JP2012205321A - ステップモータ駆動装置及びステップモータ駆動方法 - Google Patents

ステップモータ駆動装置及びステップモータ駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ステップモータを安定して駆動する。
【解決手段】ステップモータ駆動装置の制御回路は、ステップモータのコイルに、一方極性の第1駆動パルスP1と反対極性の第2駆動パルスP2とを所定のタイミングで交互に供給することにより、該ステップモータのロータを回転させる。また、制御回路は、第1駆動パルスP1と第2駆動パルスP2との間に、第1駆動パルスP1と第2駆動パルスP2のエネルギーより小さく、且つ、前記ロータがそのコギングトルクが0になる位置で停止した場合に前記ロータを前記位置から抜け出させることのできるエネルギーの第1補助パルスA1,第2補助パルスA2を前記コイルに印加する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ステップモータ駆動装置及びステップモータ駆動方法に関する。
ステップモータのコイルに極性の異なる駆動パルスを交互に供給して、非励磁状態・励磁状態を繰り返させることにより、ロータを、非励磁状態における停止位置(静的安定位置)を基準として間欠的に回転させ、ステップモータを駆動させる技術が知られている。
この技術では、駆動パルスの駆動エネルギーが小さかったり、例えば時計用のステップモータで、指針の重量が重かったり、指針を駆動する駆動装置の機械的な負荷が大きかったりすると、ロータが正常に回転できない場合がある。
特許文献1に開示されたステップモータ駆動装置は、駆動パルス印加後のロータの回転挙動により発生する誘導電流に基づいてロータの回転・非回転を判別し、非回転と判別した場合、通常の駆動パルス以外の駆動パルス(補正駆動パルス)をコイルに供給する。これにより、ロータの回転を正常な状態に復帰させる。
特許第4236956号公報
ところで、非励磁状態においては、ステップモータが正常に駆動している場合にロータが停止する上記静的安定位置以外に、ロータのコギングトルクが0(ゼロ)になりロータが停止する位置が存在する。
このコギングトルクが0になる位置でロータが停止し、駆動パルスが供給されると、ロータが、前回の駆動パルスが供給される前の位置に戻ってしまったり、逆回転してしまったりしてステップモータの動作が不安定になってしまう場合があった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、ステップモータを安定して駆動できるステップモータ駆動装置及びステップモータ駆動方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るステップモータ駆動装置は、
ステップモータのコイルに、一方極性の駆動パルスと前記一方極性と反対極性の駆動パルスとを所定のタイミングで交互に供給することにより、該ステップモータのロータを回転させる駆動制御手段を備え、
前記駆動制御手段は、
前記一方極性の駆動パルスと前記反対極性の駆動パルスとの間に、前記駆動パルスのエネルギーより小さく、且つ、前記ロータがそのコギングトルクが0になる位置で停止した場合に前記ロータを前記位置から抜け出させることのできるエネルギーの補助パルスを前記コイルに印加する、
ことを特徴とする。
前記駆動制御手段は、
前記一方極性の駆動パルスを前記コイルに印加した後に、前記一方極性の駆動パルスと同一極性の前記補助パルスを前記コイルに印加してもよい。
前記駆動制御手段は、
前記一方極性の駆動パルスを前記コイルに印加した後に、前記一方極性の駆動パルスと反対極性の前記補助パルスを前記コイルに印加してもよい。
前記ステップモータ駆動装置は、
前記ロータの回転状態を検出し、検出結果を示す検出信号を生成する回転検出手段と、
前記回転検出手段が生成した検出信号を取得し、取得した検出信号に基づいて前記ロータが回転したか否かを判別する判別手段と、をさらに備え、
前記駆動制御手段は、
前記判別手段が判別した結果に応じて、前回印加した駆動パルスよりもエネルギーを増減させた前記駆動パルスを前記コイルに印加してもよい。
前記駆動制御手段は、
前記判別手段が、前記ロータが回転していないと判別した場合に、前記駆動パルスのエネルギーよりも大きく、前記ロータを回転させることができるエネルギーの補正駆動パルスを前記コイルに印加してもよい。
また、上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係るステップモータ駆動方法は、
ステップモータのコイルに、一方極性の駆動パルスと前記一方極性と反対極性の駆動パルスとを所定のタイミングで交互に供給することにより、該ステップモータのロータを回転させるステップモータ駆動方法であって、
前記一方極性の駆動パルスと前記反対極性の駆動パルスとの間に、前記駆動パルスのエネルギーより小さく、且つ、前記ロータがそのコギングトルクが0になる位置で停止した場合に前記ロータを前記位置から抜け出させることのできるエネルギーの補助パルスを前記コイルに印加する、
ことを特徴とする。
本発明によれば、ステップモータを安定して駆動できる。
本発明の第1実施形態に係る補助パルスの構成例を示すタイミングチャートである。 本発明の第1実施形態に係るステップモータの正面図である。 (a)〜(d)は、図2に示すステップモータの回転動作を説明するための図である。 (a)及び(b)は、図2に示すステップモータのロータがコギングトルク中立位置で停止した状態を説明するための図である。 本発明の第1実施形態に係るステップモータ駆動装置の回路図である。 (a)〜(d)は、第1実施形態に係る、図5の駆動回路を構成する各MOSトランジスタのオン/オフタイミングを示し、(e)と(f)は、第1実施形態に係る、第1極性と第2極性の印加パルスを示すタイミングチャートである。 第1実施形態に係るステップモータ駆動制御処理のフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る補助パルスの構成例を示すタイミングチャートである。 第2実施形態に係るステップモータ駆動装置のブロック図である。 第2実施形態に係る駆動パルスを構成する櫛歯パルスと補助パルスと補正駆動パルスの具体例を説明するための図である。 (a)〜(d)は、第2実施形態に係る、図5の駆動回路を構成する各MOSトランジスタのオン/オフタイミングを示し、(e)と(f)は、第2実施形態に係る、第1極性と第2極性の印加パルスを示すタイミングチャートである。 本発明の第2実施形態に係るステップモータ駆動装置が供給するパルスの構成例を示すタイミングチャートである。
以下、本発明の実施の形態に係るステップモータ駆動装置と駆動方法を説明する。
1.第1実施形態
本実施の形態に係るステップモータ駆動装置は、ステップモータを駆動するために、図1に示すように、一方極性(第1極性)の第1駆動パルスP1と、反対極性(第2極性)の第2駆動パルスP2を交互に供給するとともに、補助パルスA1,A2を供給する。ここで、「補助パルス」とは、駆動パルスと比べて十分にエネルギーの小さい所定極性のパルスであり、駆動パルスのようにロータを一方の極から他方の極に移動させることはできないが、ロータをコギングトルクが0になる位置(以下、「コギングトルク中立位置」という)から抜け出させることのできるエネルギーをもつパルスをいう。
本実施形態に係るステップモータ駆動装置は、ロータがコギングトルク中立位置で停止してしまったとしても、次に反対極性の駆動パルスを供給する前に前回出力した駆動パルスと同極性の補助パルスを供給することで、ロータをコギングトルク中立位置から抜け出させることができるため、ステップモータを安定して駆動できる。以下、このようなステップモータ駆動装置について詳細に説明する。
(ステップモータの構成)
本実施形態に係るステップモータ駆動装置が駆動するステップモータの構成について説明する。
図2に示すように、ステップモータ11は、電子時計の時針や分針等の時刻針を回転駆動する単層2極ステップモータであり、ロータ111と、ステータ112と、コイル芯113と、励磁コイル114と、を備える。
ロータ111は、円板状の永久磁石から構成され、径方向にN極、S極の2極に着磁されている。
ステータ112は、磁性材料から形成され、中央部にはロータ111を挿入するための円形孔112aが形成されている。
ステータ112の上辺と下辺には、一対の半円状のノッチ112bと112cが形成されている。ノッチ112bと112cとは、磁路の中心軸L2に直交し且つ円形孔112aの中心を通る直線Y上に形成されている。ノッチ112bと112cにより、ステータ112の円形孔112aを挟んだ上辺部と下辺部に狭幅部が形成される。ステータ112の磁路の断面積は、この狭幅部の部分で小さくなり、磁気抵抗が大きくなる。これにより、ステータ112を通過する磁束が円形孔112aを通過しやすくなる。
円形孔112aには、ロータ111の停止位置を定めるための一対の円弧状のノッチ112dと112eが形成されている。ノッチ112d、112eは、磁路中心軸L2にほぼ45°で交差し且つ円形孔112aの中心を通るノッチ中心線L3上に形成されている。ロータ111は、非励磁状態では、N極とS極の境界がノッチ中心線L3上に位置したときに安定する。以下、このような安定した位置にロータ111が位置するときは、「ロータ111が静的安定位置L1にある」と表現する。つまり、ロータ111が静的安定位置L1にある状態は、両極の境界がノッチ中心線L3上に位置する場合であって、一方の極がN極であり他方の極がS極であるときと、一方の極がS極であり他方の極がN極であるときの、2通りある(図3(b)、(d)参照)。
コイル芯113は、ステータ112の下端部に設けられ、磁路の一部を構成している。コイル芯113には、励磁コイル114が巻回されている。励磁コイル114の両端には、第1端子TM1と第2端子TM2とが設けられている。
図2に示すように、ロータ111が静的安定位置L1で停止している状態で、所定極性の第1駆動パルスP1を励磁コイル114の端子TM1とTM2との間に印加して、図1の矢印方向に励磁電流Iを流すと、ステータ112には、図3(a)に示すように、破線矢印M1の方向に磁束が発生する。発生した磁束は、狭幅部112b、112cの磁気抵抗により一部が円形孔112aを通過し、ステータ112には、図示する磁路中心線L2方向に、NとSの磁極が形成される。ロータ111は、各磁極NとSがステータ112に生成された磁極と吸引しあうように、ロータ111が回転する。
続いて、励磁電流Iを停止すると、ステータ112を流れる磁束が消失し、図3(b)に示すように、ロータ111は静的安定位置L1まで回転して停止する。
次に、第1駆動パルスP1とは逆極性の第2駆動パルスP2を、励磁コイル114の端子TM1とTM2との間に印加して、励磁電流−Iを流すと、ステータ112には、図3(c)の破線矢印M2の方向に磁束が発生する。この磁束により、ステータ112にSとNの磁極が形成され、ロータ111の各磁極NとSがステータ112に形成された磁極と吸引し合うように、ロータ111が回転する。
続いて、励磁電流−Iを停止すると、ステータ112を流れる磁束が消失し、図3(d)に示すように、ロータ111は静的安定位置L1まで回転して停止する。
以後、励磁コイル114に第1駆動パルスP1と第2駆動パルスP2を所定のタイミングで交互に供給することによって、前述の動作が繰り返し行われ、ロータ111は、図面における反時計回り方向に回転する。第1駆動パルスP1と第2駆動パルスP2を印加する時間間隔は、ステップモータ11の負荷が例えば時計の秒針の場合には、1秒間隔である。
上記のように、ステップモータ11が正常に動作する場合、非励磁状態においては、前述のように、ロータ111は、静的安定位置L1(図3(b)、(d)参照)で停止する。しかし、非励磁状態において、ロータ111は、この静的安定位置L1以外に、コギングトルク中立位置で停止してしまう場合がある。
具体的には、以下のi)、ii)の場合である。
i)図2に示すように、ロータ111が静的安定位置L1で停止している状態で、第1駆動パルスP1を励磁コイル114に印加して励磁電流Iを流すと、前述のように正常な駆動状態では、ロータ111は、図3(b)に示す静的安定位置L1で停止する。しかし、予期せず、ロータ111が、図4(a)に示すコギングトルク中立位置、つまり、図面においてN極がS極より上側にあり、かつ、両極の境界が静的安定位置L1が示す線上に位置するときに停止してしまう場合がある。
ii)図3(b)に示すように、ロータ111が静的安定位置L1で停止している状態で、第2駆動パルスP2を励磁コイル114に印加して励磁電流−Iを流すと、前述のように正常な駆動状態では、ロータ111は、図3(d)に示す静的安定位置L1で停止する。しかし、予期せず、ロータ111が、図4(b)に示すコギングトルク中立位置、つまり、図面においてS極がN極より上側にあり、かつ、両極の境界が静的安定位置L1が示す線上に位置するときに停止してしまう場合がある。
つまり、コギングトルクの中立位置は、図4(a)、(b)に示す状態の2通りあり、静的安定位置L1からほぼ±90度ずれた位置である。
コギングトルクの中立位置は、ノッチ中心線L3を中心として、ロータ111の磁極(N極、S極)、ノッチ112d及び112e、が共に左右対象になる位置である。この位置では、ロータ111が右回転しようとする力と左回転しようとする力とが均等になるため、ロータ111は、どちらの方向にも回転することができずに安定してしまう。そのため、上記i)、ii)の場合に、ロータ111が停止してしまうような事態が発生する。
(ステップモータ駆動装置)
次に、上記構成を有するステップモータ11を駆動するステップモータ駆動装置21について説明する。
ステップモータ駆動装置21は、図5に示すように、ステップモータ11の励磁コイル114に駆動パルスを印加するための駆動回路31と、制御回路41と、から構成される。
駆動回路31は、ブリッジ接続されたPMOSトランジスタ311、313とNMOSトランジスタ312、314とから構成されている。PMOSトランジスタ311とNMOSトランジスタ312の接続点に励磁コイル114の第1端子TM1が接続され、PMOSトランジスタ313とNMOSトランジスタ314の接続点とに励磁コイル114の第2端子TM2が接続されている。
制御回路41は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリ等からなる記憶部、タイマ回路、出力回路等とから構成される。
制御回路41は、水晶発振器等を備え、所定の周期でゲート信号をMOSトランジスタ311〜314のゲートに印加する。
具体的には、制御回路41はPMOSトランジスタ311のゲートにゲート信号01H、NMOSトランジスタ312のゲートにゲート信号01L、PMOSトランジスタ313のゲートにゲート信号02H、NMOSトランジスタ314のゲートにゲート信号02Lを印加することにより、図6(a)〜(d)に示すように、PMOSトランジスタ311,NMOSトランジスタ312,PMOSトランジスタ313,NMOSトランジスタ314をそれぞれオン・オフする。
これにより、励磁コイル114に、図6(e)に示す一方極性(第1極性)の第1駆動パルスP1と第1補助パルスA1を印加し、図6(f)に示す反対極性(第2極性)の第2駆動パルスP2と第2補助パルスA2を印加する。
駆動パルスP1,P2、補助パルスA1,A2のそれぞれを印加した後は、NMOSトランジスタ312と314をオンし、励磁コイル114に蓄積したエネルギーを開放させる。
本実施形態では、図6(e)、(f)に示すように、駆動パルスを印加してから、所定のタイミング(図6では、500ms)で、その駆動パルスと同一極性の補助パルスを印加する。
このように、補助パルスの極性を直前に供給した駆動パルスを同じ極性にする理由は、ロータ111がコギングトルク中立位置で停止していた場合に、直前に供給した駆動パルスと同じ極性の補助パルスを供給すれば、コギングトルク中立位置を抜けた後に停止する位置を、ロータ111が正常な回転をしていた場合と同じ位置にすることができるためである。
(動作)
次に、上記構成を有するステップモータ駆動装置21がステップモータ11を駆動する動作を説明する。
ステップモータ駆動装置21の制御回路41は、図7に示すフローチャートに従って駆動制御処理を実行し、まず、運針のタイミングに達したか否かを判別する(ステップS101)。運針のタイミングに達していないと判別した場合(ステップS101;NO)には、ステップS101を繰り返す。
一方、運針のタイミングに達したと判別すると(ステップS101;YES)、制御回路41は、第1駆動パルスP1を励磁コイル114に印加する(ステップS102)。
具体的には、制御回路41は、ローレベルのゲート信号O1HとO1LをPMOSトランジスタ311とNMOSトランジスタ312に一定期間印加し、ハイレベルのゲート信号O2HとO2LをPMOSトランジスタ313とNMOSトランジスタ314に一定期間印加し、PMOSトランジスタ311とNMOSトランジスタ314をオンし、NMOSトランジスタ312とPMOSトランジスタ313をオフする。これにより、図5に示す電流I1が励磁コイル114に流れる。
制御回路41は、第1駆動パルスP1を励磁コイル114に一定期間印加すると、MOSトランジスタ311〜314のゲート信号O1H〜O2Lを所定期間全てハイレベルとすることにより、PMOSトランジスタ311と313をオフし、NMOSトランジスタ312と314をオンし、励磁コイル114への第1駆動パルスP1の印加を停止すると共に励磁コイル114に蓄積されているエネルギーを開放させる。これにより、図5に示す還流電流I3が流れる。
次に、制御回路41は、補助パルスを供給するタイミングに達したか否かを判別する(ステップS103)。この補助パルスの供給タイミングは、一例として、図6に示すように、駆動パルスを印加してから500ms経過した時点である。供給タイミングに達していないと判別した場合は(ステップS103;NO)には、ステップS103を繰り返す。
一方、供給タイミングに達したと判別すると(ステップS103;YES)、制御回路41は、第1駆動パルスP1と同じ極性の第1補助パルスA1を励磁コイル114に印加する(ステップS104)。
第1補助パルスA1を印加する制御方法は、ステップS102と同様であるが、ゲート信号の供給期間とパルスの印加期間がステップS102に比べて短い。これにより、第1補助パルスA1のパルス幅は、第1駆動パルスP1に比べて、短くなる。
続いて、制御回路41は、次の運針のタイミングに達したか否かを判別する(ステップS105)。運針のタイミングに達していないと判別した場合(ステップS105;NO)には、ステップS105を繰り返す。
一方、運針のタイミング達したと判別すると(ステップS105;YES)、制御回路41は、第2駆動パルスP2を励磁コイル114に印加する(ステップS106)。
具体的には、制御回路41は、ハイレベルのゲート信号O1HとO1LをPMOSトランジスタ311とNMOSトランジスタ312に一定期間印加し、ハイレベルのゲート信号O2HとO2LをPMOSトランジスタ313とNMOSトランジスタ314に一定期間印加し、PMOSトランジスタ311とNMOSトランジスタ314をオフし、NMOSトランジスタ312とPMOSトランジスタ313をオンする。これにより、図5に示す電流I2が励磁コイル114に流れる。
制御回路41は、第2駆動パルスP2を励磁コイル114に一定期間印加すると、MOSトランジスタ311〜314のゲート信号O1H〜02Lを所定期間全てハイレベルとすることにより、PMOSトランジスタ311と313をオフし、NMOSトランジスタ312と314をオンし、励磁コイル114への第2駆動パルスP2の印加を停止すると共に励磁コイル114に蓄積されているエネルギーを開放させる。これにより、図5に示す還流電流I4が流れる。
次に、制御回路41は、補助パルスを供給するタイミングに達したか否かを判別する(ステップS107)。供給タイミングに達していないと判別した場合は(ステップS107;NO)には、ステップS107を繰り返す。
一方、供給タイミングに達したと判別すると(ステップS107;YES)、制御回路41は、第2駆動パルスP2と同じ極性の第2補助パルスA2を励磁コイル114に印加する(ステップS108)。
第2補助パルスA2を印加する制御方法は、ステップS106と同様であるが、ロータ111をコギングトルク中立位置から抜け出させるために必要なエネルギーは、ロータ111を静的安定位置L1から抜け出させるために必要なエネルギーよりも小さなエネルギーでよいので、ゲート信号の供給期間とパルスの印加期間がステップS106に比べて短い。これにより、第2補助パルスA2のパルス幅は、第2駆動パルスP2に比べて、短くなる。なお、本実施形態に係る補助パルスA1とA2のパルス幅は、例えば、駆動パルスのパルス幅の10%以下である。
以後、同様の動作を繰り返して、ステップモータ11の駆動を制御する。
本実施形態に係るステップモータ駆動装置21によれば、ロータ111が、万が一、図4(a)、(b)に示す、コギングトルク中立位置で停止してしまったとしても、所定のタイミングで補助パルスA1,A2を交互に供給しつづけるため、ロータ111をコギングトルク中立位置から抜け出させることができる。このようにして、ステップモータ11を安定して駆動できる。
また、上述のように本実施形態に係る補助パルスA1,A2は、駆動パルスP1,P2に比べ、エネルギーが十分に小さいため、ロータ111が静的安定位置L1に停止した状態で補助パルスA1,A2を励磁コイル114に供給しても、ロータ111が静的安定位置L1を抜け出すようなことはなく、ステップモータ11の動きに問題は生じない。
また、本実施形態に係るステップモータ駆動装置21は、直前に供給した駆動パルスと同じ極性の補助パルスを供給する。これにより、ロータ111がコギングトルク中立位置で停止していた場合、そこから抜け出させてロータ111が停止する位置を、ロータ111が正常な回転をしていた場合と同じ位置にすることができ、すぐさま、ステップモータ11の駆動状態を正常な状態に復帰させることができる。
2.第2実施形態
本実施形態に係るステップモータ駆動装置は、ロータ111の回転状態を検知することにより、その状態に応じて、次回からは、ロータ111を回転させるに適したエネルギーの駆動パルスを供給する。このようにして、ステップモータ11を安定して駆動させる適応制御を行う。
具体的には、上記第1実施形態のように1つのパルスから構成される駆動パルスを供給するのでなく、ステップモータ11をより確実に回転させるため、複数のパルス(間欠的に構成された複数の櫛歯パルスの列)で構成される駆動パルスを供給するとともに、ロータ111の回転状態に応じて、駆動パルスを構成する櫛歯パルスの本数を適宜制御する(つまり、適宜、エネルギーを増減させた駆動パルスを励磁コイル114に印加する)。
このように、適応制御を行うステップモータ駆動装置においては、ロータ111を回転させるために必要最小限のエネルギーでステップモータ11を駆動させるので、ロータ111がコギングトルク中立位置で停止する可能性がある。そのため、特に、補助パルスを常時、所定のタイミングで供給するメリットがある。
また、上記第1実施形態においては、直前の駆動パルスと同一極性の補助パルスを供給したが、本実施形態においては、直前の駆動パルスと反対極性の補助パルスを供給する。
具体的には、図8に示すように、第1極性の櫛歯パルスの列からなる第1駆動パルスP21を供給しはじめてから、所定の間隔(図8では、500ms)を経て、第1駆動パルスP21と反対極性の第2補助パルスA2を供給する。続いて、第2極性の櫛歯パルスの列からなる第2駆動パルスP22を供給しはじめてから、所定の間隔(図8では、500ms)を経て、第2駆動パルスP22と反対極性の第1補助パルスA1を供給する。
また、ステップモータ駆動装置221(図9参照)の制御回路41は、詳細は後述するが、ロータ111が回転したか否かを判別し、回転しなかったと判別した場合には、判別対象の駆動パルスの直後に、通常のステップモータ11の駆動のために供給される駆動パルスとは別の駆動パルス(以下、「補正駆動パルス」という)を励磁コイル114に印加し、ロータ111を正常な回転状態に復帰させる。
以下、詳細に説明する。
図9に示すように、第2実施形態に係るステップモータ221は、第1実施形態と同様の構成の駆動回路31及び制御回路41と、本実施形態に特有の回転検出部51と、を備える。これらの各部のそれぞれは、電気的に接続され、制御回路41の制御の下、第1実施形態と同様の構成のステップモータ11を駆動する。なお、本実施形態では、制御回路41が各部を制御する方法が、第1実施形態と異なる点がある。この点は、適宜、説明する。
回転検出部51は、ロータ111の回転状態を検出し、検出結果を示す検出信号を制御回路41に供給する。
回転検出部51は、例えば、i)ステップモータ11のロータ111の近傍に備えられ、半導体磁気抵抗素子、ホール素子、強磁性薄膜素子、コイルピックアップ等から構成される磁気センサ(図示せず)、ii)上記した特許文献1のように、駆動パルスを励磁コイル114に印加した後のロータ111の回転挙動により発生する誘導電流を検出する公知の検出部、iii)ロータ111の回転によって発生する誘導電流に起因して励磁コイル114の両端間電圧に現れる凹みに基づいて回転の有無を検出する検出部、等が考えられる。ロータ111の回転状態を検出できるものであれば、回転検出部51の構成は限定されるものではない。
制御回路41は、ゲート信号01H〜02Lを制御して、駆動パルスP21,P22と補助パルスA1,A2を適宜のタイミングで励磁コイル114に供給するとともに、回転検出部51からロータ111の回転状態を示す検出信号を取得し、適応制御を行う。
具体的には、制御回路41は、所定本数の櫛歯パルスから構成される駆動パルスを、励磁コイル114に供給する。そして、回転検出部51から検出信号を取得し、その検出信号に基づいてロータ111が回転したか否かを判別する。
ロータ111が回転しなかった(ステップモータ11が運針のミスをした)と判別した場合、制御回路41は、次の駆動パルスを、ランクを1つ上げた駆動パルスにして(駆動パルスを構成する櫛歯パルスの本数を原則1本増やして)励磁コイル114に供給する。
一方、ロータ111が回転した(ステップモータ11が正常に運針をした)と判別した場合、制御回路41は、駆動パルスのランクを変えずに、駆動パルスを供給し続ける。また、所定の期間内(例えば、300秒間)、このように回転と判別し続けた場合は次回から、ランクを1つ下げた(櫛歯パルスの本数を原則1本減らした)駆動パルスを供給する。なお、駆動パルスのランクが既に最低ランクに達した場合は、上記所定期間(例えば、300秒間)ロータ111の回転が正常であると判別した場合であっても、ランクは変えない。
例えば、駆動パルスのランクとして制御回路41の記憶部に予め用意されているのは、図10に示すように、最低ランクとしての櫛歯パルスが10本の「ランク1」〜最高ランクとしての櫛歯パルスが28本の「ランク15」である。なお、「ランク11」〜「ランク15」のように高いエネルギーレベルの駆動パルスにおいては、次回の駆動パルスで確実にロータ111を回転させるため、例外的に、ランクが1つ上がる毎に櫛歯パルスの本数を2本増やしている。
第2実施形態に係る制御回路41は、上記処理を繰り返し実行することで、ステップモータ11の適応制御を行う。
以下では、ステップモータ駆動装置221が、上記で説明した適応制御を、適宜、行うことを前提として、図11(a)〜(f)のタイミングチャートを参照し、制御回路41が、ゲート信号01H〜02Lを制御して、ステップモータ11を駆動するための駆動パルスP21,P22と、補助パルスA1,A2とを励磁コイル112に供給する動作を詳細に説明する。
制御回路41は、第1駆動パルスP21を印加するタイミングになると、図11(a)〜(d)に示すように、PMOSトランジスタ311をオン、NMOSトランジスタ312をオフ、PMOSトランジスタ313をオフ、NMOSトランジスタ314をオンすることにより、図11(e)に示すように、T1の期間だけ、第1極性の櫛歯パルスを励磁コイル114に印加する。
続いて、PMOSトランジスタ311をオフ、NMOSトランジスタ312をオン、PMOSトランジスタ313をオフ、NMOSトランジスタ314をオンすることにより、T2の期間だけ、励磁コイル114の励磁を停止し、励磁コイル114に蓄積された電磁エネルギーを放出させる。
続いて、T3の期間だけ、MOSトランジスタ311〜314を全てオフする。
以後、制御回路41は、櫛歯パルスをn回(このnは、櫛歯パルスの本数に相当するため、図10を参照して前に述べたように、例えば、n=10〜28である。)、間欠的に励磁コイル114に印加するまで、同様の動作を繰り返すことで、第1駆動パルスP21を励磁コイル114に供給することになる。
このときの第1駆動パルスP21を構成する櫛歯パルスは、図10に示すように、櫛歯パルス幅T1は1.7578ms、櫛歯パルス周期(T1+T2+T3)は1.9531msである。
また、櫛歯パルスの本数は、初動時では、最低ランクの「ランク1」(例えば、櫛歯パルス10本)であり、制御回路41は、回転検出部51から取得した検出信号に基づいて、前述の通り、ロータ111の回転・非回転を判別し、適宜、供給する櫛歯パルスの本数を増減して供給して、適応制御を行う。
このような第1駆動パルスP21を供給した後、補助パルスを供給するタイミングになると、制御回路41は、直前に供給した第1駆動パルスP21と反対極性の第2補助パルスA2を励磁コイル114に印加する。
第2補助パルスA2を印加する制御自体は、第1実施形態のステップS108と同様である。
第2実施形態においても、前述の第1実施形態と同様に、「補助パルス」とは、駆動パルスと比べて十分にエネルギーの小さい所定極性のパルスであり、駆動パルスのようにロータを一方の極から他方の極に移動させることはできないが、ロータをコギングトルク中立位置から抜け出させることのできるエネルギーをもつパルスのことである。
ロータ111が正常に回転した場合には、図2に示す状態から、図3(b)に示す状態になる。このときの第2補助パルスA2のパルス幅は、図10に示すように、例えば、0.9766msである。
補助パルスのエネルギーは、駆動パルスのエネルギーよりも十分小さいが、ロータ111がコギングトルク中立位置で停止した場合に、再び元の位置に戻るのに十分なエネルギーをもつように予め設定されている。
次に、制御回路41は、第2駆動パルスP22を印加するタイミングになると、図11(a)〜(d)に示すように、PMOSトランジスタ311をオフ、NMOSトランジスタ312をオン、PMOSトランジスタ313をオン、NMOSトランジスタ314をオフすることにより、図11(e)に示すように、T1の期間だけ、第2極性の櫛歯パルスを励磁コイル114に印加する。
続いて、PMOSトランジスタ311をオフ、NMOSトランジスタ312をオン、PMOSトランジスタ313をオフ、NMOSトランジスタ314をオンすることにより、T2の期間だけ、励磁コイル114の励磁を停止し、励磁コイル114に蓄積された電磁エネルギーを放出させる。
続いて、T3の期間だけ、MOSトランジスタ311〜314を全てオフする。
以後、制御回路41は、櫛歯パルスをn回(一例として、n=10〜28)、間欠的に励磁コイル114に印加するまで、同様の動作を繰り返すことで、第1駆動パルスP22を励磁コイル114に供給することになる。
このときの第2駆動パルスP22を構成する櫛歯パルスのパルス幅T1等の具体値の一例は、図10を参照して上で説明した具体値と同様である。第2駆動パルスP22は、第1駆動パルスP21と極性が反対である点が異なる。
このような第2駆動パルスP22を供給した後、補助パルスを供給するタイミングになると、制御回路41は、直前に供給した第2駆動パルスP22と反対極性の第1補助パルスA1を励磁コイル114に印加する。
第1補助パルスA1を印加する制御方法は、第1実施形態のステップS104と同様である。
このときの第1補助パルスA1のパルス幅の具体値の一例は、図10を参照して上で説明した具体値と同様である。第1補助パルスA1は、第2補助パルスA2と極性が反対である点が異なる。
以上のように、本発明は、直前の駆動パルスと反対極性の補助パルスを供給するとともに、複数の櫛歯パルスから構成される駆動パルスを供給するステップモータ駆動装置221にも適用することができる。
ロータ111の回転状態に応じて、適宜、駆動パルスのランクを増減する適応制御を行うステップモータ駆動装置221においては、ロータ111がコギングトルク中立位置で停止する蓋然性が高まる。例えば、時計にステップモータ駆動装置221を適用した場合、ロータ111の回転と逆の回転方向における負荷がかかった状態では、必要最小限のエネルギーの駆動パルスに設定されることでロータ111がコギングトルク中立位置で停止してしまう場合が多い。そのため、ステップモータ駆動装置221が、適宜、補助パルスを供給することは好適である。
また、第2実施形態に係るステップモータ駆動装置221の制御回路41は、回転検出部51からの検出信号に基づいてロータ111が回転したか否かを判別し、回転しなかったと判別した場合には、判別対象の駆動パルスの直後に、前述したように、通常のステップモータ11の駆動のために供給される駆動パルスとは別の駆動パルスである「補正駆動パルス」を励磁コイル114に印加し、ロータ111を正常な回転状態に復帰させる。
なお、前述の図11では、駆動パルスP21,P22と補助パルスA1,A2の供給タイミングについての理解を容易にするため、補正駆動パルスは示していない。補正駆動パルスについては、図12等を参照し、以下に説明する。
(補正駆動パルス)
図12は、第2駆動パルスP22においてロータ111が回転しなかったと判別し、まず、第2駆動パルスP22と反対極性の第1補正駆動パルスC1を供給し、その次に第2駆動パルスP22と同じ極性の第2補正駆動パルスC2を供給している例を示している。
この例では、第1補正駆動パルスC1を励磁コイル114に印加するための、ゲート信号01H〜02Lの制御自体は、第1実施形態で説明したステップS102と同様である。また、第2補正駆動パルスC2を励磁コイル114に印加するための、ゲート信号01H〜02Lの制御自体は、第1実施形態で説明したステップS106と同様である。
補正駆動パルスの具体例としては、例えば、図10に示すようにパルス幅54.6875msの1つのパルスから構成され、相互に極性が異なる補正駆動パルスが考えられる。補正駆動パルスは、図10に示す最大の駆動パルスよりも、さらに大きな駆動エネルギーを持っており、確実にロータ111を回転させる値として制御回路41の記憶部に予め設定(記憶)されている。
このように、補正駆動パルスを適宜供給するとともに駆動パルスのランクを増減する適応制御を行うステップモータ駆動装置221が、補助パルスを常時供給すると、ロータ111が万が一コギングトルク中立位置で停止してしまったとしても、次回からはロータ111がコギングトルク中立位置で停止してしまうことを防止できる。
以下、図12で示す構成のパルスを励磁コイル114に印加した場合として、前述の図2及び図3(a)〜(d)を参照しながら、理由を説明する。
図2に示すように、ロータ111が静的安定位置L1で停止している状態で、第1駆動パルスP1を励磁コイル114に印加して励磁電流Iを流した場合に、第1駆動パルスP1のエネルギーが十分でなかったり、ロータ111への負荷が局所的に増えてしまったりして、ロータ111が、図4(a)に示すコギングトルク中立位置で停止してしまったとする。この状態で、第2補助パルスA2が供給されると、ロータ111はコギングトルク中立位置を抜け出し、再び第1駆動パルスP21が供給される前に停止していた位置、即ち、図2に示す静的安定位置L1で停止する。
そして、次の運針タイミングで第2駆動パルスP22が供給されると、ステータ112には図3(c)に示すようにN極とS極が形成され、ロータ111は磁極に引き付けられて図3(c)に示すように回転する。そして第2駆動パルスP22の供給が完了して磁極が消滅すると、ロータ111は図3(d)に示す状態となるが、これは図2の状態と同じである。すなわちロータ111は第2駆動パルスP22が供給されても正常に回転しない。
ロータ111が正常に回転しない場合に発生する誘導電流は、ロータ111が正常に回転した場合、又はロータ111がコギングトルク中立位置で停止した場合に発生する誘導電流よりも、小さくなる。
このため、制御回路41は、ロータ111が回転していないことを確実に検出することができる。制御回路41は、ロータ111が回転していないことを検出した場合は、ロータ111が非回転と判別する。このように、直前の駆動パルスと反対極性の補助パルスを出力することで、ステップモータ駆動装置221は、ロータ111の回転/非回転を確実に検出することができる。
制御回路41は、回転検出部51からの検出信号に基づき、ロータ111が非回転と判別した場合には、第1補正駆動パルスC1、続けて、第2補正駆動パルスC2を励磁コイル114に供給する。すると、補正駆動パルスC1,C2により、ロータ111は強制的に回転させられ、さらに次の運針タイミングで第1駆動パルスP21が供給されるまでに、ロータ111がコギングトルク中立位置で停止せずに正常に駆動していた場合に停止していたはずの、図3(d)の位置にロータ111は停止する。つまり、正常な駆動状態に復帰する。
また、制御回路41は、ロータ111は非回転であったと判別したため、次に供給する第1駆動パルスP11のランクを1つ上げて励磁コイル114に印加する。これにより、今後、ロータ111がコギングトルク中立位置で停止することを防止できる。
なお、上述のように本実施形態に係る補助パルスA1,A2は、駆動パルスP21,P22に比べ、駆動エネルギーが十分に小さいため、ロータ111が静的安定位置L1に停止した状態で補助パルスA1,A2を励磁コイル114に供給しても、ロータ111が静的安定位置L1を抜け出すようなことはなく、ステップモータ11の動きに問題は生じない。
3.変形例
以上、この発明の実施の形態を説明したが、この発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
以上の実施形態では、相互に極性の異なる駆動パルス間に、常に補助パルスを供給したが、これに限られない。例えば、第1駆動パルス供給直後には、補助パルスを供給するが、続く第2駆動パルス供給直後には、補助パルスを供給しない、という構成も可である。
また、第2実施形態では、複数の櫛歯パルスからなる駆動パルスの供給直後に、その駆動パルスと反対極性の補助パルスを励磁コイル114に印加したが、これに限られず、駆動パルスの供給直後に、その駆動パルスと同じ極性の補助パルスを励磁コイル114に印加してもよい。
また、補助パルスを単発のパルスとして説明したが、補助パルスが複数の櫛歯パルスで構成されていてもよい。この場合における補助パルスも、駆動パルスと比べて十分にエネルギーの小さい所定極性のパルスであり、駆動パルスのようにロータを一方の極から他方の極に移動させることはできないが、ロータをコギングトルクが0になる位置(以下、コギングトルク中立位置)から抜け出させることのできるエネルギーをもつパルスである。
また、補正駆動パルスを単発のパルスとして説明したが、補正駆動パルスが複数の櫛歯パルスで構成されていてもよい。この場合における補正駆動パルスも、通常、ロータ111を駆動させるために出力する駆動パルスよりも大きな駆動エネルギーを持っており、確実にロータ111を回転させる値として予め設定されている。
以上の実施形態では2極モータを例示したが、これに限られない。ロータの静的安定位置と動的安定位置(コイル励磁状態におけるロータの安定位置)とコギングトルク中立位置とが互いにずれて存在するステップモータであれば、3極以上のモータにも同様に、上述の制御方法を適用することができる。さらに、時計の運針用のモータに限らず、任意のステップモータに適用可能である。また、インナーロータ型に限定されず、アウターロータ型でもよい。さらに、ステータを励磁する構成に限らず、ロータを励磁する構成にも適用可能である。
11…ステップモータ
111…ロータ
112…ステータ
112a…円形孔
112b、112c…ノッチ
112d、112e…ノッチ
113…コイル芯
114…励磁コイル
TM1…第1端子、TM2…第2端子
21,221…ステップモータ駆動装置
31…駆動回路
311、313…PMOSトランジスタ
312、314…NMOSトランジスタ
41…制御回路
51…回転検出部
P1,P21…第1駆動パルス、P2,P22…第2駆動パルス
A1…第1補助パルス、A2…第2補助パルス
C1…第1補正駆動パルス、C2…第2補正駆動パルス
L1…静的安定位置、L2…磁路中心線、L3…ノッチ中心線
TM1…第1端子、TM2…第2端子

Claims (6)

  1. ステップモータのコイルに、一方極性の駆動パルスと前記一方極性と反対極性の駆動パルスとを所定のタイミングで交互に供給することにより、該ステップモータのロータを回転させる駆動制御手段を備え、
    前記駆動制御手段は、
    前記一方極性の駆動パルスと前記反対極性の駆動パルスとの間に、前記駆動パルスのエネルギーより小さく、且つ、前記ロータがそのコギングトルクが0になる位置で停止した場合に前記ロータを前記位置から抜け出させることのできるエネルギーの補助パルスを前記コイルに印加する、
    ことを特徴とするステップモータ駆動装置。
  2. 前記駆動制御手段は、
    前記一方極性の駆動パルスを前記コイルに印加した後に、前記一方極性の駆動パルスと同一極性の前記補助パルスを前記コイルに印加する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のステップモータ駆動装置。
  3. 前記駆動制御手段は、
    前記一方極性の駆動パルスを前記コイルに印加した後に、前記一方極性の駆動パルスと反対極性の前記補助パルスを前記コイルに印加する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のステップモータ駆動装置。
  4. 前記ステップモータ駆動装置は、
    前記ロータの回転状態を検出し、検出結果を示す検出信号を生成する回転検出手段と、
    前記回転検出手段が生成した検出信号を取得し、取得した検出信号に基づいて前記ロータが回転したか否かを判別する判別手段と、をさらに備え、
    前記駆動制御手段は、
    前記判別手段が判別した結果に応じて、前回印加した駆動パルスよりもエネルギーを増減させた前記駆動パルスを前記コイルに印加する、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のステップモータ駆動装置。
  5. 前記駆動制御手段は、
    前記判別手段が、前記ロータが回転していないと判別した場合に、前記駆動パルスのエネルギーよりも大きく、前記ロータを回転させることができるエネルギーの補正駆動パルスを前記コイルに印加する、
    ことを特徴とする請求項4に記載のステップモータ駆動装置。
  6. ステップモータのコイルに、一方極性の駆動パルスと前記一方極性と反対極性の駆動パルスとを所定のタイミングで交互に供給することにより、該ステップモータのロータを回転させるステップモータ駆動方法であって、
    前記一方極性の駆動パルスと前記反対極性の駆動パルスとの間に、前記駆動パルスのエネルギーより小さく、且つ、前記ロータがそのコギングトルクが0になる位置で停止した場合に前記ロータを前記位置から抜け出させることのできるエネルギーの補助パルスを前記コイルに印加する、
    ことを特徴とするステップモータ駆動方法。
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