JP2012200652A - 生物処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】生物処理槽の汚泥の解体が進んだ場合であっても、汚泥を低含水率となるように脱水処理することができる生物処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】生物処理槽1内の生物処理水をポンプ10によって膜分離槽11に供給し、この膜分離槽11内の分離膜3の透過水を処理水として取り出し、濃縮水の一部を生物処理槽1に返送し、余剰汚泥を凝集槽6に取り出す。余剰汚泥は、無機凝集剤を添加後、凝集槽6で高分子凝集剤が添加されて凝集処理され、濃縮機7で濃縮処理される。濃縮汚泥の一部がポンプ12、破砕手段13を介して凝集槽6へ返送され、残部が脱水機8で脱水処理される。破砕手段13を省略し、ポンプ12によって破砕を行ってもよい。
【選択図】図2
【解決手段】生物処理槽1内の生物処理水をポンプ10によって膜分離槽11に供給し、この膜分離槽11内の分離膜3の透過水を処理水として取り出し、濃縮水の一部を生物処理槽1に返送し、余剰汚泥を凝集槽6に取り出す。余剰汚泥は、無機凝集剤を添加後、凝集槽6で高分子凝集剤が添加されて凝集処理され、濃縮機7で濃縮処理される。濃縮汚泥の一部がポンプ12、破砕手段13を介して凝集槽6へ返送され、残部が脱水機8で脱水処理される。破砕手段13を省略し、ポンプ12によって破砕を行ってもよい。
【選択図】図2
Description
本発明は、有機物含有水を活性汚泥法により処理する生物処理手段を有した生物処理装置に関するものであり、特に、生物処理液を膜分離して処理水を得ると共に、余剰汚泥を脱水処理する手段を備えた生物処理装置に関する。
生物処理槽の活性汚泥混合液を固液分離して処理水を得る方法の1つとして、この固液分離に膜分離を採用する装置(いわゆるMBR装置)がある(例えば、下記特許文献1〜3)。このMBR方式の生物処理装置によると、生物処理槽内の汚泥濃度を高く保つことができる。
なお、本出願人は、汚泥を効率よく濃縮することができる汚泥濃縮装置を特開2003−164899にて提案している。
MBR方式の生物処理装置では、生物処理槽内のSRT(汚泥滞留時間)が長くなる傾向がある。SRTが長いと、汚泥の自己消化(解体)が進み、汚泥は脱水されにくくなる。
本発明は、生物処理槽の汚泥の解体が進んだ場合であっても、汚泥を低含水率となるように脱水処理することができる生物処理装置を提供することを目的とする。
本発明の生物処理装置は、有機物を含有する原水を活性汚泥と混合して生物処理する生物処理手段と、生物処理液を膜分離する膜分離手段と、該生物処理手段の余剰汚泥を無機凝集剤及び高分子凝集剤で凝集処理する凝集処理手段と、該凝集処理手段からの凝集汚泥を濃縮する濃縮機と、該濃縮機からの濃縮汚泥の一部を破砕して前記凝集処理手段に返送する破砕及び返送手段と、該濃縮機からの濃縮汚泥の残部を脱水する脱水機と、備えてなるものである。
本発明の生物処理装置では、好ましくは、前記凝集処理手段は凝集槽を備えている。前記濃縮機は、該凝集槽の水面の位置よりも下側に配置されて、水位差によって前記凝集汚泥をその一の端部から内部に導入する円筒体と、この導入された前記凝集汚泥の水分を、上記水位差によって上記円筒体の内面から外面に向かって分離して通過させる前記円筒体の周面に形成された濾過スクリーン部と、上記円筒体内部に位置して、上記濾過スクリーン部内面を清掃すると共に、前記凝集汚泥を前記円筒体の一の端部から他の端部へ移送し濃縮凝集汚泥として排出するスクリューと、上記濾過スクリーン部から円筒体外部に分離される分離液を収容し、且つこの分離液に前記円筒体の濾過スクリーン部を水没せしめる外容器と、この外容器に設けられた分離液排出口とを備えている。
本発明の生物処理装置では、生物処理手段からの余剰汚泥を無機凝集剤及び高分子凝集剤で凝集処理してから濃縮機で濃縮し、濃縮汚泥の一部を引き抜いて破砕し、凝集処理手段に返送し、濃縮汚泥の残部を脱水機で脱水する。このように、余剰汚泥に、無機凝集剤及び高分子凝集剤による凝集処理と、その後の濃縮機による濃縮処理とを施すと共に、この凝集処理に際して、濃縮された凝集汚泥の一部を破砕して返送・混合して凝集処理を施すことにより、脱水機での脱水性が大幅に向上し、低含水率の脱水汚泥が得られるようになる。なお、このように脱水汚泥の脱水率が低下するのは、濃縮機からの濃縮汚泥の一部を破砕し、凝集処理手段に供給(返送)することにより、凝集処理手段においてこの破砕濃縮が凝集の核となり、脱水性の良好な凝集汚泥が生成するようになり、脱水汚泥の脱水性が向上するためである。
以下、本発明の有機物含有水の生物処理装置の実施の形態を詳細に説明する。
本発明では、有機物含有水よりなる原水を生物処理槽に導入し、活性汚泥によって生物処理し、この生物処理水を膜分離処理する。また、この生物処理槽から余剰汚泥を抜き出し、凝集処理後、濃縮処理する。濃縮処理された凝集汚泥の一部を引き抜き、破砕した後に凝集処理手段に返送し、残部を脱水機で脱水する。
本発明で処理対象とする有機物含有水としては、特に制限はないが、地下水、河川水、湖沼(ダム湖を含む)水等の自然水、水道水、食品工場排水又は半導体等の電子産業排水を処理して得られた回収水などが例示される。
このような有機物含有水を生物処理するための生物処理槽は、好気槽、嫌気槽のいずれでもよく、具体的にはBOD除去を行う曝気槽、硝化を主体として行う硝化槽、脱窒を主体として行う脱窒槽などのいずれでもよい。活性汚泥は、BODを分解する好気性細菌を主体とする汚泥、アンモニアを酸化する硝化細菌を主体とする汚泥、硝酸又は亜硝酸を還元する脱窒菌を主体とする汚泥のいずれでもよい。
生物処理槽におけるMLSS濃度は、2,000〜50,000mg/L、特に5,000〜20,000mg/Lと高濃度とすることにより、生物処理効率を高くすることができる。
なお、生物処理槽内には、担体を浮遊させてもよい。このような浮遊性の担体としてはスポンジ、ゲルなどが例示される。
生物処理槽のBOD負荷は、好気処理の場合は0.5〜5kg−BOD/m3/day、特に0.5〜2kg−BOD/m3/day程度が好ましく、嫌気処理の場合は1〜10kg−BOD/m3/day特に2〜6kg−BOD/m3/day程度が好ましい。
この生物処理槽の生物処理水を固液分離して処理水を得るための分離膜としては、MF(精密濾過)膜、UF(限外濾過)膜、NF(ナノ濾過)膜などのいずれでもよい。膜の形態は、平膜、管状膜、中空糸などのいずれであってもよい。膜の材質としては、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)等が例示されるが、これに限定されない。分離膜は、生物処理槽内に浸漬配置されてもよく、生物処理槽とは別個の膜分離槽に設置されてもよい。この膜分離槽は浸漬型膜分離槽であってもよく、加圧型膜分離装置であってもよい。
生物処理槽からの余剰汚泥を凝集処理した後、濃縮する。この際の濃縮倍率は1.5〜5.0倍、特に2.5〜3.5倍程度が好ましい。次いで、この濃縮汚泥の一部を引き抜いて破砕し、凝集処理手段に返送し、残部を脱水機で脱水する。
濃縮汚泥の引き抜き量としては、特に限定されるものではないが、無機凝集剤および高分子凝集剤の必要添加率に影響を及ぼさず、かつ経済性・実用性の面から10〜50%特に10〜30%(対余剰汚泥DS(固形分)比)が好ましい。
図1は、本発明の有機物含有水の生物処理装置の一例を示すフロー図である。原水が生物処理槽1に導入され、活性汚泥と混合され、生物処理される。生物処理槽1内の底部に設けられた散気管2からの空気によって曝気が行われる。
この生物処理槽1内に分離膜3が浸漬配置されている。生物処理された水は、分離膜3を透過して処理水として取り出される。なお、図1ではポンプ4で透過水を取り出しているが、重力によって透過水を取り出してもよい。
生物処理槽1内の余剰汚泥は、取出管5によって取り出され、無機凝集剤を添加後、凝集槽6で高分子凝集剤が添加されて凝集処理され、濃縮機7で濃縮処理される。濃縮汚泥の一部は引き抜きポンプ12で引き抜かれた後、ラインミキサー等の破砕手段13で破砕された後に凝集槽6に返送され、濃縮汚泥の残部は、脱水機8で脱水処理される。
濃縮汚泥の一部を引き抜いて破砕した上で余剰汚泥に混合する手段としては、定量ポンプ等の引き抜きポンプとラインミキサーの組み合わせ、引き抜きポンプのみ等のいずれでも構わない。即ち、図示の破砕手段13が省略され、ポンプ12が破砕手段を兼ねてもよい。濃縮汚泥を破砕して(あるいはしながら)定流量で引き抜くことができる手段であればこれらに限定されるものではない。なお、定量ポンプのみで破砕手段を構成する場合、定量ポンプとしては剪断力の高いものが好適であり、定容積型の一軸ねじ式ポンプ(スネークポンプ)はあまり好ましくない。
図1では生物処理槽1内に分離膜3を浸漬配置しているが、図2のように、生物処理槽1内の生物処理水をポンプ10によって膜分離槽11に供給し、この膜分離槽11内の分離膜3の透過水を処理水として取り出し、濃縮水の一部を生物処理槽1に返送し、余剰汚泥を凝集槽6に取り出すようにしてもよい。図2のその他の構成は図1と同一である。
なお、図1,2のいずれの場合も、取出管5で取り出した余剰汚泥の一部を汚泥可溶化槽に導き、オゾン等によって可溶化してから生物処理槽1へ返送するようにしてもよい。
凝集槽6では、無機凝集剤と高分子凝集剤が添加された汚泥を凝集処理する。無機凝集剤としては、ポリ硫酸第二鉄、塩化第二鉄、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウムなどが好適であるが、これに限定されない。高分子凝集剤としては、両性ポリマー系高分子凝集剤、カチオンポリマー系高分子凝集剤、アニオンポリマー系高分子凝集剤などが好適である。凝集剤の添加量は、汚泥性状に応じて実験的に定めるのが好ましい。
濃縮機としては、ロータリースクリーン型汚泥濃縮機、スクリュープレス型汚泥濃縮機、遠心濃縮機など各種の汚泥濃縮機を用いることができるが、中でも、前記特開2003−164899号公報記載の汚泥濃縮機が好適である。同号の濃縮機は、凝集槽の水面の位置よりも下側に配置されて、水位差によって前記凝集汚泥をその一の端部から内部に導入する円筒体と、この導入された前記凝集汚泥の水分を、上記水位差によって上記円筒体の内面から外面に向かって分離して通過させる前記円筒体の周面に形成された濾過スクリーン部と、上記円筒体内部に位置して、上記濾過スクリーン部内面を清掃すると共に、前記凝集汚泥を前記円筒体の一の端部から他の端部へ移送し濃縮凝集汚泥として排出するスクリューと、上記濾過スクリーン部から円筒体外部に分離される分離液を収容し、且つこの分離液に前記円筒体の濾過スクリーン部を水没せしめる外容器と、この外容器に設けられた分離液排出口とを備えたものである。この濃縮機は、栗田工業株式会社より商品名アナティスとして販売されている。脱水機としては、フィルタープレス脱水機、ベルトプレス脱水機、遠心脱水機、電気浸透脱水機など各種のものを用いることができる。
以下、実施例及び比較例について説明する。
以下の実施例及び比較例で用いた原水はTOC濃度100mg/Lの電子産業排水である。
装置としては図2に示す浸漬型分離膜を備えたものを用いた。生物処理槽の容積は320m3、膜分離槽の容積は172m3である。この浸漬型分離膜としては、25m2/ユニットの中空糸MF膜(三菱レイヨン(株)製、孔径0.4μm)160ユニットを用いた。
[実施例1]
原水供給量を1700m3/dayとし、BOD負荷を1.5kg−BOD/m3/dayとし、浸漬型分離膜3から真空ポンプ4により処理水(透過水)を取出した。この処理水のTOCは2mg/Lであった。
原水供給量を1700m3/dayとし、BOD負荷を1.5kg−BOD/m3/dayとし、浸漬型分離膜3から真空ポンプ4により処理水(透過水)を取出した。この処理水のTOCは2mg/Lであった。
膜分離槽11から余剰汚泥(固形分濃度12000mg/L)を取り出し、無機凝集剤としてポリ硫酸鉄を乾燥ベースの汚泥重量1kgに対し150gの割合で、すなわち15重量%/TSにて添加し、高分子凝集剤として栗田工業株式会社製両性ポリマークリベストP359を0.6重量%/TSの割合で添加し、凝集槽6で凝集処理した。
次いで、この凝集槽6からの凝集汚泥を、栗田工業株式会社製濃縮機「アナティス」によって3倍に濃縮した。この濃縮汚泥の一部を余剰汚泥に対してDS比で5%(容積比で約1.7%)となるように定量ポンプで引き抜くと共に破砕し、凝集槽6に返送した。濃縮機7からの濃縮汚泥の残部をスクリュープレス脱水機(月島機械株式会社製)によって脱水したところ、含水率は69.6%であった(実施例1)。
[実施例2〜5]
濃縮汚泥の凝集槽6への返送比率をDS比10%(容積比約3.3%)、DS比20%(容積比約6.7%)、DS比30%(容積比10%)、DS比50%(容積比約16.7%)と変えたこと以外は実施例1と同様にして処理を行った。脱水汚泥の含水率を表1に示す。
濃縮汚泥の凝集槽6への返送比率をDS比10%(容積比約3.3%)、DS比20%(容積比約6.7%)、DS比30%(容積比10%)、DS比50%(容積比約16.7%)と変えたこと以外は実施例1と同様にして処理を行った。脱水汚泥の含水率を表1に示す。
[比較例]
実施例1において、濃縮汚泥の返送を行わず、全量を脱水機で脱水したこと以外は実施例1と同様にして処理を行った。脱水汚泥の含水率を表1に示す。
実施例1において、濃縮汚泥の返送を行わず、全量を脱水機で脱水したこと以外は実施例1と同様にして処理を行った。脱水汚泥の含水率を表1に示す。
表1より、本発明によると、低含水率の脱水汚泥が得られること、特に濃縮汚泥の返送比(DS比)を10%以上とすることにより含水率が著しく低下することが認められる。
1 生物処理槽
2 散気管
3 分離膜
6 凝集槽
7 濃縮機
8 脱水機
13 破砕手段
2 散気管
3 分離膜
6 凝集槽
7 濃縮機
8 脱水機
13 破砕手段
Claims (2)
- 有機物を含有する原水を活性汚泥と混合して生物処理する生物処理手段と、
生物処理液を膜分離する膜分離手段と、
該生物処理手段の余剰汚泥を無機凝集剤及び高分子凝集剤で凝集処理する凝集処理手段と、
該凝集処理手段からの凝集汚泥を濃縮する濃縮機と、
該濃縮機からの濃縮汚泥の一部を破砕して前記凝集処理手段に返送する破砕及び返送手段と、
該濃縮機からの濃縮汚泥の残部を脱水する脱水機と、
を備えてなる生物処理装置。 - 請求項1において、前記凝集処理手段は凝集槽を備えており、
前記濃縮機は、該凝集槽の水面の位置よりも下側に配置されて、水位差によって前記凝集汚泥をその一の端部から内部に導入する円筒体と、
この導入された前記凝集汚泥の水分を、上記水位差によって上記円筒体の内面から外面に向かって分離して通過させる前記円筒体の周面に形成された濾過スクリーン部と、
上記円筒体内部に位置して、上記濾過スクリーン部内面を清掃すると共に、前記凝集汚泥を前記円筒体の一の端部から他の端部へ移送し濃縮凝集汚泥として排出するスクリューと、
上記濾過スクリーン部から円筒体外部に分離される分離液を収容し、且つこの分離液に前記円筒体の濾過スクリーン部を水没せしめる外容器と、
この外容器に設けられた分離液排出口と
を備えたものであることを特徴とする生物処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011066277A JP2012200652A (ja) | 2011-03-24 | 2011-03-24 | 生物処理装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019118866A (ja) * | 2017-12-28 | 2019-07-22 | 株式会社東芝 | 水処理装置及び水処理方法 |
WO2020004582A1 (ja) * | 2018-06-29 | 2020-01-02 | 栗田工業株式会社 | 汚泥濃縮装置及び汚泥濃縮方法 |
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2011
- 2011-03-24 JP JP2011066277A patent/JP2012200652A/ja not_active Withdrawn
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