まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下の説明において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前面側、奥側を背面側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、縦長の方形枠状に形成された外枠100と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ左側辺を中心に開閉可能に設けられている。
下扉枠103の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球(パチンコ玉)を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。この上皿3の下方には、後述する操作レバー600が揺動自在に軸支されるとともに、その上端部には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン516や遊技者が発生する音声を入力するための指向性マイク61bが設けられている。また、上皿3の前面端面の左右位置端部位置には、図1に示すように遊技機周囲の音を入力するための指向性マイク61a,61cが設けられている。
これら指向性マイク61a〜61cは、向けられている方向からの音を高利得で入力可能な指向性を有する集音マイクとされており、パチンコ遊技機1の中央に遊技者を向けて配置された指向性マイク61bは、遊技者の発声や遊技者が所持する携帯電話等からの出力音を高利得で集音し、指向性マイク61aは、パチンコ遊技機1の右側(向かって左側)に向けて配置されていることで、パチンコ遊技機1の右側の周囲音を高利得で集音し、指向性マイク61cは、パチンコ遊技機1の左側(向かって右側)に向けて配置されていることで、パチンコ遊技機1の左側の周囲音を高利得で集音する。
プッシュボタン516は、図11に示すように、上下に可動可能とされて、遊技者により操作されていない非操作状態である非押下(高背)状態と、遊技者により操作されている操作状態である押下(低背)状態とを反復するようになっているとともに、プッシュボタン516の直下に設けられたバネ部材517により、常時、非押下(高背)状態に付勢されており、遊技者が操作したときにおいてのみ非押下(高背)状態から押下(低背)状態となる。
これらプッシュボタン516は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を受付け可能に構成されていればよい。プッシュボタン516の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン516に対してなされた遊技者の操作行為を検知するボタンスイッチ516a(図2を参照)が設けられている。
操作レバー600のパチンコ遊技機1内方側には、送風口が設けられていることで、操作レバー600を操作する遊技者の手に対し、演出に応じて送風するとともにバイブレータを動作させて振動させることにより臨場感を高めることができるようになっている。
ガラス扉枠102の背面には、遊技盤6が前面枠101に対して着脱可能に取り付けられている。
ガラス扉枠102の背面には、前面枠101に対して着脱可能に取り付けられた遊技盤6が配置されている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄(演出図柄)を可変表示する複数の可変表示部を含む演出表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられているとともに、該演出表示装置(飾り図柄表示装置)9の上部位置には、遊技者の遊技位置である、パチンコ遊技機1の正面に配置された椅子の配置位置を含むパチンコ遊技機1前面の所定領域(撮像領域)を撮像する赤外線撮像部11bと、赤外光放射部11aとを有する、遊技者の位置や動作を検出するための撮像ユニット11が設けられている。
本実施例では、赤外光放射部11aから網点状の所定パターンにパターン化されたパターン赤外光を放射して、該放射したパターン赤外光による距離画像を撮像することにより、各被写体の動作や距離を検出可能とされており、このように、パターン赤外光を放射することによる距離画像により対象物との距離や遊技者の遠近方向の動きを検出することで、例えば、これら対象物との距離や遊技者の遠近方向の動きを視差等により検出するために、複数の撮像カメラを設ける必要がなく、遊技機の構造が複雑化してしまうことを防止できる。
また、本実施例では、赤外光放射部11aを設けており、これら赤外光放射部11aによって撮像領域が、赤外線撮像部11bにて撮像可能な赤外光にて照らされるので、周囲の明るさ等に影響されることなく、遊技者の位置や動作を確実に検知できるようになるとともに、これら使用する電磁波(光)として、可視光ではなく目視できない赤外線を使用しているので、演出用の光以外にこれら検出用の光が放射されることにより、演出用の光による演出効果が低下してしまうことも回避できる。
演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。演出図柄の可変表示を行う演出表示装置9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。
また、変動表示装置9は、図4に示すように、立体(3D)画像(映像)並びに非立体(2D)を表示する画像用液晶パネル9aと、該画像用液晶パネル9aの後方から前方側に向けて面状光を照射するバックライト9cと、画像用液晶パネル9aの前面側に該画像用液晶パネル9aと所定間隔を有して設けられた視差バリア用液晶パネル9bとを有する、パララックスバリア方式の裸眼立体表示液晶表示装置よりなる画像表示装置で実現されている。
視差バリア用液晶パネル9bは、図4に示すように、画像用液晶パネル9aに縦長短冊状に表示される右目用画像を遊技者の左目が視認すること並びに左目用画像を遊技者の右目が視認することを阻止するシャッタとなる縦縞状の黒部と、右目用画像を遊技者の右目が視認すること並びに左目用画像を遊技者の左目が視認することを可能とする透明部とを有する視差バリア画像を表示する視差バリア画像表示状態と、縦縞状の黒部を有さない、全ての画素が透明部とされた透過状態の表示状態とが可能とされた比較的光透明性の高い液晶パネルとされている。
これら図4に示すように、視差バリア用液晶パネル9bには、視差バリア画像が視差バリア用液晶パネル9bに表示されることで、右目についは、画像用液晶パネル9aに表示されている各左目用画像(L)が黒帯部(シャッタ;非透過部ともいう)にて隠されてブロックされるとともに、各右目用画像(R)が非黒帯部(ブランク;透過部ともいう)を透して視認されることで、右目には右目用画像(R)のみが提供される一方、左目についは、画像用液晶パネル9aに表示されている各右目用画像(R)が黒帯部(シャッタ;非透過部ともいう)にて隠されてブロックされるとともに、各左目用画像(L)が非黒帯部(ブランク;透過部ともいう)を透して視認されることで、左目には左目用画像(L)のみが提供されることで、遊技者は、偏向メガネ等を装着することなく、裸眼の状態で、立体画像を視聴することができるようになっている。
なお、本実施例においては、変動表示装置9は、画像用液晶パネル9aとして液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、画像用液晶パネル9aのデバイスとしては、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクスLED、有機或いは無機のエレクトロルミネッセンス(EL)パネル等のその他の画像表示形態の表示装置により構成されてもよい。
遊技盤6における右側下部位置には、第1識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施例では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、第1特別図柄表示器8aの上方位置には、第2識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
この実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば2つの7セグメントLED等を用いて00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄ともいう)の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13a(例えば、近接スイッチ)及び第1入賞確認スイッチ13b(例えば、フォトセンサ)によって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下側には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14a(例えば、近接スイッチ)及び第2入賞確認スイッチ14b(例えば、フォトセンサ)によって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
また、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13bの検出結果及び第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第2特別図柄表示器8bの上部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する第1特別図柄保留記憶表示部と、該第1特別図柄保留記憶表示部とは別個に設けられ、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示部と、が設けられた例えば7セグメントLEDからなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。第1特別図柄保留記憶表示部は、第1保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示部は、第2保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。なお、この例では、第1始動入賞口13への入賞による始動記憶数及び第2始動入賞口14への入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしてもよい。
また、演出表示装置9の表示画面には、後述する保留予告フラグがセットされているときにおいて第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部(図1参照)と第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部(図1参照)とが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
なお、この実施例では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は大入賞口扉を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって大入賞口扉が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23(例えば、近接スイッチ)及び第3入賞確認スイッチ23a(例えば、フォトセンサ)で検出される。
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置20において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13や第2始動入賞口14といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置20において大入賞口が開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置20において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第1特別図柄表示器8aの右側には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、例えば2つのランプからなる。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施例では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10の下側のランプが点灯して当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、下側のランプが点灯して当りである場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。特別図柄保留記憶表示器18の上部には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(例えば、7セグメントLEDのうち4つのセグメント)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示部を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示部を1減らす。
なお、7セグメントLEDからなる普通図柄保留記憶表示器41には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(セグメント)とともに、例えば大当り時における特別可変入賞球装置20の開放回数(大当りラウンド数)を示す2つの表示部(セグメント)、及び遊技状態を示す2つの表示部(セグメント)が設けられているが、これら表示部を普通図柄保留記憶表示部とは別個の表示器にて構成してもよい。また、普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示可能なセグメントLED等にて構成してもよい。
特別可変入賞球装置20の周辺には普通入賞装置の入賞口29a〜29dが設けられ、入賞口29a,29cに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30aによって検出され、入賞口29b,29dに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30bによって検出される。各入賞口29a〜29dは、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14や大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
第1始動入賞口13内には、始動入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b)が設けられている。この実施例では、第1始動入賞口13内で、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13bとが上下に配置されている(本例では、第1始動口スイッチ13aが上側に配置され、第1入賞確認スイッチ13bが下側に配置されている)。従って、この実施例では、第1始動入賞口13内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まず第1始動口スイッチ13aで検出され、次いで第1入賞確認スイッチ13bで検出される。
また、第2始動入賞口14内には、始動入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b)が設けられている。この実施例では、第2始動入賞口14内で、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14bとが上下に配置されている(本例では、第2始動口スイッチ14aが上側に配置され、第2入賞確認スイッチ14bが下側に配置されている)。従って、この実施例では、第2始動入賞口14内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まず第2始動口スイッチ14aで検出され、次いで第2入賞確認スイッチ14bで検出される。
また、大入賞口内には、大入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23a)が設けられている。この実施例では、大入賞口内で、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aとが配置されている(本例では、カウントスイッチ23が上側に配置され、第3入賞確認スイッチ23aが下側に配置されている)。従って、この実施例では、大入賞口内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まずカウントスイッチ23で検出され、次いで第3入賞確認スイッチ23aで検出される。
また、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aとして、それぞれ異なる検出方式のスイッチが用いられる。この実施例では、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23として近接スイッチを用い、第1入賞確認スイッチ13b、第2入賞確認スイッチ14b、第3入賞確認スイッチ23aとしてフォトセンサを用いている。
また、第1始動口スイッチ13aによって遊技球が検出されたことにもとづいて、第1特別図柄の変動表示が開始され、賞球払出が実行される。また、第2始動口スイッチ14aによって遊技球が検出されたことにもとづいて、第2特別図柄の変動表示が開始され、賞球払出が実行される。また、第1カウントスイッチ23または第2カウントスイッチ24によって遊技球が検出されたことにもとづいて、賞球払出が実行される。また、第1始動口スイッチ13aによる検出結果に加えて第1入賞確認スイッチ13bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。また、第2始動口スイッチ14aによる検出結果に加えて第2入賞確認スイッチ14bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。また、カウントスイッチ23による検出結果に加えて第3入賞確認スイッチ23aの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。従って、第1入賞確認スイッチ13b、第2入賞確認スイッチ14b、第3入賞確認スイッチ23aは、異常入賞の判定のみに用いられる。
このように、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23は近接スイッチを用いて構成し、第1〜第3入賞確認スイッチ14b,15b,23aはフォトセンサを用いているが、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aの検出方式はこの実施例で示したものにかぎらず、例えば、第1,2始動口スイッチ14a,15a及びカウントスイッチ23と、第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aとで異なる検出方式であれば、逆に第1,2始動口スイッチ14a,15a及びカウントスイッチ23としてフォトセンサを用い、第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aとして近接スイッチを用いてもよい。この場合、フォトセンサである第1,2始動口スイッチ14a,15a及びカウントスイッチ23の検出結果にもとづいて特別図柄の変動表示や賞球払出処理が実行され、近接スイッチである第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aの検出結果は、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口の異常入賞の判定のみに用いられることになる。また、例えば、電磁式のスイッチである近接スイッチや光学式のフォトセンサに代えて、第1,2始動口スイッチ14a,15a及びカウントスイッチ23または第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aとして、機械式のスイッチ(マイクロスイッチなど)を用いてもよい。
また、この実施例では、特別図柄の変動表示や賞球払出処理の実行の契機となる第1,2始動口スイッチ14a,15aカウントスイッチ23は、異常入賞の判定に用いられる第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aよりも上流側に設けられていたが、異常入賞の判定に用いられるスイッチの下流側に設けてもよい。
そして遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、第1始動口スイッチ13a(近接スイッチ)から入力した検出信号と第1入賞確認スイッチ13b(フォトセンサ)から入力した検出信号とにもとづいて、第1始動口スイッチ13aにて検出された遊技球数と第1入賞確認スイッチ13bにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えた(本例では、15以上となった)と判定すると、所定のエラーとして、第1始動入賞口13への異常入賞が発生したと判定する。また、第2始動口スイッチ14a(近接スイッチ)から入力した検出信号と第2入賞確認スイッチ14b(フォトセンサ)から入力した検出信号とにもとづいて、第2始動口スイッチ14aにて検出された遊技球数と第2入賞確認スイッチ14bにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えた(本例では、15以上となった)と判定すると、所定のエラーとして、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定する。また、カウントスイッチ23(近接スイッチ)から入力した検出信号と第3入賞確認スイッチ23a(フォトセンサ)から入力した検出信号とにもとづいて、カウントスイッチ23にて検出された遊技球数と第3入賞確認スイッチ23aにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えた(本例では、5以上となった)と判定すると、所定のエラーとして、大入賞口への異常入賞が発生したと判定する。
このように、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aと、を互いに異なる検出方式のセンサ(本例では、近接スイッチとフォトセンサ)により構成していることで、例えば電磁波などを用いて第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口への入賞数が実際の入賞数よりも多くなるように認識させるような不正行為が行われた場合に、近接スイッチにて検出された遊技球数とフォトスイッチにて検出された遊技球数とに差が生じ、遊技制御用マイクロコンピュータ1560はこの差球数が所定の閾値を超えた場合に異常入賞が発生したと判定するため、確実な不正行為対策を講ずることができる。
遊技領域7には、遊技状態に応じて発光する複数の装飾LED25a、25bを有する装飾部材25L,25Rが設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口26がある。
遊技領域7の外側の左右上下部には、効果音を発する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、回転体用LED等の各種LEDが内蔵される天ランプモジュール530と、左枠LED28b(図3参照)が内蔵される左発光部28Lおよび右枠LED28c(図3参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら回転体用LED、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LEDは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。
図1では、図示を省略しているが、左枠LED28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、天ランプモジュール530の近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。なお、賞球LED51および球切れLED52は、賞球の払出中である場合や球切れが検出された場合に、演出制御基板に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ100によって点灯制御される。さらに、特に図示はしないが、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
遊技者の操作により打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示及び第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると「大当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄とは異なる所定の小当り図柄(所定表示結果)であると「小当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄及び小当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。
この実施例では、特図ゲームにおける確定特別図柄が「確変大当りA」または「通常大当りC」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、第1大当り状態(15ラウンド大当り状態)に移行する。大当り遊技状態(15ラウンド大当り状態)では、特別可変入賞球装置20の大入賞口扉が、第1期間となる所定期間(例えば29.5秒間)あるいは所定個数(例えば8個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤6の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1ラウンド数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。このような15ラウンド大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞するたびに15個の出玉(賞球)が得られる。なお、15ラウンド大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として「確変大当りB」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、第2大当り状態(高速2ラウンド大当り状態)に移行する。第2大当り状態では、特別可変入賞球装置20の大入賞口扉が、第1大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.5秒間)あるいは所定個数(例えば3個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤6の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。第2大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第2ラウンド数(例えば「2」)となる。
このような第2大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば15個の出玉(賞球)が得られるが、大入賞口の開放期間が第2期間(0.5秒間)であって、非常に短い。そのため、第2大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、第2大当り状態は第2特定遊技状態ともいう。また、第2大当り状態は、本実施例のように、第1大当り状態に比べてラウンドの実行回数が少ないものではなく、同一のラウンド数であって、大入賞口の開放期間が非常に短い(例えば0.1秒間)としたものであってもよい。すなわち、第2大当り状態は、各ラウンドで大入賞口を開放状態に変化させる期間が第1大当り状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が第1大当り状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであってもよい。
また、非確変大当りである「通常大当りC」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき第1大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば70回等)の特図ゲーム(変動表示)が実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了すればよい。このように非確変大当りである「通常大当りC」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基に対応する大当り図柄特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく第1大当り状態が終了した後に時短状態に制御される大当り図柄は、非確変大当り図柄(「通常大当り図柄」ともいう)と称される。また、大当り図柄のうち非確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「非確変大当り」(「通常大当り」ともいう)と称される。
「確変大当りA」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき第1大当り状態が終了した後や、確変状態において「確変大当りB」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき第2大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮される時短制御とともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率状態)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続する。
こうした「確変大当りA」に対応する大当り図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく第1大当り状態が終了した後に確変状態に制御される大当り図柄は、確変大当り図柄と称される。また、「確変大当りB」に対応する大当り図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される大当り図柄は、突確大当り図柄と称される。また、大当り図柄のうち確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「確変大当り」と称される。突確大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「突確大当り」(「突確大当り」ともいう)と称される。なお、これら大当り図柄は任意であり、例えば、遊技者に大当り図柄であることや、大当り種別を認識されないようにするために、大当り図柄を数字とせずに予め定められた記号等にしてもよい。
「小当り」に対応する特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示された後には、小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、確変大当りB(第2大当り状態)と同様に特別可変入賞球装置20において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置20を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が、第2回数{第2ラウンド数に等しい実行回数(本例では2回)に達するまで繰り返し実行される。なお、小当り遊技状態では、第2大当り状態と同様に、特別可変入賞球装置20を第1状態とする期間が第2期間となることと、第1状態とする動作の実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよい。小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御されることになる。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく可変入賞球装置15における可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口14を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合せられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口14に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口14は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかに制御されている期間と同一であればよい。また、高開放制御期間であるときには、遊技状態が高ベース中であるともいう。これに対して、高開放制御期間でないときには、遊技状態が低ベース中であるともいう。この実施例における時短状態は、低確高ベース状態とも称される遊技状態であり、通常状態は、低確低ベース状態とも称される遊技状態であり、高開放制御期間ではない確変状態である潜伏確変状態は高確低ベース状態とも称される遊技状態である。
また、この実施例では、通常状態において「確変大当りB」の終了後には、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない第2確変制御(潜伏確変状態;高確低ベース状態)へ移行する。また、確変状態において「突確大当り」となったことに基づく第2大当り状態の終了後には、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる第1確変状態(高確高ベース状態)へ移行する。
このように確変状態のうちには、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われるものの他に、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われないもの(潜伏確変)が含まれていてもよい。また、例えば、特図ゲームにける可変表示結果が「確変大当り」となったことに基づく第1大当り状態の終了後には、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる第1確変状態(高確高ベース状態ともいう)に制御され、その後、特図表示結果が「大当り」となることなく、特図ゲームの実行回数が所定回数(例えば70回)に達したときには、確変制御は継続して行われるものの、時短制御や高開放制御が終了して行われなくなる第2確変状態(高確低ベース状態ともいう)に制御されるようにしてもよい。
演出表示装置9に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアでは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示(変動表示)が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9の表示領域にて仮停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ仮停止表示もされていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が仮停止表示されているときに未だ仮停止表示もしていない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリアなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
次に、パチンコ遊技機1の背面の構造について簡単に説明する。パチンコ遊技機1の背面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100が搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声制御基板70および球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。なお、遊技制御基板31は基板収納ケースに収納されている。
さらに、パチンコ遊技機1背面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板やタッチセンサ基板(図示略)が設けられている。電源基板には、パチンコ遊技機1における遊技制御基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ、遊技制御基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ1560のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、この実施例では、主基板31は遊技盤側に設けられ、払出制御基板37は遊技枠側に設けられている。このような構成であっても、後述するように、主基板31と払出制御基板37との間の通信をシリアル通信で行うことによって、遊技盤を交換する際の配線の取り回しを容易にしている。
なお、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。なお、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿や下皿に払い出すための装置であって、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。なお、この実施例では、払出検出手段は、払出個数カウントスイッチによって実現され、球払出装置97から実際に賞球や貸し球が払い出されたことを検出する機能を備える。この場合、払出個数カウントスイッチは、賞球や貸し球の払い出しを1球検出するごとに検出信号を出力する。
パチンコ遊技機1の背面には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板が設置されている。ターミナル基板には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(始動口信号、図柄確定回数1信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、セキュリティ信号、賞球信号1、遊技機エラー状態信号)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。なお、遊技機エラー状態信号に関しては必ずしもパチンコ遊技機1の外部に出力しなくてもよく、該情報出力端子から、この遊技機エラー状態信号の替わりに遊技枠が開放状態であることを示すドア開放信号等を出力するようにしてもよい。
パチンコ遊技機1の背面上部の貯留タンクに貯留された遊技球は誘導レールを通り、カーブ樋を経て球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチが設けられている。球切れスイッチが球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチが遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示略)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示略)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ1560(遊技制御手段に相当)が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施例では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ1560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ1560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路53が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ1560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ1560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ1560には、乱数回路53が内蔵されている。乱数回路53は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路53は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路53は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切り替え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、乱数回路53が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ1560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ1560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路53が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路53が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路53から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ1560には、払出制御基板37(の払出制御用マイクロコンピュータ)や演出制御基板80(の演出制御用マイクロコンピュータ100)とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路52が内蔵されている。なお、払出制御用マイクロコンピュータや演出制御用マイクロコンピュータ100にも、遊技制御用マイクロコンピュータ1560とシリアル通信で信号を入出力するためのシリアル通信回路が内蔵されている(図示略)。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータ(具体的には、後述する賞球コマンド出力カウンタの値)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施例では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ1560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ1560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ1560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ1560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ1560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ1560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ1560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。なお、電源監視回路を電源基板に搭載するのではなく、バックアップ電源によって電源バックアップされる基板(例えば、主基板31)に搭載するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ1560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14a、第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23、第3入賞確認スイッチ23aおよび各入賞口スイッチ30a,30bや、演出装置500に設けられる昇降センサ90からの検出信号を基本回路に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、演出装置500の可動部800を昇降する昇降モータ533を基本回路からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ1560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100で構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ1560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
演出制御基板80は、演出制御用CPU120およびRAM122を含む演出制御用マイクロコンピュータ100(図3参照)や、指向性マイク61a〜61cにより集音された音声を入力するための音声入力用回路110や、該音声入力用回路110を通じて指向性マイク61a〜61cから入力された音声信号を処理して、音声認識により所定の合言葉と一致するか等の判定処理等を行う音声信号処理回路111や、撮像ユニット11の動作を制御するとともに、該撮像ユニット11にて撮像した赤外線放射パターンによる画像信号を画像認識処理して、画像認識により遊技者の動作検出等の各種処理を行う動作検出処理部112を搭載している。
なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU120は、内蔵または外付けのROM(図示略)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバおよび入力ポートを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU120は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)262に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
音声入力用回路110は、図32に示すように、パチンコ遊技機1の右側(向かって左側)に設けられている指向性マイク(右マイク)61aと、パチンコ遊技機1の左側(向かって右側)に設けられている指向性マイク(左マイク)61cとが接続され、これら指向性マイク(右マイク)61a並びに指向性マイク(左マイク)61cからパチンコ遊技機1の周囲の音声が入力され、該入力された各音声の波形を合成し、該合成した音声波形を反転して出力する波形合成反転回路125と、該波形合成反転回路125から出力された音声波形の音量レベル、つまり、パチンコ遊技機1の周囲音の音量レベルを検出する音量レベル検出回路126と、該音量レベル検出回路126を通過した波形合成反転回路125により合成反転された波形を有する周囲音の波形と、指向性マイク(中央マイク)61bから入力される音の波形とを合成する波形合成回路127と、該波形合成回路127で合成されることで強調される指向性マイク(中央マイク)61bからの入力音を増幅するアンプ等から成る音声増幅回路128と、該音声増幅回路128にて増幅された音声をデジタルデータにA/D変換するA/D変換回路129とが設けられている。
つまり、音声入力用回路110においては、指向性マイク(右マイク)61a並びに指向性マイク(左マイク)61cから入力されるパチンコ遊技機1の周囲音の音、すなわち、パチンコ遊技機1に隣接している他のパチンコ遊技機1や他の遊技者の声等の周囲音を合成するとともに波形反転させて、指向性マイク(中央マイク)61bからの入力音の波形と合成することで、指向性マイク(中央マイク)61bから遊技者の発声や遊技者が所持する携帯電話等からの出力音とともに入力される周囲音が減衰されることにより、遊技者の発声や遊技者が所持する携帯電話等からの出力音が相対的に強調されることになり、これら遊技者の発声や遊技者が所持する携帯電話等からの出力音を、周囲の音が大きくても良好に取り出すことができる。
また、音量レベル検出回路126は、検出した周囲音の音量レベルを演出制御用CPU120とともに音声増幅回路128に出力しており、音声増幅回路128は、該周囲音の音量レベルに基づいて波形合成回路127から出力される音声波形、つまり、周囲音が減衰された音声を増幅する。具体的には、周囲音の音量レベルが高ければ増幅を大きくし、周囲音の音量レベルが低ければ増幅を小さくする。
尚、本実施例では設けていないが、これら音声増幅回路128による増幅を、A/D変換回路129における量子化状況に応じて制御する増幅制御回路を設けるようにして、これら増幅によってA/D変換回路129における量子化レベルと、増幅された音声の音量レベルとが不一致となることによる不具合の発生を防止できるようにしても良い。
音声信号処理回路111は、A/D変換回路129にて変換された音声データを一時記憶可能なワークメモリや、これらワークメモリに記憶されている音声データを高速で処理可能な音声処理プロセッサを有している。
音声処理プロセッサにおいては、ワークメモリに記憶されている音声データに基づいて、入力された音声の総音量を特定して出力する処理や入力された音声を文字列データに変換する音声認識が実施され、該音声認識にて変換された文字列が所定の合言葉に合致しているかが判定される。
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに従って画像ROM263から必要なデータを読み出す。画像ROM263は、演出表示装置9に非立体(2D)表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号や、3D画像データ等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU120は、画像ROM263から読み出したデータをVDP262に出力する。VDP262は、演出制御用CPU120から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバに入力する。入力ドライバは、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路(図示略)が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。さらに、単方向性回路であるI/Oポート部を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ1560側)に入り込まない。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段である演出制御用CPU120が、遊技盤6に設けられているステージLED(図示略)の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている賞球LED51、球切れLED52、左枠LED28b、右枠LED28c並びに天ランプモジュール530内の各LEDの表示制御を行う。
図3に示すように、演出制御基板80は、演出制御用CPU120、ROM121、RAM122、I/O123を含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。演出制御基板80において、演出制御用CPU120は、内蔵のROM122に格納されたプログラムに従って動作し、入力回路260を介して演出制御コマンドを受信する。演出制御用CPU120は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)262に、変動表示装置9に表示する画像の生成等の変動表示装置9の表示制御を行わせる表示制御処理を実施する。
VDP262は、図3に示すように、画像データROM263、VRAM(ビデオRAM)領域として使用されるSDRAM210(シンクロナスDRAM)とともに表示制御回路を構成する。
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに従って2次元(2D)画像データや右目用画像と左目用画像から成る立体画像を表示するための立体(3D)画像データが記憶された画像データROM263から必要なデータを読み出すための指令をVDP262に出力する。画像データROM263は、変動表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像の2次元或いは3次元の画像データをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP262は、演出制御用CPU120の指令に応じて、画像データROM263から画像データを読み出す。そして、VDP262は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
VDP262は、VDP262の各種設定などが格納されるシステムレジスタ202、アトリビュート(キャラクタを描画する際に使用されるパラメータであり、キャラクタの描画順序や、色数、拡大縮小率、パレット番号、座標などを指定するデータ)が格納されるアトリビュートレジスタ203、VRAM領域の後述する描画領域への画像の描画制御を行う描画制御部206、画像データROM263に格納されているCGデータをVRAM領域に転送する制御を行うデータ転送制御部211、VRAM領域の後述する表示領域に格納されている画像データを表示するためのビデオ信号(R(赤)、G(緑)、B(青))信号及び同期信号を出力する表示制御部213、表示制御部213から出力されたビデオ信号をアナログ信号に変換して変動表示装置9を構成する画像用液晶パネル9a、視差バリア用液晶パネル9bに出力するDAコンバータ214、215などが搭載された集積回路である。
VDP262の内部には、システムバス、CGバスが設けられており、システムバス及びCGバスはCPUインターフェイス201を介して演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU120と接続されているとともに、CGバスはCGバスインターフェイス204を介して画像データROM263に接続されている。システムバスにはシステムレジスタ202が接続されているとともに、CGバスにはアトリビュートレジスタ203が接続されており、演出制御用CPU120は、システムレジスタ202及びアトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっている。
また、描画制御部206、データ転送制御部211、表示制御部213はシステムバスに接続されており、システムレジスタ202にアクセスできるようになっている。また、描画制御部206、データ転送制御部211はCGバスに接続されており、画像データROM263、アトリビュートレジスタ203にアクセスできるようになっている。
また、VDP262の内部には、更にVRAMバスが設けられており、VRAMバスは、VRAMバスインターフェイス209を介してSDRAM210と接続されている。VRAMバスには、描画制御部206、データ転送制御部211、表示制御部213が接続されており、VRAMバスを介してSDRAM210のVRAM領域にアクセスできるようになっている。
システムレジスタ202には、初期設定、描画、データ転送などの命令を格納するシステム制御レジスタ、後述する割込信号の出力命令などを格納する割込制御レジスタ、VRAM領域における描画領域、パレットデータの配置領域などを格納する描画レジスタ、データ転送時の転送元のアドレス、転送先のアドレスなどを格納するデータ転送レジスタ、VRAM領域における表示領域などを格納する表示レジスタなどが割り当てられている。
CPUインターフェイス201は、Vブランク(画像を更新する周期)の開始毎に演出制御用CPU120に対してVブランク割込信号を出力するとともに、その他各種割込信号を、演出制御用CPU120に対して出力する。
表示制御部213は、表示レジスタにて指定されているVRAM領域の表示領域の画像データをビデオ信号として出力する表示処理を行う。本実施例では、Vブランク毎に表示領域及び描画領域が切り替わる。このため、あるVブランクにおいて描画領域として割り当てられた領域の描画が行われるとともに、次のVブランクにおいては、表示領域に切り替わるので、前のVブランクにおいて描画された画像データが表示出力されることとなり、その間も他方の領域で描画が行われることとなる。
また、本実施例の演出制御基板80には、図3に示すように、前述した撮像ユニット11に接続され、これら撮像ユニット11にて撮像された画像に基づいて、遊技中の遊技者の視点位置や動作を特定して出力する動作検出処理部112が設けられている。
ここで、本実施例に用いた撮像ユニット11について説明すると、撮像ユニット11は、図5(b)に示すように、網点状の所定パターンにパターン化されたパターン赤外光を、図5(a)に示すように、パチンコ遊技機1前方の遊技者側の領域に向けて広がるように放射する赤外光放射部11aと、この赤外光放射部11aから放射されるパターン赤外光による撮像を行う赤外線撮像部11bを備えており、赤外線撮像部11bにて撮像した遊技者の画像により、撮像した画像中に含まれる人物や該人物の各身体部位を抽出したり、これら人物や各身体部位までの距離や位置を特定することによる抽出した各身体部位の動作の特定を、該画像を動作検出処理部112にて画像認識することにより正確に特定できるようになっている。
これら撮像ユニット11は、演出制御基板80に搭載された動作検出処理部112に接続されており、該撮像ユニット11の動作制御が動作検出処理部112にて実施されるとともに、該撮像ユニット11にて撮像された赤外線画像が撮像ユニット11に入力されることで、該動作検出処理部112においてパチンコ遊技機1において遊技中の遊技者が識別されるとともに、該識別された遊技者の動作が検出されて、該遊技者の位置情報(視点位置情報)や動作情報が演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)に出力される。
本実施例の動作検出処理部112には、撮像ユニット11により放射された放射パターンにより映し出された遊技者の画像を記憶する画像用メモリや、この画像中に含まれるパターンを構成する所定図形点の間隔(距離)や、変形状況(輪郭部分においては変形や欠けが大きい)を解析する画像処理を実施して、各被写体までの距離特定や、これら解析による被写体の輪郭並びに形状と、予め登録されている人体や人体の身体部位の形状パターンとの対比により画像中に含まれる人体や該人体の各身体部位を特定し、該画像解析結果(人物や各身体部位までの距離情報と位置情報等)を出力する距離画像センサ用集積回路113や、該距離画像センサ用集積回路113から出力される画像解析結果に基づいて、人体の姿勢推定を実施するとともに、該推定した姿勢に基づいた動作認識を行う姿勢推定用集積回路(IC)114や、該姿勢推定用集積回路(IC)が姿勢推定のために使用する、異なった姿勢における各人体部位についての姿勢データが格納された姿勢データROM等が搭載されている。
これら距離画像センサ用集積回路(IC)としては、例えば、「Light Coding技術」に対応したPS1080(米国、PrimeSense社製商品名)を好適に使用でき、姿勢推定用集積回路(IC)としては、PS1080から出力される画像解析結果と姿勢データROMに記憶されている姿勢データに基づいて姿勢推定を実施するための姿勢推定アルゴリズムをプログラム化した姿勢推定プログラムが組み込まれた、比較的処理能力に優れたマイクロコンピュータを使用することができる。
つまり、距離画像センサ用集積回路113においては、撮像された画像中に含まれる各人物と各人物の各部位が抽出されるともに、これら各部位の左右方向座標並びに遠近方向の距離座標とが出力され、これらの情報に基づいて、姿勢推定用集積回路(IC)114は、各人物の姿勢を推定し、推定した姿勢に基づく動作情報を個々の人物毎に演出制御用CPU120に出力することで、遊技者の各部位にマーカ等を付けることなく、演出制御用CPU120は、撮像された各人物毎を個別に認識できるとともに、各人物毎の動作を動作情報から把握できるようになっている。
遊技盤6側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された盤側IC基板としての装飾基板98、ステージ装飾基板99が設けられている。盤側IC基板98,99は、中継基板88を介して演出制御基板80と接続される。また、前面枠101側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された各枠側IC基板としての天ランプモジュール基板542、左前板天基板473b、右前板天基板473c、操作台基板508、枠ボタン基板509が設けられている。これら各枠側IC基板542、473b、473c、508、509は、中継基板88,89を介して演出制御基板80と接続される。
操作台基板508には、操作レバー600に設けられたレバースイッチ510a〜510d、トリガースイッチ512a、タッチセンサ513から出力される信号を検出し、信号入力に対応した所定の検知信号を出力するセンサ監視IC(図示略)と、該センサ監視ICによる検知信号が入力されるパラレル−シリアル変換IC(図示略)が搭載されており、操作レバー600の操作を演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)が検知できるようになっている。
同様に、枠ボタン基板509には、プッシュボタン516の操作を検出するボタンスイッチ516からの出力信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板89を介して演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)に出力するパラレル−シリアル変換ICが実装されており、これらプッシュボタン516の操作を演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)が検知できるようになっている。
音声制御基板70において、音番号データは、入力ドライバ(図示略)を介して音声合成用IC(図示略)に入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路(図示略)に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM(図示略)には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
ここで、動作検出処理部112により検出された遊技者の眼間距離に応じて、表示制御部213により、視差バリア用液晶パネル9bの視差バリア画像が変化する状況について、図6に基づいて以下に説明する。
眼間距離は、眼間距離が大きい遊技者もいれば、眼間距離が小さい遊技者もいるように、個々の遊技者で異なるので、通常において遊技者が交代した場合には眼間距離が変化する。これら眼間距離が変化した場合、つまり遊技者が交代した場合には、図6に示すように、立体画像の良好な表示を確保するためには、逆視画像の適切なブロックと正視画像の適切な視認とを行うために黒帯部(シャッタ)と非黒帯部(ブランク)の位置や幅等を変更する、具体的には、眼間距離が大きい場合には、黒帯部(シャッタ)の位置を両端(外部)方向に移動するとともに幅を拡大するように変更し、眼間距離が小さい場合には、黒帯部(シャッタ)の位置を中心(内部)方向に移動するとともに幅を縮小するように変更することが必要となる。
よって、特定した新たな眼間距離と、表示制御部213に含まれる図示しない内部ROMに記憶されている補正データとに基づいて、当該遊技者並びに当該パチンコ遊技機1に特化(最適化)した視差バリア画像である特化画像を新たに生成して、該生成した特化画像を視差バリア用液晶パネル9bに表示することで、個々の遊技者の視点位置に対応した視差バリア画像が視差バリア用液晶パネル9bに表示されるようになっている。
ここで、本実施例に用いた変動表示装置9の駆動形態について、図8〜図10を用いて以下に説明する。
本実施例に用いた変動表示装置9は、前述したとともに図8に示すように、交互に配置された異なる表示領域に右目用画像(R)と左目用画像(L)とを表示可能とされた画像用液晶パネル9aと、該画像用液晶パネル9aの前面側に所定間隔を有して設けられ、縦縞状の視差バリア画像を表示可能とされた視差バリア用液晶パネル9bとを有している。
また、画像用液晶パネル9aの各表示領域には、右目用画像(R)と左目用画像(L)ではなく、図8に示すように、右目用画像(R)と左目用画像(L)の区別がない通常の非立体画像(2D画像)も表示可能とされており、このように画像用液晶パネル9aに非立体画像(2D画像)を表示する場合には、演出制御用CPU120の指示に基づいて表示制御部213により視差バリア用液晶パネル9bが視差バリア画像を非表示とされた透明状態とされることで、変動表示装置9において非立体画像(2D画像)も表示できるようになっており、これら非立体画像(2D画像)と立体画像(3D画像)との切り替え表示が可能とされている。
これら変動表示装置9における表示を、非立体画像(2D画像)から立体画像(3D画像)に切り替えた場合には、図8に示すように、非立体画像(2D画像)の場合には各表示領域に同一の2D画像が表示されて遊技者の左右の目により視認されるので、画像用液晶パネル9aの解像度による表示を実施できるものの、立体画像(3D画像)を表示する場合には、縞状に形成された表示領域に右目用画像(R)と左目用画像(L)とが交互に表示されるようになるため、非立体画像(2D画像)に比較して、表示解像度が半分程度に低下してしまい、立体画像においては非立体画像(2D画像)のような鮮明な表示ができず、遊技者に違和感を与えてしまうことがある。
このため、本実施例の変動表示装置9においては、これら立体画像の表示における解像度の低下を解消するために、図9、図10に示す時分割交互駆動を行うことで、立体画像の表示においても非立体画像(2D画像)のような鮮明な表示ができるとともに、動画についても非立体画像(2D画像)と同様の滑らかな表示を可能としている。
つまり、従来の立体画像の表示においては、視差バリア用液晶パネル9bに表示される視差バリア画像は、画像用液晶パネル9aの立体画像(3D画像)の表示更新に同期することなく、ほぼ同一の表示状態に維持されるとともに、画像用液晶パネル9aにおいても右目用画像(R)と左目用画像(L)とがほぼ同一の表示領域に表示されているのに対し、本実施例では、画像用液晶パネル9aの立体画像(3D画像)の表示更新に同期して視差バリア用液晶パネル9bに表示される視差バリア画像として、第1の視差バリア画像と該第1の視差バリア画像の反転(ネガ)画像である第2の視差バリア画像を交互に表示するとともに、これら画像用液晶パネル9aの立体画像(3D画像)の表示更新において、更新前に右目用画像(R)が表示されていた表示領域に該表示領域に対応した左目用画像(L’)を表示し、更新前に左目用画像(L)が表示されていた表示領域に該表示領域に対応した右目用画像(R’)を表示するように、表示制御部213が画像用液晶パネル9a並びに視差バリア用液晶パネル9bを駆動する。
このように画像用液晶パネル9a並びに視差バリア用液晶パネル9bを駆動することにより、遊技者の右目からは、図10に示すように、偶数回の更新タイミングにて右目用画像R1、R2、R3…が表示される表示領域に挟まれた左目用画像L1、L2、L3…が表示される表示領域に、奇数回の更新タイミングにて該表示領域に対応した右目用画像R’1、R’2、R’3…が表示され、これらの表示更新を目視における残像時間よりも短い時間となる高速で実施することで、擬似的に画像用液晶パネル9aの全面領域に右目用画像(R)と右目用画像(R’)とが、あたかも連なって表示されているように見えることになり、これら立体画像の表示においても、非立体画像(2D画像)の場合と同じく画像用液晶パネル9aの解像度にて鮮明な表示を行うことが可能となる。
また、遊技者の左目からも、図10に示すように、偶数回の更新タイミングにて左目用画像L1、L2、L3…が表示される表示領域に挟まれた右目用画像R1、R2、R3…が表示される表示領域に、奇数回の更新タイミングにて該表示領域に対応した左目用画像L’1、L’2、L’3…が表示され、これらの表示更新を目視における残像時間よりも短い時間となる高速で実施することで、擬似的に画像用液晶パネル9aの全面領域に左目用画像(L)と左目用画像(L’)とが、あたかも連なって表示されているように見えることになり、これら立体画像の表示においても、非立体画像(2D画像)の場合と同じく画像用液晶パネル9aの解像度にて鮮明な表示を行うことが可能となる。
但し、このように画像用液晶パネル9a並びに視差バリア用液晶パネル9bを駆動すると、非立体画像(2D画像)を表示する場合に比較して、同一の表示領域に対する更新サイクル期間が2倍(更新サイクル周波数が半分)となるので、表示される立体画像が早い動きの画像を含む場合には、画像が不鮮明になったり、早く動く動作体の動きがぎこちなくなってしまい画像品質が低下してしまう場合があるので、これら立体画像(3D画像)を表示する場合には、図8に示すように、非立体画像(2D画像)を表示する場合の更新サイクル周波数Nヘルツの倍の周波数(2Nヘルツ)にて画像用液晶パネル9a並びに視差バリア用液晶パネル9bを駆動することにより、早い動きの画像を含む立体画像(3D画像)についても、非立体画像(2D画像)の場合と同様の滑らかな画像品質にて表示できるようになっている。
尚、本実施例では、これら立体画像(3D画像)を表示する場合には、バックライト9cの発光強度を、非立体画像(2D画像)を表示する場合における発光強度よりも大きくすることで、これら倍速駆動することによって表示が暗くなってしまうことを補完することで、非立体画像(2D画像)の表示と立体画像(3D画像)の表示とで、表示の明るさが変化しないように制御している。
次に、パチンコ遊技機1の遊技者が視認する立体(3D)画像の立体度を補正するための調整操作について、図10に基づいて説明する。
つまり、本実施例の形態では、遊技者が変動表示装置9に表示される立体画像を視認する場合に、立体画像が予め定められた固定の立体度であって変更不可なものであると、該固定された立体度が、必ずしも個々の遊技者に適したものではない場合があることから、個々の遊技者が、立体画像の立体度を調整操作することにより適宜変更することで、遊技者各自の好みに応じた立体度の立体画像を遊技者が視認できるようになっている。
この調整操作を遊技者が実施したい場合には、本実施例では演出表示装置9において飾り図柄の変動表示が実施されていないときに、操作レバー600及び操作ボタン516を同時に操作することで、後述する設定メニュー画面(図33参照)が表示され、該設定メニュー画面において「立体度設定」のメニューを選択することで、図7に示されるように、予め画像データROM263に記憶されている立体度調整用立体画像が変動表示装置9に表示されるとともに、該立体度調整用画面の上部位置に所定数の立体度目盛りと、当該目盛りに対応した立体度の立体画像とが表示されて、遊技者の動作が動作検出処理部112により検出されることで立体度目盛りを変更することが可能とされる。
図7に示されるように、立体度の調整操作を実施する場合には、操作者は、カーソルを移動させる所定動作、例えば、人差し指を左右に動かす動作を実施して立体度目盛り上の操作片表示にカーソルを合わせた後、該操作片表示を0〜10の範囲内において移動させる。操作片表示の移動に伴い、生成される右目用画像と左目用画像における表示位置の差が変化することで、当該変更された目盛りに対応した立体度の立体画像が生成されて表示される。操作者は、立体度が順次変更される立体画像を見ながら、自らの好みに応じた立体画像の立体度において、カーソルを移動させる所定動作を実施して立体度決定ボタンにカーソルを合わせた後、処理の決定動作(例えば、手を2回握る動作)を実施することで、立体画像の立体度が当該立体度に設定される。
尚、本実施例では、操作者の操作により操作片表示を最小の0(ゼロ)に合わせることで、予め定められた最小の立体度を設定することが可能であって、立体度自体を0(ゼロ)、つまり、2D画像のみを表示させる設定を遊技者が実施することが不能とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、操作片表示を最小の0(ゼロ)に合わせることで、立体度がゼロすなわち2D画像のみを表示するように遊技者が設定可能としてもよい。
次に、遊技機の動作について説明する。図12は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ1560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ1560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。なお、この実施例では、CPU56は、ステップS43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
なお、この実施例では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ1560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ1560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施例では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ1560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施例では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図13に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23、24の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施例では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施例では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施例では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである所定の図柄(小当りの種別に対応する所定記号)が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が後述する「確変大当りB」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(確変大当りB図柄と同じ図柄。例えば「355」等)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である所定の図柄(記号)が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
図14は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図14に示すように、この実施例では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−0〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1(ノーマルリーチA)〜ノーマルPA2−2(ノーマルリーチB)、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2(ノーマルリーチC)、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−3の変動パターンが用意されている。なお、図14に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が2回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。
また、図14に示すように、この実施例では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3(ノーマルリーチA)〜ノーマルPA2−4(ノーマルリーチB)、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4(ノーマルリーチC)、スーパーPB3−4〜スーパーPB3−6、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1(ノーマルリーチA)〜特殊PG2−2(ノーマルリーチB)の変動パターンが用意されている。なお、図14において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、確変大当りBまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンであり、確変大当りBまたは小当りとなる場合には、ノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1や、ノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンが決定される場合がある。また、図14に示すように、確変大当りBまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、確変大当りBまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3、特殊PG2−2の変動パターンについては、再変動が2回行われる。
なお、この実施例では、図14に示すように、変動パターンの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、非リーチ短縮なしの場合は6.75秒で固定であり、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が26.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
また、この実施例では、非リーチPA1−3が特殊PG1−2と、非リーチPA1−4が特殊PG1−3と同一の変動パターンを含むものとされており、はずれにおいても、確変大当りBや小当り時と同様の変動演出態様が実施される場合があるため、確変大当りBや小当りが発生したことを遊技者が認識し難くされている。
このように本実施例では、確変大当りBまたは小当りの当選時に選択される複数の変動パターン(特殊PG1−1〜3、2−1〜2)のうちの2つの変動パターン(特殊PG1−2,1−3)の演出態様および確変大当りB遊技状態/小当り遊技状態において実行される演出態様からなる一連の演出態様が、はずれの時に選択される複数の変動パターンのいずれか(非リーチPA1−3,4)の演出態様と同じとされているため、非リーチPA1−3,4または特殊PG1−2,3のいずれの変動パターンにもとづく演出態様であるかを特定することを困難とすることができる。言い換えると、非リーチPA1−3,4、特殊PG1−2,3にもとづく変動パターンは、確変大当りB、小当り、はずれのいずれの場合にも選択される変動パターンであるため、確変大当りBや小当りが発生した場合でも、確変大当りBや小当りが発生したことを遊技者に悟られ難くでき、その結果、確変大当りBや小当りのみを発生させる場合に比較して、確変大当りBが発生に伴って遊技状態が確変状態に移行していることを、より一層、遊技者に悟られ難くできるようになっている。
なお、この実施例では、非リーチPA1−3および特殊PG1−2、非リーチPA1−4および特殊PG1−3のみが変動演出態様が同じ変動パターンとされていたが、他の変動パターンにおいても、はずれ時と確変大当りBまたは小当り時とで同じ変動パターンを設定してもよい。
また、この実施例では、はずれ時において、確変大当りBまたは小当り時に選択される複数の変動パターンのうち、いずれかと同じ演出態様の変動パターンが選択されるようにしていたが、必ずしも同じ演出態様の変動パターンが選択されるようにしなくてもよい。すなわち、はずれ時において確変大当りBまたは小当り時に選択される変動パターンと同じ演出態様の変動パターンが選択されなくても、特殊PG1−1〜3、2−1〜2を、確変大当りBまたは小当り時に選択される変動パターンとしていることで、特殊PG1−1〜3、2−1〜2のいずれかの変動パターンが選択された場合、少なくとも遊技者が確変大当りBの発生を特定することは困難となるため、確変大当りBが発生してその後の遊技状態が確変状態に移行することを遊技者に悟られないようにすることができる。
図15は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する確変大当りA、確変大当りB、通常大当りC)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施例では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施例では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、各種ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回未満の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施例では、確変大当りAである場合には、各種ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチCおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、ノーマルリーチとスペシャルリーチおよびスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、確変大当りBである場合には、擬似連を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合にも、確変大当りBである場合と同じく、擬似連を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、「はずれ」である場合には、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、各種ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチCおよび再変動3回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチCおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、ノーマルリーチとスペシャルリーチおよびスーパーリーチC以外のスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7と、全てのスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−8とに種別分けされている。
図13に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、(1)の大当り種別判定用乱数、(4)の普通図柄当り判定用乱数および(6)の当り種別判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施例では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ1560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ1560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図16(a)は、大当り判定テーブル130aを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図16(a)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図16(a)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図16(a)に記載されている数値が大当り判定値である。
図16(b),(c)は、小当り判定テーブル130b,130cを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bと、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)130cとがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bには、図16(b)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)130cには、図16(c)に記載されている各数値が設定されている。また、図16(b),(c)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図16(a)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する確変大当りA、確変大当りB)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図16(b),(c)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図16(a)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図16(b),(c)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施例では、図16(b),(c)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bを用いる場合には70分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)130cを用いる場合には120分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施例では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
つまり、第1特別図柄表示器8aの変動表示が実行されるのは、遊技状態が通常状態または確変状態(高確低ベース状態)のときであり、確変大当りBにより遊技状態が確変状態(高確低ベース状態)に移行したことを遊技者に悟られないようにするために小当りの発生確率を高めているのに対し、第2特別図柄表示器8bの変動表示が実行されるのは、遊技状態が確変・時短状態(高確高ベース状態)のときであり、この場合は確変大当りBにより遊技状態が確変状態(高確低ベース状態)に移行したことを遊技者に悟られないようにする必要はないので、小当りの発生確率を抑えている。
また、本実施例では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの変動表示結果として小当り図柄が導出されるようになっているが、第2特別図柄表示器8bの変動表示結果として小当り図柄が導出されないようにしてもよい。
また、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bを用いる場合に小当りと決定される割合(1/70)は、確変大当りBに決定する割合(1/1596(低確時)、1/160(高確時))に比較して高く、小当りが確変大当りBよりも高頻度にて発生するようになっている。
図16(d)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131aを示す説明図である。大当り種別判定テーブル131aは、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)および遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)を用いて大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブルである。つまり、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示においても、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示においても、同一の大当り種別判定テーブル131aが使用されて、大当り種別が決定される。
大当り種別判定テーブル131aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」、「通常大当りC」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施例では、「確変大当りA」に対して5個の判定値が割り当てられ(40分の5の割合で確変大当りAと決定される)、「確変大当りB」に対して15個の判定値が割り当てられている(40分の15の割合で確変大当りBと決定される)、「通常大当りC」に対して20個の判定値が割り当てられている(40分の20の割合で通常大当りCと決定される)。従って、この実施例では、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、「確変大当りA」となる確率は「確変大当りB」となる確率よりも低いが、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合とで、「確変大当りA」または「確変大当りB」または「確変大当りC」と決定される割合は同じである。なお、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合とで、「確変大当りB」と決定される割合を異ならせてもよい。
また、この実施例では、図16(d)に示すように、第2特定遊技状態としての2ラウンドの確変大当りBと、この確変大当りBと比較して、ラウンド数を多くした第1特定遊技状態としての確変大当りAと、を決定する場合を説明するが、付与される遊技価値は、この実施例で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第2特定遊技状態と比較して、大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第1特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第2特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第1特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とでラウンド数が同じ5ラウンドであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第2特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第1特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第1特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を5回開放したときに(この場合、第2特定遊技状態の場合には5ラウンド全てを終了し、第1特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出(いわゆるランクアップボーナスの演出)を実行するようにしてもよい。そして、第2特定遊技状態の場合には内部的に5ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第1特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も5回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
「確変大当りA」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態および時短状態(確変・時短状態、高確高ベース状態)に移行させる大当りである。尚、本実施例では、これら時短状態は始動回数70回で終了するとともに、確変状態は、始動回数78回で終了するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら時短状態と確変状態が大当り終了後、次の大当りが発生するまで継続するようにしても良い。
「確変大当りB」とは、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が「確変大当りA」に比べて短くかつラウンド数も少ない2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態にのみ移行させる大当りである。確変状態(高確状態)は、変動表示を78回終了するまで(始動回数が79回となるまで)継続する。ただし、大当り終了後に時短状態には移行せずに低ベース状態に移行される。従って、この実施例では、確変大当りBの終了後、変動表示を78回終了するまでは高確率状態のみとされ、高ベース状態には移行されない(高確低ベース状態)。
つまり、「確変大当りA」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長くラウンド数も15ラウンドと多いのに対して、「確変大当りB」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.5秒と短いとともに、ラウンド数も2ラウンドと少なく、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施例では、その確変大当りBの大当り遊技状態の終了後には確変状態に移行されるが高ベース状態には移行しない。
なお、この実施例では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回(2ラウンド)行われ、「確変大当りB」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の高速開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、例え遊技者が大入賞口の開放を確認できたとしても、「確変大当りB」または「小当り」のいずれにもとづく開放なのかを特定しにくく、しかもその後の遊技状態が確変状態または通常状態のいずれに移行したかを特定することもできなくなるため、遊技者にわからないように、確変大当りBを発生させ、かつ、該大当りの終了後に遊技状態を確変状態に移行させる、つまり確変状態を潜伏させることができる。また、逆に、低確状態において確変大当りBと同様の演出制御が実施される小当りを発生させることで、該小当りの終了後は遊技状態が確変状態に移行しないので、低確状態を潜伏させることができる。
「通常大当りC」とは、確変大当りAと同じく15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態とはならずに、変動表示を70回終了するまで(始動回数が70回となるまで)、時短状態のみの低確高ベース状態に移行させる大当りである。つまり、大当り終了後、変動表示が70回となるまで時短状態が継続する。
尚、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、これら大当りとするか否かの判定等の各種判定とともに、演出図柄の変動パターンを各種の変動パターン種別判定テーブルや変動パターン判定テーブルに格納されている判定値と抽出したランダム2、ランダム3の値とに基づいて、図13に示す予め設定された各種変動パターンのうちから実行する変動パターンを1つ決定する。
図17および図18は、遊技制御用マイクロコンピュータ1560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図17および図18に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図14に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド95XX(H)は、第1始動入賞口13への入賞時において、どの大当りとなるか或いは特定のリーチ状態であるプレミアムリーチ(スーパーリーチC)となるか否かの判定結果を指定(通知)する演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド1)である。尚、「XX」は、入賞時に判定される各種の判定結果に予め付与された数値(はずれがX1、確変大当りAがX2、確変大当りBがX3、通常大当りCがX4、小当りがX5、非リーチが0X、ノーマルリーチが1X、スーパーリーチが2X、プレミアリーチが3X等)である。
コマンド96XX(H)は、第2始動入賞口14への入賞時において、どの大当りとなるか或いは特定のリーチ状態であるプレミアムリーチ(スーパーリーチC)となるか否かの判定結果を指定(通知)する演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド2)である。尚、「XX」は、入賞時に判定される各種の判定結果に予め付与された数値(はずれがX1、確変大当りAがX2、確変大当りBがX3、通常大当りCがX4、小当りがX5、非リーチが0X、ノーマルリーチが1X、スーパーリーチが2X、プレミアリーチが3X等)である。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、大当り開始画面(ファンファーレ画面)を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(確変大当りA開始指定コマンド:ファンファーレ1指定コマンド)である。コマンドA002(H)は、大当り遊技の開始を指定するものであるが、大当り遊技であることを特定しにくい大当り開始画面(図示略)を表示することを指定する演出制御コマンド(確変大当りB開始指定コマンド:ファンファーレ2指定コマンド)である。コマンドA003(H)は、通常大当りCの開始を指定する演出制御コマンド(通常大当りC開始指定コマンド:ファンファーレ3指定コマンド)である。コマンドA004(H)は、小当り遊技の開始を指定するものであるが、小当り遊技であることを特定しにくい小当り開始画面(図示略)を表示することを指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド:ファンファーレ4指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、確変大当りBである場合および小当りである場合に共通の確変大当りB/小当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面(エンディング画面)を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りAであったことを指定する演出制御コマンド(確変大当りB終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面(エンディング画面)を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りBであったことを指定する演出制御コマンド(確変大当りB終了指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、大当り終了画面(エンディング画面)を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りCであったことを指定する演出制御コマンド(通常大当りC終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。コマンドA304(H)は、小当り終了画面(エンディング画面)を表示すること、すなわち小当り遊技の終了を指定するとともに、小当りであったことを指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド:エンディング4指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、確変大当りBである場合および小当りである場合に共通の確変大当りB/小当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するように構成してもよい。
なお、本実施例では、上記コマンドA002(H)にて指定する大当り開始画面とコマンドA004(H)にて指定する小当り開始画面とは同一の開始画面であり、また、コマンドA302(H)にて指定する大当り終了画面とコマンドA304(H)にて指定する小当り終了画面とは同一画面である。詳しくは、これら大当り/小当り開始画面および大当り/小当り終了画面は、前述した非リーチPA1−3,4の後半において表示される画面(図示略)と同じ態様の表示画面とされており、確変大当りBまたは小当りのいずれが発生したかの特定を困難とするとともに、確変大当りBが発生して遊技状態が確変状態(高確低ベース状態)に移行した可能性があることを示唆する画面とされている。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変(高確)状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。コマンドB003(H)は、時短状態が終了したことを通知する演出制御コマンド(時短終了指定コマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、時短状態の残り回数(あと何回変動表示を終了するまで時短状態が継続するか)を指定する演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)における「XX」が、時短状態の残り回数を示す。
コマンドB2XX(H)は、確変状態の残り回数(あと何回変動表示を終了するまで確変状態が継続するか)を指定する演出制御コマンド(確変回数指定コマンド)である。コマンドB2XX(H)における「XX」が、確変状態の残り回数を示す。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
なお、この実施の形態では、遊技状態にかかわらず(例えば、高確率状態や高ベース状態であるか否かや、大当り遊技中であるか否かにかかわらず)、始動入賞が発生して保留記憶が実施されるごとに入賞時判定の処理が実行され、必ず図17に示す図柄指定コマンドが送信される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した図柄指定コマンドにもとづいて、予告対象の変動表示が開始される以前に、前もって大当りとなるか否かやスーパーリーチとなるか否かを予告する後述する保留予告を実施可能とされている。なお、本実施例では、確変大当りBおよび小当りについての保留予告は実行しない、つまり確変大当りAについての保留予告のみを実行するようになっているので、確変大当りBおよび小当りの発生が保留予告により遊技者に把握され易くなってしまうことを回避できる。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU120)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ1560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図17および図18に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施例では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取り込みを指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図17および図18に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用できるので、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ1560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図19および図20は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ1560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ1560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
次に、演出制御手段である演出制御基板80の動作を説明する。図21は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU120)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS700)。その後、演出制御用CPU120は、動作検出処理部に関する設定を実施するための動作検出処理部設定処理(ステップS701)を実施した後、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702に移行する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ1560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図17および図18参照)であるのか解析する。
図22は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図22に示すように、この実施例では、予告演出決定用乱数SR1、予告演出種別決定用乱数SR2を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
予告演出決定用乱数SR1は、大当りとならない場合において予告演出を実施するか否かを決定する、つまり、大当りとならないのに予告演出を実施することを決定する(いわゆるがせ)ための乱数である。尚、本実施例では、最終的に大当りとなる場合には、必ず予告演出が実施されるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当りとなる場合においても、大当りとならない場合と同様に予告演出決定用乱数SR1に基づいて予告演出を実施するか否かを決定するようにしても良い。
予告演出種別決定用乱数SR2は、予告演出の種別(キャラクタ予告演出、操作予告演出、大声予告演出、合言葉予告演出、ジェスチャー予告演出A〜C)を決定するために用いられる乱数である。
尚、これらSR1〜SR2の各乱数を生成するためのカウンタがRAM122に形成されている。そして、各カウンタの数値は、図21に示す乱数更新処理(ステップS706)で更新される。すなわち、値が+1される。そして、カウンタのカウント値が乱数の上限値(図21に示された範囲における最大値)を越えると下限値(図21に示された範囲における最小値)に戻される。乱数を生成するためのカウンタのカウント値を読み出すことを、乱数を抽出するという。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROM121には、図柄変動制御パターンテーブルを初めとする、各種予告演出の演出制御パターンを含む予告演出制御パターンテーブル(図示略)、各種大当り状態や小当り状態における演出制御パターンを含む各種演出制御パターンテーブル(図示略)等が記憶されている。図柄変動制御パターンテーブルには、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示動作等の演出動作の制御内容を示すデータが、変動パターンに応じて格納されている。各図柄変動制御パターンには、例えば、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、並びに音制御実行データ、音声入力や動作入力等の入力の受付け開始や受付け終了のタイミング等を特定可能な入力受付け期間データ、終了コードといった演出図柄の可変表示に応じた各種の演出動作を制御するための複数の制御データ(プロセスデータ)が時系列的に設定されている。
また、各種演出制御パターンテーブルには、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間における、各種の演出制御の内容を示すデータが、ラウンド等に応じて格納されている。各演出制御パターンには、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データといった各種の演出動作を制御するための複数の制御データが時系列的に設定されている。
尚、本実施例の確変大当りB遊技状態や小当り遊技状態の演出制御パターンテーブルは、同一の演出内容を含むことで、発生した遊技状態が確変大当りBであるのか小当り遊技状態であるのかを遊技者が識別困難となる状況が発生する場合があるとともに、これら確変大当りBや小当り遊技状態においては、該確変大当りや小当りの終了時において確変状態となっている期待度(確変潜伏期待度)を示唆する示唆演出(図35参照)の実行を決定するための合言葉の受付けに使用される複数の合言葉のうち、いずれかの合言葉に該当する演出制御パターンが決定されて実行されるようになっており、このようにすることで、遊技者は入力が成功となる合言葉を把握しようとするので、これら確変大当りや小当りへの遊技者の注目を向上させることができる。
なお、図柄変動制御パターン、各種予告の予告演出制御パターン、各種演出制御パターン等、各々の制御データの集まりを、プロセステーブルという。
プロセスタイマ設定値は、演出制御用CPU120における演出制御用のプロセスタイマの格納値であるプロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、プロセスタイマ設定値に代えて、例えば主基板31から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御実行データには、例えば演出図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御実行データは、演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示動作を指定するデータである。音制御実行データには、例えば演出図柄の可変表示中における演出図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、各スピーカ27からの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音制御実行データは、各スピーカ27からの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御実行データには、例えば装飾LED25や天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28cといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御実行データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御実行データ、ランプ制御実行データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば演出用役物が備える可動部材における動作態様を示す可動部材制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
演出制御用CPU120は、これら演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、プロセスタイマ値がプロセスタイマ設定値のいずれかと合致したときには、そのプロセスタイマ設定値と対応付けられた演出制御実行データに含まれる表示制御実行データにより指定される態様(例えば2D表示や3D表示)で演出図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を演出表示装置9の表示画面に表示させる制御を行う。また、音声制御実行データにより指定される態様で各スピーカ27から音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御実行データにより指定される態様で装飾LED25や天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c等の発光体を点滅させる制御を行う。なお、プロセスタイマ設定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
また、予告演出制御パターンには、各種の予告演出を実施する際に、各予告演出が開始されてから予告演出が終了するまでの期間における、演出表示動作や操作ボタンの有効・無効の制御動作や入力される音声や動作の処理内容等の演出動作の制御内容を示すデータ(予告演出制御パターン)が格納されている。予告演出制御パターンには、図柄変動制御パターンと同じく、予告プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データといった予告演出の演出動作を制御するための複数の制御データ(予告プロセスデータ)とともに、遊技者からの操作を受付けるためにプッシュボタン516や操作レバー600の操作を受付ける期間等のデータやこれら操作を受付けるための制御データや、音声や動作の入力を可能とする入力受付け期間に関する入力受付け期間データが時系列的に設定されている。
尚、これら操作予告演出制御パターンは、変動開示後に各予告演出を開始するまでの予告演出開始待ち時間を特定可能とされており、これら特定される予告演出開始待ち時間に基づいて、後述する予告演出開始待ちタイマがセットされるようになっている。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMには、第1保留記憶表示部並びに第2保留記憶表示部の表示を行うための第1保留表示バッファと第2保留表示バッファや、時短回数をカウントするための時短回数カウンタ、確変回数をカウントするための確変回数カウンタ、音声入力予告おける操作ボタンの操作や音声入力の状況やジェスチャー予告における動作入力の状況を特定可能な入力履歴情報を記憶する領域等が設けられている。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROM121には、予告演出の種別を決定するための予告演出決定用テーブル(図23)等の各種テーブルが記憶されている。
予告演出決定用テーブルには、予告演出種別決定用乱数SR2と比較される判定値が、演出種別決定用乱数SR2の乱数値範囲である1〜85の内、図23(a)、(b)に示す判定値数となるように、キャラクタのアニメーションが演出表示装置9に表示されるキャラクタ予告演出、遊技者がプッシュボタン516を操作することに応じて予告対象が変化する予告である操作予告、遊技者がプッシュボタン516を操作して入力した声の総音量レベルに基づいて判断される入力の成否に応じた予告がなされる大声予告や、前回の確変大当りAや通常大当りC中において表示されている合言葉に基づいて判断される入力の成否に応じた予告がなされる合言葉予告や、遊技者の動作に応じた演出が実施されるジェスチャー予告A〜Cのそれぞれに対応して、演出表示装置9の表示結果が、最終的に大当りとなる場合とはずれとなる場合とで個別に設定されている。尚、本実施例では、音声や動作の入力を伴わないキャラクタ予告演出と操作予告を非入力系予告、音声や動作の入力を伴う大声予告や合言葉予告や各種ジェスチャー予告を入力系予告として区別して呼称する場合がある。
尚、この実施例では、後述する音声入力制限フラグがセットされていない通常の場合には、図23(a)に示す予告演出決定用テーブルA181aが使用され、音声入力制限フラグがセットされている場合には、図23(b)に示す予告演出決定用テーブルB181bが使用される。この、予告演出決定用テーブルB181bにおいては、図23(b)に示すように、入力系予告のうち、大声予告や合言葉予告、並びに、「はい」の音声入力を伴うジェスチャー予告であるジェスチャー予告Cに対しては演出種別決定用乱数SR2の判定値数の割当がいずれも「0」とされていることで、これら音声入力制限フラグがセットされている状態においては大声予告や合言葉予告やジェスチャー予告Cが決定されないようになっている。
つまり、後述するように、大声予告や合言葉予告やジェスチャー予告Cが実施された際に、プッシュボタン516の操作がない場合や「はい」の入力が無い場合、すなわち、遊技者が声を入力するための発声をしたくない場合には、所定の変動回数の期間において音声入力制限フラグが有効にセットされることで、大声予告や合言葉予告が決定されないようになる。尚、これら音声入力制限フラグは、所定の変動回数が経過する場合のみではなく、遊技機が非稼働となることにより主基板31から送信されてくる客待ちデモ指定コマンドの受信に応じてもクリアされることで、遊技者が変わった場合には入力の制限が解除されて、大声予告や合言葉予告が決定されるようになる。
尚、この実施例では、図23(a)に示すように、非入力系予告であるキャラクタ予告や操作予告については、予告演出種別決定用乱数SR2と比較される判定値数が、可変表示の表示結果が最終的にはずれとなるはずれ時(30)>当り時(5)とされていることで、はずれとなる場合に発生し易いのに対し、入力系予告である大声予告や合言葉予告やジェスチャー予告については、予告演出種別決定用乱数SR2と比較される判定値数が、可変表示の表示結果が最終的にはずれとなるはずれ時(5)<当り時(15)とされていることで、当りとなる場合に発生し易くなっており、これら入力系予告が発生した場合には、最終的に当りとなる可能性が、非入力系予告が発生した場合に比較して高いものとなるので、最終的に当りとなる遊技者の期待感を高めることができる。
また、音声入力制限フラグがセットされているときに使用される予告演出決定用テーブルBについても、図23(b)に示すように、非入力系予告であるキャラクタ予告や操作予告については、予告演出種別決定用乱数SR2と比較される判定値数が、可変表示の表示結果が最終的にはずれとなるはずれ時(35)>当り時(15または10)とされていることで、はずれとなる場合に発生し易いのに対し、入力系予告であるジェスチャー予告A・Bについては、予告演出種別決定用乱数SR2と比較される判定値数が、可変表示の表示結果が最終的にはずれとなるはずれ時(5)<当り時(30)とされていることで、当りとなる場合に発生し易くなっており、これら入力系予告が発生した場合には、最終的に当りとなる可能性が、非入力系予告が発生した場合に比較して高いものとなるので、最終的に当りとなる遊技者の期待感を高めることができる。
図24は、図21に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄(飾り図柄)の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ1560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄(飾り図柄)の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄(飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当り或いは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中或いは小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り終了演出処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
当り終了演出処理(ステップS806):演出表示装置9において、大当り遊技状態或いは小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
なお、本実施例では、小当りが発生した場合においては、ステップS804〜806において、確変大当りBが発生した場合と同様の演出処理を実施することで、発生したのが、確変状態に移行する確変大当りBであるのか、確変状態に移行しない小当りが発生したのかを遊技者が判別できないようになっている。
図25は、図24に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS821)。次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄(飾り図柄)の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS822)。この場合、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
尚、この実施例では、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りAに該当する表示結果2指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が奇数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。受信した表示結果指定コマンドが通常大当りCに該当する表示結果4指定コマンドである場合においては、例えば、停止図柄として3図柄が偶数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りB或いは小当りに該当する表示結果3〜8指定コマンドである場合においては、停止図柄として、予めチャンス目として設定されている図柄の複数の組合せ(例えば「135」、「334」、「787」…などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが、はずれに該当する表示結果1指定コマンドである場合には、停止図柄として3図柄が不揃いとなる演出図柄の組合せ(はずれ図柄)を決定する。尚、演出図柄の組合の中には、はずれ図柄並びにチャンス目の双方に含まれるものが存在し、小当りの場合とはずれの場合とで同一の停止図柄となる場合が存在する。
これら停止図柄(確定図柄)の決定においては、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すれば良い。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。よって、確変大当りBと小当りにおいては、同一の停止図柄が決定される場合があり得る。
次いで、演出制御用CPU120は、予告選択処理を実施して、当該図柄変動について予告演出を実施するか否かや、どの種類の予告演出を実施するのかを決定する(S823)。
具体的に、本実施例の予告選択処理において演出制御用CPU120は、まず、ステップS821にて読み出した変動パターンコマンドが、当りとなる変動パターンコマンドであるか否か、つまり、最終的に当りとなるか否かを特定する。
そして、当りとなる場合には予告演出実行フラグをセットする一方、当りとならない場合、すなわちはずれである場合には、予告演出決定用乱数SR1を抽出する。
次に、該抽出した予告演出決定用乱数SR1の値が偶数であるか否かを判定し、偶数である場合には、予告演出実行フラグをセットする一方、奇数である場合には、当該予告選択処理を終了する。
つまり、本実施例では、最終的に当りとなる場合には全て、予告演出実行フラグがセットされて、いずれかの予告演出が実施されるようになっているとともに、最終的にはずれとなる場合においては、50%の確率で予告演出が実施されるようになっている。尚、本発明はこれに限定されるものではなく、最終的に当りとなる場合にも予告演出決定用乱数SR1を抽出して、予告演出の実施・非実施を抽選することで、当りとなる場合において予告演出が実施されないようにしても良いし、はずれの場合における抽選にて予告演出を実施する確率を、50%より高く、或いは50%より低くしても良い。
これら予告演出実行フラグをセットした後、演出制御用CPU120は、予告演出種別決定用乱数SR2を抽出するとともに、該抽出した予告演出種別決定用乱数SR2と対比する予告演出決定用テーブルとして、音声入力制限フラグがセットされていない場合には予告演出決定用テーブルAを選択し、音声入力制限フラグがセットされている場合には予告演出決定用テーブルBを選択し、選択した予告演出決定用テーブルA、Bにおいて抽出した予告演出種別決定用乱数SR2の値が該当する判定値に対応する種別を、実施する予告演出の種別として決定し、該決定した予告種別(予告演出1(キャラクタ予告)、予告演出2(操作予告)、予告演出3(大声予告)、予告演出4(合言葉予告)、予告演出5(ジェスチャー予告A)、予告演出6(ジェスチャー予告B)、予告演出7(ジェスチャー予告C))を記憶する。
そして、ステップS823の予告選択処理の後に演出制御用CPU120は、予告演出があるか否か、具体的には、予告実行決定フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS824)。
そして、演出制御用CPU120は、予告実行決定フラグがセットされている場合には、記憶されている予告種別(予告演出1〜7)に対応する予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)に基づいて、予告演出開始待ち時間を特定し、該特定した待ち時間を予告演出開始待ちタイマにセットした後(ステップS825)、ステップS826に進む。
一方、予告実行決定フラグがセットされていない場合には、ステップS825を経由することなくステップS827に進む。該ステップS827においては、変動パターンコマンドに応じた図柄変動制御パターン(プロセステーブル)を選択する。
そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS828)。
次に、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種装飾LED25および演出用部品としてのスピーカ27、プッシュボタン516)の制御を実行する(ステップS829)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP262に指令を出力する。また、各種装飾LED25を点灯/消灯制御を行わせるために、LEDドライバ基板等に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS830)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS831)。
図26は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B,S840C)。また、演出制御用CPU120は、予告演出を行うことに決定されているか、または予告演出の実行中である場合には(ステップS841でYes)、図27に示す予告演出処理を実行する(ステップS842)。予告演出を行うことに決定されているか否かは、予告実行決定フラグがセットされているか否かによって判定される。予告演出の実行中であるか否かは、予告演出を開始するときにセットされる予告実行中フラグによって判定される。予告実行決定フラグも予告実行中フラグもセットされていない場合にはステップS842の予告演出処理を実施することなく、ステップS843に進む。
また、演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS843)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(ステップS844)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS845)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS846)。
また、変動制御タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS847)、演出制御用CPU120は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(ステップS848)。そのようにして、演出制御装置9において、演出図柄の変動制御が実現される。VDP262は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置9に出力する。そのようにして、演出制御装置9において、演出図柄の変動における背景画像、保留表示、キャラクタ画像および演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(ステップS849)。
また、演出制御用CPU120は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS850)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS852)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS851)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS852)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。なお、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、ステップS843の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイムアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データおよびランプ制御実行データ)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。演出図柄の変動制御(演出図柄の変動に関連するキャラクタ画像や背景を表示させる制御を含む。)は、あくまでも変動期間経過時(最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイムアウトした時点に相当)に終了するのであるが、予告演出の制御は、図28に示されたステップS532,S533の処理によって終了する。尚、この実施例では、ステップS532,S533の処理が終了する時点(予告期間タイマがタイムアウトする時点)は演出図柄の変動期間が経過する時点よりも前である。
図27〜図28は、予告演出処理の一例を示すフローチャートである。予告演出処理において、演出制御用CPU120は、予告演出が開始されている場合には(ステップS501でYes)、ステップS521(図28)に移行する。予告演出が開始されているか否かは、予告演出の開始時にセットされる予告実行中フラグによって確認される。
予告演出が開始されていない場合には、予告演出開始待ちタイマの値を−1する(ステップS502)。なお、予告演出開始待ちタイマは、演出図柄変動開始処理において、予告演出を行うことに決定されたときに、プロセステーブルの選択においてセットされる(図26におけるステップS825参照)。予告演出開始待ちタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS503)、処理を終了する。予告演出開始待ちタイマがタイムアウトしている場合には、予告実行決定フラグをリセットして(ステップS504)、ステップS511に移行する。
ステップS511では、演出制御用CPU120は、予告演出の実行中であることを示す予告実行中フラグをセットする。また、実行する予告演出である操作予告の種別並びに該操作予告のパターンを特定し(ステップS512)、特定した操作予告やパターンが該当する予告演出期間に相当する値を予告期間タイマにセットする(ステップS513)。
次いで、演出制御用CPU120は、実行する操作予告に対応する予告演出制御パターンを、予告演出制御パターンテーブル(図示略)から読み出して選択した後(ステップS515)、選択した予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)のプロセスデータ1における予告プロセスタイマをスタートさせる(ステップS517)。
そして演出制御用CPU120は、選択した予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)の最初のプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1、入力制御実行データ等)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種装飾LED25および演出用部品としてのスピーカ27、プッシュボタン516、操作レバー600)の制御を開始する(ステップS518)。
これら予告プロセスデータに基づいて操作予告が開始された後において実施されるステップS523〜S529では、ステップS823の予告選択処理において記憶された予告種別を判定して、予告種別に応じた処理が実施される。
具体的には、ステップS523においては、予告選択処理において記憶された予告種別がジェスチャー予告A〜Cであるか否かを判定し、ジェスチャー予告A〜Cである場合には、ステップS524に進んで、図30に示すジェスチャー予告処理を実施した後、ステップS529に進む。
一方、ステップS523においてジェスチャー予告A〜Cでないと判定された場合には、予告選択処理において記憶された予告種別が予告演出3、4であるか否かを判定し、予告演出3、4である場合には、ステップS526に進んで、図29に示す音声入力予告処理を実施した後、ステップS529に進む。
一方、ステップS525において予告演出3、4でない場合には、操作予告であるか否かを更に判定し、操作予告であればステップS528に進んで、操作予告処理を実施した後、ステップS529に進む。
このステップS529において演出制御用CPU120は、予告プロセスを変更するための予告プロセスタイマの値を−1する。そして、予告演出期間の終了を計時するための予告期間タイマの値を−1する(ステップS530)。予告期間タイマがタイムアウト(値が0になる)した場合には(ステップS531でYes)、演出表示装置9に表示されている予告演出に関する画像を消去する制御を行い(ステップS532)、予告実行中フラグをリセットする(ステップS533)。
予告期間タイマがタイムアウトしていない場合には、演出制御用CPU120は、予告プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS535)。予告プロセスタイマがタイムアウトしていたら、予告プロセスデータの切り替えを行う(ステップS536)。すなわち、予告プロセステーブルにおける次に設定されている予告プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS537)。また、その次に設定されている予告プロセスデータに含まれる表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御実行データ、入力制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更して実施する(ステップS538)。
尚、予告プロセスタイマがタイムアウトしていない場合は、ステップS535〜ステップS538を経由することなく処理を終了する。
ステップS528において実施される操作予告処理は、例えば、変動パターンにおける擬似連の再変動タイミング等においてプッシュボタン516や操作レバー600の操作を受付け、該受付けた操作の履歴に基づいて、受付け次数(1次、2次)とともに、演出表示装置9に表示する選択内容(選択肢の項目)を特定して表示し、選択された選択肢の組合せに基づいて最終的に予告する対象(例えば、大当りとなる期待度、確変となる期待度、ラウンド回数の期待度、スーパーリーチとなる期待度等)を決定することで、遊技者が操作によって選択した選択技により、最終的に実施される予告の対象が異なるようになっている。
ここで、ステップS526において実施される音声入力予告処理について、図29を用いて説明すると、該音声入力予告処理においては、まず、後述するステップS555でセットされる操作異常フラグがセットされているか否か、つまり、音声入力予告演出におけるプッシュボタン516の操作受付け開始タイミングにおいて、既にプッシュボタン516の操作がされていることで操作異常と判定されているか否かを判定する(ステップS540)。
操作異常フラグがセットされている場合には、ステップS541に進むことなく当該音声入力予告処理を終了する一方、操作異常フラグがセットされていない場合には、ステップS541に進んで、各音声入力予告演出の予告演出制御パターンから特定される入力操作受付けを開始する開始タイミングであるか否かを判定し、入力操作受付け開始タイミングでない場合にはステップS544に進む。
入力操作受付け開始タイミングである場合には、その時点においてプッシュボタン516が既に操作されているか否か、つまり、プッシュボタン516の上に物や遊技者の手等が無意識に置かれていることで、プッシュボタン516による遊技者の操作を良好に受付け不能な状態であるかを判定する。
プッシュボタン516が既に操作されている場合には、ステップS555に進み、操作異常と判断して操作異常フラグをセットする。尚、該操作異常フラグは、音声入力予告演出の終了時においてリセットされる。
そして、演出表示装置9に、プッシュボタン516の操作異常があった旨のメッセージを含む入力操作エラー表示を開始して当該音声入力予告処理を終了する。
一方、ステップS542においてプッシュボタン516の操作がない場合には、入力操作可能フラグをセットするとともに、入力操作が可能であることを遊技者に報知するための入力操作可能表示を演出表示装置9において開始する。
ステップS544においては、入力操作可能フラグがセットされているか否か、つまり、入力操作の開始タイミングから入力操作の終了タイミングまでの入力可能期間であるか否かを判定し、入力操作可能フラグがセットされていない場合には、当該音声入力予告処理を終了する。
入力操作可能フラグがセットされている場合には、遊技者によるプッシュボタン516の操作が有るかをステップS545、ステップ546において判定する。
遊技者によるプッシュボタン516の操作が有る場合、つまり、遊技者が、声や合言葉を入力するためにプッシュボタン516を操作した場合には、ステップS559に進み、音声制御基板70に対し、スピーカ27から出力する効果音のボリュームを低減する指示を送信して、スピーカ27から出力する効果音の音量低減制御を開始した後、指向性マイク61a〜61c並びに音声入力用回路110からの音声の入力を有効として、該入力された音声データのワークメモリへの格納を開始(継続)する。
また、遊技者によるプッシュボタン516の操作が無い場合、つまり、遊技者が、音声の入力を一時中断するためにプッシュボタン516を操作していない場合には、ステップS562に進み、音声入力用回路110から入力された音声の音声データを破棄することで、指向性マイク61a〜61cからの音声の入力を無効とし、音声データのワークメモリへの格納を終了(中断)し、音声制御基板70に対し、スピーカ27から出力する効果音のボリュームの復帰指示を送信して、スピーカ27から出力する効果音の音量低減制御を終了する(S563)。
そして、ステップS547に進み、ワークメモリに記憶された入力データに基づいて演出表示装置9における表示を更新する。例えば、予告演出の種別が大声予告であれば、入力データに基づいて特定される入力された声の総音量レベルの大きさに応じた画像である、ガラスにひび割れが生じる画像(図34(d)参照)を更新表示する。
ステップS548では、入力操作受付けを終了する終了タイミングであるか否かを判定し、入力操作受付け終了タイミングでない場合には該音声入力予告処理を終了する。
入力操作受付け終了タイミングである場合には、入力操作可能フラグをリセットするとともに、ステップS543にて表示を開始した入力操作可能表示終了する(ステップS549)。
そしてステップS550に進み、ワークメモリに格納した入力データ(音声データ)に基づいて、入力が成功したか否かを判定する。
具体的には、予告演出の種別が大声予告であれば、入力データに基づいて特定される入力された声の総音量レベルの大きさが所定の音量レベル閾値に到達しているか否かを判定し、音量レベル閾値に到達している場合には入力成功と判断する。
また、予告演出の種別が合言葉予告であれば、ワークメモリに格納した音声データにより音声認識を実施して入力された合言葉をテキストデータに変換し、当該パチンコ遊技機1において直前の確変大当りAまたは通常大当りCにおいて表示された合言葉の内の1に該当するか否かを判定する。尚、この場合、テキストデータが全て合言葉のテキストと合致する必要はなく、音声認識による認識精度を考慮して、例えば、4文字の合言葉であれば、所定の閾値である3文字以上が合致すれば一致と判断する。
尚、これら音声をテキストデータに変換する音声認識の手法としては、公知の音声認識の手法を利用することができる。
また、本実施例では、これら合言葉の照合を音声認識によるテキスト照合により実施しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め記憶されている合言葉の音声波形と音声データに基づく遊技者の合言葉の音声波形とを照合することで、入力の成否を判断するようにしても良い。
そして、ステップS551において入力成功であるか否かを判定し、入力が成功であれば、更に、ワークメモリに格納された遊技者の音声データや画像データから、遊技者の属性、具体的には、男性か女性かを特定する遊技者属性特定処理を実施する(ステップS552)。尚、予告演出の種別によっては、遊技者属性特定処理を実施しない場合がある。また、本実施例では、属性として男女を特定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら属性として、年代や方言による地域を特定しても良い。
そして、ステップS553に進み、遊技者属性特定処理にて特定した属性に応じた成功演出用データ、例えば、遊技者が男性であれば女性のキャラクタが登場する成功演出や、遊技者が女性であれば男性のキャラクタが登場する成功演出を実施するための演出用データをセットすることで、入力可能期間の終了後から予告演出が終了するまでの期間においては、これら成功演出用データに基づく演出が実施される。
一方、ステップS551において入力成功でない場合、つまり、入力不成功である場合には、不成功演出用データをセットすることで(ステップS564)、入力可能期間の終了後から予告演出が終了するまでの期間においては、これら不成功演出用データに基づく演出が実施される。
これら成功演出用データとしては、例えば、大声予告であれば、最終的に大当りとなる場合には、ガラス板が全て崩壊する演出画像のデータがセットされることで、最終的に大当りとなる可能性が高いことを示唆する一方、不成功演出用データとしては、最終的に大当りとなる場合であっても、ガラス板が崩壊せずに、割れたままガラスが残る画像が表示されることで、最終的に大当りとなる可能性が高いことが示唆されないようになっている。
尚、これら成功演出用データや不成功演出用データや、予告演出の種別に応じて異なるデータがセットされる。
そして、ステップS565に進み、ワークメモリに入力データの記憶が存在するか否かに基づいて、当該入力演出において遊技者によるプッシュボタン516の操作の有無を判定する。つまり、ワークメモリに入力データの記憶が全く存在しない場合には、遊技者によるプッシュボタン516の操作が無しと判断する。
遊技者によるプッシュボタン516の操作が無い場合には、ステップS566に進んで、音声入力制限フラグをセットして、該音声入力予告処理を終了する一方、プッシュボタン516の操作が有る場合にはステップS566を実施することなく該音声入力予告処理を終了する。
これにより、音声入力予告演出において遊技者によるプッシュボタン516の操作が無い場合、つまり、遊技者が音声の入力を希望していない場合には、音声入力制限フラグがセットされることにより、予告演出として大声予告演出や合言葉予告演出が決定されずに、非入力系予告演出やジェスチャー予告演出A,Bが決定されるようになるので、これら音声の入力を希望していない遊技者の興趣が低下してしまうことを防止できる。
ここで、これら音声入力予告処理に基づく各種予告演出の演出状況を、図34〜図35に基づいて説明する。
図34は、本実施例の大声予告演出の流れを示す図である。大声予告演出においては、図34(a)に示すように、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始された後、大声予告演出が開始されることにより、図34(b)に示すように、「ボタンを押して大声を出せ!!」のメッセージとボタンの表示が演出表示装置9に表示されることで、プッシュボタン516を押して大声を入力することを遊技者に促す。
その後、操作受付け開始タイミングとなったことに応じて図34(c)に示すように、「入力有効」が表示される。この入力有効が表示されている期間において、遊技者は、図34(d)に示すように、プッシュボタン516を押して、プッシュボタン516の前方位置に設けられている指向性マイク61bに向けて、大声を発声して入力する。
このプッシュボタン516の操作中において入力された音声の音声データ(入力データ)に基づく総音量レベルに応じて、ガラス板のひび割れが徐々に拡大する演出画像が演出表示装置9に表示される。
尚、「入力有効」が表示されている期間においては、遊技者はプッシュボタン516の操作・非操作を繰返し実施することができ、プッシュボタン516を操作しているときに指向性マイク61bから入力された音声のデータが入力データとして一時記憶される。
そして、「入力有効」の表示は、操作受付け終了タイミングとなったことに応じて終了され、該操作受付け終了タイミングにおいて一時記憶されている音声のデータ(入力データ)により特定される総音量レベルが所定の音量レベル閾値に到達している入力成功の場合であって、最終的に大当りとなる場合には、図34(e)に示すように、ガラス板が全て崩壊する演出画像が表示されることで最終的に大当りとなる可能性が高いことが示唆された後、大声予告演出が終了した後に、図34(f)に示すように、変動パターンに応じたリーチ演出に移行し、当該可変表示が終了する時点で、例えば、図34(g)に示すように、「777」が揃って確変大当りAが発生する。
尚、総音量レベルが所定の音量レベル閾値に到達していない入力不成功の場合には、最終的に大当りとなる場合であっても、ガラス板が崩壊せずに、割れたままガラスが残る不成功画像が表示されることで、最終的に大当りとなる可能性が高いことの示唆が実施されない。
つまり、遊技者は、大声を出して入力に成功することで、大当りとなる可能性が高いか否かの情報を得ることができるようになり、遊技機の興趣を向上できる。
図35は、本実施例の合言葉予告演出の流れを示す図である。合言葉予告演出においては、図35(a)に示すように、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始された後、合言葉予告演出が開始されることにより、図35(b)に示すように、「ボタンを押して合言葉を言え!!」のメッセージとボタンの表示が演出表示装置9に表示されることで、プッシュボタン516を押して合言葉を発声することを遊技者に促す。
その後、操作受付け開始タイミングとなったことに応じて図35(c)に示すように、「合言葉は○○○○」のメッセージが表示されるとともに、「入力有効」が表示される。この入力有効が表示されている期間において、遊技者は、プッシュボタン516を押して、プッシュボタン516の前方位置に設けられている指向性マイク61bに向けて、合言葉を発声して入力する。尚、「入力有効」が表示されている期間においては、遊技者はプッシュボタン516の操作・非操作を繰返し実施することができ、プッシュボタン516を操作しているときに指向性マイク61bから入力された合言葉の音声データが入力データとして一時記憶される。つまり、「入力有効」が表示されている期間においては、合言葉の入力を、連続的に継続する必要はなく、例えば、一文字づつ思いついた段階でプッシュボタン516の操作して逐次入力することができる。
そして、「入力有効」の表示は、操作受付け終了タイミングとなったことに応じて終了され、該操作受付け終了タイミングにおいて一時記憶されている合言葉の音声データ(入力データ)が音声信号処理回路111による音声認識処理によってテキストデータに変換されて、合言葉である、例えば「たいよう」の文字列と照合されて、所定の閾値である3文字以上が合致すれば入力成功と判断される。
このように入力成功した場合には、図35(d)に示すように、合言葉が合致したことを示す演出画像と合言葉である「たいよう」とが演出表示装置9に表示された後、入力された音声データから特定される遊技者の属性が男性である場合には、男性遊技者に対応する成功演出用データがセットされることで、図35(e)に示すように、女性のキャラクタが表示されるとともに、高確状態である可能性を示す確変潜伏期待度が表示される一方、音声データから特定される遊技者の属性が女性である場合には、女性遊技者に対応する成功演出用データがセットされることで、図35(f)に示すように、男性のキャラクタが表示されるとともに、高確状態である可能性を示す確変潜伏期待度が表示される。尚、合言葉が合致せずに入力が不成功となった場合には、「残念」のメッセージを含む画面が表示され、男性や女性のキャラクタや確変潜伏期待度の表示は実施されない。
尚、図35における確変潜伏期待度としては、高確状態にある場合には、例えば80%が表示されることで、潜伏している可能性が高いことを報知する一方、低確状態にある場合には、例えば20%が表示されることで、潜伏している可能性が低いことを報知するようにすれば良い。
また、図35においては、遊技者に示す情報を確変潜伏期待度としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの情報は、大声予告と同じく当該可変表示において大当りとなる可能性の情報等であっても良い。
次に、ステップS524において実施されるジェスチャー予告処理について、図30を用いて説明すると、まず、演出制御用CPU120は、後述するステップS586にてセットされる遊技者不在フラグがセットされているか否かを判定する。
遊技者不在フラグがセットされている場合には、ステップS592に進み、動作受付け期間の終了タイミングであるか否かを判定する。一方、遊技者不在フラグがセットされていない場合、つまり、当該パチンコ遊技機1を遊技する遊技者であって、ジェスチャー予告演出における動作入力を適切に実施可能な遊技者が存在している場合には、人物タグの登録が存在するか否か、つまり、ジェスチャー予告処理において既にステップS573の遊技者特定処理を実施済みであるか否かを判定する(ステップS571)。
人物タグの登録が存在する場合、つまり、既に遊技者特定処理を実施済みである場合にはステップS572〜ステップS579の処理を実施することなく、ステップS580に進む一方、人物タグの登録が存在しない場合、つまり、遊技者特定処理を未実施である場合には、ステップS573に進んで遊技者特定処理を実施する。
遊技者特定処理においては、まず、動作検出処理部112に対し、遊技者特定指示を出力して、当該パチンコ遊技機1を遊技する遊技者であって、ジェスチャー予告演出における動作入力を適切に実施可能な遊技者の有無を出力させる遊技者特定処理を実施する(ステップS573)。
この遊技者特定指示の出力に応じて動作検出処理部112は、赤外線撮像部11bにより撮像されたパチンコ遊技機1の前方領域の放射パターン画像データに基づいて、当該撮像された画像に含まれる人物を全て特定する。
これら、人物の抽出・特定は、前述したように、動作検出処理部112に設けられている距離画像センサ用集積回路113と姿勢推定用集積回路(IC)114とによって実施され、動作検出処理部112は、放射パターン画像により距離画像センサ用集積回路113にて抽出される輪郭と、学習データに含まれる人物パターン等とに基づいて、撮像した放射パターン画像に含まれる人物の領域を、姿勢推定用集積回路(IC)114がそれぞれ特定することで、撮像領域中に存在している人物を全て特定する。
具体的には、赤外線撮像部11bの撮像領域には、隣接するパチンコ遊技機1や対向設置されている他のパチンコ遊技機1で遊技している遊技者や、周囲で見ている遊技者や、通路を通行中の遊技者も含まれるので、撮像された画像に含まれる人物としては、当該パチンコ遊技機1で遊技中の遊技者(以下、対象遊技者と呼称する)以外に、隣接するパチンコ遊技機1で遊技している遊技者や、対向する遊技島に設置されているパチンコ遊技機1で遊技している遊技者や、通路を通過する遊技者や遊技場の店員等の人物(以下、非対象者と呼称する)が含まれる。
よって、動作検出処理部112は、特定した人物のうち、対象遊技者と特定するための所定の対象条件を満たす人物を対象遊技者として特定する。具体的には、特定した各人物について、対象条件である当該パチンコ遊技機1を遊技するための所定の遊技位置(本実施例では撮像領域の中央位置であって、距離画像センサ用集積回路113により特定されるパチンコ遊技機1からの距離が1メートル以内)に存在するか否かを判定する。そして、所定の遊技位置に人物が存在する場合(遊技中の遊技者が存在する場合)には、該人物が当該パチンコ遊技機1を注目しているか否か、つまり、パチンコ遊技機1を注目していてジェスチャー予告演出における動作入力を適切に実施可能な状態にあるかを、当該人物の顔が向いている方向が当該パチンコ遊技機1の方向を向いているかを、当該顔の部位における両目の間隔や、該顔部分の放射パターンのつぶれ状況(斜めを向いていると放射パターンのつぶれが大きく、正視していると放射パターンのつぶれが小さくなる)等によって判定する。
つまり、本実施例では、上記したように、対象遊技者と特定するための所定の対象条件として、当該パチンコ遊技機1を注目しているか否かの条件を含むので、パチンコ遊技機1を遊技中の遊技者が存在する場合であっても、該遊技中の遊技者が例えば、隣接するパチンコ遊技機1の遊技者と会話していて遊技中のパチンコ遊技機1を見ていない場合や、遊技場の店員等に対応していてパチンコ遊技機1を見ていない場合には、対象遊技者として特定されない、すなわち、対象遊技者が存在しないこととされる。
これら対象条件を満たす人物がいない場合において動作検出処理部112は、演出制御用CPU120に対して、対象遊技者が不在である旨の遊技者特定結果を出力する一方、対象条件を満たす人物がいる場合においては、対象遊技者が存在する旨の遊技者特定結果を出力する。この遊技者特定結果の出力に応じて演出制御用CPU120は、動作検出の対象遊技者が存在するか否かを判定する(ステップS574)。
そして、対象遊技者が存在しない場合(ステップS574でNo)には、ステップS586に進んで、遊技者不在フラグをセットした後、遊技者不在用演出データ、具体的には、遊技者による動作入力を伴わないとともに、特定のキャラクタが登場して、「折角チャンスだったのに残念ね!ちゃんと注目していてね。でも、まだまだ、これからよ!」のメッセージ音声が出力される残念演出の演出データがセットされることで、動作入力を伴うジェスチャー予告演出に代えて、動作入力が伴わない残念演出が実施された後、例えば、スーパーリーチに移行する。
よって、対象遊技者が存在しないと判断される場合、すなわち、パチンコ遊技機1を遊技中の遊技者が、上述したように、隣接するパチンコ遊技機1の遊技者と会話していて遊技中のパチンコ遊技機1を見ていない場合や、遊技場の店員等に対応していてパチンコ遊技機1を見ていない場合には、動作入力を伴わない残念演出に移行するので、パチンコ遊技機1における遊技を注視していない遊技者の動作によって、該遊技者の意図しない演出が、ジェスチャー予告演出において実施されてしまうことを防止できる。
一方、対象遊技者が存在する場合(ステップS574でYes)において演出制御用CPU120は、ステップS575に進んで、動作検出処理部112に対して人物タグ登録指示を出力して、特定した各人物について、対象遊技者と非対象遊技者とを識別するための人物タグデータを登録させる人物タグ登録処理を実施する。動作検出処理部112は、該人物タグ登録指示の出力に応じて、遊技者特定処理にて特定した各人物のうち、対象遊技者と特定した人物に対して対象遊技者の人物タグデータを登録(付与)し、非対象者と特定した人物に対して非対象者の人物タグデータを登録(付与)することで、赤外線撮像部11bによる画像中において動作検出の対象となる対象遊技者を登録し、該人物タグデータにより識別される対象遊技者について動作の検出を行う。
次いで、演出制御用CPU120は、ステップS576に進み、ジェスチャー予告演出の種別が、案内動作の種別を動作履歴に基づいて決定する必要のあるジェスチャー予告演出Aであるか否かを判定し、ジェスチャー予告演出Aではない場合には、ステップS580に進み、ジェスチャー予告演出Aである場合には、ステップS577に進んで、遊技者による動作部位の指定設定があるか否かを更に判定する。
動作部位の指定設定がある場合には、ステップS580に進む一方、動作部位の指定設定がない場合には、ステップS578に進んで、入力履歴情報領域に記憶されている入力履歴情報から、該ジェスチャー予告以前における当該遊技者のジェスチャー予告における動作入力の状況を特定する。具体的には、動作入力の状況として、動作が大きいか小さいかや、動作が激しいか穏やかか等を後述する各動作レベル値に基づいて特定し、該特定した動作状況の種別に対応する動作を案内動作として決定する(ステップS579)。
このステップS579においては、具体的には、案内動作として、手で壊す動作或いは頭で壊す動作のいずれかを案内動作として決定する。本実施例では、ステップS578において特定した遊技者の過去の動作入力状況が、動作が大きくて激しい場合には、周囲で遊技している他の遊技者や通行者に迷惑となる可能性が大きいので、案内動作として手の動作を決定し、動作が大きくても穏やかである場合には、周囲で遊技している他の遊技者や通行者に迷惑となる可能性が小さいので、遊技者の性格にあった動作として、動きの大きな動作である頭の動作を決定し、動作が小さくて激しい場合並びに動作が小さくて穏やかな場合には、遊技者の性格にあった動作として、動きの小さな動作である手の動作を決定する。
このように遊技者に案内する動作を、遊技者の過去の動作入力状況に応じて決定することで、遊技場にとっては、周囲で遊技している他の遊技者や通行者に迷惑がかかることを防止できるようになる(遊技場の意向を反映できる)とともに、遊技者にとっては、自己の性格にあった動作が案内される(遊技者の意向を反映できる)ので、自己の性格に合致しない動作が案内されることによって遊技機の興趣が損なわれてしまうことを防止できるようになる。
そして、ステップS580においては、各種のジェスチャー予告演出において動作検出の対象とされる動作や、上記したステップS579において決定した動作を案内動作として表示した後、ステップS581に進む。
具体的には、後述する設定メニューの操作部設定(図33参照)において、例えば「手」が設定されている場合には、ジェスチャー予告演出Aにおける案内動作としては、入力履歴情報に基づく動作状況にかかわらず、手の動作を案内動作として表示する一方、「頭」が設定されている場合には、ジェスチャー予告演出Aにおける案内動作としては、入力履歴情報に基づく動作状況にかかわらず、頭の動作を案内動作として表示する。
つまり、遊技者は、ジェスチャー予告演出Aにおいて動作入力を行う部位を予め指定することが出来るようになっている。
また、ジェスチャー予告演出Bであれば、該ジェスチャー予告演出Bに対応する動作である飛来する弓矢から逃げる動作が案内動作として表示され、ジェスチャー予告演出Cであれば、該ジェスチャー予告演出Cに対応する各種のポーズが案内動作として表示される。
ステップS581においては、動作受付け期間中フラグがセットされているか否かを判定し、動作受付け期間中フラグがセットされている、つまり、動作受付け中である場合には、ステップS584に進み、動作受付け期間中フラグがセットされていない場合には、動作受付け期間の開始タイミングであるか否かをプロセスデータに基づいて判定する(ステップS582)。
該判定において動作受付け期間の開始タイミングでない場合には、ステップS592に進む一方、動作受付け期間の開始タイミングである場合には、動作受付け期間中フラグをセットするとともに、図示していないが、演出表示装置9に「動作スタート」を表示した後(ステップS583)、ステップS584に進む。
このステップS584においては、人物タグにより対象遊技者として識別される人物の動作を検出する処理を行う。具体的に、これら動作検出処理において演出制御用CPU120は、動作検出処理部112に対して、動作検出データ出力指示を出力して動作検出処理部112から対象遊技者の動作検出データを取得し、該取得した対象遊技者の動作検出データから、ステップS580にて案内した動作に対応する部位の動作を特定する。
この動作検出データ出力指示の出力に応じて動作検出処理部112は、人物タグデータに基づいて、赤外線撮像部11bにて撮像された時系列の各画像において対象遊技者を特定するとともに、該対象遊技者の各部位を部位毎の学習データに基づいて特定し、該特定した各部位の移動状況(位置変化)を、ワークメモリに一時記憶している時系列の画像データから検出して、各部位毎の移動方向と移動量から推定される対象遊技者の姿勢を特定可能な姿勢情報が時系列に配列された動作検出データを生成して出力する。
そして、ステップS585に進み、取得した動作検出データから特定される対象遊技者の動作(姿勢の変化)を演出表示装置9における表示に反映させる検出動作反映処理を実施する。
具体的には、例えば、ジェスチャー予告演出Aにおいて、遊技者が案内動作に応じて手を前方向(パチンコ遊技機1に近い方向)に動かしたことが動作検出データから特定された場合には、演出表示装置9においてガラス板を画像中の手が叩く状態の画像を表示する制御を行うとともに、遊技者が手を後方向(パチンコ遊技機1に遠い方向)に動かしたことが動作検出データから特定された場合には、演出表示装置9においてガラス板から手が離れた状態の画像を表示する制御を行うことで、対象遊技者の動作に連動した演出表示が演出表示装置9において表示される。尚、動作検出データから特定される動作が案内動作と異なる場合、つまり、案内動作が動作検出データから特定されない場合には、画像を表示の更新を実施しないことで、対象遊技者の動作は演出(表示)に反映されないことになる。
このように、撮像された画像に含まれる人物のうち、動作検出の対象となる対象遊技者が特定されて、該特定された対象遊技者の動作のみが検出され、該検出された動作に応じた演出が実施されるので、対象遊技者ではない、他の人物の動作による対象遊技者の意図しない演出が実施されてしまうことが防止される。
そして、ステップS590に進み、演出制御用CPU120は、動作検出処理部112から取得した動作検出データから特定される対象遊技者の動作(検出動作)に基づいて、遊技者の視線位置が、予め定められた演出表示装置9の表示画像(立体画像)が良好に視認できる表示領域の範囲内にあるか、それとも表示領域を超えているかを判定する。
具体的に、これら表示領域として本実施例においては、パチンコ遊技機1の横幅よりも少し狭い領域内が設定されており(図38(f)参照)、演出表示装置9の真正面に遊技者の視点位置がある場合を中心として、遊技者の視点位置が左右方向に所定距離移動したときに、演出表示装置9の表示画像(立体画像)が良好に視認できる範囲を表示領域として設定する。
そして、演出制御用CPU120は、この表示領域の範囲から対象遊技者の視点位置が超えている場合には、過動作有りと判定して、ステップS591の過動作報知処理を実施する。尚、ステップS591にて、演出制御用CPU120は、表示領域をオーバーして遊技者の動作が行われていること、及び隣席の遊技者と接触してしまう恐れがあることを報知する報知画面(図38(f)参照)を演出表示装置9に表示する制御を行う。また、対象遊技者の視点位置が表示領域を超えていない場合には、過動作無しと判定してステップS592に進む。
ステップS592においては、動作受付け期間の終了タイミングであるか否かをプロセスデータに基づいて判定し、終了タイミングで無ければ当該ジェスチャー予告処理を終了する。
一方、動作受付け期間の終了タイミングである場合には、人物タグの登録を削除する(ステップS593)。
そして、ステップS583でセットされる動作受付け期間中フラグや、ステップS586でセットされる遊技者不在フラグがセットされている場合には、これらのフラグをリセットする(ステップS594)。
次いで、動作受付け期間において対象遊技者により入力された動作入力による入力結果がいずれの入力結果に該当するかを判定する入力結果判定処理を実施する。
具体的には、例えば、図38に示すように、飛来してくる矢を動作による避ける動作を行うジェスチャー予告演出Bの場合であれば、動作の結果、何本の矢を避けられたのかを特定したり、図40に示すように、複数のポーズを入力するジェスチャー予告演出Cの場合であれば、全部のポーズを入力できたか否かを判定する。
そして、ステップS596に進み、入力結果判定処理における判定結果に対応した演出用データを、当該予告演出が終了するまでの演出用データとしてセットするとともに、当該ジェスチャー予告演出において対象遊技者の動作入力の状況に基づいて、入力履歴情報領域に記憶されている入力履歴情報(動作の大小レベル値、動作の激穏レベル値)を更新(登録)する(ステップS597)。
尚、これら入力履歴情報は、遊技機が非稼働となることにより主基板31から送信されてくる客待ちデモ指定コマンドの受信に応じてクリアされることで、遊技者が変わった場合には入力履歴情報が存在しないことになるので、これら入力履歴情報が存在しない場合には、各ジェスチャー予告演出においてデフォルトに設定されている動作が案内動作として決定される。
ここで、これらジェスチャー予告処理に基づく各種予告演出の演出状況を、図36〜図41に基づいて説明する。
図36、図37は、本実施例のジェスチャー予告演出Aの流れを示す図である。ジェスチャー予告演出Aにおいては、図36に示すように、手である拳によって動作を入力する場合と、図37に示すように、頭によって動作を入力する場合とがある。
拳によって動作を入力する場合(ジェスチャー予告演出A−1とする)には、図36(a)に示すように、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始された後、ジェスチャー予告演出A−1が開始されることにより、図36(b)に示すように、該ジェスチャー予告演出A−1における動作入力の対象となる拳を前後に振る動作を案内する動作案内画面が演出表示装置9に表示されることで、当該案内動作を行うことを遊技者に促す。
その後、動作受付け期間開始タイミングとなったことに応じて図36(c)に示すように、「動作スタート」が表示される。この「動作スタート」が表示された時点から、遊技者は、図36(d)に示すように、動作案内画面において表示された案内動作である拳を前後に振る動作を開始して、動作入力を実施する。
この拳を前後に振る動作の入力に応じて、ガラス板のひび割れが徐々に拡大する演出画像が演出表示装置9に表示されていくとともに、動作の入力が可能な残り時間が表示される。尚、これらひび割れの拡大は、拳の動作の大きさに応じて大きくひび割れたり小さくひび割れたりする場合があり、拳の動作状況に応じてひび割れの変化の度合いが変更する。
これら動作の入力は、動作受付け期間終了タイミング(残り時間が0)となったことに応じて終了され、該動作受付け期間終了タイミングにおいて、対象遊技者によって入力された動作に基づくガラス板のダメージ量が一定以上のダメージ量に到達している入力成功の場合であって、最終的に大当りとなる場合には、図36(e)に示すように、ガラス板が全て崩壊する演出画像(判定結果に対応した演出)が表示されることで最終的に大当りとなる可能性が高いことが示唆された後、該ジェスチャー予告演出A−1が終了した後に、図36(f)に示すように、変動パターンに応じたスーパーリーチ演出に移行し、当該可変表示が終了する時点で、例えば、図36(g)に示すように、「777」が揃って確変大当りAが発生する。
尚、ダメージ量が一定以上のダメージ量(閾値)に到達していない入力不成功の場合には、最終的に大当りとなる場合であっても、ガラス板が崩壊せずに、割れたままガラスが残る不成功画像が表示されることで、最終的に大当りとなる可能性が高いことの示唆は実施されない。また、ダメージ量が一定以上のダメージ量(閾値)に到達していても、最終的に大当りとならない場合には、ガラス板が崩壊せずに、割れたままガラスが残る画像が表示されることで、最終的に大当りとなる可能性が低いことが示唆される。
一方、頭によって動作を入力する場合(ジェスチャー予告演出A−2とする)には、図37(a)に示すように、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始された後、ジェスチャー予告演出A−2が開始されることにより、図37(b)に示すように、該ジェスチャー予告演出A−2における動作入力の対象となる頭を前後に振る動作を案内する動作案内画面が演出表示装置9に表示されることで、当該案内動作を行うことを遊技者に促す。
その後、動作受付け期間開始タイミングとなったことに応じて図37(c)に示すように、「動作スタート」が表示される。この「動作スタート」が表示された時点から、遊技者は、図37(d)に示すように、動作案内画面において表示された案内動作である頭を前後に振る動作を開始して、動作入力を実施する。
この頭を前後に振る動作の入力に応じて、ガラス板のひび割れが徐々に拡大する演出画像が演出表示装置9に表示されていくとともに、動作の入力が可能な残り時間が表示される。尚、これらひび割れの拡大は、頭の動作の大きさに応じて大きくひび割れたり小さくひび割れたりする場合があり、頭の動作状況に応じてひび割れの変化の度合いが変更する。
これら動作の入力は、動作受付け期間終了タイミング(残り時間が0)となったことに応じて終了され、該動作受付け期間終了タイミングにおいて、対象遊技者によって入力された動作に基づくガラス板のダメージ量が一定以上のダメージ量に到達している入力成功の場合であって、最終的に大当りとなる場合には、図37(e)に示すように、ガラス板が全て崩壊する演出画像(判定結果に対応した演出)が表示されることで最終的に大当りとなる可能性が高いことが示唆された後、該ジェスチャー予告演出A−2が終了した後に、図37(f)に示すように、変動パターンに応じたスーパーリーチ演出に移行し、当該可変表示が終了する時点で、例えば、図37(g)に示すように、「777」が揃って確変大当りAが発生する。
尚、ダメージ量が一定以上のダメージ量(閾値)に到達していない入力不成功の場合には、最終的に大当りとなる場合であっても、ガラス板が崩壊せずに、割れたままガラスが残る不成功画像が表示されることで、最終的に大当りとなる可能性が高いことの示唆は実施されない。また、ダメージ量が一定以上のダメージ量(閾値)に到達していても、最終的に大当りとならない場合には、ガラス板が崩壊せずに、割れたままガラスが残る画像が表示されることで、最終的に大当りとなる可能性が低いことが示唆される。
つまり、遊技者は、動作入力に成功することで、大当りとなる可能性が高いか否かの情報を得ることができるようになり、遊技機の興趣を向上できる。
図38、図39は、本実施例のジェスチャー予告演出Bの流れを示す図である。ジェスチャー予告演出Bにおいては、図38(a)に示すように、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始された後、ジェスチャー予告演出Bが開始されることにより、図38(b)に示すように、該ジェスチャー予告演出Bにおける入力動作である、飛来する矢を避ける動作が演出表示装置9に表示されることで、当該案内動作を行うことを遊技者に促す。
その後、動作受付け期間開始タイミングとなったことに応じて図38(c)に示すように、「動作スタート」と対象遊技者となる人物画像が表示される。この「動作スタート」が表示された時点から、遊技者は、図38(d)、図38(e)に示すように、演出表示装置9の画面において飛来する矢が、当該画面内の人物(自身)にあたらないように避ける動作を開始して、動作入力を実施する。尚、演出表示装置9の画面において飛来する矢が立体画像として表示され、演出表示装置9から矢が飛び出して来る態様の演出がなされる。
この遊技者による左右への移動や、頭の位置を下げたりする動作に連動して、画面内の人物(自身)が左右に移動したり、頭の位置を下げる等の動作をして、飛来する矢を避けることができる。尚、これら飛来する矢の数は、所定の複数本(例えば5本)とされていいて、飛来するタイミングは一定ではなく、連続して飛来する場合や、間隔が空いて飛来する場合もある。
本実施例では、遊技者の動作入力、すなわち遊技者の自身の位置と演出表示装置9の画面中の演出とを連動させることができる。具体的には、前述した赤外線撮像部11bにて撮像された時系列の各画像において、対象遊技者の各部位の移動状況(位置変化)が時系列の画像データから検出され、各部位毎の移動方向と移動量から推定される対象遊技者の姿勢が特定される動作検出処理部112から出力される動作検出データに基づき、遊技者の動作(姿勢の変化)を演出表示装置9における表示に反映させる。
例えば、図38(d)に示すように、飛来する矢が遊技者の左方向に向かって飛んで来る演出を行った場合に、遊技者が右方向に避ける動作をすると、この避ける動作の検出に応じて、次に飛来する矢の方向を遊技者が避けた動作により移動した位置である右方向に向かって飛んで来るように演出を行う。また、図38(e)に示すように、飛来する矢が遊技者の右方向に向かって飛んで来る演出を行った場合に、遊技者が左方向に避ける動作をすると、この避ける動作の検出に応じて、次に飛来する矢の方向を遊技者が避けた動作により移動した位置である左方向に向かって飛んで来るように演出を行う。
尚、本実施例では、これら次の矢の飛翔方向を、その前の矢の演出における遊技者の回避動作、つまり所定期間の遊技者位置の変化状況に基づいて決定することで、これら次の矢の飛翔方向を遊技者が存在する方向に的確に決定できることから好ましい。すなわち、これら矢の飛翔方向を各矢の演出を開始する時点において遊技者が存在する位置を検出し、該検出した位置が右位置であれば右方向に決定し、該検出した位置が左位置であれば左方向に決定するようにしても良いが、このようにすると、遊技者の位置を検出するときにおいてのみ、たまたま、遊技者が瞬間的に動いて位置が変化した場合には、遊技者が実際にはいない方向が矢の飛翔方向として決定されてしまう可能性が大きくなるのに対し、所定期間の遊技者位置の変化状況となる回避動作に基づいて矢の飛翔方向を決定することにより、たまたま、遊技者が瞬間的に動いてしまったとしても、遊技者が実際にいる方向が矢の飛翔方向として決定されるようになるので、矢の飛翔方向を遊技者が存在する方向に的確に決定できるようになるため、遊技者は飛んでくる矢を立体として良好に視認することのできる、ほぼ正面位置にて見ることができるようになる。
更に、遊技者が上方向または下方向に避ける動作をした場合であっても、この避ける動作の入力に応じて、次に飛来する矢が上方向または下方向に向かって飛んで来るような演出も行える。このように、遊技者の動作に応じて表示される立体画像が変化するようになるので、演出において遊技者に面白みを与えることができるので、より一層高い演出効果を得ることができる。また、飛来する矢の方向を遊技者の自身の位置に応じて変化させることで、遊技者の視点位置の変化に合わせた立体画像の表示が行えるようになり、遊技者は、自身に向かって飛来する矢の立体画像を視認し易くなる。
尚、本実施例では、矢の飛翔方向を各矢の演出を開始する時点において遊技者の動作を検出し、該検出した動作に基づいて、遊技者がその前の矢の飛来に応じて体を前方向(パチンコ遊技機1に近い方向)に動かしたこと検出したときには、次に飛来する矢の立体画像の立体度を小さくする決定を行い、遊技者がその前の矢の飛来に応じて体を後方向(パチンコ遊技機1に遠い方向)に動かしたことを検出したときには、次に飛来する矢の立体画像の立体度を大きくする決定を行うようにし、遊技者の視点位置と演出表示装置9との距離に合わせて遊技者にとって最も見やすい立体画像の立体度に調整する。
このように遊技者の視点位置と演出表示装置9との距離が近い場合に、演出表示装置9に表示される立体画像の立体度を小さくすることで、遊技者が接近している状態で矢が画面より大きく飛び出して見えることで遊技者に過度の驚愕感を与えてしまい、遊技が中断されてしまうことを防止できるとともに、これら遊技者が接近しているときには、遊技者が左右に移動した場合には、視差バリア用液晶パネル9bに表示されている視差バリア画像により本来視認が阻止される右目用画像や左目用画像が左目や右目にて見えてしまうことで、遊技者に混乱を生じてしまう逆視状態になり易いので、仮に、これら逆視状態となったとしても、立体度を小さくする、つまり、右目用画像と左目用画像との画像差を小さくすることで、遊技者に生じる混乱を少ないものにできる。また、遊技者の視点位置と演出表示装置9との距離が遠い場合に、演出表示装置9に表示される立体画像の立体度を大きくすることで、遊技者が演出表示装置9から離れていても迫力がある立体画像を遊技者に対して視認させることができるので、演出の効果を十分に高めることができる。つまり、これら遊技者が離れているときには、遊技者が左右に移動したとしても、遊技者が近接している場合に比較して前述した逆視状態となり難いので、右目用画像と左目用画像との画像差を大きくして立体画像の立体度を大きくして迫力がある立体画像を表示する。
このように、演出中に動作検出処理部112により検出された遊技者の動作、つまり、一時的な位置ではなく遊技者の位置の時系列における変化状態である動作に基づいて、立体画像の表示位置または立体度(視差量)の少なくとも一方が決定されるため、遊技者の動作に合致しない表示位置や立体度(視差量)が決定されてしまうことを低減できるので、演出において遊技者との関わり合いが適切に実施されて、一体感がより確実に増大するので、高い演出効果がより一層得られるとともに、例えば、立体画像の表示位置として該立体画像を遊技者の位置から良好に視認できる表示位置に決定することで、立体画像を遊技者が立体として見難くなってしまうことをより一層低減することもできる。
尚、これら動作において、対象遊技者が前述した動作領域(表示領域)を超えて動作した場合には、図38(f)に示すように、演出表示装置9の表示領域をオーバーして遊技者の動作が行われていること、及び隣席の遊技者と接触してしまう恐れがあることを報知する報知画面が表示される。このように、演出表示装置9に報知画面を表示することで、立体画像を立体として良好に視認可能な所定範囲を外れていることを遊技者が認識できるので、遊技者は動作領域(表示領域)を超えて動作しないようになり、遊技者の視点位置を演出表示装置9の立体画像を良好に視認できる範囲に誘導することができ、遊技者は、演出における立体画像を立体にて確実に楽しむことができる。尚、演出表示装置9において立体画像が良好に視認できる範囲が狭いような場合であっても、動作領域(表示領域)の範囲を適宜設定することで対応することができる。
これら対象遊技者による動作の入力は、全ての矢が飛来した後に動作受付け期間終了タイミングとなったことに応じて終了され、該動作受付け期間終了タイミングにおいて、対象遊技者によって入力された動作により避けることのできた矢の本数がカウントされて表示された後(図39(a))、回避に成功した本数に対応した演出が実施される。
具体的には、全ての矢の回避に成功した場合(図39(a))には、その時点における遊技状態が確変であるか否かを示す確変潜伏期待度として、確変(高確)状態である場合には、高い数値のパーセント表示(例えば90%)が実施される一方、通常(低確)状態である場合には、低い数値のパーセント表示(例えば10%)が実施されることで、確変(高確)状態であるか否かが判別し易く報知される一方、一部の矢の回避に失敗した場合には、確変潜伏期待度として、確変(高確)状態である場合には、全本回避成功の場合よりも低い数値のパーセント表示(例えば70%)が実施される一方、通常(低確)状態である場合には、全本回避成功の場合よりも高い数値のパーセント表示(例えば30%)が実施されることで、確変(高確)状態であるか否かが全本回避成功の場合よりも判別し難く報知される(図39(d))。
尚、これら動作入力の入力結果に対応した確変潜伏期待度の報知演出においては、対象遊技者の画像から対象遊技者の性別が特定され、対象遊技者が男性である場合には、男性遊技者に対応する演出用データがセットされることで、図39(b)に示すように、女性のキャラクタとともに確変潜伏期待度が表示される一方、対象遊技者が女性である場合には、女性遊技者に対応する演出用データがセットされることで、図39(c)に示すように、男性のキャラクタとともに確変潜伏期待度が表示される。
また、本実施例では、前述した赤外線撮像部11bにて撮像された時系列の各画像において、対象遊技者の各部位の移動状況(位置変化)が時系列の画像データから検出され、この検出に基づき、遊技者の動作(姿勢の変化)を演出表示装置9における表示に反映させるようにしているが、対象遊技者の各部位の検出は、時系列の画像データを用いて検出することに限らず、所定の瞬間の画像データから遊技者の位置を特定し、この特定された遊技者の位置を演出表示装置9における表示に反映させるようにしてもよい。
図40、図41は、本実施例のジェスチャー予告演出Cの流れを示す図である。ジェスチャー予告演出Cにおいては、図40(a)に示すように、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始された後、ジェスチャー予告演出Cが開始されることにより、図40(b)に示すように、該ジェスチャー予告演出Cにおける入力動作である、所定の入力ポーズをとる動作が演出表示装置9に表示されることで、当該案内動作を行うことを対象遊技者に促す。
その後、動作受付け期間開始タイミングとなったことに応じて図40(c)に示すように、残り時間の表示が開始される。この残り時間が表示された時点から、対象遊技者は、図40(c)に示すように、演出表示装置9に表示されているポーズと同一のポーズをとって当該ポーズの入力を行う。
このように入力されたポーズは、演出表示装置9に表示されているポーズと動作検出処理部112により検出された動作検出データに基づくポーズとの一致度が演出制御用CPU120により特定され、表示されているポーズとの一致度が所定の閾値以上である場合に入力成功と判断されて、次の段階の異なるポーズが、図40(b)と同様に演出表示装置9に表示される(図40(d))。尚、一致度が所定の閾値以上でない場合には、再度、図40(b)の画面が表示されて、再入力が促される。
尚、本実施例では、これら一致度を演出制御用CPU120が特定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出制御用CPU120が演出表示装置9に表示されているポーズの姿勢情報を含む一致度特定要求を動作検出処理部112に出力することで、これら一致度の特定を動作検出処理部112にて実施するようにしても良い。
図40(d)に示すように、次のポーズの案内表示がされた後、残り時間が表示された時点から、対象遊技者は、図40(e)に示すように、演出表示装置9に表示されているポーズと同一のポーズをとって当該ポーズの入力を行う。
このようにして入力されたポーズは、1回目のポーズと同様に、演出表示装置9に表示されているポーズと照合され、表示されているポーズとの一致度が所定の閾値以上である場合に入力成功と判断されて、次の段階の異なるポーズが演出表示装置9に表示される(図40(f))。
そして、対象遊技者は、図40(g)に示すように、次のポーズの案内表示がされた後、残り時間が表示された時点から、1回目並びに2回目の場合と同様に演出表示装置9に表示されているポーズと同一のポーズをとって、当該ポーズの入力を行う。
そして、3回目のポーズの入力に成功した場合には、図41(a)に示すように、「OK」の文字を含む入力成功の演出画像が演出表示装置9に表示された後、図41(b)に示すように、入力成功に応じて保留予告フラグがセットされることを報知する「先読みモード突入」のメッセージが表示される。
そして、保留予告フラグがセットされていることにより、図41(c)に示すように、その後のリーチ演出等において、演出表示装置9の下方に形成された第1保留記憶表示部と第2保留記憶表示部において、保留予告(先読み予告)が実施される。
この保留予告(先読み予告)においては、当該保留記憶の入賞時に実施された入賞時判定処理における判定結果が、大当りとなる判定結果である場合には高確率で、大当りとならない判定結果である場合には低確率で★の保留記憶表示が表示されることで、保留記憶の範囲において大当りとなる可能性があることが予告されるとともに、入賞時判定処理における判定結果が、スーパーリーチとなる判定結果である場合には高確率で、スーパーリーチとならない判定結果である場合には低確率で◆の保留記憶表示が表示されることで、保留記憶の範囲においてスーパーリーチとなる可能性があることが予告される。
尚、本実施例では、これら保留予告フラグを所定回数の変動表示が実施されるまで有効とするようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら保留予告フラグを当該可変表示のみにおいて有効とすることで、該可変表示の間においてのみ保留予告(先読み予告)が表示されるようにしても良い。
また、本実施例では、ポーズの入力を対象遊技者が「はい」と発声することで入力するようにしており、このようにすることは、遊技者の意志により入力を実行できるので、ポーズの完成に応じた適切なタイミングでの入力が可能となることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、各段階のポーズの入力において「3、2、1、0」のカウントダウンを表示して、カウントが「0」の段階でのポーズを入力する(検知する)ことで、対象遊技者が「はい」の発声をしないようにしても良いし、これら「はい」の発生を動作検出にて検出するようにしても良い。
次に、図33に基づいて、対象遊技者が各種の設定を実施する流れについて説明する。対象遊技者が各種の設定を実施したい場合には、前述した図7に示す立体度調整設定の場合と同じく、図33(a)に示すように、演出表示装置9において飾り図柄の変動表示が実施されていないときに、操作レバー600及び操作ボタン516を同時に操作することで、図27(b)に示す設定メニュー画面が演出表示装置9に表示されるとともに、動作の受付けが開始される。
この設定メニュー画面には、図33(b)に示すように、立体度設定の選択メニューと、操作部指定の選択メニューとが表示されているとともに、手の画像が表示されており、対象遊技者が自身の手を動かすことで、該手の動きに連動して表示されている手が移動する。
対象遊技者が立体度設定の選択メニューを選択したい場合には、立体度設定の選択メニューに対応する「●」の表示に手の表示を移動させ、該表示に手の表示を重ねた状態で所定の決定動作(例えば、手を2回握る)をすることで、前述した図7に示す立体度調整用画面が表示される一方、対象遊技者が操作部指定の選択メニューを選択したい場合には、操作部指定の選択メニューに対応する「●」の表示に手の表示を移動させ、該表示に手の表示を重ねた状態で所定の決定動作をすることで、図33(c)に示す操作部指定画面が表示される。
本実施例の操作部指定画面には、図33(c)に示すように、対象遊技者が指定可能な操作部として、「手」の選択メニューと、「頭部」の選択メニューとが表示される。これらの選択メニューのうちから、対象遊技者が希望する操作部の選択メニューに対応する「●」の表示に手の表示を移動させて所定の決定動作をすることで当該選択メニューが選択されて設定された後、図33(a)の状態に戻る。
このように設定された操作部は、前述したように、ジェスチャー予告演出Aにおいて反映され、操作部として手が設定されている場合には、手による動作入力が可能なジェスチャー予告演出A−1が実施され、操作部として頭部が設定されている場合には、頭部による動作入力が可能なジェスチャー予告演出A−2が実施される。
尚、本実施例では、これら操作部の設定を、全ての対象遊技者ができるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、動作が大きく激しい対象遊技者が、頭部による入力を設定できてしまうと、入力履歴情報によって周囲で遊技している他の遊技者や通行者に迷惑がかかることを防止できるようにすることが不能となってしまうので、例えば、入力履歴情報により特定される動作入力状況が、動作が大きくて激しい場合には、これら操作部指定画面に表示される設定メニューとして、頭部の選択メニューを表示しないようにしたり、図33(b)に示す設定メニュー画面において操作部指定の選択を無効とするようにしても良い。
また、本実施例では、操作部指定画面において選択可能な部位として、「手」と「頭部」を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの部位として、例えば、「目」や「口」等を指定できるようにしても良い。
ここで、本実施例のパチンコ遊技機1が遊技場に設置される状況について、図48に基づいて説明すると、遊技場においてパチンコ遊技機1は、遊技球の供給装置や揚送装置を内部に有する横長状とされた遊技島の両側面に、図48に示すように、プリペイドカードユニット50を挟んで並設されている。
遊技島は、図48に示すように、所定間隔を有して平行するように複数配置されており、各遊技島に設置されたパチンコ遊技機1は、所定間隔を有して設置された他の遊技島の側面に設置されているパチンコ遊技機1と対向するように設けられている。
よって、図48に示すように、例えば、D1のパチンコ遊技機1の周囲には、同一の遊技島に設置されたA1、B1、C1、E1、F1、G1のパチンコ遊技機1と、対向する遊技島に設置されたA2、B2、C2、D2、E2、F2、G2のパチンコ遊技機1が存在することになる。
これら個々のパチンコ遊技機1から放射される赤外線放射パターンが互いに影響を及ぼす可能性のあるパチンコ遊技機1としては、D1を例に説明すると、対向する遊技島のA2、G2のパチンコ遊技機1から放射される赤外線放射パターンは、D1のパチンコ遊技機1から放射される赤外線放射パターンとほぼ重なることがないので、対向する遊技島においてはB2〜F2のパチンコ遊技機1が影響を及ぼす可能性があるパチンコ遊技機1であり、同一の遊技島においても、A1とG1のパチンコ遊技機1から放射される赤外線放射パターンは、D1の撮像領域に届いたとしても、対向するパチンコ遊技機D2側にしか到達せず、パチンコ遊技機D1に対応する椅子が配置されている遊技者が遊技する所定の撮像領域内に該A1とG1のパチンコ遊技機1から放射される赤外線放射パターンが到達して影響を及ぼすことは殆どないことから、同一の遊技島においてはB1、C1、E1、F1が影響を及ぼす可能性があるパチンコ遊技機1となる。
つまり、パチンコ遊技機1が遊技場において設置される場合においては、自機を含めて、同一遊技島に設置されている5つのパチンコ遊技機1と、対向する遊技島に設置されている5つのパチンコ遊技機1との合計10台が互いに影響を及ぼす可能性のあるパチンコ遊技機1となる。
次に、本実施例に用いた撮像ユニット11の構成について図49を用いて説明すると、
撮像ユニット11には、前述したように、赤外光放射部11aと赤外線撮像部11bとが設けられているとともに、赤外光放射部11aには、複数の異なる波長の赤外線を放射可能な波長可変光源11a’が内蔵され、赤外線撮像部11bには、赤外光放射部11aから放射される各波長の赤外線撮像光を主に透過する各種の赤外線フィルタA〜Jを変更可能に備える赤外線フィルタ変更部11b’が内蔵されている。
また、赤外光放射部11aには、波長可変光源11a’から放射された赤外光を、前述した図5(b)に示す所定の放射パターンにパターン化する図示しないパターン形成部が設けられており、該パターン形成部にてパターン化された撮像光であるパターン赤外光が赤外光放射部11aから放射される。
波長可変光源11a’は、コヒーレント性(単一波長性)に優れた波長を放射可能であって、単一の素子で複数の異なる波長の赤外光を放射可能な高輝度赤外線(IR)ランプや波長可変発光ダイオード素子(LED)等を好適に使用することができるが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら単一の素子ではなく、各波長を個別に放射可能な複数の赤外線LED素子を用いて、該光源として使用しても良い。
これら波長可変光源11a’が放射する赤外光の波長数としては、前述したように、放射する赤外線撮像光が、遊技島にパチンコ遊技機1が設置されたときに相互に影響を及ぼすパチンコ遊技機1の数が最大で10台であることから、本実施例では、10の異なる波長の赤外線撮像光を放射可能としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの数は、設置される遊技島の間隔距離や、隣接するパチンコ遊技機1の設置間隔等により適宜、変更しても良い。
また、赤外線フィルタ変更部11b’には、図51に示すように、波長可変光源11a’から放射される各波長の赤外線撮像光の透過性に優れ、当該波長以外の赤外線を透過し難い赤外線フィルタA〜Jが、図示しない円盤状の変更盤に回転可能状態で搭載されて内蔵されており、該変更盤を回転させることで、該赤外線撮像部11bにて撮像に使用される赤外線撮像光を、赤外光放射部11a(波長可変光源11a’)から放射される図50に示す波長識別番号1〜10の赤外線撮像光のうち、1の波長の赤外線撮像光に変更設定できるようになっている。
これら赤外線フィルタA〜Jは、図51において赤外線フィルタCを例示するように、例えば、赤外線フィルタCが対応する波長識別番号3の波長以下の赤外光を透過可能な第1フィルタ薄膜と、赤外線フィルタCが対応する波長識別番号3の波長以上の赤外光を透過可能な第2フィルタ薄膜とが、赤外線を透過可能なガラス状基体の両面に形成されたものを好適に使用することができ、該フィルタを使用することで、波長識別番号3の波長の赤外光は該赤外線フィルタCを良好に透過することにより赤外線撮像部11bに内蔵されている撮像素子に到達できるが、波長識別番号3の波長以外の赤外光は該赤外線フィルタCを良好に透過せずに撮像素子に到達できない。よって、赤外線フィルタCを使用することで、対応する波長識別番号3の波長の赤外線撮像光による撮像が赤外線撮像部11bにおいて実施されるようになる。
つまり、図50に示すように、赤外光放射部11a(波長可変光源11a’)から波長識別番号1の赤外線撮像光を放射するときには、赤外線フィルタ変更部11b’において赤外線フィルタAを設定することで、撮像ユニット11において波長識別番号1の赤外線撮像光による撮像が他の波長の光に大きく影響されずに実施され、波長識別番号2の赤外線撮像光を放射するときには赤外線フィルタBを設定することで該波長識別番号2の赤外線撮像光による撮像が他の波長の光に大きく影響されずに実施され、波長識別番号3の赤外線撮像光を放射するときには赤外線フィルタCを設定することで該波長識別番号3の赤外線撮像光による撮像が他の波長の光に大きく影響されずに実施され、波長識別番号4の赤外線撮像光を放射するときには赤外線フィルタDを設定することで該波長識別番号4の赤外線撮像光による撮像が他の波長の光に大きく影響されずに実施され、波長識別番号5の赤外線撮像光を放射するときには赤外線フィルタEを設定することで該波長識別番号5の赤外線撮像光による撮像が他の波長の光に大きく影響されずに実施され、波長識別番号6の赤外線撮像光を放射するときには赤外線フィルタFを設定することで該波長識別番号6の赤外線撮像光による撮像が他の波長の光に大きく影響されずに実施され、波長識別番号7の赤外線撮像光を放射するときには赤外線フィルタGを設定することで該波長識別番号7の赤外線撮像光による撮像が他の波長の光に大きく影響されずに実施され、波長識別番号8の赤外線撮像光を放射するときには赤外線フィルタHを設定することで該波長識別番号8の赤外線撮像光による撮像が他の波長の光に大きく影響されずに実施され、波長識別番号9の赤外線撮像光を放射するときには赤外線フィルタIを設定することで該波長識別番号9の赤外線撮像光による撮像が他の波長の光に大きく影響されずに実施され、波長識別番号10の赤外線撮像光を放射するときには赤外線フィルタJを設定することで該波長識別番号10の赤外線撮像光による撮像が他の波長の光に大きく影響されずに実施される。
次に、各パチンコ遊技機1において、これら波長識別番号1〜10のうちの1の波長識別番号が、近接配置されたパチンコ遊技機1で重複することなく設定される使用波長設定処理1について、図52に基づき説明する。尚、本実施例においては、各遊技島のパチンコ遊技機1は、いずれも一斉に電力供給が開始されるようになっている。
また、使用波長設定処理1は、パチンコ遊技機1に電力供給が開始された際に、前述した初期化処理に伴って、該に初期化処理に次いで実施される動作検出処理部設定処理において実施され、該動作検出処理部設定処理の開始時において、後述する放射タイマがセットされることで、全てのパチンコ遊技機1においてほぼ同じタイミングにて該放射タイマがタイマアップするようになっている。
使用波長設定処理1において演出制御用CPU120は、まず、波長決定用乱数を抽出して波長識別番号1〜10のうちから、撮像ユニット11にて使用する予定の使用予定波長の波長識別番号を1つ選定する(ステップS600)。
そして、該選定した波長識別番号に対応する赤外線フィルタ、例えば、ステップS600にて選定した波長識別番号が3であれば、図50に示すように、該波長識別番号が3に対応する赤外線フィルタCを赤外線フィルタ変更部11b’においてセット(設定)させる(ステップS601)。
そして、ステップS602に進み、放射タイマのタイマアップ待ち状態に移行する。
この待機状態において、放射タイマにセットされている所定時間時間が経過した場合には、放射タイマのタイマアップすることによりステップS602でYesと判定されてステップS603に進み、RAM122の所定領域に設定されている放射回数カウンタに1を加算し、予め所定の放射期間(時間)がセットされている放射期間タイマのタイマカウントを開始した後、ステップS600にて選定した使用予定波長のパターン赤外光の赤外光放射部11aからの放射を開始させる(ステップS604)。
つまり、放射タイマは、前述したように、各パチンコ遊技機1でほぼ同時にタイマアップするので、各パチンコ遊技機1からは、各パチンコ遊技機1にて個別に選定された波長のパターン赤外光が、後述する放射期間タイマがタイマアップするまでの間、一斉に放射されることになる。
そして、ステップS605に進んで、他のパチンコ遊技機1から自機と同一の波長のパターン赤外光が放射されているか否かを解析する重複解析処理と、該重複解析処理の解析結果に基づいて他のパチンコ遊技機1から自機と同一の波長のパターン赤外光が放射されているか否かを判定する(ステップS606)。
この重複解析処理において演出制御用CPU120は、動作検出処理部112に対して、重複解析要求を出力することにより、動作検出処理部112において、撮像ユニット11の赤外線撮像部11bにより撮像された、赤外光放射部11aから放射された波長のパターン赤外光によるパターン撮像画像に、自機から放射した所定のパターンとは異なるパターン、つまり他のパチンコ遊技機1から放射されたパターン赤外光によるパターンが含まれているかを解析し、該解析結果を演出制御用CPU120に出力する。
ステップS606の判定においてNoと判定した場合、つまり、他のパチンコ遊技機1から自機と同一の波長のパターン赤外光が放射されていないと判定した場合には、ステップS609に進む。
一方、ステップS606の判定においてYesと判定した場合、つまり、他のパチンコ遊技機1から自機と同一の波長のパターン赤外光が放射されていると判定した場合には、同一の波長のパターン赤外光を放射している他のパチンコ遊技機1が、自機が設置されている遊技島或いは対向する遊技島のパチンコ遊技機1であるかや、自機の左右のいずれの側に設置されているパチンコ遊技機1であるのかを解析する重複台解析処理(ステップS607)と、使用予定波長に決定した波長識別番号以外の他の波長識別番号の各波長について、パターン赤外光が放射されているか否か、つまり当該波長識別番号の波長が、いずれかのパチンコ遊技機1で使用されているか否かを解析する他波長解析処理を実施した後(ステップS608)、ステップS609に進む。
ステップS607の重複台解析処理において演出制御用CPU120は、動作検出処理部112に対して、重複台解析要求を出力することにより、動作検出処理部112において、撮像ユニット11の赤外線撮像部11bにより撮像されたパターン撮像画像に含まれる他のパチンコ遊技機1から放射されたパターン赤外光によるパターンを構成する網点の点間距離(点間距離が大きい方が遠くなる)や、網点の変形状態(放射されている位置により変形方向が異なる)に基づいて、同一の波長のパターン赤外光を放射している他のパチンコ遊技機1が、同一遊技島以外の遊技島(対向している遊技島)に設置されているパチンコ遊技機1である他島台、同一遊技島で自機の右側に設置されているパチンコ遊技機1である優先台、同一遊技島で自機の左側に設置されているパチンコ遊技機1である非優先台、のいずれであるのかを解析し、該解析結果を演出制御用CPU120に出力する。
ステップS608の他波長解析処理において演出制御用CPU120は、動作検出処理部112に対して、他波長解析要求を出力することにより、使用予定波長に決定した波長識別番号以外の他の波長識別番号の波長について、当該波長識別番号の波長のパターン赤外光が放射されているか否かを解析させる。
この他波長解析要求の出力に応じて動作検出処理部112においては、赤外線フィルタ変更部11b’において使用予定波長以外の他の波長識別番号に対応する赤外線フィルタを順次セットして、各赤外線フィルタをセットしたときの撮像画像中に赤外線パターンが存在するか否かにより、各波長識別番号の波長の使用の有無を解析して、該解析結果を演出制御用CPU120に出力することで、演出制御用CPU120はその時点において未使用の波長が存在するか否かや、未使用の波長がどの波長識別番号の波長であるのかを特定できるようになる。
ステップS609では、放射期間タイマがタイマアップしたか否かを判定し、放射期間タイマがタイマアップしていない場合には、ステップS605に戻る一方、放射期間タイマがタイマアップしている場合には、ステップS610に進む。
ステップS610では、ステップS604で開始したパターン赤外光の放射を終了する。そして放射期間中に重複台解析処理の実施があったか否か、つまり、ステップS606で重複ありと判定された場合があったか否かを判定する(ステップS611)。
放射期間中に重複台解析処理の実施が無かった場合、つまり、使用予定波長が他のパチンコ遊技機1で使用されていない場合には、ステップS620に進み、使用予定波長を赤外光放射部11a(波長可変光源11a’)から放射するパターン赤外光(撮像光)の波長(周波数)として設定して当該処理を終了する一方、放射期間中に重複台解析処理の実施があった場合には、ステップS612に進み、放射回数カウンタの値が5であるか否か、つまり、異なる使用予定波長の放射を5回実施しても他のパチンコ遊技機1との使用波長の重複を解消できない場合であるか否かを判定し、重複を解消できない場合であるときには、ステップS621に進み、波長設定エラーを示す所定表示を演出表示装置9に表示する報知を開始して、当該処理を終了する。尚、波長設定エラーの表示は、係員によるプッシュボタン516における所定の確認操作(本実施例では所定時間以上の長押し)が実施されたことにより終了される。
一方、ステップS612において放射回数カウンタの値が5に到達していない場合には、ステップS613に進み、自機が優先台に該当するか否か、つまり、ステップS607の重複台解析処理にて動作検出処理部112から取得した解析結果により、同一の波長のパターン赤外光を放射している他のパチンコ遊技機1が非優先台であるか否かを判定する。
自機が優先台に該当する場合には、非優先台である同一の波長のパターン赤外光を放射している他のパチンコ遊技機1が使用予定波長を変更することになるので、使用予定波長を変更せずにステップS616に進み、再度、放射タイマをセットしてステップ602に戻ることで、非優先台である他のパチンコ遊技機1が使用予定波長を変更したことを確認する。つまり、非優先台である他のパチンコ遊技機1が使用予定波長を変更した場合には、再度の使用予定波長のパターン赤外光の放射において重複が検知されないことにより、重複が解消されたことが確認されて、当該使用予定波長が使用波長として設定されることになる。
一方、自機が優先台に該当しない場合には、ステップS614に進み、重複台解析処理にて動作検出処理部112から取得した解析結果により、同一の波長のパターン赤外光を放射している他のパチンコ遊技機1が他島台であることを条件に、当選、非当選を1/2で抽選する優先抽選を実施して、該優先抽選に当選した場合には、優先台である場合と同様に、使用予定波長を変更せずにステップS616に進み、再度、放射タイマをセットしてステップ602に戻ることで、再度、使用予定波長の放射を実施して波長の重複があるか否かを再解析する。
ステップS614にて抽選に当選していない場合(重複台解析処理にて動作検出処理部112から取得した解析結果により、同一の波長のパターン赤外光を放射している他のパチンコ遊技機1が優先台であることで、抽選が非実施の場合を含む)には、ステップS615に進み、ステップS608の他波長解析処理における解析結果から特定される未使用波長のうちから、1の波長の波長識別番号を新たな使用予定波長として選定し、該選定した波長識別番号に対応する赤外線フィルタを赤外線フィルタ変更部11b’にセット(設定)した後、ステップS616進み、放射タイマをセットしてステップ602に戻ることで、再度、使用予定波長の放射を実施して波長の重複があるか否かを再解析する。尚、本実施例ではステップ615における新たな使用予定波長の決定において、既に使用予定波長として決定済みの波長の記憶が存在する場合には、該未使用波長であって、該決定済みの波長以外の波長を使用予定波長として決定することで、未使用波長について、他のパチンコ遊技機1と同一の波長を使用予定波長として決定してしまう確率を低減できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら既に使用予定波長として決定済みの波長に係わらずに使用予定波長を決定するようにしても良い。尚、これら既に使用予定波長として決定済みの波長(波長識別番号)の記憶は、当該使用波長設定処理1の終了に伴って消去される。
このように使用波長設定処理1を実施することにより、近接配置されたパチンコ遊技機1にて個別に選定された使用予定波長のパターン赤外光が、放射期間において一斉に放射されて、波長の重複の有無が判定され、重複がない場合には、該使用予定波長が使用波長として設定されて、該使用波長のパターン赤外光が該パチンコ遊技機1から継続して放射される一方、重複がある場合には、波長が重複しているパチンコ遊技機1が同一の遊技島に設置されている場合には、非優先台が使用予定波長を未使用波長に変更することで重複が解消されるとともに、波長が重複しているパチンコ遊技機1が異なる遊技島に設置されている場合には、優先抽選の当選/非当選により非当選となったパチンコ遊技機1が使用予定波長を未使用波長に変更することで重複が順次解消され、各パチンコ遊技機1にそれぞれ異なる波長識別番号の波長が使用波長として設定される。
尚、本実施例では、他波長解析処理を実施することで、新たな使用予定波長を未使用の波長から選定するようにすることで、重複がないと判定したパチンコ遊技機1の波長を他のパチンコ遊技機1が新たな使用予定波長として選定してしまうことを防止して、個々のパチンコ遊技機1に異なる波長が設定されるまでの時間を短縮できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら他波長解析処理を実施せずに、重複している使用予定波長以外の波長を新たな使用予定波長として設定するとともに、波長の重複がなくても、放射回数カウンタが予め定められた放射回数となるまでは、ステップS602〜ステップS616の処理を繰返し実施して、重複を確認するようにしても良い。
このように、本実施例では、各遊技島のパチンコ遊技機1に同時に電源供給が開始されることから、放射タイマを使用することで、各パチンコ遊技機1から一斉に使用予定波長のパターン赤外光を放射させて重複の有無を解析、判定することで、重複の有無や未使用波長の特定を短時間で実施できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、各遊技島のパチンコ遊技機1に同時に電源供給を開始できない場合や、各遊技島のパチンコ遊技機1に同時に電源供給を開始できる場合であっても、各パチンコ遊技機1に時間を要しても確実に異なる波長を設定したい場合には、図53に示す使用波長設定処理2を実施するようにしても良い。
この使用波長設定処理2において演出制御用CPU120は、図53に示すように、まず、使用予定波長のパターン赤外光の放射を行うタイミングを、個々のパチンコ遊技機1において異なるタイミングとするための遅延時間決定用乱数を抽出して遅延時間を決定する(ステップS630)。
尚、これら遅延時間として仮に同一の遅延時間が決定された場合であっても、問題なく、使用波長設定処理1と同様に波長の重複を解析できる。
そして、決定した遅延時間を遅延時間タイマにセットしてタイマカウントを開始し(ステップS631)、該遅延時間タイマのタイマアップ待ち状態に移行する(ステップS632)。
遅延時間が経過して遅延時間タイマがタイマアップした場合には、ステップS632でYesと判定されてステップS633の他波長解析処理を実施する。
この他波長解析処理は、使用波長設定処理1におけるステップS608の他波長解析処理と同様であり、動作検出処理部112から出力される解析結果に基づいて、その時点において他のパチンコ遊技機1からのパターン赤外光の放射に使用されている波長(波長識別番号)と未使用の波長(波長識別番号)とを特定する。
よって、近接配置された一群のパチンコ遊技機1の内において最初に遅延時間タイマがタイマアップしたパチンコ遊技機1においては、使用されている波長(波長識別番号)は存在せず、全ての波長(波長識別番号)が未使用波長として特定されることになる。
次いで、ステップS634に進み、他波長解析処理にて特定した未使用波長のうち、1の波長(波長識別番号)を使用予定波長として選定し、該選定した波長識別番号に対応する赤外線フィルタを赤外線フィルタ変更部11b’にセット(設定)して、該選定した使用予定波長のパターン赤外光の赤外光放射部11aからの放射を開始させた後、放射回数カウンタに1を加算するとともに、放射期間タイマのタイマカウントを開始する。尚、これら放射期間タイマに設定される時間は、使用波長設定処理1のように、複数のパチンコ遊技機1が該放射期間タイマのタイマカウント中に一斉に放射を実施する必要がないので、これら使用波長設定処理1の放射期間よりも短くて良い。
そして、ステップS636に進んで、他のパチンコ遊技機1から自機と同一の波長のパターン赤外光が放射されているか否かを解析する、使用波長設定処理1におけるステップS605の重複解析処理と同一の重複解析処理と、該重複解析処理の解析結果に基づいて他のパチンコ遊技機1から自機と同一の波長のパターン赤外光が放射されているか否かを判定する(ステップS637)。
つまり、決定した遅延時間のみならず、使用予定波長までも同一の波長を選定した他のパチンコ機1が存在するか否かを判定する。
そして、他のパチンコ遊技機1から自機と同一の波長のパターン赤外光が放射されていないと判定した場合には、ステップS639に進む一方、他のパチンコ遊技機1から自機と同一の波長のパターン赤外光が放射されていると判定した場合には、ステップS638に進み、使用波長設定処理1におけるステップS607における重複台解析処理と同一処理を実施して、同一の波長のパターン赤外光を放射している他のパチンコ遊技機1が、他島台、優先台、非優先台のいずれかであるかを解析した後、ステップS639に進む。
ステップS639では、放射期間タイマがタイマアップしたか否かを判定し、放射期間タイマがタイマアップしていない場合には、ステップS636に戻る一方、放射期間タイマがタイマアップしている場合には、ステップS640に進む。
ステップS640では、放射期間中に重複台解析処理の実施があったか否か、つまり、ステップS637で重複ありと判定された場合があったか否かを判定する。
放射期間中に重複台解析処理の実施が無かった場合、つまり、使用予定波長が他のパチンコ遊技機1で使用されていない場合には、ステップS650に進み、使用予定波長を赤外光放射部11a(波長可変光源11a’)から放射するパターン赤外光(撮像光)の波長(周波数)として設定して当該処理を終了する一方、放射期間中に重複台解析処理の実施があった場合には、ステップS641に進み、自機が優先台に該当するか否か、つまり、ステップS638の重複台解析処理にて動作検出処理部112から取得した解析結果により、同一の波長のパターン赤外光を放射している他のパチンコ遊技機1が非優先台であるか否かを判定する。
自機が優先台に該当する場合には、非優先台である同一の波長のパターン赤外光を放射している他のパチンコ遊技機1が使用予定波長を変更することになるので、ステップS650に進み、使用予定波長を赤外光放射部11a(波長可変光源11a’)から放射するパターン赤外光(撮像光)の波長(周波数)として設定して当該処理を終了する。
一方、自機が優先台に該当しない場合には、ステップS642に進み、重複台解析処理にて動作検出処理部112から取得した解析結果により、同一の波長のパターン赤外光を放射している他のパチンコ遊技機1が他島台であることを条件に、当選、非当選を1/2で抽選する優先抽選を実施する。
そして、該優先抽選に当選した場合には、優先台である場合と同様に、ステップS650に進み、使用予定波長を赤外光放射部11a(波長可変光源11a’)から放射するパターン赤外光(撮像光)の波長(周波数)として設定して当該処理を終了する一方、抽選に当選していない場合(重複台解析処理にて動作検出処理部112から取得した解析結果により、同一の波長のパターン赤外光を放射している他のパチンコ遊技機1が優先台であることで、抽選を非実施の場合を含む)には、ステップS634で開始したパターン赤外光の放射を終了する(ステップS643)。
つまり、使用予定波長を使用波長に設定する場合、つまり波長の重複がない場合には、パターン赤外光の放射を終了しないことで、設定された使用波長のパターン赤外光の放射を開始するまでの期間に、他のパチンコ遊技機1の遅延時間タイマがタイマアップしてしまい、該設定された使用波長が未使用波長であると判定されてしまうことを防止している。
そして、ステップS644に進んで、放射回数カウンタの値が3であるか否か、つまり、使用予定波長の放射を3回実施しても他のパチンコ遊技機1との使用波長の重複を解消できない場合であるか否かを判定し、放射回数カウンタの値が3である場合には、ステップS645に進み、波長設定エラーを示す所定表示を演出表示装置9に表示する報知を開始して、当該処理を終了する。
また、ステップS644において放射回数カウンタの値が3でないと判定された場合には、ステップS651に進んで、ステップS630と同様に、遅延時間決定用乱数を抽出して新たな遅延時間を決定して、該決定した遅延時間を遅延時間タイマにセットしてタイマカウントを開始した後、ステップS632に戻る。
このように使用波長設定処理2を実施することにより、使用予定波長に加え、遅延時間までもが同一になる可能性は著しく低いとともに、これら使用予定波長と遅延時間までもが同一となっても、新たな遅延時間が決定されて未使用の波長が使用予定波長として選定されるようになるので、近接配置される各パチンコ遊技機1に対してほぼ確実に異なる波長を自動的に設定することができる。
尚、本実施例では、前述したように、各遊技場に同時に電源が供給されることから使用波長設定処理1を実施するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、使用波長設定処理1と使用波長設定処理2のいずれの使用波長設定処理を使用して波長を設定するのかを、演出制御基板80に搭載されている図示しない選択スイッチ(選択手段)により選択できるようにして、遊技場における各遊技島の起動形態に応じて使用波長設定処理1または使用波長設定処理2を使い分けできるようにしても良い。
このようにして電源供給開始時において、近接配置された他のパチンコ遊技機1と重複しないように設定された使用波長は、図55に示す波長確認条件が成立することに応じて図54に示す波長確認処理が実施されることにより、パチンコ遊技機1へ電源供給が実施されている遊技場の営業中においても、近接配置された他のパチンコ遊技機1との波長の重複の有無が確認されるようになっている。
つまり、演出制御用CPU120は、使用波長設定処理を含む動作検出処理部設定処理の完了後において、図55の確認条件のいずれかが成立した否かを監視する確認条件成立監視処理を実施し、該確認条件成立監視処理において図55のいずれかの確認条件が成立したことを条件に、図54の波長確認処理を実施する。
具体的に、波長確認条件としては、図55に示すように、電源投入(電源供給開始)から所定時間が経過した時点毎の時間となることや、非稼働状態において実施される客待ちデモンストレーション演出の実施回数が所定回数となったことや、客待ちデモンストレーション演出時間が所定時間となったことを条件としている。
尚、チャンネル確認条件としては図55に示すものに限定されるものではなく、例えば、演出制御基板80に時刻情報を出力可能なリアルタイムクロック(RTC)搭載して、所定時刻となったときに使用チャンネル設定処理を実施するようにしてもよい。
また、電源投入(電源供給開始)から所定時間が経過した時点毎の時間となることや、所定時刻となることを確認条件とする場合においては、該確認条件の成立時において、パチンコ遊技機1が遊技中である場合があるのに対し、客待ちデモンストレーション演出の実施回数が所定回数となったことや、客待ちデモンストレーション演出時間が所定時間となったことを確認条件とした場合には、該条件の成立時においては、パチンコ遊技機1が、遊技者により遊技が実施されていない非稼働状態であることから、波長確認処理を確実に実施して、重複がある場合には波長を変更することが可能となるので、これら波長確認処理を確実に実施する場合には、客待ちデモンストレーション演出等の非稼働状態において実施される演出や処理に関する条件とすることが好ましい。
この本実施例の波長確認処理においては、まず、パチンコ遊技機1が稼働中であるか否かを判定し(ステップS660)、稼働中である場合、つまり、遊技者がハンドル操作を実施して遊技を実施中である場合には、当該処理を終了する。
尚、この場合、確認条件成立フラグがセットされることにより、次に非稼働状態となって客待ちデモンストレーション演出が実施されるときに、確認条件成立フラグがセットされているかが確認され、該確認条件成立フラグがセットされている場合には、波長確認処理が実施される。
一方、稼働中でない場合にはステップS661に進んで、他のパチンコ遊技機1から自機と同一の波長のパターン赤外光が放射されているか否かを解析する重複解析処理と、該重複解析処理の解析結果に基づいて他のパチンコ遊技機1から自機と同一の波長のパターン赤外光が放射されているか否かを判定する(ステップS662)。
ステップS661の重複解析処理の処理内容は、前述のステップS605と同一であるので、ここでの説明は省略する。
ステップS662の判定においてNoと判定した場合、つまり、他のパチンコ遊技機1から自機と同一の波長のパターン赤外光が放射されていないと判定した場合には当該処理を終了する。
一方、ステップS662の判定においてYesと判定した場合、つまり、他のパチンコ遊技機1から自機と同一の波長のパターン赤外光が放射されていると判定した場合には、他波長解析処理を実施した後(ステップS663)、ステップS664に進む。
ステップS663の他波長解析処理において演出制御用CPU120は、前述したステップS608の他波長解析処理と同様に、動作検出処理部112に対して、他波長解析要求を出力することにより、その時点において使用波長に設定されている波長識別番号以外の他の波長識別番号の波長について、当該波長識別番号の波長のパターン赤外光が放射されているか否かを解析させ、ステップS664においては、他波長解析要求の出力に応じて動作検出処理部112から出力される解析結果に基づき、その時点において未使用の波長が存在するか否かを判定する。
未使用の波長が存在しない場合(重複解析処理における誤解析や、撮像ユニット11の不具合等)には、ステップS666に進み、波長設定エラーを示す所定表示を演出表示装置9に表示する報知を開始して、当該処理を終了する。
一方、未使用の波長が存在する場合には、ステップS665に進み、ステップS663の他波長解析処理における解析結果から特定される未使用波長のうちから、1の波長の波長識別番号を新たな使用波長として選定し、該選定した波長識別番号に対応する赤外線フィルタを赤外線フィルタ変更部11b’にセット(設定)するとともに、赤外光放射部11a(波長可変光源11a’)から放射するパターン赤外光(撮像光)の波長(周波数)として設定して当該処理を終了する。
このように、使用波長確認処理においては、波長の重複が確認された場合には、他島台、優先台、非優先台であるかに係わらず、重複を確認したパチンコ遊技機1が使用している波長を変更することで、該波長の重複を迅速に解消できるようになっている。
尚、本実施例の使用波長確認処理においては、波長の重複が確認された場合(ステップS662でYes)には、他波長解析処理を実施して未使用波長を把握し、該未使用波長のうちから新たな使用波長を設定することで、波長の重複を迅速に解消できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら他波長解析処理を実施することなく、使用波長以外の他の波長の波長識別番号を新たな使用予定波長に設定して、該使用予定波長が他のパチンコ遊技機1から放射されているパターン赤外光の波長と重複しているか否かを判定する処理を、重複してないと判定されるまで繰返し実施することで、波長の重複を解消するようにしても良い。
このように、遊技場において近接配置される各パチンコ遊技機1には、それぞれ異なる波長識別番号の使用波長が設定されて、該設定された使用波長のパターン赤外光の放射、撮像が実施されるので、他のパチンコ遊技機1から放射されるパターン赤外光の影響を殆ど受けることなく、遊技者の位置や動作をいつでも確実に検出することができる。
ここで、上述のようにして各パチンコ遊技機1に設定された使用波長のパターン赤外光の放射、撮像により、動作検出処理部112により検出される遊技者の位置に応じて、表示制御部213により、視差バリア用液晶パネル9bの視差バリア画像が変化する状況について、図56〜図59に基づいて以下に説明する。
尚、図56〜図59においては、画像用液晶パネル9aには、VDP262により、演出制御用CPU120からの指示に基づいて画像データROM263から読み出された立体画像を成す、縦方向の帯状とされた所定幅の右目用画像(R)と左目用画像(L)とが交互に表示されている。
本実施の形態では、右目用画像(R)と左目用画像(L)との表示幅を均一としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら表示幅を、画面の中央部と端部とで異なるようにしても良い。
遊技者の視点位置が、例えば、前述した図4に示すように、所定の基準位置となるX0、D0にあった場合には、X0、D0に対応するように特化された視差バリア画像である特化画像ID(X0、D0)の特化画像が、表示制御部213により視差バリア用液晶パネル9bに表示されることで、右目についは、画像用液晶パネル9aに表示されている各左目用画像(L)が黒帯部(シャッタ;非透過部ともいう)にて隠されてブロックされるとともに、各右目用画像(R)が非黒帯部(ブランク;透過部ともいう)を透して視認されることで、右目には右目用画像(R)のみが提供される一方、左目についは、画像用液晶パネル9aに表示されている各右目用画像(R)が黒帯部(シャッタ;非透過部ともいう)にて隠されてブロックされるとともに、各左目用画像(L)が非黒帯部(ブランク;透過部ともいう)を透して視認されることで、左目には左目用画像(L)のみが提供されることで、遊技者は、基準位置の視点位置から立体画像を良好に視認することができる。
遊技者の視点位置が、例えば、基準位置から(X0、Dz;Zは0からnまでの範囲の変数)の後方(遠方)に移動した場合には、図56に示すように、X0、Dzに対応する特化画像ID(X0、Dz)の特化画像、具体的には、図4のX0、D0の基準画像(基準視差バリア画像)に比較して、黒帯部(シャッタ;非透過部)が全体的に外側(両側端側)に移動するとともに黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅がやや広がった特化画像(視差バリア画像)が視差バリア用液晶パネル9bに表示されることで、特に画面の両端部領域において逆視画像が視認されてしまうことが防止され、良好な立体画像の表示を行うことができる。つまり、変化後の後方(遠方)に移動した視点位置において逆視画像となる右目用画像並びに左目用画像が視認されてしまうことをより良く阻止できるように適正化した視差バリア画像、すなわち、変化後の視点位置と右目用画像並びに左目用画像の境界位置とを結んだ線の視差バリア用液晶パネル9b上における位置に応じて、黒帯部(シャッタ;非透過部)が基準位置の特化画像に比較して全体的に外側(両側端側)に移動するとともに、黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅が基準位置の特化画像に比較してやや広幅とされた特化画像に変更する制御を実施することで、遊技者の視点が後方(遠方)に移動したとしても、これら後方(遠方)への移動によって逆視画像の特に両側部の画像が視認されてしまうことで立体画像の表示品質が低下してしまうことを防止できるので、より良好な立体画像(表示品質の高い立体画像)の表示を遊技者の後方(遠方)への移動によっても行うことができる。
尚、図56〜図59においては、画像用液晶パネル9aと視差バリア用液晶パネル9bとの距離L1に比較して、視差バリア用液晶パネル9bと遊技者の目との距離L2を、図示の都合上、実際の長さよりも著しく小さく示しているために、右目と左目の視線を示す線分が交錯する交錯位置が、視差バリア用液晶パネル9bよりも前方側或いは後方側に移動しているが、これら交錯位置の実際の移動量は非常に少ないものとなる。
一方、遊技者の視点位置が、例えば、基準位置から(X0、Dz’)の前方(近方)に移動した場合には、図57に示すように、X0、Dz’に対応する特化画像ID(X0、Dz’)の特化画像、具体的には、図4のX0、D0の基準画像に比較して、黒帯部(シャッタ;非透過部)が全体的に中心側に移動するとともに黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅がやや狭まった特化画像(視差バリア画像)が視差バリア用液晶パネル9bに表示されることで、特に画面の両端部領域において逆視画像が視認されてしまうことがより良く防止され、より良好な立体画像の表示を行うことができる。つまり、変化後の前方(近方)に移動した視点位置において逆視画像となる右目用画像並びに左目用画像が視認されてしまうことをより良く阻止できるように適正化した視差バリア画像、すなわち、変化後の視点位置と右目用画像並びに左目用画像の境界位置とを結んだ線の視差バリア用液晶パネル9b上における位置に応じて、黒帯部(シャッタ;非透過部)が基準位置の特化画像に比較して全体的に中心側に移動するとともに、黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅が基準位置の特化画像に比較してやや狭幅とされた特化画像に変更する制御を実施することで、遊技者の視点が前方(近方)に移動したとしても、これら前方(近方)への移動によって逆視画像の特に両側部の画像が視認されてしまうことで立体画像の表示品質が低下してしまうことを防止できるので、より良好な立体画像(表示品質の高い立体画像)の表示を遊技者の前方(近方)への移動によっても行うことができる。
また、遊技者の視点位置が、例えば、基準位置から(Xz、D0)である左方向に移動した場合には、図58に示すように、Xz、D0に対応する特化画像ID(Xz、D0)の特化画像、具体的には、図4のX0、D0の基準画像に比較して、黒帯部(シャッタ;非透過部)が全体的に左方向に移動するとともに、左側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅がやや狭く、右側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅がやや広い特化画像(視差バリア画像)が視差バリア用液晶パネル9bに表示されることで、特に移動方向である左と反対方向の右側端部領域において逆視画像が視認されてしまうことが防止され、良好な立体画像の表示を行うことができる。つまり、変化後の左方向に移動した視点位置において逆視画像となる右目用画像並びに左目用画像が視認されてしまうことをより良く阻止できるように適正化した視差バリア画像、すなわち、変化後の視点位置と右目用画像並びに左目用画像の境界位置とを結んだ線の視差バリア用液晶パネル9b上における位置に応じて、黒帯部(シャッタ;非透過部)が基準位置の特化画像に比較して全体的に左方向に移動するとともに、左側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅が基準位置の特化画像に比較してや狭幅とされる一方、右側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅が基準位置の特化画像に比較してや広幅とされた特化画像に変更する制御を実施することで、遊技者の視点が左方向に移動したとしても、これら左方向への移動によって逆視画像の特に両側部の画像が視認されてしまうことで立体画像の表示品質が低下してしまうことを防止できるので、より良好な立体画像(表示品質の高い立体画像)の表示を遊技者の左方向への移動によっても行うことができる。
また、遊技者の視点位置が、例えば、基準位置から(Xz’、D0)である右方向に移動した場合には、図59に示すように、Xz’、D0に対応する特化画像ID(Xz’、D0)の特化画像、具体的には、図4のX0、D0の基準画像に比較して、黒帯部(シャッタ;非透過部)が全体的に右方向に移動するとともに、右側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅がやや狭く、左側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅がやや広い特化画像(視差バリア画像)が視差バリア用液晶パネル9bに表示されることで、特に移動方向である右と反対方向の左側端部領域において逆視画像が視認されてしまうことが防止され、良好な立体画像の表示を行うことができる。つまり、変化後の右方向に移動した視点位置において逆視画像となる右目用画像並びに左目用画像が視認されてしまうことをより良く阻止できるように適正化した視差バリア画像、すなわち、変化後の視点位置と右目用画像並びに左目用画像の境界位置とを結んだ線の視差バリア用液晶パネル9b上における位置に応じて、黒帯部(シャッタ;非透過部)が基準位置の特化画像に比較して全体的に右方向に移動するとともに、左側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅が基準位置の特化画像に比較してや広幅とされる一方、右側の表示領域の黒帯部(シャッタ;非透過部)の幅が基準位置の特化画像に比較してや狭幅とされた特化画像に変更する制御を実施することで、遊技者の視点が右方向に移動したとしても、これら右方向への移動によって逆視画像の特に両側部の画像が視認されてしまうことで立体画像の表示品質が低下してしまうことを防止できるので、より良好な立体画像(表示品質の高い立体画像)の表示を遊技者の右方向への移動によっても行うことができる。
つまり、遊技者の視点位置の変化に応じて、該視点位置において立体画像が良好に視認できるように特化された特化画像(視差バリア画像)が視差バリア用液晶パネル9b上に表示されることで、遊技者が演出を楽しむために動作することで視点位置が移動しても、裸眼にて立体画像を良好に視認することができる。
尚、本実施例では、ジェスチャー予告演出Bにおいて、演出表示装置9に飛来する矢を表示して、この矢から逃げる動作を遊技者が行い、これら遊技者が逃げる動作に応じて飛来する矢の方向は何ら変化しないジェスチャー予告演出Bを実施しているが、これらジェスチャー予告演出Bに代えて、図43に示すように、飛来するミサイルから逃げる動作を遊技者が行うとともに、このミサイルの飛翔方向を遊技者の動作に応じて変化させるジェスチャー予告演出や、図42に示すように、遊技者の手の動作に応じて転がってくるサイコロの転がる方向が逐次変化するジェスチャー予告演出を実施するようにしても良い。
図42は、1つの具体例としてのサイコロを受け取るジェスチャー予告演出の流れを示す図である。このジェスチャー予告演出においては、図42(a)に示すように、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始された後、ジェスチャー予告演出が開始されることにより、図42(b)に示すように、演出表示装置9に「サイコロを上手く受け取ってネ!!」の表示がなされ、当該サイコロを受け取る動作を行うことを遊技者に促す。
その後、動作受付け期間開始タイミングとなったことに応じて図42(c)に示すように、「動作スタート」と遠方にあるサイコロの画像が表示される。尚、演出表示装置9の画面においてサイコロが立体画像として表示され、サイコロが遠方にある画像が表示される際には、立体画像の立体度を小さくして表示する。
この「動作スタート」が表示された時点から、遊技者は、図42(d)、図42(e)に示すように、演出表示装置9の画面において転がってくるサイコロが表示され、遊技者がこのサイコロの動きに合わせて手を動かし、動作入力を実施する。そして、画面中のサイコロが左方向に移動された場合に、遊技者が手を左方向に動かしたことが検出された場合には、サイコロの動きを画面中の左寄りの位置で停止させる(図42(d)参照)。また、画面中のサイコロが右方向に移動された場合に、遊技者が手を右方向に動かしたことが検出された場合には、サイコロの動きを画面中の右寄りの位置で停止させる(図42(e)参照)。その他にも、遊技者が手を上方向に動かしたことが検出された場合には、サイコロの動きを画面中の上寄りの位置で停止させたり、遊技者が手を下方向に動かしたことが検出された場合には、サイコロの動きを画面中の下寄りの位置で停止させる。
尚、演出の途中で立体画像の立体度を補正するようにしてもよい。例えば、遊技者が転がって来るサイコロに応じて手を前方向(パチンコ遊技機1に近い方向)に動かしたことを条件に、サイコロの立体画像の立体度を小さくするの演出を行う(図42(d)参照)。また、遊技者が転がって来るサイコロに応じて手を後方向(パチンコ遊技機1に遠い方向)に動かしたことを条件に、サイコロの立体画像の立体度を大きくするの演出を行う(図42(e)参照)。このように、遊技者が差し出した手の位置に応じてサイコロの立体画像の立体度を補正することで、差し出した遊技者の手の上にサイコロが載っているような表示態様にすることができる。
そして、遊技者がサイコロを受け取ることに成功した場合には、前述のジェスチャー予告演出と同様に、その時点における遊技状態が確変であるか否かを示す確変潜伏期待度が報知される。尚、これら動作において、画面中のサイコロの動きと遊技者の手の動作が異なる場合や、遊技者の手の動作が前述した動作領域を超えて動作した場合などには、サイコロの受け取りに失敗した旨の報知する画面が表示される。
図43は、1つの具体例としてのミサイルをよけるジェスチャー予告演出の流れを示す図である。このジェスチャー予告演出においては、図43(a)に示すように、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始された後、ジェスチャー予告演出が開始されることにより、図42(b)に示すように、演出表示装置9に「飛んでくるミサイルをよけろ!!」の表示がなされ、当該ミサイルをよける動作を行うことを遊技者に促す。
その後、動作受付け期間開始タイミングとなったことに応じて図43(c)に示すように、「動作スタート」と遠方にあるミサイルの画像が表示される。尚、演出表示装置9の画面においてミサイルが立体画像として表示され、ミサイルが遠方にある画像が表示される際には、立体画像の立体度を小さくして表示する。
この「動作スタート」が表示された時点から、遊技者は、図43(d)、図43(e)に示すように、演出表示装置9の画面において飛来するミサイルが表示され、演出表示装置9の画面において飛来するミサイルに自身があたらないように避ける動作を開始して、動作入力を実施する。尚、演出表示装置9の画面において飛来するミサイルが立体画像として表示され、演出表示装置9からミサイルが飛び出して来る態様の演出がなされる。
また、演出表示装置9の画面において飛来するミサイルが遠くにある画像の際には、立体画像の立体度を低く設定しておく。そして、飛来するミサイルが左方向に向かっている際に、遊技者が右方向に避ける動作をしたことが検出された場合には、ミサイルを右方向に動かし、立体画像の立体度を若干大きくする(図43(d)参照)。更に、飛来するミサイルが右方向に向かっている際に、遊技者が左方向に避ける動作をしたことが検出された場合には、ミサイルを左方向に動かし、立体画像の立体度をさらに大きくする(図43(e)参照)。このようにすることで、飛来する矢が演出表示装置9の画面から飛び出してくるような演出を行うことができる。
尚、遊技者がミサイルの飛来に応じて体を後方向(パチンコ遊技機1に遠い方向)に動かしたことを条件に、飛来するミサイルの立体画像の立体度を大きくする等の演出を行うようにしてもよい。
尚、これら動作において、遊技者が表示領域を超えて動作した場合には、演出表示装置9の表示領域をオーバーして遊技者の動作が行われていること、及び隣席の遊技者と接触してしまう恐れがあることを報知する報知画面が表示される(図38(f)参照)。
そして、遊技者がミサイルの飛来方向に対して逆方向によける動作を失敗した場合には、ミサイルに当たった旨の表示がなされる(図43(f)参照)。また、遊技者がミサイルの飛来方向に対して逆方向によける動作を全て成功した場合には、「間一髪!回避成功!!」の表示がなされる(図43(g)参照)。その後、前述のジェスチャー予告演出と同様に、その時点における遊技状態が確変であるか否かを示す確変潜伏期待度が報知される。
図31は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU120は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS861)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS862)、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行うとともに、操作予告における受付け履歴並びに決定された予告の種別等が記憶されている場合には、該記憶を消去する(ステップS863)。
そして、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS867)。大当りまたは小当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認できる。なお、この実施例では、演出図柄表示結果格納領域に格納されている停止図柄のデータによっても、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
大当りまたは小当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS868)。
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS870)。
なお、この実施例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、演出図柄(飾り図柄)の変動(可変表示)を終了させる(ステップS861,S863参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドにもとづく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、演出図柄(飾り図柄)の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、可変表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
次に、前述したジェスチャー予告処理の動作検出処理において(図30参照)、動作検出処理部112が実行する動作検出データ生成処理について図44〜図45を用いて説明する。尚、動作検出処理部112が動作検出データを生成して出力する際に、撮像ユニット11の赤外線撮像部11bにて撮像された画像データは、ワークメモリに一時記憶され、この画像データのうち、特定の撮像領域を優先領域として処理をするようになっている。
図44(a)に示すように、撮像ユニット11の赤外線撮像部11bにて撮像された画像データの撮像領域全体は、動作検出処理部112のワークメモリに一時記憶される際に、X軸(横軸)とY軸(縦軸)にそれぞれ8ブロック毎に分割され、画像データの撮像領域全体が16ブロックに分割されて記憶される。更に、図44(b)に示すように、動作検出処理部112には、画像データのX軸(横軸)とY軸(縦軸)の各ブロックに対応するマップデータが登録される。
更に、撮像ユニット11の赤外光放射部11aから網点状の所定パターンにパターン化されたパターン赤外光(撮像光)を放射して、該放射したパターン赤外光による距離画像を撮像することにより、遊技者の「頭」や「体」や「手」などの各部位が検出され、マップデータにおける遊技者の各部位に対応した領域毎に、いずれの領域を優先して動作検出を行うべきかを示す優先レベル(優先領域)が設定される。
具体的には、図44においては、前述したジェスチャー予告演出において「手」を用いた案内動作を行う設定なされており、マップデータにおける「手」に対応する領域のブロックには、最も優先度が高い優先レベル3がセットされる。そして、マップデータにおける「体」に対応する領域のブロックには、優先レベル2がセットされ、マップデータにおける「頭」に対応する領域のブロックには、優先レベル1がセットされる。尚、マップデータにおけるその他の領域のブロックには、最も優先度が低いレベル0がセットされる。
動作検出処理部112は、撮像ユニット11にて撮像された画像データに基づいて、遊技者の姿勢を推定する際に、優先レベルが高い撮像領域から走査を実行するようになっている。このように、動作検出処理部112では、優先レベルの高い領域ブロックから検出が優先して実施され、該領域のブロックにおいて検出ができたときには該領域のブロック外の領域のブロックについては検出が実施されないので、撮像領域全体(所定領域全体)について検出を実施する場合に比較して、これら検出を行うための動作検出処理部112の処理負荷を低減することができる。
次に、動作検出処理部112が実行する動作検出データ生成処理について、図45のフローチャートを用いて説明すると、動作検出処理部112は、演出制御用CPU120から動作検出データ出力指示が入力されると、まず、ステップS401にてワークメモリのマップデータに優先レベルがセットされているか否かを判定する。マップデータに優先レベルがセットされている場合には、後述するステップS411に進む。マップデータに優先レベルがセットされていない場合には、ステップS402に進み、撮像ユニット11にて撮像された画像データの撮像領域全体を走査する。
このステップS402にて、動作検出処理部112は、16ブロックに分割された画像データの撮像領域の各ブロックを順次走査し、次のステップS403にて、動作検出処理部112は、遊技者の「頭」や「体」や「手」などの各部位を認識する。ステップS404にて、動作検出処理部112は、画像データの撮像領域の各ブロックが遊技者の「頭」や「体」や「手」のいずれの各部位に対応しているブロックなのかを特定してマップデータにセットする。
また、前述した演出制御用CPU120から入力された動作検出データ出力指示には、ジェスチャー予告演出において遊技者の「頭」や「体」や「手」などの各部位のうち、いずれの部位が動作入力の対象となるか特定する対象部位情報が含まれている。ステップS405にて、動作検出処理部112は、動作検出データ出力指示に含まれる対象部位情報に基づいて、16ブロックに分割された画像データの撮像領域の各ブロックのうち、遊技者の動作入力の対象となる対象部位に対応するブロックに、最も優先度が高い優先レベル3を登録するとともに、この優先度に応じたレベルを各ブロックに登録する。
尚、図44(a)においては、遊技者の動作入力の対象となる対象部位である「手」に対応するブロックに、最も優先度が高い優先レベル3が登録されるとともに、「体」に対応するブロックに、優先レベル2が登録され、「頭」に対応するブロックに優先レベル1が登録され、それ以外のブロックに優先レベル0が登録されている。
そして、ステップS406にて、動作検出処理部112は、遊技者の動作入力の対象となる対象部位の姿勢を推定して動作検出データを生成し、ステップS407にて、動作検出処理部112は、生成された動作検出データを演出制御用CPU120に出力し、動作検出データ生成処理を終了する。
また、前述したステップS401における判定により、ステップS411に進んだ場合、動作検出処理部112は、優先して走査するべき走査対象領域として優先レベル3をセットする。そして、ステップS412にて、動作検出処理部112は、マップデータに既に登録された優先レベルを参照し、前述したステップS411にてセットされた優先レベル3の領域のブロックを走査する。そして、ステップS413にて、動作検出処理部112は、動作対象部位(例えば、遊技者の「手」)を認識し、ステップS414にて、認識OKならば、ステップS415に進み、認識NGでならば、ステップS418に進む。
ステップS414において、認識NGでならば、まず、ステップS418にて、動作検出処理部112は、走査対象となる優先領域としてセットされたレベルが0か否かを判定し、判定の結果、セットされたレベルが0であれば、遊技者の動作対象部位を検出できなかった旨を知らせる対象部位未検出データを演出制御用CPU120に出力し、動作検出データ生成処理を終了する(ステップS420参照)。尚、対象部位未検出データを取得した演出制御用CPU120は、演出表示装置9に表示される画像の更新を実施しないようにする。または、表示領域内で動作対象部位を動作させる旨を通知する演出を行うようにしてもよい。
また、動作検出処理部112は、ステップS418の判定の結果、セットされたレベルが0でなければ、ステップS419にて、セットされたレベルから1を減算し、ステップS412に戻る。そして、ステップS412〜414を順次繰り返し、動作検出処理部112が遊技者の動作対象部位を認識できるまで、画像データの撮像領域の各ブロックをその優先レベルの高い順に走査していく。
また、ステップS414において、認識OKでならば、ステップS415に進み、動作検出処理部112は、認識された動作対象部位の姿勢を推定して動作検出データを生成し、ステップS416にて、動作検出処理部112は、生成された動作検出データを演出制御用CPU120に出力する。更に、ステップS417にて、動作検出処理部112は、画像データの撮像領域の各ブロックのうち、遊技者の動作入力の対象となる対象部位に対応するブロックに、最も優先度が高い優先レベル3を登録するマップデータの更新処理を行い、動作検出データ生成処理を終了する。このように、検出結果に基づいて、マップデータの更新処理を行うことで、遊技者の動作入力の対象となる対象部位の検出ができる確率を著しく高めることができ、検出を行うための処理負荷をより一層低減することができる。
尚、本実施例では、撮像ユニット11の赤外光放射部11aは、前述したように、赤外線光源から放射された各波長の赤外光を、所定の放射パターンにパターン化するパターン形成部が設けられており、図5(b)に示すように、単一の丸型のパターン形状から成る網点状の所定の放射パターンを赤外光放射部11aから放射するようにしているが、前述したジェスチャー予告処理の動作検出処理において前述した優先レベルの高い領域が設定されている場合には、図46(a)に示すように、該優先レベルの高い領域に向かって放射するパターン赤外光の網点の密度と異なる密度(高密度)のパターン赤外光を放射するようにしてもよい。
このように、優先レベルの高い領域に向かって高密度のパターン赤外光を放射する場合には、該高密度のパターンを放射する位置を、優先レベルの高い領域が変化することに伴って逐次変更できるようにするために、図46(b)の撮像ユニット11のブロック図に示すように、撮像ユニット11の赤外光放射部11aに、赤外光放射部11aに内蔵されている赤外線光源から放射される赤外光の放射パターンを、網点の密度を変えた放射パターンにパターン化するためのパターン化LCD11cを設けるようにすれば良い。
これらパターン化LCD11cは、液晶プロジェクターに使用されている可視光用の液晶プロジェクターLCDと同様に、小型で高精細な液晶パネルであって、液晶材料として赤外線の透過、非透過性に優れた液晶材料を使用したものを好適に使用することができ、可視光用の液晶プロジェクターLCDに使用されている液晶材料が赤外線の透過、非透過性にも優れている場合には、該可視光用の液晶プロジェクターLCDも好適に使用することができる。
そして、このパターン化用LCD11cは、網点状パターンのパターン密度を前述した各ブロックに対応する領域毎に個別に変更できるものであれば良く、該パターン化用LCD11cは、動作検出処理部112により制御されることで、前述したマップデータの更新に応じて優先レベルの高い領域のパターンの密度を変更するようにすれば良い。
具体的には、図46(a)に例示すように、撮像ユニット11の赤外光放射部11aから放射される放射パターンにおいて、前述した赤外線撮像部11bにて撮像される撮像領域全体Fのうち、最も優先度が高い優先レベル3がセットされた優先領域Pに向かって放射されるパターン赤外光の放射パターンを、パターン化用LCD11cによって点状部分の密度が高い高密度パターンとすれば良い。
このようにすれば、優先レベルの高い領域のパターンが点状部分の間隔が短い高密度パターンとなるので、該高密度パターンにて撮像された画像データに基づいて動作検出を行う動作検出処理部112の検出精度を向上することが可能となるので、これら優先レベルの高い領域に存在する遊技者の対象部位の詳細な動きを検出できるようになる。例えば、遊技者の動作入力の対象となる対象部位である「手」に対応するブロックが優先領域Pとした場合には、密度が高いパターン赤外光によって「手」の指先の動きや手を握ったり開いたりする詳細な動作が検出できるようになっている。また、このように、異なる密度の放射パターンを放射することにより、撮像画像中における優先領域を容易に特定できるようになるので、これら優先領域についての検出処理を容易に実施できるようにもなる。
尚、図46(a)においては、パターンの密度を変える形態を例示したが、例えば、図47に示すように、優先レベルの高い領域に向かって放射するパターン赤外光とそれ以外の領域に向かって放射されるパターン赤外光を、各網点パターンに点在する所定図形の形状が異なる形状としてもよい。具体的には、図47に示すように、網点パターンに点在する所定図形の形状が、丸状のパターンと方形状のパターンの2種類のパターンを形成し、優先レベルの高い優先領域Pに向かって放射するパターン赤外光を丸状の網点パターンとし、それ以外の領域Fに向かって放射されるパターン赤外光を方形状の網点パターンとしてもよい。
尚、本実施例では、撮像ユニット11の赤外光放射部11aから赤外光を用いた放射パターンを放射して、この赤外光の放射パターンが放射された遊技者を赤外線撮像部11bにて撮像しているが、赤外光ではなく可視光を撮像ユニット11の放射部11aから放射して放射パターンを形成してもよく、この可視光の放射パターンが放射された遊技者を撮像部11bにて撮像してもよい。
尚、本実施例では、ジェスチャー予告演出前は、マップデータに対する優先レベルがセットされておらず、ジェスチャー予告演出の開始時にマップデータに対する優先レベルをセットするようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら優先レベルの設定として、前回のジェスチャー予告演出時にセットされた優先レベルを引き継いで用いてもよいし、遊技者の各部位が平均的に存在する位置(ブロック)をデフォルトで設定しておき、マップデータに対する優先レベルがセットされてない場合には、該デフォルトで設定されている各部位の位置(ブロック)に基づいて、マップデータに対する優先レベルのセットを行うようにしてもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、上記実施例では、遊技機の例として、飾り図柄を可変表示する機能や各種の演出画像を表示する機能を有するパチンコ遊技機1を用いて説明した。しかしながら、この発明は、これらパチンコ遊技機1に限定されず、スロットマシンなどの他の遊技機にも適用することができる。以下、この発明を他の遊技機の一例であるスロットマシンに適用した場合について簡単に説明する。
図60は、この発明を適用したスロットマシン1001の正面図であり、主要部材のレイアウトを示す。スロットマシン1001は、大別して、前面が開口する筐体1001aと、この筐体1001aの側端に回動自在に枢支された前面扉1001bと、から構成されている。
スロットマシン1001の筐体1001aの内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1001bに設けられた透視窓1003から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、それぞれ「黒7」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「オレンジ」、「ブドウ」、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓1003において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図61参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓1003に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓1003に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
前面扉1001bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、パチンコ遊技機1における図4に示す変動表示装置9と同じく、立体(3D)画像(映像)並びに非立体(2D)を表示する画像用液晶パネルと、画像用液晶パネルの前面側に該画像用液晶パネルと所定間隔を有して設けられた視差バリア用液晶パネルとを有する、パララックスバリア方式にて裸眼立体表示が可能とされた立体画像表示装置1051(図51参照)の表示領域1051aが配置されている。立体画像表示装置1051を構成する画像用液晶パネルは、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、表示領域1051aの透視窓1003に対応する透過領域1051b及び透視窓1003を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、表示領域1051aの透過領域1051bを除く領域の裏面には、背後から表示領域1051aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、さらにその裏面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられていて、種々の画像の表示が可能とされており、特に、透視窓1003の上部領域は、種々の演出が、立体(2D)または非立体(3D)にて表示される演出表示領域1051cとされている。
また、前面扉1001bには、遊技媒体であるメダルを投入可能なメダル投入部1004、メダルが払い出されるメダル払出口1009、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ1005、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ1006、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ101010、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ1007、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられているとともに、遊技者が発生する音声や遊技機周囲の音を入力するための指向性マイク1061a〜1061cが設けられている。
これら指向性マイク1061a〜1061cは、向けられている方向からの音を高利得で入力可能な指向性を有する集音マイクとされており、スロットマシン1001の中央に遊技者を向けて配置された指向性マイク1061bは、遊技者の発声や遊技者が所持する携帯電話等からの出力音を高利得で集音し、指向性マイク1061aは、スロットマシン1001の右側(向かって左側)に向けて配置されていることで、スロットマシン1001の右側の周囲音を高利得で集音し、指向性マイク1061cは、スロットマシン1001の左側(向かって右側)に向けて配置されていることで、スロットマシン1001の左側の周囲音を高利得で集音する。
また、前面扉1001bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器1011、後述するBB中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器1012、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器1013が設けられている。
また、前面扉1001bには、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED1014、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED1015、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED1016、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED1017、スタートスイッチ1007の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED1018、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED1019、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED1020、パチンコ遊技機1における赤外線撮像部11bと同様に、対象遊技者が位置する遊技位置を含むスロットマシン1001の前面の撮像領域を撮像するための赤外線撮像部1060bと該撮像領域に向けて所定波長であって図5(b)に示すようにパターン化されたパターン赤外光を放射する赤外光放射部1060aとを有する撮像ユニット1060と、が設けられている。
MAXBETスイッチ1006の内部には、1枚BETスイッチ1005及びMAXBETスイッチ1006の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED1021が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rがそれぞれ設けられている。
ストップスイッチ8Rの右側には、操作レバー1600が揺動自在に軸支されるとともに、その上端部には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン1516が遊技者により操作可能に設けられている。
プッシュボタン1516は、パチンコ遊技機1のプッシュボタン516と同じく、上下に可動可能とされて、遊技者により操作されていない非操作状態である非押下(高背)状態と、遊技者により操作されている操作状態である押下(低背)状態とを反復するようになっているとともに、プッシュボタン1516の直下に設けられたバネ部材により、常時、非押下(高背)状態に付勢されており、遊技者が操作したときにおいてのみ非押下(高背)状態から押下(低背)状態となる。
これらプッシュボタン516は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を受付け可能に構成されていればよい。プッシュボタン1516の設置位置における筐体内部などには、プッシュボタン1516に対してなされた遊技者の操作行為を検知するボタンスイッチ1516aが設けられている。
スロットマシン1001においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部1004から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ1006を操作する。こうして賭数が設定されると、複数の入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ1007の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが実行可能な状態となって、可変表示の実行条件が成立する。なお、前回のゲームにてリプレイなどの再遊技役の入賞が発生した場合にも、続けて次のゲームが実行可能となり、可変表示の実行条件が成立する。
こうしてゲームが実行可能な状態でスタートスイッチ1007が操作されると、その操作が検知されたことに基づき、可変表示の開始条件が成立したことに対応して、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されると、対応する2L、2C、2Rの回転が停止し、表示結果が視認可能に導出表示される。
そして、全ての2L、2C、2Rの回転が停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ライン上に予め定められた役と呼ばれる図柄の組合せが各2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生する。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス、レギュラーボーナスへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがあり、遊技状態に応じて入賞となる役が定められている。スロットマシン1001では、スタートスイッチ1007が操作されたタイミングで抽出した乱数値に基づき、遊技状態に応じて定められた各役の入賞の発生を許容するか否かを決定する内部抽選を行う。この内部抽選に当選して入賞の発生が許容されていることを、「内部当選している」ともいう。各役の当選のうち、小役及び再遊技役の当選は、その当選が決定されたゲームにおいてのみ有効とされるが、特別役の当選は、その内部抽選により発生が許容された役が揃うまで有効とされる。すなわち特別役となる入賞の発生が一度許容されると、例え、各ゲームにて特別役となる入賞を発生させることができなかった場合でも、その当選は次のゲームへ持ち越されることになる。
図61は、スロットマシン1001の構成を示すブロック図である。スロットマシン1001には、図61に示すように、遊技制御基板1040、演出制御基板1090、電源基板1101が設けられており、遊技制御基板1040によって遊技状態が制御され、演出制御基板1090によって遊技状態に応じた演出が制御される。
尚、図61においては、遊技制御基板1040と演出制御基板1090とが演出中継基板1080を介して接続されるようになっているが、該演出中継基板1080を使用せずに、遊技制御基板1040と演出制御基板1090とを直接接続するようにしても良い。
遊技制御基板1040には、前述した1枚BETスイッチ1005、MAXBETスイッチ1006、スタートスイッチ1007、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ1010、リセットスイッチ1023、打止スイッチ1036a、自動精算スイッチ1036b、投入メダルセンサ1031、ドア開放検出スイッチ1025、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板1101を介して前述した払出センサ1034c、満タンセンサ1035a、設定キースイッチ1037、リセット/設定スイッチ1038が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板1040には、前述したクレジット表示器1011、遊技補助表示器1012、ペイアウト表示器1013、1〜3BETLED1014〜1016、投入要求LED1017、スタート有効LED1018、ウェイト中LED1019、リプレイ中LED1020、BETスイッチ有効LED1021、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器1024、流路切替ソレノイド1030、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板1101を介して前述したホッパーモータ1034bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板1040に搭載されたメイン制御部1041の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板1040には、メインCPU1041a、ROM1041b、RAM1041c、I/Oポート1041dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部1041、乱数を生成する乱数回路1042、遊技制御基板1040に直接または電源基板1101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路1044、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路1045等の各種回路が搭載されており、該遊技制御基板1040がパチンコ遊技機1の主基板31に相当する。
メインCPU1041aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM1041bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板1040に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
メインCPU1041aは、基本処理として遊技制御基板1040に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU1041aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路1048から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(メイン)を実行し、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。
メインCPU1041aは、I/Oポート1041dを介して演出制御基板1090に、各種のコマンドを送信する。該演出制御基板1090がパチンコ遊技機1における演出制御基板80に相当する。
演出制御基板1090には、スロットマシン1001の前面扉1001bに配置された立体画像表示装置1051、演出効果LED1052、スピーカ1053、1054、前述したリールLED1055、ボタンスイッチ1516a、撮像ユニット1060、指向性マイク1061a〜1061c等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板1090に搭載された後述のサブ制御部1091による制御に基づいて駆動されるようになっている。
演出制御基板1090には、メイン制御部1041と同様にパチンコ遊技機1における演出制御用CPU120に相当するサブCPU1091a、ROM1091b、RAM1091c、I/Oポート1091dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部1091、演出制御基板1090に接続された立体画像表示装置1051の表示制御を行う表示制御回路1092、演出効果LED1052、リールLED1055の駆動制御を行うLED駆動回路1093、スピーカ1053、1054からの音声出力制御を行う音声出力回路1094、電源投入時またはサブCPU1091aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU1091aにリセット信号を与えるリセット回路1095、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置1097、スロットマシン1001に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU1091aに対して出力する電断検出回路1098、指向性マイク1061a〜1061cにより集音された音声を入力するための、パチンコ遊技機1における音声入力用回路110と同一の機能を備える音声入力用回路1099aや、音声認識により所定の合言葉と一致するか等の判定処理等を行う音声信号処理回路1099bや、撮像ユニット1060の動作を制御するとともに、該撮像ユニット1060にて撮像した赤外線放射パターンによる画像信号を画像認識処理して、画像認識により遊技者の位置や動作検出等の各種処理を行う、パチンコ遊技機1における動作検出処理部112と同一の機能を備える動作検出処理部1099c、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU1091aは、遊技制御基板1040から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板1090に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
以上のように、スロットマシン1001においても、指向性マイク1061a〜1061c、赤外光放射部1060aと赤外線撮像部1060bとを有する、パチンコ遊技機1における撮像ユニット11と同様の撮像ユニット1060を設け、これらの各デバイスを、パチンコ遊技機1において演出を制御する演出制御基板80と同様の機能を備える演出制御基板1090に接続するとともに、該演出制御基板1090に、パチンコ遊技機1における音声入力用回路110と同一の機能を備える音声入力用回路1099aや、パチンコ遊技機1における音声信号処理回路111と同一の機能を備える音声信号処理回路1099bや、パチンコ遊技機1における動作検出処理部112と同一の機能を備える動作検出処理部1099c、パチンコ遊技機1における演出制御用CPU120と同一の機能を備え同一の処理を行うサブCPU1091aを設けることで、パチンコ遊技機1と同様に、対象遊技者の動作を検出して、該対象遊技者の動作に応じた演出を、例えば、表示領域1051aにおいて実施することができる。
例えば、表示領域1051aにおける演出としては、例えば、1のゲームの終了時において内部当選期待度を報知する演出等を実施すれば良く、具体的には、前述したジェスチャー予告演出Bのように、表示領域1051aに、図32に示した、演出表示部9における表示と同様の流れの演出を表示して、飛来する弓を避ける動作を対象遊技者にさせて、回避できた弓の本数に応じて、確変潜伏期待度と同様に、内部当選期待度を表示する演出を実施するようにすれば良い。また、同様に、図42に示すサイコロ演出や、図43のミサイル演出を実施するようにしても良い。
また、前記実施例では、人物タグを登録することにより、対象遊技者と非対象者を識別して、対象遊技者の動作のみを検出することによって、対象遊技者以外の人物の動作による対象遊技者の意図しない演出が実施されてしまうことを防止するようにしており、このようにすることは、動作検出を行う対象を対象遊技者のみとすることで、動作検出の処理負荷を低減できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら動作検出を、対象遊技者だけでなく非対象者についても実施する、つまり、撮像した画像に含まれる人物全てについて動作検出を実施し、検出した動作のうち、対象遊技者の動作のみを有効とし、非対象者の動作を無効とするようにしても良い。
また、前記実施例では、遊技者がジェスチャー予告演出における動作を行いたくない場合には、パチンコ遊技機1への視線を外すことで、ジェスチャー予告演出が実行されないようにすることができるようになっているが、例えば、プッシュボタン516をジェスチャー予告演出のキャンセルボタンとして利用し、ジェスチャー予告演出において、プッシュボタン516が操作されたことにより、ジェスチャー予告演出をキャンセルするともに動作検出自体を中止したり、或いは、検出した動作を全て無効とすることで、キャンセル後における対象遊技者の動作により、対象遊技者が意図しない演出が実行されてしまうことを防止するようにしても良い。つまり、対象遊技者が意図しない演出が実行されてしまうことを防止するために、動作検出自体を中止したり、検出した動作を全て無効とするようにしても良い。
また、前記実施例では、入力履歴情報から特定される対象遊技者のジェスチャー予告演出における動作状況にかかわらず、図23に示す予告演出決定用テーブルに基づいてジェスチャー予告演出を決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、入力履歴情報から特定される対象遊技者の動作状況が、動作が大きく且つ激しい不適切な状態である場合には、前述した音声入力制限フラグと同様に、所定回数の可変表示が実施されるまで等の所定期間においてジェスチャー入力制限フラグをセットして、これらジェスチャー入力制限フラグがセットされている場合には、ジェスチャー予告演出が決定されないようにしても良い。
また、前記実施例では、動作状況について、動作が大きいか小さいかや、動作が激しいか穏やであるかの判定を動作レベル値の閾値に基づいて一律に実施しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら判定に用いる閾値を、対象遊技者の性別や年齢や体格等に応じて異なる閾値を使用して判定するようにしても良い。
また、前記実施例では、赤外線撮像部11b、1060bの撮像領域を一定としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、対象遊技者により動作の検出対象とする身体部位が指定された場合には、該指定された部位をズームアップして撮像することで、動作の検出精度を向上できるようにしても良い。
また、前記実施例では、遊技者が対象遊技者と判定する対象条件を満たしているかを判定する遊技者特定処理を、ジェスチャー予告演出の開始時のみに実施することで、例えば、遊技場の店員に対応することによりパチンコ遊技機1に注目していない場合には、ジェスチャー予告演出を実施しないようにすることで、対象遊技者が意図しない演出が実施されてしまうことを防止するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、タイマ割込が発生してジェスチャー予告演出が実行される毎に該遊技者特定処理を実施することで、ジェスチャー予告演出中において、対象遊技者が、例えば、遊技場の店員に対応することにより対象条件を満たさなくなった場合には、ジェスチャー予告演出を中止することで、これら店員に対応するための動作によって対象遊技者が意図しない演出が実施されてしまうことを防止するようにしても良い。
また、前記実施例では、遊技機として、遊技媒体であるパチンコ玉やメダルが払い出されるパチンコ遊技機1やスロットマシン1001を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら遊技媒体が、遊技機内部に内封され、貸し出されたパチンコ玉やメダルの数や、入賞に応じて付与されたパチンコ玉やメダルの数が加算される一方、遊技に使用されたパチンコ玉やメダルの数が減算されて記憶される封入式遊技機や、パチンコ玉やメダルを用いずに、例えば貸出要求に応じて貸し出されたポイントや点数等の価値や入賞に応じて付与されたポイントや点数等の価値を全てクレジットとして記憶し、クレジットとして記憶された価値のみを使用して遊技を行うことが可能な遊技機であっても良い。尚、この場合には、これらポイントや点数等が遊技媒体に相当し、クレジットが遊技用価値となる。
前記実施例では、遊技者が立体(3D)表示を裸眼で視認できる表示装置として、パララックスバリア方式による立体画像表示装置を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら画像表示装置として、立体画像を構成する視点の異なる複数の視差画像を表示可能とされた複数の副画素から成る画素が繰返し隣接配置された画像表示体と、各副画素から出射する各視差画像光の出射方向を当該視差画像に対応する所定方向に限定する出射方向限定素子と、を有し、前記視差画像から成る立体画像を表示可能とされたインテグラルイメージ方式の立体画像表示装置等のその他の方式の立体画像表示装置を使用するようにしても良い。
尚、本発明における立体画像の立体度(視差量)は、対象物の立体画像を遊技者が視認した場合において、該対象物が、視認方向における所定の基準位置、例えば、該表示画像の表示面からどの程度飛び出して遊技者に見えるかの指標、若しくは、表示面からどの程度引っ込んで見えるかの指標であり、大きな視差量を決定した場合には、立体画像による対象物が表示面から大きく飛び出して遊技者に見えるか、或いは、表示面から大きく引っ込んで遊技者に見えるようになり、小さな視差量を決定した場合には、立体画像による対象物が表示面から小さく飛び出して遊技者に見えるか、或いは、表示面から小さく引っ込んで遊技者に見えるようになる。