JP2012225552A - 床下冷暖房方法およびその装置 - Google Patents

床下冷暖房方法およびその装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012225552A
JP2012225552A JP2011092551A JP2011092551A JP2012225552A JP 2012225552 A JP2012225552 A JP 2012225552A JP 2011092551 A JP2011092551 A JP 2011092551A JP 2011092551 A JP2011092551 A JP 2011092551A JP 2012225552 A JP2012225552 A JP 2012225552A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat storage
air
heat
underfloor
storage space
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011092551A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4900860B1 (ja
Inventor
Noriko Yokomine
紀子 横峯
Yoshiyuki Yokomine
良幸 横峯
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2011092551A priority Critical patent/JP4900860B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4900860B1 publication Critical patent/JP4900860B1/ja
Publication of JP2012225552A publication Critical patent/JP2012225552A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
    • Y02B30/13Hot air central heating systems using heat pumps

Abstract

【課題】コストの安い夜間電力を活用し、ヒートポンプで生成の冷温風空気を、閉構造建物の床下の隅々まで行き届かせ、温度のバラツキを低減した床下空間を作り、室内が温度ムラのない床板からのふく射熱による低コストの冷暖房を実現できる床下冷暖房システムを提供する。
【解決手段】
夜間電力を活用し、液体や気体あるいは冷媒を用いたヒートポンプから作られる、冷却または加熱された空気を強制循環器により、ダクトを介して、床板の一部と床下に設けられた断熱板により閉鎖された床下の蓄熱空間に送り、蓄熱空間内の蓄熱材や床板を冷却または加熱し、蓄熱すると共に、蓄熱空間内の空気を、ダクトを介して引き出し、攪拌型送風機を用いて、蓄熱空間の外部の床下空間内に排気し、対流、放熱させ、強制循環器に戻る循環経路を形成し、蓄熱空間と床下空間内に冷却または加熱された空気を供給する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、居室に備えた冷暖房装置の昼間のエネルギー損失を低減する目的で、夜間の電力を活用し、そのふく射熱を用いるため、床下空間の一部に蓄熱材を設置した蓄熱空間をつくり、ここへヒートポンプで生成した冷風や温風を供給し、床板からのふく射熱で冷暖房する建物の床下冷暖房方法およびその装置に関する。
閉構造された建物の床下空間を暖房に利用する建物が普及しつつあり、例えば、コンクリートスラブに電気ヒーターを埋設し夜間電力でコンクリートに蓄熱、日中に放熱させるスラブ蓄熱暖房方式や、レンガ等を床下空間に設置し夜間電力でレンガに蓄熱、日中に放熱させるレンガ蓄熱暖房方式や、あるいは、ヒートポンプで生成した温風をダクトを介して床下空間内に吹き出し、床上の室内空間をふく射熱により暖房する温風方式等があるが、いずれも全面的に普及していないのが現状である。なお、本願発明に関する関連技術として下記物件がある。
特開2007−51859号公報 特開2007−78324号公報 特開2009−108654号公報
上記特許文献1では、「床下を閉鎖空間とした基礎断熱住宅における床下暖房システムであって、床下空間内に温風の吹き出しダクトを備える暖房設備を設置し、前記ダクトから吹き出される温風を前記床下空間に対流させることで、床上の室内空間を暖房するよう構成された床下暖房システムにおいて、前記ダクトの温風吹き出し口の近傍に位置する土間表面に、吹き出された温風が保有する熱が地盤へ流出することを規制する断熱板を局所的に敷設したことを特徴とする床下暖房システム。」が記載されている。
さらに特許文献2では、「冷媒を循環させる冷媒循環回路と、この冷媒循環回路の高温冷媒と水とを熱交換させて生成した温水を循環させる温水循環回路とを有するヒートポンプ装置を備え、前記ヒートポンプ装置の冷媒循環回路の高温や低温の冷媒と室内空気とを熱交換させて生成した温風や冷風を室内空間へ送り出す室内冷暖房用の室内側熱交換器と前記ヒートポンプ装置の温水循環回路の温水と床下空気とを熱交換させて生成した温風を床下空間へ送り出す床下暖房用の床下側熱交換器とを設けたことを特徴とする建物の空調システム。」が記載されている。
さらに特許文献3では、「床下空間の上方に設置された床板と該床板の上部に敷設された床仕上板との間に略全面にわたって空気通路を形成し、前記床板には前記空気通路と前記床下空間とを連通し前記空気通路に対する空気の入口となる複数の孔が厚さ方向に貫通して形成され、且つ前記床仕上板の側面に前記空気通路と連通し該空気通路からの空気の出口となる出口通路が形成されていることを特徴とする床通気構造。」が記載されている。
以上に述べた従来の床下暖房において、
前述したコンクリートスラブ蓄熱暖房方式では、ほぼ床下全面に電気ヒータを敷設するのでコスト高になり、また自然放熱のため制御がし難く、夕方になると放熱量が不足しがちになる懸念がある。またレンガ蓄熱暖房方式では、レンガの温度が約700℃にもなり、木材の発火点(約470℃)より高温になるので、地震や強風時木材と近接すると火災の危険があり安全性に問題がある。さらに、温風方式では、ダクトから温風を吹き出しただけのため、温風は床下空間の隅々まで行き届き難いので、室内温度のバラツキが大きく、したがって温度ムラが大きくなる等の問題がある。
また、特許文献1では、床下空間全体について、暖房設備のダクトから吹き出された温風は床下空間を対流し、再び暖房設備に戻る循環経路が形成し難いと推測される。即ち床下空間は中基礎が複雑に配置されており、相当数の補助ファンを設置しないと、床下空間の広域を対流させるのは困難でありコスト高になる。またダクト吹き出し口近くの補助ファンは、最も抵抗が少なく、ショートサーキットにより温風吸込み量が多いが、一方、吹き出し口より遠い補助ファンは通風経路の抵抗が大きくなり、温風の吸込み量は少なくなると推測する。即ち床下の各区画の隅々まで温風が行き届き難く、温度のバラツキが大きくなり、そのため床上室内の温度ムラが大きくなる問題がある。
さらに、特許文献2では、床下側の熱交換器(以下熱交換器と称す)から温風はダクトで床下空間に吹き出され、その温風は熱交換器へリターンする循環経路を形成しているが、温風はダクト吹き出し口と熱交換器を結ぶ最小抵抗の通風経路を流通する(ショートサーキット)ため、床下の隅々まで温風が行き届き難く、各区画の温度のバラツキが大きくなる。即ち、床下空間は中基礎が複雑に配置されており、温風は主に各区画の人通口を流通することになるが、人通口の数は限られており、さらに中基礎や人通口の配置により熱交換器の設置場所やダクト配管が制約を受け、さらに熱交換器の近傍が暖か過ぎになるので、床下中央部に機器を設置する等の制約があり、さらに床下暖房レベルをダクト長で変えることで各吹き出し風量を調整しているが、区画の狭いところはダクトを長くする等が必要でコストアップにつながる恐れがあり課題である。
さらに特許文献3では、外周基礎換気口から吸排気扇で外気を給気にすることで、床下空間2の気圧が上昇するので、この気圧の高低により床下空気が貫通孔5aから空気通路6を通じ、出口通路6aから第2の空気通路へ流入する通気構造を採用している。しかし、床下空間をプラス圧にすることが必要のために、外気の給気が多量になる恐れがあり、特に室内外温度差の大きい冬季では、この給気量の熱損失により暖房負荷が増大する。さらに24時間換気を含めた合計の給気量および排気量が増加するので、計画換気のバランスや換気経路の形成が崩れる恐れがあり、この点が課題である。
そこで本発明は、上記の問題点を解消するため、
コストの安い夜間電力を活用したヒートポンプで生成の冷風や温風を、閉構造された床下の隅々まで行き届かせ、温度のバラツキを低減した床下空間を作り、温度ムラのない床板からのふく射熱による低コストの冷暖房を実現できる床下冷暖房システムを提供する。
本発明は上記課題を解決するために、その発明1は、居室に備えた冷暖房装置の昼間のエネルギー損失を低減する目的で、夜間の電力を活用し、そのふく射熱を用いるために、液体や気体あるいは冷媒を用いたヒートポンプから作られる、冷やしたり、暖めたりした空気を強制循環器を介し、少なくとも一本のダクトを介して、床下空間の一部を使用した閉鎖された蓄熱空間に送り、該蓄熱空間内に設置した蓄熱材を冷やしたり、暖めたりすると共に、ここで得られた、冷やしたり、暖めた空気を少なくとも一本のダクトを介して引き出し、これを攪拌型送風機を用いて、前記蓄熱空間を含むすべての蓄熱空間内に、冷温風空気を繰り返し供給するようにしたことを特徴とする閉構造された建物の床下冷暖房方法。
その発明2は、居室に備えた冷暖房装置の昼間のエネルギー損失を低減する目的で、夜間の電力を活用し、そのふく射熱を用いるために、液体や気体あるいは冷媒を用いたヒートポンプから作られる、冷やしたり、暖めたりした空気を強制循環器を介し、少なくとも一本のダクトを介して、床下空間の一部を使用した閉鎖された蓄熱空間に送り、該蓄熱空間内に設置した蓄熱材を冷やしたり、暖めたりすると共に、ここで得られた、冷やしたり、暖めた空気を少なくとも一本のダクトを介して引き出し、これを攪拌型送風機を用いて、前記蓄熱空間を含むすべての蓄熱空間内に、冷温風空気を繰り返し供給するようにしたことを特徴とする閉構造された建物の床下冷暖房装置。
本発明は、上記構成から成るので以下に示す効果が期待できる。
(1)ヒートポンプを利用し、さらにコストの安い夜間電力を活用した蓄熱材および床下空間内への蓄熱により、昼間の大幅なランニングコストが低減できる。
(2)蓄熱空間内から冷温風された空気は攪拌型送風機を用いて、床下空間の広い面積を攪拌、対流させ各区画の隅々まで行き届かせて、温度のバラツキが少ない床下空間をつくると共に、室内は、温度ムラのない床板からのふく射熱による快適な冷暖房が実現できる。
(3)日常、長時間使用するリビングやキッチン等の下に蓄熱空間を設置することで、この箇所を優先して冷暖房でき、また冷暖房の立ち上がりを短くすることが実現可能であり、この箇所以外の床下空間についても、一定の冷暖房レベルが保持できるので、例えばトイレ等もヒートショックの恐れが少なくなり、さらに、床下空間全体を均一に冷暖房した場合に比較し、蓄熱空間の冷暖房レベルを上げて、その他の床下空間を少し冷暖房レベルを下げることで、省エネルギーの効果がある。
(4)床下の隅々まで温風が行き届き暖められるので、床下各部の露点が上がり結露し難くなる。
(5)冷暖房しない期間も攪拌型送風機のみ稼動すれば、床下が通風され、たえず空気が動くので、床下空間は高湿空気が滞留せず良好な温熱環境が形成できる。
(6)室外から床下空間に給気の必要がないので、給気による熱損失がなく省エネルギーにも優れ、また計画換気(24時間換気)の換気経路や室内気圧(負圧)等のバランスを乱すことがない。
は、本発明の実施形態を示す床下冷暖房システムの床下縦断面図を示す。 は、本発明のシステムを設置した住宅事例の模式平面図を示す。 図2(イ)は、基礎内部平面図。 図2(ロ)は、一階レイアウトと機器の配置関係を示した平面図。 は、蓄熱空間内への強制循環器からの給気と攪拌型送風機へ排気の状態を示す平面図。 は、蓄熱空間内に蓄熱材を敷設した箇所に、強制循環器を介して給気ダクトから冷温風が給気され、冷温風が蓄熱空間内を流通し排気口に吸込まれる状態を示した平面図。 は、図4のB―B断面で、根太の軸方向から視たもので、蓄熱空間内の部材構成と冷温風の流通状態を示す。 は、蓄熱空間内における部材の構成と冷温風の通気構造の模式図を示す。 は、強制循環器のダクト接続部材およびダクト接続部を示した図面。 図7(イ)は、図7(ロ)のF−F断面図。 図7(ロ)は、図7(イ)のG−G視正面図。図7(ハ)は、図7(ロ)のH−H断面図。 図7(ニ)は、ダクト接続部で図7(ハ)J断面詳細図。 図7(ホ)は、風量調整のオリフィスを設けた断面図。 図7(ヘ)は、風量調整のオリフィス部品図。 は、図1のA部詳細図で、攪拌型送風機の図面および攪拌型送風機から冷温風の吸込みと排気および対流を示す模式図。 図8(イ)は、攪拌型送風機および吸込みを示す縦断面図。 図8(ロ)は、図8(イ)の攪拌型送風機のK−K視下面図。 図8(ハ)は、図8(イ)のL−L断面図で攪拌型送風機から冷温風の排気、送風模式図を示す。 図8(ニ)は、攪拌型送風機から床下空間への冷温風排気と対流を示す模式図。 は、土台と中基礎の隙間通気状態を示した平面図。 図9(イ)は、土台と中基礎の隙間通気状態を示した平面図。 図9(ロ)は、図9(イ)のM−M縦断面図。 図9(ハ)は、図9(ロ)のN−N縦断面図で土台と中基礎の隙間通気状態を示す。 図9(ニ)は、床伏せ図で中基礎部の隙間通気状態を示す模式図。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
本発明の床下冷暖房方法とその装置(以下「冷暖房システム」と称す)は、図1に示すように、熱エネルギー効率の高い電力を利用したヒートポンプシステムで、室外ユニット13にて冷媒を循環させる冷媒循環回路の低温や高温冷媒と水を熱交換させて冷水や温水(以下「冷温水」と称す)を生成して、床下に設置した熱交換器14にこの冷温水を循環させ、床下空気と熱交換させて生成した冷風や温風(以下「冷温風18」と称す)を、前記熱交換器14に接続された給気ダクト26により床下空間10内の蓄熱材(潜熱蓄熱材等)17を設置した蓄熱空間12に給気、送風するように構成されている。さらに、攪拌型送風機19を床下空間10に設置、前記蓄熱空間12に排気ダクト27を介して接続し、蓄熱空間12内の前記冷温風18を吸込み床下空間10内に排気、送風、攪拌しながら床下空間10を対流させ熱交換器14に戻る循環経路を形成する。なお、前記熱交換器14については、事例として、コロナ社温水温風暖房「コロナエコ暖房」に使用している室内ユニットと同様な機能のものを、床下暖房用の強制循環器14として使用が可能であり、このエコ暖房で生成の温風温度は、約56℃と記載されている。したがって、蓄熱空間10内の温度は、30〜40℃程度に設定できれば良い。
一方、冷暖房できるヒートポンプエアコンを使用の場合は、室外にエアコン室外機13、床下内にエアコン室内機14を設置して、該エアコン室外機13とエアコン室内機14の間に冷媒を循環させ、床下空気と熱交換させて生成した冷温風18を前記エアコン室内機14に接続された給気ダクト26により床下空間10内の蓄熱材17を設置した蓄熱空間12に給気、送風するように構成されている。さらに、攪拌型送風機19を床下空間10に設置、前記蓄熱空間12に排気ダクト27を介して接続し、蓄熱空間12内の前記冷温風18を吸込み床下空間10内に排気、送風、攪拌しながら床下を対流させエアコン室内機14に戻る循環経路を形成し、この冷温風はこの経路を繰り返し流通する。なお、上述した「熱交換器」と「エアコン室内機」を総称し、ここでは「強制循環器14」と称する。また、室外に設置した「ヒートポンプユニット」と「エアコン室外機」を総称して、「ヒートポンプユニット13」と称する。なお、前記エアコン室内機14については、事例として、パナソニック電工の製品で、「天袋や地袋用のエアコン室内機」の前面グリルをはずし、この箇所に図7に示したダクト接続部材28を装着すれば床下冷暖房用の強制循環器14として使用が可能である。
次に図1に示す蓄熱空間12は、室内で居間や台所等、最も優先して冷暖房したい所に設けるために、床板4下の大引き7や根太等を利用し閉鎖された空間を形成して設置されている。この蓄熱空間12の下面および側面には、断熱板(断熱保温材)9または木材などが根太8を介して取付けられ、蓄熱材17の蓄熱効率を向上させている。さらに前記断熱板9には給気ダクト26が接続され強制循環器14から冷温風18が蓄熱空間12内へ給気される。一方、攪拌型送風機19に接続された排気ダクト27は蓄熱空間12の断熱板9に接続され、蓄熱空間12の冷温風18を排気口25から吸込み、攪拌型送風機19で床下空間10へ排気、送風する。排気、送風された冷温風18は、床下空間10の広い面積を攪拌、対流し強制循環器14に戻る循環経路が形成され、さらに強制循環器14により繰り返し冷やされたり、暖められた冷温風18が、再度蓄熱空間12を経由して床下空間10に排気、送風される。なお、断熱板9は発泡ウレタンフォーム板や発泡スチレンフォーム板等の材料やこれらの材料と合板等の複合材が、断熱保温性能に優れ、軽くて施工性も良いので適している。
次に、図1に示す冷暖房設備機器の運転等を制御する室内操作パネル16が、室内の壁等に取付けられており、ヒートポンプユニット13、強制循環器14、攪拌型送風機19等の機器運転、タイマーや季節による運転や、床下等に温度センサーを設け温度を感知させた自動制御等、本冷暖房システム運転の操作等を行う。
次に、本冷暖房システムをより効果的にするためには、図1に示すように基礎構造について、コンクリートスラブ3の下面、および布基礎の外側または内側にプラスチック発泡系等の断熱材5を設置し、熱損失を極力少なくするために一棟分全体を高気密、高断熱構造にすることが不可欠である。
次に図2(イ)は、本冷暖房システムを基礎内部に設置した住宅事例の模式図で、床下内部に設置の強制循環器14に接続された給気ダクト26の給気口24を蓄熱空間12に取付けし、該蓄熱空間12に冷温風18を給気する。一方、冷温風18は給気口24から蓄熱空間12に敷設された蓄熱材17を、冷やしたり、暖めたりし複数の排気口25に排気、送風され、接続された排気ダクト27から攪拌型送風機19で冷温風18を床下空間10へ排気、送風される。排気された冷温風18は、床下空間10を送風、攪拌され対流し、強制循環器14へ戻る循環経路を形成する。なお、攪拌型送風機19からの冷温風18の送風到達距離37は、中基礎2で遮断されない限り、半径4m以上は届く。(図2(イ)の円形は、攪拌型送風機19から半径3mの平面距離の範囲を示す。)この住宅事例では、一棟に蓄熱空間12および攪拌型送風機19を2箇所設置した場合を示すが、床下の規模、住宅の断熱性能、地域の気候条件等により設置箇所数を設定し給気ダクト26や排気ダクト27の数を増減させる。
次に、図2(ロ)は、図2(イ)の床下基礎内部機器や各部材の配置と床上1階レイアウトとの平面配置関係を示し、居間や台所キッチンの下に蓄熱空間を設けている。なお、冷温風18による必要な冷暖房熱量は、住宅の広さや断熱性能、室内外温度差、コンクリートスラブ3などの床下部材への蓄熱容量等から算定するが、電気料金の安価な夜間電力を活用し、昼間は蓄熱材17の放熱の活用や本冷暖房システムの間欠運転等でランニングコストを低減する。さらに、本冷暖房システムは、一階や二階まで広範囲の冷暖房には容量不足で不経済と推測されるので、別途室内エアコンなどの冷暖房装置を設置した上で行う。或いは、地域性や住宅の性能、居住者の住まい方等の条件により、本冷暖房システムはベース暖房と位置付けして、夜間電力を積極的に活用した蓄熱空間12内蓄熱により、不足分を別途エアコン等の冷暖房機器を設置しランニングコストを低減する。
次に、図3は、蓄熱空間12内への強制循環器14からの給気と攪拌型送風機19への排気状態を平面図で示している。蓄熱空間12のほぼ中央付近に給気口24を設け、強制循環器14から給気ダクト26を介しこの蓄熱空間12内へ給気する。一方、排気口25は、蓄熱空間12の全体を冷温風18が、ムラなく流通できる所に適宜設置し、攪拌型送風機19から排気ダクト27を介し床下空間10へ排気、送風する。この通風換気方式は、強制給気及び強制排気の第一種換気方式で、前記給気口24および排気口25を蓄熱空間12内に適宜配設することにより、蓄熱空間12内をムラなく強制的に流通させることができるので、蓄熱空間12の上部室内空間11が、床板4からのふく射熱32により温度ムラの少ない冷暖房が他の床下空間10より優先してでき、さらに、蓄熱空間12の上部は、冷暖房の立ち上がり時間を短くできる。なお、蓄熱空間12以外の床下空間10についても、攪拌型送風機19による冷温風18の攪拌、対流により循環経路が形成され、床下の広範囲に冷温風が繰り返し対流するので、蓄熱空間12部より冷暖房効果は少し劣るが、床板4からのふく射熱32により室内空間11が冷暖房される。
次に、図4は、蓄熱空間12内に蓄熱材17を敷設した箇所の給気口24に、強制循環器14に接続された給気ダクト26から冷温風18が給気され、冷温風18が蓄熱空間12内を流通し排気口25に吸込まれる状態を示す。蓄熱材17は、大引き7の下面に取付けられた根太8の上に設置され、地震等で落下しない様にベルト等の固定具で固定しておく。蓄熱材17は蓄熱空間12内の全面に敷設しても良いが、上部に家具等がある場合はその箇所は除外しても良い。なお、蓄熱材17は、潜熱蓄熱材や水(蓄熱材)等を使用し、耐久性のあるプラスチック製のケースやプラスチック製のフイルムの袋等に入れておく。また、潜熱蓄熱材の材料は、硫酸ナトリウムや酢酸ナトリウム等で構成され、凝固点、融解点を適切な温度に設定する。
次に、図5は、図4A―A断面で、根太8の軸方向から視たもので、蓄熱空間12内の部材構成と冷温風18の流通状態を示す。給気口24から蓄熱空間12内に給気された冷温風18は、蓄熱空間12内の根太8の間や蓄熱材17と床板4の間を流通し、蓄熱材17を冷やしたり、暖めたりし蓄熱空間12内の排気口25へ吸込まれ排気ダクト27を介し、攪拌型送風機19から床下空間10へ排気、送風される。蓄熱空間12内の蓄熱材17は冷温風18により蓄熱され、冷暖房システムを運転停止しても一定時間自然放熱されるので、床上の室内空間をふく射熱32により冷暖房できる。また床下空間10についても、冷温風18でコンクリートスラブ3や床板4等の各部材に蓄熱されるので、一定時間自然放熱されふく射熱32により室内を冷暖房できる。なお、図面では攪拌型送風機19は、コンクリートスラブ3の上に設置しているが、断熱板9の下に吊り下げ設置しても良い。また、攪拌型送風機19は、上下逆にして上部を送風機吸込み口22にしても良い。
次に、図6は、蓄熱空間12内における部材の構成と冷温風18の通気構造の模式図を示し、C部は床板4を貼った状態、D部は床板4を剥がした状態、E部は根太8の上に蓄熱材17を敷設した状態を示す。通気は大引き7の下は、根太8の間を通気し、床板4と蓄熱材17の間は縦横に流通できる。このように部材構成することで、蓄熱空間12内は通気抵抗が少なく、隅々まで流通し効率の良い通気ができるので、蓄熱材17の蓄熱や放熱の効率が良くなる。なお、この蓄熱空間12構造は、新築住宅はもちろん既築住宅にも適用できる。即ち、蓄熱空間12工事は、大引き7に床板4を貼ってから下から根太8を取り付け、蓄熱材17を根太8の間の下から差しこみ敷設し、断熱板9を取り付けて、隙間をテープや現場ウレタン発泡処理等でふさぎ、給気口24、排気口25、ダクト等の部材を取り付ける。なお、2×4工法住宅にもこの仕様に準じた工事で対応が可能である。
次に、図7(イ)〜図7(ハ)は強制循環器14の外形を示し、給気ダクト26接続部を機器と一体化された製品かまたは、ダクト接続部材28を別部材にして機器本体に取り付けられている。このダクト接続部材28に取付けられたダクト継手30に給気ダクト26をダクトバンド31で固定する。なお、ダクト接続部材28およびダクト継手30は鋼板、アルミ板などの金属製やプラスチック製等の材料で製作され、給気ダクト26や排気ダクトは、耐久性、耐熱性があり配管作業の容易なフレキシブルのプラスチック製やアルミ等の金属製等で構成されている。
次に、図7(ニ)〜7(ヘ)は、攪拌型送風機18からの送風量調整の実施例を示す。床下空間10の温度のバラツキをなくするには、床下各部の温度をほぼ平均化する必要があり、各蓄熱空間12の面積あるいは容積に応じた送風量が必要である。例えば、蓄熱空間12の送風量を他の蓄熱空間12より増減させ調整する場合、その一方法として、図7(ニ)のダクト継手30部に図7(ヘ)のオリフィス29を挿入する。ダクト継手30の内径を最大φD1とすれば、図7(ヘ)のオリフィス29の内径をφD2と小さくし、ダクト内流量抵抗を増加させ風量を減少させる。なお、強制循環器14からの送風量は、ダクトの直径、ダクト長さ、曲げ数、曲げ角度、曲げ半径、オリフィス29等による合計の経路抵抗により求められる。複数のダクト経路で各区画へ送風する場合、各経路の抵抗計算により、異なる内径のオリフィス29で抵抗を負荷すれば、それぞれの経路の設定風量がほぼ得られるので、抵抗計算のプログラムソフトを作成すれば、求めるオリフィス29の内径が選定できる。
次に、図8(イ)、図8(ロ)に示す送風機は、特開2001−355598公報や、特開2003−28095公報に開示された攪拌型送風機の吸込み口22にチャンバー23を追加設置し、またはチャンバー23を攪拌型送風機19の本体ケーシングに一体に成形し、該チャンバー23に少なくとも一個の排気ダクトを接続し、もう一方の端部にダクト継手30で蓄熱空間12下面の断熱板9に接続し、攪拌型送風機19の運転により蓄熱空間12より排気ダクト27を介して攪拌型送風機19内へ冷温風18を吸込み、攪拌型送風機19の排気口40から床下空間へ排気する。なお、チャンバー23の代わりに排気ダクト27を送風機吸込み口22に直接接続して、該排気ダクト27に別部品としてチャンバーを取付けて分岐しても良い。なお、攪拌型送風機19は、モーター20に静圧の高いシロッコファン21を取り付けているので、蓄熱空間12から床下空間10へ高風量の冷温風18を排気、送風できる。
次に、攪拌型送風機19から冷温風18の排出の模式図を図8(ハ)に示し、シロッコファン21により吸込まれた冷温風18は攪拌型送風機19の全周に設けられた複数箇所の送風機排気口40から排気、送風される。さらに、冷温風18の攪拌および対流36の模式図を図8(ニ)に示し、冷温風18は、中基礎2、布基礎1の方向に送風し、基礎に当たり攪拌および対流しながらこの区画のほぼ全空間に行き届き、強制循環器14に戻る循環経路を形成する。
なお、本冷暖房システムにより蓄熱空間12および床下空間10の隅々まで通風がされさらに、冬季は床下空間10が暖められるので、床下各部の露点が上がり結露が防止できて、高湿環境が改善される。さらに、冷暖房しない期間も攪拌型送風機19を稼動させれば、床下空間10の空気が絶えず動くので、高湿空気が滞留せず良好な温熱環境が形成できる。さらに、夏季エアコンの除湿機能を使用すれば、床下空間10を除湿できるので高湿環境が改善される。
次に、床下各区画の温度のバラツキを少なくするため、図9(イ)〜図9(ニ)に示すように、中基礎2の土台6取付けアンカーボルト34位置に、高さ20mm巾100mm程度、長さ100mm程度か或いは隙間通気38のできる連続の基礎パッキング39(別名ねこ土台)を挿入し、中基礎2上面と土台6下面の間に隙間を設け冷温風18が床下全体に届くようにする。本発明の冷暖房システムでは、従来の人通口だけでなく、この中基礎2部の隙間通気38を付加した床下通風方式は、攪拌型送風機19を使用することにより、効率的な冷暖房を行うことができる。さらに、冷温風18の対流の障害になり易い中基礎2については、強度上問題がない限りできるだけ単純で通風し易い構造が好ましい。
1 布基礎
2 中基礎
3 コンクリートスラブ
4 床板
5 断熱材
6 土台
7 大引き
8 根太
9 断熱板
10 床下空間
11 室内空間
12 蓄熱空間
13 ヒートポンプユニット(室外ユニットおよびエアコン室外機)
14 強制循環器(室内ユニットおよびエアコン室内機)
15 液体および冷媒循環パイプ
16 室内操作パネル
17 蓄熱材(潜熱蓄熱材や水蓄熱材等)
18 冷温風
19 攪拌型送風機
20 モーター
21 シロッコファン
22 送風機吸込口
23 チャンバー
24 給気口
25 排気口
26 給気ダクト
27 排気ダクト
28 ダクト接続部材
29 オリフィス
30 ダクト継手
31 ダクトバンド
32 ふく射熱
33 対流
34 アンカーボルト
35 土台隙間
36 攪拌および対流
37 送風到達距離
38 隙間通気
39 基礎パッキン
40 送風機排気口







本発明は、居室に備えた冷暖房装置の昼間のエネルギー損失を低減する目的で、夜間の電力を活用し、そのふく射熱を用いるため、床下空間の一部に蓄熱材を設置した蓄熱空間をつくり、ここへヒートポンプで生成した冷風や温風を供給し、床板からのふく射熱で冷暖房する建物の床下冷暖房方法およびその装置に関する。
閉構造建物の床下空間を暖房に利用する建物が普及しつつあり、例えば、コンクリートスラブに電気ヒーターを埋設し夜間電力でコンクリートに蓄熱、日中に放熱させるスラブ蓄熱暖房方式や、レンガ等を床下空間に設置し夜間電力でレンガに蓄熱、日中に放熱させるレンガ蓄熱暖房方式や、あるいは、ヒートポンプで生成した温風をダクトを介して床下空間内に吹き出し、床上の室内空間をふく射熱により暖房する温風方式等があるが、いずれも全面的に普及していないのが現状である。なお、本願発明に関する関連技術として下記物件がある。
特開2007−51859号公報 特開2007−78324号公報 特開2009−108654号公報
上記特許文献1では、「床下を閉鎖空間とした基礎断熱住宅における床下暖房システムであって、床下空間内に温風の吹き出しダクトを備える暖房設備を設置し、前記ダクトから吹き出される温風を前記床下空間に対流させることで、床上の室内空間を暖房するよう構成された床下暖房システムにおいて、前記ダクトの温風吹き出し口の近傍に位置する土間表面に、吹き出された温風が保有する熱が地盤へ流出することを規制する断熱板を局所的に敷設したことを特徴とする床下暖房システム。」が記載されている。
さらに特許文献2では、「冷媒を循環させる冷媒循環回路と、この冷媒循環回路の高温冷媒と水とを熱交換させて生成した温水を循環させる温水循環回路とを有するヒートポンプ装置を備え、前記ヒートポンプ装置の冷媒循環回路の高温や低温の冷媒と室内空気とを熱交換させて生成した温風や冷風を室内空間へ送り出す室内冷暖房用の室内側熱交換器と前記ヒートポンプ装置の温水循環回路の温水と床下空気とを熱交換させて生成した温風を床下空間へ送り出す床下暖房用の床下側熱交換器とを設けたことを特徴とする建物の空調システム。」が記載されている。
さらに特許文献3では、「床下空間の上方に設置された床板と該床板の上部に敷設された床仕上板との間に略全面にわたって空気通路を形成し、前記床板には前記空気通路と前記床下空間とを連通し前記空気通路に対する空気の入口となる複数の孔が厚さ方向に貫通して形成され、且つ前記床仕上板の側面に前記空気通路と連通し該空気通路からの空気の出口となる出口通路が形成されていることを特徴とする床通気構造。」が記載されている。
以上に述べた従来の床下暖房において、
前述したコンクリートスラブ蓄熱暖房方式では、ほぼ床下全面に電気ヒータを敷設するのでコスト高になり、また自然放熱のため制御がし難く、夕方になると放熱量が不足しがちになる懸念がある。またレンガ蓄熱暖房方式では、レンガの温度が約700℃にもなり、木材の発火点(約470℃)より高温になるので、地震や強風時木材と近接すると火災の危険があり安全性に問題がある。さらに、温風方式では、ダクトから温風を吹き出しただけのため、温風は床下空間の隅々まで行き届き難いので、室内温度のバラツキが大きく、したがって温度ムラが大きくなる等の問題がある。
また、特許文献1では、床下空間全体について、暖房設備のダクトから吹き出された温風は床下空間を対流し、再び暖房設備に戻る循環経路が形成し難いと推測される。即ち床下空間は中基礎が複雑に配置されており、相当数の補助ファンを設置しないと、床下空間の広域を対流させるのは困難でありコスト高になる。またダクト吹き出し口近くの補助ファンは、最も抵抗が少なく、ショートサーキットにより温風吸込み量が多いが、一方、吹き出し口より遠い補助ファンは通風経路の抵抗が大きくなり、温風の吸込み量は少なくなると推測する。即ち床下の各区画の隅々まで温風が行き届き難く、温度のバラツキが大きくなり、そのため床上室内の温度ムラが大きくなる問題がある。
さらに、特許文献2では、床下側の熱交換器(以下熱交換器と称す)から温風はダクトで床下空間に吹き出され、その温風は熱交換器へリターンする循環経路を形成しているが、温風はダクト吹き出し口と熱交換器を結ぶ最小抵抗の通風経路を流通する(ショートサーキット)ため、床下の隅々まで温風が行き届き難く、各区画の温度のバラツキが大きくなる。即ち、床下空間は中基礎が複雑に配置されており、温風は主に各区画の人通口を流通することになるが、人通口の数は限られており、さらに中基礎や人通口の配置により熱交換器の設置場所やダクト配管が制約を受け、さらに熱交換器の近傍が暖か過ぎになるので、床下中央部に機器を設置する等の制約があり、さらに床下暖房レベルをダクト長で変えることで各吹き出し風量を調整しているが、区画の狭いところはダクトを長くする等が必要でコストアップにつながる恐れがあり課題である。
さらに特許文献3では、外周基礎換気口から吸排気扇で外気を給気にすることで、床下空間2の気圧が上昇するので、この気圧の高低により床下空気が貫通孔5aから空気通路6を通じ、出口通路6aから第2の空気通路へ流入する通気構造を採用している。しかし、床下空間をプラス圧にすることが必要のために、外気の給気が多量になる恐れがあり、特に室内外温度差の大きい冬季では、この給気量の熱損失により暖房負荷が増大する。さらに24時間換気を含めた合計の給気量および排気量が増加するので、計画換気のバランスや換気経路の形成が崩れる恐れがあり、この点が課題である。
そこで本発明は、上記の問題点を解消するため、
コストの安い夜間電力を活用したヒートポンプで生成の冷風や温風を、閉構造された床下の隅々まで行き届かせ、温度のバラツキを低減した床下空間を作り、温度ムラのない床板からのふく射熱による低コストの冷暖房を実現できる床下冷暖房システムを提供する。
本発明は上記課題を解決するために、その発明1は、居室に備えた冷暖房装置の昼間のエネルギー損失を低減するための閉構造建物の床下冷暖房方法であって、夜間の電力を活用し、液体や気体あるいは冷媒を用いたヒートポンプから作られる、冷却または加熱された空気を強制循環器により、少なくとも一本のダクトを介して、床板の一部と床下に設けられた断熱板により閉鎖された床下の蓄熱空間に送り、該蓄熱空間内に設置した蓄熱材や床板を冷却または加熱し、前記蓄熱空間内の蓄熱材や床板に蓄熱すると共に、前記蓄熱空間内の空気を少なくとも一本のダクトを介して引き出し、攪拌型送風機を用いて、前記蓄熱空間の外部の床下空間内に排気し、前記床下空間内で対流、放熱させ、強制循環器に戻る循環経路を形成し、前記蓄熱空間と前記床下空間内に冷却または加熱された空気を供給するようにしたことを特徴とする閉構造建物の床下冷暖房方法。
その発明2は、居室に備えた冷暖房装置の昼間のエネルギー損失を低減するための閉構造建物の床下冷暖房装置であって、夜間の電力を活用し、液体や気体あるいは冷媒を用いたヒートポンプから作られる、冷却または加熱された空気を強制循環器により、少なくとも一本のダクトを介して、床板の一部と床下に設けられた断熱板により閉鎖された床下の蓄熱空間に送り、該蓄熱空間内に設置した蓄熱材や床板を冷却または加熱し、前記蓄熱空間内の蓄熱材や床板に蓄熱すると共に、前記蓄熱空間内の空気を少なくとも一本のダクトを介して引き出し、攪拌型送風機を用いて、前記蓄熱空間の外部の床下空間内に排気し、前床下空間内で対流、放熱させ、強制循環器に戻る循環経路を形成し、前記蓄熱空間と前記床下空間内に冷却または加熱された空気を供給するようにしたことを特徴とする閉構造建物の床下冷暖房装置。
本発明は、上記構成から成るので以下に示す効果が期待できる。
(1)ヒートポンプを利用し、さらにコストの安い夜間電力を活用した蓄熱材および床下空間内への蓄熱により、昼間の大幅なランニングコストが低減できる。
(2)蓄熱空間内から冷温風された空気は攪拌型送風機を用いて、床下空間の広い面積を攪拌、対流させ各区画の隅々まで行き届かせて、温度のバラツキが少ない床下空間をつくると共に、室内は、温度ムラのない床板からのふく射熱による快適な冷暖房が実現できる。
(3)日常、長時間使用するリビングやキッチン等の下に蓄熱空間を設置することで、この箇所を優先して冷暖房でき、また冷暖房の立ち上がりを短くすることが実現可能であり、この箇所以外の床下空間についても、一定の冷暖房レベルが保持できるので、例えばトイレ等もヒートショックの恐れが少なくなり、さらに、床下空間全体を均一に冷暖房した場合に比較し、蓄熱空間の冷暖房レベルを上げて、その他の床下空間を少し冷暖房レベルを下げることで、省エネルギーの効果がある。
(4)床下の隅々まで温風が行き届き暖められるので、床下各部の露点が上がり結露し難くなる。
(5)冷暖房しない期間も攪拌型送風機のみ稼動すれば、床下が通風され、たえず空気が動くので、床下空間は高湿空気が滞留せず良好な温熱環境が形成できる。
(6)室外から床下空間に給気の必要がないので、給気による熱損失がなく省エネルギーにも優れ、また計画換気(24時間換気)の換気経路や室内気圧(負圧)等のバランスを乱すことがない。
は、本発明の実施形態を示す床下冷暖房システムの床下縦断面図を示す。 は、本発明のシステムを設置した住宅事例の模式平面図を示す。 図2(イ)は、基礎内部平面図。 図2(ロ)は、一階レイアウトと機器の配置関係を示した平面図。 は、蓄熱空間内への強制循環器からの給気と攪拌型送風機へ排気の状態を示す平面図。 は、蓄熱空間内に蓄熱材を敷設した箇所に、強制循環器を介して給気ダクトから冷温風が給気され、冷温風が蓄熱空間内を流通し排気口に吸込まれる状態を示した平面図。 は、図4のB―B断面で、根太の軸方向から視たもので、蓄熱空間内の部材構成と冷温風の流通状態を示す。 は、蓄熱空間内における部材の構成と冷温風の通気構造の模式図を示す。 は、強制循環器のダクト接続部材およびダクト接続部を示した図面。 図7(イ)は、図7(ロ)のF−F断面図。 図7(ロ)は、図7(イ)のG−G視正面図。図7(ハ)は、図7(ロ)のH−H断面図。 図7(ニ)は、ダクト接続部で図7(ハ)J断面詳細図。 図7(ホ)は、風量調整のオリフィスを設けた断面図。 図7(ヘ)は、風量調整のオリフィス部品図。 は、図1のA部詳細図で、攪拌型送風機の図面および攪拌型送風機から冷温風の吸込みと排気および対流を示す模式図。 図8(イ)は、攪拌型送風機および吸込みを示す縦断面図。 図8(ロ)は、図8(イ)の攪拌型送風機のK−K視下面図。 図8(ハ)は、図8(イ)のL−L断面図で攪拌型送風機から冷温風の排気、送風模式図を示す。 図8(ニ)は、攪拌型送風機から床下空間への冷温風排気と対流を示す模式図。 は、土台と中基礎の隙間通気状態を示した平面図。 図9(イ)は、土台と中基礎の隙間通気状態を示した平面図。 図9(ロ)は、図9(イ)のM−M縦断面図。 図9(ハ)は、図9(ロ)のN−N縦断面図で土台と中基礎の隙間通気状態を示す。 図9(ニ)は、床伏せ図で中基礎部の隙間通気状態を示す模式図。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
本発明の床下冷暖房方法とその装置(以下「冷暖房システム」と称す)は、図1に示すように、熱エネルギー効率の高い電力を利用したヒートポンプシステムで、夜間の電力を活用し、液体や気体あるいは冷媒を用いた室外設置のヒートポンプユニット13から作られる、冷却または加熱された空気を床下に設置した熱交換器14により、少なくとも一本の給気ダクト26を介して、床板4の一部と床下に設けられた断熱板9により閉鎖された床下の蓄熱空間12に送り、該蓄熱空間12内に設置した蓄熱材17や床板4を冷却または加熱し、前記蓄熱空間12内の蓄熱材17や床板4に蓄熱すると共に、前記蓄熱空間12内の空気を少なくとも一本の排気ダクト27を介して引き出し、攪拌型送風機19を用いて、前記蓄熱空間12の外部の床下空間10内に排気し、前記床下空間10内で対流、放熱させ、熱交換器14に戻る循環経路を形成し、前記蓄熱空間12と前記床下空間10内に冷却または加熱された空気を供給するように構成されている。なお、前記熱交換器14については、事例として、コロナ社温水温風暖房「コロナエコ暖房」に使用している室内ユニットと同様な機能のものを、床下暖房用の熱交換器14として使用が可能であり、このエコ暖房で生成の温風温度は、約56℃と記載されている。したがって、蓄熱空間12内の温度は、30〜40℃程度に設定できれば良い。
一方、冷暖房できるヒートポンプエアコンを使用の場合は、室外のエアコン室外機13と床下内のエアコン室内機14の間に冷媒を循環させ、前段落「0017」と同様に、エアコン室外機13から作られる、冷却または加熱された空気を床下に設置したエアコン室内機14により、少なくとも一本の給気ダクト26を介して、床板4の一部と床下に設けられた断熱板9により閉鎖された床下の蓄熱空間12に送り、該蓄熱空間12内に設置した蓄熱材17や床板4を冷却または加熱し、前記蓄熱空間12内の蓄熱材17や床板4に蓄熱すると共に、前記蓄熱空間12内の空気を少なくとも一本の排気ダクト27を介して引き出し、攪拌型送風機19を用いて、前記蓄熱空間12の外部の床下空間10内に排気し、前記床下空間10内で対流、放熱させ、エアコン室内機14に戻る循環経路を形成し、前記蓄熱空間12と前記床下空間10内に冷却または加熱された空気を供給するように構成されている。なお、前段落「0017」で述べた「熱交換器」と本段落「0018」で述べた「エアコン室内機」を総称して、以後「強制循環器14」と称する。また、前段落「0017」で述べた室外の「ヒートポンプユニット」と本段落「0018」で述べた「エアコン室外機」を総称して、以後「ヒートポンプユニット13」と称する。なお、前記エアコン室内機14については、事例として、パナソニック電工の製品で、「天袋や地袋用のエアコン室内機」の前面グリルをはずし、この箇所に図7に示したダクト接続部材28を装着すれば床下冷暖房用の強制循環器14として使用が可能である。
次に図1に示す蓄熱空間12は、室内で居間や台所等、最も優先して冷暖房したい所に設けるために、床板4下の大引き7や根太8等を利用し閉鎖された空間を形成して設置されている。この蓄熱空間12の下面および側面には、断熱板(断熱保温材)9または木材などが根太8を介して取付けられ、床板4や蓄熱材17の蓄熱効率を向上させている。さらに、前記断熱板9には給気ダクト26が接続され強制循環器14から冷温風18が蓄熱空間12内へ給気される。一方、攪拌型送風機19に接続された排気ダクト27は蓄熱空間12の断熱板9に接続され、蓄熱空間12の冷温風18を排気口25から吸込み、攪拌型送風機19で前記蓄熱空間12の外部の床下空間10内へ排気し、前記床下空間10内で対流、放熱させ、強制循環器14に戻る循環経路を形成し、前記蓄熱空間12と前記床下空間10内に冷却または加熱された空気を供給する。なお、断熱板9は発泡ウレタンフォーム板や発泡スチレンフォーム板等の材料やこれらの材料と合板等の複合材が、断熱保温性能に優れ、軽くて施工性も良いので適している。
次に、図1に示す冷暖房設備機器の運転等を制御する室内操作パネル16が、室内の壁等に取付けられており、ヒートポンプユニット13、強制循環器14、攪拌型送風機19等の機器運転、タイマーや季節による運転や、床下等に温度センサーを設け温度を感知させた自動制御等、本冷暖房システム運転の操作等を行う。
次に、本冷暖房システムをより効果的にするためには、図1に示すように基礎構造について、コンクリートスラブ3の下面、および布基礎1の外側または内側にプラスチック発泡系等の断熱材5を設置し、熱損失を極力少なくするために一棟分全体を高気密、高断熱構造にすることが不可欠である。
次に図2(イ)は、本冷暖房システムを基礎内部に設置した住宅事例の模式図で、床下内部に設置の強制循環器14に接続された給気ダクト26の給気口24を蓄熱空間12に取付けし、該蓄熱空間12に冷温風18を給気する。一方、冷温風18は給気口24から蓄熱空間12に敷設した蓄熱材17や床板4を冷却または加熱し、複数の排気口25に排気、送風され、接続された排気ダクト27から攪拌型送風機19で冷温風18を蓄熱空間12の外部の床下空間10内へ排気し、床下空間10内で対流、放熱させ、強制循環器14へ戻る循環経路を形成し、前記蓄熱空間12と前記床下空間10内に冷却または加熱された空気を供給する。なお、攪拌型送風機19からの冷温風18の送風到達距離37は、中基礎2で遮断されない限り、半径4m以上は届く。(図2(イ)の円形は、攪拌型送風機19から半径3mの平面距離の範囲を示す。)この住宅事例では、一棟に蓄熱空間12および攪拌型送風機19を2箇所設置した場合を示すが、床下の規模、住宅の断熱性能、地域の気候条件等により設置箇所数を設定し給気ダクト26や排気ダクト27の数を増減させる。
次に、図2(ロ)は、図2(イ)の床下基礎内部機器や各部材の配置と床上1階レイアウトとの平面配置関係を示し、居間や台所キッチンの下に蓄熱空間12を設けている。なお、冷温風18による必要な冷暖房熱量は、住宅の広さや断熱性能、室内外温度差、コンクリートスラブ3などの床下部材への蓄熱容量等から算定するが、電気料金の安価な夜間電力を活用し、昼間は蓄熱材17の放熱の活用や本冷暖房システムの間欠運転等でランニングコストを低減する。さらに、本冷暖房システムは、一階や二階まで広範囲の冷暖房には容量不足で不経済と推測されるので、別途室内エアコンなどの冷暖房装置を設置した上で行う。或いは、地域性や住宅の性能、居住者の住まい方等の条件により、本冷暖房システムはベース暖房と位置付けして、夜間電力を積極的に活用した蓄熱空間12内蓄熱により、不足分を別途エアコン等の冷暖房機器を設置しランニングコストを低減する。
次に、図3は、蓄熱空間12内への強制循環器14からの給気と攪拌型送風機19への排気状態を平面図で示している。蓄熱空間12のほぼ中央付近に給気口24を設け、強制循環器14から給気ダクト26を介しこの蓄熱空間12内へ給気する。一方、排気口25は、蓄熱空間12の全体を冷温風18が、ムラなく流通できる所に適宜設置し、排気ダクト27を介し攪拌型送風機19から蓄熱空間12の外部の床下空間10内へ排気する。この通風換気方式は、強制給気及び強制排気の第一種換気方式で、前記給気口24および排気口25を蓄熱空間12内に適宜配設することにより、蓄熱空間12内をムラなく強制的に流通させることができるので、蓄熱空間12の上部室内空間11が、床板4からのふく射熱32により温度ムラの少ない冷暖房が他の床下空間10より優先してでき、さらに、蓄熱空間12の上部は、冷暖房の立ち上がり時間を短くできる。なお、蓄熱空間12以外の床下空間10についても、攪拌型送風機19による冷温風18の攪拌、対流により循環経路が形成され、床下の広範囲に冷温風18が繰り返し対流するので、蓄熱空間12部分より冷暖房効果は少し劣るが、床板4からのふく射熱32により室内空間11が冷暖房される。
次に、図4は、蓄熱空間12内に蓄熱材17を敷設した箇所の給気口24に、強制循環器14に接続された給気ダクト26から冷温風18が給気され、冷温風18が蓄熱空間12内を流通し排気口25に吸込まれる状態を示す。蓄熱材17は、大引き7の下面に取付けられた根太8の上に設置され、地震等で落下しない様にベルト等の固定具で固定しておく。蓄熱材17は蓄熱空間12内の全面に敷設しても良いが、上部に家具等がある場合はその箇所は除外しても良い。なお、蓄熱材17は、潜熱蓄熱材や水(蓄熱材)等を使用し、耐久性のあるプラスチック製のケースやプラスチック製のフイルムの袋等に入れておく。また、潜熱蓄熱材の材料は、硫酸ナトリウムや酢酸ナトリウム等で構成され、凝固点、融解点を適切な温度に設定する。
次に、図5は、図4のB―B断面で、根太8の軸方向から視たもので、蓄熱空間12内の部材構成と冷温風18の流通状態を示す。給気口24から蓄熱空間12内に給気された冷温風18は、蓄熱空間12内の根太8の間や蓄熱材17と床板4の間を流通し、蓄熱材17や床板4を冷却または加熱し、蓄熱空間12内の排気口25へ吸込まれ排気ダクト27を介し、攪拌型送風機19から蓄熱空間12の外部の床下空間10へ排気、送風される。なお、蓄熱された蓄熱材17や床板4は、冷暖房システムを運転停止しても一定時間自然放熱されるので、床上の室内空間11をふく射熱32により冷暖房できる。また、蓄熱空間12の外部の床下空間10についても、冷温風18でコンクリートスラブ3や床板4等に蓄熱されるので、一定時間自然放熱され、ふく射熱32により室内を冷暖房できる。なお、図面では攪拌型送風機19は、コンクリートスラブ3の上に設置しているが、断熱板9の下に吊り下げ設置しても良い。また、攪拌型送風機19は、上下逆にして上部を送風機吸込み口22にしても良い。
次に、図6は、蓄熱空間12内における部材の構成と冷温風18の通気構造の模式図を示し、C部は床板4を貼った状態、D部は床板4を剥がした状態、E部は根太8の上に蓄熱材17を敷設した状態を示す。通気は大引き7の下は、根太8の間を通気し、床板4と蓄熱材17の間は縦横に流通できる。このように部材構成することで、蓄熱空間12内は通気抵抗が少なく、隅々まで流通し効率の良い通気ができるので、蓄熱材17の蓄熱や放熱の効率が良くなる。なお、この蓄熱空間12構造は、新築住宅はもちろん既築住宅にも適用できる。即ち、蓄熱空間12工事は、大引き7に床板4を貼ってから下から根太8を取り付け、蓄熱材17を根太8の間の下から差しこみ敷設し、断熱板9を取り付けて、隙間をテープや現場ウレタン発泡処理等でふさぎ、給気口24、排気口25、ダクト等の部材を取り付ける。なお、2×4工法住宅にもこの仕様に準じた工事で対応が可能である。
次に、図7(イ)〜図7(ハ)は強制循環器14の外形を示し、給気ダクト26接続部を機器と一体化された製品かまたは、ダクト接続部材28を別部材にして機器本体に取り付けられている。このダクト接続部材28に取付けられたダクト継手30に給気ダクト26をダクトバンド31で固定する。なお、ダクト接続部材28およびダクト継手30は鋼板、アルミ板などの金属製やプラスチック製等の材料で製作され、給気ダクト26や排気ダクトは、耐久性、耐熱性があり配管作業の容易なフレキシブルのプラスチック製やアルミ等の金属製等で構成されている。
次に、図7(ニ)〜7(ヘ)は、強制循環器14からの送風量調整の実施例を示す。床下空間10の温度のバラツキをなくするには、床下各部の温度をほぼ平均化する必要があり、各蓄熱空間12の面積あるいは容積に応じた送風量が必要である。例えば、蓄熱空間12の送風量を他の蓄熱空間12より増減させ調整する場合、その一方法として、図7(ニ)のダクト継手30部に図7(ヘ)のオリフィス29を挿入する。ダクト継手30の内径を最大φD1とすれば、図7(ヘ)のオリフィス29の内径をφD2と小さくし、ダクト内流量抵抗を増加させ風量を減少させる。なお、強制循環器14からの送風量は、ダクトの直径、ダクト長さ、曲げ数、曲げ角度、曲げ半径、オリフィス29等による合計の経路抵抗により求められる。複数のダクト経路で各区画へ送風する場合、各経路の抵抗計算により、異なる内径のオリフィス29で抵抗を負荷すれば、それぞれの経路の設定風量がほぼ得られるので、抵抗計算のプログラムソフトを作成すれば、求めるオリフィス29の内径が選定できる。
次に、図8(イ)、図8(ロ)に示す送風機は、特開2001−355598公報や、特開2003−28095公報に開示された攪拌型送風機の吸込み口22にチャンバー23を追加設置し、またはチャンバー23を攪拌型送風機19の本体ケーシングに一体に成形し、該チャンバー23に少なくとも一個の排気ダクトを接続し、もう一方の端部にダクト継手30で蓄熱空間12下面の断熱板9に接続し、攪拌型送風機19の運転により蓄熱空間12より排気ダクト27を介して攪拌型送風機19内へ冷温風18を吸込み、攪拌型送風機19の排気口40から床下空間へ排気する。なお、チャンバー23の代わりに排気ダクト27を送風機吸込み口22に直接接続して、該排気ダクト27に別部品としてチャンバーを取付けて分岐しても良い。なお、攪拌型送風機19は、モーター20に静圧の高いシロッコファン21を取り付けているので、蓄熱空間12から蓄熱空間12の外部の床下空間10へ高風量の冷温風18を排気、送風できる。
次に、攪拌型送風機19から冷温風18の排出の模式図を図8(ハ)に示し、シロッコファン21により吸込まれた冷温風18は攪拌型送風機19の全周に設けられた複数箇所の送風機排気口40から排気、送風される。さらに、冷温風18の攪拌および対流36の模式図を図8(ニ)に示し、冷温風18は、中基礎2、布基礎1の方向に送風し、基礎に当たり攪拌および対流しながらこの区画のほぼ全空間に行き届き、強制循環器14に戻る循環経路を形成する。
なお、本冷暖房システムにより蓄熱空間12および床下空間10の隅々まで通風がされ、さらに、冬季は床下空間10が暖められるので、床下各部の露点が上がり結露が防止できて、高湿環境が改善される。さらに、冷暖房しない期間も攪拌型送風機19を稼動させれば、床下空間10の空気が絶えず動くので、高湿空気が滞留せず良好な温熱環境が形成できる。さらに、夏季エアコンの除湿機能を使用すれば、床下空間10を除湿できるので高湿環境が改善される。
次に、床下各区画の温度のバラツキを少なくするため、図9(イ)〜図9(ニ)に示すように、中基礎2の土台6取付けアンカーボルト34位置に、高さ20mm巾100mm程度、長さ100mm程度か或いは隙間通気38のできる連続の基礎パッキング39(別名ねこ土台)を挿入し、中基礎2上面と土台6下面の間に隙間を設け冷温風18が床下全体に届くようにする。本発明の冷暖房システムでは、従来の人通口だけでなく、この中基礎2部の隙間通気38を付加した床下通風方式は、攪拌型送風機19を使用することにより、効率的な冷暖房を行うことができる。さらに、冷温風18の対流の障害になり易い中基礎2については、強度上問題がない限りできるだけ単純で通風し易い構造が好ましい。
1 布基礎
2 中基礎
3 コンクリートスラブ
4 床板
5 断熱材
6 土台
7 大引き
8 根太
9 断熱板
10 床下空間
11 室内空間
12 蓄熱空間
13 ヒートポンプユニット(室外ユニットおよびエアコン室外機)
14 強制循環器(室内ユニットおよびエアコン室内機)
15 液体および冷媒循環パイプ
16 室内操作パネル
17 蓄熱材(潜熱蓄熱材や水蓄熱材等)
18 冷温風
19 攪拌型送風機
20 モーター
21 シロッコファン
22 送風機吸込口
23 チャンバー
24 給気口
25 排気口
26 給気ダクト
27 排気ダクト
28 ダクト接続部材
29 オリフィス
30 ダクト継手
31 ダクトバンド
32 ふく射熱
33 対流
34 アンカーボルト
35 土台隙間
36 攪拌および対流
37 送風到達距離
38 隙間通気
39 基礎パッキン
40 送風機排気口

Claims (2)

  1. 居室に備えた冷暖房装置の昼間のエネルギー損失を低減する目的で、夜間の電力を活用し、そのふく射熱を用いるために、液体や気体あるいは冷媒を用いたヒートポンプから作られる、冷やしたり、暖めたりした空気を強制循環器を介し、少なくとも一本のダクトを介して、床下空間の一部を使用した閉鎖された蓄熱空間に送り、該蓄熱空間内に設置した蓄熱材を冷やしたり、暖めたりすると共に、ここで得られた、冷やしたり、暖めた空気を少なくとも一本のダクトを介して引き出し、これを攪拌型送風機を用いて、前記蓄熱空間を含むすべての蓄熱空間内に、冷温風空気を繰り返し供給するようにしたことを特徴とする閉構造された建物の床下冷暖房方法。
  2. 居室に備えた冷暖房装置の昼間のエネルギー損失を低減する目的で、夜間の電力を活用し、そのふく射熱を用いるために、液体や気体あるいは冷媒を用いたヒートポンプから作られる、冷やしたり、暖めたりした空気を強制循環器を介し、少なくとも一本のダクトを介して、床下空間の一部を使用した閉鎖された蓄熱空間に送り、該蓄熱空間内に設置した蓄熱材を冷やしたり、暖めたりすると共に、ここで得られた、冷やしたり、暖めた空気を少なくとも一本のダクトを介して引き出し、これを攪拌型送風機を用いて、前記蓄熱空間を含むすべての蓄熱空間内に、冷温風空気を繰り返し供給するようにしたことを特徴とする閉構造された建物の床下冷暖房装置。
























JP2011092551A 2011-04-19 2011-04-19 床下冷暖房方法およびその装置 Expired - Fee Related JP4900860B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011092551A JP4900860B1 (ja) 2011-04-19 2011-04-19 床下冷暖房方法およびその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011092551A JP4900860B1 (ja) 2011-04-19 2011-04-19 床下冷暖房方法およびその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4900860B1 JP4900860B1 (ja) 2012-03-21
JP2012225552A true JP2012225552A (ja) 2012-11-15

Family

ID=46060692

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011092551A Expired - Fee Related JP4900860B1 (ja) 2011-04-19 2011-04-19 床下冷暖房方法およびその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4900860B1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103940019A (zh) * 2014-05-09 2014-07-23 广西钧富凰地源热泵有限公司 一种空调系统以及热泵设备
CN104976716A (zh) * 2015-06-12 2015-10-14 浙江商业职业技术学院 一种利用抽水马桶冲洗水蒸发冷却的空调装置
CN110873369A (zh) * 2018-08-31 2020-03-10 浙江三花智能控制股份有限公司 空调
KR102235842B1 (ko) * 2020-10-21 2021-04-05 정인교 하이브리드형 복사난방장치

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3468740B2 (ja) * 2000-07-31 2003-11-17 株式会社アルトピア 建物用送風撹拌装置および建物用換気システム
JP2004045006A (ja) * 2002-07-10 2004-02-12 Daiichi Seidenki Kk 空気加圧送風装置
JP4012870B2 (ja) * 2003-10-21 2007-11-21 積水ハウス株式会社 床下の蓄熱構造
JP4774271B2 (ja) * 2005-07-22 2011-09-14 関西電力株式会社 床下暖房システム
JP2007078324A (ja) * 2005-09-16 2007-03-29 Sekisui House Ltd 建物の空調システム
JP2009108654A (ja) * 2007-11-01 2009-05-21 Asahi Kasei Homes Kk 床通気構造

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103940019A (zh) * 2014-05-09 2014-07-23 广西钧富凰地源热泵有限公司 一种空调系统以及热泵设备
CN104976716A (zh) * 2015-06-12 2015-10-14 浙江商业职业技术学院 一种利用抽水马桶冲洗水蒸发冷却的空调装置
CN110873369A (zh) * 2018-08-31 2020-03-10 浙江三花智能控制股份有限公司 空调
KR102235842B1 (ko) * 2020-10-21 2021-04-05 정인교 하이브리드형 복사난방장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP4900860B1 (ja) 2012-03-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3208689U (ja) 高断熱高気密住宅の換気及び空調構造
WO2015137443A1 (ja) 効果的空気循環技術による統合化した省エネルギー建物暖冷房システム
JP4900860B1 (ja) 床下冷暖房方法およびその装置
JP2016217630A (ja) 放射空調システム
JP6208194B2 (ja) 空調換気システム
JP2007078324A (ja) 建物の空調システム
JP5070379B1 (ja) 床下冷暖房装置
CN101182950A (zh) 建筑物系统
JP3156275U (ja) エアコンを用いた快適居住空間を有する家屋
JP4774271B2 (ja) 床下暖房システム
JP7168530B2 (ja) 床吹出放射空調システム
JP4049380B2 (ja) 建物の換気システム
JP2007017066A (ja) 蓄熱空調システム
JP4698204B2 (ja) 建物の室内空調システム
KR101081669B1 (ko) 복사 냉난방 기능 및 국부 배기 기능을 가진 경량 콘크리트 패널 및 이를 이용한 벽체구조
JP2011021417A (ja) 冷却装置
KR20100090147A (ko) 쾌적한 난방을 제공하는 난방기
JP2016003839A (ja) 集合住宅用暖冷房換気システム
JP6046176B2 (ja) 床置き型室内空調機接続用床下チャンバ
JP6464482B2 (ja) 空調システム
JP2014202369A (ja) サーキュレータ
JP6895667B2 (ja) 冷暖房システム
JP2013087957A (ja) 空調システム及び建物
JP2009210216A (ja) 室内空調システム
JP6654822B2 (ja) 空調システム及び建物

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111213

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150113

Year of fee payment: 3

R154 Certificate of patent or utility model (reissue)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R154

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150113

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees