JP2012195372A - 半導体チップ実装体の製造方法、積層シート及び半導体チップ実装体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】突起状電極を有し、前記突起状電極を有する面に封止樹脂層が設けられた厚みが100μm以下の半導体チップ1を作製する工程(1)と、前記半導体チップの前記突起状電極と基板又はその他の電子部品の電極部とを接合するとともに、前記封止樹脂層を硬化させて前記半導体チップの周りにフィレット2を形成する工程(2)とを有し、前記工程(1)では、前記突起状電極の高さに対して40〜80%の厚みとなるように前記封止樹脂層を設け、前記工程(2)では、前記半導体チップの対角線の延長線上にあるフィレットの長さIが、前記半導体チップの対角線の長さLに対して100%を超えて130%以下となるようにフィレットを形成する半導体チップ実装体の製造方法。
【選択図】図1
Description
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、突起状電極を有する半導体チップを基板又はその他の電子部品に実装して得られる半導体チップ実装体の製造方法において、突起状電極の高さに対して特定の厚みとなるように封止樹脂層を設け、かつ、特定の長さとなるようにフィレットを形成することにより、半導体チップの厚みが100μm以下と薄くても信頼性の高い半導体チップ実装体を製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の半導体チップ実装体の製造方法では、まず、突起状電極を有し、上記突起状電極を有する面に封止樹脂層が設けられた厚みが100μm以下の半導体チップを作製する工程(1)を行う。上記工程(1)において作製される半導体チップは、突起状電極を有しており、厚みが100μm以下である。本明細書中、半導体チップの厚みとは、突起状電極を除いた厚みを意味する。
上記封止樹脂層の厚みが上記突起状電極の高さに対して40%未満であると、上記半導体チップの角部にもフィレットを形成することが困難となりやすい。上記封止樹脂層の厚みが上記突起状電極の高さに対して80%を超えると、封止樹脂材料が上記半導体チップの上面に這い上がりやすくなる。上記封止樹脂層の厚みは、上記突起状電極の高さに対する好ましい下限が45%、好ましい上限が70%である。
上記ペーストを塗布する方法は特に限定されず、例えば、スピンコート法等が挙げられる。
上記突起状電極の高さに対して40〜80%の厚みを有する封止樹脂層と、基材層とを有する積層シートを貼り合わせる方法は特に限定されず、例えば、ラミネーターにより貼り合わせる方法等が挙げられる。上記ウエハの裏面を研削する方法は特に限定されず、従来公知のバックグラインダーを用いる方法等が挙げられる。
上記封止樹脂層の120℃における溶融粘度の下限は特に限定されないが、1×102Pa・s以上であることが好ましい。上記封止樹脂層の120℃における溶融粘度が1×102Pa・s未満であると、封止樹脂材料が上記半導体チップの上面に這い上がり、歩留りの低下を招いたり、ボンディングツールを汚染してしまったりすることがある。
上記レゾルシノール型エポキシ化合物のうち、市販品として、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ポリエーテル変性エポキシ化合物のうち、市販品として、例えば、EX−931(ナガセケムテックス社製)、EXA−4850−150(DIC社製)、EP−4005(アデカ社製)等が挙げられる。
上記エピスルフィド化合物として、具体的には例えば、ビスフェノール型エピスルフィド化合物(ビスフェノール型エポキシ化合物のエポキシ基の酸素原子を硫黄原子に置換した化合物)、水添ビスフェノール型エピスルフィド化合物、ジシクロペンタジエン型エピスルフィド化合物、ビフェニル型エピスルフィド化合物、フェノールノボラック型エピスルフィド化合物、フルオレン型エピスルフィド化合物、ポリエーテル変性エピスルフィド化合物、ブタジエン変性エピスルフィド化合物、トリアジンエピスルフィド化合物、ナフタレン型エピスルフィド化合物等が挙げられる。なかでも、ナフタレン型エピスルフィド化合物が好ましい。これらのエピスルフィド化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
なお、酸素原子から硫黄原子への置換は、エポキシ基の少なくとも一部におけるものであってもよく、すべてのエポキシ基の酸素原子が硫黄原子に置換されていてもよい。
上記硬化剤の配合量が少なすぎると、得られる半導体チップ実装体において上記半導体チップと基板とが反りによって剥離してしまうことがある。上記硬化剤の配合量が多すぎると、所望の形状のフィレットを形成することが困難となり、得られる半導体チップ実装体の接続信頼性が低下することがある。
上記硬化促進剤は特に限定されず、例えば、イミダゾール系硬化促進剤、3級アミン系硬化促進剤等が挙げられる。なかでも、硬化速度の制御をしやすいことから、イミダゾール系硬化促進剤が好ましい。これらの硬化促進剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記フィレットの長さが上記半導体チップの対角線の長さに対して100%以下であると、得られる半導体チップ実装体の信頼性が低下する。上記フィレットの長さが上記半導体チップの対角線の長さに対して130%を超えると、封止樹脂材料が上記半導体チップの上面に這い上がりやすくなり、また、上記フィレットが大きすぎ、配線の間隔の狭い基板又はその他の電子部品を用いる場合に歩留りの低下を招いてしまう。上記フィレットの長さは、上記半導体チップの対角線の長さに対する好ましい下限が105%、好ましい上限が125%である。
本明細書中、フィレットの高さとは、半導体チップの厚みに対して最も高い部分のフィレットの高さを意味する。
上記荷重が低すぎると、上記突起状電極と上記電極部とが接触しないことがある。上記荷重が高すぎると、上記突起状電極がつぶれすぎて隣の突起状電極と接触し、ショートすることがある。なお、本発明の半導体チップ実装体の製造方法では、上記封止樹脂層の厚みが上述した範囲であることにより、上記突起状電極と上記電極部とを接触させる際に高い荷重をかける必要がなく、接続信頼性の高い半導体チップ実装体を生産性よく製造することができる。
上記突起状電極と上記電極部とを接触させる際には、例えば、フリップチップボンダー等を用いることができる。
上記突起状電極と上記電極部とを接合する際には、フリップチップボンダーを用いてもよく、リフロー炉等の他の加熱手段を用いてもよい。
本発明の半導体チップ実装体の製造方法により得られる半導体チップ実装体であって、厚みが100μm以下の半導体チップの突起状電極と、基板又はその他の電子部品の電極部とが接合されて電極が形成されており、封止樹脂層により、上記電極間が充填されているとともに上記半導体チップの周りにフィレットが形成されており、かつ、上記フィレットが上記半導体チップの厚みに対して50〜90%の高さまで這い上がっている半導体チップ実装体もまた、本発明の1つである。
(1)積層シートの製造
基材層としての厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)からなるフィルム(商品名「テトロン」、帝人デュポン社製)の片側に、アクリル樹脂(モノマーとして2−エチルヘキシルアクリレート及び2−ヒドロキシエチルアクリレートを含むポリアルキルアクリレート)と、このアクリル樹脂100重量部に対して1.5重量部のコロネートL−45(日本ポリウレタン工業社製)とを酢酸エチルで希釈した塗液を、コンマコーターを用いて塗布し、80℃で10分間乾燥した後、40℃で3日間養生し、厚さ15μmの電極保護層を形成した。また、表1の組成に従って、下記に示す各材料を、ホモディスパーを用いて攪拌混合して封止樹脂組成物を調製した。離型PETフィルム上に、コンマコート法により、得られた封止樹脂組成物を乾燥後の封止樹脂層の厚みが表3に示す厚みとなるように塗工し、100℃で5分間乾燥させて封止樹脂層を形成した。次いで、得られた電極保護層と封止樹脂層とをラミネーターによって貼り合わせることにより、積層シートを得た。
・HP−7200L(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、DIC社製)
・EXA−4710(ナフタレン型エポキシ樹脂、DIC社製)
・G−2050−M(グリシジル基含有アクリル樹脂、重量平均分子量20万、日油社製)
・G−017581(グリシジル基含有アクリル樹脂、重量平均分子量1万、日油社製)
・YH−309(酸無水物系硬化剤、JER社製)
・フジキュア7000(常温で液状のイミダゾール化合物、富士化成工業社製)
・SX009−MJF(フェニルトリメトキシシラン表面処理球状シリカ、平均粒子径0.05μm、アドマテックス社製)
・SE−1050−SPT(フェニルトリメトキシシラン表面処理球状シリカ、平均粒子径0.3μm、アドマテックス社製)
・AC−4030(応力緩和ゴム系高分子、ガンツ化成社製)
直径20cm、厚み725μmであり、表面に高さ35μm、幅35μm角の正方形の銅ポストの上に高さ20μmの半田をつけたバンプが50μmピッチでペリフェラル状に多数形成されている、1チップの大きさが7.6mm角のウエハ(シリコンウエハ)を用意した。
ウエハのバンプを有する面に上記で得られた積層シートをラミネートし、通常のバックグラインダーにより、ウエハの厚み50μmまで薄化した。次いで、ウエハの裏面にダイシングリングの付いたダイシングテープを貼り合わせた後、積層シートから基材層と電極保護層とを剥離した。その後、ダイシングストリートに従って封止樹脂層ごとウエハをダイシングカットした。封止樹脂層付きチップをピックアップして、フリップチップボンダー(FC3000、東レエンジニアリング社製)を用いてチップに対応する15mm角の樹脂基板に接合するとともに、表3に示す高さ及び長さのフィレットを形成し、半導体チップ実装体を得た。接合条件は、150℃40N1秒、280℃40N3秒であった。
直径20cm、厚み725μmであり、表面に高さ35μm、幅35μm角の正方形の銅ポストの上に高さ20μmの半田をつけたバンプが50μmピッチでペリフェラル状に多数形成されている、1チップの大きさが7.6mm角のウエハ(シリコンウエハ)を用意した。
表2の組成に従って、ホモディスパーを用いて下記に示す各材料を攪拌混合し、封止樹脂溶液を調製した。この封止樹脂溶液をスピンコーターによりウエハ上にコートし、80℃20分で乾燥し、封止樹脂層の厚みが表3の厚みとなるように調整して、封止樹脂層付きウエハを得た。
封止樹脂層付きウエハを、通常のバックグラインダーにより、ウエハの厚み50μmまで薄化した。次いで、ウエハの裏面にダイシングリングの付いたダイシングテープを貼り合わせた。その後、ダイシングストリートに従って封止樹脂層ごとウエハをダイシングカットした。封止樹脂層付きチップをピックアップして、フリップチップボンダー(FC3000、東レエンジニアリング社製)を用いてチップに対応する15mm角の樹脂基板に接合するとともに、表3に示す高さ及び長さのフィレットを形成し、半導体チップ実装体を得た。接合条件は、160℃20N3秒、280℃1N5秒であった。
・1004AF(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン社製)
・YX−4000(ビフェニル型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン社製)
・G−0250SP(グリシジル基含有アクリル樹脂、重量平均分子量2万、日油社製)
・YH−306(トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、JER社製)
・2MAOK(2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン イソシアヌル酸付加塩、四国化成工業社製)
・SE−1050−SPT(表面フェニル処理無機フィラー(シリカ)、アドマテックス社製)
・KBM−573(シランカップリング剤、信越化学社製)
・溶剤 メチルエチルケトン(MEK、和光純薬工業社製)
(温度サイクル試験)
チップ及び基板として、デイジーチェーンにて抵抗値が測定できるものを使用した。実施例及び比較例で得られた半導体チップ実装体を、JEDEC レベル3のプリコンディションにて吸湿させ、その後、温度サイクル試験機に投入した。温度サイクルの条件は、−55℃から125℃、1000サイクルであった。抵抗値変化を測定して10%以内であった実装体を良品とし、10サンプルのうちの良品数を評価した。
2 フィレット
Claims (6)
- 突起状電極を有する半導体チップを基板又はその他の電子部品に実装して得られる半導体チップ実装体の製造方法であって、
突起状電極を有し、前記突起状電極を有する面に封止樹脂層が設けられた厚みが100μm以下の半導体チップを作製する工程(1)と、
前記半導体チップの前記突起状電極と基板又はその他の電子部品の電極部とを接合するとともに、前記封止樹脂層を硬化させて前記半導体チップの周りにフィレットを形成する工程(2)とを有し、
前記工程(1)では、前記突起状電極の高さに対して40〜80%の厚みとなるように前記封止樹脂層を設け、
前記工程(2)では、前記半導体チップの対角線の延長線上にあるフィレットの長さが、前記半導体チップの対角線の長さに対して100%を超えて130%以下となるようにフィレットを形成する
ことを特徴とする半導体チップ実装体の製造方法。 - 突起状電極を有し、前記突起状電極を有する面に封止樹脂層が設けられた厚みが100μm以下の半導体チップを作製する工程(1)が、
突起状電極を有し、前記突起状電極を有する面に封止樹脂層が設けられた厚みが100μm以下のウエハを作製する工程(1A)と、
前記ウエハを個別の半導体チップに分割する工程(1B)とを有し、
前記工程(1A)では、前記突起状電極の高さに対して40〜80%の厚みとなるように前記封止樹脂層を設ける
ことを特徴とする請求項1記載の半導体チップ実装体の製造方法。 - 突起状電極を有し、前記突起状電極を有する面に封止樹脂層が設けられた厚みが100μm以下のウエハを作製する工程(1A)が、
突起状電極を有するウエハの前記突起状電極を有する面に、前記突起状電極の高さに対して40〜80%の厚みを有する封止樹脂層と、基材層とを有する積層シートを貼り合わせる工程(1Aa)と、
前記ウエハの裏面を研削して、厚みが100μm以下となるように前記ウエハを薄化する工程(1Ab)と、
前記積層シートから前記基材層を剥離する工程(1Ac)とを有する
ことを特徴とする請求項2記載の半導体チップ実装体の製造方法。 - 封止樹脂層の120℃における溶融粘度が1×105Pa・s以下であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の半導体チップ実装体の製造方法。
- 請求項3又は4記載の半導体チップ実装体の製造方法において用いられ、封止樹脂層と、基材層とを有することを特徴とする積層シート。
- 請求項1、2、3又は4記載の半導体チップ実装体の製造方法により得られる半導体チップ実装体であって、
厚みが100μm以下の半導体チップの突起状電極と、基板又はその他の電子部品の電極部とが接合されて電極が形成されており、
封止樹脂層により、前記電極間が充填されているとともに前記半導体チップの周りにフィレットが形成されており、かつ、
前記フィレットが前記半導体チップの厚みに対して50〜90%の高さまで這い上がっている
ことを特徴とする半導体チップ実装体。
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