JP2012042934A - レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 - Google Patents

レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 Download PDF

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JP2012042934A
JP2012042934A JP2011154759A JP2011154759A JP2012042934A JP 2012042934 A JP2012042934 A JP 2012042934A JP 2011154759 A JP2011154759 A JP 2011154759A JP 2011154759 A JP2011154759 A JP 2011154759A JP 2012042934 A JP2012042934 A JP 2012042934A
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Koji Ichikawa
幸司 市川
Masahiko Shimada
雅彦 嶋田
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Abstract

【課題】形状の優れたレジストパターンを製造することができるレジスト組成物の提供。
【解決手段】(A)式(a)で表される化合物に由来する第1の構造単位と、式(a0)で表される化合物に由来する第2の構造単位とを有する樹脂及び(B)酸発生剤を含むレジスト組成物。
Figure 2012042934

【選択図】なし

Description

本発明は、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法に関する。
近年、半導体の微細加工技術として、ArFエキシマレーザー(波長:193nm)等の短波長光を露光源とする光リソグラフィ技術が活発に検討されており、光リソグラフィ技術にはレジスト組成物が用いられている。このようなレジスト組成物としては、樹脂として、式(B)で表されるモノマー、式(C)で表されるモノマー及び式(a−1)で表されるモノマーの共重合体を含むレジスト組成物が記載されている。
Figure 2012042934
特開2009−114381号公報(実施例)
従来から知られる上記のレジスト組成物では、得られるレジストパターンの形状が必ずしも満足できるものではなかった。
本発明は、以下の発明を含む。
〔1〕(A)式(a)で表される化合物に由来する第1の構造単位と、式(a0)で表される化合物に由来する第2の構造単位とを有する樹脂及び
(B)酸発生剤を含むレジスト組成物。
Figure 2012042934
[式(a)中、
は、水素原子又はメチル基を表す。
環Wは、炭素数4〜36の脂環式炭化水素環を表し、該脂環式炭化水素環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はスルホニル基に置き換わっていてもよい。
は、単結合又は−A10−CO−O−を表す。
10は、炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
20は、メチレン基又はエチレン基を表す。
は、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数2〜12のアシル基を表す。]
Figure 2012042934
[式(a0)中、
axは、水素原子又はメチル基を表す。
環Wは、炭素数4〜36の脂環式炭化水素環を表し、該脂環式炭化水素環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はスルホニル基に置き換わっていてもよい。
a0は、酸素原子又は−O−(CH2k1−CO−O−を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
k1は1〜7の整数を表す。
m0は1又は2を表す。
a0は、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜10の脂環式炭化水素基を表す。m0が2であるとき、2つのRa0は同じでも異なっていてもよい。]
〔2〕さらに溶剤を含む〔1〕記載のレジスト組成物。
〔3〕前記式(a)における
Figure 2012042934
(式中、環Wは、上記と同じ意味を表す。*は結合手を表す。)
で表される基が、式(a−1A)で表される基又は式(a−2A)で表される基である前記〔1〕又は〔2〕記載のレジスト組成物。
Figure 2012042934
[式(a−1A)中、
アダマンタン環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はスルホニル基に置き換わっていてもよい。アダマンタン環に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基に置き換わっていてもよい。*は結合手を表す。]
Figure 2012042934
[式(a−2A)中、
シクロヘキサン環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はスルホニル基に置き換わっていてもよい。シクロヘキサン環に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基に置き換わっていてもよい。]
〔4〕前記第2の構造単位が、式(a1−1)で表される化合物に由来する構造単位及び式(a1−2)で表される化合物に由来する構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種である前記〔1〕〜〔3〕のいずれか記載のレジスト組成物。
Figure 2012042934
[式(a1−1)中、
a1は、酸素原子又は−O−(CH2k1−CO−O−を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
k1は、上記と同じ意味を表す。 Ra4は、水素原子又はメチル基を表す。
a6は、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜10の脂環式炭化水素基を表す。
m1は0〜14の整数を表す。]
Figure 2012042934
[式(a1−2)中、
a2は、酸素原子又は−O−(CH2k1−CO−O−を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
k1は、上記と同じ意味を表す。
a5は、水素原子又はメチル基を表す。
a7は、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜10の脂環式炭化水素基を表す。
n1は0〜10の整数を表す。
n1’は0〜3の整数を表す。]
〔5〕前記(B)が、式(B1)で表される塩を含む酸発生剤である前記〔1〕〜〔4〕のいずれか記載のレジスト組成物。
Figure 2012042934
[式(B1)中、
1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
b1は、単結合又は2価の炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基又は該脂環式炭化水素基がメチレン基を含む場合、そのメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
+は、有機カチオンを表す。]
〔6〕(1)前記〔1〕〜〔5〕のいずれか記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、
(5)加熱後の組成物層を、現像装置を用いて現像する工程
を含むレジストパターンの製造方法。
〔7〕式(a)で表される化合物に由来する第1の構造単位と、
式(a0)で表される化合物に由来する第2の構造単位とを有する樹脂。
Figure 2012042934
[式(a)中、
は、水素原子又はメチル基を表す。
環Wは、炭素数4〜36の脂環式炭化水素環を表し、該脂環式炭化水素環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はスルホニル基に置き換わっていてもよい。
は、単結合又は−A10−CO−O−を表す。
10は、炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
20は、メチレン基又はエチレン基を表す。
は、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数2〜12のアシル基を表す。]
Figure 2012042934
[式(a0)中、
axは、水素原子又はメチル基を表す。
環Wは、炭素数4〜36の脂環式炭化水素環を表し、該脂環式炭化水素環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はスルホニル基に置き換わっていてもよい。
a0は、酸素原子又は−O−(CH2k1−CO−O−を表す。*はカルボニル基との結合手である。
k1は1〜7の整数を表す。
m0は1又は2を表す。
a0は、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜10の脂環式炭化水素基を表す。m0が2であるとき、2つのRa0は同じでも異なっていてもよい。]
本発明のレジスト組成物によれば、形状の優れたレジストパターンを製造することができる。
<レジスト組成物>
本発明のレジスト組成物(以下、場合により「本レジスト組成物」という。)は
(A)樹脂(以下、場合により「樹脂(A)」という。)及び
(B)酸発生剤(以下、場合により「酸発生剤(B)」という。)を含む。
さらに、(D)溶剤(以下、場合により「溶剤(D)」という。)を含むことが好ましい。
<樹脂(A)>
樹脂(A)は、式(a)で表される化合物に由来する第1の構造単位と、式(a0)で表される化合物に由来する第2の構造単位とを有する。
<第1の構造単位>
第1の構造単位は、式(a)で表される化合物(以下、場合により「化合物(a)」という。)に由来する構造単位である。
Figure 2012042934
式(a)中、
は、水素原子又はメチル基を表す。
環Wは、炭素数4〜36の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はスルホニル基に置き換わっていてもよい。
は、単結合又は−A10−CO−O−基(A10は、炭素数1〜12の炭化水素基を表す。)を表す。
20は、メチレン基又はエチレン基を表す。
は、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数2〜12のアシル基を表す。
式(a)において、
Figure 2012042934
で示される部分構造は、環W(脂環式炭化水素基)の環を構成する原子である炭素原子のうちの1つと、X及びA20とが結合していることを示す。なお、環Wの「脂環式炭化水素基」とは、この環が芳香族性を有さない限り、上述のとおり環に含まれるメチレン基が、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はスルホニル基に置き換わっていてもよく、すなわち、環Wの脂環式炭化水素基は、炭素原子及び水素原子から構成される環のみに捕らわれず、炭素原子及び水素原子のほかに、酸素原子や硫黄原子を有することもある。
環Wは、炭素数が4〜36の脂環式炭化水素基であるが、その炭素数は5〜18の範囲が好ましく、炭素数6〜12の範囲がより好ましい。好ましい脂環を具体的にいうと、アダマンタン環、シクロヘキサン環及びノルボルネン環が挙げられ、これらの中でも、アダマンタン環及びシクロヘキサン環が特に好ましい。なお、ここでいう炭素数とは、環に含まれるメチレン基が上述のような基で置き換えられる前の炭素数をいう。
環Wを含む基、すなわち式(a)における
Figure 2012042934
(式中、*は結合手を表す。)
で示される基は、式(a−1A)で表される基又は式(a−2A)で表される基であることが好ましい。
Figure 2012042934
[式(a−1A)中、
アダマンタン環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はスルホニル基に置き換わっていてもよい。アダマンタン環に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基に置き換わっていてもよい。*は結合手を表す。]
なお、アダマンタン環に含まれるメチレン基が、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はスルホニル基に置き換わる場合、置き換えられるメチレン基の個数は最大2個程度である。
Figure 2012042934
[式(a−2A)中、
シクロヘキサン環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はスルホニル基に置き換わっていてもよい。シクロヘキサン環に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基に置き換わっていてもよい。]
なお、シクロヘキサン環に含まれるメチレン基が、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はスルホニル基に置き換わる場合、置き換えられるメチレン基の個数は最大2個程度である。
式(a−1A)のアダマンタン環に含まれる水素原子が、アルキル基、アルコキシ基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基からなる群より選ばれる基に置き換えられている場合、その置換数は最大3程度であり、この置換数が2以上の場合、置き換えられた複数の基は同じでも異なっていてもよい。なお、ここでいう「アダマンタン環に含まれる水素原子」とは、アダマンタン環を構成する炭素原子に結合している水素原子をいう。
同様に、式(a−2A)のシクロヘキサン環にある水素原子が、アルキル基、アルコキシ基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基からなる群より選ばれる基に置き換えられている場合、その置換数は最大3程度であり、この置換数が2以上の場合、置き換えられた複数の基は同じでも異なっていてもよい。なお、ここでいう「シクロヘキサン環にある水素原子」とは、シクロヘキサン環を構成する炭素原子に結合している水素原子をいう。
式(a−1A)のアダマンタン環又は式(a−2A)のシクロヘキサン環に含まれる水素原子が置き換わることもある基(置換基)の具体例を示す。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基及びヘキシル基などが挙げられ、これらのアルキル基は直鎖でも、分岐していてもよい。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基及びオクチルオキシ基などが挙げられ、これらのアルコキシ基は直鎖でも、分岐していてもよい。
脂環式炭化水素基としては、下記に示す基などが挙げられる。
Figure 2012042934
芳香族炭化水素基としては、フェニル基及びナフチル基などが挙げられる。
式(a)のXは単結合又は−A10−CO−O−(A10は前記と同義である。)で表される基である。A10の炭化水素基としては、例えば、アルカンジイル基、シクロアルカンジイル基及びこれらを組み合わせた2価の基が挙げられる。
該アルカンジイル基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基及び2−メチルプロパン−1,2−ジイル基などの炭素数1〜10のアルカンジイル基が挙げられる。シクロアルカンジイル基としては、シクロヘキサンジイル基などの単環式の基に捕らわれず、アダマンタンジイル基などの多環式の基であってもよい。アルカンジイル基及びシクロアルカンジイル基を組み合わせた2価の基としては例えば、式(X−A)、式(X−B)又は式(X−C)で表される基が挙げられる。
Figure 2012042934
[式中、XX1及びXX2は、それぞれ独立に、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルカンジイル基を表し、ともに単結合であることはない。ただし、式(X−A)〜式(X−C)で表される基の総炭素数は6〜20である。]
は単結合であるか、A10がアルカンジイル基である−A10−CO−O−で表される基であると好ましい。
は、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数2〜12のアシル基である。ここで炭化水素基は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基のいずれでもよいが、これらの中では脂肪族炭化水素基が好ましく、該脂肪族炭化水素基の中でも、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が一層好ましい。ここで述べた炭化水素基と−CO−とが結合したものがアシル基に該当する。かかるアシル基の中でも、脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基と−CO−とが結合したアシル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数3〜10の脂環式炭化水素基と−CO−とが結合したアシル基が好ましく、以下に示すようなアシル基がさらに好ましい(*は酸素原子との結合手を表す)。
Figure 2012042934
化合物(a)の具体例を以下に示す。
Figure 2012042934
化合物(a)は、例えば、前記特許文献1に記載された方法に準じて製造することができる。
<第2の構造単位>
第2の構造単位は、式(a0)で表される化合物(以下、場合により「化合物(a0)」という。)に由来する構造単位である。
Figure 2012042934
式(a0)中、
axは、水素原子又はメチル基を表す。
環Wは、炭素数4〜36の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はスルホニル基に置き換わっていてもよい。
a0は、酸素原子又は−O−(CH2k1−CO−O−(k1は1〜7の整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手である。
m0は1又は2を表し、Ra0は、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜10の脂環式炭化水素基を表す。m0が2であるとき、2つのRa0は同じでも異なっていてもよい。
a0は、好ましくは、酸素原子又は、k1が1〜4の整数である−O−(CH2k1−CO−O−で表される基であり、より好ましくは、酸素原子又は、k1が1の−O−(CH2k1−CO−O−で表される基であり、さらに好ましくは酸素原子である。
a0の脂肪族炭化水素基は、例えば、炭素数8以下、好ましくは炭素数6以下のアルキル基が挙げられる。Ra0の脂環式炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれであってもよい。m0は1又は2であり、好ましくは1である。
環Wの脂環式炭化水素環は、式(a)の環Wと同様に、その炭素数が4〜36であり、炭素数5〜18がより好ましく、炭素数6〜12がさらに好ましい。また、上述のとおり、環Wの脂環式炭化水素環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はスルホニル基に置き換わっていてもよい(なお、ここでいう炭素数の定義は、Wの炭素数の定義で説明したものと同じである。)。環Wの好ましい脂環式炭化水素環としては、5〜8員環のシクロアルカン環(シクロヘキサン環等)、アダマンタン環及びノルボルネン環が挙げられ、これらの中でも、5〜8員環のシクロアルカン環及びアダマンタン環が特に好ましい。ここで、ノルボルネン環には、ノルボルネン環に含まれる二重結合が単結合に置き換わった基も含まれる。La0とRa0とは、環Wを構成する原子のうち、同一の炭素原子に結合していてもよいし、各々異なる炭素原子に結合していてもよいが、La0及びRa0がともに、環Wを構成する炭素原子のうちの1つと結合していることが好ましい。この場合の化合物(a0)は、酸に不安定な基(以下、場合により「酸不安定基」という。)を有する化合物(モノマー)に該当する。そして、この酸不安定基を有する化合物(a0)に由来する第2の構造単位が、樹脂(A)に含まれている場合、樹脂(A)は、アルカリ水溶液に不溶又は難溶であって、酸の作用によりアルカリ可溶となるという特性を備えたものとなる。
ここで、「酸の作用によりアルカリ可溶となる」とは、酸との接触前ではアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸との接触後にはアルカリ水溶液に可溶となることを意味する。このような樹脂(A)は、本レジスト組成物において特に有用である。
<モノマー(a1)>
化合物(a0)の中でも、環Wがアダマンタン環又はシクロヘキサン環等の5〜8員環である化合物が好ましく、以下の式(a1−1)で表されるモノマー(以下、「モノマー(a1−1)」という。)及び式(a1−2)で表されるモノマー(以下、「モノマー(a1−2)」という。)がより好ましい。化合物(a)と、モノマー(a1−1)及び/又はモノマー(a1−2)とを用いて製造された樹脂(A)を含む本レジスト組成物によれば、形状の優れたレジストパターンを製造できることに加えて、より良好な解像度でレジストパターンを製造できるという利点がある。
Figure 2012042934
式(a1−1)中、
a1は、酸素原子又は−O−(CH2k1−CO−O−(k1は上記と同じ意味を表す。
)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手である。
a4は、水素原子又はメチル基を表す。
a6は、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜10の脂環式炭化水素基を表す。
m1は0〜14の整数を表す。
なお、式(a1−1)において、「−(CHm1」の表記は、アダマンタン環に含まれる水素原子、すなわち、アダマンタン環に含まれるメチレン基及び/又はメチン基の水素原子が、メチル基に置き換わっており、そのメチル基の個数がm1個であることを意味する。
Figure 2012042934
式(a1−2)中、
a2は、酸素原子又は*−O−(CH2k1−CO−O−(k1は上記と同じ意味を表す。
)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手である。
a5は、水素原子又はメチル基を表す。
a7は、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜10の脂環式炭化水素基を表す。
n1は0〜10の整数を表す。
n1’は0〜3の整数を表す。
なお、式(a1−2)において、「−(CHm1」の表記は、スクロアルカン環に含まれる水素原子、すなわち、シクロアルカン環に含まれるメチレン基の水素原子が、メチル基に置き換わっており、そのメチル基の個数がn1個であることを意味する。
a1及びLa2は、好ましくは、酸素原子又は、k1が1〜4の整数である*−O−(CH2k1−CO−O−で表される基あり、より好ましくは酸素原子又は、k1が1の*−O−(CH2k1−CO−O−で表される基であり、さらに好ましくは酸素原子である。
a4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
a6及びRa7の脂肪族炭化水素基は例えば、アルキル基が挙げられ、より具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基及びオクチル基などが挙げられる。Ra6及びRa7の脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数6以下の基である。Ra6及びRa7の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数8以下であり、より好ましくは6以下である。
a6及びRa7が脂環式炭化水素基である場合、当該脂環式炭化水素基は単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、シクロヘプチル基及びシクロオクチル基などのシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基、及び下記のような基などが挙げられる。
Figure 2012042934
m1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n2は、好ましくは0又は1、より好ましくは1である。
*は、アダマンタン環又はシクロアルカン環との結合手を表す。
モノマー(a1−1)としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934

これらの中でも、モノマー(a1−1)としては、2−メチルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート、2−エチルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート及び2−イソプロピルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレートが好ましく、2−メチルアダマンタン−2−イルメタクリレート、2−エチルアダマンタン−2−イルメタクリレート及び2−イソプロピルアダマンタン−2−イルメタアクリレートがより好ましい。
モノマー(a1−2)としては、例えば、以下のものが挙げられる。これらの中でも、モノマー(a1−2)としては、1−エチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートが好ましく、1−エチルシクロヘキシルメタクリレートがより好ましい。
Figure 2012042934
Figure 2012042934
樹脂(A)が、モノマー(a1−1)及び/又はモノマー(a1−2)に由来する構造単位を有する場合、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、これらモノマーに由来する構造単位の含有量の合計は、10〜95モル%の範囲が好ましく、15〜90モル%の範囲がより好ましく、20〜85モル%の範囲がさらに好ましい。モノマー(a1−1)に由来する構造単位及び/又はモノマー(a1−2)に由来する構造単位の含有量の合計を、所望する含有量にするためには、樹脂(A)を製造する際に、全モノマーの使用量に対するモノマー(a1−1)及び/又はモノマー(a1−2)の使用量を上記範囲にして製造すればよい。
<モノマー(a1−1)及びモノマー(a1−2)以外の酸不安定基を有するモノマー> 酸不安定基は、親水性基が、酸との接触により脱離し得る保護基により保護されているものであり、酸不安定基を有する化合物は、酸と接触すると酸不安定基にある保護基が脱離して、アルカリ水溶液に可溶な化合物に転化するという特性を備える。該親水性基としては、ヒドロキシ基又はカルボキシ基が挙げられ、カルボキシ基がより好ましい。すでに説明した好適な化合物(a0)であるモノマー(a1−1)及びモノマー(a1−2)は、保護基を有するカルボキシ基を酸不安定基として有する化合物に該当する。なお、以下の説明において、モノマー(a1−1)及びモノマー(a1−2)以外の酸不安定基を有するモノマーを「他の酸不安定モノマー」ということがある。
親水性基がカルボキシ基である場合の酸不安定基は、例えば、該カルボキシ基の水素原子が、有機残基に置き換わり、カルボキシ基の−O−と結合する該有機残基の原子が第三級炭素原子である基が挙げられる。このような酸不安定基のうち、好ましい酸不安定基は例えば、以下の式(1)で表されるもの(以下、場合により「酸不安定基(1)」という。)である。
Figure 2012042934
式(1)中、Ra1〜Ra3は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表す。なお、該脂肪族炭化水素基又は該脂環式炭化水素基がメチレン基を含む場合、そのメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。*は結合手を表す。
a1〜Ra3の脂肪族炭化水素基は例えば、アルキル基が挙げられる。このアルキル基の具体例は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基及びオクチル基などであり、このアルキル基は直鎖でも、分岐していてもよい。
a1〜Ra3の脂環式炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、シクロヘプチル基及びシクロオクチル基などのシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及びメチルノルボルニル基、並びに下記に示す基などが挙げられる。
Figure 2012042934
a1〜Ra3の脂環式炭化水素基は、その炭素数が3〜16の範囲であると好ましい。
酸不安定基(1)の具体例は、1,1−ジアルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1〜Ra3が全てアルキル基である基、このアルキル基のうち、1つはtert−ブトキシカルボニル基であると好ましい。)及び1−(1−アダマンタン−1−イル)−1−アルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1及びRa2がアルキル基であり、Ra3がアダマンチル基である基)などが挙げられる。
一方、親水性基がヒドロキシ基である場合の酸不安定基は、該ヒドロキシ基の水素原子が、有機残基に置き換わり、アセタール構造を含む基となったものが挙げられる。このような酸不安定基のうち、好ましい酸不安定基は例えば、以下の式(2)で表されるもの(以下、場合により「酸不安定基(2)」という。)である。

Figure 2012042934
式(2)中、Rb1及びRb2(以下、場合により「Rb1〜Rb2」のように表記する。)は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Rb3は炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、或いは、Rb2及びRb3は互いに結合して、それらが各々結合する炭素原子及び酸素原子とともに炭素数3〜20の環を形成する。Rb2及びRb3は互いに結合して形成される環又は該炭化水素基がメチレン基を有する場合、そのメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。*は結合手を表す。
b1〜Rb3の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基のいずれでもよい。ここで、該脂肪族炭化水素基及び該脂環式炭化水素基は、式(1)のRa1〜Ra3の基として説明したものと同じである。該芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基及び2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基などが挙げられる。Rb1〜Rb2のうち、少なくとも1つは水素原子であることが好ましい。
酸不安定基(2)の具体例としては、以下の基が挙げられる。
Figure 2012042934
他の酸不安定モノマーとしては、さらに以下の式(a1−3)で表されるノルボルネン環を有するモノマー(以下、場合により「モノマー(a1−3)」という。)が挙げられる。
Figure 2012042934
式(a1−3)中、
a9は、水素原子、ヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基、シアノ基又は−COORa13を表す。
a13は、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基及び該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基及び該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
a10、Ra11及びRa12は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表すか、或いは、Ra10及びRa11が互いに結合して、これらが結合している炭素原子とともに、炭素数3〜20の環を形成し、該脂肪族炭化水素基及び該脂環式炭化水素基についても、これらの基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基などで置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基及び該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
a9の−COORa13は例えば、メトキシカルボニル基及びエトキシカルボニル基などのアルコキシ基にカルボニル基が結合した基が挙げられる。
a9のヒドロキシ基を有していてもよい脂肪族炭化水素基は例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基及び2−ヒドロキシエチル基などが挙げられる。
a13の脂肪族炭化水素基や脂環式炭化水素基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、2−オキソ−オキソラン−3−イル基及び2−オキソ−オキソラン−4−イル基などが挙げられる。
a10〜Ra12は例えば、メチル基、エチル基、シクロへキシル基、メチルシクロへキシル基、ヒドロキシシクロへキシル基、オキソシクロへキシル基及びアダマンチル基などが挙げられる。
a10及びRa11が互いに結合して形成される環は脂環式炭化水素環が好ましく、具体的には、シクロへキサン環及びアダマンタン環などが挙げられる。
モノマー(a1−3)は、例えば、5−ノルボルネン−2−カルボン酸−tert−ブチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−シクロヘキシル−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−メチルシクロヘキシル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−メチル−アダマンタン−2−イル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−エチル−アダマンタン−2−イル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(4−メチルシクロヘキシル)−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−メチル−1−(4−オキソシクロヘキシル)エチル及び5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルなどが挙げられる。
モノマー(a1−3)を用いて樹脂(A)を製造した場合、この樹脂(A)にはモノマー(a1−3)に由来する、立体的に嵩高い構造単位が含まれることになる。したがって、この構造単位を有する樹脂(A)を含む本レジスト組成物を用いてレジストパターンを製造すれば、より良好な解像度でレジストパターンを得ることができる。さらにモノマー(a1−3)を用いることにより、樹脂(A)の主鎖に剛直なノルボルナン環を導入できるため、該樹脂(A)を含む本レジスト組成物は、ドライエッチング耐性に優れたレジストパターンが得られ易いという傾向がある。
上述のように、良好な解像度でレジストパターンを製造できることや、ドライエッチング耐性に優れたレジストパターンが得られ易いという点では、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対する、モノマー(a1−3)に由来する構造単位の含有量は10〜95モル%の範囲が好ましく、15〜90モル%の範囲がより好ましく、20〜85モル%の範囲がさらに好ましい。
他の酸不安定モノマーとしては、以下の式(a1−4)で表されるモノマー(以下、「モノマー(a1−4)」という。)も用いることができる。
Figure 2012042934
[式(a1−4)中、
a32は、水素原子、ハロゲン原子、又は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
a33は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を表す。
laは0〜4の整数を表す。laが2以上である場合、複数のRa33は同じでも異なっていてもよい。
a34及びRa35はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
a2は、単結合又は2価の炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基又は炭素数2〜4のアシルオキシ基に置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子、スルホニル基又は−N(R)−で示される基に置き換わっていてもよい。Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
a3は、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基であり、該脂肪族炭化水素基、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基の各々に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基又は炭素数2〜4のアシルオキシ基に置換されていてもよい。]
式(a1−4)について、Ra32、Ra33、Ra34、Ra35及びXa2の具体例を挙げる。
a32及びRa33のハロゲン原子は例えば、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子などである。
a32のハロゲン原子を有してもよいアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルクロロメチル基、ペルブロモメチル基及びペルヨードメチル基などが挙げられる。
a33のアルコキシ基としては例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基及びn−ヘキトキシ基などが挙げられる。
a33のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基などが挙げられる。
a33のアシルオキシ基としては、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基及びブチリルオキシ基などが挙げられる。
a34及びRa35の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基のいずれであってもよい。該脂肪族炭化水素基は、炭素数の上限が異なる以外は、式(a1−1)のRa6及びRa7の脂肪族炭化水素基として説明したものを含み、その具体例もRa6及びRa7の脂肪族炭化水素基として例示したものを含む。該脂肪族炭化水素基としては、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2−エチルヘキシル基が好ましい。該脂環式炭化水素基も、炭素数の上限が異なる以外は、式(a1−1)のRa6及びRa7の脂環式炭化水素基として説明したものを含み、その具体例もRa6及びRa7の脂環式炭化水素基として例示したものを含む。該脂環式炭化水素基としては、シクロヘキシル基、アダマンチル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)−1−アルキル基及びイソボルニル基が好ましい。該芳香族炭化水素基は典型的にはアリール基であり、具体的にいえば、フェニル基、ナフチル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基及び2−メチル−6−エチルフェニルなどである。
a32及びRa33がアルキル基である場合、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基及びエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
a33のアルコキシ基としては、メトキシ基及びエトキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
a34及びRa35の炭化水素基としては、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基及びイソボルニル基などが好ましい。
上述したように、Xa2及びYa3は、これらに含まれる水素原子がハロゲン原子、ヒドロキシ基などに置換されていてもよいが、このように水素原子が置換されている場合、その置換基は好ましくはヒドロキシ基である。
ここで、モノマー(a1−4)としては例えば、以下のモノマーが挙げられる。
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
樹脂(A)が、モノマー(a1−4)に由来する構造単位を有する場合、その含有量は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、10〜95モル%の範囲が好ましく、15〜90モル%の範囲がより好ましく、20〜85モル%の範囲がさらに好ましい。
酸不安定基(2)を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル系モノマー(すなわち、アクリル基又はメタクリル基と酸不安定基(2)とを有するモノマー)が好ましく、例えば、式(a1−5)で表されるモノマー(以下、「モノマー(a1−5)」という。)が挙げられる。
Figure 2012042934
式(a1−5)中、
31は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
〜Lは、酸素原子又は硫黄原子又は−O−(CH2k1−CO−O−で表される基を表す。ここで、k1は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基(−CO−)との結合手である。
は、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基であり、該アルカンジイル基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
s1及びs1’は、それぞれ独立して、0〜4の整数を表す。
式(a1−5)においては、R31は、水素原子及びメチル基が好ましい。
は、酸素原子が好ましい。
及びLは、一方が酸素原子、他方が硫黄原子が好ましい。
は、単結合又は−CH−CO−O−が好ましい。
s1は、1が好ましい。
s1’は、0〜2の整数が好ましい。
モノマー(a1−5)の具体例としては、以下のとおりである。
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
樹脂(A)が、モノマー(a1−5)に由来する構造単位を有する場合、その含有量は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、10〜95モル%の範囲が好ましく、15〜90モル%の範囲がより好ましく、20〜85モル%の範囲がさらに好ましい。
酸不安定基(1)と炭素−炭素二重結合とを分子内に有する構造単位(a1)として、以下のモノマーを用いることができる。
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
上述したモノマーを用いて樹脂(A)を製造する場合、その含有量は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、10〜95モル%が好ましく、15〜90モル%より好ましく、20〜85モル%がさらに好ましい。
<酸安定モノマー>
樹脂(A)は、化合物(a)及び化合物(a0)に加えて、さらに酸不安定基を有さないモノマー(以下、場合により「酸安定モノマー」という。)を用いて製造される樹脂が好ましい。また、本レジスト組成物に用いる添加物(すなわち、アルカリ水溶液に不溶又は難溶であって、酸の作用によりアルカリ可溶となる樹脂ではない成分)として、酸安定モノマーから得られる、酸不安定基を有さない樹脂を用いることもある。
酸安定モノマーを用いて樹脂(A)を製造する場合、酸不安定基を有するモノマーの合計使用量[例えば、化合物(a)と、モノマー(a1−1)及び/又はモノマー(a1−2)との合計使用量]を基準にして、酸安定性モノマーの使用量を定めるとよい。この割合は、〔酸不安定モノマー〕/〔酸安定モノマー〕で表して、好ましくは10〜80モル%/90〜20モル%であり、より好ましくは20〜60モル%/80〜40モル%である。
酸安定モノマーとしては、ヒドロキシ基又はラクトン環を分子内に有するものである。ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(以下、「酸安定モノマー(a2)」という。)及び/又はラクトン環を含有する酸安定モノマー(以下、「酸安定モノマー(a3)」という。)に由来する構造単位を有する樹脂(A)は、当該樹脂(A)を含むレジスト組成物を基板に塗布したとき、基板上に形成される塗布膜及び/又は塗布膜から得られる組成物層は基板との密着性に優れる傾向があり、高解像度で、レジストパターンを製造することができる。
酸安定モノマーとしては、酸安定モノマー(a2)及び酸安定モノマー(a3)が好ましい。
<酸安定モノマー(a2)>
酸安定モノマー(a2)を樹脂(A)の製造に用いる場合、当該樹脂(A)を含む本レジスト組成物からレジストパターンを製造する際の露光源の種類によって、各々、好適な酸安定モノマー(a2)を挙げることができる。すなわち、本レジスト組成物を、KrFエキシマレーザ露光(波長:248nm)、電子線あるいはEUV光などの高エネルギー線露光に用いる場合には、酸安定モノマー(a2)として、フェノール性ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(a2−0)〔例えば、ヒドロキシスチレン類など〕を樹脂(A)の製造に用いることが好ましい。短波長のArFエキシマレーザ露光(波長:193nm)を用いる場合は、酸安定モノマー(a2)として、後述の式(a2−1)で表される酸安定モノマーを樹脂(A)の製造に用いることが好ましい。このように、樹脂(A)製造に用いる酸安定モノマー(a2)は各々、レジストパターンを製造する際の露光源によって好ましいものを選ぶことができるが、当該酸安定モノマー(a2)は、露光源の種類に応じて好適なモノマー1種のみを用いて樹脂(A)を製造してもよく、露光源の種類に応じて好適なモノマー2種以上を用いて樹脂(A)を製造してもよく、或いは、露光源の種類に応じて好適なモノマーと、それ以外の酸安定モノマー(a2)とを組み合わせた2種以上を用いて樹脂(A)を製造してもよい。
酸安定モノマー(a2)としては、以下の式(a2−0)で表されるp−又はm−ヒドロキシスチレンなどのスチレン系モノマー(以下、「酸安定モノマー(a2−0)」という。)が挙げられる。なお、この式(a2−0)は、フェノール性ヒドロキシ基が適当な保護基で保護されていない形式で示す。
Figure 2012042934
[式(a2−0)中、
a30は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す。
a31は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を表す。
maは0〜4の整数を表す。maが2以上の整数である場合、複数のRa31はそれぞれ独立である。]
a30のハロゲン原子及びハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基の具体例は、式(a1−4)のRa32の説明で例示したものと同じものを挙げることができる。これらのうち、Ra30は、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
a31のアルコキシ基の具体例は、式(a1−4)のRa33の説明で例示したものと同じものを挙げることができる。これらのうち、Ra31は、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。Ra31のアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、炭素数1又は2のアルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
maは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましく、0が特に好ましい。
このような酸安定モノマー(a2−0)に由来する構造単位を有する樹脂(A)を製造する場合は、酸安定モノマー(a2−0)にあるフェノール性ヒドロキシ基が適当な保護基で保護されてなるモノマーを用いることができる。保護基としては、例えば、酸で脱離する保護基などが挙げられる。酸で脱離する保護基で保護されたフェノール性ヒドロキシ基は、酸との接触により、脱保護することができるため、容易に酸安定モノマー(a2−0)に由来する構造単位を形成することができる。ただし、樹脂(A)が、酸不安定基を含む構造単位(a1)を有している場合、塩基で脱保護可能な保護基でフェノール性ヒドロキシ基が保護された酸安定モノマー(a2−0)を用いて重合を行い、脱保護する際には、構造単位(a1)の酸不安定基を著しく損なわないよう、塩基との接触により脱保護することが好ましい。塩基で脱保護可能な保護基としては、例えば、アセチル基等が好ましい。塩基としては、例えば、4−ジメチルアミノビリジン、トリエチルアミン等が挙げられる。
酸安定モノマー(a2−0)としては、例えば、以下のモノマーが挙げられる。
Figure 2012042934
Figure 2012042934
上述の酸安定モノマー(a2−0)の例示の中では、4−ヒドロキシスチレン又は4−ヒドロキシ−α−メチルスチレンが特に好ましい。もちろん、4−ヒドロキシスチレン又は4−ヒドロキシ−α−メチルスチレンを用いて、樹脂(A)を製造する際には、これらにあるフェノール性ヒドロキシ基を保護基で保護したものを用いることが好ましい。
樹脂(A)が、酸安定モノマー(a2−0)に由来する構造単位を有する場合、その含有量は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、5〜95モル%の範囲から選ばれ、10〜80モル%の範囲がより好ましく、15〜80モル%の範囲がさらに好ましい。
酸安定モノマー(a2)としては、式(a2−1)で表されるモノマー(以下、場合により「酸安定モノマー(a2−1)」という。)が挙げられる。
Figure 2012042934
式(a2−1)中、
a3は、酸素原子又は−O−(CH2k2−CO−O−(k2は1〜7の整数を表す。)を表し、*はカルボニル基との結合手を表す。
a14は、水素原子又はメチル基を表す。
a15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10の整数を表す。
式(a2−1)において、La3は、好ましくは、酸素原子又は、k2が1〜4の整数である*−O−(CH2k2−CO−O−で表される基あり、より好ましくは酸素原子である。
a14は、好ましくはメチル基である。
a15は、好ましくは水素原子である。
a16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
酸安定モノマー(a2−1)としては、例えば、以下のものが挙げられる。これらの中でも、3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル(メタ)アクリレート、3,5−ジヒドロキシアダマンタン−1−イル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸1−(3,5−ジヒドロキシアダマンタン−1−イルオキシカルボニル)メチルが好ましく、3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル(メタ)アクリレート及び3,5−ジヒドロキシアダマンタン−1−イル(メタ)アクリレートがより好ましく、3−ヒドロキシアダマンタン−1−イルメタクリレート及び3,5−ジヒドロキシアダマンタン−1−イルメタクリレートがさらに好ましい。
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
樹脂(A)が、酸安定モノマー(a2−1)に由来する構造単位を有する場合、その含有量は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、3〜40モル%の範囲から選ばれ、5〜35モル%の範囲がより好ましく、5〜30モル%の範囲がさらに好ましい。
<酸安定モノマー(a3)>
酸安定モノマー(a3)が有するラクトン環は例えば、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環及びδ−バレロラクトン環のような単環式でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。これらラクトン環の中で、γ−ブチロラクトン環及びγ−ブチロラクトン環と他の環との縮合環が好ましい。
酸安定モノマー(a3)は好ましくは、以下の式(a3−1)、式(a3−2)又は式(a3−3)で表されるものである。樹脂(A)の製造においては、これらのうち1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、以下の説明においては、式(a3−1)で示される酸安定モノマー(a3)を「酸安定モノマー(a3−1)」といい、式(a3−2)で示される酸安定モノマー(a3)を「酸安定モノマー(a3−2)」といい、式(a3−3)で示される酸安定モノマー(a3)を「酸安定モノマー(a3−3)」という。
Figure 2012042934
式(a3−1)中、
a4は、酸素原子又は*−O−(CH2k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
a18は、水素原子又はメチル基を表す。
a21は、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表す。p1は0〜5の整数を表し、p1が2以上のとき、複数のRa21は同じでも異なっていてもよい。
式(a3−2)中、
a5は、酸素原子又は*−O−(CH2k3−CO−O−(k3は前記と同義である。
)を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
a22は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表す。q1は、0〜3の整数を表し、q1が2以上のとき、複数のRa22は同じでも異なっていてもよい。
式(a3−3)中、
a6は、酸素原子又は*−O−(CH2k3−CO−O−(k3は前記と同義である。
)を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
a20は、水素原子又はメチル基を表す。
a23は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表す。r1は、0〜3の整数を表し、r1が2以上のとき、複数のRa23は同じでも異なっていてもよい。
以下、La4、La5及びLa6を「La4〜La6」のように表記する。
式(a3−1)〜式(a3−3)中のLa4〜La6は、それぞれ独立に、好ましくは酸素原子又は、k3が1〜4の整数である*−O−(CH2k3−CO−O−で表される基であり、より好ましくは酸素原子又は、k3が1の*−O−(CH2k3−CO−O−で表される基であり、さらに好ましくは酸素原子である。
a18〜Ra21は、好ましくはメチル基である。
a22及びRa23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
p1、q1及びr1は、それぞれ独立に、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0又は1である。
γ−ブチロラクトン環を有する酸安定モノマー(a3−1)としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
γ−ブチロラクトン環とノルボルナン環との縮合環を有する酸安定モノマー(a3−2)としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
γ−ブチロラクトン環とシクロヘキサン環との縮合環を有する酸安定モノマー(a3−3)は例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
ラクトン環を有する酸安定モノマー(a3)の中でも、(メタ)アクリル酸(5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−2−イル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロ−2−オキソ−3−フリル、(メタ)アクリル酸2−(5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−2−イルオキシ)−2−オキソエチルといったメタクリレートエステル類がより好ましい。
樹脂(A)が、酸安定モノマー(a3−1)に由来する構造単位、酸安定モノマー(a3−2)に由来する構造単位及び酸安定モノマー(a3−3)に由来する構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位〔酸安定モノマー(a3)に由来する構造単位〕を有する場合、その合計含有量は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、5〜50モル%の範囲から選ばれ、10〜40モル%の範囲が好ましく、15〜40モル%の範囲がさらに好ましい。
<酸安定モノマー(a4)>
さらにその他の酸安定モノマーである酸安定モノマー(a4)としては、式(a4−1)で表される無水マレイン酸、式(a4−2)で表される無水イタコン酸、及び、式(a4−3)で表されるノルボルネン環を有する酸安定モノマー(以下、「酸安定モノマー(a4−3)」という。)などが挙げられる。
Figure 2012042934
式(a4−3)中、
a25及びRa26は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、シアノ基、カルボキシ基又は−COORa27を表すか、或いはRa25及びRa26は互いに結合して−CO−O−CO−を形成する。
a27は、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基及び該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、オキソ基又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。但し−COORa27が酸不安定基となるものは除く(即ちRa27は、第三級炭素原子が−O−と結合するものを含まない)。
式(a4−3)のRa25及びRa26において、ヒドロキシ基を有していてもよい脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基及び2−ヒドロキシエチル基などが挙げられる。
a27の脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜6の基である。飽和環状炭化水素基は、好ましくは炭素数4〜18、より好ましくは炭素数4〜12の基である。このRa27としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、2−オキソ−オキソラン−3−イル基及び2−オキソ−オキソラン−4−イル基などが挙げられる。
ノルボルネン環を有する酸安定モノマー(a4−3)としては、例えば、2−ノルボルネン、2−ヒドロキシ−5−ノルボルネン、5−ノルボルネン−2−カルボン酸、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−ヒドロキシ−1−エチル、5−ノルボルネン−2−メタノール、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物などが挙げられる。
樹脂(A)が、式(a4−1)で表される無水マレイン酸に由来する構造単位、式(a4−2)で表される無水イタコン酸に由来する構造単位及び酸安定モノマー(a4−3)に由来する構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位〔酸安定モノマー(a4)に由来する構造単位〕を有する場合、その合計含有量は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、2〜40モル%の範囲が好ましく、3〜30モル%の範囲がより好ましく、5〜20モル%の範囲がさらに好ましい。
更に、酸安定モノマー(a4)としては、例えば、式(a4−4)で表されるスルトン環を有する酸安定モノマー(以下、場合により「酸安定モノマー(a4−4)」という。)などが挙げられる。
Figure 2012042934
式(a4−4)中、
a7は、酸素原子又は−T−(CH2k2−CO−O−(k2は1〜7の整数を表す。Tは、酸素原子又はNHを表す。)を表し、*はカルボニル基との結合手を表す。
a28は、水素原子又はメチル基を表す。
16は、置換基を有していてもよいスルトン環を含む残基を表す。
スルトン環としては、下記に示すものが挙げられる。スルトン環を含む残基の代表例は、下記スルトン環にある水素原子の1つが、La7との結合手に置き換わったものである。
Figure 2012042934
置換基を有していてもよいスルトン環を含む残基とは、上述のLa7との結合手に置き換わった水素原子以外の水素原子がさらに置換基に置換されたものであり、該置換基としては、ヒドロキシ基、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフッ化アルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜7のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜7のアシル基及び炭素数1〜8のアシルオキシ基が挙げられる。
酸安定モノマー(a4−4)の具体例を下記に示す。

Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
樹脂(A)が、酸安定モノマー(a4−4)に由来する構造単位を有する場合、その含有量は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、2〜40モル%の範囲が好ましく、3〜35モル%の範囲がより好ましく、5〜30モル%の範囲がさらに好ましい。
また、酸安定モノマー(a4)としては、例えば、以下に示すようなフッ素原子を有するモノマー〔以下、場合により「酸安定モノマー(a4−5)」という。〕も使用できる。
Figure 2012042934
このような酸安定モノマー(a4−5)の中でも、単環式又は多環式の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸5−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−[トリフルオロメチル]プロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル、(メタ)アクリル酸6−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−[トリフルオロメチル]プロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル、(メタ)アクリル酸4,4−ビス(トリフルオロメチル)−3−オキサトリシクロ[4.2.1.02,5]ノニルが好ましい。
樹脂(A)が、酸安定モノマー(a4−5)に由来する構造単位を有する場合、その合計含有量は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、1〜20モル%の範囲が好ましく、2〜15モル%の範囲がより好ましく、3〜10モル%の範囲がさらに好ましい。
<式(3)で表される基を有するその他の酸安定モノマー(以下、場合により「酸安定モノマー(a5)」という。)>
酸安定モノマー(a5)は以下の式(3)で表される基を有するモノマーである。
Figure 2012042934
[式(3)中、R10は、炭素数1〜6のフッ化アルキル基を表す。]
10のフッ化アルキル基はフッ素原子を有するアルキル基を意味する。該フッ化アルキル基としては、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペルフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロプロピル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、ペルフルオロエチルメチル基、1−(トリフルオロメチル)−1,2,2,2−テトラフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、1,1,2,2−テトラフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基、ペルフルオロブチル基、1,1−ビス(トリフルオロ)メチル−2,2,2−トリフルオロエチル基、2−(パーフルオロプロピル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロペンチル基、ペルフルオロペンチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロペンチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、ペルフルオロペンチル基、2−(パーフルオロブチル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロヘキシル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフルオロヘキシル基、ペルフルオロペンチルメチル基及びペルフルオロヘキシル基が挙げられる。
10のフッ化アルキル基は、その炭素数が1〜4であると好ましく、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基及びペルフルオロプロピル基がより好ましく、トリフルオロメチル基が特に好ましい。
酸安定モノマー(a5)としては、例えば、以下で表されるものが挙げられる。
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
樹脂(A)が、酸安定モノマー(a5)に由来する構造単位に由来する構造単位を有する場合、その含有量は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、5〜90モル%の範囲が好ましく、10〜80モル%の範囲がより好ましく、20〜70モル%の範囲がさらに好ましい。
<式(4)で表される基を有する酸安定モノマー(以下、場合により「酸安定モノマー(a6)」という。)>
モノマー(a6)は以下の式(4)で表される基を有するモノマーである。
Figure 2012042934
[式(4)中、R11は置換基を有してもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表す。
12は、置換基を有してもよい炭素数1〜12の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、ヘテロ原子を含んでいてもよい。
は、単結合、−(CH−SO−O−*又は−(CH−CO−O−*を表し、ここに示す該〔−(CH−〕に含まれるメチレン基は、オキシ基、カルボニル基又はスルホニル基で置き換わっていてもよく、該〔−(CH−〕に含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。
mは、1〜12の整数を表す。]
11における炭素数6〜12の芳香族炭化水素基は、例えば、フェニル基、ビフェニル基、フルオレニル基、ナフチル基及びアントラニル基などが挙げられる。これら芳香族炭化水素基が置換基を有する場合、その置換基は、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子、フェニル基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、フェニルオキシ基及びtert−ブチルフェニル基などである。ここでいう炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基が挙げられ、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
11としては、以下の基が挙げられる。なお、*は炭素原子との結合手である。
Figure 2012042934
12における炭素数1〜12の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基のいずれであってもよい。
脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基及びドデシル基などの直鎖状アルキル基、
イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、メチルペンチル基、エチルペンチル基、メチルヘキシル基、エチルヘキシル基、プロピルヘキシル基及びtert−オクチル基などの分岐鎖状アルキル基でもよいが、好ましくはイソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基及びエチルヘキシル基である。
脂環式炭化水素基としては、以下に表される基が挙げられる。
Figure 2012042934
12が脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基である場合、これら脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基はヘテロ原子を含んでいてもよい。ヘテロ原子としては、ハロゲン原子、硫黄原子、酸素原子又は窒素原子などである〔連結基として、スルホニル基、カルボニル基を含む形態でもよい〕。
このようなヘテロ原子を含む脂肪族炭化水素基及び、ヘテロ原子を含む脂環式炭化水素基としては、以下の基が挙げられる。
Figure 2012042934
12が芳香族炭化水素基である場合、その具体例は、R11の場合で説明したものと同じである。
としては、下記の基が挙げられる。
Figure 2012042934
酸安定モノマー(a6)としては、例えば、式(a6−1)で表されるモノマーが好ましい。
Figure 2012042934
[式(a6−1)中、R13は、水素原子又はメチル基を表す。
11、R12及びAは、上記と同じ意味を表す。]
式(a6−1)で表されるモノマーとしては、例えば、以下で表される化合物が挙げられる。
Figure 2012042934
樹脂(A)が、モノマー(a6)に由来する構造単位を有する場合、その含有量は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、5〜90モル%の範囲が好ましく、10〜80モル%の範囲がより好ましく、20〜70モル%の範囲がさらに好ましい。
樹脂(A)においては、第1の構造単位の含有量は、樹脂(A)の全構造単位に対して、1〜99モル%が好ましく、5〜95モル%がより好ましく、10〜90モル%がさらに好ましい。一方で、第2の構造単位の含有量は、樹脂(A)の全構造単位に対して、1〜99モル%が好ましく、5〜95モル%がより好ましく、10〜90モル%がさらに好ましい。
樹脂(A)において、第1の構造単位と第2の構造単位との含有量の比は、好ましくは1:99〜99:1(質量)が挙げられ、3:97〜97:3が好ましく、50:50〜95:5がより好ましい。
なお、このような含有量で第1の構造単位及び第2の構造単位を含む樹脂(A)は、樹脂(A)製造時に用いる全モノマーの総モル量に対する各構造単位の使用モル量を適宜調節すればよい。
樹脂(A)としては、第1の構造単位と第2の構造単位と酸安定モノマーに由来する構造単位とからなる樹脂が好ましい。樹脂(A)が該樹脂である場合、これらの構造単位の含有量は、樹脂(A)の全構造単位に対して、好ましくは、
第1の構造単位:1〜50モル%、
第2の構造単位:20〜69モル%、
酸安定モノマーに由来する構造単位:30〜79モル%であり、より好ましくは、
第1の構造単位:3〜40モル%
第2の構造単位:25〜62モル%
酸安定モノマーに由来する構造単位:35〜72モル%である。
中でも、樹脂(A)としては、第1の構造単位と、モノマー(a1−1)及び/又はモノマー(a1−2)に由来する第2の構造単位と、酸安定モノマーに由来する構造単位とからなる樹脂が好ましい。
また、樹脂(A)としては、第1の構造単位と、モノマー(a1−1)及び/又はモノマー(a1−2)に由来する第2の構造単位と、酸不安定基を有するモノマーに由来する構造単位(ただし、第2の構造単位とは異なる)と、酸安定モノマーに由来する構造単位とからなる樹脂が好ましい。樹脂(A)が該樹脂である場合、これらの構造単位の含有量は、樹脂(A)の全構造単位に対して、好ましくは、
第1の構造単位:1〜50モル%、
モノマー(a1−1)及び/又はモノマー(a1−2)に由来する第2の構造単位:15〜64モル%、
酸不安定基を有するモノマーに由来する構造単位(ただし、第2の構造単位とは異なる):5〜54モル%
酸安定モノマーに由来する構造単位:30〜79モル%であり、より好ましくは、
第1の構造単位:3〜40モル%、
モノマー(a1−1)及び/又はモノマー(a1−2)に由来する第2の構造単位:20〜57モル%、
酸不安定基を有するモノマーに由来する構造単位(ただし、第2の構造単位とは異なる):5〜42モル%
酸安定モノマーに由来する構造単位:35〜72モル%である。
好ましい樹脂(A)は、化合物(a)と、化合物(a0)[特に好ましくは、モノマー(a1−1)及び/又はモノマー(a1−2)]と、酸安定モノマー(a2)及び/又は酸安定モノマー(a3)とを重合させて得られる共重合体である。ここに示すように、好ましい共重合体において、化合物(a0)として、モノマー(a1−1)及びモノマー(a1−2)の少なくとも1種を用いることが好ましく、モノマー(a1−1)を用いることがさらに好ましい。酸安定モノマー(a2)としては、酸安定モノマー(a2−1)が好ましく、酸安定モノマー(a3)としては、酸安定モノマー(a3−1)及び酸安定モノマー(a3−2)の少なくとも1種が好ましい。
樹脂(A)は、化合物(a)と、化合物(a0)と、必要に応じて、酸安定モノマー(a2)、酸安定モノマー(a3)及び酸安定モノマー(a4)からなる群より選ばれる酸安定モノマーとを用い、これらが上述のとおりの樹脂(A)の全構造単位に対する好適な含有量になるようにして使用量を調節した後、公知の重合法(例えばラジカル重合法)により製造することができる。
樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは2,500以上であり、より好ましくは3,000以上である。該重量平均分子量の上限は50,000以下が好ましく、30,000以下がさらに好ましい。なお、ここでいう重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析により、標準ポリスチレン基準の換算値として求められるものであり、該分析の詳細な分析条件は、本願の実施例で詳述する。
<酸発生剤(B)>
酸発生剤(B)は、以下の式(B1)で表される塩(以下、「酸発生剤(B1)」という。)を含む酸発生剤であることが好ましい。この酸発生剤(B1)を含む本レジスト組成物により製造されるレジストパターンは、より優れた形状を有し、かつラインエッジラフネスにも優れる。なお、以下の説明において、この酸発生剤(B1)のうち、正電荷を有するZは「有機カチオン」といい、該有機カチオンを除去してなる負電荷を有するものを「スルホン酸アニオン」ということがある。
Figure 2012042934
式(B1)中、
1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
b1は、単結合又は2価の炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基を表し、この脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
b1の脂肪族炭化水素基は、炭素炭素二重結合などの不飽和結合を有さない飽和炭化水素基が好ましい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基及び該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、スルホニル基及びカルボニル基からなる群より選ばれる基に置き換わっていてもよい。
+は、有機カチオンを表す。
1及びQ2のペルフルオロアルキル基は例えば、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基及びペルフルオロヘキシル基などが挙げられる。
本レジスト組成物に用いる酸発生剤(B)としては、Q1及びQ2は、それぞれ独立に、トリフルオロメチル基又はフッ素原子である酸発生剤(B1)が好ましく、Q1及びQ2がともにフッ素原子である酸発生剤(B1)がより好ましい。Q1及びQ2がともにフッ素原子である酸発生剤(B1)と、樹脂(A)とを含む本レジスト組成物は、形状の優れたレジストパターンを製造できることに加えて、より優れたラインエッジラフネスでレジストパターンを製造できるという利点もある。
b1の2価の飽和炭化水素基としては、直鎖状アルカンジイル基、分岐状アルカンジイル基、単環式又は多環式の2価の飽和環状炭化水素基が挙げられ、これらの基のうち2種以上を組み合わせたものでもよい。具体的な2価の飽和炭化水素基を、以下に示す。
メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、ヘキサデカン−1,16−ジイル基、ヘプタデカン−1,17−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基及びプロパン−2,2−ジイル基などの直鎖状アルカンジイル基;
直鎖状アルカンジイル基に、アルキル基(特に、炭素数1〜4のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等)の側鎖を有した分岐状アルカンジイル基、例えば、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基などの分岐状アルカンジイル基;
シクロブタン−1,3−ジイル基、1,3−シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基及びシクロオクタン−1,5−ジイル基などのシクロアルカンジイル基である単環式の2価の飽和環状炭化水素基;
ノルボルナン−1,4−ジイル基、ノルボルナン−2,5−ジイル基、1,5−アダマンタン−1,5−ジイル基及びアダマンタン−2,6−ジイル基などの多環式の2価の飽和環状炭化水素基等が挙げられる。
b1における前記脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基が、酸素原子又はカルボニル基で置き換わったものとしては、例えば、以下の式(b1−1)、式(b1−2)、式(b1−3)、式(b1−4)、式(b1−5)及び式(b1−6)〔以下、「式(b1−1)〜式(b1−6)」のように表記する。〕のいずれかで示される基が挙げられる。Lb1は、好ましくは式(b1−1)〜式(b1−4)のいずれかで示される基であり、さらに好ましくは式(b1−1)で示される基又は式(b1−2)で示される基である。なお、式(b1−1)〜式(b1−6)は、その左右を式(B1)に合わせて記載しており、左側の結合手は、C(Q1)(Q2)と結合し、右側の結合手はYと結合している。以下の式(b1−1)〜式(b1−6)の具体例も同様である。
Figure 2012042934
式(b1−1)〜式(b1−6)中、
b2は、単結合又は炭素数1〜15の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
b3は、単結合又は炭素数1〜12の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
b4は、炭素数1〜13の2価の脂肪族炭化水素基を表す。但しLb3及びLb4の合計炭素数の上限は13である。
b5は、炭素数1〜15の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
b6及びLb7は、それぞれ独立に、炭素数1〜15の2価の脂肪族炭化水素基を表す。但しLb6及びLb7の合計炭素数の上限は16である。
b8は、炭素数1〜14の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
b9及びLb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜11の2価の脂肪族炭化水素基を表す。但しLb9及びLb10の合計炭素数の上限は12である。
本レジスト組成物に用いる酸発生剤としては、これらの中でも、式(b1−1)で表される2価の基をLb1として有する酸発生剤(B1)が好ましく、Lb2が単結合又はメチレン基である式(b1−1)で表される2価の基をLb1として有する酸発生剤(B1)がより好ましい。
ここで、式(b1−1)〜式(b1−6)で表される2価の基の具体例を挙げる。なお、*は結合手を表す。
式(b1−1)で表される2価の基は例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
式(b1−2)で表される2価の基は例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
式(b1−3)で表される2価の基は例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
式(b1−4)で表される2価の基は例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
式(b1−5)で表される2価の基は例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
式(b1−6)で表される2価の基は例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
b1の2価の脂肪族炭化水素基は置換基を有していてもよい。この置換基は例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数7〜21のアラルキル基、炭素数2〜4のアシル基及びグリシジルオキシ基などが挙げられる。該芳香族炭化水素基は例えば、フェニル基、トシル基及びナフチル基などが挙げられる。該アラルキル基は例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、トリチル基、ナフチルメチル基及びナフチルエチル基などが挙げられる。該アシル基としては、アセチル基及プロピオニル基などが挙げられる。
式(B1)におけるYは置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表す。
Yの脂肪族炭化水素基としてはアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がさらに好ましい。なお、このアルキル基は直鎖状であっても、分岐状であってもよい。また、Yの脂環式炭化水素基とは、シクロアルキル基が好ましく、炭素数3〜12のシクロアルキル基がさらに好ましい。なお、ここでいうシクロアルキル基は単環式であっても、多環式であってもよい。また、環を構成する原子としてのみ炭素原子を有するシクロアルキル基に留まらず、環を構成する原子の炭素原子にアルキル基が結合してなる基もシクロアルキル基とする。
上述のように、脂肪族炭化水素基及び脂環式炭化水素基は任意に置換基を有する。ここで、「置換基を有する脂肪族炭化水素基」とは、該脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子が、置換基で置換されている基を意味する。一方、「置換基を有する脂環式炭化水素基」とは、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子が、置換基で置換されている基を意味する。ここでいう置換基は例えば、ハロゲン原子(但し、フッ素原子を除く)、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数7〜21のアラルキル基、炭素数2〜4のアシル基、グリシジルオキシ基又は−(CH2j2−O−CO−Rb1で表される基(式中、Rb1は、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。j2は、0〜4の整数を表す。)などが挙げられる。該脂環式炭化水素基、該芳香族炭化水素基及び該アラルキル基に含まれる水素原子は、例えば、アルキル基、ハロゲン原子又はヒドロキシ基で置換されてもよい。
また、Yの脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基で置換されていてもよく、Yの脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい。
Yの脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基が、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わった基としては例えば、環状エーテル基(脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基の1つ又は2つがオキシ基に置き換わった基)、環状ケトン基(脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基の1つ又は2つがカルボニル基に置き換わった基)、スルトン環基(脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基のうち隣り合う2つのメチレン基が、それぞれ、酸素原子及びスルホニル基に置き換わった基)及びラクトン環基(脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基のうち隣り合う2つのメチレン基が、それぞれ、酸素原子及びカルボニル基に置き換わった基)などが挙げられる。以上のとおり式(B1)のYは、脂肪族炭化水素基及び脂環式炭化水素基のいずれでもよいが、酸発生剤(B1)としては、Yが置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基であることが好ましい。
特に、Yの脂環式炭化水素基としては、式(Y1)〜式(Y26)のいずれかで表される基が挙げられる。ここで、式(Y12)〜式(Y26)で表される基が、脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基の1〜3個がそれぞれ、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基からなる群より選ばれる2価の基に置き換わった基に該当する。なお、これら式(Y1)〜式(Y26)で表される基において、*はLb1に結合している結合手を表す。
Figure 2012042934
Yとしては、これらの例示の中でも、式(Y1)〜式(Y19)のいずれかで表される基が好ましく、式(Y11)、式(Y14)、式(Y15)又は式(Y19)で表される基がさらに好ましく、式(Y11)又は式(Y14)で表される基がより好ましい。
環を構成する原子の炭素原子にアルキル基が結合してなる脂環式炭化水素基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
ヒドロキシ基を有する脂環式炭化水素基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
芳香族炭化水素基を有する脂環式炭化水素基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
−(CH2j2−O−CO−Rb1で表される基を有する脂環式炭化水素基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
Yとしては、ヒドロキシ基等を置換基として有していてもよいアダマンチル基であると好ましく、好適なYとしてはアダマンチル基又はヒドロキシアダマンチル基を挙げることができる。
スルホン酸アニオンの好適例を具体的に示すと、式(b1−1−1)〜式(b1−1−9)で表されるスルホン酸アニオンを挙げることができる。この式(b1−1−1)〜式(b1−1−1−9)のいずれかで表されるスルホン酸アニオンにおいて、Lb1は式(b1−1)で表される基が好ましい。また、Rb2及びRb3は、それぞれ独立に、Yの脂肪族炭化水素基又脂環式炭化水素基が有していてもよい置換基として挙げたものと同じであり、炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基及びヒドロキシ基が好ましく、メチル基及びヒドロキシ基がより好ましい。
Figure 2012042934
Yが無置換の脂肪族炭化水素基又は無置換の飽和環状炭化水素基であり、Lb1が式(b1−1)で表される基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。

Figure 2012042934
Yが無置換の脂環式炭化水素基又は置換基として脂肪族炭化水素基を有する脂環式炭化水素基であり、Lb1が式(b1−1)で表される基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。

Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Yが−(CH2j2−O−CO−Rb1で表される基を有する脂環式炭化水素基であり、Lb1が式(b1−1)で表される基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
Yが、ヒドロキシ基を有する脂環式炭化水素基であり、Lb1が式(b1−1)で表される基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Yが、芳香族炭化水素基又はアラルキル基を有する脂環式炭化水素基であり、Lb1が式(b1−1)で表される基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
Yが、前記環状エーテル基であり、Lb1が式(b1−1)で表される基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
Yが、前記ラクトン環基であり、Lb1が式(b1−1)で表される基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Yが、前記環状ケトン基であり、Lb1が式(b1−1)で表される基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
Yが、前記スルトン環基であり、Lb1が式(b1−1)で表される基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。

Figure 2012042934
Yが、脂肪族炭化水素基又は無置換の脂環式炭化水素基であり、Lb1が式(b1−2)で表される基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Yが、−(CH2j2−O−CO−Rb1で表される基を有する脂環式炭化水素基であり、Lb1が式(b1−2)で表される基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
Yが、ヒドロキシ基を有する脂環式炭化水素基であり、Lb1が式(b1−2)で表される基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Yが、芳香族炭化水素基を有する脂環式炭化水素基であり、Lb1が式(b1−2)で表される基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
Yが、前記環状エーテル基であり、Lb1が式(b1−2)で表される基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
Yが、前記ラクトン環基であり、Lb1が式(b1−2)で表される基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
Yが、前記環状ケトン基であり、Lb1が式(b1−2)で表される基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
Yが、前記スルトン環基であり、Lb1が式(b1−2)で表される基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
Yが、脂肪族炭化水素基であり、Lb1が式(b1−3)で表される2価の基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Yが、アルコキシ基を有する脂環式炭化水素基であり、Lb1が式(b1−3)で表される基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
Yが、ヒドロキシ基を有する脂環式炭化水素基であり、Lb1が式(b1−3)で表される2価の基であるスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
Yが、前記環状ケトン基であり、Lb1が式(b1−3)で表される基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
Yが脂環式炭化水素基であり、Lb1が式(b1−4)で表される基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
Yが、アルコキシ基を有する脂環式炭化水素基であり、Lb1が式(b1−4)で表される基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
Yが、ヒドロキシ基を有する脂環式炭化水素基であり、Lb1が式(b1−4)で表される基であるスルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
Yが前記環状ケトン基であり、Lb1が式(b1−4)で表される2価の基であるスルホン酸アニオンとしては例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
以上例示したスルホン酸アニオンの中でも、Lb1が式(b1−1)で表される基であるものが好ましい。より好ましいスルホン酸アニオンを以下に示す。
Figure 2012042934
酸発生剤に含まれるカチオンは例えば、オニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカチオン及びホスホニウムカチオン等が挙げられる。これらの中でも、スルホニウムカチオン及びヨードニウムカチオンが好ましく、アリールスルホニウムカチオンがより好ましい。
酸発生剤(B1)中の有機カチオン(Z+)としてもスルホニウムカチオン及びヨードニウムカチオンが好ましく、さらに好ましくは、以下の式(b2−1)、式(b2−2)、式(b2−3)及び式(b2−4)のいずれかで表される有機カチオン〔以下、各式の番号に応じて、「カチオン(b2−1)」、「カチオン(b2−2)」、「カチオン(b2−3)」及び「カチオン(b2−4)」ということがある。〕である。
Figure 2012042934
式(b2−1)〜式(b2−4)において、
b4、Rb5及びRb6は、それぞれ独立に、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。該脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の飽和環状炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよい。
b7及びRb8は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
m2及びn2は、それぞれ独立に0〜5の整数を表す。
b9及びRb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表す。
b11は、水素原子、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。
b9、Rb10及びRb11(以下、「Rb9〜Rb11」のように表記する。)は、それぞれ独立に、脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基であり、これらが脂肪族炭化水素基である場合、その炭素数は1〜12であることが好ましく、脂環式炭化水素基である場合、その炭素数は3〜18であることが好ましく、4〜12であることがさらに好ましい。
b12は、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜18の飽和環状炭化水素基又は炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基で置換されていてもよい。
b9とRb10との組み合わせ、及び/又は、Rb11とRb12との組み合わせは、それぞれ独立に、互いに結合して3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)の脂環式炭化水素環を形成していてもよく、該脂環式炭化水素環に含まれるメチレン基が、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
b13、Rb14、Rb15、Rb16、Rb17及びRb18(以下、「Rb13〜Rb18」と表記することがある。)は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
b11は、−S−又は−O−を表す。
o2、p2、s2及びt2は、それぞれ独立に、0〜5の整数を表す。
q2及びr2は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上であるとき、複数のRb13は同じでも異なっていてもよく、p2が2以上であるとき、複数のRb14は同じでも異なっていてもよく、s2が2以上であるとき、複数のRb15は同じでも異なっていてもよく、t2が2以上であるとき、複数のRb18は同じでも異なっていてもよい。
b12のアルキルカルボニルオキシ基としては例えば、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、ペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基及び2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
b9〜Rb12の脂肪族炭化水素基のうち好ましい基は例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2−エチルヘキシル基等である。
b9〜Rb11の脂環式炭化水素基のうち好ましい基は例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基及びイソボルニル基等である。
b12の芳香族炭化水素基のうち好ましい基は例えば、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−シクロへキシルフェニル基、4−メトキシフェニル基、ビフェニリル基及びナフチル基等である。
b12の脂肪族炭化水素基を有する芳香族炭化水素基としては、アラルキル基が挙げられ、具体的にはベンジル基等が挙げられる。
b9とRb10との組み合わせが結合して形成する環としては例えば、チオラン−1−イウム環(テトラヒドロチオフェニウム環)、チアン−1−イウム環及び1,4−オキサチアン−4−イウム環等が挙げられる。
b11とRb12との組み合わせが結合して形成する環としては例えば、オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環及びオキソアダマンタン環等が挙げられる。
例示した有機カチオンの中でも、カチオン(b2−1)が好ましく、以下の式(b2−1−1)で表される有機カチオン〔以下、「カチオン(b2−1−1)」という。〕がより好ましく、トリフェニルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2=w2=x2=0である。)又はトリトリルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2=w2=x2=1であり、R19、R20及びR21がいずれもメチル基である。)がさらに好ましい。
Figure 2012042934
式(b2−1−1)中、
b19、Rb20及びRb21は、それぞれ独立に、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
該脂肪族炭化水素基としては、炭素数は1〜12の脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数1〜12のアルキル基がより好ましい。該脂肪族炭化水素基は、置換基として、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を有していてもよい。該脂環式炭化水素基の炭素数は4〜18であることが好ましい。前記脂環式炭化水素基は、置換基として、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基を有していてもよい。
v2、w2及びx2は、それぞれ独立に0〜5の整数(好ましくは0又は1)を表す。
v2が2以上のとき、複数のRb19は同じでも異なっていてもよく、w2が2以上のとき、複数のRb20は同じでも異なっていてもよく、x2が2以上のとき、複数のRb21は同じでも異なっていてもよい。
なかでも、Rb19、Rb20及びRb21は、それぞれ独立に、好ましくは、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数1〜12のアルコキシ基であることが好ましい。
カチオン(b2−1−1)の具体例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
Figure 2012042934
このような有機カチオンを有する酸発生剤(B1)を含む本レジスト組成物は、より良好なフォーカスマージンでレジストパターンを製造することができるという利点もある。
カチオン(b2−2)の具体例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
カチオン(b2−3)の具体例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
Figure 2012042934
カチオン(b2−4)の具体例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
酸発生剤(B1)は上述のスルホン酸アニオン及び上述の有機カチオンの組合せであり、これらは任意に組み合わせることができるが、式(b1−1−1)〜式(b1−1−9)のいずれかで表されるスルホン酸アニオンとカチオン(b2−1−1)との組合せである酸発生剤(B1)、並びに式(b1−1−3)〜式(b1−1−5)のいずれかで表されるスルホン酸アニオンとカチオン(b2−3)との組合せである酸発生剤(B1)が好ましい。
さらに好ましい酸発生剤(B1)は、以下の式(B1−1)、式(B1−2)、式(B1−3)、式(B1−4)、式(B1−5)、式(B1−6)、式(B1−7)、式(B1−8)、式(B1−9)、式(B1−10)、式(B1−11)、式(B1−12)、式(B1−13)、式(B1−14)、式(B1−15)、式(B1−16)及び式(B1−17)のいずれかで表される塩である。中でもトリフェニルスルホニウムカチオン又はトリトリルスルホニウムカチオンを含む酸発生剤(B1)である、式(B1−1)、式(B1−2)、式(B1−6)、式(B1−11)、式(B1−12)、式(B1−13)及び式(B1−14)並びに式(B1−3)のいずれかで表される塩がより好ましい。
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
Figure 2012042934
<塩基性化合物(以下、「塩基性化合物(C)」という。)>
本レジスト組成物は、塩基性化合物(C)を含むことが好ましい。ここでいう「塩基性化合物」とは、酸を捕捉するという特性を有する化合物、特に、酸発生剤から発生する酸を捕捉するという特性を有する化合物を意味する。
塩基性化合物(C)は、好ましくは塩基性の含窒素有機化合物であり、例えば、アミン及びアンモニウムヒドロキシドを挙げることができる。アミンは、脂肪族アミンでも、芳香族アミンでもよい。脂肪族アミンは、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンのいずれも使用できる。芳香族アミンは、アニリンのような芳香環にアミノ基が結合したものや、ピリジンのような複素芳香族アミンのいずれでもよい。好ましい塩基性化合物(C)として、以下の式(C2)で表される芳香族アミン、特に、以下の式(C2−1)で表されるアニリン類が挙げられる。
Figure 2012042934
ここで、Arc1は、芳香族炭化水素基を表す。
c5及びRc6は、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族炭化水素基(好ましくは、炭素数1〜6程度の脂肪族炭化水素基であり、さらに好ましくは、炭素数1〜6程度のアルキル基である。)、脂環式炭化水素基(好ましくは、炭素数5〜10程度の脂環式炭化水素基である。)又は芳香族炭化水素基(好ましくは、炭素数6〜10程度の芳香族炭化水素基である。)を表す。但し、該脂肪族炭化水素基、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、アミノ基、又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよく、該アミノ基はさらに、炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよい。
c7は、脂肪族炭化水素基(好ましくは、炭素数1〜6程度の脂肪族炭化水素基であり、さらに好ましくは、炭素数1〜6程度のアルキル基である。)、炭素数1〜6程度のアルコキシ基、脂環式炭化水素基(好ましくは、炭素数5〜10程度の脂環式炭化水素基であり、さらに好ましくは、炭素数5〜10程度のシクロアルキル基である。)又は芳香族炭化水素基(好ましくは、炭素数6〜10程度の芳香族炭化水素基である。)を表す。但し、該脂肪族炭化水素基、該アルコキシ基、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、アミノ基、又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよく、該アミノ基はさらに、炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよい。
m3は0〜3の整数を表す。m3が2以上のとき、複数のRc7は同じでも異なっていてもよい。
式(C2)で表される芳香族アミンは例えば、1−ナフチルアミン及び2−ナフチルアミン等が挙げられる。
式(C2−1)で表されるアニリン類は例えば、アニリン、ジイソプロピルアニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン及びジフェニルアミンなどが挙げられる。
また、以下の式(C3)、式(C4)、式(C5)、式(C6)、式(C7)、式(C8)、式(C9)、式(C10)及び式(C11)のいずれかで表される化合物(以下、ここでいう化合物を、式番号に応じて、「化合物(C3)」〜「化合物(C11)」のように表記する。)も用いることができる。
Figure 2012042934
ここで、
c8は、上記Rc7で説明したいずれかの基を表す。
c20、Rc21、Rc23、Rc24、Rc25、Rc26、Rc27及びRc28の具体例は、上記Rc7で説明したいずれかの基を表す。
c9、Rc10、Rc11、Rc12、Rc13、Rc14、Rc16、Rc19及びRc22の具体例は、上記のRc5及びRc6で説明したいずれかの基を表す。
o3、p3、q3、r3、s3、t3及びu3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。o3が2以上であるとき、複数のRc20は同じでも異なっていてもよく、p3が2以上であるとき、複数のRc21は同じでも異なっていてもよく、q3が2以上であるとき、複数のRc24は同じでも異なっていてもよく、r3が2以上であるとき、複数のRc25は同じでも異なっていてもよく、s3が2以上であるとき、複数のRc26は同じでも異なっていてもよく、t3が2以上であるとき、複数のRc27は同じでも異なっていてもよく、u3が2以上であるとき、複数のRc28は同じでも異なっていてもよい。
c15は、脂肪族炭化水素基(好ましくは、炭素数1〜6程度の脂肪族炭化水素基である。)、脂環式炭化水素基(好ましくは、炭素数3〜6程度の脂環式炭化水素基である。
)又はアルカノイル基(好ましくは、炭素数2〜6程度のアルカノイル基である。)を表す。
n3は0〜8の整数を表す。n3が2以上のとき、複数のRc15は、それぞれ独立である。
c1及びLc2は、それぞれ独立に、2価の脂肪族炭化水素基(好ましくは、炭素数1〜6程度の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは、炭素数1〜6程度のアルキレン基である。)、カルボニル基、−C(=NH)−、−C(=NRc3)−(但し、Rc3は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。)、硫黄原子、ジスルフィド結合(−S−S−)又はこれらの組合せを表す。
c15の脂肪族炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜6程度であり、脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜6程度である。
アルカノイル基としては、アセチル基、2−メチルアセチル基、2,2−ジメチルアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ペンタノイル基、2,2−ジメチルプロピオニル基等が挙げられ、好ましくは炭素数2〜6程度である。
化合物(C4)としては例えば、ピペラジンなどが挙げられる。
化合物(C5)としては例えば、モルホリンなどが挙げられる。
化合物(C6)としては例えば、ピペリジン及び特開平11−52575号公報に記載されているピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物などが挙げられる。
化合物(C7)としては例えば、2,2’−メチレンビスアニリンなどが挙げられる。
化合物(C8)としては例えば、イミダゾール及び4−メチルイミダゾールなどが挙げられる。
化合物(C9)としては例えば、ピリジン、4−メチルピリジンなどが挙げられる。
化合物(C10)としては例えば、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン及び2,2’−ジピコリルアミンなどが挙げられる。
化合物(C11)としては例えば、ビピリジンなどが挙げられる。
塩基性化合物(C3)としては例えば、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミンエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン及び4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタンなどが挙げられる。
すでに述べたように、塩基性化合物(C)としてアンモニウムヒドロキシドも使用することができる。ここでいうアンモニウムヒドロキシドとしては例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド及びコリンなどが挙げられる。
以上、塩基性化合物(C)の具体例を示したが、本レジスト組成物に用いる塩基性化合物(C)としては、これらの中でもジイソプロピルアニリンが好ましく、2,6−ジイソプロピルアニリンが特に好ましい。
<溶剤(D)>
本レジスト組成物に含まれる溶剤(D)は、用いる樹脂(A)の種類及びその量と、酸発生剤(B)の種類及びその量とに応じ、さらに後述するレジストパターンの製造において、基板上に本レジスト組成物を塗布する際の塗布性が良好となるという点から適宜、最適なものを選ぶことができる。
好適な溶剤(D)の例としては、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノン等のケトン類;γ−ブチロラクトン等の環状エステル類を挙げることができる。溶剤(D)は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<その他の成分>
本レジスト組成物は、必要に応じて、樹脂(A)、酸発生剤(B)、溶剤(D)及び必要に応じて用いられる塩基性化合物(C)以外の構成成分を含んでいてもよい。この構成成分を「成分(F)」という。かかる成分(F)に特に限定はなく、レジスト分野で公知の添加剤、例えば、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤及び染料などが挙げられる。
<本レジスト組成物の調製方法>
本レジスト組成物は、樹脂(A)、酸発生剤(B)及び溶剤(D)を混合することで、又は、樹脂(A)、酸発生剤(B)、塩基性化合物(C)及び溶剤(D)を混合することで調製することができる。さらに、上述のとおり成分(F)を混合することもある。かかる混合において、その混合順は任意であり、特に限定されるものではない。混合する際の温度は、10〜40℃の範囲から、用いる樹脂(A)などの種類や樹脂(A)などの溶剤(D)に対する溶解度に応じて適切な温度範囲を選ぶことができる。混合時間は、混合温度に応じて選べばよく、0.5〜24時間が好ましい。なお、混合手段は特に限定されず、攪拌混合などを用いることができる。
本レジスト組成物を調製する際に用いる各成分の使用量により、本レジスト組成物中の各成分の含有量を調節することができる。
溶剤(D)の含有質量割合は、上述のとおり、樹脂(A)の種類などに応じて適宜調節できるが、本レジスト組成物総質量に対して90質量%以上が好ましく、より好ましくは92質量%以上であり、さらに好ましくは94質量%以上であり、99.9質量%以下が好ましく、より好ましくは99質量%以下である。なお、本レジスト組成物から溶剤(D)を除いたものを、本レジスト組成物の「固形分」という。
ここで、溶剤(D)の含有質量割合が90質量%である本レジスト組成物では、組成物中の固形分は10質量%に相当する。溶剤(D)の含有量が上記範囲内であると、例えば後述するレジストパターンの製造方法において、厚み30〜300nm程度の組成物層を形成しやすい。この観点からは、本レジスト組成物総質量に対する溶剤(D)の含有質量割合は、より好ましくは92質量%以上であり、さらに好ましくは94質量%以上である。該溶剤(D)の含有質量割合の上限は例えば、99.9質量%以下であり、好ましくは99質量%以下である。
この溶剤(D)の含有質量割合は、本レジスト組成物を調製する際の溶剤(D)の使用量により制御可能であり、本レジスト組成物を調製した後には、該本レジスト組成物を、例えば液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段に供して求めることもできる。
本レジスト組成物に対する樹脂(A)の含有質量割合は、本レジスト組成物の固形分の総質量に対して、80質量%以上99質量%以下であると好ましい。
本レジスト組成物に対する酸発生剤(B1)の含有質量割合は、本レジスト組成物に含まれる樹脂(A)の総質量100質量部に対して、好ましくは1質量部以上であり、より好ましくは3質量部以上であり、好ましくは30質量部以下であり、より好ましくは25質量部以下である。
本レジスト組成物に塩基性化合物(C)を用いる場合、塩基性化合物(C)の含有質量割合は、本レジスト組成物の固形分の総質量に対して、0.01〜1質量%程度が好ましい。
これら樹脂(A)、酸発生剤(B)及び溶剤(D)、並びに必要に応じて用いられる塩基性化合物(C)等の各々の好適な含有質量割合も、本レジスト組成物を調製する際の各々の使用量により制御可能である。本レジスト組成物を調製した後には、該本レジスト組成物を、例えばガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィーなどの公知の分析手段に供して求めることもできる。
なお、成分(F)を本レジスト組成物に用いる場合には、当該成分(F)の種類に応じて、適切な含有質量割合を調節することができる。
上記のように、本レジスト組成物に含まれる各成分を混合した後は、孔径0.01〜0.2μm程度のフィルターを用いてろ過することが好ましい。
<レジストパターンの製造方法>
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)本レジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、
(5)加熱後の組成物層を、現像装置を用いて現像する工程
を含むものである。以下、ここに示す工程の各々を、「工程(1)」〜「工程(5)」のようにいう。
工程(1)における本レジスト組成物の基板上への塗布は、スピンコーター等、半導体の微細加工のレジスト材料塗布用として広く用いられている塗布装置によって行うことができる。かくして基板上にレジスト組成物からなる塗布膜が形成される。当該塗布装置の条件(塗布条件)を種々調節することで、該塗布膜の膜厚は調整可能であり、適切な予備実験等を行うことにより、所望の膜厚の塗布膜になるように塗布条件を選ぶことができる。本レジスト組成物を塗布する前の基板は、微細加工を実施しようとする種々のものを選ぶことができる。なお、本レジスト組成物を塗布する前に、基板を洗浄したり、反射防止膜を形成もよい。この反射防止膜の形成には例えば、市販の有機反射防止膜用組成物を用いることができる。
工程(2)における乾燥は、基板上に塗布された本レジスト組成物、すなわち塗布膜から溶剤〔溶剤(D)〕を除去する。このような溶剤除去は、例えば、ホットプレート等の加熱装置を用いた加熱手段(いわゆるプリベーク)、又は減圧装置を用いた減圧手段により、或いはこれらの手段を組み合わせて、該塗布膜から溶剤を蒸発させて除去することにより行われる。乾燥条件は、本レジスト組成物に含まれる溶剤(D)の種類等に応じて選択でき、例えばホットプレートの場合、該ホットプレートの表面温度を50〜200℃程度の範囲にすることが好ましい。また、減圧手段では、適当な減圧機の中に、塗布膜が形成された基板を封入した後、該減圧機の内部圧力を1〜1.0×10Pa程度にすればよい。かくして塗布膜から溶剤を除去することにより、該基板上には組成物層が形成される。
工程(3)では該組成物層を露光する工程であり、好ましくは、露光機を用いて該組成物層を露光するものである。この際には、微細加工を実施しようとする所望のパターンが形成されたマスク(フォトマスク)を介して露光が行われる。露光機の露光光源としては、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、F2エキシマレーザ(波長157nm)のような紫外域のレーザ光を放射するもの、固体レーザ光源(YAG又は半導体レーザ等)からのレーザ光を波長変換して遠紫外域または真空紫外域の高調波レーザ光を放射するものなど、種々のものを用いることができる。また、該露光機は液浸露光機であってもよい。また、露光機は、電子線、超紫外光(EUV)を照射するものであってもよい。
上述のとおり、マスクを介して露光することにより、該組成物層には露光された部分(露光部)及び露光されていない部分(未露光部)が生じる。露光部の組成物層では該組成物層に含まれる酸発生剤(B1)が露光エネルギーを受けて酸を発生し、さらに発生した酸との作用により、「アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に可溶となる樹脂」が有する樹脂(A)にある酸不安定基が脱保護反応により親水性基を生じ、結果として露光部の組成物層にある上記樹脂(A)はアルカリ水溶液に可溶なものとなる。一方、未露光部では露光エネルギーを受けていないため、上記樹脂(A)はアルカリ水溶液に対して不溶又は難溶のままとなる。かくして、露光部にある組成物層と未露光部にある組成物層とは、アルカリ水溶液に対する溶解性が著しく相違するため、アルカリ水溶液による現像によりレジストパターンを形成することができる。
工程(4)においては、露光部で生じうる脱保護基反応を、さらにその進行を促進するための加熱処理(いわゆるポストエキスポジャーベーク)が行われる。かかる加熱処理は前記工程(2)で示したホットプレートを用いる加熱手段等が好ましい。なお、工程(4)におけるホットプレート加熱を行う場合、該ホットプレートの表面温度は50〜200℃程度が好ましく、70〜150℃程度がより好ましい。加熱処理により、上記脱保護反応が促進される。
工程(5)は、加熱後の組成物層を現像する工程であり、好ましくは、加熱後の組成物層を現像装置により現像するものである。ここでいう現像とは、加熱後の組成物層をアルカリ水溶液と接触させることにより、露光部の組成物層を該アルカリ水溶液に溶解させて除去することである。未露光部の組成物層は、上述のとおりアルカリ水溶液に対して不溶又は難溶であるため、基板に残り、当該基板上にレジストパターンが製造される。
前記アルカリ水溶液としては、「アルカリ現像液」と称される本技術分野で公知のものを用いることができる。該アルカリ水溶液としては例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液や(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液などが挙げられる。
現像後は、好ましくは超純水等でリンス処理を行い、さらに基板及びレジストパターン上に残存している水分を除去することが好ましい。
<用途>
本レジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)照射用のレジスト組成物又はEUV露光用のレジスト組成物、さらに液浸露光用のレジスト組成物として好適である。
工に利用できる。
実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。例中、含有質量割合ないし使用量を表す「%」及び「部」は、特記しないかぎり質量基準である。樹脂(A)の組成比(樹脂(A)製造に用いた各モノマーに由来する構造単位の、樹脂(A)に対する共重合比)は、重合終了後の反応液における未反応モノマー量を液体クロマトグラフィーを用いて測定し、得られた結果から重合に用いられたモノマー量を求めることにより算出した。また重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めた値である。
なお、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーの分析条件は下記のとおりである。
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3+guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
合成例
樹脂の合成において使用した化合物(モノマー)を下記に示す。
Figure 2012042934
以下、これらのモノマーを「モノマー(A)」〜「モノマー(G)」、「モノマー(a−1)」、「モノマー(a−2)」という。
合成例1〔樹脂A1の合成〕
モノマー(E)、モノマー(a−1)、モノマー(F)、モノマー(B)、モノマー(C)及びモノマー(D)を、そのモル比〔モノマー(E):モノマー(a−1):モノマー(F):モノマー(B):モノマー(C):モノマー(D)〕が、25:5:14:6:20:30の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1.00mol%と3.00mol%となるように添加し、これを75℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒(質量比メタノール:水=4:1)に注いで、樹脂を沈殿させた。この樹脂をろ過・回収し、再度、ジオキサンに溶解させ、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、沈殿した樹脂をろ過・回収するという操作を2回行うことにより再沈殿精製し、重量平均分子量が約7.0×10である共重合体を収率58%で得た。この共重合体は、モノマー(E)、モノマー(a−1)、モノマー(F)、モノマー(B)、モノマー(C)及びモノマー(D)に各々由来する、以下の構造単位を有するものであり、これを樹脂A1とする。
Figure 2012042934
合成例2〔樹脂A2の合成〕
モノマー(E)、モノマー(a−2)、モノマー(F)、モノマー(B)、モノマー(C)及びモノマー(D)を、そのモル比〔モノマー(E):モノマー(a−2):モノマー(F):モノマー(B):モノマー(C):モノマー(D)〕が、25:5:14:6:20:30の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1.00mol%と3.00mol%となるように添加し、これを75℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒(質量比メタノール:水=4:1)に注いで、樹脂を沈殿させた。この樹脂をろ過・回収し、再度、ジオキサンに溶解させ、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、沈殿した樹脂をろ過・回収するという操作を2回行うことにより再沈殿精製し、重量平均分子量が約7.2×10である共重合体を収率62%で得た。この共重合体は、モノマー(E)、モノマー(a−2)、モノマー(F)、モノマー(B)、モノマー(C)及びモノマー(D)に各々由来する、以下の構造単位を有するものであり、これを樹脂A2とする。
Figure 2012042934
合成例3〔樹脂A3の合成〕
モノマー(A)、モノマー(a−2)、モノマー(F)、モノマー(B)、モノマー(C)及びモノマー(D)を、そのモル比〔モノマー(A):モノマー(a−2):モノマー(F):モノマー(B):モノマー(C):モノマー(D)〕が、25:5:14:6:20:30の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1.00mol%と3.00mol%となるように添加し、これを75℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒(質量比メタノール:水=4:1)に注いで、樹脂を沈殿させた。この樹脂をろ過・回収し、再度、ジオキサンに溶解させ、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、沈殿した樹脂をろ過・回収するという操作を2回行うことにより再沈殿精製し、重量平均分子量が約7.0×10である共重合体を収率65%で得た。この共重合体は、モノマー(A)、モノマー(a−2)、モノマー(F)、モノマー(B)、モノマー(C)及びモノマー(D)に各々由来する、以下の構造単位を有するものであり、これを樹脂A2とする。
Figure 2012042934
合成例4〔樹脂A4の合成〕
モノマー(a−1)、モノマー(B)及びモノマー(C)を、そのモル比〔モノマー(a−1):モノマー(B):モノマー(C)〕が、36:21:43の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1.00mol%と3.00mol%となるように添加し、これを80℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒(質量比メタノール:水=4:1)に注いで、樹脂を沈殿させた。この樹脂をろ過・回収し、再度、ジオキサンに溶解させ、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、沈殿した樹脂をろ過・回収するという操作を2回行うことにより再沈殿精製し、重量平均分子量が約6.8×10である共重合体を収率63%で得た。この共重合体は、モノマー(a−1)、モノマー(B)及びモノマー(C)に各々由来する、以下の構造単位を有するものであり、これを樹脂A4とする。
Figure 2012042934
合成例5〔樹脂A5の合成〕
モノマー(A)、モノマー(a−2)、モノマー(G)、モノマー(B)、モノマー(C)及びモノマー(D)を、そのモル比〔モノマー(A):モノマー(a−2):モノマー(G):モノマー(B):モノマー(C):モノマー(D)〕が、25:5:14:6:20:30の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1.00mol%と3.00mol%となるように添加し、これを75℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒(質量比メタノール:水=4:1)に注いで、樹脂を沈殿させた。この樹脂をろ過・回収し、再度、ジオキサンに溶解させ、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、沈殿した樹脂をろ過・回収するという操作を2回行うことにより再沈殿精製し、重量平均分子量が約7.7×10である共重合体を収率69%で得た。この共重合体は、モノマー(A)、モノマー(a−2)、モノマー(G)、モノマー(B)、モノマー(C)及びモノマー(D)に各々由来する、以下の構造単位を有するものであり、これを樹脂A5とする。
Figure 2012042934
実施例1〜9及び比較例1
<レジスト組成物の調製>
合成例1〜合成例5で得られた樹脂A1〜樹脂A5;
以下に示す酸発生剤B1〜酸発生剤B3;
以下に示す塩基性化合物C1;
の各々を表1に示す質量部で、以下に示す溶剤に溶解し、さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターでろ過して、レジスト組成物を調製した。
Figure 2012042934
<樹脂>
A1〜A5:樹脂A1〜樹脂A5
<酸発生剤>
B1:式(B−1)で表される塩
Figure 2012042934
B2:式(B−2)で表される塩
Figure 2012042934
B3:式(B−3)で表される塩
Figure 2012042934
<塩基性化合物:クエンチャー>
C1:2,6−ジイソプロピルアニリン
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 265.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20.0部
2−ヘプタノン 20.0部
γ−ブチロラクトン 3.5部
<レジストパターンの製造及びその評価>
12インチのシリコン製ウェハー上に、有機反射防止膜用組成物[ARC−29;日産化学(株)製]を塗布して、205℃、60秒の条件でベークすることによって、厚さ780Åの有機反射防止膜を形成させた。次いで、前記の有機反射防止膜の上に、上記のレジスト組成物を乾燥(プリベーク)後の膜厚が85nmとなるようにスピンコートした。
レジスト組成物塗布後、得られたシリコンウェハをダイレクトホットプレートで、表1の「PB」欄に記載された温度で60秒間プリベーク(PB)した。こうしてレジスト組成物膜を形成したウェハーに、液浸露光用ArFエキシマスレーザテッパー[XT:1900Gi;ASML社製、NA=1.35、3/4Annular X−Y偏光]を用いて、露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを液浸露光した。尚、液浸媒体としては超純水を使用した。
露光後、ホットプレート上にて、表1の「PEB」欄に記載された温度で60秒間ポストエキスポジャーベーク(PEB)を行い、さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行い、レジストパターンを得た。
各レジスト組成物からのパターン形成において、50nmのラインアンドスペースパターンの線幅が1:1となる露光量を実効感度とした。
<形状評価>
得られたレジストパターンの形状を走査型電子顕微鏡により観察し、以下の2水準で評価した。結果を表2に示す。
トップ形状及び裾形状が矩形に近く形状の良好なレジストパターン(ラインアンドスペースパターン)が得られた場合を、「g」(good)、
ラインアンドスペースパターンの一部に、丸いトップ形状のパターン部、T字型に近いトップ形状のパターン部、又は裾引きが見られるパターン部のあるレジストパターン(ラインアンドスペースパターン)が得られた場合を、「b」(bad)
Figure 2012042934
本レジスト組成物から得られたレジストパターンは、上記の形状評価において「g」の結果であることから、形状の優れたレジストパターンを製造できることが確認できた。
本発明のレジスト組成物によれば、形状の優れたレジストパターンを製造することができる。

Claims (7)

  1. (A)式(a)で表される化合物に由来する第1の構造単位と、式(a0)で表される化合物に由来する第2の構造単位とを有する樹脂及び
    (B)酸発生剤を含むレジスト組成物。
    Figure 2012042934
    [式(a)中、
    は、水素原子又はメチル基を表す。
    環Wは、炭素数4〜36の脂環式炭化水素環を表し、該脂環式炭化水素環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はスルホニル基に置き換わっていてもよい。
    は、単結合又は−A10−CO−O−を表す。
    10は、炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
    20は、メチレン基又はエチレン基を表す。
    は、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数2〜12のアシル基を表す。]
    Figure 2012042934
    [式(a0)中、
    axは、水素原子又はメチル基を表す。
    環Wは、炭素数4〜36の脂環式炭化水素環を表し、該脂環式炭化水素環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はスルホニル基に置き換わっていてもよい。
    a0は、酸素原子又は−O−(CH2k1−CO−O−を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
    k1は1〜7の整数を表す。
    m0は1又は2を表す。
    a0は、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜10の脂環式炭化水素基を表す。m0が2であるとき、2つのRa0は同じでも異なっていてもよい。]
  2. さらに溶剤を含む請求項1記載のレジスト組成物。
  3. 前記式(a)における
    Figure 2012042934
    [式中、環Wは、上記と同じ意味を表す。*は結合手を表す。]
    で表される基が、式(a−1A)で表される基又は式(a−2A)で表される基である請求項1又は2記載のレジスト組成物。
    Figure 2012042934
    [式(a−1A)中、
    アダマンタン環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はスルホニル基に置き換わっていてもよい。アダマンタン環に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基に置き換わっていてもよい。*は結合手を表す。]
    Figure 2012042934
    [式(a−2A)中、
    シクロヘキサン環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はスルホニル基に置き換わっていてもよい。シクロヘキサン環に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基に置き換わっていてもよい。]
  4. 前記第2の構造単位が、式(a1−1)で表される化合物に由来する構造単位及び式(a1−2)で表される化合物に由来する構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか記載のレジスト組成物。
    Figure 2012042934
    [式(a1−1)中、
    a1は、酸素原子又は−O−(CH2k1−CO−O−を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
    k1は、上記と同じ意味を表す。
    a4は、水素原子又はメチル基を表す。
    a6は、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜10の脂環式炭化水素基を表す。
    m1は0〜14の整数を表す。]
    Figure 2012042934
    [式(a1−2)中、
    a2は、酸素原子又は−O−(CH2k1’−CO−O−で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
    k1’は、1〜7の整数を表す。
    a5は、水素原子又はメチル基を表す。
    a7は、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜10の脂環式炭化水素基を表す。
    n1は0〜10の整数を表す。
    n1’は0〜3の整数を表す。]
  5. 前記(B)が、式(B1)で表される塩を含む酸発生剤である請求項1〜4のいずれか記載のレジスト組成物。
    Figure 2012042934
    [式(B1)中、
    1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
    b1は、単結合又は炭素数1〜17の2価の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
    Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基又は該脂環式炭化水素基がメチレン基を含む場合、そのメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
    +は、有機カチオンを表す。]
  6. (1)請求項1〜5のいずれか記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
    (2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
    (3)組成物層を露光する工程、
    (4)露光後の組成物層を加熱する工程、
    (5)加熱後の組成物層を現像する工程
    を含むレジストパターンの製造方法。
  7. 式(a):
    Figure 2012042934
    [式(a)中、
    は、水素原子又はメチル基を表す。
    環Wは、炭素数4〜36の脂環式炭化水素環を表し、該脂環式炭化水素環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はスルホニル基に置き換わっていてもよい。
    は、単結合又は−A10−CO−O−を表す。
    10は、炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
    20は、メチレン基又はエチレン基を表す。
    は、炭素数1〜12の炭化水素基又は炭素数2〜12のアシル基を表す。]
    で表される化合物に由来する第1の構造単位と、
    式(a0):
    Figure 2012042934
    [式(a0)中、
    axは、水素原子又はメチル基を表す。
    環Wは、炭素数4〜36の脂環式炭化水素環を表し、該脂環式炭化水素環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基又はスルホニル基に置き換わっていてもよい。
    a0は、酸素原子又は−O−(CH2k1−CO−O−で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
    k1は1〜7の整数を表す。
    m0は1又は2を表す。
    a0は、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基又は炭素数3〜10の脂環式炭化水素基を表す。m0が2であるとき、2つのRa0は同じでも異なっていてもよい。]
    で表される化合物に由来する第2の構造単位とを有する樹脂。
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