JP2010081317A - 水晶振動子 - Google Patents
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Abstract
【課題】基本波振動からオーバトーン振動を遠ざけて、基本波振動のみでの発振を可能とした水晶振動子を提供する。
【解決手段】水晶片1Aの両主面に対向した励振電極2aを有する水晶振動子において、前記励振電極2aの中央領域に穴3を設けて質量を減じ、基本波振動に対するオーバトーン振動の振動周波数を遠ざけた構成とする。または、前記穴3は、単一又は小穴の集合体からなる構成とし、さらには、前記水晶片1AはATカットとする。
【選択図】図1
【解決手段】水晶片1Aの両主面に対向した励振電極2aを有する水晶振動子において、前記励振電極2aの中央領域に穴3を設けて質量を減じ、基本波振動に対するオーバトーン振動の振動周波数を遠ざけた構成とする。または、前記穴3は、単一又は小穴の集合体からなる構成とし、さらには、前記水晶片1AはATカットとする。
【選択図】図1
Description
本発明は水晶振動子を技術分野とし、特に3次のオーバトーン振動を基本波振動から遠ざけた水晶振動子に関する。
(発明の背景)
水晶振動子は発振子やフィルタ素子等の周波数制御素子として周知され、セラミック等の圧電材に比較し、Q値が格段に高くて周波数安定度に優れる。このようなものの代表的な一つに、厚みすべり振動としたATカットがあり、例えば発振子として発振回路に組み込まれる。
水晶振動子は発振子やフィルタ素子等の周波数制御素子として周知され、セラミック等の圧電材に比較し、Q値が格段に高くて周波数安定度に優れる。このようなものの代表的な一つに、厚みすべり振動としたATカットがあり、例えば発振子として発振回路に組み込まれる。
(従来技術の一例)
第3図及び第4図は一従来例を説明する水晶振動子図で、第3図はATカットとした水晶片の切断方位図、第4図(a)は水晶片の断面図、同図(b)は平面図である。
第3図及び第4図は一従来例を説明する水晶振動子図で、第3図はATカットとした水晶片の切断方位図、第4図(a)は水晶片の断面図、同図(b)は平面図である。
水晶振動子のATカットとした水晶片1Aは、結晶軸(XYZ)のY軸に直交した水晶片(Yカット)1Yの主面を、X軸を中心としてZ軸からY軸方向に35°15′左回転してなる。そして、新たにできた軸を(XY′Z′)とし、Y′軸を厚みとして円板状や矩形状に形成される。例えばX軸を長さ、Z軸を幅方向として、両主面に対向する励振電極2aを形成し、両端部に引出電極2bを延出する。
励振電極2a及び引出電極2bはは例えば下地電極をCr(クロム)としてAu(金)を積層する。これらは例えばマスクを用いた蒸着やスパッタあるいはエッチング等によって形成される。そして、引出電極2bの延出した水晶片1Aの両端部を保持し、図示しない振動子用容器に密閉封入して形成される。なお、第4図(a)に示す断面図での引出電極2bは省略してある。
このようなものでは、水晶片1Aの両主面に印加される交番電圧に共振し、圧電現象としての厚みすべり振動が励起される。厚みすべり振動は両主面が互いに反対方向となるX軸方向に変位する振動モードで、振動周波数(共振周波数)は水晶片1Aの厚みに反比例する。すなわち、厚みが小さいほど振動周波数は高くなる。そして、基本波振動に対して奇数時のオーバトーン振動を生ずる。これらの場合、基本波振動は励振電極2a内に閉じ込められて裾野の広い変位分布となり「第4図(a)の曲線イ」、オーバトーン振動はさらに中央領域に閉じ込められて幅の狭い変位分布となる(同図の曲線ロ)。
第5図は水晶振動子の共振特性を示す周波数に対するアドミッタンス(Y)特性である。図中の符号F1は基本波振動、F3は3次のオーバトーン振動、F5は5次のオーバトーン振動で、f1、f3、f5は各次数での共振周波数(共振点)、f1′、f3′、f5′は各次数の反共振周波数(反共振点)である。
なお、各次数での共振点f1、f3、f5から反共振点f1′、f3′、f5′までの間がインダクタ領域(f1〜f1′、f3〜f3′、f5〜f5′)となる。そして、通常では、基本波振動F1での共振点f1から反共振点f1′までの間のインダクタ領域(成分)を使用し、図示しない分圧コンデンサと共振回路を形成して、発振用増幅器とともにコルピッツ型の発振回路を形成する。この場合、インダクタ領域が基本的に発振可能領域となる。
特開平9−139651号公報
特開平3−172013号公報
(従来技術の問題点)
しかしながら、上記構成の水晶振動子では、基本波振動F1のみならず、前述のように例えば3次のオーバトーン振動F3でも、共振点f3と反共振点f3′との間がインダクタ領域f3〜f3′となって、発振可能領域となる。したがって、例えば発振用増幅器の高周波特性等によっては、基本波振動F1の振動領域(f1〜f1′)みならず、例えば3次オーバトーン振動F3での振動領域f3〜f3′までをも、発振条件の一つである負性抵抗領域とする。
しかしながら、上記構成の水晶振動子では、基本波振動F1のみならず、前述のように例えば3次のオーバトーン振動F3でも、共振点f3と反共振点f3′との間がインダクタ領域f3〜f3′となって、発振可能領域となる。したがって、例えば発振用増幅器の高周波特性等によっては、基本波振動F1の振動領域(f1〜f1′)みならず、例えば3次オーバトーン振動F3での振動領域f3〜f3′までをも、発振条件の一つである負性抵抗領域とする。
したがって、この場合は、他の要因等も絡み合って、基本波振動F1での発振が抑圧されて、3次オーバトーンでの発振を生ずる問題があった。例えば30MHzとした基本波振動での発振が求められているにも拘わらず、この約3倍となる90MHzとした3次オーバトーン振動での発振を引き起こす問題があった。
このことから、例えば基本波振動F1に対する3次オーバトーン振動F3の発生位置を離間させる。これにより、基本波振動(振動領域f1〜f1′)では、発振回路の負性抵抗領域内とする。そして、3次オーバトーン振動F3(振動領域f3〜f3′)では負性抵抗領域外として、基本波振動F1のみでの発振とすることが求められる。
(発明の目的)
本発明は基本波振動からオーバトーン振動を遠ざけて、基本波振動のみでの発振を可能とした水晶振動子を提供することを目的とする。
本発明は基本波振動からオーバトーン振動を遠ざけて、基本波振動のみでの発振を可能とした水晶振動子を提供することを目的とする。
本発明は、特許請求の範囲(請求項1)に示したように、水晶片の両主面に対向した励振電極を有する水晶振動子において、前記励振電極の中央領域に穴を設けて質量を減じ、基本波振動に対するオーバトーン振動の振動周波数を遠ざけた構成とする。
このような構成であれば、水晶片の中央領域(中心部)での質量は減じられ、基本波振動及びオーバトーン振動の振動周波数も高くなる。そして、励振電極の中央領域では基本波振動よりもオーバトーン振動の変位分布に与える影響が大きくなる。したがって、基本波振動での振動周波数の上昇する際の変化量よりも、オーバトーン振動での変化量が大きくなる。これにより、基本波振動に対するオーバトーン振動を遠ざけて発振領域外とし、基本波振動のみでも発振を可能にできる。
本発明の請求項2では、請求項1において、前記穴は、単一又は小穴の集合体からなる。これにより、いずれの場合でも、基本波振動よりもオーバトーン振動の変位分布に対する影響を大きくし、オーバトーン振動を基本波振動から遠ざけられる。
同請求項3では、請求項1において、前記水晶片はATカットとして厚みすべり振動姿態とする。これにより、基本波振動に対するオーバトーン振動の変位分布が励振電極の中央領域となるので、請求項1による構成での効果が明確になる。但し、ATカット以外でも同様の厚みすべり振動姿態となる例えばBTカットでも同一の効果を奏する。
第1図は本実施例の一実施形態を説明水晶振動子の平面図である。なお、前従来例と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。
水晶振動子は前述したようにY′軸を厚みとしたATカット(厚みすべり振動姿態)の水晶片1Aを有し、両主面の対向する励振電極2aから両端部に引出電極2bを延出する。励振電極2a及び引出電極2bは下地電極をCrとしてAuが積層される。そして、引出電極2bの延出した両端部を保持して図示しない振動子容器に密閉封入してなる。
そして、この例では、例えばレーザやガスイオンを励振電極2aの中央領域(中心部)に照射する。そして、中央領域に段差となる穴3を設け、中央領域での厚み即ち質量を減じる。その後、例えば同様のレーザやガスイオンを励振電極2aの全体に照射して一様に厚みを減じて振動周波数を微調整する。
このような構成であれば、励振電極2aの中央領域での質量を減じることによって、基本波振動及びオーバトーン振動の振動周波数(共振周波数)はいずれも高くなる。そして、励振電極2aの中央領域の厚みを減じるので、基本波振動よりも変位分布が狭くて中央領域に集中したオーバトーン振動に対する影響が大きくなる「前第4図(a)参照」。したがって、基本波振動よりも3次を含むオーバトーン振動の変化量が大きくなる。なお、オーバトーンの次数が高くなるほど、オーバトーン振動の変位分布をさらに狭くなって、質量を減じた影響が大きくなる。
ちなみに、水晶片1Aの外形を3.20×1.75mm、励振電極2aの大きさを2.20×1.40mmとし、基本波振動での振動周波数を26.890MHzとすると、従来例では、3次オーバトーンでの振動周波数は概ね3倍となる80.714MHzになる。これに対し、本実施形態で示すように、例えば中央領域に直径0.5mmの穴3を設けて質量を減じた場合には、基本波振動は26.890MHzから26.944MHzとなって、53.8KHzの増加となる。そして、3次オーバトーンの振動周波数は80.714MHzから80.813MHzとなって、99.0KHzの増加となる。
これから明らかなように、励振電極2aの中央領域に穴3を設けて質量を減じた場合には、基本波振動での振動周波数の増加量(53.8KHz)よりも、3次オーバトーン振動での増加量(99.0KHz)が大きく約2倍になる。したがって、基本波振動に対して3次オーバトーンの振動周波数を遠ざけることができる。これにより、3次オーバトーン振動の振動周波数を発振回路の例えば負性抵抗の領域外即ち発振領域外とすることによって、基本波振動のみでの発振を可能にする。
(他の事項)
上記実施形態では、励振電極2aの中央領域に設けた穴は単一としたが、例えば第2図に示したように、複数の小穴3aからなる集合体としてもよい。また、穴3はレーザやガスイオンの照射としたが、例えばマスクを用いた蒸着やスパッタによって励振電極2aを形成する際に予め形成してもよい。また、水晶片1A及び励振電極2aは矩形状としたが、これらを円形としても同様である。
上記実施形態では、励振電極2aの中央領域に設けた穴は単一としたが、例えば第2図に示したように、複数の小穴3aからなる集合体としてもよい。また、穴3はレーザやガスイオンの照射としたが、例えばマスクを用いた蒸着やスパッタによって励振電極2aを形成する際に予め形成してもよい。また、水晶片1A及び励振電極2aは矩形状としたが、これらを円形としても同様である。
1 水晶片、2 励振及び引出電極、3 穴。
Claims (3)
- 水晶片の両主面に対向した励振電極を有する水晶振動子において、前記励振電極の中央領域に穴を設けて質量を減じ、基本波振動に対するオーバトーン振動の振動周波数を遠ざけたことを特徴とする水晶振動子。
- 請求項1において、前記穴は、単一又は小穴の集合体からなる水晶振動子。
- 請求項1において、前記水晶片はATカットである水晶振動子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008247654A JP2010081317A (ja) | 2008-09-26 | 2008-09-26 | 水晶振動子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008247654A JP2010081317A (ja) | 2008-09-26 | 2008-09-26 | 水晶振動子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010081317A true JP2010081317A (ja) | 2010-04-08 |
Family
ID=42211247
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008247654A Pending JP2010081317A (ja) | 2008-09-26 | 2008-09-26 | 水晶振動子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010081317A (ja) |
-
2008
- 2008-09-26 JP JP2008247654A patent/JP2010081317A/ja active Pending
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