JP2012212067A - 投写型映像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱発電効率の高い排熱発電装置を備えた投写型映像表示装置を簡易な構成で提供する。
【解決手段】プロジェクタ1は、排熱発電装置として、熱電変換モジュール50と、放熱フィン52と、電力線56とを含む。熱電変換モジュール50は、上部基板が反射ミラー10における反射面の裏面に設置される。上部基板は、反射ミラー10を介して光源40の排熱を受けることにより加熱される。熱電変換モジュール50の下部基板の下面には、放熱フィン52が設けられる。放熱フィン52は、筐体4内部の冷却流路において光変調部の下流側に配置される。これにより、熱電変換モジュール50の下部基板は、光変調部を冷却した後の冷却風により冷却される。熱電変換モジュール50は、上部基板および下部基板の間の温度差により発電する。
【選択図】図1
【解決手段】プロジェクタ1は、排熱発電装置として、熱電変換モジュール50と、放熱フィン52と、電力線56とを含む。熱電変換モジュール50は、上部基板が反射ミラー10における反射面の裏面に設置される。上部基板は、反射ミラー10を介して光源40の排熱を受けることにより加熱される。熱電変換モジュール50の下部基板の下面には、放熱フィン52が設けられる。放熱フィン52は、筐体4内部の冷却流路において光変調部の下流側に配置される。これにより、熱電変換モジュール50の下部基板は、光変調部を冷却した後の冷却風により冷却される。熱電変換モジュール50は、上部基板および下部基板の間の温度差により発電する。
【選択図】図1
Description
この発明は、投写型映像表示装置に関し、より特定的には、発熱源の排熱を利用して発電する排熱発電装置を備えた投写型映像表示装置に関する。
この種の投写型映像表示装置として、たとえば、特開2004−312991号公報(特許文献1)、特開2004−312986号公報(特許文献2)および特開平6−175128号公報(特許文献3)には、ランプの排熱を電力に変換し、投写型映像表示装置が備える他の装置の作動に利用する構成が開示される。
具体的には、特許文献1に記載される投写型映像表示装置において、熱発電装置は筐体内部に設置される。熱発電装置は、ランプと、ランプの後部側に設置され、ランプの発熱を吸収するための吸熱部材と、吸熱部材の後面に上面が固定され、かつ、下面に放熱フィンが固定された熱電変変換モジュールとにより構成される。以上の構成において、熱電変換モジュールは、ランプの発光により生じる放熱の一部が吸熱部材を介して伝導される。そして、ランプからの放熱によって加熱される上面と、加熱されない下面との温度差から電力を発生する。
上記の特許文献1に記載される熱発電装置では、ランプの放熱を効率良く熱電変換モジュールに伝導するために、吸熱部材を、ランプのリフレクタの内側面に配置される突入部と、リフレクタの外側面から放出される熱を受ける平面部とにより構成している。そのため、ランプの形状に吸熱部材の形状を合わせる必要があり、熱発電装置の構成が複雑になるという問題がある。
また、特許文献1では、熱電変換モジュールに取り付けられた放熱フィンと対向するように冷却ファンを設け、冷却ファンから供給される外気によって熱電変換モジュールの下面を冷却する構成としている。したがって、熱電変換モジュールの下面の温度は、外気によって左右されるため、上面および下面の温度差を、熱発電効率上適正な温度差に保つことが困難となる。また、熱電変換モジュール専用の冷却ファンを設けることにより、電力消費を増やす結果となってしまう。
それゆえ、この発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、熱発電効率の高い排熱発電装置を備えた投写型映像表示装置を簡易な構成で提供することである。
この発明のある局面に従えば、投写型映像表示装置は、筐体に収容された発熱源と、筐体に収容され、かつ、発熱源が発生する熱の一部を回収して電力に変換するように構成された熱電変換素子と、発熱源が発生する熱の残りを筐体外部へ排出するための排熱経路とを備える。熱電変換素子は、一面側が発熱源が発生する熱の一部を受けて高温側面とされるとともに、他面側が低温側面とされて該高温側面と該低温側面との間の温度差によって発電するように構成される。熱電変換素子の低温側面は、排熱経路上において発熱源の少なくとも一部の下流側に配され、該発熱源の少なくとも一部を冷却した冷却媒体によって冷却される。
好ましくは、投写型映像表示装置は、光源からの入射光を光変調部へ向けて反射させるための反射ミラーをさらに備え。熱電変換素子の一面側は、反射ミラーにおける反射面の裏面に設置される。
好ましくは、反射ミラーは、入射光のうちの可視光を光変調部へ向けて反射させる一方で、該入射光のうちの非可視光を透過するように構成された波長選択性ミラーと、波長選択性ミラーおよび熱電変換素子の間に設けられ、波長選択性ミラーを透過した非可視光を吸収するように構成された黒体とを含む。
好ましくは、投写型映像表示装置は、反射ミラーと光変調部との間の光路上に配置され、入射光のうちの可視光を透過する一方で、該入射光のうちの非可視光を反射するように構成された波長選択性ミラーをさらに備える。
好ましくは、投写型映像表示装置は、複数の光源から選択した少なくとも一の光源からの入射光を光変調部へ向けて反射可能に構成された反射ミラーをさらに備える。熱電変換素子の一面側は、反射ミラーにおける反射面の裏面に設置される。
この発明の別の局面に従えば、投写型映像表示装置は、筐体に収容された発熱源と、筐体に収容され、かつ、発熱源が発生する熱の一部を回収して電力に変換可能に構成された熱電変換素子とを備える。熱電変換素子は、一面側が発熱源が発生する熱の一部を受けて高温側面とされるとともに、他面側が低温側面とされて該高温側面と該低温側面との間の温度差によって発電するように構成される。熱電変換素子の低温側面は、外気と熱交換可能に設けられる。
この発明によれば、熱電変換素子の高温側面を発熱源の排熱によって加熱するとともに、熱電変換素子の低温側面を発熱源を冷却した冷却媒体により冷却することで、高温側面および低温側面間に温度差を作り出している。したがって、低温側面を冷却するための専用のファンを設けることなく、低温側面を冷却することができる。また、低温側面には発熱源の少なくとも一部を冷却した後の冷却風が供給されるため、低温側面を一定温度に調整することができる。これにより、高温側面および低温側面の間の温度差を略一定に保つことができるため、熱電変換素子の熱発電効率を安定化させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態に係る投写型映像表示装置(以下、「プロジェクタ」ともいう)の主要部の構成を模式的に示す図である。
図1を参照して、プロジェクタは、液晶デバイスを利用して映像を投影する液晶プロジェクタであって、光学エンジン2と、投写レンズ3とを備える。光学エンジン2は、筐体4に収容されている。なお、筐体4には、スピーカ等の音声を出力するための構成要素や、光学エンジン2の構成要素および音声出力手段を電気的に制御するための回路基板なども搭載されているが、図1では、これらを含む一部の構成要素の図示は省略されている。
光学エンジン2は、光源40を含む。光源40は、たとえば超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどの光源ランプからなる。なお、光源40は、発光体を含んでいればよく、光源ランプに限らず、LED(Light Emitting Diode)、レーザダイオード、有機EL(Electro Luminescence)素子、シリコン発光素子等の各種固体発光素子を発光体に採用してもよい。
光源40は、電源回路42から電力の供給を受ける。電源回路42は、光学エンジン2、後述する吸気用ファン60および排気用ファン62並びに、制御装置(図示せず)などに電力を供給する。電源回路42は、光源40に電力を供給するためのバラスト電源を含んでおり、光源40に供給する電力を調整可能に構成される。これにより、電源回路42が供給可能な電力範囲内で、光源40が発光する光の量(発光量)を自在に変化させることができる。
光源40から照射された光は、反射ミラー10に入射されると、光源40の光軸に対して略90°の方向に反射される。反射ミラー10から出射された光は、フライアイインテグレータ11を介して、PBS(偏光ビームスプリッタ)アレイ12およびコンデンサレンズ13に入射される。フライアイインテグレータ11は、蝿の目状のレンズ群からなるフライアイレンズを備え、液晶パネル18,24,33に入射する光の光量分布が均一となるよう、光源40から入射される光に光学作用を付与する。
PBSアレイ12は、複数のPBSと1/2波長板がアレイ状に配列されたものであり、フライアイインテグレータ11から入射された光の偏光方向を1方向に揃える。コンデンサレンズ13は、PBSアレイ12から入射された光に集光作用を付与する。コンデンサレンズ13を透過した光は、ダイクロイックミラー14に入射する。
ダイクロイックミラー14は、コンデンサレンズ13から入射された光のうち、青色波長域の光(以下、「B光」という)のみを透過し、赤色波長域の光(以下、「R光」という)および緑色波長域の光(以下、「G光」という)を反射する。ダイクロイックミラー14を透過したB光は、ミラー15に導かれ、そこで反射され、コンデンサレンズ16に入射される。
コンデンサレンズ16は、B光がほぼ平行光で液晶パネル18に入射するよう、B光に光学作用を付与する。コンデンサレンズ16を透過したB光は、入射側偏光板17を介して液晶パネル18に入射される。液晶パネル18は、青色用の映像信号に応じて駆動され、その駆動状態に応じてB光を変調する。液晶パネル18によって変調されたB光は、出射側偏光板19を介して、ダイクロイックプリズム20に入射される。
ダイクロイックミラー14によって反射された光のうちG光は、ダイクロイックミラー21によって反射され、コンデンサレンズ22に入射される。コンデンサレンズ22は、G光がほぼ平行光で液晶パネル24に入射するよう、G光に光学作用を付与する。コンデンサレンズ22を透過したG光は、入射側偏光板23を介して液晶パネル24に入射される。液晶パネル24は、緑色用の映像信号に応じて駆動され、その駆動状態に応じてG光を変調する。液晶パネル24によって変調されたG光は、出射側偏光板25を介して、ダイクロイックプリズム20に入射される。
ダイクロイックミラー21を透過したR光は、コンデンサレンズ26に入射される。コンデンサレンズ26は、R光がほぼ平行光で液晶パネル33に入射するよう、R光に光学作用を付与する。コンデンサレンズ26を透過したR光は、光路長調整用のリレーレンズ27,29,31と2つのミラー28,30とからなる光路を進み、入射側偏光板32を介して液晶パネル33に入射される。液晶パネル33は、赤色用の映像信号に応じて駆動され、その駆動情報に応じてR光を変調する。液晶パネル33によって変調されたR光は、出射側偏光板34を介して、ダイクロイックプリズム20に入射される。
ダイクロイックプリズム20は、液晶パネル18,24,33によって変調されたB光、G光およびR光を色合成し、投写レンズ3へと入射させる。投写レンズ3は、投写光を被投写面(スクリーン)上に結像させるためのレンズ群と、これらレンズ群の一部を光軸方向に変位させて投写画像のズーム状態およびフォーカス状態を調整するためのアクチュエータを備えている。ダイクロイックプリズム20によって色合成された光は、投写レンズ3によって、スクリーン上に拡大投写される。
(冷却装置の構成)
図1に示す構成において、光学エンジン2、電源回路42および、制御回路などの電子部品は、消費電力に応じた熱を発生する。したがって、プロジェクタ1の運転時には、これらの発熱源が発生する熱によって、筐体4内部の温度が上昇する。このような筐体内部の温度上昇によって光学部品等の性能が低下するのを抑制するために、プロジェクタ1は、筐体4内部を冷却するための冷却装置を備えている。
図1に示す構成において、光学エンジン2、電源回路42および、制御回路などの電子部品は、消費電力に応じた熱を発生する。したがって、プロジェクタ1の運転時には、これらの発熱源が発生する熱によって、筐体4内部の温度が上昇する。このような筐体内部の温度上昇によって光学部品等の性能が低下するのを抑制するために、プロジェクタ1は、筐体4内部を冷却するための冷却装置を備えている。
具体的には、筐体4には、外気を筐体4内に取り入れるための吸気口と、筐体4内の空気を外部へ放出するための排気口とが設けられている。吸気用ファン60は、吸気口に配置される。吸気用ファン60が筐体4の外部に対して筐体4内を陰圧(負圧)にする態様で回転することにより、図1の矢印W1で示されるように外気が筐体4内に取り込まれる。取り込まれた空気は、図1の矢印W4で示されるように、筐体4内を流れることにより、光学エンジン2(液晶パネル18,24,33等の光学部品および光源40)、電源回路42および制御回路等の発熱源にそれぞれ供給される。
筐体4の内部において、空気の流路において上記の発熱源の下流側には、排気用ファン62が設けられている。排気用ファン62が回転することにより、発熱源との熱交換によって暖められた空気が排気口から筐体4の外部へ放出される。このようにして、筐体4の内部が冷却される。なお、冷却装置としては、吸気用ファン60および排気用ファン62に加えて、空気流路の中間にファンをさらに設ける構成としてもよい。
(排熱発電装置の構成)
本実施の形態に係るプロジェクタ1には、上記の発熱源の排熱を利用して発電可能に構成された排熱発電装置がさらに搭載されている。
本実施の形態に係るプロジェクタ1には、上記の発熱源の排熱を利用して発電可能に構成された排熱発電装置がさらに搭載されている。
具体的には、プロジェクタ1は、排熱発電装置として、熱電変換モジュール50と、放熱フィン52と、電力線56とをさらに備える。
熱電変換モジュール50は、発熱源からの熱エネルギーを電気エネルギーに変換可能に構成される。熱電変換モジュール50は、2種類の異なる金属に温度差を与えると、その両端から熱起電力が発生する現象であるゼーベック効果を利用した熱電変換素子(ゼーベック効果素子)からなる。熱電変換素子は、光源40の排熱を回収して発電する。電力線56は、熱電変換モジュール50および電気負荷の間に配設される。熱電変換モジュール50が発電した電力は、電力線56を通じて電気負荷へ供給される。なお、図1に示す構成では、電気負荷の一例として、吸気用ファン60および排気用ファン62が示される。
図2は、図1における排熱発電装置の詳細な構成を示す図である。
図2を参照して、熱電変換モジュール50は、上部基板502と下部基板504とからなる一対の絶縁基板と、熱電変換素子506とを含む。上部基板502および下部基板504は、アルミナ等のセラミックス基板からなる。熱電変換素子506は、それぞれが直方体に形成されたP型の半導体素子およびN型の半導体素子とからなる。熱電変換素子506は、上部基板502および下部基板504の間に、図示しない上部電極および下部電極を介して直列に接続されている。
図2を参照して、熱電変換モジュール50は、上部基板502と下部基板504とからなる一対の絶縁基板と、熱電変換素子506とを含む。上部基板502および下部基板504は、アルミナ等のセラミックス基板からなる。熱電変換素子506は、それぞれが直方体に形成されたP型の半導体素子およびN型の半導体素子とからなる。熱電変換素子506は、上部基板502および下部基板504の間に、図示しない上部電極および下部電極を介して直列に接続されている。
このように構成された熱電変換モジュール50は、上部基板502が反射ミラー10における反射面の裏面に設置される。反射ミラー10には、光源40の出射光が直接的に入射される。すなわち、反射ミラー10は、反射ミラー10の反射効率に従い反射されなかった光により発熱する。上部基板502は、この反射ミラー10を介して光源40の排熱を受けることにより加熱され、熱電変換モジュール50の高温側面を形成する。反射ミラー10は、光源40の排熱を効率良く熱電変換モジュール50の上部基板502に伝達することができる。
さらに、熱電変換モジュール50の下部基板504の下面には、放熱フィン52が取り付けられている。放熱フィン52は、アルミニウムからなるブロック体の上面に一定間隔で複数の放熱溝を設けて構成される。放熱フィン52は、この複数の放熱溝を介して下部基板504から伝達された熱を効率良く放熱することができる。この放熱フィン52によって下部基板504が冷却され、上部基板502および下部基板504の間に温度差を付けることができる。下部基板504は、熱電変換モジュール50の低温側面を形成する。
このように、高温側面である上部基板502を光源40の排熱で加熱し、低温側面である下部基板504を放熱フィン52により冷却することによって熱電変換素子506に温度差を与えると、上記のゼーベック効果により熱起電力が得られる。熱電変換素子506によって変換された電力は、電力線56を通じて電気負荷(吸気用ファン60および排気用ファン62等)に供給される。
再び図1を参照して、熱電変換モジュール50の下部基板504と熱的に結合されている放熱フィン52は、筐体4内部に導入された冷却風の流路上に配される。放熱フィン52には、発熱源の少なくとも一部を冷却した後の冷却風が導かれる。図1に示す構成では、筐体4内部に導入された冷却風のうち、液晶パネル18,24,33を含む光変調部を冷却した後の冷却風は、壁54により形成された冷却流路に導かれる。そして、この冷却流路において、光変調部の下流側に放熱フィン52が配置されている。したがって、放熱フィン52には光変調部を冷却した後の冷却風が導かれる。放熱フィン52は、熱電変換モジュール50の低温側面から伝達された熱を、光変調部を冷却した後の冷却風に放熱する。
以上のように、本実施の形態に係る熱電変換モジュール50は、上部基板502が発熱源の排熱の一部で加熱されて高温側面とされるとともに、下部基板504が発熱源の少なくとも一部(光変調部)を冷却した後の冷却風によって冷却されて低温側面とされる。そして、上部基板502と下部基板504との間の温度差によって発電する。
このように、発熱源の冷却流路の下流側に熱電変換モジュール50の低温側面を配したことにより、低温側面を冷却するための専用のファンを設けることなく、低温側面を冷却することができる。
また、熱電変換モジュール50の熱発電効率は、熱電変換素子506の性能指数および、高温側面および低温側面の間の温度差で決まるため、低温側面には発熱源の少なくとも一部を冷却した後の冷却風が供給されることにより、低温側面を一定温度に調整することができる。これにより、高温側面および低温側面の間の温度差を略一定に保つことができるため、熱発電効率を安定化させることができる。
なお、図1に示したプロジェクタ1では、熱電変換モジュール50の低温側面を、光変調部を冷却した後の冷却風で冷却する構成としたが、これは、高温側面および低温側面間の温度差と熱発電効率との相関において、光変調部を冷却した後の冷却風で低温側面を冷却したときに、低温側面を熱発電効率上適正な温度に適合できるという実験結果に基づいている。したがって、熱電変換モジュール50に用いる熱電変換素子の性能や高温側面の温度等によって、低温側面の適正温度が異なるため、低温側面を適正温度に適合できるように、低温側面を配置させる冷却流路を選択すればよい。
また、本実施の形態では、反射ミラー10における反射面の裏面に熱電変換モジュール50を取り付ける構成としたため、既存の装置構成を変更することなく、容易に熱電変換モジュール50を設置することができる。また、反射ミラー10は、光源40からの出射光を直接的に受けることから、光源40の排熱を効率良く熱電変換モジュール50の高温側面に伝導させることができる。
以下に、本発明の実施の形態に係るプロジェクタに搭載される排熱発電装置の変更例について説明する。なお、本変更例に係る排熱発電装置が搭載されるプロジェクタの構成は、図1と同様であるので詳細な説明は繰り返さない。
[変更例1]
図3は、本発明の実施の形態に係る排熱発電装置の第1の変更例の構成を示す図である。図3を参照して、本変更例1に係る排熱発電装置は、図2に示す排熱発電装置と比較して、反射ミラー10に代えて、波長選択性ミラー102および黒体104とを含む点で異なる。
図3は、本発明の実施の形態に係る排熱発電装置の第1の変更例の構成を示す図である。図3を参照して、本変更例1に係る排熱発電装置は、図2に示す排熱発電装置と比較して、反射ミラー10に代えて、波長選択性ミラー102および黒体104とを含む点で異なる。
波長選択性ミラー102は、入射光のうち可視光を反射し、非可視光(赤外光および紫外光)を透過するように構成される。黒体104は、波長選択性ミラー102と熱電変換モジュール50との間に設けられる。黒体104は、照射した光を全て吸収し、反射しないように構成される。
図3に示す構成において、光源40から照射された光が波長選択性ミラー102に入射されると、当該光のうちの可視光が波長選択性ミラー102により反射されてフライアイインテグレータ11に導かれる一方で、非可視光が波長選択性ミラー102を透過する。黒体104は、波長選択性ミラー102を透過した非可視光を吸収する。
このような構成としたことにより、図2に示した構成と比較して、熱電変換モジュール50の高温側面に伝達される熱は、黒体104により吸収された非可視光の熱エネルギー分増加する。この結果、光源40の排熱をより多く熱電変換モジュール50に伝達することが可能となり、熱電変換モジュール50による発電量を増やすことができる。
[変更例2]
図4は、本発明の実施の形態に係る排熱発電装置の第2の変更例の構成を示す図である。図4を参照して、本変更例2に係る排熱発電装置は、図3に示す第1の変更例に係る排熱発電装置と比較して、波長選択性ミラー102とフライアイインテグレータ11との間に、波長選択性ミラー101をさらに含む点で異なる。
図4は、本発明の実施の形態に係る排熱発電装置の第2の変更例の構成を示す図である。図4を参照して、本変更例2に係る排熱発電装置は、図3に示す第1の変更例に係る排熱発電装置と比較して、波長選択性ミラー102とフライアイインテグレータ11との間に、波長選択性ミラー101をさらに含む点で異なる。
波長選択性ミラー101は、入射光のうち可視光を透過し、非可視光を反射するように構成される。したがって、波長選択性ミラー102から入射される光のうちの可視光が波長選択性ミラー101を透過してフライアイインテグレータ11に導かれる一方で、非可視光が波長選択性ミラー101で反射されて波長選択性ミラー102に再び入射される。
このような構成としたことにより、波長選択性ミラー102で透過されずに波長選択性ミラー101に導かれた非可視光を、再び波長選択性ミラー101に入射させることができる。これにより、図3に示す構成と比較して、熱電変換モジュール50に伝達する熱エネルギーをさらに増やすことが可能となり、熱利用効率が向上する。
[変更例3]
図5は、本発明の実施の形態に係る排熱発電装置の第3の変更例の構成を示す図である。本変更例3に係る排熱発電装置は、複数の光源(本変更例では2個)を搭載したプロジェクタに適用される。
図5は、本発明の実施の形態に係る排熱発電装置の第3の変更例の構成を示す図である。本変更例3に係る排熱発電装置は、複数の光源(本変更例では2個)を搭載したプロジェクタに適用される。
図5を参照して、光源40Aおよび光源40Bは、図示しないフライアイインテグレータ11の光軸を対称軸として配設されている。光源40Aおよび光源40Bの間には、複数(本変更例では2枚)の反射面を有する反射ミラー106が設置される。この反射ミラー106は、一方の反射面が、光源40Aからの光をフライアイインテグレータ11へ向けて反射するとともに、他方の反射面が、光源40Bからの光をフライアイインテグレータ11へ向けて反射するように配置される。
反射ミラー106における2枚の反射面の裏面には、2個の熱電変換モジュール50A,50Bがそれぞれ設置される。熱電変換モジュール50A,50Bは、熱電変換モジュール50と同様に、上部基板と下部基板とからなる一対の絶縁基板と、熱電変換素子とを含む。各熱電変換モジュール50A,50Bの下部基板の下面には、放熱フィン520が取り付けられている。
図5に示す構成において、光源40Aの排熱は熱電変換モジュール50Aにより電力に変換され、光源40Bの排熱は熱電変換モジュール50Bにより電力に変換される。熱電変換モジュール50A,50Bで変換された電力は、電力線56A,56Bを介して電気負荷にそれぞれ供給される。
[変更例4]
図6は、本発明の実施の形態に係る排熱発電装置の第4の変更例の構成を示す図である。本変更例4に係る排熱発電装置は、複数の光源を搭載し、かつ、当該複数の光源のうちの少なくとも1つを選択して使用可能に構成されたプロジェクタに適用される。本変更例では、その一例として、2個の光源を搭載し、該2個の光源のいずれかを選択して使用するように構成されたプロジェクタを示す。
図6は、本発明の実施の形態に係る排熱発電装置の第4の変更例の構成を示す図である。本変更例4に係る排熱発電装置は、複数の光源を搭載し、かつ、当該複数の光源のうちの少なくとも1つを選択して使用可能に構成されたプロジェクタに適用される。本変更例では、その一例として、2個の光源を搭載し、該2個の光源のいずれかを選択して使用するように構成されたプロジェクタを示す。
図6を参照して、光源40Aよび光源40Bは、図示しないフライアイインテグレータ11の光軸を対称軸として配設されている。光源40Aおよび光源40Bの間には、反射ミラー10が設置される。反射ミラー10は、図示しない駆動機構によって、反射ミラー10の中心部の軸110を回動中心として回動可能に構成される。具体的には、反射ミラー10は、光源40Aの駆動時には図6に示されるように、光源40Aからの光をフライアイインテグレータ11へ導く状態となる。一方、光源40Bの駆動時には、反射ミラー10を時計回りに90°回動させて、光源40Bからの光をフライアイインテグレータ11へ導く状態となる。
反射ミラー10における反射面の裏面には、熱電変換モジュール50が設置される。熱電変換モジュール50の下部基板の下面には、放熱フィン52が取り付けられている。
図6に示す構成では、使用する光源が切替わると、その光源からの光を受けるように反射ミラー10が回動する。したがって、熱電変換モジュール50は、使用中の光源の排熱を電力に変換することができる。なお、熱電変換モジュール50に接続される電力線56は、反射ミラー10の回動を妨げないように、たとえば軸110と平行となるように、配設される。
なお、上記の図5および図6に示した排熱発電装置の各々において、熱電変換モジュールに、図3もしくは図4に示した熱電変換モジュールを用いることが可能である。
また、本発明の実施の形態では、光変調部を冷却した後の冷却風で熱電変換モジュールの低温側面を冷却する構成について説明したが、本発明の適用は、このような構成に限定されるものではない。本発明は、発熱源の少なくとも一部を冷却した後の冷却風で、熱電変換モジュールの低温側面を冷却するプロジェクタに適用可能である。
たとえば、図7に示すプロジェクタ1Aのように、空気の流路において光源40および電源回路42等の発熱源の下流側に放熱フィン52が配置することも可能である。さらには、熱電変換モジュールに用いる熱電変換素子の性能や高温側面の温度等によって、低温側面の適正温度が異なるため、低温側面を適正温度に適合できるように、低温側面を配置させる冷却流路を選択することも可能である。
あるいは、熱発電効率上有意な温度差を確保することが可能であれば、図8に示すプロジェクタ1Bのように、放熱フィン52を筐体4Bの外部に設ける構成としてもよい。この場合、放熱フィン52が外気に向けて放熱することによって、熱電変換モジュール50の低温側面が冷却される。なお、プロジェクタのユーザ等が放熱フィン52に直接触れることがないように、放熱フィン52の放熱を妨げない状態で放熱フィン52を覆うためのカバーを設けることも可能である。
また、上述した実施の形態では、プロジェクタとして液晶プロジェクタを採用したが、これに限定されるものではない。たとえば、DLP(登録商標)(Digital Light Processing)方式のプロジェクタ等の他の方式のプロジェクタに本発明の技術を適用してもよい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1A,1B プロジェクタ、2 光学エンジン、3 投写レンズ、4,4B 筐体、10,106 反射ミラー、11 フライアイインテグレータ、12 PBSアレイ、13 コンデンサレンズ、14,21 ダイクロイックミラー、15,28,30 ミラー、16,22,26 コンデンサレンズ、17,23,32 入射側偏光板、18,24,33 液晶パネル、19,25,34 出射側偏光板、20 ダイクロイックプリズム、27,29,31 リレーレンズ、40,40A,40B 光源、42 電源回路、50,50A,50B 熱電変換モジュール、52,520 放熱フィン、54 壁、56,56A,56B 電力線、60 吸気用ファン、62 排気用ファン、101,102 波長選択性ミラー、104 黒体、110 軸、502 上部基板、504 下部基板、506 熱電変換素子。
Claims (6)
- 筐体に収容された発熱源と、
前記筐体に収容され、かつ、前記発熱源が発生する熱の一部を回収して電力に変換するように構成された熱電変換素子と、
前記発熱源が発生する熱の残りを前記筐体外部へ排出するための排熱経路とを備え、
前記熱電変換素子は、一面側が前記発熱源が発生する熱の一部を受けて高温側面とされるとともに、他面側が低温側面とされて該高温側面と該低温側面との間の温度差によって発電するように構成され、
前記熱電変換素子の低温側面は、前記排熱経路上において前記発熱源の少なくとも一部の下流側に配され、該発熱源の少なくとも一部を冷却した冷却媒体によって冷却される、投写型映像表示装置。 - 前記光源からの入射光を前記光変調部へ向けて反射させるための反射ミラーをさらに備え、
前記熱電変換素子の一面側は、前記反射ミラーにおける反射面の裏面に設置される、請求項1に記載の投写型映像表示装置。 - 前記反射ミラーは、
入射光のうちの可視光を前記光変調部へ向けて反射させる一方で、該入射光のうちの非可視光を透過するように構成された波長選択性ミラーと、
前記波長選択性ミラーおよび前記熱電変換素子の間に設けられ、前記波長選択性ミラーを透過した非可視光を吸収するように構成された黒体とを含む、請求項2に記載の投写型映像表示装置。 - 前記反射ミラーと前記光変調部との間の光路上に配置され、入射光のうちの可視光を透過する一方で、該入射光のうちの非可視光を反射するように構成された波長選択性ミラーをさらに備える、請求項3に記載の投写型映像表示装置。
- 複数の光源から選択した少なくとも一の光源からの入射光を前記光変調部へ向けて反射可能に構成された反射ミラーをさらに備え、
前記熱電変換素子の一面側は、前記反射ミラーにおける反射面の裏面に設置される、請求項1に記載の投写型映像表示装置。 - 筐体に収容された発熱源と、
前記筐体に収容され、かつ、前記発熱源が発生する熱の一部を回収して電力に変換可能に構成された熱電変換素子とを備え、
前記熱電変換素子は、一面側が前記発熱源が発生する熱の一部を受けて高温側面とされるとともに、他面側が低温側面とされて該高温側面と該低温側面との間の温度差によって発電するように構成され、
前記熱電変換素子の低温側面は、外気と熱交換可能に設けられる、投写型映像表示装置。
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JP2011078353A JP2012212067A (ja) | 2011-03-31 | 2011-03-31 | 投写型映像表示装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109669313A (zh) * | 2018-10-29 | 2019-04-23 | 苏州佳世达光电有限公司 | 投影机 |
JP2021093877A (ja) * | 2019-12-12 | 2021-06-17 | いすゞ自動車株式会社 | 発電装置 |
JP7408119B2 (ja) | 2019-09-04 | 2024-01-05 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 | 積層体、熱電変換素子、熱電変換素子の使用方法、発電装置、排熱回収システム、及び、方法 |
-
2011
- 2011-03-31 JP JP2011078353A patent/JP2012212067A/ja not_active Withdrawn
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