JP2012215412A - 車載装置の振動解析及び振動源の特定を行う方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】離散ウェーブレット変換ツリーと寄生フィルタを用いて、リアルタイムで振動解析を可能とする。
【解決手段】車載装置の複数の候補点に振動センサ7a〜7dを設け、計測点にマイクロフォン6を設置し、マイクロフォン6で計測した騒音信号から実信号マザーウェーブレットを構成し、離散ウェーブレット変換ツリーを準備し、該ツリーの所望の分解フィルタへ連結される寄生フィルタであって、前記実信号マザーウェーブレットをツリーへの入力として離散ウェーブレット変換を実行したとき、入力された実信号マザーウェーブレットを実質的に再現して出力するような構造の寄生フィルタを設計し、振動センサ7a〜7dで検出された振動信号を離散ウェーブレット変換ツリーへ入力し、寄生フィルタから出力される瞬時相関値に基づき、瞬時相関値のもっとも高い振動信号を特定して、当該車載装置の複数の候補点のうちから、振動の発生源を特定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車載装置から発生する騒音を車両内で計測し、当該車載装置の各部位に位置する複数の候補点のうちから振動の発生源を特定すべく実施される、振動解析および振動源の特定を行う方法及び装置に関するものである。
空間内の候補点に現出する騒音・振動の発生源を特定することは、自動車の車室の内部騒音、特に、車室内の乗員に聴取される騒音を低減するために重要であり、このためには、対象となる騒音の音源又は振動源を特定し、これらの音源又は振動源に対して効果的な対策を施す必要がある。
このような音源又は振動源の特定を目的とした車載装置の振動解析及び振動源特定方法は、従来から種々提案されており、広く採用されている車載装置の振動解析及び振動源特定方法として、FFT(高速フーリエ変換)による方法がある。この方法は、波形信号として与えられる振動の検出結果をフーリエ変換し周波数成分毎のスペクトル強度を求める方法であり、対象空間内に設定された候補点での振動の検出信号と、音源又は振動源であると想定される複数の候補点での振動の検出信号とを夫々フーリエ変換し、各候補点でのスペクトル分布と候補点でのスペクトル分布とを比較することにより、音源又は振動源を特定する。
また自動車の車室内の騒音を対象とした解析方法として、車室内部の候補点において騒音を計測する一方、車室内部又は周辺の複数の候補点において振動を検出し、各候補点での検出信号を、候補点での検出信号との間の残差に応じてフィルタ係数が変更される適応フィルタによりフィルタリング処理し、この結果に基づいて各候補点の寄与度を求める方法が提案されている。
ところが以上のような解析方法は、いずれも時間情報を含まない解析方法であることから、複数の候補点において時間的に不連続な(例えば単発の)振動が検出された場合、候補点に現出する振動の発生源を正しく特定することが難しいという問題がある。
そこで、車室内部の騒音を車両内で計測して騒音信号を抽出し、複数の候補点での振動の検出結果から、前記騒音信号と同一の時間軸を有する複数の振動信号を抽出し、前記抽出された騒音信号を解析してマザーウェーブレットを導出し、該導出されたマザーウェーブレットを用いて前記検出された複数の振動信号の夫々を連続ウェーブレット変換し、各振動信号と前記マザーウェーブレットとの相関を求め、該相関の相互比較により、前記騒音に対する前記複数の候補点の夫々の寄与度を出力する発明が提案されている(特許文献1)。
この特許文献1に係る車載装置の振動解析及び振動源特定方法及び解析装置においては、時間情報を含む解析結果が得られ、複数の候補点のうちから候補点に現出する振動の発生源を正しく特定することが可能となり、特定された候補点に対する振動対策を実施することが可能となる。
特開2007-205886号公報 国際公開第2010/041526号パンフレット 特開2003-214529号公報
前述した連続ウェーブレット変換を用いたウェーブレット瞬時相関法による振動信号検出手法では、振動信号の発生時刻と強度を同時に検出する利点があるが、連続ウェーブレット変換を用いるため計算量が大きく、リアルタイムでの信号検出は困難である。
そこで、この発明は、リアルタイムで振動信号の解析を可能とすることを目的とする。
本発明の車載装置の振動解析及び振動源の特定を行う方法は、(1)車載装置の複数の候補点に振動センサを設け、(2)当該車載装置から発生する騒音を車両内で計測して、騒音信号を抽出し、(3)前記抽出された騒音信号を解析して実信号マザーウェーブレットを構成し、(4)複数の分解フィルタを連結してなる離散ウェーブレット変換ツリーを準備し、(5)前記分解フィルタに寄生フィルタを接続した場合に、前記実信号マザーウェーブレットを前記離散ウェーブレット変換ツリーへ入力したときに、該実信号マザーウェーブレットが実質的に再現されるように、前記寄生フィルタを設計するとともに接続位置を決定し、(6)前記設計された寄生フィルタを前記分解フィルタに接続し、(7)前記各振動センサで検出された振動信号を前記離散ウェーブレット変換ツリーに入力したときの前記寄生フィルタの出力に基づいて瞬時相関値を求め、(8)前記各瞬時相関値の大きな振動信号を特定して、当該車載装置に位置する複数の候補点のうちから、振動の発生源を特定する方法である。
この方法によれば、前記実信号マザーウェーブレットを前記離散ウェーブレット変換ツリーへ入力したときに、該実信号マザーウェーブレットが実質的に再現されるような寄生フィルタを設計する。この設計された寄生フィルタを前記分解フィルタに接続し、前記各振動センサで検出された振動信号を前記離散ウェーブレット変換ツリーに入力したときの前記寄生フィルタの出力を取り込めば、それは離散的な各時点ごとに、振動信号が騒音信号に近似しているかどうかを示す瞬時相関値を示すものとなる。この瞬時相関値を評価することにより当該車載装置に位置する複数の候補点のうちから、振動の発生源を絞ることができる。瞬時相関値の算出にあたって、離散ウェーブレット変換ツリーの途中で前記寄生フィルタの出力を取り込めばよいので、演算量が少なくなり、演算時間の節約ができる。よって振動解析がリアルタイムで行える。
前記騒音信号が連続的に持続する音である場合に、前記瞬時相関値を所定期間にわたって加算し、この加算値に基づいて、当該車載装置に位置する複数の候補点のうちから、振動の発生源を特定するとよい。
また、本発明の車載装置の振動解析及び振動源の特定を行う装置は、前記方法に係る発明と実質同一の発明にかかるものである。
以上のように本発明によれば、特に騒音信号が単発的な場合や断続的に続く場合に、当該車載装置に位置する複数の候補点のうちから、振動の発生源を絞り込むことができる。よって過不足のない振動対策により振動を確実に低減できる。
本発明に係る車載装置の振動解析及び振動源特定方法の実施状態を示す説明図である。 車載装置の振動解析及び振動源特定装置の内部構成を示すブロック図である。 解析装置において行われる本発明に係る車載装置の振動解析及び振動源特定方法の実施手順を示すフローチャートである。 離散ウェーブレット変換ツリーの図である。 寄生フィルタの設計方法を示すブロック図である。 瞬時相関法を詳細に説明するためのフローチャートである。 寄生レベルを決定する手法を示すフローチャートである。 騒音源の判定方法を詳細に説明するためのフローチャートである。 不連続な騒音の発生源となる各振動信号の波形を表示したグラフである。 連続な騒音の発生源となる各振動信号の相関波形を表示したグラフである 各振動信号について瞬時相関値の区間和を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車載装置の振動解析及び振動源特定装置の実施状態を示す説明図である。図1には、自動車の車室内部に発生する騒音が、この自動車に装備された電動パワーステアリング装置の各部に存在する振動源のいずれに起因するかを特定すべく行われる解析方法の実施状態が示されている。
図1に示す電動パワーステアリング装置は、車体の左右方向に延設されたラックハウジング10の内部に軸長方向への移動自在に支持されたラック軸1と、ラックハウジング10の中途に交叉するピニオンハウジング20の内部に回転自在に支持されたピニオン軸2とを備えるラックピニオン式の操舵機構を備えている。
ラックハウジング10の両側から外部に突出するラック軸1の両端は、各別のタイロッド11,11を介して操舵輪としての左右の前輪12,12に連結されている。またピニオンハウジング20の外部に突出するピニオン軸2の上端は、ステアリング軸3を介して操舵部材としてのステアリングホイール30に連結されている。更にピニオンハウジング20の内部に延びるピニオン軸2の下部には、図示しないピニオンが形成されており、該ピニオンは、ラックハウジング10との交叉部において、ラック軸1の外面に適長にわたって形成されたラック歯に噛合させてある。
ステアリング軸3は、筒形をなすコラムハウジング31の内部に回転自在に支持され、該コラムハウジング31を介して、前方を下とした傾斜姿勢を保って車室の内部に固定されており、コラムハウジング31の下方へのステアリング軸3の突出端にピニオン軸2が、継ぎ手13を介して連結され、同じく上方への突出端にステアリングホイール30が固設されている。
以上の構成により、ステアリングホイール30が回転操作された場合、この回転がステアリング軸3を介してピニオン軸2に伝達され、該ピニオン軸2の回転が、ピニオンとラック歯との噛合部においてラック軸1の軸長方向の移動に変換されることとなり、このようなラック軸1の移動により、左右の前輪 12,12が各別のタイロッド11,11を介して押し引きされて操舵がなされる。
ステアリング軸3を支持するコラムハウジング31の中途には、ステアリングホイール30の回転操作によりステアリング軸3に加わる操舵トルクを検出するトルクセンサ4が設けてあり、該トルクセンサ4よりも下位置に操舵補助用のモータ5が取付けてある。
トルクセンサ4は、検出対象となるステアリング軸3を上下の2軸に分割し、これらの2軸を捩れ特性が既知のトーションバーにより同軸上に連結して、操舵トルクの作用によりトーションバーの捩れを伴って前記2軸間に生じる相対角変位を適宜の手段により検出する公知の構成を有している。また操舵補助用のモータ5は、コラムハウジング31の外側に軸心を略直交させて取り付け、例えば、コラムハウジング31の内部に延びる出力端に固着されたウォームをステアリング軸3に外嵌固定されたウォームホイールに噛合させて、モータ5の回転が、前記ウォーム及びウォームホイールを備える伝動機構により所定の減速下にてステアリング軸3に伝えられるように構成されている。
このように取付けられた操舵補助用のモータ5は、トルクセンサ4により検出される操舵トルクの方向及び大きさに応じて駆動され、このときモータ5が発生する回転力が、ステアリング軸3の下端に連設されたピニオン軸2に付加されることとなり、この回転力により前述の如く行われる操舵が補助される。
以上のように構成された電動パワーステアリング装置においては、ステアリングホイール30の回転操作に応じて前述した操舵が実行されるとき、操舵補助用のモータ5の回転をステアリング軸3へ減速伝動する伝動機構の周辺、ステアリング軸3からピニオン軸2に回転を伝える軸の周辺、ピニオン軸2とラック軸1との噛合部の周辺、ラックハウジング10の一側端部においてラック軸1を摺動自在に支持する支持部の周辺等、部材間に相対移動が生じる部位の周辺に振動が発生し、この振動が車室内に伝播して、運転者に騒音として聴取されることとなる。
本発明に係る振動解析及び振動源特定方法は、以上の如く発生する騒音の発生源を特定すべく実施されるものであり、車室内部の適宜位置、望ましくは、ステアリングホイール30を操作する運転者の周辺に計測点を定め、この計測点に騒音計測用のマイクロフォン6を配すると共に、この騒音の発生源であると想定される各候補点に振動を検出するためのx,y,zの3方向の振動検出が可能な振動センサ(加速度センサ)7a〜7dを配し、これらのマイクロフォン6及び振動センサ7a〜7dの検出信号が車載した計測用コンピュータ8に与えられて実施される。
なお図示の実施の形態においては、操舵補助用のモータ5からステアリング軸3への伝動機構の周辺に振動センサ7aを配置し、ステアリング軸3からピニオン軸2に回転を伝える継ぎ手13の周辺に振動センサ7bを配置し、ピニオン軸2とラック軸1との噛合部の周辺に振動センサ7cを配置し、及びラックハウジング10の一側端部のラック軸1の支持部の周辺に振動センサ7dを配置し、夫々の候補点における振動を各別の振動センサ7a,7b,7c,7dにより検出する構成としてあるが、候補点の数及び位置は適宜に設定することが可能である。
図2は、車載装置の振動解析及び振動源特定装置の内部構成を示すブロック図である。本装置は、マイクロフォン6及び振動センサ7a〜7dの夫々に対応するインターフェイス81、並びに計測用コンピュータ8を備えている。計測用コンピュータ8は、バッファメモリ82,84と、瞬時相関解析部83と、収録メモリ85とを備えている。このような計測用コンピュータ8には、解析途中の経過及び解析結果を表示するための表示部9が、図1に示す如く付設されている。なお図2中の計測用コンピュータ8は、ブロック図の形態にて図示されているが、実際には、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備える演算処理装置により構成される。
マイクロフォン6による計測点での騒音計測信号は、インターフェイス81を介して計測用コンピュータ8に入力され、バンドパスフィルタ(図示せず)によりフィルタ処理される。また振動センサ7a〜7dによる夫々の候補点でのx,y,zの3方向の振動の検出信号は、各別のバンドパスフィルタ(図示せず)によりフィルタ処理され、低周波〜高周波のノイズが除去された波形信号が抽出される。
以下の説明においては、計測点に配したマイクロフォン6による検出信号をフィルタ処理して抽出された波形信号を騒音信号Sとし、候補点に配した振動センサ7a〜7dによる検出信号をフィルタ処理して抽出された波形信号を振動信号Vとする。1つの振動信号Vはx,y,zの3方向の成分をもつので、実質的には3つの振動信号となる。
フィルタ処理を経て、計測点での騒音に対応する1つの騒音信号Sが抽出されてバッファ82に蓄えられ、また4つの候補点の夫々での振動に対応する12の振動信号V1 〜V12 が検出されてバッファ82に蓄えられることとなる。
図3は、計測用コンピュータ8において行われる本発明に係る車載装置の振動解析及び振動源特定方法の実施手順を示すフローチャートである。
計測用コンピュータ8は、マイクロフォン6による計測点での騒音の計測及び候補点における振動の検出を行う。マイクロフォン6の騒音信号を監視しバッファ82に取り込むとともに(ステップS1)、振動センサ7a〜7dによる各候補点での振動の検出を行いバッファ82に取り込む(ステップS2)。なお、マイクロフォン6による騒音信号と振動センサ7a〜7dによる検出信号との取り込みは同時になされる。
以下の手順による処理は、計測用コンピュータ8のCPU内にて高速に実施され、結果をリアルタイムにて出力し、表示部9に表示させることが可能である。また、リアルタイムでないオフライン解析を行う場合は、マイクロフォン6による騒音信号と振動センサ7a〜7dによる検出信号とを収録メモリ85に蓄え、たとえば特許文献1に記載したような連続ウェーブレット変換を用いたウェーブレット瞬時相関法で、任意の時間に解析処理される。
次いで計測用コンピュータ8は、ステップS1において取り込まれた騒音信号Sから実信号マザーウェーブレットRMW(RMW)を導出する(ステップS3)。
実信号マザーウェーブレットRMWの導出には、騒音信号Sのうち、所定の強度条件を満たす範囲の波形を用いる。範囲の選定は、例えば、騒音信号Sを表示部9に表示させ、この表示を視認するオペレータにより行わせるようにしてもよく、また予め定めた強度条件を計測用コンピュータ8のRAMに記憶させておき、この強度条件を満たす使用範囲を自動的に選定するように構成することも可能である。
実信号マザーウェーブレットRMWψ(t)は、信号の再構成を可能とするために、下記(1)式により与えられるアドミッシブル条件を満たす必要がある。ここで、”ψ”はギリシヤ文字の”psi”を表し、ψ(ω)ハットは、マザーウェーブレットψ(t)のフーリエ変換である。
Figure 2012215412
CPUは、騒音信号Sが与えられ、前述の如く使用範囲を選定した後、選定された範囲内の波形信号に対し、前記(1)式の条件を満たすべくハニング窓処理を実施し、更にフーリエ変換する。このように導出されるマザーウェーブレットψ(t)は、始点及び終点がゼロであり、また全域の平均値がゼロであって、更に有界である関数として与えられる。
次にCPUは、導出されたマザーウェーブレットψ(t)に対し、下記(2)式により与えられるノルムを1とするような正規化処理を行う。
Figure 2012215412
このようにして、実数型マザーウェーブレットψR (t)が得られる。
更に、振動に対する解析において特徴をつかみ易くするためには、実数型よりも複素数型のマザーウェーブレットを使用するのが望ましいことから、実数型マザーウェーブレットψR(t)をフーリエ変換し、周波数スペクトルψR (f)ハットを得て、負の周波数領域においては、ψR (t)ハットをゼロに置き換え、正の周波数領域においては、ψR (t)ハットを、2ψR (t)ハットに置き換えて逆フーリエ変換する。このようにして複素数型のマザーウェーブレットψ(t)が得られる。
また、実信号マザーウェーブレットψR(t)をフーリエ変換し周波数スペクトルψR (f)ハットを得る。正の周波数領域においてψR (f)ハット=2ψR (f)ハットとし、負の周波数領域においてψR (f)ハットを0にする。また、周波数f=0においてはψR (f)=ψR (f)ハットとする。
さらに実部を、
Figure 2012215412
にし、虚数部をゼロにしてψR (f)ハットの全位相情報を削除する。ψR (f)ハットの逆フーリエ変換を行い、対称型複素数実信号マザーウェーブレット(SC−RMW)
Figure 2012215412
が得られる。このように構成された実信号マザーウェーブレットはその実数部ψr (t)、虚数部ψi (t)がそれぞれ対称性、反対称性を有する対称型複素数実信号マザーウェーブレット(SC−RMW)である。
前記において位相情報が失われているので、得られた対称型複素数実信号マザーウェーブレット(SC−RMW)はそれ同士加算可能である。従って、対称信号の複数の領域(騒音信号の場合は異音)に基づきそれぞれ対称型複素数実信号マザーウェーブレット(SC−RMW)を構成し、それらを加算し、かつ正規化(平均化)することができる。これを平均的実信号マザーウェーブレット(A−RMW)と名づける。この平均的実信号は対象信号の特徴を広く反映しているので、対称信号において従来型の複素数実信号マザーウェーブレットでは検出できなかった成分をも検出可能とする。よって、いくつかの独立した特長信号が複数時系列で現れた際に、その特徴をより正確に検出したマザーウェーブレットを構成することができる。
本発明で使用する実信号マザーウェーブレット(RMW)には対称型複素数実信号マザーウェーブレット(SC−RMW)、平均的実信号マザーウェーブレット(A−RMW)及び複素数実信号マザーウェーブレット(C−RMW)が含まれ、本明細書において、実信号マザーウェーブレット(RMW)をこれらの総称として使用することがある。
なお図3の手順において、目的とする騒音や振動があらかじめわかっている場合や既にマザーウェーブレットが導出されている場合、ステップS1やステップS3を省略し、マザーウェーブレットを計測用コンピュータ8内のメモリに記憶させて解析することも可能である。
次に、図3に示すように、異音のしきい値を決定し(ステップS4)、しきい値を超えた際の相関度から騒音データに入っている異音を定量的に判定する。このしきい値を決定する手順は、次のとおりである。(a)評価者の耳の位置を例えば運転席の耳の位置に決める(後の判定を行う耳の位置と同じとし、統一する)。(b)取り込んだ騒音信号、あるいは振動信号で異音が発生したと判定された場合、発生時刻の情報に基づいて、計測データから異音信号を特定する。(c)その異音を正確に特定するために、精度の高い時間−周波数解析であるウェーブレット変換を利用して、時間と周波数の解析を行う。(d)異音の区間を特定し、マザーウェーブレットを作成する。評価者が周波数の特徴まで特定できた場合、その周波数の範囲でバンドパスフィルター処理を行い、特定したい帯域だけのマザーウェーブレットを作成すると、検出精度も向上する。その周波数情報と音の強さから「異音」として判断する。ここで、複数の異音が存在し、かつ連続した区間で周波数パターンが大きく異なる場合、異音の周波数成分を精度よく検出したい場合、複数の特徴範囲を選択肢、平均的なマザーウェーブレット(A−RMW)を構成しても良い。(e)作成されたマザーウェーブレットを用いて、騒音検出された信号に対して瞬時相関をとり、この元特定された時間での相関係数が「しきい値」となる。
次に、与えられる振動信号V1 〜V12を夫々取り込み(ステップS5)、リアルタイム解析するかどうかを確認し(ステップS6)、リアルタイム解析する場合、振動信号V1 〜V12 とマザーウェーブレットψ(t)との瞬時相関を算出する(ステップS7)。リアルタイム解析しない場合は、前述したように、マイクロフォン6による騒音信号と振動センサ7a〜7dによる検出信号とを収録メモリ85に蓄え(ステップS8)、たとえば特許文献1に記載したような連続ウェーブレット変換を用いたウェーブレット瞬時相関法で、オフライン解析処理する(ステップS9)。
以下瞬時相関法(ステップS7)について説明する。
振動信号あるいは騒音信号f(t)の連続ウェーブレット変換(CWT)は次の式(5)で表現される。
Figure 2012215412
ここでa(a>0)は周波数の逆数に対応するスケールパラメータであり、bは時刻パラメータである。上に線分がついているものは複素共役を表わす。
ウェーブレット変換のパラメータ、スケールをa=2j、時間をb=k2jとしたとき(jは整数である)、ウェーブレット変換を離散ウェーブレット変換(DWT)と呼ぶ。
図4は離散ウェーブレット変換の構造を示す図である。図4は分解アルゴリズムを示す。このようなDWTは周波数領域においてオクターブ分析により時系列信号の解析を行う。ナイキスト周波数からの各オクターブは、レベル−1、レベル−2、・・・、と呼ばれる。このアルゴリズムは、まずスケーリング関数により得られた振動信号あるいは騒音信号f(t)の離散データc0,k(kはサンプリング時点を表わす整数)をもとにして、レベル−1でのウェーブレット係数(高周波成分) d-1,kとスケーリング係数(低周波成分) c-1,kを、双対ツースケール数列{ak}と双対ウェーブレット数列{bk}のみを用いて式(6)と式(7)により高速に計算する。Σは総和を表わし、kの範囲は、例えばDaubechiesウェーブレット6の場合0から11まで、Daubechiesウェーブレット8の場合0から15までとなる。
Figure 2012215412
Figure 2012215412
さらに前記式(6)と式(7)を適用して、レベル−1のc-1,k からレベル−2でのc-2,k とd-2,kを計算できる。そして、図4に示した分解アルゴリズムに沿って、すべてのウェーブレット係数dj.kを漸進的に求めることができる。
次に、実信号マザーウェーブレットRMWから寄生フィルタを設計する方法について、ツリー(図5)及び詳細フローチャート(図6)を用いて説明する。図5は図4の分解アルゴリズム及び再構成アルゴリズムに相当する。
(1)図5(a)に従って実信号マザーウェーブレットRMWを入力信号として通常のDWTにより寄生レベルまで分解する。
(2)得られた係数cj,kを寄生フィルタ{uk}の初期値としてセットする。
(3)図5(b)の再構成アルゴリズムを利用し、cj,k=0,dj,k =0,xkk(ただし δk=1(k=0),δk=0 (k≠0))として再構成を行い、xoutを求める。
(4)xoutのノルムが最小になるように{uk}の最適化を行う。
すなわち、図4において、実信号マザーウェーブレットRMWを振動信号として離散ウェーブレット変換ツリーへ入力したときの寄生フィルタの出力xoutを、実信号マザーウェーブレットRMWと比較し、両者が実質的に一致したときの{uk}を寄生フィルタとする。
(5)実信号マザーウェーブレットRMWが複素数である場合、実信号マザーウェーブレットRMW の実数部と虚数部に対応する寄生するフィルタ{uR,k}{uI,k} をそれぞれ設計することが必要である。このために、実信号マザーウェーブレットRMW の実数部と虚数部を用いて、以上の手順をそれぞれ実行すればよい(以上、ステップS91)。
このよう設計された寄生フィルタは、実信号マザーウェーブレットRMWを入力したとき当該実信号マザーウェーブレットRMWを再生するものであるから、検査すべき振動信号が入力されたときには、当該振動信号と実信号マザーウェーブレットRMWとの相関性を出力することとなる。
離散ウェーブレット変換ツリーのいずれの分解フィルタへ連結させても、連続ウェーブレットに比べるとその計算量が低減し、処理の高速化、ひいてはリアルタイム性を実現化できる。
次に、寄生フィルタを連結すべき分解フィルタ、換言すれば、寄生フィルタの寄生レベルの特定方法を説明する(ステップS92)。
通常、寄生フィルタが付随している寄生レベルがある程度浅くなると計算速度が速くなるが、寄生レベルが浅すぎると計算量が増えるため逆に計算速度が落ちる。それと同時にフィルタの係数が少なくなるため、形が崩れて検出精度が落ちることがある。検出の信憑性を維持するために、寄生レベルの評価パラメータ、 実信号マザーウェーブレットRMWのエネルギー損失Leを式(8)にて定義する。
Figure 2012215412
ここでkは離散時間で、jはレベル(周波数)となる。jについて解析レベルが4レベルであればj=−1から−4となる。kについてはデータ点数に関係するので、例えば解析対象データの点数が512点であれば、レベル−1では加算の範囲はk=1から256、レベル−2ではk=1から128、レベル−3ではk=1から64、レベル−4ではk=1から32、となる。
図4に示した寄生的離散ウェーブレット変換の場合、条件:Le≦-15[dB]を満足する寄生レベルでは充分な検出精度が得られる。これに対して、条件:-15[dB]<Le≦-10[dB] を満足する寄生レベルでは検出精度が多少落ちるが、それでも高速な計算が可能である。
また解析信号をレベルjまで解析するための乗算回数を計算量として次式(9)で定義する。
Figure 2012215412
RMWのエネルギー損失Leと計算量Qjを用いて、寄生レベルを決定する流れを図7に示した次の手順で行う。
ステップU1;RMWを解析信号としてDWTに入力し、レベルj=-1まで解析する。
ステップU2;レベルjまでの計算量Qjを計算する。
ステップU3;レベルjまでのRMWのエネルギー損失Leを計算する。
ステップU4;条件:Le≦-15[dB]を満足するかどうかを検証する。この条件を満たす場合には、さらに計算量の差Qj−Qj+1を求める。計算量が減少すれば、レベルjを1つ深く(j=j-1)進め、ステップU2に戻ってU2−U4を繰り返して行う。計算量が増加すればレベルjを1つ浅く(j=j+1)戻り、そのレベルを寄生レベルとして出力する。条件:Le≦-15[dB]を満たさない場合には、レベルjを1つ浅く(j=j+1)戻り、そのレベルを寄生レベルとして出力する。
次に寄生的離散ウェーブレット変換において、寄生フィルタを利用して、騒音信号と各振動信号との高速ウェーブレット瞬時相関を求める。
すなわち、振動信号V1 〜V12 の夫々について、図4に示した離散ウェーブレット変換の分解ツリーに沿って、(a)振動信号をDWTにより寄生レベルj(図4ではj=-2としている)まで分解してcj,k,dj,kを得る(ステップS93)。(b)cj,kに寄生フィルタ{uR,k}と{uI,k}を適用して、cj,k の持つ周波数成分の中から、実信号マザーウェーブレットRMWの持つ周波数成分を抜き出し、xj R,k、xj I,kを得る(ステップS94)。
(c)下記(10)式により定義される高速ウェーブレット瞬時相関R(k)を求める(ステップS95)。
Figure 2012215412
このようにして求められた高速ウェーブレット瞬時相関R(k)を表示部9に表示する(ステップS10)。
高速ウェーブレット瞬時相関R(k)は、候補点の騒音に対する夫々の候補点にて検出される振動(この実施の形態においては振動)の相関関係を正しく示すものとなる。またR(k)は時間情報kを含んでおり、発生時刻も判定できるから、複数の振動信号V1 〜V12 偶然が同一の周波数成分を含んでいる場合においても、これら夫々の騒音信号Sに対する相関度の相違が明らかとなる。
CPUは、しきい値を超えた際の相関度から騒音データを決定し、その後異音を定量的に判定することが出来る。すなわち、この異音の原因となっている部位を推定するために、しきい値を超えた異音の相関値ピーク時間から0.025secをさかのぼり(振動が発生して、伝達険路を経由するため振動の信号は異音より早いタイミングで発生していることが、基礎評価試験からわかっている)各部位の振動相関度R(k)の値を比較する。
具体的には、各振動信号V1 〜V12 の夫々に対して算出された瞬時相関値を相互比較し、R(k)のもっとも大きな振動信号源を騒音の発生元と判定する(ステップS11)。またCPUに代わって、表示部9に表示させた瞬時相関値を視認するオペレータにより寄与度を判定させることもできる。
図8は、R(k)のもっとも大きな振動信号源を騒音の発生元と判定するステップS11の処理の詳細を示すフローチャートである。まず騒音の発生頻度を判定する(ステップT1)。聴覚上、騒音が時間的に連続して発生しているなら「連続」、単発又は断続的に発生しているなら「不連続」と判定する。判定基準として、騒音は比較的大きな音となるので、人間が連続音として識別できるか出来ないかという観点を考慮する。例えば、異音として認定されたしきい値のレベルを超え、その時刻から0.2秒以内にしきい値を超える音が発生しない場合を「不連続」と定義し、0.2秒以内であれば「連続」と定義する。連続の終点は、しきい値を超えた時点から0.2秒以上間隔が空いた場合、その最後のしきい値を越えた時刻までを連続区間とする。
不連続と判定された場合、騒音が1つの塊となっている期間の中で、同一期間の各振動信号を抽出し、瞬時相関値R(k)が最大となったときの瞬時相関値R(k)とその時点kを特定し(ステップT2,T3)、バッファ84に記憶するとともに、表示部9に表示する(ステップT4)。
CPU又はオペレータは、表示部9の表示に基づいて騒音の主因となって生じている振動を特定する(ステップT5)。
図9は、騒音(例えばラトル音)が不連続と判定された場合の、各振動信号(図では振動信号V1 〜V5まで示す)の波形を表示したグラフである。縦軸は瞬時相関値R(k)であり(単位は相対的)、横軸は時間に換算したk(単位は秒)である。時間は0秒から0.03秒までとっている。振動信号V1 〜V5のうち、瞬時相関値R(k)が全般的に大きいものは振動信号V2,V3,V4である。このうち振動信号V2が、最大値出現時間が最も早く、かつ最も大きな最大値を有するので、計測点においてマイクロフォン6で計測された騒音は、振動信号V2 が得られた候補点における振動が主因となって生じていることが分かる。よって、騒音を抑制するためには、この候補点での振動抑制対策が有効であることがわかる。なお、最大値出現時間と最大値の高さについては、最大値出現時間を優先する。構造物の振動信号の大きさが相関値R(k)の値に影響するため、原因部位が最大出力(R(k)が最大)にならないことがあるためである。
また図9に示された振動信号V1,V5は瞬時相関値が全般的に小さく、振動信号V1,V5が得られた候補点における振動低減対策は、候補点での騒音抑制のために不要であると判定することができ、無為な対策の実施を未然に防止することが可能となる。
ステップT1で騒音の発生が連続と判定された場合は、騒音が続いている期間の中で各振動信号を抽出し、瞬時相関値R(k)を当該区間にわたって総和し、その値を決定し、発生時点、発生期間とともにバッファ84に記憶し(ステップT6〜T8)、表示部9に表示する(ステップT9)。
CPU又はオペレータは、表示部9の表示に基づいて騒音の主因となって生じている振動を特定する(ステップT10)。この振動を特定するために、しきい値を超えた時刻k1を基準に0.025secをさかのぼった区間の相関度のピーク発生時刻を比較する。その区間に複数個のピーク時刻があった場合、各時刻から判定された各部位のR(k)のピーク時刻を比較する。1番早い時刻と2番目の時刻との差が0.001sec以上あれば1番目の部位を異常音の振動源と判定する。時刻ごとに各部位のR(k)のピーク発生時刻が0.001sec以内の場合は最大の累積部位を騒音振動源として判定する。
図10は、騒音(例えばラトル音)が連続と判定された場合の、各振動信号(図では振動信号V1 〜V6まで示す)の波形を表示したグラフである。縦軸は瞬時相関値R(k)であり(単位は相対的)、横軸は時間に換算したk(単位は秒)である。時間は0秒から0.4秒までとっている。振動信号V1 〜V6のうち、瞬時相関値R(k)が全般的に大きなものは振動信号V2,V3,V6である。
図11は、各振動信号V1 〜V6について、算出された瞬時相関値R(k)の区間和を示す棒グラフである。区間和の単位は相対的とする。このうち振動信号V2が最大値を有するので、計測点においてマイクロフォン6で計測された騒音は、振動信号V2 が得られた候補点における振動が主因となって生じていることが分かる。よって、騒音を抑制するためには、この候補点での振動抑制対策が有効であることがわかる。
また図11に示された振動信号V1,V4,V5は瞬時相関値の区間和が全般的に小さい。振動信号V1,V4,V5が得られた候補点における振動低減対策は、候補点での騒音抑制のために不要であると判定することができ、無為な対策の実施を未然に防止することが可能となる。
なお以上の実施の形態においては、自動車の車室内において、電動パワーステアリング装置の各部の振動に起因して発生する騒音の発生源を特定すべく行われる解析例について説明したが、本発明に係る解析方法及び解析装置は、自動車の車室内の候補点に現出する振動の発生源を複数の候補点のうちから特定する用途全般に適用可能であり、動力伝達系、サスペンション系など多くの機会部品において用いることができる。
6 マイクロフォン(騒音の検出手段)、7a〜7d振動センサ(振動の検出手段)、8 計測用コンピュータ、9表示部、V1 〜V12 振動信号

Claims (4)

  1. 車載装置の振動解析及び振動源の特定を行う方法であって、
    (1)車載装置の複数の候補点に振動センサを設け、
    (2)当該車載装置から発生する騒音を車両内で計測して、騒音信号を抽出し、
    (3)前記抽出された騒音信号を解析して実信号マザーウェーブレットを構成し、
    (4)複数の分解フィルタを連結してなる離散ウェーブレット変換ツリーを準備し、
    (5)前記分解フィルタに寄生フィルタを接続した場合に、前記実信号マザーウェーブレットを前記離散ウェーブレット変換ツリーへ入力したときに、該実信号マザーウェーブレットが実質的に再現されるように、前記寄生フィルタを設計するとともに接続位置を決定し、
    (6)前記設計された寄生フィルタを前記分解フィルタに接続し、
    (7)前記各振動センサで検出された振動信号を前記離散ウェーブレット変換ツリーに入力したときの前記寄生フィルタの出力に基づいて瞬時相関値を求め、
    (8)前記各瞬時相関値の大きな振動信号を特定して、当該車載装置に位置する複数の候補点のうちから、振動の発生源を特定する方法。
  2. 前記騒音信号が連続音である場合に、前記瞬時相関値を所定期間にわたって加算し、この加算値に基づいて、当該車載装置に位置する複数の候補点のうちから、振動の発生源を特定する、請求項1記載の方法。
  3. 前記車載装置は、車載パワーステアリング装置である、請求項1又は請求項2記載の方法。
  4. 車載装置の振動解析及び振動源の特定を行う装置であって、
    車載装置の複数の候補点に設けられた振動センサと、
    当該車載装置から発生する騒音を車両内で計測して、騒音信号を抽出する手段と、
    前記抽出された騒音信号を解析して実信号マザーウェーブレットを構成する手段と、
    複数の分解フィルタを連結してなる離散ウェーブレット変換ツリーを準備する手段と、
    前記実信号マザーウェーブレットを前記離散ウェーブレット変換ツリーへ入力したときに、該実信号マザーウェーブレットが実質的に再現されるように、寄生フィルタを設計する手段と、
    前記設計された寄生フィルタを前記分解フィルタに接続する手段と、
    前記各振動センサで検出された振動信号を前記離散ウェーブレット変換ツリーに入力したときの前記寄生フィルタの出力に基づいて瞬時相関値を求める手段と、
    前記各瞬時相関値の大きな振動信号を特定して、当該車載装置に位置する複数の候補点のうちから、振動の発生源を特定する手段とを備える、装置。
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