JP2012214442A - 塩、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 - Google Patents
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- Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
- Materials For Photolithography (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
Description
〔1〕式(I)で表される塩。
[式(I)中、
R1は、ヒドロキシ基又は炭素数1〜12のアルキル基を表し、該アルキル基を構成する−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
R2及びR4は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
lは、0〜3の整数を表す。m及びnは、それぞれ独立に、1又は2を表す。
lが2又は3であるとき、複数存在するR1は同一であるか、相異なる。
mが2であるとき、2つ存在するR2は同一であるか、相異なる。
nが2であるとき、2つ存在するR4は同一であるか、相異なる。
R3は、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を表し、該アルキル基を構成する−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
oは、0又は1を表す。
R5及びR6は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
L1は、2価の炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基を構成する−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基及び該脂環式炭化水素基を構成する−CH2−は、−O−、−SO2−又は−CO−で置き換わっていてもよい。]
〔2〕m及びnが2であり、かつ、R2及びR4が水素原子である前記〔1〕記載の塩。
〔3〕L1が、*−CO−O−(CH2)n−(*は、−C(R5)(R6)−との結合手を表し、nは0又は1を表す。)である前記〔1〕又は前記〔2〕記載の塩。
〔4〕前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の塩を含有する酸発生剤。
〔5〕前記〔4〕記載の酸発生剤と樹脂とを含み、該樹脂は酸に不安定な基を有し、かつアルカリ水溶液に不溶又は難溶な樹脂であり、酸の作用によりアルカリ水溶液で溶解し得る樹脂であるレジスト組成物。
〔6〕さらに溶剤を含む前記〔5〕記載のレジスト組成物。
〔7〕さらに塩基性化合物を含む前記〔5〕又は〔6〕記載のレジスト組成物。
〔8〕(1)前記〔5〕〜〔7〕のいずれか1つに記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層を露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含むレジストパターンの製造方法。
本発明の塩は、式(I)で表される塩(以下「塩(I)」という場合がある)である。
[式(I)中、
R1は、ヒドロキシ基又は炭素数1〜12のアルキル基を表し、該アルキル基を構成する−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
R2及びR4は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
lは、0〜3の整数を表す。m及びnは、それぞれ独立に、1又は2を表す。
lが2又は3であるとき、複数存在するR1は同一であるか、相異なる。
mが2であるとき、2つ存在するR2は同一であるか、相異なる。
nが2であるとき、2つ存在するR4は同一であるか、相異なる。
R3は、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を表し、該アルキル基を構成する−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
oは、0又は1を表す。
R5及びR6は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
L1は、2価の炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基を構成する−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基及び該脂環式炭化水素基を構成する−CH2−は、−O−、−SO2−又は−CO−で置き換わっていてもよい。]
なお、以下の説明において、塩(I)のうち、正電荷を有する側を「有機カチオン」と、負電荷を有する側を「スルホン酸アニオン」と、それぞれ称することがある。
アルキル基を構成する−CH2−が、−O−又は−CO−に置き換わった基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、アセチル基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
R2及びR4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、ヘキサデカン−1,16−ジイル基、ヘプタデカン−1,17−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基及びプロパン−2,2−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;
直鎖状アルカンジイル基に、アルキル基(特に、炭素数1〜4のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等)の側鎖を有したもの、例えば、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基;
シクロブタン−1,3−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,2−ジイル基、1−メチルシクロヘキサン−1,2−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロオクタン−1,2−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基等のシクロアルカンジイル基である単環式の2価の脂環式炭化水素基;
ノルボルナン−2,3−ジイル基、ノルボルナン−1,4−ジイル基、ノルボルナン−2,5−ジイル基、アダマンタン−1,2−ジイル基、アダマンタン−1,5−ジイル基、アダマンタン−2,6−ジイル基等の多環式の2価の脂環式炭化水素基等が挙げられる。
また、後述する1価の脂環式炭化水素基における任意の1つの水素原子を結合手とした2価の基であってもよい。
Lb2は、単結合又は炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb3は、単結合又は炭素数1〜12の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb4は、炭素数1〜13の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb5は、炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb6及びLb7は、それぞれ独立に、炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb8は、炭素数1〜14の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb9及びLb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜11の2価の飽和炭化水素基を表す。
中でも、L1は、好ましくは式(b1−1)〜式(b1−4)のいずれか、さらに好ましくは式(b1−1)又は式(b1−2)、より好ましくは式(b1−1)で表される2価の基であり、特に、Lb2が単結合又は−CH2−である式(b1−1)で表される2価の基がより好ましい。
Yの脂環式炭化水素基としては、式(Y1)〜式(Y11)でそれぞれ表される基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基及び脂環式炭化水素基を構成する−CH2−が−O−、−SO2−又は−CO−で置き換わった基としては、上述したアルキル基を構成する−CH2−が−O−又は−CO−に置き換わった基、式(Y12)〜式(Y26)で表される基が挙げられる。
ヒドロキシ基含有アルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基などが挙げられる。
アルキル基及び脂環式炭化水素基としては、上記と同様のものが挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキトキシ基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基及びナフチルエチル基等が挙げられる。
アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が挙げられる。
R5及びR6は、それぞれ独立に、トリフルオロメチル基又はフッ素原子が好ましく、ともにフッ素原子がより好ましい。
L1は、*−CO−O−(CH2)n−(*は、−C(R5)(R6)−との結合手を表し、nは0又は1を表す。)が好ましい。
Yは、好ましくは置換基(例えば、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、オキソ基等)を有していてもよいアダマンチル基であり、より好ましくはヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基を有するアダマンチル基又はオキソアダマンチル基である。
例えば、式(I)で表される塩は、式(I−a)で表される塩と式(I−b)で表される塩とを、触媒存在下、溶剤中で反応させることにより製造することができる。
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、L1、l、m、n、o及びYは、それぞれ前記と同義である。)
触媒としては、二安息香酸銅(II)等が挙げられる。
溶剤としては、モノクロロベンゼン等が挙げられる。
(式中、R1、R5、R6、l、L1及びYは、それぞれ前記と同義である。)
溶剤としては、クロロホルム、水等が挙げられる。
式(I−c)で表される塩としては、ジフェニルヨードニウム クロライド等が挙げられる。
式(I−d)で表される塩は、例えば特開2008−209917号公報に記載された方法によって製造することができる。
本発明の酸発生剤は、塩(I)を含有する。塩(I)は、酸発生剤として使用する時、単独でも複数種を同時に用いてもよい。
本発明の酸発生剤においては、塩(I)は、酸発生剤全量100質量部に対して、5質量部以上であり、好ましくは10質量部以上(より好ましくは30質量部以上)、100質量部以下、好ましくは95質量部以下(より好ましくは90質量部以下)である。
塩(I)と併用する酸発生剤(B)としては、塩(I)に含まれるスルホン酸アニオンとトリアリールスルホニウムカチオンとからなる化合物が挙げられる。例えば、式(B1−1)〜式(B1−17)で表されるものが挙げられる。中でもトリフェニルスルホニウムカチオン及びトリトリルスルホニウムカチオンを含むものが好ましく、式(B1−1)、式(B1−2)、式(B1−3)、式(B1−6)、式(B1−7)、式(B1−11)、式(B1−12)、式(B1−13)又は式(B1−14)で表される塩がより好ましい。
本発明のレジスト組成物は、上述した酸発生剤と、樹脂(以下「樹脂(A)」という場合がある)と、必要に応じて溶剤(以下「溶剤(D)という場合がある」とを含む。
このレジスト組成物には、さらに塩基性化合物(以下「塩基性化合物(C)という場合がある」を含有することが好ましい。
樹脂(A)は、酸に不安定な基を有し、かつアルカリ水溶液に不溶又は難溶な樹脂であり、酸の作用によりアルカリ水溶液で溶解し得る特性を有する。「酸の作用によりアルカリ溶解し得る」とは、酸との接触前ではアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸との接触後にはアルカリ水溶液に可溶となることを意味する。
このような樹脂(A)は、分子内にある親水性基の一部又は全部が、酸との接触により脱離し得る保護基により保護されているものであり、樹脂(A)が酸と接触すると該保護基が脱離して、親水性基が生成することにより、樹脂(A)はアルカリ水溶液に可溶となる。該保護基により保護されている親水性基を、以下「酸不安定基」という場合がある。該親水性基としては、ヒドロキシ基又はカルボキシ基が挙げられ、カルボキシ基がより好ましい。
樹脂(A)は、酸不安定基を有するモノマー(以下「モノマー(a1)」という場合がある)を重合することによって製造することができる。かかる重合の際には、モノマー(a1)を1種のみ使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
モノマー(a1)は酸不安定基を有する。親水性基がカルボキシ基である場合の酸不安定基は、該カルボキシ基の水素原子が、有機残基に置き換わり、オキシ基と結合する有機残基の炭素原子が第三級炭素原子である基(すなわち第三アルコールのエステル)が挙げられる。このような酸不安定基のうち、好ましい酸不安定基は、例えば、以下の式(1)で表されるもの(以下、「酸不安定基(1)」という場合がある)である。
式(1)中、Ra1、Ra2及びRa3は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表すか、或いは、Ra1及びRa2は互いに結合して、それらが結合する炭素原子とともに炭素数3〜20の環を形成する。Ra1及びRa2が互いに結合して形成される環、アルキル基又は脂環式炭化水素基を構成する−CH2−は、−O−、−S−又は−CO−で置き換わっていてもよい。*は結合手を表す。
Ra1〜Ra3の脂環式炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、シクロヘプチル基及びシクロオクチル基などのシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及びメチルノルボルニル基、並びに下記に示す基などが挙げられる。
式(1)では、脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは炭素数3〜16である。
アルキル基及び脂環式炭化水素基は、上記と同様のものが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
Rb2及びRb3が結合して形成する環は、Ra1及びRa2が結合して形成する環と同様のものが挙げられる。
Rb1〜Rb2のうち、少なくとも1つは水素原子であることが好ましい。
[式(a1−1)及び式(a1−2)中、
La1及びLa2は、それぞれ独立に、−O−又は*−O−(CH2)k1−CO−O−を表し、k1は1〜7の整数を表し、*は−CO−との結合手を表す。
Ra4及びRa5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
Ra6及びRa7は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜10の脂環式炭化水素基を表す。
m1は0〜14の整数を表す。
n1は0〜10の整数を表す。
n1’は0〜3の整数を表す。]
Ra4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
Ra6及びRa7のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。Ra6及びRa7のアルキル基は、好ましくは炭素数6以下である。
Ra6及びRa7の脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などのシクロアルキル基が挙げられる。多環式の飽和炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基、下記のような基等が挙げられる。*は、アダマンタン環又はシクロヘキサン環との結合手を表す。脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数8以下、より好ましくは6以下である。
m1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1’は好ましくは0又は1である。
さらに、酸不安定基(1)と炭素−炭素二重結合とをともに分子内に有するモノマーとしては、例えば、以下の式(a1−3)で表されるノルボルネン環を有するモノマー(以下「モノマー(a1−3)」という場合がある)が挙げられる。
式(a1−3)中、
Ra9は、水素原子、ヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基、カルボキシ基、シアノ基又は−COORa13を表す。
Ra13は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜8のアルキル基と炭素数3〜20の脂環式炭化水素基とからなる基を表し、該アルキル基及び脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されていてもよく、該アルキル基及び脂環式炭化水素基を構成する−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
Ra10〜Ra12は、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表すか、或いは、Ra10及びRa11が互いに結合して、これらが結合している炭素原子とともに、炭素数3〜20の環を形成し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されていてもよく、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基を構成する−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
Ra9の−COORa13としては、例えば、メトキシカルボニル基及びエトキシカルボニル基等のアルコキシ基にカルボニル基が結合した基が挙げられる。
Ra13のアルキル基、脂環式炭化水素基及び炭素数1〜8のアルキル基と炭素数3〜20の脂環式炭化水素基とからなる基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロペンチル基、シクロプロピル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、1−アダマンチル−1−メチルエチル基、2−オキソ−オキソラン−3−イル基及び2−オキソ−オキソラン−4−イル基などが挙げられる。
Ra10及びRa11が互いに結合して形成される環は脂環式炭化水素環が好ましく、具体的には、シクロへキサン環及びアダマンタン環等が挙げられる。
[式(a1−4)中、
Ra32は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
Ra33は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を表す。
laは0〜4の整数を表す。laが2以上である場合、複数のRa33は同一であるか、相異なる。
Ra34及びRa35はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
Xa2は、単結合又は2価の炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基又は炭素数2〜4のアシルオキシ基で置換されていてもよく、該飽和炭化水素基を構成する−CH2−は、−O−、−CO−、−S−、−SO2−又は−N(Rc)−で置き換わっていてもよい。ここで、Rcは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
Ya3は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表し、該アルキル基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基の各々に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基又は炭素数2〜4のアシルオキシ基で置換されていてもよい。]
Ra32のハロゲン原子を有してもよいアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基及びトリヨードメチル基等が挙げられる。
Ra33、Xa2、Rc、Ya3のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基及びn−ヘキシル基などが挙げられる。
Ra33、Xa2のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基及びn−ヘキトキシ基などが挙げられる。
Ra33、Xa2のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基などが挙げられる。
Ra33、Xa2のアシルオキシ基としては、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基及びブチリルオキシ基などが挙げられる。
Ya3の脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基としては、上述したものと同様のものが挙げられる。
Ra33としては、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
Ra34及びRa35としては、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基及びイソボルニル基等が好ましい。
Xa2及びYa3が置換基を有する場合、好ましくはヒドロキシ基である。
[式(a1−5)中、
R31は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
L2〜L4は、オキシ基、チオキシ基又は*−O−(CH2)k1−CO−O−で表される基を表す。ここで、k1は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基(−CO−)との結合手である。
Z1は、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基であり、該アルカンジイル基を構成する−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
s1及びs1’は、それぞれ独立して、0〜4の整数を表す。]
R31としては、式(a1−4)におけるRa32と同様のものが挙げられ、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
L2及びL3は、一方が酸素原子、他方が硫黄原子であることが好ましい。
L4は、酸素原子又は硫黄原子であり、酸素原子が好ましい。
s1は、1が好ましい。
s1’は、0〜2の整数が好ましい。
Z1は、単結合、*−(CH2)n4−O−又は*−(CH2)n4−CO−O−(各n4は1〜4の整数であり、1が好ましい。各*は、L4との結合手を表す。)が好ましい。
樹脂(A)は、好ましくは、酸に不安定な基を有するモノマー(a1)と、酸に不安定な基を有さないモノマー(以下「酸安定モノマー」という場合がある)との共重合体である。酸安定モノマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、レジスト組成物に用いる添加物として、酸安定モノマーから得られる樹脂を用いることもある。
レジスト組成物をKrFエキシマレーザ露光(248nm)、電子線あるいはEUV光などの高エネルギー線露光に用いる場合、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)として、好ましくは、ヒドロキシスチレン類であるフェノール性ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2−0)を使用する。
一方、短波長のArFエキシマレーザ露光(193nm)などを用いる場合は、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)として、好ましくは、式(a2−1)で表されるヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマーを使用する。ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
[式(a2−0)中、
Ra30は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
Ra31は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を表す。
maは0〜4の整数を表す。maが2以上の整数である場合、複数のRa31は同一であるか、相異なる。]
特に、アルキル基としては、炭素数1〜4が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
アルコキシ基としては、炭素数1〜4が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
maは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
式(a2−1)中、
La3は、酸素原子又は*−O−(CH2)k2−CO−O−を表し、
k2は1〜7の整数を表す。*はカルボニル基(−CO−)との結合手を表す。
Ra14は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10の整数を表す。
Ra14は、好ましくはメチル基である。
Ra15は、好ましくは水素原子である。
Ra16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
酸安定モノマー(a3)が有するラクトン環は、例えば、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環、δ−バレロラクトン環のような単環でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。これらラクトン環の中で、好ましくは、γ−ブチロラクトン環又はγ−ブチロラクトン環と他の環との縮合環が挙げられる。
式(a3−1)、式(a3−2)及び式(a3−3)中、
La4、La5及びLa6は、それぞれ独立に、酸素原子又は*−O−(CH2)k3−CO−O−を表す。
k3は1〜7の整数を表す。*は−CO−との結合手を表す。
Ra18、Ra19及びRa20は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
Ra21は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
p1は0〜5の整数を表す。
Ra22及びRa23は、それぞれ独立に、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
q1及びr1は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。
p1が2以上のとき、複数のRa21の全部又は一部は同じであってもよい。
q1が2以上のとき、複数のRa22の全部又は一部は同じであってもよい。
r1が2以上のとき、複数のRa23の全部又は一部は同じであってもよい。
Ra18〜Ra21は、それぞれ独立に、好ましくはメチル基である。
Ra22及びRa23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
p1、q1及びr1は、それぞれ独立に、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0又は1である。
また、モノマー(a3−1)に由来する構造単位、モノマー(a3−2)に由来する構造単位及びモノマー(a3−3)に由来する構造単位それぞれの含有量は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、5〜60モル%が好ましく、5〜50モル%の範囲がより好ましく、10〜50モル%の範囲がさらに好ましい。
樹脂(A)製造には、上述した酸安定モノマー以外の酸安定モノマーを用いることができる。以下、このような酸安定モノマーを「酸安定モノマー(a4)」という場合がある。
酸安定モノマー(a4)としては、下記式(a4−1)で表される無水マレイン酸、下記式(a4−2)で表される無水イタコン酸及び下記式(a4−3)で表されるノルボルネン環を有する酸安定モノマー(以下、「酸安定モノマー(a4−3)」という場合がある)などが挙げられる。
式(a4−3)中、
Ra25及びRa26は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基、シアノ基、カルボキシ基又は−COORa27を表すか、或いはRa25及びRa26は互いに結合して−CO−O−CO−を形成する。
Ra27は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、又は、炭素数1〜8のアルキル基と炭素数3〜20の脂環式炭化水素基とからなる基を表し、該アルキル基及び脂環式炭化水素基を構成する−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。但し−COORa27が酸不安定基となるものは除く(例えば、Ra27は、第三級炭素原子が−O−と結合するものを含まない)。
Ra27のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜6の基である。脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数4〜18、より好ましくは炭素数4〜12の基である。このRa27としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロペンチル基、シクロプロピル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、1−アダマンチル)−1−メチルエチル基、2−オキソ−オキソラン−3−イル基及び2−オキソ−オキソラン−4−イル基などが好ましい。
式(a4−4)中、
La7は、酸素原子又は*−O−(CH2)k4−CO−O−を表し、
k4は1〜7の整数を表す。*はカルボニル基(−CO−)との結合手を表す。
Ra28は、水素原子又はメチル基を表す。
W16は、置換基を有していてもよいスルトン環を含む残基を表す。
スルトン環における置換基としては、ヒドロキシ基、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフッ素化アルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜7のアシル基及び炭素数1〜8のアシルオキシ基等が挙げられる。
フッ化アルキル基としては、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペルフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロプロピル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、ペルフルオロエチルメチル基、1−(トリフルオロメチル)−1,2,2,2−テトラフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、1,1,2,2−テトラフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基、ペルフルオロブチル基、1,1−ビス(トリフルオロ)メチル−2,2,2−トリフルオロエチル基、2−(ペルフルオロプロピル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロペンチル基、ペルフルオロペンチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロペンチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、ペルフルオロペンチル基、2−(ペルフルオロブチル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロヘキシル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフルオロヘキシル基、ペルフルオロペンチルメチル基及びペルフルオロヘキシル基などが挙げられる。
ヒドロキシアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基及び2−ヒドロキシエチル基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキトキシ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロピポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−ペントキシカルボニル基等が挙げられる。
アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基及びブチリルオキシ基などが挙げられる。
樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは2,500以上であり、より好ましくは3,000以上、さらに好ましくは4,000以上である。該重量平均分子量の上限は50,000以下が好ましく、30,000以下がより好ましく、15,000以下がさらに好ましい。ここでいう重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー分析により、標準ポリスチレン基準の換算値として求められるものである。
本発明のレジスト組成物は、さらに、塩基性化合物(C)を含有していることが好ましい。「塩基性化合物」とは、酸を捕捉するという特性を有する化合物(以下、「クエンチャー」という場合がある)、特に、酸発生剤から発生する酸を捕捉するという特性を有する化合物を意味する。この塩基性化合物(C)の含有量は、レジスト組成物の固形分量を基準に、0.01〜1質量%であることが好ましい。
ここで、Arc1は、芳香族炭化水素基を表す。
Rc5及びRc6は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基(好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基)、脂環式炭化水素基(好ましくは、炭素数5〜10の脂環式炭化水素基)又は芳香族炭化水素基(好ましくは、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基)を表し、該アルキル基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基にある水素原子は、ヒドロキシ基、アミノ基、又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよく、このアミノ基はさらに、炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよい。
Rc7は、アルキル基(好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基)、炭素数1〜6のアルコキシ基、脂環式炭化水素基(好ましくは、炭素数5〜10の脂環式炭化水素基であり、さらに好ましくは、炭素数5〜10のシクロアルキル基である)、芳香族炭化水素基(好ましくは、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基)又はニトロ基を表し、該アルキル基、該アルコキシ基、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、アミノ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよく、該アミノ基はさらに、炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよい。
m3は0〜3の整数を表す。m3が2以上のとき、複数のRc7は同一であるか、相異なる。
式(C2−1)で表されるアニリン類は、例えば、アニリン、ジイソプロピルアニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン及びジフェニルアミン等が挙げられる。
式中、
Rc8、Rc20、Rc21、Rc23、Rc24、Rc25、Rc26、Rc27及びRc28は、互いに独立に、Rc7で説明したいずれかの基を表す。
Rc9、Rc10、Rc11、Rc12、Rc13、Rc14、Rc16、Rc17、Rc18、Rc19及びRc22は、互いに同一でも異なってもよく、Rc5及びRc6で説明したいずれかの基を表す。
o3、p3、q3、r3、s3、t3及びu3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。o3が2以上であるとき、複数のRc20は同一であるか、相異なり、p3が2以上であるとき、複数のRc21は同一であるか、相異なり、q3が2以上であるとき、複数のRc24は同一であるか、相異なり、r3が2以上であるとき、複数のRc25は同一であるか、相異なり、s3が2以上であるとき、複数のRc26は同一であるか、相異なり、t3が2以上であるとき、複数のRc27は同一であるか、相異なり、u3が2以上であるとき、複数のRc28は同一であるか、相異なる。
Rc15は、アルキル基(好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基)、脂環式炭化水素基(好ましくは、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基)又はアルカノイル基(好ましくは、炭素数2〜6のアルカノイル基)を表す。
n3は0〜8の整数を表す。n3が2以上のとき、複数のRc15は、互いに同一でも異なってもよい。
Lc1及びLc2は、それぞれ独立に、2価のアルカンジイル基(好ましくは、炭素数1〜6のアルカンジイル基である)、カルボニル基、−C(=NH)−、−C(=NRc3)−(但し、Rc3は、炭素数1〜4のアルキル基を表す)、チオキシ基、ジスルフィド結合(−S−S−)又はこれらの組合せを表す。
アルカノイル基としては、アセチル基、2−メチルアセチル基、2,2−ジメチルアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ペンタノイル基、2,2−ジメチルプロピオニル基等が挙げられる。
化合物(C5)としては、例えば、モルホリン等が挙げられる。
化合物(C6)としては、例えば、ピペリジン及び特開平11−52575号公報に記載されているピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物等が挙げられる。
化合物(C7)としては、例えば、2,2’−メチレンビスアニリン等が挙げられる。
化合物(C8)としては、例えば、イミダゾール、4−メチルイミダゾール等が挙げられる。
化合物(C9)としては、例えば、ピリジン、4−メチルピリジン等が挙げられる。
化合物(C10)としては、例えば、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン、2,2’−ジピコリルアミン等が挙げられる。
化合物(C11)としては、例えば、ビピリジン等が挙げられる。
本レジスト組成物は、溶剤(D)を含むことが好ましい。かかる溶剤(D)は、用いる塩(I)の種類及びその量と、樹脂(A)の種類及びその量と、酸発生剤(B)の種類及びその量とに応じ、さらに後述するレジストパターンの製造において、基板上に本レジスト組成物を塗布する際の塗布性が良好となるという点から適宜、最適なものを選ぶことができる。
本レジスト組成物は、必要に応じて、塩(I)及び樹脂(A)並びに必要に応じて用いられる溶剤(D)、酸発生剤(B)及び塩基性化合物(C)以外の構成成分を含んでいてもよい。この構成成分を「成分(F)」という場合がある。成分(F)としては、本技術分野で公知の添加剤、例えば、樹脂(A)以外の高分子化合物、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤及び染料等が挙げられる。
本レジスト組成物は、通常、溶媒(D)の存在下で塩(I)及び樹脂(A)を混合することで調製することができる。さらに、上述のとおり必要に応じて酸発生剤(B)、塩基性化合物(C)及び/又は成分(F)を混合してもよい。塩基性化合物(C)を混合することが好ましい。その混合順は任意であり、特に限定されるものではない。混合する際の温度は、10〜40℃の範囲から、用いる塩(I)等の種類や塩(I)等の溶剤(D)に対する溶解度等に応じて適切な温度範囲を選ぶことができる。混合時間は、混合温度に応じて、0.5〜24時間の中から適切な時間を選ぶことができる。なお、混合手段も特に制限はなく、攪拌混合等を用いることができる。
本発明のレジスト組成物を調製する際に用いる各成分の使用量を選択することにより、本発明のレジスト組成物中の各成分の含有量を調節することができる。
なお本明細書において「組成物の固形分」とは、後述する溶剤(D)を除いたレジスト組成物成分の合計を意味する。例えば、溶剤(D)の含有量が90質量%である本発明のレジスト組成物において、レジスト組成物の固形分は10質量%に相当する。組成物の固形分及びこれに対する各成分の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定することができる。
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)本レジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層を露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含む。
マスクを介して露光することにより、組成物層には露光された部分(露光部)及び露光されていない部分(未露光部)が生じる。露光部の組成物層では該組成物層に含まれる塩(I)及び酸発生剤(B)が露光エネルギーを受けて酸を発生し、さらに発生した酸との作用により、樹脂(A)にある酸不安定基が脱保護反応により親水性基を生じるため、露光部の組成物層にある樹脂(A)はアルカリ水溶液に可溶なものとなる。一方、未露光部では露光エネルギーを受けないため、樹脂(A)はアルカリ水溶液に対して不溶又は難溶のままとなる。露光部にある組成物層と未露光部にある組成物層とは、アルカリ水溶液に対する溶解性が著しく相違することとなる。
前記アルカリ水溶液としては、「アルカリ現像液」と称される本技術分野で公知のものを用いることができる。該アルカリ水溶液としては例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液や(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。
本発明のレジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)照射用のレジスト組成物又はEUV露光用のレジスト組成物あるいは液浸露光用のレジスト組成物として好適であり、半導体の微細加工に有用である。
装置 :HLC−8120GPC型(東ソー社製)
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3 + guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
式(I1−a)で表される化合物2.50部、トリエチルアミン2.94部及びテトラヒドロフラン12.50部を仕込み、23℃で30分間攪拌した。得られた混合液に、式(I1−b)で表される化合物5.29部及びテトラヒドロフラン5.29部の混合溶液を23℃で10分かけて滴下し、さらに、23℃で12時間攪拌した。得られた反応マスを濃縮し、得られた残渣に、酢酸エチル25部及びイオン交換水8.33部を加えて23℃で30分間攪拌し、分液して有機層を取り出した。この操作を4回繰り返した。回収された有機層を濃縮することにより、式(I1−c)で表される化合物4.42部を得た。
MASS(ESI(−)Spectrum):M− 339.1
式(I1)で表される化合物1.00部及びアセトニトリル5.00部を仕込み、23℃で30分間攪拌した。得られた混合液に、1N塩酸1.00部を添加し、さらに、23℃で12時間攪拌した。得られた反応マスを濃縮し、クロロホルム5部、イオン交換水1.25部及び28%アンモニア水0.3部を加えて23℃で30分間攪拌し、分液して有機層を取り出した。回収された有機層にイオン交換水1.25部を加えて23℃で30分間攪拌し、分液して有機層を取り出した。この操作を10回繰り返した。得られた有機層を濃縮することにより、式(I2)で表される塩0.68部を得た。
MASS(ESI(−)Spectrum):M− 339.1
式(I33−d)で表される化合物2.90部、(I1−c)で表される化合物0.82部及びモノクロロベンゼン24.00部を仕込み、23℃で30分間攪拌した。得られた混合液に、二安息香酸銅(II)0.03部を添加し、さらに、95℃で30分間攪拌した。得られた反応溶液を23℃まで冷却し、クロロホルム45部及びイオン交換水11.25部を加えて23℃で30分間攪拌し、分液して有機層を取り出した。この操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮し、得られた残渣に、tert−ブチルメチルエーテル30部を加えて23℃で12時間攪拌した。得られたマスをろ過することにより、式(I33)で表される塩2.01部を得た。
MASS(ESI(−)Spectrum):M− 323.0
式(I33)で表される化合物1.00部及びアセトニトリル5.00部を仕込み、23℃で30分間攪拌した。得られた混合液に、1N塩酸1.00部を添加し、さらに、23℃で12時間攪拌した。得られた反応マスを濃縮し、クロロホルム5部、イオン交換水1.25部及び28%アンモニア水0.3部を加えて23℃で30分間攪拌し、分液して有機層を取り出した。回収された有機層にイオン交換水1.25部を加えて23℃で30分間攪拌し、分液して有機層を取り出した。この操作を5回繰り返した。得られた有機層を濃縮することにより、式(I14)で表される塩0.71部を得た。
MASS(ESI(−)Spectrum):M− 323.0
モノマー(A)、モノマー(E)、モノマー(B)、モノマー(C)及びモノマー(D)を、モル比30:14:6:20:30の割合で仕込んだ。次いで、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1mol%と3mol%との割合で添加し、これを75℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒(4:1)に注いで沈殿させる操作を3回行うことにより精製し、重量平均分子量が約7.2×103である共重合体を収率78%で得た。この共重合体は、次式の構造単位を有するものであり、これを樹脂A1とする。
式(A)で表されるモノマー、式(B)で表されるモノマー及び式(C)で表されるモノマーを、モル比50:25:25の割合で仕込み、次いで、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1mol%と3mol%との割合で添加し、これを80℃で約8時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒(3:1)に注いで沈殿させる操作を3回行うことにより精製し、重量平均分子量が約9.2×103である共重合体を収率60%で得た。この共重合体は、次式の構造単位を有するものであり、これを樹脂A2とする。
モノマー(A)、モノマー(E)、モノマー(B)、モノマー(D)及びモノマー(C)を、モル比30:14:6:20:30となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.2×103の共重合体A3を収率78%で得た。この樹脂A3は、以下の構造単位を有するものである。
モノマー(A)、モノマー(F)、モノマー(B)、モノマー(D)及びモノマー(C)を、モル比30:14:6:20:30となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.2×103の共重合体A4を収率78%で得た。この樹脂A4は、以下の構造単位を有するものである。
表3に示すように、以下の各成分を混合し、得られた混合物を孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルタで濾過することにより、レジスト組成物を調製した。
C1:2,6−ジイソプロピルアニリン(東京化成工業(株)製)
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 265.0部
2−ヘプタノン 20.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20.0部
γ−ブチロラクトン 3.5部
シリコンウェハに、有機反射防止膜用組成物(ARC−29;日産化学(株)製)を塗布して、205℃、60秒の条件でベークすることによって、厚さ78nmの有機反射防止膜を形成した。
次いで、前記の有機反射防止膜の上に、上記のレジスト組成物を乾燥(プリベーク)後の膜厚が85nmとなるようにスピンコートした。レジスト組成物を塗布したシリコンウェハをダイレクトホットプレート上にて、表3の「PB」欄に記載された温度で60秒間プリベークし、レジスト膜を形成した。
レジスト膜が形成されたシリコンウェハに、液浸露光用ArFエキシマステッパー(XT:1900Gi;ASML社製、NA=1.35、3/4Annular X−Y偏光)で、コンタクトホールパターン(ホールピッチ100nm/ホール径70nm)を形成するためのマスクを用いて、露光量を段階的に変化させて露光した。なお、液浸媒体としては超純水を使用した。
露光後、前記シリコンウェハを、ホットプレート上にて、表3の「PEB」欄に記載された温度で60秒間ポストエキスポジャーベーク処理した。
次いでこのシリコンウェハを、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行い、レジストパターンを得た。
実効感度において、フォーカスを振った場合、線幅が55nm±5%の幅にある範囲(52.5〜57.7nm)を線幅指標とし、DOFを以下の3水準で評価した。
すなわち、DOFが
0.17μm以上であるものを「◎」、
0.12μm以上0.17μm未満であるものを「○」、
0.12μm未満であるものを「×」とした。
結果を表4に示す。なお、括弧内の数値は、線幅指標を示す。
Claims (8)
- 式(I)で表される塩。
[式(I)中、
R1は、ヒドロキシ基又は炭素数1〜12のアルキル基を表し、該アルキル基を構成する−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
R2及びR4は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
lは、0〜3の整数を表す。m及びnは、それぞれ独立に、1又は2を表す。
lが2又は3であるとき、複数存在するR1は同一であるか、相異なる。
mが2であるとき、2つ存在するR2は同一であるか、相異なる。
nが2であるとき、2つ存在するR4は同一であるか、相異なる。
R3は、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を表し、該アルキル基を構成する−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
oは、0又は1を表す。
R5及びR6は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
L1は、2価の炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基を構成する−CH2−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基及び該脂環式炭化水素基を構成する−CH2−は、−O−、−SO2−又は−CO−で置き換わっていてもよい。] - m及びnが2であり、かつ、R2及びR4が水素原子である請求項1記載の塩。
- L1が、*−CO−O−(CH2)n−(*は、−C(R5)(R6)−との結合手を表し、nは0又は1を表す。)である請求項1又は2記載の塩。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の塩を含有する酸発生剤。
- 請求項4記載の酸発生剤と樹脂とを含み、該樹脂は酸に不安定な基を有し、かつアルカリ水溶液に不溶又は難溶な樹脂であり、酸の作用によりアルカリ水溶液で溶解し得る樹脂であるレジスト組成物。
- さらに溶剤を含む請求項5記載のレジスト組成物。
- さらに塩基性化合物を含む請求項5又は6記載のレジスト組成物。
- (1)請求項5〜7のいずれか1つに記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層を露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程、
を含むレジストパターンの製造方法。
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