JP2012222760A - Mems共振子およびその共振周波数調整方法 - Google Patents

Mems共振子およびその共振周波数調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】BAWモードで共振するMEMS共振子について、製造後に周波数などを測定しながら、大量かつ安価に周波数調整が可能で、位相雑音やジッタの少ないMEMS共振子を提供する。
【解決手段】バルク・アコースティック・ウェーブモードで共振する板状の共振子を備えたMEMS共振子において、共振子が、密度とヤング率の比がそれぞれ異なる材料が積層した積層構造となっている。この積層構造の表面の一部を除去することにより、共振周波数の調整を行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、高周波の発振器やフィルタとして用いられるMEMS(Micro Electro Mechanical System)共振子であって、特に容易に共振周波数を調整することができるMEMS共振子およびその共振周波数調整方法に関する。
通信やIT、家庭電器、産業機械などの電子機器の基準周波数を得るために、水晶振動子や水晶発振器などに変わるものとして、MEMS共振子を用いた発振器が注目されている。また半導体製造プロセスを用いて形成されたMEMS共振子は、デバイスの占有面積が小さいこと、高いQ値(振動系の共振の鋭さを表す量)を実現できること、他の半導体デバイスと同時に形成することが可能であること等の特徴を有することから、無線通信用の高周波フィルタ用として利用されている。
これらMEMS共振子は、水晶振動子に比べて、共振周波数範囲を高くすることができる反面、製造ばらつきに起因して、共振周波数がばらついてしまう。そこで、製造中あるいは製造後に、何らかの方法で周波数を調整する必要がある。例えば、特許文献1には、基準発振源としてMEMS振動子を用い、フラクショナルN PLLと不揮発メモリを用いて、共振周波数を調整する発振器が開示されている。
一方、従来から使用されている水晶振動子やSAW(surface acoustic wave:表面弾性波)共振子においても、周波数の調整は行われている。例えば、水晶振動子の発振周波数を調整するため、予め振動子上に調整用の金属を形成しておき、振動周波数などを計りながら調整用の金属の一部をレーザ光を照射することで除去して振動周波数を調整する方法(特許文献2)や、振動子上につけた金属をスパッタリング法を用いて薄くしていくことで周波数を調整する方法が開示されている(特許文献3)。これらの調整方法は、ばねと重りで決まる機械的な発振周波数のうち、重り(金属)の重さを予め必要な重さより重く形成しておき、その金属を除去することで発振周波数を上げていき、必要な周波数にあわせるというものである。SAW共振子でも、表面の電極をエッチングしたり、電極上に絶縁膜を堆積したりして発振周波数の調整が行われている。
このような物理的に共振子自体の周波数を調整する方法は、MEMS共振子でも原理的に適用可能であり、非特許文献1に示すように共振子自体にレーザ光を照射して、共振周波数を変える試みがなされている。
非特許文献1に開示されている共振周波数の調整方法では、振動モードが屈曲型のMEMS共振子について、レーザ光照射により、その材料自体を削る方法であり、重りだけでなく、ばねも変化し、そのバランスで周波数が変化することになる。そのため、レーザ光を照射する場所によって、共振周波数を上げたり、下げたりすることができる。
ところで、振動モードがバルク・アコースティック・ウェーブ(BAW)モードで共振する板状のMEMS共振子も知られている。これは、空気中でもQ値が下がることが少なく、同じ大きさの屈曲型MEMS共振子に比べて共振周波数が高く、位相雑音も小さいという特徴がある。
振動モードがBAWモードのMEMS共振子は、共振周波数がMEMS共振子を構成する材料の厚さによらないため、上述のようなレーザ光を照射して材料自体を削る方法では、共振周波数を変えることはできない。
そこで、BAWモードのMEMS共振子について共振周波数の調整方法として、ばねと重りで決まる機械的な共振周波数のうち、ばねの物性値を変えるため、共振素子を構成するシリコンを電流加熱することで、金を拡散させ、周波数を調整する方法が、特許文献4に開示されている。
米国特許第7449968号明細書 米国特許第4562370号明細書 米国特許第5662782号明細書 米国特許出願公開第2010/0127798号明細書
Mohamed A. Abdelmoneum, Mustafa M. Demirci, Yu-Wei Lin, and Clark T.-C Nguyen, 「Location-Dependent Frequency Tuning of Vibrating Micromechanical Resonators Via Laser Trimming」,IEEE International Ultrasonics, Ferroelectrics, and Frequency Control Conference, 2004年, pp. 272-279.
特許文献1に開示されているフラクショナルN PLLと不揮発メモリを用いて共振周波数を調整する方法では、MEMS共振子自体の機械的な調整が不要なため、大量生産に向いているが、周波数調整にフラクショナルN PLLを用いているため時間的に周波数が変動し、位相雑音やジッタが大きいという欠点があった。そのため、極小のジッタが要求される通信用途などには使用できないという問題点があった。
また、BAWモードのMEMS共振子においては、板状のMEMS共振子自体をレーザー光を照射して薄くしても周波数の調整を行うことはできなかった。
また、特許文献4には開示されているような、シリコンへ金を拡散させてばね特性の物性値を変えて共振周波数を変える方法では、金の拡散には長時間の加熱が必要であり、大量かつ安価にMEMS共振子の周波数調整を行う方法としては、不向きであった。
以上のように、BAWモードのMEMS共振子において、共振周波数を製造後に測定しながら調整するのは難しく、実用化された例はなかった。本発明は、このような問題点を解決し、BAWモードで共振するMEMS共振子について、製造後に周波数などを測定しながら、大量かつ安価に周波数調整が可能で、位相雑音やジッタの少ないMEMS共振子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本願請求項1に係るMEMS共振子は、バルク・アコースティック・ウェーブモードで共振する板状の共振子を備えたMEMS共振子において、前記共振子が、密度とヤング率の比がそれぞれ異なる材料が積層した積層構造となっていることを特徴とする。
本願請求項2に係るMEMS共振子の共振周波数調整方法は、バルク・アコースティック、ウエーブモードで共振する板状の共振子を備え、前記共振子が、密度とヤング率の比がそれぞれ異なる材料が積層した積層構造となっているMEMS共振子の共振周波数調整方法において、前記積層構造の表面の一部を除去することによって、前記MEMS共振子の共振周波数を調整することを特徴とする。
本願請求項3に係るMEMS共振子の共振周波数調整方法は、請求項2記載のMEMS共振子の共振周波数調整方法において、前記除去によって、前記共振子は、ばね定数と質量の両方を変えることによって、共振周波数の調整を行っていることを特徴とする。
本発明によれば、簡便に所望の共振周波数に調整することが可能で、位相雑音やジッタの少ないMEMS共振子が得られるという利点がある。このようなMEMS共振子を用いることで高い性能の発振器や高周波フィルタを大量生産かつ安価に提供できる利点がある。
本発明の周波数調整方法は、共振子を密度とヤング率の比がそれぞれ異なる材料が積層した積層構造とし、その表面を一部を除去することで、簡便に共振周波数を調整することが可能となり、大量かつ安価に共振周波数の調整ができる利点がある。
本発明のMEMS共振子の説明図である。 上層ディスクの材料、厚さと固有振動数の関係を示すグラフである。 本発明のMEMS共振子の平面図である。 図3に示すMEMS共振子のA−A線に沿った断面図である。 図4に示すMEMS共振子のB−B線に沿った面の平面図である。 MEMS共振子を発振器として動作させるための配線図である。 本発明のMEMS共振子の第1の周波数調整方法の概略図である。 本発明のMEMS共振子の第2の周波数調整方法の概略図である。
まず、本発明の原理について説明する。図1に、本発明のMEMS共振子の説明図を示す。図1に示すように、下層ディスク2が、基板1にビーム3によって固定された構造となっている。ここで基板は、シリコンウエハを用いると、半導体製造技術を用いて下層ディスク2を形成することができる。下層ディスク2上には、上層ディスク4が配置されている。下層ディスク2と上層ディスク4は、直接積層する2層構造としたり、下層ディスク2と上層ディスク4との間に、別の単層あるいは多層膜を介する多層構造としても良い。
本発明では、上層ディスク4を構成する材料と下層ディスク2を構成する材料を変えることを大きな特徴としている。特に、ヤング率Eと密度ρの比γ(=E/ρ)が、異なる材料の組み合わせとすることが重要となる。具体的には、下層ディスクを構成するシリコンのヤング率E=160×109N/m2、密度ρ=2330kg/m3であるので、γ=6.87×107となる。そこで、上層ディスク4を、チタン(Ti)、クロム(Cr)、チタンナイトライド(TiN)とすると、γはそれぞれTiでは2.58×107、Crでは3.45×107、TiNでは11.1×107となる。すなわち、TiやCrではγはシリコンより小さく、TiNでは大きくなる。
ここで、この構造のBAWモードのうち4次オーバトーンモードで振動する固有振動数について有限要素法を用いて計算する。下層ディスク2の直径を30μm、厚さを2μm、上層ディスク4は直径を24μmとし、上層ディスク4の厚さを変えるものとする。図2は上層ディスク4の材料と厚さを変えたときのそれぞれの固有振動数を示している。図2に示すように、上層ディスク4が下層ディスク4と同じシリコンのとき、上層ディスク4の厚さを変えても固有振動数はほとんど変化しないことがわかる。これは、ばね定数kのばねと質量mの重りからなる系の固有振動数はk/mの平方根に比例するため、厚さを厚くした場合、ディスク全体の質量が増えた分ばね定数も増加するので比は変わらず、固有振動数が変わらないからである。
これに対し、上層ディスク4の材料をTi、Cr、TiNに変えると、厚さとともに固有振動数が変化していることがわかる。Ti、Crの場合、すなわちγがシリコンより小さい場合、固有振動数は厚さとともに低下している。一方、TiNの場合、すなわちγがシリコンより大きい場合、固有振動数は厚さとともに増加している。
これは、γの違う材料で上層ディスク4を形成すると、ヤング率はばね定数kに、密度は質量mに影響するため、上層ディスクのk/mはシリコンとは変わり、下層とあわせた実効的なディスクのk/mがシリコンからずれることになる。Ti、Crのようなγがシリコンより小さいときはk/mは小さい側にずれ、したがって固有振動数は低下する。γはTiのほうが小さいのでTiのほうが固有振動数の低下も大きい。一方、TiNのようにγがシリコンより大きいと、固有振動数は膜厚の増加とともに上昇する。
なお、ディスクの形状が円形でない場合、例えば四角形など他の形状の板状の振動子であっても、全く同様の原理で固有振動数が変化する。また、円形の場合、全体の径すなわち面積が広がったり狭まくなったりする拡張モードで振動するときも、前述の説明と同様に固有振動数は大きさで決まるので、同様の原理で固有振動数が変化する。四角形の場合も、長方形を構成する2辺の長さの伸びと縮みで共振するモードでも、全体の面積が広がったり狭くなったりするモードで振動する場合でも同様の原理が成り立つ。
以上のように、本発明では、下層ディスク2の上に予め周波数調整用に上層ディスク4を形成した上で、工程のばらつきを考慮して、上層ディスクのγが下層ディスクのγより小さいときは共振周波数を目標より高めに、逆に上層ディスクのγが下層ディスクのγより大きいときは低めに設定した共振子を製造した後に、共振子の共振周波数やインピーダンス、位相などを測定、モニタしながら上層ディスク4の厚さを減少させて周波数を目標の範囲に調整することができる。
このような方法は、従来の特許文献2や特許文献3に開示されているような水晶振動子などの周波数調整と類似しているように思われる。しかしながら、従来の方法は、振動子のばねと重りのうち、重りの質量mを変えることで固有振動数の調整が行われているのに対し、本発明は、ばね定数kと質量mの両方を変えることで共振周波の調整を行っている点で相違している。このような違いにより、従来例のような重りを減らして調整する方法では、調整するほど共振周波数は高くなるのに対し、本発明では共振子を構成する材料適宜選択することで共振周波数を高くする調整も、低くする調整も可能となっている。
また、非特許文献1に示すような屈曲型の共振子をレーザ光を照射して削る場合でも、本発明と同じく、ばね定数kと質量mを両方変えることになり、共振周波数を高くすることも低くすることも調整可能であるが、共振周波数の調整には高度な位置合わせが必要であった。これに対し本発明では、上層ディスク4の材料を選べば、共振周波数を高くするか、低くするかが決まり、高度な位置合わせを必要としない点で、優れていることがわかる。
以下、具体的な実施例を示す。図3は、本発明のMEMS共振子の平面図、図4は、図3に示すMEMS共振子のA−A面に沿った断面図である。図3に示すように、上面に入力端子5、出力端子6、グランド端子7が形成されている。
また断面構造は図4に示すように、基板1としてSOI(Silicon on Insulator)ウエハ8を用いている。図4に示す構造を形成するため、まず、厚さ0.5μmで、不純物濃度の低いn-型の活性シリコン層9に、n+領域10を形成し、その後、n-層を厚さ1.5μmエピタキシャル成長させ、トータルの厚さが2μmの活性シリコン層9を形成している。その後、上面から先に形成したn+領域10に接続するn+領域と、p+領域11を形成し、SiO2保護膜12で被覆する。SiO2保護膜12は厚さ100nmとした。
次に、アルミニウム配線13を形成してp+領域11と入力端子5あるいは出力端子6を交互に接続し、またn+領域10とグランド端子7を接続する。配線保護のためSiN保護膜14を堆積し、その後、下層ディスク2とビーム3、入力端子、出力端子およびグランド端子を引き出すため開口を形成するため、SiN保護膜14の一部を除去する。
下層ディスク2上に、SiO2保護膜12を介して、厚さ150nmのTiNからなる上層ディスク4を堆積、加工する。
SOIウエハ8の表面側から、活性シリコン層9の一部をリアクティブイオンエッチング装置を用いて、埋め込みSiO2膜15に達するまでエッチング除去し、ビーム3と下層ディスク2となる部分を形成する。その後、SOIウエハ8の裏面側から、シリコン基板16をディープシリコンエッチング装置を用いて、埋め込みSiO2膜15に達するまでエッチング除去する。その後、露出する埋め込みSiO2膜15をフッ酸溶液でウエットエッチングすることで、基板1にビーム3によって固着された下層ディスク2を備えたMEMS共振子が完成することができる。
図5は、図4に示すMEMS共振子のB−B線に沿った面の平面図である。本発明のMEMS共振子は、BAWモードで発振する。そのためp+領域11は、図5に示すように、共振子の円の中心を対称軸とした扇形に形成されている。ここでは、4次オーバトーンモードで発振させるため8つの領域に分けている。n+領域10は、図示する面の下面の下層ディスク全面と、表面側と電気的に接続するため、ビーム領域および基板側にも延長して形成されており、表面側に形成されたn+領域10は、アルミニウム配線13と接続する構成となっている。
このMEMS共振子を発振器として動作させるための模式的な配線図を図6に示す。図6に示すMEMS共振子では、入力端子5、出力端子6およびグランド端子7は、図3〜図5に示したMEMS共振子のSiN保護膜14と複数の入力端子等を相互に接続するアルミニウム配線13を除いた状態で表示している。図6に示すように、n+領域10はMEMS共振子のグランド端子7に接続され、この端子にはバイアス電源19が接続している。バイアス電源19の電圧は、n+領域10、活性シリコン層9、p+領域11で形成されるpn接合に対してブレークダウンしない範囲の逆バイアスとし、pn接合に空乏層が形成される電圧とする。このような印加状態とすると、活性シリコン層9とn+領域10の空乏層の正にイオン化したドナーとp+領域11の空乏層の負にイオン化したアクセプターが引き合い、下層ディスク2にひずみを与える。p+領域11は、1つおきにそれぞれ入力端子5と出力端子6それぞれに接続されている。この端子間には負性抵抗17と負荷容量18を直列接続している。ここで、負性抵抗17の抵抗値−Rの絶対値がMEMS共振子の負荷抵抗値より十分大きければ、この回路は発振することになる。
このように形成したMEMS共振素子は、以下に説明する方法により、共振周波数の調整を行うことができる。
以下、MEMS共振子の周波数調整方法について説明する。図7は、第1の共振周波数調整方法の概略図である。複数のMEMS共振素子が形成されたウエハを共振周波数調整装置のステージに固定させ、共振周波数の調整を行うMEMS共振子チップの入力端子5、出力端子6、グランド端子7にそれぞれプローブカードの針19を接触させる。針19には、図示しない測定装置が接続されている。測定装置は、発振回路と周波数計数装置、あるいは高周波発生装置とインピーダンス測定回路、あるいは高周波発生装置と位相測定回路などからなり、共振周波数調整時にそれぞれ発振周波数、インピーダンス、入出力の位相差などがモニタされる。このような状態で、MEMS共振子チップの上部から、パルスレーザ光源からレーザビーム20がレンズ21で集光されて上層ディスク4に照射される。ここではLD励起固体レーザを使い、波長は532nmのものを用いることができる。レーザ光源の性能としては、出力が安定に可変できることが重要である。特に、コントローラからの電気的な命令で電気的に出力が可変されることが望ましい。
測定装置が、発振回路と周波数計数装置で構成される場合について、周波数調整の具体例を例示する。まず、発振回路で発振させ、周波数計数装置で発振周波数を測定する。この場合、目標周波数より高い周波数で発振しているので、目的とする共振周波数との差を算出して必要な調整幅を決める。その場合、予め、レーザ1パルスあたりの上層ディスク4の減少量と、その減少によって下がる周波数変動値を求めておく。必要な調整幅から、何パルス照射するかが決まる。レーザ光の照射の後、再び発振周波数と目標周波数との差を算出する。これを繰り返すことによって、目的とする周波数に調整していく。大きな幅で粗調の後、レーザの出力を下げ、微調整することも可能である。これら一連の操作はこの周波数調整装置に組み込まれた、あるいは制御用のコンピュータに予めプログラムして実行されることができる。1つのMEMS共振子チップの共振周波数調整が終了したら、針19は、各端子から離され、隣のMEMS共振子チップのそれぞれの端子が針19の下になるようにステージを動かして、再び上記の操作が繰り返される。このように調整されたウエハは、その後、個片化され、セラミックパッケージに組み立てられ、不活性ガス中で封止してMEMS共振子が完成する。
なお、個片化の後、各MEMS共振子チップをパッケージ上に載置し、ボンディングを行ったのち、パッケージを封止する前に周波数調整を行っても良い。この場合はステージをパッケージソケットとするのが好ましい。また、パッケージを封止した後でも周波数調整は可能である。この場合は、封止するための蓋をレーザ光が透過する材質とする必要がある。
次に、MEMS共振子の周波数調整方法の別の実施例を示す。図8は第2の周波数調整方法の概略図である。前述の第1の周波数調整方法と異なり、複数のMEMS共振子が形成されたウエハの裏面側、即ち、下層ディスク2が表面側となるように配置されている。図示しないウエハの表面側には、第1の周波数調整方法で説明したようにそれぞれの端子に測定装置が接続した構成となっている。露出する下層ディスク2上には、大気圧プラズマ源22が配置され、絞られた反応性プラズマが発生している。下層ディスク2の付近に反応性プラズマのプラズマトーチ23を当てることで、下層ディスク2がエッチングされることになる。反応性ガスとしてSF6とO2の混合ガスを用いることができる。反応性ガスは、下層ディスクの材料がプラズマ照射でエッチングされるような種類を適宜選ぶことができる。下層ディスクがシリコンの場合、フッ素などのハロゲン系元素が含まれたガスが望ましい。
測定装置が、発振回路と周波数計数装置で構成される場合について、周波数調整の具体例を例示する。まず、発振回路で発振させ、周波数計数装置で発振周波数を測定する。この場合、目標周波数より低い周波数で発振しているので、目的とする共振周波数との差を算出して必要な調整幅を決める。この場合、予め、単位プラズマ照射時間あたりの下層ディスク2の減少量と、その減少によって上がる周波数変動値を求めておく。必要は調整幅から何秒間照射するかを決まる。プラズマ照射の後、再び発振周波数と目標周波数との差を算出する。これを繰り返すことによって、目的とする周波数に調整していく。大きな幅で粗調の後、プラズマの出力を下げ、微調整することも可能である。これら一連の操作は、周波数調整装置に組み込まれた、あるいは制御用のコンピュータに予めプログラムして実行させることができる。
以上、大気圧下で周波数調整方法の実施例を2例示したが、大気圧下に限る必要はなく、他の方法でも2層のディスクのどちらか一方を削れば周波数調整可能である。例えば、特許文献3に示したような真空中でのスパッタでも、真空中と大気圧下での共振子の特性差を把握することで調整可能である。
1:基板、2:下層ディスク、3:ビーム、4:上層ディスク、5:入力端子、6:出力端子、7:グランド端子、8:SOIウエハ、9:活性シリコン層、10:n+領域、11:p+領域、12:SiO2保護膜、13:アルミニウム配線、14:SiN保護膜、15:埋め込みSiO2膜、16:シリコン基板、17:負性抵抗、18:負荷容量、19:プローブカードの針、20:レーザビーム、21:レンズ、22:大気圧プラズマ源、23:プラズマトーチ

Claims (3)

  1. バルク・アコースティック・ウェーブモードで共振する板状の共振子を備えたMEMS共振子において、前記共振子が、密度とヤング率の比がそれぞれ異なる材料が積層した積層構造となっていることを特徴とするMEMS共振子。
  2. バルク・アコースティック、ウエーブモードで共振する板状の共振子を備え、前記共振子が、密度とヤング率の比がそれぞれ異なる材料が積層した積層構造となっているMEMS共振子の共振周波数調整方法において、
    前記積層構造の表面の一部を除去することによって、前記MEMS共振子の共振周波数を調整することを特徴とするMEMS共振子の共振周波数調整方法。
  3. 請求項2記載のMEMS共振子の共振周波数調整方法において、前記除去によって、前記共振子は、ばね定数と質量の両方を変えることによって、共振周波数の調整を行っていることを特徴とするMEMS共振子の共振周波数調整方法。
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