JP2012201155A - 多極コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】短冊幅方向の異なる短冊状植設端子23,24,25を一操作で鎖錠する。
【解決手段】ベース板21に植設された信号用端子23(第1短冊状植設端子)を貫通中空32に収めて周りを囲っている可動部材31(第1鎖錠部材)の横方向(第1方向)の移動が、運動方向変換機能付き伝動機構43〜45によって縦方向(第2方向)の移動に変換されてから、ベース板21に植設された電源用端子24及び接地用端子25(第2短冊状植設端子)を貫通中空42に収めて周りを囲っている可動部材41(第2鎖錠部材)に伝達されるようにする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、多数の接点部材(コンタクト)の電線接続側の端子が一つずつ又は一組ずつ絶縁材で仕切られている多極コネクタに関し、詳しくは、多数の接点部材が電気絶縁性の基体に植設されている本体部と、その電線接続側に突き出ている短冊状の接続端子を絶縁分離するため本体部の電線接続側に装着されている電気絶縁性の鎖錠機能付き端子カバーとを備えた多極コネクタに関する。その典型例は鉄道用のB形ジャック板である。
鉄道分野において、信号保安装置は、信号装置や,連動装置,転てつ機,閉そく装置,踏切保安装置,その他の保安装置の総称として用いられており、鉄道の信号保安装置の典型例として、ATC装置が挙げられる。そのような信号保安装置は、しばしば、論理架や,共通架,主架,入出力架といった複数の架に分かれて実装され、複数本の架間ケーブルで繋がれる。
そして、架間ケーブル端や架側に装備されるコネクタには、鉄道の信号保安装置の規格に適合した多極コネクタが用いられる(例えば特許文献1〜3参照)。
例えば、鉄道分野の規格「旧JRS22661」に適合した多ピンのコネクタ(多極コネクタ)として、架間ケーブルの両端に装備されるプラグ部や、その相手方として各架に装備されるジャック部(ジャック板)が挙げられる。そのうちジャック部を概説すると、このコネクタは、ほぼ長方形状の絶縁基板(電気絶縁性の基体)と、数十本のジャック(接点部材)とを具えている。ジャック板の前面側(コンタクト側)にはプラグ部の凹みに嵌め込み可能な長方形の凸部が形成されている。この凸部には、プラグ部のピンのマトリクス状配置に対応した配置で多数のピン挿入時案内用小穴が穿孔されており、その奥にはそれぞれジャック端子(接点部材,コンタクト)が植設されている。
ジャック板は、架の外面等に取り付けられて、相手方プラグ部の着脱される前面側(コンタクト側)を外に向ける一方、後背側(電線接続側)を架内に向けるものであり、この後背側(電線接続側)にもジャック端子(短冊状植設端子)が突き出ていて、各ジャック端子に電線端の配線端子を嵌合装着することで電線を接続するようになっている。かかるジャック板のうち特にB形ジャック板の電線接続側について、本発明の説明に役立つ構成部分を、図面を引用して説明する。図7(a),(b)は、配線端子の典型例であるファストン端子10の構造を示し、(a)が側面図、(b)が斜視図である。また、図7(c),(d)は、B形ジャック板20の構造を示し、(c)がジャック端子22の斜視図、(d)がB形ジャック板20の電線接続側の展開斜視図である。さらに、図8は、B形ジャック板20の電線接続側を示し、(a)が開錠状態、(b)が鎖錠状態である。
ファストン端子10は(図7(a),(b)参照)、多極コネクタとしてのB形ジャック板20に含まれるものではないが、B形ジャック板20の電線接続側のジャック端子22に電線8を接続するための配線端子として使用されるので、先に説明する。ファストン端子10は、金属等の電気良導体からなり、電線8を繋ぎ込む圧着部14が一端部に形成され、他端部にはスリーブ状の雌嵌合部11が形成されたものであり、その雌嵌合部11にはジャック端子22を抜き差し可能な中空12が形成されており、雌嵌合部11の圧着部14寄り端部には中空12端面に達する係合段差13が形成されている。
ジャック端子22は(図7(c)参照)、そのようなファストン端子10を着脱可能な導電性の接続端子であって、B形ジャック板20に植設されるものであり、少なくとも電線接続側に突き出ている部分は短冊状になっている。そして、ジャック端子22のうち電線接続側に突き出ている部分がファストン端子10の中空12に差し込まれると雌嵌合部11の弾性力によって嵌合状態・接続状態が維持され、強く引かれると雌嵌合部11から抜けるようになっている。なお、そのような短冊状植設端子に加えて、ロック用の係合部を可撓部で支持した部材が並設されているものもあり、それを排除する訳ではないが、ここでは、簡明化のため、ジャック端子22が短冊状植設端子だけの場合を説明する。
B形ジャック板20は(図7(d)参照)、ジャック端子22植設用の貫通孔に加えて可動部材固定孔26や保持部材取付孔27が形成された電気絶縁性のベース板21(基体)と、それに植設された多数の導電性ジャック端子22と、移動式の鎖錠機能付き端子カバーとして多数のジャック端子22を纏めて一斉に開錠・鎖錠しうる電気絶縁性の可動部材31(第1鎖錠部材)と、固定式の端子カバーとして個別に抜き差しする2個の電気絶縁性ロック部材36とを具備している。
ジャック端子22は、一本ずつベース板21に植設しても良いが、B形ジャック板20では二本一組でベース板21に植設されており、そのうち短冊幅方向を左右方向にした横向きのジャック端子22(第1短冊状植設端子)の組は、ベース板21の電線接続側の上半部に4行4列のマトリクス状配置で多数植設されて、それぞれが信号用端子23となっている。また、短冊幅方向を上下方向にした縦向きジャック端子22(第2短冊状植設端子)の組は、ベース板21の電線接続側の下端部の両端に2組ほど植設されているが、そのうち右側の組が電源用端子24となり、左側の組が接地用端子25となっている。
可動部材31(第1鎖錠部材)は、信号用端子23を一組ずつ格子枠で仕切る絶縁カバーであり、信号用端子23の配置に対応した配置で多数の貫通中空32が形成されるとともに、固定用の小ネジ(37)を差し込むための固定用孔33も形成されている。このような可動部材31は、ベース板21の保持部材取付孔27に保持部材取付孔35を合わせてネジ止めされた保持部材34によってベース板21の電線接続側の上半部に保持されて、それぞれの貫通中空32に一組ずつ信号用端子23を収めており、信号用端子23をなすジャック端子22の短冊幅方向をそのまま第1方向として、その第1方向には即ち左右方向には往復動しうるようになっている(図8参照)。
このような構成のB形ジャック板20に電線8を接続するときは、接続に先立って、ジャック端子22に対してファストン端子10を装着することも離脱させることも可能な開錠状態にしておき(図8(a)参照)、接続後に、ジャック端子22に装着されているファストン端子10を抜き取ることができない鎖錠状態にする(図8(b)参照)。
詳述すると、B形ジャック板20を開錠状態にするときは(図8(a)の中央の正面図を参照)、ネジ37を固定用孔33から外して可動部材31を左右に往復動させうるようにしてから、信号用端子23(第1短冊状植設端子)の周りを囲う可動部材31(第1鎖錠部材)を左方の開錠位置に移動させるとともに、ロック部材36を抜き取って電源用端子24及び接地用端子25(第2短冊状植設端子)を露出させる。
この開錠状態では(図8(a)において一点鎖線の指す部分拡大図を参照)、信号用端子23が可動部材31の貫通中空32の中央寄りに位置しているので、貫通中空32の解放開口からファストン端子10を差し込むことで容易に、信号用端子23の各ジャック端子22にファストン端子10を嵌合装着することができ(図8(a)において二点鎖線の指す部分拡大図を参照)、装着したファストン端子10を引っ張って抜き取ることもできる。また、開錠状態では電源用端子24も接地用端子25も露出しているので(図8(a)において一点鎖線の指す部分拡大図を参照)、やはり容易に、それらの各ジャック端子22にもファストン端子10を外嵌装着することができ(図8(a)において二点鎖線の指す部分拡大図を参照)、装着したファストン端子10を抜き取ることもできる。
ジャック端子22にファストン端子10を嵌合させて電線8の接続を終えたら、ファストン端子10の不所望な抜け落ちを防止するために、B形ジャック板20を鎖錠状態にするが(図8(b)の中央の正面図を参照)、そのときは、信号用端子23(第1短冊状植設端子)の周りを囲う可動部材31(第1鎖錠部材)を右方の鎖錠位置に移動させたうえでネジ37を固定用孔33から可動部材固定孔26へねじ込んで可動部材31をベース板21に固定するとともに、電源用端子24と接地用端子25(第2短冊状植設端子)にはロック部材36を外嵌装着する。そうすると(図8(b)において一点鎖線の指す部分拡大図を参照)、信号用端子23については可動部材31の一部がファストン端子10の係合段差13に干渉することでファストン端子10が鎖錠され、電源用端子24と接地用端子25についてはロック部材36の一部がファストン端子10の係合段差13に干渉することでファストン端子10が鎖錠される。
特開2005−212532号公報 特開2008−098024号公報 特開2010−140645号公報
もっとも、このような従来の多極コネクタでは、短冊幅方向を異にする第1,第2短冊状植設端子に対して配線端子の抜け落ち防止のために使用される第1鎖錠部材とロック部材とが別体であって構造も異なることから、鎖錠操作も開錠操作も複数回行わなければならないので、操作回数が多いうえ、操作漏れの無いよう注意深く作業しなければならないので、錠操作性が良いとは言い難かった。また、ロック部材は、第1鎖錠部材に比べて解放開口が小さいため、ロック部材を装着した第2短冊状植設端子や配線端子についてはテスタでの導通チェックが遣り辛くて、確認作業性が良いとは言えないし、改良工事などで配線端子の抜き差しを行う際に指が入り難くて、保守性が良いとも言えない。
これに対しては、作業性や保守性を改善するには、第2短冊状植設端子についても移動式の鎖錠部材を適用するのが良く、その具現化には、ロック部材を廃して第2短冊状植設端子のところまで第1鎖錠部材を拡張するか、ロック部材に代えて第1鎖錠部材と同様構造の第2鎖錠部材を導入するか、何れかの改造を施すのが安直であると思われる。
しかしながら、第1,第2短冊状植設端子では短冊幅方向が異なることから、開錠状態と鎖錠状態との状態切替を第1短冊状植設端子の短冊幅方向に対応した第1方向における往復動にて行う第1鎖錠部材と、開錠状態と鎖錠状態との状態切替を第2短冊状植設端子の短冊幅方向に対応した第2方向における往復動にて行うべき第1鎖錠部材の拡張部や第2鎖錠部材とでは、移動方向が相違する。
そのため、第1鎖錠部材を拡張した一体物で鎖錠機能を的確に発揮させるのは、実現困難である。また、第1鎖錠部材とは別体の第2鎖錠部材を追加導入する改造であれば、確認作業性や保守性を改善することができるとともに、何れについても鎖錠機能を的確に発揮させることもできるが、開錠時や鎖錠時に第1鎖錠部材は第1方向へ移動させ第2鎖錠部材は第2方向へ移動させるため、操作が複数回に及ぶので、錠操作性まで改善される訳ではない。
そこで、短冊幅方向の異なる複数の短冊状植設端子を一の操作で纏めて鎖錠や開錠することができる多極コネクタを実現することが技術課題となる。
本発明の多極コネクタは(解決手段1)、このような課題を解決するために創案されたものであり、電気絶縁性の基体と、配線端子を着脱可能な短冊状の接続端子であって前記基体に植設されている第1短冊状植設端子と、前記第1短冊状植設端子を遊挿する貫通中空を形成された電気絶縁性の可動部材からなり配線端子の着脱いずれも可能な開錠状態と配線端子の抜けない鎖錠状態との状態切替を前記第1短冊状植設端子の短冊幅方向に対応した第1方向における往復動にて行う第1鎖錠部材と、配線端子を着脱可能な短冊状の接続端子であって前記基体に植設されている第2短冊状植設端子とを備えた多極コネクタにおいて、前記第2短冊状植設端子を遊挿する貫通中空を形成された電気絶縁性の可動部材からなり配線端子の着脱いずれも可能な開錠状態と配線端子の抜けない鎖錠状態との状態切替を前記第2短冊状植設端子の短冊幅方向に対応した第2方向における往復動にて行う第2鎖錠部材と、前記第1方向の運動を前記第2方向の運動に変換して伝達することにより前記第1鎖錠部材の開錠位置から鎖錠位置への移動に応じて前記第2鎖錠部材を開錠位置から鎖錠位置へ移動させる伝動手段とを設けたことを特徴とする。
また、本発明の多極コネクタは(解決手段2)、上記解決手段1の多極コネクタであって、前記伝動手段が、前記第1方向の運動を前記第2方向の運動に変換して伝達することにより前記第1鎖錠部材の鎖錠位置から開錠位置への移動に応じて前記第2鎖錠部材を鎖錠位置から開錠位置へ移動させるようになっていることを特徴とする。
さらに、本発明の多極コネクタは(解決手段3)、上記解決手段1,2の多極コネクタであって、前記伝動手段が、前記第1方向の運動を前記第2方向の運動に変換して伝達するに際して前記第1鎖錠部材の鎖錠位置での固定に応じて前記第2鎖錠部材を鎖錠位置に固定するようになっていることを特徴とする。
このような本発明の多極コネクタにあっては(解決手段1)、元より設けられていた第1短冊状植設端子および第1鎖錠部材に加え、第2短冊状植設端子に適合した第2鎖錠部材を設けるとともに、第1鎖錠部材の開錠位置から鎖錠位置への移動を運動方向変換しながら第2鎖錠部材に伝達して開錠位置から鎖錠位置への移動を引き起こす伝動手段をも設けたことにより、第1鎖錠部材を開錠位置から鎖錠位置へ移動させれば、それに随伴連動して、第2鎖錠部材も開錠位置から鎖錠位置へ移動することとなる。そのため、短冊幅方向の異なる複数の短冊状植設端子を一の鎖錠操作で纏めて鎖錠することができる。
また、本発明の多極コネクタにあっては(解決手段2)、伝動手段が第1鎖錠部材の鎖錠位置から開錠位置への移動を運動方向変換しながら第2鎖錠部材に伝達して鎖錠位置から開錠位置への移動を引き起こすようにしたことにより、第1鎖錠部材を鎖錠位置から開錠位置へ移動させれば、それに随伴連動して、第2鎖錠部材も鎖錠位置から開錠位置へ移動することとなる。そのため、短冊幅方向の異なる複数の短冊状植設端子を鎖錠ばかりか開錠についても一操作で纏めて処理することができる。
さらに、本発明の多極コネクタにあっては(解決手段3)、短冊幅方向の異なる複数の短冊状植設端子に係る鎖錠状態を一の固定操作で纏めて固定することができる。
本発明の実施例1について、多極コネクタの電線接続側の構造と使用状態を示し、(a)が開錠状態の正面図、(b)が鎖錠状態の正面図である。 本発明の実施例2について、多極コネクタの電線接続側の構造と使用状態を示し、(a)が開錠状態の正面図、(b)が鎖錠状態の正面図である。 本発明の実施例3について、多極コネクタの電線接続側の構造と使用状態を示し、(a)が開錠状態の正面図、(b)が鎖錠状態の正面図である。 本発明の実施例4について、多極コネクタの電線接続側の構造と使用状態を示し、(a)が開錠状態の正面図、(b)が鎖錠状態の正面図である。 本発明の実施例5について、多極コネクタの電線接続側の構造と使用状態を示し、(a)が開錠状態の正面図、(b)が鎖錠状態の正面図である。 本発明の実施例6について、多極コネクタの電線接続側の構造と使用状態を示し、(a)が開錠状態の正面図、(b)が鎖錠状態の正面図である。 従来品を示し、(a)がファストン端子の側面図、(b)がファストン端子の斜視図、(c)がジャック端子の斜視図、(d)がB形ジャック板の電線接続側の展開斜視図である。 従来のB形ジャック板の電線接続側の構造と使用状態を示し、(a)が開錠状態の正面図、(b)が鎖錠状態の正面図である。
このような本発明の多極コネクタについて、これを実施するための具体的な形態を、以下の実施例1〜6により説明する。
図1に示した実施例1や、図2に示した実施例2、図3に示した実施例3、図4に示した実施例は、図5に示した実施例5、図6に示した実施例6は、何れも、上述した解決手段1〜3(出願当初の請求項1〜3)を総て具現化したものである。そのうち、図1〜図3の実施例1〜3は摺動機構で、図4の実施例4は滑節機構で、図5の実施例5は係合機構で、図6の実施例6は歯合機構で、運動方向変換付き伝動を実現している。
また、図1〜図3の実施例1〜3は、直線往復動を別方向の直線往復動に変換するタイプのものであり、図4〜図6の実施例4〜6は、直線往復動を別方向の揺動往復動に変換するタイプのものである。
なお、それらの図示に際し従来と同様の構成要素には同一の符号を付して示したので、また、それらについて背景技術の欄で述べたことは以下の各実施例についても共通するので、重複する再度の説明は割愛し、以下、従来との相違点を中心に説明する。
本発明の多極コネクタの実施例1であるB形ジャック板40について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、(a)が開錠状態の電線接続側を示し、(b)が鎖錠状態の電線接続側を示している。
このB形ジャック板40(多極コネクタ)が既述した従来のB形ジャック板20と相違するのは、電源用端子24と接地用端子25(第2短冊状植設端子)のところからロック部材36が省かれてその代わりに可動部材41(第2鎖錠部材)が一つずつ導入された点と、可動部材31(第1鎖錠部材)と可動部材41(第2鎖錠部材)とに介在させて伝動機構43〜45が追加された点である。
可動部材41(第2鎖錠部材)は、既述した可動部材31と同様に、電源用端子24か接地用端子25のうち付設先にある端子の周りを囲う電気絶縁性のカバーであって、貫通中空32と同様の貫通中空42が形成されており、適宜な保持部材によってベース板21の電線接続側の該当箇所に保持されて、貫通中空42に電源用端子24か接地用端子25を収めており、開錠状態では貫通中空42の解放開口を介してファストン端子10を電源用端子24か接地用端子25に着脱しうるものとなっている。ただし、電源用端子24や接地用端子25の短冊幅方向が縦向きになっていることに対応して、可動部材31の第1方向ではなく、それと異なる上下方向の第2方向にだけ往復動しうるようになっている。
伝動機構43〜45は、可動部材41のうち可動部材31寄りの部分に植設された接合ピン43(従動側伝動部材)と、可動部材31に付設されてそれを可動部材41の方へ延長する延長部材44(駆動側伝動部材)と、延長部材44に貫通形成された長穴状の接合スリット45とを具備しており、左下から右上へ真っ直ぐ延びた接合スリット45の中に接合ピン43が収まっていて、その接合部分が摺動機構をなしている。接合スリット45の幅はどこでも接合ピン43の外径より僅かに広いだけなので、接合ピン43は接合スリット45に対してスリット長手方向へは相対移動するが他の方向へはほとんど相対移動しないものとなっている。
そのため、可動部材31を左方へ移動させると(図1(a)参照)、その左向き運動を伝動機構43〜45が上向き運動に変換してから可動部材41に伝達するので、可動部材41が何れも随伴して上方へ移動する。逆に、可動部材31を右方へ移動させると(図1(b)参照)、その右向き運動を伝動機構43〜45が下向き運動に変換してから可動部材41に伝達するので、可動部材41が何れも随伴して下方へ移動する。さらに、可動部材31が左右に移動しないように可動部材31を固定すると、伝動機構43〜45を介して、可動部材41もほぼ固定されて上下移動が阻止されるようになっている。
このような実施例1のB形ジャック板40(多極コネクタ)に電線8を接続するときも、既述したB形ジャック板20のときと同様、接続に先立って、ジャック端子22に対してファストン端子10を装着することも離脱させることも可能な開錠状態にしておき(図1(a)参照)、接続後に、ジャック端子22に装着されているファストン端子10を抜き取ることができない鎖錠状態にする(図1(b)参照)。このような大まかな手順は従来通りであるが、伝動機構43〜45の介在によって可動部材31(第1鎖錠部材)と可動部材41(第2鎖錠部材)とが連動するようになったことにより、詳細な手順は開錠操作と鎖錠操作と固定操作とについて従来と相違する。
すなわち、B形ジャック板20を開錠状態にするときは(図1(a)の中央の正面図を参照)、ネジ37を固定用孔33から外して可動部材31を左右に往復動させうるようにしてから、信号用端子23(第1短冊状植設端子)の周りを囲う可動部材31(第1鎖錠部材)を左方の開錠位置に移動させるだけで良い。そうすると、それに随伴して、電源用端子24(第2短冊状植設端子)の周りを囲う可動部材41(第2鎖錠部材)も、接地用端子25(第2短冊状植設端子)の周りを囲う可動部材41(第2鎖錠部材)も、上方の開錠位置に移動する。
この開錠状態では(図1(a)において一点鎖線の指す部分拡大図を参照)、信号用端子23が可動部材31の貫通中空32の中央寄りに位置しているのと同様に、電源用端子24及び接地用端子25も可動部材41の貫通中空42の中央寄りに位置しているので、貫通中空32,42の解放開口からファストン端子10を差し込むことで信号用端子23ばかりか電源用端子24や接地用端子25の各ジャック端子22にも容易に、ファストン端子10を嵌合装着することができ(図1(a)において二点鎖線の指す部分拡大図を参照)、装着したファストン端子10を引っ張って抜き取ることもできる。
ジャック端子22にファストン端子10を嵌合させて電線8の接続を終えたら、ファストン端子10の不所望な抜け落ちを防止するために、B形ジャック板40を鎖錠状態にするが(図1(b)の中央の正面図を参照)、そのときは、信号用端子23(第1短冊状植設端子)の周りを囲う可動部材31(第1鎖錠部材)を右方の鎖錠位置に移動させたうえでネジ37を固定用孔33から可動部材固定孔26へねじ込んで可動部材31をベース板21に固定するだけで良い。そうすると、それに随伴して、電源用端子24(第2短冊状植設端子)の周りを囲う可動部材41(第2鎖錠部材)も、接地用端子25(第2短冊状植設端子)の周りを囲う可動部材41(第2鎖錠部材)も、下方の鎖錠位置に移動してから、そこに固定される。
そして、その鎖錠状態では(図1(b)において一点鎖線の指す部分拡大図を参照)、信号用端子23については可動部材31の一部がファストン端子10の係合段差13に干渉することでファストン端子10が鎖錠され、電源用端子24と接地用端子25についても、可動部材41の一部がファストン端子10の係合段差13に干渉することでファストン端子10が鎖錠される。
こうして、このB形ジャック板40にあっては、可動部材31を鎖錠位置に移動させる一の操作で可動部材41まで鎖錠位置に移動させられるので総てのジャック端子22を纏めて一斉に鎖錠することができる。
また、このB形ジャック板40にあっては、可動部材31を開錠位置に移動させる一の操作で可動部材41まで開錠位置に移動させられるので総てのジャック端子22を纏めて一斉に開錠することができる。
さらに、このB形ジャック板40にあっては、可動部材31を鎖錠位置に固定する一の操作で可動部材41まで鎖錠位置に固定されるので総てのジャック端子22の鎖錠を纏めて一斉に固定することができる。
本発明の多極コネクタの実施例2であるB形ジャック板50について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図2は、(a)が開錠状態の電線接続側を示し、(b)が鎖錠状態の電線接続側を示している。
このB形ジャック板50(多極コネクタ)が上述した実施例1のB形ジャック板40と相違するのは、延長部材44に代えて延長部材54(駆動側伝動部材)が導入された点であり、延長部材54が延長部材44と相違するのは、左下から右上へ真っ直ぐ延びていた接合スリット45に代えて右下から左上へ真っ直ぐ延びた接合スリット55が形成されている点である。伝動機構の接合部分に摺動機構を採用する手法は踏襲しており、接合ピン43(従動側伝動部材)が長穴状の接合スリット55に収まっていて接合スリット55のスリット長手方向にだけ移動しうるのは同様であるが、接合スリットの長手方向が変更されたことにより、開錠時と鎖錠時とで可動部材41の移動方向が逆向きになっている。
すなわち、可動部材31を左方へ移動させると(図2(a)参照)、その左向き運動を伝動機構が下向き運動に変換してから可動部材41に伝達するので、可動部材41が何れも随伴して下方へ移動する。逆に、可動部材31を右方へ移動させると(図2(b)参照)、その右向き運動を伝動機構が上向き運動に変換してから可動部材41に伝達するので、可動部材41が何れも随伴して上方へ移動する。さらに、可動部材31が左右に移動しないように可動部材31を固定すると、伝動機構を介して、可動部材41もほぼ固定されて上下移動が阻止されるようになっている。
このような実施例2のB形ジャック板50(多極コネクタ)に電線8を接続するときも、上述したB形ジャック板40のときと同様、接続に先立って、ジャック端子22に対してファストン端子10を装着することも離脱させることも可能な開錠状態にしておき(図2(a)参照)、接続後に、ジャック端子22に装着されているファストン端子10を抜き取ることができない鎖錠状態にする(図2(b)参照)。このような大まかな手順に加えて、詳細な手順も、可動部材31の左右移動に連動する可動部材41の移動態様が上下から下上になること以外は、上述した通りなので、繰り返しとなる説明は割愛する。
本発明の多極コネクタの実施例3であるB形ジャック板60について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図3は、(a)が開錠状態の電線接続側を示し、(b)が鎖錠状態の電線接続側を示している。
このB形ジャック板60(多極コネクタ)が上述した実施例1のB形ジャック板40と相違するのは、延長部材44に代えて延長部材64(駆動側伝動部材)が導入された点であり、延長部材64が延長部材44と相違するのは、左下から右上へ真っ直ぐ延びていた接合スリット45に代えて右下から左上へ少しうねりながら延びた接合スリット65が形成されている点である。伝動機構の接合部分に摺動機構を採用する手法は踏襲しており、接合ピン43(従動側伝動部材)が長穴状の接合スリット65に収まっていて接合スリット65のスリット長手方向にだけ移動しうるのは同様であるが、接合スリットが長手方向に真っ直ぐでなく少しうねっているため、運動方向を変換するときに速度も変更するようになっており、速度変換比率が最初は小さくて途中で大きくなり最後に再び小さくなる。
詳述すると、可動部材31を定速で左方へ移動させると(図3(a)参照)、その左向き運動を伝動機構が上向き運動に変換してから可動部材41に伝達するので、可動部材41が何れも随伴して上方へ移動するが、その際、可動部材41が、静止摩擦の抵抗の大きい初期段階では徐々に加速され、摩擦抵抗の小さい中間段階では高速移動し、ファストン端子10と干渉する最終段階では減速される。逆に、可動部材31を右方へ移動させると(図2(b)参照)、その右向き運動を伝動機構が下向き運動に変換してから可動部材41に伝達するので、可動部材41が何れも随伴して下方へ移動するが、その際、可動部材41が、ファストン端子10と干渉しているうえ摺動摩擦抵抗も大きい初期段階では徐々に加速され、摩擦抵抗の小さい中間段階では高速移動し、最終段階では減速される。
このように速度変換比率を変化させることまで行うようにしたことにより、開錠操作も鎖錠操作もより円滑になされることとなる。
また、可動部材31が左右に移動しないように可動部材31を固定すると伝動機構を介して可動部材41もほぼ固定されて上下移動が阻止されることも上述した実施例と同様であるが、鎖錠状態における速度変換比率が1より小さくなっているので、可動部材41に対して上下方向の外力を作用させても、不所望な部材変形やがたつきが小さくて済む。
それ以外の構造と、B形ジャック板60(多極コネクタ)の使用態様や動作状態は、B形ジャック板40について上述したのと同様なので、繰り返しとなる説明は割愛する。
本発明の多極コネクタの実施例4であるB形ジャック板70について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図4は、(a)が開錠状態の電線接続側を示し、(b)が鎖錠状態の電線接続側を示している。
このB形ジャック板70(多極コネクタ)が上述した実施例1,2,3のB形ジャック板40,50,60と相違するのは、直線移動式の可動部材41に代えて揺動式の可動部材71(第2鎖錠部材)が導入された点と、運動方向変換付き伝動を担う伝動機構73〜77について、接合部分が摺動機構だった伝動機構に代えて、接合部分が滑節機構のようになっている伝動機構73〜77(伝動手段)が導入された点である。
可動部材71(第2鎖錠部材)は、上述した2個の可動部材41を長物の両端部に組み込んで一体化したような電気絶縁性のカバーであり、貫通中空32と同様の貫通中空72が両端部に形成されている。そして、両貫通中空72の丁度中央の所で揺動支軸73にて軸支されて、揺動可能になるとともに、一方の貫通中空72に電源用端子24を納めてその周りを囲い、他方の貫通中空72に接地用端子25を収めてその周りを囲うものとなっている。
伝動機構73〜77は、ベース板21に植設された上述の揺動支軸73と、下端部が可動部材71に連結固定され上端部に接合スリット75が形成された延長部材74(従動側伝動部材)と、上端が可動部材31の下端に連結固定され下端部に接合ピン77を植設された延長部材76(駆動側伝動部材)とを具備している。接合スリット75は、丸穴に近い長穴であり、上下方向の長さが左右方向の幅より少しだけ長く、その中には接合ピン77が収まっている。接合スリット75の左右方向の幅はどこでも接合ピン77の外径より僅かに広いだけなので、接合ピン77は接合スリット75に対して上下方向の長手方向へは相対移動するが他の方向へはほとんど相対移動しないものとなっており、そのような接合部分は、摺動機構のように見えるが、可動部材71ひいては延長部材74の揺動角が小さくて、スリット長手方向の相対移動量が小さいため、延長部材74の揺動に伴う接合スリット75と接合ピン77との相対回転を許容するための滑節機構といえる。
詳述すると、可動部材31を左方へ移動させると(図4(a)参照)、その左向き運動を伝動機構73〜77が反時計回りの回転運動に変換してから可動部材71に伝達するので、可動部材71が随伴して反時計回りに回転し、その右端部が上方へ移動し左端部が下方へ移動する。逆に、可動部材31を右方へ移動させると(図4(b)参照)、その右向き運動を伝動機構73〜77が時計回りの回転運動に変換してから可動部材71に伝達するので、可動部材71が随伴して時計回りに回転し、その右端部が下方へ移動し左端部が上方へ移動する。さらに、可動部材31が左右に移動しないように可動部材31を固定すると、伝動機構73〜77を介して、可動部材71もほぼ固定されて両端部の上下移動が阻止されるようになっている。なお、揺動角が微小なので、実用上、可動部材71の両端部の弧状移動は上下移動とみなすことができる。
このような実施例4のB形ジャック板70(多極コネクタ)に電線8を接続するときも、上述したB形ジャック板40のときと同様、接続に先立って、ジャック端子22に対してファストン端子10を装着することも離脱させることも可能な開錠状態にしておき(図4(a)参照)、接続後に、ジャック端子22に装着されているファストン端子10を抜き取ることができない鎖錠状態にする(図4(b)参照)。このような大まかな手順に加え、伝動機構の介在によって可動部材31(第1鎖錠部材)と可動部材71(第2鎖錠部材)とが連動するようになったことも、上述したのと同様であるが、伝動機構が摺動タイプから滑節タイプに変更されるとともに、可動部材が直線往復動タイプから揺動往復動タイプに変更されたことにより、可動部材31の左右移動に連動する可動部材71の両端の移動態様が一方は上下移動で他方は下上移動になっている。
すなわち、上述したのと多少重複するが、詳述すると、B形ジャック板70を開錠状態にするときは(図4(a)の中央の正面図を参照)、ネジ37を固定用孔33から外して可動部材31を左右に往復動させうるようにしてから、信号用端子23(第1短冊状植設端子)の周りを囲う可動部材31(第1鎖錠部材)を左方の開錠位置に移動させるだけで良い。そうすると、それに随伴して、延長部材74及び可動部材71が反時計回りに微小角度だけ回転して、可動部材71(第2鎖錠部材)のうち電源用端子24(第2短冊状植設端子)の周りを囲う部分は上方の開錠位置に移動し、接地用端子25(第2短冊状植設端子)の周りを囲う部分は下方の開錠位置に移動する。
この開錠状態では(図4(a)において一点鎖線の指す部分拡大図を参照)、信号用端子23が可動部材31の貫通中空32の中央寄りに位置するとともに、電源用端子24及び接地用端子25も可動部材71の貫通中空72の中央寄りに位置しているので、貫通中空32,72の解放開口からファストン端子10を差し込むことで信号用端子23ばかりか電源用端子24や接地用端子25の各ジャック端子22にも容易に、ファストン端子10を嵌合装着することができ(図4(a)において二点鎖線の指す部分拡大図を参照)、装着したファストン端子10を引っ張って抜き取ることもできる。
ジャック端子22にファストン端子10を嵌合させて電線8の接続を終えたら、ファストン端子10の不所望な抜け落ちを防止するために、B形ジャック板70を鎖錠状態にするが(図4(b)の中央の正面図を参照)、そのときは、信号用端子23(第1短冊状植設端子)の周りを囲う可動部材31(第1鎖錠部材)を右方の鎖錠位置に移動させたうえでネジ37を固定用孔33から可動部材固定孔26へねじ込んで可動部材31をベース板21に固定するだけで良い。そうすると、それに随伴して、可動部材71(第2鎖錠部材)のうち電源用端子24(第2短冊状植設端子)の周りを囲う部分は下方の鎖錠位置に移動し、接地用端子25(第2短冊状植設端子)の周りを囲う部分は上方の鎖錠位置に移動してから、何れも固定される。
そして、その鎖錠状態では(図4(b)において一点鎖線の指す部分拡大図を参照)、信号用端子23については可動部材31の一部がファストン端子10の係合段差13に干渉することでファストン端子10が鎖錠され、電源用端子24と接地用端子25についても、可動部材71の一部がファストン端子10の係合段差13に干渉することでファストン端子10が鎖錠される。こうして、このB形ジャック板70にあっても、可動部材31を鎖錠位置に移動させる一の操作で可動部材71まで鎖錠位置に移動させられるので総てのジャック端子22を纏めて一斉に鎖錠することができ、可動部材31を開錠位置に移動させる一の操作で可動部材71まで開錠位置に移動させられるので総てのジャック端子22を纏めて一斉に開錠することができ、可動部材31を鎖錠位置に固定する一の操作で可動部材71まで鎖錠位置に固定されるので総てのジャック端子22の鎖錠を纏めて一斉に固定することができる。
本発明の多極コネクタの実施例5であるB形ジャック板80について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図5は、(a)が開錠状態の電線接続側を示し、(b)が鎖錠状態の電線接続側を示している。
このB形ジャック板80(多極コネクタ)が上述した実施例4のB形ジャック板70と相違するのは、可動部材71に代わる可動部材81(第2鎖錠部材)と延長部材74に代わる接合アーム83(従動側伝動部材)とが揺動式は踏襲しつつも一体物になった点と、延長部材76に代わる延長部材84(駆動側伝動部材)と上述の接合アーム83(従動側伝動部材)との接合部分が滑節機構から係合機構になった点である。延長部材84の接合部分には接合ノッチ85が切欠形成されており、その接合ノッチ85に接合アーム83の先端が差し込まれていて、延長部材84が左右に移動すると、それに随伴して接合アーム83の先端が左右に移動し、それによって接合アーム83ひいては可動部材81が揺動支軸73を中心にして反時計回りや時計回りに微小角度だけ回転するようになっている。
可動部材81(第2鎖錠部材)のうち電源用端子24と接地用端子25とに及ぶ部分は、上述した可動部材71と同様の絶縁カバーであり、貫通中空72と同様の貫通中空82が両端部に形成されている。そして、両貫通中空82の丁度中央の所で揺動支軸73にて軸支されて、揺動可能になるとともに、一方の貫通中空82に電源用端子24を納めてその周りを囲い、他方の貫通中空82に接地用端子25を収めてその周りを囲うものとなっている。そのため、可動部材31を左方へ移動させると(図5(a)参照)、可動部材81が随伴して反時計回りに回転し、その右端部が上方へ移動し左端部が下方へ移動する。
逆に、可動部材31を右方へ移動させると(図5(b)参照)、可動部材81が随伴して時計回りに回転し、その右端部が下方へ移動し左端部が上方へ移動する。
さらに、可動部材31が左右に移動しないように可動部材31を固定すると、可動部材81もほぼ固定されて両端部の上下移動が阻止される。
このような実施例5のB形ジャック板80(多極コネクタ)の使用態様や動作状態は、伝動機構81〜85における接合部分での運動伝達が滑節でなく係合にて行われるだけで、B形ジャック板70のときと同様なので、繰り返しとなる説明は割愛する。
本発明の多極コネクタの実施例6であるB形ジャック板90について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図6は、(a)が開錠状態の電線接続側を示し、(b)が鎖錠状態の電線接続側を示している。
このB形ジャック板90(多極コネクタ)が上述した実施例5のB形ジャック板80と相違するのは、延長部材84に代わる延長部材94(駆動側伝動部材)の接合ラック95と接合アーム83に代わる噛合アーム93(従動側伝動部材)の先端との接合部分が係合機構から歯合機構になった点である。
他の構成部分はB形ジャック板80のものと同じである。
このような実施例6のB形ジャック板90(多極コネクタ)の使用態様や動作状態は、伝動機構における接合部分での運動伝達が係合でなく歯合にて行われるだけで、B形ジャック板80のときと同様なので、繰り返しとなる説明は割愛する。
[その他]
なお、上記実施例では、信号用端子23のジャック端子22(第1短冊状植設端子)の短冊幅方向と可動部材31(第1鎖錠部材)の往復動に係る第1方向とが共に横向きになる態様で対応するとともに、電源用端子24及び接地用端子25のジャック端子22(第2短冊状植設端子)の短冊幅方向と可動部材41,71,81,91(第2鎖錠部材)の往復動に係る第2方向とが共に縦向きになる態様で対応していたが、開錠と鎖錠との切り替えが的確に行えれば他の態様で対応していても良く、例えば、第1短冊状植設端子の短冊幅方向が横向きで第1鎖錠部材の第1方向が縦向きになる態様で対応し且つ第2短冊状植設端子の短冊幅方向が縦向きで第2鎖錠部材の第2方向が横向きになる態様で対応していても良い。
また、上記実施例では、信号用端子23と電源用端子24と接地用端子25について一周囲繞による絶縁分離の対象となる各組にジャック端子22が二本ずつ含まれていたが、これは必須でなく、一本ずつでも良く、三本以上でも良く、各組で本数が異なっていても良い。
さらに、上記実施例では、第2短冊状植設端子が電源用端子24と接地用端子25とに分かれて離れていたが、これらは信号用端子23と同様に近接していても良く組数が多くても良い。
本発明の多極コネクタは、鉄道用のB形ジャック板を改良するべく開発されたものであるが、その適用はB形ジャック板に限定される訳でなく、類似の構造と同様の課題を持った多極コネクタであれば本発明が適用可能であり有効である。
8…電線、
10…ファストン端子(配線端子)、11…雌嵌合部(接続部)、
12…中空、13…係合段差(被鎖錠部)、14…圧着部、
20…B形ジャック板(多極コネクタ)、
21…ベース板(基体)、22…ジャック端子(短冊状植設端子)、
23…信号用端子(第1短冊状植設端子)、
24…電源用端子(第2短冊状植設端子)、
25…接地用端子(第2短冊状植設端子)、
26…可動部材固定孔、27…保持部材取付孔、
31…可動部材(第1鎖錠部材)、32…貫通中空、33…固定用孔、
34…保持部材、35…保持部材取付孔、36…ロック部材、37…固定ネジ、
40…B形ジャック板(多極コネクタ)、41…可動部材(第2鎖錠部材)、
42…貫通中空、43…接合ピン(従動側伝動部材)、
44…延長部材(駆動側伝動部材)、45…接合スリット、
50…B形ジャック板(多極コネクタ)、
54…延長部材(駆動側伝動部材)、55…接合スリット、
60…B形ジャック板(多極コネクタ)、
64…延長部材(駆動側伝動部材)、65…接合スリット、
70…B形ジャック板(多極コネクタ)、
71…可動部材(第2鎖錠部材)、72…貫通中空、
73…揺動支軸、74…延長部材(従動側伝動部材)、75…接合スリット、
76…延長部材(駆動側伝動部材)、77…接合ピン(駆動側伝動部材)、
80…B形ジャック板(多極コネクタ)、81…可動部材(第2鎖錠部材)、
82…貫通中空、83…接合アーム(従動側伝動部材)、
84…延長部材(駆動側伝動部材)、85…接合ノッチ、
90…B形ジャック板(多極コネクタ)、93…噛合アーム(従動側伝動部材)、
94…延長部材(駆動側伝動部材)、95…接合ラック

Claims (5)

  1. 電気絶縁性の基体と、
    配電端子を着脱可能な短冊状の接続端子であって前記基体に植設されている第1短冊状植設端子と、
    前記第1短冊植設端子を遊挿する貫通中空を形成された電気絶縁性の可動部材からなり配線端子の着脱いずれも可能な開錠状態と配線端子の抜けない鎖錠状態との状態切替を前記第1短冊状植設端子の短冊幅方向に対応した第1方向における往復動にて行う第1鎖錠部材と、
    配線端子を着脱可能な短冊状の接続端子であって前記基体に植設されている第2短冊状植設端子と
    を備えた多極コネクタにおいて、
    前記第2短冊状植設端子を遊挿する貫通中空を形成された電気絶縁性の可動部材からなり配線端子の着脱いずれも可能な開錠状態と配線端子の抜けない鎖錠状態との状態切替を前記第2短冊状植設端子の短冊幅方向に対応した第2方向における往復動にて行う第2鎖錠部材と、
    前記第1方向の運動を前記第2方向の運動に変換して伝達することにより前記第1鎖錠部材の開錠状態から鎖錠位置への移動に応じて前記第2鎖錠部材を開錠位置から鎖錠位置へ移動させる伝動手段と
    を設けたことを特徴とする多極コネクタ。
  2. 前記伝動手段が、前記第1方向の運動を前記第2方向の運動に変換して伝達することにより前記第1鎖錠部材の鎖錠位置から開錠位置への移動に応じて前記第2鎖錠部材を鎖錠位置から開錠位置へ移動させるようになっていることを特徴とする請求項1記載の多極コネクタ。
  3. 前記伝動手段が、前記第1方向の運動を前記第2方向の運動に変換して伝達するに際して前記第1鎖錠部材の鎖錠位置での固定に応じて前記第2鎖錠部材を鎖錠位置に固定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された多極コネクタ。
  4. 前記伝動手段が、摺動機構と滑節機構と係合機構と歯合機構のうち何れかの機構を具備していることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載された多極コネクタ。
  5. 前記第1鎖錠部材が直線往復動するものであり、前記第2鎖錠部材が直線往復動または揺動往復動するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載された多極コネクタ。
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