呼ぶ)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。以下、確変状態は、高確率状態(高確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。また、非確変状態は、低確率状態(低確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。
大当り遊技状態の終了後の所定期間に亘る時短状態は、次の大当り遊技状態が発生するか、または、特別図柄および飾り図柄の変動表示が所定回数(100回)行なわれるまでの、いずれか早い方の条件が成立するまで継続される。
また、特別図柄表示器8での変動表示の停止時における特別図柄の表示結果が、確変大当り図柄である場合には、大当り遊技状態後に変動時間短縮状態である時短状態に所定期間に亘り制御される。時短状態とは、通常遊技状態に比べて、特別図柄表示器8、変動表示装置9、および、普通図柄表示器10のそれぞれの変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御状態をいう。さらに、時短状態中には、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くされ、開放回数が増加させられる。時短状態中では、図柄の変動表示時間が短縮されるので、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(たとえば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に大当り表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。このように、確変大当りの場合は、大当り遊技状態の終了後の所定期間において、高確率状態かつ時短状態に制御されることとなる。
また、入賞に応じた遊技球の払出しの面から考えると、時短状態は、非時短状態と比べて、普通図柄の変動表示時間が短縮され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における可変入賞球装置15の開放時間が長くされ、当り時における可変入賞球装置15の1度の開放回数が多くされることに基づいて、通常遊技状態と比べて可変入賞球装置15が開放状態となりやすい。したがって、時短状態では、始動入賞口14への入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだ遊技球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出される遊技球数(払出球数)の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。一般的に、発射球数に対する入賞による払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。たとえば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。この実施の形態の場合では、たとえば通常遊技状態のような非時短状態よりもベースが高い時短状態を高ベース状態と呼び、逆に、そのような高ベース状態と比べてベースが低い通常遊技状態のような非時短状態を低ベース状態と呼ぶ。
確変状態(高確率状態)と非確変状態(低確率状態)とのどちらの状態であるかは、確変状態においてセットされるフラグである確変フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。また、時短状態(高ベース状態)と非時短状態(低ベース状態)とのどちらの状態であるかは、時短状態においてセットされるフラグである時短フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。
また、前述の時短状態に制御されていない状態においては、特別図柄の保留記憶数が所定個数以上となるごとに、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間を短縮する記憶変動短縮状態に制御する記憶変動短縮制御が行なわれる。記憶変動短縮制御は、特別図柄の保留記憶数が所定個数未満となった段階で終了する。したがって、時短状態に制御されていない状態においても、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間が短縮される場合がある。
変動表示装置9において変動表示される飾り図柄は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために、特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄である。このような図柄についての所定の関係には、たとえば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始する関係、および、特別図柄の変動表示の終了時に特別図柄の表示結果が導出表示されるときに飾り図柄の表示結果が導出表示されて飾り図柄の変動表示が終了する関係等が含まれる。特別図柄表示器8により予め定められた大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、変動表示装置9により、左,中,右図柄がゾロ目となる大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。このような特別図柄による大当り図柄の表示結果および飾り図柄による大当り図柄の組合せの表示結果は、大当り表示結果という。
特別図柄表示器8と変動表示装置9とは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて変動表示部と呼ぶ場合がある。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および、すべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
たとえば、変動表示装置9において、図柄が停止することで大当りとなる有効ライン(本実施の形態の場合は横1本の有効ライン)が予め定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(たとえば、変動表示装置9における左,中,右の変動表示領域のうち左,右の表示領域に同一の図柄が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および、有効ライン上の表示領域のすべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(たとえば、変動表示装置9における左,中,右の表示領域のすべてに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、変動表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、変動表示装置9については、大当りを発生させる契機となる変動表示において、大当りとなることを報知する予告演出である大当り予告が行なわれる場合がある。
この実施の形態の場合は、大当りとして、通常大当りおよび確変大当りというような複数種類の大当りが設けられている。以下の説明においては、大当りの種類を特定せずに単に「大当り」と示すときは、これら複数種類の大当りを代表して示す場合である。
通常大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態にならず、かつ、時短状態にならないことにより、低確率状態、かつ、低ベース状態となる大当り(非確変大当り)である。このような、低確率状態かつ低ベース状態となった状態は、低確低ベース状態と呼ばれる。確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態になり、かつ、所定期間に亘り時短状態になる高確率状態、かつ、高ベース状態となる大当りである。このような、高確率状態かつ高ベース状態となった状態は、高確高ベース状態と呼ばれる。確変大当りとなった後においては、所定期間が経過すると時短状態が終了し、高確率状態、かつ、低ベース状態になる。このような、高確率状態かつ低ベース状態となった状態は、高確低ベース状態と呼ばれる。
また、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、大当り遊技状態となっているときにおいて、変動表示装置9で再抽選表示が行なわれるときがある。再抽選表示とは、たとえば、飾り図柄が、所定の遊技状態(たとえば、高確率状態、高ベース状態のような遊技状態)とならない表示結果(たとえば、通常大当り表示結果)が停止表示された後の大当り遊技状態が開始された後、大当り遊技状態が終了するまでに、所定の遊技状態となるか否かが再度抽選されることを示すような画像を表示することをいう。このような再抽選表示においては、変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときに、確変状態(時短状態も含む)となるか否かという楽しみを遊技者に与えることができる。再抽選表示は、変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときに、行なわれるときと、行なわれないときとがある。この実施の形態の場合、再抽選表示は、所定のラウンド中等の大当り遊技状態中と、エンディング表示時等の大当り遊技状態の終了時とに行なわれる。大当り遊技状態中に行なわれる再抽選表示は大当り中再抽選表示と呼ばれ、大当り遊技状態の終了時に行なわれる再抽選表示は大当り終了時再抽選表示と呼ばれる。
また、変動表示装置9については、大当りを発生させる契機となる変動表示において、大当りとなることを報知する予告演出である大当り予告が行なわれる場合がある。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図3を参照して説明する。図3は、パチンコ遊技機1を裏面から見た背面図である。
図3に示すように、パチンコ遊技機1裏面側では、変動表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、ランプドライバ基板(図示省略)、および、球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。
さらに、パチンコ遊技機1裏面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板910やタッチセンサ基板91Aが設けられている。電源基板910は、大部分が主基板31と重なっているが、主基板31に重なることなく外部から視認可能に露出した露出部分がある。この露出部分には、パチンコ遊技機1における主基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチが設けられている。さらに、露出部分における電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、電気部品制御基板には、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段が搭載されている。電気部品制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)にしたがってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、変動表示装置9、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を電気部品制御基板に含めて説明を行なうことがある。その場合には、電気部品制御基板に搭載される電気部品制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号にしたがってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。
パチンコ遊技機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、少なくとも、球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子および球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えた情報端子基板(情報出力基板)36が設置されている。
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レール(図示せず)を通り、カーブ樋を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置に至る。球払出装置の上部には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レールにおける上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞に基づく景品としての遊技球や球貸し要求に基づく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示せず)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示せず)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
図4は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、パチンコ遊技機1に搭載されている払出制御基板37、ランプドライバ基板35、音声出力基板70、インタフェース基板66、中継基板77、および、演出制御基板80も示されている。主基板(遊技制御基板)31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)となる遊技制御用マイクロコンピュータ560と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、および、全入賞計数スイッチ34からの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および、大入賞口内の経路を切換えるためのソレノイド21Aを遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59と、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって各種の情報信号をホールコンピュータ等のパチンコ遊技機1の外部に設けられた装置に出力する情報出力回路53とが搭載されている。
なお、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、全入賞計数スイッチ34等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行なう始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの各スイッチは、入賞領域への遊技球の入賞を検出する入賞検出手段でもある。
なお、ゲート32のような通過ゲートであっても、賞球の払出しが行なわれるものであれば、通過ゲートへ遊技球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(たとえばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。また、V入賞領域に入賞した遊技球が、V入賞スイッチ22で検出されるとともにカウントスイッチ23でも検出される。よって、大入賞口に入賞した遊技球数は、カウントスイッチ23による検出数に相当する。また、V入賞領域に入賞した遊技球はV入賞スイッチ22のみで検出されるようにし、大入賞口に入賞した遊技球数は、V入賞スイッチ22による検出数とカウントスイッチ23による検出数との和になるようにしてもよい。また、V入賞領域を設けず、最終ラウンド以外のラウンドでは、常に継続権が発生するようにしてもよい。また、V入賞領域を設け、1ラウンド目は無条件(V入賞領域への入賞によらず)継続権が発生し、2ラウンド目以降においてV入賞領域への入賞により継続権が発生するようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56、および、I/Oポート506を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、CPU56の他に少なくともRAM55が内蔵されていればよい。また、ROM54およびI/Oポート506は、外付けであっても内蔵されていてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、CPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行する。したがって、以下に説明するような遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的にはCPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、CPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ560で実現されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電源電力の供給が停止したときである電源断時でも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップデータとして、RAM55に保存される。制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを、遊技の進行状態を示すデータと定義する。この実施の形態では、RAM55の全部の記憶領域が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板910からのリセット信号が入力される。また、払出制御用マイクロコンピュータのリセット端子にも、電源基板910からのリセット信号が入力される。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータは動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータは動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータの動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータの動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(主基板31を含む)に搭載してもよいし、複数の電気部品制御基板のうち一つまたは複数にリセット回路を搭載し、そこからリセット信号を他の電気部品制御基板に供給するようにしてもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、払出制御基板37を経由して、電源基板910からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
クリア信号は、主基板31において分岐され、払出制御基板37にも供給される。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が入力ポートを介して入力したクリア信号の状態を、出力ポートを介して払出制御基板37に出力してもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御基板80に表示制御、音制御、および、ランプ制御を含む演出制御を指令するための制御信号としての演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御基板80には、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、変動表示装置9での表示制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータ800等の電気部品制御手段が搭載されている。
演出制御用マイクロコンピュータ800は、表示制御用のプログラム等を記憶するROM84と、ワークメモリとして使用されるRAM85と、プログラムにしたがって表示制御動作を行なうCPU86と、I/Oポート87とを含む。この演出制御用マイクロコンピュータ800は、演出制御コマンドに応じて、変動表示装置9の変動表示等の各種表示の演出に関する制御と、賞球ランプ51、球切れランプ52、装飾ランプ25、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cの制御(ランプ制御)と、スピーカ27を用いた遊技音発生制御(音制御)とを含む各種演出に関する制御を行なう。
演出制御基板80には、演出制御用マイクロコンピュータ800の他に、VDP、キャラクタROM、および、VRAM(図示省略)が搭載されている。VDPは、画像表示を行なう表示制御機能および高速描画機能を有する処理装置であり、変動表示装置9の表示制御を行なう。CPU86は、受信した演出制御コマンドに従って、VDPに、表示制御用のコマンドに応じた画像表示をするための制御データを送信する。そして、そのように送信された制御データに従った画像表示をするために、VDPがキャラクタROMから必要なデータを読出す。キャラクタROMは、飾り変動表示装置90に表示する画像データを予め格納しておくためのものである。
VDPは、CPU86とは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにVRAMをマッピングしている。VDPは、キャラクタROMの画像データに従って、変動表示装置9に表示するための画像データを生成し、VDPはVRAMに画像データを展開する。VRAMはVDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。VRAMに展開された画像データは、変動表示装置9に出力される。
演出制御用マイクロコンピュータ800は、音声出力基板70にスピーカ27の駆動信号を出力することにより、スピーカ27から効果音等の音声を出力させる制御を行なう。また、演出制御用マイクロコンピュータ800は、ランプドライバ基板35に各種発光手段の駆動信号を出力することにより、前述のような発光手段の制御を行なう。これにより、変動表示装置9での演出表示に対応して(同期して)、音の制御および発光制御が行なわれる。
図5は、主基板31における詳細な回路構成を示すブロック図である。
主基板31には、図5に示すように、始動口スイッチ14aからの配線が接続されている。また、主基板31には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置20や、その他の入賞口への遊技球の入賞等を検出するための各種スイッチ29a,30a,33a,39aからの配線も接続されている(図示省略)。さらに、主基板31には、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21および大入賞口内の経路を切換えるためのソレノイド21Aへの配線が接続されている。
主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560は、クロック回路501、システムリセット手段として機能するリセットコントローラ502、乱数回路503a,503b、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用されるRAM55、プログラムにしたがって動作するCPU56、CPUに割込要求信号を送出するCTC504およびI/Oポート506を内蔵する。
クロック回路501は、システムクロック信号をCPU56に出力し、このシステムクロック信号を2の7乗(=128)分周して生成した所定の周期の基準クロック信号CLKを、各乱数回路503a,503bに出力する。リセットコントローラ502は、ローレベルの信号が一定期間入力されたとき、CPU56および各乱数回路503a,503bに所定の初期化信号を出力して、遊技制御用マイクロコンピュータ560をシステムリセットする。
また、図5に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、発生可能な乱数の値の範囲が異なる2つの乱数回路503a,503bを搭載する。乱数回路503aは、12ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、12ビット乱数回路ともいう)である。12ビット乱数回路503aは、12ビットで発生できる範囲(すなわち、1から4095までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。また、乱数回路503bは、16ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、16ビット乱数回路ともいう)である。16ビット乱数回路503bは、16ビットで発生できる範囲(すなわち、1から65535までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。2つの乱数回路503a,503bは、予め選択されたどちらか一方の回路が乱数の発生に用いられる。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が2つの乱数回路を内蔵する場合を説明するが、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つの乱数回路を内蔵してもよく、3以上の乱数回路を内蔵してもよい。また、この実施の形態では、12ビット乱数回路503aおよび16ビット乱数回路503bを包括的に表現する場合、または、12ビット乱数回路503aと16ビット乱数回路503bとのうちいずれかを指す場合に、乱数回路503という。
主基板31と演出制御基板80との間には、演出制御コマンドを送信するための8本の信号線と、ストローブ信号を送信するための演出制御INT信号の信号線とが設けられている。
演出制御用マイクロコンピュータ800では、演出制御INT信号により示された取込みタイミングで、演出制御コマンドを送信するための8本の信号線から演出制御コマンドを受信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ800では、受信した演出制御コマンドが示す演出に対応して行なうべき表示制御、音制御およびランプ制御をするために、変動表示装置9の表示制御を行なうとともに、スピーカ27の駆動信号および各種ランプの駆動信号を出力する。このような構成においては、演出制御コマンドに基づいて演出制御が行なわれるときに、演出制御用マイクロコンピュータ800により、変動表示装置9の表示制御に合せて、音制御およびランプ制御が行なわれる。つまり、演出制御用マイクロコンピュータにおいて、演出制御コマンドに基づいて変動表示装置9の表示制御を行なうとともに、その表示制御内容に対応する音制御およびランプ制御を行なうことにより、変動表示装置9の表示制御の演出に合せた(同期した)音制御およびランプ制御が行なわれるのである。
なお、演出制御コマンドを送信するための信号線としては、前述の8本というようなパラレル信号線を用いる構成に代えて、1本の信号線、すなわち、シリアル信号線を用いる構成を採用してもよい。シリアル信号線を用いる場合には、演出制御コマンドをシリアルデータとし、そのシリアルデータの送信前にローレベル信号のスタートビットを送信し、そのシリアルデータの送信後にハイレベル信号のストップビットを送信する。このようなスタートビットとストップビットとにより演出制御コマンドの取込みタイミングが示されるので、演出制御用マイクロコンピュータ800では、スタートビットとストップビットとの間に送信されたシリアルデータを演出制御コマンドとして受信する。
乱数回路503は、特別図柄および飾り図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否かを判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。この乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、256)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新させていき、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞口14への始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データを乱数値R1として読出し、その数値データに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。なお、乱数回路503が発生させた乱数は、確変とするか否かを決定するための確変判定用乱数や、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定用乱数など、大当りとするか否かの判定以外の判定用乱数として用いてもよい。
乱数回路503は、ユーザによる数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および、数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能により、乱数回路503は、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有しており、たとえば、RAM55の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。これにより、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。また、初期値を設定するときに、IDナンバを用いた所定の演算を行なうことにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバを見ただけでは乱数の初期値を認識しにくくすることができる。そのため、無線信号を用いた取込み信号をパチンコ遊技機1に対して発生させるなどの行為によって、大当り状態への移行条件を不正に成立させられてしまうことをより確実に防止することができ、セキュリティ性を向上させることができる。
次に、この実施の形態のパチンコ遊技機1での制御に用いられる乱数を発生させるために数値データを更新する数値更新手段としてのランダムカウンタについて説明する。図6は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が遊技制御に用いる乱数を発生させるために用いるランダムカウンタを説明するための図である。図6には、ランダムカウンタの一例として、ランダムカウンタR1〜R7が示されている。
前述したように、大当りとするか否かの判定(大当り判定)は、ハードウェア回路である乱数回路503により発生される乱数値であるR1を用いて行なわれるが、大当り判定以外の各種制御に用いられる乱数値であるR2〜R7は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するソフトウェアにより更新される数値を用いて生成される。R1は、「0」〜「256」の間で更新される。
R2は、R1を用いた大当り判定により大当りを発生させることが事前決定されているときに、通常大当りおよび確変大当りのうちのどの種類の大当りにするかという大当り種類の決定と、大当り図柄の決定とを行なうために用いられる乱数を発生させるための数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。R2は、「0」からその上限である「4」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このR2は、2msec毎に1ずつ加算更新されることとなる。
始動口スイッチ14aにより有効な始動入賞(保留記憶数が上限数に達していない状態での始動入賞)が検出されると、それに応じて、前述のR1およびR2のそれぞれが抽出されて保留記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、R1については、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示を開始する前の段階で、そのようにRAM55に記憶されたR1の抽出値が予め定められた大当り判定値と一致するか否かが判断される。この判断において、一致した場合には、変動表示の表示結果を大当り表示結果として大当りを発生させることが決定され、前述した大当り遊技状態の制御が行なわれる。一致しない場合には、変動表示の表示結果を大当りとしない(はずれ表示結果となる)ことが決定され、遊技状態が変化しない。確変状態以外の低確率状態においては、大当り判定値がたとえば1つの数値に設定される。確変状態である高確率状態においては、大当り判定値が複数個の数値(この場合、大当り判定値は、大当り判定に偏りが生じなくするために、数値順番が隣接した数値とならないように設定される)に設定されることにより、低確率状態の場合よりも大当りの発生確率が向上する。
R2の値は、たとえば、次のように大当りの種類および大当り図柄の種類に割振られて対応付けられている。R2の値が「0」のときには、通常大当りとすることおよび特別図柄の大当り図柄を「1」とすることが決定される。R2の値が「1」のときには、確変大当りとすることおよび特別図柄の大当り図柄を「3」とすることが決定される。R2の値が「2」のときには、通常大当りとすることおよび特別図柄の大当り図柄を「5」とすることが決定される。R2の値が「3」のときには、確変大当りとすること、および、特別図柄の大当り図柄を「7」とすることが決定される。R2の値が「4」のときには、通常大当りとすること、および、特別図柄の大当り図柄を「9」とすることが決定される。したがって、R2の抽出値に応じて、通常大当りおよび確変大当りのいずれかが選択決定されるとともに、特別図柄の大当り図柄も選択決定されることとなる。このようなR2の値と決定される大当り遊技状態の種類および大当り図柄の種類との関係を示すデータは、ROM54に記憶されている。
R3は、R1を用いた大当り判定により大当りを発生させないとする判定がされたとき、すなわち、はずれとすることが事前決定されたときに、どの種類のはずれ図柄を特別図柄表示器8に表示させるかをランダムに決定するために用いられる乱数を発生させるための数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。R3は、「0」からカウントアップしてその上限である「4」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、2msec毎および割込み処理余り時間に1ずつ加算更新される。R3の値は、特別図柄のはずれ図柄(「0」の図柄および「2,4,6,8」の偶数の図柄)のそれぞれに割振られて対応付けられている。R3は、特別図柄の変動表示を開始する前の予め定められたタイミングで抽出され、抽選されたR3の値に対応する特別図柄がはずれ図柄として決定される。
ここで、R3等の所定のランダムカウンタにおいて行なわれる割込み処理余り時間におけるカウントアップ動作について説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、定期的な割込み処理の実行により、各種制御を行なうが、ある割込み処理について、割込み処理が実行された後に、その割込み処理の次回の実行開始までの期間は割込み処理待ち状態となる。そのような割込み処理待ち状態である割込み処理の余り時間において、無限ループを利用してランダムカウンタの加算更新処理を繰返し実行することを割込み処理余り時間におけるカウントアップという。
R4は、特別図柄表示器8および変動表示装置9の変動表示のパターンである変動パターンをランダムに選択決定する(変動パターン決定という)ために用いられる乱数を発生するための数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。R4は、「0」からカウントアップしてその上限である「99」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、2msecごとおよび割込処理余り時間に1ずつ加算更新される。特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングでR4から抽出されたカウンタの値により、予め定められたカウント値と変動パターンとの関係に基づいて、予め定められた複数種類の変動パターンの中から、変動表示に用いる変動パターンが選択決定される。各変動パターンには、変動表示時間(変動表示を開始してから表示結果が導出表示されるまでの時間であり、変動時間ともいう)が予め定められており、変動パターンを選択決定することにより、変動表示時間が選択決定されることとなる。このようなR4のカウント値と複数種類の変動パターンとの関係を定めたデータは、ROM54に格納されている変動パターンデータテーブルに設定されている。
R5は、変動表示装置9について、R1を用いた大当り判定により大当りを発生させないとする判定がされたとき、すなわち、はずれとする判定がされたときに、変動表示中に前述したリーチ表示態様を形成する(以下、リーチはずれという)か、リーチ表示態様を形成しない(以下、非リーチはずれという)か、のいずれにするかをランダムに判定するために用いられる乱数を発生させるためのリーチ判定用の数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。R5は、「0」からカウントアップしてその上限である「39」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、2msec毎および割込み処理余り時間に1ずつ加算更新される。変動パターンを決定する前の段階で、R5の値が抽出され、抽出されたR5の値が予め定められたリーチ判定値と一致するか否かが判断される。そして、これらの値が一致した場合には、リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態とする制御が行なわれる。一方、これらの値が一致しない場合には、非リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態としない制御が行なわれる。
R6は、普通図柄表示器10の変動表示について当りを発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数を発生させるための数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。R6は、「0」等の初期値からカウントアップしてその上限である「11」までカウントアップし、再度「0」等の初期値からカウントアップし直すように構成されており、2msecごとに1ずつ加算更新される。ゲートスイッチ32aにより有効な始動通過が検出されると、それに応じて、このR6の乱数が抽出されて通過記憶データとしてRAM55に記憶される。そして、普通図柄の変動表示を開始する前の段階で、その抽出値が予め定められた当り判定値と一致するか否かが判断され、一致した場合には普通図柄の当りを発生させることが決定されて前述のような制御が行なわれ、不一致の場合にははずれとすることが決定されて前述のような制御が行なわれない。
R7は、大当りとすることが決定されたときに、前述した再抽選表示を実行するか否かの判定および再抽選表示の種類の判定を含む再抽選表示に関する判定をするために用いられる乱数を発生させるための数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。R7は、「0」からカウントアップしてその上限である「49」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、2msec毎および割込み処理余り時間に1ずつ加算更新される。R7は、特別図柄の変動表示を開始する前の予め定められたタイミングで抽出され、その抽出値から、再抽選表示の有無(実行するか否か)および実行する再抽選表示の種類との関係が予め定められた再抽選表示選択テーブルを用いて、再抽選表示をするか否かと、再抽選表示を実行する場合の再抽選表示の種類とがランダムに決定される。再抽選表示選択テーブルは、ROM54に記憶されている。
図7は、演出制御用マイクロコンピュータ800が演出制御に用いる各種ランダムカウンタの一例を説明するための図である。図7には、ランダムカウンタの一例として、演出内容決定用のランダムカウンタRV、および、飾り図柄の停止図柄決定用のランダムカウンタRU−1〜RU−3が示されている。
RU−1〜RU−3は、変動表示装置9について、飾り図柄の停止図柄を事前にランダムに決定するために用いられる乱数を発生させるための飾り図柄停止図柄決定用の数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。RU−1は、左図柄の停止図柄を決定するために用いられる。RU−2は、中図柄の停止図柄を決定するために用いられる。RU−3は、右図柄の停止図柄を決定するために用いられる。RU−1〜RU−3のそれぞれについては、RU−1が33msecごと、RU−2がRU−1の桁上げごと、RU−3がRU−2の桁上げごとにそれぞれ加算更新され、0から更新されてその上限である9まで更新された後再度0から更新される。
飾り図柄は、たとえば、0〜9の10個の図柄よりなり、たとえば、0,1,2・・・7,8,9というような予め定められた図柄の配列順序に従って変動(更新)表示されていく。予め定められたはずれ図柄決定用データテーブルにおいて、複数種類の飾り図柄のそれぞれには飾り図柄停止図柄決定用の数値データが対応付けられており、遊技制御用マイクロコンピュータ560により、大当り判定(R1による判定)で大当りとしないとする判定がされたことによりはずれとすることが決定された場合であってリーチ判定によりリーチ状態としないことが判定された場合には、所定のタイミングでRU−1〜RU−3のそれぞれから抽出された乱数に対応する図柄がそれぞれ左,中,右の飾り図柄の変動表示結果となる停止図柄として決定される。はずれとする場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当りの図柄と一致する場合には、はずれの図柄となるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、このような非リーチはずれとする場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれの図柄となるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、はずれとする場合であってリーチ判定によりリーチ状態とすることが判定された場合には、前述したタイミングで抽出された乱数のうち、RU−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各飾り図柄の停止図柄として決定され、RU−2から抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれの図柄となるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560による大当り判定で大当りとする判定がされた場合であって、大当り種類・大当り図柄決定(R2による決定)で通常大当りとすることが決定された場合には、所定のタイミングでRU−1から抽出された乱数に基づいて、左,中,右の各飾り図柄の変動表示結果が、ゾロ目となる大当り図柄の組合せとしてランダムに決定される。
具体的に、通常大当りに対応する大当り図柄の組合せは、0または偶数の飾り図柄のうちいずれかの図柄のゾロ目とされる。RU−1の値と通常大当り図柄との関係については、ROM54における通常大当り図柄決定用データテーブルに記憶されている。通常大当りとすることが決定された場合には、通常大当り図柄決定用データテーブルを用いて、RU−1から抽出された乱数に対応する0または偶数の飾り図柄のいずれかが通常大当り図柄として選択され、その図柄のゾロ目が左,中,右図柄による通常大当り表示結果として決定される。また、確変大当りに対応する大当り図柄の組合せは、奇数の飾り図柄のうちいずれかの図柄のゾロ目とされる。RU−1の値と確変大当り図柄との関係については、ROM54における確変大当り図柄決定用データテーブルに記憶されている。確変大当りとすることが決定された場合には、確変大当り図柄決定用データテーブルを用いて、RU−1から抽出された乱数に対応する奇数の飾り図柄のいずれかが確変大当り図柄として選択され、その図柄のゾロ目が左,中,右図柄による確変大当り表示結果として決定される。
また、RU−1〜RU−3は、後述するように、再抽選表示が行なわれるときの大当り遊技状態前に導出表示される変動表示結果を決定するためにも用いられる。
RVは、変動表示装置9で行なわれる各種演出の内容をランダムに決定するために用いられる乱数を発生させる演出内容決定用の数値データ更新手段(ランダムカウンタ)である。RVは、「0」からカウントアップしてその上限である「256」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されており、33msecごとに1ずつ加算更新される。所定タイミングでRVから抽出されたカウンタの値により、予め定められたカウンタの値と演出内容との関係に基づいて、演出内容が選択決定される。たとえば、再抽選表示を行なうときの当り表示結果の種類およびはずれ表示結果の種類の選択は、RVを用いて行なわれる。
図8は、変動表示部(特別図柄表示器8、変動表示装置9)における変動パターンを選択決定するために用いる判定値を記憶した変動パターン選択用のデータテーブルを説明するための図である。変動パターン選択用のデータテーブルは、時短状態および記憶変動短縮状態(以下、これらの状態を短縮時間変動モードとまとめて呼ぶ場合がある)において用いられる短縮時間変動パターンを選択決定するために用いられる短縮時間変動パターンデータテーブルと、変動時間が短縮されない通常時間変動モードにおいて用いられる通常時間変動パターンを選択決定するために用いられる通常時間変動パターンデータテーブルとを含み、前述したROM54に予め記憶されている。
図8(a)は、前述した変動時間が短縮されない通常時間変動モードであるときにルックアップされる通常時間変動パターンデータテーブルである。通常時間変動パターンデータテーブルでは、R1を用いた大当り判定の結果、R2を用いた大当り種類の決定の結果、および、R5を用いたリーチ判定の結果に基づき、非リーチはずれ決定時データテーブル、リーチはずれ決定時データテーブル、通常大当り決定時データテーブル、および、確変大当り決定時データテーブルが使い分けられる。
R1を用いた大当り判定結果がはずれであり、かつ、R5を用いたリーチ判定結果がリーチを発生させない非リーチはずれ決定時であるときには、R4の抽出値と、変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められた非リーチはずれ決定時データテーブルが用いられる。この場合における変動パターンという情報には、変動パターンの種類と、変動表示を実行する時間(変動表示時間)とを特定可能な情報が含まれている。
R4の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「通常A変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「通常B変動パターン」が選択決定される。
また、R1を用いた大当り判定結果がはずれであり、かつ、R5を用いたリーチ判定結果がリーチを発生させるリーチはずれ決定時であるときには、R4の抽出値と、変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められたリーチはずれ決定時データテーブルが用いられる。R4の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が15秒の「リーチA変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「50〜79」の範囲内の場合には変動表示時間が20秒の「リーチB変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「80〜89」の範囲内の場合には変動表示時間が25秒の「リーチC変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「90〜99」の範囲内の場合には変動表示時間が25秒の「リーチD変動パターン」が選択決定される。
また、R1を用いた大当り判定結果が大当りとなり、かつ、R2を用いた大当り種類の決定結果が通常確変大当りであるときには、R4の抽出値と、変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められた通常大当り決定時データテーブルが用いられる。R4の抽出値が「0〜19」の範囲内の場合には変動表示時間が15秒の「大当りA変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「20〜79」の範囲内の場合には変動表示時間が20秒の「大当りB変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「80〜99」の範囲内の場合には変動表示時間が25秒の「大当りC変動パターン」が選択決定される。
また、R1を用いた大当り判定結果が大当りとなり、かつ、R2を用いた大当り種類の決定結果が確変大当りであるときには、R4の抽出値と、変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められた確変大当り決定時データテーブルが用いられる。R4の抽出値が「0〜19」の範囲内の場合には変動表示時間が15秒の「大当りA変動パターン」が選択決定される。この大当りA変動パターンは、通常大当り決定時データテーブルで選択される大当りA変動パターンと同じ変動パターンである。R4の抽出値が「20〜79」の範囲内の場合には変動表示時間が20秒の「大当りB変動パターン」が選択決定される。この大当りB変動パターンは、通常大当り決定時データテーブルで選択される大当りB変動パターンと同じ変動パターンである。R4の抽出値が「80〜99」の範囲内の場合には変動表示時間が25秒の「大当りD変動パターン」が選択決定される。
図8(b)は、前述した変動時間が短縮される時短状態および記憶変動短縮状態に制御されているときにルックアップされる短縮時間変動パターンデータテーブルである。短縮時間変動パターンデータテーブルでは、通常時間変動パターンデータテーブルの場合と同様に、R1を用いた大当り判定の結果、R2を用いた大当り種類の決定結果、およびR5を用いたリーチ判定の結果に基づき、非リーチはずれ決定時データテーブル、リーチはずれ決定時データテーブル、通常大当り決定時データテーブル、および、確変大当り決定時データテーブルが使い分けられる。
R1を用いた大当り判定結果がはずれであり、かつ、R5を用いたリーチ判定結果がリーチを発生させない非リーチはずれ決定時であるときには、R4の抽出値と変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められた非リーチはずれ決定時データテーブルが用いられる。R4の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が5秒の「通常C変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には、変動表示時間が5秒の「通常D変動パターン」が選択決定される。
また、R1を用いた大当り判定結果がはずれであり、かつ、R5を用いたリーチ判定結果がリーチを発生させるリーチはずれ決定時であるときには、R4の抽出値と変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められたリーチはずれ決定時データテーブルが用いられる。R4の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、変動表示時間が10秒の「リーチE変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「50〜79」の範囲内の場合には変動表示時間が10秒の「リーチF変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「80〜89」の範囲内の場合には変動表示時間が10秒の「リーチG変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「90〜99」の範囲内の場合には変動表示時間が10秒の「リーチH変動パターン」が選択決定される。
また、R1を用いた大当り判定結果が大当りとなり、かつ、R2を用いた大当り種類の決定結果が通常確変大当りであるときには、R4の抽出値と変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められた通常大当り決定時データテーブルが用いられる。R4の抽出値が「0〜19」の範囲内の場合には変動表示時間が10秒の「大当りE変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「20〜79」の範囲内の場合には変動表示時間が10秒の「大当りF変動パターン」が選択決定される。R4の抽出値が「80〜99」の範囲内の場合には変動表示時間が10秒の「大当りG変動パターン」が選択決定される。
また、R1を用いた大当り判定結果が大当りとなり、かつ、R2を用いた大当り種類の決定結果が確変大当りであるときには、R4の抽出値と、変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められた確変大当り決定時データテーブルが用いられる。R4の抽出値が「0〜19」の範囲内の場合には変動表示時間が10秒の「大当りE変動パターン」が選択決定される。この大当りE変動パターンは、通常大当り決定時データテーブルで選択される大当りE変動パターンと同じ変動パターンである。R4の抽出値が「20〜79」の範囲内の場合には変動表示時間が10秒の「大当りF変動パターン」が選択決定される。この大当りF変動パターンは、通常大当り決定時データテーブルで選択される大当りF変動パターンと同じ変動パターンである。R4の抽出値が「80〜99」の範囲内の場合には変動表示時間が10秒の「大当りH変動パターン」が選択決定される。
このように選択される変動パターンは、変動パターンを特定する変動パターンコマンドが遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ800に送信されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ800に示される。変動パターンコマンドは、変動表示装置9の変動表示の開始を指示するとともに、その変動表示における変動パターンを含む演出内容を指示するコマンドである。
前述した通常時間変動パターンデータテーブルにおいては、通常大当り決定時データテーブルおよび確変大当り決定時データテーブルで、大当りA変動パターンおよび大当りB変動パターンのような通常大当りと確変大当りとで兼用(共通)の変動パターンと、大当りC変動パターンのような通常大当り専用の変動パターンと、大当りD変動パターンのような確変大当り専用の変動パターンとが設けられている。また、前述した短縮時間変動パターンデータテーブルにおいては、通常大当り決定時データテーブルおよび確変大当り決定時データテーブルで、大当りE変動パターンおよび大当りF変動パターンのような通常大当りと確変大当りとで兼用(共通)の変動パターンと、大当りG変動パターンのような通常大当り専用の変動パターンと、大当りH変動パターンのような確変大当り専用の変動パターンとが設けられている。これにより、変動パターンコマンドとしても、通常大当りおよび確変大当りで共通の変動パターンコマンドと、通常大当り専用の変動パターンコマンドと、確変大当り専用の変動パターンコマンドとが出力されることとなる。
なお、本実施の形態における変動表示に用いられる変動パターンは、後述するように変動表示部(特別図柄表示器8、変動表示装置9)において変動表示が開始されるときに、図24を用いて後述する変動パターン設定処理において、図8で説明したデータテーブルをルックアップして、決定される。
次に、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドについて説明する。図9および図10は、演出制御コマンドの一例を表形式で示す図である。図9および図10においては、演出制御コマンドのそれぞれについてコマンド名称とコマンドの内容とが関連付けて示されている。
まず、変動パターンコマンドを説明する。図9を参照して、変動パターンコマンドのそれぞれは、図7で説明した各種変動パターンに対応するコマンドを示すものである。
次に、図柄情報コマンドを説明する。図柄情報コマンドは、基本的に、飾り図柄の変動表示結果を指示するために用いられるコマンドである。そして、図柄情報コマンドは、大当り判定の判定結果および大当り種類の判定結果を示す他に、時短状態であるか否かに関する情報、および、再抽選表示に関する情報も指定する。より具体的に、図柄情報コマンドは、はずれ、通常大当り、確変大当り、確変大当りのいずれに制御するか、および、再抽選表示に関する情報を指定するコマンドである。
はずれ・時短なし指定のコマンドは、変動表示結果をはずれ図柄の組合せとすること、および、時短状態ではないことを指定する図柄情報コマンドである。
通常大当り・時短なし・大当り終了時再抽選後成上がりなし指定のコマンドは、通常大当りとすること、時短状態ではないこと、大当り中再抽選表示後に大当り終了時再抽選表示をすること、および、再抽選表示において成上がらないことを指定する図柄情報コマンドである。ここで、成上がりとは、再抽選表示において、通常大当りから確変大当りに変更される(成上がる)ことをいう。
確変大当り・時短なし・再抽選なし指定のコマンドは、確変大当りとすること、時短状態ではないこと、および、再抽選表示を実行しないことを指定する図柄情報コマンドである。ここで、再抽選なしとは、大当り中再抽選表示および大当り終了時再抽選表示の両方の再抽選表示が行なわれないことを示すものである。確変大当り・時短なし・大当り中再抽選後成上がりあり指定のコマンドは、確変大当りとすること、大当り中再抽選表示をすること、時短状態ではないこと、および、大当り中再抽選表示において成上がることを指定する図柄情報コマンドである。確変大当り・時短なし・大当り終了時再抽選後成上がりあり指定のコマンドは、確変大当りとすること、時短状態ではないこと、大当り中再抽選表示後に大当り終了時再抽選表示をすること、および、大当り終了時再抽表示において成上がることを指定する図柄情報コマンドである。
通常大当り・時短あり・大当り終了時再抽選後成上がりなし指定のコマンドは、通常大当りとすること、時短状態であること、大当り中再抽選表示後に大当り終了時再抽選表示をすること、および、再抽選表示において成上がらないことを指定する図柄情報コマンドである。確変大当り・時短あり・再抽選なし指定のコマンドは、確変大当りとすること、時短状態であること、および、再抽選表示を実行しないことを指定する図柄情報コマンドである。確変大当り・時短あり・大当り中再抽選後成上がりあり指定のコマンドは、確変大当りとすること、大当り中再抽選表示をすること、時短状態であること、および、大当り中再抽選表示において成上がることを指定する図柄情報コマンドである。確変大当り・時短あり・大当り終了時再抽選後成上がりあり指定のコマンドは、確変大当りとすること、時短状態であること、大当り中再抽選表示後に大当り終了時再抽選表示をすること、および、大当り終了時再抽表示において成上がることを指定する図柄情報コマンドである。
次に、大当り開始コマンドを説明する。図10を参照して、大当り開始コマンドは、基本的に、大当り遊技状態が開始することを示すコマンドである。この例では、大当り開始コマンドにより、大当り遊技状態の開始という情報に加えて、大当りの種類、再抽選表示の有無、および、成上がりの有無に関する情報も特定される。
通常大当り開始・大当り終了時再抽選後成上がりなし指定のコマンドは、通常大当りの大当り遊技状態が開始すること、大当り中再抽選表示後に大当り終了時再抽選表示をすること、および、大当り終了時2次再抽表示において成上がらないことを指定する大当り開始コマンドである。
確変大当り開始・再抽選なし指定のコマンドは、確変大当りの大当り遊技状態が開始すること、および、再抽選表示を実行しないことを指定する大当り開始コマンドである。確変大当り開始・大当り中再抽選後成上がりあり指定のコマンドは、確変大当りの大当り遊技状態が開始すること、大当り中再抽選表示をすること、および、大当り中再抽選表示において成上がることを指定する大当り開始コマンドである。確変大当り開始・大当り終了時再抽選後成上がりあり指定のコマンドは、確変大当りの大当り遊技状態が開始すること、大当り中再抽選表示後に大当り終了時再抽選表示をすること、および、大当り終了時再抽表示において成上がることを指定する大当り開始コマンドである。
次に、ラウンド開始コマンドを説明する。図10を参照して、ラウンド開始コマンドは、大当り遊技状態における各ラウンドが開始することを示すコマンドである。ラウンド開始コマンドには、15ラウンドをラウンド回数の上限値とする通常大当りまたは確変大当りの各ラウンドが開始することを指定する大当りの第1ラウンド開始指定コマンド〜第15ラウンド開始指定コマンドが含まれる。
次に、ラウンド終了コマンドを説明する。図10を参照して、ラウンド終了コマンドは、大当り遊技状態における各ラウンドが終了することを示すコマンドである。ラウンド終了コマンドには、15ラウンドをラウンド回数の上限値とする通常大当りまたは確変大当りの各ラウンドが終了することを指定する15ラウンド大当りの第1ラウンド終了指定コマンド〜第15ラウンド終了指定コマンドが含まれる。
次に、エンディング表示コマンドを説明する。図10を参照して、エンディング表示コマンドは、大当り遊技状態の終了を指定するコマンドであって、大当り遊技状態の終了時において行なわれる演出表示の総称であるエンディング表示の内容を指定するコマンドである。この例では、エンディング表示コマンドにより、大当り遊技状態の終了という情報に加えて、大当りの種類、大当り終了時再抽選表示の有無、および、成上がりの有無に関する情報も特定される。
通常大当り終了・再抽選後確変成上がりなし表示指定のコマンドは、通常大当りの大当り遊技状態が終了すること、および、大当り終了時再抽選表示において通常大当りから確変大当りに成上がらないことを指定するエンディング表示コマンドである。確変大当り終了・再抽選後確変成上がりあり表示指定のコマンドは、確変大当りの大当り遊技状態が終了すること、大当り終了時再抽選表示において通常大当りから確変大当りに成上がることを指定するエンディング表示コマンドである。
確変大当り終了・大当り通常表示終了表示指定のコマンドは、確変大当りの大当り遊技状態が終了すること、および、確変大当りの大当り遊技状態において、大当り遊技状態の終了時に再抽選表示が行なわれない大当り通常終了表示を指定するエンディング表示コマンドである。ここで、大当り通常終了表示とは、再抽選を伴わない大当り遊技状態の終了表示をいう。
このように、エンディング表示コマンドでは、大当り遊技状態の終了という情報に加えて、大当りの種類、大当り終了時再抽選表示の有無、および、成上がりの有無に関する情報も特定される。
変動表示装置9において変動表示が行なわれるときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、変動表示開始時に、変動パターンコマンドと図柄情報コマンドとが順次送信され、その後、変動表示の終了時に図柄停止コマンドが送信される。したがって、変動表示装置9において変動表示が行なわれるときに、演出制御用マイクロコンピュータ80では、変動パターンコマンド、図柄情報コマンド、図柄停止コマンドの順で演出制御コマンドを受信することとなる。
パチンコ遊技機1では、変動表示装置9において変動表示を行なうために送信された変動パターンコマンドが正しく受信されなかったとき(具体的には図柄情報コマンドが受信されたが変動パターンコマンドが受信されていないとき)においても、遊技者に違和感を与えることなく変動表示装置9で変動表示を行なうことを可能とする特殊変動パターンでの変動表示を実行させる特殊変動表示制御が行なわれる。
次に、特殊変動表示制御について説明する。図11は、特殊変動表示制御を説明するためのタイミングチャートである。図11において、(a),(b)には変動パターンコマンドが正しく受信されたとき(図中「変動パターンコマンドを受信したとき」と明示)に行なわれる変動表示の制御タイミングが示され、(c),(d)には変動パターンコマンドが正しく受信されなかったとき(図中「変動パターンコマンドを取りこぼしたとき」と明示)に特殊変動表示制御により行なわれる変動表示の制御タイミングが示される。以下の説明においては、特殊変動表示以外の変動表示を一般変動表示と呼ぶことにより、一般的な変動表示と、特殊変動表示とを区別して説明する。一般変動表示は、後述する通常変動速度で行なわれるスクロール表示のように、図9に示す変動パターンコマンドに応じて実行される変動パターンであって、図8,図9に示すような複数種類の変動パターンで共通して行なわれる演出である。また、一般変動表示は、変動パターンコマンドが正しく受信されたときに行なわれる変動表示であるので、変動パターンコマンドが受信されたときに行なわれる演出と同じ演出であるとも言える。また、一般変動表示を実行するための変動パターンは一般変動パターンと呼び、特殊変動表示を実行するための変動パターンは特殊変動パターンと呼ぶ。また、特殊変動表示は、一般変動表示と異なる演出表示であると定義することができる。
変動時間が短縮されない通常時間変動モードにおいて変動パターンコマンドが正しく受信されたときには、(a)に示す制御タイミングで飾り図柄の通常時間変動表示が一般変動表示により行なわれる。また、変動時間が短縮される時短状態および記憶変動短縮状態を含む短縮時間変動モードにおいて変動パターンコマンドが正しく受信されたときには、(b)に示す制御タイミングで飾り図柄の短縮時間変動表示が一般変動表示により行なわれる。
飾り図柄の変動表示は、各種のタイマを用いて制御される。飾り図柄の変動表示を制御するために用いられるタイマには、変動時間タイマと監視タイマとが含まれる。変動時間タイマは、飾り図柄の変動表示が行なわれるときの変動表示開始時からの経過時間を変動表示時間として計時するタイマであり、変動表示における表示制御のために用いられる。変動時間タイマは、変動パターンコマンドにより指定された変動表示時間が経過するとタイムアップすることにより、変動表示において変動パターンコマンドにより指定された変動表示時間が経過したか否かを判断するために用いることができる。変動時間タイマがタイムアップしたときには、図柄停止コマンドの受信を待ち、図柄停止コマンドが受信されたときに変動表示の表示結果を導出表示させる図柄停止待ち処理が実行されることとなる。その図柄停止待ち処理が実行されているときには、変動時間タイマがタイムアップした後に、図柄停止コマンドが受信されたことに応じて、変動表示の表示結果を導出表示させる制御を行なうことが可能となる。
また、監視タイマは、前述の図柄停止待ち処理において、飾り図柄の変動表示が行なわれるときの変動表示時間を計時するタイマであって、変動パターンコマンドにより指定された変動表示時間の経過後(変動時間タイマがタイムアップした後)、図柄停止コマンドを待つ時間を管理するために用いられる。監視タイマは、所定時間が経過するとタイムアップするが、そのときまでに図柄停止コマンドが受信されたときには、その受信時に飾り図柄の変動表示が停止されて表示結果が導出表示され、一方、そのときまでに図柄停止コマンドが受信されなかったときには、そのタイムアップ時に飾り図柄の変動表示が停止されて表示結果が導出表示される。
図11の(a),(b)の場合には、変動時間タイマのタイマ値として、受信した変動パターンコマンドにより指定された変動パターンに対応する変動表示時間である一般変動パターン用のタイマ値T1が用いられ、監視タイマのタイマ値として、予め定められた一般変動パターン用のタイマ値T2が用いられる。通常時間変動モードでは、変動時間タイマのタイマ値T1として、受信した変動パターンコマンドに応じて、図8(a)に示す変動パターンの変動表示時間が設定される。この例では、最短の変動パターンが10秒であり、最長の変動パターンが25秒であるので、タイマ値T1としては、10秒〜25秒(10秒、15秒、20秒または25秒)の範囲内でのタイマ値が設定されることとなる。また、短縮時間変動モードでは、変動時間タイマのタイマ値T1として、受信した変動パターンコマンドに応じて、図8(b)に示す変動パターンの変動表示時間が設定される。この例では、最短の変動パターンが5秒であり、最長の変動パターンが10秒であるので、タイマ値T1としては、5秒〜10秒(5秒または10秒)の範囲内でのタイマ値が設定されることとなる。
また、監視タイマのタイマ値T2としては、1秒という予め定められたタイマ値が設定される。これにより、変動パターンコマンドにより指定された変動表示時間の経過後、図柄停止コマンドを受信せずに1秒間経過すると、その経過時に変動表示の表示結果が強制的に導出表示されることとなる。したがって、図11(a)の場合には、最短10秒間〜最長26秒間の範囲内で一般変動パターンでの変動表示が行なわれることとなる。また、図11(b)の場合には、最短5秒間〜最長11秒間の範囲内で一般変動パターンでの変動表示が行なわれることとなる。
一般変動パターンにおいては、変動表示が開始されてからの変動表示時間が変動パターンコマンドにより特定された変動表示時間となった時点で、予め決定された停止図柄の組合せで飾り図柄を遊技者に違和感を与えることなく停止表示できるように、その時点から所定時間前のタイミングにおいて、変動表示中の図柄の変動速度を所定の通常変動速度から所定の停止前速度に減速するとともに、停止させる図柄よりも図柄の表示順序で所定図柄数手前(図柄の停止前の減速された変動速度で変動表示が行なわれるときにおいて、図柄の表示順序(配列順序)と変動速度との関係により、停止表示する図柄よりも当該所定時間前に表示される図柄、たとえば、当該減速された変動速度での変動表示において停止させる図柄がたとえば「7」の図柄であり、当該所定時間内に3図柄分変動表示されるのであれば、たとえば「4」の図柄が所定図柄数手前の図柄となる)の図柄を、遊技者に視認しにくい態様で現在表示中の図柄に、強制的に差替えて変動表示を継続させる制御が行なわれる。このような変動表示中における図柄の差替えが行なわれると、変動表示中における図柄の表示順番がシフトされることにより、変動表示時間が変動パターンコマンドにより特定された変動表示時間となった時点で、予め決定された図柄が遊技者に違和感を与えることなく停止表示できるようになる。
変動時間が短縮されない通常時間変動モードにおいて変動パターンコマンドが正しく受信されなかったときには、(c)に示す制御タイミングで飾り図柄の通常時間変動表示が行なわれる。また、変動時間が短縮される時短状態および記憶変動短縮状態を含む短縮時間変動モードにおいて変動パターンコマンドが正しく受信されなかったときには、(d)に示す制御タイミングで飾り図柄の短縮時間変動表示が行なわれる。
図11の(c),(d)の場合には、変動時間タイマのタイマ値として、特殊変動パターン用のタイマ値T3が用いられ、監視タイマのタイマ値として、予め定められた特殊変動パターン用のタイマ値T4が用いられる。
変動パターンコマンドが正しく受信されなかったときに、通常時間変動モードでは、(c)に示すように、変動時間タイマのタイマ値T3として、8秒という予め定められた特殊変動パターン用の変動表示時間が設定される。このパチンコ遊技機1では、変動時間タイマがタイムアップして変動表示が監視タイマにより管理されている状態になっていなければ、前述の図柄停止待ち処理が実行されないので、たとえ図柄停止コマンドを受信しても変動表示の表示結果を導出表示する制御が行なわれない。
変動パターンコマンドが正しく受信されなかったときには、演出制御用マイクロコンピュータ800側では第1変動パターンコマンドにより指定された変動表示時間を把握することができないので、どの変動パターンが選択されたときであっても図柄停止コマンドを受信したときに直ちに表示結果を導出表示するためには、通常時間変動モードにおける最短の変動パターンでの変動表示時間が経過するよりも前に、変動時間タイマをタイムアップさせて図柄停止待ち処理を実行状態にしておく必要がある。このため、この例では、通常時間変動モードにおいて、最短の変動パターンが10秒であるので、すべての変動パターンに対応可能とするために、タイマ値T3としては、最短の変動パターンの変動表示時間よりも短い所定時間(8秒)に設定される。
また、変動パターンコマンドが正しく受信されなかったときに、短縮間変動状態では、(d)に示すように、変動時間タイマのタイマ値T3として、3秒間という予め定められた特殊変動パターン用の変動表示時間が設定される。短縮時間変動モードにおいては、最短の変動パターンが5秒間であるので、すべての変動パターンに対応可能とするために、タイマ値T3としては、最短の変動パターンの変動表示時間よりも短い所定時間(3秒)に設定される。
一般変動パターンでの変動表示(一般変動表示)においては、前述の通常変動速度であっても、どのような図柄がどのような配列順序で変動表示しているかを遊技者が視認可能な態様で図柄が次々と表示されていく。したがって、もし仮に、変動パターンコマンドが正しく受信されなかったことにより、たとえば、一般変動パターンでの一般変動表示中において、図柄停止コマンドを受信したときに直ちに、予め決定されている表示結果を導出表示する表示制御を行なったときには、遊技者が視認している配列順序にしたがって変動表示されている図柄とは異なる図柄が突然割り込んで停止図柄として表示されるという現象が生じることがあり、遊技者がその表示内容に違和感を持つ場合があると考えられる。したがって、特殊変動パターンにおいては、変動パターンコマンドが正しく受信されなかったことにより、図柄停止コマンドを受信したときに直ちに、予め決定されている表示結果を導出表示する表示制御を行なったときであっても、遊技者に違和感を与えないような表示態様での変動表示(特殊変動表示)が行なわれる。特殊変動パターンでの変動表示態様の詳細については、図13〜図16を用いて後述する。
また、(c),(d)に示すように、特殊変動パターンの変動表示時間の範囲は、一般変動パターンの変動表示時間の範囲に合せられる。具体的に、通常時間変動モードでの一般変動パターンの変動表示の最長時間は(a)に示すように26秒間であるので、(c)に示すように、通常時間変動モードでの特殊変動パターンの変動表示の最長時間が26秒間となるように、通常時間変動モードでの特殊変動パターン用の監視タイマのタイマ値T4は、18秒という予め定められた特殊変動用タイマ値が設定される。このように、前述した変動時間タイマのタイマ値T3(8秒)と監視タイマのタイマ値T4(18秒)との組合せにより、通常時間変動モードでの特殊変動パターンでは、変動表示開始後8秒間〜26秒間の範囲内が図柄停止コマンドの受信に応じた表示結果の導出表示可能な制御タイミングとなり、一般変動パターンでの変動表示と同じ10秒間〜26秒間での範囲内の変動表示時間で変動表示を実行することが可能となる。
また、短縮時間変動モードでの一般変動パターンの変動表示の最長時間は(b)に示すように11秒であるので、(c)に示すように、短縮時間変動モードでの特殊変動パターンの変動表示の最長時間が11秒間となるように、短縮時間変動モードでの特殊変動パターン用の監視タイマのタイマ値T4は、8秒間という予め定められた特殊変動用タイマ値が設定される。このように、前述した変動時間タイマのタイマ値T3(3秒)と監視タイマのタイマ値T4(8秒)との組合せにより、短縮時間変動モードでの特殊変動パターンでは、変動表示開始後3秒間〜11秒間の範囲内が図柄停止コマンドの受信に応じた表示結果の導出表示可能な制御タイミングとなり、一般変動パターンでの変動表示と同じ5秒間〜11秒間の範囲内の変動表示時間での変動表示を実行することが可能となる。
特殊変動パターンは、予め定められた複数種類の特殊変動パターンのうちからランダムに選択された特殊変動パターンが実行される。特殊変動パターンには、通常時間変動モードおよび短縮時間変動モードのそれぞれについて、第1の特殊変動パターンと第2の特殊変動パターンとを含む。(c),(d)のそれぞれにおいては、第1の特殊変動パターンの制御タイミングと、第2の特殊変動パターンの制御タイミングとが並べて示されている。
第1の特殊変動パターンは、変動表示開始時から一般変動表示と同じ種類の変動表示を所定時間行なった後、変動表示の終了時まで特殊変動表示を行なう変動パターンである。ここで、特殊変動表示は、変動表示中においてどのタイミングで図柄停止コマンドを受信しても、その受信時に、事前決定されている表示結果を導出表示可能な態様で行なわれる変動表示をいう。第1の特殊変動パターンにおいて一般変動表示と同じ種類の変動表示を行なう所定時間は、たとえば、(c)、(d)に示すように、通常時間変動モードでは4秒、短縮時間変動モードでは2秒というように変動時間タイマのタイマ値T3よりも短い時間に設定されている。これにより、第1の特殊変動パターンでは、一旦一般変動表示と同じ変動表示が行なわれるが、表示結果を導出表示可能となるタイミングに達する前に一般変動表示と同じ変動表示から特殊変動表示に切換えられることとなる。
(c)に示す第1の特殊変動パターンのように、通常時間変動モードでの第1の特殊変動パターンでは、たとえば、変動表示開始後4秒間に亘り一般変動表示と同じ種類の変動が行なわれた後、6秒間〜22秒間の範囲内で、どのタイミングで図柄停止コマンドを受信しても事前決定されている表示結果を導出表示することが可能な特殊変動表示が行なわれることとなる。また、(d)に示す第1の特殊変動パターンのように、短縮時間変動モードでの第1の特殊変動パターンでは、たとえば、変動表示開始後2秒間一般変動表示と同じ種類の変動表示が行なわれた後、3秒間〜9秒間の範囲内で特殊変動表示が行なわれることとなる。
(c),(d)に示すように、第2の特殊変動パターンは、変動表示開始時から変動表示の終了時まで特殊変動表示のみを行なう変動パターンである。これにより、第2の特殊変動パターンでは、変動表示開始時から変動表示の終了時までの全期間に亘り、どのタイミングで図柄停止コマンドを受信しても事前決定されている表示結果を導出表示することが可能となる。通常時間変動モードおよび短縮時間変動モードのそれぞれについて、第1の特殊変動パターンと、第2の特殊変動パターンとでは、一般変動表示の後に特殊変動表示となる点と、変動表示の全期間を通じて特殊変動表示となる点とで、画像の表示態様が異なるが、変動表示時間を管理するためのタイマ値T3が同じ値に設定され、かつ、特殊変動パターン用の監視タイマのタイマ値T4が同じ値に設定されて変動表示の時間を管理する制御が行なわれる。このようなタイマの設定により、たとえば、(c)に示す第2の特殊変動パターンのように、通常時間変動モードでの第2の特殊変動パターンでは、変動表示開始時から10秒間〜26秒間の範囲内で特殊変動表示のみが行なわれることとなる。また、たとえば、(d)に示す第2の特殊変動パターンのように、短縮時間変動モードでの第2の特殊変動パターンでは、変動表示開始時から5秒間〜11秒間の範囲内で特殊変動表示のみが行なわれることとなる。
次に、図12〜図17を用いて、変動表示装置9での演出表示の一例を説明する。
図12は、変動表示装置9で変動表示が行なわれるときの演出表示の一例を示す表示画面図である。図12においては、(a)〜(j)に一連で演出表示が示される。図12においては、演出表示の一例として、大当りとなるときの演出表示が示されている。
変動表示が行なわれるときには、(a)に示すように、変動表示装置9における飾り図柄の左図柄91、中図柄92、および、右図柄93について、同時に変動表示が開始される(図中下向きの矢印は、スクロール等の一般変動表示態様で図柄が変動中であることを示している)。そして、左図柄91、中図柄92、および、右図柄93は、変動開始時からの時間の経過に応じて、予め定められた順序(左図柄91、右図柄93、中図柄92の順番)で順次停止表示されて行く。変動表示の開始時から、変動パターンコマンドにより特定された変動表示時間が経過すると、全図柄停止コマンドが遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、その全図柄停止コマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ800により、(b)に示すように、左図柄91、中図柄92、および、右図柄93の全図柄が停止表示されることにより、変動表示の表示結果が導出表示される。
(b)に示すように大当り表示結果が導出表示されたときには、(c)に示すように、大当り遊技状態が開始される旨を示す大当り開始表示が行なわれる。そして、(d)に示すように、第1ラウンドである旨が表示されて大当り遊技状態が開始され、大当り遊技状態のラウンドが進行して行く。
そして、大当り中再抽選表示が行なわれることが決定されているときには、大当り遊技状態中の第7ラウンドが開始される前の第6,第7ラウンド間インターバル期間において、ラウンド間表示として、(e),(f)に示すような大当り中再抽選表示が行なわれる。ここで、ラウンド間インターバル期間とは、前のラウンドの終了時から次のラウンドの開始時までのインターバルとなる期間であり、その期間の時間は予め定められている。大当り中再抽選表示では、(e)に示すように、再抽選表示である旨が表示されるとともに、キャラクタ901が的に矢を当てる的当てゲームをする画像が表示される。つまり、大当り中再抽選表示は、ミニゲーム形式で行なわれ、そのゲームの結果により再抽選結果が示される。なお、再抽選表示としては、図示したような表示例に限らず、再抽選表示が行なわれていることを遊技者が把握できる表示であればよく、たとえば再度飾り図柄を変動表示させて表示結果を導出表示させる演出を行なう等、どのような表示を用いてもよい。
再抽選表示の結果としては、的当てゲームの表示結果として、的に設けられた高確率領域に矢が当れば、大当り中再抽選表示の結果として、たとえば「高確率確定」と表示する等、確変大当りに成上がる旨が示される。一方、的当てゲームの表示結果として、的に設けられた高確率領域以外の低確率領域に矢が当れば、大当り中再抽選表示の結果として、図に示す「残念」というような確変大当りに成上がらない旨が示される。
第6ラウンドと第7ラウンドとの間のラウンド間インターバル期間における大当り中再抽選表示が終了すると、(g)に示すように第7ラウンドが開始される旨が表示され、第7ラウンドが開始される。その後、たとえばラウンド回数の上限値である15ラウンドまで大当り遊技状態が継続し、大当り遊技状態が終了するときには、(h)に示すように大当り遊技状態が終了する旨を示す大当り終了表示が行なわれる。そして、大当り終了時再抽選表示が行なわれるときには、(i),(j)に示すように、大当り中再抽選表示と同様の的当てゲームが表示され、その表示結果により、大当り中再抽選表示と同様に再抽選表示の表示結果が示される。大当り終了時再抽選表示の結果として、確変大当りに成上がるときには、たとえば(j)に示すように、「高確率確定」と表示する等、確変大当りに成上がる旨が示される。一方、大当り終了時再抽選表示の結果として、確変大当りに成上がらないときには、「残念」というような確変大当りに成上がらない旨が示される。
大当り終了時再抽選表示が行なわれるときには、(h)に示す大当り終了表示と、(i),(j)に示す大当り終了時再抽選表示とを含む演出表示が、エンディング表示として行なわれる。また、大当り通常終了表示が行なわれるときには、(h)に示す大当り終了表示と、予め定められた大当り通常終了表示とを含む演出表示が、エンディング表示として行なわれる。
図13は、特殊変動パターンのうち第1の特殊変動パターンでの変動表示の第1の表示例を示す表示画面図である。図13においては、(a)〜(f)に一連で、はずれ表示結果となるときの演出表示が示される。本実施の形態においては、第1の特殊変動パターンとして、複数種類の変動パターンが設けられており、ここでは、第1の表示例として、カーテンを用いて飾り図柄を隠蔽する演出表示を行なう例を説明する。
図13の(a)には、前回の変動表示において導出表示された飾り図柄の表示結果が示されている。そして、新たな変動表示を開始させるために、図に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560により、変動パターンコマンドが送信された後、図柄情報コマンドが送信されるが、演出制御用マイクロコンピュータ800により変動パターンコマンドが受信されなかったとき(図中×印)には、図13の(b),(c)に示すように、図柄情報コマンドが受信された時点から飾り図柄の変動表示が開始される。
第1の特殊変動パターンの場合には、図13の(c)に示すように、所定時間に亘り一般変動表示と同じ種類の変動表示が行なわれる。図11の(c),(d)に示すように、一般変動表示と同じ種類の変動表示が行なわれる時間は、通常時間変動モードと、短縮時間変動モードとで異なる。そして、一般変動表示の終了後、図13の(d),(e)に示すように、引続いて特殊変動表示が開始される。この場合の特殊変動表示では、キャラクタ905がカーテン906を閉め、そのカーテン906により飾り図柄91,92,93を隠蔽する画像を表示することにより、変動中の図柄を遊技者が特定できない態様とする演出表示が行なわれる。そして、図柄停止コマンドを受信したとき、または、特殊変動パターン用のタイマ値T4がセットされた監視タイマがタイムアップしたときに、図13の(f)に示すように表示結果が導出表示される。図13の場合には、表示結果の一例としてはずれ表示結果が導出表示されたときが示されているが、図柄情報コマンドが大当り表示結果となることを示しているときには、表示結果として、大当り表示結果が導出表示される。表示結果が導出表示されるときには、カーテン906により変動表示中の飾り図柄が隠蔽されているので、表示結果が導出表示されるときに、導出表示された図柄に対して遊技者が違和感を持たないようにすることができる。
図14は、特殊変動パターンのうち第1の特殊変動パターンでの変動表示の第2の表示例を示す表示画面図である。図14においては、(a)〜(e)に一連で、はずれ表示結果となるときの演出表示が示される。図14では、第1の特殊変動パターンでの変動表示の第2の表示例として、予め定められた高速度で変動表示を行なう高速変動表示を用いて飾り図柄を隠蔽する演出表示を行なう例を説明する。
図14の表示画面図が図13のものと異なるのは、図13の(d),(e)に示すような変動表示中の飾り図柄を隠蔽する特殊変動表示の代わりに、図14の(d)に示すような飾り図柄91,92,93を高速変動表示させる画像を表示することにより、変動中の図柄を遊技者が特定できない態様とする演出表示が行なわれることである。ここで、高速変動表示の速度とは、変動中の図柄を遊技者が特定できない態様となる速度をいう。そして、図柄停止コマンドを受信したとき、または、特殊変動パターン用のタイマ値T4がセットされた監視タイマがタイムアップしたときに、図14の(e)に示すように表示結果が導出表示される。図14の場合には、表示結果の一例としてはずれ表示結果が導出表示されたときが示されているが、図柄情報コマンドが大当り表示結果となることを示しているときには、表示結果として、大当り表示結果が導出表示される。表示結果が導出表示されるときには、高速変動表示により変動表示中の飾り図柄が特定できない態様となっているので、表示結果が導出表示されるときに、導出表示された図柄に対して遊技者が違和感を持たないようにすることができる。
なお、第1の特殊変動パターンでの特殊変動表示としては、前述したものの他に、後述する図15に示す爆弾等を用いて飾り図柄を隠蔽する演出表示を行なう特殊変動表示等のその他の特殊変動表示も用いられる。
図15は、特殊変動パターンのうち第2の特殊変動パターンでの変動表示の第1の表示例を示す表示画面図である。図15においては、(a)〜(e)に一連で、大当り表示結果となるときの演出表示が示される。本実施の形態においては、第2の特殊変動パターンとして、複数種類の変動パターンが設けられており、ここでは、第1の表示例として、爆弾を用いて飾り図柄を隠蔽する演出表示を行なう例を説明する。
図15の(a)には、前回の変動表示において導出表示された飾り図柄の表示結果が示されている。そして、新たな変動表示を開始させるために、図に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560により、変動パターンコマンドが送信された後、図柄情報コマンドが送信されるが、演出制御用マイクロコンピュータ800により変動パターンコマンドが受信されなかったとき(図中×印)には、図15の(b),(c)に示すように、図柄情報コマンドが受信された時点で、特殊変動表示が開始される。図15の(c),(d)に示すように、第2の特殊変動パターンでの特殊変動表示は、変動表示の開始時から表示結果の導出表示時まで継続して行なわれる。
この場合の特殊変動表示では、図15の(c)に示すように、爆弾907が爆発し、図15の(d)に示すように、爆発に伴う煙908により飾り図柄91,92,93を隠蔽する画像を表示することにより、変動中の図柄を遊技者が特定できない態様とする演出表示が行なわれる。そして、図柄停止コマンドを受信したとき、または、特殊変動パターン用のタイマ値がセットされた監視タイマがタイムアップしたときに、図15の(e)に示すように表示結果が導出表示される。図15の場合には、表示結果の一例として大当り表示結果が導出表示されたときが示されているが、図柄情報コマンドがはずれ表示結果となることを示しているときには、表示結果として、はずれ表示結果が導出表示される。表示結果が導出表示されるときには、煙908により変動表示中の飾り図柄が隠蔽されているので、表示結果が導出表示されるときに、導出表示された図柄に対して遊技者が違和感を持たないようにすることができる。
図16は、特殊変動パターンのうち第2の特殊変動パターンでの変動表示の第2の表示例を示す表示画面図である。図16においては、(a)〜(d)に一連で、大当り表示結果となるときの演出表示が示される。本実施の形態においては、第2の特殊変動パターンとして、複数種類の変動パターンが設けられており、ここでは、第2の表示例として、予め定められた高速度で変動表示を行なう高速変動表示を用いて飾り図柄を隠蔽する演出表示を行なう例を説明する。
図16の(a)には、前回の変動表示において導出表示された飾り図柄の表示結果が示されている。そして、新たな変動表示を開始させるために、図に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560により、変動パターンコマンドが送信された後、図柄情報コマンドが送信されるが、演出制御用マイクロコンピュータ800により変動パターンコマンドが受信されなかったとき(図中×印)には、図16の(b),(c)に示すように、図柄情報コマンドが受信された時点で、特殊変動表示が開始される。図11の(c),(d)に示すように、第2の特殊変動パターンでの特殊変動表示は、変動表示の開始時から表示結果の導出表示時まで継続して行なわれる。
この場合の特殊変動表示では、図16の(c)に示すように、図14の(d)に示す高速変動表示と同様に、飾り図柄91,92,93を高速変動表示させる画像を表示することにより、変動中の図柄を遊技者が特定できない態様とする演出表示が行なわれる。そして、図柄停止コマンドを受信したとき、または、特殊変動パターン用のタイマ値T4がセットされた監視タイマがタイムアップしたときに、図16の(d)に示すように表示結果が導出表示される。図16の場合には、表示結果の一例としてはずれ表示結果が導出表示されたときが示されているが、図柄情報コマンドが大当り表示結果となることを示しているときには、表示結果として、大当り表示結果が導出表示される。表示結果が導出表示されるときには、高速変動表示により変動表示中の飾り図柄が特定できない態様となっているので、表示結果が導出表示されるときに、導出表示された図柄に対して遊技者が違和感を持たないようにすることができる。
なお、第2の特殊変動パターンでの特殊変動表示としては、前述したものの他に、前述した図13に示すカーテン等を用いて飾り図柄を隠蔽する演出表示を行なう特殊変動表示等のその他の特殊変動表示も用いられる。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。図17および図18は、パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSという)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。なお、S2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードとなるように設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行なう(S4)。S4の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)504も内蔵している。
次に、入力ポート1のビット0の状態によって電源断信号がオフ状態になっているか否か確認する(S5)。パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたときに、+5V電源などの各種電源の出力電圧は徐々に規定値に達するのであるが、S5の処理によって、すなわち、電源断信号が出力されていない(ハイレベルになっている)ことを確認することにより遊技制御用マイクロコンピュータ560は電源電圧が安定したことを確認することができる。
電源断信号がオン状態である場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、所定期間(たとえば、0.1秒)の遅延時間の後に(S80)、再度、電源断信号がオフ状態になっているか否か確認する。電源断信号がオフ状態になっている場合には、RAM55をアクセス可能状態に設定する(S6)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、クリア信号のチェック処理に移行し、クリアスイッチオンフラグがセットされているか否か確認する(S7)。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。たとえば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(たとえば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
クリアスイッチオンフラグがセットされていない場合には、パチンコ遊技機1への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S8)。電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行なわれている。そのような電力供給停止時処理が行なわれていたことを確認した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電力供給停止時処理が行なわれた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行なわれていないことを確認した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行なわれていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(たとえば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、S8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行なわれたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう(S9)。クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。S9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(S10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態とを電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S93)、S15に移行する。
初期化処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。また、出力ポートバッファにおける接続確認信号を出力する出力ポートに対応するビットがセット(接続確認信号のオン状態に対応)される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S13)、その内容にしたがってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(S14)。初期化コマンドとして、変動表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。ここで、サブ基板とは、主基板31からのコマンド等の制御信号に応じて制御を行なう回路が形成された基板(たとえば、演出制御基板80等)をいう。
以上のように、遊技店員等は、クリアスイッチをオン状態してクリア信号が出力される状態にしながらパチンコ遊技機1に対する電力供給を開始する(たとえば電源スイッチをオンする)ことによって、容易に初期化処理を実行させることができる。すなわち、RAMクリア等を行なうことができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、各乱数回路503a,503bを初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S15)。具体的には、前述したように、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバを用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。この場合、CPU56は、乱数回路設定プログラムにしたがって処理を実行することによって、各乱数回路503a,503bにR1の値を更新させるための設定を行なう。さらに、前述したユーザによる数値データの更新範囲の選択設定機能、数値データの更新規則の選択設定機能、および、数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能のそれぞれの設定が、S15により行なわれる。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、所定時間(たとえば2msec)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(S16)。すなわち、初期値としてたとえば2msecに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2msecごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、表示用乱数更新処理(S18)を繰返し実行する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして(S17)、表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする(S19)。なお、表示用乱数とは、特別図柄および飾り図柄の変動表示の制御のために用いる所定の乱数(R3〜R5,R7)であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。具体的に、表示用乱数更新処理では、前述のR3〜R5,R7の値が更新される。なお、本実施形態において、2msec毎の割込処理が実行された後次回の割込処理が実行されるまでの割込待ち処理余り時間に、S18の表示用乱数更新処理が繰返し行なわれることとなる。
なお、表示用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、S18の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、S18の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
次に、遊技制御処理について説明する。図19は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、図18のS17〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理において遊技制御処理を実行する。このタイマ割込処理は、たとえば2msec毎に1回実行される。
タイマ割込処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(S101)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S102)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。各スイッチタイマは、各タイマの値が所定値以上となったとき、すなわち、各スイッチが所定時間継続してオン状態となったときに、各スイッチが正常にオン状態となったと判断するために用いられる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、S15の乱数回路設定処理において所定の最終値までカウント値が更新されたときに初期値を更新する旨の設定がされているかを確認し、乱数回路503に入力する初期値を更新する処理を行なう(初期値更新処理:S103)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技制御に用いる乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(乱数更新処理:S104)。具体的に、S104における乱数更新処理では、前述のR2〜R7の値が更新される。
初期値更新処理および乱数更新処理を行なうと、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503においてカウント値の順列を変更させるカウント値順列変更処理を行なう(S105)。この実施の形態では、乱数回路設定処理でカウント値順列変更フラグがセットされているか否かによって、カウント値順列変更処理を実行するか否かが決定されている。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、カウント値順列変更フラグがセットされていることに基づいて、カウント値順列変更処理を実行する。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセス処理を行なう(S106)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じて特別図柄表示器8および特別可変入賞球装置20等を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行なう(S107)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動に同期する飾り図柄に関するコマンドを含む各種演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行なう(飾り図柄コマンド制御処理:S108)。なお、飾り図柄の変動が特別図柄の変動に同期するとは、変動時間(変動表示期間)が同じであることを意味する。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、および、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行なう(S109)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する(S110)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等がオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す賞球個数信号等の払出指令信号を出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ(図示省略)は、賞球個数を示す賞球個数信号の受信に応じて球払出装置97を駆動する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数の増減をチェックし、始動入賞があって保留記憶数が増加した場合、および、変動表示が開始されて保留記憶数が減少した場合などの、保留記憶数が変化した場合に、保留記憶数を特定可能な保留記憶数コマンドを送信する記憶処理を実行する(S111)。また、パチンコ遊技機1の制御状態をパチンコ遊技機1外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(S112)。さらに、所定の条件が成立したときに出力回路59に各種ソレノイドについての駆動指令を行なうソレノイド出力処理(S113)を実行する。可変入賞球装置15、特別可変入賞球装置20を開状態または閉状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を切換えたりするために、出力回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21,21Aを駆動する。
次に、特別図柄表示制御処理が行なわれる(S114)。特別図柄表示制御処理では、特別図柄表示器8の表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。また、普通図柄表示制御処理が行なわれる(S115)。普通図柄表示制御処理では、普通図柄表示器10の表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。その後、割込許可状態に設定する(S116)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は定期的(たとえば2msごと)に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はフラグがセットされたことに基づいてメイン処理において実行されるようにしてもよい。また、S102〜S115の処理(S109およびS112を除く)が、遊技の進行を制御する遊技制御処理に相当する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、タイマ割込処理を実行した回数をカウントする処理を実行する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、タイマ割込処理を実行するごとに、タイマ割込処理を実行した回数を示す割込回数カウンタをカウントアップする。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、S113においてソレノイド出力処理を完了すると、タイマ割込処理を実行した回数を示す割込回数カウンタの値を1加算する。この割込回数カウンタは、たとえば、乱数回路503から乱数値を読出す条件が成立したか否かを判断するために用いられる。
また、たとえば、タイマ割込処理では、遊技制御処理のうちスイッチ処理(S102)、飾り図柄コマンド制御処理(S108)、および、割込回数カウント処理(前述したタイマ割込処理を実行した回数をカウントする処理)のみを実行するようにし、遊技制御処理のうちの他の処理をメイン処理において実行するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、メイン処理におけるS17からS19までのループ処理において、遊技制御処理のうち、S103からS107、および、S110からS116(S112を除く)の処理を実行する(前述の割込回数カウント処理は含まない)。
また、CPU56は、タイマ割込処理において、前述のように割込回数をカウントした後に、タイマ割込回数が所定回数(たとえば、3回)に達したことを検出すると、乱数回路503から乱数値を読出す条件が成立したと判断し、乱数値の読出し条件が成立した旨を示す乱数読出フラグをセットする。CPU56は、メイン処理において、特別図柄プロセス処理(S106)における後述の始動口スイッチ通過処理(S132)の実行の際に、乱数読出フラグがセットされているか否かを判断し、乱数読出フラグがセットされていると判断すると、乱数回路503に出力制御信号を出力し、更新されているR1の値を読出す。そして、CPU56は、メイン処理において、特別図柄プロセス処理(S106)における後述の特別図柄通常処理(S140)の実行の際に、読出した乱数値に基づいて大当りとするか否かを決定することとなる。これは、同じ値の乱数値を続けて読出さないために行なう。
次に、メイン処理における特別図柄プロセス処理(S106)を説明する。図20は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(S131)、始動口スイッチ通過処理(S132)を行なった後に、内部状態に応じて、S140〜S147のうちのいずれかの処理を行なう。
S132の始動口スイッチ通過処理では、始動口スイッチ14aがオンしたとき(具体的には、始動口スイッチ14aに対応して設けられているスイッチタイマの値が所定値以上になったと判定されたとき)に、RAM55の保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)が上限値に達しているかどうか確認し、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が最大値に達していなければ、前述した乱数読出フラグがセットされているか否かの判定を行ない、セットされていれば、保留記憶数を示す保留記憶カウンタのカウント値を1増やす。そして、乱数回路503からR1の数値データ、大当り種類・大当り図柄決定用のランダムカウンタR2からR2の数値データをそれぞれ抽出し、それらを保留記憶バッファの抽出順番に対応する(保留記憶カウンタの値に対応する)保存領域に格納する処理が実行される。ここで乱数回路503からのR1の数値データの抽出は、乱数回路503に出力制御信号を入力し、乱数回路503で更新された乱数値として記憶されているR1の数値データを読出すことにより行なわれる。このように始動口スイッチ14aがオンし、かつ、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)が上限値に達していないときに、数値データを抽出する条件が成立し、変動表示を実行するための条件、すなわち、変動表示の始動条件が成立することとなる。
特別図柄通常処理(S140):特別図柄の変動表示を実行開始できる状態(たとえば、特別図柄表示器8において図柄の変動がなされておらず、特別図柄表示器8における前回の図柄変動が終了してから所定期間が経過しており、かつ、大当り遊技中でもない状態)になるのを待つ。特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、変動表示の実行条件(開始条件)が成立し、特別図柄についての保留記憶カウンタのカウント値を確認することにより保留記憶数を確認する。そして、保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、特別図柄表示器8の変動表示の結果、大当りとするか否かを判定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、特別図柄プロセスフラグをS141に移行するように更新する。
特別図柄停止図柄設定処理(S141):大当りとなるときには、前述の大当り種類・大当り図柄決定用のR2の抽出値に基づいて大当りの種類および大当り図柄を決定する。はずれとなるときには、前述のはずれ図柄決定用のR3の抽出値に基づいてはずれ図柄を決定する。また、大当りとなるときには、変動表示装置9での飾り図柄の変動表示に関する所定の情報(再抽選表示に関する情報)を決定する処理(飾り図柄情報決定処理)が行なわれ、導出表示する飾り図柄の情報を指定する図柄情報コマンドがセットされる。ここでセットされた図柄情報コマンドは、図19のS108において演出制御基板80に対して出力される。そして、特別図柄プロセスフラグをS142に移行するように更新する。
変動パターン設定処理(S142):大当り判定およびリーチ判定等の所定の判定結果に基づいて、変動パターンデータテーブルを選択するともに、変動パターン決定用のランダムカウンタR4の値を抽出し、R4の値に応じて変動パターンデータテーブルに設定された複数種類の変動パターンの中から、実行する変動パターンを選択決定することにより、特別図柄表示器8および変動表示装置9での変動表示の変動パターンを選択決定する。
また、選択決定された変動パターンに基づいて、特別図柄表示器8での変動表示について、変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を特別図柄プロセスタイマにセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。また、特別図柄の変動表示を開始させるための駆動信号がセットされる。ここでセットされた駆動信号は、図19のS114において出力される。また、飾り図柄の変動表示時間の長さの情報を含む変動パターンを指令するコマンドである変動パターンコマンドがセットされる。ここでセットされた変動パターンコマンドは、図19のS108において演出制御基板80に対して出力される。そして、特別図柄プロセスフラグをS143に移行するように更新する。
特別図柄変動処理(S143):変動パターン設定処理で選択決定された変動パターンでの変動表示時間が経過(S142でセットされた特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、特別図柄プロセスフラグをS144に移行するように更新する。
特別図柄停止処理(S144):特別図柄表示器8および変動表示装置9のそれぞれにおいて変動表示される図柄が停止されるように制御する。具体的には、特別図柄を停止する駆動信号がセットされる。ここでセットされた駆動信号は、図19のS114において出力される。そして、飾り図柄を停止させるための図柄停止コマンドがセットされる。ここでセットされた図柄停止コマンドは、図19のS108において演出制御基板80に対して出力される。そして、大当りフラグがセットされている場合には、特別図柄プロセスフラグをS145に移行するように更新する。そうでない場合には、特別図柄プロセスフラグをS140に移行するように更新する。
大入賞口開放前処理(S145):特別図柄プロセスタイマに大入賞口開放中処理の実行時間を設定する等、大当り遊技状態の制御に関するデータを設定し、特別図柄プロセスフラグをS146に移行するように更新する。より具体的には、S145では、大当り遊技状態における継続可能なラウンド回数の上限値の設定、大入賞口の開放時間の上限値の設定、および、各ラウンド間のインターバル期間の設定等の大当り遊技状態の制御に必要となるデータの設定を行なう。また、大当り開始コマンドを演出制御基板80に送信するための処理を行なう。
大入賞口開放中処理(S146):大当り遊技状態中の各ラウンドの開始条件の成立を確認して大入賞口を開放する各ラウンドの開始時処理を行なうとともに、ラウンド開始コマンド等の各ラウンドについての表示を行なうための演出制御コマンドを演出制御基板80に送信するための処理を行なう。そして、各ラウンド中は、大入賞口への入賞個数の管理等のラウンド中処理を行なう。その後、大当り遊技状態中の各ラウンドの終了条件の成立を確認し、終了条件が成立したら、大当り遊技状態の継続条件の成立を確認する処理を行なうとともに、ラウンド終了コマンドを演出制御基板80に送信するための処理を行なう。そして、継続条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、次のラウンドに移行させる。また、大当り遊技状態の継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合、すなわち、大当り遊技状態が終了するときには、前述したエンディング表示コマンドを送信するための処理を行なう。そして、特別図柄プロセスフラグをS147に移行するように更新する。
大当り終了処理(S147):大当り遊技状態が終了するときの表示制御として、前述のようなエンディング表示を演出制御用マイクロコンピュータ800にさせるための制御を行なう。そして、特別図柄プロセスフラグをS140に移行するように更新する。
図21は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S140)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄通常処理において、以下のような処理を行なう。
まず、保留記憶カウンタの値を確認し、保留記憶数が「0」であるか否かを判別する(S31)。なお、特別図柄通常処理は、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ、大当り遊技中でもない場合に実行される。保留記憶数が0であれば、リターンする。
一方、保留記憶数が0でなければ、保留記憶数が、所定数(たとえば、「3」)以上であるか否かを判断する(S31a)。保留記憶数が、所定数以上ではないと判断されたときは、後述するS32に進む。一方、保留記憶数が、所定数以上であると判断されたときは、時短フラグがセットされているか否かを判断する(S31b)。時短フラグがセットされていないと判断したときは、保留記憶数が多くなったときに特別図柄の変動表示時間を短縮する制御として行なわれる記憶変動短縮制御を行なうために用いられるフラグである記憶変動短縮フラグをセットし(S31c)、後述するS32に進む。一方、時短フラグがセットされていると判断したときは、時短状態であるので、記憶変動短縮制御を行なわないように、そのままS32に進む。このように記憶変動短縮フラグがセットされたときには、S142の変動パターン設定処理において変動表示時間が短縮された変動パターンが選択される。これにより、時短状態ではない状態において、保留記憶数が所定数以上となったときには、特別図柄の変動表示時間が短縮されることにより、保留記憶数が早期に消化できるようにすることができる。
S32では、RAM55の保留記憶バッファにおける保留記憶数=1に対応する保留記憶バッファに格納されている各乱数(数値データ)を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(S32)、保留記憶数の値を1減らし(保留記憶カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S33)。すなわち、RAM55の保留記憶バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、変動表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数が抽出された順番を特定することができる。
次に、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(R1の抽出データ)を読出し(S34)、大当り判定処理を実行する(S35)。大当り判定処理においては、次のような処理を行なう。まず、確変フラグがセットされているか否かを判別する。確変フラグがセットされているとき(確変状態となるときに、後述する図29の特別遊技処理においてセットされる)には、大当り判定に用いる大当り判定値に確変時大当り判定値として予め定められている複数の値を設定し、確変フラグがセットされていないときには、大当り判定に用いる大当り判定値に非確変時大当り判定値として予め定められている1つの値を設定する。そして、S34で読出した大当り判定用乱数と大当り判定値とを比較し、大当り判定用乱数と大当り判定値とが一致するときに大当りとする決定を行ない、これらが一致しないときに大当りとせず、はずれとする決定を行なう。
大当り判定処理の結果、大当りとすることに決定した場合には(S36においてY)、大当りフラグをセットする(S37)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理(S141)に対応した値に更新し(S38)、リターンする。
図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理(S141)を示すフローチャートである。特別図柄停止図柄設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、以下のような処理を行なう。
まず、大当りフラグがセットされているか否かを判別する(S41)。大当りフラグがセットされていないときにはR3から乱数を抽出し、その抽出値に基づいて特別図柄のはずれ図柄を決定する(S46)。すなわち、R3から抽出した乱数に基づいて、はずれ図柄である「0」の図柄および「2,4,6,8」の偶数の図柄のうちから表示結果として導出表示する特別図柄を決定する。そして、S47に進む。
一方、大当りフラグがセットされているときには、始動入賞時にR2から抽出し、S32により読出したR2の抽出値に基づいて、通常大当りと確変大当りとのうちのどの種類の大当りにするかという大当り種類の決定と、大当り図柄の決定とを行なう(S42)。そして、S42の判定において確変大当りとする決定がされたか否かを判断する(S43)。確変大当りとする決定がされたときには、変動表示部で行なわれる変動表示について確変大当りとする決定がされた旨を示す確変大当りフラグをセットし(S44)、S45に進む。一方、確変大当りとしない決定がされたときには、そのままS45に進む。
S45では、飾り図柄の変動表示に関する所定の情報を決定する処理である飾り図柄情報決定処理が実行され、S47に進む。この飾り図柄情報決定処理では、たとえば、再抽選表示を行なうか否かの判定が行なわれるとともに、再抽選表示として、大当り中再抽選表示のみの実行と、大当り中再抽選表示および大当り終了時再抽選表示の両方の実行とのどちらを選択するのかの判定が行なわれる。そして、再抽選表示を行なうときには、再抽選を実行することを示すフラグとして、判定結果に応じて、大当り中再抽選表示のみを実行することを示す大当り中再抽選フラグと、大当り中再抽選表示および大当り終了時再抽選表示の両方を実行することを示す大当り終了時再抽選フラグとのいずれかがセットされる。飾り図柄情報決定処理の詳細については、図23を用いて後述する。
S47では、送信する図柄情報コマンドを選択する処理が行なわれる。S47では、具体的に、次のように図柄情報コマンドを選択する。S46によりはずれ図柄が決定されたとき、すなわち、大当りフラグがセットされていないときにおいて、前述の時短フラグまたは記憶変動短縮フラグがセットされていないときには図柄情報コマンドとして前述のはずれ・時短なし指定のコマンドを選択し、前述の時短フラグまたは記憶変動短縮フラグがセットされているときには図柄情報コマンドとして前述のはずれ・時短あり指定のコマンドを選択する。
一方、大当りフラグがセットされているときには、次のように図柄情報コマンドを選択する。前述の確変大当りフラグがセットされず、大当り終了時再抽選フラグがセットされ、かつ、前述の時短フラグまたは記憶変動短縮フラグがセットされていないときには、通常大当り・時短なし・大当り終了時再抽選後成上がりなし指定コマンドを選択する。また、前述の確変大当りフラグがセットされず、大当り終了時再抽選フラグがセットされ、かつ、前述の時短フラグまたは記憶変動短縮フラグがセットされているときには、通常大当り・時短あり・大当り終了時再抽選後成上がりなし指定コマンドを選択する。
また、確変大当りフラグがセットされ、どちらの再抽選フラグもセットされず、かつ、前述の時短フラグまたは記憶変動短縮フラグがセットされていないときには、確変大当り・時短なし・再抽選なし指定コマンドを選択する。また、確変大当りフラグがセットされ、どちらの再抽選フラグもセットされず、かつ、前述の時短フラグまたは記憶変動短縮フラグがセットされているときには、確変大当り・時短あり・再抽選なし指定コマンドを選択する。
また、確変大当りフラグがセットされ、大当り中再抽選フラグがセットされ、かつ、前述の時短フラグまたは記憶変動短縮フラグがセットされていないときには、確変大当り・時短なし・大当り中再抽選後成上がりあり指定コマンドを選択する。また、確変大当りフラグがセットされ、大当り中再抽選フラグがセットされ、かつ、前述の時短フラグまたは記憶変動短縮フラグがセットされているときには、確変大当り・時短あり・大当り中再抽選後成上がりあり指定コマンドを選択する。
また、確変大当りフラグがセットされており、大当り終了時再抽選フラグがセットされ、かつ、前述の時短フラグまたは記憶変動短縮フラグがセットされていないときには、確変大当り・時短なし・大当り終了時再抽選後成上がりあり指定コマンドを選択する。また、確変大当りフラグがセットされており、大当り終了時再抽選フラグがセットされ、かつ、前述の時短フラグまたは記憶変動短縮フラグがセットされているときには、確変大当り・時短あり・大当り終了時再抽選後成上がりあり指定コマンドを選択する。
次に、S47により選択された図柄情報コマンドを示すデータを、変動パターンコマンドの送信後に送信するために、RAM55に設けられた図柄情報コマンド記憶領域に記憶させる(S48)。このように図柄情報コマンドが記憶されると、後述する図24に示すように、変動パターンコマンドが送信された後に送信される。このように記憶された図柄情報コマンドを示すデータは、当該図柄情報コマンドを送信するための設定がされた後にクリアされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S142)に対応した値に更新し(S49)、リターンする。
図23は、特別図柄停止図柄設定処理における飾り図柄情報決定処理(S45)を示すフローチャートである。飾り図柄情報決定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、以下のような処理を行なう。
まず、確変大当りフラグがセットされているか否かを判断することにより、変動表示について確変大当りとする決定がされているか否かを判断する(S51)。確変大当りとする決定がされていないと判断されたときは、通常大当りとする決定がされているときであり、後述するS55に進む。一方、確変大当りとする決定がされていると判断されたときは、R7から数値データを抽出し、その抽出値に基づいて、前述のように再抽選表示選択テーブルを用いて、再抽選表示を行なうか否かの判定を行なうとともに、再抽選表示を行なうときには、再抽選表示として、大当り中再抽選表示のみの実行と、大当り中再抽選表示および大当り終了時再抽選表示の両方の実行とのどちらを選択するかの判定を行なう(S52)。なお、本実施の形態の場合は、通常大当りとなるときに、大当り中再抽選表示が実行される場合には、必ず、大当り終了時再抽選表示も実行される。そして、再抽選表示をしない旨の決定がされたときには、リターンする。一方、再抽選表示をする旨の決定がされたときには、後述するS54に進む。
S54では、大当り終了時に再抽選表示をする必要があるか否かが判断される。具体的に、S52で大当り終了時に再抽選表示をすることが決定されているときには、大当り中および大当り終了時に再抽選表示を行なう必要があるためS55に進む。S55では、大当り終了時再抽選フラグをセットし、リターンする。これにより、通常大当りとなったときと、確変大当りとなったときに再抽選表示を行なう場合において大当り終了時に再抽選表示をすることが決定されたときとには、大当り中および大当り終了時に再抽選表示を行なうことが示される。一方、S54で大当り終了時に再抽選表示をする必要がないと判断されたときは、大当り中のみに再抽選表示をするときであるので、大当り中再抽選フラグをセットし(S56)、リターンする。これにより、確変大当りとなったときに再抽選表示を行なう場合に、大当り終了時に再抽選表示をしないことが決定されたときとにおいては、大当り中にのみ再抽選表示を行なうことが示される。
図24は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S142)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターン設定処理において、以下のような処理を行なう。
まず、S37でセットされる大当りフラグがセットされているか否かを判断することにより、変動表示について大当りとする決定がされているか否かを判断する(S61)。大当りとする決定がされていないと判断されたときは、後述するS65に進む。一方、大当りとする決定がされていると判断されたときは、前述の時短フラグまたは記憶変動短縮フラグがセットされているか否かを判断する(S62)。
時短フラグまたは記憶変動短縮フラグがセットされていないと判断されたときは、通常時間変動を行なう状態であるので、変動パターンを決定するために用いるデータテーブルとして、通常時間変動パターンデータテーブルのうち、大当りの種類に応じた変動パターンデータテーブルを選択し(S63)、後述するS69aに進む。一方、時短フラグまたは記憶変動短縮フラグがセットされていると判断されたときは、短縮時間変動を行なう状態であるので、変動パターンを決定するために用いるデータテーブルとして、短縮時間変動パターンデータテーブルのうち、大当りの種類に応じた変動パターンデータテーブルを選択し(S64)、後述する69aに進む。
また、S65に進んだときは、変動表示結果をはずれとすることが決定されているので、R5から乱数を抽出し、その抽出値に基づいて前述のようなリーチ判定をする。この場合のリーチ判定結果は、リーチフラグ等のデータにより保存される。そして、時短フラグまたは記憶変動短縮フラグがセットされているか否かを判断する(S66)。
S66で時短フラグまたは記憶変動短縮フラグがセットされていないと判断されたときは、通常時間変動を行なう状態であるので、変動パターンを決定するために用いるデータテーブルとして、通常時間変動パターンデータテーブルのうち、S65によるリーチ判定の判定結果に基づくリーチの有無に応じて、非リーチはずれ決定時データテーブルと、リーチはずれ決定時データテーブルとのいずれかを選択し(S67)、後述するS69aに進む。一方、S66で時短フラグまたは記憶変動短縮フラグがセットされていると判断されたときは、短縮時間変動を行なう状態であるので、変動パターンを決定するために用いるデータテーブルとして、短縮時間変動パターンデータテーブルのうち、S65によるリーチ判定の判定結果に基づくリーチの有無に応じて、非リーチはずれ決定時データテーブルと、リーチはずれ決定時データテーブルとのいずれかを選択し(S68)、後述するS69aに進む。
S69aでは、前述の記憶変動短縮フラグがセットされているか否かが判断される。記憶変動短縮フラグがセットされていると判断されたときは、記憶変動短縮フラグをリセットし(S69b)、S70に進む。一方、記憶変動短縮フラグがセットされていないと判断されたときは、そのままS70に進む。これにより、記憶変動短縮状態にするか否かは、変動表示が行なわれるごとに判断されることとなる。
S70では、R4から乱数を抽出し、その抽出値に基づいて、S63,S64,S67,S68により選択された変動パターンデータテーブルを用いて変動パターンを選択する。そして、特別図柄表示器8において、特別図柄の変動表示を開始させるための処理を行なう(S71)。具体的には、特別図柄表示器8で特別図柄の変動表示を開始させる駆動信号がセットされ、その駆動信号が図19のS114で出力される。そして、S72により選択された変動パターンに対応する変動パターンコマンドを送信するための設定(コマンドのセット)を行なう(S72)。このように変動パターンコマンドが設定されると、図19のS108において変動パターンコマンドが出力される。その後、前述のS48により記憶されたデータが示す図柄情報コマンドを送信するための設定(コマンドのセット)を行なう(S73)。このような図柄情報コマンドを送信するための設定が行なわれると、S48により記憶されたデータがクリアされる。このように図柄情報コマンドが設定されると、変動パターンコマンドが出力された後に、図19のS108において図柄情報コマンドが出力される。
そして、選択決定された変動パターンに基づいて、特別図柄表示器8において変動表示時間を特別図柄プロセスタイマにセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる(S74)。特別図柄プロセスタイマは、変動表示時間を管理するために用いられるタイマである。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動処理(S143)に対応した値に更新し(S75)、リターンする。
図25は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S144)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、次のような処理を行なう。
まず、特別図柄の変動表示を停止させるための処理を行なう(S80)。具体的には、特別図柄表示器8で変動表示を行なっている特別図柄の変動表示を停止させる駆動信号がセットされ、その駆動信号が図19のS114で出力される。これにより、特別図柄が前述のように決定された停止図柄で停止表示される。さらに、図柄停止コマンドを送信するための設定(コマンドのセット)を行なう(S81)。図柄停止コマンドは、変動表示装置9における飾り図柄の変動表示を停止させる旨を指定(特定)するコマンドである。S81でセットされた図柄停止コマンドは、図19のS108において演出制御基板80に送信される。演出制御用マイクロコンピュータ800は、図柄停止コマンドを受信すると、変動表示装置9における飾り図柄の変動表示を停止して表示結果を導出表示させる制御を実行する。
次に、時短フラグがセットされているか否かを判断する(S82)。時短フラグがセットされていないとき、すなわち、時短状態でないときには、後述するS86に進む。一方、時短フラグがリセットされているとき、すなわち、時短状態であるときには、時短カウンタから「1」を減算する(S83)。ここで、時短カウンタとは、時短状態の継続期間を管理するために用いられる計数手段である。時短カウンタは、図29を用いて後述する特別遊技処理において所定数(たとえば、100回)にセットされ、特別図柄および飾り図柄の変動表示が1回行なわれるごとにS83により1ずつ減算更新される。
次に、時短カウンタの値が「0」になっているか否かを判断する(S84)。時短カウンタの値が「0」になっていないときには、後述するS86に進む。一方、時短カウンタの値が「0」になっているときには、時短状態の終了条件が成立したので、時短状態を終了させるために、時短フラグをリセットし(S85)、S86に進む。
S86では、大当りフラグがセットされているか否かを確認する。S86で大当りフラグがセットされているときには、大当りが開始されることを示す大当り開始コマンドを送信するための設定(コマンドのセット)をする(S87)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S145)に対応した値に更新し(S88)、リターンする。S87でセットされた大当り開始コマンドは、図19のS108により演出制御基板80に送信される。演出制御用マイクロコンピュータ800は、大当り開始コマンドを受信すると、変動表示装置9で受信した大当り開始コマンドに応じた表示制御を行なう。
また、S86で大当りフラグがセットされていないときには、変動表示結果がはずれとなるときであるので、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S140)に対応した値に更新し(S89)、リターンする。
図26は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(S145)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、次のような処理を行なう。
まず、大当り遊技状態は、特別可変入賞球装置20が15回開放するときであるので、特別可変入賞球装置20の開放回数のデータを15回に設定し(S91)、各ラウンドにおける大入賞口の開放時間の上限値データを30秒に設定する(S92)。これにより、大入賞口開放中処理において実行される開放回数が15回となり、各ラウンドにおける開放時間の最大時間が30秒間となる。そして、前述した開放回数および開放時間の上限値の他に、大当り遊技状態の制御に必要となるデータを設定する(S93)。一例として、大当り遊技状態における各開放状態(ラウンド)間のインターバル期間は、S93により設定される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(S146)に対応した値に更新し(S94)、リターンする。
図27は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(S146)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、次のような処理を行なう。
まず、大当り遊技状態での最終ラウンドに至る途中で継続条件が成立せずにラウンドが終了したこと、または、大当り遊技状態での最終ラウンドが終了したことに基づいて、大当り遊技状態の終了時であるか否かを判断する(S151)。大当り遊技状態の終了時であると判断されたときは、後述するS160に進む。一方、大当り遊技状態の終了時ではないと判断されたときは、各ラウンドの開始条件の成立時であるか否かを判断する(S152)。
S152では、たとえば、大当り遊技状態の開始時からの時間が定められた第1ラウンドの開始タイミングとなったとき、または、ラウンドごとに時間が予め定められているラウンド間のインターバル期間が終了するタイミングとなったときのように、各ラウンドの予め定められた開始タイミングとなったときに、各ラウンドの開始条件が成立したと判断する。
各ラウンドの開始条件の成立時ではないと判断したときは、後述するS155に進む。一方、各ラウンドの開始条件の成立時であると判断したときは、大入賞口を開放する等の各ラウンドの開始時に行なう処理を実行する(S153)。そして、各ラウンドのラウンド開始コマンド(たとえば、第3ラウンドであれば、第3ラウンドのラウンド開始コマンド)を送信するための設定(コマンドのセット)を行なう(S154)。このようにラウンド開始コマンドが設定されると、図19のS108においてラウンド開始コマンドが出力される。S154の後、S155に進む。
この実施の形態の場合には、第6ラウンドと第7ラウンドとの間のインターバル期間において前述のような大当り中再抽選表示が行なわれるときがある。大当り中再抽選表示は、第6ラウンドと第7ラウンドとの間のインターバル期間中に実行可能な表示時間に設定されている。
S155では、各ラウンドにおけるラウンド開始時およびラウンド終了時以外の状態であるラウンド中の状態であるか否かを判断する。ラウンド中の状態であれば、たとえば、ラウンド中における大入賞口への入賞個数の計数等の各ラウンド中に行なう処理を実行し(S156)、S157に進む。一方、ラウンド中の状態でなければ、そのままS157に進む。
S157では、各ラウンドの終了条件の成立時であるか否かを判断する。S157においては、たとえば、前述したようなラウンド中における大入賞口への所定個数(10個)の入賞があったとき、または、前述した大入賞口開放前処理において設定した大入賞口開放時間の上限値が経過したときのうちのいずれか早い方の条件が成立したときのように、ラウンドの予め定められた終了タイミングとなったときに、各ラウンドの終了条件が成立したと判断する。
S157では、各ラウンドの終了条件の成立時ではないと判断したときは、リターンする。一方、各ラウンドの終了条件の成立時であると判断したときは、大入賞口を閉塞し、大当り遊技状態を次のラウンドに継続させるための条件が成立したか否かを確認する等の各ラウンドの終了時に行なう処理を実行する(S158)。そして、各ラウンドのラウンド終了コマンド(たとえば、第3ラウンドであれば、第3ラウンドのラウンド終了コマンド)を送信するための設定(コマンドのセット)を行なう(S159)。ここでセットされたラウンド終了コマンドは、図19のS108において演出制御基板80に対して出力される。
前述のように、S151で大当り遊技状態の終了時であると判断されたときは、大当り遊技状態終了時に行なわれるエンディング表示の内容を指定するエンディング表示コマンドを送信するための設定(コマンドのセット)を行なう(S160)。具体的に、大当り終了時再抽選フラグがセットされ、かつ、確変大当りフラグがセットされていないときには、再抽選後確変成上がりなし表示指定コマンドを送信するための設定をする。また、大当り終了時再抽選フラグがセットされ、かつ、確変大当りフラグがセットされているときには、再抽選後確変成上がりあり表示指定コマンドを送信するための設定をする。また、大当り終了時再抽選フラグがセットされておらず、確変大当りフラグがセットされていないときには、大当り遊技状態の終了時に再抽選表示が行なわれない確変大当りの大当り遊技状態の終了時であるため、大当り通常終了表示指定コマンドを送信するための設定をする。S160でセットされたエンディング表示コマンドは、図19のS108において演出制御基板80に対して出力される。
次に、大当り終了時再抽選フラグがセットされているか否かを判断することに基づいて、大当り終了時再抽選表示を行なうか否かを判断する(S161)。大当り終了時再抽選表示を行なうと判断されたときには、エンディング表示としての大当り終了表示を管理するためのタイマである大当り終了タイマに大当り終了時再抽選表示が行なわれるときの予め定められた時間をセットすることにより大当り終了タイマをスタートさせ(S162)、大当り終了時再抽選表示に対応して行なう大当り終了表示を開始させる(S163)。ここで、大当り終了時再抽選表示を行なうときに大当り終了タイマにセットされる時間は、大当り通常終了表示を行なうときに大当り終了タイマにセットされる時間と同じ時間に設定されている。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(S147)に対応した値に更新し(S166)、リターンする。
また、S161により大当り終了時再抽選表示を行なわないと判断されたときには、大当り終了タイマに大当り通常終了表示が行なわれるときの予め定められた時間をセットすることにより大当り終了タイマをスタートさせ(S164)、大当り通常終了表示に対応して行なう大当り終了表示を開始させる(S165)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(S147)に対応した値に更新し(S166)、リターンする。
図28は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S147)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、次のような処理を行なう。
まず、前述のように時間がセットされた大当り終了タイマを減算更新する(S171)。そして、大当り終了タイマがタイムアウト(値が「0」となったこと)したか否かを判断する(S172)。大当り終了タイマがタイムアウトしていないと判断されたときは、リターンする。これにより、大当り終了タイマは、大当り終了処理が実行されるごとに減算更新されることによりエンディング表示の計時を行なう。一方、大当り終了タイマがタイムアウトしたときには、特別遊技状態としての確変状態および時短状態を管理する処理である特別遊技処理を行なう(S173)。特別遊技処理の処理内容については、図29を用いて後述する。
そして、S37でセットされた大当りフラグおよびS44でセットされた確変大当りフラグのような大当りに関連するフラグをリセットし(S174)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S140)に対応した値に更新し(S175)、リターンする。
図29は、大当り遊技終了処理における特別遊技処理(S173)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別遊技処理において、以下のような処理を行なう。
まず、確変大当りフラグがセットされているか否かを判断する(S181)。確変大当りフラグがセットされていると判断したときは、後述するS185に進む。一方、通常大当りフラグがセットされていないと判断したときは、確変フラグをリセット状態にする(S182)とともに、時短フラグをリセット状態にする(S183)。ここで、リセット状態にするということは、フラグの状態がセット状態にあるときにフラグの状態をリセット状態に変更することと、フラグの状態がリセット状態にあるときにフラグの状態をリセット状態で保持することとの両方の意味を含み、結果としてリセット状態にすることを示す。このリセット状態にするということの意味は、特別遊技処理についての以下の説明にも同様に適用する。また、以下の説明において用いるセット状態にするということの意味も、同様に、フラグの状態がリセット状態にあるときにフラグの状態をセット状態に変更することと、フラグの状態がセット状態にあるときにフラグの状態をセット状態で保持することとの両方の意味を含む。そして、時短カウンタに「0」をセットし(S604)、リターンする。これにより、通常大当り遊技状態の終了後は、確変状態に制御されず、時短状態にも制御されない低確低ベース状態となる。
S181で確変大当りフラグがセットされていると判断したときには、確変フラグをセット状態にする(S185)とともに、時短フラグをセット状態にする(S186)。そして、時短カウンタの値を「100」とし(S187)、リターンする。これにより、確変大当りとなったときには、大当り遊技状態の終了後に、確変状態および時短状態に制御される高確高ベース状態となる。その時短状態は、時短カウンタの値を「100」に設定されることにより、変動表示が100回行なわれるまでの期間継続することが可能となる。時短状態のみが終了すると、高確低ベース状態となる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ800の動作を説明する。図30は、演出制御用マイクロコンピュータ800が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S201)。初期化処理が終了すると、演出制御用マイクロコンピュータ800は、タイマ割込フラグの監視を行なう(S202)。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ800は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグの値として「1」をセットする。S202において、タイマ割込フラグの値として「1」がセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ800は、タイマ割込フラグの値をクリアし(S203)、以下の演出制御処理を実行する。
タイマ割込は、たとえば33msecごとに発生する。すなわち、演出制御処理は、たとえば33msecごとに起動される。また、この実施の形態におけるタイマ割込処理では、タイマ割込フラグの値として「1」をセットする処理のみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
演出制御処理においては、まず、電源断信号が出力されたか否かを監視する電源断処理を実行する(S204)。次に、受信した演出制御コマンドを解析するコマンド解析処理を実行する(S205)。次いで、演出制御プロセス処理を行なう(S206)。演出制御プロセス処理の内容については、図32を用いて後述する。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応したプロセスを選択して変動表示装置9の表示制御、各種ランプの発光制御、および、スピーカ27による音の制御を含む演出制御を実行する。
次に、所定のランダムカウンタを更新する乱数更新処理を実行する(S207)。乱数更新処理においては、たとえば、飾り図柄のはずれ図柄決定用のランダムカウンタRU−1〜RU−3、および、演出内容決定用のランダムカウンタRV等の各種ランダムカウンタが更新される。その後、S202のタイマ割込フラグの確認を行なう処理に戻る。主基板31からの演出制御用のINT信号は、演出制御用マイクロコンピュータ800の割込端子に入力されている。たとえば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、演出制御用マイクロコンピュータ800においてINT割込が発生する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ800は、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、演出制御用マイクロコンピュータ800は、受信した演出制御コマンドデータを、RAM85に設けられたコマンド受信バッファに格納する。
次に、図30のS205によるコマンド解析処理を説明する。図31は、コマンド解析処理を示すフローチャートである。コマンド解析処理においては、コマンド受信バッファに受信コマンドがあるか否かを判断し(S211)、受信コマンドがないときには、リターンする。一方、受信コマンドがあるときには、受信コマンドを読出す(S212)。ここで読出されたコマンドのデータは、コマンド受信バッファにおいて消去される。
そして、S212で読出した受信コマンドが前述の変動パターンコマンドであるか否かを判断する(S213)。変動パターンコマンドであるときには、変動パターンコマンドが示す変動パターンの情報を、RAM85に設けられた変動パターン情報格納エリアに格納する(S214)。そして、受信したコマンドに対応して、受信したコマンドを特定可能な受信フラグである変動パターン受信フラグをセットし(S215)、S211に戻る。なお、変動パターン受信フラグが、受信した変動パターンコマンドを特定可能であるので、変動パターンコマンドフラグに基づいて、そのコマンドの内容を特定可能とする場合には、前述のS214は設けなくてもよい。
そして、読出した受信コマンドが前述の変動パターンコマンドでないときには、受信コマンドが図柄情報コマンドであるか否かを判断する(S216)。受信コマンドが図柄情報コマンドであるときには、図柄情報コマンドが示すはずれ、通常大当り、確変大当り等の図柄情報のデータをRAM85に設けられた図柄情報格納エリアに格納する(S217)。次に、受信した図柄情報コマンドが大当りに関する情報を示すときには、図柄情報コマンドが示す大当りについての情報(通常大当りであるか確変大当りであるかの情報)をRAM85に設けられた大当り情報格納エリアに格納する(S218)。そして、受信したコマンドに対応して、受信したコマンドを特定可能な受信フラグである図柄情報受信フラグをセットする(S219)。そして、受信した図柄情報コマンドが示す時短についての情報(時短状態であるか時短状態でないか)をRAM85に設けられた時短情報格納エリアに格納する(S220)。さらに、受信した図柄情報コマンドが示す再抽選表示についての情報(再抽選の有無、再抽選の種類、成上がりの有無等の情報)をRAM85に設けられた再抽選情報格納エリアに格納し(S221)、S211に戻る。
なお、図柄情報受信フラグが、受信した図柄情報コマンドを特定可能であるので、受信した図柄情報コマンドに基づいて、そのコマンドの内容を特定可能とする場合には、前述のS217,S218,S220,S221は設けなくてもよい。逆に、S217,S218,S220,S221により格納された情報に基づいて、受信した図柄情報コマンドの種類を特定可能とする場合には、S219は設けなくてもよい。
また、読出した受信コマンドが前述の保留記憶数コマンドであるか否かを判断する(S222)。保留記憶数コマンドであるときには、受信した保留記憶数コマンドが示す保留記憶数の情報を、RAM85に設けられた保留記憶数情報格納エリアに格納する(S223)。そして、受信したコマンドに対応して、受信したコマンドを特定可能な受信フラグである保留記憶数コマンド受信フラグをセットし(S224)、S211に戻る。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ800では、保留記憶数が増減するごとに保留記憶数を把握することができる。
また、読出した受信コマンドが前述の大当り開始コマンドであるか否かを判断する(S225)。大当り開始コマンドであるときには、受信したコマンドに対応して、受信したコマンドを特定可能な受信フラグである大当り開始コマンド受信フラグをセットする(S226)。そして、受信した大当り開始コマンドが示す大当りについての情報(通常大当りであるか確変大当りであるかの情報)をRAM85に設けられた大当り情報格納エリアに、前述のS218とは別に格納する(S227)。次に、受信した大当り開始コマンドが示す再抽選表示についての情報(再抽選の有無、再抽選の種類、成上がりの有無等の情報)をRAM85に設けられた再抽選情報格納エリアに、前述のS221とは別に格納し(S228)、S211に戻る。
また、読出した受信コマンドが前述のラウンド開始コマンドであるか否かを判断する(S229)。ラウンド開始コマンドであるときには、受信したコマンドに対応して、受信したコマンドを特定可能な受信フラグであるラウンド開始コマンド受信フラグをセットし(S230)、S211に戻る。また、読出した受信コマンドが前述のラウンド終了コマンドであるか否かを判断する(S231)。ラウンド終了コマンドであるときには、受信したコマンドに対応して、受信したコマンドを特定可能な受信フラグであるラウンド終了コマンド受信フラグをセットし(S232)、S211に戻る。
また、読出した受信コマンドが前述のエンディング表示コマンドであるか否かを判断する(S233)。エンディング表示コマンドであるときには、エンディング表示コマンドが示すエンディング表示の種類、大当りの種類、および、再抽選表示に関する情報であるエンディング情報を、RAM85に設けられたエンディング情報格納エリアに格納する(S234)。そして、受信したコマンドに対応して、受信したコマンドを特定可能な受信フラグであるエンディング表示コマンド受信フラグをセットし(S235)、S211に戻る。なお、エンディング表示コマンド受信フラグが、受信したエンディング表示コマンドを特定可能であるので、受信したエンディング表示コマンドに基づいて、そのコマンドの内容を特定可能とする場合には、前述のS234は設けなくてもよい。逆に、S234により格納された情報に基づいて、受信したエンディング表示コマンドの種類を特定可能とする場合には、S235は設けなくてもよい。
また、前述のS233において受信コマンドがエンディング表示コマンドではないと判断されたとき(前述したコマンド以外のその他のコマンドであるとき)には、その他の受信コマンドがいかなるコマンドか判断し、受信コマンドに対応したコマンド受信フラグをセットし(S236)、S211に戻る。すなわち、S236は、前述した変動パターンコマンド、図柄情報コマンド、保留記憶数コマンド、大当り開始コマンド、ラウンド開始コマンド、ラウンド終了コマンド、および、エンディング表示コマンド以外の各種コマンドの受信に対応した処理をまとめて示したものである。
次に、図30のS206による演出制御プロセス処理について説明する。図32は、演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御プロセスフラグの値に応じてS400〜S406のうちのいずれかの処理を実行する。各処理において、以下のような処理が実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S400):変動パターンコマンドを受信したか否かを確認し、変動パターンコマンドが受信されたことを確認したときには、演出制御プロセスフラグの値をS401に応じた値に更新する。
図柄変動開始処理(S401):飾り図柄の変動表示について、はずれ図柄の組合せ、および、大当り遊技前の変動表示結果としての大当り図柄の組合せ等の変動表示における飾り図柄の表示結果を決定するとともに、再抽選表示を行なうときには再抽選表示の表示結果を決定する。そして、変動パターンコマンドに基づいて、画像表示可能な変動パターンとして複数予め定められている飾り図柄の変動パターンから、実際に変動表示装置9での変動表示に使用する変動パターンを決定する。また、決定した変動パターンに応じて変動表示時間を設定し、変動表示装置9における飾り図柄(左,中,右図柄)の変動を開始させる。その後、演出制御プロセスフラグの値をS402に応じた値に更新する。図柄変動開始処理の内容については、図34を用いて後述する。
図柄変動中処理(S402):変動表示装置9での変動表示の変動パターンを構成する各変動状態(変動速度等)の切替えタイミングを制御するとともに、設定された変動時間の終了を監視する。そして、設定された変動時間が終了したときに、たとえば、飾り図柄の左,中,右図柄を仮停止させ、表示結果が確定せずに図柄が揺れている揺れ変動状態とする制御を行なう。その後、演出制御プロセスフラグの値をS403に応じた値に更新する。図柄変動中処理の内容については、図37を用いて後述する。
図柄停止待ち処理(S403):変動パターンに対応する変動表示時間が経過して飾り図柄の全図柄停止を指示する図柄停止コマンドを受信していたら、変動表示装置9での飾り図柄の変動表示を停止(たとえば、前述の揺れ変動状態を停止)し、変動表示結果としての停止図柄を導出表示する制御を行なう。その後、変動表示装置9での飾り図柄の停止図柄が大当り表示結果となるときは、演出制御プロセスフラグの値をS404に応じた値に更新し、変動表示装置9での飾り図柄の停止図柄がはずれ表示結果となるときは、演出制御プロセスフラグの値をS400に応じた値に更新する。図柄停止待ち処理の内容については、図39を用いて後述する。
大当り表示処理(S404):変動表示装置9での飾り図柄の変動表示の終了後、大当り遊技状態となるときに、大当り開始時における表示を行なう。その後、演出制御プロセスフラグの値をS405に応じた値に更新する。
大当り遊技中処理(S405):大当り遊技状態中における演出を行なう表示である大当り遊技中演出の表示をする制御を行なう。たとえば、大当り遊技状態における各ラウンド中の各種演出、および、各ラウンド間のインターバル期間中の各種演出等の大当り遊技状態中における演出をするための表示が実行される。そして、大当り遊技中処理が終了すると、演出制御プロセスフラグの値をS406に応じた値に更新する。大当り遊技中処理の内容については、図41を用いて後述する。
大当り遊技終了処理(S406):大当り遊技状態を終了させるときの演出としてのエンディング表示を行なう。その後、演出制御プロセスフラグの値をS400に応じた値に更新する。
図33は、図32のS400による変動パターンコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理においては、次のような処理が行なわれる。
変動パターンコマンド受信待ち処理では、まず、変動パターンコマンドを受信したときにセットされる受信フラグについて、いずれかの受信フラグがセットされているか否かを判断することにより、変動パターンコマンドを受信したか否かを判断する(S241)。変動パターンコマンドを受信したと判断されたときは、演出制御プロセスフラグの値を図柄変動開始処理(S401)に対応した値に更新し(S243)、リターンする。これにより、変動パターンコマンドを受信したときには、演出制御プロセスが、図柄変動開始処理のプロセスに移行し、変動表示が開始されることとなる。
また、前述のS241で変動パターンコマンドを受信していないと判断したときは、図柄情報コマンドを受信したときにセットされる受信フラグについて、いずれかの受信フラグがセットされているか否かを判断することにより、図柄情報コマンドを受信したか否かを判断する(S242)。図柄情報コマンドを受信したと判断されたときは、演出制御プロセスフラグの値を図柄変動開始処理(S401)に対応した値に更新し(S243)、リターンする。これにより、変動パターンコマンドを受信できなかったときであっても、図柄情報コマンドを受信したときには、演出制御プロセスが、図柄変動開始処理のプロセスに移行し、変動表示が開始されることとなる。一方、前述のS242で図柄情報コマンドを受信していないと判断したときは、演出制御プロセスフラグの値を変更せずにリターンする。その場合には、演出制御プロセスが、変動パターンコマンド受信待ち処理のプロセスを維持し、変動表示が開始されない。
次に、図32のS401による図柄変動開始処理について説明する。図34は、図32の図柄変動開始処理(S401)を示すフローチャートである。図柄変動開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ800は、次のような処理を行なう。
まず、飾り図柄の変動表示結果(はずれ図柄の組合せ、および、大当り図柄の組合せ)を選択決定する処理である図柄決定処理を行なう(S251)。図柄決定処理の処理内容については、図35を用いて後述する。そして、図柄決定処理において決定した図柄のデータをRAM85に設けられた図柄データ格納エリアに格納する(S252)。
次に、受信した変動パターンコマンドに対応した変動パターンでの変動表示を行なうためのデータを設定する変動パターン決定処理を行なう(S253)。具体的に、S253では、受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン等の変動パターンを選択決定し、その変動パターンでの変動表示に用いられるデータが選択されて設定されることにより、変動パターンが決定される。変動パターン決定処理については、図36を用いて後述する。
そして、S253で設定された変動パターンに対応する変動表示時間が、変動表示装置9での変動表示時間を計時するための変動時間タイマにセットされ、変動時間タイマによる変動表示時間の計時がスタートさせられる(S234)。そして、S253で設定された変動パターンで、変動表示装置9において表示結果を導出表示するための飾り図柄の変動表示を開始する(S255)。具体的に、S255では、後述するように選択して設定されたプロセステーブルにおける最初の演出制御実行データに対応したプロセスタイマをスタートさせ、最初の演出制御実行データの内容にしたがって、演出表示装置9において、S253で設定された変動パターンでの飾り図柄の変動表示の制御を開始させ、その変動表示にしたがって、各種ランプおよびスピーカ27の制御を開始させる等、演出制御を開始させる。たとえば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDPに制御信号を出力し、各種ランプの点灯/消灯制御を行なわせるためにランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力し、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力することにより、演出制御が開始される。そして演出制御プロセスフラグを図柄変動中処理(S402)に対応した値に更新し(S256)、リターンする。
図35は、図柄変動開始処理における図柄決定処理(S251)を示すフローチャートである。
図柄決定処理においては、まず、図柄情報コマンド受信フラグがセットされているか否かに基づいて、図柄情報コマンドを受信したか否かを判断する(S500)。変動パターンコマンドと図柄情報コマンドとの送信間隔によっては、正常に図柄情報コマンドが送信されたにもかかわらずS500において図柄情報コマンドを受信していないと判断される場合がある。そこで、S500は、変動パターンコマンドと図柄情報コマンドとの送信間隔と同程度の時間が経過した後に実行されるようにすることが望ましい。S500は、たとえば、図33のS241により変動パターンコマンドを受信したと判断したときからタイマにより経過時間を計時し、S500の実行前にその計時値が変動パターンコマンドと図柄情報コマンドとの送信間隔と同程度に予め定められた時間に達したか否かを判断してその時間に達したと判断されるまでリターンする処理を実行し、その時間に達したと判断されたときにS500に進むようにする。
S500により図柄情報コマンドを受信していないと判断したときは、後述するS508に進む。一方、S500により図柄情報コマンドを受信していると判断したときは、受信した演出制御コマンドに応じて行なう変動表示の表示結果を大当り図柄の組合せとするか否かを判断する(S501)。具体的には、図柄情報コマンドとして、はずれを指定するコマンドを受信したときに、大当り図柄の組合せとしないと判断し、通常大当りまたは確変大当りを指定するコマンドを受信したときに、大当り図柄の組合せとすると判断する。
大当り図柄の組合せとしないと判断したときは、変動表示の表示結果として、はずれ図柄の組合せをランダムに決定し(S502)、リターンする。S502では、次のようにはずれ図柄の組合せを決定する。
まず、RU−1〜3の値を抽出する。変動パターンコマンドとしてリーチはずれとなる変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信したときには、RU−1の値とリーチ図柄との関係が予め定められたリーチ図柄決定用データテーブルを用いて、RU−1の抽出値から対応するリーチ図柄を選択し、そのリーチ図柄の組合せを左,右図柄の停止図柄の組合せ(リーチ図柄)として決定する。そして、予め定められたRU−2と中図柄との関係が予め定められた中図柄決定用データテーブルを用いて、RU−2の抽出値から対応する中図柄を選択する。ただし、RU−2の抽出値に対応する中図柄がリーチ図柄と一致するときには、リーチ図柄と一致しないように中図柄を変更する補正を行なう。また、変動パターンコマンドとして非リーチはずれとなる変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信したときには、RU−1の値と左図柄との関係が予め定められた左図柄決定用データテーブル、前述の中図柄決定用データテーブル、および、RU−3の値と右図柄との関係が予め定められた右図柄決定用データテーブルを用いて、RU−1〜3のそれぞれの抽出値から、対応する飾り図柄を選択し、その飾り図柄の組合せを飾り図柄の停止図柄の組合せとして決定する。ただし、RU−1〜3のそれぞれの抽出値に対応する飾り図柄の組合せが一致するときには、一致しないように中図柄を変更する補正を行なう。
また、S501の判断により大当り図柄の組合せとするときには、確変大当りとするか否かを判断する(S503)。具体的に、S503では、確変大当りを指定する図柄情報コマンドを受信したときに、確変大当りとすると判断する。確変大当りとすると判断したときには、後述するS505に進む。一方、確変大当りとしないと判断したときには、大当り遊技状態となる前の変動表示結果として、通常大当り図柄の組合せをランダムに決定し(S504)、リターンする。
具体的に、S504では、次のように通常大当り図柄の組合せを決定する。まず、RU−2の値を抽出する。そして、RU−2の値と通常大当り図柄(0,偶数の飾り図柄)との関係が予め定められた通常大当り図柄決定用データテーブルとを用いて、RU−2の抽出値から、対応する通常大当り図柄を選択し、その通常大当り図柄の組合せを飾り図柄の停止図柄の組合せとして決定する。
また、確変大当り図柄の組合せとすると判断してS505に進んだときは、前述のように格納された再抽選情報に基づいて、図柄情報コマンドにより、大当り中再抽選表示後成上がりありの指定があったか否かを判断する。
S505で大当り中再抽選表示後成上がりありの指定があったと判断したときには、大当り中再抽選表示において通常大当りから確変大当りに成上がる演出を行なう必要があるので、S504に進み、大当り遊技状態となる前の変動表示結果として、通常大当り図柄の組合せをランダムに決定し(S504)、リターンする。そして、大当り中再抽選表示の表示結果を、確変大当りに成上がることを示す表示結果に決定する。
一方、S505で大当り中再抽選表示成上がりありの指定がなかったと判断したときには、図柄情報コマンドにより、大当り終了時再抽選表示後成上がりありの指定があったか否かを判断する(S506)。大当り終了時再抽選表示後成上がりありの指定があったと判断したときには、大当り終了時再抽選表示において通常大当りから確変大当りに成上がる演出を行なう必要があるので、S504に進み、大当り遊技状態となる前の変動表示結果として、通常大当り図柄の組合せをランダムに決定し(S504)、リターンする。
S506で大当り終了時再抽選表示後成上がりありの指定がなかったと判断したときには、大当り中再抽選表示と大当り終了時再抽選表示とのいずれも行なわれないときであり、変動表示結果により確変大当りとなることを示す必要があるので、大当り遊技状態となる前の変動表示結果として、確変大当り図柄の組合せをランダムに決定し(S507)、リターンする。具体的に、S507では、次のように確変大当り図柄の組合せを決定する。まず、RU−1の値を抽出する。そして、RU−1の値と確変大当り図柄(奇数の飾り図柄)との関係が予め定められた確変大当り図柄決定用データテーブルを用いて、RU−1の抽出値から対応する確変大当り図柄を選択し、その確変大当り図柄の組合せを飾り図柄の停止図柄の組合せとして決定する。
また、前述のS500により図柄情報コマンドを受信していないと判断されたときには、S508〜S512,S502,S504,S507により、図柄情報コマンドに代わり、変動パターンコマンドに基づいて変動表示結果が決定される。このように変動パターンコマンドに基づいて変動表示結果を決定することが可能であるのは、前述のように、変動パターンコマンドに、通常大当り時専用のコマンド、確変大当り時専用のコマンド、および、はずれ時専用のコマンドが含まれており、受信した変動パターンコマンドの種類を判別することにより、変動表示結果の種類を特定することが可能であるためである。
S508に進んだときには、受信した変動パターンコマンドが前述のような確変大当り専用のコマンドであるか否かが判断される(S508)。S508で確変大当り専用のコマンドであると判断したときは、確変大当りとなると判断し、前述のS507に進み、大当り遊技状態となる前の変動表示結果として、確変大当り図柄の組合せをランダムに決定してリターンする。一方、S508で確変大当り専用のコマンドではないと判断したときは、受信した変動パターンコマンドが前述のような通常大当り専用のコマンドであるか否かが判断される(S509)。
S509で通常大当り専用のコマンドであると判断したときは、通常大当りとなると判断し、前述のS504に進み、大当り遊技状態となる前の変動表示結果として、通常大当り図柄の組合せをランダムに決定してリターンする。一方、S509で通常大当り専用のコマンドではないと判断したときは、受信した変動パターンコマンドが前述のようなはずれ指定用のコマンドであるか否かが判断される(S510)。
S510ではずれ指定用のコマンドであると判断したときは、はずれとなると判断し、前述のS502に進み、前述のようにはずれ図柄の組合せをランダムに決定してリターンする。一方、S510ではずれ指定用のコマンドではないと判断したときは、受信した変動パターンコマンドが前述のような確変大当りと通常大当りとで兼用の変動パターンコマンドであるか否かが判断される(S511)。
S511で兼用のコマンドであると判断したときは、通常大当りとなるか確変大当りとなるかを判断できない。しかし、後に送信される大当り開始コマンドおよびエンディング表示コマンドのそれぞれが、図10に示すように、確変大当りであるか否かを示すので、これらコマンドのうちのどちらかを正常に受信することができれば、再抽選表示において通常大当りから確変大当りへの成上がり演出を行なうことにより、確変大当りであることを報知することが可能である。したがって、前述のような兼用のコマンドを受信したときには、大当り開始コマンドまたはエンディング表示コマンドが示す大当りの種類に関する情報に基づいて成上がり演出をすることが可能となるように、大当り遊技状態となる前の変動表示結果として、通常大当り図柄の組合せを仮に決定する。このため、S511で兼用のコマンドであると判断したときは、S512により、図柄を仮決定したことを示すフラグである図柄仮決定フラグをセットした後、前述のS504に進み、大当り遊技状態となる前の変動表示結果として、通常大当り図柄の組合せをランダムに決定してリターンする。
図36は、図柄変動開始処理における変動パターン決定処理(S253)を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理においては、まず、いずれかの変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否かに基づいて、変動パターンコマンドを受信したか否かを判断する(S331)。変動パターンコマンドを受信したと判断したときは、受信した変動パターンコマンドに対応した変動パターンでの変動表示を行なうためのプロセスデータ等のデータを設定し(S332)、後述するS339に進む。具体的に、S332では、受信した変動パターンコマンドに対応する変動パターンでの変動表示に用いられるデータとしてのプロセスデータが設定されたプロセステーブルが選択されて設定されることにより、変動パターンのデータが設定される。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ(これらのデータをまとめて演出制御実行データと呼ぶ)の組合せとが複数集まったデータで構成されているデータテーブルである。また、S332では、図11の(a),(b)に示すような10秒〜25秒の変動表示時間で実行される通常時間変動時における一般変動パターン、または、5秒〜10秒の変動表示時間で実行される短縮時間変動時における一般変動パターンでの変動表示を行なうためのデータが選択されて設定される。一般変動パターンの場合は、図11の(a),(b)に示すように、変動時間タイマのタイマ値が一般変動パターン用のタイマ値T1に設定され、監視タイマのタイマ値が、一般変動パターン用のタイマ値T2に設定される。一方、変動パターンコマンドを受信していないと判断したときは、S333に進む。
S333では、前述したように格納された時短情報に基づいて、時短状態であるか否かを判断する(S333)。S333により時短状態であると判断したときは、前述した図13〜図16に示したような特殊変動パターンであって、複数種類設けられた短縮時間変動用の特殊変動パターンのうちから1つの特殊変動パターンをランダムに選択し(S334)、後述するS337に進む。具体的に、ROM84には、複数種類の短縮時間変動用の特殊変動パターンの種類とRVの抽出値との対応関係が示された短縮時間変動用特殊変動パターン選択テーブルが記憶されている。S334では、演出内容決定用のランダムカウンタRVの値を抽出し、短縮時間変動用特殊変動パターン選択テーブルを用いて、そのランダムカウンタRVの抽出値に対応する特殊変動パターンを選択する。たとえば、S334では、図11の(d)に示す短縮時間変動時の第1の特殊変動パターンまたは第2の特殊変動パターンのような特殊変動パターンがランダムに選択される。
S333により時短状態ではないと判断したときは、保留記憶数が前述の記憶変動短縮状態とするときの設定値である所定数(3個)以上であるか否かを判断する(S335)。
S335により保留記憶数が所定数以上であると判断したときは、S334に進み、前述のように、複数種類設けられた短縮時間変動用の特殊変動パターンのうちから1つの特殊変動パターンを選択する。これにより、確変状態であるときと、記憶変動短縮状態であるときとにおいては、それぞれ短縮時間変動用の特殊変動パターンが選択される。一方、S335により保留記憶数が所定数以上ではないと判断したときは、確変状態でもなく、記憶変動短縮状態でもないときであり、前述した図13〜図16に示したような特殊変動パターンであって、複数種類設けられた通常時間変動用の特殊変動パターンのうちから1つの特殊変動パターンをランダムに選択し(S336)、S337に進む。具体的に、ROM84には、複数種類の通常時間変動用の特殊変動パターンの種類とRVの抽出値との対応関係が示された通常時間変動用特殊変動パターン選択テーブルが記憶されている。S336では、演出内容決定用のランダムカウンタRVの値を抽出し、通常時間変動用特殊変動パターン選択テーブルを用いて、そのランダムカウンタRVの抽出値に対応する特殊変動パターンを選択する。たとえば、S336では、図11の(c)に示す通常時間変動時の第1の特殊変動パターンまたは第2の特殊変動パターンのような特殊変動パターンがランダムに選択される。
S337では、S334またはS336により選択された特殊変動パターンでの変動表示を行なうためのプロセスデータ等のデータを設定する。具体的に、S337では、選択された特殊変動パターンでの変動表示に用いられるデータとしてのプロセスデータが設定された前述のようなプロセステーブルが選択されて設定されることにより、変動パターンのデータが設定される。また、S337では、図11の(c)に示すような10秒〜25秒(最長26秒)の変動表示時間で実行される通常時間変動時における一般変動パターン、または、図11の(d)に示すような5秒〜10秒(最長11秒)の変動表示時間で実行される短縮時間変動時における一般変動パターンでの変動表示を行なうためのデータが選択されて設定される。特殊変動パターンの場合は、図11の(c),(d)に示すように、変動時間タイマのタイマ値が特殊変動パターン用のタイマ値T3(通常時間変動の選択時は8秒、短縮時間変動の選択時は3秒)に設定され、監視タイマのタイマ値が、特殊変動パターン用のタイマ値T4(通常時間変動の選択時は18秒、短縮時間変動の選択時は8秒)に設定される。そして、変動表示が行なわれるときの変動パターンとして特殊変動パターンが選択されたことを示すフラグである特殊変動パターンフラグをセットし(S338)、S339に進む。
S339では、S332またはS337により設定された変動パターンに対応する変動時間タイマのタイマ値を、変動パターンと変動時間タイマのタイマ値との関係を示すデータとしてROM84に記憶された変動時間タイマデータテーブルから選択し、リターンする。
図37は、図32の図柄変動中処理(S402)を示すフローチャートである。図柄変動中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ800は、次のような処理を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ800は、図36のS255により変動表示等の演出が開始された後、次に示すようなS261〜S263の処理を繰返し行なうことにより、プロセスデータテーブルのデータを参照して、予め定められたプロセスおよび演出制御実行データの実行順序にしたがって、各プロセスタイマに設定されている時間に亘り、対応する演出制御実行データにしたがって演出制御を実行していく。
まず、前述の変動時間タイマと、前述のプロセスタイマとをそれぞれ更新する(S261)。そして、プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し(S262)、タイムアウトしていれば演出制御実行データの切替えを行ない(S263)、S264に進む。タイムアウトしていなければ、そのままS264に進む。S261〜S263が実行されることにより、プロセスデータテーブルに設定されたプロセスデータに基づいて、時間の経過に応じてプロセスタイマが更新され、更新中のプロセスタイマがタイムアウトすると、S263により演出制御実行データが順次切替えられることにより、変動表示制御、ランプ制御、および、音制御を含む演出制御が進行する。具体的には、プロセスタイマの進行にしたがって、演出制御実行データが順次切替えられることにより、演出制御実行データにしたがって変動表示の状態、各種ランプの状態、および、音の出力状態が順次切替えられていくことにより、変動表示を主体とした演出制御が進行していくのである。したがって、プロセスタイマの進行にしたがって、図11および図13〜図16に示す一般変動パターンおよび特殊変動パターンのような変動パターンにおいて、一般変動表示および特殊変動表示のような変動表示が進行する。
そして、変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを判断する(S264)。変動時間タイマがタイムアウトしていなければ、リターンする。これにより、変動時間タイマがタイムアウトするまで、プロセスタイマの進行にしたがって変動表示が進行する。具体的に、図11の(a),(b)のような一般変動パターンでは、変動パターンコマンドにより特定される変動表示時間、すなわち、通常時間変動時には10秒〜25秒の間、短縮時間変動時には5秒〜10秒の間において、プロセスタイマの進行にしたがって変動表示が進行する。また、図11の(c),(d)のような特殊変動パターンでは、予め定められた変動表示時間、すなわち、通常時間変動時には8秒間、短縮時間変動時には3秒間において、プロセスタイマの進行にしたがって変動表示が進行する。一方、変動時間タイマがタイムアウトしていれば、図柄停止コマンドの受信期間を監視するための監視タイマをセットすることにより、監視タイマによる計時が開始させる。監視タイマとしては、図11により説明したように、(a),(b)のような一般変動パターンのときに用いられる一般変動パターン用の監視タイマと、前述の特殊変動パターンのときに用いられる特殊変動パターン用の監視タイマとが使い分けられる。具体的に、S264により変動時間タイマがタイムアウトしていれば、実行中の変動表示が特殊変動パターンであるか否かを判断するために、前述の特殊変動パターンフラグがセットされているか否かを判断する(S265)。S265で特殊変動パターンフラグがセットされていないときには、一般変動パターン用の監視タイマをセットすることにより、一般変動パターン用の監視タイマによる計時を開始させ(S266)、S268に進む。具体的に、S266では、一般変動パターン用の監視タイマのタイマ値T2として、図11(a),(b)に示すような1秒というタイマ値がセットされる。
一方、S265で特殊変動パターンフラグがセットされていないときには、実行中の変動表示が通常時間変動表示と短縮時間変動表示とのどちらであるかに応じて、時間が異なる特殊変動パターン用の監視タイマをセットすることにより、特殊変動パターン用の監視タイマによる計時を開始させ(S267)、S268に進む。具体的に、実行中の変動表示が通常時間変動表示のときには、特殊変動パターン用の監視タイマのタイマ値T4として、図11(c)に示すような18秒という通常時間変動時用のタイマ値がセットされる。一方、実行中の変動表示が短縮時間変動表示のときには、特殊変動パターン用の監視タイマのタイマ値T4として、図11(d)に示すような8秒という短縮時間変動時用のタイマ値がセットされる。
S268では、演出制御プロセスフラグを図柄停止待ち処理(S403)に対応した値に更新し(S266)、リターンする。
図38は、図32の図柄停止待ち処理(S403)を示すフローチャートである。図柄停止待ち処理において、演出制御用マイクロコンピュータ800は、次のような処理を行なう。
まず、前述の図柄停止コマンドが受信されたか否かをコマンド受信フラグに基づいて判断する(S271)。図柄停止コマンドが受信されたと判断したときは、変動結果を導出表示させるために、図柄決定処理により決定された変動表示結果となる停止図柄の組合せを停止表示させることにより表示結果を確定させる表示をさせ(S273)、後述するS274に進む。これにより、監視タイマがタイムアップするまでに図柄停止コマンドが受信されたときには、そのときに飾り図柄の変動表示結果が導出表示される。一方、S271により図柄停止コマンドが受信されていないと判断したときは、前述のように図柄変動中処理において計時を開始した監視タイマがタイムアウトしたか否かを判断する(S272)。前述のように、監視タイマは、飾り図柄の変動表示の終了タイミングを監視するためのタイマである。監視タイマがタイムアップするまでに図柄停止コマンドが受信されたときには、そのときに飾り図柄の変動表示を停止させて表示結果を導出表示させる。監視タイマがタイムアップしたときまでに図柄停止コマンドが受信されないときには、監視タイマがタイムアップしたときに、飾り図柄の変動表示を停止させて表示結果を導出表示させる。
監視タイマがタイムアウトしていないときには、リターンする。監視タイマがタイムアウトしていないときにおいては、監視タイマがタイムアウトするまで、図37の図柄変動中処理での演出制御において最後に用いられた演出制御実行データに基づいて、変動表示の状態、各種ランプの状態、および、音の出力状態が制御されることにより、変動表示を主体とした演出制御が進行する。これにより、図11の(a),(b)のような一般変動パターンでは、最長1秒間に亘り一般変動での変動表示が行なわれる。また、図11の(c)のような通常時間変動時の特殊変動パターンでは最長18秒間に亘り特殊変動での変動表示が行なわれる。また、図11の(d)のような短縮時間変動時の特殊変動パターンでは最長8秒間に亘り特殊変動での変動表示が行なわれる。一方、監視タイマがタイムアウトしているときには、変動結果を導出表示させるために、図柄決定処理により決定された変動表示結果となる停止図柄の組合せを停止表示させることにより表示結果を確定させる表示をさせ(S273)、後述するS274に進む。これにより、監視タイマがタイムアップしたときまでに図柄停止コマンドが受信されないときには、監視タイマがタイムアップしたときに、飾り図柄の変動表示結果が導出表示される。
S274では、前述のように大当り情報格納エリアに格納された大当り情報に基づいて、今回の変動表示の表示結果に基づいて大当りとするか否かを判断する。S274により大当りとすると判断したときは、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S404)に応じた値に更新する(S276)。一方、S275により大当りとしないと判断したときは、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S404)に応じた値に更新する(S275)。
図39は、図32の大当り表示処理(S404)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用マイクロコンピュータ800は、次のような処理を行なう。
大当り開始コマンドを受信した直後のタイミングであるか否かを判断することに基づいて、大当り遊技状態の開始タイミングであるか否かを判断する(S280)。大当り遊技状態の開始タイミングでないとき、すなわち、大当り遊技状態の開始タイミングよりも後のタイミングであるときは、後述するS282に進む。一方、大当り遊技状態の開始タイミングであるときは、大当り遊技状態が開始する旨を報知する表示である大当り開始表示を開始させ(S281)、リターンする。
また、前述のS280により大当り遊技状態の開始タイミングではない、すなわち、大当り遊技状態の開始タイミングよりも後のタイミングであると判断されたときは、第1ラウンドに対応したラウンド開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認することにより、大当り遊技状態のラウンド(第1ラウンド)の開始タイミングであるか否かを判断する(S282)。そして、ラウンドの開始タイミングではないと判断されたときは、大当り表示処理を継続するためにそのままリターンし、ラウンドの開始タイミングであると判断されたときは、大当り遊技中処理で各ラウンドにおける表示制御を行なうために、演出制御プロセスフラグを大当り遊技中処理(S405)に対応した値に更新し(S283)、リターンする。
図40は、図32の大当り遊技中処理(S405)を示すフローチャートである。大当り遊技中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ800は、次のような処理を行なう。
まず、大当り遊技状態の終了時であるか否かを判断する(S290)。具体的に、S290では、エンディング表示コマンド受信フラグがセットされているときに大当り遊技状態の終了時であると判断する。
大当り遊技状態の終了時であると判断されたときは、後述するS305に進む。一方、大当り遊技状態の終了時ではないと判断されたときは、大当り中再抽選表示の許容期間であるか否かを判断する(S291)。ここで、大当り中再抽選表示の許容期間とは、演出制御コマンドにより大当り中再抽選表示を実行することが指示されたときに、大当り遊技状態において、大当り中再抽選表示を実行する期間として許容された期間であり、たとえば、大当り遊技状態中における第6ラウンドと第7ラウンドとの間のランウンド間インターバル期間が該当する。S291では、第6ラウンドに対応したラウンド終了コマンド受信フラグがセットされたときから、第7ラウンドに対応したラウンド開始コマンド受信フラグがセットされたときまでの間において、大当り中再抽選表示の許容期間であると判断される。
大当り中再抽選表示の許容期間ではないと判断されたときは、前述のような大当り遊技中演出を実行し(S294)、リターンする。具体的に、S294では、大当り遊技状態における各ラウンド中の各種演出、および、各ラウンド間のインターバル期間中(大当り中再抽選表示が実行されるときの大当り中再抽選表示の許容期間を除く)の各種演出等の大当り遊技中における演出をするための表示が実行される。大当り遊技中演出の処理内容については、図41を用いて後述する。
一方、大当り中再抽選表示の許容期間であると判断されたときは、図柄情報コマンドを正しく受信できなかったことにより変動表示結果として通常大当り図柄の組合せが仮に決定されているか否かを判断するために、前述の図柄仮決定フラグがセットされているか否かを判断する(S292)。S292により図柄仮決定フラグがセットされていると判断したときは、後述するS295aに進む。一方、S292により図柄仮決定フラグがセットされていないと判断したときは、図柄情報コマンド、および、大当り開始コマンドのうち少なくとも1つのコマンドにより、大当り中再抽選表示を実行することが指定されているか否かを判断する(S293)。S293では、たとえば、コマンド解析処理において格納された再抽選表示情報に基づいて、大当り中再抽選表示の実行指定の有無を判断する。いずれのコマンドによっても大当り中再抽選表示を実行することが指定されていないと判断したときは、前述のS294に進み、大当り遊技中演出を実行する。これにより、大当り中再抽選表示を実行することが指定されていない大当り遊技状態中には、第6,第7ラウンド間のインターバル期間において、大当り中再抽選表示が実行されない。
一方、少なくとも1つのコマンドによって大当り中再抽選表示を実行することが指定されていると判断したときは、大当り中再抽選表示の開始タイミングであるか否か、すなわち、第6ラウンドに対応したラウンド終了コマンド受信フラグがセットされているか否かを判断する(S297)。大当り中再抽選表示の開始タイミングではないと判断したときは、後述するS303に進む。一方、大当り中再抽選表示の開始タイミングであると判断したときは、前述のS293で大当り中再抽選表示を実行することを指定していると判断されたコマンド(少なくとも1つのコマンド)により、大当り中再抽選表示後成上がりありが指定されているか否かを判断する(S298)。S298では、たとえば、コマンド解析処理において格納された再抽選表示情報に基づいて、大当り中再抽選表示での成上がりありの指定の有無を判断する。
S298で大当り中再抽選表示後成上がりありが指定されていないと判断したとき、すなわち、大当り終了時再抽選表示後成上がりなし、もしくは、大当り終了時再抽選表示後成上がりありが指定されていると判断したときは、大当り中再抽選表示を行なう時間を管理するために用いられる大当り中再抽選表示タイマに、大当り中再抽選表示を実行するときの時間として予め定められた再抽選表示時間をセットし、大当り中再抽選表示タイマの動作をスタートさせる(S299)。そして、確変大当りに成上がらない大当り中再抽選表示を開始させ(S300)、リターンする。これにより、セットされた再抽選表示時間に亘って、確変大当りに成上がらない大当り中再抽選表示が行なわれる。
一方、大当り中再抽選表示後成上がりありが指定されていると判断したときは、前述の大当り中再抽選表示タイマに、前述の再抽選表示時間をセットし、大当り中再抽選表示タイマの動作をスタートさせる(S301)。そして、確変大当りに成上がる大当り中再抽選表示を開始させ(S302)、リターンする。これにより、セットされた再抽選表示時間に亘って、確変大当りに成上がる大当り中再抽選表示が行なわれる。
また、前述のS297で大当り中再抽選表示の開始タイミングではないと判断して進むS303では、前述した大当り中再抽選表示タイマの値が更新される。これにより、大当り中再抽選表示の開始タイミング後、大当り遊技中処理が実行されるごとに、大当り中再抽選表示タイマの値が更新されていくこととなる。そして、大当り中再抽選表示タイマの値に基づいて、予め定められた大当り中再抽選表示の終了タイミング(大当り中再抽選表示タイマがタイムアウトしたタイミング)であるか否かを判断する(S304)。大当り中再抽選表示の終了タイミングであると判断したときには、前述のS294に進み、大当り遊技中演出を実行する。一方、大当り中再抽選表示の終了タイミングではないと判断したときには、リターンする。このように、S297で大当り中再抽選表示の開始タイミングではないと判断されたときは、大当り中再抽選表示が開始された後、その大当り中再抽選表示が終了するまでの表示制御が行なわれる。
このように、大当り中再抽選表示は、基本的に、図柄情報コマンド、および、大当り開始コマンドのうち少なくとも1つのコマンドにより、大当り中再抽選表示を実行することが指定されているときに実行される。これにより、たとえば、図柄情報コマンドを受信できなかったとき、または、図柄情報コマンドの受信後に電源断状態となったときであっても、大当り開始コマンドを受信したことに基づいて、大当り中再抽選表示を実行することができる。
また、前述のS292により図柄仮決定フラグがセットされていると判断したときは、前述のS297と同様に、大当り中再抽選表示の開始タイミングであるか否かを判断する(S295a)。S295aにより大当り中再抽選表示の開始タイミングではないと判断したときは、前述したS303に進む。一方、S295aにより大当り中再抽選表示の開始タイミングであると判断したときは、大当り遊技状態の開始に際して受信した大当り開始コマンドに基づいて格納された大当り情報に基づいて、受信した大当り開始コマンドが確変大当りであることを指定しているか否かを判断する(S295b)。
S295bにより、受信した大当り開始コマンドが確変大当りであることを指定していないと判断したとき、すなわち、通常大当りであることを指定しているときには、前述のS299に進み、S299とS300とを実行することにより、セットされた再抽選表示時間に亘って、確変大当りに成上がらない大当り中再抽選表示が開始される。一方、S295bにより、受信した大当り開始コマンドが確変大当りであることを指定していると判断したときは、終了時成上がり禁止フラグをセットする(S296)。ここで、終了時成上がり禁止フラグとは、大当り終了時再抽選表示において確変大当りへ成上がる表示を行なうことを禁止するときにセットされるフラグである。そして、前述のS301に進み、S301とS302とを実行することにより、セットされた再抽選表示時間に亘って、確変大当りに成上がる大当り中再抽選表示が開始される。
このように、図柄情報コマンドを正しく受信できなかったことにより変動表示結果として通常大当り図柄の組合せが仮に決定されているときにおいて、大当り開始コマンドにより確変大当りであることが指定されているときには、大当り開始コマンドが再抽選表示を実行することを示しているか否かに関わらず、確変大当りに成上がる大当り中再抽選表示が開始される。そして、このような確変大当りに成上がる大当り中再抽選表示が行なわれるときには、終了時成上がり禁止フラグがセットされることにより、エンディング表示コマンドにより確変大当りであることが指定されているときであっても、確変大当りに成上がる大当り終了時再抽選表示を行なうことが禁止される。これにより、図柄情報コマンドを正しく受信できなかったことにより変動表示結果として通常大当り図柄の組合せが仮に決定されているときにおいて、大当り中再抽選表示と大当り終了時再抽選表示とで重複して、確変大当りに成上がる表示が行なわれることが防がれる。
また、前述のS295aにより大当り中再抽選表示の開始タイミングではないと判断したときは、S303に進み、S303,S304が実行されることにより、S295aにより大当り中再抽選表示の開始タイミングであると判断されて、大当り中再抽選表示が開始された後、その大当り中再抽選表示が終了するまでの表示制御が行なわれる。
また、前述のS290で大当り遊技状態の終了時であると判断して進むS305では、図柄情報コマンドを正しく受信できなかったことにより変動パターンコマンドに基づいて仮の変動表示結果として通常大当り図柄の組合せが決定されているか否かを判断するために、前述の図柄仮決定フラグがセットされているか否かを判断する(S305)。
S305により図柄仮決定フラグがセットされていると判断したときは、後述するS309に進む。一方、S305により図柄仮決定フラグがセットされていないと判断したときは、図柄情報コマンド、大当り開始コマンド、および、エンディング表示コマンドのうち少なくとも1つのコマンドにより、大当り終了時再抽選表示を実行することが指定されているか否かを判断する(S306)。
S306では、たとえば、コマンド解析処理において格納された再抽選表示情報に基づいて、大当り終了時再抽選表示の実行指定の有無を判断する。大当り終了時再抽選表示を実行することが指定されていないと判断したときは、エンディング表示の時間を管理するために用いる終了表示タイマに、再抽選表示が行なわれない演出表示である大当り通常終了表示を実行するときの時間として予め定められた表示時間をセットすることにより終了表示タイマをスタートさせる(S307)。そして、大当り通常終了表示を開始させ(S308)、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技終了処理(S406)に対応した値に更新し(S318)、リターンする。これにより、再抽選表示が行なわれない大当り終了時再抽選表示が実行される。
一方、S306で大当り終了時再抽選表示を実行することが指定されていると判断したときは、前述のS306で大当り終了時再抽選表示を実行することを指定していると判断されたコマンド(少なくとも1つのコマンド)により、大当り終了時再抽選表示で成上がりありが指定されているか否かを判断する(S313)。S313では、たとえば、コマンド解析処理において格納された再抽選表示情報に基づいて、大当り終了時再抽選表示での成上がりありの指定の有無を判断する。
大当り終了時再抽選表示で成上がりありが指定されていると判断したときには、後述するS316に進む。一方、大当り終了時再抽選表示で成上がりありが指定されていないと判断したときには、前述の終了表示タイマに、大当り終了時再抽選表示を実行するときの時間として予め定められた再抽選表示時間を、をセットすることにより終了表示タイマをスタートさせる(S314)。そして、確変大当りに成上がらない大当り終了時再抽選表示を開始させ(S315)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り遊技終了処理(S406)に対応した値に更新し(S318)、リターンする。これにより、成上がりの表示をしない大当り終了時再抽選表示が実行される。ここで、S306,S308でセットされる再抽選表示の実行時間は、後述するS307でセットされる大当り通常終了表示の実行時間と同じ時間となるように設定されている。
一方、大当り終了時再抽選表示で成上がりありが指定されていると判断してS316に進んだときは、終了表示タイマに、大当り終了時再抽選表示を実行するときの時間として予め定められた再抽選表示時間(S306,S308でセットされる再抽選表示の実行時間と同じ時間)をセットすることにより終了表示タイマをスタートさせる(S316)。そして、確変大当りに成上がる大当り終了時再抽選表示を開始させ(S317)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り遊技終了処理(S406)に対応した値に更新し(S318)、リターンする。これにより、成上がりの表示をする大当り終了時再抽選表示が実行される。
このように、大当り終了時再抽選表示は、図柄情報コマンド、大当り開始コマンド、および、エンディング表示コマンドのうち少なくとも1つのコマンドにより、大当り終了時再抽選表示を実行することが指定されているときに実行される。これにより、たとえば、図柄情報コマンドを受信できなかったとき、または、図柄情報コマンドの受信後に電源断状態となったときであっても、大当り開始コマンドとエンディング表示コマンドとのうち少なくとも1つを受信したことに基づいて、大当り終了時再抽選表示を実行することができる。
また、前述のS305により図柄仮決定フラグがセットされていると判断してS309に進んだときは、その図柄仮決定フラグをリセットする(S309)。そして、前述の終了時成上がり禁止フラグがセットされているか否かを判断する(S310)。
S310により終了時成上がり禁止フラグがセットされていないと判断したときは、受信したエンディング表示コマンドに基づいて格納された大当り情報に基づいて、受信したエンディング表示コマンドが確変大当りであることを指定しているか否かを判断する(S311)。
S311により、受信したエンディング表示コマンドが確変大当りであることを指定していないと判断したとき、すなわち、通常大当りであることを指定しているときには、前述のS314に進み、S314とS315とを実行することにより、前述のような確変大当りに成上がらない大当り終了時再抽選表示が開始される。一方、S311により、受信したエンディング表示コマンドが確変大当りであることを指定していると判断したときは、前述のS316に進み、S316とS317とを実行することにより、前述のような確変大当りに成上がる大当り終了時再抽選表示が開始される。
また、前述のS310により終了時成上がり禁止フラグがセットされていると判断したときは、セットされている終了時成上がり禁止フラグをリセットし(S312)、前述のS307に進み、S307とS308とを実行することにより、前述のような大当り終了時再抽選表示が開始される。
このように、図柄情報コマンドを正しく受信できなかったことにより変動表示結果として通常大当り図柄の組合せが仮に決定されているときにおいて、エンディング表示コマンドにより確変大当りであることが指定されているときには、終了時成上がり禁止フラグがセットされていないことを条件として、エンディング表示コマンドが再抽選表示を実行することを示しているか否かに関わらず、確変大当りに成上がる大当り終了時再抽選表示が開始される。これにより、図柄情報コマンドを正しく受信できなかったことにより変動表示結果として通常大当り図柄の組合せが仮に決定されているときにおいては、基本に、大当り開始コマンドにより確変大当りであることが指定されているときに、大当り中再抽選表示において確変大当りに成上がる表示が行なわれるが、たとえば、大当り開始コマンド受信後に電源断状態となったときのように、大当り開始コマンドに基づいて確変大当りに成上がる表示が行なうことができなかったときには、エンディング表示コマンドにより確変大当りであることが指定されているときに、大当り終了時再抽選表示において、確変大当りに成上がる表示が行なわれることとなる。
図41は、大当り遊技中処理における大当り遊技中演出処理(S294)を示すフローチャートである。大当り遊技中演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ800は、次のような処理を行なう。
まず、各ラウンドに対応するラウンド開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判断することに基づいて、各ラウンドの開始時であるか否かを判断する(S601)。各ラウンドの開始時ではないと判断したときには、後述するS604に進む。一方、各ラウンドの開始時であると判断したときには、各ラウンドのラウンド数を示す表示をし(S602)、各ラウンド中を演出する表示を開始させ(S603)、S604に進む。
S604では、各ラウンドに対応するラウンド終了コマンド受信フラグがセットされているかを判断することに基づいて、各ラウンドの終了時であるか否かを判断する。各ラウンドの終了時ではないと判断したときには、リターンする。一方、各ラウンドの終了時であると判断したときには、受信したラウンド終了コマンドが示すラウンド数に基づいて、今回のラウンドが最終ラウンド(第15ラウンド)であるか否かを判断する(S605)。最終ラウンドではないと判断したときは、各ラウンド間を演出する表示を開始させ(S606)、リターンする。ここで、各ラウンド間を演出する表示がS606により開始されるが、前述したように、第6,第7ラウンド間において大当り中再抽選表示が行なわれるときは、図40のS292からS295aに進むか、または、S293からS297に進むことにより、大当り中再抽選表示が実行される。一方、最終ラウンドであると判断したときは、次のラウンドに進まないので、ラウンド間を演出する表示を開始させることなくリターンする。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態においては、図4に示す演出制御基板80、ランプドライバ基板35、および、音声出力基板70の代わりに、変動表示装置9を含む演出制御装置の制御(遊技の演出の制御)を行なう演出制御手段としては、たとえば音制御およびランプ制御のような表示制御以外の演出制御を行なう第1の演出制御用マイクロコンピュータと、変動表示装置9の表示制御を行なう第2の演出制御用マイクロコンピュータとを別の制御基板に設け、遊技制御用マイクロコンピュータが、第1の演出制御用マイクロコンピュータへ表示制御、音制御、および、ランプ制御を含む演出制御用のコマンドを与え、その演出制御用のコマンドに基づいて、第1の演出制御用マイクロコンピュータから第2の演出制御用マイクロコンピュータへ表示制御コマンドを与えるように構成し、表示制御、音制御、および、ランプ制御を含む演出制御を行なう構成について説明する。
図42は、第2実施形態による主基板31およびその他の制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。図42に関しては、図4と共通する部分について同一の参照番号を付し、重複した説明を避ける。
図42の構成が図4の構成と異なるのは、図4の演出制御基板80、ランプドライバ基板35、および、音声出力基板70の代わりに、音・ランプ制御基板70a、および、表示制御基板80aが設けられている点である。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、音・ランプ制御基板70aに表示制御、音制御、および、ランプ制御を含む演出制御(演出)を特定するための制御信号としての演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。第2実施形態において、遊技制御用マイクロコンピュータ560から音・ランプ制御基板70aに送信される演出制御コマンドのうち、飾り図柄の変動表示に関連するコマンドは、第1実施形態に示したコマンドと同様のコマンドである。音・ランプ制御基板70aには、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、音制御およびランプ制御よりなる演出制御を行なう音・ランプ制御用マイクロコンピュータ700、および、I/Oポート部78等の電気部品が接続されている。
音・ランプ制御用マイクロコンピュータ700は、音制御用およびランプ制御用のプログラム等を記憶するROM74と、ワークメモリとして使用されるRAM75と、プログラムにしたがって音制御およびランプ制御の制御動作を行なうCPU76とを含む。この音・ランプ制御用マイクロコンピュータ700は、主基板31から送信される演出制御コマンドに基づき、賞球ランプ51、球切れランプ52、装飾ランプ25、遊技効果ランプ40、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cの制御(ランプ制御)、および、スピーカ27を用いた遊技音発生制御(音制御)等の各種演出を特定し演出制御を行なう。また、音・ランプ制御用マイクロコンピュータ700は、主基板31から送信される演出制御コマンドに基づいて、変動表示装置9を制御するための表示制御コマンドを表示制御基板80へ送信するための制御も行なう。
音・ランプ制御用マイクロコンピュータ700から表示制御用マイクロコンピュータ800aへの表示制御コマンドの与え方としては、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドにより指示された表示制御の内容に応じて表示制御用コマンドを作成して出力する(加工して出力する)ようにしてもよく、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドのうち、表示制御を対象とするコマンドをそのまま表示制御用マイクロコンピュータ800aへ出力する(加工せずに出力する)ようにしてもよい。
表示制御基板80aには、音・ランプ制御用マイクロコンピュータ700からの表示制御コマンドを受信して、変動表示装置9での表示制御を行なう表示制御用マイクロコンピュータ800a、および、I/Oポート部87a等の電気部品が搭載されている。表示制御用マイクロコンピュータ800aは、表示制御用のプログラム等を記憶するROM84aと、ワークメモリとして使用されるRAM85aと、プログラムにしたがって表示制御動作を行なうCPU86aとを含む。
表示制御用マイクロコンピュータ800aは、音・ランプ制御用マイクロコンピュータ700から送信される表示制御コマンドに応じて、前述したような変動表示装置9の変動表示等の各種表示の演出に関する制御を行なう。具体的には次のような制御を行なう。表示制御基板80aには、表示制御用マイクロコンピュータ800aの他に、VDP、キャラクタROM、および、VRAM(図示省略)が搭載されている。VDPは、画像表示を行なう表示制御機能および高速描画機能を有する処理装置であり、変動表示装置9の表示制御を行なう。CPU86aは、受信した表示制御コマンドに従って、キャラクタROMから必要なデータを読出し。第1実施形態の場合と同様の制御を行なう。
また、本実施の形態における音・ランプ制御用マイクロコンピュータ700では、このように行なわれる変動表示装置9での演出表示に対応して、音出力手段の制御および発光手段の制御を行なう。なお、これに限らず、音・ランプ制御用マイクロコンピュータ700は、変動表示装置9での演出表示に対応して、音出力手段の制御のみを行なうもの、または発光手段の制御のみを行なうものであってもよい。
音・ランプ制御用マイクロコンピュータ700が受信した演出制御コマンドを加工せずに、表示制御コマンドとして表示制御用マイクロコンピュータ800aに出力する場合には、音・ランプ制御用マイクロコンピュータ700および表示制御用マイクロコンピュータ800aにおいて、次のような制御が行なわれる。
表示制御用マイクロコンピュータ800aでは、図30〜図41に示すような処理と同様の処理を実行することにより、第1実施形態に示した変動表示装置9の制御と同様の制御が行なわれる。また、音・ランプ制御用マイクロコンピュータ700では、受信した演出制御コマンドを、表示制御用マイクロコンピュータ800aに出力する処理を行なうとともに、次のような音制御およびランプ制御に関する処理を行なう。
音制御およびランプ制御に関する処理としては、図30〜図41に示す処理のうち、演出制御の進行状況を把握するための処理(変動表示装置9を直接的に実行する部分を除く)を実行するとともに、その演出制御の進行状況に応じて、予め定められた演出制御の進行状況と音制御との関係に基づいて音制御を行なう音制御プロセス処理(制御状態に対応したプロセスを選択して音制御を実行する処理)と、予め定められた演出制御の進行状況とランプ制御との関係に基づいてランプ制御を行なうランプ制御プロセス処理(制御状態に対応したプロセスを選択してランプ制御を実行する処理)とを実行する。これにより、変動表示装置9における表示による演出と整合性の取れた(同期した)音による演出と、ランプによる演出とが行なわれる。
また、音・ランプ制御用マイクロコンピュータ700が受信した演出制御コマンドを加工して、表示制御コマンドとして表示制御用マイクロコンピュータ800aに出力する場合には、音・ランプ制御用マイクロコンピュータ700および表示制御用マイクロコンピュータ800aにおいて、次のような制御が行なわれる。
また、音・ランプ制御用マイクロコンピュータ700では、第1実施形態に示した変動表示装置9の制御と同様の制御を実行するために、図30〜図41に示すような処理と同様の処理を実行することにより演出制御の進行状況を把握するための処理を実行する。そして、その演出制御の進行状況に応じて、予め定められた演出制御の進行状況と変動表示装置9の表示制御との関係に基づいて、前述したような表示制御を行なうために必要となる表示制御コマンドを作成して表示制御用マイクロコンピュータ800aに出力する表示制御コマンド出力処理を行なう。そして、把握された演出制御の進行状況に応じて、予め定められた演出制御の進行状況と音制御との関係に基づいて音制御を行なう音制御プロセス処理(制御状態に対応したプロセスを選択して音制御を実行する処理)と、把握された演出制御の進行状況に応じて、予め定められた演出制御の進行状況とランプ制御との関係に基づいてランプ制御を行なうランプ制御プロセス処理(制御状態に対応したプロセスを選択してランプ制御を実行する処理)とを実行する。これにより、変動表示装置9における表示による演出と整合性の取れた(同期した)音による演出と、ランプによる演出とが行なわれる。
表示制御用マイクロコンピュータ800aでは、音・ランプ制御用マイクロコンピュータ700から出力されて送信される表示制御コマンドを受信し、その表示制御コマンドに応じて、予め定められた演出制御の進行状況と表示制御との関係に基づいて表示制御を行なう表示制御プロセス処理(制御状態に対応したプロセスを選択して表示制御を実行する処理)が示す表示制御を実行することにより、第1実施形態に示した変動表示装置9の制御と同様の制御が行なわれる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 第1実施形態の図4に示す演出制御用マイクロコンピュータ800において、変動パターンコマンドが受信されずに表示結果コマンドが受信され、かつ、図柄情報コマンドにより当該変動表示の表示結果を大当り表示結果とすることが示されているときにおいては、変動表示時間が特定できないが、図36のS333〜S337および図34のS255に示すように、図柄情報コマンドを受信したときに特殊変動表示が実行され、図38のS271,S273、図11の(c),(d)、および、図13〜図16に示すように、図柄停止コマンドを受信したことに基づいて、当該特殊変動表示が実行されている状態から当該大当り表示結果が導出表示させられる。このように、特殊変動表示が実行されるので、変動パターンコマンドが受信されなかったときに、図柄停止コマンドの受信に基づいて大当り表示結果を導出表示するときの演出の違和感を軽減することができる。また、第2実施形態の図42に示す音・ランプ制御用マイクロコンピュータ700、表示制御用マイクロコンピュータ800aについても、変動パターンコマンドが受信されずに表示結果コマンドが受信され、かつ、図柄情報コマンドにより当該変動表示の表示結果を大当り表示結果とすることが示されているときにおいて、第1実施形態と同様の制御が行なわれるので、第1実施形態の場合と同様の効果を得ることができる。
(2) 第1実施形態の図4に示す演出制御用マイクロコンピュータ800において、変動パターンコマンドが受信されずに図柄情報コマンドが受信され、かつ、図柄情報コマンドにより当該変動表示の表示結果をはずれ表示結果とすることが示されているときにおいては、変動表示時間が特定できないが、図柄情報コマンドを受信したときに、図36のS336,S337、図37のS263、図34のS255、および、図11の(c),(d)、図13、図14に示すように、短縮時間変動モードであるか否かに応じて定められた時間だけ、変動パターンコマンドが受信されたときに行なわれる演出と同じ種類の演出で飾り図柄を変動表示させる一般変動表示が実行された後、図11の(c),(d)、図13、図14、図36のS334,S337、図34のS255、図37のS267、図38のS271,S273に示すように、特殊変動表示が実行され、図柄停止コマンドを受信したことに基づいて、当該特殊変動表示が実行されている状態からはずれ表示結果となる表示結果が導出表示させられる。このように、一般変動表示が実行された後に特殊変動表示が実行されるので、変動パターンコマンドが受信されなかったときに、図柄停止コマンドの受信に基づいてはずれ表示結果を導出表示するときの演出の違和感を軽減することができる。また、第2実施形態の図42に示す音・ランプ制御用マイクロコンピュータ700、表示制御用マイクロコンピュータ800aについても、変動パターンコマンドが受信されずに表示結果コマンドが受信され、かつ、図柄情報コマンドにより当該変動表示の表示結果をはずれ表示結果とすることが示されているときにおいて、第1実施形態と同様の制御が行なわれるので、第1実施形態の場合と同様の効果を得ることができる。
(3) 遊技状態を時短状態とするときに時短フラグが設定され、図36のS333に示すように、その時短フラグが設定されているときに、時短状態であると判定される。そして、図36のS334,S337に示すように、変動パターンコマンドが受信されずに図柄情報コマンドが受信され、かつ、図柄情報コマンドにより当該変動表示の表示結果をはずれ表示結果とすることが示されているときにおいて、時短フラグにより時短状態であると判定されたときは、図11の(d)に示すように、時短状態に応じて定められた時間だけ、一般変動表示が実行される。これにより、時短状態であるときには、時短状態に応じて定められた時間だけ一般変動表示が実行された後に特殊変動表示が実行されるので、時短状態において変動パターンコマンドが受信されなかったときに、図柄停止コマンドの受信に基づいてはずれ表示結果を導出表示するときの演出の違和感を軽減することができる。
(4) 保留記憶数が所定数以上となっているときに、記憶変動短縮状態とされる。そして、図36のS334,S337に示すように、変動パターンコマンドが受信されずに図柄情報コマンドが受信され、かつ、図柄情報コマンドにより当該変動表示の表示結果をはずれ表示結果とすることが示されているときにおいて、保留記憶数が所定数以上となっていると判定されたときは、図11の(d)に示すように、記憶変動短縮状態に応じて定められた時間だけ、一般変動表示が実行される。これにより、記憶変動短縮状態であるときには、記憶変動短縮状態に応じて定められた時間だけ一般変動表示が実行された後に特殊変動表示が実行されるので、記憶変動短縮状態において変動パターンコマンドが受信されなかったときに、図柄停止コマンドの受信に基づいてはずれ表示結果を導出表示するときの演出の違和感を軽減することができる。
(5) 図14および図16に示すように、特殊変動表示として、変動表示中の識別情報の種類を遊技者が視認しにくい速度で識別情報を変動表示させる高速変動表示が行なわれるので、図柄停止コマンドの受信に基づいて大当り表示結果またははずれ表示結果を導出表示するときに、高速変動表示においてどの図柄が導出表示されるのか遊技者が視認しにくいので、演出の違和感を増加させることなく、容易に大当り表示結果またははずれ表示結果を任意のタイミングで導出表示させることができる。
(6) 図13のカーテン906による隠蔽、図15の爆弾907による隠蔽等の演出で示すように、特殊変動表示として、変動表示中の前記識別情報の少なくとも一部を隠す隠蔽表示が行なわれるので、確定コマンドの受信に基づいて特定表示結果を導出表示するときに、隠蔽表示においてどの図柄が導出表示されるのか遊技者が視認しにくいので、演出の違和感を増加させることなく、容易に大当り表示結果またははずれ表示結果を任意のタイミングで導出表示させることができる。
(7) 図柄情報コマンドが受信されずに変動パターンコマンドが受信されたときに行なわれる飾り図柄の変動表示について、図35のS508〜S510,S502,S504,S507に示すように、受信された変動パターンコマンドが、確変大当り専用の変動パターンコマンドまたは通常大当り専用の変動パターンコマンドであるときには、受信した変動パターンコマンドにより特定される表示結果に基づいて変動表示の表示結果が決定され、図35のS511,S512,S504に示すように、受信された変動パターンコマンドが確変大当りおよび通常大当り兼用の変動パターンコマンドであるときには、変動表示の表示結果が通常大当り表示結果に決定される。このように、図柄情報コマンドが受信されずに変動パターンコマンドが受信されたときでも飾り図柄の変動表示を行なうことが可能であり、変動パターンコマンドに基づいて、表示結果が大当り表示結果となるか否かが示されるので、表示結果が大当り表示結果となるか否を遊技者に認識させることができる。さらに、図柄情報コマンドが受信されていなくても変動パターンコマンドが受信されたときには変動表示の表示結果を導出表示することができるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560側から繰返し何回も同じコマンドを送らなくても済むため、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減することができる。
(8) 図柄情報コマンドが受信されずに変動パターンコマンドが受信されたときに行なわれる飾り図柄の変動表示について、受信された変動パターンコマンドが、確変大当りおよび通常大当り兼用の変動パターンコマンドであるときには、決定された通常大当り表示結果が導出表示された後において、確変大当りを示す大当り開始コマンドが受信されたときに、図40のS295a,S295b,S296,S301,S302に示すように、確変大当りに成上がる大当り中成上がりあり再抽選表示が行なわれるので、確変状態となるか否かについて、実際にパチンコ遊技機1の内部で制御される状態と、遊技者が外部から認識できる状態とを整合させることができる。
(9) 図柄情報コマンドが受信されずに変動パターンコマンドが受信されたときに行なわれる飾り図柄の変動表示について、受信された変動パターンコマンドが、確変大当りおよび通常大当り兼用の変動パターンコマンドであるときには、決定された通常大当り表示結果が導出表示された後において、確変大当りを示すエンディング表示コマンドが受信されたときに、図40のS305,S309〜S311,S316,S317に示すように、確変大当りに成上がる大当り終了時中成上がりあり再抽選表示が行なわれるので、確変状態となるか否かについて、実際にパチンコ遊技機1の内部で制御される状態と、遊技者が外部から認識できる状態とを整合させることができる。
(10) 図柄情報コマンドが受信されずに変動パターンコマンドが受信されたときに行なわれる飾り図柄の変動表示について、受信された変動パターンコマンドが、確変大当りおよび通常大当り兼用の変動パターンコマンドであるときには、決定された通常大当り表示結果が導出表示された後において、確変大当りを示す大当り開始コマンドが受信されたときに、図40のS295a,S295b,S296,S301,S302に示すように、確変大当りに成上がる大当り中成上がりあり再抽選表示が行なわれ、確変大当りを示すエンディング表示コマンドが受信されたときに、図40のS305,S309〜S311,S316,S317に示すように、確変大当りに成上がる大当り終了時中成上がりあり再抽選表示が行なわれるが、図40のS296,S310に示すように、確変大当りに成上がる大当り中成上がりあり再抽選表示が行なわれたときには、確変大当りに成上がる大当り終了時中成上がりあり再抽選表示が行なわれることが禁止されるので、確変大当りに成上がる演出が重複して行なわれることが防がれ、制御の無駄を防ぐことができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、変動表示部について、特別図柄表示器8と飾り変動表示装置9とで構成される例を説明した。しかし、これに限らず、変動表示部は、特別図柄を表示する特別図柄表示装置のみで構成されるようにしてもよい。その場合には、飾り変動表示装置9と同様の画像が表示可能な表示装置により特別図柄表示装置を構成し、当該特別図柄表示装置で表示する特別図柄として、前述した飾り図柄と同様の図柄を表示するとともに、前述した背景画像等の飾り図柄以外の各種画像を同様に表示するように制御する。
(2) 演出制御を行なう装置の構成は、前述したようなものに限らず、次のような構成を採用してもよい。表示制御を行なうマイクロコンピュータと、音制御を行なうマイクロコンピュータと、ランプ制御を行なうマイクロコンピュータとを設け、遊技制御用マイクロコンピュータが、これらのマイクロコンピュータのそれぞれに、表示制御コマンド、音制御コマンド、および、ランプ制御コマンドを与え、そのコマンドに応じて各マイクロコンピュータが各制御を個別に実行するような構成を採用してもよい。
(3) 変動表示装置9の表示制御を行なう表示制御用マイクロコンピュータを設けた表示制御基板と、たとえば音制御およびランプ制御を行なう音・ランプ用マイクロコンピュータを設けた音・ランプ制御基板とを設け、主基板31に設けた遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを表示制御用マイクロコンピュータが受信し、その受信したコマンドに基づいて、表示制御用マイクロコンピュータが、表示制御を行なうとともに、音・ランプ制御用マイクロコンピュータに音制御およびランプ制御を指令するための音・ランプ制御コマンドを送信し、音・ランプ制御用マイクロコンピュータが、その音・ランプ制御コマンドを受信して音制御およびランプ制御を行なうようにしてもよい。なお、この場合の音・ランプ制御用マイクロコンピュータは、音制御を行なう音制御用マイクロコンピュータ(音制御基板に設ける)と、ランプ制御を行なうランプ制御用マイクロコンピュータ(ランプ制御基板に設ける)とに分けて設け、音制御用マイクロコンピュータには音制御を指令するための音制御コマンドを送信し、ランプ制御を指令するためのランプ制御コマンドを送信するようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(5) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(6) 前述した実施の形態においては、的当てゲームのようなミニゲームを実行することにより、飾り図柄を変動表示させずに、抽選結果を示す例を示した。しかし、これに限らず、大当り中再抽選表示および大当り終了時再抽選表示のそれぞれの演出として、飾り図柄を再度変動表示させて表示結果を導出表示することにより大当り中再抽選表示および大当り終了時再抽選表示についての両方、または、一方を行なうことにより、抽選結果を示すようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態においては、通常大当りとなるときについて、大当り中再抽選表示および大当り終了時再抽選表示の両方が必ず行なわれる例を示した。このようにすることにより、再抽選表示が行なわれる頻度が増し、遊技者の興趣をより一層向上させることができる。しかし、これに限らず、通常大当りとなるときについては、大当り中再抽選表示および大当り終了時再抽選表示のどちらか一方のみを行なう制御が所定の割合で選択されて実行されるようにしてもよい。その場合の選択は、ランダムカウンタ等を用いてランダムに行なえばよい。また、通常大当りとなるときには、大当り中再抽選表示および大当り終了時再抽選表示のどちらか一方を必ず行なうようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態では、大当り中再抽選表示を実行するタイミングとして、大当り遊技状態におけるラウンド間のインターバル期間中に行なう例を示した。しかし、これに限らず、大当り中再抽選表示を実行するタイミングは、予め定められたラウンドの開始時から終了時までのランウンド期間中であってもよい。また、大当り中再抽選表示を実行するタイミングは、大当り遊技状態の開始時であってよい。
(9) 前述した実施の形態では、1回の変動表示に関連して実行可能な再抽選表示の実行回数が2回である例を示した。しかし、これに限らず、1回の変動表示に関連して実行可能な再抽選表示の実行回数としては、3回以上の所定回数であってもよい。
(10) 前述した実施形態においては、特別図柄表示器8で導出表示される大当り図柄(大当り表示結果)の種類により大当りの種類を示す例を説明した。しかし、これに限らず、特別図柄表示器8で導出表示される図柄としては、大当りの種類が特定されない大当り図柄を用いるようにしてもよい。その場合には、特別図柄表示器8で変動表示される特別図柄は、大当りの種類が特定されない大当り図柄と、はずれ図柄とで構成される。
(11) 前述した実施の形態では、飾り図柄の変動表示結果を指示するために用いられるコマンドとして、大当り判定の判定結果、および、大当り種類の選択結果を指定する図柄情報コマンドを送信する例を示した。しかし、これに限らず、飾り図柄の変動表示結果を指示するためのコマンドとしては、飾り図柄の表示結果(停止図柄の組合せ)を直接的に指定するコマンドを用いてもよい。その場合に、演出制御マイクロコンピュータ800は、コマンドにより指定された停止図柄の組合せに基づいて、大当り判定の判定結果、および、大当り種類の選択結果を認識する。
(12) 前述した実施の形態では、図柄情報コマンドが受信されずに変動パターンコマンドが受信されたときに行なわれる飾り図柄の変動表示について、受信された変動パターンコマンドが、確変大当りおよび通常大当り兼用の変動パターンコマンドであるときには、決定された通常大当り表示結果が導出表示された後において、確変大当りを示す大当り開始コマンドが受信されたときに、成上がりあり再抽選表示を行なう例を示した。このような再抽選表示としては、大当り中再抽選表示と大当り終了時再抽選表示とのいずれか一方において行なう例を示した。しかし、これに限らず、このようなときの再抽選表示としては、大当り中再抽選表示のみで行なうようにしてもよい。また、このようなときの再抽選表示としては、大当り終了時再抽選表示のみで行なうようにしてもよい。
(13) 前述した実施の形態では、特殊変動表示として、飾り図柄を高速変動させるものと、飾り図柄を隠蔽させるものとを一例として示した。しかし、これに限らず、特殊変動表示としては、高速変動の表示パターンとは異なる態様で、技者が図柄を容易に確認できないような態様で飾り図柄を循環させて表示する変動表示であってもよく、また、変動表示中の飾り図柄が仮停止したような態様で表示されるものであってもよい。つまり、特殊変動表示としては、変動表示中においてどのタイミングで図柄停止コマンドを受信しても、その受信時に、事前決定されている表示結果を導出表示可能な態様で行なわれる変動表示であればどのような演出が行なわれるものであってもよい。
(14) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
9 変動表示装置、1 パチンコ遊技機、560 遊技制御用マイクロコンピュータ、800 演出制御用マイクロコンピュータ、27 スピーカ、25 装飾ランプ、70 音・ランプ制御用マイクロコンピュータ、80a 表示制御用マイクロコンピュータ。