以下に添付図面を参照して、本発明にかかるぱちんこ遊技機の好適な実施の形態を詳細に説明する。以下に示す実施の形態は、本発明にかかるぱちんこ遊技機を、旧第一種に属するぱちんこ遊技機(いわゆる「デジパチ」)に適用した例である。
(ぱちんこ遊技機の基本構成)
まず、本発明の実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の基本構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の正面図である。図1に示すように、本実施の形態のぱちんこ遊技機100は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の下部位置には、発射部が配置されている。
発射部の駆動によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下するようになっている。遊技領域103には、複数の釘(不図示)が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に向けて落下する。また、遊技領域103において遊技球の落下途中となる位置には、遊技球の落下方向を変化させる風車や各種入賞口(始動口や大入賞口など)が配設されている。
遊技盤101の略中央部分には、画像表示部104が配置されている。画像表示部104としては液晶表示器(LCD:Liquid Crystal Display)などが用いられる。画像表示部104の下方には、第1始動口105と、第2始動口106とが配設されている。ぱちんこ遊技機100は、第1始動口105や第2始動口106に遊技球が入賞することにより特別図柄用の判定用情報(以下「特図判定用情報」という)を取得する。ぱちんこ遊技機100は、この特図判定用情報を用いて大当たり抽選(特別図柄抽選)をおこなうことになる。
第2始動口106の近傍には、普通電動役物(後述する普通図柄抽選の抽選結果に基づき開閉動作する役物)としての電動チューリップ107が設けられている。電動チューリップ107は、遊技球を第2始動口106へ入賞し難くさせる閉状態(閉口された状態)と、閉状態よりも入賞し易くさせる開状態(開放された状態)とを有する。これらの状態の制御は、電動チューリップ107が備えるソレノイドによっておこなわれる。
電動チューリップ107は、通常時には閉状態とされており、所定条件を満たした際に開状態とされる。具体的には、ぱちんこ遊技機100は、画像表示部104の右側に配設されたゲート108を遊技球が通過すると、普通図柄用の判定用情報(以下「普図判定用情報」という)を取得する。ぱちんこ遊技機100は、この普図判定用情報を用いて普通図柄抽選をおこなう。普通図柄抽選において普通図柄当たり(以下「普図当たり」という)に当選すると、ぱちんこ遊技機100は、所定期間、電動チューリップ107を開状態とする。
第2始動口106の下方には、大入賞口109が設けられている。大入賞口109は、遊技球が大入賞口109へ入賞不可能な閉状態(閉鎖された状態)と、遊技球が大入賞口109へ入賞可能な開状態(開放された状態)とを有する。これらの状態の制御は、大入賞口109が備えるソレノイドによっておこなわれる。
大入賞口109は、通常時には閉状態とされており、所定条件を満たした際に開状態とされる。具体的には、ぱちんこ遊技機100は、第1始動口105または第2始動口106に遊技球が入賞すると、大当たり抽選をおこなう。大当たり抽選において大当たりに当選すると、ぱちんこ遊技機100は大当たり遊技状態となり、所定期間、大入賞口109を開状態とする。大入賞口109が開状態とされているときに、遊技球が大入賞口109に入賞すると、ぱちんこ遊技機100は所定個数(たとえば15個)の賞球を払い出す。
画像表示部104の側部や下方などには普通入賞口110が配設されている。普通入賞口110は、遊技球の入賞により所定個数(たとえば10個)の賞球を払い出すための入賞口となっている。これにより、遊技球が普通入賞口110に入賞すると、ぱちんこ遊技機100は所定個数(たとえば10個)の賞球を払い出す。普通入賞口110は、図示の位置に限らず、遊技領域103内の任意の位置に配設してよい。遊技領域103の最下部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口111が設けられている。
遊技盤101の右下部分には、遊技者に特別図柄などの遊技情報を明示する情報表示部112が設けられている。情報表示部112の詳細については後述するが、情報表示部112は、遊技球が第1始動口105へ入賞することによりおこなわれる大当たり抽選の抽選結果をあらわす第1特別図柄や、遊技球が第2始動口106へ入賞することによりおこなわれる大当たり抽選の抽選結果をあらわす第2特別図柄などを表示する。また、情報表示部112は、遊技球がゲート108を通過することによりおこなわれる普通図柄抽選の抽選結果をあらわす普通図柄を表示する。
また、画像表示部104の上部には、光を透過する有色のカバーで覆われた盤ランプLpが設けられており、演出内容に応じて所定の点灯態様で点滅する。なお、盤ランプLpは、画像表示部104の上部のみならず、図示していないが、遊技盤101の外周部や、画像表示部104の下部などにも配置されている。遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材113が設けられている。枠部材113は、遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲む形状を有している。また、枠部材113は、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
枠部材113において遊技領域103の上側にはスピーカ114が組み込まれている。また、枠部材113において遊技領域103の上側および下側となる2辺には、演出ライト部(枠ランプ)115が設けられている。演出ライト部115は、それぞれ複数のランプとモータ(不図示)とを有する。演出ライト部115の各ランプは、ぱちんこ遊技機100の正面にいる遊技者を照射する。また、これらのランプは、モータの駆動により光の照射方向を上下方向・左右方向に変更することができる。
枠部材113の下部位置には、操作ハンドル116が配置されている。操作ハンドル116は、発射部の駆動によって遊技球を発射させる際に、遊技者によって操作される。操作ハンドル116は、枠部材113と同様に、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
操作ハンドル116は、発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材117を備えている。発射指示部材117は、操作ハンドル116の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。公知の技術であるため詳細な説明を省略するが、操作ハンドル116には、遊技者が発射指示部材117を直接操作していることを検出するセンサなどが設けられている。これにより、発射部は、発射指示部材117が遊技者によって直接操作されているときに遊技球を発射させる。
枠部材113において、遊技領域103の下側となる辺には、演出ボタン(チャンスボタン)118や十字キー119、打球供給皿120などが設けられている。演出ボタン118や十字キー119は、ぱちんこ遊技機100において遊技者からの操作を受け付ける操作受付部を構成している。打球供給皿120は、遊技球を収容するとともに、順次発射部へ遊技球を送り出す。
また、遊技盤101上には、第1可動役物131が設けられている。第1可動役物131は、駆動部を有して当該駆動部により所定の基準位置(たとえば原点位置)を含む所定範囲内を動作可能に設けられている。さらに、遊技盤101上には、第1可動役物131とは異なる第2可動役物132も設けられている。第2可動役物132も、駆動部を有して当該駆動部により所定の基準位置(たとえば原点位置)を含む所定範囲内を動作可能に設けられている。第1可動役物131と第2可動役物132とは、それぞれ独立して駆動することができる。第1可動役物131および第2可動役物132の詳細な構成や動作については後述する。
(情報表示部の詳細)
つぎに、情報表示部112の詳細について説明する。図2は、本実施の形態の情報表示部を示す説明図である。図2において、情報表示部112は、特別図柄表示部201と、普通図柄表示部202と、保留数表示部203と、ラウンド数表示部204と、右打ち表示部205とを備える。各表示部201〜205には、それぞれLED(Light Emitting Diode)表示器が採用されている。
第1特別図柄表示部201aは、遊技球が第1始動口105へ入賞することによっておこなわれる大当たり抽選の抽選結果をあらわすものであり、8つのLEDからなる。第2特別図柄表示部201bは、遊技球が第2始動口106へ入賞することによっておこなわれる大当たり抽選の抽選結果をあらわすものであり、第1特別図柄表示部201aと同様に、8つのLEDからなる。
各特別図柄の変動(変動表示)は、たとえば、図中、左から右へ流れるように、各LEDが点灯および消灯を順次繰り返すことによりおこなわれる。なお、特別図柄の変動中には、画像表示部104では装飾図柄などを用いた演出がおこなわれる。特別図柄の変動が終了すると、その後のLEDの点灯態様によって、大当たり抽選の抽選結果があらわされるようになっている。
たとえば、一番右のLEDのみが点灯した場合はハズレを示し、また、左から1つ目、2つ目、4つ目、7つ目のLEDが点灯した場合は、本実施の形態の大当たりの一つである4ラウンド(R)短当たりを示すようになっている。さらに、全LEDが点灯した場合は、本実施の形態の大当たりの一つである16R長当たりを示すようになっている。
各当たりを示すLEDの点灯態様は、一態様のみならず、当たりの数に応じて複数の点灯態様を取り得るようにしてもよい。また、たとえば、左から2つ目、5つ目、6つ目のLEDが点灯した場合は、本実施の形態の大当たりの一つである16R短当たりを示すようになっている。
本実施の形態において、4R短当たりは、遊技者が4ラウンド分の出球を獲得することができる大当たりとなっている。16R長当たりは、遊技者が16ラウンド分の出球を獲得することができる大当たりとなっている。16R短当たりは、大入賞口109の開放時間が長いラウンドと短いラウンドとがあり、遊技者が実質4ラウンド分の出球を獲得することができる大当たりとなっている。
なお、特別図柄がハズレを示す図柄で停止した場合、画像表示部104上に表示される装飾図柄はハズレを示すいわゆるバラケ目で停止する。また、特別図柄が4R短当たりを示す図柄で停止した場合、画像表示部104上に表示される装飾図柄は4R短当たりを示す装飾図柄(たとえば「1・3・5」)で停止する。さらに、特別図柄が16R長当たりを示す図柄で停止した場合、画像表示部104上に表示される装飾図柄は16R長当たりを示す装飾図柄(たとえば「7・7・7」)で停止する。
特別図柄が16R短当たりを示す図柄で停止した場合、画像表示部104上に表示される装飾図柄は通常長当たりを示す装飾図柄(たとえば3,7以外のゾロ目)で停止する。なお、特別図柄が16R長当たりを示す図柄で停止した場合であっても、画像表示部104上に16R短当たりを示す装飾図柄(たとえば3,7以外のゾロ目)を停止させ、その後に16R長当たりであることを明示する昇格演出をおこなうようにしてもよい。
また、特別図柄表示部201の上部には、普通図柄が表示される普通図柄表示部202が配置されている。普通図柄表示部202は、遊技球がゲート108を通過することによっておこなわれる普通図柄抽選をあらわすものであり、一のLEDからなる。普通図柄抽選で当たりに当選した場合に、ぱちんこ遊技機100は、所定期間、電動チューリップ107を開状態とする。普通図柄の変動中は、LEDが点滅する。
普通図柄の変動が停止すると、LEDの点灯態様によって、普通図柄抽選の抽選結果があらわされるようになっている。本実施の形態では、普通図柄の変動が停止した際に、たとえば「○」が点灯すれば普通図柄当たり(長開放当たり)となり、「△」が点灯すれば普通図柄当たり(短開放当たり)となり、「×」が点灯すればハズレとなる。
普通図柄表示部202の左側には、特別図柄や普通図柄に対する判定用情報の数(以下「判定用情報数」という。いわゆる「保留数」)を表示する保留数表示部203が配置されている。保留数表示部203は、第1特別図柄保留数表示部203aと、第2特別図柄保留数表示部203bと、普通図柄保留数表示部203cとからなる。
第1特別図柄保留数表示部203aは、特別図柄の変動中に第1始動口105へ入賞した遊技球に対する特図判定用情報数を表示する。第2特別図柄保留数表示部203bは、特別図柄の変動中に第2始動口106へ入賞した遊技球に対する特図判定用情報数を表示する。普通図柄保留数表示部203cは、普通図柄の変動中にゲート108を通過した遊技球に対する普図判定用情報数を表示する。
ぱちんこ遊技機100は、第1始動口105へ入賞した遊技球に対する特図判定用情報、第2始動口106へ入賞した遊技球に対する特図判定用情報、ゲート108を通過した遊技球に対する普図判定用情報を、各々、規定数(たとえば4つ)を上限として保持できる。このため、第1特別図柄保留数表示部203aと第2特別図柄保留数表示部203bと普通図柄保留数表示部203cとは、上記の規定数を上限として記憶されたものを表示する。
ラウンド数表示部204は、大当たり遊技状態である際にこの大当たりのラウンド数を表示するものである。たとえば、4ラウンドの大当たりの場合には「4」をあらわすLEDが点灯し、16R長当たりまたは16R短当たりの場合には「16」をあらわすLEDが点灯する。右打ち表示部205は、右打ちによって遊技を進行させる遊技状態(たとえば大当たり遊技状態)である際にLEDが点灯し、遊技者に右打ちを促すものである。
図3は、本実施の形態のぱちんこ遊技機の背面図である。図3において、ぱちんこ遊技機100は、枠部材113に嵌め込まれている。ぱちんこ遊技機100は、主制御部としての主制御基板301と、複数のプリント基板からなり演出制御部としての演出制御基板302と、電源の供給をおこなう電源制御基板303とを備えている。
各基板301〜303は、透明の樹脂成形部材からなる基板ケース301a〜303aにそれぞれ収容されている。演出制御基板302は、背面カバー304に覆われている。背面カバー304は、透明の樹脂成形部材によって構成されており、演出制御基板302の外側に配設されている接続ケーブルを保護する。
具体的には、背面カバー304は、各種制御基板や、その他の遊技機の部品に接続される接続ケーブルを保護する。また、背面カバー304は、開閉自在になっており、閉状態において、一部(下部)が主制御基板301の主基板ケース301aを覆う構成となっている。すなわち、背面カバー304の閉状態において、主制御基板301を取り外すことができないようになっている。一方、背面カバー304の開状態においては、主制御基板301を、図中、左方向にスライドさせることにより、主制御基板301の取り外しが可能になっている。
ここで、主制御基板301の主基板ケース301aについて詳述する。主制御基板301の主基板ケース301aは、背面カバー304の一部に覆われた状態にある。主基板ケース301aは、外部から他の基板を接続する不正改造や、他の基板に交換する不正行為ができないように、主制御基板301を収容する。さらに、主基板ケース301aは、透明ケースによって形成されており、主制御基板301の不正改造や不正行為に対して、目視による確認ができるようになっている。なお、演出制御基板302や電源制御基板303についても、同様に透明な基板ケース302aまたは303aに収納されている。
また、主基板ケース301aには、RAMクリアスイッチを押下することが可能な操作部305が設けられている。RAMクリアスイッチは、主制御基板301のRAM(Random Access Memory)に蓄積されているバックアップ情報をクリアするためのスイッチである。主基板ケース301aには、操作部305を開閉自在に覆う開閉部306が設けられている。この開閉部306は、回動軸307を中心に回動する構成になっている。図3では、開閉部306が閉状態となっている場合を示している。
RAMクリアスイッチを押下する場合には、操作者(たとえば、ぱちんこ遊技機100の管理者)が開閉部306を開状態とした後に、操作部305を操作するといった二段階の手順を踏むようになっている。開状態となった開閉部306は、操作者が操作しない限り、重力によって閉状態となる。このように、RAMクリアスイッチを押下する際には、開閉部306を開状態にするという手順を踏まなければならないので、RAMクリアスイッチを不正に押下することによって大当たりを高頻度でおこなわせるといった不正行為を抑止できるようにしている。
(ぱちんこ遊技機の基本動作)
つぎに、本実施の形態のぱちんこ遊技機100の基本動作について説明する。ぱちんこ遊技機100は、遊技球が第1始動口105または第2始動口106に入賞すると、大当たり抽選をおこなう。大当たり抽選をおこなうと、ぱちんこ遊技機100は、特別図柄表示部201の特別図柄を変動させる(変動表示する)。
たとえば、第1始動口105に入賞があって大当たり抽選をおこなった場合、ぱちんこ遊技機100は、第1特別図柄表示部201aの第1特別図柄を変動させる。第2始動口106に遊技球が入賞することで大当たり抽選をおこなった場合には、第2特別図柄表示部201bの第2特別図柄を変動させる。
特別図柄の変動を開始して所定期間が経過すると、ぱちんこ遊技機100は大当たり抽選の抽選結果を示すように変動された特別図柄を停止させる(停止表示する)。大当たり抽選で大当たりに当選した場合、ぱちんこ遊技機100は、大当たりを示す特別図柄を停止させた後に大当たり遊技状態となり、大入賞口109を当選した大当たりに応じたラウンド数分(たとえば16ラウンド分)、開放する。この開放中に、遊技球が大入賞口109へ入賞すると、ぱちんこ遊技機100は所定個数の賞球を払い出す。
詳細は後述するが、ぱちんこ遊技機100は、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)を変動させた場合、画像表示部104の表示画面上で、特別図柄に対応して設けられた装飾図柄も変動させる。そして、特別図柄を停止させた場合、画像表示部104の表示画面上で装飾図柄も停止させる。
なお、ぱちんこ遊技機100は、大当たり遊技状態であるときには大当たり抽選をおこなわず、大当たり遊技状態の終了後に、大当たり抽選をおこなう遊技状態へ復帰させる。たとえば、大当たり遊技状態の終了後は、所定回数の大当たり抽選がおこなわれるまで大当たりへの当選確率を高めた確変遊技状態となる。本実施の形態では、所定回数の大当たり抽選がおこなわれるまで確変遊技状態を継続させるST(Special Time)機と呼ばれるタイプのぱちんこ遊技機としているが、本発明の対象は、ST機に限らず、確変遊技状態を次回の大当たりに当選するまで継続させるタイプのぱちんこ遊技機であってもよい。
(ぱちんこ遊技機がおこなう演出について)
つぎに、大当たり抽選の抽選結果を示すまでにぱちんこ遊技機100がおこなう演出の概要について説明する。ぱちんこ遊技機100は、特別図柄の変動中に、予告演出や、大当たりへの期待度を示す特別演出をおこなう。予告演出は、当該予告演出につづいておこなわれる特別演出の演出内容や大当たりへの期待度などを示唆するための演出である。具体的には、たとえば、予告演出としては、ステップアップ予告や小キャラ予告などが挙げられる。ステップアップ予告や小キャラ予告の内容については公知であるため説明を省略する。また、特別演出としては、リーチ演出が挙げられる。リーチ演出では、たとえば、第1可動役物131や第2可動役物132を用いた演出がおこなわれる。
(第1可動役物の構成)
ここで、第1可動役物131の構成について説明する。図4−1は、本実施の形態の第1可動役物の正面図(その1)である。図4−2は、本実施の形態の第1可動役物の正面図(その2)である。
第1可動役物131は、第1駆動部410と、第1ガイド板420と、第2ガイド板430と、第1装飾部材440とを備える。第1駆動部410は、第1駆動モータ411と、駆動ギア412とを備えている。第1駆動モータ411は、供給された電気エネルギーを機械エネルギーに変換して、駆動ギア412を駆動回転させる。第1駆動モータ411としては、たとえば、パルスモータ(いわゆるステッピングモータ)を採用することができる。
第1ガイド板420において、第1駆動モータ411と対向する面にはギア部421が設けられている。ギア部421は駆動ギア412と歯合連結している。第1ガイド板420において、第2ガイド板430と対向する面(図4−1および図4−2において前面となる面)にはスライダ422が立設されている。スライダ422は第2ガイド板430の第2ガイド穴431に嵌め込まれる。また、第1ガイド板420には、第1装飾部材440に設けられたスライダ441が嵌め込まれる第1ガイド穴423が開口形成されている。
第2ガイド板430は、不図示の固定部によりぱちんこ遊技機100の枠体と固定されている。第2ガイド板430には、上述した第2ガイド穴431が第2ガイド板430の長手方向(図4−1および図4−2において左右方向)に伸びるように開口形成されている。第1ガイド板420に設けられたスライダ422が第2ガイド穴431に沿ってスライドすることで、第1ガイド板420は、第2ガイド板430に対して図4−1での左右方向(第2ガイド板430の長手方向)に往復動作が可能な状態とされている。
また、第2ガイド板430には第3ガイド穴432が開口形成されており、この第3ガイド穴432には第1装飾部材440に設けられたスライダ441が嵌め込まれる。さらに、第2ガイド板430には軸受部433が設けられており、軸受部433は第1装飾部材440に設けられた軸部J1を軸支する。
第1装飾部材440において、第2ガイド板430と対向する面(図4−1および図4−2において背面となる面)には上述した軸部J1とスライダ441とが立設されている。軸部J1は軸受部433に軸支されており、第1装飾部材440は、軸部J1を軸心として第2ガイド板430に対して回転可能な状態とされる。また、スライダ441は、第3ガイド穴432を介して、第1ガイド穴423に嵌め込まれている。つまり、スライダ441は、第1ガイド穴423および第3ガイド穴432の双方によって動作が規制される。
図4−1において、第1駆動モータ411が反時計周りに回転して、第1ガイド板420が右方向へ移動すると、スライダ441は第3ガイド穴432および第1ガイド穴423に沿ってスライドする。このため、第1装飾部材440は軸部J1を軸心として、図4−2に示す位置へ向けて回転する。本実施の形態において、図4−1に示す位置を第1可動役物131の基準位置(たとえば原点位置)とする。図4−2に示す位置を第1可動役物131の進出位置とする。
第1可動役物131近傍には第1役物センサS1が設けられている。第1役物センサS1は、基準位置となった第1可動役物131を検出する。たとえば、第1役物センサS1としては、フォトセンサなどの非接触式センサを採用することができる。この場合、第1役物センサS1は、同方向を向いた受光素子と発光素子とを備え、発光素子が発光した光を第1ガイド板420に当てて、反射してくる光の有無を受光素子で検知することにより、基準位置となった第1可動役物131を検出することができる。
(第2可動役物の構成)
つぎに、第2可動役物132の構成について説明する。図5−1は、本実施の形態の第2可動役物の背面図(その1)である。図5−2は、本実施の形態の第2可動役物の背面図(その2)である。
第2可動役物132は、第2駆動部510と、第2装飾部材520とを備える。第2駆動部510は、第2駆動モータ511と、回転板512と、スライドギア513と、駆動ギア515と、駆動ギア516とからなる。第2駆動モータ511は、供給された電気エネルギーを機械エネルギーに変換して、回転軸J2を回転させることにより回転板512を回転させる。第2駆動モータ511としては、たとえば、パルスモータを採用することができる。
回転板512のスライドギア513と対向する面には突起512aが立設されている。この突起512aは、スライドギア513に開口形成された開口部514に嵌め込まれている。これにより、回転板512が回転すると、突起512aが開口部514を介してスライドギア513に駆動力を伝達し、スライドギア513を駆動させる。
駆動ギア515は、スライドギア513のギア部513aと歯合連結するギア515aと、第2装飾部材520のギア部520aと歯合連結するギア515bとからなる。ギア515aとギア515bとは一体に形成されており、一方が回転したときに他方も回転するようになっている。
駆動ギア516は、スライドギア513のギア部513bと歯合連結するギア516aと、第2装飾部材520のギア部520bと歯合連結するギア516bとからなる。ギア516aとギア516bとは一体に形成されており、一方が回転したときに他方も回転するようになっている。
第2装飾部材520には、第2装飾部材520の駆動方向(図5−1において上下方向)に沿って、ギア部520aとギア部520bとが設けられている。また、図示は省略するが、第2装飾部材520の前面(図5−1に図示した面の背面)には、ランプなどが設けられている。
図5−1において、第2駆動モータ511が反時計周りまたは時計周りに回転し、この回転にしたがって回転板512も回転すると、スライドギア513は図5−1において下方向に移動する。スライドギア513が下方向に移動すると、駆動ギア515は時計周りに回転し、駆動ギア516は反時計周りに回転する。これにより、第2可動役物520は、図5−2に示す位置へ向けて移動する。本実施の形態2において、図5−1に示す位置を第2可動役物520の基準位置とする。
第2可動役物132近傍には第2役物センサS2が設けられている。第2役物センサS2は、基準位置となった第2可動役物132を検出する。たとえば、第2役物センサS2としては、フォトセンサなどの非接触式センサを採用することができる。この場合、第2役物センサS2は、同方向を向いた受光素子と発光素子とを備え、発光素子が発光した光を第2装飾部材520に当てて、反射してくる光の有無を受光素子で検知することにより、基準位置となった第2可動役物132を検出することができる。
(ぱちんこ遊技機による可動役物の駆動制御の概要)
つぎに、図6を用いて、ぱちんこ遊技機100による第1可動役物131および第2可動役物132の駆動制御の概要について説明する。図6は、本実施の形態のぱちんこ遊技機による可動役物の駆動制御の概要を示す説明図である。
図6において、時間t1は、第1可動役物131または第2可動役物132の動作中を示している。動作中とは、第1駆動モータ411を駆動回転させることであり、たとえば、基準位置へ復帰させるための予め設定された一連の復帰動作や、演出時の一連の演出動作のほか、エラーなどによる動作である。
なお、動作中とは、必ずしも第1駆動モータ411が駆動していることは必要とはせず、一連の動作における駆動停止時も含む。具体的には、第1駆動モータ411が正転および逆転を繰り返す一連の動作における、正転および逆転を切り替える際の駆動停止時も「動作中」に含む。
第1可動役物131が動作中である間は、第1可動役物131を動作させるための役物演出コマンドの発行が禁止される。また、第2可動役物132が動作中である間は、第2可動役物132を動作させるための役物演出コマンドの発行が禁止される。
時間t2以降は、第1可動役物131または第2可動役物132の動作が終了した状態を示している。時間t2以降において、第1可動役物131の動作が終了していれば、第1可動役物131を用いた演出をおこなうための役物演出コマンドの発行が可能となる。また、時間t2以降において、第2可動役物132の動作が終了していれば、第2可動役物132を用いた演出をおこなうための役物演出コマンドの発行が可能となる。
(ぱちんこ遊技機の内部構成)
つぎに、上述した動作を実現するためのぱちんこ遊技機100の詳細な内部構成の一例について説明する。図7は、本実施の形態のぱちんこ遊技機の内部構成を示すブロック図(その1)である。図7に示すように、ぱちんこ遊技機100の制御部700は、遊技の進行を制御する主制御部701と、賞球の払い出しを制御する賞球制御部702と、演出の進行を制御する演出制御部703とを備えている。以下にそれぞれの制御部について詳細に説明する。
(1.主制御部)
主制御部701は、CPU(Central Processing Unit)711と、ROM(Read Only Memory)712と、RAM(Random Access Memory)713と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU711は、遊技の進行に関する各種プログラムなどをROM712から読み出し、RAM713をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。
また、主制御部701には、遊技球を検出する各種スイッチ(以下「SW」と略す)が接続されている。たとえば、主制御部701には、第1始動口105へ入賞した遊技球を検出する第1始動口SW714aと、第2始動口106へ入賞した遊技球を検出する第2始動口SW714bと、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートSW715と、大入賞口109へ入賞した遊技球を検出する大入賞口SW716と、普通入賞口110へ入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW717とが接続されている。
各種SW714〜717は、遊技球を検出したか否かを示す検出信号を主制御部701へ入力する。たとえば、各種SW714〜717としては近接スイッチを採用することができる。主制御部701は、各種SW714〜717から入力される検出信号に基づき、大当たり抽選を受けるための特図判定用情報(後述)を記憶したり、普通図柄抽選を受けるための普図判定用情報(後述)を記憶したりする。そして、記憶された特図判定用情報に基づき大当たり抽選をおこなったり、記憶された普図判定用情報に基づき普通図柄抽選をおこなったりする。さらに、主制御部701は、第1始動口105や第2始動口106や大入賞口109や普通入賞口110へ入賞した遊技球に対する賞球の払い出し指示をおこなう。
また、主制御部701には、電動チューリップ107や大入賞口109などの電動役物を駆動させる各種ソレノイドが接続されている。たとえば、主制御部701には、電動チューリップ107を開閉動作させる電動チューリップソレノイド718と、大入賞口109を開閉動作させる大入賞口ソレノイド719とが接続されている。
主制御部701は、普通図柄抽選の抽選結果に基づき電動チューリップソレノイド718に電流を印加したり、この印加を解除したりする。また、大当たり抽選の抽選結果に基づき大入賞口ソレノイド719に電流を印加したり、この印加を解除したりする。電動チューリップソレノイド718や大入賞口ソレノイド719は、電気エネルギーを機械的な運動に変換して、電動チューリップ107を開閉動作させたり、大入賞口109を開閉動作させたりする。
また、主制御部701には、特別図柄や普通図柄を表示するための各種図柄表示部が接続される。たとえば、主制御部701には、第1特別図柄を表示する第1特別図柄表示部201aと、第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示部201bと、普通図柄を表示する普通図柄表示部202と、記憶されている特図判定用情報の数(以下「特図判定用情報数」という)や普図判定用情報数(以下「普図判定用情報数」という)を表示する保留数表示部203などが接続される。
主制御部701は、大当たり抽選の抽選結果に基づき、第1特別図柄表示部201aの表示制御をおこなったり、第2特別図柄表示部201bの表示制御をおこなったりする。また、主制御部701は、普通図柄抽選の抽選結果に基づき、普通図柄表示部202の表示制御をおこなう。特図判定用情報数や普図判定用情報数に基づき、保留数表示部203の表示制御をおこなう。
ここで、主制御部701のROM712に記憶されてCPU711が実行するプログラムの一例と、各プログラムを実行することでRAM713に記憶される情報の一例について説明する。以下で説明するプログラムなどは、本実施の形態で重要となるもののみを説明している。ROM712には以下で説明するプログラムのほかにも不図示のプログラムが多数記憶されており、RAM713には以下で説明する記憶領域のほかにも不図示の記憶領域が多数設定されている。
ROM712には、メイン処理プログラム712aと、タイマ割込処理プログラム712bとが記憶されている。メイン処理プログラム712aは、ぱちんこ遊技機100への電力の供給にともなって、主制御部701のCTC(タイマカウンタ)などの内蔵デバイスの初期設定をおこなわせ、この設定内容を示す設定情報を設定記憶領域713aに記憶させる。たとえば、ここで、設定情報にはタイマ割込処理プログラム712bを実行する周期などを示す情報が含まれる。
また、メイン処理プログラム712aは、ぱちんこ遊技機100への電源の遮断を監視させ、電源が遮断された場合にはバックアップ情報を生成させて、このバックアップ情報をバックアップ記憶領域713bに記憶させる。RAM713にはバックアップ電源(不図示)などにより、ぱちんこ遊技機100の電源が遮断されても一定期間(たとえば1日)電源が供給されるようになっている。このため、RAM713は、ぱちんこ遊技機100の電源が遮断されても一定期間、バックアップ記憶領域713bに記憶されたバックアップ情報を保持できる。
また、RAM713には、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)などの不揮発性のRAMや、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリを採用することもできる。この場合、RAM713は、バックアップ電源がなくともバックアップ記憶領域713bに記憶されたバックアップ情報を保持できる。
タイマ割込処理プログラム712bは、メイン処理プログラム712aにより設定記憶領域713aに記憶された周期で、メイン処理プログラム712aに対して割り込み実行される。タイマ割込処理プログラム712bは、乱数更新処理プログラム712cや、スイッチ処理プログラム712d、図柄処理プログラム712i、電動役物制御処理プログラム712l、賞球処理プログラム712p、出力処理プログラム712qなどのサブプログラムを順次実行させる。
乱数更新処理プログラム712cは、特別図柄用当たり乱数(以下「特図当たり乱数」と略す)、特別図柄用図柄乱数(以下「特図図柄乱数」と略す)、変動パターン乱数、普通図柄用当たり乱数(以下「普図当たり乱数」と略す)、普通図柄用図柄乱数(以下「普図図柄乱数」と略す)など、主制御部701が管理する各種乱数取得用のカウンタのカウント値を更新させる。たとえば、乱数更新処理プログラム712cは、1回実行されるごとに、カウンタ記憶領域713cに記憶された各乱数カウンタの各カウント値に「1」を加算させる。
図8は、カウンタ記憶領域の記憶内容の一例を示す説明図である。カウンタ記憶領域713cには、特図当たり乱数カウンタC1、特図図柄乱数カウンタC2、変動パターン乱数カウンタC3、普図当たり乱数カウンタC4、普図図柄乱数カウンタC5など、主制御部701が管理する乱数カウンタのカウント値が記憶されている。
乱数更新処理プログラム712cは、乱数更新処理プログラム712cが実行されるごと(たとえば4msecごと)に各乱数カウンタC1〜C5のカウント値を「+1」カウントアップした内容で、カウンタ記憶領域713cを更新させる。また、乱数更新処理プログラム712cは、各乱数カウンタC1〜C5のカウント値が所定値に達したときには、たとえば「0」にカウント値を戻させ、再度同様のカウントアップをおこなわせる。
本実施の形態においては一例として、特図当たり乱数を「0〜299」の範囲内でカウントさせるものとする。特図図柄乱数および変動パターン乱数をそれぞれ「0〜99」の範囲内でカウントさせるものとする。普図当たり乱数および普図図柄乱数をそれぞれ「0〜9」の範囲内でカウントさせるものとする。
また、乱数更新処理プログラム712cはさらに初期値乱数をカウントさせてもよい。ここで、初期値乱数は、特図当たり乱数や普図当たり乱数が所定値(本実施の形態では特図当たり乱数は「299」、普図当たり乱数は「9」)に達した際に、特図当たり乱数カウンタC1や普図当たり乱数カウンタC4をいずれの値に戻すかを決定するための乱数とする。たとえば、この場合、乱数更新処理プログラム712cは、特図当たり乱数カウンタC1のカウント値が所定値に達した際には、初期値乱数と同値となるような値に特図当たり乱数カウンタC1のカウント値を戻す。
スイッチ処理プログラム712dは、始動口スイッチ処理プログラム712e、ゲートスイッチ処理プログラム712f、大入賞口スイッチ処理プログラム712g、普通入賞口スイッチ処理プログラム712hなどのサブプログラムを順次実行させる。
始動口スイッチ処理プログラム712eは、第1始動口SW714aにより第1始動口105に入賞した遊技球が検出されたタイミングで、カウンタ記憶領域713cの特図当たり乱数カウンタC1、特図図柄乱数カウンタC2、変動パターン乱数カウンタC3の各カウンタのカウント値を特図判定用情報として取得させ、取得された特図判定用情報をRAM713の特図判定用情報記憶領域713dに記憶させる。
また、始動口スイッチ処理プログラム712eは、第2始動口SW714bにより第2始動口106に入賞した遊技球が検出された際も同様に、カウンタ記憶領域713cの特図当たり乱数カウンタC1、特図図柄乱数カウンタC2および変動パターン乱数カウンタC3の各カウンタのカウント値を特図判定用情報として取得させる。そして、取得された特図判定用情報をRAM713の特図判定用情報記憶領域713dに記憶させる。
図9は、特図判定用情報記憶領域の記憶内容の一例を示す説明図である。特図判定用情報記憶領域713dは、特図判定用情報格納領域TJ1〜TJ8からなる。特図判定用情報格納領域TJ1〜TJ8には、第1始動口105や第2始動口106に遊技球が入賞したタイミングで取得された、特図当たり乱数カウンタC1、特図図柄乱数カウンタC2および変動パターン乱数カウンタC3(図8参照)の各カウンタのカウント値が関連づけられ、特図判定用情報として記憶される。
また、特図判定用情報格納領域TJ1〜TJ8には、それぞれの特図判定用情報取得の契機となった入賞が、第1始動口105に対するものであったか第2始動口106に対するものであったかも記憶される(入賞始動口)。特図判定用情報格納領域TJ1〜TJ8には、第1始動口105および第2始動口106のそれぞれの始動口ごとに4つを上限として、最大8つまでの特図判定用情報を記憶することができるようになっている。
また、特図判定用情報格納領域TJ1〜TJ8には、特図当たり判定を受けるための優先順位が設定されている。図示の例では、特図判定用情報格納領域TJ1から特図判定用情報格納領域TJ2、特図判定用情報格納領域TJ3…特図判定用情報格納領域TJ8といったように、番号が若い特図判定用情報格納領域に記憶された特図判定用情報ほど、特図当たり判定を受けるための優先順位が高く設定されている。
本実施の形態では、時系列的に、先に入賞して取得された特図判定用情報の方から、番号が若い特図判定用情報格納領域に記憶される。また、本実施の形態では、第2始動口106への入賞を契機として取得された特図判定用情報が、第1始動口105への入賞を契機として取得された特図判定用情報よりも番号が若い特図判定用情報格納領域に記憶される。
ゲートスイッチ処理プログラム712fは、ゲートSW715によりゲート108を通過した遊技球が検出されたタイミングで、カウンタ記憶領域713cの普図当たり乱数カウンタC4および普図図柄乱数カウンタC5(図8参照)のカウント値を普通図柄判定用情報として取得させ、取得された普通図柄判定用情報をRAM713の普図判定用情報記憶領域713fに記憶させる。
図10は、普図判定用情報記憶領域の記憶内容の一例を示す説明図である。普図判定用情報記憶領域713fは、普図判定用情報格納領域FJ1〜FJ4からなる。普図判定用情報格納領域FJ1〜FJ4には、ゲート108を遊技球が通過したタイミングで取得された、普図当たり乱数カウンタC4と普図図柄乱数カウンタC5とのカウント値が普図判定用情報として関連づけられて記憶される。普図判定用情報格納領域FJ1〜FJ4には、4つを上限として普図判定用情報を記憶することができるようになっている。
また、普図判定用情報格納領域FJ1〜FJ4には、普図当たり判定を受けるための優先順位が設定されている。図示の例では、普図判定用情報格納領域FJ1から普図判定用情報格納領域FJ2…普図判定用情報格納領域FJ4といったように、番号が若い普図判定用情報格納領域に記憶された普図判定用情報ほど、普図当たり判定を受けるための優先順位が高く設定されている。本実施の形態では、時系列的に、先に取得された普図判定用情報の方から、番号が若い普図判定用情報格納領域に記憶される。
大入賞口スイッチ処理プログラム712gは、大入賞口SW716により大入賞口109に入賞した遊技球を検出させ、普通入賞口スイッチ処理プログラム712hは、普通入賞口SW717により普通入賞口110に入賞した遊技球を検出させる。
図柄処理プログラム712iは、特別図柄処理プログラム712j、普通図柄処理プログラム712kを順次実行させる。特別図柄処理プログラム712jは、特図判定用情報記憶領域713dに記憶されている特図判定用情報を用いて、特図当たり判定、特図当たり図柄判定、特図変動パターン判定を順次おこなわせ、これらの判定結果を特図判定結果記憶領域713eに記憶させる。そして、これらの判定結果に基づき、特別図柄表示部201に表示させた特別図柄の変動表示および停止表示をおこなわせる。
特別図柄処理プログラム712jは、特図判定用情報記憶領域713dに複数の特図判定用情報が記憶されている場合、もっとも優先順位の高く設定された特図判定用情報格納領域TJ1に記憶された特図判定用情報を用いて、特図当たり判定、特図当たり図柄判定、特図変動パターン判定を順次おこなわせる。
具体的に、特別図柄処理プログラム712jでは、まず、ROM712に記憶された特図当たり判定テーブルTAtと特図判定用情報の特図当たり乱数とを比較させる。ここで、ROM712に記憶された特図当たり判定テーブルTAtについて説明する。
図11−1は、特図当たり判定テーブルの一例を示す説明図(その1)である。図11−2は、特図当たり判定テーブルの一例を示す説明図(その2)である。特図当たり判定テーブルTAtは、図11−1に示す低確率特図当たり判定テーブルTAt1と、図11−2に示す高確率特図当たり判定テーブルTAt2とから構成される。
低確率特図当たり判定テーブルTAt1および高確率特図当たり判定テーブルTAt2は、大当たり(特図当たり)に対して、所定の判定値を対応づけて構成される。ここで、低確率特図当たり判定テーブルTAt1および高確率特図当たり判定テーブルTAt2の判定値は、特図当たり判定における大当たりに対する当選確率を定めている。
具体的に、特図当たり判定において、大当たりに対する当選確率は、それぞれに対応づけられた判定値の個数によって定められる。特図当たり乱数の取り得る範囲「0〜299」のうち、低確率特図当たり判定テーブルTAt1では大当たりに対して判定値「0(1個)」を割り当てている。一方、高確率特図当たり判定テーブルTAt2では大当たりに対して判定値「0〜9(10個)」を割り当てている。
特別図柄処理プログラム712jは、特図当たり判定時に、高確率遊技状態(確変遊技状態および特殊遊技状態)であることを示す高確遊技フラグがOFFに設定されていた場合には、低確率特図当たり判定テーブルTAt1を用いて特図当たり判定をおこなわせる。特図当たり判定時に高確遊技フラグがONに設定されていた場合には、高確率特図当たり判定テーブルTAt2を用いて特図当たり判定をおこなわせる。
特別図柄処理プログラム712jは、特図当たり判定において、特図当たり乱数が大当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には大当たりに当選したと判定させる。一方、特図当たり乱数が大当たりの判定値にも一致しない場合には大当たりに落選した(ハズレ)と判定させる。
このため、低確率特図当たり判定テーブルTAt1を用いて特図当たり判定をおこなった場合、1/300の確率で大当たりに当選するようになる。また、高確率特図当たり判定テーブルTAt2を用いて特図当たり判定をおこなった場合、10/300(=1/30)の確率で大当たりに当選するようになる。
また、特別図柄処理プログラム712jは、特図当たり判定で大当たりに当選した場合、つづいて、ROM712に記憶された特図当たり図柄判定テーブルTZtと特図判定用情報の特図図柄乱数とを比較させる。ここで、ROM712に記憶された特図当たり図柄判定テーブルTZtについて説明する。
図12−1は、特図当たり図柄判定テーブルの一例を示す説明図(その1)である。図12−2は、特図当たり図柄判定テーブルの一例を示す説明図(その2)である。特図当たり図柄判定テーブルTZtは、図12−1に示す第1特図当たり図柄判定テーブルTZt1と、図12−2に示す第2特図当たり図柄判定テーブルTZt2とから構成される。
第1特図当たり図柄判定テーブルTZt1および第2特図当たり図柄判定テーブルTZt2は、各大当たりの種別(図示の例では16R長当たり、16R短当たり、4R短当たり)に対して、所定の判定値を対応づけて構成される。ここで、第1特図当たり図柄判定テーブルTZt1および第2特図当たり図柄判定テーブルTZt2の判定値は、特図当たり図柄判定における各大当たりの種別に対する当選確率を定めている。
具体的に、特図当たり図柄判定において、それぞれの種別の大当たりに対する当選確率は、それぞれの大当たりに対応づけられた判定値の個数によって定められる。特図図柄乱数の取り得る範囲「0〜99」のうち、第1特図当たり図柄判定テーブルTZt1では16R長当たりに対して判定値「0〜19(20個)」を割り当てている。また、第1特図当たり図柄判定テーブルTZt1では16R短当たりに対して判定値「20〜49(30個)」を割り当て、4R短当たりに対して判定値「50〜99(50個)」を割り当てている。
一方、第2特図当たり図柄判定テーブルTZt2では、特図図柄乱数の取り得る範囲「0〜99」のうち、16R長当たりに対して判定値「0〜49(50個)」を割り当てている。また、第2特図当たり図柄判定テーブルTZt2では16R短当たりに対して判定値の割り当てがなく、4R短当たりに対して判定値「50〜99(50個)」を割り当てている。
特別図柄処理プログラム712jは、判定対象の特図判定用情報の入賞始動口が第1始動口105であった場合には、第1特図当たり図柄判定テーブルTZt1を用いて特図当たり図柄判定をおこなわせる。判定対象の特図判定用情報の入賞始動口が第2始動口106であった場合には、第2特図当たり図柄判定テーブルTZt2を用いて特図当たり図柄判定をおこなわせる。
特別図柄処理プログラム712jは、特図当たり図柄判定において、特図判定用情報の特図図柄乱数が16R長当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には、16R長当たりに当選したと判定させる。特図判定用情報の特図図柄乱数が16R短当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には、16R短当たりに当選したと判定させる。4R短当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には、4R短当たりに当選したと判定させる。
第1特図当たり図柄判定テーブルTZt1を用いて特図当たり図柄判定をおこなった場合、もっとも多くの賞球を獲得することが可能な大当たりである16R長当たりには20/100で当選する。第2特図当たり図柄判定テーブルTZt2を用いて特図当たり図柄判定をおこなった場合、16R長当たりには50/100で当選する。つまり、ぱちんこ遊技機100では第2始動口106へ入賞した場合、第1始動口105に入賞するよりも、16R長当たりに当選し易くした大当たり抽選、言い換えれば、遊技者にとって有利な大当たり抽選がおこなわれるようにしている。
つづいて、特別図柄処理プログラム712jは、特図変動パターン判定テーブルTHtと、特図判定用情報の変動パターン乱数とを比較させる。図13−1は、特図変動パターン判定テーブルの一例を示す説明図(その1)である。図13−2は、特図変動パターン判定テーブルの一例を示す説明図(その2)である。
特図変動パターン判定テーブルTHtは、図13−1に示すハズレ用特図変動パターン判定テーブルTHt1と、図13−2に示す大当たり用特図変動パターン判定テーブルTHt2とから構成される。ハズレ用特図変動パターン判定テーブルTHt1および大当たり用特図変動パターン判定テーブルTHt2は、各特図変動パターンTHp1〜THp7に対して、変動パターン乱数の取り得る範囲「0〜99」に対して、所定の判定値を対応づけて構成される。ここで、特図変動パターンTHp1〜THp7は、特別図柄の変動態様を定めたものである。たとえば、特図変動パターンTHp1〜THp7は、特別図柄の変動時間(変動させる時間尺)を定めたものとすることができる。
ハズレ用特図変動パターン判定テーブルTHt1および大当たり用特図変動パターン判定テーブルTHt2の判定値は、特図変動パターン判定における各特図変動パターンTHp1〜THp7に対する当選確率を定めている。具体的に、特図変動パターン判定において、各特図変動パターンTHp1〜THp7の当選確率は、それぞれに対応づけられた判定値の個数によって定められる。
特別図柄処理プログラム712jは、特図当たり判定の判定結果がハズレの場合には、ハズレ用特図変動パターン判定テーブルTHt1を用いて特図変動パターン判定をおこなわせる。特図当たり判定の判定結果が大当たりの場合には、大当たり用特図変動パターン判定テーブルTHt2を用いて特図変動パターン判定をおこなわせる。
ハズレ用特図変動パターン判定テーブルTHt1および大当たり用特図変動パターン判定テーブルTHt2において、時間尺の長い変動時間を定めた特図変動パターンほど、大当たり時には判定され易く、ハズレ時には判定され難くなっている。換言すれば、ぱちんこ遊技機100では、時間尺の長い変動時間を定めた特図変動パターンほど、大当たりに対する期待度が高くなるように、各特図変動パターンTHp1〜THp7の判定値を定めている。
また、特図変動パターンTHp1と特図変動パターンTHp2とには、判定条件が対応づけられている。この判定条件は、変動パターン乱数が「0〜69」の場合に、特図変動パターンTHp1を特図変動パターン判定の判定結果として導出するか、特図変動パターンTHp2を特図変動パターン判定の判定結果として導出するかを定めている。
たとえば、ここで、判定条件としては特図判定用情報数Uが用いられ、特図変動パターンTHp1には特図判定用情報数Uが「2」未満(U<2)となるような判定条件が定められている。特図変動パターンTHp2には特図判定用情報数Uが「2」以上(U≧2)となるような判定条件が定められている。
このため、ぱちんこ遊技機100では、変動パターン乱数が「0〜69」の場合、特図判定用情報数Uが「2」未満であれば特図変動パターンTHp1が特図変動パターン判定の判定結果として導出される。一方、そのときの特図判定用情報数Uが「2」以上であれば特図変動パターンTHp2が特図変動パターン判定の判定結果として導出される。
ぱちんこ遊技機100では、特に電チューサポート機能付きの遊技状態において、特図判定用情報数Uが「2」以上となる状態が往々にして発生する。このような場合、特図変動パターンTHp1の変動時間(10秒間)よりも短い特図変動パターンTHp2の変動時間(4秒間)により変動をおこなうことで、迅速な遊技の進行を可能にしている。一方、特図判定用情報数が少ないときには、特図変動パターンTHp1の変動をおこなうことで、遊技球が始動口へ入賞するための時間を稼ぐようにしている。
また、ここでの図示および詳細な説明は省略するが、たとえば、電チューサポート機能付きの遊技状態と、電チューサポート機能なしの遊技状態とで、それぞれ異なる特図変動パターン判定テーブルを設けてもよい。この場合、遊技状態に応じて、特図変動パターン判定に用いる特図変動パターン判定テーブルを切り替える。また、第1始動口105に入賞して取得された特図判定用情報に対して用いる特図変動パターン判定テーブルと、第2始動口106に入賞して取得された特図判定用情報に対して用いる特図変動パターン判定テーブルとで、それぞれ異なる特図変動パターン判定テーブルを設けてもよい。
特別図柄処理プログラム712jは、特図当たり判定、特図当たり図柄判定、特図変動パターン判定をおこなわせると、これらの判定結果を特図判定結果記憶領域713eに記憶させる。
図14は、特図判定結果記憶領域の一例を示す説明図である。特図判定結果記憶領域713eには、特図当たり判定の判定結果、特図当たり図柄判定の判定結果、特図変動パターン判定の判定結果が対応づけられて記憶される。なお、特図判定結果記憶領域713eには、特図当たり判定の判定結果および特図当たり図柄判定の判定結果の双方をあらわす図柄を示す情報を記憶するようにしてもよい。たとえば、この場合、16R長当たりでは「1」という図柄を記憶し、16R短当たりでは「2」という図柄を記憶する。また、4R短当たりでは「3」という図柄を記憶し、ハズレでは「−」という図柄を記憶する。
特別図柄処理プログラム712jは、特図判定結果記憶領域713eに記憶された判定結果を用いて、特別図柄の表示制御をおこなわせる。ここでは、特図変動パターンが定めた変動時間だけ特別図柄の変動をおこなった後、特図当たり判定の判定結果および特図当たり図柄判定の判定結果の双方をあらわす図柄で特図図柄を停止させる。
普通図柄処理プログラム712kは、普図判定用情報記憶領域713fに記憶されている普図判定用情報を用いて、普図当たり判定、普図当たり図柄判定、普図変動パターン判定を順次おこなわせ、これらの判定結果を普図判定結果記憶領域713gに記憶させる。そして、これらの判定結果に基づき、普通図柄表示部202に表示させた普通図柄の変動表示および停止表示をおこなわせる。
普通図柄処理プログラム712kは、普図判定用情報記憶領域713fに複数の普図判定用情報が記憶されている場合、もっとも優先順位の高く設定された普図判定用情報格納領域FJ1に記憶された普図判定用情報を用いて、普図当たり判定、普図当たり図柄判定、普図変動パターン判定を順次おこなわせる。
具体的に、普通図柄処理プログラム712kでは、まず、ROM712に記憶された普図当たり判定テーブルFAtと普図判定用情報の普図当たり乱数とを比較させる。ここで、ROM712に記憶された普図当たり判定テーブルFAtは、普通図柄当たり(以下「普図当たり」と略す)に対して、普図当たりの当選確率を定めた所定の判定値を対応づけて構成される。
普通図柄処理プログラム712kは、普図当たり乱数が普図当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には普図当たりに当選したと判定させる。一方、普図当たり乱数が普図当たりに対応づけられた判定値と一致しない場合には普図当たりに落選した(ハズレ)と判定させる。また、普通図柄処理プログラム712kは、普図当たり判定時に、電チューサポート機能なし遊技状態であることを示す時短フラグがOFFに設定されているときと、時短遊技フラグがONに設定されているときとで、異なる普図当たり判定テーブルを用いて普図当たり判定をおこなわせてもよい。
また、普通図柄処理プログラム712kは、普図当たりに当選した場合、つづいて、ROM712に記憶された普図当たり図柄判定テーブルFZtと普図判定用情報の普図図柄乱数とを比較させる。ここで、普図当たり図柄判定テーブルFZtは、各普図当たりの種別(本実施の形態の例では長開放当たり、短開放当たり)に対して、各普図当たりの種別の当選確率を定めた所定の判定値を対応づけて構成される。
普通図柄処理プログラム712kは、普図判定用情報の普図図柄乱数が長開放当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には、長開放当たりに当選したと判定させる。普図判定用情報の普図図柄乱数が短開放当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には、短開放当たりに当選したと判定させる。
つづいて、普通図柄処理プログラム712kは、普図変動パターン判定テーブルFHtを参照して、普図変動パターンを判定させる。ここで、普図変動パターン判定テーブルFHtは、異なる普図変動パターン(たとえば普図変動パターンFHp1と普図変動パターンFHp2とする)に対して、各普図変動パターンが判定結果として導出されるための判定条件を対応づけて構成される。
ここで、普図変動パターンFHp1およびFHp2は、普通図柄の変動態様を定めたものである。たとえば、普図変動パターンFHp1およびFHp2は、普通図柄の変動時間を定めている。たとえば、普図変動パターンFHp1は変動時間「30秒」を定めており、普図変動パターンFHp2は変動時間「10秒」を定めているものとする。
たとえば、普通図柄処理プログラム712kは、電チューサポート機能なし遊技状態であるとき、普図変動パターン判定において、普図変動パターンFHp1(長い変動時間を定めた普図変動パターン)と判定させる。一方、普通図柄処理プログラム712kは、電チューサポート機能付き遊技状態であるとき、普図変動パターン判定において、普図変動パターンFHp2(短い変動時間を定めた普図変動パターン)と判定させる。
また、普通図柄処理プログラム712kは、普図当たり判定、普図当たり図柄判定、普図変動パターン判定をおこなわせると、これらの判定結果を普図判定結果記憶領域713gに記憶させる。そして、普通図柄処理プログラム712kは、普図判定結果記憶領域713gに記憶された判定結果などを用いて、普通図柄の表示制御をおこなわせる。ここでは、普図変動パターンが示す変動時間で普通図柄の変動をおこなった後、普図当たり判定の判定結果および普図当たり図柄判定の判定結果の双方をあらわす図柄で普通図柄を停止させる。
電動役物制御処理プログラム712lは、大入賞口処理プログラム712m、電動チューリップ処理プログラム712oなどのサブプログラムを順次実行させる。大入賞口処理プログラム712mは、特別図柄処理プログラム712jの処理結果に基づき大入賞口開放パターンを設定させ、この大入賞口開放パターンにしたがって大入賞口109を開閉動作させる。
大入賞口開放パターンテーブルKPt1は、各大当たりに対して、各大当たりによる大入賞口109の開放態様を定めた大入賞口開放パターンにより構成される。上述したように、ぱちんこ遊技機100は、16R長当たりと16R短当たりと4R短当たりとの3つの大当たりを有する。このため、大入賞口開放パターンテーブルKPt1は、16R長当たり用の大入賞口開放パターンと、16R短当たり用の大入賞口開放パターンと、4R短当たり用の大入賞口開放パターンとにより構成される。
たとえば、本実施の形態において、16R長当たり用の大入賞口開放パターンは、30秒間の大入賞口109の開放を16ラウンド分おこなわせることを定めた大入賞口開放パターンとなっている。16R短当たり用の大入賞口開放パターンは、0.5秒間の大入賞口109の開放を12ラウンド分おこなわせた後、30秒間の大入賞口109の開放を4ラウンド分おこなわせることを定めた大入賞口開放パターンとなっている。また、4R短当たり用の大入賞口開放パターンは、30秒間の大入賞口109の開放を4ラウンド分おこなわせることを定めた大入賞口開放パターンとなっている。
大入賞口処理プログラム712mは、16R長当たりに当選した場合は、16R長当たり用の大入賞口開放パターンを設定させて、この大入賞口開放パターンにしたがって大入賞口109を開閉動作させる。16R短当たりに当選した場合は、16R短当たり用の大入賞口開放パターンを設定させて、この大入賞口開放パターンにしたがって大入賞口109を開閉動作させる。4R短当たりに当選した場合は、4R短当たり用の大入賞口開放パターンを設定させて、この大入賞口開放パターンにしたがって大入賞口109を開閉動作させる。
また、大入賞口処理プログラム712mは、サブプログラムとして遊技状態設定処理プログラム712nを実行させる。遊技状態設定処理プログラム712nは、当選した大当たりに応じて高確フラグや時短フラグなどの遊技フラグを遊技フラグ記憶領域713hに設定させる。
電動チューリップ処理プログラム712oは、普通図柄処理プログラム712kの処理結果や遊技フラグの設定に基づき電動チューリップ開放パターンを設定させ、この電動チューリップ開放パターンにしたがって電動チューリップ107を開閉動作させる。
電動チューリップ開放パターンテーブルKPt2は、各普図当たりに対して、各普図当たりによる電動チューリップ107の開放態様を定めた電動チューリップ開放パターンにより構成される。上述したように、ぱちんこ遊技機100は、長開放当たりと短開放当たりとの2つの普図当たりを有する。このため、電動チューリップ開放パターンテーブルKPt2は、長開放当たり用の電動チューリップ開放パターンと、短開放当たり用の電動チューリップ開放パターンとにより構成される。
たとえば、本実施の形態において、長開放当たり用の電動チューリップ開放パターンは、6秒間の電動チューリップ107の開放をおこなわせることを定めた電動チューリップ開放パターンとなっている。短開放当たり用(且つ電チューサポート機能なし遊技状態用)の電動チューリップ開放パターンは、0.5秒間の電動チューリップ107の開放をおこなわせることを定めた電動チューリップ開放パターンとなっている。短開放当たり用(且つ電チューサポート機能付き遊技状態用)電動チューリップ開放パターンは、3秒間の電動チューリップ107の開放をおこなわせることを定めた電動チューリップ開放パターンとなっている。
電動チューリップ処理プログラム712oは、長開放当たりに当選した場合は、長開放当たり用の電動チューリップ開放パターンを設定させ、この電動チューリップ開放パターンにしたがって電動チューリップ107を開閉動作させる。短開放当たりに当選して時短遊技フラグがOFFであると、短開放当たり用(且つ電チューサポート機能なし遊技状態用)の電動チューリップ開放パターンを設定させ、この電動チューリップ開放パターンにしたがって電動チューリップ107を開閉動作させる。短開放当たりに当選して時短遊技フラグがONであると、短開放当たり用(且つ電チューサポート機能付き技状態用)の電動チューリップ開放パターンを設定させ、この電動チューリップ開放パターンにしたがって電動チューリップ107を開閉動作させる。
賞球処理プログラム712pは、第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109、普通入賞口110の各入賞口への入賞に対して、所定個数の賞球を払い出させるための払い出し指示(賞球コマンド)を、賞球情報記憶領域713iに設定させる。
出力処理プログラム712qは、RAM713に設定された各記憶領域の記憶内容を示す情報などを主制御部701に接続された各制御部(たとえば賞球制御部702、演出制御部703)に対して出力させる。
また、上述した始動口スイッチ処理プログラム712eは、サブプログラムとして事前判定処理プログラム(不図示)を実行してもよい。ここで、事前判定処理プログラムは、特図判定用情報記憶領域713dに記憶された各特図判定用情報に対する、特図当たり判定、特図当たり図柄判定、特図変動パターン判定を順次実行させ、これらの判定結果を事前判定記憶領域(不図示)に記憶させる。
また、主制御部701は、RAM713に設定された各記憶領域の記憶内容を示す情報を、盤用外部情報端子基板791を介して外部(たとえば遊技場のホールコンピュータ)に出力してもよい。主制御部701は、たとえば、主制御基板によりその機能を実現することができる。
(2.賞球制御部)
賞球制御部702は、CPU721と、ROM722と、RAM723と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU721は、主制御部701からの払い出し指示(たとえば賞球コマンド)に基づき、賞球の払い出し制御に関する各種プログラムをROM722から読み出し、RAM723をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。
また、賞球制御部702には、遊技球を検出する各種SWが接続されている。たとえば、賞球制御部702には、所定位置の遊技球を検出する定位置検出SW724と、払い出した遊技球を検出する払出球検出SW725と、枠体前面に設けられた打球供給皿120内の遊技球の有無を検出する球有り検出SW726と、打球供給皿120が遊技球で満たされていることを検出する満タン検出SW727とが接続されている。
各種SW724〜727は、遊技球を検出したか否かを示す検出信号を賞球制御部702へ入力する。たとえば、各種SW724〜727としては近接スイッチを採用することができる。賞球制御部702は、主制御部701から出力された払い出し指示や、各種SW724〜727から入力される検出信号に基づき、賞球を払い出したり、賞球の払い出しをやめたりする。また、賞球制御部702は、各種SW724〜727から入力される検出信号を主制御部701へ出力してもよい。
また、賞球制御部702には、発射部728や払出部729が接続される。発射部728は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による発射操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイドなどを備える。賞球制御部702は、発射部728に対する遊技者の発射操作を検出すると、遊技球を発射するように発射部728を制御する。この際に、賞球制御部702は、遊技球を間欠的(たとえば1分間に100発)に遊技盤101の遊技領域103に向けて遊技球を発射させるように制御する。
払出部729は、遊技球を貯留する不図示の貯留部から所定数を払い出すものであり、払出駆動モータなどを備える。賞球制御部702は、払出部729の払出駆動モータを駆動させることで、各入賞口(第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109、普通入賞口110)に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出すように払出部729を制御する。
また、賞球制御部702は枠用外部情報端子基板792と接続され、賞球制御部702の処理結果をあらわす情報などを、枠用外部情報端子基板792を介して外部(たとえば遊技場のホールコンピュータ)に出力してもよい。たとえば、賞球制御部702は、賞球制御基板によってその機能を実現する。
(3.演出制御部)
(3−1.演出統括部)
図15は、本実施の形態のぱちんこ遊技機の内部構成を示すブロック図(その2)である。演出制御部703は、演出制御部703全体を統括制御する演出統括部703aと、画像表示部104の表示制御やスピーカ114の音声出力制御などをおこなう画像・音声制御部703bと、可動役物(第1可動役物131、第2可動役物132)の駆動制御や演出ライト部115のランプの点灯制御などをおこなうランプ制御部703cとを備えている。
演出統括部703aは、CPU731と、ROM732と、RAM733と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU731は、ぱちんこ遊技機100がおこなう演出の制御に関する各種プログラムをROM732から読み出し、RAM733をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。
たとえば、演出統括部703aは、入出力I/Oを介して、主制御部701から出力されたコマンドを受信して、特図判定用情報に基づく判定の判定結果や普図判定用情報に基づく判定の判定結果を取得する。そして、取得された情報に基づき、実行対象の演出を決定して、この演出の開始を指示するコマンド(演出開始コマンドなど)をRAM733に設定する。演出統括部703aは、これらのコマンドを入出力I/Oを介して、画像・音声制御部703bやランプ制御部703cに対して出力する。
また、演出統括部703aには、遊技者からの操作を受け付けるための演出ボタン118や十字キー119が接続されている。演出ボタン118や十字キー119は、遊技者により操作(たとえば押下)されたキーに対応する制御信号を演出統括部703aへ入力する。演出統括部703aは、演出ボタン118や十字キー119から入力される制御信号に基づき、遊技者による操作を受け付けたことを示す操作コマンド(演出ボタンコマンドや十字キーコマンド)をRAM733に設定する。
ここで、演出統括部703aのCPU731が実行するプログラムの一例および各プログラムを実行することでRAM733に設定される情報の一例について説明する。以下で説明するプログラムなどは、本実施の形態で重要となるもののみを説明している。ROM732には以下で説明するプログラムのほかにも不図示のプログラムが多数記憶されており、RAM733には以下で説明する記憶領域のほかにも不図示の記憶領域が多数設定されている。
演出メイン処理プログラム732aは、演出統括部703a(ぱちんこ遊技機100)への電源の供給にともなって、演出統括部703aのCTCなどの内蔵デバイスの初期設定をおこなわせて、設定内容を設定記憶領域733aに記憶させる。
演出タイマ割込処理プログラム732bは、演出メイン処理プログラム732aにより設定記憶領域733aに記憶された周期で、演出メイン処理プログラム732aに対して割り込み実行される。演出タイマ割込処理プログラム732bは、特図コマンド受信処理プログラム732d、ランプコマンド受信処理プログラム732g、操作受付処理プログラム732j、コマンド出力処理プログラム732k、可動役物演出処理プログラム732lなどのサブプログラムを順次実行させる。
演出用乱数更新処理プログラム732cは、演出用乱数など、演出カウンタ記憶領域733bに記憶された演出統括部703aが管理する各種乱数取得用のカウンタのカウント値を更新させる。たとえば、演出用乱数更新処理プログラム732cは、1回実行されるごとに、演出用乱数カウンタのカウント値を「+1」カウントアップした内容で、演出カウンタ記憶領域733bを更新させる。また、演出用乱数カウンタのカウント値が所定値に達したときには、たとえば「0」にカウント値を戻させ、再度同様のカウントアップをおこなわせる。本実施の形態においては一例として、演出用乱数をたとえば「0〜99」の範囲内でカウントさせるものとする。
特図コマンド受信処理プログラム732dは、主制御部701から出力されたコマンドを受信させて、受信されたコマンドに基づき、判定結果記憶領域733cの記憶内容を更新させる。ここで、判定結果記憶領域733cには、主制御部701の特図判定結果記憶領域713eと同期させるための特図対応記憶領域733dが設けられている。たとえば、特図コマンド受信処理プログラム732dは、変動開始コマンドが受信された場合、この変動開始コマンドにも基づき特図対応記憶領域733dの記憶内容を特図判定結果記憶領域713eと同期させる。
また、特図コマンド受信処理プログラム732dは、判定結果記憶領域733cの記憶内容に基づき、演出開始処理プログラム732e、演出終了処理プログラム732f、大当たり演出処理プログラム732iを実行させる。
演出開始処理プログラム732eは、特図対応記憶領域733dの記憶内容に基づき、特別図柄の変動中におこなう演出の演出内容を判定させて、この演出内容を開始させる。たとえば、演出開始処理プログラム732eは、特図対応記憶領域733dの特図変動パターンを示す情報に基づき、複数の変動演出パターンが登録された変動演出パターンテーブルTEtの中から実行対象の演出の演出内容を定めた変動演出パターンを判定させる。
図16は、変動演出パターンテーブルの一例を示す説明図である。変動演出パターンテーブルTEtは、それぞれの変動演出パターンEp11〜Ep72に対して、特図変動パターンTHp1〜THp7を対応づけて構成される。ここで、変動演出パターンEp11〜Ep72は、ノーマルハズレ演出やリーチ演出など、特別演出の演出内容を定めたものである。
たとえば、本実施の形態において、変動演出パターンEp11は「ノーマルハズレ演出A」を定めており、変動演出パターンEp21は「ノーマルハズレ演出B」を定めている。また、変動演出パターンEp31は「低期待度リーチ演出A(第1可動役物)」を定めており、変動演出パターンEp32は「低期待度リーチ演出B(非役物)」を定めている。特図変動パターンTHp3に対して、変動演出パターンEp31または変動演出パターンEp32がそれぞれ選択される割合は「50/100」になっている。
変動演出パターンEp41は「中期待度リーチ演出A1(役物)」を定めており、変動演出パターンEp42は「中期待度リーチ演出B1(非役物)」を定めている。特図変動パターンTHp4に対して、変動演出パターンEp41または変動演出パターンEp42がそれぞれ選択される割合は「50/100」になっている。
同様に、特図変動パターンTHp5〜THp7についても、それぞれ複数の変動演出パターンが定められており、各変動演出パターンは、特図変動パターンTHpに対応して、それぞれ、ほぼ等しい割合で選択されるようになっている。
また、各変動演出パターンEp11〜Ep72には、それぞれが定めた演出をおこなわせるために、画像・音声制御部703bやランプ制御部703cに対して出力する演出コマンド(たとえば役物演出コマンドや表示コマンド)およびコマンドを出力するタイミングが対応づけられている。演出コマンドの詳細については、符号1601に示す高期待度リーチ演出A1を例に挙げて、図19−3を用いて後述する。
演出開始処理プログラム732eは、特図対応記憶領域733dの特図変動パターンを示す情報に基づき、この特図変動パターンに対応づけられた演出パターンを変動演出パターンテーブルTEtの中から判定させる。そして、この判定結果(演出パターン)を示す情報を含んだ演出開始コマンドを出力コマンド記憶領域733fに設定させる。また、演出開始処理プログラム732eは、変動演出パターンに対応づけられた演出用コマンドを出力コマンド記憶領域733fに設定させる。
さらに、演出開始処理プログラム732eは、演出用乱数を取得させ、この演出用乱数に基づき、演出用乱数に対応づけられた予告演出パターンを予告演出パターンテーブルYEtの中から判定させてもよい。この場合、たとえば、演出開始コマンドには、判定結果の予告演出パターンを示す情報が含まれる。なお、ここで、予告演出パターンは、たとえば、ステップアップ予告や小キャラ予告などの予告演出の演出内容を定めたものである。
演出終了処理プログラム732fは、演出開始処理プログラム732eにより開始された変動演出を終了させる。また、演出終了処理プログラム732fは、演出モードの設定などをおこなわせてもよい。
大当たり演出処理プログラム732iは、主制御部701から出力された大当たりに関するコマンド(たとえばオープニングコマンド)に基づき、大当たり中におこなう演出(以下「大当たり演出」という)の演出内容を判定させて、この演出内容の大当たり演出を開始させる。たとえば、大当たり演出処理プログラム732iは、当選した大当たりの種別を示す情報を含むオープニングコマンドに基づき、複数の大当たり演出パターンが登録された大当たり演出パターンテーブルOEtの中から実行対象の大当たり演出の演出内容を定めた大当たり演出パターンを判定させる。
本実施の形態では、16R長当たり用の大当たり演出を定めた長当たり演出パターンと、16R短当たりおよび4R短当たり用の大当たり演出を定めた短当たり演出パターンとを取り得る。この場合、大当たり演出処理プログラム732iは、16R長当たりに当選した場合は長当たり演出パターンを判定させ、この大当たり演出を開始させる。16R短当たりや4R短当たりに当選した場合は短当たり演出パターンを判定させ、この大当たり演出を開始させる。
また、大当たり演出処理プログラム732iは、主制御部701から出力された大当たりに関するコマンド(たとえばエンディングコマンド)に基づき、実行中の大当たり演出を終了させたり、大当たり後の演出モードを設定させたりもする。
ランプコマンド受信処理プログラム732gは、可動役物131,132が動作した場合にランプ制御部703cから送信される駆動開始コマンドに基づいて、可動役物131,132を用いた演出を選択可能であるか否か、および可動役物131,132を動作させるための役物演出コマンドが出力可能であるか否かを示すフラグ(動作フラグ)を設定させる。
操作受付処理プログラム732jは、演出ボタン118や十字キー119からの制御信号を受け付けて、遊技者操作があったことを示す操作コマンドを出力コマンド記憶領域733fに設定させる。コマンド出力処理プログラム732kは、出力コマンド記憶領域733fに設定された各種コマンドを画像・音声制御部703bやランプ制御部703cに出力させる。
可動役物演出処理プログラム732lは、可動役物131,132の動作中に、可動役物131,132を駆動させる演出の選択をおこなわないようにしたり、可動役物131,132を駆動させるための役物演出コマンドを出力させないようにしたりする。
(3−2.画像・音声制御部)
図17は、本実施の形態のぱちんこ遊技機の内部構成を示すブロック図(その3)である。画像・音声制御部703bは、CPU741と、ROM742と、RAM743と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU741は、演出統括部703aにより実行指示された演出を出力(たとえば表示や音声出力)するための各種プログラムをROM742から読み出し、RAM743をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。また、ROM742には、演出用データEdが記憶される。ここで、演出用データEdは、装飾図柄や背景画像やリーチ演出などの画像データや、BGM(Background music)や効果音などの音声データなどを含むデータとすることができる。
たとえば、画像・音声制御部703bは、入出力I/Oを介して、演出統括部703aから出力されたコマンドを受信して、実行指示された演出を示す情報を取得する。そして、取得された情報に基づき、演出用データEdから必要な画像データを読み込んで、実行指示された演出の表示用データなどを生成する。そして、この表示用データに基づく表示をおこなう。また、実行指示された演出の音声出力用データを生成して、この音声出力用データに基づく音声出力をおこなう。
ここで、画像・音声制御部703bのCPU741が実行するプログラムの一例および各プログラムを実行することでRAM743に設定される情報の一例について説明する。以下で説明するプログラムなどは、本実施の形態で重要となるもののみを説明している。ROM742には以下で説明するプログラムのほかにも不図示のプログラムなどが多数記憶されている。
画像・音声制御処理プログラム742aは、表示制御処理プログラム742b、音声出力制御処理プログラム742c、ボタン演出処理プログラム742dなどのサブプログラムを順次実行させる。表示制御処理プログラム742bは、演出統括部703aにより実行指示された演出の画像データを演出用データEdから読み込ませて、表示用データなどを生成させる。そして、この表示用データをVRAM(Video RAM)744に格納させる。VRAM744に格納された表示用データは所定のタイミングで画像表示部104に対して出力されて、この表示用データがあらわす画像が画像表示部104の表示画面上に表示される。
また、たとえば、表示制御処理プログラム742bは、表示画面上において、同一位置に背景画像と装飾図柄が重なる場合などには、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像の表示データのZバッファのZ値を参照することで、装飾図柄を優先してRAM743に記憶させることで、装飾図柄を背景画像よりも手前に見えるように表示させる。
音声出力制御処理プログラム742cは、演出統括部703aにより実行指示された演出の音声データを演出用データEdから読み込ませて、音声出力用データを生成させる。そして、この音声出力用データをRAM743に格納させる。RAM743に格納された音声出力用データは所定のタイミングでスピーカ114に対して出力されて、この音声出力用データがあらわす音声がスピーカ114から出力される。
ボタン演出処理プログラム742dは、ボタン演出時の所定の有効期間を設定するとともに、有効期間内に演出統括部703aから演出ボタンコマンドを受信した場合には、有効期間内に演出ボタン118が押下された旨を示すボタン押下コマンドをRAM743に格納させる。
(3−3.ランプ制御部)
図18は、本実施の形態のぱちんこ遊技機の内部構成を示すブロック図(その4)である。ランプ制御部703cは、CPU751と、ROM752と、RAM753と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU751は、ぱちんこ遊技機100がおこなう可動役物(第1可動役物131、第2可動役物132)の駆動制御およびランプの点灯制御に関する各種プログラムをROM752から読み出し、RAM753をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。また、ROM752には、制御用データSdが記憶される。
ここで、制御用データSdは、可動役物(第1可動役物131および第2可動役物132)を駆動制御するための駆動制御データKαを有する駆動制御テーブルKStと、ランプを点灯制御するための点灯制御データTαを有する点灯制御テーブルTStとを含む。
たとえば、ランプ制御部703cは、入出力I/Oを介して、演出統括部703aから出力された演出コマンドにしたがって、可動役物を駆動させるための駆動制御データを読み込んで、この駆動制御データを可動役物の駆動モータ(第1駆動モータ411および第2駆動モータ511)に出力する。また、演出コマンドにしたがってランプを点灯させるための点灯制御データを読み込んで、この点灯制御データをランプの発光制御回路に出力する。
また、ランプ制御部703cには、第1可動役物131の位置検出をおこなうための第1役物センサS1および第2可動役物132の位置検出をおこなうための第2役物センサS2が接続されている。第1役物センサS1は、第1可動役物131が基準位置にあるときに検出信号をランプ制御部703cへ入力する。第2役物センサS2は、第2可動役物132が基準位置にあるときに検出信号をランプ制御部703cへ入力する。ランプ制御部703cは、第1役物センサS1や第2役物センサS2からの検出信号に基づき、第1可動役物131や第2可動役物132を基準位置へ復帰させたりする。
ここで、ランプ制御部703cのCPU751が実行するプログラムの一例および各プログラムを実行することでRAM753に設定される情報の一例について説明する。以下で説明するプログラムなどは、本実施の形態で重要となるもののみを説明している。ROM752には以下で説明するプログラムのほかにも不図示のプログラムなどが多数記憶されている。
ランプ制御処理752aは、起動復帰処理プログラム752b、可動役物制御処理プログラム752c、点灯制御処理プログラム752gを順次実行させる。起動復帰処理プログラム752bは、起動時に演出統括部703aから出力される初期設定コマンドや復旧コマンドを受信させ、所定の初期設定をおこなわせたり、第1可動役物131および第2可動役物132を基準位置へ復帰させたりする。
可動役物制御処理プログラム752cは、演出開始時復帰処理プログラム752d、演出制御処理プログラム752e、演出終了制御処理プログラム752fを順次実行させる。演出開始時復帰処理プログラム752dは、演出開始時に可動役物131,132が基準位置に位置していない場合に、基準位置へ復帰させるプログラムである。演出制御処理プログラム752eは、演出統括部703aから受信した役物演出コマンドに対応する駆動制御データを駆動制御テーブルKStから読み込んで、読み込んだデータを駆動モータ411,511へ出力する。
点灯制御処理プログラム752gは、演出統括部703aから出力された点灯演出コマンドを受信させ、この点灯演出コマンドに対応する点灯制御データを、点灯制御テーブルTStから読み込んで、演出ライト部115の各ランプ(の発光制御回路)、盤ランプLpの各ランプ(の発光制御回路)、可動役物131,132が備えるランプ(の発光制御回路)に入力させたりする。これにより、ランプ制御部703cは、演出ライト部115の各ランプの点灯制御をおこなったり、盤ランプLpの各ランプの点灯制御をおこなったりする。
本実施の形態では、演出制御部703は、演出統括部703aと、ランプ制御部703cと、画像・音声制御部703bとがそれぞれ異なる基板として設けられるが、これらは同じプリント基板上に組み込んで構成してもよい。ただし、同じプリント基板上に組み込まれた場合であってもそれぞれの機能は独立しているものとする。
つぎに、図19−1〜および図19−5を用いて、高期待度リーチ演出A1の変動演出時において発行されるコマンドおよび演出について説明する。図19−1は、高期待度リーチ演出A1の変動演出時における各コマンドの発行および発行タイミングを示す説明図(その1)である。図19−2は、高期待度リーチ演出A1の変動演出時における各コマンドの発行および発行タイミングを示す説明図(その2)である。
図19−3は、高期待度リーチ演出A1におけるコマンドの発行タイミングおよび演出パターンを示す説明図である。図19−4は、高期待度リーチ演出A1の具体的な演出の一例を示す説明図(その1)である。図19−5は、高期待度リーチ演出A1の具体的な演出の一例を示す説明図(その2)である。
なお、ここでは、第1可動役物131を用いる高期待度リーチ演出A1を例に挙げて説明するが、他の役物演出においても同様である。図19−1の説明図1910および図19−2の説明図1920においては、タイミングt1で変動演出が開始され、タイミングt6で変動演出が終了するものとする。図19−1の説明図1910では、変動開始時に第1可動役物131が動作していない場合について説明し、図19−2の説明図1920では、変動開始時に第1可動役物131が動作している場合について説明する。
(図19−1のタイミングt1)
まず、図19−1の説明図1910について説明する。図19−1の説明図1910に示すタイミングt1において、演出統括部703aは、ランプ制御部703cに対して、盤ランプLpを点灯させるための点灯演出コマンド(図19−3の点灯演出コマンドCe1)を出力する。盤ランプLpの点灯には、第1可動役物131が備えるランプの点灯も含まれる。
(タイミングt2)
そして、タイミングt2になると、所定のタイミングで、第1可動役物131が所定量、進退を繰り返す(駆動モータ411の正逆回転を繰り返す一連の駆動動作)煽り演出をおこなう。具体的には、煽り演出は、遊技者に対して第1可動役物131がもっとも進出した進出位置に移動する可能性があることを示唆する演出であり、進出位置よりも手前の位置までの進出を繰り返す演出である。
煽り演出をおこなうに際しては、演出統括部703aは、ランプ制御部703cに対して、盤ランプLpを点灯させたり第1駆動モータ411を駆動させたりするための役物演出コマンド(図19−3の役物演出コマンドCk2)を出力する。この役物演出コマンドを受けて、ランプ制御部703cは、盤ランプLpを点灯させたり第1駆動モータ411を駆動させたりするとともに、演出統括部703aに対して、第1駆動モータ411の駆動を開始させる旨を示す駆動開始コマンドを送信する。
(タイミングt3)
タイミングt3になり、一連の煽り演出が終了すると、ランプ制御部703cは、演出統括部703aに対して、第1駆動モータ411の駆動が完了した旨を示す駆動完了コマンドを出力する。タイミングt2〜t3における演出は、図19−4(1)に示すように、第1可動役物131が、所定の点灯態様で点灯しながら、進退を繰り返す煽り演出である。また、このとき、画像表示部104には、第1装飾図柄Ez1〜第3装飾図柄Ez3が変動表示されている。
(タイミングt4)
タイミングt4になると、演出統括部703aは、第1可動役物131を進出位置まで進出させるために、ランプ制御部703cに対して、盤ランプLpを点灯させたり第1駆動モータ411を駆動させたりするための役物演出コマンド(図19−3の役物演出コマンドCk3)を出力する。この役物演出コマンドを受けて、ランプ制御部703cは、盤ランプLpを点灯させたり第1駆動モータ411を駆動させたりするとともに、演出統括部703aに対して、第1駆動モータ411の駆動を開始させる旨を示す駆動開始コマンドを送信する。
タイミングt4における演出は、図19−4(2)に示すように、第1可動役物131が、画像表示部104の前面に停止し、所定の点灯態様で点灯する演出である。また、画像表示部104には、第1装飾図柄Ez1および第2装飾図柄Ez2が同一の装飾図柄で停止したリーチの状態となっている。
(タイミングt5,t6)
タイミングt5になり、一連の進出演出が終了すると、ランプ制御部703cは、演出統括部703aに対して、第1駆動モータ411の駆動が完了した旨を示す駆動完了コマンドを出力する。タイミングt5における演出は、図19−5(3)に示すように、第1可動役物131が画像表示部104の前面から退避する。また、第1装飾図柄Ez1〜第3装飾図柄Ez3は、左下に表示されている。そして、タイミングt6になると、変動演出を終了する。
タイミングt5〜t6における演出は、図19−5(4)に示すように、第1可動役物131が、画像表示部104の前面から退避し、所定の点灯態様で点灯する演出である。また、画像表示部104には、キャラクタ1941が複数人登場している。この演出は、いわゆる群予告であり、大当たりに対する信頼度の高い演出となっている。
(図19−2のタイミングt1)
つぎに、図19−2の説明図1920について説明する。図19−2の説明図1920に示すタイミングt1において、演出統括部703aは、ランプ制御部703cに対して、盤ランプLpを点灯させるための点灯演出コマンド(図19−3の点灯演出コマンドCe1)を出力する。タイミングt1において、第1可動役物131は基準位置にいないものとする。ランプ制御部703cは、点灯演出コマンドを受けて、第1可動役物131を基準位置に戻す復帰動作を開始する。このとき、ランプ制御部703cは、演出統括部703aに対して、第1駆動モータ411の駆動を開始させる旨を示す駆動開始コマンドを送信する。
(タイミングt2)
タイミングt2では、第1可動役物131を基準位置に戻す復帰動作が継続して実行されているものとする。このとき、煽り演出をおこなわないようにする。すなわち、基準位置以外の場所から第1可動役物131を動作させないようにする。具体的には、演出統括部703aは、ランプ制御部703cに対して、盤ランプLpを点灯させるための役物演出コマンド(図19−3の点灯演出コマンドCe2)を出力する。この点灯演出コマンドを受けて、ランプ制御部703cは、盤ランプLpを点灯させる
(タイミングt10)
タイミングt10になり、復帰動作が終了すると、ランプ制御部703cは、演出統括部703aに対して、第1駆動モータ411の駆動が完了した旨を示す駆動完了コマンドを出力する。
(タイミングt4)
タイミングt4になると、演出統括部703aは、第1可動役物131を進出位置まで進出させるために、ランプ制御部703cに対して、盤ランプLpを点灯させたり第1駆動モータ411を駆動させたりするための役物演出コマンド(図19−3の役物演出コマンドCk3)を出力する。この役物演出コマンドを受けて、ランプ制御部703cは、盤ランプLpを点灯させたり第1駆動モータ411を駆動させたりするとともに、演出統括部703aに対して、第1駆動モータ411の駆動を開始させる旨を示す駆動開始コマンドを送信する。タイミングt4における演出は、図19−4(2)に示すように、第1可動役物131が、画像表示部104の前面に停止し、所定の点灯態様で点灯する演出である。
なお、タイミングt4において、第1可動役物131が復帰動作を完了していない場合には、演出統括部703aは、第1可動役物131を進出位置まで進出させないようにするために、ランプ制御部703cに対して、第1駆動モータ411を駆動させずに盤ランプLpを点灯させたるための役物演出コマンド(図19−3の役物演出コマンドCe3)を出力する。
(タイミングt5,t6)
タイミングt5になり、一連の進出演出が終了すると、ランプ制御部703cは、演出統括部703aに対して、第1駆動モータ411の駆動が完了した旨を示す駆動完了コマンドを出力する。タイミングt5における演出は、図19−5(3)に示すように、第1可動役物131が画像表示部104の前面から退避する。そして、タイミングt6になると、変動演出を終了する。タイミングt5〜t6における演出は、図19−5(4)に示すように、第1可動役物131が、画像表示部104の前面から退避し、所定の点灯態様で点灯する演出である。
図19−3の説明図1930は、高期待度リーチ演出A1において演出統括部703aから各コマンドが出力されるタイミングを示している。また、説明図1930は、演出統括部703aから出力された各コマンドに対応して、ランプ制御部703c側でおこなう演出パターンを示している。なお、演出統括部703aから出力されるコマンドは、以下に説明するコマンドのほかにも多数存在するが、ここでは、説明の便宜上、第1可動役物131を動作させるためにランプ制御部703cへ出力するコマンドのみを挙げて説明する。
タイミングt1では、演出統括部703aからランプ制御部703cへ、点灯演出コマンドCe1が出力される。この点灯演出コマンドCe1に基づいて、ランプ制御部703cはランプA演出パターンを選択する。タイミングt2において、第1可動役物131が復帰動作中でなければ、演出統括部703aからランプ制御部703cへ、役物演出コマンドCk2が出力される。この役物演出コマンドCk2に基づいて、ランプ制御部703cは可動役物B演出パターン(煽り動作)およびランプB演出パターンを選択する。
また、タイミングt2において、第1可動役物131が復帰動作中であれば、演出統括部703aからランプ制御部703cへ、点灯演出コマンドCe2が出力される。この点灯演出コマンドCe2に基づいて、ランプ制御部703cはランプC演出パターンを選択する。
タイミングt4において、第1可動役物131が復帰動作中でなければ、演出統括部703aからランプ制御部703cへ、役物演出コマンドCk3が出力される。この役物演出コマンドCk3に基づいて、ランプ制御部703cは可動役物D演出パターン(進出位置までの進出動作)およびランプD演出パターンを選択する。また、タイミングt4において、第1可動役物131が復帰動作中であれば、演出統括部703aからランプ制御部703cへ、点灯演出コマンドCe3が出力される。この点灯演出コマンドCe3に基づいて、ランプ制御部703cはランプE演出パターンを選択する。
(変動演出開始時に第1可動役物が動作している場合の役物演出の規制)
つぎに、図19−6を用いて、変動演出開始時に第1可動役物が動作している場合の役物演出の規制について説明する。図19−6は、変動演出開始時に第1可動役物が動作している場合の役物演出の規制を示す説明図である。
図19−6の説明図1960において、演出統括部703aは、タイミングt21に示すように変動開始時に第1可動役物131が動作中である場合、すなわち、変動開始時までにランプ制御部703cから動作完了コマンドを受信していない場合、演出の選択に際して、役物演出の選択を規制する。具体的には、演出統括部703aは、主制御部701から特図変動パターンTHp6を受信した場合に、第1可動役物131を用いる高期待度リーチ演出A1を選択せずに、第2可動役物132を用いる高期待度リーチ演出A2、または、非役物演出である高期待度リーチ演出B1を選択する(図16参照)。
一方、演出統括部703aは、タイミングt22に示すように変動開始時に第1可動役物131が動作中ではない場合、すなわち、変動開始時までにランプ制御部703cから動作完了コマンドを受信している場合、演出の選択に際して、役物演出の選択を規制しない。具体的には、演出統括部703aは、主制御部701から特図変動パターンTHp6を受信した場合に、第1可動役物131を用いる高期待度リーチ演出A1、第2可動役物132を用いる高期待度リーチ演出A2、または、非役物演出である高期待度リーチ演出B1のうち、いずれか1つを選択する。
(ぱちんこ遊技機の機能的構成)
つぎに、ぱちんこ遊技機100の機能的構成について説明する。図20は、本実施の形態のぱちんこ遊技機の機能的構成を示すブロック図である。ぱちんこ遊技機100のランプ制御部703cは、検出部2001と、出力制御部2002とを備えている。また、演出統括部703aは、コマンド発行部2011と、規制部2012と、演出選択部2013とを備えている。ランプ制御部703cは、本発明の第1制御手段に相当する。また、演出統括部703aは、本発明の第2制御手段に相当する。
第1可動役物131および第2可動役物132は、遊技盤101上に設けられて、予め定めた基準位置を含む範囲内を動作する。基準位置とは、第1役物センサS1または第2役物センサS2によって検出される位置である。第1可動役物131および第2可動役物132は、駆動モータ411,511を有しており、当該駆動モータ411,511の駆動回転によって移動する。
検出部2001は、第1役物センサS1や第2役物センサS2に接続されており、第1役物センサS1や第2役物センサS2からの検出信号を受け付けた場合に、第1可動役物131や第2可動役物132が各々の基準位置であることを検出する。
出力制御部2002は、検出部2001によって検出される結果を用いて可動役物131,132の動作を制御する。出力制御部2002は、可動役物131,132の駆動を制御するだけでなく、可動役物131,132が具備するランプや盤ランプLpの点灯も制御する。出力制御部2002は、可動役物131,132を動作させるときに、当該可動役物が移動を開始することを示す動作開始コマンド(以下「駆動開始コマンド」という)を演出統括部703a(規制部2012)へ出力する。
動作とは、駆動モータ411,511の回転や一連の駆動動作(演出動作や復帰動作)のほか、エラー時の駆動動作も含み、基準位置に常時停止しているものは含まない。たとえば、駆動モータ411,511を正転および逆転させる一連の動作のうち、正転から逆転に切り替える際の停止は、一連の駆動動作に含まれる。
出力制御部2002は、第1可動役物131を動作させるときには第1駆動開始コマンドを演出統括部703a(規制部2012)へ出力し、第2可動役物132を移動させるときには第2駆動開始コマンドを演出統括部703aへ出力する。
演出統括部703a(コマンド発行部2011)は、当たり判定の結果に基づいて、可動役物131,132が基準位置から一連の動作をおこなう役物演出をおこなうか否かを判定し、役物演出をおこなう場合には役物演出を実行させるための役物演出コマンドをランプ制御部703cへ出力する。演出統括部703aが役物演出コマンドを出力するタイミングは、変動演出開始時(演出選択時)や、変動演出中の演出切替え時などである。
規制部2012は、出力制御部2002からの駆動開始コマンドを入力した場合には、コマンド発行部2011による役物演出コマンドの発行を規制する。規制部2012は、可動役物131,132の動作中、役物演出コマンドCkについては規制するものの、代替用の点灯演出コマンドCe(図19−2参照)については出力を許可する。本実施の形態では、動作中の可動役物131,132を対象として、役物演出コマンドを発行しないようにし、すなわち、動作中ではない可動役物131,132については役物演出を可能にしている。
出力制御部2002は、検出部2001によって可動役物131,132が基準位置以外の非基準位置にあると検出された場合、所定の期間に可動役物131,132を復帰動作させる。所定の期間とは、変動開始時や初期運転時などである。また、出力制御部2002は、復帰動作の開始時には可動役物が復帰動作を開始することを示す復帰駆動開始コマンドを規制部2012へ出力する。規制部2012は、出力制御部2002からの復帰駆動開始コマンドを入力した場合、役物演出コマンド(役物演出コマンドCk)の出力を規制する。
また、本実施の形態において、ぱちんこ遊技機100は、遊技盤101上に点灯して演出をおこなう点灯部としての盤ランプLpや、可動役物131,132を備えている。また、役物演出コマンドには、可動役物131,132を移動させるための指示内容と、点灯部としての盤ランプLpを点灯させるための指示内容が含まれる。盤ランプLpには、可動役物131,132が備えるランプも含まれる。規制部2012は、役物演出コマンド(役物演出コマンドCk)の発行を規制する一方、役物演出コマンドCkの代わりに、盤ランプLpを点灯させる指示内容のみが含まれる点灯演出コマンド(点灯演出コマンドCe)の出力については規制しない。
さらに、出力制御部2002は、駆動開始コマンドを出力後、可動役物131,132が基準位置へ移動した場合に動作完了を示す動作完了コマンドを規制部2012へ出力する。規制部2012は、出力制御部2002からの動作完了コマンドを入力した場合、駆動開始コマンドの入力時に規制した役物演出コマンドの出力を解除する。
規制部2012による役物演出コマンドの規制の解除条件は、動作完了コマンドの入力に限らず、所定の設定時間の経過としてもよい。所定の設定時間は、たとえば、駆動開始コマンドごとに異なる時間を予め記憶しておき、駆動開始コマンドの入力時に、駆動開始コマンドに応じて設定可能な時間としてもよい。この場合、出力制御部2002は、駆動開始時に、駆動動作をおこなう内容(たとえば復帰動作や演出動作)に応じた駆動開始コマンドを規制部2012へ出力するようにすればよい。
さらに、規制部2012は、演出選択部2013による演出の選択を規制する。具体的には、規制部2012は、出力制御部2002から駆動開始コマンドを入力した場合、動作中の可動役物131,132を用いた演出の選択を規制する。より具体的には、規制部2012は、変動開始時に可動役物131,132が動作中(主に復帰動作中)である場合には、演出選択部2013に対して、動作中の可動役物131,132を用いた演出を選択させないようにする。
たとえば、演出選択部2013は、第1可動役物131が動作中であれば、第1可動役物131を用いた役物演出のみを選択しないようにし、第2可動役物132を用いた役物演出については選択可能にする。第1可動役物131が動作中である場合、たとえば、図16に示した特図変動パターンTHp6による変動演出をおこなうにあたり、演出選択部2013は、高期待度リーチ演出A1(第1可動役物131)を選択することなく、高期待度リーチ演出A2(第2可動役物132)または高期待度リーチ演出B1(非役物)のうち、いずれか一方を選択する。なお、この場合における高期待度リーチ演出A2(第2可動役物132)または高期待度リーチ演出B1(非役物)の選択割合は、たとえば、それぞれ均等な割合(50/100)とする。
このような構成では、規制部2012は、演出選択部2013に対して、動作中の可動役物131,132を用いた役物演出の選択をさせないことにより、コマンド発行部2011がおこなうコマンドの発行を規制するものと言える。
また、規制部2012は、出力制御部2002からの動作完了コマンドを入力した場合、駆動開始コマンドの入力時に規制した役物演出の選択を解除する。なお、規制部2012による演出選択の規制の解除条件は、動作完了コマンドの入力に限らず、上述した役物演出コマンドの規制の解除条件と同様、所定の設定時間の経過としてもよい。
検出部2001と、出力制御部2002とは、たとえば、ランプ制御部703cのCPU751がROM752に記憶されたプログラムを実行することにより、その機能を実現する。また、コマンド発行部2011と、規制部2012と、演出選択部2013とは、たとえば、演出統括部703aのCPU731がROM732に記憶されたプログラムを実行することにより、その機能を実現する。
(ぱちんこ遊技機がおこなう処理)
(1.主制御部がおこなう処理)
つぎに、上述した動作を実現するためにぱちんこ遊技機100がおこなう詳細な処理の一例について説明する。まず、ぱちんこ遊技機100の主制御部701がおこなう処理について説明する。なお、以下に説明する主制御部701の各処理は、たとえば、主制御部701のCPU711がROM712に記憶されたプログラムを実行することによりおこなう。
(メイン処理)
図21は、メイン処理の処理内容を示すフローチャートである。主制御部701は、ぱちんこ遊技機100へ電源の供給が開始されると、図21に示すメイン処理の実行を開始し、この処理をぱちんこ遊技機100の起動中継続的に実行する。
メイン処理において、主制御部701は、まず、1000ms待機し(ステップS2101)、その後、RAM713へのアクセスを許可する(ステップS2102)。RAM713へのアクセスを許可すると、主制御部701は、RAMクリアスイッチがONであるかを判定する(ステップS2103)。
RAMクリアスイッチがONであれば(ステップS2103:Yes)、主制御部701は、RAMクリアをおこなう(ステップS2104)。ここで、RAMクリアとは、公知の技術のため詳細な説明は省略するが、RAM713に蓄積されている各種情報(たとえば遊技状態を示す情報や、時短遊技フラグおよび高確遊技フラグのON/OFFの情報)を所定の初期状態とすることである。
RAMクリアをおこなうと、主制御部701は、クリア時の作業領域を設定し(ステップS2105)、周辺部の初期設定をおこなう(ステップS2106)。たとえば、ステップS2106では、主制御部701は、賞球制御部702や演出制御部703(たとえば演出統括部703a)などの各周辺部に対して、所定の初期設定処理の実行を指示する初期設定コマンドを出力する。
一方、RAMクリアスイッチがONでなければ(ステップS2103:No)、主制御部701は、バックアップフラグがONであるかを判定する(ステップS2107)。バックアップフラグがONであれば(ステップS2107:Yes)、主制御部701は、チェックサムが正常であるかを判定する(ステップS2108)。
チェックサムが正常であれば(ステップS2108:Yes)、主制御部701は、所定の復旧処理を実行する(ステップS2109)。この復旧処理では、たとえば、RAM713のバックアップ記憶領域713bに記憶されたバックアップ情報に基づき、電源遮断前の状態への復旧をおこなう。また、この復旧処理において、主制御部701は、バックアップ情報をあらわす復旧コマンドを演出制御部703(たとえば演出統括部703a)へ出力する。
ステップS2107において、バックアップフラグがONでなければ(ステップS2107:No)、またはチェックサムが正常でなければ(ステップS2108:No)、主制御部701は、ステップS2104へ移行してRAMクリアをおこなう。
つぎに、主制御部701は、内蔵されているCTC(タイマカウンタ)の周期(たとえば4ms)を設定し(ステップS2110)、設定記憶領域713aを更新する。なお、主制御部701は、ここで設定された周期を用いて後述するタイマ割込処理(図22参照)を実行する。ステップS2110においてCTCの周期を設定すると、主制御部701は、電源遮断を監視する電源遮断監視処理を実行する(ステップS2111)。
電源遮断監視処理を実行すると、主制御部701は、変動パターン乱数を更新し(ステップS2112)、タイマ割込処理の割込禁止設定をおこなう(ステップS2113)。そして、主制御部701は、初期値乱数を更新し(ステップS2114)、タイマ割込処理の割込許可設定をおこない(ステップS2115)、ステップS2111へ移行する。以降、主制御部701は、ステップS2111からステップS2115の処理を繰り返し実行する。
(タイマ割込処理)
図22は、タイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。主制御部701は、上記のメイン処理に対して、タイマ割込処理を所定周期(たとえば4ms)で割り込み実行する。
タイマ割込処理において、主制御部701は、まず、主制御部701がおこなう各種抽選に用いる乱数の更新をおこなう乱数更新処理を実行する(ステップS2201)。主制御部701は、この乱数更新処理において、特図当たり乱数、特図図柄乱数、変動パターン乱数、普図当たり乱数、普図図柄乱数などの各種乱数の更新をおこない、たとえば、それぞれの乱数取得用カウンタC1〜C5のカウント値を「1」カウントアップする。
つぎに、主制御部701は、各種スイッチにより検出をおこなうスイッチ処理を実行する(ステップS2202)。このスイッチ処理において、主制御部701は、始動口(第1始動口105、第2始動口106)に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ処理(図23参照)、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ処理(詳細な説明および図示は省略)、大入賞口109に入賞した遊技球を検出する大入賞口スイッチ処理(詳細な説明および図示は省略)、普通入賞口110に入賞した遊技球を検出する普通入賞口スイッチ処理(詳細な説明および図示は省略)などをおこなう。
つづいて、主制御部701は、特別図柄および普通図柄に関する図柄処理を実行する(ステップS2203)。ここで、図柄処理は、特別図柄に関する特別図柄処理(図24参照)と、普通図柄に関する普通図柄処理(詳細な説明および図示は省略)とを含む。特別図柄処理で、主制御部701は、大当たり抽選をおこなって特別図柄の表示制御をおこなう。普通図柄処理で、主制御部701は、普通図柄抽選をおこなって普通図柄の表示制御をおこなう。
つづいて、主制御部701は、大入賞口109および電動チューリップ107の動作制御に関する電動役物制御処理を実行する(ステップS2204)。ここで、電動役物制御処理は、大入賞口109の動作を制御する大入賞口処理(図28参照)と、電動チューリップ107の動作を制御する電動チューリップ処理(詳細な説明および図示は省略)とを含む。大入賞口処理で、主制御部701は、大当たり抽選の抽選結果に基づき大入賞口109の動作制御をおこなう。電動チューリップ処理で、主制御部701は、普通図柄抽選の抽選結果に基づき電動チューリップの動作制御をおこなう。
つづいて、主制御部701は、賞球の払い出し制御に関する賞球処理を実行する(ステップS2205)。賞球処理において、主制御部701は、大入賞口109や普通入賞口110に遊技球が入賞した際に所定個数の賞球を払い出すように賞球制御部702に指示する賞球コマンドをRAM713に設定する。
つづいて、主制御部701は、ステップS2201〜S2205の各処理によりRAM713に設定されたコマンドを賞球制御部702や演出制御部703などに対して出力する出力処理を実行し(ステップS2206)、タイマ割込処理を終了する。タイマ割込処理を終了すると、主制御部701はメイン処理へ戻る。
(始動口スイッチ処理)
つぎに、図23を用いて、タイマ割込処理のスイッチ処理(図22のステップS2202参照)に含まれる始動口スイッチ処理について説明する。図23は、始動口スイッチ処理の処理内容を示すフローチャートである。始動口スイッチ処理において、主制御部701は、まず、第1始動口SW714aがONになったかを判定する(ステップS2301)。第1始動口SW714aがONになっていなければ(ステップS2301:No)、後述するステップS2305へ移行する。
第1始動口SW714aがONになっていれば(ステップS2301:Yes)、主制御部701は、第1始動口105に入賞した遊技球に対して取得された第1特図判定用情報数U1が4未満であるか(U1<4)を判定する(ステップS2302)。第1特図判定用情報数U1が4未満でなければ(ステップS2302:No)、すなわち、第1特図判定用情報数U1が4以上であればステップS2305へ移行する。
第1特図判定用情報数U1が4未満であれば(ステップS2302:Yes)、主制御部701は、第1特図判定用情報数U1に「1」を加算した値を、新たな第1特図判定用情報数U1の値とする(ステップS2303)。そして、カウンタ記憶領域713cを参照して、各カウンタC1〜C3のカウント値を特図判定用情報として取得し、これを特図判定用情報記憶領域713dに記憶する(ステップS2304)。
つづいて、主制御部701は、第2始動口SW714bがONになったかを判定する(ステップS2305)。第2始動口SW714bがONになっていなければ(ステップS2305:No)、そのまま始動口スイッチ処理を終了する。
第2始動口SW714bがONになっていれば(ステップS2305:Yes)、主制御部701は、第2始動口106に入賞した遊技球に対して取得された第2特図判定用情報数U2が4未満であるか(U2<4)を判定する(ステップS2306)。第2特図判定用情報数U2が4未満でなければ(ステップS2306:No)、すなわち、第2特図判定用情報数U2が4以上であれば、そのまま始動口スイッチ処理を終了する。
第2特図判定用情報数U2が4未満であれば(ステップS2306:Yes)、主制御部701は、第2特図判定用情報数U2に「1」を加算した値を、新たな第2特図判定用情報数U2の値とする(ステップS2307)。そして、カウンタ記憶領域713cを参照して、各カウンタC1〜C3のカウント値を特図判定用情報として取得し、これを特図判定用情報記憶領域713dに記憶し(ステップS2308)、始動口スイッチ処理を終了する。
ステップS2308で特図判定用情報を取得した場合、主制御部701は、ここで取得した特図判定用情報を、第1始動口105に入賞することにより取得された特図判定用情報よりも、優先順位が高くなるような特図判定用情報格納領域に記憶する。そして、第1始動口105に入賞することにより取得された特図判定用情報を、1つずつ、優先順位が低くなる特図判定用情報格納領域へシフトする。
(特別図柄処理)
つぎに、図24を用いて、タイマ割込処理の図柄処理(図22のステップS2203参照)に含まれる特別図柄処理について説明する。図24は、特別図柄処理の処理内容を示すフローチャートである。特別図柄処理において、主制御部701は、まず、特別図柄の確定期間であることを示す確定中フラグがONであるか否かを判定する(ステップS2401)。ここで、確定期間は、特別図柄の停止時からの所定期間で、停止された特別図柄を遊技者に認識させるために設けられた期間とすることができる。確定中フラグがONに設定されていれば(ステップS2401:Yes)、ステップS2416に移行する。
確定中フラグがOFFに設定されていれば(ステップS2401:No)、主制御部701は、大当たり遊技状態であることを示す大当たり遊技フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS2402)。大当たり遊技フラグがONに設定されていれば(ステップS2402:Yes)、つまり、大当たり遊技状態であれば、特別図柄処理を終了する。
大当たり遊技フラグがOFFに設定されていれば(ステップS2402:No)、主制御部701は、特別図柄を変動中であるかを判定する(ステップS2403)。特別図柄を変動中であれば(ステップS2403:Yes)、ステップS2412へ移行する。特別図柄を変動中でなければ(ステップS2403:No)、第2始動口106に入賞した遊技球に対して取得された第2特図判定用情報数U2が1以上であるかを判定する(ステップS2404)。
第2特図判定用情報数U2が1以上であれば(U2≧1)(ステップS2404:Yes)、主制御部701は、第2特図判定用情報数U2から「1」を減算した値を、新たな第2特図判定用情報数U2の値とし(ステップS2405)、ステップS2408へ移行する。第2特図判定用情報数U2が1以上でなければ(ステップS2404:No)、第1始動口105に入賞した遊技球に対して取得された第1特図判定用情報数U1が1以上であるかを判定する(ステップS2406)。
第1特図判定用情報数U1が1以上であれば(U1≧1)(ステップS2406:Yes)、主制御部701は、第1特図判定用情報数U1から「1」を減算した値を、新たな第1特図判定用情報数U1の値とし(ステップS2407)、ステップS2408へ移行する。第1特図判定用情報数U1が1以上でなければ(ステップS2406:No)、特別図柄処理を終了する。
つづいて、主制御部701は、図25を用いて後述する大当たり抽選処理をおこなって大当たり抽選の抽選結果を導出し(ステップS2408)、図26を用いて後述する特図変動パターン判定処理をおこなって特図変動パターン判定の判定結果を導出する(ステップS2409)。そして、ステップS2408およびステップS2409の処理結果に基づき、特別図柄表示部201で特別図柄の変動を開始させる(ステップS2410)。
ステップS2410で特別図柄を変動させる際に、主制御部701は、ステップS2408で第2始動口106に入賞した遊技球に対する大当たり抽選をおこなっていれば第2特別図柄表示部201bの第2特別図柄を変動させる。ステップS2408で第1始動口105に入賞した遊技球に対する大当たり抽選をおこなっていれば第1特別図柄表示部201aの第1特別図柄を変動させる。
つづいて、主制御部701は、変動開始コマンドをRAM713に設定する(ステップS2411)。ここで、設定される変動開始コマンドは、たとえば、ステップS2408でおこなった大当たり抽選の抽選結果や、ステップS2409でおこなった特図変動パターン判定の判定結果を示す情報を含むコマンドとすることができる。主制御部701は、出力処理(図22のステップS2206)を実行した際に、この変動開始コマンドを演出統括部703aに出力する。
つづいて、主制御部701は、特別図柄の変動を開始してから変動時間により定められた期間が経過したかを判定する(ステップS2412)。ステップS2412では、変動開始時に判定された特図変動パターンにより定められた変動時間に相当する期間が経過したかを判定する。変動時間が経過していなければ(ステップS2412:No)、特別図柄処理を終了する。
変動時間が経過していれば(ステップS2412:Yes)、主制御部701は、変動開始時におこなった大当たり抽選の抽選結果を示すように特別図柄を停止させて(ステップS2413)、変動停止コマンドをRAM713に設定する(ステップS2414)。ここで、設定される変動停止コマンドは、たとえば、変動開始時におこなった大当たり抽選の抽選結果や、特図変動パターン判定の判定結果を示す情報を含むコマンドとすることができる。主制御部701は、出力処理(図22のステップS2206)を実行した際に、この変動停止コマンドを演出統括部703aに出力する。そして、確定中フラグをONに設定して(ステップS2415)、図27−1および図27−2を用いて後述する停止中処理をおこない(ステップS2416)、特別図柄処理を終了する。
(大当たり抽選処理)
つぎに、図25を用いて、図24のステップS2408に示した大当たり抽選処理について説明する。図25は、大当たり抽選処理の処理内容を示すフローチャートである。大当たり抽選処理において、主制御部701は、まず、高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS2501)。高確遊技フラグがONに設定されていれば(ステップS2501:Yes)、高確率特図当たり判定テーブルTAt2をRAM713に設定して(ステップS2502)、ステップS2504へ移行する。
高確遊技フラグがOFFに設定されていれば(ステップS2501:No)、主制御部701は、低確率特図当たり判定テーブルTAt1をRAM713に設定して(ステップS2503)、ステップS2504に移行する。
つづいて、主制御部701は、ステップS2502またはステップS2503で設定された特図当たり判定テーブルTAtと、今回の特図当たり判定の判定対象となる特図判定用情報(優先順位のもっとも高い特図判定用情報)の当たり乱数とを比較し、当たり乱数が大当たりの所定値と一致するかを判定する、特図当たり判定をおこなう(ステップS2504)。
つづいて、主制御部701は、ステップS2504の特図当たり判定の判定結果が大当たりであったかを判定する(ステップS2505)。ここでは、特図当たり判定で、判定用情報の特図当たり乱数が、大当たりの所定値と一致したかを判定する。大当たりであれば(ステップS2505:Yes)、特図当たり図柄判定をおこなう(ステップS2506)。
ステップS2506において、主制御部701は、特図当たり図柄判定テーブルTZtと、今回の特図当たり図柄判定の判定対象となる特図判定用情報(優先順位のもっとも高い特図判定用情報)の特図図柄乱数とを比較して、特図図柄乱数がいずれの種別の大当たりの所定値と一致するかを判定する。
ステップS2506で、判定対象の判定用情報の入賞始動口が第1始動口105であれば、主制御部701は第1特図当たり図柄判定テーブルTZt1(図12−1参照)を用いる。判定対象の判定用情報の入賞始動口が第2始動口106であれば、主制御部701は第2特図当たり図柄判定テーブルTZt2(図12−2参照)を用いる。そして、特図当たり図柄判定の判定結果(大当たりの種別)をあらわす大当たり図柄をRAM713に設定して(ステップS2507)、大当たり抽選処理を終了する。
一方、ステップS2504の特図当たり判定の判定結果が大当たりでなかった場合(ステップS2505:No)、主制御部701は、ハズレを示すハズレ図柄をRAM713に設定して(ステップS2508)、大当たり抽選処理を終了する。
(特図変動パターン判定処理)
つぎに、図26を用いて、図24のステップS2409に示した変動パターン判定処理について説明する。図26は、特図変動パターン判定処理の処理内容を示すフローチャートである。特図変動パターン判定処理において、主制御部701は、直前におこなった大当たり抽選の抽選結果が大当たりであったかを判定する(ステップS2601)。大当たりであれば(ステップS2601:Yes)、大当たり用特図変動パターン判定テーブルTHt2(図13−2参照)を設定する(ステップS2602)。大当たりでなければ(ステップS2601:No)、すなわち、ハズレであれば、ハズレ用特図変動パターン判定テーブルTHt1(図13−1参照)を設定する(ステップS2603)。
つづいて、主制御部701は、ステップS2602またはステップS2603で設定されたハズレ用特図変動パターン判定テーブルTHt1または大当たり用特図変動パターン判定テーブルTHt2と、判定対象の特図判定用情報の変動パターン乱数とを比較して、変動パターン乱数が、ハズレ用特図変動パターン判定テーブルTHt1または大当たり用特図変動パターン判定テーブルTHt2において、どの特図変動パターンに対応するかを判定する、特図変動パターン判定をおこない(ステップS2604)、この判定結果をRAM713に設定し(ステップS2605)、特図変動パターン判定処理を終了する。
(停止中処理)
つぎに、図27−1および図27−2を用いて、図24のステップS2416に示した停止中処理について説明する。図27−1は、停止中処理を示したフローチャート(その1)である。図27−2は、停止中処理を示したフローチャート(その2)である。停止中処理において、主制御部701は、まず、確定期間が経過したか否かを判定する(ステップS2701)。確定期間が経過していない場合(ステップS2701:No)、停止中処理を終了する。
確定期間が経過した場合(ステップS2701:Yes)、主制御部701は、確定中フラグをOFFに設定し(ステップS2702)、電チューサポート機能付き遊技状態であることを示す時短遊技フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS2703)。時短遊技フラグがOFFに設定されていれば(ステップS2703:No)、ステップS2708に移行する。
時短遊技フラグがONに設定されていれば(ステップS2703:Yes)、主制御部701は、時短遊技カウンタのカウント値Jから「1」を減算した値を新たな時短遊技カウンタのカウント値Jとする(ステップS2704)。時短遊技カウンタは、電チューサポート機能付き遊技状態の残り回数を示しており、本実施の形態では大当たり時に、たとえば「70」が設定される。つづいて、時短遊技カウンタのカウント値Jが「0」となったかを判定する(ステップS2705)。
時短遊技カウンタのカウント値Jが「0」である場合(ステップS2705:Yes)、主制御部701は、時短遊技フラグをOFFに設定する(ステップS2706)。そして、右打ち表示部205を消灯させるための右打ち報知終了処理をおこなう(ステップS2707)。一方、時短遊技カウンタのカウント値Jが「0」ではない場合(ステップS2705:No)、ステップS2708に移行する。
つづいて、主制御部701は、高確遊技フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS2708)。高確遊技フラグがOFFに設定されていれば(ステップS2708:No)、ステップS2712に移行する。高確遊技フラグがONに設定されていれば(ステップS2708:Yes)、高確遊技カウンタのカウント値Xから「1」を減算した値を新たな高確遊技カウンタのカウント値Xとする(ステップS2709)。高確遊技カウンタは、高確遊技状態の残り回数を示しており、本実施の形態では大当たり時に、たとえば「74」が設定される。つづいて、高確遊技カウンタのカウント値Xが「0」となったかを判定する(ステップS2710)。
高確遊技カウンタのカウント値Xが「0」である場合(ステップS2710:Yes)、高確遊技フラグをOFFに設定する(ステップS2711)。高確遊技カウンタのカウント値Xが「0」ではない場合(ステップS2710:No)、ステップS2712に移行する。
つづいて、主制御部701は、停止した特別図柄が大当たりを示すもの(大当たり図柄)であるか否かを判定し(ステップS2712)、大当たり図柄ではない場合(ステップS2712:No)、そのまま停止中処理を終了する。大当たり図柄である場合(ステップS2712:Yes)、大当たり遊技フラグをONにし(ステップS2713)、右打ち表示部205を点灯させるための右打ち報知開始処理を実行する(ステップS2714)。
つづいて、主制御部701は、時短遊技カウンタのカウント値Jおよび高確遊技カウンタのカウント値Xを「0」に設定し(ステップS2715)、時短遊技フラグおよび高確遊技フラグをOFFにし(ステップS2716)、大当たりのオープニングを開始する(ステップS2717)。この後、オープニングコマンドをRAM713に設定し(ステップS2718)、停止中処理を終了する。
(大入賞口処理)
つぎに、図28を用いて、タイマ割込処理の電動役物制御処理(図22のステップS2204参照)に含まれる大入賞口処理について説明する。図28は、大入賞口処理の処理内容を示すフローチャートである。大入賞口処理において、主制御部701は、まず、大当たり遊技フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS2801)。大当たり遊技フラグがOFFであれば(ステップS2801:No)、主制御部701は、そのまま大入賞口処理を終了する。
大当たり遊技フラグがONであれば(ステップS2801:Yes)、主制御部701は、オープニング中であるかを判定する(ステップS2802)。オープニング中であれば(ステップS2802:Yes)、オープニング処理(図29参照)をおこなって(ステップS2803)、ステップS2804へ移行する。オープニング中でなければ(ステップS2802:No)、ステップS2804へ移行する。
つづいて、主制御部701は、大入賞口109の開放中であるかを判定する(ステップS2804)。大入賞口109の開放中であれば(ステップS2804:Yes)、開放中処理(図30参照)をおこなう(ステップS2805)。大入賞口109の開放中でなければ(ステップS2804:No)、ステップS2806へ移行する。
つづいて、主制御部701は、インターバル中であるかを判定する(ステップS2806)。インターバル中であれば(ステップS2806:Yes)、インターバル処理(図31参照)をおこなって(ステップS2807)、ステップS2808へ移行する。インターバル中でなければ(ステップS2806:No)、ステップS2808へ移行する。
つづいて、主制御部701は、エンディング中であるかを判定する(ステップS2808)。エンディング中であれば(ステップS2808:Yes)、エンディング処理(図32参照)をおこなって(ステップS2809)、大入賞口処理を終了する。エンディング中でなければ(ステップS2808:No)、大入賞口処理を終了する。
(オープニング処理)
つぎに、図29を用いて、図28のステップS2803に示したオープニング処理について説明する。図29は、オープニング処理の処理内容を示すフローチャートである。オープニング処理において、主制御部701は、まず、所定のオープニング期間が経過したかを判定する(ステップS2901)。オープニング期間が経過していなければ(ステップS2901:No)、そのままオープニング処理を終了する。
オープニング期間が経過していれば(ステップS2901:Yes)、主制御部701はオープニングを終了し(ステップS2902)、ラウンド数カウンタのカウント値Rを1に設定する(ステップS2903)。そして、ラウンド進行コマンドをRAM713に設定して(ステップS2904)、1ラウンド目の大入賞口109の開放を開始し(ステップS2905)、オープニング処理を終了する。
ここで、ラウンド進行コマンドには、ラウンド数カウンタのカウント値Rの値(何ラウンド目になるのか)を示す情報などが含まれている。主制御部701は、出力処理(図22のステップS2206)を実行した際に、このラウンド進行コマンドを演出統括部703aに出力する。
(開放中処理)
つぎに、図30を用いて、図28のステップS2805に示した開放中処理について説明する。図30は、開放中処理の処理内容を示すフローチャートである。開放中処理において、主制御部701は、まず、開放期間が経過したかを判定する(ステップS3001)。開放期間が経過していなければ(ステップS3001:No)、主制御部701は今回の大入賞口109の開放中に、大入賞口109へ規定個数(たとえば10個)の遊技球の入賞があったかを判定する(ステップS3002)。規定個数の入賞がなければ(ステップS3002:No)、そのまま開放中処理を終了する。
開放期間が経過した場合(ステップS3001:Yes)、または規定個数の入賞があった場合には(ステップS3002:Yes)、主制御部701は、大入賞口109を閉口させる(ステップS3003)。そして、ラウンド数カウンタのカウント値Rが、選択された大入賞口動作パターンのRmaxと一致するかを判定する(ステップS3004)。たとえば、ここで、16R長当たりおよび16R短当たり当選時に選択される大入賞口作動パターンではRmaxは「16」とされる。4R短当たり当選時に選択される大入賞口作動パターンではRmaxは「4」とされる。
ラウンド数カウンタのカウント値RがRmaxと一致しなければ(ステップS3004:No)、主制御部701はインターバルを開始して(ステップS3005)、開放中処理を終了する。ラウンド数カウンタのカウント値RがRmaxと一致すれば(ステップS3004:Yes)、主制御部701は最終ラウンドの開放が終了したと判定して、エンディングを開始する(ステップS3006)。
エンディングを開始すると、主制御部701はエンディングコマンドをRAM713に設定して(ステップS3007)、開放中処理を終了する。このエンディングコマンドには、今回の大当たりのエンディング期間を示す情報などが含まれている。主制御部701は、出力処理(図22のステップS2206)を実行した際に、このエンディングコマンドを演出統括部703aに出力する。
(インターバル処理)
つぎに、図31を用いて、図28のステップS2807に示したインターバル処理について説明する。図31は、インターバル処理の処理内容を示すフローチャートである。インターバル処理において、主制御部701は、まず、所定のインターバル期間が経過したかを判定する(ステップS3101)。インターバル期間が経過していなければ(ステップS3101:No)、そのままインターバル処理を終了する。
インターバル期間が経過していれば(ステップS3101:Yes)、主制御部701はインターバルを終了し(ステップS3102)、ラウンド数カウンタのカウント値Rに「1」加算した数値を新たなカウント値Rとする(ステップS3103)。そして、ラウンド進行コマンドをRAM713に設定する(ステップS3104)。つづいて、主制御部701は、Rラウンド目の大入賞口109の開放を開始して(ステップS3105)、インターバル処理を終了する。
(エンディング処理)
つぎに、図32を用いて、図28のステップS2809に示したエンディング処理について説明する。図32は、エンディング処理の処理内容を示すフローチャートである。エンディング処理において、主制御部701は、まず、所定のエンディング期間が経過したかを判定する(ステップS3201)。エンディング期間が経過していなければ(ステップS3201:No)、そのままエンディング処理を終了する。
エンディング期間が経過していれば(ステップS3201:Yes)、主制御部701は、エンディングを終了し(ステップS3202)、ラウンド数カウンタのカウント値Rを「0」にリセットする(ステップS3203)。そして、今回の大当たり遊技後の遊技状態を設定する遊技状態設定処理(図33参照)をおこなう(ステップS3204)。そして、大当たり遊技フラグをOFFに設定するとともに(ステップS3205)、右打ち表示部205を消灯させるための右打ち報知終了処理を実行し(ステップS3206)、エンディング処理を終了する。
(遊技状態設定処理)
つぎに、図33を用いて、図32のステップS3204に示した遊技状態設定処理について説明する。図33は、遊技状態設定処理の処理内容を示すフローチャートである。遊技状態設定処理において、主制御部701は、まず、電チューサポート機能付きの遊技状態であることを示す時短遊技フラグをONに設定するとともに(ステップS3301)、時短遊技カウンタのカウント値Jを「70」に設定する(ステップS3302)。
そして、右打ち表示部205を点灯させるための右打ち報知開始処理を実行する(ステップS3303)。そして、高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグをONに設定する(ステップS3304)。そして、高確遊技カウンタのカウント値Xを「74」に設定し(ステップS3305)、遊技状態設定処理を終了する。
(2−1.演出統括部がおこなう処理)
つぎに、演出制御部703がおこなう処理について詳細に説明する。まず、演出制御部703の演出統括部703aがおこなう処理から説明する。なお、以下に説明する演出統括部703aがおこなう各処理は、たとえば、演出統括部703aのCPU731がROM732に記憶されたプログラムを実行することによりおこなう。
(演出メイン処理)
図34は、演出メイン処理の処理内容を示すフローチャートである。演出統括部703aは、ぱちんこ遊技機100へ電源の供給が開始されると、図34に示す演出メイン処理の実行を開始し、この処理をぱちんこ遊技機100の起動中継続的に実行する。演出メイン処理において、演出統括部703aは、主制御部701から起動時に出力される初期設定コマンドまたは復旧コマンドを受信するまで待機する(ステップS3401:Noのループ)。初期設定コマンドおよび復旧コマンドは、主制御部701のメイン処理において主制御部701から送信されるコマンドである(図21のステップS2106,ステップS2109参照)。
初期設定コマンドまたは復旧コマンドを受信すると(ステップS3401:Yes)、初期設定処理をおこなう(ステップS3402)。この初期設定処理において、たとえば、演出統括部703aは、後述の演出タイマ割込処理の割り込み周期(たとえば4msec)などを設定する。また、初期設定処理において、演出統括部703aは、遊技を開始させる演出モードなどを設定してもよい。
つづいて、演出統括部703aは、初期設定コマンドまたは復旧コマンドをランプ制御部703cや画像・音声制御部703bへ出力し(ステップS3403)、演出用乱数更新処理をおこなって(ステップS3404)、以降、演出用乱数更新処理を繰り返す。たとえば、演出用乱数更新処理において、演出統括部703aは、演出用乱数カウンタのカウント値を「1」カウントアップし、演出用乱数カウンタのカウント値が所定値に達したときには「0」に戻す処理をおこなう。
(演出タイマ割込処理)
図35は、演出タイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。上述したように、演出統括部703aは、演出メイン処理に対して、図35の演出タイマ割込処理を、所定の周期(たとえば4ms)で割り込み実行する。
演出タイマ割込処理において、演出統括部703aは、まず、コマンド受信処理(図36参照)をおこなう(ステップS3501)。コマンド受信処理をおこなった後、演出統括部703aは、つづいて、演出ボタン118や十字キー119により遊技者からの操作を受け付けた際に操作コマンドを設定する操作受付処理をおこなう(ステップS3502)。
つづいて、演出統括部703aは、可動役物131,132を用いた演出時におこなう可動役物演出中処理を実行する(ステップS3503)。可動役物演出中処理の詳細については、図37−4を用いて後述する。この後、演出統括部703aは、コマンド出力処理をおこなう(ステップS3504)。コマンド出力処理では、コマンド受信処理、操作受付処理または可動役物演出中処理などによりRAM733の各記憶領域に設定された情報を示すコマンドを、ランプ制御部703cや画像・音声制御部703bや対して出力する処理をおこなう。
(コマンド受信処理)
つぎに、図36を用いて、図35のステップS3501に示したコマンド受信処理について説明する。図36は、コマンド受信処理の処理内容を示すフローチャートである。コマンド受信処理において、演出統括部703aは、まず、主制御部701から特別図柄に関するコマンド(以下「特図コマンド」という)を受信したかを判定する(ステップS3601)。ここで、特図コマンドは、たとえば、上述した変動開始コマンドや変動停止コマンドである。
特図コマンドを受信していれば(ステップS3601:Yes)、演出統括部703aは、特別図柄の演出に関する特図コマンド受信処理をおこなって(ステップS3602)、ステップS3603へ移行する。特図コマンド受信処理の詳細については、図37−1を用いて後述する。特図コマンドを受信していなければ(ステップS3601:No)、そのままステップS3603へ移行する。
つづいて、演出統括部703aは、主制御部701からランプ制御部703cからのコマンド(以下「ランプコマンド」という)を受信したかを判定する(ステップS3603)。ここで、ランプコマンドとしては、たとえば、可動役物131,132が動作を開始したことを示す駆動開始コマンド、可動役物が動作を完了したことを示す動作完了コマンドが挙げられる。
ステップS3603において、ランプコマンドを受信していれば(ステップS3603:Yes)、ランプコマンド受信処理をおこなって(ステップS3604)、ステップS3605へ移行する。ランプコマンド受信処理の詳細については、図37−3を用いて後述する。ランプコマンドを受信していなければ(ステップS3603:No)、そのままステップS3605へ移行する。
つづいて、演出統括部703aは、主制御部701からオープニングコマンドを受信したかを判定する(ステップS3605)。オープニングコマンドを受信していなければ(ステップS3605:No)、ステップS3607へ移行する。オープニングコマンドを受信していれば(ステップS3605:Yes)、演出統括部703aは、大当たり中におこなう大当たり演出を選択して、この大当たり演出を開始させる大当たり演出開始処理をおこない(ステップS3606)、ステップS3607へ移行する。
ここで、大当たり演出開始処理について補足しておく。たとえば、大当たり演出開始処理において、演出統括部703aは、16R長当たりに当選していれば16R長当たり用の大当たり演出を選択して、この大当たり演出を開始させる。16R短当たりに当選していれば16R短当たり用の大当たり演出を選択して、この大当たり演出を開始させる。4R短当たりに当選していれば4R短当たり用の大当たり演出を選択して、この大当たり演出を開始させる。
つづいて、演出統括部703aは、主制御部701からラウンド進行コマンドを受信したかを判定する(ステップS3607)。ラウンド進行コマンドを受信していなければ(ステップS3607:No)、ステップS3609へ移行する。ラウンド進行コマンドを受信していれば(ステップS3607:Yes)、演出統括部703aは、進行したラウンドに対応した演出の制御をおこなうラウンド演出進行処理をおこなって(ステップS3608)、ステップS3609へ移行する。
つづいて、演出統括部703aは、主制御部701からエンディングコマンドを受信したかを判定する(ステップS3609)。エンディングコマンドを受信していなければ(ステップS3609:No)、コマンド受信処理を終了する。エンディングコマンドを受信している場合(ステップS3609:Yes)、演出統括部703aは、大当たり演出を終了させる大当たり演出終了処理をおこなって(ステップS3610)、コマンド受信処理を終了する。
(特図コマンド受信処理)
つぎに、図37−1を用いて、図36のステップS3602に示した特図コマンド受信処理について説明する。図37−1は、特図コマンド受信処理の処理内容を示すフローチャートである。特図コマンド受信処理において、演出統括部703aは、まず、変動開始コマンドを受信したかを判定する(ステップS3701)。変動開始コマンドを受信していなければ(ステップS3701:No)、S3707へ移行する。
変動開始コマンドを受信していれば(ステップS3701:Yes)、演出統括部703aは受信した変動開始コマンドを解析して(ステップS3702)、大当たり抽選の抽選結果を示す情報、特図変動パターン(特別図柄の変動時間)を示す情報、遊技状態を示す情報などを取得する。
つづいて、演出用乱数取得用のカウンタのカウント値を参照して演出用乱数を取得する(ステップS3703)。そして、演出統括部703aは、変動演出パターンを選択するための、変動演出選択処理を実行し(ステップS3704)、この判定結果(変動演出パターン)をRAM733に設定する。変動演出選択処理の詳細については図37−2を用いて後述する。
つづいて、演出統括部703aは、ステップS3703において取得した演出用乱数と予告演出パターンテーブルYEt(図15参照)とを用いて予告演出パターンを判定し(ステップS3705)、この判定結果をRAM733に設定する。そして、ステップS3703で設定された変動演出パターンや装飾図柄の組み合わせ、ステップS3705で設定された予告演出パターンが示す予告演出を開始させるための演出開始コマンドをRAM733に設定して(ステップS3706)、ステップS3707へ移行する。
なお、演出モードごとにそれぞれ異なる演出が用意されている場合、演出統括部703aは、変動演出パターンや予告演出パターンを判定する際に現在の演出モードを示す情報を参照し、現在の演出モードに合致した演出を選択するようにすることで、演出のバリエーションを増加させて、興趣性の高い演出をおこなうことができる。
つづいて、演出統括部703aは、変動停止コマンドを受信したかを判定し(ステップS3707)、変動停止コマンドを受信していれば(ステップS3707:Yes)、実行中の演出を終了させる演出終了コマンドをRAM733に設定して(ステップS3708)、特図コマンド受信処理を終了する。変動停止コマンドを受信していなければ(ステップS3707:No)、そのまま特図コマンド受信処理を終了する。
(変動演出選択処理)
つぎに、図37−2を用いて、図37−1のステップS3704に示した変動演出選択処理について説明する。図37−2は、変動演出選択処理の処理内容を示すフローチャートである。変動演出選択処理において、演出統括部703aは、第1可動役物131が動作中であるときにONに設定される、第1動作フラグがONであるか否かを判定する(ステップS3721)。第1動作フラグは、図37−3を用いて後述する、ランプコマンド受信処理においてONに設定されるフラグである。
第1動作フラグがONである場合(ステップS3721:Yes)、第1可動役物併用演出禁止処理を実行し(ステップS3722)、ステップS3723に移行する。第1可動役物併用演出禁止処理とは、第1可動役物131を用いたリーチ演出(たとえば図16の変動演出パターンEp31,Ep51,Ep61,Ep71)を選択しないようにする処理である。
すなわち、たとえば、特図変動パターンTHp3による変動の場合、変動演出パターンEp32が必ず選択されることとなる。また、特図変動パターンTHp6による変動の場合、変動演出パターンEp62,Ep63のうちいずれか一方が選択されることとなる。変動演出パターンEp62,Ep63のそれぞれの選択割合は、たとえば50/100である。
第1動作フラグがOFFである場合(ステップS3721:No)、第2可動役物132が基準位置にないときにONに設定される、第2動作フラグがONであるか否かを判定する(ステップS3723)。第2動作フラグは、図37−3を用いて後述する、ランプコマンド受信処理においてONに設定されるフラグである。
第2動作フラグがOFFである場合(ステップS3723:No)、ステップS3725に移行する。第2動作フラグがONである場合(ステップS3723:Yes)、第2可動役物併用演出禁止処理を実行し(ステップS3724)、ステップS3725に移行する。第2可動役物併用演出禁止処理とは、第2可動役物132を用いたリーチ演出(たとえば図16の変動演出パターンEp41,Ep62,Ep71)を選択しないようにする処理である。すなわち、たとえば、特図変動パターンTHp4による変動の場合、変動演出パターンEp42が必ず選択されることとなる。
また、特図変動パターンTHp6による変動の場合、変動演出パターンEp61,Ep63のうちいずれか一方が選択されることとなる。変動演出パターンEp61,Ep63のそれぞれの選択割合は、たとえば50/100である。ただし、この場合であっても、ステップS3722における第1可動役物併用演出禁止処理がおこなわれているときには、変動演出パターンEp61も取り得ることなく、すなわち、変動演出パターンEp63が必ず選択されることとなる。
そして、図37−1のステップS3702で取得された情報と、ステップS3703で取得された演出用乱数と、変動演出パターンテーブルTEt(図16参照)とを用いて、変動開始コマンドが示す特図変動パターンに対応づけられた変動演出パターンを選択し(ステップS3725)、変動演出選択処理を終了する。
なお、ステップS3725において、変動演出パターンを選択した際に、演出統括部703aは、停止表示させる装飾図柄の組み合わせも選択するようにしてもよい。たとえば、大当たり抽選の抽選結果が大当たりの場合は、リーチ演出の変動演出パターンを選択し、装飾図柄がゾロ目となる組み合わせを選択するようにしてもよい。
また、大当たり抽選の抽選結果がハズレ(ハズレリーチ)の場合は、リーチ演出の変動演出パターンを選択し、装飾図柄をリーチハズレ目となる組み合わせを選択するようにしてもよい。さらに、ノーマルハズレ演出の変動演出パターンを選択した場合は、装飾図柄がリーチ状態とはならないバラケ目となる組み合わせを選択するようにしてもよい。
(ランプコマンド受信処理)
つぎに、図37−3を用いて、図36のステップS3604に示したランプコマンド受信処理について説明する。図37−3は、ランプコマンド受信処理の処理内容を示すフローチャートである。ランプコマンド受信処理において、演出統括部703aは、ランプ制御部703cから、第1可動役物131が動作中である場合に送信される第1駆動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3731)。第1駆動開始コマンドは、ランプ制御部703cがおこなう、図39−1の起動復帰処理や図41−1および図41−2の演出開始時復帰処理において設定されるコマンドである。
第1駆動開始コマンドを受信しない場合(ステップS3731:No)、ステップS3733に移行する。第1駆動開始コマンドを受信した場合(ステップS3731:Yes)、第1可動役物131が動作中である旨を示す第1動作フラグをONにする(ステップS3732)。そして、演出統括部703aは、ランプ制御部703cから、第1可動役物131が動作を完了した場合に送信される第1駆動完了コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3733)。第1駆動完了コマンドは、ランプ制御部703cがおこなう、図39−1の起動復帰処理や図41−1および図41−2の演出開始時復帰処理などにおいて設定されるコマンドである。
第1駆動完了コマンドを受信しない場合(ステップS3733:No)、ステップS3735に移行する。第1駆動完了コマンドを受信した場合(ステップS3733:Yes)、第1動作フラグをOFFにする(ステップS3734)。そして、演出統括部703aは、ランプ制御部703cから、第2可動役物132が動作中である場合に送信される第2駆動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3735)。第2駆動開始コマンドは、ランプ制御部703cがおこなう、図39−1の起動復帰処理や図41−1および図41−2の演出開始時復帰処理において設定されるコマンドである。
第2駆動開始コマンドを受信しない場合(ステップS3735:No)、ステップS3737に移行する。第2駆動開始コマンドを受信した場合(ステップS3735:Yes)、第2可動役物132が動作中であることを示す第2動作フラグをONにする(ステップS3736)。そして、演出統括部703aは、ランプ制御部703cから、第2可動役物132が動作を完了した場合に送信される第2駆動完了コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3737)。第2駆動完了コマンドは、ランプ制御部703cがおこなう、図39−2の起動復帰処理や図41−1および図41−2の演出開始時復帰処理において設定されるコマンドである。
第2駆動完了コマンドを受信しない場合(ステップS3737:No)、そのままランプコマンド受信処理を終了する。第2駆動完了コマンドを受信した場合(ステップS3737:Yes)、第2動作フラグをOFFにし(ステップS3738)、ランプコマンド受信処理を終了する。
(可動役物演出中処理)
つぎに、図37−4を用いて、図35のステップS3503に示した可動役物演出中処理ついて説明する。図37−4は、可動役物演出中処理の処理内容を示すフローチャートである。なお、図37−4では、第1可動役物131のみを用いる高期待度リーチ演出A1(図19−1〜図19−6参照)であるものとして説明する。
可動役物演出中処理において、演出統括部703aは、演出切替えタイミングであるか否かを判定する(ステップS3741)。演出切替えタイミングとは、具体的には、図19−1に示した第1可動役物131を動作させるタイミングt2,t4である。演出切替えタイミングではない場合(ステップS3741:No)、可動役物演出中処理を終了する。演出切替えタイミングである場合(ステップS3741:Yes)、第1可動役物131が動作中であることを示す第1動作フラグがONであるか否かを判定する(ステップS3742)。
なお、本フローチャートは、第1可動役物131のみを用いる高期待度リーチ演出A1の場合における処理であるため、ステップS3742において第1動作フラグのON、OFFを判定するようにしているが、第2可動役物132を用いる演出である場合には、ステップS3742において第2動作フラグのON、OFFを判定すればよい。また、第1可動役物131および第2可動役物132をともに用いる演出である場合には、ステップS3742において、第1動作フラグのON、OFFおよび第2動作フラグのON、OFFを判定すればよい。
ステップS3742において、第1動作フラグのONである場合(ステップS3742:Yes)、すなわち、第1可動役物131が動作中である場合、ランプ制御部703cに出力するための点灯演出コマンドCe(図19−3参照)をRAM733に設定し(ステップS3743)、可動役物演出中処理を終了する。
ステップS3742において、第1動作フラグがOFFの場合(ステップS3742:No)、すなわち、第1可動役物131が動作中ではない場合、ランプ制御部703cへ出力するための役物演出コマンドCk(図19−3参照)をRAM733に設定し(ステップS3744)、可動役物演出中処理を終了する。
(2−2.ランプ制御部がおこなう処理)
つぎに、ランプ制御部703cがおこなう処理について詳細に説明する。なお、以下に説明するランプ制御部703cがおこなう各処理は、たとえば、ランプ制御部703cのCPU751がROM752に記憶されたプログラムを実行することによりおこなう。
(ランプ制御処理)
図38は、ランプ制御処理の処理内容を示すフローチャートである。ランプ制御部703cは、ぱちんこ遊技機100へ電源の供給が開始されると、図38に示すランプ制御処理の実行を開始し、この処理をぱちんこ遊技機100の起動中継続的に実行する。ランプ制御処理において、ランプ制御部703cは、まず、第1可動役物131および第2可動役物132を初期運転させるための起動復帰処理をおこなう(ステップS3801)。起動復帰処理の詳細については、図39−1および図39−2を用いて後述する。
つづいて、ランプ制御部703cは、第1可動役物131および第2可動役物132を制御するための可動役物制御処理をおこなう(ステップS3802)。可動役物制御処理の詳細については、図40を用いて後述する。そして、各種ランプ(たとえば盤ランプLpの各ランプ、演出ライト部115の各ランプ)の点灯を制御するための点灯制御処理をおこなう(ステップS3803)。この後、ステップS3801〜ステップS3803で設定された各種コマンドを演出統括部703aへ出力したり、ステップS3801〜ステップS3803で設定された各種データを各種ランプや可動役物131,132へ出力したりするための出力処理を実行し(ステップS3804)、ランプ制御処理を終了する。
(起動復帰処理)
つぎに、図39−1および図39−2を用いて、図38のステップS3801に示した起動復帰処理について説明する。図39−1は、起動復帰処理の処理内容を示すフローチャート(その1)である。図39−2は、起動復帰処理の処理内容を示すフローチャート(その2)である。
起動復帰処理において、ランプ制御部703cは、演出統括部703aから初期設定コマンドまたは復旧コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3901)。初期設定コマンドおよび復旧コマンドは、演出統括部703aの演出メイン処理において演出統括部703aから送信されるコマンドである(図34のステップS3401参照)。
初期設定コマンドまたは復旧コマンドを受信しない場合(ステップS3901:No)、ステップS3904に移行する。初期設定コマンドまたは復旧コマンドを受信すると(ステップS3901:Yes)、初期運転として、第1駆動モータ411に所定の制御信号を出力することにより、第1可動役物131の駆動を開始させる(ステップS3902)。所定の制御信号とは、第1可動役物131を進出位置まで進出させて、さらに、基準位置まで戻す信号である。そして、第1可動役物131が初期運転の動作を開始することにより、その旨を示す第1駆動開始コマンドをRAM753に設定する(ステップS3903)。
この後、第1可動役物131が駆動中であるか否かを判定する(ステップS3904)。第1可動役物131が駆動中ではない場合(ステップS3904:No)、ステップS3910に移行する。第1可動役物131が駆動中である場合(ステップS3904:Yes)、第1可動役物131の駆動が完了したか否かを判定する(ステップS3905)。第1可動役物131の駆動が完了していない場合(ステップS3905:No)、ステップS3910に移行する。
第1可動役物131の駆動が完了した場合(ステップS3905:Yes)、第1役物センサS1によって第1可動役物131が検出されることにより、第1可動役物131が基準位置に戻ったか否かを判定する(ステップS3906)。第1可動役物131が基準位置にない場合(ステップS3906:No)、ステップS3910に移行する。
なお、所定時間経過しても、第1可動役物131が基準位置にない場合(ステップS3906:No)が継続する場合は、何らかのエラー(不具合)が生じている。すなわち、ステップS3902において、第1駆動モータ411に所定の制御信号を出力することにより、第1可動役物131を進出位置まで進出させて、さらに、基準位置まで戻すようにしたにもかかわらず、基準位置に戻っていないということであり、何らかのエラーが生じている。この場合には、第1可動役物131にエラーが生じている旨を示す処理(たとえば、演出統括部703aにその旨を示すコマンドを送るとともに、画像表示部104から第1可動役物131にエラーが生じている旨を表示する処理)をおこなうようにする。
ステップS3906において、第1可動役物131が基準位置にある場合(ステップS3906:Yes)、第1可動役物131の駆動が完了した旨を示す第1駆動完了コマンドをRAM753に設定する(ステップS3907)。この後、第2駆動モータ511に所定の制御信号を出力することにより、第2可動役物132の駆動を開始させる(ステップS3908)。所定の制御信号とは、第2可動役物132を進出位置まで進出させて、さらに、基準位置まで戻す信号である。そして、第2可動役物132が基準位置から外れることにより、その旨を示す第2駆動開始コマンドをRAM753に設定する(ステップS3909)。
この後、第2可動役物132が駆動中であるか否かを判定する(ステップS3910)。第2可動役物132が駆動中ではない場合(ステップS3910:No)、そのまま起動復帰処理を終了する。第2可動役物132が駆動中である場合(ステップS3910:Yes)、第2可動役物132の駆動が完了したか否かを判定する(ステップS3911)。第2可動役物132の駆動が完了していない場合(ステップS3911:No)、そのまま起動復帰処理を終了する。
第2可動役物132の駆動が完了した場合(ステップS3911:Yes)、第2役物センサS2によって第2可動役物132が検出されることにより、第2可動役物132が基準位置に戻ったか否かを判定する(ステップS3912)。第2可動役物132が基準位置にない場合(ステップS3912:No)、そのまま起動復帰処理を終了する。
なお、所定時間経過しても、第2可動役物132が基準位置にない場合(ステップS3912:No)が継続する場合は、何らかのエラー(不具合)が生じている。すなわち、ステップS3908において、第2駆動モータ511に所定の制御信号を出力することにより、第2可動役物132を進出位置まで進出させて、さらに、基準位置まで戻すようにしたにもかかわらず、基準位置に戻っていないということであり、何らかのエラーが生じている。この場合には、第2可動役物132にエラーが生じている旨を示す処理(たとえば、演出統括部703aにその旨を示すコマンドを送るとともに、画像表示部104から第2可動役物132にエラーが生じている旨を表示する処理)をおこなうようにする。
ステップS3912において、第2可動役物132が基準位置にある場合(ステップS3912:Yes)、第2可動役物132の駆動が完了した旨を示す第2駆動完了コマンドをRAM753に設定し(ステップS3913)、起動復帰処理を終了する。
(可動役物制御処理)
つぎに、図40を用いて、図38のステップS3802に示した可動役物制御処理について説明する。図40は、可動役物制御処理の処理内容を示すフローチャートである。可動役物制御処理において、ランプ制御部703cは、演出開始時復帰処理をおこなう(ステップS4001)。演出開始時復帰処理の詳細については図41−1および図41−2を用いて後述する。そして、演出制御処理をおこなう(ステップS4002)。演出制御処理の詳細については、図42−1および図42−2を用いて後述する。この後、演出終了制御処理をおこなって(ステップS4003)、可動役物制御処理を終了する。演出終了制御処理の詳細については、図43を用いて後述する。
(演出開始時復帰処理)
つぎに、図41−1および図41−2を用いて、図40のステップS4001に示した演出開始時復帰処理について説明する。図41−1は、演出開始時復帰処理の処理内容を示すフローチャート(その1)である。図41−2は、演出開始時復帰処理の処理内容を示すフローチャート(その2)である。演出開始時復帰処理において、ランプ制御部703cは、まず、演出統括部703aから演出開始コマンドを受信したかを判定する(ステップS4101)。演出開始コマンドを受信していなければ(ステップS4101:No)、ステップS4108に移行する。
演出開始コマンドを受信すると(ステップS4101:Yes)、第1可動役物131が基準位置であるかを判定する(ステップS4102)。第1可動役物131が基準位置であれば(ステップS4102:Yes)、ステップS4105へ移行する。第1可動役物131が基準位置でなければ(ステップS4102:No)、第1可動役物131が駆動を開始した旨を示す第1駆動開始コマンドをRAM753に設定する(ステップS4103)。そして、第1駆動モータ411に所定の制御信号を出力することにより、第1可動役物131の駆動を開始させる(ステップS4104)。所定の制御信号とは、第1可動役物131を基準位置の方向へ移動させる信号である。
そして、第2可動役物132が基準位置であるか否かを判定する(ステップS4105)。第2可動役物132が基準位置であれば(ステップS4105:Yes)、ステップS4113へ移行する。第2可動役物132が基準位置でなければ(ステップS4105:No)、第2可動役物132が駆動を開始した旨を示す第2駆動開始コマンドをRAM753に設定する(ステップS4106)。そして、第2駆動モータ511に所定の制御信号を出力することにより、第2可動役物132の駆動を開始させる(ステップS4107)。所定の制御信号とは、第2可動役物132を基準位置の方向へ移動させる信号である。
つづいて、ランプ制御部703cは、第1可動役物131が駆動中であるかを判定する(ステップS4108)。第1可動役物131が駆動中でなければ(ステップS4108:No)、ステップS4113に移行する。第1可動役物131を駆動中であれば(ステップS4108:Yes)、第1役物センサS1によって第1可動役物131が検出されることにより、第1可動役物131が基準位置に戻ったか否かを判定する(ステップS4109)。第1可動役物131が基準位置であれば(ステップS4109:Yes)、第1可動役物131の駆動が完了した旨を示す第1駆動完了コマンドをRAM753に設定し(ステップS4110)、ステップS4112に移行する。
ステップS4109において、第1可動役物131が基準位置でなければ(ステップS4109:No)、予め定めた所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS4111)。所定時間経過していない場合(ステップS4111:No)、ステップS4113に移行する。所定時間経過した場合(ステップS4111:Yes)、第1可動役物131の駆動制御を終了する(ステップS4112)。
なお、ステップS4109:No→ステップS4111:Yesのように、基準位置が検出されずに所定時間が経過した場合には、何らかのエラー(不具合)が生じている。すなわち、第1駆動モータ411を駆動させて、第1可動役物131を基準位置まで戻す処理を実行したにもかかわらず、基準位置に戻っていないということである。この場合には、第1可動役物131にエラーが生じている旨を示す処理(たとえば、一部の枠ランプを特殊な発光態様にして、店員にエラーが生じている旨を報知する処理)をおこなうようにする。
ステップS4112の処理の後、ランプ制御部703cは、第2可動役物132が駆動中であるかを判定する(ステップS4113)。第2可動役物132が駆動中でなければ(ステップS4113:No)、そのまま演出開始時復帰処理を終了する。第2可動役物132が駆動中であれば(ステップS4113:Yes)、第2役物センサS2によって第2可動役物132が検出されることにより、第2可動役物132が基準位置に戻ったか否かを判定する(ステップS4114)。第2可動役物132が基準位置であれば(ステップS4114:Yes)、第2可動役物132の駆動が完了した旨を示す第2駆動完了コマンドをRAM753に設定し(ステップS4115)、ステップS4117に移行する。
ステップS4114において、第2可動役物132が基準位置でなければ(ステップS4114:No)、予め定めた所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS4116)。所定時間経過していない場合(ステップS4116:No)、そのまま演出開始時復帰処理を終了する。所定時間経過した場合(ステップS4116:Yes)、第2可動役物132の駆動制御を終了し(ステップS4117)、処理を終了する。
なお、ステップS4114:No→ステップS4116:Yesのように、基準位置が検出されずに所定時間が経過した場合とは、何らかのエラー(不具合)が生じている。すなわち、第2駆動モータ511を駆動させて、第2可動役物132を基準位置まで戻す処理を実行したにもかかわらず、基準位置に戻っていないということである。この場合には、第2可動役物132にエラーが生じている旨を示す処理(たとえば、一部の枠ランプを特殊な発光態様にして、店員にエラーが生じている旨を報知する処理)をおこなうようにする。
(演出制御処理)
つぎに、図42−1および図42−2を用いて、図40のステップS4002に示したランプ制御部703cがおこなう演出制御処理について説明する。図42−1は、演出制御処理の処理内容を示すフローチャート(その1)である。図42−2は、演出制御処理の処理内容を示すフローチャート(その2)である。
演出制御処理において、ランプ制御部703cは、演出統括部703aから演出コマンドを受信したかを判定する(ステップS4201)。演出コマンドは、図37−2の変動演出選択処理において選択された変動演出パターンに応じて、変動演出中に演出統括部703aから送信されるコマンドや、図19−3に示した役物演出コマンドCkや、点灯演出コマンドCeなどである。
演出コマンドを受信していなければ(ステップS4201:No)、ステップS4208へ移行する。演出コマンドを受信すると(ステップS4201:Yes)、演出コマンドの解析をおこなう(ステップS4202)。解析の結果、演出コマンドが役物演出コマンドCkであるか否かを判定する(ステップS4203)。役物演出コマンドCkではない場合(ステップS4203:No)、すなわち、点灯演出コマンドCeである場合、ステップS4206に移行する。
役物演出コマンドCkである場合(ステップS4203:Yes)、ランプ制御部703cは、役物演出コマンドCkに基づいて、駆動対象の可動役物131,132を判定して、駆動制御テーブルKStの中から今回用いる駆動制御データKαを選択して、この駆動制御データKαをRAM753に設定する(ステップS4204)。そして、設定した駆動制御データKαに基づく制御信号を第1駆動モータ411または第2駆動モータ511へ入力して、第1可動役物131または第2可動役物132の駆動制御を開始する(ステップS4205)。
つづいて、ランプ制御部703cは、役物演出コマンドCkに基づいて、制御対象の可動役物131,132を判定して、点灯制御テーブルTStの中から今回用いる点灯制御データTαを選択して、この点灯制御データTαをRAM753に設定する(ステップS4206)。そして、設定した点灯制御データTαに基づく制御信号を第1可動役物131のランプまたは第2可動役物132の盤ランプLpなどの各種ランプへ入力して点灯制御を開始する(ステップS4207)。
そして、駆動制御中の可動役物があるか否かを判定する(ステップS4208)。駆動制御中の可動役物131,132がなければ(ステップS4208:No)、演出制御処理を終了する。駆動制御中の可動役物があれば(ステップS4208:Yes)、駆動が完了したかを判定する(ステップS4209)。駆動が完了していなければ(ステップS4209:No)、演出制御処理を終了する。
駆動が完了していれば(ステップS4209:Yes)、ランプ制御部703cは、今回の演出における制御対象が第1可動役物131であるか否かを判定する(ステップS4210)。制御対象が第1可動役物131ではない場合(ステップS4210:No)、ステップS4213に移行する。制御対象が第1可動役物131である場合(ステップS4210:Yes)、第1役物センサS1によって第1可動役物131が検出されることにより、第1可動役物131が基準位置に戻ったか否かを判定する(ステップS4211)。
第1可動役物131が基準位置ではない場合(ステップS4211:No)、ステップS4213に移行する。第1可動役物131が基準位置である場合(ステップS4211:Yes)、すなわち、第1可動役物131の駆動が完了した場合、その旨を示す第1駆動完了コマンドをRAM753に設定する(ステップS4212)。
そして、今回の演出における制御対象が第2可動役物132であるか否かを判定する(ステップS4213)。制御対象が第2可動役物132ではない場合(ステップS4213:No)、そのまま演出制御処理を終了する。制御対象が第2可動役物132である場合(ステップS4213:Yes)、第2役物センサS2によって第2可動役物132が検出されることにより、第2可動役物132が基準位置に戻ったか否かを判定する(ステップS4214)。
第2可動役物132が基準位置ではない場合(ステップS4214:No)、そのまま演出制御処理を終了する。第2可動役物132が基準位置である場合(ステップS4214:Yes)、すなわち、第2可動役物132の駆動が完了した場合、その旨を示す第2駆動完了コマンドを設定し(ステップS4215)、演出制御処理を終了する。
(演出終了制御処理)
つぎに、図43を用いて、図40のステップS4003に示した演出終了制御処理について説明する。図43は、演出終了制御処理の処理内容を示すフローチャートである。演出終了制御処理において、ランプ制御部703cは、まず、演出終了コマンドを受信したかを判定する(ステップS4301)。演出終了コマンドは、図37−1に示した特図コマンド受信処理において設定されるコマンドである。演出終了コマンドを受信していなければ(ステップS4301:No)、演出終了制御処理を終了する。
演出終了コマンドを受信すると(ステップS4301:Yes)、第1可動役物131が基準位置であるかを判定する(ステップS4302)。第1可動役物131が基準位置でなければ(ステップS4302:No)、ステップS4304へ移行する。
第1可動役物131が基準位置であれば(ステップS4302:Yes)、ランプ制御部703cは、第1可動役物131の駆動が完了したことを示す第1駆動完了コマンドを設定する(ステップS4303)。そして、第2可動役物132が基準位置であるかを判定する(ステップS4304)。第2可動役物132が基準位置でなければ(ステップS4304:No)、演出終了制御処理を終了する。
第2可動役物132が基準位置であれば(ステップS4304:Yes)、ランプ制御部703cは、第2可動役物132の駆動が完了したことを示す第2駆動完了コマンドを設定し(ステップS4305)、演出終了制御処理を終了する。第1可動役物131が基準位置ではない場合、または、第2可動役物132が基準位置ではない場合、図41−1および図41−2に示した演出開始時復帰処理において、各可動役物131,132を基準位置に復帰させる制御がおこなわれる。
本実施の形態では、図43に示した演出終了制御処理と、図42−1および図42−2に示した演出制御処理とにおいて、可動役物131,132が基準位置に戻ったことにより駆動を完了したかを判定するようにし、駆動を完了した場合には、各処理において駆動完了コマンドを送信するようにしている。すなわち、二重の処理をおこなうようにしている。これにより、可動役物131,132の駆動を完了したか否かを確実に判定することができるようになっている。
以上、説明したように、ぱちんこ遊技機100は、可動役物131,132が動作中(復帰動作中、演出動作中、エラー動作中など)である場合、可動役物131,132を移動させるための役物演出コマンドCk(図19−3参照)の出力を規制するようにした(図37−4参照)。したがって、可動役物131,132の動作途中に別の動作が開始されることを抑止することができる。これにより、可動役物131,132の破損や駆動モータ411,511の故障を抑止することができる。
また、日常点検におけるチェック項目(可動役物131,132の破損や駆動モータ411,511の故障)が低減することにともなってぱちんこ遊技機100の管理者の労務を低減することができるとともに、修理などに要するメンテナンス費用や労力を抑えることができる。さらに、修理にともなってぱちんこ遊技機100が非稼働の状態となることも抑止することができ、遊技店にとって有益なぱちんこ遊技機100を提供することができる。
また、本実施の形態では、可動役物131,132の復帰動作時に、ランプ制御部703cから演出統括部703aへ駆動開始コマンドを出力し、演出統括部703aは駆動開始コマンドを入力した場合、役物演出コマンドCkの出力を規制するようにした。したがって、復帰動作の途中に別の動作が開始されることを確実に抑止することができる。これにより、可動役物131,132の破損や駆動モータ411,511の故障を抑止することができる。
また、本実施の形態では、演出統括部703aは、役物演出コマンドCkの出力を規制した場合、代替となる、盤ランプLpを点灯させるための点灯演出コマンドCe(図19−3参照)をランプ制御部703cへ出力するようにした(図37−4参照)。したがって、可動役物131,132の破損や駆動モータ411,511の故障を抑止することを最優先にしながら、盤ランプLpによる演出をおこなうことによって演出効果の低減を抑えることができる。
また、可動役物131,132の動作を完了した場合に、ランプ制御部703cから移動完了を示す動作完了コマンドを演出統括部703aへ出力し、演出統括部703aは動作完了コマンドを入力した場合、規制した役物演出コマンドCkの出力を解除するようにした。したがって、迅速且つ的確に役物演出コマンドCk(可動役物131,132を動作させるためのコマンド)を出力可能な状態とすることができる。
さらに、本実施の形態では、複数の可動役物131,132を用い、基準位置が検出されない可動役物131,132についてのみ、役物演出コマンドCkを発行しないようし、すなわち、基準位置が検出されている可動役物131,132については役物演出コマンドCkを発行可能にした。したがって、基準位置が検出されている可動役物131,132を用いた役物演出については演出の実行を可能にすることができ、演出効果の低減を抑えることができる。
また、本実施の形態では、演出統括部703a(演出選択部2013)は可動役物131,132の復帰動作中には、役物演出を選択しないようにしたので(図37−2参照)、可動役物131,132の破損や駆動モータ411,511の故障を抑止することができる。また、可動役物131,132の動作に連動する演出(画像表示部104からのエフェクト画像の表示や、スピーカ114からの音声出力など)をおこなわないようにすることもでき、演出上の見栄えが低下することも抑止することができる。
さらに、本実施の形態では、可動役物131,132が基準位置にない場合、たとえば変動演出開始時に基準位置へ移動させるようにしたので(図41−1および図41−2参照)、役物演出をおこなえない状態となっている期間を最小限に抑え、迅速に復旧させることが可能になる。具体的には、次変動以降、役物演出をおこなうことが可能な状態にさせることができる。
また、本実施の形態では、復帰動作をおこなうタイミングを初期運転時(図39−1および図39−2参照)や、変動開始時(図41−1および図41−2参照)としたので、従来と同様の処理とすることができ、処理の複雑化や処理負担の増大を抑えることができる。
さらに、本実施の形態では、ランプ制御部703cは、可動役物131,132を退避させたとき(図42−1および図42−2参照)や図柄確定時(図43参照)に、可動役物131,132が基準位置にあるか否かを判定して駆動開始コマンドを送信するようにした。したがって、演出統括部703aは、基準位置にない可動役物131,132を用いた役物演出を、次変動以降に選択しないようにすることができる。これにより、基準位置にない可動役物131,132については、迅速に使用させないようにすることができ、可動役物の破損や駆動モータ411,511の故障に対する抑止効果をより高めることができる。
さらに、本実施の形態では、可動役物131,132の動作を完了した場合に、ランプ制御部703cから移動完了を示す駆動完了コマンドを演出統括部703aへ出力し、演出統括部703aは駆動完了コマンドを入力した場合、規制した役物演出の選択を解除するようにした。したがって、迅速且つ的確に役物演出を選択可能な状態とすることができる。