JP2012208928A - 入力デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】使用する筆記用具に制限がなく、メモ等を、普段使用する筆記用具で枠内に配置した用紙に直接書き込むだけで、この筆記用具の移動軌跡を記録して電子データとして保存する入力デバイスを提供する。
【解決手段】入力デバイスDは、筆記用具Wで書き込むときに手を乗せるための矩形状のフレーム1と、少なくとも一組の発光素子と受光素子とから構成され、上記フレーム1内の筆記用具Wに関連して生じる、上記発光素子から受光素子に到達する光の遮断を検知することにより、この筆記用具Wのフレーム1内における位置情報を出力する光学式センサSを備え、この光学式センサSの枠内から露呈した用紙Pの部分に、筆記用具W等で書き込むと、その筆記用具Wの先端の移動軌跡が、電子データとして記憶手段Mに記憶される。
【選択図】図1
【解決手段】入力デバイスDは、筆記用具Wで書き込むときに手を乗せるための矩形状のフレーム1と、少なくとも一組の発光素子と受光素子とから構成され、上記フレーム1内の筆記用具Wに関連して生じる、上記発光素子から受光素子に到達する光の遮断を検知することにより、この筆記用具Wのフレーム1内における位置情報を出力する光学式センサSを備え、この光学式センサSの枠内から露呈した用紙Pの部分に、筆記用具W等で書き込むと、その筆記用具Wの先端の移動軌跡が、電子データとして記憶手段Mに記憶される。
【選択図】図1
Description
本発明は、光学的な位置検出手段を備える入力デバイスに関するものである。
操作に慣れが必要なキーボードやマウス等に代えて、パーソナルコンピュータ等の情報機器を誰もが簡単に操作できる入力装置(入力デバイス)として、タブレットやタッチパネル等の平板状の入力デバイスが用いられている。このような平板状の入力デバイスは、機器を操作する人の指やペンがタッチパネル等に触れた位置を二次元(x−y方向)で検出する触れ位置検出手段を備えており、モニターやそのパネルの下に配置された液晶画面等のフラットディスプレイの表示(絵模様やアイコン等)と連携して、上記情報機器等を直感的に操作できるようになっている(例えば、特許文献1等を参照)。
上記タッチパネル等における触れ位置検出手段(タッチセンサ)としては、通常、価格や性能,耐久性等の観点から、抵抗膜方式や静電容量方式,電磁誘導方式等を採用したものが用いられる。これらの方式のタッチパネルは、そのパネルの表面近傍に、多数の電気的な接点がマトリックス状に形成された構造を有する。
そして、上記のようなタブレットやタッチパネル等の構成を、仮想的な電子文具に応用した例もある。例えば、手書きのメモ等をデジタル化(画像化)する電子メモ装置は、入力するメモ等を表示することのできる、タッチセンサ付きのディスプレイ(タッチパネル)を備えており、そのディスプレイに、指や専用ペン等を接触させ、その先端を動かすことにより、これら指等の先端部の移動軌跡または筆跡(位置情報)が、メモ等の情報として入力され、上記ディスプレイ等に表示されるようになっている。また、上記ディスプレイ等に表示された先端部の移動軌跡は、画像等の電子データとして上記電子メモ装置に保存(記憶)されるようになっている。
また、特許文献2には、左右に配置された複数のカメラで、筆記領域内における筆記部材の反射光(空間画像)を撮像し、得られた画像のなかから筆記部材の形状を抽出して認識するとともに、この形状認識された筆記部材の先端(下端)部が上記筆記領域の平面に接触したと判断された際に、上記筆記部材の先端部の位置(座標)を、上記複数のカメラを用いた三角測量により算出し、上記筆記部材が筆記領域の平面に接触してから離れるまでに得られた接触位置の座標列(筆記データ)を、メモ等の情報として媒体に記録する筆記入力装置が提案されている。
ところで、上記のようなタッチパネル付きの電子メモ装置は、簡単に文字等を入力することができて便利ではあるものの、コンピュータ,電子情報機器等の操作に不慣れな人や、高齢者等を中心に、筆跡や文字等がディスプレイ等に表示される電子的なメモより、紙等の媒体上に直接筆跡が残る形でメモを残したい、という要望が依然として根強い。
また、上記反射光を利用した撮像により筆記部材の先端位置を特定して、紙等の媒体上に筆記したメモを電子化する筆記入力装置は、撮像された画像のなかから、画像処理および演算(認識手段)により、上記筆記部材と筆記領域に侵入した他の物体(手先や指等)とを判別しているため、その処理(位置の特定)に時間がかかり、システム全体の構成や機構も、複雑で高コストになってしまうという欠点がある。しかも、上記筆記入力装置は、画像中から上記筆記部材(の形状)を抽出するために、使用予定の筆記部材の外形形状を予め記憶させておかねばならず、すぐに使用を始められないという問題もある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、使用する筆記用具に制限がなく、メモ等を、普段使用する筆記用具で枠内に配置した用紙に直接書き込むだけで、この筆記用具の移動軌跡を記録して電子データとして保存する入力デバイスの提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の入力デバイスは、筆記用具で書き込める用紙の少なくとも一部分を囲む、下記(A)の枠状の光学式センサと、この光学式センサの枠内から露呈した上記用紙の部分に筆記用具で書き込むときに、その筆記用具の先端の移動軌跡を電子データとして記憶する記憶手段と、を備える構成をとる。
(A)筆記用具で書き込むときに手を乗せるための矩形状のフレームと、これに取り付けられた少なくとも一組の発光素子と受光素子とから構成され、上記フレーム内の筆記用具に関連して生じる、上記発光素子から受光素子に到達する光の遮断を検知することにより、この筆記用具のフレーム内における位置情報を出力する光学式センサ。
(A)筆記用具で書き込むときに手を乗せるための矩形状のフレームと、これに取り付けられた少なくとも一組の発光素子と受光素子とから構成され、上記フレーム内の筆記用具に関連して生じる、上記発光素子から受光素子に到達する光の遮断を検知することにより、この筆記用具のフレーム内における位置情報を出力する光学式センサ。
本発明の入力デバイスは、書き込み用の用紙の上に載置され、この用紙の少なくとも一部分がその枠内から露呈する上記(A)筆記用具で書き込むときに手を乗せるための枠状の光学式センサと、この光学式センサから得られる筆記用具の移動軌跡情報を、電子データとして記憶する記憶手段とを備えている。そのため、上記光学式センサの枠内から露呈した用紙の部分に、筆記用具等で書き込むと、その軌跡(筆跡)は、上記用紙に残るとともに、どのような筆記用具であっても、その先端(ペン先)による遮光部位の軌跡(影跡)が、上記記憶手段に電子データとして保存(記憶)される。これにより、本発明の入力デバイスは、電子化することに特別な配慮を払うことなく、メモ等を、利用者が普段利用している筆記用具で枠内の用紙に直接書き込むだけで、その筆記用具の移動軌跡が自動的に電子化される。しかも、上記電子化された情報は、上記記憶手段からパーソナルコンピュータ等を利用して引き出す(再生する)ことができ、他者との共有化や、知識や記録等の保管も簡単に行うことができて、便利である。
また、本発明の入力デバイスにおいては、上記書き込みの際、手(右手,左手を問わず、筆記する際に接地する、手のひらの小指球部位や指、あるいは、筆記用具の支持点となる手首や腕等を含む)を矩形状のフレームに乗せて書くことにより、この手の接地部位を筆記用具と誤って認識することがなくなり、従来の反射光を利用した筆記入力装置で必要であった認識手段(特許文献2参照)のような、複雑なシステムが不要になる。
また、本発明の入力デバイスは、筆記用具の先端部の触れ位置の検出手段(光学式センサ)として、上記(A)矩形状のフレームと、これに取り付けられた少なくとも一組の発光素子と受光素子とから構成され、上記フレーム内の筆記用具に関連して生じる、上記発光素子から受光素子に到達する光の遮断を検知することにより、この筆記用具のフレーム内における位置情報を出力する光学式センサを用いている。そのため、触れ位置の検出面に、電気的な(物理的な)接点がなく、耐久性に優れるうえ、埃や汚れ等の影響も受けにくい。また、筆記用具で書き込む際も、抵抗膜方式や静電容量方式,電磁誘導方式等のような大きな筆圧を必要とせず、センサを意識しない、自然な書き込みを行うことができる。
さらに、上記(A)の枠状光学式センサとして、そのフレーム部分に、その枠状において互いに対向する一方の部分に光出射用の複数のコアが形成され、他方の部分に光入射用の複数のコアが形成され、光出射用のコアの先端部と光入射用のコアの先端部とが対峙するように、各コアの先端部が上記フレームの内側縁に位置決めされた光導波路が配設され、上記光導波路の各光出射用のコアから光入射用のコアに向かって出射された光が、上記フレーム内に、縦横に交差する光の格子を形成するようになっている光学式センサを用いる場合は、この光学式センサの枠(フレーム)を、薄い形状とすることができる。すなわち、光導波路は、フィルム状やシート状等、薄く形成することが可能なため、この光学式センサの枠に組み込んでも、筆記用具で書き込む際にその書き込み作業の邪魔にならない程度にまで、枠を薄く形成することができる。これにより、上記用紙への書き込みを、より自然体で、かつ、楽な姿勢で行うことが可能になる。
また、本発明の入力デバイスにおいて、上記(A)の枠状光学式センサとして、そのフレーム内に、その枠状において互いに対向する一方の部分に複数の発光素子が並んで配置され、他方の部分に複数の受光素子が並んで配置され、各発光素子および受光素子が上記フレームの内側に向かって位置決めされ、上記発光素子から受光素子に向かって出射された光が、上記フレーム内に、縦横に交差する光の格子を形成するようになっている光学式センサを用いる場合は、これら発光素子(光源)として発光ダイオード(LED)等を使用し、受光素子としてフォトダイオード(PD)を用いる等、汎用的な部品を使用することができる。したがって、上記光学式センサを安価に構成できる点で有利である。また、耐衝撃に優れ、耐久性があるというメリットがある。
そして、本発明の入力デバイスにおいて、上記(A)の枠状光学式センサとして、そのフレームの四つの角部のうち、一つの辺の両側の角部に、上記発光素子と複数の受光素子からなる受光素子アレイとを上下に重ねたモジュールがそれぞれ配置され、これらモジュールの間の上記一つの辺を除く三つの辺の内側面に、テープ状の再帰性光反射体が配設され、一方のモジュールの発光素子から出射された光が、上記再帰性光反射体により反射されて、この一方のモジュールの受光素子アレイに再帰入射するようになっている光学式センサを用いる場合は、少ない部品点数で、三角測量により、上記筆記用具の先端の位置を特定できる。また、この入力デバイスも、汎用的な部品を用いて、安価に構成することができる。
また、本発明の入力デバイスにおいて、上記光学式センサと記憶手段とが、記憶装置として一体に形成され、その記憶装置が、上記光学式センサを用紙の上に載置する際に、用紙に対して設置自在あるいは着脱自在になっている場合は、上記用紙を新しいものに簡単に交換することができる。また、用紙を新しいものに交換しても、上記記憶した内容(移動軌跡)を、上記記憶装置の記憶手段からパーソナルコンピュータ等を利用して、容易に引き出す(再生する)ことができる。
つぎに、本発明の実施の形態を、図面にもとづいて詳しく説明する。
図1は、本発明の実施の形態における入力デバイスDの全体構成を説明する図である。
この入力デバイスDは、筆記用具Wで書き込める用紙Pの少なくとも一部分を囲む枠状の光学式センサSと、光学式センサSの枠内における筆記用具Wの先端の移動軌跡を、電子データとして記憶する記憶手段Mと、を備える。そして、上記光学式センサSは、矩形状のフレーム1が、筆記用具Wで書き込む際に手(手のひらHの小指球部位U等)を乗せることができるようになっており、このフレーム1に取り付けられた少なくとも一組の発光素子(光源)と受光素子とから構成され、上記フレーム1内の筆記用具Wに関連して生じる、上記発光素子から受光素子に到達する光の遮断を検知することにより、上記筆記用具W等のフレーム1内における位置情報を出力するようになっている。これが本発明の入力デバイスDの特徴である。
この入力デバイスDは、筆記用具Wで書き込める用紙Pの少なくとも一部分を囲む枠状の光学式センサSと、光学式センサSの枠内における筆記用具Wの先端の移動軌跡を、電子データとして記憶する記憶手段Mと、を備える。そして、上記光学式センサSは、矩形状のフレーム1が、筆記用具Wで書き込む際に手(手のひらHの小指球部位U等)を乗せることができるようになっており、このフレーム1に取り付けられた少なくとも一組の発光素子(光源)と受光素子とから構成され、上記フレーム1内の筆記用具Wに関連して生じる、上記発光素子から受光素子に到達する光の遮断を検知することにより、上記筆記用具W等のフレーム1内における位置情報を出力するようになっている。これが本発明の入力デバイスDの特徴である。
上記実施の形態における入力デバイスD(図1)は、システム手帳等に用いられるバイブルサイズ(縦171mm×横95mm)の用紙、または、A5サイズ(JIS P 0138 「紙加工仕上寸法」に準拠、以下同じ)の用紙に対応して、そのフレーム1の内寸(開口サイズ)が、おおよそ縦150〜250mm,横80〜160mm程度になるように設定されている。さらに、フレーム1の厚みは、筆記に用いる手(上記手のひらHの小指球部位U、あるいは筆記用具の支持点となる手首や腕等)を上に乗せる場合を考慮して、1〜20mm程度に設定されている。
ここで、本発明において、「筆記用具で書き込むときに手を乗せるための」矩形状のフレーム1とは、筆記用具Wで書き込むときに常時、手を乗せるという趣旨ではなく、例えば、右利きの人が、用紙Pの中央部分ないし左側部分等に書き込む際に、上記フレーム1に手を乗せる(載せる、あるいは接触させる)という状態であり、上記用紙Pの右側部分等、枠外から筆記できる場合には、上記手をフレーム1上に乗せる必要はない。
また、上記入力デバイスDには、通信(電源)ケーブル(ない場合もある)や、これを駆動するためのバッテリ、上記発光素子および受光素子のドライバ等の制御手段、パーソナルコンピュータ等の情報機器と通信するための通信手段(有線または無線)が内蔵されているが、いずれも図示を省略している。また、上記光学式センサSと記憶手段M(フレーム1内に内蔵)とが一体となった入力デバイスDを「記憶装置」と呼ぶ場合もある。
つぎに、上記入力デバイス(D)の具体的な例として、光導波路を用いた光の分配機構により、光学式センサ(S1)のフレーム1の内側に、筆記用具Wの先端部検出用の光の格子を形成する、第1実施形態について説明する。
図2は、第1実施形態における入力デバイスD1の概略構成を説明する平面図である。なお、この図においては、説明を容易にするために、フレーム1の辺X1,X2方向を横方向(x方向)とし、フレーム1の辺Y1,Y2方向を縦方向(y方向)とするとともに、フレーム1内部の光導波路コア(4a,4b,5a,5b)を一点鎖線で、フレーム1内側の格子状の光(不可視の赤外光)を二点鎖線で表示している。また、上記光導波路コアの本数と格子状の光の本数は、数を省略して描いており、図1と同様に、入力デバイスDを駆動するためのバッテリ、発光素子および受光素子のドライバ等の制御手段、パーソナルコンピュータ等の情報機器と通信するための通信手段(ケーブルまたは無線アンテナ)等は、図示を省略している(図1および以降の図3〜図10も同様)。
この第1実施形態における入力デバイスD1も、筆記用具Wで書き込める用紙(P)の上に載置することにより、枠状のフレーム1内側の四角状の領域(検知領域)における筆記用具Wの先端(触れ位置T)の位置(x−y座標)を検出する触れ位置検出手段を有する光学式センサS1と、この光学式センサS1により得られた筆記用具Wの先端位置の移動軌跡情報(x−y位置の変化)を記憶する記憶手段(M)と、を備えている。
光学式センサS1のフレーム1部分には、上記触れ位置検出手段の発光部として、図2のように、その横方向の辺X1側に光出射用のコア4aを有し、縦方向の辺Y1側に光出射用のコア4bを有する発光側光導波路4が配置され、発光素子(光源2)から出射された光が、上記発光側光導波路4の各光出射用コア4a,4a,・・・(横方向)と、各光出射用コア4b,4b,・・・(縦方向)とに分岐・分配されるようになっている。
また、上記四角状の検知領域を挟んで対向するフレーム1部分には、上記触れ位置検出手段の受光部として、その横方向の辺X2側に光入射用のコア5aを有し、縦方向の辺Y2側に光入射用のコア5bを有する受光側光導波路5が配置され、上記検知領域を通過して、上記受光側光導波路5の各光入射用コア5a,5a,・・・(横方向)と、各光入射用コア5b,5b,・・・(縦方向)とに入射した光が、これら各光入射用コア5a,5bの一つ一つに対応する多数の受光素子を有する受光素子アレイ3に導かれるようになっている。
なお、上記記憶手段(M)は、この受光素子アレイ3と重ねて配置されている。また、上記フレーム1のサイズは、使用する用紙のサイズとこのフレーム1内への手の侵入しにくさ(「枠内に手を置くには狭い」という心理的効果)を考慮して、その内側の開口寸法が、縦が通常80〜297mm程度、好適には100〜210mmで、横が通常80〜210mm程度、好適には100〜148mmになるように設定されている。そして、上記手(手のひらの小指球部位等)の乗せ易さを考慮して、フレーム1の幅は、通常10〜100mm程度、好適には15〜50mmで、その手を乗せる部分の厚み(総厚)が、通常1〜20mm程度になるように設定されている。ここで、上記フレーム1の総厚1〜20mmには、2つの態様があり、薄手のものは1〜5mmに設定され、少し厚手で強度を高くしたものは、5mmを越えて20mm以下の厚みに設定される。
上記発光側光導波路4および受光側光導波路5について、さらに詳しく説明すると、これらの光導波路4,5は、例えば、ポリマー系光導波路の場合、樹脂材料を用いて形成されたアンダークラッド層およびオーバークラッド層(ともに図示せず)の間に、フォトリソグラフィ法等により上記形状にパターニングされた上記各コア4a,4b,5a,5bが配置されている。
また、上記発光側光導波路4および受光側光導波路5は、触れ位置検出用であることから、これら発光側光導波路4から分岐する各コア4a,4bの先端部(出射部)と、受光側光導波路5の各コア5a,5bの先端部(入射部)とは、図2に示すように、互いが対峙するように上記フレーム1の内側縁に位置決めされている。そして、上記検知領域を挟んで対向する発光側光導波路4のコア4aの先端部と受光側光導波路5のコア5aの先端部との間(縦方向)、および、発光側光導波路4のコア4bの先端部と受光側光導波路5のコア5bの先端部との間(横方向)に、上記のような光の格子(二点鎖線)が形成される。
なお、上記実施形態においては、光導波路の各コア4a,4b,5a,5bが樹脂材料(高分子材料)を用いて形成されたポリマー系光導波路を例にあげたが、これらコアを構成する材料は、例えばガラス等、周囲に配設されるクラッド層より屈折率の高い材料で構成することもできる。ただし、コアと周囲のクラッド層との屈折率の差は、0.01以上であることが好ましく、上記形状のパターンニング性等も考慮すると、紫外線硬化樹脂等の感光性樹脂が最も好ましい。使用する紫外線硬化樹脂としては、アクリル系,エポキシ系,シロキサン系,ノルボルネン系,ポリイミド系等があげられる。
さらに、コアの周囲のクラッド層は、上記紫外線硬化樹脂等の感光性樹脂のうち、コアより屈折率の低い材料を用いればよい。その他にも、クラッド層には、ガラス,シリコン,金属,樹脂等、平坦性を有する基板を兼用する材料を用いることもできる。クラッド層は、コア下側のアンダークラッド層のみとしてもよく、コアを覆うオーバークラッド層は、形成しなくてもよい。そして、上記光導波路は、プラズマを用いたドライエッチング法,転写法,露光・現像を用いたフォトリソグラフィ法,フォトブリーチ法等により作製することが可能である。
上記光学式センサS1に使用する発光素子(光源2)には、発光ダイオード(LED)または半導体レーザー等が用いられ、なかでも、光伝送性に優れるVCSEL(垂直共振器面発光レーザー)が好適に用いられる。上記光源2が出射する光の波長としては、近赤外(波長:700〜2500nm)が好ましい。
上記光学式センサS1に使用する受光素子(受光素子アレイ3)としては、CCD,CMOS等のイメージセンサや、多数の受光素子が一列に並ぶCMOSリニアセンサアレイ等を用いることができる。
そして、図1のように、上記記憶手段(M)を備える光学式センサS1(記憶装置)を、筆記可能な用紙Pの少なくとも一部分を囲むように、その用紙Pの上に着脱自在に載置した場合、上記フレーム1の上面に手(手のひらHの小指球部位U等)を着いて、上記光学式センサS1の枠内から露呈した用紙Pの部分に、筆記用具Wの先端を降ろすと、図2に示すように、上記枠内を通る格子状の光の一部が筆記用具Wの先端により遮断され、その遮断部分が上記触れ位置検出手段の受光素子により感知されることにより、上記筆記用具W先端の枠内における座標位置(x−y軸、図2中の「触れ位置T」を参照)が検知・特定され、その座標が上記記憶手段(M)に記憶される。また、その状態で、上記筆記用具Wを移動させてメモ等を書き込むと、その移動に伴う上記筆記用具Wの先端の軌跡(メモ等の書き込み情報)が検出され、その軌跡がデジタルデータ(電子データ)として上記記憶手段(M)に記憶される。すなわち、光学式センサS1の枠内から露呈した用紙Pの部分に、筆記用具Wでメモ等を書き込むと同時に、そのメモ等の情報が上記記憶手段(M)のメモリ等に記録される。
なお、上記入力デバイスD1は、上記のように、筆記用具Wによる遮光を利用してその先端位置を特定しているため、筆記時に、上記筆記用具Wの先端の検知の障害となる手先や指等〔なかでも、筆記するときに用紙等に接触し易い「手のひらの小指球部位」(小指側側面)図1の符号Uの斜線部位を参照〕が、誤って上記光学式センサS1の枠内(露呈する用紙上)に侵入するおそれがある。しかしながら、この入力デバイスD1では、上記「筆記用具Wで書き込むときに手を乗せるための矩形状のフレーム1」によって、筆記領域の周縁の境界が明示され、このフレーム1が、その内側の検知領域(すなわち、書き込み用の領域)に検知の障害となる他の物体が侵入したり、書き込み作業者の左右の手の手先や指等が上記検知領域にうっかり触れるといった「お手つき」現象を防止する、心理的な障壁として機能するため、上記手先や指等による誤検知が防止されている。しかも、上記フレーム1が「書き込み用の領域」の周縁として認識されることにより、書き込み作業者は、筆記時に用紙等に接触し易い上記「手のひらの小指球部位」あるいは手首等の「筆記用具の支持点」を、上記フレーム1の上に自然と乗せる(接触させる)ことになるため、これらの接触による入力ミスや誤検知が起きにくいという点でも有利である。
しかも、上記第1実施形態の入力デバイスD1は、上記フレーム1内に配置される、光学式センサS1の触れ位置検出手段に、フィルム状またはシート状の光導波路(厚くても1mm程度)を用いていることから、基台や保護板等の厚みを考慮しても、そのフレーム1の総厚(手を乗せる部分の厚み)を1〜20mm程度に形成できるため、このフレーム1の上に手や手首等を乗せても違和感がなく、書き込みが行い易くなっている。また、フィルム状またはシート状の光導波路が、上記のように薄いことから、発光側光導波路4の各光出射用コア4aの先端部から出射する光は、その枠内の用紙P表面から僅かに高い位置(0.6mm程度)を通過させることが可能で、上記筆記用具Wを多少斜めにした状態で書き込んでも、この光の格子により検知される軌跡は、筆記用具Wの先端の実際の軌跡(用紙P上のメモ)とのずれが少なく、人間の見た目と同じ適正な状態で、上記記憶手段(M)に保存(記憶)することができる。
つぎに、光学式センサ(S2)のフレーム1内に、発光素子(光源)として多数の発光ダイオード(LED)を並べて配置し、受光素子として多数のフォトダイオード(PD)を並べて配置することにより、光学式センサ(S2)の枠内に、筆記用具Wの先端部検出用の光の格子を形成する、第2実施形態の入力デバイスD2について説明する。
図3は、第2実施形態における入力デバイスD2の概略構成を説明する平面図である。なお、この図においても、フレーム1の辺X1,X2方向を横方向(x方向)とし、フレーム1の辺Y1,Y2方向を縦方向(y方向)とするとともに、LED,PDの個数と格子状の光の本数は数を省略し、このフレーム内の電気配線等を点線で表示している。また、前記のバッテリや通信手段等も、図示を省略している。
この第2実施形態における入力デバイスD2も、筆記用具Wで書き込める用紙(P)の上に載置することにより、枠状のフレーム1内側の四角状の領域(検知領域)における筆記用具Wの先端(触れ位置T)の位置(x−y座標)を検出する触れ位置検出手段を有する光学式センサS2と、この光学式センサS2により得られた筆記用具Wの先端位置の移動軌跡情報(x−y位置の変化)を記憶する記憶手段M(内蔵)と、を備えている。
上記第2実施形態の入力デバイスD2が、先の第1実施形態の入力デバイス(D1)と異なる点は、筆記用具W先端の触れ位置を検出するための光の格子が、図3のように、光学式センサS2のフレーム1内に並べて配置された多数のLED6,6,・・・を光源とする発光部により形成されている点である。また、上記各LED6が配置されたフレーム1の部位(辺X1,Y1)に対向するフレーム1部分(辺X2,Y2)には、これら各LED6に対応する多数のPD7,7,・・・からなる受光部が形成され、これら各PD7は、上記各LED6と同様、枠状のフレーム1の内縁に沿って、その先端が内側に向くように並べて位置決めされている。そして、各LED6およびPD7のコントローラ(制御手段)を兼用する記憶手段Mの制御により、上記各LED6を一斉に、あるいは、走査方向に順次発光させることによって、フレーム1内の四角状の検知領域に、触れ位置検出用の光の格子(二点鎖線)が形成される。
なお、上記フレーム1のサイズは、使用する用紙のサイズとこのフレーム1内への手の侵入しにくさを考慮して、その内側の開口寸法が、縦が通常80〜297mm程度、好適には100〜210mmで、横が通常80〜210mm程度、好適には100〜148mmになるように設定されている点は、前記第1実施形態と同様である。また、同様に、上記手(手のひらの小指球部位等)の乗せ易さを考慮して、フレーム1の幅は、通常10〜100mm程度、好適には15〜50mmで、その手を乗せる部分の厚み(総厚)が、通常1〜20mm程度になるように設定されている。ここで、上記フレーム1の総厚1〜20mmには、2つの態様があり、薄手のものは1〜5mmに設定され、少し厚手で強度を高くしたものは、5mmを越えて20mm以下の厚みに設定される。
そして、上記発光素子(光源)として使用するLED6としては、近赤外(波長:700〜2500nm)の光を発光するタイプの赤外LED(赤外発光ダイオード)が好ましい。また、受光素子としては、上記フォトダイオード(PD)の他、多数の受光素子がバー状あるいはアレイ状に一列に並ぶリニアセンサアレイや、イメージセンサ等を用いてもよい。
上記第2実施形態の入力デバイスD2を用いた筆記用具Wの触れ位置の検出は、以下のような手順で行われる。すなわち、まず、図1のように、コントローラを兼用する記憶手段Mを備える光学式センサS2(記憶装置)を、筆記可能な用紙Pの少なくとも一部分を囲むように、その用紙Pの上に着脱自在に載置する。つぎに、校正(キャリブレーション)として、上記発光部のLED6を一つずつ(端から)順次発光させながら、このLED6に対応(対向)するPD7に到達する光(格子光)の強度を、発光時と未発光時で測定し、各PD7ごとに、遮光による筆記用具の検知・非検知のしきい値を決定して、上記記憶手段Mにテーブル等として記憶する。
つぎに、上記コントローラを兼用する記憶手段Mにより、上記各LED6を順次発光させ、光学式センサS2の検知領域内を走査(スキャン)した状態で、上記フレーム1の上面に手(手のひらの小指球部位等)を着いて、この光学式センサS2の枠内から露呈した用紙Pの部分に、筆記用具Wの先端を降ろすと、図3のように、上記枠内を通る格子状の光の一部が筆記用具Wの先端により遮断され、その遮断部分が上記触れ位置検出手段の該当受光素子により検知されることにより、上記筆記用具W先端の枠内における座標位置(x−y軸、図3中の「触れ位置T」を参照)が特定され、その座標が上記記憶手段Mに記憶される。
そして、上記筆記用具Wを移動させてメモ等を書き込むと、その移動に伴う上記筆記用具Wの先端の軌跡(メモ等の書き込み情報)が検出され、その軌跡がデジタルデータ(電子データ)として上記記憶手段Mに記憶される。すなわち、光学式センサS2の枠内から露呈した用紙Pの部分に、筆記用具Wでメモ等を書き込むと同時に、そのメモ等の情報が上記コントローラを兼用する記憶手段Mのメモリ等に記録される。
上記のような第2実施形態の入力デバイスD2によっても、前記第1実施形態と同様、フレーム1の上に手や手首等を乗せても違和感がなく、人間の見た目と同じ適正な状態で、枠内の用紙Pへ筆記と、メモ等の記憶手段Mへの記憶を同時に行うことができる。しかも、上記入力デバイスD2においても、そのフレーム1は、「お手つき」現象等を防止する心理的な障壁として機能し、左右の手の手先や指等の接触による入力ミスや誤検知が起きにくいという効果を奏する。さらに、上記入力デバイスD2は、発光素子(光源)として発光ダイオード(LED)等を使用し、受光素子としてフォトダイオード(PD)を用いる等、汎用的な部品を使用することが可能なため、デバイスを安価に構成することができる。
つぎに、光学式センサ(S3)のフレーム1の二つの角部に、発光素子と受光素子アレイとからなるモジュールをそれぞれ配置し、これら二つのモジュールを用いて、枠内の筆記用具Wの先端の位置を三角測量法により特定する、第3実施形態の入力デバイスD3について説明する。
図4(a)は、第3実施形態における入力デバイスD3の概略構成を説明する平面図であり、図4(b)は、そのZ部拡大図である。なお、これらの図においても、フレーム1の辺X1,X2方向を横方向(x方向)とし、フレーム1の辺Y1,Y2方向を縦方向(y方向)とするとともに、前記のバッテリや通信手段等の図示を省略している。
この第3実施形態における入力デバイスD3も、筆記用具Wで書き込める用紙(P)の上に載置することにより、枠状のフレーム1内側の四角状の領域(検知領域)における筆記用具Wの先端(触れ位置T)の位置(x−y座標)を検出する触れ位置検出手段を有する光学式センサS3と、この光学式センサS3により得られた筆記用具Wの先端位置の移動軌跡情報(x−y位置の変化)を記憶する記憶手段M(内蔵)と、を備えている。
上記第3実施形態の入力デバイスD3が、先の第1,第2実施形態の入力デバイス(D1,D2)と異なる点は、その光学式センサS3のフレーム1の四つの角部のうち、一つの辺(本例においてはX1)の両側の角部1a,1bに、図4(b)のような、発光素子(LED6)と受光素子アレイ(イメージセンサ8)とを上下に組み合わせた受発光モジュール(カメラモジュールC1,C2)がそれぞれ配置され、これらカメラモジュールC1,C2の間の上記一つの辺(X1)を除く三つの辺(X2,Y1,Y2)の内側面に、図4(a)のように、テープ状の再帰性光反射体(再帰反射テープ9)が貼り付けられている点である。なお、記憶手段Mは、上記第2実施形態と同様、LED6やイメージセンサ8のコントローラ(制御手段)を兼用するようになっている。
この構成により、上記第3実施形態における光学式センサS3は、各カメラモジュールC1,C2の各LED6から出射された光が、上記再帰反射テープ9の反射により、出射元のカメラモジュールC1,C2に向かって再帰し、その枠内に、図4(a)に示すような、光が各カメラモジュールC1,C2ごとに波紋様に広がる、放射状の光の交差が生じる。
なお、上記フレーム1のサイズは、前記第1,第2実施形態と同様、使用する用紙のサイズとこのフレーム1内への手の侵入しにくさを考慮して、その内側の開口寸法が、縦が通常80〜297mm程度、好適には100〜210mmで、横が通常80〜210mm程度、好適には100〜148mmになるように設定されている。また、同様に、上記手(手のひらの小指球部位等)の乗せ易さを考慮して、フレーム1の幅は、通常10〜100mm程度、好適には15〜50mmで、その手を乗せる部分の厚み(総厚)が、通常1〜20mm程度になるように設定されている。ここで、上記フレーム1の総厚1〜20mmには、2つの態様があり、薄手のものは1〜5mmに設定され、少し厚手で強度を高くしたものは、5mmを越えて20mm以下の厚みに設定される。
そして、上記カメラモジュールC1,C2の発光素子(光源)としては、近赤外(波長:700〜2500nm)の光を発光するタイプの赤外LED(赤外発光ダイオード)が好ましい。また、受光素子としては、CCD,CMOS等のイメージセンサや、多数の受光素子が一列に並ぶCMOSリニアセンサアレイ等を用いることができる。
また、上記フレーム1の三つの辺(X2,Y1,Y2)の内側面に取り付ける再帰性光反射体としては、マイクロプリズム式またはガラスビーズ式のどちらでもよい。また、上記例では、取扱いが容易なように、テープ状の成形体を用いているが、その代わりに、上記三つの辺(X2,Y1,Y2)の内側面に、光再帰性を有するの塗料等を塗布してもよい。
上記第3実施形態の入力デバイスD3を用いた筆記用具Wの触れ位置の検出は、以下のような手順で行われる。すなわち、まず、図1のように、コントローラを兼用する記憶手段Mを備える光学式センサS3(記憶装置)を、筆記可能な用紙Pの少なくとも一部分を囲むように、その用紙Pの上に着脱自在に載置する。つぎに、校正(キャリブレーション)として、上記カメラモジュールC1,C2の各LED6を発光させながら、各カメラモジュールC1,C2の各イメージセンサ8に再帰する光(再帰光)の強度を、発光時と未発光時で測定し、各カメラモジュールC1,C2ごとに、遮光による筆記用具の検知・非検知のしきい値を決定して、上記記憶手段Mにテーブル等として記憶する。
つぎに、上記コントローラを兼用する記憶手段Mにより、上記各LED6を発光させた状態で、上記フレーム1の上面に手(手のひらの小指球部位等)を着いて、この光学式センサS3の枠内から露呈した用紙Pの部分に、筆記用具Wの先端を降ろすと、図4(a)のように、上記枠内を通る交差状の光の一部が筆記用具Wの先端により遮断され、その遮断部分が上記各カメラモジュールC1,C2の該当受光素子により検知されることにより、上記コントローラを兼用する記憶手段Mが三角測量法を用いた演算を行い、上記筆記用具W先端の枠内における座標位置〔x−y軸、図4(a)中の「触れ位置T」を参照〕を特定し、その座標を記憶手段Mが記憶する。
そして、上記筆記用具Wを移動させてメモ等を書き込むと、同様に、その移動に伴う上記筆記用具Wの先端の軌跡(メモ等の書き込み情報)が検出,演算され、その軌跡のデジタルデータ(電子データ)が、上記記憶手段Mに記憶される。すなわち、光学式センサS3の枠内から露呈した用紙Pの部分に、筆記用具Wでメモ等を書き込むと同時に、そのメモ等の情報が上記コントローラを兼用する記憶手段Mのメモリ等に記録される。
上記のような第3実施形態の入力デバイスD3によれば、前記第1,第2実施形態と同様、フレーム1の上に手や手首等を乗せても違和感がなく、人間の見た目と同じ適正な状態で、枠内の用紙Pへ筆記と、メモ等の記憶手段Mへの記憶を同時に行うことができる。しかも、上記入力デバイスD3においても、そのフレーム1は、「お手つき」現象等を防止する心理的な障壁として機能し、左右の手の手先や指等の接触による入力ミスや誤検知が起きにくいという効果を奏する。さらに、上記入力デバイスD3は、発光素子(光源)として発光ダイオード(LED)等を使用し、受光素子としてCCD,CMOS等のイメージセンサを用いる等、汎用的な部品を使用することができるため、構成する光学部品の点数が少ないことと相俟って、デバイスを安価に構成することが可能になる。
つぎに、上記実施の形態に記載の入力デバイスD1(光導波路4,5を用いた第1実施形態)の作製方法の一例について説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
まず、上記入力デバイスD1に用いる光導波路4,5の製法を説明する。
図5(a)〜(f)はいずれも、本実施例の入力デバイスD1に用いる光導波路4,5の製法を説明する図である。
図5(a)〜(f)はいずれも、本実施例の入力デバイスD1に用いる光導波路4,5の製法を説明する図である。
本実施例においては、光出射用のコア4a(辺X1側)およびコア4b(辺Y1側)を有する発光側光導波路4と、光入射用のコア5a(辺X2側)およびコア5b(辺Y2側)を有する受光側光導波路5とを、枠状にかつ一体に形成する(図2参照)。
(基板の準備)
まず、光導波路4,5を形成するための四角枠状の基板10を準備する。この基板10の形成材料としては、例えば、金属,樹脂,ガラス,石英,シリコン等があげられる。
まず、光導波路4,5を形成するための四角枠状の基板10を準備する。この基板10の形成材料としては、例えば、金属,樹脂,ガラス,石英,シリコン等があげられる。
(アンダークラッド層の作製)
ついで、図5(a)に示すように、上記四角枠状の基板10の表面に、それと同形状の四角枠状のアンダークラッド層11を形成する。このアンダークラッド層11は、感光性樹脂を形成材料として、フォトリソグラフィ法により形成することができる。アンダークラッド層11の厚みは、例えば、5〜50μmの範囲内に設定される。
ついで、図5(a)に示すように、上記四角枠状の基板10の表面に、それと同形状の四角枠状のアンダークラッド層11を形成する。このアンダークラッド層11は、感光性樹脂を形成材料として、フォトリソグラフィ法により形成することができる。アンダークラッド層11の厚みは、例えば、5〜50μmの範囲内に設定される。
(コアの作製)
つぎに、図5(b)に示すように、上記四角枠状のアンダークラッド層11の表面に、フォトリソグラフィ法により前記パターンの光出射用のコア4a,4b(図示省略)および光入射用のコア5a,5b(図示省略)を形成する。なお、図5(b)では、代表的にコア4aとコア5aのみを表示している。また、これらコア4a,4b,5a,5bの形成材料としては、上記アンダークラッド層11および後記のオーバークラッド層12〔図5(e)参照〕の形成材料よりも屈折率が高い感光性樹脂が用いられる。
つぎに、図5(b)に示すように、上記四角枠状のアンダークラッド層11の表面に、フォトリソグラフィ法により前記パターンの光出射用のコア4a,4b(図示省略)および光入射用のコア5a,5b(図示省略)を形成する。なお、図5(b)では、代表的にコア4aとコア5aのみを表示している。また、これらコア4a,4b,5a,5bの形成材料としては、上記アンダークラッド層11および後記のオーバークラッド層12〔図5(e)参照〕の形成材料よりも屈折率が高い感光性樹脂が用いられる。
(オーバークラッド層の作製)
ついで、図5(c)に示すような、オーバークラッド層形成用の、透光性を有する四角枠状の成形型20を準備する。この成形型20には、オーバークラッド層12〔図5(e)参照〕の表面形状に対応する型面を有する凹部20aが形成されている。そして、その凹部20aを上にして、成形型20を成形ステージ(図示せず)の上に設置し、その凹部20aに、オーバークラッド層12の形成材料である感光性樹脂(ワニス)12’を充填する。
ついで、図5(c)に示すような、オーバークラッド層形成用の、透光性を有する四角枠状の成形型20を準備する。この成形型20には、オーバークラッド層12〔図5(e)参照〕の表面形状に対応する型面を有する凹部20aが形成されている。そして、その凹部20aを上にして、成形型20を成形ステージ(図示せず)の上に設置し、その凹部20aに、オーバークラッド層12の形成材料である感光性樹脂(ワニス)12’を充填する。
ついで、図5(d)に示すように、上記アンダークラッド層11の表面にパターン形成したコア4a,5a(4b,5b)を、上記成形型20の凹部20aに対して位置決めし、その状態で、上記アンダークラッド層11を上記成形型20に押圧し、上記オーバークラッド層12の形成材料である感光性樹脂12’内に、上記コア4a,5aを浸す。そして、この状態で、紫外線等の照射線を、上記成形型20を透して上記感光性樹脂12’に照射し、その感光性樹脂12’を露光する。これにより、上記感光性樹脂12’が硬化し、四角枠状の内周縁部がレンズ部12aに形成された四角枠状のオーバークラッド層12が形成される。
(光導波路の脱型)
つぎに、図5(e)〔図5(d)とは上下を逆に図示している〕に示すように、上記成形型20から、オーバークラッド層12を、上記基板10,アンダークラッド層11およびコア4a,5a(4b,5b)とともに脱型する。そして、図5(f)に示すように、上記基板10をアンダークラッド層11から剥離し、アンダークラッド層11,コア4a,4b,5a,5bおよびオーバークラッド層12からなる、四角枠状でかつ一体の光導波路4,5を得る。
つぎに、図5(e)〔図5(d)とは上下を逆に図示している〕に示すように、上記成形型20から、オーバークラッド層12を、上記基板10,アンダークラッド層11およびコア4a,5a(4b,5b)とともに脱型する。そして、図5(f)に示すように、上記基板10をアンダークラッド層11から剥離し、アンダークラッド層11,コア4a,4b,5a,5bおよびオーバークラッド層12からなる、四角枠状でかつ一体の光導波路4,5を得る。
なお、上記実施例では、光導波路の光伝送効率を向上させるために、光出射用のコア4a,4bの先端部および光入射用のコア5a,5bの先端部をレンズ部に形成するとともに、それを被覆するオーバークラッド層12の先端部もレンズ部12aに形成した例を示したが、光学式センサS1の枠内における光の(空間)伝送効率が充分であれば、上記レンズ部は、コアの一方のみに形成するか、あるいは、両方とも形成しなくてもよい。また、上記実施例では、発光側光導波路4と受光側光導波路5とを一体に作製した例を示したが、これらは別々に作製してもよく、さらに多くの光導波路パーツを組み合わせて形成してもよい。
つぎに、上記四角枠状でかつ一体の光導波路4,5を用いて、光学式センサS1を作製する。
(光学式センサの作製)
まず、光学式センサS1の基台(フレーム)となる、四角枠状の保持板を準備する。この保持板は、四角枠状の各辺が、上記四角枠状の光導波路4,5より若干太く形成されている。この保持板の形成材料としては、例えば、金属,樹脂,ガラス,石英,シリコン等があげられる。なかでも、平面性の保持に優れている点で、ステンレスが好ましい。保持板の厚みは、例えば、0.5mm程度に設定される。
まず、光学式センサS1の基台(フレーム)となる、四角枠状の保持板を準備する。この保持板は、四角枠状の各辺が、上記四角枠状の光導波路4,5より若干太く形成されている。この保持板の形成材料としては、例えば、金属,樹脂,ガラス,石英,シリコン等があげられる。なかでも、平面性の保持に優れている点で、ステンレスが好ましい。保持板の厚みは、例えば、0.5mm程度に設定される。
つぎに、上記保持板の表面の所定位置に、上記四角枠状の光導波路4,5を貼着し、図2のように、上記発光側光導波路4の入射側端部に、光源2となるVCSEL(垂直共振器面発光レーザー)をアライメント(光軸合わせ)して取り付けるとともに、上記受光側光導波路5の出射側端部に、受光素子アレイ3を、各コア5a,5bと対応する受光素子の光軸が一致するようにアライメントして取り付ける。
ついで、上記オーバークラッド層12のレンズ部12aを除く光導波路の上面を、保護板等により被覆することにより、図1に示すような、枠状の光学式センサS1が得られる。上記保護板の形成材料としては、例えば、樹脂,金属,ガラス,石英,シリコン等があげられる。また、保護板の厚みは、例えば、0.5mm程度が好ましく、情報機器と通信を無線で行う場合は、上記保護板を、無線電波を透過するポリカーボネート製等の樹脂製とすることが望ましい。
なお、上記枠状の光学式センサS1には、先に述べた、筆記用具Wの先端位置の移動軌跡情報を記憶する記憶手段Mが取り付けられる。この記憶手段Mは、USBメモリ等の着脱式としてもよい。
また、上記枠状の光学式センサS1には、上記図2において図示を省略した機器、例えば、この入力デバイスD1を駆動するためのバッテリや、ドライバIC等の制御手段,情報機器と通信・接続するための通信手段(ケーブル接続口または無線アンテナ)等が取り付けられるが、いずれも上記フレーム1を構成する保持板と保護板のスペースに挟み込むことが可能な、薄型のもの(板状の部品やマイクロタイプの電装品等)を使用することが望ましい。これにより、上記バッテリや通信手段等が実装される部分の厚み(総厚)を5〜25mm程度に抑えることができる。
つぎに、上記実施例にもとづいて作製した入力デバイスについて、その詳細を説明する。
〔光導波路のアンダークラッド層の形成材料〕
成分A:脂環骨格を含むエポキシ樹脂(ダイセル化学工業社製,EHPE3150)75重量部
成分B:エポキシ基含有アクリル系ポリマー(日油社製,マープルーフG−0150M)25重量部
成分C:光酸発生剤(サンアプロ社製,CPI−200K)4重量部
これら成分A〜Cを、紫外線吸収剤(チバジャパン社製,TINUVIN479)5重量部とともに、シクロヘキサノン(溶剤)に溶解することにより、アンダークラッド層の形成材料を調製した。
成分A:脂環骨格を含むエポキシ樹脂(ダイセル化学工業社製,EHPE3150)75重量部
成分B:エポキシ基含有アクリル系ポリマー(日油社製,マープルーフG−0150M)25重量部
成分C:光酸発生剤(サンアプロ社製,CPI−200K)4重量部
これら成分A〜Cを、紫外線吸収剤(チバジャパン社製,TINUVIN479)5重量部とともに、シクロヘキサノン(溶剤)に溶解することにより、アンダークラッド層の形成材料を調製した。
〔光導波路のコアの形成材料〕
成分D:ビスフェノールA骨格を含むエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製,157S70)85重量部
成分E:ビスフェノールA骨格を含むエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製,エピコート828)5重量部
成分F:エポキシ基含有スチレン系ポリマー(日油社製,マープルーフG−0250SP)10重量部
これら成分D〜Fと上記成分C4重量部とを、乳酸エチルに溶解することにより、コアの形成材料を調製した。
成分D:ビスフェノールA骨格を含むエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製,157S70)85重量部
成分E:ビスフェノールA骨格を含むエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製,エピコート828)5重量部
成分F:エポキシ基含有スチレン系ポリマー(日油社製,マープルーフG−0250SP)10重量部
これら成分D〜Fと上記成分C4重量部とを、乳酸エチルに溶解することにより、コアの形成材料を調製した。
〔光導波路のオーバークラッド層の形成材料〕
成分G:脂環骨格を有するエポキシ樹脂(ADEKA社製,EP4080E)100重量部
この成分Gと上記成分C2重量部とを混合することにより、オーバークラッド層の形成材料を調製した。
成分G:脂環骨格を有するエポキシ樹脂(ADEKA社製,EP4080E)100重量部
この成分Gと上記成分C2重量部とを混合することにより、オーバークラッド層の形成材料を調製した。
〔光導波路の作製〕
四角枠状のステンレス製基板(厚み50μm)の表面に、上記アンダークラッド層の形成材料(ワニス)を塗布した後、160℃×2分間の加熱処理を行い、感光性樹脂層を形成した。ついで、上記感光性樹脂層に対し、紫外線を照射して積算光量1000mJ/cm2の露光を行い、厚み10μmの四角枠状のアンダークラッド層(波長830nmにおける屈折率1.510)を形成した。
四角枠状のステンレス製基板(厚み50μm)の表面に、上記アンダークラッド層の形成材料(ワニス)を塗布した後、160℃×2分間の加熱処理を行い、感光性樹脂層を形成した。ついで、上記感光性樹脂層に対し、紫外線を照射して積算光量1000mJ/cm2の露光を行い、厚み10μmの四角枠状のアンダークラッド層(波長830nmにおける屈折率1.510)を形成した。
ついで、上記四角枠状のアンダークラッド層の表面に、上記コアの形成材料を塗布した後、170℃×3分間の加熱処理を行い、感光性樹脂層を形成した。つぎに、フォトマスクを介して(ギャップ100μm)、紫外線を照射し、積算光量3000mJ/cm2の露光を行った。続いて、120℃×10分間の加熱処理を行い、その後、現像液(γ−ブチロラクトン)を用い現像することにより、未露光部分を溶解除去した。その後、120℃×5分間の乾燥処理を行い、幅30μm×高さ50μmのコア(波長830nmにおける屈折率1.570)をパターン形成した。
つぎに、オーバークラッド層形成用の、透光性を有する四角枠状の成形型を準備した。この成形型には、オーバークラッド層の表面形状に対応する型面を有する凹部が形成されている〔図5(c)参照〕。そして、その凹部を上にして、成形型を成形ステージの上に設置し、その凹部に、上記オーバークラッド層の形成材料を充填した。
ついで、上記アンダークラッド層の表面にパターン形成したコアを、上記成形型の凹部に対して位置決めし、その状態で、上記アンダークラッド層を上記成形型に押圧し、上記オーバークラッド層の形成材料内に、上記コアを浸した。そして、この状態で、紫外線を、上記成形型を透して上記オーバークラッド層の形成材料に照射して積算光量8000mJ/cm2の露光を行い、四角枠状の内周縁部が凸状のレンズ部に形成された四角枠状のオーバークラッド層を形成した。その凸状のレンズ部は、側断面形状が略1/4円弧状のレンズ曲面(曲率半径1.4mm)を有するものであった。
つぎに、上記成形型から、上記オーバークラッド層を、上記基板,アンダークラッド層およびコアとともに脱型した。そして、上記基板をアンダークラッド層から剥離し、アンダークラッド層,コアおよびオーバークラッド層からなる四角枠状の光導波路(総厚1mm)を得た(図2参照)。
〔入力デバイスの作製〕
つぎに、四辺が上記光導波路のより若干幅が太く、余裕を持った幅に形成されている、四角枠状のステンレス製保持板(厚み0.5mm)を準備し、この保持板の表面の所定位置に、上記四角枠状の光導波路を貼着するとともに、その一辺の外側端縁側に、リチウムイオン電池,アンテナ等の薄型電装部品を固定した。ついで、発光素子(Optowell社製,SM85−2N001)および受光素子(浜松ホトニクス社製,S−10226)をアライメントして位置決め固定し、USBメモリの接続口,ACアダプタの接続口等、保持板の外縁に配置される部品を取り付けた。
つぎに、四辺が上記光導波路のより若干幅が太く、余裕を持った幅に形成されている、四角枠状のステンレス製保持板(厚み0.5mm)を準備し、この保持板の表面の所定位置に、上記四角枠状の光導波路を貼着するとともに、その一辺の外側端縁側に、リチウムイオン電池,アンテナ等の薄型電装部品を固定した。ついで、発光素子(Optowell社製,SM85−2N001)および受光素子(浜松ホトニクス社製,S−10226)をアライメントして位置決め固定し、USBメモリの接続口,ACアダプタの接続口等、保持板の外縁に配置される部品を取り付けた。
その後、上記保持板の上に、これら光導波路と電装部品等を保護するポリカーボネート製保護板(厚み0.5mm)からなるカバーを取り付け、光学式の入力デバイスを得た。なお、この入力デバイスは、同様の構成で、各種の用紙サイズ(メモ用紙〜A4サイズ程度まで)に対応した大きさに作製が可能である。以下に今回作製した各入力デバイスの寸法を列記する。
入力デバイスD4−メモ用紙対応(図6参照)
枠の内寸(縦80mm×横80mm,厚み2mm),フレームの幅(筆記に関与する右辺および下辺で各15mm)
枠の内寸(縦80mm×横80mm,厚み2mm),フレームの幅(筆記に関与する右辺および下辺で各15mm)
入力デバイスD5−バイブルサイズ用紙対応(図7参照)
枠の内寸(縦171mm×横95mm,厚み3mm),フレームの幅(筆記に関与する右辺および下辺で各15mm)
枠の内寸(縦171mm×横95mm,厚み3mm),フレームの幅(筆記に関与する右辺および下辺で各15mm)
入力デバイスD6−A5サイズ用紙対応〔図8(a),(b)参照〕
枠の内寸(縦210mm×横148mm,厚み5mm),フレームの幅(筆記に関与する右辺および下辺で各15mm)
枠の内寸(縦210mm×横148mm,厚み5mm),フレームの幅(筆記に関与する右辺および下辺で各15mm)
入力デバイスD7−A5サイズ用紙対応強度(剛性)向上型〔図8(a),(c)参照〕
枠の内寸(縦210mm×横148mm,厚み6mm)、フレームの幅(筆記に関与する右辺および下辺で各15mm)。なお、この入力デバイスD7は、フレーム厚みが5mmを越えるため、フレームのすぐ近傍まで文字が書き易いように、少なくとも筆記に関与する右辺および下辺の内縁部分が、他の部位に比べて厚みが薄くなる傾斜状〔図8(c)〕あるいは段状に形成されている。これら傾斜状あるいは段状の詳細形状は、特に限定されない。
枠の内寸(縦210mm×横148mm,厚み6mm)、フレームの幅(筆記に関与する右辺および下辺で各15mm)。なお、この入力デバイスD7は、フレーム厚みが5mmを越えるため、フレームのすぐ近傍まで文字が書き易いように、少なくとも筆記に関与する右辺および下辺の内縁部分が、他の部位に比べて厚みが薄くなる傾斜状〔図8(c)〕あるいは段状に形成されている。これら傾斜状あるいは段状の詳細形状は、特に限定されない。
入力デバイスD8−バイブルサイズ用紙対応強度(剛性)向上型特殊用途向け(図9)
枠の内寸(縦95mm×横171mm,厚み15mm)、フレームの幅(筆記に関与する右辺,左辺および下辺で各100mm,上辺で15mm)。なお、この入力デバイスD8は、フレームの厚みが5mmを越えるため、フレームのすぐ近傍まで文字が書き易いように、少なくとも筆記に関与する右辺,左辺および下辺の内縁部分を、他の部位に比べて厚みが薄くなる傾斜状〔図9(c)〕あるいは段状〔図9(d)〕に形成してもよい。これら傾斜状あるいは段状の詳細形状は、特に限定されない。
枠の内寸(縦95mm×横171mm,厚み15mm)、フレームの幅(筆記に関与する右辺,左辺および下辺で各100mm,上辺で15mm)。なお、この入力デバイスD8は、フレームの厚みが5mmを越えるため、フレームのすぐ近傍まで文字が書き易いように、少なくとも筆記に関与する右辺,左辺および下辺の内縁部分を、他の部位に比べて厚みが薄くなる傾斜状〔図9(c)〕あるいは段状〔図9(d)〕に形成してもよい。これら傾斜状あるいは段状の詳細形状は、特に限定されない。
入力デバイスD9−A5サイズ用紙対応強度(剛性)向上型特殊用途向け(図10参照)
枠の内寸(縦148mm×横210mm,厚み20mm)、フレームの幅(筆記に関与する右辺,左辺および下辺で各100mm,上辺で15mm)。なお、この入力デバイスD9は、フレームの厚みが5mmを越えるため、フレームのすぐ近傍まで文字が書き易いように、少なくとも筆記に関与する右辺,左辺および下辺の内縁部分を、他の部位に比べて厚みが薄くなる傾斜状〔図10(c)〕あるいは段状〔図10(d)〕に形成してもよい。これら傾斜状あるいは段状の詳細形状は、特に限定されない。
枠の内寸(縦148mm×横210mm,厚み20mm)、フレームの幅(筆記に関与する右辺,左辺および下辺で各100mm,上辺で15mm)。なお、この入力デバイスD9は、フレームの厚みが5mmを越えるため、フレームのすぐ近傍まで文字が書き易いように、少なくとも筆記に関与する右辺,左辺および下辺の内縁部分を、他の部位に比べて厚みが薄くなる傾斜状〔図10(c)〕あるいは段状〔図10(d)〕に形成してもよい。これら傾斜状あるいは段状の詳細形状は、特に限定されない。
また、上記入力デバイスD4〜D9においては、フレーム(光学式センサ)の厚みが各辺で略均一で、上面が平坦な例を示したが、本発明の入力デバイスは、各辺の厚みを必ずしも同一にする必要はなく、例えば、筆記に関与しない辺(右利きの場合,左辺、左利きの場合,右辺)や上辺等を、電池や電装部品等が集積できるように、他の辺に比べて厚く形成してもよい。
〔入力デバイスの動作確認〕
上記各入力デバイスD4〜D9を、用紙の上に載置して、枠内から露呈した用紙の部分に、筆記用具でメモを書き込んだ。そして、上記各入力デバイスD4〜D9とノートパソコンとを、無線LAN経由で接続して通信可能とし、そのノートパソコンを利用して、上記各入力デバイスD4〜D9のメモリに保存(記憶)された情報を再生した結果、上記ノートパソコンのディスプレイ上に、上記用紙に書き込んだメモと同じものを表示することができた。
上記各入力デバイスD4〜D9を、用紙の上に載置して、枠内から露呈した用紙の部分に、筆記用具でメモを書き込んだ。そして、上記各入力デバイスD4〜D9とノートパソコンとを、無線LAN経由で接続して通信可能とし、そのノートパソコンを利用して、上記各入力デバイスD4〜D9のメモリに保存(記憶)された情報を再生した結果、上記ノートパソコンのディスプレイ上に、上記用紙に書き込んだメモと同じものを表示することができた。
本発明の入力デバイスは、使用する筆記用具に制限がなく、枠内から露呈する用紙に、普段使用している筆記用具でメモ等の情報を書き込むと同時に、そのメモ等の情報が、即座に電子化される。
1 フレーム
D 入力デバイス
S 光学式センサ
M 記憶手段
P 用紙
W 筆記用具
H 手のひら
U 小指球部位
D 入力デバイス
S 光学式センサ
M 記憶手段
P 用紙
W 筆記用具
H 手のひら
U 小指球部位
Claims (5)
- 筆記用具で書き込める用紙の少なくとも一部分を囲む、下記(A)の枠状の光学式センサと、この光学式センサの枠内から露呈した上記用紙の部分に筆記用具で書き込むときに、その筆記用具の先端の移動軌跡を電子データとして記憶する記憶手段と、を備えることを特徴とする入力デバイス。
(A)筆記用具で書き込むときに手を乗せるための矩形状のフレームと、これに取り付けられた少なくとも一組の発光素子と受光素子とから構成され、上記フレーム内の筆記用具に関連して生じる、上記発光素子から受光素子に到達する光の遮断を検知することにより、この筆記用具のフレーム内における位置情報を出力する光学式センサ。 - 上記(A)の枠状光学式センサのフレーム部分に、その枠状において互いに対向する一方の部分に光出射用の複数のコアが形成され、他方の部分に光入射用の複数のコアが形成され、光出射用のコアの先端部と光入射用のコアの先端部とが対峙するように、各コアの先端部が上記フレームの内側縁に位置決めされた光導波路が配設され、上記光導波路の各光出射用のコアから光入射用のコアに向かって出射された光が、上記フレーム内に、縦横に交差する光の格子を形成するようになっている、請求項1記載の入力デバイス。
- 上記(A)の枠状光学式センサのフレームに、その枠状において互いに対向する一方の部分に複数の発光素子が並んで配置され、他方の部分に複数の受光素子が並んで配置され、各発光素子および受光素子が上記フレームの内側に向かって位置決めされ、上記発光素子から受光素子に向かって出射された光が、上記フレーム内に、縦横に交差する光の格子を形成するようになっている、請求項1記載の入力デバイス。
- 上記(A)の枠状光学式センサのフレームの四つの角部のうち、一つの辺の両側の角部に、上記発光素子と複数の受光素子からなる受光素子アレイとを上下に重ねたモジュールがそれぞれ配置され、これらモジュールの間の上記一つの辺を除く三つの辺の内側面に、テープ状の再帰性光反射体が配設され、一方のモジュールの発光素子から出射された光が、上記再帰性光反射体により反射されて、この一方のモジュールの受光素子アレイに再帰入射するようになっている、請求項1記載の入力デバイス。
- 上記光学式センサと記憶手段とが、記憶装置として一体に形成され、その記憶装置が、上記用紙に対して設置自在あるいは着脱自在になっている請求項1〜4のいずれか一項に記載の入力デバイス。
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