JP2012198838A - 稼働状態分析装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明は、製造装置9の稼働状態を分析する装置5に関する。この装置5は、製造装置9が生成する複数種類の制御信号S1を取得する取得部(通信部)203と、製造装置9が稼働中である場合に複数種類の制御信号S1が充足すべき必要条件を記憶する記憶部202と、その必要条件を記憶部202から読み出し、取得された複数種類の制御信号S1が読み出された必要条件を充足する場合に製造装置9を稼働中と判定し、それ以外の場合に停止中と判定する制御部201とを備える。
【選択図】 図2
Description
このシステムでは、管理コンピュータは自社工場の各製造装置の稼働情報をリアルタイムに収集しており、収集した稼働情報をインターネット経由でサーバコンピュータに定期的に送信するようになっている。
そのセンシング方法の1つとして、例えば、製造装置を画像センサで撮影し、撮影した動画データを管理コンピュータに取り込んでその動画データをコンピュータ解析し、製造装置が連続運転を示す動作をした時点で稼働開始と判定することが考えられる。
また、上記の方法では、どのような画像データの場合に稼働中と判定するかを定義するための分析ロジックを、製造装置の種類ごとに個別にプログラミングする必要があり、この点もシステム構築のコストを高騰化させる原因となる。
このため、製造装置の動画データに基づいてその稼働状態を分析する場合のように、製造装置ごとに稼働状態の分析ロジックをプログラミングし直す必要がなく、製造装置の種類の変化に簡便に対応することができる。
この装置によれば、制御部が、製造装置の強制停止の場合の停止信号が取得された場合に製造装置を停止中と判定するので、前記必要条件のみから製造装置が稼働中か停止中かを判定する場合に比べて、その判定をより正確に行うことができる。
この場合、記憶された稼働時間と停止時間を記憶部から読み出して、例えばディスプレイ等の表示部に表示させることにより、製造装置のこれまでの稼働時間と停止時間をユーザに提示できるようになる。
この場合、記憶された停止原因を記憶部から読み出して、例えばディスプレイ等の表示部に表示させることにより、製造装置の停止時間だけでなくその停止原因についてもユーザに提示できるようになる。
この場合、前記制御部が、前記稼働時間、前記停止時間及びこれに対応する前記停止原因を、前記通信部を通じて前記公衆通信網に送信するようにすれば、公衆通信網と通信可能な端末装置を通じて、遠隔地に居るユーザに対してもそれらの情報を提供することができる。
(a) プレス機の連続運転のオンオフを示す運転状態信号
(b) プレス機のクラッチのオンオフを示すクラッチ状態信号
(c) プレス機のロータリカムスイッチのオンオフを示すスイッチ状態信号
(d) 周辺機器のオンオフを示す機器状態信号
(e) プレス機又は周辺機器の異常発生時に生成される自動アラーム信号
(f) プレス機又は周辺機器に対して手動で入力される非常停止信号
すなわち、運転状態信号が連続運転になっただけでは、金型の上下動が始まるまでにタイムラグがあるため必ずしも稼働開始とは言えないが、プレス機のクラッチとロータリカムスイッチがオンになればプレス機の連続運転が完全に開始したと推定でき、周辺機器の機器状態信号がオンになればその作動も開始したと推定することができる。
(g) 自動運転のオンオフを示す運転状態信号
(h) 主軸回転のオンオフを示す主軸状態信号
(i) 主軸に対する過大負荷時に生成され主軸ラーム信号
(j) 工具が適切に位置決めされない場合に生成される工具アラーム信号
(k) テーブルが適切に位置決めされない場合に生成されるテーブルアラーム信号
すなわち、運転状態信号が自動運転になっただけでは、切削工具による作業を開始するまでにタイムラグがあるため必ずしも稼働開始とは言えないが、その切削工具を回転駆動する主軸が動作を開始すればマシニングセンタの自動運転が完全に開始したと推定することができる。
〔システムの全体構成〕
図1は、本発明を好適に適用可能な稼働状態分析システムの全体構成図である。
図1に示すように、本実施形態の分析システムは、インターネット等の公衆通信網1を通じて通信可能に接続されたサーバコンピュータ2と、複数のクライアントコンピュータ3A,3Bと、各工場4A,4Bに設置された稼働状態分析装置5とを備えている。
各クライアントコンピュータ3A,3Bは、管理会社から予め提示されたアクセスコードをサーバコンピュータ2に送信することにより、そのデータベースに格納された自社工場4A,4Bの稼働情報を当該サーバコンピュータ2から受信することができる。
従って、工場3AのクライアントAは、自社の工場3Aの稼働情報のみをサーバコンピュータ2から受信することができ、工場4BのクライアントBは、自社の工場4Bの稼働情報のみをサーバコンピュータ2から受信することができる。
図2は、工場3A,3Bに設置された稼働状態分析装置5の全体構成図である。
図2に示すように、本実施形態の稼働状態分析装置5は、プレス機7とその周辺機器8よりなる製造装置9の稼働状態を分析するための装置であり、製造装置9の制御信号S1と停止信号S2とを取り出して中継する中継装置10と、この中継装置10と通信可能に接続された管理コンピュータ11とから構成されている。
また、本実施形態のプレス機7は、金型への素材供給と取り出しを自動的に行う連続運転が可能であり、取り出された中間製品はコンベア又はフィーダ等によって下流側に搬送される。なお、プレス機の周辺機器8としては、そのコンベアやフィーダ等の搬送装置の他、プレス機7に素材を供給する供給装置などが含まれる。
このうち、制御部101は、各部を統括的に電子制御するマイクロプロセッサよりなり、記憶部102は、各種データの書き込みと読み出しが可能なROM又はRAMよりなる。また、通信部103は、RS−485等の所定の通信規格に従う通信インタフェースよりなり、電光表示部104は、所定の数量を表示可能なLED表示器よりなる。
記憶部102は、上記制御プログラムを格納するプログラム格納領域と、一時的なデータ格納領域とを有しており、通信部103が取得した各種データはそのデータ格納領域に一時的に記憶される。
また、通信部103は、プレス機7の制御機7Aからプレス済みの中間製品のカウントデータを受信すると、そのデータを管理コンピュータ11に転送するとともに、自装置の制御部102に送る。制御部102は、そのカウントデータに対応する数値となるように電光表示部104のLEDを点灯させる。
従って、制御部101は、通信部103から通知されたカウントデータに対応する数値を電光表示部104の「実績数量」に表示させるとともに、そのカウントデータから演算した上記パーセンテージを電光表示部104の「進度」に表示させる。
本実施形態では、製造装置9がプレス機7とその周辺機器8よりなるので、中継装置10が製造装置9から取得する制御信号S1には、次の(a)〜(d)の信号が含まれる。
(a) プレス機7の連続運転のオンオフを示す運転状態信号
(b) プレス機7のクラッチのオンオフを示すクラッチ状態信号
(c) プレス機7のロータリカムスイッチのオンオフを示すスイッチ状態信号
(d) 周辺機器8のオンオフを示す機器状態信号
この5種類のモードのうち、実際に素材をプレスして製造工程に入る場合には、「連続」が選択されるので、運転状態信号が「連続」である場合をオンとし、それ以外の場合をオフとする。
更に、プレス機7のロータリカムスイッチとは、プレス機7のスライド(金型の往復運動を支持する取り付け部分)やフィーダなどの動作タイミングを得るために使用される回転式スイッチよりなり、(c)の「スイッチ状態信号」がオンになった場合には、ロータリカムスイッチによるタイミング制御が開始されたことを示す。
また、製造装置9から取得する停止信号S2には、次の(e)及び(f)が含まれている。
(e) プレス機7又は周辺機器8の異常発生時に生成される自動アラーム信号
(f) プレス機7又は周辺機器8に対して手動で入力される非常停止信号
図2に示すように、管理コンピュータ11は、制御部201、記憶部202、通信部203、入力部204及びディスプレイ205とを有する。
このうち、制御部201は、PC本体内に設けられたマイクロプロセッサよりなり、記憶部202は、同じPC本体内に設けられたHDD及びメモリよりなる。また、通信部203は、RS−485とLANの通信規格に従う通信インタフェースよりなり、入力部204は、PC本体に接続されたキーボード及びマウス等のヒューマンインタフェースよりなり、ディスプレイ205は、PC本体に接続されたCRT又はLCDよりなる。
記憶部202のHDDには、上記コンピュータプログラムが格納されており、記憶部202のメモリは、通信部203が取得した各種データを一時的に記憶する。
また、制御部201は、中継装置10からプレス済みの中間製品のカウントデータを受信すると、そのカウントデータを、機器ID及びデータ取得した日時と対応づけて記憶部202に記憶させる。
図3は、管理コンピュータ11の制御部201が行う稼働状態の判定処理を示す状態遷移図である。
図3に示すように、製造装置9を「稼働中」と判定するための必要条件は、前記した(a)〜(d)の制御信号S1のすべてがオンとなるアンド条件になっており、この必要条件は記憶部202に予め記憶されている。
逆に、制御部201は、前記(a)〜(d)の制御信号S1がその必要条件に合致しない場合、すなわち、(a)〜(d)の制御信号S1が1つでもオフの場合には、製造装置9が「停止中」であると判定する。また、制御部201は、前記(e)又は(f)の停止信号S2を中継装置10から受信した場合にも、製造装置9が「停止中」であると判定する。
このため、製造装置9の動画データに基づいてその稼働状態を分析する場合のように、製造装置9ごとに稼働状態の分析ロジックをプログラミングし直す必要がなく、製造装置9の種類の変化に簡便に対応することができる。
図4は、管理コンピュータ11の制御部201が行う時間計測処理を示すフローチャートである。
図4に示すように、制御部201は、まず、今回の稼働状態が前回と同じか否かを判定し(ステップST1)、この判定結果が同じである限り、所定の判定周期ΔT(例えば1秒程度)を累積時間Tに加算する処理を継続する(ステップST2)。
また、制御部201は、ステップST3の判定結果が停止中であった場合には、累積時間Tを「停止時間」として出力し(ステップST5)、その停止時間を記憶部202に記憶させる。
管理コンピュータ11の制御部201は、上述の判定処理(図3)と時間計測処理(図4)を製造装置9ごとに行い、製造装置9ごとの稼働時間、停止時間及びその停止に対応する停止原因を含む稼働情報を記憶部202に集積する。
サーバコンピュータ2は、管理コンピュータ11からのアップリンク情報を受信すると、その情報に記されている機器IDごとに稼働情報をデータベースに集積する。
図5は、管理コンピュータ11のディスプレイ205に表示される生産進捗表の一例を示す図である。
この生産進捗表は、特定の製造装置9における1日の進捗状況を表示するもので、横軸が時間帯、縦軸が実績数(生産数)を示している。管理コンピュータ11の記憶部202には、かかる生産進捗表の自動作成ソフトウェアが格納されている。
このように、本実施形態では、製造装置9が停止中と判定した場合にその停止原因を記憶部202に記憶させているので、図5に示すように、停止原因を明らかにした停止時間を生産進捗表に表示でき、より詳細な稼働状況をユーザに提供することができる。
この生産集計表は、特定の製造装置9における稼働時間、停止時間、停止原因ごとの停止時間、実績(生産数量)及び進度などを月毎に集計したデータを、所定の表計算アプリケーションソフトによって作成した表になっている。管理コンピュータ11の記憶部202には、かかる生産集計表の自動作成ソフトウェアも格納されている。
このように、本実施形態では、製造装置9が停止中と判定した場合にその停止原因を記憶部202に記憶させているので、図6に示すように、停止原因ごとの停止時間を生産集計表に表示することができ、より詳細な稼働状況をユーザに提供することができる。
このため、クライアントコンピュータ3A,3Bに上記自動作成ソフトウェアをインストールしておけば、図5の生産進捗表と図6の生産集計表をクライアントコンピュータ3A,3Bにて表示することができる。
図7は、管理コンピュータ11の制御部201が行う別の判定処理を示す状態遷移図である。
図7の状態遷移図は、製造装置9が「マシニングセンタ」の場合のものである。マシニングセンタとは、目的に合わせてフライス加工、中ぐり加工、ねじ立てなどの異種の加工を1台で行うことができる自動工作機械のことであり、工具マガジンに多数の切削工具を有しており、コンピュータ数値制御によって自動的に素材の加工を行う。
(g) 自動運転のオンオフを示す運転状態信号
(h) 主軸回転のオンオフを示す主軸状態信号
このうち、(a)の「運転状態信号」は、マシニングセンタの制御機への手動入力によって選択される運転状態を示す信号であり、自動運転がオンの場合はユーザが自動運転の選択を開始したことを示す。
従って、上記(g)及び(h)の信号がいずれもオンになった場合には、マシニングセンタよりなる製造装置9が正式に自動運転に入り、稼働中であると見なすことができる。
(i) 主軸に対する過大負荷時に生成され主軸ラーム信号
(j) 工具が適切に位置決めされない場合に生成される工具アラーム信号
(k) テーブルが適切に位置決めされない場合に生成されるテーブルアラーム信号
そこで、図7に示すように、マシニングセンタの場合には、製造装置9を「稼働中」と判定するための必要条件を、上記(g)及び(h)の制御信号S1のすべてがオンとなるアンド条件とし、この必要条件を管理コンピュータ11の制御部202に予め記憶させておけばよい。
逆に、制御部201は、前記(g)及び(h)の制御信号S1がその必要条件に合致しない場合、すなわち、前記(g)及び(h)の制御信号S1が1つでもオフの場合には、製造装置9が「停止中」であると判定する。また、制御部201は、前記(i)〜(k)の停止信号S2を中継装置10から受信した場合にも、製造装置9が「停止中」であると判定する。
このため、製造装置9の動画データに基づいてその稼働状態を分析する場合のように、製造装置9ごとに稼働状態の分析ロジックをプログラミングし直す必要がなく、製造装置9の種類の変化に簡便に対応することができる。
今回開示した実施形態は例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の構成と均等の範囲内での全ての変更が含まれる。
例えば、上述の実施形態では、管理コンピュータ11の制御部201が稼働状態の判定処理(図3及び図7)と時間計測処理(図4)を行っているが、これらの処理を個々の中継装置10の制御部101が行い、その処理結果を管理コンピュータ11に送るようにしてもよい。
2 サーバコンピュータ
3A,3B クライアントコンピュータ
4A,4B 工場
5 稼働状態分析装置
7 プレス機
7A プレス機の制御機
8 周辺機器
8A 周辺機器の制御機
9 製造装置
10 中継装置
11 管理コンピュータ
101 制御部
102 記憶部
103 通信部(取得部)
104 電光表示部
201 制御部
202 記憶部
203 通信部
204 入力部
205 ディスプレイ
Claims (10)
- 製造装置の稼働状態を分析する装置であって、
前記製造装置が生成する複数種類の制御信号を取得する取得部と、
前記製造装置が稼働中である場合に複数種類の前記制御信号が充足すべき必要条件を記憶する記憶部と、
前記必要条件を前記記憶部から読み出し、取得された複数種類の前記制御信号が読み出された前記必要条件を充足する場合に前記製造装置を稼働中と判定し、それ以外の場合に停止中と判定する制御部と、
を備えていることを特徴とする稼働状態分析装置。 - 前記取得部は、前記製造装置を強制的に停止させる場合の停止信号を取得可能であり、
前記制御部は、前記停止信号が取得された場合に、前記製造装置を停止中と判定する請求項1に記載の稼働状態分析装置。 - 前記制御部は、稼働中と判定する累積時間である稼働時間と、停止中と判定する累積時間である停止時間とを生成し、生成したそれらの時間を前記記憶部に記憶させる請求項1又は2に記載の稼働状態分析装置。
- 前記制御部は、停止中と判定する根拠となった前記制御信号又は前記停止信号の種類に応じた停止原因を生成し、生成した前記停止原因を前記停止時間に対応させて前記記憶部に記憶させる請求項3に記載の稼働状態分析装置。
- 外部の公衆通信網と通信可能な通信部を更に備え、
前記制御部は、前記稼働時間、前記停止時間及びこれに対応する前記停止原因を、前記通信部を通じて前記公衆通信網に送信する請求項4に記載の稼働状態分析装置。 - 前記製造装置はプレス機とその周辺機器よりなり、
前記制御信号には次の信号(a)〜(d)が含まれ、前記停止信号には次の(e)及び(f)の信号が含まれる請求項1〜5のいずれか1項に記載の稼働状態分析装置。
(a) プレス機の連続運転のオンオフを示す運転状態信号
(b) プレス機のクラッチのオンオフを示すクラッチ状態信号
(c) プレス機のロータリカムスイッチのオンオフを示すスイッチ状態信号
(d) 周辺機器のオンオフを示す機器状態信号
(e) プレス機又は周辺機器の異常発生時に生成される自動アラーム信号
(f) プレス機又は周辺機器に対して手動で入力される非常停止信号 - 前記記憶部が記憶する前記必要条件は、前記(a)〜(d)のすべての信号がオンであるアンド条件に設定されている請求項6に記載の稼働状態分析装置。
- 前記製造装置はマシニングセンタよりなり、
前記制御信号には次の(g)及び(h)の信号が含まれ、前記停止信号には次の(i)〜(k)の信号が含まれる請求項1〜5のいずれか1項に記載の稼働状態分析装置。
(g) 自動運転のオンオフを示す運転状態信号
(h) 主軸回転のオンオフを示す主軸状態信号
(i) 主軸に対する過大負荷時に生成され主軸ラーム信号
(j) 工具が適切に位置決めされない場合に生成される工具アラーム信号
(k) テーブルが適切に位置決めされない場合に生成されるテーブルアラーム信号 - 前記記憶部が記憶する前記必要条件は、前記(g)及び(h)の信号がオンであるアンド条件に設定されている請求項8に記載の稼働状態分析装置。
- 製造装置の稼働状態を分析する方法であって、
前記製造装置が生成する複数種類の制御信号を取得するステップと、
前記製造装置が稼働中である場合に複数種類の前記制御信号が充足すべき必要条件を読み出し、取得された複数種類の前記制御信号が読み出された前記必要条件を充足する場合に前記製造装置が稼働中と判定し、それ以外の場合に停止中と判定するステップと、
を含むことを特徴とする稼働状態分析方法。
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