以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施の形態における防振装置1の装着状態を示す断面図である。また、図2(a)は、防振装置1の上面図であり、図2(b)は、図2(a)のIIb−IIb線における防振装置1の断面図である。
図1及び図2に示すように、防振装置1は、自動車のサスペンション機構(懸架機構)に装着されるブッシュであり、鉄鋼材料から軸Oを有する筒状に形成される内筒部材10と、その内筒部材10と同心に配設されると共に鉄鋼材料から筒状に形成される外筒部材20と、それら内筒部材10の外周面および外筒部材20の内周面を連結すると共にゴム状弾性体からなる防振基体30とを備え、本実施の形態では、サスペンションアームSAと車体側の一対の取付板MPとの間に介在する。
即ち、防振装置1は、サスペンションアームSAの圧入部に外筒部材20を軸方向に圧入固定すると共に、一方の取付板MP(図1右側)の挿通孔から内筒部材10の内部にボルトBを挿通し、他方の取付板MP(図1左側)の挿通孔から突出されたボルトBのおねじ部にナットNを螺合させて締め付け、一対の取付板MP間に軸方向(図1左右方向)両側から挟持された状態で内筒部材10を締結固定することで、サスペンション機構に装着される。
ここで、防振装置1は、内筒部材10の軸方向端面からセレーション突起13及び水密突起14が突設されている(図3及び図4参照)。よって、内筒部材10が軸方向両側から一対の取付板MP間に挟持された状態で締結固定されると、セレーション突起13が取付板MPに圧接され、内筒部材10と取付板MPとの間に相対的な滑りが生じることを防止できる。
また、この場合、本実施の形態では、水密突起14が取付板MPに圧接されると、内筒部材10の軸方向端面に周方向に連続する壁を形成して、内筒部材10の内部(ボルトBが挿通される空間)を外部から遮断する。これにより、方内筒部材10の軸方向端面と取付板MPとの間から内筒部材10の内部に水が侵入することを防止できる。その結果、ボルトBの発錆を防止して、耐久性を確保できる。
次いで、図3及び図4を参照して、内筒部材10の詳細構成について説明する。図3(a)は、軸O方向から視た内筒部材10における軸方向端面の上面図であり、図3(b)は、図3(a)に示す内筒部材10の軸方向端面の一部を拡大して示す部分拡大上面図である。また、図4(a)は、図3(b)のIVa−IVa線における内筒部材10の断面図であり、図4(b)は、図3(b)のIVb−IVb線における内筒部材10の断面図である。
なお、内筒部材10の軸方向端面における形状は両側とも同じ形状であるので、一側の軸方向端面の形状のみについて説明し、他側の軸方向端面の形状についてはその説明を省略する。
図3及び図4に示すように、内筒部材10は、内周側の角部および外周側の角部をそれぞれ面取りして形成される面取り部11,12と、軸方向端面にプレス加工を施して内筒部材10と一体に形成されるセレーション突起13及び水密突起14とを備える。
なお、内筒部材10は、内周側および外周側の角部のそれぞれに面取り部11,12を備えるので、セレーション突起13及び水密突起14を軸方向端面にプレス加工により突設させる際の成形性の向上を図ることができると共に、各突起13,14を取付板MP(図1参照)に圧接させた際の密着性を確実化することができる。
セレーション突起13は、図3に示すように、周方向等間隔に配置される(即ち、軸O方向視において、軸Oを中心として放射直線状に配置される)複数本(本実施の形態では36本)の突起群からなり、各突起は、図4(b)に示すように、基部側(図4(b)下側)から突設先端側(図4(b)上側)へ向けて先細となる断面略三角形状の突起として形成される。
なお、セレーション突起13を構成する各突起は、図4(a)に示すように、軸O側に位置する端面(図4(a)左側面)が面取り部12と同じ傾斜角で傾斜しつつ面取り部12に連なる。また、各突起は、図4(b)に示すように、突設先端面が幅t1を有し且つ軸Oに垂直な平坦面とされると共に、基部側から突設高さh1で突設される。
水密突起14は、図3に示すように、軸O方向視において、軸Oを中心とする円形状に形成され、その円形状の内周側にセレーション突起13を構成する各突起の端部がそれぞれ接続される。また、水密突起14は、図4(a)に示すように、基部側(図4(a)下側)から突設先端側(図4(a)上側)へ向けて先細となる断面略三角形状の突起として形成される。
なお、水密突起14は、図4(a)に示すように、軸Oに対し反対側(内筒部材10の外周側)に位置する側面(図4(a)右側面)が面取り部11と同じ傾斜角で傾斜しつつ面取り部11に連なる。また、水密突起14は、図4(a)に示すように、突設先端面が幅t2を有し且つ軸Oに垂直な平坦面とされると共に、基部側から突設高さh2で突設される。
ここで、本実施の形態では、水密突起14の突設高さh2が、セレーション突起13の突設高さh1と同じ寸法とされる(h1=h2)。よって、水密突起14の突設先端面は、セレーション突起13を構成する各突起の先端面を含む平面に一致する。また、水密突起14の突設先端面の幅t2が、セレーション突起13の突設先端面の幅t1と同じ寸法とされる(t1=t2)。よって、両突起13,14を取付板MPに均等に没入させる(食い込ませる)ことができる。
以上のように、本実施の形態における防振装置1によれば、内筒部材10の軸方向端面に、軸Oに対して放射直線状に配置されるセレーション突起13を突設したので、セレーション突起13の各突起が取付板MPに圧接されると(図1参照)、各突起の突設先端部分が取付板MPに没入される(食い込む)ことで、内筒部材10と取付板MPとの間の相対的な滑りを防止することができる。
この場合、内筒部材10の軸方向端面には、軸O方向視において、円形に形成される水密突起14も突設されている。よって、水密突起14が取付板MPに圧接されると(図1参照)、水密突起14の突設先端部分が取付板MPに没入される(食い込む)ことで、内筒部材10の軸方向端面と取付板MPとの間に、周方向に連続する壁を形成することができる。
この壁により、内筒部材10の内部を外部から遮断することができるので、内筒部材10の内部への水の侵入を低減することができ、その結果、ボルトB(図1参照)の軸部の発錆を抑制して、耐久性の向上を図ることができる。
ここで、例えば、突起間に充填したシールゴムにより隙間を閉鎖して、内筒部材の内部への水の侵入を防止するものでは、経時や紫外線の影響などによりシールゴムが劣化すると、水の侵入や締結力の低下を招く。これに対し、防振装置1では、水密突起14が内筒部材10の軸方向端面に一体に形成される、即ち、鉄鋼材料から形成されるので、経時や紫外線の影響による劣化を回避して、水密突起14の剛性を確保できるので、長期にわたって、内筒部材10の内部への水の浸入を防止すると共にボルトB(図1参照)による締結力の低下を防止できる。
また、水密突起14の突設高さh2は、セレーション突起13の突設高さh1と同等の寸法とされるので、寸法公差で突設高さh1,h2や取付板MP(図1参照)の平面度などにばらつきが生じている場合でも、内筒部材10の軸方向端面が取付板MPの間に挟持された際に、セレーション突起13の各突起の突設先端部分を取付板MPに確実に没入させ(食い込ませ)、内筒部材10と取付板MPとの間の相対的な滑りを抑制する効果の確実化を図ることができる。
更に、水密突起14には、セレーション突起13を構成する各突起の端部が接続されているので、これら水密突起14及びセレーション突起13の両突起全体としての剛性を高めることができる。その結果、セレーション突起13及び水密突起14が取付板MPに圧接される際には、その突設先端部分を取付板MPに確実に没入させる(食い込ませる)ことができ、水の侵入と滑りの発生とをより確実に防止できる。
次いで、図5及び図6を参照して、第2実施の形態における内筒部材210について説明する。第1実施の形態では、内筒部材10の軸方向端面に水密突起14が円形に配置される場合を説明したが、第2実施の形態における内筒部材210には、千鳥状水密突起214が周方向に沿って千鳥状に配置される。なお、第1実施の形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図5(a)は、第2実施の形態における内筒部材210を軸O方向から視た際の軸方向端面の上面図であり、図5(b)は、図5(a)に示す内筒部材210の軸方向端面の一部を拡大して示す部分拡大上面図である。また、図6(a)は、図5(b)のVIa−VIa線における内筒部材210の断面図であり、図6(b)は、図5(b)のVIb−VIb線における内筒部材210の断面図である。
なお、内筒部材210の軸方向端面における形状は両側とも同じ形状であるので、一側の軸方向端面の形状のみについて説明し、他側の軸方向端面の形状についてはその説明を省略する。
図5及び図6に示すように、内筒部材210は、軸方向端面にプレス加工を施して内筒部材210と一体に形成されるセレーション突起13及び千鳥状水密突起214とを備える。なお、セレーション突起13は、千鳥状水密突起214が接続(交差)される箇所が異なる点を除き第1実施の形態の場合と同様であるのでその説明は省略する。
千鳥状水密突起214は、内周側に配置される突起群からなる内周側突起列214aと、その内周側突起列214aよりも外周側に配置される突起群からなる外周側突起列214bとを備え、これら両突起列214a,214bから、軸O方向視において、千鳥状に形成される。
具体的には、内周側突起列214aの各突起は、軸O方向視において、周方向等間隔に配置されるセレーション突起13の各突起の間に1箇所おきに配置され、外周側突起列214bは、内周側突起列214aの配置箇所とは1箇所分だけ周方向に位相をずらしつつ、セレーション突起13の各突起の間に1箇所おきに配置される。
即ち、セレーション突起13を構成する各突起の間には、内周側において、内周側突起列214aの突起が配置される箇所と配置されない箇所とが周方向に交互に存在すると共に、同様に、外周側においても、外周側突起列214bの突起が配置される箇所と配置されない箇所とが周方向に交互に存在し、かつ、内周側突起列214aの突起が配置される箇所(セレーション突起13の各突起の間)には、外周側突起列214bの突起が配置されず、内周側突起列214aの突起が配置されない箇所には、外周側突起列214bの突起が配置される。
なお、内周側突起列214aの突起および外周側突起列214bの突起は、図5に示すように、その長手方向両端が、セレーション突起13を構成する各突起の端部(内周側の端部または外周側の端部)に接続される。よって、これら両突起13,214は、閉じた形状を形成する。即ち、内筒部材210の軸方向端面には、セレーション突起13と千鳥状水密突起214とにより周方向に連続する壁が形成される。
千鳥状水密突起214は、内周側突起列214aの突起および外周側突起列214bの突起が、図6(a)に示すように、基部側(図6(a)下側)から突設先端側(図6(a)上側)へ向けて先細となる断面略三角形状の突起として形成される。
内周側突起列214aの突起は、図6(a)に示すように、軸O側(内筒部材210の内周側)に位置する側面(図6(a)左側面)が面取り部12と同じ傾斜角で傾斜しつつ面取り部12に連なり、外周側突起列214bの突起は、軸Oに対し反対側(内筒部材210の外周側)に位置する側面(図6(a)右側面)が面取り部11と同じ傾斜角で傾斜しつつ面取り部11に連なる。
また、内周側突起列214aの突起は、図6(a)に示すように、突設先端面が幅t21を有し且つ軸Oに垂直な平坦面とされると共に、基部側から突設高さh21で突設され、外周側突起列214bの突起は、突設先端面が幅t22を有し且つ軸Oに垂直な平坦面とされると共に、基部側から突設高さh22で突設される。
ここで、本実施の形態では、内周側突起列214aの突起および外周側突起列214bの突起の突設高さh21,h22が、セレーション突起13の突設高さh1と同じ寸法とされる(h1=h21=h22)。よって、千鳥状水密突起214(内周側突起列214aの突起および外周側突起列214bの突起)の突設先端面は、セレーション突起13を構成する各突起の先端面を含む平面に一致する。
また、内周側突起列214aの突起の突設先端面の幅t21及び外周側突起列214bの突起の突設先端面の幅t22が、セレーション突起13の突設先端面の幅t1と同じ寸法とされる(t1=t21=t22)。よって、各突起13,214a,214bを取付板MPに均等に没入させる(食い込ませる)ことができる。
以上のように、本実施の形態における防振装置によれば、第1実施の形態の場合と同様に、セレーション突起13の各突起により、内筒部材10と取付板MP(図1参照)との間の相対的な滑りを防止することができる。
この場合、内筒部材210の軸方向端面には、千鳥状水密突起214が突設されており、千鳥状水密突起214は、セレーション突起13と共に、閉じた形状(周方向に連続する壁)を形成する。よって、これらセレーション突起13及び千鳥状水密突起214が取付板MPに圧接され(図1参照)、両突起13,214の突設先端部分が取付板MPに没入される(食い込む)と、内筒部材210の軸方向端面と取付板MPとの間に、周方向に連続する壁を形成することができる。
この壁により、内筒部材210の内部を外部から遮断することができるので、内筒部材210の内部への水の侵入を低減することができ、その結果、ボルトB(図1参照)の軸部の発錆を抑制して、耐久性の向上を図ることができる。
ここで、千鳥状水密突起214は、内筒部材210の軸方向端面に一体に形成される、即ち、鉄鋼材料から形成されるので、経時や紫外線の影響による劣化を回避して、剛性が確保される。よって、第1実施の形態の場合と同様に、長期にわたって、内筒部材210の内部への水の浸入を防止すると共にボルトB(図1参照)による締結力の低下を防止できる。
また、千鳥状水密突起214の突設高さh21,h22は、セレーション突起13の突設高さh1と同等の寸法とされるので、第1実施の形態の場合と同様に、寸法ばらつきが生じている場合でも、セレーション突起13を構成する各突起の突設先端部分を取付板MPに確実に没入させ(食い込ませ)、内筒部材210と取付板MPとの間の相対的な滑りを抑制する効果の確実化を図ることができる。
また、千鳥状水密突起214(内周側突起列214aの突起および外周側突起列214bの突起)は、その両端部がセレーション突起13を構成する各突起にそれぞれ接続されているので、これら千鳥状水密突起214及びセレーション突起13の両突起全体としての剛性を高めることができる。よって、第1実施の形態の場合と同様に、セレーション突起13及び千鳥状水密突起214の突設先端部分を取付板MPに確実に没入させる(食い込ませる)ことができ、水の侵入と滑りの発生とをより確実に防止できる。
ここで、本実施の形態における千鳥状水密突起214は、周方向に断続しつつセレーション突起13に接続される内周側突起列214aと、その内周側突起列214aよりも外周側に位置し周方向に断続しつつセレーション突起13に接続される外周側突起列214bとから千鳥状に配置されるので、千鳥状水密突起214を構成する各突起を分散して配置できる。
よって、これらセレーション突起13及び千鳥状水密突起214を相手部材に圧接する際には、その圧接による取付板MP(図1参照)の変形箇所を分散させることができるので、これらセレーション突起13及び千鳥状水密突起214を構成する各突起のそれぞれを取付板MPへ確実に没入させる(食い込ませる)ことができるので、内筒部材210の内部への水の侵入と、内筒部材210と取付板MPとの間の滑りの発生とをより確実に防止できる。
次いで、図7及び図8を参照して、第3実施の形態における内筒部材310について説明する。第1実施の形態では、内筒部材10の軸方向端面に水密突起14が円形に配置される場合を説明したが、第3実施の形態における内筒部材310には、その軸方向端面に楕円水密突起314が楕円形状に配置される。なお、第1実施の形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図7(a)は、第3実施の形態における内筒部材310を軸O方向から視た際の軸方向端面の上面図であり、図7(b)は、図7(a)に示す内筒部材310の軸方向端面の一部を拡大して示す部分拡大上面図である。また、図8(a)は、図7(b)のVIIIa−VIIIa線における内筒部材310の断面図であり、図8(b)は、図7(b)のVIIIb−VIIIb線における内筒部材310の断面図である。
なお、内筒部材310の軸方向端面における形状は両側とも同じ形状であるので、一側の軸方向端面の形状のみについて説明し、他側の軸方向端面の形状についてはその説明を省略する。
図7及び図8に示すように、内筒部材310は、軸方向端面にプレス加工を施して内筒部材310と一体に形成されるセレーション突起13及び楕円水密突起314とを備える。なお、セレーション突起13は、楕円水密突起314が接続(交差)される箇所が異なる点を除き第1実施の形態における場合と同様であるのでその説明は省略する。
楕円水密突起314は、図7に示すように、軸O方向視において、楕円形状に形成される。この楕円形状は、長軸と短軸との交点が軸O上に位置すると共に、長径がセレーション突起13の外周径に一致し、かつ、短径がセレーション突起13の内周径に一致する大きさとされる。
このように、楕円水密突起314は、図7に示すように、セレーション突起13を構成する各突起に交差(接続)されつつ周方向に連続する。よって、これら両突起13,314は、閉じた形状を形成する。即ち、内筒部材310の軸方向端面には、セレーション突起13と楕円水密突起314とにより周方向に連続する壁が形成される。
ここで、楕円水密突起314は、図8(a)に示すように、基部側(図8(a)下側)から突設先端側(図8(a)上側)へ向けて先細となる断面略三角形状の突起として形成される。
なお、楕円水密突起314は、図7(a)に示すように、長軸上に位置する部分(図8(a)左側及び右側部分)の軸Oに対し反対側(内筒部材310の外周側)に位置する側面が面取り部11と同じ傾斜角で傾斜しつつ面取り部11に連なると共に、短軸上に位置する部分(図8(a)上側及び下側部分)の軸O側(内筒部材310の内周側)に位置する側面が面取り部12と同じ傾斜角で傾斜しつつ面取り部12に連なる。
また、楕円水密突起314は、図8(a)に示すように、突設先端面が幅t3を有し且つ軸Oに垂直な平坦面とされると共に、基部側から突設高さh3で突設される。本実施の形態では、楕円水密突起314の突設高さh3が、セレーション突起13の突設高さh1と同じ寸法とされる(h1=h3)。よって、楕円水密突起314の突設先端面は、セレーション突起13を構成する各突起の先端面を含む平面に一致する。
また、楕円水密突起314の突設先端面の幅t3が、セレーション突起13の突設先端面の幅t1と同じ寸法とされる(t1=t3)。よって、両突起13,314を取付板MPに均等に没入させる(食い込ませる)ことができる。
以上のように、本実施の形態における防振装置によれば、第1実施の形態の場合と同様に、セレーション突起13の各突起により、内筒部材310と取付板MP(図1参照)との間の相対的な滑りを防止することができる。
この場合、内筒部材310の軸方向端面には、楕円水密突起214が突設されており、楕円水密突起314は、セレーション突起13と共に、閉じた形状(周方向に連続する壁)を形成する。よって、これらセレーション突起13及び楕円水密突起314が取付板MPに圧接され(図1参照)、両突起13,314の突設先端部分が取付板MPに没入される(食い込む)と、内筒部材310の軸方向端面と取付板MPとの間に、周方向に連続する壁を形成することができる。
この壁により、内筒部材310の内部を外部から遮断することができるので、内筒部材310の内部への水の侵入を低減することができ、その結果、ボルトB(図1参照)の軸部の発錆を抑制して、耐久性の向上を図ることができる。
ここで、楕円水密突起314は、内筒部材310の軸方向端面に一体に形成される、即ち、鉄鋼材料から形成されるので、経時や紫外線の影響による劣化を回避して、剛性が確保される。よって、第1実施の形態の場合と同様に、長期にわたって、内筒部材310の内部への水の浸入を防止すると共にボルトB(図1参照)による締結力の低下を防止できる。
また、楕円水密突起314の突設高さh3は、セレーション突起13の突設高さh1と同等の寸法とされるので、第1実施の形態の場合と同様に、寸法ばらつきが生じている場合でも、セレーション突起13を構成する各突起の突設先端部分を取付板MPに確実に没入させ(食い込ませ)、内筒部材310と取付板MPとの間の相対的な滑りを抑制する効果の確実化を図ることができる。
また、楕円水密突起314は、セレーション突起13を構成する各突起にそれぞれ交差(接続)されているので、これら楕円水密突起214及びセレーション突起13の両突起全体としての剛性を高めることができる。よって、第1実施の形態の場合と同様に、セレーション突起13及び楕円水密突起314の突設先端部分を取付板MPに確実に没入させる(食い込ませる)ことができ、水の侵入と滑りの発生とをより確実に防止できる。
ここで、本実施の形態における楕円水密突起314は、楕円形状に形成されるので、かかる楕円水密突起314を、水の侵入を防止するための壁としてだけではなく、内筒部材310と取付板MPとの間で発生する滑りを防止するための部位としても機能させることができる。即ち、楕円水密突起314を設けることで、内筒部材310の内部への水の侵入を防止するだけでなく、内筒部材310と取付板MPとの間の滑りの防止効果を更に高めることもできる。
次いで、図9を参照して、第4実施の形態における内筒部材410について説明する。第1実施の形態では、軸O方向視において、円形の水密突起14が内筒部材10に対して同心に配置される場合を説明したが、第4実施の形態における内筒部材410には、円形水密突起414が内筒部材410に対して偏心して配置される。なお、第1実施の形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図9は、第4実施の形態における内筒部材410を軸O方向から視た際の軸方向端面の上面図である。なお、内筒部材410の軸方向端面における形状は両側とも同じ形状であるので、一側の軸方向端面の形状のみについて説明し、他側の軸方向端面の形状についてはその説明を省略する。
図9に示すように、内筒部材410は、軸方向端面にプレス加工を施して内筒部材410と一体に形成されるセレーション突起13及び円形水密突起414とを備える。なお、セレーション突起13は、円形水密突起414が接続(交差)される箇所が異なる点を除き第1実施の形態における場合と同様であるのでその説明は省略する。
円形水密突起414は、図9に示すように、軸O方向視において、真円形状に形成される。この真円形状は、内筒部材410の軸Oに対して偏心して位置すると共に、一側(図9右側)がセレーション突起13の外周部に接し、かつ、他側(図9左側)にセレーション突起13の内周部に接する大きさとされる。
なお、円形水密突起414は、軸O方向視における形状が異なる点を除き、その断面形状(突設先端面の幅や突設高さ)は第3実施の形態における楕円水密突起314と同じ構成であるので、その説明は省略する。
本実施の形態における防振装置においても、第1実施の形態における防振装置1と同様の効果を奏することができる。この場合、円形の円形水密突起414が偏心して配置されるので、かかる円形水密突起414を、水の侵入を防止するための壁としてだけではなく、内筒部材410と取付板MPとの間で発生する滑りを防止するための部位としても機能させることができる。即ち、円形水密突起414を設けることで、内筒部材410の内部への水の侵入を防止するだけでなく、内筒部材410と取付板MPとの間の滑りの防止効果を更に高めることもできる。
次いで、図10及び図11を参照して、第5実施の形態および第6実施の形態における内筒部材510,610について説明する。第1実施の形態では、セレーション突起13と水密突起14とが同じ突設高さに形成される場合を説明したが、第5実施の形態および第6実施の形態における水密突起14は、セレーション突起と異なる突設高さに形成される。なお、第1実施の形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図10(a)及び図10(b)は、第5実施の形態における内筒部材510の断面図であり、図11(a)及び図11(b)は、第6実施の形態における内筒部材610の断面図である。なお、図10(a)及び図11(a)は、図4(a)に対応し、図10(b)及び図11(b)は、図4(b)に対応する。
図10及び図11に示すように、第5実施の形態における内筒部材510は、セレーション突起13と水密突起514とを備え、第6実施の形態における内筒部材610は、セレーション突起13と水密突起614とを備える。なお、これら水密突起514,516は、その断面形状を除き、第1実施の形態における水密突起14と同一の構成であるので、その説明は省略する。
第5実施の形態における水密突起514は、突設先端面の幅t5が、セレーション突起13の突設先端面の幅t1と同じ寸法とされる一方(t1=t5)、突設高さh5が、セレーション突起13の突設高さh1よりも小さな寸法とされる(h5<h1)。即ち、第5実施の形態における水密突起514の断面形状は、軸Oに対し反対側(内筒部材510の外周側)に位置する側面(図10(a)右側面)が面取り部11と同じ傾斜角で連なる状態を維持しつつ、図4(a)に示す水密突起14の断面形状を下方(図10(a)下側)へ向けて後退させた形状とされる。
また、第6実施の形態における水密突起614は、突設先端面の幅t6が、セレーション突起13の突設先端面の幅t1よりも大きな寸法とされると共に(t1<t6)、突設高さh6が、セレーション突起13の突設高さh1よりも小さな寸法とされる(h6<h1)。即ち、第6実施の形態における水密突起614の断面形状は、図4(a)に示す水密突起14の断面形状の先端面部分を軸Oに垂直に山払い(切除)した形状とされる。
以上のように、第5実施の形態および第6実施の形態では、水密突起514,614の突設高さh5,h6が、セレーション突起13の突設高さh1よりも小さな寸法とされるので、寸法公差で突設高さh1,h5,h6や取付板MP(図1参照)の平面度などにばらつきが生じている場合でも、内筒部材510,610の軸方向端面が取付板MP(図1参照)に挟持される際に、セレーション突起13の各突起の突設先端部分を取付板MPに確実に没入させる(食い込ませる)ことができる。よって、内筒部材510,610と取付板MPとの間の相対的な滑りを抑制する効果の確実化を図ることができる。
なお、この場合、セレーション突起13と水密突起との間の突設高さの寸法差を比較的小さく設定する場合には、第5実施の形態のように、水密突起514の突設先端面における幅t5を、セレーション突起13の突設先端面における幅t1と同じ寸法とするか、又は、セレーション突起13の突設先端面における幅t1よりも小さな寸法とすることが好ましい。突設高さの寸法差が比較的小さいと、水密突起514の突設先端部分を取付板MP(図1参照)に没入させる(食い込ませる)必要が生じる場合が想定され、この場合に、没入しやすく(食い込みやすく)できるからである。
一方、セレーション突起13と水密突起との間の突設高さの寸法差を比較的大きく設定する場合には、第6実施の形態のように、水密突起614の突設先端面における幅t6を、セレーション突起13の突設先端面における幅t1よりも大きな寸法とすることが好ましい。突設高さの寸法差が比較的大きいと、水密突起514の突設先端部分を取付板MP(図1参照)に十分に没入させる(食い込ませる)ことができない場合が想定され、この場合に、突設先端面と取付板MPとの間の密着面積を大きくして水密を確保できるからである。
次いで、図12を参照して、第7実施の形態および第8実施の形態における内筒部材710,810について説明する。第1実施の形態では、セレーション突起13及び水密突起14の突設先端面がその延設方向(長手方向)に沿って一定幅(幅t1,t2)で形成される場合を説明したが、第7実施の形態および第8実施の形態におけるセレーション突起713,813及び水密突起714,814は、少なくとも両突起713,714等の接続部分において部分的に突設先端面の幅が狭くなるように形成される。なお、第1実施の形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図12(a)は、第7実施の形態における内筒部材710の軸方向端面の一部を拡大して示す部分拡大上面図であり、図12(b)は、第8実施の形態における内筒部材810の軸方向端面の一部を拡大して示す部分拡大上面図である。なお、図12(a)及び図12(b)は、図3(b)に対応する。
なお、内筒部材710,810の軸方向端面における形状は両側とも同じ形状であるので、一側の軸方向端面の形状のみについて説明し、他側の軸方向端面の形状についてはその説明を省略する。
第7実施の形態における内筒部材710は、セレーション突起713と水密突起714とを備え、第8実施の形態における内筒部材810は、セレーション突起813と水密突起14とを備える。
この場合、第7実施の形態におけるセレーション突起713及び水密突起714は、凹欠部715を備える点を除き、第1実施の形態におけるセレーション突起13及び水密突起14とそれぞれ同一の構成であり、また、第8実施の形態におけるセレーション突起813は、突設先端面の幅が長手方向に沿って変化する点を除き、第1実施の形態におけるセレーション突起13と同一の構成である。よって、本実施の形態では、これらの詳細構成についての説明を省略する。
図12(a)に示すように、第7実施の形態における内筒部材710は、セレーション突起713と水密突起714との接続部分を凹欠する一対の凹欠部715を備える。凹欠部715は、両突起713,714の接続部分の両側に設けられ、それぞれの内角側から内方へ向けて凹設されることで、両突起713,714の一部を部分的に凹欠する。この凹欠により、セレーション突起713及び水密突起714の両者において、その突設先端面の幅が部分的に狭くされる。なお、凹欠部715は、軸O方向視において、円弧状に湾曲する形状に形成される。
図12(b)に示すように、第8実施の形態における内筒部材810は、セレーション突起813の突設先端面が、内筒部材810の内周側となる長手方向一端側(図12(b)左側)で最大の幅taに形成されると共に、水密突起814に近づくほど幅が狭くされ、水密突起814との接続部分において最小の幅tbに形成される(tb<ta)。なお、セレーション突起813の突設先端面は、両側(図12(b)上側および下側)が直線状に形成される。
以上のように、第7実施の形態では、内筒部材710の軸方向端面を軸O方向から視た場合に、両突起713,714の突設先端面の面密度が高くなる部分(両突起713,714の接続部分)に凹欠部715を凹欠することで、内筒部材710の軸方向端面における両突起713,714の突設先端面の面密度を全体として均一化することができる。また、第8実施の形態においても、セレーション突起813の突設先端面の幅を、水密突起814との接続部分(即ち、面密度が高くなる部分)側で狭くすることで、内筒部材810の軸方向端面における面密度の均一化を図ることができる。これにより、内筒部材710,810の軸方向端面が取付板MPの間で挟持される際に(図1参照)、両突起713,714等の突設先端面における面圧を全体に均一化して、これら両突起713,714を取付板MPへ均一に没入させる(食い込ませる)ことができる。
次いで、図13を参照して、第9実施の形態および第10実施の形態における内筒部材910,1010について説明する。上述した第7実施の形態および第8実施の形態の場合と同様に、第9実施の形態および第10実施の形態におけるセレーション突起913,1013及び楕円水密突起914,1014は、少なくとも両突起913,914等の接続部分において部分的に突設先端面の幅が狭くなるように形成される。なお、第1実施の形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図13(a)は、第9実施の形態における内筒部材910の軸方向端面の一部を拡大して示す部分拡大上面図であり、図13(b)は、第10実施の形態における内筒部材1010の軸方向端面の一部を拡大して示す部分拡大上面図である。なお、図13(a)及び図13(b)は、図3(b)に対応する。
なお、内筒部材910,1010の軸方向端面における形状は両側とも同じ形状であるので、一側の軸方向端面の形状のみについて説明し、他側の軸方向端面の形状についてはその説明を省略する。
第9実施の形態における内筒部材910は、セレーション突起913と楕円水密突起914とを備え、第8実施の形態における内筒部材1010は、セレーション突起1013と楕円水密突起314とを備える。
この場合、第9実施の形態におけるセレーション突起913及び楕円水密突起914は、凹欠部915を備える点を除き、第3実施の形態におけるセレーション突起13及び楕円水密突起314とそれぞれ同一の構成であり、また、第10実施の形態におけるセレーション突起1013は、突設先端面の幅が長手方向に沿って変化する点を除き、第1実施の形態(第3実施の形態)におけるセレーション突起13と同一の構成である。よって、本実施の形態では、これらの詳細構成についての説明を省略する。
図13(a)に示すように、第9実施の形態における内筒部材910は、セレーション突起913と楕円水密突起914との接続部分の4箇所を凹欠する凹欠部915を備える。凹欠部915は、両突起913,914の接続部分(交差部分)の4箇所に設けられ、それぞれの内角側から内方へ向けて凹設されることで、両突起913,914の一部を部分的に凹欠する。この凹欠により、セレーション突起913及び楕円水密突起914の両者において、その突設先端面の幅が部分的に狭くされる。
なお、凹欠部915は、軸O方向視において、円弧状に湾曲する形状に形成される。また、両突起913,914の突設先端面の幅であって、凹欠部915により凹欠された部分の幅は、4箇所それぞれ同じ寸法に設定される。これにより、内筒部材910の軸方向端面に両突起913,914を成形するためのプレス金型が部分的に磨耗する(即ち、突起の幅が狭い部分を成形する型部分の磨耗が先行する)ことを抑制して、その寿命の向上を図ることができる。
図13(b)に示すように、第10実施の形態における内筒部材1010は、セレーション突起1013の突設先端面が、内筒部材1010の内周側となる長手方向一端側(図13(b)左下側)及び内筒部材1010の外周側となる長手方向他端側(図13(b)右上側)で最大の幅tcに形成されると共に、楕円水密突起314に近づくほど幅が狭くされ、楕円水密突起314との接続部分において最小の幅tdに形成される(td<tc)。なお、図13(b)では楕円水密突起314に分断されたセレーション突起1013の他端側のみに寸法を図示する。また、セレーション突起1013の突設先端面は、両側が直線状に形成される。
以上のように、第9実施の形態および第10実施の形態においても、第7実施の形態および第8実施の形態の場合と同様に、突設先端面の面密度を全体として均一化することができる。よって、内筒部材910,1010の軸方向端面が取付板MPの間で挟持される際に(図1参照)、両突起913,914等の突設先端面における面圧を全体に均一化して、これら両突起913,914を取付板MPへ均一に没入させる(食い込ませる)ことができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施の形態で説明した数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。例えば、セレーション突起13の形成本数は一例であり、上記例示した36本から増減して設定することは当然可能である。また、例えば、セレーション突起13の幅t1及び水密突起14の幅t2の寸法値は0であっても良い。これらのことは上記各実施の形態の各突起に適用される。
上記各実施の形態で説明した各構成の大小関係は一例であり、他の関係を採用することは当然可能である。例えば、セレーション突起13の幅t1と水密突起14の幅t2とを同じ寸法に設定する場合を説明したが、いずれか一方の幅が他方の幅よりも大きい寸法であっても良い。また、例えば、セレーション突起13を構成する各突起の一部の突起の幅が他の突起の幅と異なる寸法であっても良い。これらのことは上記各実施の形態の各突起に適用される。
上記各実施の形態では、内筒部材10〜1010の軸方向端面における形状が両側とも同じ形状とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、軸方向端面における形状を一方および他方でそれぞれ異なる形状(異なる実施の形態における形状)とすることは当然可能である。また、一方の軸方向端面のみに上記各実施の形態で説明した各突起を設ける一方、他方の軸方向端面には突起を設けず、平坦面として形成して良い。
上記各実施の形態では、内筒部材10〜1010の内周側および外周側の角部に面取り部11,12を形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、面取り部11,12の一方または両方を省略しても良い。
上記第1実施の形態では、水密突起14がセレーション突起13の最外周側の端部に接続される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、最内周側の端部に接続されても良く、或いは、それらの間に接続(即ち、セレーション突起13に交差する形で水密突起14が配置)されても良い。
上記第1実施の形態では、水密突起14がセレーション突起13に接続される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、水密突起14がセレーション突起13に接続されていなくても良い。即ち、水密突起14のみで周方向に連続する形状を形成していれば、セレーション突起13の外周側の端部(又は内周側の端部)と水密突起14の内周側の側面(又は外周側の側面)との間に隙間が設けられていても良い。
上記第2実施の形態では、千鳥状水密突起214の内周側突起列214a及び外周側突起列214bを構成する各突起が軸Oを中心とする円弧状に湾曲して形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これら各突起の一部または全部を直線状に形成することは当然可能である。なお、各突起を直線状とすることは、他の実施の形態における各突起についても適用可能である。
上記第2実施の形態では、千鳥状水密突起214の内周側突起列214a及び外周側突起列214bを構成する各突起が、セレーション突起13の各突起の間に1箇所おきに配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、一部または全部が2箇所おきに配置されても良く、或いは、3箇所以上おきに配置されても良い。即ち、千鳥状水密突起214の各突起とセレーション突起13の各突起とにより周方向に連続する形状(閉じた形状)が形成されていれば良い。
上記第2実施の形態では、千鳥状水密突起214の内周側突起列214aがセレーション突起13の最内周側の端部に接続されると共に外周側突起列214bがセレーション突起13の最外周側の端部に接続される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、両突起列214a,214bがセレーション突起13の最内周または最外周の端部から離間した位置に接続されていても良い。
上記第3実施の形態では、楕円水密突起314が楕円形状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、長円形状であっても良い。この形状であっても、取付板MPとの間の相対的な滑りの補強効果を得ることができる。
上記第4実施の形態では、真円形状に形成される円形水密突起414が偏心配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、長円形状や楕円形状を偏心配置しても良い。この形状であっても、取付板MPとの間の相対的な滑りの補強効果を得ることができる。
上記第5実施の形態および第6実施の形態では第1実施の形態を例に水密突起14の突設高さh2を変更する場合を説明したが、ここで説明した技術思想を他の上記各実施の形態に適用することは当然可能である。即ち、この場合には、セレーション突起13と水密突起514,614との関係を、第2実施の形態では、セレーション突起13と千鳥状水密突起214との関係に、第3実施の形態では、セレーション突起13と楕円水密突起314との関係に、第4実施の形態では、セレーション突起13と円形水密突起414との関係に、第7及び第8実施の形態では、セレーション突起713,813と水密突起714,14との関係に、第8及び第9実施の形態では、セレーション突起913,1013と楕円水密突起914,314との関係に、それぞれ置き換えて適用する。
上記第8実施の形態および第9実施の形態では、セレーション突起813,1013の突設先端面の両側を直線状に形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるのものではなく、セレーション突起813,1013の突設先端面の両側の一部または全部を曲線形状とすることは当然可能である。