JP2012194499A - 光レセプタクルおよび光通信用送受信モジュール - Google Patents

光レセプタクルおよび光通信用送受信モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】先端側と後端側との間で電気的に絶縁され、光通信用送受信モジュールのEMIおよびESD障碍を低減する光レセプタクルを提供する。
【解決手段】光レセプタクル1は、フェルール11に光ファイバ12が挿通されたファイバスタブ4と、ファイバスタブ4が挿通された電気絶縁性の筒部材5と、筒部材5の外周面のファイバスタブ4の先端4a側に固定された第1金属ホルダ6と、ファイバスタブ4の後端4b部または筒部材5の後端5b部に固定された第2金属ホルダ7とを具備する。第1金属ホルダ6と第2金属ホルダ7との間で電気的に絶縁された光レセプタクル1を提供できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバとの接続部に用いられる光レセプタクルおよびこの光レセプタクルが用いられ、発光素子または受光素子を内部に収容した光通信用送受信モジュールに関し、電磁干渉等に配慮した光レセプタクルおよびこれを用いた光通信用送受信モジュールに関するものである。
光ファイバ双方向通信において、レーザダイオード等の発光素子またはフォトダイオード等の受光素子を備え、光送受信回路を小型パッケージに集積した光通信用送受信モジュールが用いられている。光通信用送受信モジュールは、その筐体に取り付けられた光レセプタクル部に光ファイバを接続することによって、相手方の光通信用送受信モジュールと通信できるようにされている。
従来の光通信用送受信モジュールの概略断面構造を図4に示す。従来の光通信用送受信モジュール50は、光レセプタクル30および光素子ユニット40から成っている。
光素子ユニット40は、素子ホルダ42および素子カバー43で構成される筐体内に、発光素子または受光素子等の光素子41およびその周辺回路を収容している。素子カバー43には、窓43aが設けられており、窓43aを介して外部と光信号を授受できるようにしてある。また、素子カバー43の窓43a外面の周辺には、調芯アダプタ44が接合されている。調芯アダプタ44は、光レセプタクル30のホルダ37を保持する。
光レセプタクル30は、ファイバスタブ34と、スリーブ35と、スリーブケース36と、ホルダ37とを備えている。
ファイバスタブ34は、内部に光ファイバが挿通された細い孔を有した筒状のもので、ジルコニアセラミックスやアルミナセラミックスを主成分とするセラミックス、ステンレス鋼(SUS)等の金属、またはエポキシ樹脂等のプラスチックス等から成る厚肉の円筒部材である。
スリーブ35は、円筒形状であり、一端側にファイバスタブ34の先端34a部が挿入され、他端側に光コネクタ内の、ファイバスタブ34と同様のプラグフェルール(図示せず)の先端部が挿入される。両フェルールが筒の両側から挿入されることによって、ファイバスタブ34およびプラグフェルールの先端面同士が当接され、両フェルールの中心軸部分に挿通された光ファイバ同士が結合される。スリーブ35の外側には、スリーブ35を保護するスリーブケース36が取り付けられる。
ファイバスタブ34の後端34b部は、ホルダ37に圧入されて保持される。ホルダ37は、円筒状またはリング状の中空部材であり、一般に金属材料からなる。ホルダ37は、光素子41との光信号の授受ができるように調芯した後、光素子ユニット40の調芯アダプタ44に溶接等によって固定され、光通信用送受信モジュール50が完成する。
従来の光レセプタクル30のスリーブケース36およびホルダ37には、剛性や耐荷重性能等の機械的特性に関する要求から、SUS等の金属が用いられることが多い。同様に、光素子ユニット40の素子ホルダ42、素子カバー43、調芯アダプタ44にも金属が用いられることが多い。また、素子ホルダ42は、光素子41やその周辺回路のグラウンド電極または電源電極と接続される場合があり、この場合、光通信用送受信モジュール5
0の外殻全体が光素子41またはその周辺回路のグラウンドまたは電源と等しい電位レベルとなる。
このため、光素子41またはその周辺回路のグラウンドまたは電源に電気的雑音が生じると、光レセプタクル30にも伝わり、光レセプタクル30部がアンテナとなって、周囲に雑音電波を出してしまう場合がある。また、光レセプタクル30部が受信アンテナとなって外部雑音を拾ってしまい、光素子41の動作に影響を与える場合もある。従来の光通信用送受信モジュール50には、このような電磁干渉(EMI)の問題が生じる場合があった。また、人体等、いずれかに蓄積された静電気が外部に露出された光レセプタクル30に静電気放電(ESD)されてしまうと、光素子41等の電子回路が故障する虞もあった。
上記の問題を改善するために、図5に示す構造の光レセプタクル31が提案されている。図5に示す光レセプタクル31において、セラミックスから成るファイバスタブ34を保持する金属製ホルダが第一ホルダ37および第二ホルダ38に分割され、第一ホルダ37と第二ホルダ38とがファイバスタブ34を介して電気的に絶縁されている(例えば、特許文献1参照)。これによって、第二ホルダ38と調芯アダプタ44とを溶接しても、光素子ユニット40は光レセプタクル30のスリーブケース36、第一ホルダ37から絶縁されているので、EMIやESD問題を生じ難いというものである。
ところが、ファイバスタブ34に第一ホルダ37をファイバスタブ34の後端側から圧入する際に、第一ホルダ37とファイバスタブ34とが擦れてファイバスタブ34の表面に金属痕が残る場合がある。この状態でさらに第二ホルダ38をファイバスタブ34の後端側から圧入すると、表面の金属痕を通じて第一ホルダ37と第二ホルダ38とが電気的に導通してしまう場合がある。
この問題を防ぐため、図5に示すように、さらに第一ホルダ37と第二ホルダ38との中間位置において、ファイバスタブ34の外周面を周回する溝34cを削って設けることが提案されている。これによれば、第一ホルダ37をファイバスタブ34に圧入する際に、溝34cの底面が第一ホルダ37の内周面と接触しない。このため、金属痕が溝34cで途切れ、金属痕を介して第一ホルダ37と第二ホルダ38とが導通してしまう問題を無くせるというものである。
その他にも、図6に示す構造の光レセプタクル32が提案されている(例えば、特許文献2参照)。図6に示す光レセプタクル32は、セラミック製精密スリーブ33とその精密スリーブ33の後端外周部に固定された金属製ホルダ45とその金属製ホルダ45と非接触の状態で、セラミック製精密スリーブ33の外周部に固定された金属製フランジ46とを有している。セラミック製精密スリーブ33の内孔内にはファイバスタブ34が保持されている。
金属製フランジ46と金属製ホルダ45とは、セラミック製精密スリーブを介して接触しないように固定されているので、金属製フランジ46と金属製ホルダ45とは電気的に絶縁されている。
特許第4535985号 特許第4041439号
しかしながら、図5に示す光レセプタクル31において、ファイバスタブ34の軸方向途中の外周面に溝34cが形成されているため、ファイバスタブ34の軸方向の抗折強度が低下してしまうという問題が生じてしまう。すなわち、光レセプタクル31を光素子ユニット40とYAG溶接などにより接合する際等の光通信用送受信モジュール50の取り扱い時に、周回状の溝34c領域に曲げ応力が集中し、ファイバスタブ34が溝34c部分で折れ易いという問題が発生してしまう。この傾向は特にLC型(プラグフェルール34の直径が1.249mmのタイプのもの)の光レセプタクル31の場合、顕著な問題となる。
また、第1ホルダ37を圧入する際に、溝34cの側壁と外周面との間のエッジによって第1ホルダ37の内周面が削られ、金属屑が生じる場合がある。この金属屑が電気絶縁性を妨げる場合がある。
さらに、この構造において、ファイバスタブ34の外周面に圧入固定されている第一ホルダ37と第二ホルダ38は、上記光素子ユニット40との接合時や、光通信用送受信モジュール50を通信用送受信に固定する際などに加えられる力や衝撃などにより、第1ホルダ37と第2ホルダ38との間隔が変動する場合があり、最悪の場合、第一ホルダ37と第二ホルダ38が接触して電気的に導通してしまう場合がある。
図6に示す光レセプタクル32の構造においても、上記図5に示す光レセプタクル31の場合と同様に、電気的導通の問題が起こる可能性がある。またこの構造の場合、金属フランジ46や金属ホルダ45を圧入固定するために、セラミック製スリーブ33は、剛性を考慮したスリットの入っていない精密スリーブを用いざるを得ず、プラグフェルールとの接続に割りスリーブを用いることができない。
したがって、上記問題点に鑑み、本発明は、先端側と後端側との間で電気的に絶縁され、機械的強度にも優れ、かつ光コネクタとの光学的な結合性にも優れる光レセプタクルを提供することを目的とする。
本発明の一実施形態に係る光レセプタクルは、フェルールに光ファイバが挿通されたファイバスタブと、このファイバスタブが挿通された電気絶縁性の筒部材と、この筒部材の外周面の前記ファイバスタブの先端側に固定された第1金属ホルダと、前記ファイバスタブの後端部または前記筒部材の後端部に固定された第2金属ホルダとを具備することを特徴とする。
好ましくは、上記光レセプタクルにおいて、前記第1金属ホルダは、前記筒部材を挿入する凹部が形成されており、前記筒部材は、前記凹部に挿入されて該凹部の内面に固定されている。
また、上記レセプタクルにおいて、前記第1金属ホルダは、前記凹部の底面と前記筒部材の端面との間に空隙を有するようにして固定されているのが好ましい。
また、上記光レセプタクルにおいて、前記第2金属ホルダは、前記筒部材の前記後端部を挿入する凹部が形成されており、前記筒部材は、前記凹部に挿入されて該凹部の内面に固定されているのが好ましい。
また、上記光レセプタクルにおいて、前記第2金属ホルダは、前記凹部の底面と前記筒部材の端面との間に空隙を有するようにして固定されているのが好ましい。
また、前記第1金属ホルダおよび前記第2金属ホルダは圧入により固定されているのが好ましい。
また、前記ファイバスタブの先端部に挿着されたスリーブと、このスリーブの外側面を覆うとともに前記第1金属ホルダに固定されたスリーブケースとをさらに具備しているのが好ましい。
さらに、前記スリーブは割スリーブであるのが好ましい。
本発明の一実施形態に係る光通信用送受信モジュールは、上記いずれかに記載の光レセプタクルと、内部に光素子を収容し、前記ファイバスタブの前記光ファイバと光結合させて前記第2金属ホルダに固定された光通信用パッケージとを具備することを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る光レセプタクルおよびこれを用いた光通信用送受信モジュールによれば、フェルールに光ファイバが挿通されたファイバスタブと、このファイバスタブが挿通された電気絶縁性の筒部材と、この筒部材の外周面のファイバスタブの先端側に第1金属ホルダが固定され、ファイバスタブの後端部または筒部材の後端部に第2ホルダが固定されていることにより、電気絶縁性の筒部材によって第1金属ホルダと第2金属ホルダとが隔てられ、高い電気絶縁性を提供できる。また、筒部材には応力集中するような部位がなく、かつその外径はファイバスタブより、太く設定できるため、光レセプタクルの折損強度を大きく向上させることが可能になる。
さらに、第1金属ホルダには、筒部材を挿入する凹部が形成されており、筒部材は、凹部に挿入されて凹部の内面に固定されているようにすると、第1金属ホルダが筒部材の外周面上をスライドし、第1金属ホルダの凹部の底面と筒部材の端面とが当接する位置以上に変位しないようにすることができ、外部からの応力や衝撃を受けても、第1金属ホルダの位置を保つことができる。
また、第1金属ホルダが凹部の底面と筒部材の端面との間に空隙を有するように固定することにより、第1金属ホルダの固定位置の微妙な調整を可能とできる。
第2金属ホルダには筒部材の後端部を挿入する凹部が形成されており、筒部材が、この凹部に挿入されて凹部の内面に固定されていると、第2金属ホルダが筒部材の外周面上をスライドし、第2金属ホルダの凹部の底面と筒部材の端面とが当接する位置以上に変位しないようにすることができ、外部からの応力や衝撃を受けても、第2金属ホルダの位置を保つことができる。
また、第2金属ホルダが凹部の底面と筒部材の端面との間に空隙を有するように固定することにより、第2金属ホルダの固定位置の微妙な調整を可能とできる。
第1金属ホルダおよび第2金属ホルダが圧入により固定されていると、接着材などによる固定に比べて、外部の温度変動や高い湿度環境に対する耐性に優れたものとできる。
したがい、電気絶縁性に優れ、外部応力や衝撃に対して耐性の高い光レセプタクル、および雑音特性に優れる光通信用送受信モジュールの提供が可能になる。
本発明の実施の形態の一例に係る光レセプタクルを示す断面図である。 本発明の実施の形態の一例に係る光通信用送受信モジュールを示す断面図である。 本発明の光レセプタクルの実施の形態の他の例を示す断面図である。 従来の光通信用送受信モジュールの例を示す断面図である。 従来の光レセプタクルの他の例を示す断面図である。 従来の光レセプタクルのさらに他の例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態の各例について、図面を参照しながら説明する。なお、各図においてそれぞれ対応する部位を示す場合は、同じ名称を用いるとともに同じ符号を付している。
図1は、本発明の光レセプタクル1Aの実施の形態の一例を示し、光レセプタクル1Aの中心軸を含む断面を模式的に示す断面図である。また、図2は、図1の光レセプタクル1Aが用いられた光通信用送受信モジュールの断面を模式的に示す断面図である。本実施形態において、光レセプタクル1Aは、スタブフェルール11に光ファイバ12が挿通されたファイバスタブ4と、第1金属ホルダ6と、第2金属ホルダ7とを備えている。光通信用送受信モジュール3は、この光レセプタクル1Aが、図2に示すように、内部に光素子21を備えた光素子ユニット2に固定されて成る。
スリーブ9は円筒形状を成し、一端(図1においては下端)にはファイバスタブ4の先端4a(図1においては上端)部が内側に挿入されている。図示していないが、スリーブ8の他端(図1においては上端)筒内には、光ファイバが挿通されたプラグフェルールの先端部が挿入され、その先端面がファイバスタブ4の先端面4aと突き合わされるようになっている。これによって、ファイバスタブ11内の光ファイバ12とプラグフェルール内の光ファイバとが同芯で突き合わされ、光ファイバ同士が接続される。
スリーブ9は、軸方向にスリットを入れた割スリーブ9を用いるのが好ましい。割スリーブ9は、ファイバスタブ4またはプラグフェルールの外径よりわずかに小さい内径とされている。この両端からファイバスタブ4またはプラグフェルールを挿入すると、スリットが拡がって割スリーブ9の内径が大きくなるとともに、割スリーブ9の弾性力によってファイバスタブ4またはプラグフェルールが同軸になるように把持される。弾性力によってファイバスタブ4またはプラグフェルールに密着するように小さなクリアランスで把持するため、ファイバスタブ4およびプラグフェルールに挿通された光ファイバ内を伝播する光を効率良く結合させることが可能になる。
ファイバスタブ4は、スタブフェルール11内に光ファイバ12が挿通された物である。スタブフェルール11は、筒形状を成す電気的絶縁体であって、中心軸位置に細い貫通孔を有している。この孔にはスタブフェルール11の全長に亘って光ファイバ12が挿通される。そして、ファイバスタブ4の先端面4aを含む先端部がスリーブ9の一端に挿入され、スリーブ9を支持する。
さらにファイバスタブ4の外周部は電気絶縁性の筒部材5の内孔に圧入もしくは接着などにより固定されている。その筒部材5の一端5a(図1においては上端、以下、先端ともいう)の外周面は、金属製の第1金属ホルダ6の凹部6aに固定されている。第1金属ホルダ6とファイバスタブ4とは筒部材5を介して固定されており、第1金属ホルダ6とファイバスタブ4とが直接接する部分はない。電気絶縁性の筒部材5の材料としてはプラスチックスやセラミックスが使用される。セラミックスを用いる場合、長期信頼性や圧入加工性などを考慮して、靭性の優れたジルコニアセラミックを用いるのが好ましい。
さらに筒部材5のもう一端の端面5bは金属製の第2金属ホルダ7の端面に突き当てられており、第2金属ホルダ7の内孔には筒部材5から飛び出たファイバスタブ4の後端(
図1においては下端4b)が固定されている。第2金属ホルダ7の固定は接着などにより
、行っても良いが作業性、信頼性に優れる圧入が好ましい。
一般的に第1金属ホルダ6は、光通信用送受信モジュール3が固定される通信装置のシャーシやケース等に固定可能なように、他端にフランジ6c等の固定部が形成されている。また第2金属ホルダ7は、光素子ユニット2の調芯アダプタ24に溶接等によって固定するため、溶接性能の優れたステンレス材料により形成されるのが好ましい。
なお、スリーブ9の外側にはスリーブ9を保護するとともに、スリーブ9がファイバスタブ4から脱落しないようにするスリーブケース10が被せられる。スリーブケース10は、強度等の機械的特性の点で金属が好ましく、第1金属ホルダ6に圧入等によって固定される。
金属製の第1金属ホルダ6および第2金属ホルダ7は、電気絶縁性の筒部材5およびファイバスタブ4を介して分離されて配置されているため、電気的に絶縁された状態で固定されている。また筒部材5の外径D2はファイバスタブ4の外径D1より大きく、ファイバスタブ4に曲げ方向の荷重がかかった際の耐性に対してもファイバスタブ4単体のそれより、大幅に大きくできる。
また、一般的には、金属製の第1金属ホルダ6や第2金属ホルダ7は、ファイバスタブ4や電気絶縁性の筒部材5へ圧入により固定される場合が多く、圧入の際に擦れて金属粉がそれらの外周面などに付着する。しかし、第1金属ホルダ6は筒部材5の先端5a側(図1においては上端)に固定されており、筒部材5をファイバスタブ4に圧入する際に金属粉がファイバスタブ4に付着することはない。したがって、第1金属ホルダ6と第2金属ホルダ7間が金属粉を介して導通することを防止できる。また、第2金属ホルダ7は、ファイバスタブ4の後端4bに固定され、筒部材5の内径部にファイバスタブ4が挿入固定されている。筒部材5およびファイバスタブ4は絶縁材料であるため、第1金属ホルダ6と第2金属ホルダ7とは電気的に絶縁されている。
また図1の実施形態の場合、第1金属ホルダ6の筒部材5の先端5aが接する部分に先端5a部を収容する凹部6aが座刳ってある。そして、筒部材5の先端5a部が凹部6a内に挿入されるとともに、凹部6aの内周面に圧入等によって固定されている。このように筒部材5は、凹部6a内に固定されているため、筒部材5が凹部6aの底面6cからさらに先端方向にスライドすることがない。また筒部材5の後端5b側端面は、第2金属ホルダ7の端面に突き当てられているため、第2金属ホルダ7が筒部材5の先端5a側にスライドすることがない。したがって、金属製の第1金属ホルダ6および第2金属ホルダ7の距離を安定させ、一定の絶縁距離を確保することが可能となる。外部からの機械的な衝撃等が加わっても、第1金属ホルダ6と第2金属ホルダ7とが接触してしまうことはない。
図3に示す光レセプタクル1Bは、光レセプタクル1の他の実施形態の例を示す断面図である。図1の実施形態と異なる点は、第1金属ホルダ6の凹部6aの底面6bと電気絶縁性の筒部材5の端面5aとの間に空隙8aを介して固定している点、および第2金属ホルダ7にも筒部材5の後端5b部を収容する凹部7aを設け、後端5bと凹部7aの底面7bとの間に空隙8bを介して筒部材5を固定している点である。
このように空隙8a,8bを介して固定することにより、第1金属ホルダ6と第2金属ホルダ7を圧入によって固定する際、第1金属ホルダ6の凹部6aおよび第2金属ホルダ
7の凹部7aの加工精度によらず、圧入治具などによる位置決めによって、これらホルダ間の距離Lを調整または制御することができる。この実施形態は、上記ホルダ間の距離Lを精度よく、調整または制御したい場合に有効である。この構造の場合、距離Lの微調整が容易にできるので、高周波電磁ノイズの通過を阻止可能な距離Lに調整するのも容易である。
図3に示す光レセプタクル1Bの第2金属ホルダ7は、ファイバスタブ4の後端部外周面に固定してもよいし、筒部材5の後端部外周面に固定してもよいし、これら両方に固定してもよい。筒部材5の外周面に固定する場合は、筒部材5の外周面に第2金属ホルダ7の凹部7aの内周面を圧入するのがよい。また、その場合、ファイバスタブ4と第2金属ホルダ7の内孔とが接触しないようにしてもよい。
次に本発明の光レセプタクル1に使用されるファイバスタブ4、スリーブ9、電気絶縁性の筒部材5について以下に示す。
ファイバスタブ4の先端側の外径D1は、それに突き合わされる光コネクタのプラグフェルールの外径サイズによって決められる。MU型、LC型の光コネクタにおいては、外径1.25mm程度、SC型、FC型、ST型の光コネクタにおいては、外径2.5mm程度、D4型の光コネクタにおいては、外径2.0mm程度のプラグフェルールが用いられる。これらプラグフェルールをスリーブ9内において突き合わせて接続するファイバスタブ4には基本的にプラグフェルールと同じ外径のものが用いられる。
スタブフェルール11は、エポキシ樹脂,液晶ポリマー樹脂等のプラスチックス、またはアルミナセラミックス,ジルコニアセラミックス等のセラミックス等の電気絶縁性材料から成る。特に機械的性能の面からジルコニアセラミックで形成することが好ましい。具体的には、ZrOを主成分とし、Y,CaO,MgO,CeO,Dy等の少なくとも一種を安定化剤として含み、正方晶の結晶を主体とする部分安定化ジルコニアセラミックスを用いることが好ましく、このような部分安定化ジルコニアセラミックスは、優れた耐摩耗性を有するとともに、適度に弾性変形することから、第1,第2金属ホルダ6,7を圧入によって固定する際に有利である。
上記スタブフェルール11は、例えばジルコニアセラミックスから形成する場合、予めジルコニアセラミックス原料を、射出成形,プレス成形,または押出成形等の所定の成形法によって円柱状もしくは直方体形状の成形体を得、その後、該成形体を1300℃〜1500℃で焼成した後、外周面をファイバスタブ4の所定の寸法に切削加工または研磨加工を施すことによって作製する。なお、焼成前の成形体に切削加工等によって予め所定の形状を形成しておき、その後焼成を行なってもよい。
ファイバスタブ4の先端面4aは、光コネクタのプラグフェルールとの接続損失を低減させるため曲率半径5mm〜30mm程度の曲面状に加工され、後端面4bは、レーザダイオード(LD)等の光素子21から出射された光が光ファイバ12の端面で反射して光素子21に戻ってしまう反射光の発生を防止するため、ファイバスタブ4の軸に垂直な面に対して4°〜10°程度の傾斜面に鏡面研磨される。
スリーブ9は、ジルコニアセラミックス,アルミナセラミックス,銅などの材料から成る。主には耐摩耗性を考慮して、ジルコニアセラミックスなどのセラミック材料が用いられることが多い。その加工方法としては、たとえばジルコニアなどのセラミックス材料により形成する場合、上記ファイバスタブ4同様に、予め射出成形,プレス成形,または押出成形等の所定の成形法によってスリーブ9となる円筒状もしくは円柱状の成形体を得、その後、この成形体を1300℃〜1500℃で焼成し、所定の寸法に切削加工または研
磨加工を施して作製する。なお、成形体に切削加工等によって予め所定の形状を形成しておき、その後焼成を行ってもよい。
スリーブ9が割スリーブ9である場合は、焼成後に切削加工を行なって軸方向にスリットを入れる。また、スリーブ9の内径の表面荒さは挿入性を考慮して、算術平均粗さ(Ra)0.2μm以下が望ましく、ファイバスタブ4の外径とスリーブ9の内径の公差は接続損失を少なくするため、±1μm以下が望ましい。また、スリーブ9の内径寸法はファイバスタブ4を確実に保持するために、0.98N以上の挿入力になるよう設計することが望ましい。
筒部材5は、上記スリーブ9と同様にジルコニアセラミックス,アルミナセラミックスなどの電気絶縁性の材料から成る。主には耐摩耗性を考慮して、ジルコニアセラミックスなどのセラミック材料を用いるのが好ましい。その加工方法としては、たとえばジルコニアなどのセラミックス材料により形成する場合、上記スタブフェルール11と同様に、予め射出成形,プレス成形,または押出成形等の所定の成形法によって筒部材5となる円筒状もしくは円柱状の成形体を得、その後、該成形体を1300℃〜1500℃で焼成し、所定の寸法に切削加工または研磨加工を施して作製する。なお、成形体に切削加工等によって予め所定の形状を形成しておき、その後焼成を行ってもよい。なお、成形体に切削加工等によって予め所定の形状を形成しておき、その後焼成を行ってもよい。
ファイバスタブ4は、第1金属ホルダ6および第2金属ホルダ7に圧入または接着または圧入と接着を併用することによって固定される。さらに、後端側の第2金属ホルダ7は、図2に示すように、光素子ユニット2の調芯アダプタ24に溶接されることが多いため、ステンレス材,銅,鉄,ニッケルなどの溶接が可能な金属材料から成っている。多くの場合、耐腐食性と溶接性を考慮して、ステンレス鋼が用いられる。
さらにまた、第1金属ホルダ6とスリーブケース10には、溶接性を配慮する必要がないため、ステンレス材,銅,鉄,ニッケル,プラスチックス,ジルコニアセラミックス,アルミナセラミックス等の幅広い材料が用いられる。多くは、耐腐食性を考慮し、第2金属ホルダ7と同様、ステンレス鋼が用いられることが多い。
これらファイバスタブ4,筒部材5,第1金属ホルダ6,第2金属ホルダ7は、例えば次のようにして組み立てられる。
ファイバスタブ4の先端4aに圧力を加えながら、筒部材5の内孔にファイバスタブ4を後端4bから挿入して圧入固定する。次に筒部材5を第1金属ホルダ6の凹部6aに圧入して固定する。さらにそのあとに、ファイバスタブ4の先端4aに圧力を加えながら、ファイバスタブ4の後端4b側を第2金属ホルダ7の内孔に圧入固定する。なお、筒部材5に第1金属ホルダ6を圧入して組み立ててから、筒部材5にファイバスタブ4を圧入してもよい。
最後にファイバスタブ4の先端4aにスリーブ9を挿着し、その上からスリーブ9を覆うようにスリーブケース10を第1金属ホルダ6に圧入することによって、光レセプタクル1が完成する。
さらに、光レセプタクル1の第2金属ホルダ7を調芯アダプタ24に挿入し、調芯アダプタ24を、光素子21を収納した光通信用パッケージの素子カバー23に当てる。その後、光素子21と光ファイバ12とが光結合する位置に光レセプタクル1をXYZ方向に動かせ、第2金属ホルダ7と調芯アダプタ24および調芯アダプタ24と素子カバー23とをYAG溶接等で接合して固定することにより、本発明の光通信用送受信モジュールが
完成する。
以下、本発明の実施例について示す。
先ず、本発明の一実施例として図1に示す構造のLC型の光レセプタクル1Aと、比較用として、図5に示す従来構造のLC型の光レセプタクル31とを作製した。
各光レセプタクル1,31に用いたファイバスタブ4,34を、ジルコニアセラミックスから成り、押し出し成形によって円筒状のセラミック成形体としたものを焼成工程で焼き固め、切削加工を行って作製した。
こうして得られたそれぞれのファイバスタブ4,34の貫通孔に光ファイバを挿入して固定し、先端面4a,34aを曲率半径12mm程度の曲面に鏡面研磨した。反対側の後端面4b,34bは、LD等の光素子から出射された光が光ファイバの先端部で反射して光素子に戻る反射光を防止するため、8°の傾斜面に鏡面研磨を行なった。
次いで、ファイバスタブ4,34に筒部材5を圧入し、その先端側に第1金属ホルダ6,37を圧入により固定し、さらに後端側に第2金属ホルダ7,38を同じく圧入により固定した。さらにファイバスタブ4,34先端部にスリーブ9,35を挿入し、さらにスリーブケース10,36を第1金属ホルダ6,37に圧入することにより各レセプタクル1A,31を作製した。そして、各光レセプタクル1A,31の光素子ユニット側に固定される第2金属ホルダ7,38を固定した状態で曲げ荷重をかけ、ファイバスタブ4,34の破壊荷重の測定を行った。曲げによる破壊荷重の測定結果を表1に示す。
Figure 2012194499
さらに第2金属ホルダ7、38を固定した状態で、第1金属ホルダ6、37を第2金属
ホルダ7、38に近づける方向に荷重をかけ、ホルダがスライドし始める荷重の測定を行った。ホルダのスライド荷重の測定結果を表2に示す。
Figure 2012194499
表1より明らかなように、本発明の一実施形態に係る光レセプタクル1Aの曲げ破壊荷重は120N〜180Nとなり、図5に示す従来タイプの光レセプタクル34の破壊荷重である55N〜72Nより、荷重耐性を大幅に向上することができることを確認した。
また、表2より明らかなように、第1金属ホルダ6,37がスライドする荷重についても、図1に示すものは、300N以上の荷重をかけてもホルダがスライドすることはなく、一方図5に示す従来タイプの光レセプタクル34のそれは、100N〜150Nでスライドすることから、今回の発明は、衝撃耐性を向上する上でも有効であることを確認した。
1(1A,1B):光レセプタクル
2:光通信用パッケージ
3:光通信用送受信モジュール
4:ファイバスタブ
4a:先端
4b:後端
5:筒部材
5a:先端
5b:後端
6:第1金属ホルダ
6a:凹部
6b:フランジ
6c:底面
7:第2金属ホルダ
7a:凹部
7b:底面
8(8a,8b):空隙
9:スリーブ
10:スリーブケース
11:スタブフェルール
12:光ファイバ
21:光素子
22:素子ホルダ
23:素子カバー
24:調芯アダプタ

Claims (9)

  1. フェルールに光ファイバが挿通されたファイバスタブと、該ファイバスタブが挿通された電気絶縁性の筒部材と、該筒部材の外周面の前記ファイバスタブの先端側に固定された第1金属ホルダと、前記ファイバスタブの後端部または前記筒部材の後端部に固定された第2金属ホルダとを具備することを特徴とする光レセプタクル。
  2. 前記第1金属ホルダは、前記筒部材を挿入する凹部が形成されており、前記筒部材は、前記凹部に挿入されて該凹部の内面に固定されていることを特徴とする請求項1記載の光レセプタクル。
  3. 前記第1金属ホルダは、前記凹部の底面と前記筒部材の端面との間に空隙を有するようにして固定されていることを特徴とする請求項2に記載の光レセプタクル。
  4. 前記第2金属ホルダは、前記筒部材の前記後端部を挿入する凹部が形成されており、前記筒部材は、前記凹部に挿入されて該凹部の内面に固定されていることを特徴とする請求項1記載の光レセプタクル。
  5. 前記第2金属ホルダは、前記凹部の底面と前記筒部材の端面との間に空隙を有するようにして固定されていることを特徴とする請求項4記載の光レセプタクル。
  6. 前記第1金属ホルダおよび前記第2金属ホルダは圧入により固定されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光レセプタクル。
  7. 前記ファイバスタブの先端部に挿着されたスリーブと、該スリーブの外側面を覆うとともに前記第1金属ホルダに固定されたスリーブケースとをさらに具備することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の光レセプタクル
  8. 前記スリーブは割スリーブであることを特徴とする請求項7記載の光レセプタクル。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の光レセプタクルと、内部に光素子を収容し、前記ファイバスタブの前記光ファイバと光結合させて前記第2金属ホルダに固定された光通信用パッケージとを具備する光通信用送受信モジュール。
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