JP2012195455A - 高周波回路ケース用カバー及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ギガヘルツ帯の高周波回路を収容するケースにおいて、不要電波の放射、内部共振防止のために有効であり、かつ腐食ガスや水分を発生しない電波吸収体と、その電波吸収体とカバーとを安価な方法で接合した電磁波吸収体付きカバー及びその製造方法を得ること。
【解決手段】高周波回路6を収容するケース7の蓋となるカバー1であって、Fe−Si−B系の損失性軟磁性体球状粉とSiO2を含まないビスマス系のガラス粉末との重量比8:2〜9:1の混合物の焼成体として焼結接合された電波吸収体2を有する。
【選択図】図9
【解決手段】高周波回路6を収容するケース7の蓋となるカバー1であって、Fe−Si−B系の損失性軟磁性体球状粉とSiO2を含まないビスマス系のガラス粉末との重量比8:2〜9:1の混合物の焼成体として焼結接合された電波吸収体2を有する。
【選択図】図9
Description
本発明は、ギガヘルツ帯の高周波回路を収容するケースのカバーに関する。
電子機器の分野では、小型化・高性能化を図るため、高周波化及び高密度実装化が進行しており、特に高周波機器は回路機能ブロックごとに金属ケースなどに収容し、実装された素子や回路導体を保護するとともに、外部回路との相互干渉を防止する構造を採っている。高周波回路を完全に金属ケースで覆えばケース外部との相互電波干渉を防げるが、金属ケース内における自己干渉は防止できないため、増幅器を含む高周波回路では金属ケース内に構成された高周波伝送路から生じた輻射電波がケース内で反射し、増幅器に帰還して発振する場合がある。また、使用周波数とケース内空間の寸法とによっては空洞共振を起こす場合がある。空洞共振の抑制のためには、空間寸法で決まる遮断周波数を考慮した電子機器設計をすれば良いが、同時に満足させなければならない制約(回路規模、機能、大きさ等)が多いため、遮断周波数を制約とした設計を行えないのが実情である。
これら電波干渉を抑制するには、ケース内で発生した不要電波を吸収する電波吸収体を設けることが有効であり、磁性材料(フェライト)を用いた電波吸収体をケース内に貼り付ける方法が採られている。これはフェライトの電波吸収性能を利用したものである。特に高周波回路直上に設けることが有効であり、また十分な面積に適用できるため高周波回路と対向するカバー面に貼り付ける構成が一般的である。
しかし、従来高周波磁界用の磁性材料として広く用いられてきたフェライトでは、複素透磁率の損失項であるμ’’の絶対値が小さく、適用可能な周波数は数百MHzであり、近年問題となっているギガヘルツ帯の周波数の電磁波に対しては十分な吸収性能を有していない。ギガヘルツ帯の電磁波の吸収に適した電波吸収体には軟磁性金属が適すとされ、樹脂材料に軟磁性金属粉末を混合・分散させたシート状のものが提案されている(特許文献1)。
一般の樹脂材料は温度上昇とともに臭素、アンモニア、水素、炭化水素等半導体素子にとっては腐食性を示すガスが発生するため、これらの腐食性成分を含まない樹脂材料を用いているが、樹脂材料を使用する限り微量ではあるが水分発生は避けられない。温度上昇とともに発生した水蒸気は、温度低下とともに電子機器ケース内で結露し、短絡や高周波回路導体や半導体素子を腐食する要因となる。特に、気密封止する電子デバイスでは微量の水蒸気が致命的となる場合がある。また、シート状電波吸収体とカバーとの接合固定には腐食ガス発生源となる接着剤は使用できないため、はんだ付けやろう付けをしているが、そのためには、はんだやろう材に濡れる金属層を電波吸収体に形成しなければならない。また、はんだ付けやろう付けの際に、腐食ガスの発生源となるフラックスも使用できないため、形成が簡便な印刷はんだは適用できず、シートはんだを用いた不活性雰囲気内や真空中での接合となる。このため、接合位置の仮固定も容易ではなく、製造過程が煩雑で高コストにならざるを得ない。
また、ギガヘルツ帯で十分な電波吸収性能を有し、腐食ガスや水分がほとんど発生しない焼結体を貼り付ける方法が開示されている(特許文献2)。しかしながら、この電磁波吸収材もはんだやろう材を用いて不活性雰囲気内でカバーと接合することに関しては上記のシート状電波吸収体と同じである。
特許文献1に記載の発明は、ギガヘルツ帯において電磁波吸収性能が不足するフェライト焼結体ではなく、樹脂に軟磁性金属を分散させる方法で電波吸収性能を得ているが、樹脂は水分発生が避けられず、高周波回路の腐食原因をケース内から完全に無くすことができない問題がある。また、電波吸収体をカバーに取り付けるには、不活性雰囲気内又は真空中ではんだ・ろう付けする必要があり、高コストである。
特許文献2に記載の発明では水分発生は防止されているが、電波吸収体のカバーへの取り付け方法は不活性雰囲気内でのはんだ・ろう付けから脱却できておらず、高コストになる製造工程に変わりはない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ギガヘルツ帯の高周波回路を収容するケースにおいて、不要電波の放射、内部共振防止のために有効であり、かつ腐食ガスや水分を発生しない電波吸収体と、その電波吸収体とカバーとを安価な方法で接合した高周波回路ケース用カバー及びその製造方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、高周波回路を収容するケースの蓋となる高周波回路ケース用カバーであって、Fe−Si−B系の損失性軟磁性体球状粉とSiO2を含まないビスマス系のガラス粉末との重量比8:2〜9:1の混合物の焼成体として焼結接合された電波吸収体を有することを特徴とする。
本発明によれば、高周波回路を収納するケースのカバーにはんだやろう材を用いることなく、直に焼結させて電波吸収体を形成するため製造工程が簡素化され、また焼結前の電波吸収体とカバーとの仮固定が大気中で可能であるため、低コストである。また、焼結物であるため腐食ガスや水分発生が無く、高周波回路を腐食する心配がない。また、磁性体としてのFe−Si−B系の球状の粒子形態の軟磁性体が高周波回路から発生したギガヘルツ帯の電波を吸収するため、高周波回路ケース内での共振、発振の発生や、ケース外への電波の漏れを防止できる。
以下に、本発明にかかる高周波回路ケース用カバー及びその製造方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる高周波回路ケース用カバーの実施の形態1の構成を示す断面図である。金属又はセラミック製のカバー1の面に電波吸収体2が形成されている。電波吸収体2は、高周波損失性磁性体であるFe−Si−B系の軟磁性体球状粉とSiO2を含まないBi系ガラスとから構成され、はんだやろう材等の接合材を間に介在させることなく、カバー1の面に直接焼結接合されている。電波吸収体2が焼結されたカバー1が金属製の場合は焼成によって全体に酸化膜が形成されるため、酸処理などによって酸化膜を除去し、所望のめっきを施す。カバー1がセラミック製の場合は、焼成しても変化しないため、焼成後の処理は特に必要ない。焼成雰囲気は大気、窒素のいずれでも構わないが、カバー1が金属の場合は窒素中で焼成した方が金属部分の酸化が抑制されるため、めっき等の後処理を若干簡素化できる。
図1は、本発明にかかる高周波回路ケース用カバーの実施の形態1の構成を示す断面図である。金属又はセラミック製のカバー1の面に電波吸収体2が形成されている。電波吸収体2は、高周波損失性磁性体であるFe−Si−B系の軟磁性体球状粉とSiO2を含まないBi系ガラスとから構成され、はんだやろう材等の接合材を間に介在させることなく、カバー1の面に直接焼結接合されている。電波吸収体2が焼結されたカバー1が金属製の場合は焼成によって全体に酸化膜が形成されるため、酸処理などによって酸化膜を除去し、所望のめっきを施す。カバー1がセラミック製の場合は、焼成しても変化しないため、焼成後の処理は特に必要ない。焼成雰囲気は大気、窒素のいずれでも構わないが、カバー1が金属の場合は窒素中で焼成した方が金属部分の酸化が抑制されるため、めっき等の後処理を若干簡素化できる。
図2は、実施の形態1にかかる高周波回路ケース用カバーの製造工程を示す図である。電波吸収体2はFe−Si−B系の軟磁性体球状粉とSiO2を含まないBi系ガラスとを重量比8:2〜9:1で混合し、さらに有機バインダ、溶剤混合によりインク状にした電波吸収体ペースト3をスクリーン4とスキージ5とを用いてカバー1面に印刷し(図2(a))、焼成して(図2(b))形成する。ガラスは金属やセラミックと強固な接合ができるため古くから封着材として用いられ、導電材や抵抗材等の機能材料を固形化、接合する手段として広く用いられているが、本実施の形態ではFe−Si−B系の軟磁性体球状粉を機能材として用いる。
Fe−Si−B系の軟磁性体球状粉は、ギガヘルツ帯の電波を吸収する損失性磁性体であり、電波吸収体2の主成分である。電波吸収体2の材料組成・構成を決定するに当たり、高周波回路導体パターンに損失性磁性体を被せた際のS21:通過損失(Sパラメータ)を測定した。図3は、Fe−Si−B系の軟磁性体球状粉を用いた場合の高周波通過損失特性を示す図である。図4は、従来から電波吸収体として用いられている六方晶系フェライトを用いた場合の高周波通過損失特性を示す図である。図3、図4で示したように、Fe−Si−B系の軟磁性体球状粉はギガヘルツ帯における電波吸収性能の有効性が認められた。図4の六方晶系フェライトではギガヘルツ帯の通過損失が小さく、電波吸収性能が非常に低く有効とはいえない。
次に、Fe−Si−B系の軟磁性体の粒子形状が通過損失に与える影響を調べるために、Fe−Si−B系の軟磁性材料の粒子形状が扁平状粉の場合と、粒子形状が球状粉の場合とについて、高周波回路導体パターンに損失性磁性体を被せた際のS21:通過損失を測定した。扁平粉とは球状粉末に圧力をかけて押しつぶした平たい形状の粉を指す。図5は、粒子形状が扁平状粉の場合の高周波通過損失を示す図である。図3と図5とを比較することにより、球状粉の方がギガヘルツ帯における通過損失量が大きく、電波吸収性能の有効性が高いことがわかる。
次に、カバー1と電波吸収体2とを強固に接合し、また十分な電波吸収性能を維持するためFe−Si−B系の軟磁性体に混入するガラス量について、高周波回路導体パターンに損失性磁性体を被せた際のS21:通過損失を測定した。図6は、ガラスを添加しない場合の電波吸収体の通過損失周波数特性を示す図である。図7は、ガラスを重量比20%で添加した場合の電波吸収体の通過損失周波数特性を示す図である。図8は、ガラスを重量比40%で添加した場合の電波吸収体の通過損失周波数特性を示す図である。図6〜8ではガラスの混合量を変えて通過損失を示しており、図6に示すガラスの混合重量比0%の場合が最も通過損失量が大きく、ガラス混合重量比が増えるに従い通過損失量が小さくなり、図8に示すガラスの混合重量比40%の場合では高周波損失特性がほとんど消失した。高周波損失特性が有効と認められたのは、図7に示すガラスの混合重量比20%の場合までであった。また、ガラスは軟磁性体球状粉を固形化するとともにカバー1に固着させる役割を持つものであり、ガラスの混合重量比0%では焼結し得ない。ガラスを重量比で10〜20%添加されていれば焼結助剤として十分有効であるため、高周波損失特性を有する重量比10〜20%のガラスを混合することが好ましい。
次に、軟磁性体粉末に混合するガラスの種別を決定するに当たり、焼成温度とFe−Si−B系の軟磁性体球状材料の物性変化の相関について検討した。Fe−Si−B系の軟磁性体材料は焼成温度1500℃以上の焼結物であるが、600℃を越える温度に再昇温すると結晶化反応や酸化反応が進み、高周波損失性能が低下することが知られている。このため、これらの反応が生じない温度で焼成するために、ガラスの種別も軟化温度が低いものを選定した。具体的には、SiO2を含まないBi系ガラスが適している。例えば、Bi2O3、ZnO、B2O3からなる組成によって構成され、軟化点が400〜500℃程度であり、600℃未満で焼成可能なガラスが適している。SiO2を含むガラスは、Bi系であっても軟化点が高くなるため、Fe−Si−B系の軟磁性体の高周波損失特性を損なわずに焼結させるのには適さない。
このようにして選定した組成で構成した電波吸収体材料をペースト化し、スクリーン印刷法により印刷し、焼成する簡便な方法によりカバー1面に電波吸収体2を形成するため、電波吸収体2の位置は印刷時に決まり、焼成までの間に仮固定は必要ない。図9は、実施の形態1にかかる高周波回路ケース用カバーを用いた高周波回路デバイスの断面図である。電波吸収体2が形成されたカバー1は、図9に示すように、回路導体に実装された半導体チップを含む高周波回路6を収容したケース7に蓋として取り付けられ、高周波回路6から発生するギガヘルツ帯の電波を吸収し、ケース内共振の防止やケース外部への不要電波の放射を防止できる。また、電波吸収体2は焼結体であるため加熱しても腐食ガスや水分が発生するおそれはなく、密閉ケースであっても収容された高周波回路を汚染したり腐食させたりすることがない。電波吸収体ペースト3を用いてスクリーン印刷によって形成するため、薄い電波吸収体2を形成する際に特に有効である。
実施の形態2.
図10は、本発明にかかる高周波回路ケース用カバーの実施の形態2の製造工程を示す図である。本実施の形態においては、電波吸収体ペースト3の代わりに電波吸収体シート8を用いて電波吸収体2を形成する。電波吸収体シート8は、Fe−Si−B系の軟磁性体球状粉とSiO2を含まないBi系ガラスとを重量比8:2〜9:1で混合し、さらに有機バインダ、溶剤混合によってスラリーを形成し、ドクターブレード法などによって50〜300μm程度のグリーンシートとしたものを所定の寸法に切断し(図10(a))、カバー1に圧接し(図10(b))、焼成する(図10(c))ことによって形成される。電波吸収体シート8は、10MPa以上の圧力でカバー1に圧接することで仮固定され、焼成することにより含有されたガラス成分の働きでカバー1と焼結接合される。
図10は、本発明にかかる高周波回路ケース用カバーの実施の形態2の製造工程を示す図である。本実施の形態においては、電波吸収体ペースト3の代わりに電波吸収体シート8を用いて電波吸収体2を形成する。電波吸収体シート8は、Fe−Si−B系の軟磁性体球状粉とSiO2を含まないBi系ガラスとを重量比8:2〜9:1で混合し、さらに有機バインダ、溶剤混合によってスラリーを形成し、ドクターブレード法などによって50〜300μm程度のグリーンシートとしたものを所定の寸法に切断し(図10(a))、カバー1に圧接し(図10(b))、焼成する(図10(c))ことによって形成される。電波吸収体シート8は、10MPa以上の圧力でカバー1に圧接することで仮固定され、焼成することにより含有されたガラス成分の働きでカバー1と焼結接合される。
電波吸収体2の組成は、実施の形態1と同じであるため、高周波損失特性も同じである。さらに、焼結体であるためガスや水分発生のおそれが無い点も同様である。ただし、本実施の形態では、電波吸収体シート8を用いるため、取り扱いが容易である。スラリー形成時に含まれていた溶剤は、グリーンシート化した時点で揮発して無くなっているため変質要素が少なく、保存期間がペーストよりも長い。また、任意形状に切断して使用が可能である。さらに、実施の形態1において説明したペースト印刷よりも容易に厚手の電波吸収体2を形成可能である。
この他については実施の形態1と同様であるため、重複する説明は割愛する。
実施の形態3.
図11は、本発明にかかる高周波回路ケース用カバーの実施の形態3の製造工程を示す図である。本実施の形態においては、電波吸収体ペースト3の代わりに成型電波吸収体9及びガラスペースト10を用いて電波吸収体2を形成する。成型電波吸収体9は、Fe−Si−B系の軟磁性体球状粉とSiO2を含まないBi系ガラスとを重量比8:2〜9:1で混合し、さらに有機バインダを混合の上で型に入れ、50MPa以上の加圧力で粉体成型したものである。ガラスペースト10は、成型電波吸収体9を構成するガラスと同じ組成、又は成型電波吸収体9を構成するガラスと同じ程度の温度で軟化するガラスに有機バインダ、溶剤を加えてペースト化したものである。成型電波吸収体9を粉体成型で形成し(図11(a))、スクリーン印刷法によってカバー1面にガラスペースト10を印刷形成した上で成型電波吸収体9を載置して(図11(b))、焼成することにより電波吸収体2がカバー1と焼結接合される(図11(c))。粉体成型では実施の形態2で説明したシート状電波吸収体よりもさらに厚い電波吸収体の形成が可能である。接着層としてガラスペースト10を用いることにより接着層近傍では電波吸収体2中の軟磁性体球状粉とBi系ガラスの重量比が8:2〜9:1から外れてガラス分過多となるが、電波吸収体2が厚いため、電波吸収性を発揮する有効厚さは十分確保される。
図11は、本発明にかかる高周波回路ケース用カバーの実施の形態3の製造工程を示す図である。本実施の形態においては、電波吸収体ペースト3の代わりに成型電波吸収体9及びガラスペースト10を用いて電波吸収体2を形成する。成型電波吸収体9は、Fe−Si−B系の軟磁性体球状粉とSiO2を含まないBi系ガラスとを重量比8:2〜9:1で混合し、さらに有機バインダを混合の上で型に入れ、50MPa以上の加圧力で粉体成型したものである。ガラスペースト10は、成型電波吸収体9を構成するガラスと同じ組成、又は成型電波吸収体9を構成するガラスと同じ程度の温度で軟化するガラスに有機バインダ、溶剤を加えてペースト化したものである。成型電波吸収体9を粉体成型で形成し(図11(a))、スクリーン印刷法によってカバー1面にガラスペースト10を印刷形成した上で成型電波吸収体9を載置して(図11(b))、焼成することにより電波吸収体2がカバー1と焼結接合される(図11(c))。粉体成型では実施の形態2で説明したシート状電波吸収体よりもさらに厚い電波吸収体の形成が可能である。接着層としてガラスペースト10を用いることにより接着層近傍では電波吸収体2中の軟磁性体球状粉とBi系ガラスの重量比が8:2〜9:1から外れてガラス分過多となるが、電波吸収体2が厚いため、電波吸収性を発揮する有効厚さは十分確保される。
電波吸収体2の組成は、実施の形態1と同じであるため、高周波損失特性も同じである。さらに、焼結体であるためガスや水分発生のおそれが無い点も同様である。ただし、本実施の形態では、成型電波吸収体9を用いるため、取り扱いが容易である。保存期間がペーストよりも長い。また、成型電波吸収体9の大きなブロックを任意形状に切断して使用が可能である。さらに、実施の形態2において説明した電波吸収体シートよりも容易に厚手の電波吸収体2を形成可能である。
この他については実施の形態1、2と同様であるため、重複する説明は割愛する。
上記各実施の形態によれば、電子機器に実装する電子デバイスの高周波化及び高密度実装化が可能となり、電子機器の小型化・高性能化を実現できる。
1 カバー
2 電波吸収体
3 電波吸収体ペースト
4 スクリーン
5 スキージ
6 高周波回路
7 ケース
8 電波吸収体シート
9 成型電波吸収体
10 ガラスペースト
2 電波吸収体
3 電波吸収体ペースト
4 スクリーン
5 スキージ
6 高周波回路
7 ケース
8 電波吸収体シート
9 成型電波吸収体
10 ガラスペースト
Claims (6)
- 高周波回路を収容するケースの蓋となる高周波回路ケース用カバーであって、
Fe−Si−B系の損失性軟磁性体球状粉とSiO2を含まないビスマス系のガラス粉末との重量比8:2〜9:1の混合物の焼成体として焼結接合された電波吸収体を有することを特徴とする高周波回路ケース用カバー。 - 高周波回路を収容するケースの蓋となる高周波回路ケース用カバーの製造方法であって、
Fe−Si−B系の損失性軟磁性体球状粉とSiO2を含まないビスマス系のガラス粉末との重量比8:2〜9:1の混合物を用いて、前記カバーに電波吸収体を形成する第1の工程と、
前記電波吸収体を焼成して、前記電波吸収体と前記カバーとを焼結接合する第2の工程とを有することを特徴とする高周波回路ケース用カバーの製造方法。 - 前記第1の工程では、前記損失性軟磁性体球状粉と前記ガラス粉末とにバインダ及び溶剤を加えてペースト化し、該ペーストを前記カバーに印刷することを特徴とする請求項2記載の高周波回路ケース用カバーの製造方法。
- 前記第1の工程では、前記損失性軟磁性体球状粉と前記ガラス粉末とにバインダ及び溶剤を加えて形成したグリーンシートを、前記カバーに圧着することを特徴とする請求項2記載の高周波回路ケース用カバーの製造方法。
- 前記第1の工程においては、前記損失性軟磁性体球状粉と前記ガラス粉末とにバインダを加え、加圧成型して成型吸収体を形成し、別のガラス粉末にバインダ及び溶剤を加えてペースト化し、該ペーストを前記カバーに印刷し、印刷した前記ペーストの上に前記成型吸収体を配置することを特徴とする請求項2記載の高周波回路ケース用カバーの製造方法。
- 前記第2の工程においては、600℃未満の温度で前記電波吸収体を焼成することを特徴とする請求項2から5のいずれか1項記載の高周波回路ケース用カバーの製造方法。
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JP2015008257A (ja) * | 2013-06-26 | 2015-01-15 | 三菱電機株式会社 | 高周波装置及びその製造方法 |
JP2016213424A (ja) * | 2015-05-01 | 2016-12-15 | 大同特殊鋼株式会社 | 高周波通信装置 |
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