JP2012220544A - ベルト駆動装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベルト駆動装置において、ベルトの駆動負荷を増加させることなく高い駆動効率が得られるようにする。
【解決手段】駆動ローラ23と従動ローラ22との間に中間転写ベルト21を張架する。そして、駆動ローラ23の、中間転写ベルト21と接触している領域において、中間転写ベルト21を駆動ローラ23に押圧する押圧ローラ5を設ける。押圧ローラ5の回転駆動力は可変とする。ここで、押圧ローラ5は、駆動ローラ23の周速以上の周速で回転駆動するのが好ましい。また、押圧ローラ5は、駆動ローラ23と中間転写ベルト21とが接触し終わる部分で中間転写ベルト21を押圧するのが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明はベルト駆動装置及びそれを用いた画像形成装置に関するものである。
ベルト駆動装置において、ベルトの駆動効率を向上させるためには、ベルトの滑りを抑える必要がある。ベルトの駆動は、一般に下記式で示される「オイラーのベルト理論」に従う挙動を示すと考えられている。下記式によれば、ベルト初張力Tと、ローラとベルトとの摩擦係数μと、ベルトの巻き付け角度θとをそれぞれ大きくすれば、ベルトは滑らずに駆動する。
=T×exp(μθ)
2T=T+T
(式中、T:張り側張力、T:緩み側張力、μ:ローラとベルトとの摩擦係数、θ:ベルトの巻き付け角度、T:ベルト初張力(テンションバネ力量))
しかし、必要なベルト駆動力を得るためにベルト初張力Tを大きくすると、ベルトのクリープ変形が生じたり駆動トルクが増加する。また、ローラとベルトとの摩擦係数μを大きくすると、ベルトが蛇行しやすくなる。そしてまた、ベルトの巻き付け角度θは、装置の構造によって制限がある。
特許文献1では、ベルト駆動中のみ補助ローラをベルトに押し当てて、ローラに対するベルトの巻き付け角度θを大きくする技術が提案されている。また特許文献2では、ベルトとプーリとが接触する部分において、ベルトをプーリに押圧する手段を設けて、ローラとベルトとの摩擦係数μを大きくする技術が提案されている。
特開2009-57138号公報 特開2007-327585号公報
しかしながら、特許文献1の提案技術では、ベルトの張力が大きくなるので、駆動ローラにかかる負荷が増大しベルトが蛇行する等の問題が発生しやすくなる。また、特許文献2の提案技術では、ベルト駆動効率は向上するものの、プーリにベルトを単に押し当てるだけなので摩擦抵抗の増加によってベルト駆動負荷が増加する。
本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ベルト駆動装置において、ベルトの駆動負荷を増加させることなく高いベルト駆動効率が得られるようにすることにある。
また、本発明の他の目的は、中間転写ベルトを備えた画像形成装置において、ベルトの蛇行やクリープ変形による画像不良や短寿命化が生じないようにすることにある。
前記目的を達成する本発明に係るベルト駆動装置は、駆動ローラと、1つ又は2つ以上の従動ローラとの間に無端状ベルトが掛架されたベルト駆動装置であって、前記駆動ローラ及び前記従動ローラのうち少なくとも1つのローラの、前記無端状ベルトと接触している領域において、前記少なくとも1つのローラに前記無端状ベルトを押圧する押圧ローラを設ける共に、前記押圧ローラの回転駆動力を可変としたことを特徴とする。
前記押圧ローラは、前記少なくとも1つのローラの周速以上の周速で回転駆動するのが好ましい。
また、前記押圧ローラは、前記少なくとも1つのローラと前記無端状ベルトとが接触し終わる部分で前記無端状ベルトを押圧するのが好ましい。
そしてまた、前記ベルトの積算使用時間が長くなるにしたがって前記押圧ローラの回転駆動力が段階的又は連続的に大きくなるようにするのが好ましい。
また本発明によれば、回転する無端状の中間転写ベルト上にトナー像を形成し、前記中間転写ベルトから被転写材にトナー像を転写して溶融定着させる画像形成装置において、前記中間転写ベルトの回転駆動装置として、請求項記載のベルト駆動装置を用いることを特徴とする画像形成装置が提供される。
ここで、押圧ローラへのトナー等の付着を防止する観点からは、前記押圧ローラに対して、極性が周期的に変化する電圧を印加するのが好ましい。
本発明に係るベルト駆動装置では、駆動ローラ及び従動ローラのうち少なくとも1つのローラの、無端状ベルトと接触している領域に、無端状ベルトを前記ローラに押圧する押圧ローラを設けると共に、押圧ローラの回転駆動力を可変としたので、駆動負荷を増加させることなくベルトの駆動効率を向上させることができる。また、ベルト初張力Tやローラとベルトとの摩擦係数μを抑えた装置設計が可能となり、これによりベルトのクリープ変形やベルトの蛇行が抑制できる。
また、本発明に係る画像形成装置では、ベルトの蛇行やクリープ変形が抑制されるので、高画質化や長寿命化が図れる。
本発明に係るベルト駆動装置及び画像形成装置の概説図である。 図1の画像形成装置の中間転写ベルトユニットの概説図である 駆動ローラにおける押圧ローラの押圧位置を説明する図である。
以下、本発明に係るベルト駆動装置及び画像形成装置について図に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
図1に、本発明のベルト駆動装置及び画像形成装置の概説図を示す。図1の画像形成装置100はタンデム型のカラー画像形成装置であって、原稿画像を読み取るイメージリーダー部200と、読み取った画像を転写材にプリントして再現するプリンタ部300と、プリント条件を入力したり装置の稼動状況を表示する操作表示部400とから構成される。イメージリーダー部200は、不図示の原稿ガラス板に載置された原稿の画像をスキャナを移動させながら読み取る公知のもので、読み取った画像データはイメージセンサにより色別に電気信号に変換されてプリンタ部300に送られる。また、画像形成装置100は、装置の動作を制御したり画像データを記憶する制御部60を備え、各種センサの情報や使用者の指示に応じて設計された仕様で駆動制御される。
プリンタ部300は電子写真方式で画像形成するもので、その略中央部に中間転写ユニット2が設置されている。この中間転写ユニット2の構成については後述する。中間転写ベルト21の下面水平部の下方には、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの各色に対応する4つの画像形成部30Y、30M、30C、30Kが並んで配置されている。各画像形成部では、感光体表面を均一に帯電させた後、電気信号に変換された画像データに応じて露光して静電潜像を形成し、形成された静電潜像をトナーで現像し可視像化する。そして、各色ごとに形成されたトナー像を中間転写ベルト21に1次転写して重ね合わせてフルカラーのトナー画像を形成する。なお、画像形成部30Y、30M、30C、30Kには、それぞれの色別のトナー容器31Y、31M、31C、31Kからトナーが補給される。
用紙Pはトレイ41に積層状態で収納されており、最上の用紙Pから順に一枚ずつ搬送路に引き出され、中間転写ベルト21の回転とタイミングを合わせて駆動ローラ23と転写ローラ42とのニップ部(2次転写領域)に送られる。そして、中間転写ベルト21の表面に形成されたトナー画像が用紙Pに転写される。その後、定着装置1の定着ローラ11と加圧ローラ12とのニップ部を用紙Pが通過する間に、トナー画像は加熱・加圧されて用紙Pに溶融定着し排紙トレイに排出される。
図2に、図1の画像形成装置に搭載されている中間転写ユニット2の概略構成図を示す。中間転写ユニット2は、中間転写ベルト21と、中間転写ベルト21を張架する駆動ローラ23と従動ローラ22とを主要構成要素として備える。従動ローラ22はテンションローラとしての役割を果たし、バネSによる付勢力によって中間転写ベルト21に張力を与える。駆動ローラ23は駆動モータMによって図において反時計回りに回転駆動し、これにより、中間転写ベルト21が回転し、従動ローラ22が従動回転する。従動ローラ22には、中間転写ベルト21を挟んでクリーニングブレード27が圧接している。
そして、駆動ローラ23には、中間転写ベルト21を介して押圧ローラ5が圧接している。押圧ローラ5は駆動モータMによって回転駆動し、回転駆動力は可変である。押圧ローラ5によって中間転写ベルト21が駆動ローラ23に押し当てられることで、中間転写ベルト21と駆動ローラ23との摩擦係数μが大きくなり、中間転写ベルト21の駆動効率が向上する。また、押圧ローラ5は駆動回転するので、押圧ローラ5が圧接することによる駆動ローラ23の駆動負荷の増大はない。また、駆動ローラ23と中間転写ベルト21との摩擦係数やベルト初張力を抑えた装置設計が可能となり、これにより中間転写ベルト21のクリープ変形や蛇行が抑制される。
押圧ローラ5の周速は、駆動ローラ23の周速と同じかそれ以上とされる。これにより、押圧ローラ5が中間転写ベルト21を介して駆動ローラ23に圧接していても、駆動ローラ23の駆動負荷は増大せず、むしろ駆動負荷は軽減されるようになる。なお、中間転写ベルト21の蛇行等を防止する観点から、押圧ローラ5の駆動力は中間転写ベルト21を単独では回転駆動できない範囲とするのがよい。
また、押圧ローラ5には電源7が接続されており、極性が周期的に変化する電圧が押圧ローラ5に印加される。これにより、駆動ローラ23と転写ローラ42とのニップ部において用紙Pに2次転写しなかったトナーが中間転写ベルト21上に残っていても、当該トナーが押圧ローラ5に付着することが抑制される。なお、トナーの帯電極性と同極性の電圧を押圧ローラ5に印加すれば、押圧ローラ5に残留トナーが付着することは防止できるが、残留トナーの極性は一方のみではなく、プラス帯電トナーとマイナス帯電トナーとが混在するので、押圧ローラ5に印加する電圧はプラスとマイナスとに周期的に変化する電圧とするのがよい。
図3に示すように、押圧ローラ5による押圧位置は、中間転写ベルト21と駆動ローラ23とが接触している領域(巻き付け領域)内であれば限定はないが、巻き付け領域の、中間転写ベルト21と駆動ローラ23との接触が終わる部分が望ましい。かかる部分を押圧ローラ5で押圧することにより、中間転写ベルト21のばたつきが抑えられ、ベルト搬送効率がより向上する。
中間転写ベルト21を張力のかかった状態で長期間使用すると、中間転写ベルト21はクリープ変形を起こして伸びることがある。中間転写ベルト21が伸びると、張力が低下しベルトの駆動効率が低下する。そこで、中間転写ベルト21の積算使用時間が長くなるにしたがって、押圧ローラ5の回転駆動力を段階的又は連続的に大きくするようにしてもよい。この場合、中間転写ベルト21の経時的な伸びは中間転写ベルト21の材質等によって異なるので、時間に伴う中間転写ベルト21の伸びを予め実験的に測定しておき、中間転写ベルト21の伸びと張力低下との関係から積算使用時間に対する押圧ローラ5の回転駆動力をそれぞれ設定するのが好ましい。なお、中間転写ベルト21の積算使用時間及び積算使用時間に対する押圧ローラ5の回転駆動力の設定値は、制御部60(図1に図示)に記憶される。
あるいは、テンションローラとしての従動ローラ22の位置を検出するセンサを設け、センサによって従動ローラ22が中間転写ベルト21を伸ばす方向に移動した場合には、中間転写ベルト21が伸びて張力が低下したと判断し、押圧ローラ5の回転駆動力を大きくするようにしてもよい。
以上説明したベルト駆動装置では押圧ローラ5を駆動ローラ23に設けていたが、従動ローラ22に押圧ローラ5を設けても構わない。また、駆動ローラ23及び従動ローラ22に押圧ローラ5をそれぞれ設けても構わない。
本発明のベルト駆動装置は、画像形成装置の中間転写ベルト21の駆動装置として用いるほか、例えば用紙の搬送装置として用いることもできる。さらには、画像形成装置以外の、ベルト駆動を備えた装置にも適用できる。
本発明に係るベルト駆動装置は、駆動負荷を増加させることなくベルトの駆動効率を向上させることができる。また、ベルト初張力Tやローラとベルトとの摩擦係数μを抑えた装置設計が可能となり、これによりベルトのクリープ変形やベルトの蛇行が抑制でき有用である。
2 中間転写ユニット
5 押圧ローラ
21 中間転写ベルト(無端状ベルト)
22 従動ローラ
23 駆動ローラ

Claims (6)

  1. 駆動ローラと、1つ又は2つ以上の従動ローラとの間に無端状ベルトが掛架されたベルト駆動装置であって、
    前記駆動ローラ及び前記従動ローラのうち少なくとも1つのローラの、前記無端状ベルトと接触している領域において、前記少なくとも1つのローラに前記無端状ベルトを押圧する押圧ローラを設けると共に、前記押圧ローラの回転駆動力を可変としたことを特徴とするベルト駆動装置。
  2. 前記押圧ローラが、前記少なくとも1つのローラの周速以上の周速で回転駆動する請求項1記載のベルト駆動装置。
  3. 前記押圧ローラが、前記少なくとも1つのローラと前記無端状ベルトとが接触し終わる部分で前記無端状ベルトを押圧する請求項1又は2記載のベルト駆動装置。
  4. 前記ベルトの積算使用時間が長くなるにしたがって前記押圧ローラの回転駆動力が段階的又は連続的に大きくなる請求項1〜3のいずれかに記載のベルト駆動装置。
  5. 回転する無端状の中間転写ベルト上にトナー像を形成し、前記中間転写ベルトから被転写材にトナー像を転写して溶融定着させる画像形成装置において、
    前記中間転写ベルトの回転駆動装置として、請求項1〜4のいずれかに記載のベルト駆動装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
  6. 前記ベルト駆動装置の前記押圧ローラに対して、極性が周期的に変化する電圧を印加する請求項5記載の画像形成装置。
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