JP2012214156A - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤの横力に応じた反力をドライバに返すことにより、優れた操舵フィーリングを持つ車両用操舵装置を提供する。
【解決手段】操舵トルクを検出するためのトルクセンサ13と、車速を検出するための車速センサ14と、操舵補助力を発生するための操舵補助電動モータ20と、トルクセンサ13の検出操舵トルク及び車速センサ14の検出車速とに基づいて操舵補助電動モータ20を駆動制御するEPS制御部21とを備える。EPS制御部21は、操舵トルクと車速とに基づいてタイヤの滑り角βを推定し、推定されたタイヤの滑り角βと検出車速とを用いてタイヤの横力Fを推定する。推定されたタイヤの横力Fに基づいてアシスト量を調整し、操舵補助電動モータ20を駆動する。
【選択図】図1
【解決手段】操舵トルクを検出するためのトルクセンサ13と、車速を検出するための車速センサ14と、操舵補助力を発生するための操舵補助電動モータ20と、トルクセンサ13の検出操舵トルク及び車速センサ14の検出車速とに基づいて操舵補助電動モータ20を駆動制御するEPS制御部21とを備える。EPS制御部21は、操舵トルクと車速とに基づいてタイヤの滑り角βを推定し、推定されたタイヤの滑り角βと検出車速とを用いてタイヤの横力Fを推定する。推定されたタイヤの横力Fに基づいてアシスト量を調整し、操舵補助電動モータ20を駆動する。
【選択図】図1
Description
本発明は、操舵補助電動モータを制御することによってステアリング機構に操舵補助力を与える車両用操舵装置に関するものである。
自動車用の電動パワーステアリングに用いられる操舵補助電動モータは、ステアリングギア装置に設けられるもの、ステアリングホイールとステアリングギア装置との間のコラム機構に設けられるものなどがあり、いずれの場合も転舵輪(本明細書では、単に「タイヤ」ということがある)に連結される転舵軸の作動を電動モータにより補助するようにしている。
ステアリングホイールを大きく回転させて、車の進行方向に対してタイヤを大きく傾けるほど、ステアリングホイールを回転させるには大きな力を必要とする。従って、上述した電動モータにあってはステアリングホイールの操舵トルクが大きくなるに従い、モータ電流を増大させることによって、その補助力となる操舵補助トルクが大きくなるように設定されている
本明細書では、車両がタイヤを介して地面から受ける力のうち、地面がタイヤを横方向に引っ張る力を、「タイヤの横力」といい、タイヤの横力に基づいて発生するタイヤの接地点回りのトルクを「セルフアライニングトルク」という。すなわちタイヤ横滑り角(車両の進行方向とタイヤの向きとの角度差)が付いてタイヤの横力を発生しているタイヤはそれ自身でタイヤ横滑り角=0の状態に戻ろうとするモーメント(セルフアライニングトルク)を発生する。このセルフアライニングトルクは、タイヤの横力とニューマチックトレール(接地中心からこのタイヤの横力の着力点までの距離)との積で表される。
本明細書では、車両がタイヤを介して地面から受ける力のうち、地面がタイヤを横方向に引っ張る力を、「タイヤの横力」といい、タイヤの横力に基づいて発生するタイヤの接地点回りのトルクを「セルフアライニングトルク」という。すなわちタイヤ横滑り角(車両の進行方向とタイヤの向きとの角度差)が付いてタイヤの横力を発生しているタイヤはそれ自身でタイヤ横滑り角=0の状態に戻ろうとするモーメント(セルフアライニングトルク)を発生する。このセルフアライニングトルクは、タイヤの横力とニューマチックトレール(接地中心からこのタイヤの横力の着力点までの距離)との積で表される。
従来、セルフアライニングトルクを推定し、この推定されたセルフアライニングトルクと電動モータの回転角度信号又は回転角速度信号とに基づいて操舵反力の定義を行って、操舵トルクにフィードバックする技術が提案されている(下記の特許文献1)。
この技術によれば、必要な操舵反力の定義を容易に行うことができ、安価な構成で、コーナリング時に安定な操舵フィーリングを実現することができる。
この技術によれば、必要な操舵反力の定義を容易に行うことができ、安価な構成で、コーナリング時に安定な操舵フィーリングを実現することができる。
ところが、前記特許文献1記載の技術では、セルフアライニングトルクの推定に電動モータ電流指令値と、電動モータ回転信号又は回転角速度信号とを用いるようになっている。このため、タイヤの横力を使ってセルフアライニングトルクを実際に算出しているわけではなく、セルフアライニングトルクの高精度な推定ができているとはいえない。また、タイヤの横滑り角やニューマチックトレールの変化により、タイヤにかかるタイヤの横力が同じでも、セルフアライニングトルクが変化してしまうので、その変化もドライバに伝わってしまう。
そこで、本発明の目的は、タイヤの横力に注目し、このタイヤの横力に応じた反力制御を行うことにより、タイヤの横力に応じた反力をドライバに返すことができる、優れた操舵フィーリングを持つ車両用操舵装置を提供することである。
前記の目的を達成するための本発明の車両用操舵装置は、操舵トルクを検出するためのトルクセンサと、車速を検出するための車速センサと、操舵補助力を発生するための操舵補助電動モータと、前記トルクセンサの検出操舵トルク及び前記車速センサの検出車速とに基づいて前記操舵補助電動モータを駆動制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記トルクセンサの検出操舵トルクと前記車速センサの検出車速とに基づいてタイヤの横滑り角を推定する横滑り角推定部と、前記推定されたタイヤの横滑り角と検出車速とを用いてタイヤの横力を推定するタイヤの横力推定部と、前記タイヤの横力推定部によって推定されたタイヤの横力に基づいてアシスト量を演算するアシストトルク調整部と、前記演算されたアシストトルクに基づいて前記操舵補助電動モータを駆動する電動モータ駆動部とを有するものである。
前記制御手段は、前記トルクセンサの検出操舵トルクと前記車速センサの検出車速とに基づいてタイヤの横滑り角を推定する横滑り角推定部と、前記推定されたタイヤの横滑り角と検出車速とを用いてタイヤの横力を推定するタイヤの横力推定部と、前記タイヤの横力推定部によって推定されたタイヤの横力に基づいてアシスト量を演算するアシストトルク調整部と、前記演算されたアシストトルクに基づいて前記操舵補助電動モータを駆動する電動モータ駆動部とを有するものである。
この構成によれば、横滑り角推定部によってタイヤの横滑り角を推定し、前記推定されたタイヤの横滑り角と検出車速とを用いてタイヤの横力を推定することができる。このタイヤの横力は、実際の車両の走行状態に応じた値になるので、このタイヤの横力に基づいてアシスト量を演算して、優れた操舵フィーリングを実現することができる。また操舵速度に関係なく、タイヤの横力の変化に応じた操舵トルクの周波数応答特性がフラットになる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用操舵装置の概略構成を示す模式図である。
車両用操舵装置は、ステアリングホイール等の操舵部材2と、操舵部材2に連結されるステアリングシャフト3とを有している。ステアリングシャフト3は、第1シャフト11と第1シャフト11と同軸上に配置された第2シャフト12を含んでいる。第1のシャフト11の一端に操舵部材2が同行回転可能に連結されている。第1のシャフト11の他端と第2のシャフト12の一端とは、トーションバーを介して連結されている。第2のシャフト12の他端は、自在継手7、中間軸8、自在継手9及び舵取り機構10を介して、前輪タイヤ4L,4Rと連結されている。第2のシャフト12は、ステアリングギア装置6を介して、操舵補助電動モータ20に連結されている。この操舵補助電動モータ20によって操舵補助力が与えられる。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用操舵装置の概略構成を示す模式図である。
車両用操舵装置は、ステアリングホイール等の操舵部材2と、操舵部材2に連結されるステアリングシャフト3とを有している。ステアリングシャフト3は、第1シャフト11と第1シャフト11と同軸上に配置された第2シャフト12を含んでいる。第1のシャフト11の一端に操舵部材2が同行回転可能に連結されている。第1のシャフト11の他端と第2のシャフト12の一端とは、トーションバーを介して連結されている。第2のシャフト12の他端は、自在継手7、中間軸8、自在継手9及び舵取り機構10を介して、前輪タイヤ4L,4Rと連結されている。第2のシャフト12は、ステアリングギア装置6を介して、操舵補助電動モータ20に連結されている。この操舵補助電動モータ20によって操舵補助力が与えられる。
舵取り機構10は、自在継手9に連結されるピニオン軸15と、ピニオン軸15の先端のピニオン15aに噛み合うラック16aを有し車両の左右方向に延びる転舵軸としてのラック軸16と、ラック軸16の一対の端部のそれぞれにタイロッド17L,17Rを介して連結されるナックルアーム18L,18Rとを有している。
車両用操舵装置は、さらにトルクセンサ13と、車速センサ14と、EPS制御部21とを有している。トルクセンサ13は、ステアリングシャフト3の第1シャフト11と第2シャフト12の相対回転角に基づいて、操舵部材2の回転に基づく操舵トルクThを検出する。車速センサ14は、タイヤのロータの回転速度を読み取るセンサで、車速Vを検出する。
車両用操舵装置は、さらにトルクセンサ13と、車速センサ14と、EPS制御部21とを有している。トルクセンサ13は、ステアリングシャフト3の第1シャフト11と第2シャフト12の相対回転角に基づいて、操舵部材2の回転に基づく操舵トルクThを検出する。車速センサ14は、タイヤのロータの回転速度を読み取るセンサで、車速Vを検出する。
EPS制御部21の駆動出力側は操舵補助電動モータ20に接続され、EPS制御部21の入力側は前記各センサ13,14に接続されている。EPS制御部21は、前記各センサ13,14の検出信号に基づいて、操舵補助電動モータ20の駆動を制御する。
EPS制御部21は、トルクセンサ13が検出する操舵トルク及び車速センサ14が検出する車速に基づいて目標電流値を設定し、操舵補助電動モータ20のモータ電流が目標電流値に一致するように操舵補助電動モータ20を制御することによって、操舵状況及び車速に応じた適切な操舵補助を実現するものである。
EPS制御部21は、トルクセンサ13が検出する操舵トルク及び車速センサ14が検出する車速に基づいて目標電流値を設定し、操舵補助電動モータ20のモータ電流が目標電流値に一致するように操舵補助電動モータ20を制御することによって、操舵状況及び車速に応じた適切な操舵補助を実現するものである。
前記構成の車両用操舵装置において、操舵部材2の回転は、ステアリングシャフト3等を介して舵取り機構10に伝達される。舵取り機構10では、ピニオン15aの回転がラック軸16の軸方向の運動に変換され、各タイロッド17L,17Rを介して対応するナックルアーム18L,18Rがそれぞれ回動する。これにより、各ナックルアーム18L,18Rに連結された対応する前輪タイヤ4L,4Rがそれぞれ操向する。
EPS制御部21の内部構成を、図1を用いて説明する。EPS制御部21の、電流検出部40、インバータ駆動回路39以外の部分は、CPU及びメモリ(ROM及びRAMなど)を備えるマイクロコンピュータで構成されている。マイクロコンピュータは、所定のプログラムを実行することによって、複数の機能処理部として機能する。
この複数の機能処理部には、タイヤの横力推定部31、アシスト調整部35、電流値生成部36、PWM(Pulse Width Modulation)制御部38が含まれている。
この複数の機能処理部には、タイヤの横力推定部31、アシスト調整部35、電流値生成部36、PWM(Pulse Width Modulation)制御部38が含まれている。
タイヤの横力推定部31は、伝達回路32、タイヤ横滑り角推定部33、横力算出部34を含む。以下、タイヤの横力推定部31の各機能を説明する。
トルクセンサ13によって検出された操舵トルクThは、次式を用いて、伝達関数P(s)を有する伝達回路32に与えられ、前輪タイヤ4L,4Rの転舵角(以下「タイヤの転舵角」という)δに変換される。
トルクセンサ13によって検出された操舵トルクThは、次式を用いて、伝達関数P(s)を有する伝達回路32に与えられ、前輪タイヤ4L,4Rの転舵角(以下「タイヤの転舵角」という)δに変換される。
δ=P(s)Th …(1)
ここで伝達関数P(s)とは、図1の操舵部材2から前輪タイヤ4L,4Rに至るまでのステアリング機構に対応する伝達関数であり、この式は、「タイヤの転舵角δ=0の直進時であって操舵トルクTh=0の時点」から操舵部材2を回し始めたときに発生する操舵トルクThに基づいて、タイヤの転舵角δが算出されることを表している。
ここで伝達関数P(s)とは、図1の操舵部材2から前輪タイヤ4L,4Rに至るまでのステアリング機構に対応する伝達関数であり、この式は、「タイヤの転舵角δ=0の直進時であって操舵トルクTh=0の時点」から操舵部材2を回し始めたときに発生する操舵トルクThに基づいて、タイヤの転舵角δが算出されることを表している。
なお、タイヤの転舵角δを求める方法はこれに限られるものではなく、例えば、操舵部材2に連結されるシャフトに操舵角センサを取り付けて、この操舵角センサで検出される操舵角度信号に基づいて、タイヤの転舵角δを推定することも出来る(例えば操舵角度とタイヤの転舵角δとが比例関係にあるとみなせば、操舵角度からタイヤの転舵角δが簡単に算出できる)。
このタイヤの転舵角δと、車速センサ14により検出された車速Vとは、タイヤ横滑り角推定部33に供給される。タイヤ横滑り角推定部33は、次のようにしてタイヤの滑り角βを推定する。以下、m:車両重量、V:車両の速度、L:ホイールベース(L=Lf+Lr)、Lf:車両重心点と前車軸との距離、Lr:車両重心点と後車軸との距離、Kf:前輪のコーナーリングパワー(タイヤ横滑り角0度付近のタイヤの横力とタイヤ横滑り角との比)、Kr:後輪のコーナーリングパワー、とする。
タイヤ横滑り角推定部33は、タイヤの滑り角βを、次の式を用いて推定する。
β=(A/B)(Lf/L)δ …(2)
A,Bは、それぞれ
A=1−(m/2L)(Lf/LrKr)V2 …(3)
B=1−(m/2L2)[(LfKf−LrKr)/KfKr]V2 …(4)
で表される。
β=(A/B)(Lf/L)δ …(2)
A,Bは、それぞれ
A=1−(m/2L)(Lf/LrKr)V2 …(3)
B=1−(m/2L2)[(LfKf−LrKr)/KfKr]V2 …(4)
で表される。
タイヤ横滑り角推定部33で求められたタイヤの滑り角βは、タイヤの横力を算出する横力算出部34に供給される。横力算出部34は、タイヤの横力Fと滑り角βとの関係を表す伝達関数G(s)を求める。ここで、F:タイヤの横力、y:タイヤの横方向変位、dy/dt:タイヤの横方向変位速度、ky:タイヤの横剛性と定義する。
タイヤの横力Fについて、次の2つの式が成立している。
タイヤの横力Fについて、次の2つの式が成立している。
F=Kf(β−(1/V)dy/dt) …(5)
F=ky・y …(6)
(5)式は前輪のコーナーリングパワーとタイヤ横滑り角との積で決定されるタイヤの横力に、タイヤの横方向変位速度dy/dtに応じて、低速度ほど補正量が大きくなるように補正を施した式である。(6)式はタイヤの横方向変位yとタイヤの横剛性とにより、タイヤの横力を求める式である。(6)式を時間微分して
dF/dt=ky・dy/dt …(7)
が得られる。(5)式と(7)式とからタイヤの横方向変位速度dy/dtを消去すると、タイヤの横力Fに関する微分方程式
(Kf/ky・V)dF/dt+F=Kf・β …(8)
が得られる。この(8)式の左辺の(Kf/ky・V)をT1と置く。すると(8)式は
T1dF/dt+F=Kf・β …(9)
と表記される。この(9)式をラプラス変換すれば、
sT1F(s)+F(s)=Kf・β(s) …(10)
という式が得られる。ただし、Fのラプラス変換をF(s)、βのラプラス変換をβ(s)としている。この(10)式を変形して、
F(s)/β(s)=Kf/(1+sT1) …(11)
が得られる。(11)式の右辺のKf/(1+sT1)をG(s)と定義する。このG(s)はタイヤの横力に関する伝達関数となる。すなわち、G(s)を用いればタイヤの横力Fと滑り角βとの関係は、
F(s) =G(s)β(s) …(12)
で表される。ここに
G(s)=Kf/(1+sT1) …(13)
である。
F=ky・y …(6)
(5)式は前輪のコーナーリングパワーとタイヤ横滑り角との積で決定されるタイヤの横力に、タイヤの横方向変位速度dy/dtに応じて、低速度ほど補正量が大きくなるように補正を施した式である。(6)式はタイヤの横方向変位yとタイヤの横剛性とにより、タイヤの横力を求める式である。(6)式を時間微分して
dF/dt=ky・dy/dt …(7)
が得られる。(5)式と(7)式とからタイヤの横方向変位速度dy/dtを消去すると、タイヤの横力Fに関する微分方程式
(Kf/ky・V)dF/dt+F=Kf・β …(8)
が得られる。この(8)式の左辺の(Kf/ky・V)をT1と置く。すると(8)式は
T1dF/dt+F=Kf・β …(9)
と表記される。この(9)式をラプラス変換すれば、
sT1F(s)+F(s)=Kf・β(s) …(10)
という式が得られる。ただし、Fのラプラス変換をF(s)、βのラプラス変換をβ(s)としている。この(10)式を変形して、
F(s)/β(s)=Kf/(1+sT1) …(11)
が得られる。(11)式の右辺のKf/(1+sT1)をG(s)と定義する。このG(s)はタイヤの横力に関する伝達関数となる。すなわち、G(s)を用いればタイヤの横力Fと滑り角βとの関係は、
F(s) =G(s)β(s) …(12)
で表される。ここに
G(s)=Kf/(1+sT1) …(13)
である。
以上のようにして、タイヤの横力推定部31は、車速Vに基づいて変数T1(T1=Kf/ky・V)を求め、このT1を用いてタイヤの横力に関する伝達関数G(s)を求め、滑り角βのラプラス変換β(s)に、このタイヤの横力に関する伝達関数G(s)をかけることにより、タイヤの横力Fのラプラス変換F(s)を求めることができる。
実時間の関数としてのタイヤの横力Fは、伝達関数F(s)をラプラス逆変換することによって求めることができる。この場合、微分方程式(9)を解くための初期値として、「タイヤの転舵角δ=0の直進時であって操舵トルクTh=0の時点」から操舵部材2を回し始める時点をt=0とし、そのときのβやFを0と置いて初期値とすればよい。
実時間の関数としてのタイヤの横力Fは、伝達関数F(s)をラプラス逆変換することによって求めることができる。この場合、微分方程式(9)を解くための初期値として、「タイヤの転舵角δ=0の直進時であって操舵トルクTh=0の時点」から操舵部材2を回し始める時点をt=0とし、そのときのβやFを0と置いて初期値とすればよい。
EPS制御部21のアシスト調整部35は、タイヤの横力推定部31から得られるタイヤの横力Fに基づいて、タイヤの横力Fのどの程度を操舵補助するか、その割合であるアシスト量Tassistを演算する。アシスト量Tassistは、0から1までの値をとる変数Ksを用いて、次のように表すことができる。
Tassist=(Ks−1)F/Ks …(14)
変数Ks=1のとき、操舵補助はない。Ks=0のとき、タイヤの横力をすべて操舵補助するので、ドライバはタイヤの横力の存在を感じないことになる。Ksを予め定めておけば、タイヤの横力Fのどの程度を操舵補助するかを決定することができる。なお、アシスト量Tassistを求めるのに、(14)式のような式を用いなくても、タイヤの横力推定部31から得られるタイヤの横力Fとアシスト量Tassistとの関係をマップに保存しておき、タイヤの横力Fをそのマップに適用してアシスト量Tassistを求めても良い。
Tassist=(Ks−1)F/Ks …(14)
変数Ks=1のとき、操舵補助はない。Ks=0のとき、タイヤの横力をすべて操舵補助するので、ドライバはタイヤの横力の存在を感じないことになる。Ksを予め定めておけば、タイヤの横力Fのどの程度を操舵補助するかを決定することができる。なお、アシスト量Tassistを求めるのに、(14)式のような式を用いなくても、タイヤの横力推定部31から得られるタイヤの横力Fとアシスト量Tassistとの関係をマップに保存しておき、タイヤの横力Fをそのマップに適用してアシスト量Tassistを求めても良い。
アシスト調整部35によって算出されたアシスト量Tassistは電流値生成部36に入力される。電流値生成部36は、アシスト量Tassistに見合った電流指令値I*を生成し、電流偏差演算回路37に出力する。
一方、EPS制御部21の電流検出部40は、インバータ駆動回路39から、操舵補助電動モータ20に流れる電流を検出する。検出された電流は電流偏差演算回路37に与えられ、電流偏差演算回路37は、電流指令値Id*との差を演算し、これをPWM制御部38に与える。PWM制御部38は、電流指令値Id*と検出電流の差に基づいてパルス幅変調を行い、操舵補助電動モータ20を駆動する。
一方、EPS制御部21の電流検出部40は、インバータ駆動回路39から、操舵補助電動モータ20に流れる電流を検出する。検出された電流は電流偏差演算回路37に与えられ、電流偏差演算回路37は、電流指令値Id*との差を演算し、これをPWM制御部38に与える。PWM制御部38は、電流指令値Id*と検出電流の差に基づいてパルス幅変調を行い、操舵補助電動モータ20を駆動する。
以上のように、本発明の実施形態では、タイヤの横力推定部31によってタイヤの横滑り角を、車両の重量、ホイールベース、タイヤのコーナーリングパワー及び車両の速度を用いて推定し、前記推定されたタイヤの横滑り角と、タイヤのコーナーリングパワー、タイヤの横剛性及び車両の速度とを用いて、タイヤの横力を推定することができる。また、(14)式のように、時間遅れを含まない変数Ksを用いてアシスト量Tassistを決定するので、タイヤの横力の時間変化に応じて周波数応答がフラットになるようなアシストトルクを算出することができる。
以上で、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施は、前記の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更を施すことが可能である。
2…操舵部材、6…ステアリングギア装置、10…舵取り機構、20…操舵補助電動モータ、13…トルクセンサ、14…車速センサ、21…EPS制御部、31…タイヤの横力推定部、32…伝達回路、33…タイヤ横滑り角推定部、34…横力算出部、35…アシスト調整部
Claims (4)
- 操舵トルクを検出するためのトルクセンサと、
車速を検出するための車速センサと、
操舵補助力を発生するための操舵補助電動モータと、
前記トルクセンサの検出操舵トルク及び前記車速センサの検出車速に基づいて前記操舵補助電動モータを駆動制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記トルクセンサの検出操舵トルクと前記車速センサの検出車速とに基づいてタイヤの横滑り角を推定する横滑り角推定部と、前記推定されたタイヤの横滑り角と検出車速とを用いてタイヤの横力を推定するタイヤの横力推定部と、前記タイヤの横力推定部によって推定されたタイヤの横力に基づいてアシスト量を演算するアシストトルク調整部と、前記演算されたアシストトルクに基づいて前記操舵補助電動モータを駆動する電動モータ駆動部とを有することを特徴とする、車両用操舵装置。 - 前記タイヤの横力推定部は、タイヤのコーナーリングパワー、タイヤの横剛性、車両の速度及びタイヤの横滑り角を用いて、タイヤの横力を推定するものである、請求項1に記載の車両用操舵装置。
- 前記タイヤの横力推定部は、タイヤのコーナーリングパワー、タイヤの横剛性及び車両の速度を用いてタイヤの横力に関する伝達関数を求め、タイヤの横滑り角をこのタイヤの横力に関する伝達関数に適用することによって、タイヤの横力を推定するものである、請求項2に記載の車両用操舵装置。
- 前記横滑り角推定部は、車両の重量、ホイールベース、タイヤのコーナーリングパワー及び車両の速度を用いてタイヤの横滑り角を推定するものである、請求項1から請求項3のいずれかに記載の車両用操舵装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014223856A (ja) * | 2013-05-16 | 2014-12-04 | 株式会社デンソー | ステアリング制御装置 |
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2011
- 2011-04-01 JP JP2011081468A patent/JP2012214156A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014223856A (ja) * | 2013-05-16 | 2014-12-04 | 株式会社デンソー | ステアリング制御装置 |
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Date | Code | Title | Description |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20140603 |