JP2012197533A - 部分加飾された絹織編物 - Google Patents
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Abstract
【課題】短時間に低コストで製造でき、多品種小ロット生産に適し、しかも製造時に周囲の自然環境に配慮した、部分加飾された絹織編物を提供する。
【解決手段】少なくとも一方の表面が、離散的または連続的なスポット熱処理を受けた一群の微小領域と、スポット熱処理を受けていない残りの領域と、からなる。熱処理による微小領域の表層の絹糸の溶融および/または膨張によって、微小領域と残りの領域との間に色差が生じ、それによって表面に柄が発現している。
【選択図】なし
【解決手段】少なくとも一方の表面が、離散的または連続的なスポット熱処理を受けた一群の微小領域と、スポット熱処理を受けていない残りの領域と、からなる。熱処理による微小領域の表層の絹糸の溶融および/または膨張によって、微小領域と残りの領域との間に色差が生じ、それによって表面に柄が発現している。
【選択図】なし
Description
本発明は、部分加飾された絹織物および絹編物(以下、「絹織編物」と総称する。)に関するものである。
絹織編物を部分加飾する従来法の1つとして、例えば、絞り染め加工法が知られている(例えば、特許文献1参照)。絞り染め加工法は、絹織編物の一部を絞り糸でくくり締めて絞り加工を施し、次いで、絹織編物の全体を染料によって染色(引き染めまたは浸し染め)した後、絞り糸を解くことによって、絹織編物の全体に絞り部分の立体的な凹凸跡を鮮明に表出させつつ、絹織編物の全体を染色するものである。
しかしながら、絞り染め加工には多数の工程が必要とされ、よって加工に手間と時間がかかるという問題があった。また、使用する染料によっては、染色後の廃液処理が周囲の自然環境に悪影響を及ぼすおそれがあった。
また、絹織編物を部分加飾する別の方法として、例えば、エンボス加工法が知られている(例えば、特許文献2参照)。エンボス加工法は、絹織編物を、所定の柄に対応した凹凸を有する賦型面によって熱プレスすることによって、絹織編物の表面に凹凸の柄を表出させるものである。
エンボス加工法によれば、賦型面を備えた版を予め準備する必要があるが、この版の製造には手間と時間がかかり、よって製造コストが高くつき、また、柄の変更には新たな版が必要なため、容易に柄を変更できないという問題があり、多品種小ロット生産には全く適していなかった。
絹織編物を部分加飾するさらに別の方法として、抜染加工法が知られている。抜染加工法は、無地染めした布帛に還元剤または酸化剤を含む抜染糊をプリントし、その部分の色を抜いて模様をつけるものである。
しかしながら、抜染加工法においては、還元剤または酸化剤等の抜染剤を使用するため、換気をし、手袋を装着する等、作業環境に配慮する必要がある。また、仕上げ工程で、抜染剤を水で洗い流すので、廃液処理が周囲の自然環境に悪影響を及ぼすおそれがあった。
また、レーザービームによる熱エネルギーを利用して布帛の賦型加工を行う方法が、従来技術において知られている(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。この方法は、専ら、熱可塑性の合成繊維から形成された織編物、特に、立毛織編物に適用され、該立毛織編物にレーザービームを照射し、立毛を溶融させて織編物表面に凹凸の柄を描出するものである。
本発明の課題は、短時間に低コストで製造でき、多品種小ロット生産に適し、しかも製造時に周囲の自然環境に配慮した、部分加飾された絹織編物を提供することにある。
本発明者は、絹織編物が非常に高価であり、これに熱的処理を加えることは、一般に、絹織編物を傷め、商品価値を損なうものとして禁忌されていたところ、鋭意研究を重ねた結果、絹織編物にある種の熱的処理を加えることが、絹織編物の部分加飾に有効であることを見出した。
こうして、本発明は、絹糸を主体とする織編物であって、少なくとも一方の表面が、離散的または連続的なスポット熱処理を受けた一群の微小領域と、前記スポット熱処理を受けていない残りの領域と、からなり、前記スポット熱処理による前記微小領域の表層の絹糸の溶融および/または膨張によって、前記微小領域と前記残りの領域との間に色差が生じ、それによって前記表面に柄が発現していることを特徴とする絹織編物としたものである。
本発明の好ましい実施例によれば、前記絹織編物が染色された先練織編物または後練織編物であり、前記色差が、前記微小領域の表層の絹糸の前記溶融および/または膨張に伴う部分抜染によって生じている。この場合、L*a*b*表色系における前記微小領域と前記残りの領域の色差ΔEが0.5以上であり、かつ、前記微小領域のL*値が、前記残りの領域のL*値より1.0以上大きいことが好ましい。
本発明の別の好ましい実施例によれば、前記絹織編物が生機を精練した染色前の後練織物であり、前記色差が、前記微小領域の表層の絹糸の前記溶融および/または膨張に伴う部分白化によって生じている。この場合、L*a*b*表色系における前記微小領域と前記残りの微小領域の色差ΔEが0.1以上であることが好ましい。
本発明のさらに別の好ましい実施例によれば、前記絹織編物が前記熱処理後に染色された後練織物であり、前記色差が、前記微小領域の表層の絹糸の、前記溶融および/または膨張に伴う染着抑制作用によって生じている。この場合、L*a*b*表色系における前記微小領域と前記残りの領域の色差ΔEが0.5以上であることが好ましい。
本発明のさらに別の好ましい実施例によれば、前記スポット熱処理が、レーザービームの照射または電子ビームの照射または熱水蒸気流の照射または高温ガス流の照射またはプラズマの照射によって行われる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明による部分加飾された絹織編物は、少なくとも一方の表面が、離散的または連続的なスポット熱処理を受けた一群の微小領域と、スポット熱処理を受けていない残りの領域とからなり、スポット熱処理による微小領域の表層の絹糸の溶融および/または膨張によって、微小領域と残りの領域との間に色差が生じ、それによって該表面に柄が発現している。
本発明による部分加飾された絹織編物は、少なくとも一方の表面が、離散的または連続的なスポット熱処理を受けた一群の微小領域と、スポット熱処理を受けていない残りの領域とからなり、スポット熱処理による微小領域の表層の絹糸の溶融および/または膨張によって、微小領域と残りの領域との間に色差が生じ、それによって該表面に柄が発現している。
ここで、絹織編物は、絹糸を主体とする織編物であり、絹糸を主体とする織編物には、生糸または絹糸(練糸、絹紡糸)を用いて形成された織編物だけでなく、絹繊維と綿、麻、羊毛等の他の天然繊維との混繊糸から形成された織編物や、絹繊維とポリエステルやレーヨン等の合成繊維との混繊糸から形成された織編物や、生糸または絹糸と、箔糸や金銀糸との交織または交編による織編物も含む。なお、絹織編物の組織構成は特に限定されない。また、絹織編物は、織組織および編組織によって予め表面に柄が表出しているものでもよい。
本発明による絹織編物は、先染めされたものがスポット熱処理されていてもよいし、スポット熱処理後に後染めされたものでもよい。染色法は、浸染(糸染め、反染め)および捺染(直接、転写、スクリーン、インクジェット)のいずれでもよい。この場合、染料として、直接染料、酸性染料、塩基性染料、クロム染料、反応染料および建染染料等の化学染料を使用することもできるし、藍、茜等の植物染料を使用することもできる。
また、染色は、単色染めでもよいし、多色染めでもよい。
また、本発明による絹織編物は、精練前にスポット熱処理されたものでもよいし、精練後にスポット熱処理されたものでもよい。
また、染色は、単色染めでもよいし、多色染めでもよい。
また、本発明による絹織編物は、精練前にスポット熱処理されたものでもよいし、精練後にスポット熱処理されたものでもよい。
スポット熱処理は、レーザービームの照射または電子ビームの照射または熱水蒸気流の照射または高温ガス流の照射またはプラズマの照射によって行うことができるが、特に、レーザービームの照射によるのが好ましい。
また、スポット熱処理の処理面積は、生産性や望まれる柄の加工の細かさ等を考慮すれば、0.1〜2mmのスポット径になるようにするのが好ましい。
また、スポット熱処理の処理面積は、生産性や望まれる柄の加工の細かさ等を考慮すれば、0.1〜2mmのスポット径になるようにするのが好ましい。
離散的なスポット熱処理の場合には、熱処理された微小領域が織編物表面にドット状に分布するが、このとき、これらの微小領域の密度分布を変更し、明度分布を変化させることにより、織編物表面に任意の色相のグラデーション表現を行うことが可能となる。
連続的なスポット熱処理の場合には、スポット熱処理を1本の直線または曲線に沿って1次元的に行えば、絹織編物の表面に直線状または曲線状の柄を発現させることができ、スポット熱処理を2次元的に行えば、絹織編物の表面に面状の柄を発現させることができる。
連続的なスポット熱処理の場合には、スポット熱処理を1本の直線または曲線に沿って1次元的に行えば、絹織編物の表面に直線状または曲線状の柄を発現させることができ、スポット熱処理を2次元的に行えば、絹織編物の表面に面状の柄を発現させることができる。
スポット熱処理による微小領域の表層の絹糸の溶融および/または膨張は、絹糸を構成するセリシンやフィブロインと呼ばれるタンパク質が熱分解で軟化することによって生じたものと考えられる。中でも膨張現象は、主として、フィブロインを構成する複数のフィブリルの間に存在する空気層が熱で膨張することで生じたものと考えられる。
そして、絹織編物が染色された先練織編物または後練織編物からなっているときは、色差は、微小領域の表層の絹糸の溶融および/または膨張に伴う部分抜染によって生じる。抜染は、熱分解によって、絹糸に染着していた染料が昇華や分解することで消失することによって生じたものと考えられる。この場合、L*a*b*表色系における微小領域と残りの領域の色差ΔEが0.5以上であり、かつ、微小領域のL*値が残りの領域のL*値より1.0以上大きいことが好ましい。
絹織編物が生機を精練した染色前の後練織物からなっているときは、色差は、微小領域の表層の絹糸の溶融および/または膨張に伴う部分白化によって生じる。この場合、L*a*b*表色系における微小領域と残りの微小領域の色差ΔEが0.1以上であることが好ましい。
そして、精練後の白い絹織編物についても、人間によって十分に知覚され得る色差を発現させることができる。
そして、精練後の白い絹織編物についても、人間によって十分に知覚され得る色差を発現させることができる。
絹織編物がスポット熱処理後に染色された後練織物であるときは、色差は、微小領域の表層の絹糸の、溶融および/または膨張に伴う染着抑制作用によって生じている。この場合、L*a*b*表色系における微小領域と残りの領域の色差ΔEが0.5以上であることが好ましい。
このとき、染色する色の濃度によって色差の発現が異なる。
濃色系の染色の場合は、熱処理を受けた領域は、絹糸の溶融および/または膨張に伴って絹糸が改質されたことで、染料が十分染着できず、それにより熱処理を受けていない領域との間で染料の染着量に差が生じ、熱処理を受けた領域は薄い色に染まるものと考えられる。
一方、淡色系の染色の場合は、熱処理を受けた領域は、絹糸の溶融および/または膨張に伴って絹糸が改質されたことで、表面反射率が低下し、熱処理を受けていない領域との間で表面反射率の違いが生じ、それが色差として発現し、熱処理を受けた領域が、人間によって濃い色として知覚されるものと考えられる。
このとき、染色する色の濃度によって色差の発現が異なる。
濃色系の染色の場合は、熱処理を受けた領域は、絹糸の溶融および/または膨張に伴って絹糸が改質されたことで、染料が十分染着できず、それにより熱処理を受けていない領域との間で染料の染着量に差が生じ、熱処理を受けた領域は薄い色に染まるものと考えられる。
一方、淡色系の染色の場合は、熱処理を受けた領域は、絹糸の溶融および/または膨張に伴って絹糸が改質されたことで、表面反射率が低下し、熱処理を受けていない領域との間で表面反射率の違いが生じ、それが色差として発現し、熱処理を受けた領域が、人間によって濃い色として知覚されるものと考えられる。
本発明によれば、絹糸を主体とする織編物が離散的または連続的なスポット熱処理をうけることによって、織編物の表面に柄が発現するので、スポット熱処理のパターンを変更するだけで、簡単に短時間で、かつ低コストで柄の変更ができる。それによって、本発明によれば、多品種小ロット生産に適した織編物を提供することができる。
さらに、本発明によれば、スポット熱処理の処理面積を小さくすることで、織編物表面に、微細加工された柄を発現させることができる。
また、本発明によれば、薬品等は一切使用されないので、廃液処理の問題は生じず、周辺環境に悪影響を及ぼすことがない。
さらに、本発明によれば、スポット熱処理の処理面積を小さくすることで、織編物表面に、微細加工された柄を発現させることができる。
また、本発明によれば、薬品等は一切使用されないので、廃液処理の問題は生じず、周辺環境に悪影響を及ぼすことがない。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例1〜5において使用するCO2レーザ装置はいずれも同じものであり、そのスペックは次のとおりである。
定格出力333W
波長10.6μm
パルス長10μs〜1000μs
色の測定は、GretagMacbeth社製のSpectrolinoのD65フィルターを用いて、CIE Labの値を測定することによって行った。
また、2つの色の色差ΔEは、次式で定義される。
ΔE=((L*値の差)2+(a*値の差)2+(b*値の差)2)1/2
定格出力333W
波長10.6μm
パルス長10μs〜1000μs
色の測定は、GretagMacbeth社製のSpectrolinoのD65フィルターを用いて、CIE Labの値を測定することによって行った。
また、2つの色の色差ΔEは、次式で定義される。
ΔE=((L*値の差)2+(a*値の差)2+(b*値の差)2)1/2
[実施例1]
絹織編物として、酸性染料で染色した、経糸に21中15×2の絹糸、緯糸に21中18×2を用いて製織した40枚綴織を使用した。そして、この織物を長手方向に一定速度で一方向に送りながら、CO2レーザー装置からのレーザービームを、ガルバノミラーを用いて織物の幅方向に往復運動させつつ、予め設定した波柄のパターンで織物に照射して、スポット熱処理をした。
そして、当該織物の表面をカメラで撮影し、図1に示すような画像を得た。また、当該織物の表面における、スポット熱処理を受けた領域とスポット熱処理を受けていない領域の境界を、光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡で撮影し、図2および図3に示すような画像を得た。
図2および図3から、スポット熱処理を受けた領域では、表層の絹糸が、スポット熱処理を受けていない領域の絹糸の1.5倍以上の太さに膨張していることがわかる。
絹織編物として、酸性染料で染色した、経糸に21中15×2の絹糸、緯糸に21中18×2を用いて製織した40枚綴織を使用した。そして、この織物を長手方向に一定速度で一方向に送りながら、CO2レーザー装置からのレーザービームを、ガルバノミラーを用いて織物の幅方向に往復運動させつつ、予め設定した波柄のパターンで織物に照射して、スポット熱処理をした。
そして、当該織物の表面をカメラで撮影し、図1に示すような画像を得た。また、当該織物の表面における、スポット熱処理を受けた領域とスポット熱処理を受けていない領域の境界を、光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡で撮影し、図2および図3に示すような画像を得た。
図2および図3から、スポット熱処理を受けた領域では、表層の絹糸が、スポット熱処理を受けていない領域の絹糸の1.5倍以上の太さに膨張していることがわかる。
また、こうして得られた、ベージュ色系統、小豆色系統、赤色系統、朱色系統の4種の色緯糸の織った綴織に対して、スポット熱処理を受けた領域とスポット熱処理を受けてない領域の色を測定した。測定結果を表1〜表4に示す。
表1〜表4から、スポット熱処理を受けた領域とスポット熱処理を受けてない領域の色を比較すると、L*値が10以上高くなり、色差ΔEも10以上となることがわかる。
[実施例2]
絹織編物として、経糸に26中×2 無撚の絹糸、緯糸に26中×4 250T/Mの絹糸を用いて、2/1の綾組織で製織した生機を、粗練り、本練り、仕上練りの手順で精練した織物を使用した。そして、この織物を長手方向に一定速度で一方向に送りながら、CO2レーザー装置からのレーザービームを、ガルバノミラーを用いて織物の幅方向に往復運動させつつ、あらかじめ設定された波柄のパターンで織物に照射して、スポット熱処理をした。
そして、当該織物の表面をカメラで撮影し、図4に示すような画像を得た。また、当該織物の表面における、スポット熱処理を受けた領域とスポット熱処理を受けていない領域の境界を光学顕微鏡で撮影し、図5に示すような画像を得た。
また、こうして得られた織物について、スポット熱処理を受けた領域とスポット熱処理を受けてない領域の色を測定した。測定結果を表5に示す。
絹織編物として、経糸に26中×2 無撚の絹糸、緯糸に26中×4 250T/Mの絹糸を用いて、2/1の綾組織で製織した生機を、粗練り、本練り、仕上練りの手順で精練した織物を使用した。そして、この織物を長手方向に一定速度で一方向に送りながら、CO2レーザー装置からのレーザービームを、ガルバノミラーを用いて織物の幅方向に往復運動させつつ、あらかじめ設定された波柄のパターンで織物に照射して、スポット熱処理をした。
そして、当該織物の表面をカメラで撮影し、図4に示すような画像を得た。また、当該織物の表面における、スポット熱処理を受けた領域とスポット熱処理を受けていない領域の境界を光学顕微鏡で撮影し、図5に示すような画像を得た。
また、こうして得られた織物について、スポット熱処理を受けた領域とスポット熱処理を受けてない領域の色を測定した。測定結果を表5に示す。
表5から、スポット熱処理を受けた領域とスポット熱処理を受けてない領域の色を比較すると、色差ΔEが0.3以上となることがわかる。
[実施例3]
絹織編物として、経糸に26中×2 無撚の絹糸、緯糸に26中×4 250T/Mの絹糸を用いて、2/1の綾組織で製織した生機を、粗練り、本練り、仕上練りの手順で精練した織物を使用した。そして、この織物を長手方向に一定速度で一方向に送りながら、CO2レーザー装置からのレーザービームを、ガルバノミラーを用いて織物の幅方向に往復運動させつつ、予め設定した波柄のパターンで織物に照射して、スポット熱処理をした。
そして、当該織物の表面をカメラで撮影し、図4に示すような画像を得た。また、当該織物の表面における、スポット熱処理を受けた領域とスポット熱処理を受けていない領域の境界を光学顕微鏡で撮影し、図5に示すような画像を得た。
絹織編物として、経糸に26中×2 無撚の絹糸、緯糸に26中×4 250T/Mの絹糸を用いて、2/1の綾組織で製織した生機を、粗練り、本練り、仕上練りの手順で精練した織物を使用した。そして、この織物を長手方向に一定速度で一方向に送りながら、CO2レーザー装置からのレーザービームを、ガルバノミラーを用いて織物の幅方向に往復運動させつつ、予め設定した波柄のパターンで織物に照射して、スポット熱処理をした。
そして、当該織物の表面をカメラで撮影し、図4に示すような画像を得た。また、当該織物の表面における、スポット熱処理を受けた領域とスポット熱処理を受けていない領域の境界を光学顕微鏡で撮影し、図5に示すような画像を得た。
その後、当該織物を、ウインス染色機で、酸性染料を用いて染液温度60度で約1時間染色し、その後、脱水、水洗い後、アイロンで仕上げて、紫色系統の濃色に染色した。
こうして得られた織物について、スポット熱処理を受けた領域とスポット熱処理を受けてない領域の色を測定した。測定結果を表6に示す。
こうして得られた織物について、スポット熱処理を受けた領域とスポット熱処理を受けてない領域の色を測定した。測定結果を表6に示す。
表6から、スポット熱処理を受けた領域とスポット熱処理を受けてない領域の色を比較すると、L*値が2.0以上高くなり、色差ΔEも3.0以上となることがわかる。
[実施例4]
絹織編物として、経糸に26中×2 無撚の絹糸、緯糸に26中×4 250T/Mの絹糸を用いて、2/1の綾組織で製織した生機を、粗練り、本練り、仕上練りの手順で精練した織物を使用した。そして、この織物を長手方向に一定速度で一方向に送りながら、CO2レーザー装置からのレーザービームを、ガルバノミラーを用いて織物の幅方向に往復運動させつつ、あらかじめ設定された波柄のパターンで織物に照射して、スポット熱処理をした。
そして、当該織物の表面をカメラで撮影し、図4に示すような画像を得た。また、当該織物の表面における、スポット熱処理を受けた領域とスポット熱処理を受けていない領域の境界を光学顕微鏡で撮影し、図5に示すような画像を得た。
絹織編物として、経糸に26中×2 無撚の絹糸、緯糸に26中×4 250T/Mの絹糸を用いて、2/1の綾組織で製織した生機を、粗練り、本練り、仕上練りの手順で精練した織物を使用した。そして、この織物を長手方向に一定速度で一方向に送りながら、CO2レーザー装置からのレーザービームを、ガルバノミラーを用いて織物の幅方向に往復運動させつつ、あらかじめ設定された波柄のパターンで織物に照射して、スポット熱処理をした。
そして、当該織物の表面をカメラで撮影し、図4に示すような画像を得た。また、当該織物の表面における、スポット熱処理を受けた領域とスポット熱処理を受けていない領域の境界を光学顕微鏡で撮影し、図5に示すような画像を得た。
その後、当該織物を、ウインス染色機で、酸性染料を用いて染液温度60度で約1時間染色し、その後、脱水、水洗い後、アイロンで仕上げて、薄緑色系統の淡色に染色した。
こうして得られた織物について、スポット熱処理を受けた領域とスポット熱処理を受けてない領域の色を測定した。測定結果を表7に示す。
こうして得られた織物について、スポット熱処理を受けた領域とスポット熱処理を受けてない領域の色を測定した。測定結果を表7に示す。
表7から、スポット熱処理を受けた領域とスポット熱処理を受けてない領域の色を比較すると、L*値が1.0以上低くなり、色差ΔEも1.0以上となることがわかる。
[実施例5]
絹織編物として、経糸に26中×2 無撚の絹糸、緯糸に26中×4 250T/Mの絹糸を用いて、2/1の綾組織で製織した生機を使用した。そして、この織物を一定速度で一方向に送りながら、CO2レーザー装置からのレーザービームを、ガルバノミラーを用いて織物の幅方向に往復運動させつつ、予め設定された波柄のパターンで織物に照射して、スポット熱処理をした。
そして、当該織物の表面をカメラで撮影し、図4に示すような画像を得た。また、当該織物の表面における、スポット熱処理を受けた領域とスポット熱処理を受けていない領域の境界を光学顕微鏡で撮影し、図5に示すような画像を得た。
絹織編物として、経糸に26中×2 無撚の絹糸、緯糸に26中×4 250T/Mの絹糸を用いて、2/1の綾組織で製織した生機を使用した。そして、この織物を一定速度で一方向に送りながら、CO2レーザー装置からのレーザービームを、ガルバノミラーを用いて織物の幅方向に往復運動させつつ、予め設定された波柄のパターンで織物に照射して、スポット熱処理をした。
そして、当該織物の表面をカメラで撮影し、図4に示すような画像を得た。また、当該織物の表面における、スポット熱処理を受けた領域とスポット熱処理を受けていない領域の境界を光学顕微鏡で撮影し、図5に示すような画像を得た。
その後、当該織物を、粗練り、本練り、仕上練りの手順で精練した後、ウインス染色機で、酸性染料を用いて染液温度60度で約1時間染色し、その後、脱水、水洗い後、アイロンで仕上げて、紫色系統の濃色に染色した。
こうして得られた織物について、スポット熱処理を受けた領域とスポット熱処理を受けてない領域の色を測定した。測定結果を表8に示す。
こうして得られた織物について、スポット熱処理を受けた領域とスポット熱処理を受けてない領域の色を測定した。測定結果を表8に示す。
表8から、スポット熱処理を受けた領域とスポット熱処理を受けてない領域の色を比較すると、L*値が0.5以上高くなり、色差ΔEも4.0以上となることがわかる。
本発明は、絹織編物の部分加飾に適用できるだけでなく、絹織編物を縫製等して製造した、例えば、帯、着物をはじめ、名刺入れ、袱紗、草履、バッグ等の小物雑貨品、カーテン、テーブルセンター、間仕切り、椅子カバー、クッション等のインテリア装飾品、アパレル等の表面に部分加飾の加工を施す場合にも適用可能である。
Claims (8)
- 絹糸を主体とする織編物であって、
少なくとも一方の表面が、離散的または連続的なスポット熱処理を受けた一群の微小領域と、前記スポット熱処理を受けていない残りの領域と、からなり、
前記熱処理による前記微小領域の表層の絹糸の溶融および/または膨張によって、前記微小領域と前記残りの領域との間に色差が生じ、それによって前記表面に柄が発現していることを特徴とする絹織編物。 - 前記絹織編物が染色された先練織編物または後練織編物であり、前記色差が、前記微小領域の表層の絹糸の前記溶融および/または膨張に伴う部分抜染によって生じていることを特徴とする請求項1に記載の絹織編物。
- 前記絹織編物が生機を精練した染色前の後練織物であり、前記色差が、前記微小領域の表層の絹糸の前記溶融および/または膨張に伴う部分白化によって生じていることを特徴とする請求項1に記載の絹織編物。
- 前記絹織編物が前記スポット熱処理後に染色された後練織物であり、前記色差が、前記微小領域の表層の絹糸の、前記溶融および/または膨張に伴う染着抑制作用によって生じていることを特徴とする請求項1記載の絹織編物。
- L*a*b*表色系における前記微小領域と前記残りの領域の色差ΔEが0.5以上であり、かつ前記微小領域のL*値が前記残りの領域のL*値より1.0以上大きいことを特徴とする請求項2に記載の絹織編物。
- L*a*b*表色系における前記微小領域と前記残りの領域の色差ΔEが0.1以上である請求項3に記載の絹織編物。
- L*a*b*表色系における前記微小領域と前記残りの領域の色差ΔEが0.5以上であることを特徴とする請求項4に記載の絹織編物。
- 前記スポット熱処理が、レーザービームの照射または電子ビームの照射または熱水蒸気流の照射または高温ガス流の照射またはプラズマの照射によって行われることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の絹織編物。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021137277A1 (ja) * | 2019-12-29 | 2021-07-08 | ユケンケミカル株式会社 | 衣類の製造方法、染色生地及び薬剤 |
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2011
- 2011-03-22 JP JP2011062272A patent/JP2012197533A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021137277A1 (ja) * | 2019-12-29 | 2021-07-08 | ユケンケミカル株式会社 | 衣類の製造方法、染色生地及び薬剤 |
CN113994045A (zh) * | 2019-12-29 | 2022-01-28 | 油研化学有限公司 | 服装的制造方法、染色布料和化学试剂 |
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