JP2012206482A - 樹脂成形品の組付け構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】断面略コ字状に形成された樹脂成形品を相手部材に組み付ける場合の組付け作業を容易にする。
【解決手段】センターロアパネル7の開放側幅方向両端部に、先端側から基端側に向かって車幅方向内側に傾斜する先端側ガイド面47aを有する位置決めピン45を突設する。両位置決めピン45を両貫通孔53に貫通させることにより、先端側ガイド面47aを貫通孔53の内周縁に車幅方向外側から摺接させて両位置決めピン45を車幅方向外側に移動させて両位置決めピン45形成箇所におけるセンターロアパネル7の開放幅を組付け状態における開放幅よりも広げるとともに、係合爪31を、その車幅方向内側への移動が係合孔51により規制される位置に誘導する。
【選択図】図7
【解決手段】センターロアパネル7の開放側幅方向両端部に、先端側から基端側に向かって車幅方向内側に傾斜する先端側ガイド面47aを有する位置決めピン45を突設する。両位置決めピン45を両貫通孔53に貫通させることにより、先端側ガイド面47aを貫通孔53の内周縁に車幅方向外側から摺接させて両位置決めピン45を車幅方向外側に移動させて両位置決めピン45形成箇所におけるセンターロアパネル7の開放幅を組付け状態における開放幅よりも広げるとともに、係合爪31を、その車幅方向内側への移動が係合孔51により規制される位置に誘導する。
【選択図】図7
Description
本発明は、一方に開放する断面略コ字状に形成された樹脂成形品を相手部材に組み付ける樹脂成形品の組付け構造に関するものである。
特許文献1には、インストルメントパネルの車幅方向中央下部に組み付けられたフロントコンソールが開示されている。
ところで、フロントコンソールを、一方に開放する断面コ字状に形成された樹脂製のセンターロアパネルの一部で構成し、このセンターロアパネルをインストルメントパネル本体等の相手部材に組み付ける場合がある。このような場合、一般的に、組付け前のセンターロアパネルの開放幅は成形後の収縮変形により狭まっており、組付け後のセンターロアパネルの開放幅が組付け前よりも広く設定される。したがって、組付け状態で正規の取付け位置に位置して相手部材に取り付けられた状態となる取付部を、上記センターロアパネルの開放側幅方向両端部に複数対設けると、1対の取付部を相手部材に取り付けた時点で、残りの取付部が上記正規の取付け位置よりも幅方向内側に位置し、残りの取付部を上記正規の取付け位置に移動させるためにセンターロアパネルの開放側幅方向両端部を幅方向外側に引っ張る必要が生じ、取付け作業が困難である。このような問題は、相手部材に組み付ける樹脂成形品がセンターロアパネルである場合に限らず、断面コ字状に形成された他の樹脂成形品を相手部材に組み付ける場合にも生じ得る。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、断面略コ字状に形成された樹脂成形品を相手部材に組み付ける際の組付け作業を容易にすることを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、相手部材に貫通孔を設けるとともに樹脂成形品の開放側幅方向両端部に位置決めピンを設け、両位置決めピンを相手部材の両貫通孔周縁に幅方向外側から摺接させることにより樹脂成形品の開放幅を広げて取付部を被取付部により幅方向内側への移動を規制される位置に移動させることを特徴とする。
具体的には、請求項1に記載の発明は、所定幅で延びる主面部と該主面部の幅方向両端縁から一体に突出する側面部とを備えて一方に開放する断面略コ字状に形成された樹脂成形品を相手部材に組み付ける樹脂成形品の組付け構造を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、請求項1に記載の発明は、上記相手部材における上記樹脂成形品の開放側幅方向両端部に対応する箇所には、貫通孔がそれぞれ形成され、上記樹脂成形品の開放側幅方向両端部には、組付け状態で正規の取付け位置に位置して上記相手部材の被取付部に取り付けられた状態となる取付部がそれぞれ設けられているとともに、上記組付け状態で上記相手部材の貫通孔を貫通する位置決めピンが上記樹脂成形品の開放方向に向けてそれぞれ突設され、上記両位置決めピンの幅方向内側縁には、先端側から基端側に向かって幅方向内側に傾斜するガイド部と、該ガイド部よりも基端側で上記ガイド部の基端側端部よりも幅方向外側に位置する位置決め部とがそれぞれ形成され、上記樹脂成形品の両位置決めピンを相手部材の両貫通孔に貫通させることにより、上記両ガイド部を貫通孔の内周縁に幅方向外側から摺接させて両位置決めピンを幅方向外側に移動させて上記両位置決めピン形成箇所における樹脂成形品の開放幅を組付け状態における開放幅よりも広げるとともに、上記両取付部を、その幅方向内側への移動が上記相手部材の被取付部により規制される位置に誘導し、上記両位置決めピンの位置決め部を上記貫通孔に到達させることにより、上記両取付部の幅方向内側への移動が上記相手部材の被取付部により規制された状態のまま上記両取付部を上記正規の取付け位置に到達させるとともに、上記両位置決めピン形成箇所における樹脂成形品の開放幅を狭めて上記両位置決めピンの位置決め部を上記貫通孔の内周縁に幅方向外側から当接させるようになっていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の樹脂成形品の組付け構造において、上記相手部材の被取付部は、係合孔であり、上記樹脂成形品の取付部は、上記相手部材の係合孔に挿入されて上記組付け状態で上記係合孔の周縁に係合する係合爪であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の樹脂成形品の組付け構造において、上記相手部材の被取付部は、上記組付け状態で上記樹脂成形品の両側面部に幅方向内側から当接する取付プレートであり、該取付プレートにはネジ孔が形成され、上記樹脂成形品の取付部は、上記取付プレートのネジ孔に対応するように上記両側面部に形成されたネジ孔であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂成形品の組付け構造において、上記貫通孔周りの相手部材には、上記両位置決めピン形成箇所における樹脂成形品の開放幅を組付け状態における開放幅よりも広げた状態で上記位置決めピンに幅方向外側から当接する当接部が上記位置決めピンの貫通方向に向けて突設されていることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、樹脂成形品の両位置決めピンを相手部材の両貫通孔に貫通させるだけで、取付部を正規の取付け位置に移動させることができる。したがって、取付部を正規の取付け位置に移動させるために樹脂成形品の開放側幅方向両端部を幅方向外側に引っ張る必要がなく、取付け作業を容易にできる。
請求項2に係る発明によれば、係合爪を係合孔の周縁に係合させるだけで係合爪を相手部材に取り付けることができるので、取付け作業が容易である。
請求項3に係る発明によれば、ネジ孔により樹脂成形品の取付部が構成されているので、樹脂成形品の構造を簡素化することにより樹脂成形品の製造コストを削減できる。
請求項4に係る発明によれば、上記両位置決めピン形成箇所における樹脂成形品の開放幅を組付け状態における開放幅よりも広げた状態で当接部が幅方向外側から位置決めピンに当接し、位置決めピンが幅方向外側に倒れることを防止するので、位置決めピンのガイド部を貫通孔の内周縁に幅方向外側から確実に摺接させることができる。したがって、樹脂成形品の開放幅を確実に広げることができる。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る組付け構造が適用された自動車のインストルメントパネル1を示す。このインストルメントパネル1は、その骨格をなすインストルメントパネル本体3(図3参照)を備えている。このインストルメントパネル本体3の表面には、車幅方向全体に亘って延びる樹脂製アッパーパネル5、樹脂成形品としての樹脂製センターロアパネル7、及びその左右両側の樹脂製サイドロアパネル9が組み付けられ、これらアッパーパネル5、センターロアパネル7、及びサイドロアパネル9が、上記インストルメントパネル1の外表面を構成している。図1中、11はサイドベントエア吹出口、13はセンターベントエア吹出口である。
上記センターロアパネル7は、図2にも示すように、略一定の幅で延びる主面部7aと該主面部7aの幅方向両端縁(左右両端縁)から一体に突出する側面部7bとを備え、一方に開放する断面略コ字状に形成されている。なお、本実施形態において、上記主面部7aの幅方向と車幅方向とは一致している。上記主面部7aは、板面を車体前後方向に向けた正面板部7cと該正面板部7cの下端縁から車体後方に略水平に延びる水平板部7dとで車体側方から見て略L字状をなすように形成され、上記側面部7bは、板面を車幅方向に向けて正面板部7cの車体前方及び水平板部7dの下方で略L字状に延びている。また、上記両側面部7bの車体前方両端縁(センターロアパネル7の開放側幅方向両端部)には、上下方向全体に亘って、板状フランジ部19が板面を車体前後方向に向けて略一定の延出幅で延設されている。当該フランジ部19の延出端縁には、図3及び図5に示すように、板面を車幅方向に向けた板状延出片部21が車体前方に向かって延設されている。図1及び図2中、23は、オーディオ機器装着用の開口であり、24は、チェンジレバー部設置用の開口である。
上記水平板部7dの下方の両側面部7bの下端にはそれぞれ、図1、図2及び図6に示すように、他の箇所よりも薄肉な薄肉部からなる後方締結座25が、非薄肉部との境界が逆U字状をなし、かつ各後方締結座25の車幅方向外側の面が他の箇所よりも若干車幅方向内側寄りに位置するように形成され、これら各後方締結座25には、取付部としてのネジ孔27が形成されている。
上記フランジ部19の車幅方向両側の上端近傍にはそれぞれ、図5に示すように、車体前方に向けて取付部としての係合爪31が突設されている。該係合爪31は、上記フランジ部19に車体前方に向けて一体に突設された断面略H状の取付板部33と、該取付板部33に取り付けられた樹脂製のクリップ35とで構成されている。上記取付板部33は、上記フランジ部19から車体前方に向けて互いに平行に突出する2枚の縦板部36と、該両縦板部36間を橋絡する横板部37とからなる。上記横板部37の突出方向中程には矩形の取付孔37aが形成されている。
一方、上記クリップ35は、先端から二股に分岐した一対の係合片部35aと、該両係合片部35aの内側に一体に形成された一対の爪部35bとからなり、該両爪部35bを上記取付板部33の取付孔37aに両側から係止させることで、クリップ35が取付板部33に取り付けられて係合爪31が構成されている。
また、上記フランジ部19の車幅方向両側の下端にはそれぞれ、図2等に示すように、前方に凹んだ凹部の底壁部からなる前方締結座39が、上記凹部と非凹部との境界が逆U字状をなし、かつ各前方締結座39の車体前方側の面が他の箇所よりも若干車体前方寄りに位置するように形成されている。各前方締結座39の座面にはネジ孔41が形成されている。
さらに、上記フランジ部19の上記両前方締結座39の若干上方、すなわちフランジ部19の左右両側の下端近傍にはそれぞれ、図3及び図4に示すように、位置決めピン45が車体前方(センターロアパネル7の開放方向)に向けて一体に突設されている。各位置決めピン45は、上記フランジ部19から車体前方に向けて板面を車体略上下方向に向けて互いに平行に突出する2枚のガイド板部47と、該両ガイド板部47を橋絡する矩形状の連結板部49とからなる。
上記両位置決めピン45の車幅方向内側縁、すなわち両ガイド板部47の車幅方向内側縁には、当該ガイド板部47の先端側から順に、先端側から基端側に向かって車幅方向内側に傾斜するガイド部としての先端側ガイド面47aと、上記フランジ部19に対して略垂直に延びる垂直ガイド面47bと、基端側に向かって車幅方向外側に傾斜する基端側ガイド面47cと、上記フランジ部19に対して略垂直に延びる位置決め部としての垂直当接面47dとが連続して形成されている。上記垂直当接面47dは、上記先端側ガイド面47aの基端側端部よりも車幅方向外側に位置している。一方、各ガイド板部47の車幅方向外側縁には、当該ガイド板部47の先端側から順に、当該ガイド板部47の先端から突出方向中程にかけて上記フランジ部19に対して略垂直に延びる外側垂直面47eと、基端側に向かって車幅方向外側に傾斜する傾斜当接面47fとが連続して形成されている。上記連結板部49の車幅方向外側の面は、上記両ガイド板部47の外側垂直面47eと面一になっている一方、上記連結板部49の上下両端部49aは、上記両ガイド板部47の非対向面から突出している。
一方、上記インストルメントパネル本体3の下方には、図6に示すように、金属製のフロア15が車体後方に向かって延びている。上記自動車の車体前方のフロア15の車幅方向中央には、左右両側のフロア15よりも上方に位置する平坦な突出面15aが車体前後方向に延びるように形成され、該突出面15aの車幅方向両側には、車幅方向外側に向かって下方に傾斜する傾斜側面15bが形成されている。上記突出面15aには、断面コ字状の金属製の被取付部としての板状取付プレート17が接合され、この取付プレート17と上記インストルメントパネル本体3とで相手部材が構成されている。この取付プレート17は、上記突出面15aと略平行に当接して接着される底面部17aと、該底面部17aの車幅方向両端縁から上方に突出する一対の突出片部17bとからなり、各突出片部17bにはネジ孔(図示せず)が形成されている。上記突出片部17bを上記センターロアパネル7の水平板部7dの下方の両側面部7bに車幅方向内側から当接させ、上記突出片部17bのネジ孔と上記両側面部7bのネジ孔27とを対応させて両者に車幅方向外側からネジ29を挿通して螺合締結することにより、側面部7bのネジ孔27が取付プレート17に取り付けられている。この状態でのネジ孔27の位置が正規の取付け位置に一致している。
また、図5に示すように、上記インストルメントパネル本体3における上記係合爪31に対応する箇所には、被取付部としての係合孔51が形成され、この係合孔51に上記係合爪31が挿入されて該係合爪31の係合片部35aが係合孔51の周縁に圧接(係合)した状態で、係合爪31が係合孔51に取り付けられている。この状態での係合爪31の位置が正規の取付け位置に一致している。
また、上記インストルメントパネル本体3には、上記フランジ部19下端のネジ孔41に対応するように、一対のネジ孔(図示せず)が形成され、これらネジ孔と上記フランジ部19下端のネジ孔41とを対応させて両者に車体前方からネジ43を挿通して螺合締結することにより、フランジ部19のネジ孔41周縁、すなわち前方締結座39がインストルメントパネル本体3に固定される。
さらに、図3に示すように、上記インストルメントパネル本体3における上記位置決めピン45(センターロアパネル7の開放側幅方向両端部)に対応する箇所には、車幅方向に延びる一対の横周縁部53aと該横周縁部53aの両端を繋ぐ互いに対向する一対の縦周縁部53bとで矩形状の貫通孔53が形成され、この貫通孔53を上記位置決めピン45が貫通している。
上記貫通孔53の両側の横周縁部53a及び車幅方向内側の縦周縁部53bには、傾斜板部55が貫通孔53の内側に向けて車体前方に傾斜するように突設されている。該傾斜板部55の先端には、板状延出部57が車体前方に向けて延設されている。一方、上記貫通孔53の車幅方向外側の縦周縁部53bには、垂直板部59が車体前方に向けて略垂直に突設されている。また、上記貫通孔53の車幅方向外側のインストルメントパネル本体3には、板面を車体略上下方向に向けた2枚の板状当接部61が車体前方(上記位置決めピン45の貫通方向)に向けて互いに平行に突設されている。各当接部61の車幅方向内側の端面61aは、上記垂直板部59の貫通孔53側の面と面一になっている。
また、上記インストルメントパネル本体3の上記両延出片部21に対応する箇所には、車体前方側に凹む凹条63が断面コ字状で車体略上下方向に延びるように形成されている。また、該凹条63の両側面には、位置決め突片65が内側に向かって突設され、該位置決め突片65は該凹条63の底面に一体に連続している。各凹条63には、上記センターロアパネル7の延出片部21と上記サイドロアパネル9の車幅方向内側端部とが車幅方向に重なった状態で収容されて位置決め突片65により車幅方向両側から挟持されている。
次に、上記のように構成されたセンターロアパネル7をインストルメントパネル本体3に取り付ける手順について説明する。取付け前のセンターロアパネル7は、図7〜9において仮想線で示すように、成形後に収縮変形した状態であり、側面部7bが主面部7aの幅方向内側に若干倒れてその開放幅が組み付け状態における開放幅よりも狭くなっている。
まず、上記センターロアパネル7の開放側をインストルメントパネル本体3及び取付プレート17に向けて上記センターロアパネル7の両位置決めピン45、及び両係合爪31をインストルメントパネル本体3の両貫通孔53及び両係合孔51に対応させる。そして、上記センターロアパネル7を表側から上記インストルメントパネル本体3側に押し付けることにより、上記両位置決めピン45を先端側から両貫通孔53に貫通させる。これにより、両位置決めピン45の先端側ガイド面47aが上記貫通孔53の車幅方向内側の傾斜板部55の内面55a、すなわち貫通孔53の内周縁に車幅方向外側から摺接して両位置決めピン45全体が車幅方向外側に徐々に移動し、両位置決めピン45形成箇所におけるセンターロアパネル7の開放幅が徐々に広がる。図7及び図8で実線により示すように、両位置決めピン45の先端側ガイド面47aと垂直ガイド面47bとの境界が上記貫通孔53の車幅方向内側の縦周縁部53bの延出部57に達したとき、両位置決めピン45形成箇所におけるセンターロアパネル7の開放幅が組付け状態における開放幅よりも広くなる。またこのとき、上記両係合爪31の先端が上記インストルメントパネル本体3の係合孔51内に誘導されて幅方向から見て該両係合孔51周縁のインストルメントパネル本体3と重なり、該両係合孔51の車幅方向内側周縁のインストルメントパネル本体3が両係合爪31の車幅方向内側に位置して両係合爪31の車幅方向内側への移動が両係合孔51により規制される。さらにこのとき、図9に実線で示すように、上記水平板部7dの下方に位置する両側面部7bの先端の間隔W2、すなわち開放幅が、上記取付プレート17の両突出片部17bの外面の車幅方向の間隔W1とほぼ等しくなっている。
図7〜9に実線で示す状態からさらにセンターロアパネル7をインストルメントパネル本体3に押し付けると、上記位置決めピン45の垂直ガイド面47bが上記貫通孔53周縁の延出部57に車幅方向外側から摺接しながら車体前方に移動するとともに、上記係合爪31の先端が上記インストルメントパネル本体3の係合孔51を通過して車体前方に移動する。この間、上記当接部61の車幅方向内側の端面61aが上記位置決めピン45の外側垂直面47eに車幅方向外側から当接して位置決めピン45が車幅方向外側に倒れるのを防止するので、位置決めピン45の垂直ガイド面47bを貫通孔53周縁の延出部57に確実に摺接させ、両位置決めピン45形成箇所におけるセンターロアパネル7の開放幅を組付け状態よりも広げた状態に確実に維持できる。また、この間、水平板部7dの下方に位置する両側面部7bの先端が互いの間隔W2を維持したまま下方に誘導され、ネジ孔27が車幅方向外側から見て上記取付プレート17の突出片部17bと重なり、突出片部17bが側面部7bの先端(ネジ孔27)の車幅方向内側に位置して該側面部7bの先端(ネジ孔27)の車幅方向内側への移動を規制する。
次いで、さらなるセンターロアパネル7の押し付け動作により、上記両位置決めピン45の基端側ガイド面47cが上記延出部57の延出端縁に摺接して両位置決めピン45全体が幅方向内側に徐々に移動し、センターロアパネル7の開放幅が徐々に狭まり、両位置決めピン45の垂直当接面47dが上記延出部57(貫通孔53)に到達して該延出部57(貫通孔53の内周縁)に車幅方向外側から当接して、車幅方向に位置決め固定される。これとほぼ同時に、両位置決めピン45の傾斜当接面47fが上記貫通孔53の車幅方向外側の縦周縁部53bに当接し、位置決めピン45の車体前方及び車幅方向外側への移動が規制される。両位置決めピン45の垂直当接面47dが上記延出部57に到達する過程で、係合爪31の車幅方向内側への移動が係合孔51により規制された状態のまま、上記係合爪31の係合片部35aが撓みながら上記係合孔51に挿入されて係合孔51周縁に係合する。この状態で、係合爪31は正規の取付け位置に到達している。一方、上記水平板部7dの下方に位置する両側面部7bの先端(後方締結座25)は、上記突出片部17bにより車幅方向内側への移動を規制された状態のままさらに下方に移動し、両側面部7bのネジ孔27が上記取付プレート17の突出片部17bのネジ孔に対応する。この状態で、両側面部7bのネジ孔27は正規の取付け位置に到達している。また、フランジ部19下端のネジ孔41が上記インストルメントパネル本体3のネジ孔に対応する。そして、取付プレート17の突出片部17bのネジ孔と、両側面部7bのネジ孔27とに車幅方向外側からネジ29を挿通して螺合締結するとともに、インストルメントパネル本体3のネジ孔とフランジ部19下端のネジ孔41とに車体前方からネジ43を挿通して螺合締結することにより、組付け作業が終了する。
したがって、本実施形態によれば、センターロアパネル7の両位置決めピン45をインストルメントパネル本体3の両貫通孔53に貫通させるだけで、係合爪31及び側面部7bのネジ孔27を正規の取付け位置に移動させることができる。したがって、係合爪31及びネジ孔27を正規の取付け位置に移動させるためにセンターロアパネル7の開放側幅方向両端部を幅方向外側に引っ張る必要がなく、取付け作業を容易にできる。
また、センターロアパネル7の両位置決めピン45、及び両係合爪31をインストルメントパネル本体3の両貫通孔53及び両係合孔51に対応させて、上記センターロアパネル7を表側から上記インストルメントパネル本体3側に押し付けるだけで、両係合爪31を両係合孔51の周縁に係合させて両係合爪31をインストルメントパネル本体3に取り付けることができるので、取付け作業が容易である。
さらに、ネジ孔27によりセンターロアパネル7の取付部を構成しているので、センターロアパネル7の構造を簡素化することによりセンターロアパネル7の製造コストを削減できる。
なお、本発明の樹脂成形品の組付け構造は、センターロアパネル7をインストルメントパネル本体3及び取付プレート17に組み付ける場合に限らず、他の断面コ字状の樹脂成形品を他の相手部材に組み付ける場合にも適用できる。
本発明は、一方に開放する断面略コ字状に形成された樹脂成形品を相手部材に組み付ける樹脂成形品の組付け構造として有用である。
3 インストルメントパネル本体(相手部材)
7 センターロアパネル(樹脂成形品)
7a 主面部
7b 側面部
17 取付プレート(相手部材、被取付部)
27 ネジ孔(取付部)
31 係合爪(取付部)
45 位置決めピン
47a 先端側ガイド面(ガイド部)
47d 垂直当接面(位置決め部)
51 係合孔(被取付部)
53 貫通孔
61 当接部
7 センターロアパネル(樹脂成形品)
7a 主面部
7b 側面部
17 取付プレート(相手部材、被取付部)
27 ネジ孔(取付部)
31 係合爪(取付部)
45 位置決めピン
47a 先端側ガイド面(ガイド部)
47d 垂直当接面(位置決め部)
51 係合孔(被取付部)
53 貫通孔
61 当接部
Claims (4)
- 所定幅で延びる主面部(7a)と該主面部(7a)の幅方向両端縁から一体に突出する側面部(7b)とを備えて一方に開放する断面略コ字状に形成された樹脂成形品(7)を相手部材(3,17)に組み付ける樹脂成形品の組付け構造であって、
上記相手部材(3,17)における上記樹脂成形品(7)の開放側幅方向両端部に対応する箇所には、貫通孔(53)がそれぞれ形成され、
上記樹脂成形品(7)の開放側幅方向両端部には、組付け状態で正規の取付け位置に位置して上記相手部材(3,17)の被取付部(17,51)に取り付けられた状態となる取付部(27,31)がそれぞれ設けられているとともに、上記組付け状態で上記相手部材(3,17)の貫通孔(53)を貫通する位置決めピン(45)が上記樹脂成形品(7)の開放方向に向けてそれぞれ突設され、上記両位置決めピン(45)の幅方向内側縁には、先端側から基端側に向かって幅方向内側に傾斜するガイド部(47a)と、該ガイド部(47a)よりも基端側で上記ガイド部(47a)の基端側端部よりも幅方向外側に位置する位置決め部(47d)とがそれぞれ形成され、
上記樹脂成形品(7)の両位置決めピン(45)を相手部材(3,17)の両貫通孔(53)に貫通させることにより、上記両ガイド部(47a)を貫通孔(53)の内周縁に幅方向外側から摺接させて両位置決めピン(45)を幅方向外側に移動させて上記両位置決めピン(45)形成箇所における樹脂成形品(7)の開放幅を組付け状態における開放幅よりも広げるとともに、上記両取付部(27,31)を、その幅方向内側への移動が上記相手部材(3,17)の被取付部(17,51)により規制される位置に誘導し、
上記両位置決めピン(45)の位置決め部(47d)を上記貫通孔(53)に到達させることにより、上記両取付部(27,31)の幅方向内側への移動が上記相手部材(3,17)の被取付部(17,51)により規制された状態のまま上記両取付部(27,31)を上記正規の取付け位置に到達させるとともに、上記両位置決めピン(45)形成箇所における樹脂成形品(7)の開放幅を狭めて上記両位置決めピン(45)の位置決め部(47d)を上記貫通孔(53)の内周縁に幅方向外側から当接させるようになっていることを特徴とする樹脂成形品の組付け構造。 - 請求項1に記載の樹脂成形品の組付け構造において、
上記相手部材(3,17)の被取付部(17,51)は、係合孔(51)であり、
上記樹脂成形品(7)の取付部(27,31)は、上記相手部材(3,17)の係合孔(51)に挿入されて上記組付け状態で上記係合孔(51)の周縁に係合する係合爪(31)であることを特徴とする樹脂成形品の組付け構造。 - 請求項1に記載の樹脂成形品の組付け構造において、
上記相手部材(3,17)の被取付部(17,51)は、上記組付け状態で上記樹脂成形品(7)の両側面部(7b)に幅方向内側から当接する取付プレート(17)であり、該取付プレート(17)にはネジ孔(27)が形成され、
上記樹脂成形品(3)の取付部(27,31)は、上記取付プレート(17)のネジ孔(27)に対応するように上記両側面部(7b)に形成されたネジ孔(27)であることを特徴とする樹脂成形品の組付け構造。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂成形品の組付け構造において、
上記貫通孔(53)周りの相手部材(3,17)には、上記両位置決めピン(45)形成箇所における樹脂成形品(7)の開放幅を組付け状態における開放幅よりも広げた状態で上記位置決めピン(45)に幅方向外側から当接する当接部(61)が上記位置決めピン(45)の貫通方向に向けて突設されていることを特徴とする樹脂成形品の組付け構造。
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JP2011075864A JP2012206482A (ja) | 2011-03-30 | 2011-03-30 | 樹脂成形品の組付け構造 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11885802B2 (en) | 2009-10-05 | 2024-01-30 | Ambergen, Inc. | Method for diagnosing primary biliary cirrhosis (PBC) using novel autoantigens |
-
2011
- 2011-03-30 JP JP2011075864A patent/JP2012206482A/ja not_active Withdrawn
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