JP2012210018A - 直流給電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】直流バスに電力変換器を介さず蓄電部を直結した直流給電システムにおいて、蓄電池の充放電制御を実現可能とする。
【解決手段】直流給電システムは、系統電力40および直流負荷5間に配設された直流バス1と、直流バス1に直結される蓄電部3と、直流バス1および系統電力40の間で電力変換するDC/AC変換器42およびAC/DC変換器44とを備える。DC/AC変換器42は、蓄電部3の充放電電流の検出値が第1の制御目標値になるように電力変換動作を制御する制御部を含む。AC/DC変換器44は、充放電電流の検出値が第2の制御目標値になるように電力変換動作を制御する制御部を含む。第2の制御目標値は、第1の制御目標値よりも小さくなるように、充放電電流の目標値に応じて設定される。
【選択図】図1
【解決手段】直流給電システムは、系統電力40および直流負荷5間に配設された直流バス1と、直流バス1に直結される蓄電部3と、直流バス1および系統電力40の間で電力変換するDC/AC変換器42およびAC/DC変換器44とを備える。DC/AC変換器42は、蓄電部3の充放電電流の検出値が第1の制御目標値になるように電力変換動作を制御する制御部を含む。AC/DC変換器44は、充放電電流の検出値が第2の制御目標値になるように電力変換動作を制御する制御部を含む。第2の制御目標値は、第1の制御目標値よりも小さくなるように、充放電電流の目標値に応じて設定される。
【選択図】図1
Description
この発明は、直流給電システムに関し、より特定的には、直流負荷に直流電力を安定して給電するための構成に関する。
直流負荷に直流電力を給電するための直流給電システムとして、たとえば特開2010−183663号公報(特許文献1)は、商用系統に代表される交流電源の電力を整流装置で直流に変換する直流電源と、この直流電源の直流電源を負荷側へ配電する直流配電線と、この直流配電線から配電される直流電力を電力変換装置を介して電力消費する負荷とからなる構成を開示する。この特許文献1に記載の直流給電システムには、直流配電系統の電圧を安定化するための電圧安定化装置が設けられる。この電圧安定化装置は、直流配電系統の直流系統電圧から振動成分を抽出し、この振動成分を打ち消すための制御量を予め設定された負荷に供給すべき電圧設定値に合算して最終電圧設定値を生成する。そして、負荷の電圧がこの最終電圧設定値と等しくなるように電力変換装置を制御する。
上記の特許文献1に記載の直流給電システムでは、直流配電系統の電圧を安定化するためには、電圧安定化装置が、電圧検出器により直流配電系統の直流系統電圧の検出値を取込み、当該直流系統電圧の電圧振動成分を抽出し、当該振動成分を抑制するために流したい電流指令値を生成する必要があるため、システム全体の制御が複雑化するという問題があった。
このような課題を解決するためには、蓄電池のような電圧安定化能力の高い電圧源を電力変換器を介さず直流バスに直結することによって、直流バスの電圧を無制御で安定化させることが可能である。
その一方、蓄電池を直流バスに直結させる構成においては、直流バスの電圧の振動が抑えられるものの、商用系統と直流バスとの間に設けられた電力変換装置が電力変換動作を行なう際に、直流バスを流れる直流電流が振動する。そして、この直流電流の振動は、直流バスに直結される蓄電部の充放電電流の振動となる。蓄電部の充放電電流が振動すると、蓄電部の充放電電流が所望の電流目標値になるように電力変換装置の電力変換動作を制御することが困難となってしまう。
それゆえ、この発明は係る課題を解決するためになされたものであり、その目的は、直流バスに電力変換器を介さず蓄電部を直結した直流給電システムにおいて、蓄電池の充放電制御を実現可能とすることである。
この発明のある局面に従えば、直流負荷に直流電力を供給するための直流給電システムであって、系統電力および直流負荷の間に配設された直流バスと、電源電圧を直流バスに出力する蓄電部と、蓄電部の充放電電流を検出する充放電電流検出部と、直流バスおよび系統電力の間で電力変換する電力変換装置とを備える。電力変換装置は、直流バスからの直流電力を交流電力に変換して系統電力へ供給する直流/交流変換器と、系統電力からの交流電力を直流電力に変換して直流バスへ供給する交流/直流変換器とを含む。直流給電システムは、制御目標値を蓄電部の充電電流の目標値以上となる第1の値に設定するとともに、充電電流の検出値が第1の値になるように、直流/交流変換器の電力変換動作を制御する第1の電力変換制御手段と、制御目標値を第1の値よりも小さい第2の値に設定するとともに、充電電流の検出値が第2の値になるように、交流/直流変換器の電力変換動作を制御する第2の電力変換制御手段とをさらに備える。
この発明の別の局面に従えば、直流負荷に直流電力を供給するための直流給電システムであって、系統電力および直流負荷の間に配設された直流バスと、電源電圧を直流バスに出力する蓄電部と、蓄電部の充放電電流を検出する充放電電流検出部と、直流バスおよび系統電力の間で電力変換する電力変換装置とを備える。電力変換装置は、直流バスからの直流電力を交流電力に変換して系統電力へ供給する直流/交流変換器と、系統電力からの交流電力を直流電力に変換して直流バスへ供給する交流/直流変換器とを含む。直流給電システムは、制御目標値を蓄電部の放電電流の目標値以下となる第3の値に設定するとともに、放電電流の検出値が第3の値になるように、直流/交流変換器の電力変換動作を制御する第3の電力変換制御手段と、制御目標値を第3の値よりも大きい第4の値に設定するとともに、放電電流の検出値が第4の値になるように、交流/直流変換器の電力変換動作を制御する第4の電力変換制御手段とをさらに備える。
この発明の別の局面に従えば、直流負荷に直流電力を供給するための直流給電システムであって、系統電力および直流負荷の間に配設された直流バスと、電源電圧を直流バスに出力する蓄電部と、蓄電部の充放電電流を検出する充放電電流検出部と、直流バスおよび系統電力の間で電力変換する電力変換装置とを備える。電力変換装置は、直流バスからの直流電力を交流電力に変換して系統電力へ供給する直流/交流変換器と、系統電力からの交流電力を直流電力に変換して直流バスへ供給する交流/直流変換器とを含む。直流給電システムは、充放電電流の検出値が第1の制御目標値になるように、直流/交流変換器の電力変換動作を制御する直流/交流変換制御手段と、充放電電流の検出値が第2の制御目標値になるように、交流/直流変換器の電力変換動作を制御する交流/直流変換制御手段と、第2の制御目標値が、第1の制御目標値よりも小さくなるように、充放電電流の目標値に応じて第1および第2の制御目標値を設定する制御目標値設定手段とをさらに備える。
この発明の別の局面に従えば、直流負荷に直流電力を供給するための直流給電システムであって、系統電力および直流負荷の間に配設された直流バスと、電源電圧を直流バスに出力する蓄電部と、蓄電部の充放電電流を検出する充放電電流検出部と、直流バスおよび系統電力の間で電力変換する電力変換装置とを備える。電力変換装置は、直流バスからの直流電力を交流電力に変換して系統電力へ供給する直流/交流変換器と、系統電力からの交流電力を直流電力に変換して直流バスへ供給する交流/直流変換器とを含む。直流給電システムは、充放電電流の検出値が第1の制御目標値になるように、直流/交流変換器の電力変換動作を制御する直流/交流変換制御手段と、充放電電流の検出値が第2の制御目標値になるように、交流/直流変換器の電力変換動作を制御する交流/直流変換制御手段と、充放電電流を、直流バスが直流電圧を蓄電部に供給する充電方向を負方向とし、蓄電部が直流電圧を直流バスに供給する放電方向を正方向としたときに、第2の制御目標値が、第1の制御目標値よりも大きくなるように、充放電電流の目標値に応じて第1および第2の制御目標値を設定する制御目標値設定手段とをさらに備える。
好ましくは、第1の値は、充電電流の変動範囲に応じた所定量を充電電流の目標値に加算した値であり、第2の値は、所定量を充電電流の目標値から減算した値である。
好ましくは、第3の値は、放電電流の変動範囲に応じた所定量を放電電流の目標値に加算した値であり、第4の値は、所定量を放電電流の目標値から減算した値である。
好ましくは、制御目標値設定手段は、第1の制御目標値と、第2の制御目標値との差を、充放電電流の変動範囲に応じて設定する。
好ましくは、直流給電システムは、分散電源装置と、分散電電装置の発電量および蓄電部の残量に少なくとも基づいて、充放電電流の目標値を設定する電流目標値設定手段をさらに備える。
好ましくは、蓄電部は、直流バスに直結される。
この発明によれば、直流バスに電力変換器を介さず蓄電部を直結した直流給電システムにおいて、安定した蓄電部の充放電制御を行なうことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態に従う直流給電システムの全体の構成を概略的に示す図である。
図1を参照して、本実施の形態に従う直流給電システムは、直流バス1と、太陽光発電システム2と、蓄電部3と、系統電力システム4と、直流負荷5と、充放電電流検出部60とを備える。
直流バス1は、直流負荷5に直流電力を供給する。直流負荷5は、一例として、家庭で使用される空調機、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、照明装置またはパーソナルコンピュータのような電気機器である。あるいは、オフィスで使用されるコンピュータ、複写機またはファクシミリのような電気機器や、または、店舗で使用されるショーケースまたは照明装置のような電気機器であってもよい。直流バス1には、太陽光発電システム2、蓄電部3および系統電力システム4が接続されている。
なお、本実施の形態に従う直流給電システムにおいては、直流バス1、太陽光発電システム2、蓄電部3、系統電力システム4および直流負荷5をそれぞれ1個ずつ備える場合について説明するが、これらの個数には制限がなく、1個でも複数個であってもよい。
直流バス1は、電力線対である正母線PLおよび負母線NLで構成される。
(蓄電部の構成)
蓄電部3は、一例として、リチウムイオン二次電池などの充放電可能に構成された二次電などからなる。蓄電部3は、複数の電池セルを直列接続して構成されており、一例として、定格電圧380Vおよび10Ahを有している。
(蓄電部の構成)
蓄電部3は、一例として、リチウムイオン二次電池などの充放電可能に構成された二次電などからなる。蓄電部3は、複数の電池セルを直列接続して構成されており、一例として、定格電圧380Vおよび10Ahを有している。
図2は、蓄電部3の残容量−電圧曲線を示す図である。図2において、横軸は蓄電部3の残容量(SOC:State of Charge)(%)、縦軸は蓄電部3の電圧(V)を示している。なお、SOCは、満充電容量に対する現在の残容量を百分率(0〜100%)で示したものである。図2を参照して、蓄電部3は、空状態(SOCが0%)のときに300Vとなり、SOCが20%のときに360Vとなり、SOCが50%のときに380V(定格電圧)となり、SOCが80%のときに400Vとなり、満充電状態(SOCが100%)のときに420Vとなる。
なお、上述の図2に示す特性は、蓄電部3の一例として、リチウムイオン二次電池を用いた場合について説明したが、蓄電部3としては、リチウムイオン電池に限らず、鉛蓄電池またはニッケル水素電池などを使用することも可能である。
ここで、図1に示す構成において、蓄電部3は、直流バス1に「直結」されており、直流バス1との間で直流電力の授受を行なう。ここで、「直結」とは、直流バス1と蓄電部3との間に、DC/DC変換器のような電力変換器が介在していないことを意味する。したがって、直流バス1の電圧は、蓄電部3の電源電圧とほぼ等しくなる。このように蓄電部3を直流バス1に直結する構成としたことにより、蓄電部3が有する高い電圧安定化能力を活かして、急激な負荷変動による直流バス1の電圧変動を抑制することが可能となる。
充放電電流検出部60は、直流バス1に介挿され、蓄電部3に対して入出力される充放電電流Ibを検出し、その検出値を系統電力システム4内のDC/AC変換器42およびAC/DC変換器44へ出力する。以下では、充放電電流Ibは、直流バス1が直流電圧を蓄電部3に供給する充電方向を正方向とし、蓄電部3が直流電圧を直流バス1に供給する放電方向を負方向とする。また、正方向(充電方向)に流れている充放電電流Ibを充電電流Ichと表記し、負方向(放電方向)に流れている充放電電流Ibを放電電流Idcと表記する。
(太陽光発電システムの構成)
太陽光発電システム2は、太陽電池20と、DC/DC変換器22とを含む。太陽電池20は、結晶型太陽電池、多結晶型太陽電池または薄膜型太陽電池などで構成されており、一例として、5kWを発電することができるものが使用される。DC/DC変換器22は、太陽電池20と直流バス1との間に配置されており、太陽電池20から受ける直流電力を電圧変換して直流バス1へ供給する。DC/DC変換器22における電圧変換動作は、太陽電池20の出力電圧と、直流バス1の電圧(正母線PLおよび負母線NLの間の線間電圧)とに応じて、図示しない制御部からのスイッチング指令に従って制御される。具体的には、直流バス1の電圧が420V(満充電状態のときの蓄電部3の電源電圧に相当)よりも低いときには、DC/DC変換器22は、太陽電池20を最大電力点追従(MPPT)制御する。そして、直流バス1の電圧が420Vに到達すると、DC/DC変換器22は、最大電力点制御から直流バス1の電圧を420Vに維持するための制御に切替えて太陽電池20を制御する。
太陽光発電システム2は、太陽電池20と、DC/DC変換器22とを含む。太陽電池20は、結晶型太陽電池、多結晶型太陽電池または薄膜型太陽電池などで構成されており、一例として、5kWを発電することができるものが使用される。DC/DC変換器22は、太陽電池20と直流バス1との間に配置されており、太陽電池20から受ける直流電力を電圧変換して直流バス1へ供給する。DC/DC変換器22における電圧変換動作は、太陽電池20の出力電圧と、直流バス1の電圧(正母線PLおよび負母線NLの間の線間電圧)とに応じて、図示しない制御部からのスイッチング指令に従って制御される。具体的には、直流バス1の電圧が420V(満充電状態のときの蓄電部3の電源電圧に相当)よりも低いときには、DC/DC変換器22は、太陽電池20を最大電力点追従(MPPT)制御する。そして、直流バス1の電圧が420Vに到達すると、DC/DC変換器22は、最大電力点制御から直流バス1の電圧を420Vに維持するための制御に切替えて太陽電池20を制御する。
(系統電力システムの構成)
図1に示す構成において、系統電力システム4は、直流バス1との間で直流電力の授受を行なう。系統電力システム4は、DC/AC変換器42と、AC/DC変換器44と、系統電力40とを含む。
図1に示す構成において、系統電力システム4は、直流バス1との間で直流電力の授受を行なう。系統電力システム4は、DC/AC変換器42と、AC/DC変換器44と、系統電力40とを含む。
系統電力40は、電力会社等から受電する電力(たとえば、AC200Vとする)である。DC/AC変換器42およびAC/DC変換器44は、直流バス1および系統電力40の間に並列接続される。本実施の形態に従う直流給電システムにおいては、AC/DC変換器44を介して電力会社等から系統電力40を買う(買電)するとともに、DC/AC変換器42を介して余剰電力を電力会社等に売る(売電)することを可能に構成されている。なお、図1では、DC/AC変換器42に流れる電流をIsell、AC/DC変換器44に流れる電流をIbuyと表記する。また、太陽光発電システム2の出力電流をIpv、直流負荷5に供給される電流をIloadと表記する。買電時においては、電流Ibuyから電流Iloadを差し引いた電流が、蓄電部3の充電電流Ichとなる。また、売電時においては、太陽光発電システム2の出力電流Ipvおよび/または蓄電部3の放電電流Idcの合計値から電流Iloadを差し引いた電流が、電流Isellとなる。電流IsellおよびIbuyをどのような値にするかについては、直流給電システムの使用者または管理者が自在に設定することができる。
DC/AC変換器42は、直流バス1から受ける直流電力を交流電力に変換して系統電力40へ供給する。図3は、図1におけるDC/AC変換器42の概略構成図である。
図3を参照して、DC/AC変換器42は、DC/AC変換部30と、連系リアクトル32と、制御部34と、直流電圧検出部36と、自経路電流検出部38とを含む。
DC/AC変換部30は、制御部34からの駆動信号DRV1に応じて、直流バス1から受けた直流電力を交流電力に変換して系統電力40(図1)へ出力する。DC/AC変換部30は、スイッチング素子であるトランジスタQ1〜Q4と、ダイオードD1〜D4とを含む。トランジスタQ1,Q2は、直流バス1を構成する正母線PLおよび負母線NLの間に直列に接続される。連系リアクトル32は、トランジスタQ1およびQ2の接続点と系統電力40との間に接続される。トランジスタQ3,Q4は、正母線PLおよび負母線NLの間に直列に接続される。連系リアクトル32は、トランジスタQ3およびQ4の接続点と系統電力40との間に接続される。各トランジスタQ1〜Q4のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD1〜D4がそれぞれ接続されている。
なお、トランジスタQ1〜Q4として、たとえば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いることができる。または、パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field-Effect Transistor)等の電力スイッチング素子を用いてもよい。
直流電圧検出部36は、正母線PLと負母線NLとの間に接続され、直流バス1からDC/AC変換部30へ供給される直流電力の電圧値(直流電圧)Vdcを検出し、その検出結果を制御部34へ出力する。
自経路電流検出部38は、負母線NLに介挿され、直流バス1からDC/AC変換部30へ供給される直流電力の電流値(自経路電流)Isellを検出し、その検出結果を制御部34へ出力する。
制御部34は、直流電圧検出部36から受けた直流電圧Vdcと、自経路電流検出部38から受けた自経路電流Isellと、充放電電流検出部60から受けた充放電電流Ibとに基づいて、図4に示す制御構造に従って、トランジスタQ1〜Q4のオン・オフを制御する駆動信号DRV1を生成し、DC/AC変換部30を制御する。
図4は、図3における制御部34の制御構造を示す図である。
図4を参照して、制御部34は、制御目標値選択部340と、減算部342,344と、切替部346と、スイッチング素子駆動信号生成部348とを含む。
図4を参照して、制御部34は、制御目標値選択部340と、減算部342,344と、切替部346と、スイッチング素子駆動信号生成部348とを含む。
制御目標値選択部340は、直流電圧検出部36によって検出された直流電圧Vdcに応じて、自経路電流Isellの電流目標値Isell*または充放電電流Ibの電流目標値Ib1*を決定する。具体的には、制御目標値選択部340は、図2に示す蓄電部3のSOC−電圧曲線を参照することにより、直流電圧検出部36によって検出された直流電圧Vdcに対応する蓄電部3のSOCを推定する。なお、蓄電部3のSOCは、蓄電部3の充放電電流Ibを時間的に積分した値(充放電量の積算値に相当)に基づいて順次演算することも可能である。
制御目標値選択部340は、図示しない記憶部に格納されている目標値設定表(図15)に従って、日時および蓄電部3のSOCに応じて、電流目標理Isell*または電流目標値Ib1*を設定する。この目標値設定表は、日時および蓄電部3のSOCに応じて自経路電流Isellおよび充放電電流Ibの電流目標値を事前に決定したものであり、図示しない記憶部に予め格納しておくことができる。あるいは、制御部34が直流給電システムの外部との間で通信を行なうことによって、上記目標値設定表に基づいて設定された電流目標値を適宜取得するようにしてもよい。そして、制御目標値選択部340は、設定された電流目標値(Isell*またはIb1*)に従って、自経路電流Isellおよび充放電電流Ibの間で制御対象を切替えるための切替信号を生成して切替部346へ出力する。
減算部342は、自経路電流Isellと電流目標値Isell*との差から電流偏差を演算し、切替部346へ出力する。
減算部344は、充放電電流Ibと電流目標値Ib1*との差から電流偏差を演算し、切替部346へ出力する。
切替部346は、制御目標値選択部340から出力された切替信号に基づいて、減算部342から受けた電流偏差および減算部344から受けた電流偏差のいずれか一方を選択してスイッチング素子駆動信号生成部348へ出力する。具体的には、切替部346は、電流目標値Isell*が設定されているときには、制御対象を自経路電流Isellに切替える切替信号に基づいて、減算部342から受けた電流偏差を選択してスイッチング素子駆動信号生成部348へ出力する。一方、切替部346は、電流目標値Ib1*が設定されているときには、制御対象を充放電電流Ibに切替える切替信号に基づいて、減算部344から受けた電流偏差を選択してスイッチング素子駆動信号生成部348へ出力する。
スイッチング素子駆動信号生成部348は、少なくとも比例要素(P:proportional element)および積分要素(I:integral element)を含んで構成され、切替部346から電流偏差を受けると、この入力された電流偏差に応じて操作信号を生成する。そして、スイッチング素子駆動信号生成部348は、この操作信号に基づいてDC/AC変換部30のトランジスタQ1〜Q4のオンデューティーを規定するデューティー指令を生成すると、この生成したデューティー指令と搬送波とを比較して、駆動信号DRV1を生成して、DC/AC変換部30を制御する。
以上のように、制御部34は、電流目標値Isell*が設定されているときには、自経路電流Isellが電流目標値Isell*となるように駆動信号DRV1を生成して、DC/AC変換部30を制御する。一方、電流目標値Ib1*が設定されているときには、充放電電流Ibが電流目標値Ib1*となるように駆動信号DRV1を生成して、DC/AC変換部30を制御する。
再び図1を参照して、AC/DC変換器44は、系統電力40から受ける交流電力を直流電力に変換して直流バス1へ供給する。図5は、図1におけるAC/DC変換器44の概略構成図である。
図5を参照して、AC/DC変換器44は、整流部52と、昇圧回路50と、制御部54と、直流電圧検出部56と、自経路電流検出部58とを含む。
整流部52は、正母線PLおよび負母線NLの間に直列接続されたダイオードD7およびD8と、正母線PLおよび負母線NLの間に直列接続されたダイオードD9およびD10とを含む。整流部52は、ダイオードD7およびD8の接続点およびダイオードD9およびD10の接続点の間に系統電力40からの交流電力を受け、この交流電力を直流電力に整流する。
昇圧回路50は、制御部54からの駆動信号DRV2に応じて、整流部52からの直流電力を昇圧する。昇圧回路50は、整流部52の出力端子間に直列接続されたインダクタL1およびスイッチング素子であるトランジスタQ5、ダイオードD5,D6およびインダクタL1からなる昇圧チョッパ回路と、平滑コンデンサC1とを含む。
平滑コンデンサC1は、正母線PLと負母線NLとの間に接続され、正母線PLおよび負母線NLの間の直流電圧に含まれる交流成分を低減する。なお、トランジスタQ5として、たとえば、IGBTを用いることができる。または、パワーMOSFET等の電力スイッチング素子を用いてもよい。
以下、昇圧回路50の昇圧動作について説明する。昇圧動作時においては、制御部54は、トランジスタQ5を所定のデューティー比でオン・オフさせる。トランジスタQ5のオン期間においては、整流部52からインダクタL1およびダイオードD6を順に介して、放電電流が正母線PLへ流れる。同時に、整流部52からインダクタL1、トランジスタQ5および負母線NLを順に介して、ポンプ電流が流れる。インダクタL1は、このポンプ電流により電磁エネルギーを蓄積する。続いて、トランジスタQ5がオン状態からオフ状態に遷移すると、インダクタL1は、蓄積した電磁エネルギーを放電電流に重畳する。その結果、昇圧回路50から正母線PLおよび負母線NLへ供給される直流電力の平均電圧は、デューティー比に応じてインダクタL1に蓄積される電磁エネルギーに相当する電圧だけ昇圧される。
このような昇圧回路50の昇圧動作を制御するため、制御部54は、トランジスタQ5のオン・オフを制御する駆動信号DRV2を生成する。
直流電圧検出部56は、正母線PLと負母線NLとの間に接続され、昇圧回路50から直流バス1へ供給される直流電力の電圧値(直流電圧)Vdcを検出し、その検出結果を制御部54へ出力する。
自経路電流検出部58は、負母線NLに介挿され、昇圧回路50から直流バス1へ供給される直流電力の電流値(自経路電流)Ibuyを検出し、その検出結果を制御部54へ出力する。
制御部54は、直流電圧検出部56から受けた直流電圧Vdcと、自経路電流検出部58から受けた自経路電流Ibuyと、充放電電流検出部60から受けた充放電電流Ibとに基づいて、図6に示す制御構造に従って、トランジスタQ5のオン・オフを制御する駆動信号DRV2を生成し、昇圧回路50を制御する。
図6は、図5における制御部54の制御構造を示す図である。
図6を参照して、制御部54は、制御目標値選択部540と、減算部542,544と、切替部546と、スイッチング素子駆動信号生成部548とを含む。
図6を参照して、制御部54は、制御目標値選択部540と、減算部542,544と、切替部546と、スイッチング素子駆動信号生成部548とを含む。
制御目標値選択部540は、直流電圧検出部56によって検出された直流電圧Vdcに応じて、自経路電流Ibuyの電流目標値Ibuy*または充放電電流Ibの電流目標値Ib2*を決定する。具体的には、制御目標値選択部540は、図2に示す蓄電部3のSOC−電圧曲線を参照することにより、直流電圧検出部56によって検出された直流電圧Vdcに対応する蓄電部3のSOCを推定する。
制御目標値選択部540は、図示しない記憶部に格納されている目標値設定表(図15)に従って、日時および蓄電部3のSOCに応じて、電流目標理Ibuy*または電流目標値Ib2*を設定する。この目標値設定表は、日時および蓄電部3のSOCに応じて自経路電流Ibuyおよび充放電電流Ibの電流目標値を事前に決定したものであり、図示しない記憶部に予め格納しておくことができる。あるいは、制御部54が直流給電システムの外部との間で通信を行なうことによって、上記目標値設定表に基づいて設定された電流目標値を適宜取得するようにしてもよい。そして、制御目標値選択部540は、設定された電流目標値(Ibuy*またはIb2*)に従って、自経路電流Isellおよび充放電電流Ibの間で制御対象を切替えるための切替信号を生成して切替部546へ出力する。
減算部542は、自経路電流Ibuyと電流目標値Ibuy*との差から電流偏差を演算し、切替部546へ出力する。
減算部544は、充放電電流Ibと電流目標値Ib2*との差から電流偏差を演算し、切替部546へ出力する。
切替部546は、制御目標値選択部540から出力された切替信号に基づいて、減算部542から受けた電流偏差および減算部544から受けた電流偏差のいずれか一方を選択してスイッチング素子駆動信号生成部548へ出力する。具体的には、切替部546は、電流目標値Ibuy*が設定されているときには、制御対象を自経路電流Ibuyに切替える切替信号に基づいて、減算部542から受けた電流偏差を選択してスイッチング素子駆動信号生成部548へ出力する。一方、切替部546は、電流目標値Ib2*が設定されているときには、制御対象を充放電電流Ibに切替える切替信号に基づいて、減算部544から受けた電流偏差を選択してスイッチング素子駆動信号生成部548へ出力する。
スイッチング素子駆動信号生成部548は、少なくとも比例要素Pおよび積分要素Iを含んで構成され、切替部546から電流偏差を受けると、この入力された電流偏差に応じて操作信号を生成する。そして、スイッチング素子駆動信号生成部548は、この操作信号に基づいて昇圧回路50のトランジスタQ5のオンデューティーを規定するデューティー指令を生成すると、この生成したデューティー指令と搬送波とを比較して、駆動信号DRV2を生成して、昇圧回路50を制御する。
以上のように、制御部54は、電流目標値Ibuy*が設定されているときには、自経路電流Ibuyが電流目標値Ibuy*となるように駆動信号DRV2を生成して、昇圧回路50を制御する。一方、電流目標値Ib2*が設定されているときには、充放電電流Ibが電流目標値Ib2*となるように駆動信号DRV2を生成して、昇圧回路50を制御する。
このように、本実施の形態に従う直流給電システムでは、蓄電部3の充放電電流Ibが所定の電流目標値となるようにDC/AC変換器42およびAC/DC変換器44における電力変換動作をそれぞれ制御することにより、蓄電部3の充放電制御を行なうことができる。以下、本実施の形態に従う直流給電システムにおける蓄電部3の充放電制御について、図面を参照して説明する。最初に、図7から図10を用いて蓄電部3の充電制御について説明し、次に、図11から図14を用いて蓄電部3の放電制御について説明する。
(蓄電部の充電制御)
図7は、本実施の形態に従う直流給電システム(図1)における蓄電部3の充電制御を説明するための図である。
図7は、本実施の形態に従う直流給電システム(図1)における蓄電部3の充電制御を説明するための図である。
図7(a)を参照して、直流給電システムにおいて、上記の目標値設定表に従って、蓄電部3の充放電電流Ibの電流目標値Ib*が3Aに設定された場合を想定する。この場合、DC/AC変換器42およびAC/DC変換器44はそれぞれ、充電電流Ich=3Aで蓄電部3を充電するように電力変換動作を行なう。
ここで、図7(a)に示すように、太陽光発電システム2の出力電流Ipvの実績値が5Aであるとすると、充電電流Ich=3Aで蓄電部3を充電するためには、直流バス1は、太陽光発電システム2から受けた電流Ipv(5A)のうちの一部(3A)を用いて蓄電部3を充電するとともに、残りの電流(2A)をDC/AC変換器42へ供給すればよい。すなわち、DC/AC変換器42の自経路電流Isellの理想値は2Aとなり、AC/DC変換器44の自経路電流Ibuyの理想値は0Aとなる。ここで、AC/DC変換器44において、自経路電流Ibuyの理想値が0Aであるとは、電力変換動作を行なわないこと、すなわち、買電しないことに相当する。
AC/DC変換器44は、充放電電流Ibが電流目標値Ib*(3A)となるように電力変換動作を行なう。AC/DC変換器44は、電流目標値Ib*に対する充放電電流Ibの電流偏差に応じて生成された駆動信号DRV2に応答したスイッチング動作により、系統電力40から受ける交流電力を直流電力に変換して直流バス1へ供給する。このとき、図7(b)に示すように、充放電電流Ibが電流目標値Ib*を中心として変動すると、電流目標値Ib*に対する電流偏差に応じて、AC/DC変換器44は、系統電力40から直流バス1へ供給する電力を制御する。
具体的には、充放電電流Ibが電流目標値Ib*よりも大きくなると、AC/DC変換器44は、蓄電部3の負方向(放電方向)に流れる電力が不足していると判断し、系統電力40から直流バス1へ供給する電力を減少させる。すなわち、AC/DC変換器44は、電力会社等から買電する電力を減少させる。そのため、AC/DC変換器44の自経路電流Ibuyは理想値である0Aに近づき、電力変換動作が正常であると判断される。
これに対して、充放電電流Ibが電流目標値Ib*よりも小さくなると、AC/DC変換器44は、蓄電部3の正方向(充電方向)に流れる電力が不足していると判断し、系統電力40から直流バス1へ供給する電力を増加させる。すなわち、AC/DC変換器44は、電力会社等から買電する電力を増加させる。この場合、AC/DC変換器44の自経路電流Ibuyは理想値である0Aから離れてしまい、DC/AC変換器42を介して系統電力40へ供給した電力が、再びAC/DC変換器44を介して直流バス1に戻されるという不具合が生じる。
AC/DC変換器44と同様に、DC/AC変換器42も充放電電流Ibが電流目標値Ib*(3A)となるように電力変換動作を行なう。DC/AC変換器42は、電流目標値Ib*に対する充放電電流Ibの電流偏差に応じて生成された駆動信号DRV1に応答したスイッチング動作により、直流バス1から受ける直流電力を交流電力に変換して系統電力40へ供給する。DC/AC変換器42は、図7(c)に示すように、充放電電流Ibの電流目標値Ib*に対する電流偏差に応じて、直流バス1から系統電力40へ供給する電力を制御する。
具体的には、充放電電流Ibが電流目標値Ib*よりも大きくなると、DC/AC変換器42は、蓄電部3の負方向(放電方向)に流れる電力が不足していると判断し、直流バス1から系統電力40へ供給する電力を増加させる。すなわち、DC/AC変換器42は、電力会社等へ売電する電力を増加させる。そのため、DC/AC変換器42の自経路電流Isellは理想値である2Aに近づき、電力変換動作が正常であると判断される。
一方、充放電電流Ibが電流目標値Ib*よりも小さくなると、DC/AC変換器42は、蓄電部3の正方向(充電方向)に流れる電力が不足していると判断し、直流バス1から系統電力40へ供給する電力を減少させる。すなわち、DC/AC変換器42は、電力会社等へ売電する電力を減少させる。この場合も、DC/AC変換器42の自経路電流Isellは理想値である2Aに近づき、電力変換動作が正常であると判断される。
以上のように、AC/DC変換器44およびDC/AC変換器42がそれぞれ、充放電電流Ibが電流目標値Ib*(3A)となるように電力変換動作を行なうと、充放電電流Ibの変動に応じて、一方の電力変換器において(図7ではAC/DC変換器44)、理想的な電力変換動作と乖離してしまう不具合が生じる。これにより、系統電力40と直流バス1との間で電力の循環が発生してしまう。
このような不具合を回避するため、本実施の形態に従う直流給電システムでは、AC/DC変換器44とDC/AC変換器42とで充放電電流Ibの電流目標値を互いに異ならせる。図8は、本実施の形態に係る蓄電部3の充放電制御において、DC/AC変換器42およびAC/DC変換器44がそれぞれ設定する電流目標値Ib1*,Ib2*を説明するための図である。なお、電流目標値Ib1*は図3および図4に示すDC/AC変換器42の制御部34が設定する充放電電流Ibの電流目標値であり、電流目標値Ib2*は図5および図6に示すAC/DC変換器44の制御部54が設定する充放電電流Ibの電流目標値である。
図8(a)に示す直流給電システムにおいて、図7(a)と同様に、蓄電部3の充放電電流Ibの電流目標値Ib*が3Aに設定された場合を想定する。さらに、図7(a)と同様に、太陽光発電システム2の出力電流Ipvの実績値が5Aであるとする。したがって、充電電流Ich=3Aで蓄電部3を充電するためには、DC/AC変換器42の自経路電流Isellの理想値は2Aとなり、AC/DC変換器44の自経路電流Ibuyの理想値は0Aとなる。
DC/AC変換器42において、制御部34内部の制御目標値選択部340(図4)は、電流目標値Ib1*を、本来の電流目標値Ib*(3A)よりも高い電流値に設定する。一例として、制御目標値選択部340は、電流目標値Ib1*を、電流目標値Ib*である3Aに所定量(たとえば0.1Aとする)だけ加算した値とする(Ib1*=3.1A)。
一方、AC/DC変換器44では、制御部54内部の制御目標値選択部540(図6)は、電流目標値Ib2*を、本来の電流目標値Ib*(3A)よりも低い値に設定する。一例として、制御目標値選択部540は、電流目標値Ib2*を、電流目標値Ib*である3Aから所定量(0.1A)だけ減算した値とする(Ib2*=2.9A)。すなわち、電流目標値Ib2*は、電流目標値Ib1*よりも低い値に設定される。なお、電流目標値Ib1*と電流目標値Ib2*との電流差(本実施例では0.2A)は、充放電電流Ibの変動範囲よりも大きくなるように設定される。
このような構成とすることにより、DC/AC変換器42は、充放電電流Ibが電流目標値Ib1*(3.1A)となるように電力変換動作を行なう。DC/AC変換器42は、電流目標値Ib1*に対する充放電電流Ibの電流偏差に応じて生成された駆動信号DRV1に応答したスイッチング動作により、直流バス1から受ける直流電力を交流電力に変換して系統電力40へ供給する。
このとき、図8(c)に示すように、充放電電流Ibが電流目標値Ib1*(3.1A)中心として変動すると、電流目標値Ib1*に対する電流偏差に応じて、DC/AC変換器42は、直流バス1から系統電力40へ供給する電力を制御する。図7(c)で説明したのと同様に、充放電電流Ibが電流目標値Ib1*よりも大きくなると、DC/AC変換器42は、蓄電部3の負方向(放電方向)に流れる電力が不足していると判断し、直流バス1から系統電力40へ供給する電力を増加させる。すなわち、DC/AC変換器42は、電力会社等へ売電する電力を増加させる。そのため、DC/AC変換器42の自経路電流Isellは理想値である2Aに近づき、電力変換動作が正常であると判断される。
一方、充放電電流Ibが電流目標値Ib1*よりも小さくなると、DC/AC変換器42は、蓄電部3の正方向(充電方向)に流れる電力が不足していると判断し、直流バス1から系統電力40へ供給する電力を減少させる。すなわち、DC/AC変換器42は、電力会社等へ売電する電力を減少させる。この場合も、DC/AC変換器42の自経路電流Isellは理想値である2Aに近づき、電力変換動作が正常であると判断される。
一方、AC/DC変換器44は、充放電電流Ibが電流目標値Ib2*(2.9A)となるように電力変換動作を行なう。AC/DC変換器44は、電流目標値Ib2*に対する充放電電流Ibの電流偏差に応じて生成された駆動信号DRV2に応答したスイッチング動作により、系統電力40から受ける交流電力を直流電力に変換して直流バス1へ供給する。このとき、図8(a)に示すように、充放電電流Ibは、DC/AC変換器42の電力変換動作により電流目標値Ib1*(3.1A)を中心として変動するが、その電流値は常に電流目標値Ib2*よりも高い値を示している。これは、電流目標値Ib1*と電流目標値Ib2*との差を充放電電流Ibの変動範囲よりも大きいことによる。したがって、AC/DC変換器44は、充放電電流Ibが電流目標値Ib2*を常に上回ることから、蓄電部3の負方向(放電方向)に流れる電力が不足していると判断し、系統電力40から直流バス1への電力の供給を停止する。すなわち、AC/DC変換器44は、電力会社等から買電しない。そのため、AC/DC変換器44の自経路電流Ibuyは理想値である0Aに近づき、電力変換動作が正常であると判断される。
以上のように、太陽光発電システム2の出力電流Ipvの一部を用いて蓄電部3を充電する場合には、蓄電部3の充電電流Ichが電流目標値Ib*となるようにDC/AC変換器42およびAC/DC変換器44の電力変換動作を制御する。この場合、DC/AC変換器42における電流目標値Ib1*を本来の電流目標値Ib*よりも高い値に設定するとともに、AC/DC変換器44における電流目標値Ib2*を電流目標値Ib*よりも低い値に設定する。これにより、充放電電流IbはAC/DC変換器44の電流目標値Ib2*を常に超えることとなり、AC/DC変換器44が蓄電部3の充電電力が不足していると判断して、本来不必要である買電を行なうのを防止することができる。
なお、図7に示すような蓄電部3の充電時における不具合は、図9に示す場合においても発生し得る。この場合においても、図10に示すように、電流目標値Ib1*と電流目標値Ib2*とを互いに異ならせることによって不具合を解消することができる。
図9は、本実施の形態に従う直流給電システム(図1)における蓄電部3の充電制御を説明するための図である。
図9(a)を参照して、直流給電システムにおいて、上記の目標値設定表に従って、蓄電部3の充放電電流Ibの電流目標値Ib*が7Aに設定された場合を想定する。この場合、DC/AC変換器42およびAC/DC変換器44はそれぞれ、充電電流Ich=7Aで蓄電部3を充電するように電力変換動作を行なう。
ここで、図9(a)に示すように、太陽光発電システム2の出力電流Ipvの実績値が5Aであるとすると、充電電流Ich=7Aで蓄電部3を充電するためには、直流バス1は、太陽光発電システム2から受けた電流Ipv(5A)と、DC/AC変換器42を介して系統電力40から受けた電流(2A)とを用いて蓄電部3を充電すればよい。すなわち、DC/AC変換器42の自経路電流Isellの理想値は0Aとなり、AC/DC変換器44の自経路電流Ibuyの理想値は2Aとなる。ここで、DC/AC変換器42において、自経路電流Isellの理想値が0Aであるとは、電力変換動作を行なわないこと、すなわち、売電しないことに相当する。
AC/DC変換器44は、充放電電流Ibが電流目標値Ib*(7A)となるように、電流目標値Ib*に対する充放電電流Ibの電流偏差に応じて生成された駆動信号DRV2に応答したスイッチング動作により、系統電力40から受ける交流電力を直流電力に変換して直流バス1へ供給する。このとき、図9(b)に示すように、充放電電流Ibが電流目標値Ib*を中心として変動すると、電流目標値Ib*に対する電流偏差に応じて、AC/DC変換器44は、系統電力40から直流バス1へ供給する電力を制御する。
具体的には、充放電電流Ibが電流目標値Ib*よりも大きくなると、AC/DC変換器44は、蓄電部3の負方向(放電方向)に流れる電力が不足していると判断し、系統電力40から直流バス1へ供給する電力を減少させる。すなわち、AC/DC変換器44は、電力会社等から買電する電力を減少させる。そのため、AC/DC変換器44の自経路電流Ibuyは理想値である2Aに近づき、電力変換動作が正常であると判断される。
これに対して、充放電電流Ibが電流目標値Ib*よりも小さくなると、AC/DC変換器44は、蓄電部3の正方向(充電方向)に流れる電力が不足していると判断し、系統電力40から直流バス1へ供給する電力を増加させる。すなわち、AC/DC変換器44は、電力会社等から買電する電力を増加させる。この場合も、AC/DC変換器44の自経路電流Ibuyは理想値である2Aに近づき、電力変換動作が正常であると判断される。
AC/DC変換器44と同様に、DC/AC変換器42も充放電電流Ibが電流目標値Ib*(7A)となるように、電流目標値Ib*に対する充放電電流Ibの電流偏差に応じて生成された駆動信号DRV1に応答したスイッチング動作により、直流バス1から受ける直流電力を交流電力に変換して系統電力40へ供給する。DC/AC変換器42は、図9(c)に示すように、充放電電流Ibの電流目標値Ib*に対する電流偏差に応じて、直流バス1から系統電力40へ供給する電力を制御する。
具体的には、充放電電流Ibが電流目標値Ib*よりも大きくなると、DC/AC変換器42は、蓄電部3の負方向(放電方向)に流れる電力が不足していると判断し、直流バス1から系統電力40へ供給する電力を増加させる。すなわち、DC/AC変換器42は、電力会社等へ売電する電力を増加させる。そのため、DC/AC変換器42の自経路電流Isellは理想値である0Aから離れてしまい、電力変換動作に不具合が生じる。
一方、充放電電流Ibが電流目標値Ib*よりも小さくなると、DC/AC変換器42は、蓄電部3の正方向(充電方向)に流れる電力が不足していると判断し、直流バス1から系統電力40へ供給する電力を減少させる。すなわち、DC/AC変換器42は、電力会社等へ売電する電力を減少させる。この場合は、DC/AC変換器42の自経路電流Isellは理想値である0Aに近づくため、電力変換動作が正常であると判断される。
以上のように、AC/DC変換器44およびDC/AC変換器42がそれぞれ、充放電電流Ibが電流目標値Ib*(7A)となるように電力変換動作を行なうと、充放電電流Ibの変動に応じて、一方の電力変換器において(図9ではDC/AC変換器42)、理想的な電力変換動作と乖離してしまう不具合が生じる。そこで、本実施の形態に従う直流給電システムでは、図10に示すように、AC/DC変換器44とDC/AC変換器42とで充放電電流Ibの電流目標値を互いに異ならせる。
図10は、本実施の形態に係る蓄電部3の充電制御において、DC/AC変換器42およびAC/DC変換器44がそれぞれ設定する電流目標値Ib1*,Ib2*を説明するための図である。なお、図10(a)に示す直流給電システムでは、図9(a)と同様に、蓄電部3の充放電電流Ibの電流目標値Ib*が7Aに設定され、かつ、太陽光発電システム2の出力電流Ipvの実績値が5Aである場合を想定する。したがって、充電電流Ich=7Aで蓄電部3を充電するためには、DC/AC変換器42の自経路電流Isellの理想値は0Aとなり、AC/DC変換器44の自経路電流Ibuyの理想値は2Aとなる。
DC/AC変換器42において、制御部34内部の制御目標値選択部340(図4)は、電流目標値Ib1*を、本来の電流目標値Ib*(7A)よりも高い電流値に設定する。一例として、制御目標値選択部340は、電流目標値Ib1*を、電流目標値Ib*である7Aに所定量(たとえば0.1Aとする)だけ加算した値とする(Ib1*=7.1A)。
一方、AC/DC変換器44では、制御部54内部の制御目標値選択部540(図6)は、電流目標値Ib2*を、本来の電流目標値Ib*(7A)よりも低い値に設定する。一例として、制御目標値選択部540は、電流目標値Ib2*を、電流目標値Ib*である7Aから所定量(0.1A)だけ減算した値とする(Ib2*=6.9A)。すなわち、電流目標値Ib2*は、電流目標値Ib1*よりも低い値に設定される。なお、電流目標値Ib1*と電流目標値Ib2*との電流差(本実施例では0.2A)は、充放電電流Ibの変動範囲よりも大きくなるように設定される。
このような構成とすることにより、AC/DC変換器44は、充放電電流Ibが電流目標値Ib2*(6.9A)となるように、電流目標値Ib2*に対する充放電電流Ibの電流偏差に応じて生成された駆動信号DRV2に応答したスイッチング動作により、系統電力40から受ける交流電力を直流電力に変換して直流バス1へ供給する。
このとき、図10(b)に示すように、充放電電流Ibが電流目標値Ib2*(6.9A)中心として変動すると、電流目標値Ib2*に対する電流偏差に応じて、AC/DC変換器42は、系統電力40から直流バス1から供給する電力を制御する。図9(b)で説明したのと同様に、充放電電流Ibが電流目標値Ib2*よりも大きくなると、AC/DC変換器44は、蓄電部3の負方向(放電方向)に流れる電力が不足していると判断し、系統電力40から直流バス1へ供給する電力を減少させる。すなわち、AC/DC変換器44は、電力会社等から買電する電力を減少させる。そのため、AC/DC変換器44の自経路電流Ibuyは理想値である2Aに近づき、電力変換動作が正常であると判断される。
一方、充放電電流Ibが電流目標値Ib2*よりも小さくなると、AC/DC変換器44は、蓄電部3の正方向(充電方向)に流れる電力が不足していると判断し、系統電力40から直流バス1へ供給する電力を増加させる。すなわち、AC/DC変換器44は、電力会社等から買電する電力を増加させる。この場合も、AC/DC変換器44の自経路電流Ibuyは理想値である2Aに近づき、電力変換動作が正常であると判断される。
これに対して、DC/AC変換器42は、充放電電流Ibが電流目標値Ib1*(7.1A)となるように電力変換動作を行なう。DC/AC変換器42は、電流目標値Ib1*に対する充放電電流Ibの電流偏差に応じて生成された駆動信号DRV1に応答したスイッチング動作により、直流バス1から受ける直流電力を交流電力に変換して系統電力40へ供給する。このとき、図10(c)に示すように、充放電電流Ibは、AC/DC変換器44の電力変換動作により電流目標値Ib2*(6.9A)を中心として変動するが、その電流値は常に電流目標値Ib1*よりも低い値を示している。これは、電流目標値Ib1*と電流目標値Ib2*との差が充放電電流Ibの変動範囲よりも大きいことによる。したがって、DC/AC変換器42は、充放電電流Ibが電流目標値Ib1*を常に下回ることから、蓄電部3の正方向(充電方向)に流れる電力が不足していると判断し、直流バス1から系統電力40への電力の供給を停止する。すなわち、DC/AC変換器42は、電力会社等へ売電しない。そのため、DC/AC変換器42の自経路電流Isellは理想値である0Aに近づき、電力変換動作が正常であると判断される。
以上のように、太陽光発電システム2の出力電流Ipvおよび系統電力40から供給される電流を用いて蓄電部3を充電する場合においても、DC/AC変換器42における電流目標値Ib1*を本来の電流目標値Ib*よりも高い値に設定するとともに、AC/DC変換器44における電流目標値Ib2*を電流目標値Ib*よりも低い値に設定することにより、充放電電流IbはDC/AC変換器42の電流目標値Ib1*を常に下回ることとなる。その結果、DC/AC変換器42が蓄電部3の放電電力が不足していると判断して、本来不必要である売電を行なうのを防止することができる。
なお、図8および図10では、電流目標値Ib1*を本来の電流目標値Ib*よりも高い値とし、電流目標値Ib2*を電流目標値Ib*よりも低い値とする構成を例示したが、本願発明は、これに限定されるものではない。すなわち、AC/DC変換器44とDC/AC変換器42とで充放電電流Ibの電流目標値を互いに異なるように設定する構成であれば、たとえば、電流目標値Ib1*または電流目標値Ib2*のいずれか一方を電流目標値Ib*と等しい値とし、他方を電流目標値Ib*よりも大きい(または小さい)値とすることも可能である。
(蓄電部の放電制御)
図11は、本実施の形態に従う直流給電システム(図1)における蓄電部3の放電制御を説明するための図である。
図11は、本実施の形態に従う直流給電システム(図1)における蓄電部3の放電制御を説明するための図である。
図11(a)を参照して、直流給電システムにおいて、上記の目標値設定表に従って、蓄電部3の充放電電流Ibの電流目標値Ib*が−3Aに設定された場合を想定する。この場合、DC/AC変換器42およびAC/DC変換器44はそれぞれ、放電電流Idc=3Aで蓄電部3を放電するように電力変換動作を行なう。
ここで、図11(a)に示すように、太陽光発電システム2の出力電流Ipvの実績値が5Aであるとすると、放電電流Idc=3Aで蓄電部3を充電するためには、直流バス1は、太陽光発電システム2から受けた電流Ipv(5A)と、蓄電部3の放電電流Idc(3A)とを合わせた電流(8A)をDC/AC変換器42へ供給すればよい。すなわち、DC/AC変換器42の自経路電流Isellの理想値は8Aとなり、AC/DC変換器44の自経路電流Ibuyの理想値は0Aとなる。ここで、AC/DC変換器44において、自経路電流Ibuyの理想値が0Aであるとは、電力変換動作を行なわないこと、すなわち、買電しないことに相当する。
AC/DC変換器44は、充放電電流Ibが電流目標値Ib*(−3A)となるように電力変換動作を行なう。AC/DC変換器44は、電流目標値Ib*に対する充放電電流Ibの電流偏差に応じて生成された駆動信号DRV2に応答したスイッチング動作により、系統電力40から受ける交流電力を直流電力に変換して直流バス1へ供給する。このとき、図11(b)に示すように、充放電電流Ibが電流目標値Ib*を中心として変動すると、電流目標値Ib*に対する電流偏差に応じて、AC/DC変換器44は、系統電力40から直流バス1へ供給する電力を制御する。
具体的には、充放電電流Ibが電流目標値Ib*よりも大きくなると、AC/DC変換器44は、蓄電部3の負方向(放電方向)に流れる電力が不足していると判断し、系統電力40から直流バス1へ供給する電力を減少させる。すなわち、AC/DC変換器44は、電力会社等から買電する電力を減少させる。そのため、AC/DC変換器44の自経路電流Ibuyは理想値である0Aに近づき、電力変換動作が正常であると判断される。
これに対して、充放電電流Ibが電流目標値Ib*よりも小さくなると、AC/DC変換器44は、蓄電部3の正方向(充電方向)に流れる電力が不足していると判断し、系統電力40から直流バス1へ供給する電力を増加させる。すなわち、AC/DC変換器44は、電力会社等から買電する電力を増加させる。この場合、AC/DC変換器44の自経路電流Ibuyは理想値である0Aから離れてしまい、電力変換動作に不具合が生じる。
AC/DC変換器44と同様に、DC/AC変換器42も充放電電流Ibが電流目標値Ib*(−3A)となるように電力変換動作を行なう。DC/AC変換器42は、電流目標値Ib*に対する充放電電流Ibの電流偏差に応じて生成された駆動信号DRV1に応答したスイッチング動作により、直流バス1から受ける直流電力を交流電力に変換して系統電力40へ供給する。DC/AC変換器42は、図11(c)に示すように、充放電電流Ibの電流目標値Ib*に対する電流偏差に応じて、直流バス1から系統電力40へ供給する電力を制御する。
具体的には、充放電電流Ibが電流目標値Ib*よりも大きくなると、DC/AC変換器42は、蓄電部3の負方向(放電方向)に流れる電力が不足していると判断し、直流バス1から系統電力40へ供給する電力を増加させる。すなわち、DC/AC変換器42は、電力会社等へ売電する電力を増加させる。そのため、DC/AC変換器42の自経路電流Isellは理想値である8Aに近づき、電力変換動作が正常であると判断される。
一方、充放電電流Ibが電流目標値Ib*よりも小さくなると、DC/AC変換器42は、蓄電部3の正方向(充電方向)に流れる電力が不足していると判断し、直流バス1から系統電力40へ供給する電力を減少させる。すなわち、DC/AC変換器42は、電力会社等へ売電する電力を減少させる。この場合も、DC/AC変換器42の自経路電流Isellは理想値である8Aに近づき、電力変換動作が正常であると判断される。
以上のように、AC/DC変換器44およびDC/AC変換器42がそれぞれ、充放電電流Ibが電流目標値Ib*(−3A)となるように電力変換動作を行なうと、充放電電流Ibの変動に応じて、一方の電力変換器において(図11ではAC/DC変換器44)、理想的な電力変換動作と乖離してしまう不具合が生じる。したがって、このような放電時における不具合を回避するため、本実施の形態に従う直流給電システムでは、AC/DC変換器44とDC/AC変換器42とで充放電電流Ibの電流目標値を互いに異ならせる。図12は、本実施の形態に係る蓄電部3の放電制御において、DC/AC変換器42およびAC/DC変換器44がそれぞれ設定する電流目標値Ib1*,Ib2*を説明するための図である。
図12(a)に示す直流給電システムにおいて、図11(a)と同様に、蓄電部3の充放電電流Ibの電流目標値Ib*が−3Aに設定された場合を想定する。さらに、図11(a)と同様に、太陽光発電システム2の出力電流Ipvの実績値が5Aであるとする。したがって、放電電流Idc=3Aで蓄電部3を充電するためには、DC/AC変換器42の自経路電流Isellの理想値は8Aとなり、AC/DC変換器44の自経路電流Ibuyの理想値は0Aとなる。
DC/AC変換器42において、制御部34内部の制御目標値選択部340(図4)は、電流目標値Ib1*を、本来の電流目標値Ib*(−3A)よりも絶対値が小さい電流値に設定する。一例として、制御目標値選択部340は、電流目標値Ib1*の絶対値を、電流目標値Ib*の絶対値(3A)から所定量(たとえば0.1Aとする)だけ減算した値とする(Ib1*=−2.9A)。
一方、AC/DC変換器44では、制御部54内部の制御目標値選択部540(図6)は、電流目標値Ib2*の絶対値を、本来の電流目標値Ib*よりも絶対値が大きい値に設定する。一例として、制御目標値選択部540は、電流目標値Ib2*の絶対値を、電流目標値Ib*の絶対値(3A)に所定量(0.1A)だけ加算した値とする(Ib2*=−3.1A)。すなわち、充放電電流Ibを、充電方向を正方向とし、かつ、放電方向を負方向とすると、電流目標値Ib2*は、電流目標値Ib1*よりも低い値に設定される。なお、電流目標値Ib1*と電流目標値Ib2*との電流差(本実施例では0.2A)は、充放電電流Ibの変動範囲よりも大きくなるように設定される。
このような構成とすることにより、DC/AC変換器42は、充放電電流Ibが電流目標値Ib1*(−2.9A)となるように電力変換動作を行なう。DC/AC変換器42は、電流目標値Ib1*に対する充放電電流Ibの電流偏差に応じて生成された駆動信号DRV1に応答したスイッチング動作により、直流バス1から受ける直流電力を交流電力に変換して系統電力40へ供給する。
このとき、図12(c)に示すように、充放電電流Ibが電流目標値Ib1*(−2.9A)中心として変動すると、電流目標値Ib1*に対する電流偏差に応じて、DC/AC変換器42は、直流バス1から系統電力40へ供給する電力を制御する。図11(c)で説明したのと同様に、充放電電流Ibが電流目標値Ib1*よりも大きくなると、DC/AC変換器42は、蓄電部3の負方向(放電方向)に流れる電力が不足していると判断し、直流バス1から系統電力40へ供給する電力を増加させる。すなわち、DC/AC変換器42は、電力会社等へ売電する電力を増加させる。そのため、DC/AC変換器42の自経路電流Isellは理想値である8Aに近づき、電力変換動作が正常であると判断される。
一方、充放電電流Ibが電流目標値Ib1*よりも小さくなると、DC/AC変換器42は、蓄電部3の正方向(充電方向)に流れる電力が不足していると判断し、直流バス1から系統電力40へ供給する電力を減少させる。すなわち、DC/AC変換器42は、電力会社等へ売電する電力を減少させる。この場合も、DC/AC変換器42の自経路電流Isellは理想値である8Aに近づき、電力変換動作が正常であると判断される。
一方、AC/DC変換器44は、充放電電流Ibが電流目標値Ib2*(−3.1A)となるように電力変換動作を行なう。AC/DC変換器44は、電流目標値Ib2*に対する充放電電流Ibの電流偏差に応じて生成された駆動信号DRV2に応答したスイッチング動作により、系統電力40から受ける交流電力を直流電力に変換して直流バス1へ供給する。このとき、図12(b)に示すように、充放電電流Ibは、DC/AC変換器42の電力変換動作により電流目標値Ib1*(−2.9A)を中心として変動するが、その電流値は常に電流目標値Ib2*よりも高い値を示している。これは、電流目標値Ib1*と電流目標値Ib2*との差を充放電電流Ibの変動範囲よりも大きいことによる。したがって、AC/DC変換器44は、充放電電流Ibが電流目標値Ib*を常に上回ることから、蓄電部3の負方向(放電方向)に流れる電力が不足していると判断し、系統電力40から直流バス1への電力の供給を停止する。すなわち、AC/DC変換器44は、電力会社等から買電しない。そのため、AC/DC変換器44の自経路電流Ibuyは理想値である0Aに近づき、電力変換動作が正常であると判断される。
以上のように、蓄電部3の放電電力を売電する場合には、蓄電部3の放電電流Idcが電流目標値Ib*となるようにDC/AC変換器42およびAC/DC変換器44の電力変換動作を制御する。この場合、DC/AC変換器42における電流目標値Ib1*の絶対値を本来の電流目標値Ib*の絶対値よりも小さい値に設定するとともに、AC/DC変換器44における電流目標値Ib2*の絶対値を電流目標値Ib*の絶対値よりも大きい値に設定する。これにより、充放電電流IbはAC/DC変換器44の電流目標値Ib2*を常に超えることとなり、AC/DC変換器44が蓄電部3の充電電力が不足していると判断して、本来不必要である買電を行なうのを防止することができる。
なお、図11に示すような蓄電部3の放電時における不具合は、図13に示す場合においても発生し得る。この場合においても、図14に示すように、電流目標値Ib1*と電流目標値Ib2*とを互いに異ならせることによって不具合を解消することができる。
図13は、本実施の形態に従う直流給電システム(図1)における蓄電部3の放電制御を説明するための図である。
図13(a)を参照して、直流給電システムにおいて、上記の目標値設定表に従って、蓄電部3の充放電電流Ibの電流目標値Ib*が−3Aに設定された場合を想定する。この場合、DC/AC変換器42およびAC/DC変換器44はそれぞれ、放電電流Idc=3Aで蓄電部3を放電するように電力変換動作を行なう。
ここで、図13(a)に示すように、直流負荷5に供給される電流Iloadの実績値が5Aであるとすると、放電電流Idc=3Aで蓄電部3を放電するためには、直流バス1は、蓄電部3の放電電流Idc(3A)と、AC/DC変換器44を介して系統電力40から受けた電流(2A)とを合わせた電流を直流負荷5へ供給すればよい。すなわち、DC/AC変換器42の自経路電流Isellの理想値は0Aとなり、AC/DC変換器44の自経路電流Ibuyの理想値は2Aとなる。ここで、DC/AC変換器42において、自経路電流Isellの理想値が0Aであるとは、電力変換動作を行なわないこと、すなわち、売電しないことに相当する。
AC/DC変換器44は、充放電電流Ibが電流目標値Ib*(−3A)となるように、電流目標値Ib*に対する充放電電流Ibの電流偏差に応じて生成された駆動信号DRV2に応答したスイッチング動作により、系統電力40から受ける交流電力を直流電力に変換して直流バス1へ供給する。このとき、図13(b)に示すように、充放電電流Ibが電流目標値Ib*を中心として変動すると、電流目標値Ib*に対する電流偏差に応じて、AC/DC変換器44は、系統電力40から直流バス1へ供給する電力を制御する。
具体的には、充放電電流Ibが電流目標値Ib*よりも大きくなると、AC/DC変換器44は、蓄電部3の負方向(放電方向)に流れる電力が不足していると判断し、系統電力40から直流バス1へ供給する電力を減少させる。すなわち、AC/DC変換器44は、電力会社等から買電する電力を減少させる。そのため、AC/DC変換器44の自経路電流Ibuyは理想値である2Aに近づき、電力変換動作が正常であると判断される。
これに対して、充放電電流Ibが電流目標値Ib*よりも小さくなると、AC/DC変換器44は、蓄電部3の正方向(充電方向)に流れる電力が不足していると判断し、系統電力40から直流バス1へ供給する電力を増加させる。すなわち、AC/DC変換器44は、電力会社等から買電する電力を増加させる。この場合も、AC/DC変換器44の自経路電流Ibuyは理想値である2Aに近づき、電力変換動作が正常であると判断される。
AC/DC変換器44と同様に、DC/AC変換器42も充放電電流Ibが電流目標値Ib*(−3A)となるように、電流目標値Ib*に対する充放電電流Ibの電流偏差に応じて生成された駆動信号DRV1に応答したスイッチング動作により、直流バス1から受ける直流電力を交流電力に変換して系統電力40へ供給する。DC/AC変換器42は、図13(c)に示すように、充放電電流Ibの電流目標値Ib*に対する電流偏差に応じて、直流バス1から系統電力40へ供給する電力を制御する。
具体的には、充放電電流Ibが電流目標値Ib*よりも大きくなると、DC/AC変換器42は、蓄電部3の負方向(放電方向)に流れる電力が不足していると判断し、直流バス1から系統電力40へ供給する電力を増加させる。すなわち、DC/AC変換器42は、電力会社等へ売電する電力を増加させる。そのため、DC/AC変換器42の自経路電流Isellは理想値である0Aから離れてしまい、電力変換動作に不具合が生じる。
一方、充放電電流Ibが電流目標値Ib*よりも小さくなると、DC/AC変換器42は、蓄電部3の正方向(充電方向)に流れる電力が不足していると判断し、直流バス1から系統電力40へ供給する電力を減少させる。すなわち、DC/AC変換器42は、電力会社等へ売電する電力を減少させる。この場合は、DC/AC変換器42の自経路電流Isellは理想値である0Aに近づくため、電力変換動作が正常であると判断される。
以上のように、AC/DC変換器44およびDC/AC変換器42がそれぞれ、充放電電流Ibが電流目標値Ib*(−3A)となるように電力変換動作を行なうと、充放電電流Ibの変動に応じて、一方の電力変換器において(図13ではAC/DC変換器44)、理想的な電力変換動作と乖離してしまう不具合が生じる。そこで、本実施の形態に従う直流給電システムでは、図14に示すように、AC/DC変換器44とDC/AC変換器42とで充放電電流Ibの電流目標値を互いに異ならせる。
図14は、本実施の形態に係る蓄電部3の放電制御において、DC/AC変換器42およびAC/DC変換器44がそれぞれ設定する電流目標値Ib1*,Ib2*を説明するための図である。なお、図14(a)に示す直流給電システムでは、図13(a)と同様に、蓄電部3の充放電電流Ibの電流目標値Ib*が−3Aに設定され、かつ、直流負荷5へ供給する電流Iloadの実績値が5Aである場合を想定する。したがって、放電電電流Idc=3Aで蓄電部3を放電するためには、DC/AC変換器42の自経路電流Isellの理想値は0Aとなり、AC/DC変換器44の自経路電流Ibuyの理想値は2Aとなる。
DC/AC変換器42において、制御部34内部の制御目標値選択部340(図4)は、電流目標値Ib1*を、本来の電流目標値Ib*(−3A)よりも絶対値が小さい電流値に設定する。一例として、制御目標値選択部340は、電流目標値Ib1*の絶対値、電流目標値Ib*の絶対値(3A)から所定量(たとえば0.1Aとする)だけ減算した値とする(Ib1*=−2.9A)。
一方、AC/DC変換器44では、制御部54内部の制御目標値選択部540(図6)は、電流目標値Ib2*を、本来の電流目標値Ib*(−3A)よりも絶対値が大きい値に設定する。一例として、制御目標値選択部540は、電流目標値Ib2*の絶対値を、電流目標値Ib*の絶対値(3A)に所定量(0.1A)だけ加算した値とする(Ib2*=−3.1A)。すなわち、電流目標値Ib2*は、電流目標値Ib1*よりも低い値に設定される。なお、電流目標値Ib1*と電流目標値Ib2*との電流差(本実施例では0.2A)は、充放電電流Ibの変動範囲よりも大きくなるように設定される。
このような構成とすることにより、AC/DC変換器44は、充放電電流Ibが電流目標値Ib2*(−3.1A)となるように、電流目標値Ib2*に対する充放電電流Ibの電流偏差に応じて生成された駆動信号DRV2に応答したスイッチング動作により、系統電力40から受ける交流電力を直流電力に変換して直流バス1へ供給する。
このとき、図14(b)に示すように、充放電電流Ibが電流目標値Ib2*(−3.1A)中心として変動すると、電流目標値Ib2*に対する電流偏差に応じて、AC/DC変換器42は、系統電力40から直流バス1から供給する電力を制御する。図13(b)で説明したのと同様に、充放電電流Ibが電流目標値Ib2*よりも大きくなると、AC/DC変換器44は、蓄電部3の負方向(放電方向)に流れる電力が不足していると判断し、系統電力40から直流バス1へ供給する電力を減少させる。すなわち、AC/DC変換器44は、電力会社等から買電する電力を減少させる。そのため、AC/DC変換器44の自経路電流Ibuyは理想値である2Aに近づき、電力変換動作が正常であると判断される。
一方、充放電電流Ibが電流目標値Ib2*よりも小さくなると、AC/DC変換器44は、蓄電部3の正方向(充電方向)に流れる電力が不足していると判断し、系統電力40から直流バス1へ供給する電力を増加させる。すなわち、AC/DC変換器44は、電力会社等から買電する電力を増加させる。この場合も、AC/DC変換器44の自経路電流Ibuyは理想値である2Aに近づき、電力変換動作が正常であると判断される。
これに対して、DC/AC変換器42は、充放電電流Ibが電流目標値Ib1*(−2.9A)となるように電力変換動作を行なう。DC/AC変換器42は、電流目標値Ib1*に対する充放電電流Ibの電流偏差に応じて生成された駆動信号DRV1に応答したスイッチング動作により、直流バス1から受ける直流電力を交流電力に変換して系統電力40へ供給する。このとき、図14(c)に示すように、充放電電流Ibは、AC/DC変換器44の電力変換動作により電流目標値Ib2*(−3.1A)を中心として変動するが、その電流値は常に電流目標値Ib1*よりも低い値を示している。これは、電流目標値Ib1*と電流目標値Ib2*との差が充放電電流Ibの変動範囲よりも大きいことによる。したがって、DC/AC変換器42は、充放電電流Ibが電流目標値Ib1*を常に下回ることから、蓄電部3の正方向(充電方向)に流れる電力が不足していると判断し、直流バス1から系統電力40への電力の供給を停止する。すなわち、DC/AC変換器42は、電力会社等へ売電しない。そのため、DC/AC変換器42の自経路電流Isellは理想値である0Aに近づき、電力変換動作が正常であると判断される。
以上のように、蓄電部3の放電電流Idcおよび系統電力40から供給される電流を直流負荷5へ供給する場合においても、DC/AC変換器42における電流目標値Ib1*の絶対値を本来の電流目標値Ib*の絶対値よりも小さい値に設定するとともに、AC/DC変換器44における電流目標値Ib2*の絶対値を電流目標値Ib*の絶対値よりも大きい値に設定することにより、充放電電流IbはDC/AC変換器42の電流目標値Ib1*を常に下回ることとなる。その結果、DC/AC変換器42が蓄電部3の放電電力が不足していると判断して、本来不必要である売電を行なうのを防止することができる。
なお、図12および図14では、電流目標値Ib1*の絶対値を本来の電流目標値Ib*の絶対値よりも小さい値とし、電流目標値Ib2*の絶対値を電流目標値Ib*の絶対値りも大きい値とする構成を例示したが、本願発明は、これに限定されるものではない。すなわち、AC/DC変換器44とDC/AC変換器42とで充放電電流Ibの電流目標値を互いに異なるように設定する構成であれば、たとえば、電流目標値Ib1*または電流目標値Ib2*のいずれか一方の絶対値を電流目標値Ib*の絶対値と等しい値とし、他方を電流目標値Ib*の絶対値よりも大きい(または小さい)値とすることも可能である。
以上に説明した蓄電部3の充放電電流の電力目標値Ib*と、DC/AC変換器42およびAC/DC変換器44がそれぞれ設定する電流目標値Ib1*,Ib2*との関係は、図15に示す目標値設定表にまとめることができる。
(目標値設定表)
図15は、本実施の形態に従う直流給電システムが用いる目標値設定表の一例を示す図である。同図では、充放電電流Ibは、上記のように、蓄電部3の充電方向を正方向とし、蓄電部3の放電方向を負方向として表記されている。
図15は、本実施の形態に従う直流給電システムが用いる目標値設定表の一例を示す図である。同図では、充放電電流Ibは、上記のように、蓄電部3の充電方向を正方向とし、蓄電部3の放電方向を負方向として表記されている。
DC/AC変換器42では、制御部34内部の制御目標値選択部340(図4)は、図15に示す目標値設定表に従って、日時および蓄電部3のSOCに応じて、電流目標値Isell*または電流目標値Ib1*を設定する。また、AC/DC変換器44では、制御部54内部の制御目標値選択部540(図6)は、図15に示す目標値設定表に従って、日時および蓄電部3のSOCに応じて、電流目標値Ibuy*または電流目標値Ib2*を設定する。
図15を参照して、たとえば7時〜17時の時間帯であって、蓄電部3のSOCが20%未満の場合には、太陽光発電システム2が発電した電力で蓄電部3が充電されるように、充放電電流Ibの電流目標値Ib*が10Aに設定される。すなわち、蓄電部3が充電電流Ich=10Aで充電されるように、DC/AC変換器42およびAC/DC変換器44の電力変換動作を制御する。この場合、DC/AC変換器42の制御目標値選択部340は、制御目標値である電流目標値Ib1*を、本来の電流目標値Ib*(10A)に所定量(0.1A)だけ加算した値とする(Ib1*=10.1A)。一方、AC/DC変換器44の制御目標値選択部540は、制御目標値である電流目標値Ib2*を、本来の電流目標値Ib*(10A)から所定量(0.1A)だけ減算した値とする(Ib2*=9.9A)。このように電流目標値Ib2*を電流目標値Ib1*よりも低い値に設定したことにより、図8で説明したように、充放電電流Ibは、電流目標値Ib1*を中心として変動するが、その値は常に電流目標値Ib2*を上回っているため、AC/DC変換器44は買電を行なわない。
また、7時〜17時の時間帯であって、蓄電部3のSOCが20%以上80%未満の場合には、太陽光発電システム2が発電した電力を積極的に売電するように、DC/AC変換器42の制御目標値選択部340は、自経路電流Isellの電流目標値Isell*を5Aに設定する。
さらに、7時〜17時の時間帯であって、蓄電部3のSOCが80%以上の場合には、蓄電部3を放電するように、充放電電流Ibの電流目標値Ib*が−10Aに設定される。すなわち、蓄電部3が放電電流Idc=10Aで放電されるように、DC/AC変換器42およびAC/DC変換器44の電力変換動作を制御する。この場合、DC/AC変換器42の制御目標値選択部340は、制御目標値である電流目標値Ib1*を、本来の電流目標値Ib*(−10A)に所定量(0.1A)だけ加算した値とする(Ib1*=−9.9A)。一方、AC/DC変換器44の制御目標値選択部540は、制御目標値である電流目標値Ib2*を、本来の電流目標値Ib*(−10A)から所定量(0.1A)だけ減算した値とする(Ib2*=−10.1A)。このように電流目標値Ib2*を電流目標値Ib1*よりも低い値に設定したことにより、図12で説明したように、充放電電流Ibは、電流目標値Ib1*を中心として変動するが、その値は常に電流目標値Ib2*を上回っているため、AC/DC変換器44は買電を行なわない。
図15に示す目標値設定表では、同様の方法によって、17時〜23時の時間帯および23時〜7時の時間帯のそれぞれについて、蓄電部3のSOCに応じて充放電電流Ibの電流目標値Ib*が設定される。そして、その設定された電流目標値Ib*に基づいて、電流目標値Ib1*およびIb2*が設定される。電流目標値Ib1*およびIb2*の設定方法は、7時〜17時の時間帯での設定方法と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
以上のように、本発明の実施の形態に係る直流給電システムによれば、直流バス1に直結されている蓄電部3の充放電電流Ibが電流目標値Ib*になるように、DC/AC変換器42およびAC/DC変換器44が電力変換動作を行なう場合には、AC/DC変換器44の電流目標値Ib2*とDC/AC変換器42の電流目標値Ib1*とを互いに異なる値に設定することにより、充放電電流Ibの変動によって一方の電力変換器が不必要な電力変換動作を行なうのを防止することができる。この結果、充放電電流Ibの変動に影響されることなく、蓄電部3の充放電を制御することが可能となる。
特に、上記の実施の形態のように、充放電電流Ibを、蓄電部3の充電方向を正方向とし、蓄電部3の放電方向を負方向とした場合には、AC/DC変換器44の電流目標値Ib2*をDC/AC変換器42の電流目標値Ib1*よりも低い値に設定することによって、蓄電部3の充電時および放電時のいずれにおいても、不必要な電力変換動作を防止することができる。
これに対して、充放電電流Ibを、蓄電部3の放電方向を正方向とし、蓄電部3の充電方向を負方向とした場合には、上記の実施の形態とは対照的に、DC/AC変換器42の電流目標値Ib1*をAC/DC変換器44の電流目標値Ib2*よりも低い値に設定することによって、蓄電部3の充電時および放電時のいずれにおいても、不必要な電力変換動作を防止することができることを確認的に記載する。
また、本発明の実施の形態では、DC/AC変換器42およびAC/DC変換器44の電力変換動作を制御するための制御部34および54を、それぞれの電力変換器の内部に持たせる構成としたが、電力変換器の外部の制御部、たとえば直流給電システムを統括制御するための制御装置が各電力変換器を制御する構成としてもよい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 直流バス、2 太陽光発電システム、3 蓄電部、4 系統電力システム、5 直流負荷、20 太陽電池、22 DC/DC変換器、30 DC/AC変換部、32 連系リアクトル、34,54 制御部、36,56 直流電圧検出部、38,58 自経路電流検出部、40 系統電力、42 DC/AC変換器、44 AC/DC変換器、50 昇圧回路、52 整流部、60 充放電電流検出部、340,540 制御目標値選択部、342,344,542,544 減算部、346,546 切替部、348,548 スイッチング素子駆動信号生成部、C1 平滑コンデンサ、D1〜D10 ダイオード、L1 インダクタ、Q1〜Q5 トランジスタ。
Claims (9)
- 直流負荷に直流電力を供給するための直流給電システムであって、
系統電力および前記直流負荷の間に配設された直流バスと、
電源電圧を前記直流バスに出力する蓄電部と、
前記蓄電部の充放電電流を検出する充放電電流検出部と、
前記直流バスおよび前記系統電力の間で電力変換する電力変換装置とを備え、
前記電力変換装置は、
前記直流バスからの直流電力を交流電力に変換して前記系統電力へ供給する直流/交流変換器と、
前記系統電力からの交流電力を直流電力に変換して前記直流バスへ供給する交流/直流変換器とを含み、
制御目標値を前記蓄電部の充電電流の目標値以上となる第1の値に設定するとともに、前記充電電流の検出値が前記第1の値になるように、前記直流/交流変換器の電力変換動作を制御する第1の電力変換制御手段と、
制御目標値を前記1の値よりも小さい第2の値に設定するとともに、前記充電電流の検出値が前記第2の値になるように、前記交流/直流変換器の電力変換動作を制御する第2の電力変換制御手段とをさらに備える、直流給電システム。 - 直流負荷に直流電力を供給するための直流給電システムであって、
系統電力および前記直流負荷の間に配設された直流バスと、
電源電圧を前記直流バスに出力する蓄電部と、
前記蓄電部の充放電電流を検出する充放電電流検出部と、
前記直流バスおよび前記系統電力の間で電力変換する電力変換装置とを備え、
前記電力変換装置は、
前記直流バスからの直流電力を交流電力に変換して前記系統電力へ供給する直流/交流変換器と、
前記系統電力からの交流電力を直流電力に変換して前記直流バスへ供給する交流/直流変換器とを含み、
制御目標値を前記蓄電部の放電電流の目標値以下となる第3の値に設定するとともに、前記放電電流の検出値が前記第3の値になるように、前記直流/交流変換器の電力変換動作を制御する第3の電力変換制御手段と、
制御目標値を前記第3の値よりも大きい第4の値に設定するとともに、前記放電電流の検出値が前記第4の値になるように、前記交流/直流変換器の電力変換動作を制御する第4の電力変換制御手段とをさらに備える、直流給電システム - 直流負荷に直流電力を供給するための直流給電システムであって、
系統電力および前記直流負荷の間に配設された直流バスと、
電源電圧を前記直流バスに出力する蓄電部と、
前記蓄電部の充放電電流を検出する充放電電流検出部と、
前記直流バスおよび前記系統電力の間で電力変換する電力変換装置とを備え、
前記電力変換装置は、
前記直流バスからの直流電力を交流電力に変換して前記系統電力へ供給する直流/交流変換器と、
前記系統電力からの交流電力を直流電力に変換して前記直流バスへ供給する交流/直流変換器とを含み、
前記充放電電流の検出値が第1の制御目標値になるように、前記直流/交流変換器の電力変換動作を制御する直流/交流変換制御手段と、
前記充放電電流の検出値が第2の制御目標値になるように、前記交流/直流変換器の電力変換動作を制御する交流/直流変換制御手段と、
前記充放電電流を、前記直流バスが直流電圧を前記蓄電部に供給する充電方向を正方向とし、前記蓄電部が直流電圧を前記直流バスに供給する放電方向を負方向としたときに、前記第2の制御目標値が、前記第1の制御目標値よりも小さくなるように、前記充放電電流の目標値に応じて前記第1および第2の制御目標値を設定する制御目標値設定手段とをさらに備える、直流給電システム。 - 直流負荷に直流電力を供給するための直流給電システムであって、
系統電力および前記直流負荷の間に配設された直流バスと、
電源電圧を前記直流バスに出力する蓄電部と、
前記蓄電部の充放電電流を検出する充放電電流検出部と、
前記直流バスおよび前記系統電力の間で電力変換する電力変換装置とを備え、
前記電力変換装置は、
前記直流バスからの直流電力を交流電力に変換して前記系統電力へ供給する直流/交流変換器と、
前記系統電力からの交流電力を直流電力に変換して前記直流バスへ供給する交流/直流変換器とを含み、
前記充放電電流の検出値が第1の制御目標値になるように、前記直流/交流変換器の電力変換動作を制御する直流/交流変換制御手段と、
前記充放電電流の検出値が第2の制御目標値になるように、前記交流/直流変換器の電力変換動作を制御する交流/直流変換制御手段と、
前記充放電電流を、前記直流バスが直流電圧を前記蓄電部に供給する充電方向を負方向とし、前記蓄電部が直流電圧を前記直流バスに供給する放電方向を正方向としたときに、前記第2の制御目標値が、前記第1の制御目標値よりも大きくなるように、前記充放電電流の目標値に応じて前記第1および第2の制御目標値を設定する制御目標値設定手段とをさらに備える、直流給電システム。 - 前記第1の値は、前記充電電流の変動範囲に応じた所定量を前記充電電流の目標値に加算した値であり、前記第2の値は、前記所定量を前記充電電流の目標値から減算した値である、請求項1に記載の直流給電システム。
- 前記第3の値は、前記放電電流の変動範囲に応じた所定量を前記放電電流の目標値に減算した値であり、前記第4の値は、前記所定量を前記放電電流の目標値から加算した値である、請求項2に記載の直流給電システム。
- 前記制御目標値設定手段は、前記第1の制御目標値と、前記第2の制御目標値との差を、前記充放電電流の変動範囲に応じて設定する、請求項3に記載の直流給電システム。
- 分散電源装置と、
前記分散電電装置の発電量および前記蓄電部の残量に少なくとも基づいて、前記充放電電流の目標値を設定する電流目標値設定手段をさらに備える、請求項1から7のいずれか1項に記載の直流給電システム。 - 前記蓄電部は、前記直流バスに直結される、請求項1から8のいずれか1項に記載の直流給電システム。
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