JP2012205321A - ステップモータ駆動装置及びステップモータ駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ステップモータ駆動装置の制御回路は、ステップモータのコイルに、一方極性の第1駆動パルスP1と反対極性の第2駆動パルスP2とを所定のタイミングで交互に供給することにより、該ステップモータのロータを回転させる。また、制御回路は、第1駆動パルスP1と第2駆動パルスP2との間に、第1駆動パルスP1と第2駆動パルスP2のエネルギーより小さく、且つ、前記ロータがそのコギングトルクが0になる位置で停止した場合に前記ロータを前記位置から抜け出させることのできるエネルギーの第1補助パルスA1,第2補助パルスA2を前記コイルに印加する。
【選択図】図1
Description
特許文献1に開示されたステップモータ駆動装置は、駆動パルス印加後のロータの回転挙動により発生する誘導電流に基づいてロータの回転・非回転を判別し、非回転と判別した場合、通常の駆動パルス以外の駆動パルス(補正駆動パルス)をコイルに供給する。これにより、ロータの回転を正常な状態に復帰させる。
ステップモータのコイルに、一方極性の駆動パルスと前記一方極性と反対極性の駆動パルスとを所定のタイミングで交互に供給することにより、該ステップモータのロータを回転させる駆動制御手段を備え、
前記駆動制御手段は、
前記一方極性の駆動パルスと前記反対極性の駆動パルスとの間に、前記駆動パルスのエネルギーより小さく、且つ、前記ロータがそのコギングトルクが0になる位置で停止した場合に前記ロータを前記位置から抜け出させることのできるエネルギーの補助パルスを前記コイルに印加する、
ことを特徴とする。
前記一方極性の駆動パルスを前記コイルに印加した後に、前記一方極性の駆動パルスと同一極性の前記補助パルスを前記コイルに印加してもよい。
前記一方極性の駆動パルスを前記コイルに印加した後に、前記一方極性の駆動パルスと反対極性の前記補助パルスを前記コイルに印加してもよい。
前記ロータの回転状態を検出し、検出結果を示す検出信号を生成する回転検出手段と、
前記回転検出手段が生成した検出信号を取得し、取得した検出信号に基づいて前記ロータが回転したか否かを判別する判別手段と、をさらに備え、
前記駆動制御手段は、
前記判別手段が判別した結果に応じて、前回印加した駆動パルスよりもエネルギーを増減させた前記駆動パルスを前記コイルに印加してもよい。
前記判別手段が、前記ロータが回転していないと判別した場合に、前記駆動パルスのエネルギーよりも大きく、前記ロータを回転させることができるエネルギーの補正駆動パルスを前記コイルに印加してもよい。
ステップモータのコイルに、一方極性の駆動パルスと前記一方極性と反対極性の駆動パルスとを所定のタイミングで交互に供給することにより、該ステップモータのロータを回転させるステップモータ駆動方法であって、
前記一方極性の駆動パルスと前記反対極性の駆動パルスとの間に、前記駆動パルスのエネルギーより小さく、且つ、前記ロータがそのコギングトルクが0になる位置で停止した場合に前記ロータを前記位置から抜け出させることのできるエネルギーの補助パルスを前記コイルに印加する、
ことを特徴とする。
1.第1実施形態
本実施の形態に係るステップモータ駆動装置は、ステップモータを駆動するために、図1に示すように、一方極性(第1極性)の第1駆動パルスP1と、反対極性(第2極性)の第2駆動パルスP2を交互に供給するとともに、補助パルスA1,A2を供給する。ここで、「補助パルス」とは、駆動パルスと比べて十分にエネルギーの小さい所定極性のパルスであり、駆動パルスのようにロータを一方の極から他方の極に移動させることはできないが、ロータをコギングトルクが0になる位置(以下、「コギングトルク中立位置」という)から抜け出させることのできるエネルギーをもつパルスをいう。
本実施形態に係るステップモータ駆動装置が駆動するステップモータの構成について説明する。
図2に示すように、ステップモータ11は、電子時計の時針や分針等の時刻針を回転駆動する単層2極ステップモータであり、ロータ111と、ステータ112と、コイル芯113と、励磁コイル114と、を備える。
具体的には、以下のi)、ii)の場合である。
i)図2に示すように、ロータ111が静的安定位置L1で停止している状態で、第1駆動パルスP1を励磁コイル114に印加して励磁電流Iを流すと、前述のように正常な駆動状態では、ロータ111は、図3(b)に示す静的安定位置L1で停止する。しかし、予期せず、ロータ111が、図4(a)に示すコギングトルク中立位置、つまり、図面においてN極がS極より上側にあり、かつ、両極の境界が静的安定位置L1が示す線上に位置するときに停止してしまう場合がある。
ii)図3(b)に示すように、ロータ111が静的安定位置L1で停止している状態で、第2駆動パルスP2を励磁コイル114に印加して励磁電流−Iを流すと、前述のように正常な駆動状態では、ロータ111は、図3(d)に示す静的安定位置L1で停止する。しかし、予期せず、ロータ111が、図4(b)に示すコギングトルク中立位置、つまり、図面においてS極がN極より上側にあり、かつ、両極の境界が静的安定位置L1が示す線上に位置するときに停止してしまう場合がある。
コギングトルクの中立位置は、ノッチ中心線L3を中心として、ロータ111の磁極(N極、S極)、ノッチ112d及び112e、が共に左右対象になる位置である。この位置では、ロータ111が右回転しようとする力と左回転しようとする力とが均等になるため、ロータ111は、どちらの方向にも回転することができずに安定してしまう。そのため、上記i)、ii)の場合に、ロータ111が停止してしまうような事態が発生する。
次に、上記構成を有するステップモータ11を駆動するステップモータ駆動装置21について説明する。
ステップモータ駆動装置21は、図5に示すように、ステップモータ11の励磁コイル114に駆動パルスを印加するための駆動回路31と、制御回路41と、から構成される。
具体的には、制御回路41はPMOSトランジスタ311のゲートにゲート信号01H、NMOSトランジスタ312のゲートにゲート信号01L、PMOSトランジスタ313のゲートにゲート信号02H、NMOSトランジスタ314のゲートにゲート信号02Lを印加することにより、図6(a)〜(d)に示すように、PMOSトランジスタ311,NMOSトランジスタ312,PMOSトランジスタ313,NMOSトランジスタ314をそれぞれオン・オフする。
これにより、励磁コイル114に、図6(e)に示す一方極性(第1極性)の第1駆動パルスP1と第1補助パルスA1を印加し、図6(f)に示す反対極性(第2極性)の第2駆動パルスP2と第2補助パルスA2を印加する。
駆動パルスP1,P2、補助パルスA1,A2のそれぞれを印加した後は、NMOSトランジスタ312と314をオンし、励磁コイル114に蓄積したエネルギーを開放させる。
このように、補助パルスの極性を直前に供給した駆動パルスを同じ極性にする理由は、ロータ111がコギングトルク中立位置で停止していた場合に、直前に供給した駆動パルスと同じ極性の補助パルスを供給すれば、コギングトルク中立位置を抜けた後に停止する位置を、ロータ111が正常な回転をしていた場合と同じ位置にすることができるためである。
次に、上記構成を有するステップモータ駆動装置21がステップモータ11を駆動する動作を説明する。
具体的には、制御回路41は、ローレベルのゲート信号O1HとO1LをPMOSトランジスタ311とNMOSトランジスタ312に一定期間印加し、ハイレベルのゲート信号O2HとO2LをPMOSトランジスタ313とNMOSトランジスタ314に一定期間印加し、PMOSトランジスタ311とNMOSトランジスタ314をオンし、NMOSトランジスタ312とPMOSトランジスタ313をオフする。これにより、図5に示す電流I1が励磁コイル114に流れる。
第1補助パルスA1を印加する制御方法は、ステップS102と同様であるが、ゲート信号の供給期間とパルスの印加期間がステップS102に比べて短い。これにより、第1補助パルスA1のパルス幅は、第1駆動パルスP1に比べて、短くなる。
具体的には、制御回路41は、ハイレベルのゲート信号O1HとO1LをPMOSトランジスタ311とNMOSトランジスタ312に一定期間印加し、ハイレベルのゲート信号O2HとO2LをPMOSトランジスタ313とNMOSトランジスタ314に一定期間印加し、PMOSトランジスタ311とNMOSトランジスタ314をオフし、NMOSトランジスタ312とPMOSトランジスタ313をオンする。これにより、図5に示す電流I2が励磁コイル114に流れる。
第2補助パルスA2を印加する制御方法は、ステップS106と同様であるが、ロータ111をコギングトルク中立位置から抜け出させるために必要なエネルギーは、ロータ111を静的安定位置L1から抜け出させるために必要なエネルギーよりも小さなエネルギーでよいので、ゲート信号の供給期間とパルスの印加期間がステップS106に比べて短い。これにより、第2補助パルスA2のパルス幅は、第2駆動パルスP2に比べて、短くなる。なお、本実施形態に係る補助パルスA1とA2のパルス幅は、例えば、駆動パルスのパルス幅の10%以下である。
本実施形態に係るステップモータ駆動装置は、ロータ111の回転状態を検知することにより、その状態に応じて、次回からは、ロータ111を回転させるに適したエネルギーの駆動パルスを供給する。このようにして、ステップモータ11を安定して駆動させる適応制御を行う。
具体的には、上記第1実施形態のように1つのパルスから構成される駆動パルスを供給するのでなく、ステップモータ11をより確実に回転させるため、複数のパルス(間欠的に構成された複数の櫛歯パルスの列)で構成される駆動パルスを供給するとともに、ロータ111の回転状態に応じて、駆動パルスを構成する櫛歯パルスの本数を適宜制御する(つまり、適宜、エネルギーを増減させた駆動パルスを励磁コイル114に印加する)。
具体的には、図8に示すように、第1極性の櫛歯パルスの列からなる第1駆動パルスP21を供給しはじめてから、所定の間隔(図8では、500ms)を経て、第1駆動パルスP21と反対極性の第2補助パルスA2を供給する。続いて、第2極性の櫛歯パルスの列からなる第2駆動パルスP22を供給しはじめてから、所定の間隔(図8では、500ms)を経て、第2駆動パルスP22と反対極性の第1補助パルスA1を供給する。
図9に示すように、第2実施形態に係るステップモータ221は、第1実施形態と同様の構成の駆動回路31及び制御回路41と、本実施形態に特有の回転検出部51と、を備える。これらの各部のそれぞれは、電気的に接続され、制御回路41の制御の下、第1実施形態と同様の構成のステップモータ11を駆動する。なお、本実施形態では、制御回路41が各部を制御する方法が、第1実施形態と異なる点がある。この点は、適宜、説明する。
回転検出部51は、例えば、i)ステップモータ11のロータ111の近傍に備えられ、半導体磁気抵抗素子、ホール素子、強磁性薄膜素子、コイルピックアップ等から構成される磁気センサ(図示せず)、ii)上記した特許文献1のように、駆動パルスを励磁コイル114に印加した後のロータ111の回転挙動により発生する誘導電流を検出する公知の検出部、iii)ロータ111の回転によって発生する誘導電流に起因して励磁コイル114の両端間電圧に現れる凹みに基づいて回転の有無を検出する検出部、等が考えられる。ロータ111の回転状態を検出できるものであれば、回転検出部51の構成は限定されるものではない。
一方、ロータ111が回転した(ステップモータ11が正常に運針をした)と判別した場合、制御回路41は、駆動パルスのランクを変えずに、駆動パルスを供給し続ける。また、所定の期間内(例えば、300秒間)、このように回転と判別し続けた場合は次回から、ランクを1つ下げた(櫛歯パルスの本数を原則1本減らした)駆動パルスを供給する。なお、駆動パルスのランクが既に最低ランクに達した場合は、上記所定期間(例えば、300秒間)ロータ111の回転が正常であると判別した場合であっても、ランクは変えない。
続いて、T3の期間だけ、MOSトランジスタ311〜314を全てオフする。
このときの第1駆動パルスP21を構成する櫛歯パルスは、図10に示すように、櫛歯パルス幅T1は1.7578ms、櫛歯パルス周期(T1+T2+T3)は1.9531msである。
また、櫛歯パルスの本数は、初動時では、最低ランクの「ランク1」(例えば、櫛歯パルス10本)であり、制御回路41は、回転検出部51から取得した検出信号に基づいて、前述の通り、ロータ111の回転・非回転を判別し、適宜、供給する櫛歯パルスの本数を増減して供給して、適応制御を行う。
第2補助パルスA2を印加する制御自体は、第1実施形態のステップS108と同様である。
補助パルスのエネルギーは、駆動パルスのエネルギーよりも十分小さいが、ロータ111がコギングトルク中立位置で停止した場合に、再び元の位置に戻るのに十分なエネルギーをもつように予め設定されている。
続いて、T3の期間だけ、MOSトランジスタ311〜314を全てオフする。
このときの第2駆動パルスP22を構成する櫛歯パルスのパルス幅T1等の具体値の一例は、図10を参照して上で説明した具体値と同様である。第2駆動パルスP22は、第1駆動パルスP21と極性が反対である点が異なる。
第1補助パルスA1を印加する制御方法は、第1実施形態のステップS104と同様である。
このときの第1補助パルスA1のパルス幅の具体値の一例は、図10を参照して上で説明した具体値と同様である。第1補助パルスA1は、第2補助パルスA2と極性が反対である点が異なる。
なお、前述の図11では、駆動パルスP21,P22と補助パルスA1,A2の供給タイミングについての理解を容易にするため、補正駆動パルスは示していない。補正駆動パルスについては、図12等を参照し、以下に説明する。
図12は、第2駆動パルスP22においてロータ111が回転しなかったと判別し、まず、第2駆動パルスP22と反対極性の第1補正駆動パルスC1を供給し、その次に第2駆動パルスP22と同じ極性の第2補正駆動パルスC2を供給している例を示している。
この例では、第1補正駆動パルスC1を励磁コイル114に印加するための、ゲート信号01H〜02Lの制御自体は、第1実施形態で説明したステップS102と同様である。また、第2補正駆動パルスC2を励磁コイル114に印加するための、ゲート信号01H〜02Lの制御自体は、第1実施形態で説明したステップS106と同様である。
以下、図12で示す構成のパルスを励磁コイル114に印加した場合として、前述の図2及び図3(a)〜(d)を参照しながら、理由を説明する。
以上、この発明の実施の形態を説明したが、この発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
111…ロータ
112…ステータ
112a…円形孔
112b、112c…ノッチ
112d、112e…ノッチ
113…コイル芯
114…励磁コイル
TM1…第1端子、TM2…第2端子
21,221…ステップモータ駆動装置
31…駆動回路
311、313…PMOSトランジスタ
312、314…NMOSトランジスタ
41…制御回路
51…回転検出部
P1,P21…第1駆動パルス、P2,P22…第2駆動パルス
A1…第1補助パルス、A2…第2補助パルス
C1…第1補正駆動パルス、C2…第2補正駆動パルス
L1…静的安定位置、L2…磁路中心線、L3…ノッチ中心線
TM1…第1端子、TM2…第2端子
Claims (6)
- ステップモータのコイルに、一方極性の駆動パルスと前記一方極性と反対極性の駆動パルスとを所定のタイミングで交互に供給することにより、該ステップモータのロータを回転させる駆動制御手段を備え、
前記駆動制御手段は、
前記一方極性の駆動パルスと前記反対極性の駆動パルスとの間に、前記駆動パルスのエネルギーより小さく、且つ、前記ロータがそのコギングトルクが0になる位置で停止した場合に前記ロータを前記位置から抜け出させることのできるエネルギーの補助パルスを前記コイルに印加する、
ことを特徴とするステップモータ駆動装置。 - 前記駆動制御手段は、
前記一方極性の駆動パルスを前記コイルに印加した後に、前記一方極性の駆動パルスと同一極性の前記補助パルスを前記コイルに印加する、
ことを特徴とする請求項1に記載のステップモータ駆動装置。 - 前記駆動制御手段は、
前記一方極性の駆動パルスを前記コイルに印加した後に、前記一方極性の駆動パルスと反対極性の前記補助パルスを前記コイルに印加する、
ことを特徴とする請求項1に記載のステップモータ駆動装置。 - 前記ステップモータ駆動装置は、
前記ロータの回転状態を検出し、検出結果を示す検出信号を生成する回転検出手段と、
前記回転検出手段が生成した検出信号を取得し、取得した検出信号に基づいて前記ロータが回転したか否かを判別する判別手段と、をさらに備え、
前記駆動制御手段は、
前記判別手段が判別した結果に応じて、前回印加した駆動パルスよりもエネルギーを増減させた前記駆動パルスを前記コイルに印加する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のステップモータ駆動装置。 - 前記駆動制御手段は、
前記判別手段が、前記ロータが回転していないと判別した場合に、前記駆動パルスのエネルギーよりも大きく、前記ロータを回転させることができるエネルギーの補正駆動パルスを前記コイルに印加する、
ことを特徴とする請求項4に記載のステップモータ駆動装置。 - ステップモータのコイルに、一方極性の駆動パルスと前記一方極性と反対極性の駆動パルスとを所定のタイミングで交互に供給することにより、該ステップモータのロータを回転させるステップモータ駆動方法であって、
前記一方極性の駆動パルスと前記反対極性の駆動パルスとの間に、前記駆動パルスのエネルギーより小さく、且つ、前記ロータがそのコギングトルクが0になる位置で停止した場合に前記ロータを前記位置から抜け出させることのできるエネルギーの補助パルスを前記コイルに印加する、
ことを特徴とするステップモータ駆動方法。
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