JP2012199627A - レドーム - Google Patents
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Abstract
【課題】 アンテナを空力荷重や空力加熱から保護するための飛しょう体用レドームに使用されるセラミックは、高い耐熱性能を有しているが、広帯域の電波に対して優れた電波透過性を得るのが難しいという課題があった。
【解決手段】 耐熱性を有した繊維強化プラスチック製スキンからなるサンドイッチ構造のレドーム表面に、セラミックファイバを三次元形状に貼り付けやすいタイル形状に成形した複数の耐熱タイルを貼り付けることで、耐熱性を維持したまま広帯域な電波透過特性を得ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 耐熱性を有した繊維強化プラスチック製スキンからなるサンドイッチ構造のレドーム表面に、セラミックファイバを三次元形状に貼り付けやすいタイル形状に成形した複数の耐熱タイルを貼り付けることで、耐熱性を維持したまま広帯域な電波透過特性を得ることができる。
【選択図】 図1
Description
この発明は、飛しょう体用アンテナを保護するレドームに関するものである。
所定の目標に向けて電波誘導にて飛しょうする飛しょう体の先端部には、目標を検知するためのレーダ用アンテナが備えられている。飛しょう体の先端部は空力荷重や空力加熱を受けやすい部位であるため、アンテナを空力荷重や空力加熱から保護するためのレドームを設ける。レドームはレーダ用アンテナが送受信する電波を透過するが、透過する電波の帯域を広帯域化するために、薄肉の誘電体材料を積層してなる多層構造のレドームが知られている。誘電体材料としては、アルミナやコージライト、ヒューズドシリカ焼結体などのセラミクスやFRP(Fiber Reinforced Plastics;繊維強化プラスチック)材などが用いられている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
レドームの誘電体材料に利用されるセラミクスは、耐熱温度800℃以上の耐熱性能を有しているが、脆性材料であることから肉厚を薄くするには加工上の限界があり、広帯域の電波に対して優れた電波特性を得ることは困難であった。
このため出願人等は、レドームを透過する電波を広帯域化するため、透過損失を低減するFRP製のレドームを薄肉化する一方で、空力荷重への耐久強度を確保するため、薄肉化した2層のレドームの間隙を、ハニカム材やフォーム材などのコア材を埋めて結合した構造を提案している。また、飛しょう速度が速く、空力加熱の厳しい飛しょう体については、空力加熱によりFRPが温度上昇して熱分解しないように、断熱効果のあるセラミックファイバを、FRP材の外表面に耐熱ポリイミドワニスで接着した断熱構造を提案している(特願2010−077722)。
しかしながら、三次元曲面形状をなしたレドームに断熱材を貼り付ける場合、断熱材とレドームの加工精度上、面精度が一致しないため、両者に隙間ができて接着が上手く出来ないという問題や、断熱材をレドームにはめ込むように被せた場合、塗布した接着剤がこすれて所望との接着層が得られないという問題があった。
この発明は係る課題を解決するためになされたものであり、三次元曲面を有したレドームについて、セラミックファイバからなる断熱材を、外表面により容易に接着することを目的とする。
この発明によるレドームは、所定の間隙を有して積層される少なくとも2層の繊維強化プラスチック製表皮材と、上記少なくとも2層の繊維強化プラスチック製表皮材の間隙に接着されるコア材とからなり、曲面をなして成形されたサンドイッチ構造レドームと、上記サンドイッチ構造レドームの外側に複数個並べて固着され、セラミックファイバを固めてなる耐熱タイルと、を備え、上記耐熱タイルは、隣接する他の耐熱タイルとの間隙に耐熱樹脂接着剤が充填されて目地埋めされたものである。
この発明によれば、セラミックファイバを固化した複数枚の断熱タイルを、レドームの外表面に敷き詰めて貼り付け、隣接する断熱タイルの隙間に耐熱樹脂接着剤を塗布して硬化させることができるので、耐熱性を向上させるセラミックファイバの接着作業が容易になる。
実施形態1.
図1は、本発明に係る実施形態1による飛しょう体用レドーム1の構造を示す断面図である。図2は、実施形態1による飛しょう体用レドーム1について、セラミックファイバ6の接着及びレインエロージョン塗装を施工する手順を示す図である。実施の形態1に係る飛しょう体用レドーム1は、耐熱性を有した耐熱性FRPサンドイッチ構造レドーム5と、複数の断熱タイル8からなるセラミックファイバ6の成形層80と、レインエロージョン塗膜層4を備えて構成される。飛しょう体用レドーム1は、内側に空洞を有した三次元曲面形状をなしている。
図1は、本発明に係る実施形態1による飛しょう体用レドーム1の構造を示す断面図である。図2は、実施形態1による飛しょう体用レドーム1について、セラミックファイバ6の接着及びレインエロージョン塗装を施工する手順を示す図である。実施の形態1に係る飛しょう体用レドーム1は、耐熱性を有した耐熱性FRPサンドイッチ構造レドーム5と、複数の断熱タイル8からなるセラミックファイバ6の成形層80と、レインエロージョン塗膜層4を備えて構成される。飛しょう体用レドーム1は、内側に空洞を有した三次元曲面形状をなしている。
耐熱性FRPサンドイッチ構造レドーム5は、薄肉化された2層のFRP製スキン材(表皮材)2の間隙に、誘電体からなるコア材3を埋めたサンドイッチ積層体から構成される。FRP製スキン材2は、例えばポリイミド繊維マトリクスを有機バインドで硬化してなる耐熱性のFRP(Fiber Reinforced Plastics;繊維強化プラスチック)材から構成される。耐熱性FRPサンドイッチ構造レドーム5は、所定の間隙を設けて配置され薄肉化されたFRP製スキン材2のサンドイッチ構造を用いることにより、広帯域の電波周波数帯特性を有している。FRP製スキン材2の厚みは、例えば飛しょう体用レドーム1を透過する電波の所望の中心周波数(動作中心周波数)における自由空間波長λ0の1/3000波長以上1/4波長以下が好ましい。また、コア材3の厚みは、例えばλ0の1/150波長以上1/2波長以下の厚さが好ましい。
また、耐熱性FRPサンドイッチ構造レドーム5は、外側のFRP製スキン材2の外表面に、複数の断熱タイル8を並べて積層し接着により固着して、成形層80が形成される。断熱タイル8は、セラミックファイバ6からなる。
また、セラミックファイバをレドーム表面に貼り付ける場合は、セラミックファイバが雨滴衝突に伴う侵食によって劣化しないようにするため、レドーム表面にレインエロージョンの緩和対策を施す必要がある。このため、レインエロージョン塗膜層4が、断熱タイル8の外表面に塗装される。
次に、実施の形態1による飛しょう体用レドーム1の製造方法の一例について、図2を用いて説明する。
まず、予め所望の三次元曲面をなすレドーム形状に薄肉化した2層のFRP性スキン材2の間隙に、樹脂製のハニカム材やフォーム材などのコア材3を埋めて結合して、耐熱性FRPサンドイッチ構造レドーム5を成形する(STEP1)。
なお、FRP性スキン材2の層数を増して3層以上とすることで更に広帯域化を図ることが可能となる。
まず、予め所望の三次元曲面をなすレドーム形状に薄肉化した2層のFRP性スキン材2の間隙に、樹脂製のハニカム材やフォーム材などのコア材3を埋めて結合して、耐熱性FRPサンドイッチ構造レドーム5を成形する(STEP1)。
なお、FRP性スキン材2の層数を増して3層以上とすることで更に広帯域化を図ることが可能となる。
次いで、予め小さく数種類のタイル状に成形したセラミックファイバ6を、シリカゾルなどのコーティング材7で表面を固めて、断熱タイル8を成形する(STEPS2)。
ここで、耐熱性のあるシリカゾルでセラミックファイバ6をコーティングすることにより、セラミックファイバ6が外力により容易に崩れないようにすることができる。例えば、高速で流れる空気や圧力差による外力が作用して、セラミックファイバ6を剥がしたり、崩したりする力を防止することができる。また、コーティングを行うことにより、表面塗布する塗料がセラミックファイバ6へ浸み込み、塗料の厚さ(塗膜厚)が不均一になることで、電波透過特性へ影響することを防ぐことができる。
ここで、耐熱性のあるシリカゾルでセラミックファイバ6をコーティングすることにより、セラミックファイバ6が外力により容易に崩れないようにすることができる。例えば、高速で流れる空気や圧力差による外力が作用して、セラミックファイバ6を剥がしたり、崩したりする力を防止することができる。また、コーティングを行うことにより、表面塗布する塗料がセラミックファイバ6へ浸み込み、塗料の厚さ(塗膜厚)が不均一になることで、電波透過特性へ影響することを防ぐことができる。
次に、耐熱性FRPサンドイッチ構造レドーム5の外気側表面に耐熱樹脂接着剤9を塗布し、耐熱性FRPサンドイッチ構造レドーム5の表面に沿って、複数の断熱タイル8をタイル状(縦横)に並べ、貼り付けて行く(STEPS3)。
ここで、セラミックファイバ6をしっかりと接着固定するため、隣り合う断熱タイル8の隙間10にも耐熱樹脂接着剤9を充填し、目地埋めして接着固定する。このとき、レドーム表面が滑らかになるように施工する。この後、必要に応じて耐熱樹脂9を加熱硬化させる。なお、隣り合う断熱タイル8の隙間10は、0.5〜3mm程度が好ましいが、必要に応じて3mm以上になるように、断熱タイル8を敷設しても良い。
ここで、セラミックファイバ6をしっかりと接着固定するため、隣り合う断熱タイル8の隙間10にも耐熱樹脂接着剤9を充填し、目地埋めして接着固定する。このとき、レドーム表面が滑らかになるように施工する。この後、必要に応じて耐熱樹脂9を加熱硬化させる。なお、隣り合う断熱タイル8の隙間10は、0.5〜3mm程度が好ましいが、必要に応じて3mm以上になるように、断熱タイル8を敷設しても良い。
続いて、断熱タイル8が敷設され、滑らかになった耐熱性FRPサンドイッチ構造レドーム5の外気側レドーム表面に、雨等の液滴衝突に対する表面侵食への耐性を有したレインエロージョン塗料を塗布し、レインエロージョン塗膜層4を形成する(STEPS4)。
ここで、必要に応じてプライマ塗料を下地に施した後に、例えば加熱架橋型フッ素エラストマーからなるレインエロージョン塗料を、例えば0.1〜0.5mm程度塗布する。塗装の膜厚は、必要に応じて増減しても良く、0.5mmを超えても良い。また、飛しょう体用レドーム1について降雨下での使用制約がない場合は、ポリウレタン塗料にしても良い。
ここで、必要に応じてプライマ塗料を下地に施した後に、例えば加熱架橋型フッ素エラストマーからなるレインエロージョン塗料を、例えば0.1〜0.5mm程度塗布する。塗装の膜厚は、必要に応じて増減しても良く、0.5mmを超えても良い。また、飛しょう体用レドーム1について降雨下での使用制約がない場合は、ポリウレタン塗料にしても良い。
以上により、実施の形態1による飛しょう体用レドーム1は、レドーム外気側表面に複数の断熱タイル8を敷き詰めることにより、従来のFRP製レドーム(例えば耐熱温度400℃以下)では実現困難であった、摂氏800℃までの高温度での耐熱性が得られる。勿論、氷結する温度に耐えられることは言うまでもない。
また、断熱タイル8をセラミクスファイバーの成形層で構成することにより、例えばアルミナやコージライトなどの従来セラミクスに比べて誘電率が小さくなり、広帯域な電波透過特性を得ることが可能である。
また、断熱タイル8をセラミクスファイバーの成形層で構成することにより、例えばアルミナやコージライトなどの従来セラミクスに比べて誘電率が小さくなり、広帯域な電波透過特性を得ることが可能である。
また、セラミックファイバ6を貼り付け易いタイル形状に成形し、耐熱樹脂接着剤により耐熱性FRPサンドイッチ構造レドーム5の外表面に接着することで、接着時に断熱材とレドームの間に生じうる隙間が少なくなり、接着が容易になる。また、タイル状に貼り付けていくので貼り付けが難しかった施行性が改善できる。また、レドーム面以外に隣り合うセラミックファイバの間を接着するために強固に固定される。
更に、飛しょう体用レドーム1の外気側表面にレインエロージョン塗膜層4を形成することにより、レインエロージョンを緩和することができるとともに、レドーム表面をより滑らかにすることができる。
実施形態2.
図3は、本発明に係る実施の形態2による飛しょう体用レドーム1を示す断面図である。図4は、実施の形態2による飛しょう体用レドーム1について、セラミックファイバ6の接着及びレインエロージョン塗装を施工する手順を示す図である。実施の形態2に係る飛しょう体用レドーム1は、実施の形態1と同様、耐熱性を有した耐熱性FRPサンドイッチ構造レドーム5と、複数の断熱タイル8からなるセラミックファイバ6の成形層80と、レインエロージョン塗膜層4を備えて構成される。実施の形態2の耐熱性FRPサンドイッチ構造レドーム5は、薄肉化された2層のFRP製スキン材の間隙に、誘電体からなるコア材3を埋めたサンドイッチ積層体から構成される。
図3は、本発明に係る実施の形態2による飛しょう体用レドーム1を示す断面図である。図4は、実施の形態2による飛しょう体用レドーム1について、セラミックファイバ6の接着及びレインエロージョン塗装を施工する手順を示す図である。実施の形態2に係る飛しょう体用レドーム1は、実施の形態1と同様、耐熱性を有した耐熱性FRPサンドイッチ構造レドーム5と、複数の断熱タイル8からなるセラミックファイバ6の成形層80と、レインエロージョン塗膜層4を備えて構成される。実施の形態2の耐熱性FRPサンドイッチ構造レドーム5は、薄肉化された2層のFRP製スキン材の間隙に、誘電体からなるコア材3を埋めたサンドイッチ積層体から構成される。
耐熱性FRPサンドイッチ構造レドーム5をなす内側のFRP製スキン材は、内側レドーム12を構成する。内側レドーム12は、例えばガラス繊維マトリクスに有機バインドを含浸してなるGFRP(Glass Fiber Reinforced Plastics)により成形される。また、耐熱性FRPサンドイッチ構造レドーム5をなす外側のFRP製スキン材は、内側レドーム12よりも耐熱温度を高めた外側レドーム11を構成する。外側レドーム11は、例えばポリイミド繊維マトリクスを有機バインドで硬化してなる耐熱性FRPにより成形される。
また、外側レドーム11の外側表面には、セラミックファイバ6により成形された複数の断熱タイル8を並べて敷き詰め、接着して成形層80を形成した後に、外側レドーム11の内側にコア材3を接着する。
また、外側レドーム11における断熱タイル8の外側には、レインエロージョン塗装を施した塗装面からなるレインエロージョン塗膜層4が形成される。外側レドーム11の内側には、レドーム内側12が成形される。
次に、実施の形態2による飛しょう体用レドーム1の製造方法の一例について、図4を用いて説明する。
まず、外側レドーム11および外側レドーム12のそれぞれについて、薄肉化したFRP製スキン材から三次元曲面をなすレドーム形状を成形する(STEP11)。
このとき、耐熱温度を高めるために成形温度を高温(たとえば300℃)にすることも可能であるが、ハニカム材やフォーム材などのコア材3の成形温度がそれより低く、例えば180℃程度である場合、コア材の成形温度が耐熱温度の制約になる。空力加熱によるレドームの温度分布は外気側が高く、レドーム内側が低いことから、外気側をより高温に耐える構造にすることが有利である。
まず、外側レドーム11および外側レドーム12のそれぞれについて、薄肉化したFRP製スキン材から三次元曲面をなすレドーム形状を成形する(STEP11)。
このとき、耐熱温度を高めるために成形温度を高温(たとえば300℃)にすることも可能であるが、ハニカム材やフォーム材などのコア材3の成形温度がそれより低く、例えば180℃程度である場合、コア材の成形温度が耐熱温度の制約になる。空力加熱によるレドームの温度分布は外気側が高く、レドーム内側が低いことから、外気側をより高温に耐える構造にすることが有利である。
次いで、予め小さく数種類のタイル状に成形したセラミックファイバ6を、シリカゾルなどのコーティング材7で表面を固めて、実施の形態1と同様、断熱タイル8を成形する(STEP12)。
次に、レドーム外側11に、耐熱樹脂接着剤9により断熱タイル8をタイル状(縦横)に貼り付けて行く(STEP13)。
ここで、断熱タイル8をしっかりと接着固定するため、0.5〜3mmの間隔を空けて隣り合う断熱タイル8の隙間10にも、耐熱樹脂接着剤9を充填して目地埋めし接着固定を行う。このとき、レドーム表面が滑らかになるように施工する。この状態でレドーム外側11と耐熱樹脂接着剤9を段階的に熱硬化させ、耐熱性を高めていく。例えば、レドーム外側11が180℃で成形したFRP製スキン材であれば、240℃でPost−cureを行い、最終的に300℃でPost−cureを行って、耐熱性300℃を確保する。
ここで、断熱タイル8をしっかりと接着固定するため、0.5〜3mmの間隔を空けて隣り合う断熱タイル8の隙間10にも、耐熱樹脂接着剤9を充填して目地埋めし接着固定を行う。このとき、レドーム表面が滑らかになるように施工する。この状態でレドーム外側11と耐熱樹脂接着剤9を段階的に熱硬化させ、耐熱性を高めていく。例えば、レドーム外側11が180℃で成形したFRP製スキン材であれば、240℃でPost−cureを行い、最終的に300℃でPost−cureを行って、耐熱性300℃を確保する。
次に、レドーム内側12とレドーム外側11の間隙に、ハニカム材やフォーム材などのコア材3を埋めて、例えば180℃で結合する。これにより、外側により高い耐熱性を有する層の構成された、耐熱性FRPサンドイッチ構造レドーム5が成形される(STEP14)。なお、レドーム内側12はSTEP11の時に成形せず、ここでコア材3と一緒に成形し、耐熱性FRPサンドイッチ構造レドーム5に成形しても良い。
続いて、断熱タイル8が敷設された耐熱性FRPサンドイッチ構造レドーム5の外気側の表面に、実施の形態1と同様、レインエロージョン塗料を塗布し、レインエロージョン塗膜層4を形成する(STEPS15)。
ここで、必要に応じてプライマ塗料を下地に施した後に、レインエロージョン塗料4を例えば0.1〜0.5mm程度塗布する。また、飛しょう体用レドーム1について降雨下での使用制約がない場合は、ポリウレタン塗料にしても良い。
ここで、必要に応じてプライマ塗料を下地に施した後に、レインエロージョン塗料4を例えば0.1〜0.5mm程度塗布する。また、飛しょう体用レドーム1について降雨下での使用制約がない場合は、ポリウレタン塗料にしても良い。
セラミックファイバを三次元形状とし、かつ、貼り付けやすいタイル形状に成形したことで、従来の断熱材とレドームの間の隙間が少なくなり、接着が容易になった。また、レドーム表面にタイル状に貼り付けていくので貼付けが難しかった施工性が改善できた。更に、三次元形状にしたセラミックスファイバーはレドーム面以外に隣り合うセラミックスファイバーの間を接着するため強固に固定される。
以上により、実施の形態2による飛しょう体用レドーム1は、レドーム外気側表面に複数の断熱タイル8を敷き詰めることにより、従来のFRP製レドーム(例えば耐熱温度400℃以下)では実現困難であった、摂氏800℃までの高温度での耐熱性が得られる。
また、レドーム外側11に耐熱温度の高い耐熱性FRPを用い、レドーム内側12に耐熱性FRPよりも安価なGFRPを用いることで、耐熱温度を確保したまま、レドームをより低価格にすることが可能となる。また、外側のFRP製スキン材とセラミックスファイバーを先に成形した後、コア材と内側のFRP製スキン材を接着剤で接着し加熱硬化することで、レドーム外側の耐熱性を向上することができる。
また、レドーム外側11に耐熱温度の高い耐熱性FRPを用い、レドーム内側12に耐熱性FRPよりも安価なGFRPを用いることで、耐熱温度を確保したまま、レドームをより低価格にすることが可能となる。また、外側のFRP製スキン材とセラミックスファイバーを先に成形した後、コア材と内側のFRP製スキン材を接着剤で接着し加熱硬化することで、レドーム外側の耐熱性を向上することができる。
また、断熱タイル8をセラミクスファイバーの成形層で構成することにより、例えばアルミナやコージライトなどの従来セラミクスに比べて誘電率が小さくなり、広帯域な電波透過特性を得ることが可能である。
また、セラミックファイバ6を貼り付け易いタイル形状に成形し、耐熱樹脂接着剤により耐熱性FRPサンドイッチ構造レドーム5の外表面に接着することで、接着時に断熱材とレドームの間に生じうる隙間が少なくなり、接着が容易になる。また、タイル状に貼り付けていくので貼り付けが難しかった施行性が改善できる。また、レドーム面以外に隣り合うセラミックファイバの間を接着するために強固に固定される。
更に、飛しょう体用レドーム1の外気側表面にレインエロージョン塗膜層4を形成することにより、レインエロージョンを緩和することができるとともに、レドーム表面をより滑らかにすることができる。
1 飛しょう体用レドーム、2 FRP製スキン材、3 コア材、4 レインエロージョン塗膜層、5 耐熱性FRPサンドイッチ構造レドーム、6 セラミックファイバ、7 コーティング材、8 断熱タイル、9 耐熱樹脂接着剤、11 レドーム外側、12 レドーム内側。
Claims (5)
- 所定の間隙を有して積層される少なくとも2層の繊維強化プラスチック製表皮材と、上記少なくとも2層の繊維強化プラスチック製表皮材の間隙に接着されるコア材とからなり、曲面をなして成形されたサンドイッチ構造レドームと、
上記サンドイッチ構造レドームの外側に複数個並べて固着され、セラミックファイバを固めてなる耐熱タイルと、
を備え、
上記耐熱タイルは、隣接する他の耐熱タイルとの間隙に耐熱樹脂接着剤が充填されたことを特徴とするレドーム。 - 上記繊維強化プラスチック製表皮材は、耐熱性ポリイミドからなることを特徴とする請求項1記載のレドーム。
- 上記繊維強化プラスチック製表皮材は、レドームの動作周波数帯における概略4分の1波長以下の厚みを有したことを特徴とする請求項1または請求項2記載のレドーム。
- 上記耐熱タイルの最外層が塗装されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載のレドーム。
- 上記サンドイッチ構造レドームは、外側の上記繊維強化プラスチック製表皮材に、上記耐熱タイルを接着した後、内側の上記繊維強化プラスチック製表皮材及び接着剤を加熱硬化して成形されたことを特徴とする請求項1のレドーム。
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