JP2012226825A - アルカリ乾電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルカリ乾電池を直列に配置して落下させると、アルカリ乾電池が液漏れする場合があった。
【解決手段】アルカリ乾電池では、電池ケース1の開口端11は樹脂封口体5を介して負極端子板7により封止されている。電池ケース1の封止端12の肩部12bと負極端子板7の中央平板部7aとは同一の材料からなり、電池ケース1の肩部12bの厚みは0.2mm以上0.4mm以下であり、電池ケース1の肩部12bの厚みをTp[mm]とし負極端子板7の中央平板部7aの厚みをTn[mm]としたとき、1.0≦(Tn/Tp)≦2.0を満たしている。
【選択図】図5

Description

本発明は、アルカリ乾電池に関し、特に、電池ケース(正極端子として機能)が負極端子板により密閉されたアルカリ乾電池に関する。
アルカリ乾電池は、日用品から玩具、ホビー用品、ゲーム機器、携帯用音楽再生装置及び電子機器等の主電源として、今日、幅広く普及している。また、流通時におけるアルカリ乾電池の包装形態は多様化している。
さらに、近年、顧客から製品の安全性に関する要求が高まっており、アルカリ乾電池の耐漏液性の向上が要求されている。例えば、流通時に梱包状態のアルカリ乾電池を誤って落下させたり、使用機器にアルカリ乾電池を装填した状態で高所から落下させても、漏液しないアルカリ乾電池が要求されている。
ところで、アルカリ乾電池の負極端子板には、経済的な理由から薄肉化が要求されている。しかし、薄肉な負極端子板では封口時の圧力に耐えることができない場合がある。仮に薄肉な負極端子板が封口時の圧力に耐えることができても、流通中又は使用中に負極端子板の割れを引き起こす場合がある。そこで、強度を低下させることなく薄肉化を図ることができる負極端子板が提案されている(特許文献1)。
また、アルカリ乾電池の電池ケースには、アルカリ乾電池の高容量化を図る等の理由から薄型化が要求されている。しかし、電池ケースの薄型化を図ると、流通中又は使用中に電池ケースの破損を引き起こす場合がある。そこで、強度を低下させることなく薄型化を図ることができる電池ケースが提案されている(特許文献2)。
さらに、アルカリ乾電池は、所定の条件下における使用によりガスが発生することが知られている。発生したガスが外部に漏れることを回避するために、アルカリ乾電池は密閉されている(特許文献3)。
特開2006−107873号公報 特開平9−306441号公報 特表2001−509632号公報
しかしながら、負極端子板の強度を大きくしても、電池ケースの強度を大きくしても、又は、樹脂封口体の形状を工夫しても、複数のアルカリ乾電池を直列に配置した状態で落下させたときにアルカリ電解液が漏れる場合があることが分かった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、複数のアルカリ乾電池を直列に配置した状態で落下させたときにアルカリ電解液の漏れを防止できることを目的とする。
本発明に係るアルカリ乾電池は、電池ケース(正極端子)と、正極と、セパレータと、負極と、負極端子板と、樹脂封口体とを備えている。電池ケースは封止端と開口端とを有する筒状であり、封止端は突出部と肩部とを有している。突出部は封止端の中央に位置しており、肩部は電池ケースの側壁から径方向内側へ向かって延びて突出部に接続されている。正極、セパレータ及び負極は、電池ケースの内壁面から径方向内側へ向かってこの順に配置されており、セパレータは、肩部と負極との間にも配置されている。負極端子板は中央平板部と周縁部とを有しており、中央平板部は電池ケースの開口端を蓋し、周縁部は樹脂封口体の周縁環状部を介して電池ケースの開口端縁部に固定されている。樹脂封口体は周縁環状部と中央筒状部と連結部と薄肉部とを有し、中央筒状部は負極端子板の中央平板部の内面に対向して配置されており、連結部は中央筒状部と周縁環状部とを連結し、薄肉部は連結部に設けられており相対的に薄肉である。
このようなアルカリ乾電池において、電池ケースの肩部と負極端子板の中央平板部とは同一の材料からなり、電池ケースの肩部の厚みは0.2mm以上0.4mm以下であり、電池ケースの肩部の厚みをTp[mm]とし負極端子板の中央平板部の厚みをTn[mm]としたとき、1.0≦(Tn/Tp)≦2.0を満たす。
上記構成のアルカリ乾電池を直列に配置して落下させると、負極端子板の中央平板部による電池ケースの突出部の凹みを防止できるとともに電池ケースの突出部による負極端子板の中央平板部の凹みを防止できる。
本発明に係るアルカリ乾電池では、中央筒状部の軸方向と薄肉部とがなす角のうち電池ケースの封止端寄りに位置する角の大きさは60度以上90度以下であることが好ましい。これにより、負極端子板の中央平板部が凹んだ場合であっても、樹脂封口体が電池ケースの封止端側へ移動することを防止できる。
本発明では、アルカリ乾電池を直列に配置した状態で落下させても、アルカリ乾電池からアルカリ電解液が漏れることを防止できる。
流通中の液漏れの原因を調べるために行った実験の結果をまとめた表である。 複数個のシュリンクパックが段ボール箱に梱包された状態を示す平面図である。 (a)及び(b)は、液漏れが発生する1つ目の理由を説明するためのアルカリ乾電池の半断面図である。 (a)〜(c)は、液漏れが発生する1つ目の理由を説明するためのアルカリ乾電池の半断面図である。 本発明の一実施形態に係るアルカリ乾電池の半断面図である。 図5に示す領域VIの拡大図である。 図6に示す領域VIIの拡大図である。 実施例1〜6及び比較例1〜2の結果をまとめた表である。 実施例7〜12及び比較例3〜4の結果をまとめた表である。
本発明の実施形態を説明する前に、本願発明者が本発明を完成させるに至った経緯を説明する。
アルカリ乾電池を流通させるときには、一般に、複数個のシュリンクパック(シュリンクパックは、複数のアルカリ乾電池を並列に配置してパックしたもの)を段ボール箱等に梱包する。このようにアルカリ乾電池を保護して流通させても、流通中にアルカリ乾電池が液漏れするという不具合が発生している。その原因として、流通中にアルカリ乾電池を誤って落下させることが考えられている。本願発明者は、上記不具合の原因を調べるため、複数個のシュリンクパックが段ボール箱に梱包されたものを落下させて液漏れの発生有無を調べた。具体的には、8個のアルカリ乾電池を並列に配置して1つのシュリンクパックを作製し、このシュリンクパック5つを段ボール箱に梱包した。この段ボール箱を5個作製した(この実験には200個のアルカリ乾電池を用いた。)。この段ボール箱を1.5mの高さから1回落下させ、落下直後、落下1日後、落下3日後、及び、落下1週間後に液漏れが発生している電池の個数を調べた。得られた結果を図1に示す。
図1に示すように、いくつかのアルカリ乾電池では液漏れが発生していた。また、液漏れが発生したアルカリ乾電池には、落下直後に液漏れが発生したアルカリ乾電池と落下して暫くしてから液漏れが発生したアルカリ乾電池とがあった。液漏れが発生したアルカリ乾電池を分解すると、何れのアルカリ乾電池においても、樹脂封口体の薄肉部において破断が発生していた。ところが、落下直後に液漏れが発生したアルカリ乾電池では樹脂封口体が電池ケースの封止端寄りに移動しているのに対して、落下して暫くしてから液漏れが発生したアルカリ乾電池ではセパレータが負極と電池ケースの肩部との間に位置する部分において破れていた。これらの結果から、本願発明者は、複数個のシュリンクパックが段ボール箱に梱包されたものを落下させたときに液漏れが発生する理由には2つあると考えた。図2〜図4を用いてその理由を説明する。
図2は、複数個のシュリンクパックP,P,…が段ボール箱Bに梱包された状態を示す平面図である。図3(a)〜(b)は、液漏れが発生する1つ目の理由を説明するためのアルカリ乾電池の半断面図であり、図4(a)〜(c)は、液漏れが発生する2つ目の理由を説明するためのアルカリ乾電池の半断面図である。
各シュリンクパックP内では、アルカリ乾電池10,10,…は、電池ケース1,1,…の外表面が互いに接触するように配置されている。しかし、図2に示す領域Xにおいて互いに隣り合うアルカリ乾電池10,10に着目すると、図2、図3(a)及び図4(a)に示すように一方のアルカリ乾電池10の電池ケース1の突出部12aと他方のアルカリ乾電池10の負極端子板7の中央平板部7aとが互いに隣り合っている。そのため、図2に示す段ボール箱Bを落下させると、電池ケース1の突出部12aにより負極端子板7の中央平板部7aが凹む場合と負極端子板7の中央平板部7aにより電池ケース1の突出部12aが凹む場合とが考えられる。
電池ケース1の突出部12aにより負極端子板7の中央平板部7aが凹むと、図3(b)に示すように、負極集電子6の頭部6a及び樹脂封口体5の中央筒状部5aが負極端子板7に押されて電池ケース1の封止端12側へ移動する。このとき、樹脂封口体5の周縁環状部5bは電池ケース1の開口端縁部に固定されたままである。そのため、樹脂封口体5の連結部5c(特に薄肉部5d)において破断が発生し、その結果、アルカリ電解液が漏れる。つまり、落下に起因する液漏れの1つ目の理由(以下では単に「1つ目の理由」と記す)は、負極端子板7の中央平板部7aの凹みにより樹脂封口体5の中央筒状部5aが電池ケース1の封止端12側へ移動し、その結果、樹脂封口体5が薄肉部5dにおいて破けることである。よって、この場合には、図2に示す段ボール箱Bを落下させるや否や液漏れが生じる、と考えられる。
負極端子板7の中央平板部7aによりアルカリ乾電池の電池ケース1の突出部12aが凹むと、図4(b)に示すように、電池ケース1の肩部12bが電池ケース1の開口端11側へ移動する。そのため、セパレータ4が肩部12bと負極3との間に位置する部分において破れ、負極3がセパレータ4の破断部分を通って電池ケース1の封止端12の内面へ向かって流出する。これにより、電池ケース1(正極端子)と負極3とが互いに接触するため、内部短絡が発生する。内部短絡が発生すると、アルカリ乾電池の内圧が上昇し、その結果、図4(c)に示すように樹脂封口体5の薄肉部5dにおいて破断が発生する。つまり、落下に起因する液漏れの2つ目の理由(以下では単に「2つ目の理由」と記す)は、電池ケース1の突出部12aの変形によりセパレータ4が破断したために内部短絡が発生し、その結果、樹脂封口体5が薄肉部5dにおいて破けることである。よって、この場合には、図2に示す段ボール箱Bを落下させて暫くしてから液漏れが生じる、と考えられる。
1つ目の理由を解消するためには、負極端子板7の中央平板部7aの変形を防止すれば良く、具体的には負極端子板7の中央平板部7aの強度を大きくすれば良い。しかし、負極端子板7の中央平板部7aの強度を大きくすると、図2に示す段ボール箱Bを落下させたときには電池ケース1の突出部12aが凹み易くなり、そのため、2つ目の理由による液漏れを引き起こす。
2つ目の理由を解消するためには、電池ケース1の肩部12bの変形を防止すれば良く、具体的には肩部12bの強度を大きくすれば良い。しかし、電池ケース1の肩部12bの強度を大きくすると、図2に示す段ボール箱Bを落下させたときには負極端子板7の中央平板部7aが凹みやすくなり、そのため、1つ目の理由による液漏れを引き起こす。
以上の実験結果及びその結果に対する考察をふまえ、本願発明者は、1つ目の理由による液漏れと2つ目の理由による液漏れとを同時に抑制するためには、負極端子板7の中央平板部7a及び電池ケース1の肩部12bのどちらか一方の強度を最適化するだけでは不十分であり、負極端子板7の中央平板部7a及び電池ケース1の肩部12bの両方の強度を最適化することが好ましいと考えた。以下に、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されない。
図5は、本実施形態に係るアルカリ乾電池の半断面図である。図6は、図5に示す領域VIの拡大図である。図7は、図6に示す領域VIIの拡大図である。
アルカリ乾電池は、正極端子を兼ねる電池ケース1を備えている。電池ケース1は、例えばニッケルめっき鋼板を用いて公知の方法で所定の寸法且つ所定の形状にプレス成形されたものであり、開口端11と封止端12とを有する筒状である。封止端12は、突出部12aと肩部12bとからなる。突出部12aは、封止端12の中央に位置しており、肩部12bよりも電池ケース1の外側へ突出している。肩部12bは、電池ケース1の側壁から径方向内側へ向かって延び、突出部12aに接続されている。
電池ケース1の内壁面には、正極2が密接されている。正極2は筒状であり、正極2の中空部にはセパレータ4を介して負極3が設けられている。セパレータ4は、正極2と負極3との間だけでなく、電池ケース1の肩部12bと負極3との間にも設けられている。
ここで、正極2、セパレータ4及び負極3の材料に言及すると、正極2は、二酸化マンガン粉末等を含む正極活物質と、黒鉛等の導電剤と、水酸化カリウム水溶液等のアルカリ電解液とを含んでいる。セパレータ4は、例えば、ポリビニルアルコール繊維及びレーヨン繊維等が混抄された不織布であり、アルカリ電解液を保持している。負極3は、例えば、亜鉛粉末又は亜鉛合金粉末等の負極活物質と、ポリアクリル酸ナトリウム等のゲル化剤と、水酸化カリウム水溶液等のアルカリ電解液とを含んでいる。負極活物質としては、耐食性に優れた亜鉛合金粉末を用いることが好ましく、更には、環境に配慮して水銀、カドミウム、鉛又はこれらの全てが無添加である亜鉛合金粉末を用いることが好ましい。亜鉛合金としては、例えば、インジウム、アルミニウム、及びビスマスを含む亜鉛合金を挙げることができる。アルカリ電解液は、30〜40重量%(好ましくは32〜35重量%)の水酸化カリウムと、0.5〜3重量%の酸化亜鉛とを含んでいれば良い。
電池ケース1の開口端11は封口ユニット9により封じられており、封口ユニット9は樹脂封口体5、負極集電子6及び負極端子板7を有している。
負極端子板7は、例えばニッケルめっき鋼板を所定の寸法且つ所定の形状にプレス成形して作製されたものであり、中央平板部7aと周縁環状部(周縁部)7bとを有している。中央平板部7aは、電池ケース1の開口端11を蓋している。周縁環状部7bは、中央平板部7aよりも電池ケース1の内側に位置しており、樹脂封口体5の周縁環状部5bを介して電池ケース1の開口端縁部に固定されている。また、周縁環状部7bには複数個のガス孔(不図示)が形成されており、これにより、樹脂封口体5の薄肉部5dが破断したときには電池ケース1内のガスを逃がすことができる。
樹脂封口体5は、ポリアミド又はポリプロピレン等の樹脂を所定の寸法及び所定の形状に射出成型して作製されたものである。樹脂封口体5は、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン又は6,12−ナイロンからなることが好ましい。これにより、耐アルカリ性且つ耐熱性に優れた樹脂封口体5を提供することができる。
樹脂封口体5は、周縁環状部5b以外に、中央筒状部5a、連結部5c及び薄肉部5dを有している。中央筒状部5aは、負極端子板7の中央平板部7aの内面に対向しており、中央筒状部5aには貫通孔が厚み方向に延びて形成されている。連結部5cは、中央筒状部5aと周縁環状部5bとを連結しており、薄肉部5dを有している。薄肉部5dは、連結部5cにおいて相対的に薄肉な部分である。
負極集電子6は、銀、銅又は真鍮等の線材をプレス加工して所定の形状及び所定の寸法に作製されたものであり、頭部6aを有する釘状である。負極集電子6の表面は、スズ又はインジウムでメッキされていることが好ましい。これにより、負極集電子6の加工時に不純物が負極集電子内に混入されることを防止でき、隠蔽効果を得ることができる。このような負極集電子6は樹脂封口体5の中央筒状部5aに形成されている上記貫通孔に挿通されており、頭部6aは負極端子板7の中央平板部7aの内面に接しており、頭部6aとは反対側に位置する先端は負極3内に存在している。
このようなアルカリ乾電池は、以下に示す(式1)及び(式2)を満足している。なお、(式1)及び(式2)において、Inは負極端子板7の中央平板部7aのビッカース硬度Hvであり、Ipは電池ケース1の肩部12bのビッカース硬度Hvである。
1.0≦(In/Ip)≦2.0:(式1)
90≦Ip≦140:(式2)
ビッカース硬度比(In/Ip)が小さいと(例えば1.0未満)、アルカリ乾電池を直列に配置した状態で落下させたときに負極端子板の中央平板部が凹みやすい。そのため、1つ目の理由による液漏れが発生し易い。一方、ビッカース硬度比(In/Ip)が大きいと(例えば2.0を超える)、アルカリ乾電池を直列に配置した状態で落下させたときに電池ケースの肩部が変形し易い。そのため、2つ目の理由による液漏れが発生し易い。しかし、本実施形態に係るアルカリ乾電池では、ビッカース硬度比(In/Ip)が(式1)を満足している。よって、本実施形態に係るアルカリ乾電池を直列に配置した状態で誤って落下させても、電池ケース1の肩部12bによる負極端子板7の中央平板部7aの凹みを防止できるとともに負極端子板7の中央平板部7aによる電池ケース1の肩部12bの変形を防止できるので、本実施形態に係るアルカリ乾電池から電解液が漏れることを防止できる。なお、本実施形態に係るアルカリ乾電池が直列に配置した状態で落下する状況としては、本実施形態に係るアルカリ乾電池を図2に示すように段ボール箱Bに詰めた状態で誤って落下させる、又は、本実施形態に係るアルカリ乾電池を使用機器(玩具、ゲーム機器又は電子機器等)に充填させた状態で誤って落下させる等が挙げられる。
ビッカース硬度比(In/Ip)は、(式1)に示すように1.0以上2.0以下であるが、1.0以上1.7以下であれば好ましく、1.2以上1.4以下であればさらに好ましい。このようなビッカース硬度比(In/Ip)は、JIS Z 2244(ビッカース硬さ試験方法)に従って測定される。
負極端子板7の中央平板部7aと電池ケース1の肩部12bとが同一材料からなることに着目すると、ビッカース硬度比を厚みの比で書き換えることができる。つまり、本実施形態に係るアルカリ乾電池は以下に示す(式3)〜(式5)を満足していれば良い。なお、(式3)〜(式5)において、Tnは負極端子板7の中央平板部7aの厚み(mm)であり、Tpは電池ケース1の肩部12bの厚み(mm)である。
1.0≦(Tn/Tp)≦2.0:(式3)
0.2≦Tp≦0.4:(式4)
0.2≦Tn≦0.5:(式5)
負極端子板7の厚み及び電池ケース1の厚みに言及すると、負極端子板7の厚み及び電池ケース1の厚みが薄ければ、アルカリ乾電池の高容量化を図ることができる。しかし、負極端子板7の厚み及び電池ケース1の厚みが薄すぎると、負極端子板7の強度及び電池ケース1の強度を確保することは難しい。そのため、電池ケース1の肩部12bの厚みは、(式4)を満足していれば良く、0.2mm以上0.3mm以下であれば好ましく、0.2mm程度であればさらに好ましい。負極端子板7の中央平板部7aの厚みは、(式5)を満足していれば良く、0.2mm以上0.4mm以下であれば好ましく、0.2mm程度であればさらに好ましい。
また、本実施形態における樹脂封口体5では、中央筒状部5aの軸方向に対する薄肉部5dの傾斜角のうち電池ケース1の封止端12側に位置する角の大きさ(以下では単に「薄肉部5dの傾斜角度θ」と記す。)が60度以上90度以下であれば良い。これにより、本実施形態に係るアルカリ乾電池を直列に配置した状態で誤って落下したために負極端子板7の中央平板部7aが凹んだ場合であっても、薄肉部5dの傾斜角度θの変化量を最小限に抑えることができる。よって、薄肉部5dにおける破断が抑制されるので、電解液の漏れを抑制することができる。
薄肉部の傾斜角度θが上記範囲の外であれば、負極端子板の中央平板部が凹んだときに薄肉部の傾斜角度θの変化量が大きくなる。そのため、大きな応力が薄肉部にかかるので、薄肉部が破断し易くなる。それだけでなく、薄肉部の傾斜角度θが60度未満であれば、封口ユニットの体積の増加を招来するので、アルカリ乾電池の高容量化を図ることが難しい。また、薄肉部の傾斜角度θが90度を超えると、アルカリ乾電池の誤使用時等にアルカリ乾電池の内圧が上昇しても薄肉部を破断させることができない場合があり、そのため、アルカリ乾電池の安全性を確保することは難しい。以上より、薄肉部5dの傾斜角度θは60度以上90度以下であることが好ましい。
以上説明したように、本実施形態では、アルカリ乾電池を直列に配置した状態で誤って落下させた場合であってもアルカリ電解液の漏れを抑制することができる。
なお、言うまでもなく、本実施形態は、図2に示すように電池ケースの突起部の方が負極端子板よりも下に位置する状態で落下した場合に限定されない。例えば負極端子板の方が電池ケースの突起部よりも下に位置する状態で落下した場合でも、本実施形態における効果を得ることができる。
以下に本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定されない。
(実施例1)
以下に示す方法に従って実施例1のアルカリ乾電池を作製した。
1.アルカリ乾電池の製造方法
(1)正極合剤の作製
まず、二酸化マンガン粉末と黒鉛とを94:6の重量比で混合した。次に、この混合物と33重量%の水酸化カリウム水溶液(アルカリ電解液)とを100:1の重量比で混合してから充分に攪拌した後、フレーク状に圧縮成型した。続いて、フレーク状の正極合剤を粉砕して顆粒状とし、篩を用いて顆粒状の正極合剤を分級した。10〜100メッシュの顆粒状の正極合剤を中空円筒状に加圧成型して、ペレット状の正極合剤を得た。
(2)ゲル状負極の作製
ポリアクリル酸ナトリウム(ゲル化剤)と33重量%の水酸化カリウム水溶液(アルカリ電解液)と亜鉛粉末(負極活物質)とを1:33:66の重量比で混合し、ゲル状負極を得た。
(3)円筒形アルカリ乾電池の作製
図5に示す単3形アルカリ乾電池を下記の手順により作製した。
上記で得られたペレット状の正極合剤を電池ケース1内に2個挿入し、加圧冶具によりペレット状の正極合剤を再成型して電池ケース1の内壁面に密着させた。これにより、電池ケース1の内壁面上には筒状の正極2が形成された。正極2の中空内に有底円筒形のセパレータ4を配置した後、セパレータ4に33重量%の水酸化カリウム水溶液(アルカリ電解液)を所定量注入した。所定時間経過した後、上記で得られたゲル状負極をセパレータ4よりも電池ケースの径方向内側に充填した。なお、セパレータ4としては、ポリビニルアルコール繊維及びレーヨン繊維を主体として混抄した不織布を用いた。
電池ケース1の開口端近傍に溝入れを施して、凹部1aを形成した。その凹部1a上で封口ユニット9の樹脂封口体5の周縁環状部5bを受けるように、電池ケース1の開口端11に封口ユニット9を設置した。具体的には、釘状の負極集電子6の頭部6aを負極端子板7の中央平板部7aの内面に溶接し、その負極集電子6を樹脂封口体5の中央筒状部5aの貫通孔内に挿入して負極3内に挿入した。電池ケース1の開口端縁部を折り曲げ、樹脂封口体5の周縁環状部5bを介して負極端子板7の周縁環状部7bを電池ケース1の開口端縁部に固定して電池ケースの開口端を封止した。その後、外装ラベル8を電池ケース1の外表面に被覆させた。
ここで、負極端子板7の中央平板部7aの厚みは0.4mmであり、電池ケース1の肩部12bの厚みは0.2mmであり、薄肉部5dの傾斜角度θは80度であった。このようにして実施例1に係るアルカリ乾電池を90個作製した。
2.試験
作製した90個のアルカリ乾電池を用いて漏液の有無を調べた。
まず、作製した90個のアルカリ乾電池のうち3個ずつを樹脂チューブ内に入れ、樹脂チューブを熱収縮させた。これにより、3個のアルカリ乾電池が直列に配置された試験体を30個作製した。
次に、30個の試験体を、1.5mの高さから連続10回、自然落下させた。その後、30個の試験体を常温常湿環境下に放置させ、落下直後、落下1日後、落下3日後、落下1週間後に試験体を観察し、漏液の有無を調べた。漏液の発生が確認された試験体に対しては、その試験体を構成するアルカリ乾電池を分解し、漏液の原因を調べた。つまり、1つ目の理由により漏液が発生した電池の個数と、2つ目の理由により漏液が発生した電池の個数とを数えた。その結果を図8に示す。なお、図8に記載の「薄肉部の破断のみ」は1つ目の理由により漏液が発生したことを示しており、図8に記載の「ゲル状負極の流出」は2つ目の理由により漏液が発生したことを示している。
(実施例2〜6及び比較例1〜2)
実施例2〜6及び比較例1〜2では、電池ケース1の肩部12bの厚み及び薄肉部5dの傾斜角度θ(図8参照)を除いては実施例1と同様の方法に従ってアルカリ乾電池を作製し、実施例1と同様の試験を行って漏液の有無を調べた。結果を図8に示す。
(実施例7〜12及び比較例3〜4)
実施例7〜12及び比較例3〜4では、負極端子板7の中央平面部7aの厚み、電池ケース1の肩部12bの厚み及び薄肉部5dの傾斜角度θ(図9参照)を除いては実施例1と同様の方法に従ってアルカリ乾電池を作製し、実施例1と同様の試験を行って漏液の有無を調べた。結果を図9に示す。なお、図9に記載の「薄肉部の破断のみ」及び「ゲル状負極の流出」は上述の通りである。
(考察)
比較例1の電池では、樹脂封口体は封止端寄りに移動しており、樹脂封口体の薄肉部の破断のみが観察された。比較例2の電池では、樹脂封口体の薄肉部の破断のみならず電池ケースの肩部の変形、セパレータの破断及びゲル状負極の流出が観察された。一方、実施例1〜6の電池では、樹脂封口体の薄肉部の破断及びゲル状負極の流出は観察されず、耐漏液性に優れていた。
同様のことは、実施例7〜12及び比較例3〜4の電池にも言えた。実施例7〜12の電池の方が実施例1〜6の電池よりも負極端子板の厚み及び電池ケースの肩部の厚みは薄いが、実施例7〜12の電池であっても液漏れの発生を抑制することができた。これにより、実施例7〜12の電池では、液漏れを引き起こすことなく高容量化を実現できることが分かった。
本発明に係るアルカリ乾電池を直列に配置した状態で落下させても液漏れの発生を防止することができるため、本発明に係るアルカリ乾電池はアルカリ乾電池を電源とするあらゆる機器に用いることができる。
1 電池ケース
1a 凹部
2 正極
3 負極(ゲル状負極)
4 セパレータ
5 樹脂封口体
5a 中央筒状部
5b 周縁環状部
5c 連結部
5d 薄肉部
6 負極集電子
6a 頭部
7 負極端子板
7a 中央平板部
7b 周縁環状部
8 外装ラベル
9 封口ユニット
10 アルカリ乾電池
11 開口端
12 封止端
12a 突出部
12b 肩部

Claims (2)

  1. 封止端と開口端とを有する筒状であり正極端子として機能する電池ケースと、前記電池ケースの内壁面から径方向内側へ向かって順に配置された正極、セパレータ及び負極と、樹脂封口体を介して前記開口端を封止する負極端子板とを備えたアルカリ乾電池であって、
    前記封止端は、中央に位置する突出部と、前記電池ケースの側壁から径方向内側へ向かって延びて前記突出部に接続された肩部とを有し、
    前記セパレータは、前記肩部と前記負極との間にも配置されており、
    前記負極端子板は、前記電池ケースの前記開口端を蓋する中央平板部と、前記樹脂封口体の周縁環状部を介して前記電池ケースの開口端縁部に固定された周縁部とを有し、
    前記樹脂封口体は、前記周縁環状部と、前記負極端子板の前記中央平板部の内面に対向して配置された中央筒状部と、前記中央筒状部と前記周縁環状部とを連結する連結部と、前記連結部に設けられ相対的に薄肉な薄肉部とを有し、
    前記電池ケースの前記肩部と前記負極端子板の前記中央平板部とは同一の材料からなり、
    前記電池ケースの前記肩部の厚みは0.2mm以上0.4mm以下であり、
    前記電池ケースの前記肩部の厚みをTp[mm]とし前記負極端子板の前記中央平板部の厚みをTn[mm]としたとき、1.0≦(Tn/Tp)≦2.0を満たすアルカリ乾電池。
  2. 請求項1に記載のアルカリ乾電池であって、
    前記中央筒状部の軸方向と前記薄肉部とがなす角のうち前記電池ケースの前記封止端寄りに位置する角の大きさは60度以上90度以下であるアルカリ乾電池。
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