JP2012197530A - クッション性を有する不織布シート、およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量で嵩高く、高い通気性を有し、クッション性に優れた不織布シートを得る。
【解決手段】単糸繊度が6dtexを超えて120dtexまでの熱接着性合成繊維を主成分とし、目付けが30〜2,500g/m2であるエアレイド不織布からなり、片面に複数の凸状部を有し、他方の面が平面状であり、凸状部と陥没部の目付けの比が1.2〜30/1であり、凸状部と陥没部の表面積の比が1/0.05〜10である、クッション性を有する不織布シート。
【選択図】図1
【解決手段】単糸繊度が6dtexを超えて120dtexまでの熱接着性合成繊維を主成分とし、目付けが30〜2,500g/m2であるエアレイド不織布からなり、片面に複数の凸状部を有し、他方の面が平面状であり、凸状部と陥没部の目付けの比が1.2〜30/1であり、凸状部と陥没部の表面積の比が1/0.05〜10である、クッション性を有する不織布シート。
【選択図】図1
Description
本発明は、軽量で嵩高く、高い通気性を有し、クッション性に優れた不織布シートに関する。
従来から、合成繊維で構成された不織布は、嵩高性及び軽量性を有し、使い捨ておむつやウェットワイパーなどの衛生又は医療用途、衣料用途のみならず、クッション材や吸音材などの産業用途にも広く使用されている。例えば、家具、寝具、車両などのクッション材として、発泡ウレタンなども使用されているが、用途によっては、弾性が強すぎ、風合いが充分ではなく、通気性も低い。これに対して、不織布は、エアレイド不織布、ニードルパンチ不織布、熱風式サーマルボンド不織布など、柔軟性に優れ、風合いや通気性にも優れている。しかし、不織布は、クッション性や形態安定性が充分でなく、繊維の脱落という問題も有している。そこで、クッション性を生かした不織布の用途においては、これらの欠点を改良するための開発が行われている。
例えば、特許文献1(特開2008−25085号公報)には、凹凸のあるコンベア上にウェブをのせ、熱風で凸状模様や開口部を明ける手法を用い、縦方向と横方向とを有する不織布であって、縦方向に形成される複数の開口部を備え、前記複数の開口部それぞれにおける前記横方向における一方の側縁部は、前記横方向における他方の側縁部よりも繊維密度が高い、衛生用品、ワイパー等の清掃用品、マスク等の医療用品などに有用な不織布が提案されている。この不織布は、凹凸や開口が形成された不織布において、凸部や凹部等における繊維密度が極度に高くならずに、開口の周縁の一部のみを高密度化するように調整された不織布である。しかしながら、この不織布は、繊維密度、凸状部の高さの制御が困難である。
また、特許文献2(特開2009−280920号公報)には、オレフィン系熱可塑性樹脂のサイドバイサイドの複合形態であり、単糸繊度が1〜10dtex、繊維長が3〜20mmであり、捲縮形状指数(短繊維実長/短繊維末端間距離)が1.05〜1.60の範囲である平面ジグザグ捲縮を有し、エアレイド法で得られたウェブを145℃で熱処理した際のウェブ収縮率が40%以上であるエアレイド不織布製造用複合繊維を用い、エアレイド法により、伸縮性、高クッション性、液体吸収性に優れたクッション材として有用な不織布を製造する技術が提案されている。この特許文献によれば、潜在捲縮が顕在化してスパイラル捲縮を発現することで高度にウェブを収縮させることができ、よって高密度で目付が大きいエアレイド不織布が得られる。しかしながら、得られる不織布は、全般的に繊維密度は上がるが、凹凸模様はできない。
さらに、特許文献3(特開平5−3894号公報)には、不織布製クッション材の表裏に横方向に多数の溝部を形成したものであって、且つ前記溝部は表裏相対する溝部の略中間に互い違いとなるように形成させた詰物を用いたマットレスが提案されている。このマットレスは、屈曲性があり、クッション性に優れるが、通気性が少なく、凸部が柔らかく,凹部が固く、使用感が悪い。
さらに、特許文献4(特開2000−335670号公報)には、多孔質材料を基材とし、厚み50μm以下の高分子樹脂を積層した材料を全体もしくは少なくとも一部に用いた袋状包装体が提案されているが、青果物への包装材の接触面積が大きく、かつ、空気の流れが悪く、鮮度保持力はひくい。
さらに、特許文献5(特開2009−263811号公報)には、線状体で構成された平板状ネット部材(A)、および該線状体に対して融着した網目状基底部と、平板状ネット部材(A)の各網目において網目状基底部とは反対方向に膨出した複数の膨出部とで構成された不織布部材(B)を備え、網目状基底部の網目の平均孔径が1〜30mm、線状体の平均径/網目の平均径=1/1〜1/100である複合シートが提案されており、この複合シートは、立体的で表面積が大きく、形態安定性にも優れ、フィルターに有用である、とされている。しかしながら、この複合シートは、線状体が狭く、かつ凸状部の形態が不安定なため、フィルターとして用いると風圧による変形があり、実用的でない。
本発明は、軽量で嵩高く、高い通気性を有し、クッション性に優れた不織布シートに関する。
本発明は、単糸繊度が6dtexを超えて120dtexまでの熱接着性合成繊維を主成分とし、目付けが30〜2,500g/m2であるエアレイド不織布からなり、片面に複数の凸状部を有し、他方の面が平面状であり、凸状部と陥没部の目付けの比が1.2〜30/1であり、凸状部と陥没部の表面積の比が1/0.05〜10である、クッション性を有する不織布シートに関する。
次に、本発明は、所定量の解繊された熱接着性合成繊維を主成分とする繊維を空気流に均一分散させながら搬送し、吐出部に設けた細孔から吹き出した該繊維を、下部に設置された金属またはプラスチックの繊維捕集用ネットであって、該ネット上には、合成樹脂や金属による連続したまたは部分的に連続した線状部を設けた繊維捕集用ネット上に落とし、該ネット下部で空気をサクションしながら、上記繊維を該ネット上に堆積させ、必要に応じて、この操作を複数回繰り返す、上記クッション性を有する不織布シートの製造方法に関する。
次に、本発明は、所定量の解繊された熱接着性合成繊維を主成分とする繊維を空気流に均一分散させながら搬送し、吐出部に設けた細孔から吹き出した該繊維を、下部に設置された金属またはプラスチックの繊維捕集用ネットであって、該ネット上には、合成樹脂や金属による連続したまたは部分的に連続した線状部を設けた繊維捕集用ネット上に落とし、該ネット下部で空気をサクションしながら、上記繊維を該ネット上に堆積させ、必要に応じて、この操作を複数回繰り返す、上記クッション性を有する不織布シートの製造方法に関する。
本発明のクッション性を有する不織布シートは、凸状部の面が被接触部との接触面積が小さいので、マットレスとして用いた場合には、お尻などの人体への刺激が小さく、しかも、人体と不織布シートの間には微小空間が多数存在するので、ムレ感が改良されて快適性が高く、また凸状部に対応する陥没部は、連続した陥没部が形成されているので、空気の流れができやすく、褥創などの発生を抑制するという効果を奏する。また、ワイバーとして用いた場合には、清掃効果や掻きとり効果が大きく、さらにフラットなシートに比べ表面積が大きくさらに陥没部があるため、多量の汚れを保持できるという効果を有する。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の不織布シートは、熱接着性合成繊維を主成分とする。
ここで、「主成分とする」とは、熱接着性合成繊維が70重量%以上、好ましくは85重量%以上であることを指称し、30重量%以下程度、後記する他の繊維やパルプが含まれていてもよい。
なお、本発明の不織布シートは、熱接着性合成繊維を主成分とするものであり、該熱接着性合成繊維100重量%使いのもののほか、例えば熱接着性合成繊維+パルプ繊維、あるいは、熱接着性合成繊維+パルプ繊維+ケミカルバインダーなどからなる一層以上のエアレイド不織布から構成されていてもよい。
ここで、本発明における熱接着性合成繊維としては、熱で溶融し相互に結合するものであればどのようなものでもよく、この繊維間結合による網目状構造で不織布自体が固定される。このような熱接着性合成繊維としては、例えばポリオレフィン類、不飽和カルボン酸類でグラフト化されたポリオレフィン類や、ポリエステル類、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
本発明の不織布シートは、熱接着性合成繊維を主成分とする。
ここで、「主成分とする」とは、熱接着性合成繊維が70重量%以上、好ましくは85重量%以上であることを指称し、30重量%以下程度、後記する他の繊維やパルプが含まれていてもよい。
なお、本発明の不織布シートは、熱接着性合成繊維を主成分とするものであり、該熱接着性合成繊維100重量%使いのもののほか、例えば熱接着性合成繊維+パルプ繊維、あるいは、熱接着性合成繊維+パルプ繊維+ケミカルバインダーなどからなる一層以上のエアレイド不織布から構成されていてもよい。
ここで、本発明における熱接着性合成繊維としては、熱で溶融し相互に結合するものであればどのようなものでもよく、この繊維間結合による網目状構造で不織布自体が固定される。このような熱接着性合成繊維としては、例えばポリオレフィン類、不飽和カルボン酸類でグラフト化されたポリオレフィン類や、ポリエステル類、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
このうち、ポリオレフィン系熱接着性合成繊維としては、芯鞘型や偏芯サイドバイサイド型や貼り合わせタイプのサイドバイサイド型の複合繊維が好適である。鞘あるいは繊維外周部を構成するポリオレフィンとしては、ポリエチレンやポリプロピレンが挙げられる。芯成分あるいは繊維内層部を構成するポリマーとしては、鞘より高融点であり、加熱接着処理温度で変化しないポリマーが好ましい。このような組み合わせとして、例えば、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリエステル、ポリプロピレン/ポリエステル、変性ポリエステル/ポリエステルなどが挙げられる。これらのポリマーは、本発明の作用・効果を阻害しない範囲で変性されていても差し支えがない。さらに、フィブリル状繊維であっても良い。例えば、三井化学株式会社のSWPなどが挙げられる。
熱接着性合成繊維は、細いと構成繊維の本数が多くなるので、脱落繊維が少なくなり、風合いや肌触りも柔らかくなるが、ワイパーとして用いた場合に清掃効果や掻き落とし効果に乏しく、またシート厚さが薄く、シート間の空隙で汚れを保持する機能が低下し、またクッション材として用いた場合には、嵩が低く最小限のクッション性も得られない。一方、太い場合は、繊維間の空隙が大きくなり、嵩高い不織布となるうえ、通気性もアップするが、繊維の交絡点が減少するため、繊維脱落という問題点がある。したがって、本発明に用いられる熱接着性合成繊維の太さ(単糸繊度)は用途に応じて選択すればよいが、本発明では、6dtexを超え、120dtex以下、好ましくは6.5dtex〜100dtexである。6dtex以下では、クッション性が減少し、一方、120dtexを超えると、繊維の脱落が発生しやすい。
なお、熱接着性合成繊維の長さは、1〜15mmが好ましい。繊維が短いと開繊性がよくなり、より均一な不織布となりやすいが、1mm未満になると粉末状に近づき、繊維間結合による網目構造が作りにくくなるばかりか、不織布としての強力が低くなり、実用性に欠けるので好ましくない。一方、15mmより長くなると不織布の強力は上がるが、不織布製造時の繊維の空気輸送において繊維どうしが絡まりやすくなり、繊維どうしが絡み合って繊維塊状欠点を増大させるので好ましくない。特に、好ましいのは、3〜10mmである。
本発明の不織布シートには、上記の熱接着性合成繊維のほかに、上記のように、レーヨンなどの再生繊維、アセテートなどの半合成繊維、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、ビニロンなどの合成繊維、SWPなどのフィブリル状繊維、パルプ、コットン、麻などの天然繊維などの他の繊維を含んでいてもよい。この場合、不織布シートにおける熱接着性合成繊維の割合は70〜100重量%が好ましく、さらに好ましくは85〜100重量%である。70重量%未満の場合は上記の他の繊維の脱落が生じる可能性が多くなるうえ、湿潤強力も低くなる場合があり、実用上の問題を生じる。
本発明の不織布シートを形成するこれらの繊維は、熱接着されており、この繊維間結合による網目状構造で該不織布シートが固定される。
本発明の不織布シートは、総目付が30〜2,500g/m2、好ましくは35〜2,000g/m2である。30g/m2未満では、得られる不織布をワイパーとして用いた場合には清掃効果や掻きとり効果に乏しく、またシート強力不足という不都合がある。一方、2,500g/m2を超えると、ワイパーとしては用いることができず、またシートが硬くなり、肌触りも悪化し、マットとして用いた場合に日常生活での取り扱いでシートの重量が重いという不都合を生じる。また、鮮度保持体やフィルターとして用いた場合は、30g/m2未満では、得られる不織布の強度が不足し、一方、2,500g/m2を超えると厚さが大きくなり、実用的でない。
本発明の不織布シートは、総目付が30〜2,500g/m2、好ましくは35〜2,000g/m2である。30g/m2未満では、得られる不織布をワイパーとして用いた場合には清掃効果や掻きとり効果に乏しく、またシート強力不足という不都合がある。一方、2,500g/m2を超えると、ワイパーとしては用いることができず、またシートが硬くなり、肌触りも悪化し、マットとして用いた場合に日常生活での取り扱いでシートの重量が重いという不都合を生じる。また、鮮度保持体やフィルターとして用いた場合は、30g/m2未満では、得られる不織布の強度が不足し、一方、2,500g/m2を超えると厚さが大きくなり、実用的でない。
本発明のこのような不織布シートは、エアレイド法によって製造される。エアレイド法で製造された不織布は、不織布を形成している繊維が、不織布の長手方向、幅方向および厚み方向にランダムに3次元配向されているので好ましい。
ここで、本発明に係るエアレイド法による不織布は、以下のようにして得ることができる。
すなわち、所定量の解繊された熱接着性合成繊維を主成分とする繊維を空気流に均一分散させながら搬送し、吐出部に設けた細孔から吹き出した該繊維を、下部に設置された金属またはプラスチックの繊維捕集用ネットであって、該ネット上には、合成樹脂や金属による連続したまたは部分的に連続した線状部を設けた繊維捕集用ネット上に落とし、該ネット下部で空気をサクションしながら、上記繊維を該ネット上に堆積させ、必要に応じて、この操作を複数回繰り返す。
例えば、第2回以降のウェブの堆積は、同様にして、上記堆積シートの上に堆積させる。
なお、本発明のクッション性を有する不織布シートにおいて、特に目付を大きくする場合には、補集用ネットの移動速度を1〜20m/分と遅くしたり、ネット上への繊維の放出量を増加させればよい。
次に、この熱接着性合成繊維が充分その接着効果を発揮する温度に全体を加熱処理して、本発明の不織布を得ることができる。接着効果を十分発揮させるには、熱接着性合成繊維の接着成分の融点より15〜40℃高い温度での加熱処理が必要である。
すなわち、所定量の解繊された熱接着性合成繊維を主成分とする繊維を空気流に均一分散させながら搬送し、吐出部に設けた細孔から吹き出した該繊維を、下部に設置された金属またはプラスチックの繊維捕集用ネットであって、該ネット上には、合成樹脂や金属による連続したまたは部分的に連続した線状部を設けた繊維捕集用ネット上に落とし、該ネット下部で空気をサクションしながら、上記繊維を該ネット上に堆積させ、必要に応じて、この操作を複数回繰り返す。
例えば、第2回以降のウェブの堆積は、同様にして、上記堆積シートの上に堆積させる。
なお、本発明のクッション性を有する不織布シートにおいて、特に目付を大きくする場合には、補集用ネットの移動速度を1〜20m/分と遅くしたり、ネット上への繊維の放出量を増加させればよい。
次に、この熱接着性合成繊維が充分その接着効果を発揮する温度に全体を加熱処理して、本発明の不織布を得ることができる。接着効果を十分発揮させるには、熱接着性合成繊維の接着成分の融点より15〜40℃高い温度での加熱処理が必要である。
なお、ケミカルバインダー樹脂を用いる場合には、堆積されたウェブ上に、各ウェブ形成ごとに、ホットメルト接着剤、ラテックス系接着剤、エマルジョン系接着剤、樹脂パウダー接着剤などのケミカルバインダー樹脂を散布、もしくは塗布すればよい。
ここで、これらのケミカルバインダー樹脂の成分としては、ポリオレフィン系、ポリ酢酸ビニル系、ポリアクリル酸エステル系、合成ゴム系、ポリウレタン系、エポキシ樹脂系、熱硬化型樹脂系などを挙げることができる。
これらのケミカルバインダー樹脂の使用量は、通常、不織布の目付に対して、1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%であり、合成繊維やパルプ繊維の結合や各層の剥離を生じない範囲で決められる。
ここで、これらのケミカルバインダー樹脂の成分としては、ポリオレフィン系、ポリ酢酸ビニル系、ポリアクリル酸エステル系、合成ゴム系、ポリウレタン系、エポキシ樹脂系、熱硬化型樹脂系などを挙げることができる。
これらのケミカルバインダー樹脂の使用量は、通常、不織布の目付に対して、1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%であり、合成繊維やパルプ繊維の結合や各層の剥離を生じない範囲で決められる。
また、本発明の不織布シートには、消臭剤、抗菌剤、芳香剤、保湿剤、着色剤、親水剤、撥水剤などの機能加工を付与することもできる。加工法としては、あらかじめそれらの機能を付与した繊維を混合したり、粉体状の剤を混合したり、液体状の剤をスプレーや含浸したりする方法が挙げられる。
このように、エアレイド法で製造された不織布は、不織布の流れ方向、幅方向および厚み方向へ繊維をランダムに3次元配向させることが可能である。そして、これらが熱接着するので、層間剥離を起こすことがない。また、エアレイド法で製造した不織布は、均一性が良好なので、性能のバラツキも少なくなる。
ここで、本発明に用いられる繊維捕集用ネットとしては、図1〜2にみられるように、通常のプラスチック製、または金属製の捕集用ネット上に、マス目状に、例えば紫外線硬化性樹脂をスクリーン印刷で印刷するか、あるいは、塗布し、次いで、紫外線を照射することにより、該樹脂を硬化させ、合成樹脂製の線状部(例えば、幅が1〜20mm、高さが0.5〜20mmの合成樹脂部)を形成させる。合成樹脂製の線状部(合成樹脂部)の形成は、以上のような手段に限定されるものではなく、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ポリエステルエラストマー樹脂、ナイロン樹脂、熱可塑性または硬化性のポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ゴム系樹脂などを溶融状態で、または硬化剤を混合した液体状態で、直接、捕集用ネット上の所定の位置に吐出し、冷却固化、あるいは加熱硬化させたりしても良い。ポリ塩化ビニル系樹脂などのスラリー状の合成樹脂を用いることもできる。さらに、発泡剤をあらかじめ混ぜておいて発泡体として形成しても良い。
エアレイドウェブの繊維間結合を付与する熱処理において、熱接着性合成繊維の接着成分の融点よりも15〜40℃高い温度を加える必要があるので、これらの合成樹脂製の線状部を形成する樹脂は、この温度よりも高い耐熱温度のものが必要となる。耐熱温度は、140℃以上であり、好ましくは160℃以上である。
エアレイドウェブの繊維間結合を付与する熱処理において、熱接着性合成繊維の接着成分の融点よりも15〜40℃高い温度を加える必要があるので、これらの合成樹脂製の線状部を形成する樹脂は、この温度よりも高い耐熱温度のものが必要となる。耐熱温度は、140℃以上であり、好ましくは160℃以上である。
また、合成樹脂製の線状部の形成は、図2に示すようなほぼ正方形のマス目状のもののほか、図3〜図6に示されるような各種の線状であってもよい。また、線状部の形としては、そのほか3角形、長方形、5角形〜8角形などの多角形や、そのほか円形や楕円形であってもよい。また、線状部の両側が同様に線状部で構成される線状の連続体であってもよい(図2〜図6参照)。
なお、線状部が四角形の場合、正方形では一辺が3〜100mm、長方形の場合は短径が3〜50mm、長径が4〜100mm程度である。なお、線状部で囲まれた部分(サイズ)は、すなわち平面視した凸状部のサイズに対応する。
また、陥没部の大きさは、線状部の幅や高さに対応する大きさにより、適宜、設定される。
なお、線状部が四角形の場合、正方形では一辺が3〜100mm、長方形の場合は短径が3〜50mm、長径が4〜100mm程度である。なお、線状部で囲まれた部分(サイズ)は、すなわち平面視した凸状部のサイズに対応する。
また、陥没部の大きさは、線状部の幅や高さに対応する大きさにより、適宜、設定される。
本発明の不織布シートは、熱接着性合成繊維の接着成分の融点より15〜40℃高い温度でこの繊維ウェブを全体に加熱処理して得られるが、上記熱接着性合成繊維はやや熱収縮を生じることが多いので、凸状部や陥没部は加熱処理によってやや小さくなる傾向がある。従って、凸状部の高さや大きさ、あるいは陥没部の幅や深さを所望のものにするには、捕集用ネット上に形成するべき樹脂製の線状部の高さや大きさをあらかじめやや大きめに設定することが好ましい。例えば、好ましくは凸状部に対応する陥没部の深さと樹脂製の線状部の高さの比は1/1.02〜2.5の範囲である。これは、使用する熱接着性合成繊維の熱特性、加熱処理の方法、条件によって異なる。
なお、合成樹脂製の線状部の突起の形状は、平面視して、上記したように、ほぼ三角、四角などの多角形状、円形や楕円形のほか、曲線状、あるいは文字や何らかのマーク、ロゴを表すものであってもよい。
なお、合成樹脂製の線状部の突起の形状は、平面視して、上記したように、ほぼ三角、四角などの多角形状、円形や楕円形のほか、曲線状、あるいは文字や何らかのマーク、ロゴを表すものであってもよい。
このような線状部を有する繊維捕集用ネットを用いて、エアレイド法により、繊維ウェブを堆積させると、例えば図1に示すように、合成樹脂製の線状部の部分(合成樹脂部)は空気流が非透過であるので、繊維ウェブが透過性のネット側に流れ、すなわちマス目などの線状部で囲繞される空気流の透過域にウェブが堆積されて凸状部を形成しつつ、堆積する繊維ウェブの上部が平面状で、合成樹脂製の線状部の突起に対応する陥没部が形成され、かつ繊維ウェブの密度としてはネットの陥没部に当る部分が高い傾向を有する、捕集用ネット側に凸状部が形成され、反対側の堆積側が平面状の繊維ウェブが得られる。
さらに、例えば、この上に、1層あるいは2層の上記したような繊維ウェブを形成すれば、二層、あるいは三層の繊維ウェブが得られる。この際、使用する繊維の太さや繊維の種類を変更することにより、凸状部の頂点から底面の平端部までの領域で、繊維ウェブの密度を制御することができる。
次に、熱接着性合成繊維の接着成分の融点より15〜40℃高い温度でこの繊維ウェブを全体に加熱処理して、本発明の不織布シートを得ることができる。
さらに、例えば、この上に、1層あるいは2層の上記したような繊維ウェブを形成すれば、二層、あるいは三層の繊維ウェブが得られる。この際、使用する繊維の太さや繊維の種類を変更することにより、凸状部の頂点から底面の平端部までの領域で、繊維ウェブの密度を制御することができる。
次に、熱接着性合成繊維の接着成分の融点より15〜40℃高い温度でこの繊維ウェブを全体に加熱処理して、本発明の不織布シートを得ることができる。
本発明におけるエアレイド法では、例えば図1に示すように、合成樹脂製の平面視してマス目状の線状部で形成された各空間部にウェブが堆積し、さらに各線状部の先端部を超えてウェブを堆積させると、同図の不織布シートが形成される。したがって、線状部が陥没部となり、線状部と線状部との各間が凸状部となる(図面で下面側)。凸状部とは反対側の上面側は、フラット(平面状)となっている・
以上のようにして得られる本発明の不織布シートは、凸状部(合成樹脂製の線状部で囲まれた部分に堆積されたウェブ)と陥没部(合成樹脂製の線状部を形成する突起に相当する)との目付の比が1.2〜30/1、好ましくは1.5〜25/1であり、凸状部と陥没部の表面積の比が1/0.05〜10、好ましくは1/0.1〜5である。
本発明の不織布シートは、捕集用ネットの陥没部(線状部に囲まれた部分)に空気流が流れ易くなっているため随伴する繊維量が増える傾向にあり、陥没部に相当する目付は、結果的に凸状部に較べて小さいものとなる。その結果、凸状部と陥没部の目付の比は、上記のように、1.2〜30/1、好ましくは1.5〜25/1である。この目付の比をこの数値範囲内にするには、陥没部に相当する樹脂製の線状部の高さや幅、および全体シート目付けを調整することにより達成される。なお、凸状部と陥没部の目付けは、それぞれ小さいポンチで打抜いて実測すれば良い。
凸状部(合成樹脂製の線状部で囲まれた部分に堆積されたウェブ)と陥没部(合成樹脂製の線状部を形成する突起に相当する)との目付の比が1.2未満では、十分な凹凸形状が得られず、一方30を超えると、陥没部の実用強度に不都合が出やすい。
凸状部(合成樹脂製の線状部で囲まれた部分に堆積されたウェブ)と陥没部(合成樹脂製の線状部を形成する突起に相当する)との目付の比が1.2未満では、十分な凹凸形状が得られず、一方30を超えると、陥没部の実用強度に不都合が出やすい。
また、凸状部と陥没部の表面積の比が1/10未満では、陥没部同士が接近しすぎてシート強力が低下し、実用的でなく、一方1/0.05を超えると、凸状部により得られる性能上の特徴が得られがたい。この表面積の比をこの数値範囲にするには、線状部の設計を適正化すればよい。
本発明の不織布シートは、クッション材に用いると、凸状部の面にあっては、人体との接触面積が小さいので、例えばお尻への圧迫感がなく、また陥没部では空気の流れができやすく、周囲の水分を低下できる効果があり、また凸状部を被接触面にあてがい、ワイパーに用いると、清掃効果や凸状部の掻きとり効果に優れ、さらに表面積が大きいため、多量の汚れを保持できる。一方、陥没部は、比較的大きな汚れの部位を把持しやすいという効果を奏する。
以上の本発明の不織布シートは、例えば図1に示すように、片面(捕集用ネット側)に複数の凸状部を有し、該凸状部のサイズは、四角形における長径や短径、円形の直径、あるいは楕円状の短径もしくは長径が3.0〜50mm、好ましくは5.0〜40mm、幅が1〜20mm、好ましくは3〜15mm、高さが0.5〜35mm、好ましくは1.0〜20mm程度である。凸状部の径(短径もしくは長径、または直径)が3.0mm未満では、陥没部の空間の形成が不十分でなり実用的でなく、一方、50mmを超えると、凸状部によって得られる効果が小さく、また陥没部での空気の流れの効果も減少する。また、凸状部の幅や高さが0.5mm未満では、やはり凸状部によって得られる効果が小さく、一方、35mmを超えると、対応する陥没部を形成する線状部の高さが高くなりすぎるので、つぶれや破損などの問題が生じやすく、生産上の問題を生じる。
上記凸状部のサイズは、上記合成樹脂製の線状部のサイズを変更したり、繊維ウェブの熱処理条件を変えることにより、容易に調整することができる。
上記凸状部のサイズは、上記合成樹脂製の線状部のサイズを変更したり、繊維ウェブの熱処理条件を変えることにより、容易に調整することができる。
なお、本発明の不織布シートは、多数の凸状部が存在するゾーンがシート全面の50面積%以上であれば、シート全面に存在していなくてもよい。例えば、多数の凸状部が存在するゾーンと、全く凸状部が存在しないゾーンとがタテ、ヨコ、斜めなどの交互のストライプ状に共存してもよく、あるいは多数の凸状部が存在するゾーンが円形、角形などのパターン状であってもよい。
さらに、本発明の趣旨の範囲であれば、凸状部が一定形状でなくても構わなく、文字、あるいは何らかのパターンやロゴを表していても良い。
さらに、本発明の趣旨の範囲であれば、凸状部が一定形状でなくても構わなく、文字、あるいは何らかのパターンやロゴを表していても良い。
かくて、本発明の不織布シートは、不織布シート上に凸状部が複数形成されたクッション性を有する不織布シートが得られる。
本発明のシートは、マット、床材や果物、魚介類などの生鮮食品などのクッション材、人体用や掃除用などのワイパー類、そのほか、フィルター基材、自動車の成型天井基材などに有用である。
本発明のシートは、マット、床材や果物、魚介類などの生鮮食品などのクッション材、人体用や掃除用などのワイパー類、そのほか、フィルター基材、自動車の成型天井基材などに有用である。
なお、本発明のクッション性を有する不織布シートは、図1に示されるような不織布シートとして単品で使用されるほか、図7に示すように、図1のような不織布シートの平面側を2枚重ねて、各種の接着剤で貼りあわせて、二層タイプの不織布シートとして使用することができる。接着剤としては、ホットメルト接着剤、ラテックス系接着剤、エマルジョン系接着剤、樹脂パウダー接着剤などのケミカルバインダー樹脂を散布、もしくは塗布すればよい。これらのケミカルバインダー樹脂の成分としては、ポリオレフィン系、ポリ酢酸ビニル系、ポリアクリル酸エステル系、合成ゴム系、ポリウレタン系、エポキシ樹脂系、熱硬化型樹脂系などを挙げることができる。これらのケミカルバインダー樹脂の使用量は、通常、不織布の目付に対して、1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%である。
また、本発明のクッション性を有する不織布シートは、図8に示すように、図1のような不織布シートの凸状部側に、薄層の不織布やフィルムや紙類のようなシート状物を上記と同様の接着剤で貼りあわせて複層として用いることもできる。
この場合、薄層の不織布としては、乾式法、湿式法、スパンボンド法、メルトブロー法やエアレイド法で製造された不織布などが挙げられる。また、フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどが、また、紙類としては段ボール紙等が挙げられる。
なお。薄層の不織布やフィルムと本発明のクッション性を有する不織布シートとの貼り合せは、上記のようなケミカルバインダー樹脂の使用や、高周波加工、超音波加工などによればよい。
この場合、薄層の不織布としては、乾式法、湿式法、スパンボンド法、メルトブロー法やエアレイド法で製造された不織布などが挙げられる。また、フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどが、また、紙類としては段ボール紙等が挙げられる。
なお。薄層の不織布やフィルムと本発明のクッション性を有する不織布シートとの貼り合せは、上記のようなケミカルバインダー樹脂の使用や、高周波加工、超音波加工などによればよい。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1(マットの例)
図2に示されているような形状となるよう、ポリエチレンテレフタレート(PET)製の捕集用ネットに、市販の2液混合型エポキシ樹脂(コニシ(株)製、ボンド・クイック5#16123)を用いてマス目状の線状部を形成した。この線状部のサイズは、一マスのサイズがタテ10mm、ヨコ10mm、線状部の高さが8mm、線状部の幅が5mmであった。この上に、鞘PE(ポリエチレン)/芯PETからなる熱接着性複合繊維(帝人ファイバー(株)製、11dt×5mm)を400g/m2となるよう、エアレイド法で形成した。さらにこの上に、鞘PE/芯PETの熱接着性複合繊維(帝人ファイバー(株)製、6.6dt×5mm)を200g/m2となるよう、エアレイド法で形成した。次いで、このエアレイド2層ウェブを、熱オーブンを用いて145℃で加熱し繊維間結合を生じさせて、凸状部と陥没部を片面に有し、凸状部の厚さ(不織布シートの全体の厚さに相当する)が15mmである、片面に凸状のクッションを有する、総目付が600g/m2の不織布シートを得た。
得られたシートの凸状部と陥没部を小さいポンチで打抜いて実測したところ、凸状部と陥没部の目付けの比が3.8/1であった。表面積の比は、凸状部のタテ・ヨコ径と個数から面積比を計算したところ、凸状部と陥没部の比が1/1であった。
さらに、凸状部の数平均(n=40)の、タテ径は9.5mm、ヨコ径は9.6mm、高さは7.8mmであった。
このクッション性を有する不織布シートを、タテ50センチ、ヨコ50センチに切り出して2枚用いて、平面側どうしをホットメルト接着剤として(株)松村石油化学製 モレスコメルトTN−715を8g/m2散布して貼りあわせて、図7に示すようなクッション材を作成したところ、体重を十分支えられる程度のクッション性を有するものであった。
実施例1(マットの例)
図2に示されているような形状となるよう、ポリエチレンテレフタレート(PET)製の捕集用ネットに、市販の2液混合型エポキシ樹脂(コニシ(株)製、ボンド・クイック5#16123)を用いてマス目状の線状部を形成した。この線状部のサイズは、一マスのサイズがタテ10mm、ヨコ10mm、線状部の高さが8mm、線状部の幅が5mmであった。この上に、鞘PE(ポリエチレン)/芯PETからなる熱接着性複合繊維(帝人ファイバー(株)製、11dt×5mm)を400g/m2となるよう、エアレイド法で形成した。さらにこの上に、鞘PE/芯PETの熱接着性複合繊維(帝人ファイバー(株)製、6.6dt×5mm)を200g/m2となるよう、エアレイド法で形成した。次いで、このエアレイド2層ウェブを、熱オーブンを用いて145℃で加熱し繊維間結合を生じさせて、凸状部と陥没部を片面に有し、凸状部の厚さ(不織布シートの全体の厚さに相当する)が15mmである、片面に凸状のクッションを有する、総目付が600g/m2の不織布シートを得た。
得られたシートの凸状部と陥没部を小さいポンチで打抜いて実測したところ、凸状部と陥没部の目付けの比が3.8/1であった。表面積の比は、凸状部のタテ・ヨコ径と個数から面積比を計算したところ、凸状部と陥没部の比が1/1であった。
さらに、凸状部の数平均(n=40)の、タテ径は9.5mm、ヨコ径は9.6mm、高さは7.8mmであった。
このクッション性を有する不織布シートを、タテ50センチ、ヨコ50センチに切り出して2枚用いて、平面側どうしをホットメルト接着剤として(株)松村石油化学製 モレスコメルトTN−715を8g/m2散布して貼りあわせて、図7に示すようなクッション材を作成したところ、体重を十分支えられる程度のクッション性を有するものであった。
実施例2(ワイパーの例)
図2に示されているような形状となるよう、ポリエチレンテレフタレート(PET)製の捕集用ネットに、市販の2液混合型エポキシ樹脂(コニシ(株)製、ボンド・クイック5#16123)を用いてマス目状の線状部を形成した。この線状部のサイズは、一マスのサイズがタテ5mm、ヨコ5mm、線状部の高さが3mm、線状部の幅が2mmであった。この上に、鞘PE(ポリエチレン)/芯PETからなる熱接着性複合繊維(帝人ファイバー(株)製、6.6dt×5mm)を60g/m2となるよう、エアレイド法で形成した。さらにこの上に、鞘PE/芯PETの熱接着性複合繊維(帝人ファイバー(株)製、8.8dt×5mm)を30g/m2となるよう、エアレイド法で形成した。次いで、この90g/m2のエアレイド2層ウェブを、熱オーブンを用いて145℃で加熱し繊維間結合を生じさせて、凸状部と陥没部を片面に有し、凸状部の厚さ(不織布シートの全体の厚さに相当する)が4.8mmである、片面に凸状のクッション性を有する不織布シートを得た。
得られたシートの凸状部と陥没部を小さいポンチで打抜いて実測したところ、凸状部と陥没部の目付けの比が3.2/1であった。表面積の比は、凸状部のタテ・ヨコ径と個数から面積比を計算したところ、凸状部と陥没部の比が1/0.96であった。
さらに、凸状部の数平均(n=40)の、タテ径は4.7mm、ヨコ径は4.7mm、高さは2.9mmであった。
この不織布をタテ20センチ、ヨコ20センチに切断して、ワイパーを作成し、凸状部側を用いてお茶碗などを洗ったところ、優れた掻き落し効果がみられ、ワイパーとして有用であった。
図2に示されているような形状となるよう、ポリエチレンテレフタレート(PET)製の捕集用ネットに、市販の2液混合型エポキシ樹脂(コニシ(株)製、ボンド・クイック5#16123)を用いてマス目状の線状部を形成した。この線状部のサイズは、一マスのサイズがタテ5mm、ヨコ5mm、線状部の高さが3mm、線状部の幅が2mmであった。この上に、鞘PE(ポリエチレン)/芯PETからなる熱接着性複合繊維(帝人ファイバー(株)製、6.6dt×5mm)を60g/m2となるよう、エアレイド法で形成した。さらにこの上に、鞘PE/芯PETの熱接着性複合繊維(帝人ファイバー(株)製、8.8dt×5mm)を30g/m2となるよう、エアレイド法で形成した。次いで、この90g/m2のエアレイド2層ウェブを、熱オーブンを用いて145℃で加熱し繊維間結合を生じさせて、凸状部と陥没部を片面に有し、凸状部の厚さ(不織布シートの全体の厚さに相当する)が4.8mmである、片面に凸状のクッション性を有する不織布シートを得た。
得られたシートの凸状部と陥没部を小さいポンチで打抜いて実測したところ、凸状部と陥没部の目付けの比が3.2/1であった。表面積の比は、凸状部のタテ・ヨコ径と個数から面積比を計算したところ、凸状部と陥没部の比が1/0.96であった。
さらに、凸状部の数平均(n=40)の、タテ径は4.7mm、ヨコ径は4.7mm、高さは2.9mmであった。
この不織布をタテ20センチ、ヨコ20センチに切断して、ワイパーを作成し、凸状部側を用いてお茶碗などを洗ったところ、優れた掻き落し効果がみられ、ワイパーとして有用であった。
実施例3(鮮度保持包装体の例)
図5に示されているような円の形状となるよう、ポリエチレンテレフタレート(PET)製の捕集用ネットに、市販の2液混合型エポキシ樹脂(コニシ(株)製、ボンド・クイック5#16123)を用いて円状を形成した。一円形のサイズは、直径が5mm、線状部の高さが3mm、円状部のピッチが2mmであった。この上に、鞘PE(ポリエチレン)/芯PPからなる熱接着性複合繊維(ESファイバー(株)製、6.6dt×5mm)を60g/m2となるよう、エアレイド法で形成した。次いで、この60g/m2のエアレイドウェブを、熱オーブンを用いて145℃で加熱し繊維間結合を生じさせて、凸状部と陥没部を片面に有し、凸状部の厚さ(不織布シートの全体の厚さに相当する)が4mmである、片面に凸状のクッション性を有する不織布シートを得た。
得られたシートの凸状部と陥没部を小さいポンチで打抜いて実測したところ、凸状部と陥没部の目付けの比が4.5/1であった。表面積の比は、凸状部の直径と個数から面積比を計算したところ、凸状部と陥没部の比が1/1.48であった。
さらに、凸状部の数平均(n=40)の、直径は4.7mm、高さは2.9mmであった。
この不織布をタテ15センチ、ヨコ15センチに切断して、凸状部側を用いてイチゴの包材として使ったところ、通常品のフラットシートに対し、鮮度の低下の改善効果がみられ、鮮度保持包材として有用であった。
図5に示されているような円の形状となるよう、ポリエチレンテレフタレート(PET)製の捕集用ネットに、市販の2液混合型エポキシ樹脂(コニシ(株)製、ボンド・クイック5#16123)を用いて円状を形成した。一円形のサイズは、直径が5mm、線状部の高さが3mm、円状部のピッチが2mmであった。この上に、鞘PE(ポリエチレン)/芯PPからなる熱接着性複合繊維(ESファイバー(株)製、6.6dt×5mm)を60g/m2となるよう、エアレイド法で形成した。次いで、この60g/m2のエアレイドウェブを、熱オーブンを用いて145℃で加熱し繊維間結合を生じさせて、凸状部と陥没部を片面に有し、凸状部の厚さ(不織布シートの全体の厚さに相当する)が4mmである、片面に凸状のクッション性を有する不織布シートを得た。
得られたシートの凸状部と陥没部を小さいポンチで打抜いて実測したところ、凸状部と陥没部の目付けの比が4.5/1であった。表面積の比は、凸状部の直径と個数から面積比を計算したところ、凸状部と陥没部の比が1/1.48であった。
さらに、凸状部の数平均(n=40)の、直径は4.7mm、高さは2.9mmであった。
この不織布をタテ15センチ、ヨコ15センチに切断して、凸状部側を用いてイチゴの包材として使ったところ、通常品のフラットシートに対し、鮮度の低下の改善効果がみられ、鮮度保持包材として有用であった。
実施例4(フィルター基材の例)
図5に示されているような円の形状となるよう、ポリエチレンテレフタレート(PET)製の捕集用ネットに、市販の2液混合型エポキシ樹脂(コニシ(株)製、ボンド・クイック5#16123)を用いて円の形状を形成した。一円形のサイズは、直径が8mm、線状部の高さが3.3mm、円状部のピッチが3mmであった。この上に、鞘PE(ポリエチレン)/芯PPからなる熱接着性複合繊維(ESファイバー(株)製、6.6dt×5mm)を50g/m2となるよう、エアレイド法で形成した。この上に、鞘PE(ポリエチレン)/芯PPからなる熱接着性複合繊維(ESファイバー(株)製、11dt×5mm)を30g/m2となるよう、エアレイド法で形成した。次いで、この80g/m2のエアレイド2層ウェブを、熱オーブンを用いて145℃で加熱し繊維間結合を生じさせて、凸状部と陥没部を片面に有し、凸状部の厚さ(不織布シートの全体の厚さに相当する)が5mmである、片面に凸状のクッション性を有する不織布シートを得た。
得られたシートの凸状部と陥没部を小さいポンチで打抜いて実測したところ、凸状部と陥没部の目付けの比が2.5/1であった。表面積の比は、凸状部の直径と個数から面積比を計算したところ、凸状部と陥没部の比が1/1.41であった。
さらに、凸状部の数平均(n=40)の、直径は7.7mm、高さは3.2mmであった。
この不織布をタテ60センチ、ヨコ60センチに切断して、換気扇フィルターを作成し、凸状部側を換気扇のグリル側になるよう設置し、使用状態を観察したところ、空気の流れがスムースで、吸入音の少ない効果がみられ、換気扇用フィルターとして有用であった。
図5に示されているような円の形状となるよう、ポリエチレンテレフタレート(PET)製の捕集用ネットに、市販の2液混合型エポキシ樹脂(コニシ(株)製、ボンド・クイック5#16123)を用いて円の形状を形成した。一円形のサイズは、直径が8mm、線状部の高さが3.3mm、円状部のピッチが3mmであった。この上に、鞘PE(ポリエチレン)/芯PPからなる熱接着性複合繊維(ESファイバー(株)製、6.6dt×5mm)を50g/m2となるよう、エアレイド法で形成した。この上に、鞘PE(ポリエチレン)/芯PPからなる熱接着性複合繊維(ESファイバー(株)製、11dt×5mm)を30g/m2となるよう、エアレイド法で形成した。次いで、この80g/m2のエアレイド2層ウェブを、熱オーブンを用いて145℃で加熱し繊維間結合を生じさせて、凸状部と陥没部を片面に有し、凸状部の厚さ(不織布シートの全体の厚さに相当する)が5mmである、片面に凸状のクッション性を有する不織布シートを得た。
得られたシートの凸状部と陥没部を小さいポンチで打抜いて実測したところ、凸状部と陥没部の目付けの比が2.5/1であった。表面積の比は、凸状部の直径と個数から面積比を計算したところ、凸状部と陥没部の比が1/1.41であった。
さらに、凸状部の数平均(n=40)の、直径は7.7mm、高さは3.2mmであった。
この不織布をタテ60センチ、ヨコ60センチに切断して、換気扇フィルターを作成し、凸状部側を換気扇のグリル側になるよう設置し、使用状態を観察したところ、空気の流れがスムースで、吸入音の少ない効果がみられ、換気扇用フィルターとして有用であった。
比較例1(マットとして、実施例1に対応する比較例)
エアレイド捕集用ネットとして、線状部を形成しないフラットなものを用い、その他の条件は実施例1に同じとした。両面ともにフラットで、厚さ15mmになるように調整したところ、目付2,000g/m2のシートが得られた。
実施例1と同様にして、2枚のフラットなシートを貼り合せマットを製作したが、目付が実施例1に比べて大幅に重く、しかもクッション材として底付き感があり、肌にむれ感のあるものであった。
エアレイド捕集用ネットとして、線状部を形成しないフラットなものを用い、その他の条件は実施例1に同じとした。両面ともにフラットで、厚さ15mmになるように調整したところ、目付2,000g/m2のシートが得られた。
実施例1と同様にして、2枚のフラットなシートを貼り合せマットを製作したが、目付が実施例1に比べて大幅に重く、しかもクッション材として底付き感があり、肌にむれ感のあるものであった。
比較例2(ワイパーとして、実施例2に対応する比較例)
エアレイド捕集用ネットとして、線状部を形成しないフラットなものを用い、その他の条件は実施例2に同じとした。両面ともにフラットな、厚さ3.5mm、目付90g/m2のシートが得られた。
実施例2と同様にして、ワイパーを製作し、食器の洗浄に使用したが、汚れの落ちにくいシートであった。
エアレイド捕集用ネットとして、線状部を形成しないフラットなものを用い、その他の条件は実施例2に同じとした。両面ともにフラットな、厚さ3.5mm、目付90g/m2のシートが得られた。
実施例2と同様にして、ワイパーを製作し、食器の洗浄に使用したが、汚れの落ちにくいシートであった。
比較例3(鮮度保持包装体として、実施例3に対応する比較例)
エアレイド捕集用ネットとして、円形を形成しないフラットなものを用い、その他の条件は実施例3に同じとした。両面ともにフラットな、厚さ2mm、目付60g/m2のシートが得られた。
実施例3と同様にして、鮮度保持包材として用いたが、クッション性が少なく、鮮度低下が早かった。
エアレイド捕集用ネットとして、円形を形成しないフラットなものを用い、その他の条件は実施例3に同じとした。両面ともにフラットな、厚さ2mm、目付60g/m2のシートが得られた。
実施例3と同様にして、鮮度保持包材として用いたが、クッション性が少なく、鮮度低下が早かった。
比較例4(フィルター基材として、実施例4に対応する比較例)
エアレイド捕集用ネットとして、円形を形成しないフラットなものを用い、その他の条件は実施例4に同じとした。両面ともにフラットな、厚さ3mm、目付80g/m2のシートが得られた。
実施例4と同様にして、換気扇フィルターとして使用したが、吸入音が高く、不快感のあるものであった。
エアレイド捕集用ネットとして、円形を形成しないフラットなものを用い、その他の条件は実施例4に同じとした。両面ともにフラットな、厚さ3mm、目付80g/m2のシートが得られた。
実施例4と同様にして、換気扇フィルターとして使用したが、吸入音が高く、不快感のあるものであった。
本発明のクッション性を有する不織布シートは、ワイパー、フィルター基材、自動車の成型天井の基材などのほか、マット、床材や果物、魚介類などの生鮮食品などのクッション材など幅広い用途に利用することができる。
Claims (8)
- 単糸繊度が6dtexを超えて120dtexまでの熱接着性合成繊維を主成分とし、目付けが30〜2,500g/m2であるエアレイド不織布からなり、片面に複数の凸状部を有し、他方の面が平面状であり、凸状部と陥没部の目付けの比が1.2〜30/1であり、凸状部と陥没部の表面積の比が1/0.05〜10である、クッション性を有する不織布シート。
- 不織布シートの構成成分が熱接着性合成繊維のみからなる請求項1に記載のクッション性を有する不織布シート。
- 凸状部の形状が、平面視して、3角形〜8角形のいずれか、あるいは円形、または楕円形である請求項1または2に記載のクッション性を有する不織布シート。
- 凸状部の形状が、平面視して、少なくともひとつの線状の連続体であり、その両側に陥没部を有する請求項1または2に記載のクッション性を有する不織布シート。
- 所定量の解繊された熱接着性合成繊維を主成分とする繊維を空気流に均一分散させながら搬送し、吐出部に設けた細孔から吹き出した該繊維を、下部に設置された金属またはプラスチックの繊維捕集用ネットであって、該ネット上には、合成樹脂や金属による連続したまたは部分的に連続した線状部を設けた繊維捕集用ネット上に落とし、該ネット下部で空気をサクションしながら、上記繊維を該ネット上に堆積させ、必要に応じて、この操作を複数回繰り返す、請求項1〜4いずれかに記載のクッション性を有する不織布シートの製造方法。
- 繊維を集積するネット面に作られた陥没部を形成する線状部の幅が1〜20mmで、線状部線分の高さが0.5〜20mmである、請求項4に記載のクッション性を有する不織布シートの製造方法。
- 繊維を集積するネット面に作られたひとつの陥没部を形成する線状部の形状が、平面視して、3角形〜8角形のいずれか、あるいは円形または楕円形である請求項5または6に記載のクッション性を有する不織布シートの製造方法。
- 繊維を集積するネット面に作られた線状部の形状が、平面視して、少なくともひとつの線状の連続体であり、その両側に陥没部を有する請求項5または6に記載のクッション性を有する不織布シートの製造方法。
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