JP2012219476A - 建造物内空気流通機構および空気流入逆止弁・空気排出逆止弁 - Google Patents

建造物内空気流通機構および空気流入逆止弁・空気排出逆止弁 Download PDF

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Abstract

【課題】
建造物内の空気循環による空調を実現するために外壁と屋根部に2重壁による空気流通層を設けた建造物内空気流通機構、および、該空気流通層内に装備される空気流入逆止弁および該空気流入逆止弁と対応して用いられる空気排出逆止弁を提供する。
【解決手段】
建造物の外壁と天井の屋根部を2重壁に形成して空気流通層を設けるとともに、該空気流通層のそれぞれの下部に空気流通層内に空気を取り込むための筒体で形成されるフィン座と蓋体となる回動フィン本体とからなる空気流入逆止弁を空気流入口に装備し、空気流通層のそれぞれの上部に空気流通層内の空気を建造物内へ排出するための筒体で形成されるウイング座と蓋体となる回動ウイング本体とからなる空気排出逆止弁を空気排出口に装備した構成である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、建造物内の空気を循環させる建造物内空気流通機構に関し、特に、建造物の外壁に設けられた空気流通層内に発生する上昇気流を利用した建造物内の空気を循環させる空気流通機構、および、該空気流通層の空気の入口と出口に設置される逆止弁であって、空気流通層内に空気を流入させる空気流入逆止弁、および、空気流通層から空気を壁内空間(屋根裏空間)に向けて排出させる空気排出逆止弁に関する。
従来より、建造物内の空調設備に供される機器として、夏季はクーラー等の冷房装置が、冬季はストーブやガスヒーター等の暖房装置が広く一般的に使用されている。近年では、電気、ガス、温水等を用いた床下暖房機器も広く普及し、居住空間における快適性がよりいっそう高まっている。
また、居住空間の快適性および経済性を追求し、建造物内全体の温度や湿度等を自動的に管理することにより、建造物内の空調を一元管理するシステムが普及しつつある。
例えば、特開2010−276241では、居住空間と非居住空間とに区分された住宅において使用される住宅用温度調節システムであって、コストと手間を要さずに、簡易に熱損失係数を小さくすることができる住宅用温度調節システムに関する技術、およびこれを用いた高気密住宅に関する技術が開示されている。ここでは、複数の温度計測装置と温度調節装置およびそれらを制御する制御装置を用いて住宅内の温度を調整している。
地球温暖化に対する警鐘が打ち鳴らされる昨今、環境に配慮した製品やサービスを提供する必要性が広く謳われており、需要者の意識も高く、そのような製品やサービスを求める傾向になりつつある。環境に配慮した省エネ型の建造物内の空調設備に関する技術の開発は急務といえる。前記特開2010−276241等で開示されている技術は、建造物内の空調をシステム的に効率化させ、居住空間の快適性および経済性を高めており、ひいては消費燃料や排出ガスなど環境に対する負荷を軽減し、環境に配慮したものということができる。しかし、電気等を使用しているため、環境に対する負荷はゼロにはならず、また、システム自体の製造に関するコストの観点からも、環境に負荷がかかるという意味では環境に完全に配慮したものとはいえなかった。
本発明の出願人は、特許第317933号(特開平10−325585)の特許権者であり、かつ、特許第4314408号(特開2006−46669)の発明者および特許権者でもある。
特許第317933号(特開平10−325585)には、前述のものとは大きく異なり、建造物内に2重壁による空気を流通させる空間を設け、ここを太陽光が加熱することにより自然に暖められ、または、冷却されることにより空気が循環始動することになるが、これを促進・加速することにより建造物内における暖房または冷房に積極的に利用・加担し、暖冷房に消費される燃料を削減し、自然への負荷を軽減する技術が開示されている。
また、特許第4314408号(特開2006−46669)には、建造物内に空気を循環させる仕様の建造物の床下に設置される床下換気装置に関する技術が開示されている。
これらの発明は、いずれも空調について電気的な制御を行うことなく、自然の力を利用して建造物内の空調を行うものであり、これらの技術を利用した建造物は、環境に充分配慮したものであるということができる。
従来の発明は、建造物の外壁の内側および屋根部に設けられたフィンが開くことにより、外壁内部の空気流通層内で発生した上昇気流を上部に設けられたフィンが開いた状態で建造物内に放出し、かつ、下部に設けられたフィンを同時に開いた状態にして空気を取り込む構造である。この空気の循環、特に断熱補強壁に設けられたフィンの開閉にはある程度の風圧が必要とされることになる。従来の発明では、夏季の無気流時においては建物内の空気循環に供される風圧が構造上十分には得られない可能性があった。特に冬季に、外的な風圧が加わらないと、空気流通層内にフィンを通して空気を流入する力(フィンを開く力)を充分得られないため、空気流通層内に発生した上昇気流をフィンを通して充分排出させることができず、結果として空気が循環しない可能性があり、効率の良い建造物内の空気循環を行う上で問題となる可能性があった。これは、空気流通層への空気の流入および空気流通層からの空気の排出に供されるフィンがいずれも同じ構造・機能のものを使用していることがその原因の一つであると考えられる。
また、フィンの閉じ方が不十分であった場合、建造物内の空気が空気流通層内に逆流し、空気流通層内に結露を生じさせる可能性があり、これがカビ発生の原因となった場合には快適な住環境の構築としては逆効果であるため、空気の逆流を確実に防ぐ技術が求められていた。
上記のような問題点を解消した建造物内空気流通機構、およびこの機構に用いられる空気流入逆止弁・空気排出逆止弁の開発が待たれていた。
特開2010−276241号公報 特開平10−325585号公報 特開2006−46669号公報
本発明は上記問題を解決するために、建造物内の空気循環による空調を実現するために外壁と屋根部に2重壁による空気流通層を設けた建造物内空気流通機構、および、該空気流通層内に装備される空気流入逆止弁および該空気流入逆止弁と対応して用いられる空気排出逆止弁を提供する。
上記の目的を達成するために本発明に係る建造物内空気流通機構に用いられる空気流入逆止弁は、建造物の外壁および\または天井の屋根部を2重壁に形成して空気流通層を設けるとともに、各空気流通層の下部に空気流通層内に外気を取り込む空気流入口と、各空気流通層の上部に空気流通層内の空気を排出する空気排気口とを設けた建造物内空気流通機構において、壁内空間および\または屋根裏空間と空気流通層との間に装着される外気を取り込む空気流入口の弁が、両側に開口部を有する円筒状のフィン座と、該フィン座の一方の開口部を覆う軸回転移動して開閉する開口の蓋となるフィン本体と、からなり、フィン本体は、フィン座の一方の開口を覆う立設した蓋部と、軸回転を始動するために蓋部の下に設けられた回転補助ウエイト部と、軸回転を制御するためにフィン座の筒奥方向に伸延したカウンタウエイト部と、から構成され、蓋部とカウンタウエイト部の中間に位置するフィン本体の重心のやや上を横切る線上にシャフトを設け、フィン本体をシャフトによってフィン座の一方の開口部の下部に設けたブラケットに軸着しシャフトを中心にフィン本体を軸回転揺動可能に形成するとともに、フィン本体の蓋部の外側面に上昇気流が発生した時に、フィンに揚力を生じさせフィン本体がフィン座から遠ざかる方向に軸回転移動して開口動作状態となり開口より空気を流入させ、また、無気流時にはシャフトを中心とするフィン本体の重量バランスによりフィン本体がフィン座に接近する方向に軸回転移動し蓋部がフィン座の開口を塞いで閉鎖状態となり空気の逆流が防止されるように該フィン本体の蓋部の外側面に、上昇気流の発生によって揚力を生じる扇形凹部からなる揚力発生凹スロープを設けた構成である。
また、前記フィン本体は、フィン本体の重心より上に立設した蓋部と、横に伸延したカウンタウエイトとのバランスを取ると同時に回転動作の始動力の補強に供されフィン本体の重心より下に形成される回転補助ウエイト部と、回転補助ウエイト部との重量バランスを取るようにフィン座の筒奥方向へ伸延しフィン本体の重心より下に形成されるカウンタウエイト部と、からなり、開口動作状態のフィン座の開口面積を、少なくともフィン本体の蓋部側の開口部の面積より広くした構成である。
さらに、前記フィン本体は、外側面の空気流入部に凹溝を形成した構成である。
また、本発明に係る建造物内空気流通機構に用いられる空気排出逆止弁は、建造物の外壁および\または天井の屋根部を2重壁に形成して空気流通層を設けるとともに、各空気流通層の下部に空気流通層内に外気を取り込む空気流入口と、各空気流通層の上部に空気流通層内の空気を排出する空気排気口とを設けた建造物内空気流通機構において、壁内空間および\または屋根裏空間と空気流通層との間に装備される空気流通層内の空気を排出する空気排出口の弁が、両側に開口部を有する円筒状のウイング座と、該ウイング座の一方の開口部を覆う軸回転移動して開閉する蓋体となるウイング本体と、からなり、ウイング本体は、ウイング座の一方の開口を覆う蓋部と、軸回転力を補強するための回転補助ウエイト部と、軸回転を制御するためのカウンタウエイト部と、から構成され、ウイング座の筒体内部からの空気貫流時に、風圧によりウイング本体がウイング座から遠ざかる方向に軸回転移動して開口動作状態となり開口より空気を排出させ、また、無気流時にはシャフトを中心とするウイング本体の重量バランスによりウイング本体がウイング座に接近する方向に軸回転移動し蓋部がウイング座の一方の開口を塞いで閉鎖状態となり空気の逆流が防止できるように、蓋部とカウンタウエイト部の中間に位置するウイング本体の重心のやや上を横切る線上にシャフトを設け、ウイング本体をシャフトによってウイング座の一方の開口部の下部に設けたブラケットに軸着しシャフトを中心にウイング本体を軸回転揺動可能に形成した構成である。
また、前記開口部は、空気貫流時における空気放出側の開口の上辺が水平である構成である。
また、前記回転補助ウエイト部は、ウイング本体のウイング座から遠ざかる方向への軸回転移動を補助する風圧補助ウエイトと、ウイング本体のウイング座に接近する方向への軸回転移動を補助する復元補助ウエイトと、からなる構成である。
また、前記ウイング本体は、蓋部のウイング座に当接する面が凹状に形成され、凹状に形成された面に水平方向の仕切り壁を突設した構成である。
さらに、前記ウイング座は、軸を中心とした空気貫流時のウイング本体の回転動作を、ウイング本体の重量バランスによりウイング本体がウイング座に接近する方向に軸回転移動が可能である角度範囲内に抑制するストッパを具備した構成である。
また、建造物内空気流通機構は、夏季の昼間においては、床下空間の冷気を建造物内に流通させるため、床下側面に設けられた開口から流入した空気および床下空間内の空気が、空気流通層および壁内空間を上昇して、建造物の屋根部に設けられた開口より排出し、冬季の昼間においては、太陽光により温められた空気流通層内に生じた暖気を建造物内に流通させるため、空気流通層に生じた上昇気流により空気流入逆止弁および空気排出逆止弁が開状態になって空気流通層内の暖気を壁内空間に導出循環させるとともに、上昇気流が発生していない建造物の側面は空気流入逆止弁および空気排出逆止弁が閉状態になって空気の逆流を抑制することで、壁内空間を下降する気流を生成し、太陽熱が照射されていない時においては、空気流通層内における上昇気流が止むことにより、空気流入逆止弁および空気排出逆止弁が閉鎖状態となることで、空気流通層および壁内空間における空気の循環を停止するように、太陽光の照射によって生じる空気の上昇気流を動力源とし、空気流通層下部に設置した上昇気流により開口動作状態となる空気流入逆止弁により空気流通層内に空気を取り込み、空気流通層上部に設置した風圧により開口動作状態となる空気排出逆止弁により空気流通層内に取り込んだ空気を排出する構成である。
本発明は、上記詳述した通りの構成であるので、以下のような効果を奏する。
1.建造物の外壁と天井の屋根部を2重壁にして空気流通層を設け外気を取り込む空気流入逆止弁と空気を外へ排出する空気排出逆止弁を装備しているので、建造物内の空気循環の効率化を図ることができる。空気の逆流を防ぐことができるので自然に負荷をかけずに効果的に建造物内の空調を快適に保つことができる。
2.空気流入逆止弁に上昇気流により揚力を生じる凹スロープを設けているので、僅かな空気の流れであってもバランスのとれたフィンを軸回転移動して開口状態として空気を流入させ、無気流時にはフィン本体の重量バランスにより蓋部が閉鎖状態となり空気の逆流を防ぐことができる。
3.フィン本体は、開口動作状態のフィン座の開口面積を、少なくともフィン本体の蓋部側の開口部の面積より大きくするように、蓋部と、回転補助ウエイト部と、カウンタウエイト部が構成されているので、上昇する空気を充分に流入させることができる。
4.揚力発生凹スロープには、フィン本体の外側面の空気流入部に凹溝が設けられているので、空気の流入および流通効率を高め揚力を上げると同時に、空気流通層内の空気が冷却して下降気流が生じた際には、溝から下降気流が通過してフィン本体を確実に閉鎖状態とすることができる。
5.空気排出逆止弁のウイング本体は、円筒状のウイング座の中に装備された蓋部と、回転補助ウエイト部と、カウンタウエイト部とからなり、僅かな空気の流れであっても蓋体となるウイング本体を軸回転移動することが出来るので、空気の流れの有無に敏感に対応してウイングの開閉が可能となる。また、ウイング座の開口部は、空気放出側の開口が上辺を水平とする方形であるため、ウイング本体の蓋部に上昇気流を効率よく送給できる。
6.回転補助ウエイト部は、ウイング座から遠ざかる方向への回転を補助する風圧補助ウエイトと、ウイング座に接近する方向への回転を補助する復元補助ウエイトからなり、微弱な風圧であってもウイングは回転する構成である。
7.ウイング本体は、蓋部の当接面が凹状に形成されているため、空気流通層から上昇してくる空気をウイングが効率よく受け止めることができ、水平方向の仕切り壁を突設しているため、ウイングの回転軸寄りの部分が受け止める風圧もウイングの回転動作に利用でき、ウイング座の一方の開口部の開効率を高めて充分な開口が得られるので、効率的な空気の排出ができる。
8.ウイング座にストッパを具備した構成であるため、特に建造物内空気流通機構を屋根部(3寸5分(19度17分24)勾配までの傾斜)に設置した場合、ウイング本体の重量バランスによりウイング本体がウイング座に接近する方向に回転する角度を抑制することで、必要以上に開口することを防止すると共に、無気流状態の時に確実にウイングが閉鎖状態となるようにすることができる。
9.太陽熱による空気の上昇気流を動力源として、空気流入逆止弁より空気流通層内に取り込んで、空気流通層の上部の空気排出逆止弁より排出する構造であるので、夏季の昼間は、床下空間の冷気を建造物内に流通させ、冬季の昼間は、空気流通層内の暖気を建造物内に循環させ、夜間は、空気流通層内における上昇気流が止むことにより、空気流入逆止弁および空気排出逆止弁が閉鎖状態となることで、空気流通層および壁内空間における気流を停止させることにより、燃料を消費しない自然を利用した効率的な空調が可能となる。
以下、本発明に係る建造物内空気流通機構、およびこれに用いられる空気流入逆止弁および空気排出逆止弁を、図面に示す実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は、空気流入逆止弁および空気排出逆止弁の装備された建造物内空気流通機構が設置された建造物の全体の断面図である。図2は、建造物内空気流通機構が設置された外壁の断面図であり、図3は、建造物内空気流通機構が設置された屋根部の断面図である。図4は、空気流入逆止弁の斜視図であり、図5は、空気流入逆止弁に設置されるフィン本体の斜視図であり、図6は、フィン本体の正面の斜視図である。図7は、開状態の空気流入逆止弁の横断面図であり、図8は、閉鎖状態の空気流入逆止弁の横断面図である。図9は、フィン本体の横断面図であり、図10は、上昇気流が生じた際のフィンの動作を示すフィン本体の横断面図であり、図11は、フィン本体の側面図である。
図12は、空気排出逆止弁の斜視図であり、図13は、ウイング本体の正面の斜視図である。図14は、開状態の空気排出逆止弁の横断面図であり、図15は、閉鎖状態の空気排出逆止弁の横断面図である。図16は、ウイング本体の重量バランスを示す側面図であり、図17は、ウイング本体の側面図である。図18は、水平方向の仕切り壁がないウイングを使用した場合の空気排出状態を示す断面図であり、図19は、水平方向の仕切り壁が設置されたウイングを使用した場合の空気排出逆止弁の空気排出方法を示す断面図である。
図20は、夏季の昼間における空気流通を示す建造物の横断面図であり、図21は、冬季の昼間における空気流通を示す建造物の横断面図であり、図22は、太陽熱が照射されていない時における空気流通を示す建造物の横断面図である。
本発明の建造物内空気流通機構20は、建造物10内に設置される。建造物10は、図1に示すように、外壁12と、屋根部14と、土間コンクリート16と、建造物外壁を介した建造物内に独立した空間として設けられている室内30と、室内部30下部に位置する床下空間40と、室内30上部に位置する屋根裏空間50と、室内30と外壁12の間に位置する壁内空間60から構成される。
建造物10の、床下空間40、屋根裏空間50、壁内空間60の中に、夏季においては冷気を流通させ、冬季においては暖気を循環させることにより、室内30の内部温度が快適に保たれるよう構成されている。本発明では夏季における冷気の流通および冬季における暖気の循環の動力源として太陽のエネルギーを利用しており、太陽光線により熱せられた空気の上昇気流を利用して、建造物内空気流通機構20の弁の開閉を行い、夏季においては建造物の中に冷気を流入させ、冬季においては暖気を循環させる。
建造物内空気流通機構20は、建造物10の外壁12および/または屋根部14に設置されるものであり、外壁12または屋根部14と、空気流通層22と、空気流入口24と、空気流入逆止弁100と、空気排出口25と、空気排出逆止弁200と、断熱部材26と、からなる。
建造物10の外壁12部分に設けられる建造物内空気流通機構20を、図2に示す。
建造物10の屋根部14部分に設置する例を図3に示す。図3に示す実施例では、建造物内空気流通機構20は、空気流入逆止弁100のフィン本体120および空気排出逆止弁200のウイング本体220が閉鎖状態を回復するための重量バランスを確保できる限界である屋根部3寸5分(19度17分24)勾配まで傾斜配置が可能であり、この角度から垂直壁まで設置できるように形成されている。
建造物内空気流通機構20は、図2および図3に示すように、建造物の外壁12および/または屋根部14を2重壁に形成して空気流通層22を設けた構成である。空気流通層22の内部空間の空気は、太陽光が照射されない状況では、滞留状態で均衡が保たれて動かないが、外壁12に太陽光が照射されると内部空間の空気が熱せられ、空気流通層22内部に上昇気流28が発生し、空気流通層22の下部から上部に向けて空気の流れが生じる。空気流通層22は、熱せられると上昇気流28が生ずる程度の幅で構成されれば良いが、上昇した空気が内部で渦動滞留を引き起こしたり、または逆流することを防ぐため、経験値からその幅は24mm以内であることが望ましい。
発生した上昇気流28により、本発明に係る空気流通逆止弁100のフィン本体120は軸回転移動して流入口の弁を開放状態とすることになり、結果的に、床下や建物空間の空気を空気流通層22に導入する。
建造物内空気流通機構20には、空気流通層22の下部に空気流通層22内に床下空間40や壁内空間60から空気を取り込む空気流入口24が設けられている。空気流入口24には、本発明に係る空気流入逆止弁100が装備されており、上昇気流の発生する時には床下空間40や壁内空間60から空気を導入し、上昇気流の発生してない時は、空気が導入されないように逆止弁となって蓋を閉じ、空気の流入・流出を防止するように作動する。
太陽光により生じた僅かな上昇気流により空気流入口24が開放されて空気流通層22内部に床下や建物内空間から空気が流入するので、上昇気流28はさらに加速され、上部に向けた空気の流れが顕著になって空気流通層22に新たな空気が導入され、燃料による駆動なしに空気の循環が促進され循環流通の原動力となる。
また、空気流入逆止弁100の働きによって上昇気流の発生しない時は蓋が閉まることにより空気の逆流を防ぐことができ、効率的に建造物10内の空気循環流通を実現できると同時に、空気流通層20内の結露を防止することができる。なお、空気流入逆止弁100については、後述する。
建造物内空気流通機構20には、空気流通層22の上部に空気流通層22内の空気を屋根裏空間50や壁内空間60へ排出する空気排出口25が設けられており、空気排出口25には空気排出逆止弁200が装備される。空気流通層22の内部で発生した上昇気流28により上方向へ流れる空気が空気排出口25より屋根裏空間50や壁内空間60へ排出されることで、この上昇気流が空気の流入排出の原動力となり、床下空間40、屋根裏空間50および壁内空間60内における空気循環流通が実現される。また、空気排出逆止弁200の働きにより、空気排出が不要な時における空気の流出を防ぐことができ、効率的に建造物10内の空気循環流通を実現できると同時に、空気流通層20内の結露を防止することができる。なお、空気排出逆止弁200については、後述する。
断熱部材26は、補強板と断熱材とからなる内壁で、2重壁構造を形成する。この断熱部材26に空気流入口24と空気排出口25が装備され、上下端の開口に空気流入逆止弁100と空気排出逆止弁200が設置される。このため、断熱部材26は充分な強度を持つ材質(たとえば、木材、プラスチック、コンクリート等)である事が望ましい。なお、建造物内の温度を一定に保つという観点から、断熱部材26には断熱材が用いられる。この場合、充分な強度を保つため、断熱部材26の空気流通層22側および/または室内30側に強固な材質(たとえば、木材、プラスチック、コンクリート等)による補強板を設けることが望ましい。
空気流入逆止弁100は、建造物内空気流通機構20の空気流通層22下部に設けられ、上昇気流の発生により他の駆動力を要さず軸回転開口して空気を空気流通層22に流入させ、上昇気流の発生時以外はカウンタウエイト126の重みによりフィン座の開口を閉じて空気の流れを止めて暖気の逆流を防ぐ弁であり、図4に示すように、フィン座110とフィン本体120からなる。
フィン座110は、両側に設けられた2つの開口部112と、一方の開口の周縁に突設された一対のブラケット140からなり、ブラケット140にフィン本体120のシャフト130(回転軸ピン)を係合することにより、フィン座110にフィン本体120を、軸回転揺動可能に設置する。フィン座110は、本実施例では円筒状に形成されており、この形状とすることで建造物の壁面に求められる押圧力やねじれに対する強度が確保できる。フィン座110は、強度が確保できれば円筒形状に限定されず、立方体や直方体からなる両側に開口のある筒状体であってもよい。また、両側に設けられた2つの開口部112の形状は同一でなくてもよい。また、本実施例ではフィン座110の高さとして90ミリメートルのものを採用しており、開口部112の面積は3.226平方ミリメートルとしているが、この実施例の数値に限定されるものではない。
フィン本体120は、フィン座110の開口部112の一方の開口を蓋部122で覆い、軸回転移動して開閉する構成である。フィン本体120は、図5および図6に示すように、蓋部122と、軸回転して開口する為の回転補助ウエイト部124と、戻して閉鎖する為のカウンタウエイト部126とから構成され、シャフト130によりフィン座110のブラケット140に回転可能に係合される。フィン本体120は、重量バランスが安定した状態で、蓋部122がフィン座110の開口部112に当接して閉鎖状態となる。
フィン本体120の材質は、太陽光の加熱に耐え得る程度の耐熱性を持ち、また、上昇気流の微弱な風圧により開口動作を行うため軽量であることが望ましい。また、建造物に用いるため、経年劣化を起こしにくい材質で構成することが望ましい。本発明のフィン本体120は、実施例として発泡スチロールを使用しているが、上記のような特性を有する材質であれば、これに限定されるものではない。
フィン本体120の蓋部122は、図5に示すように、フィン座110の一方の開口を覆うため立設した形状からなる。回転補助ウエイト部124は、軸回転を始動するために蓋部122の下に設けられ、フィン本体120の軸回転による開口部112の開口動作を補助する。カウンタウエイト部126は、図6に示すように、フィン座110の筒奥方向に伸延した形状からなり、回転補助ウエイト部124の軸回転を制御して、蓋部122を開口状態から閉鎖状態にすることを目的として設置される。
シャフト130は、フィン本体120の蓋部122とカウンタウエイト部126の中間に位置するフィン本体120の重心のやや上を横切る線上に設けられる回転軸であり、フィン本体120をフィン座110の一方の開口部112の周縁に設けたブラケット140に軸着し、フィン本体120がシャフト130を中心に軸回転揺動するように形成する。
フィン本体120には、図5および図9に示すように、扇型からなる凹状である揚力発生凹スロープ150が凹設される。凹状の揚力発生凹スロープ150は、フィン本体120の蓋部122の外側面127に設けられ、空気流入部152からスロープ先端部方向へ上昇する空気の流れによって揚力を発生し、フィン本体120を外壁12の方向に引き付けるように作動するものである。これにより、空気流通層22内の空気が暖められることで空気流通層22内の空気流入逆止弁100近傍の空気が上方向に引き上げられて上昇気流28が発生すると、図7に示すように、揚力によりフィン本体120がフィン座110から遠ざかる方向に軸回転移動して開口動作状態となり、開口部112より空気が流入する。また、上昇気流の発生していない無気流時には、図8に示すように、シャフト130を中心とするフィン本体120の重量バランスでカウンタウエイト部126の重量により、フィン本体120がフィン座110に接近する方向に軸回転移動して、蓋部122がフィン座110の一方の開口に当接して閉鎖状態となり空気の逆流を制御する。
凹状の揚力発生凹スロープ150は、燃料による駆動なしに上昇気流を利用してフィン本体120を軸回転揺動させる原動力を発生させる機構である。図10に示すように、揚力発生凹スロープ150の近辺に上昇気流28が通過すると、スロープを沿って流れる気流がフィン本体120を引き付ける力(揚力)を生じる。すなわち、気流がスロープの壁面を沿って流れる性質により、外壁12(図10の右寄り)の上昇気流と比べて揚力発生凹スロープ150寄りの上昇気流の方がスロープの凹み分ほど流れる距離が長く、気流の速度が上がり、空気圧が低下する。揚力発生凹スロープ150の反対側である蓋部122の開口部側の面では上昇気流は発生していないため、フィンは気圧の下がった方へ引っ張られることになり、図10の右側方向に軸回転移動することになる。これにより、フィン本体120が軸を中心に回転移動し、フィン座110の開口部112から離れて開口状態となり、空気が床下空間40および/または壁内空間60から空気流通層22内に導入されることになる。
空気流入逆止弁100の形状は、図11の側面図で示すように、蓋部122をフィン本体120の重心より上の位置に設けた形状である。蓋部122にはフィン座との接合面128が設けられ、この部分がフィン座110の開口部112に接合し、無気流時には確実な閉鎖状態を形成する。
回転補助ウエイト部124は、フィン本体120の重心より下に形成され、横に伸延したカウンタウエイト部126とのバランスを取ると同時にフィン本体120の軸回転動作による開口部112の開口動作を補助し、かつ、開口の位置やバランスを保つ。特に、建造物内空気流通機構20を建造物10の屋根部14部分に配置する場合、屋根部14が低勾配になるほど空気流通層22内を流れる上昇気流の速度および風圧が減少し、揚力発生凹スロープ150に発生する揚力が弱まるため、弱い揚力によっても確実に軸回転して開口となるように回転補助ウエイト部124により、フィン本体120の軸回転を補助する役割を果たす。
カウンタウエイト部126は、フィン座110の筒奥方向へ伸延した凸部であり、フィン本体120の重心より下に形成され、軸回転作動を制御するように回転補助ウエイト部124との重量バランスが取られている。
従来の構造の逆止弁にあっては、フィン本体に設けられたウエイト部分がフィン座の開口部を塞いでいて、フィン本体が開口状態にあっても開口部の開口の割合が充分でないという構造上の問題があった。
本発明の形状によれば、フィン本体120は、重心より上部に位置する蓋部122の面積を広く確保できるとともに、回転補助ウエイト部124とカウンタウエイト部126のバランスにより、フィン本体120の軸回転移動動作が僅かな上昇気流によっても確実に作動するため、開口動作状態のフィン座110の開口面積として、少なくともフィン本体の蓋部側の開口部112の面積より大きな面積を確保することができる。
揚力発生凹スロープ150には、図5に示すように、開口動作を確実にするためにフィン本体120の蓋部122の外側面127の空気流入部152に凹溝154が設けられる。この凹溝154により、空気流入部152から揚力発生凹スロープ150に向けての僅かな上昇気流でも流入しやすくなり、空気の流入および流通効率が高まるため、少ない上昇気流でも揚力を発生させることが可能となる。また、夜間など太陽光が照射されていない場合には空気流通層22内で冷却した空気による下降気流が生ずる場合がある。空気流入部152が形成される蓋部122の外側面127の下部が図9に示すようにシャフト130より外壁12方向へ凸設している形状となるため、下降気流により空気流入部152が押さえられ、フィン本体120が閉鎖状態にならず、空気の逆流が生じ得る。この空気逆流を防ぐため、凹溝154を設けることにより、下降気流の発生時においても溝から下降気流が通過してフィン本体120を確実に閉鎖状態とすることが可能となる。
凹溝154は、回転補助ウエイト部124に位置する空気流入部152に削成されるため、カウンタウエイト部126との重量バランスを崩さない程度であって、空気流入効率が上がる程度に充分な深さを確保しながら形成するのが望ましい。
空気排出逆止弁200は、建造物内空気流通機構20の空気流通層22上部に設けられ、必要な時に開口して空気を空気流通層22から排出し、それ以外は開口を閉じて空気の流出を停止すると同時に屋根裏空間50や壁内空間60からの空気の逆流入を防ぐ弁であり、図12に示すように、ウイング座210とウイング本体220からなる。
ウイング座210は、両側に設けられた2つの開口部212と、ブラケット250からなり、ブラケット250にウイング本体220のシャフト240が係合することにより、ウイング座210にウイング本体220を、軸回転揺動可能に設置している。本実施例では、空気流通層22側の開口部212を円形に形成しており、この形状とすることで建造物の壁面に求められる押圧力やねじれに対する強度が確保できる。ウイング座210は、強度が確保できればこの形状に限定されるものではない。
ウイング本体220は、ウイング座210の開口部212の一方の開口を覆う四角形状で、軸回転移動して開口を開閉する蓋として機能する。ウイング本体220は、図13に示すように、蓋部222と、回転補助ウエイト部230と、カウンタウエイト部224とから構成され、シャフト240によりウイング座210のブラケット250に係合される。ウイング本体220は、重量バランスが安定した状態で、蓋部222がウイング座210の開口部212に当接して閉鎖状態となるように構成される。
ウイング本体220の材質は、太陽光の加熱に耐え得る程度の耐熱性を持ち、上昇気流の微弱な空気の流れが貫流することによっても回転開口する動作が確実に行われるように、軽量であることが望ましい。また、建造物に用いるため、経年劣化を起こしにくい材質で構成することが望ましい。本発明のウイング本体220は、実施例として発泡スチロールを使用しているが、上記のような特性を有する材質であれば、これに限定されるものではない。
ウイング本体220の蓋部222は、図13に示すように、ウイング座210の一方の開口を覆う形状からなる。回転補助ウエイト部230は、軸回転力を補強するために蓋部222の下に設けられ、カウンタウエイト部224は、軸回転を反転制御するために回転補助ウエイト部230と対抗する位置に突設されている。また、シャフト240は、ウイング本体220の蓋部とカウンタウエイト部224の中間に位置するウイング本体の重心のやや上を横切る線の両端に設けられ、ブラケット250に回転自在に軸着される。これにより、ウイング本体220をシャフト240によってウイング座210の一方の開口部212の下部に設けたブラケット250に軸着し、シャフト240を中心にウイング本体220を軸回転揺動可能に形成する。
上記の構造に形成することにより、ウイング座210の筒体内部から空気が流出する時には、図14に示すように、風圧によりウイング本体220がウイング座210から遠ざかる方向に軸回転移動して開口動作状態となり開口部212より空気を排出させ、空気の流出のない無気流時には、図15に示すように、シャフト240を中心とするウイング本体220の重量バランスによりウイング本体220がウイング座210に接近して接合する方向に軸回転移動して、蓋部222がウイング座210の一方の開口に当接して開口が閉鎖状態となり空気の逆流を阻止制御することが可能となる。
ウイング本体220の開口角度は、最大開口角度を越えてウイング本体220が軸回転開口することを防止するため、実施例では最大23.90度となるよう形成されているが、開口角度はこの数値に限定されるものではない。
また、開口部212は、空気放出側の開口が正方形や長方形など、上辺を水平とする方形とすることが望ましい。開口が円弧状の場合、開口部212を流出する上昇気流は円弧の頂部を流通するため、ウイング本体220の蓋部222の一部である頂部のみを上昇気流が部分的に強く押すことになり、却ってウイング本体220の全体の開口効率が悪くなる。空気排出口を平面とすることにより、平らな上辺部を上昇気流が均等に流出するため、流れ出る空気の幅を広くすることができ、ウイング本体220の蓋部222は広い範囲で上昇気流を受けることが可能となる。
ウイング本体220には、回転補助ウエイト部230が設けられる。回転補助ウエイト部230は、図16に示すように、風圧補助ウエイト230aと復元補助ウエイト230bから構成される。風圧補助ウエイト230aは、ウイング本体220のウイング座210から遠ざかる方向への軸回転移動を補助する役割を果たし、復元補助ウエイト230bは、ウイング本体220のウイング座210に接近する方向への復元方向への軸回転移動を補助する役割を果たす。
回転補助ウエイト部230は、筒体内部には排気流が発生しているが、ウイング本体220が受ける微弱な風圧ではウイング本体220の軸回転移動動作を起こすことができない場合であっても、充分な風圧が生じない状態で空気排出逆止弁200からの空気排出ができるように排気口の開口を補助する役割を果たしている。特に、建造物内空気流通機構20を建造物10の屋根部14部分に配置する場合、屋根部14が低勾配になるほど空気流通層22内を流れる上昇気流の速度および風圧が減少するため、ウイング本体220の開口角度が充分とならず、効率のよい空気排出が不可能となる可能性がある。回転補助ウエイト部230を設けることにより、上昇気流等の微弱な空気流通であっても、風圧補助ウエイト230aによって軸回転移動力を補助増強でき、ウイング本体20が開口して空気を排出し、また無気流時には、復元補助ウエイト230bによって増強された軸回転移動力によりウイング本体220が回転して開口が閉鎖状態となり、空気の逆流を防ぐことが可能となる。
カウンタウエイト部224は、ウイング本体220の下部に伸延されて延設された翼体であり、軸回転を制御して、ウイング本体220が閉鎖状態へ移行するためのウエイトとして用いられる。また、同時に、ウイング本体220の軸回転移動のスピードの制御に用いられる。スピードを制御することにより、ウイング本体220が開口を閉鎖する時、ウイング座210の開口部212にウイング本体220が当接する際に発生する当接音を軽減することが可能となる。
ウイング本体220は、図13および図17に示すように、蓋部222のウイング座210に当接する面が凹状に形成され、また、凹状に形成された面に水平方向の仕切り壁226が突設される。仕切り壁226は、ウイング本体220を必要な開口位置まで開かせることを目的とした突起構造で、貫流する風圧を受けやすくする構成である。
図18に示すように、ウイング本体220の仕切り壁226がない構造では、空気流通層22内で発生した上昇気流28はウイング座210の開口部212の最上部に進む。ウイング本体220は僅かな隙間しか押し開けられず、そこから気流が抜けて出る。蓋部222の上先端部に当った上昇気流28がウイング本体220を押し広げる力を生じるが、ウイング本体220全体で風圧を受けている状態ではないため、上昇気流による風圧が強まってもウイング本体220は必要な開口位置までは充分に開かない状態を維持することになる。
一方、ウイング本体220の凹状に形成された面に水平方向の仕切り壁226を突設した場合、図19に示すように、上昇気流28による風圧が強まると、ウイング本体220の蓋部222の上先端部のみならず、仕切り壁226においても風圧を受けることとなる。その結果、上昇気流28による風圧が強まった際には、ウイング本体220が必要な開口位置まで開くことが可能となり、より効率の良い空気の排出が可能となる。
ウイング座210には、開口角度制御のためにストッパ214が、カウンタウエイト部224のウイング座に対抗する位置に立設される。ストッパ214は、空気貫流時のウイング本体220のシャフト240を中心とした回転動作を、ウイング本体220の重量バランスによりウイング本体220がウイング座210に接近する方向に軸回転移動が可能である角度範囲内に抑制することに供される。ストッパ214を立設したことにより、ウイング本体220の風圧による軸回転移動動作が生じた際に、必要以上に軸回転移動して開口角度を越えてウイング本体220が閉鎖状態に戻らなくなる状態になることを回避することができる。特に、空気排出逆止弁200を組み込んだ建造物内空気流通機構20を建造物10の屋根部14(3寸5分(19度17分24)勾配までの傾斜)に設置した際、最大開口角度を越えてウイング本体220が開く可能性があるため、ストッパ214を設けることにより必要以上の回転を制御し、また無気流時には確実にウイング本体220の蓋部222で開口を閉鎖状態とすることが可能となる。
空気流入逆止弁100および空気排出逆止弁200を組み込んだ建造物内空気流通機構20の実施例の作動について説明する。
まず、建造物10の外壁12および/または屋根部14が太陽光により熱せられると、床下空間40と屋根裏空間50とを連通する建造物の外壁12および/または屋根部14に設けられた空気流通層22内に上昇気流28が発生する。この上昇気流28の僅かな風圧と空気の流れを利用し、空気流通層下部に設置された空気流入逆止弁100が上昇気流28により開口動作状態となり空気流通層22内に床下空間40または壁内空間60の空気が取り込まれる。取り込まれた空気は、空気流通層22上部に設置され風圧により開口動作状態となる空気排出逆止弁200から排出される。この一連の空気の流れを動力源として、建造物10内の空気の循環促進を燃料による駆動源なしに実現する。
例えば、夏季の昼間においては、図20に示すように、床下空間の冷気を建造物10内に流通させて室内30の温度が上がらないようにするため、床下側面に設けられた第一開口300から流入した空気および床下空間40内の空気が、空気流通層22および建造物内の空間60を上昇して、建造物10の屋根部14に設けられた第二開口310より排出可能となるように形成する。
上昇気流の発生時に建造物内空気流通機構20の空気流入逆止弁100および空気排出逆止弁200は、全て開状態となる。開口部112の開状態で、床下空間40からの冷気を、壁内空間60および屋根裏空間50を経由しつつ、第二開口310から排出する空気の流通が形成され、床下空間40からの冷気が室内30の周囲を流通することで、室内30の温度を下げることができる。また、流通時に暖められた空気は第二開口310から排出することができるので、燃料による動力源なしに常に床下空間40からの冷気を室内30の周囲に送ることが可能となる。
次に、冬季の昼間においては、図21に示すように、太陽光で暖められた暖気を建造物10内に循環させるために空気流通層22が利用される。太陽光により熱せられた建造物10の外壁12または屋根部14に設置された空気流通層22内に生じた暖気は、上昇気流28となって空気流入逆止弁100および空気排出逆止弁200を開状態にした空気流通層22を上昇し、壁内空間60に導出される。
また、上昇気流28が発生していない建造物10の側面の空気流通層22の空気流入逆止弁100および空気排出逆止弁200を閉状態にして流通を閉じ、壁内空間60を下降する空気の流通を形成することで、空気流通層22内の暖気が壁内空間60を循環する。空気流通層22内で太陽光によって暖められた暖気を、屋根裏空間50を経由しつつ、太陽光が当らない建造物10の面に位置する壁内空間60を下降させることで、暖気は熱を放出して冷却され、床下空間40に戻ることになり、空気循環により空気流通層22内の暖気によって室内30の温度を上げることが可能となる。このとき、第一開口300および第二開口310は、閉じられている。
さらに、太陽熱が照射されていない時においては、図22に示すように、空気流通層22内における上昇気流28が止むことにより、建造物内空気流通機構20の空気流入逆止弁100および空気排出逆止弁200が閉鎖状態となることで、空気流通層22および壁内空間60における空気の循環が停止可能となるように形成する。このとき、第一開口300および第二開口310は、閉じられている。これにより、壁内空間60の空気循環は停止し、冷気や暖気が壁内空間60を流通することなく、室内30の温度を一定に保つことが可能となる。
空気流入逆止弁100および空気排出逆止弁200は、例えば、空気流入逆止弁100を建造物内空気流通機構20の下部に2つ配置し、空気排出逆止弁200を建造物内空気流通機構20の上部に1つ配置する。空気流入逆止弁100および空気排出逆止弁200をこのように配置することで、建造物内空気流通機構20の空気流通層22内に充分な空気を流入でき、循環に供される空気流通の動力を確保することができる。建造物内空気流通機構20における空気流入逆止弁100および空気排出逆止弁200の設置は、この位置および数に限定されるものではないが、流入する空気の量を確保し、かつ、空気流通層22内で発生した上昇気流の風圧を活用するため、空気流入逆止弁100を建造物内空気流通機構20下部に複数配置し、空気排出逆止弁200を上部に設置した配置とすることが望ましい。
空気流入逆止弁および空気排出逆止弁の装備された建造物内空気流通機構が設置された建造物の全体の断面図 建造物内空気流通機構が設置された外壁の断面図 建造物内空気流通機構が設置された屋根部の断面図 空気流入逆止弁の斜視図 空気流入逆止弁に設置されるフィン本体の斜視図 フィン本体の正面の斜視図 開状態の空気流入逆止弁の横断面図 閉鎖状態の空気流入逆止弁の横断面図 フィン本体の横断面図 上昇気流が生じた際のフィンの動作を示すフィン本体の横断面図 フィン本体の側面図 空気排出逆止弁の斜視図 ウイング本体の正面の斜視図 開状態の空気排出逆止弁の横断面図 閉鎖状態の空気排出逆止弁の横断面図 ウイング本体の重量バランスを示す側面図 ウイング本体の側面図 水平方向の仕切り壁がないウイングを使用した場合の空気排出状態を示す断面図 水平方向の仕切り壁が設置されたウイングを使用した場合の空気排出逆止弁の空気排出方法を示す断面図 夏季の昼間における空気流通を示す建造物の横断面図 冬季の昼間における空気流通を示す建造物の横断面図 太陽熱が照射されていない時における空気流通を示す建造物の横断面図
10 建造物
12 外壁
14 屋根部
16 土間コンクリート
20 建造物内空気流通機構
22 空気流通層
24 空気流入口
25 空気排出口
26 断熱部材
28 上昇気流
30 室内
40 床下空間
50 屋根裏空間
60 壁内空間
100 空気流入逆止弁
110 フィン座
112 開口部
120 フィン本体
122 蓋部
124 回転補助ウエイト部
126 カウンタウエイト部
127 外側面
128 フィン座接合面
130 シャフト
140 ブラケット
150 揚力発生凹スロープ
152 空気流入部
154 凹溝
200 空気排出逆止弁
210 ウイング座
212 開口部
214 ストッパ
220 ウイング本体
222 蓋部
224 カウンタウエイト部
226 仕切り壁
230 回転補助ウエイト部
230a 風圧補助ウエイト
230b 復元補助ウエイト
240 シャフト
250 ブラケット
300 第一開口
310 第二開口
上記の目的を達成するために本発明に係る建造物内空気流通機構に用いられる空気流入逆止弁は、建造物の外壁および\または天井の屋根部を2重壁に形成して空気流通層を設けるとともに、各空気流通層の下部に空気流通層内に外気を取り込む空気流入口と、各空気流通層の上部に空気流通層内の空気を排出する空気排気口とを設けた建造物内空気流通機構で使用される空気流入逆止弁において、壁内空間および\または屋根裏空間と空気流通層との間に装着される外気を取り込む空気流入口の弁が、両側に開口部を有する円筒状のフィン座と、該フィン座の一方の開口部を覆う軸回転移動して開閉する開口の蓋となるフィン本体と、からなり、フィン本体は、フィン座の一方の開口を覆う立設した蓋部と、軸回転を始動するために蓋部の下に設けられた回転補助ウエイト部と、軸回転を制御するためにフィン座の筒奥方向に伸延したカウンタウエイト部と、から構成され、蓋部とカウンタウエイト部の中間に位置するフィン本体の重心のやや上を横切る線上にシャフトを設け、フィン本体をシャフトによってフィン座の一方の開口部の下部に設けたブラケットに軸着しシャフトを中心にフィン本体を軸回転揺動可能に形成するとともに、フィン本体の蓋部の外側面に上昇気流が発生した時に、フィンに揚力を生じさせフィン本体がフィン座から遠ざかる方向に軸回転移動して開口動作状態となり開口より空気を流入させ、また、無気流時にはシャフトを中心とするフィン本体の重量バランスによりフィン本体がフィン座に接近する方向に軸回転移動し蓋部がフィン座の開口を塞いで閉鎖状態となり空気の逆流が防止されるように該フィン本体の蓋部の外側面に、上昇気流の発生によって揚力を生じる扇形凹部からなる揚力発生凹スロープを設けた構成である。
また、前記フィン本体は、フィン本体の重心より上に立設した蓋部と、フィン座の筒奥方向に伸延したカウンタウエイトとのバランスを取ると同時に回転動作の始動力の補強に供されフィン本体の重心より下に形成される回転補助ウエイト部と、回転補助ウエイト部との重量バランスを取るようにフィン座の筒奥方向へ伸延しフィン本体の重心より下に形成されるカウンタウエイト部と、からなり、開口した状態のフィンとフィン座との間の開口面積を、少なくともフィン本体の蓋部側の開口部の面積より広くした構成である。
さらに、前記フィン本体は、外側面の空気流入部に、空気の流入・流通効率を高めるため、凹溝を形成した構成である。
また、本発明に係る建造物内空気流通機構に用いられる空気排出逆止弁は、建造物の外壁および\または天井の屋根部を2重壁に形成して空気流通層を設けるとともに、各空気流通層の下部に空気流通層内に外気を取り込む空気流入口と、各空気流通層の上部に空気流通層内の空気を排出する空気排気口とを設けた建造物内空気流通機構で使用される空気排出逆止弁において、壁内空間および\または屋根裏空間と空気流通層との間に装備される空気流通層内の空気を排出する空気排出口の弁が、両側に開口部を有する筒状のウイング座と、該ウイング座の一方の開口部を覆う軸回転移動して開閉する蓋体となるウイング本体と、からなり、ウイング本体は、ウイング座の一方の開口を覆う蓋部と、軸回転力を補強するための回転補助ウエイト部と、軸回転を制御するためのカウンタウエイト部と、から構成され、ウイング座の筒体内部からの空気貫流時に、風圧によりウイング本体がウイング座から遠ざかる方向に軸回転移動して開口動作状態となり開口より空気を排出させ、また、無気流時にはシャフトを中心とするウイング本体の重量バランスによりウイング本体がウイング座に接近する方向に軸回転移動し蓋部がウイング座の一方の開口を塞いで閉鎖状態となり空気の逆流が防止できるように、蓋部とカウンタウエイト部の中間に位置するウイング本体の重心のやや上を横切る線上にシャフトを設け、ウイング本体をシャフトによってウイング座の一方の開口部の下部に設けたブラケットに軸着しシャフトを中心にウイング本体を軸回転揺動可能に形成した構成である。
カウンタウエイト部126は、フィン座110の筒奥方向へ伸延した凸部であり、フィン本体120の重心より下に形成され、軸回転作動を制御するように回転補助ウエイト部124との重量バランスが取られている。
従来の構造の逆止弁にあっては、フィン本体に設けられたウエイト部分がフィン座の開口部を塞いでいて、フィン本体が開口状態にあっても開口部の開口の割合が充分でないという構造上の問題があった。
本発明の形状によれば、フィン本体120は、重心より上部に位置する蓋部122の面積を広く確保できるとともに、回転補助ウエイト部124とカウンタウエイト部126のバランスにより、フィン本体120の軸回転移動動作が僅かな上昇気流によっても確実に作動するため、開口したフィン本体120とフィン座110との開口空間の面積、少なくともフィン本体の蓋部側の開口部112の面積より大きな面積として確保することができる。
上記の目的を達成するために本発明に係る建造物内空気流通機構に用いられる空気流入逆止弁は、建造物の外壁および\または天井の屋根部を2重壁に形成して空気流通層を設けるとともに、各空気流通層の下部に空気流通層内に外気を取り込む空気流入口と、各空気流通層の上部に空気流通層内の空気を排出する空気排気口とを設けた建造物内空気流通機構で使用される空気流入逆止弁において、壁内空間および\または屋根裏空間と空気流通層との間に装着される外気を取り込む空気流入口の弁が、両側に開口部を有する円筒状のフィン座と、該フィン座の一方の開口部を覆う軸回転移動して開閉する開口の蓋となるフィン本体と、からなり、フィン本体は、フィン座の一方の開口を覆う立設した蓋部と、軸回転を始動するために蓋部の下に設けられた回転補助ウエイト部と、軸回転を制御するために蓋部の開閉時に常にフィン座の筒奥方向に水平に伸延したカウンタウエイト部と、から構成され、蓋部とカウンタウエイト部の中間に位置するフィン本体の重心のやや上を横切る線上にシャフトを設け、フィン本体をシャフトによってフィン座の一方の開口部の下部に設けたブラケットに軸着しシャフトを中心にフィン本体を軸回転揺動可能に形成するとともに、フィン本体の蓋部がフィン座の一方の開口部を閉鎖した時に蓋部のシャフトと反対側端縁が空気流通層の屋内側表面にほぼ面一になるように構成し、フィン本体の蓋部の外側面に上昇気流が発生した時に、フィンに揚力を生じさせフィン本体がフィン座から遠ざかる方向に軸回転移動して開口動作状態となり開口より空気を流入させ、また、無気流時にはシャフトを中心とするフィン本体の重量バランスによりフィン本体がフィン座に接近する方向に軸回転移動し蓋部がフィン座の開口を塞いで閉鎖状態となり空気の逆流が防止されるように該フィン本体の蓋部の外側面に、上昇気流の発生によって揚力を生じる扇形凹部からなる揚力発生凹スロープを設けた構成である。
また、前記フィン本体は、フィン本体の重心より上に立設した蓋部と、フィン座の筒奥方向に伸延したカウンタウエイト部とのバランスを取ると同時に回転動作の始動力の補強に供されフィン本体の重心より下に形成される回転補助ウエイト部と、回転補助ウエイト部との重量バランスを取るようにフィン座の筒奥方向へ伸延しフィン本体の重心より下に形成されるカウンタウエイト部と、からなり、上昇気流が生じた際に開口状態となるフィン本体とフィン座との間の空気の出口となる開口面積を、少なくともフィン本体の蓋部が覆うフィン座の一方の開口部の面積より広くした構成である。
また、本発明に係る建造物内空気流通機構に用いられる空気排出逆止弁は、建造物の外壁および\または天井の屋根部を2重壁に形成して空気流通層を設けるとともに、各空気流通層の下部に空気流通層内に外気を取り込む空気流入口と、各空気流通層の上部に空気流通層内の空気を排出する空気排気口とを設けた建造物内空気流通機構で使用される空気排出逆止弁において、壁内空間および\または屋根裏空間と空気流通層との間に装備される空気流通層内の空気を排出する空気排出口の弁が、両側に開口部を有する筒状のウイング座と、該ウイング座の一方の開口部を覆う軸回転移動して開閉する蓋体となるウイング本体と、からなり、ウイング本体は、ウイング座の一方の開口を覆う蓋部と、軸回転力を補強するため蓋部の下のシャフトの基部に設けられる楕円形状の回転補助ウエイト部と、蓋部のウイング座に当接する面よりウイング座方向に伸延した、軸回転を制御するカウンタウエイト部と、から構成され、ウイング座の筒体内部からの空気貫流時に、風圧によりウイング本体がウイング座から遠ざかる方向に軸回転移動して開口動作状態となり開口より空気を排出させ、また、無気流時にはシャフトを中心とするウイング本体の重量バランスによりウイング本体がウイング座に接近する方向に軸回転移動し蓋部がウイング座の一方の開口を塞いで閉鎖状態となり空気の逆流が防止できるように、蓋部とカウンタウエイト部の中間に位置するウイング本体の重心のやや上を横切る線上にシャフトを設け、ウイング本体をシャフトによってウイング座の一方の開口部の下部に設けたブラケットに軸着しシャフトを中心にウイング本体を軸回転揺動可能に形成した構成である。
また、建造物内空気流通機構は、夏季の昼間においては、床下空間の冷気を建造物内に流通させるため、床下側面に設けられた開口から流入した空気および床下空間内の空気が、空気流通層および壁内空間を上昇して、建造物の屋根部に設けられた開口より排出し、冬季の昼間においては、太陽光により温められた空気流通層内に生じた暖気を建造物内に流通させるため、空気流通層に生じた上昇気流により空気流入逆止弁および空気排出逆止弁が開状態になって空気流通層内の暖気を壁内空間に導出循環させるとともに、上昇気流が発生していない建造物の側面は空気流入逆止弁および空気排出逆止弁が閉状態になって空気の逆流を抑制することで、壁内空間を下降する気流を生成し、太陽熱が照射されていない時においては、空気流通層内における上昇気流が止むことにより、空気流入逆止弁および空気排出逆止弁が閉鎖状態となることで、空気流通層および壁内空間における空気の循環を停止するように、太陽光の照射によって生じる空気の上昇気流を動力源とし、空気流通層下部に設置した上昇気流により開口動作状態となる空気流入逆止弁により空気流通層内に空気を取り込み、空気流通層上部に設置した風圧により開口動作状態となる空気排出逆止弁により空気流通層内に取り込んだ空気を排出する建造物内空気流通機構であって、請求項1記載の空気流入逆止弁および請求項4記載の空気排出逆止弁を用いた構成である。
カウンタウエイト部126は、フィン座110の筒奥方向へ伸延した凸部であり、フィン本体120の重心より下に形成され、軸回転作動を制御するように回転補助ウエイト部124との重量バランスが取られている。
従来の構造の逆止弁にあっては、フィン本体に設けられたウエイト部分がフィン座の開口部を塞いでいて、フィン本体が開口状態にあっても開口部の開口の割合が充分でないという構造上の問題があった。
本発明の形状によれば、フィン本体120は、重心より上部に位置する蓋部122の面積を広く確保できるとともに、回転補助ウエイト部124とカウンタウエイト部126のバランスにより、フィン本体120の軸回転移動動作が僅かな上昇気流によっても確実に作動するため、上昇気流が生じた際に開口状態となるフィン本体120とフィン座110との間の空気の出口となる開口空間の面積を、少なくともフィン本体の蓋部が覆うフィン座の一方の開口部112の面積より大きな面積として確保することができる。

Claims (9)

  1. 建造物の外壁および\または天井の屋根部を2重壁に形成して空気流通層を設けるとともに、各空気流通層の下部に空気流通層内に外気を取り込む空気流入口と、各空気流通層の上部に空気流通層内の空気を排出する空気排気口とを設けた建造物内空気流通機構において、
    壁内空間および\または屋根裏空間と空気流通層との間に装着される外気を取り込む空気流入口の弁が、両側に開口部を有する円筒状のフィン座と、該フィン座の一方の開口部を覆う軸回転移動して開閉する開口の蓋となるフィン本体と、からなり、
    フィン本体は、フィン座の一方の開口を覆う立設した蓋部と、軸回転を始動するために蓋部の下に設けられた回転補助ウエイト部と、軸回転を制御するためにフィン座の筒奥方向に伸延したカウンタウエイト部と、から構成され、
    蓋部とカウンタウエイト部の中間に位置するフィン本体の重心のやや上を横切る線上にシャフトを設け、フィン本体をシャフトによってフィン座の一方の開口部の下部に設けたブラケットに軸着しシャフトを中心にフィン本体を軸回転揺動可能に形成するとともに、
    フィン本体の蓋部の外側面に上昇気流が発生した時に、フィンに揚力を生じさせフィン本体がフィン座から遠ざかる方向に軸回転移動して開口動作状態となり開口より空気を流入させ、また、無気流時にはシャフトを中心とするフィン本体の重量バランスによりフィン本体がフィン座に接近する方向に軸回転移動し蓋部がフィン座の開口を塞いで閉鎖状態となり空気の逆流が防止されるように該フィン本体の蓋部の外側面に、上昇気流の発生によって揚力を生じる扇形凹部からなる揚力発生凹スロープを設けたことを特徴とする空気流入逆止弁。
  2. 前記フィン本体は、フィン本体の重心より上に立設した蓋部と、横に伸延したカウンタウエイトとのバランスを取ると同時に回転動作の始動力の補強に供されフィン本体の重心より下に形成される回転補助ウエイト部と、回転補助ウエイト部との重量バランスを取るようにフィン座の筒奥方向へ伸延しフィン本体の重心より下に形成されるカウンタウエイト部と、からなり、開口動作状態のフィン座の開口面積を、少なくともフィン本体の蓋部側の開口部の面積より広くしたことを特徴とする請求項1記載の空気流入逆止弁。
  3. 前記フィン本体は、外側面の空気流入部に凹溝を形成したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の空気流入逆止弁。
  4. 建造物の外壁および\または天井の屋根部を2重壁に形成して空気流通層を設けるとともに、各空気流通層の下部に空気流通層内に外気を取り込む空気流入口と、各空気流通層の上部に空気流通層内の空気を排出する空気排気口とを設けた建造物内空気流通機構において、
    壁内空間および\または屋根裏空間と空気流通層との間に装備される空気流通層内の空気を排出する空気排出口の弁が、両側に開口部を有する円筒状のウイング座と、該ウイング座の一方の開口部を覆う軸回転移動して開閉する蓋体となるウイング本体と、からなり、
    ウイング本体は、ウイング座の一方の開口を覆う蓋部と、軸回転力を補強するための回転補助ウエイト部と、軸回転を制御するためのカウンタウエイト部と、から構成され、
    ウイング座の筒体内部からの空気貫流時に、風圧によりウイング本体がウイング座から遠ざかる方向に軸回転移動して開口動作状態となり開口より空気を排出させ、また、無気流時にはシャフトを中心とするウイング本体の重量バランスによりウイング本体がウイング座に接近する方向に軸回転移動し蓋部がウイング座の一方の開口を塞いで閉鎖状態となり空気の逆流が防止できるように、蓋部とカウンタウエイト部の中間に位置するウイング本体の重心のやや上を横切る線上にシャフトを設け、ウイング本体をシャフトによってウイング座の一方の開口部の下部に設けたブラケットに軸着しシャフトを中心にウイング本体を軸回転揺動可能に形成したことを特徴とする空気排出逆止弁。
  5. 前記開口部は、空気貫流時における空気放出側の開口の上辺が水平であることを特徴とする請求項4記載の空気排出逆止弁。
  6. 前記回転補助ウエイト部は、ウイング本体のウイング座から遠ざかる方向への軸回転移動を補助する風圧補助ウエイトと、ウイング本体のウイング座に接近する方向への軸回転移動を補助する復元補助ウエイトと、からなることを特徴とする請求項4または請求項5記載の空気排出逆止弁。
  7. 前記ウイング本体は、蓋部のウイング座に当接する面が凹状に形成され、凹状に形成された面に水平方向の仕切り壁を突設したことを特徴とする請求項4乃至請求項6記載の空気排出逆止弁。
  8. 前記ウイング座は、軸を中心とした空気貫流時のウイング本体の回転動作を、ウイング本体の重量バランスによりウイング本体がウイング座に接近する方向に軸回転移動が可能である角度範囲内に抑制するストッパを具備したことを特徴とする請求項4乃至請求項7記載の空気排出逆止弁。
  9. 夏季の昼間においては、床下空間の冷気を建造物内に流通させるため、床下側面に設けられた開口から流入した空気および床下空間内の空気が、空気流通層および壁内空間を上昇して、建造物の屋根部に設けられた開口より排出し、
    冬季の昼間においては、太陽光により温められた空気流通層内に生じた暖気を建造物内に流通させるため、空気流通層に生じた上昇気流により空気流入逆止弁および空気排出逆止弁が開状態になって空気流通層内の暖気を壁内空間に導出循環させるとともに、上昇気流が発生していない建造物の側面は空気流入逆止弁および空気排出逆止弁が閉状態になって空気の逆流を抑制することで、壁内空間を下降する気流を生成し、
    太陽熱が照射されていない時においては、空気流通層内における上昇気流が止むことにより、空気流入逆止弁および空気排出逆止弁が閉鎖状態となることで、空気流通層および壁内空間における空気の循環を停止するように、
    太陽光の照射によって生じる空気の上昇気流を動力源とし、空気流通層下部に設置した上昇気流により開口動作状態となる空気流入逆止弁により空気流通層内に空気を取り込み、空気流通層上部に設置した風圧により開口動作状態となる空気排出逆止弁により空気流通層内に取り込んだ空気を排出することを特徴とする請求項1または請求項4記載の建造物内空気流通機構。
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