JP2012211273A - ガソリン基材、及びガソリン基材の製造方法 - Google Patents

ガソリン基材、及びガソリン基材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】FT反応により高オクタン価成分の含有量が高いガソリン基材を製造する方法、及び該方法により得られたガソリン基材の提供。
【解決手段】FT反応に活性を示す1種以上の金属と、炭酸マンガンと、固体酸を示すゼオライトとを含有し、かつ触媒組成物に対するゼオライトの含有量が65質量%より大きく80質量%以下である炭化水素類製造用触媒組成物を用いて、水素及び一酸化炭素を主成分とするガスから、(a)リサーチ法オクタン価が85〜97、(b)モータ法オクタン価が78〜85、(c)芳香族類割合が30〜50体積%、(d)オレフィン類割合が1〜10体積%、(e)含酸素分が0.5質量%以下、(f)ベンゼンが0.5体積%以下、(g)C10−C11の芳香族類割合が7〜10体積%、(h)硫黄分が0.5質量ppm以下及び(i)ナフテン類割合が11〜15体積%であるガソリン基材を製造する方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、水素と一酸化炭素を主成分とする混合ガス(以下「合成ガス」という)から、フィッシャー・トロプシュ(FT)反応により製造されたガソリン基材に関する。さらに詳しくは、FT反応に活性を示す金属と、炭酸マンガンと、固体酸を示すゼオライトとを含む炭化水素類製造用触媒組成物を用いて、FT反応により得られたガソリン基材、及びその製造方法に関する。
合成ガスから炭化水素類を合成する方法として、フィッシャー・トロプシュ(Fischer−Tropsch)反応(以下「FT反応」という。)やメタノール合成反応などが良く知られている。FT反応は鉄、コバルト、ニッケルの鉄族元素や、ルテニウム等の白金族元素を活性金属とする触媒である。一方、メタノール合成反応は銅系触媒で進行し、C2含酸素(エタノール、アセトアルデヒド等)合成はロジウム系触媒で進行することが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
ところで、近年、大気環境保全の観点から、低硫黄分の軽油が望まれており、今後その傾向はますます強くなるものと考えられる。また、原油資源は有限であるとの観点やエネルギーセキュリティーの面から、石油代替燃料の開発が望まれており、今後ますます強く望まれるようになるものと考えられる。これらの要望に応える技術として、エネルギー換算で原油に匹敵する可採埋蔵量があるといわれる天然ガス(主成分メタン)から灯軽油等の液体燃料を合成する技術であるGTL(gas to liquids)がある。天然ガスは、硫黄分を含まないか、含んでいても脱硫が容易な硫化水素(HS)等であるため、得られる灯軽油等の液体燃料には、その中に殆ど硫黄分が無く、またセタン価の高い高性能ディーゼル燃料に利用できるなどの利点があるため、このGTLは近年ますます注目されるようになってきている。
上記GTLの一環として、FT反応によって、合成ガスから炭化水素類を製造する方法が盛んに研究されている。このFT反応によって得られる炭化水素類は、メタンからワックスに至るまでの幅広い炭化水素と各種アルコールなどの微量の含酸素化合物であり、ある特定の留分を選択的に生成することはできない。そこで、例えば、FT反応によって効率的に灯軽油留分を得るために、FT反応によって生成する直留の灯軽油留分に加えて、それよりも重質なワックス留分を水素化分解して灯軽油留分を生成し、灯軽油留分の収率を増やすことが一般的に行われている。
一方、FT反応によって、ガソリン留分も得ることができる。しかしながら、FT反応によって生成される炭化水素は、直鎖のパラフィンが主成分であるため、FT反応によって得られるガソリン留分は、オクタン価が非常に低く実用性がない。通常、炭化水素のオクタン価は、芳香族炭化水素が最も高く、次いで、ナフテン系炭化水素、オレフィン系炭化水素、パラフィン系炭化水素の順に低くなる。また、同族の炭化水素では、炭素数の少ない、いわゆる低沸点のものほどオクタン価が高く、同じ炭素数でも分岐の多いものほど高い。
従来から、FT反応によって生成する炭化水素を、ゼオライトなどの固体酸触媒によって分解、異性化することによりガソリン留分を製造する方法が提案されている。例えば、ルテニウムやコバルトといったFT活性金属種(FT反応に活性を示す金属種)を含むFT合成触媒とZSM−5やβゼオライトとが共存する触媒を用いて、1段階の反応により合成ガスからガソリン留分を製造する方法(1段法)が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。また、FT合成触媒による反応と固体酸触媒による反応との2段階の反応により、それぞれを最適な温度で反応させてガソリン留分を製造する方法(2段法)も提案されている(例えば、特許文献3参照。)。その他にも、ゼオライトからなる粉末状担体の表面に、コバルトやルテニウムといったFT活性金属種をスパッタリングによって分散担持又は被覆させたFT合成用触媒を用いることにより、イソパラフィンを高選択的合成する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
ところで製品ガソリンの生産は、季節の変化に応じた製造を行っている。例えば、冬季においては、低温始動性を良くするため、他の季節に比べ、製品ガソリンの蒸気圧は高くなっている。具体的には蒸気圧を高くするため、混合ブタン留分の配合比率を増加させている。しかしながら、混合ブタン留分を増配合させると、製品ガソリンの発熱量が低下するという問題がある。そこで、特に冬季において、蒸気圧が高く、さらに発熱量とオクタン価が高いガソリン基材が求められている。
特開昭62−109888号公報 特開2007−197628号公報 特開2001−288123号公報 特開2009−106863号公報
「C1ケミストリー」、触媒学会編、講談社発行、1984年、第25ページ。
従来法のうちの1段法では、FT合成触媒と固体酸触媒の最適反応温度域が異なるため、両反応を共に効率よく行うことができない、という問題がある。例えば、FT合成触媒に最適な比較的低温で反応を行った場合、CHなどの低級炭化水素の生成は抑えられ炭素数5以上の高級炭化水素が効率よく生成するが、低温のため固体酸触媒の活性が低く、生成した炭化水素の分解や異性化反応が低下し、ガソリン収率が低下するとともに、芳香族炭化水素や分岐状の炭化水素といった高オクタン価な炭化水素の生成も低下する。逆に、固体酸触媒に最適な温度で反応を行った場合、FT反応で、CHなどの低級炭化水素やCOといったガス成分の生成が促進され、ガソリン収率が低下するといった問題が生じる。
一方で2段法では、それぞれの触媒の最適温度で反応を進行させることが可能であり、効率よくガソリン留分を製造することが可能である。しかしながら、2段目の反応前に水素を投入して水素化分解を進行させるために、生成物中のイソパラフィンは生成されるがオレフィン分が減少し、オクタン価の低下に繋がるといった問題がある。
また、特許文献4に記載のFT合成用触媒によって合成された炭化水素類は、イソパラフィン含有量は高いものの、芳香族化合物の含有量が低く、オクタン価が十分とはいえず、ガソリン基材として用いるには不十分である。
本発明では、FT反応により得られた生成物であって、芳香族やナフテン、オレフィン、分岐状のパラフィン炭化水素といった高オクタン価成分の含有量が高いガソリン基材、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく研究を進めたところ、FT反応に活性を示す金属と、炭酸マンガンと、固体酸を示すゼオライトとを含有し、かつ触媒組成物に対するゼオライトの含有量が特定の割合である触媒組成物を用いることによって、FT反応により、芳香族やナフテン、オレフィン、分岐状のパラフィンに富み、高オクタン価なガソリン留分を製造可能なことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) フィッシャー・トロプシュ反応に活性を示す1種以上の金属と、炭酸マンガンと、固体酸を示すゼオライトとを含有し、かつ、触媒組成物に対する前記ゼオライトの含有量が65質量%より大きく80質量%以下である炭化水素類製造用触媒組成物を用いて、水素及び一酸化炭素を主成分とするガスから、
(a)リサーチ法オクタン価が85〜97、
(b)モータ法オクタン価が78〜85、
(c)芳香族類割合が30〜50体積%、
(d)オレフィン類割合が1〜10体積%、
(e)含酸素分が0.5質量%以下、
(f)ベンゼンが0.5体積%以下、
(g)C10−C11の芳香族類割合が7〜10体積%、
(h)硫黄分が0.5質量ppm以下、及び
(i)ナフテン類割合が11〜15体積%
であるガソリン基材を製造することを特徴とするガソリン基材の製造方法、
(2) フィッシャー・トロプシュ反応に活性を示す1種以上の金属と、炭酸マンガンと、固体酸を示すゼオライトとを含有し、かつ、触媒組成物に対する前記ゼオライトの含有量が65質量%より大きく80質量%以下である炭化水素類製造用触媒組成物を用いて、水素及び一酸化炭素を主成分とするガスから得られた生成物のガソリン留分であり、
(a)リサーチ法オクタン価が85〜97、
(b)モータ法オクタン価が78〜85、
(c)芳香族類割合が30〜50体積%、
(d)オレフィン類割合が1〜10体積%、
(e)含酸素分が0.5質量%以下、
(f)ベンゼンが0.5体積%以下、
(g)C10−C11の芳香族類割合が7〜10体積%、
(h)硫黄分が0.5質量ppm以下、及び
(i)ナフテン類割合が11〜15体積%
であることを特徴とするガソリン基材、
(3) 前記触媒組成物が、フィッシャー・トロプシュ反応に活性を示す1種以上の金属及び炭酸マンガンを含有するフィッシャー・トロプシュ合成触媒と、固体酸を示すゼオライトとを含有することを特徴とする前記(2)記載のガソリン基材、
(4) 前記金属が、ルテニウムであることを特徴とする前記(2)又は(3)記載のガソリン基材、
(5) 前記ゼオライトがZSM−5であることを特徴とする前記(2)〜(4)のいずれか一つに記載のガソリン基材、
を提供するものである。
本発明によれば、硫黄分を含んでいない、若しくは容易に脱硫可能な硫黄分のみが含まれている上に、芳香族やナフテン、オレフィン、分岐状のパラフィン炭化水素といった高オクタン価成分の含有量が高い、優れたガソリン基材、及びその製造方法を提供することができる。
<ガソリン基材>
本発明のガソリン基材は、FT反応に活性を示す1種以上の金属と、炭酸マンガンと、固体酸を示すゼオライトとを含有し、かつ、触媒組成物に対する前記ゼオライトの含有量が65質量%より大きく80質量%以下である炭化水素類製造用触媒組成物を用いて、水素及び一酸化炭素を主成分とするガスから合成された生成物のガソリン留分であって、以下の性状を有することを特徴とする。
(a)リサーチ法オクタン価が85〜97、
(b)モータ法オクタン価が78〜85、
(c)芳香族類割合が30〜50体積%、
(d)オレフィン類割合が1〜10体積%、
(e)含酸素分が0.5質量%以下、
(f)ベンゼンが0.5体積%以下、
(g)C10−C11芳香族類割合が7〜10体積%、
(h)硫黄分が0.5質量ppm以下、及び
(i)ナフテン類割合が11〜15体積%。
以下、本発明の内容を更に詳しく説明する。
本発明のガソリン基材のリサーチ法オクタン価(RON)は85〜97であり、好ましくは87〜97であり、より好ましくは93〜97である。また、本発明のガソリン基材のモータ法オクタン価(MON)は78〜85であり、好ましくは79〜85であり、より好ましくは83〜85である。RON及びMONがこの範囲にあることにより、本発明のガソリン基材が配合されたガソリンのオクタン価を高めることができる。つまり、本発明のガソリン基材は、CO削減の面からも好ましい。なお、本発明及び本願明細書において、ガソリン基材のRON及びMONは、JISK2280に準じて測定された値を意味する。
本発明のガソリン基材の芳香族類割合は30〜50体積%であり、好ましくは40〜50体積%である。また、本発明のガソリン基材のオレフィン類割合は1〜10体積%であり、好ましくは1〜5体積%である。また、本発明のナフテン類割合は11〜15体積%であり、好ましくは12〜15体積%である。芳香族類の含有割合が30〜50体積%であり、オレフィン類の含有割合が1〜10体積%であり、さらにナフテン類の含有割合が11〜15体積%であることにより、本発明のガソリン基材はRON及びMONが高く、発熱量も高いため、ガソリン基材として好適である。なお、本発明及び本願明細書において、芳香族類割合及びオレフィン類割合は、JISK2536に準じて測定された値を意味する。
特に、本発明のガソリン基材のC10−C11芳香族類(炭素数が10又は11の芳香族類)割合は7〜10体積%であり、好ましくは8〜10体積%である。C10−C11芳香族分が当該範囲内であることにより、本発明のガソリン基材は、酸化安定性に優れている。
本発明のガソリン基材の含酸素分は0.5質量%以下であり、好ましくは0.1質量%である。含酸素化合物は、酸化安定性の低い物質が多く、金属腐食やゴム劣化を引き起こす可能性がある。含酸素分が0.5質量%以下であることにより、本発明のガソリン基材は酸化安定性に優れ、ガソリン基材として好適である。なお、本発明及び本願明細書において、ガソリン基材の含酸素分は、JISK2536に準じて測定された値を意味する。
本発明のガソリン基材のベンゼンの含有割合は0.5体積%以下であり、好ましくは0.4体積%以下である。ベンゼンの含有割合が0.5体積%以下と低いことにより、本発明のガソリン基材が配合されたガソリンは、大気中のベンゼン濃度の増加を防止し、環境汚染を低減できる可能性がある。なお、本発明及び本願明細書において、ガソリン基材のベンゼンの含有割合は、JISK2536に準じて測定された値を意味する。
本発明のガソリン基材の硫黄分は0.5質量ppm以下であり、好ましくは0.2質量ppm以下である。硫黄分が0.5質量ppm以下と低いことにより、本発明のガソリン基材は、自動車排ガス触媒の被毒を抑制し得るため好ましい。なお、本発明及び本願明細書において、ガソリン基材の硫黄分は、JISK2541に準じて測定された値を意味する。
本発明のガソリン基材のその他の炭化水素組成は、特に限定されるものではないが、例えば、n−パラフィン類が5〜15体積%、好ましくは5〜10体積%であり、i−パラフィン類が25〜35体積%、好ましくは28〜35体積%である。n−パラフィン類はオクタン価が低いが、i−パラフィン類はオクタン価が高く、ガソリン基材のオクタン価を高める点では好ましい。n−パラフィン類、i−パラフィン類が上記範囲にあることによりガソリン基材のオクタン価を高めることがより容易になる。なお、本発明及び本願明細書において、ガソリン基材の各炭化水素類の組成割合は、JISK2536に準じて測定された値を意味する。
本発明のガソリン基材の総発熱量は、35000J/mL以上であることが好ましく、35100J/mL以上であることがより好ましい。総発熱量が35000J/mL以上であれば、当該ガソリン基材が配合されたガソリンの自動車の燃費を向上させることができる。資源エネルギー庁公表のエネルギー源別発熱量によれば、JIS1号自動車ガソリンの発熱量は35100J/mLであり、JIS2号自動車ガソリンの発熱量の平均は34500J/mLである。つまり、総発熱量が35100J/mL以上であれば、本ガソリン基材を高配合した際にも現在のガソリンの発熱量を維持することが可能になる。なお、本願明細書において、ガソリン基材の総発熱量は、JISK2279:2003に定義されているように、ガソリン基材を熱量計で燃焼した場合、燃焼ガス中の水蒸気がもち凝縮潜熱及び顕熱を包含した発熱量であり、JISK2279に準じて測定された値を意味する。
本発明のガソリン基材の15℃における密度は、好ましくは0.7300〜0.7900g/cmであり、より好ましくは0.7500〜0.7900g/cmである。15℃における密度がこの範囲にあることにより、製品ガソリンに配合した際に良好な燃費を確保できる。なお、本発明及び本願明細書において、15℃における密度は、JISK2249に準じて測定された値を意味する。
本発明のガソリン基材の10容量%留出温度(T10)は、好ましくは25.0〜40.0℃であり、より好ましくは26.0〜39.0℃であり、さらに好ましくは29.0〜35.0℃である。本発明のガソリン基材の50容量%留出温度(T50)は、好ましくは90.0〜125.0℃であり、より好ましくは100.0〜125.0℃であり、さらに好ましくは110.0〜125.0℃である。また、本発明のガソリン基材の90容量%留出温度(T90)は、好ましくは165.0〜180.0℃であり、より好ましくは165.0〜170.0℃であり、さらに好ましくは166.0〜170.0℃である。また、本発明のガソリン組成物の終点温度(EP)は、好ましくは180.0〜200.0℃であり、より好ましくは185.0〜200.0℃であり、さらに好ましくは186.0〜200.0℃である。T10、T50、T90、EPがこの範囲にあることにより、本ガソリン基材の蒸留性状と製品ガソリンの蒸留性状は同等のものとなる。したがって、本ガソリン基材を高配合した場合においても、得られたガソリンの始動性、運転性、加速性における不具合の発生を防ぐことができる。なお、本発明及び本願明細書において、ガソリン組成物の蒸留性状は、JISK2249に準じて測定された値を意味する。
本発明のガソリン基材のリード蒸気圧(RVP)は、好ましくは35.0〜80.0kPaであり、より好ましくは44.0〜80.0kPaである。冬季の製品ガソリンに関しては低温始動性を良くするために、通常は混合ブタンを増配合することでRVPを高くしている。本ガソリン基材のRVPがこの範囲にある場合には、製品ガソリンのRVPを低下させることなく本ガソリン基材を製品に配合させることができる。さらに、本ガソリン基材をより多く配合することによって、混合ブタンの配合量を抑えることができ、ひいては発熱量の低下も抑えることができる。
本発明のガソリン基材は、RON及びMONがいずれも高く、かつ硫黄分が少ないため、そのままガソリンへ配合して使用することができる。また、硫黄分をなお一層低減させるために、本発明のガソリン基材に対してさらに脱硫処理を行ったものを、ガソリンへ配合してもよい。
本発明はオクタン価の高いガソリン基材であるため、オクタン価の規定が存在する製品ガソリンに対しても、高い比率で配合することができる。本発明のガソリン基材のように一酸化炭素と水素からガソリン留分を得るFT反応から得られたガソリン留分を、ガソリン基材として製品ガソリンに高い比率で配合することは、エネルギーセキュリティー問題や環境負荷低減の面からも好ましい。本発明のガソリン基材を製造する際にバイオマス由来の原料ガスを用いることによって、さらに上記効果が大きくなる。
<炭化水素類製造用触媒組成物>
本発明のガソリン基材は、合成ガスから、例えば以下に示すような、FT反応に活性を示す1種以上の金属と、炭酸マンガンと、所定の割合の固体酸を示すゼオライトとを含有する炭化水素類製造用触媒組成物を用いることにより、FT反応により合成することができる。以下、本発明のガソリン基材を製造するために好適な炭化水素類製造用触媒組成物(以下、「本発明に用いられる触媒組成物」ということがある。)について説明する。
本発明に用いられる触媒組成物を構成するFT活性金属種としては、ニッケル、コバルト、鉄、ルテニウムが挙げられる。中でも、より高活性な金属種としてルテニウムが好ましく選択される。また、これらの金属種は単独で用いることも可能であり、2種以上を複合させて用いることも可能である。
本発明に用いられる触媒組成物を構成する炭酸マンガンとしては、市販の試薬を用いてもよく、また、従来公知の方法で製造されたものを用いてもよい。従来公知の炭酸マンガンの製法としては、可溶性マンガン塩溶液とアンモニアあるいはアルカリの炭酸塩溶液とを反応させる方法が挙げられる。また、二価のマンガンイオンと炭酸イオンあるいは重炭酸イオンとの反応によっても、炭酸マンガンを得ることができる。
本発明に用いられる触媒組成物を構成するゼオライトとしては、固体酸を示すゼオライトであれば、特に限定されるものではなく、公知のゼオライトの中から適宜選択して用いることができる。固体酸とは、固体の表面がブレンステッド酸性やルイス酸性を示すものであり、均一系や不均一系の酸触媒反応に活性を有するものである。FT反応により合成された炭化水素類は、ゼオライトの固体表面の酸に接触することにより、水素化分解又は異性化される。
好ましいゼオライトとしては、ZSM−5、βゼオライト、Y型ゼオライト、USYゼオライト、モルデナイトなどが挙げられるが、特にZSM−5が好ましい。ゼオライトは、市販品を用いてもよく、公知の方法で水熱合成したものを用いることもできる。これらのゼオライトは、通常、イオン交換可能な陽イオンとしてアルカリ金属を含有するが、本発明に用いられる触媒組成物に用いるゼオライトは、陽イオンの50%以上をプロトン、アルカリ土類金属イオン、遷移金属イオン、又は希土類金属イオンで置換されたものであって、固体酸性を有するものが好ましく、特にH(プロトン)−ZSM−5が好適に用いられる。
本発明に用いられる触媒組成物は、FT活性金属種と炭酸マンガンとゼオライトとを含有していればよく、本発明の効果を損なわない限り、その他の成分を含有していてもよい。また、本発明に用いられる触媒組成物は、従来公知のいずれの方法を用いて調製してもよい。例えば、FT活性金属種と炭酸マンガンを含有するFT合成触媒とゼオライトとをそれぞれ別個に調製した後に、両者を物理的に混合することによって、本発明に用いられる触媒組成物を調製することができる。また、炭酸マンガンとゼオライトの複合成型体に、FT活性金属を含浸担持させることによっても、本発明に用いられる触媒組成物を調製することができる。
FT活性金属種と炭酸マンガンを含有するFT合成触媒を合成する方法としては、例えば、FT活性金属種を炭酸マンガンに含浸担持させる方法がある。炭酸マンガンへのFT活性金属種の担持は通常の含浸担持で行われる。例えば、ルテニウム塩の水溶液に炭酸マンガンを浸漬させることにより、ルテニウム塩を炭酸マンガンに含浸させた後、乾燥、焼成を行う。FT活性金属種として2種以上の金属を炭酸マンガンに担持させる場合、ルテニウム塩とコバルト塩を両方含む水溶液を調製し、当該水溶液を炭酸マンガンに含浸させた後に乾燥、焼成をする方式でもよく、ルテニウム塩水溶液とコバルト塩水溶液を、それぞれ別個に炭酸マンガンに含浸させた後に乾燥、焼成をする段階方式でも良く、特に規定はしない。
ルテニウム塩としては、塩化ルテニウム、硝酸ルテニウム、酢酸ルテニウム、塩化六アンモニアルテニウムなどの水溶性ルテニウム塩が挙げられる。なお、含浸担持に用いるルテニウム塩の溶液を、水溶液にかえて、アルコール、エーテル、ケトンなどの有機溶媒の溶液とすることも可能である。この場合は、各種有機溶媒に可溶な塩を選択する。
FT合成触媒中のルテニウムの含有量は、FT合成触媒基準に対し、金属量換算で0.1〜5質量%、好ましくは0.3〜4.5質量%、より好ましくは0.5〜4質量%である。ルテニウムの含有量は活性点数と関連する。ルテニウムの含有量が0.1質量%未満の場合には、活性点数が不足となり十分な触媒活性が得られなくなるおそれがある。一方で、ルテニウムの含有量が5質量%を超過した場合には、炭酸マンガン等の担体上にルテニウムが十分担持されなくなり、分散性の低下や、担体成分と相互作用を持たないルテニウム種の発現が起こりやすくなる。よって、必要以上のルテニウムの担持は、単に触媒コストを増加させるため好ましくない。
本発明に用いられる触媒組成物を構成するFT合成触媒には、炭酸マンガン及びFT活性金属種によるFT反応を阻害しない程度において、その他の成分を含有させることもできる。その他の成分としては、例えば、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナなど、通常担体として用いられる無機酸化物が挙げられる。これらの担体(無機酸化物)成分のFT合成触媒における含有量は、炭酸マンガンやFT活性金属種の効果を阻害しない限りにおいて適宜設定することができるが、一般に、担体(これらの担体成分含有量と炭酸マンガン含有量との総和)基準で5〜50質量%が適当である。
さらに、本発明に用いられる触媒組成物を構成するFT合成触媒には、炭酸マンガン及びFT活性金属種に加えて、アルカリ金属種を含有させることもできる。アルカリ金属種としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムなどが挙げられるが、中でもナトリウムやカリウムが好ましく選択される。これらのアルカリ金属種は単独で用いることも可能であり、2種以上を複合させて用いることも可能である。
FT合成触媒に、炭酸マンガン及びFT活性金属種に加えてアルカリ金属種を含有させる方法は、特に限定しない。例えば、FT活性金属種と同様にして、炭酸マンガンにアルカリ金属種を含浸担持させることができる。具体的には、例えば、ナトリウム塩やカリウム塩の水溶液を炭酸マンガンに含浸させた後、乾燥、焼成を行う。なお、FT活性金属種とアルカリ金属種を炭酸マンガンに担持させる順序は、特に限定されず、両者を含む水溶液に炭酸マンガンを浸漬させて同時に担持させることもできる。また、炭酸マンガンに含浸担持させるナトリウム塩やカリウム塩としては、塩化物、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩などの水溶性の塩が好ましい。
FT合成触媒中のナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属の含有量は、FT合成触媒基準に対し、金属量換算で好ましくは0.05〜3質量%、より好ましくは0.05〜2質量%、さらに好ましくは0.1〜1.5質量%である。ナトリウムやカリウムの含有量を0.05質量%以上とすることにより、ガス成分の生成量を抑制する効果が顕著となる。また、3質量%以下とすることにより、FT活性を低下させることなく、ガス成分の生成量を抑制することが可能となる。
ルテニウム等のFT活性金属種を炭酸マンガンに含浸させた後、乾燥、焼成を行う。このときの乾燥は、原則、FT活性金属種を炭酸マンガンに含浸担持させるときに用いた水等の溶媒を蒸散させるために行い、温度は80〜200℃が好ましく、100〜150℃がより好ましい。乾燥温度を80℃以上とすることにより、水等の蒸散を充分に促進することができる。一方、乾燥温度を200℃以下とすることにより、水等の急激な蒸散による活性金属成分の不均一化を抑制することができる。
また、焼成温度は150〜350℃が好ましく、150〜300℃がより好ましく、150〜250℃がさらに好ましい。焼成温度が350℃を大きく超えると、触媒成分中の炭酸マンガンが、マンガン酸化物と炭酸ガスへ分解するため好ましくない。本発明のガソリン基材の製造のためには、FT合成触媒成分の炭酸マンガンは、炭酸塩の形態で存在することが必須であり、酸化マンガンでは、芳香族類の含有割合が高く、オクタン価の高いFT反応性生物を得ることは難しい。一方で、焼成温度が低すぎると、FT活性金属種の活性化が図られないため好ましくない。
乾燥や焼成の時間については、処理量によって一概には決まらないが、通常1〜10時間である。処理時間が1時間未満では水分の蒸散が不十分となる可能性や、FT活性金属種の活性化が希薄となり好ましくない。また、処理時間が10時間を超えても、触媒活性は10時間以下の場合とほとんど変わらないため、作業性や生産性を考慮すると10時間以下が好ましい。なお、この乾燥や焼成処理は空気中で行うことも、あるいは窒素やヘリウムといった不活性ガス雰囲気でも、水素などの還元ガス雰囲気でもよく、特に規定はしない。
上述の含浸担持法以外に、炭酸マンガン及びFT活性金属種を含有するFT合成触媒の製造方法としては、炭酸マンガン及びFT活性金属種を含む水系のスラリーを調製し、これをスプレードライする方法が挙げられる。このときのスラリーの濃度は特に規定しないが、スラリー濃度が低すぎると炭酸マンガンの沈殿が発生し、触媒成分が不均一となり好ましくない。逆にスラリー濃度が高すぎると、スラリーの送液が困難となるため、適度なスラリー濃度を選択する。さらにこのとき、スラリーの濃度調製や触媒の成形性の向上、球状化を目的に、シリカゾル等をバインダー成分として添加することも可能である。このときのバインダーの添加量としては、触媒活性を低下させない程度が好ましく、一般には5〜20質量%の範囲で選択される。
スプレードライ法でFT合成触媒を得る場合、炭酸マンガン、FT活性金属種、及びバインダー成分を同時に含有させたスラリーをスプレーする方法や、炭酸マンガン及びバインダーを含むスラリーをスプレーし、その後、上述の含浸担持方法に則って、得られたスプレードライ品にFT活性金属種を添加する方法がある。なお、スプレードライ法における送風温度は、上記の乾燥及び焼成温度内で実施することが好ましい。
本発明に用いられる触媒組成物を構成するFT合成触媒の調製法としては、他にも、炭酸マンガンをFT活性金属種の水溶液に浸漬させて、活性金属を炭酸マンガン上に吸着させる方法や、イオン交換により活性金属を炭酸マンガンに付着させる方法、炭酸マンガンをFT活性金属種の水溶液に浸漬させる際に、アルカリなどの沈殿剤を加えることにより、活性金属を炭酸マンガンに沈着させる方法等が挙げられる。
上述の焼成処理は、FT活性金属種の活性化を図る目的があるが、焼成処理以外に、若しくは焼成処理に加えて、アルカリ性水溶液処理によって活性化を達成することも可能である。具体的には、炭酸マンガンにFT活性金属種を担持させたFT合成触媒を、アルカリ性水溶液に浸漬させる後処理を行う。アルカリ性水溶液としては、アンモニア水、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液などを用いることができ、好ましくはアンモニア水を用いることができる。アルカリ性水溶液中のアルカリの濃度は、0.05〜1N、好ましくは0.05〜0.5N、より好ましくは0.05〜0.2Nである。アルカリの濃度が0.05N未満である場合には、アルカリ性水溶液処理効果が希薄となり、その後に焼成処理を行っても触媒活性の向上があまり見られないおそれがある。逆に1Nを超える場合には、未反応のアルカリ分が多くなり、不経済であることに加えて、洗浄処理に要する水量や時間が多くなる。なお、アルカリ性水溶液処理の時間は、アルカリ分の濃度にも依るが、通常1〜10時間が好ましい。
アルカリ性水溶液で処理した後、水洗し、余剰のアルカリ分を充分に洗浄した後に、上述の乾燥、焼成処理を行う。なお、このアルカリ性水溶液処理は、炭酸マンガンにFT活性金属種を含浸担持させた後、乾燥後に行ってもよく、焼成後に行ってもよく、特に限定しない。さらに、スプレードライを行って得られた触媒や、成型した触媒に対して実施することもできる。
別個に調製したFT合成触媒及びゼオライトを混合する方法としては、例えば、FT合成触媒及びゼオライトを物理的に混合して均一な混合物としてもよく、FT合成触媒とゼオライトとを一の容器に積層して充填した積層体としてもよい。積層体とする場合には、両者が少なくとも1層ずつ形成されたものであればよく、一の容器にFT合成触媒とゼオライトを交互に充填し、FT合成触媒からなる層とゼオライトからなる層を交互に積層させた積層体であってもよい。
また、触媒組成物を実装置に用いる場合、成型が必要となるが、成型に関しても従来公知の方法を用いることができる。例えば、FT合成触媒及びゼオライトの混合物を、公知の成型方法に供することにより、本発明に用いられる触媒組成物を成型することができる。その他、炭酸マンガンとゼオライトの複合成型体に、FT活性金属を上述の方法で含浸担持させて得られた触媒組成物を、公知の成型方法に供することにより、本発明に用いられる触媒組成物を成型することができる。このような公知の成型方法としては、例えば、打錠成型、押し出し成型、ビード化などが挙げられる。なお、これらの成型方法は、常法により行うことができる。
成型する際に、触媒組成物に対して、成型性向上のために、シリカやアルミナなどをバインダー成分として混合することや、押出し性向上のために、セルロース系成型助剤やエポキシ系成型助剤、PVAなどの成型助剤を触媒活性に影響を及ぼさない範囲で添加することも可能である。
本発明に用いられる触媒組成物としては、触媒組成物中のゼオライトの含有量が65質量%より大きく80質量%以下である。触媒組成物中のゼオライトの含有量を当該範囲内にすることにより、当該触媒組成物中のFT合成触媒により生成された炭化水素類がゼオライト上で効率よく分解又は異性化され、高オクタン価なi−パラフィン類やナフテン類、芳香族類へと変換される結果、オクタン価が高く、総発熱量の大きいガソリン基材を製造することができる。
本発明に用いられる触媒組成物が、FT合成触媒とゼオライトとを含有する組成物である場合、触媒組成物中のFT合成触媒の含有割合は10質量%以上35質量%未満、好ましくは20質量%以上30質量%未満である。FT合成触媒を10質量%以上含有させた場合には、FT反応による炭化水素の生成が十分進行するため好ましい。また、FT合成触媒の含有量が35質量%未満の場合には、触媒組成物中に十分量のゼオライトを含有させることができる。
本発明に用いられる触媒組成物を用いることにより、原料合成ガスのCO転化率が高く、また、ガス成分の生成が少なく、かつ芳香族やナフテン、オレフィン、分岐状のパラフィン炭化水素といった高オクタン価成分の選択性に富むガソリン留分を、合成ガスから1段の反応によって高収率に得ることができる。当該触媒組成物により、従来公知の方法に比べて非常に効率よく高オクタン価なガソリン留分を製造し得ることに関する詳細については、未だ解明されておらず、現在、鋭意検討中ではあるが、以下のように推察される。本発明に用いられる触媒組成物を用いた反応においては、合成ガスからFT合成触媒により合成された炭化水素類が、固体酸を示すゼオライトに接触することにより、適度に分解又は異性化される。一般的に、ゼオライトによる炭化水素類の分解又は異性化反応等を効率よく行うためには、230℃以上でゼオライトを反応させることが好ましい。本発明においては、FT合成触媒として炭酸マンガンを含有するFT合成触媒を用いることにより、高い反応温度においても、炭素数1〜4の低級炭化水素やCOといったガス成分の生成が抑制され、効率的に炭化水素を生成することができるとともに、高温度で固体酸触媒(ゼオライト)が有効に作用し、高オクタン価なガソリン留分製造が可能になると推察している。
<本発明のガソリン基材の製造方法>
本発明に用いられる触媒組成物を用いた一段階のFT反応を行って得られた生成物のガソリン留分(20〜200℃の留分)を、本発明のガソリン基材として用いることができる。ガソリン留分は、蒸留等の常法により回収することができる。
本発明に用いられる触媒組成物を用いたFT反応の反応器の形式としては、固定床、流動床、懸濁床、スラリー床などが挙げられ、特に限定されない。その一例として、以下に、固定床による炭化水素類の製造方法を記載する。
固定床にて触媒の活性評価を行う場合は、粉体触媒ではリアクター内での差圧の発生が懸念されるため、触媒の形状としては押出し品やビード品等の成型品であることが好ましい。触媒組成物の大きさとしては、反応器の規模にもよるが、触媒形状として粒子径が0.5mm〜5mmであることが好ましく、1.0mm〜3mmであることがより好ましい。粒子径が0.5mm以上の場合には、リアクター内の差圧の上昇を十分に抑制することができる。一方、粒子径を3mm以下とすることにより、触媒の有効係数を向上させ、効率よく反応を進行させることが可能となる。
本発明に用いられる触媒組成物は、反応に供する前に、予め還元処理(活性化処理)される。この還元処理により、触媒が反応において所望の触媒活性を示すように活性化される。この還元処理を行わなかった場合には、FT活性金属種が十分に還元されず、所望の触媒活性を示さない。還元処理温度は、140〜350℃が好ましく、150〜300℃がより好ましい。140℃未満では、FT活性金属種が十分に還元されず、十分な反応活性が得られない。また、350℃を大幅に超える高温では、触媒成分の炭酸マンガンの酸化マンガンへの分解が進行して活性低下を招く可能性が高くなる。
この還元処理には、水素を主成分とする還元性ガスを好ましく用いることができる。用いる還元性ガスには、水素以外の成分、例えば水蒸気、窒素、希ガスなどを、還元を妨げない範囲である程度の量を含んでいても良い。この還元処理は、上記処理温度と共に、水素分圧及び処理時間にも影響される。還元処理における水素分圧は、0.1〜10MPaが好ましく、0.5〜6MPaがより好ましく、0.9〜3MPaが最も好ましい。還元処理時間は、触媒量、水素通気量等によっても異なるが、一般に、0.1〜72時間が好ましく、1〜48時間がより好ましく、3〜48時間が最も好ましい。処理時間が0.1時間未満では、触媒の活性化が不十分となるおそれがある。一方、72時間を超える長時間還元処理をしたとしても、触媒に与える悪影響は無いが、触媒性能の向上も見られないため、処理コストが嵩むなどの好ましくない問題を生じる。
上記の如く還元処理した本発明に用いられる触媒組成物に、合成ガスを通気させることにより、FT反応を行うことができる。
用いる合成ガスは、水素及び一酸化炭素を主成分としていれば良く、反応を妨げない範囲において、他の成分が混入されていても差し支えない。例えば、一例として、本発明のガソリン基材を製造するためには、バイオマスをガス化した合成ガスを用いることができる。この際のバイオマスの種類としては、食糧、建材、パルプなどの農林水産資源バイオマスや、農業、林産、畜産廃棄物などの廃棄物バイオマス、サトウキビ、パームヤシ、海藻などのプランテーションバイオマスなどが挙げられる。中でも、食糧と競合しない未利用の廃棄物バイオマスを用いることが好ましい。バイオマスのガス化方法については特に制限はされない。例えば、バイオマスのガス化方法としては、直接ガス化、間接ガス化、常圧ガス化、加圧ガスなど各種あり、また、ガス化炉形式としては固定床、流動床、噴流床など多岐にわたる。本発明に用いられる触媒組成物を用いて本発明のガソリン基材を製造する場合においては、これらのいずれの方法を用いてガス化したバイオマスを用いてもよい。
反応の速度(k)は、水素分圧に約一次で依存するため、水素及び一酸化炭素の分圧比(H/COモル比)は、0.6以上であることが望まれる。この反応は、体積減少を伴う反応であるため、水素及び一酸化炭素の分圧の合計値が高いほど好ましい。水素及び一酸化炭素の分圧比は、前述したバイオマスのガス化では、原料種やガス化方法の違いにより変動するが、本発明のガソリン基材を製造する際には、その上限は特に制限されない。
現実的なこの水素及び一酸化炭素の分圧比の範囲としては、0.6〜2.7が適当であり、好ましくは0.8〜2.5、より好ましくは1〜2.3である。この分圧比が0.6未満では、生成する炭化水素類の収量が低下する傾向が見られ、また、この分圧比が2.7を超えると生成する炭化水素類においてガス成分が増える傾向が見られる。
さらに、本発明に用いられる触媒組成物を用いて本発明のガソリン基材を製造する場合、合成ガス中に二酸化炭素が共存しても問題はない。合成ガス中に共存させる二酸化炭素としては、例えば石油製品の改質反応や天然ガス等から得られるものでも問題なく用いることができる。また、FT反応を妨げない他の成分が混入されている二酸化炭素も、合成ガス中に共存させることができる。例えば、石油製品等の水蒸気改質反応から出るもののように水蒸気や部分酸化された窒素等が含有された二酸化炭素でも良い。
このような二酸化炭素を、二酸化炭素が含有されてない合成ガスに積極的に添加したガスを、本発明に用いられる触媒組成物に通気させてもよい。また、天然ガスを自己熱改質法あるいは水蒸気改質法等で改質して得られた、二酸化炭素を含有する合成ガスを、脱炭酸処理することなくそのまま、本発明に用いられる触媒組成物に通気させて反応に供することもできる。二酸化炭素を含有する合成ガスをそのまま反応に供することにより、脱炭酸処理に要する設備建設コスト及び運転コストを削減することができ、得られる炭化水素類の製造コストを低減することができる。
反応に供する合成ガス(混合ガス)の全圧(全成分の分圧の合計値)は、0.3〜10MPaが好ましく、0.5〜7MPaがより好ましく、0.8〜5MPaがさらに好ましい。低圧では、連鎖成長が不十分となり、ガソリン分、灯軽油分、ワックス分などの収率が低下する傾向が見られるため好ましくない。平衡上は、水素及び一酸化炭素の分圧が高いほど有利になるが、該分圧が高まるほどプラント建設コスト等が高額となりやすく、また、圧縮に必要な圧縮機などの大型化により運転コストが上昇する傾向にある。したがって、産業上の観点から該分圧の上限は規制される。
FT反応における合成ガスと触媒との接触時間(以下W/Fと記す:weight/flow[g・h/mol])は、好ましくは1〜100、より好ましくは1.5〜90、さらに好ましくは2〜80である。W/Fの値は、処理量や用いる触媒の性能によって異なるが、一般に、W/Fが1以上であれば、十分なCO転化率が得られ、液体生成物の収率が向上する。また、W/Fが100以下であれば、用いる触媒量の増加による不必要な反応器の大型化を抑制することができる。
FT合成触媒上では、一般に、合成ガスのH/COモル比が同一であれば、反応温度が低いほど連鎖成長確率やC5+選択性(炭素数5以上の炭化水素類の合成の選択性)が高くなるが、CO転化率は低くなる。逆に、反応温度が高くなれば、連鎖成長確率及びC5+選択性は低くなるが、CO転化率は高くなる。また、H/CO比が高くなれば、CO転化率が高くなり、連鎖成長確率及びC5+選択性は低下し、H/CO比が低くなれば、その逆となる。これらのファクターがFT反応に及ぼす効果は、用いる触媒の種類等によってその大小が異なるが、本発明に用いられる触媒組成物を用いて本発明のガソリン基材を製造する場合には、反応温度は230〜350℃を採用し、240〜310℃が好ましく、250〜300℃がさらに好ましい。反応温度が230℃以上であれば、FT合成触媒及びゼオライトの双方が有効に作用し、炭化水素類の生成及びその分解反応や異性化反応等によって高オクタン価なガソリン留分の製造が可能になる。また、反応温度を350℃以下とすることで、FT合成触媒上での好ましくないガス成分の生成を抑制すること、及びゼオライト上での過分解によるガス成分の生成を抑えることが可能となる。
なお、CO転化率、及び各種生成物の選択率は下記式で定義されるものである。下記式中、「C2−4生成物」は炭素数が2〜4である生成物を意味する。
〔CO転化率〕
CO転化率=[(単位時間当たりの原料ガス中のCOモル数)−(単位時間当たりの出口ガス中のCOモル数)]/(単位時間当たりの原料ガス中のCOモル数)×100
〔CH選択率〕
CH選択率=(単位時間当たりの出口ガス中のCHモル数)/[単位時間当たりの原料ガス中のCOモル数)−(単位時間当たりの出口ガス中のCOモル数)]×100
〔CO選択率〕
CO選択率=(単位時間当たりの出口ガス中のCOモル数)/[単位時間当たりの原料ガス中のCOモル数)−(単位時間当たりの出口ガス中のCOモル数)]×100
〔C2−4選択率〕
C2−4選択率=(単位時間当たりの出口ガス中の、C2−4生成物中のCモル数)/[単位時間当たりの原料ガス中のCOモル数)−(単位時間当たりの出口ガス中のCOモル数)]×100
〔C5+選択率〕
C5+選択率=100−[(CH選択率)+(CO選択率)+(C2−4選択率)]
〔ガソリン選択率〕
ガソリン選択率=C5+選択率×ガソリン留分割合/100
〔C5+収率〕
C5+収率=(CO転化率)×(C5+選択率)/100
〔ガソリン収率〕
ガソリン収率=(C5+収率)×ガソリン留分割合/100
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例により何ら制限されるものではない。
以下の実施例において、CO分析は、Active Carbon(60/80mesh)を分離カラムに用いた熱伝導度型ガスクロマトグラフ(TCD−GC)を用いて行った。原料ガスには、内部標準としてArを25体積%添加した合成ガス(HとCOの混合ガス)を用いた。定性及び定量分析は、COのピーク位置及びピーク面積をArと比較することにより行った。また、生成物の組成分析は、キャピラリーカラム(TC−1)を用い、水素炎イオン検出器ガスクロマトグラフ(FID−GC)を用いて行った。触媒の化学成分の同定は、ICP発光分光分析法(CQM−10000P、島津製作所製)により求めた。
[実施例1]
炭酸マンガンとして和光純薬工業製の炭酸マンガン(II)n水和物を使用した。炭酸マンガン15.5gを秤量し、日揮触媒化成製、シリカゾルSI−550(SiO含有量:20.6%)18.8gと塩化ルテニウム(小島化学製、Ru Assay:40.79質量%)1.47gと混合し、1時間放置した後、空気中200℃で一晩焼成した。得られた焼成物を乳鉢で粉砕し、FT合成触媒である触媒aを得た。ICP発光分光分析法にて触媒aの化学組成分析を行った結果、ルテニウムは金属換算で3.2質量%であった。
触媒aを3gと固体酸を示すゼオライトH−ZSM−5(ズードケミー製、MFI−90)7gとを十分混合し、触媒組成物である触媒Aを得た。
触媒Aの全量を100meshの炭化ケイ素34.6gで希釈し、内径15.5mmの反応管に充填し、水素分圧0.9MPa・G、温度170℃、流量100(STP)ml/min(STP:standard temperature and pressure)で水素を通気させて3時間還元した。還元後、H/CO比約2の合成ガス(Arを約25体積%含む)に切り換え、温度280℃、全圧0.9MPa・Gに設定して反応を行った。
触媒Aに対する合成ガス(H+CO)の接触時間(W/F:weight/flow[g・h/mol])は約13.4g・hr/molであった。なお、混合したH−ZSM−5はFT反応に対して全く活性を示さないことから、W/Fは、FT合成触媒に対する合成ガスの接触時間で表している。反応結果及び得られた液状生成物のガソリン留分(20〜200℃の留分)中の組成分析(RON及びMONを含む)の結果を表1に示す。
[実施例2]
触媒aと混合するH−ZSM−5の量を12gとした以外は、実施例1と同様の方法で反応を行った。反応結果、及び得られた液状生成物のガソリン留分中の組成分析の結果を表1に示す。
[参考例1]
触媒aと混合するH−ZSM−5の量を0.33gとした以外は、実施例1と同様の方法で反応を行った。反応結果、及び得られた液状生成物のガソリン留分中の組成分析の結果を表1に示す。
[参考例2]
触媒aと混合するH−ZSM−5の量を3gとした以外は、実施例1と同様の方法で反応を行った。反応結果、及び得られた液状生成物のガソリン留分中の組成分析の結果を表1に示す。
[参考例3]
触媒aと混合するH−ZSM−5の量を17gとした以外は、実施例1と同様の方法で反応を行った。反応結果、及び得られた液状生成物のガソリン留分中の組成分析の結果を表1に示す。
[参考例4]
触媒aと混合するH−ZSM−5の量を27gとした以外は、実施例1と同様の方法で反応を行った。反応結果、及び得られた液状生成物のガソリン留分中の組成分析の結果を表1に示す。
Figure 2012211273
表1の結果より、H−ZSM−5を80質量%含む実施例2の触媒組成物、及びH−ZSM−5を70質量%含む実施例1の触媒組成物により得られたガソリン留分は、いずれもオクタン価が高く、かつ総発熱量も35100J/mLと非常に高かった。よって、これらのガソリン基材を高配合した場合でも、従来のガソリンの発熱量を維持できることが期待できる。一方で、H−ZSM−5を10質量%しか含まない参考例1の触媒組成物により得られたガソリン留分は、オクタン価が低く、総発熱量も低かった。H−ZSM−5を50質量%含む参考例2の触媒組成物により得られたガソリン留分は、オクタン価は、実施例1及び2よりも若干低いものの、参考例1よりも高かった。しかしながら、総発熱量は34781J/mLと低目であり、35000J/mLに届かなかった。一方、H−ZSM−5を85質量%又は90質量%含む参考例3及び4の触媒組成物により得られたガソリン留分は、いずれもオクタン価は実施例1等と同様に高いものの、参考例2と同様、発熱量が35100J/mLに満たなかった。

Claims (5)

  1. フィッシャー・トロプシュ反応に活性を示す1種以上の金属と、炭酸マンガンと、固体酸を示すゼオライトとを含有し、かつ、触媒組成物に対する前記ゼオライトの含有量が65質量%より大きく80質量%以下である炭化水素類製造用触媒組成物を用いて、水素及び一酸化炭素を主成分とするガスから、
    (a)リサーチ法オクタン価が85〜97、
    (b)モータ法オクタン価が78〜85、
    (c)芳香族類割合が30〜50体積%、
    (d)オレフィン類割合が1〜10体積%、
    (e)含酸素分が0.5質量%以下、
    (f)ベンゼンが0.5体積%以下、
    (g)C10−C11の芳香族類割合が7〜10体積%、
    (h)硫黄分が0.5質量ppm以下、及び
    (i)ナフテン類割合が11〜15体積%
    であるガソリン基材を製造することを特徴とするガソリン基材の製造方法。
  2. フィッシャー・トロプシュ反応に活性を示す1種以上の金属と、炭酸マンガンと、固体酸を示すゼオライトとを含有し、かつ、触媒組成物に対する前記ゼオライトの含有量が65質量%より大きく80質量%以下である炭化水素類製造用触媒組成物を用いて、水素及び一酸化炭素を主成分とするガスから得られた生成物のガソリン留分であり、
    (a)リサーチ法オクタン価が85〜97、
    (b)モータ法オクタン価が78〜85、
    (c)芳香族類割合が30〜50体積%、
    (d)オレフィン類割合が1〜10体積%、
    (e)含酸素分が0.5質量%以下、
    (f)ベンゼンが0.5体積%以下、
    (g)C10−C11の芳香族類割合が7〜10体積%、
    (h)硫黄分が0.5質量ppm以下、及び
    (i)ナフテン類割合が11〜15体積%
    であることを特徴とするガソリン基材。
  3. 前記触媒組成物が、フィッシャー・トロプシュ反応に活性を示す1種以上の金属及び炭酸マンガンを含有するフィッシャー・トロプシュ合成触媒と、固体酸を示すゼオライトとを含有することを特徴とする請求項2記載のガソリン基材。
  4. 前記金属が、ルテニウムであることを特徴とする請求項2又は3記載のガソリン基材。
  5. 前記ゼオライトがZSM−5であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のガソリン基材。
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