特許文献1に開示されたトナー容器では、トナー残量がある程度以上確保されていれば、螺旋溝によって搬送されることから図29に示すようにトナー容器101の回転量に対するトナー供給量がほぼ一定となる。しかし、トナー容器101内のトナー102の残量が少なくなった場合は、図30に示すように補給口103付近のトナーが少なくなり、結果としてトナー供給量も少なくなり、トナー補給量が変動することになる。
また、逆に、特許文献1の発明では、トナーボトルセット時に多量のトナーが現像装置内に流れ込み、現像装置内のトナー濃度が想定よりも多くなってしまう場合がある。すなわち、図31に示すように、円筒状トナーボトル101ではトナーの流動性が高い場合に、ボトルセット時に下向きの面に設けられた排出口(供給口)103a近辺のトナー102が現像装置内に流れ込み、現像装置内のトナー濃度が想定外に高くなってしまうことがあり、最悪の場合は図32に示すように排出口103aよりも上にある全てのトナー102が流れ込んでしまう虞もある。
さらに、トナー容器を円筒形状にして横に設置しなければならないという制約があるため、メンテナンスのためにプリンタの周囲にスペースをとって設置しなければならないなどの制約も生じていた。例えば、図33に一般的な円筒トナーボトル101の設置構成を示すが、交換可能な現像・感光体ユニット104と平行になるようにトナーボトル101を配置しており、装置本体105の上面106からトナーボトル101の着脱及び交換を行い、左側面若しくは右側面107から現像・感光体ユニット104の交換を行うものが良く知られている。このような構成では前面108及び右側面107にはメンテナンスのためのスペースを空けておかねばならない。その際、装置前面からトナー交換、及び現像・感光体ユニットなどのメンテナンスを行い、右側面からJAM処理をすることも可能ではあるが、やはり、前面と右側面にはメンテナンスのスペースを空けておかねばならず、その分設置スペースが大きくなってしまう。
プリンタに関するユーザの利便性という点から見ると、装置前面や側面などの横方向からメンテナンスすることは設置スペース増大となるため好ましくない。例えば、同じ2方向からのメンテナンスであっても、上面と前面からのみのメンテナンスの方が、左側面に他のオフィス機器などを配置することができるため好ましい。しかし、円筒形状のトナー容器101を使用した場合に上面と前面からのメンテナンスを実現しようとすると、現像ユニットなどのメンテナンスのためには上面のトナー容器を一旦外してから、メンテナンスする必要があり、メンテナンス作業がしにくくなってしまう。
また、特許文献2に開示されたトナー供給手段は、粉体ポンプを使用してトナーを供給するので、トナー補給量が変動することはないが、粉体ポンプを設ける必要があることから、その分構成が複雑となり、コストも高くなる。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、簡単な低コストの構成で、トナー残量が少なくなっても一定のトナー供給量を確保することができるようにすることにある。
前記課題を解決するため、第1の手段は、内部に渦巻き状に仕切られた空間を有し、装置本体に回転可能に支持され、前記空間に画像形成に用いる粉体を収納する収納手段と、前記渦巻き状の空間の巻き方向の中心部に連通し、前記収納手段から前記粉体を外部に供給する供給口と、を備えた粉体収納装置を特徴とする。
第2の手段は、第1の手段において、前記収納手段は略円盤状に形成され、当該円盤状の端面に対して前記中心部から垂直に突出し、先端に前記供給口が形成された搬送経路と、前記搬送経路内に配置され、前記収納手段の回転に連動して回転し、前記粉体を搬送する搬送手段と、を備えていることを特徴とする。
第3の手段は、第2の手段において、前記収納手段が少なくとも前記装置本体に装着されるまで前記供給口を塞ぐ蓋を備えていることを特徴とする。
第4の手段は、第1の手段において、装置本体側に設けられた搬送経路と、前記搬送経路内に設置され、前記収納手段の回転に連動して回転し、前記粉体を搬送する搬送手段を備え、前記粉体の受け取り口が形成された搬送経路に前記供給口が装着されたとき、当該供給口と前記受け取り口が連通されることを特徴とする。
第5の手段は、第1の手段において、前記供給口は前記収納手段の中央部に設けられ、前記供給口から前記粉体を供給するとき、前記収納手段は前記供給口を中心に渦巻きの内側から外側への渦に沿った回転方向に回転することを特徴とする。
第6の手段は、第1ないし第5のいずれかの手段において、前記渦巻き状に仕切られた空間の粉体搬送面積が渦巻きの外周側よりも内周側の方が大きいことを特徴とする。
第7の手段は、第6の手段において、前記渦巻き状に仕切られた空間を形成する隔壁の内面側に一定方向に突設され、前記粉体の移動を阻害する複数の突出部材を備えていることを特徴とする。
第8の手段は、第7の手段において、前記突出部材の突出量が前記収納手段の内周側の方が外周側よりも大きいことを特徴とする。
第9の手段は、第1ないし第8のいずれかの手段において、前記収納手段を前記粉体の供給方向に予め設定された時間以上回転駆動した後、逆方向に回転駆動する手段を備えていることを特徴とする。
第10の手段は、第1ないし第8のいずれかの手段において、前記収納手段内に当該収納手段内に収納されたトナー量を検知する検知手段と、当該検知手段に検知状態に応じて前記収納手段を前記粉体の供給方向と反対の方向に回転駆動する手段と、を備えていることを特徴とする。
第11の手段は、第1ないし第10のいずれかの手段において、前記収納手段を交換する際、交換前に当該収納手段を粉体供給時とは逆方向に回転させる手段を備えていることを特徴とする。
第12の手段は、第1ないし第11のいずれかの手段に係る粉体収納装置を画像形成装置が備えていることを特徴とする。
第13の手段は、第1ないし第11のいずれかの手段に係る粉体収納装置と、静電潜像を保持する像担持体を含み、装置本体から取り外し可能に装着された作像ユニットと、を備え、前記収納手段と前記作像ユニットが取り出し方向に対して略平行に設置され、かつ、一方の取り外し軌跡上に他方が存在しないように配置された画像形成装置を特徴とする。
第14の手段は、第12又は第13の手段において、前記粉体によって画像を現像する現像装置と、前記現像装置内に前記粉体を補給する補給口と、前記収納手段から前記現像装置まで前記粉体を搬送する搬送経路と、を備え、前記供給口と前記補給口が前記収納手段の空間を形成する前記渦巻きの中心に対して垂直な方向から見たときに同一軸線上に位置することを特徴とする。
第15の手段は、第12又は第13の手段において、前記粉体によって画像を現像する現像装置と、前記現像装置内に前記粉体を補給する補給口と、を備え、前記収納手段が、前記供給口と前記補給口が前記収納手段の空間を形成する前記渦巻きの中心に対して垂直な方向から見たときに異なる軸線上であって、装置本体内で最大の外形を確保できる位置に設置され、前記収納手段から前記現像装置まで前記粉体を搬送する搬送経路が前記供給口と前記補給口間に設けられていることを特徴とする。
なお、後述の実施形態では、渦巻き状に仕切られた空間はトナー収容部20bに、粉体はトナー29に、収納手段はトナーボトル20に、供給口はトナー供給口20d又は排出口23に、搬送経路は符号21に、搬送手段はトナー搬送オーガ22,31b、蓋はシャッタ部材25に、装置本体は符号105に、突出部材はリブ20h,20h1,20h2に、予め設定された時間以上回転駆動した後、逆方向に回転駆動する手段、及び検知手段に検知状態に応じて前記収納手段を前記粉体の供給方向と反対の方向に回転駆動する手段は電装ユニット10に搭載されたコントローラに、検知手段は圧電センサ20iに、画像形成装置はモノクロ及びカラープリンタPRに、像坦持体は感光体1に、作像ユニットはプロセスカートリッジ111に、現像装置は現像ユニット4に、補給口はトナー受け入れ口4bに、それぞれ対応する。
本発明によれば、簡単な低コストの構成で、トナー残量が少なくなっても一定のトナー供給量を確保することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、同等若しくは同等と見なせる各部には同一の参照符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
図1は、本実施形態に係る実施例1の画像形成装置の概略構成を示す図である。この画像形成装置は、モノクロのカラープリンタである。同図において、プリンタPRは、感光体1と、この感光体1の外周に沿って配置され、感光体1とともに1つのユニットを構成する帯電装置2と露光装置3と現像装置4を含む作像プロセスユニット11、転写装置5、クリーニング装置6、給紙装置7、定着装置9、並びに電装ユニット10とを備えている。作像プロセスユニット11は一体で装置本体105に対して取り付け取り外し可能である。
帯電装置2は感光体1表面に電荷を与え、露光装置3は帯電した各感光体1の表面に各色の画像データに基づいて露光し、潜像を形成する。現像装置4は感光体1表面に形成された潜像をトナー現像してトナー像を形成し、感光体1表面上のトナー像は転写装置5によって給紙部7から供給される用紙に転写される。クリーニング装置6はトナー像転写後の感光体1表面をクリーニングする。定着装置9は転写装置5の下流側に設置されている。
給紙装置7の給紙トレイには用紙が収納され、印刷要求に合わせて、給紙搬送手段によりレジストローラ8まで搬送される。ここでトナー像の転写のタイミングに合わせて、用紙はレジストローラ8から転写装置5まで搬送される。前述の転写装置5で用紙上にトナー像が転写された後は、用紙は定着装置9まで搬送され、熱と圧力によって用紙上のトナー像が定着される。
帯電装置2、現像装置4、転写装置5は電装ユニット10に接続され、所定のバイアスが印加される。電装ユニット10内部には交流電源(定電圧)、第1の直流電源(定電圧)、第2の直流電源(定電流)を備え、各電源は、現像装置4には定電圧制御でDC電圧を、帯電装置2には定電圧制御でAC電圧を、転写装置5には定電流制御でDC電圧を印加することができる。
ここで本画像形成装置の構成をより詳細に説明する。感光体1は、例えば直径30〜90mm程度のアルミニウム円筒基体上に感光層を形成した所謂有機感光体である。さらにその感光層の上にポリカーボネート系の樹脂で保護層を形成したものであり、また、感光層と保護層との間に中間層を設けても良い。本実施例では直径30mmの感光体を用いた。
帯電装置2は、帯電部材として導電性芯金の外側に中抵抗の弾性層を被覆して構成される帯電ローラを備える。帯電ローラは、電装ユニット10に接続されており、所定の電圧が印加される。帯電ローラは、感光体1に対して微小な間隙をもって配設される。この微小な間隙は、帯電ローラと感光体1との最近接部における距離が5 〜100 [μm]に維持できるよう構成している。この微小な間隙は、例えば、帯電ローラの両端部の非画像形成領域に一定の厚みを有するスペーサ部材を巻き付けるなどして、スペーサ部材の表面を感光体1表面に当接させることにより設定することができる。この間隙のより好ましい範囲は、30〜65 [μm]である。
また、帯電ローラには、帯電ローラ表面に接触してクリーニングする帯電クリーニング部材が設けられている。帯電ローラには帯電用の電源を接続している。これにより、感光体1表面と帯電ローラ表面との間の微小な空隙での近接放電により、感光体1表面を均一に帯電する。印加電圧は、本実施形態では直流成分であるDC電圧に交流成分であるAC電圧を重畳した交番電圧を用いている。帯電ローラに印加する印加電圧としてDC 電圧にAC 電圧を重畳させた交番電圧を印加すると、微小ギャップ変動による帯電電位のばらつきなどの影響が抑制されて均一な帯電が可能となる。本実施形態では、DC電圧が−700V、ACはピークツウピーク電圧が2kV、周波数が2kHzの矩形波のバイアスを印加した。
帯電ローラは円柱状を呈する導電性支持体としての芯金と、芯金の外周面上に形成された抵抗調整層を有する。帯電ローラの表面は硬質であることが望ましい。ローラ部材としてはゴム部材も使用できるが、ゴム部材もように変形しやすい部材であると感光体1との微小ギャップの均一な維持が困難となり、作像条件によっては帯電ローラの中央部のみが感光体1表面に突発的に接触する可能性がある。帯電ローラが感光体1表面に局所的/突発的に接触することによって生じる、トナーの乱れに対応することは困難であるため、非接触帯電方式を使用する場合にはたわみが少ない硬質の部材が望ましい。
表面が硬質な帯電ローラの具体例としては、例えば、抵抗調整層を高分子型イオン導電剤が分散する熱可塑性樹脂組成物(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン及びその共重合体等)により形成し、抵抗調整層の表面を硬化剤により硬化皮膜処理されたものが挙げられる。また硬化皮膜処理は、例えば、イソシアネート含有化合物を含む処理溶液に抵抗調整層を浸漬させることにより行われるが、抵抗調整層の表面に改めて硬化処理皮膜層を形成することにより行われても良い。本実施例では、帯電ローラをφ10mm(直径10mm)で形成した。
現像装置4は、内部にトナーと磁性キャリアからなる現像剤を内包し、感光体1と対向する位置に内部に磁界発生手段を備える現像スリーブが配置されている。後述の(図5参照)装置本体105の左側面109側に配置されたトナーボトル20から投入されるトナーを現像剤と混合し、攪拌しながら現像スリーブとの対向位置まで搬送するためのスクリュ等が備えられている。現像スリーブ内部の磁界によって汲み上げられた現像剤は、現像剤規制部材であるドクターブレード等によって所定の現像剤層の厚みに規制され、現像スリーブに担持される。現像スリーブは、感光体1との対向位置において同方向に移動しながら、現像剤を担持搬送し、トナーを感光体1の潜像面に供給することで現像が行われる。その後現像後の現像剤は搬送され、現像スリーブ内部の磁界により現像スリーブより離間し、現像スクリュへと落下し、トナー補給位置まで搬送される、というサイクルが繰り返される。ここで本実施例では、現像スリーブの外径は直径18 [mm]、ドクターと現像スリーブ間のギャップは0.60[mm]とした。
転写装置5は中心軸が金属で外周がスポンジに覆われたローラ形状の部材である。また中心軸に定電流電源に接続されており、感光体と転写ローラ間で電界を形成することができ、形成した電界によって感光体1上のトナー像を転写紙へ転写する。
クリーニング装置6は転写装置5によって転写されずに感光体1上に残ったトナーを回収し、現像装置4へ戻してリサイクルする。本実施形態では弾性ブレードを感光体1の表面に当接させるブレードクリーニング方式を使用している。ブレードによって感光体1から?き取られたトナーは、図示しないコイル状の搬送装置によって搬送され現像装置4に戻される。
定着装置9は、定着部材である定着ローラと、この定着ローラに圧接する加圧部材である加圧ローラと、定着ローラの内部に配設された加熱源(電気ヒータ又はハロゲンランプ等)を有している。 モータや駆動伝達機構等の駆動手段(図示せず)により、一対の回転体である定着ローラと加圧ローラを回転駆動することにより、定着ローラと加圧ローラの圧接部(定着ニップ部)で未定着トナー像を担持した転写材を挟持搬送し、定着ニップ部で用紙上の未定着トナー像を加熱溶融することにより、用紙の表面にトナー像を定着させる。 また、定着ローラの外周には、図示しないサーミスタが配置され温度を検知している。
加圧ローラは、鉄やアルミニウム等の芯金の外周に弾性層を形成した構成であり、弾性層は、例えば、発泡シリコーンゴムや液状シリコーンゴム等の耐熱弾性体で形成されており、必要に応じてその外周にフッ素樹脂の表面層が形成される。 本実施例では、加圧ローラは芯金表面に弾性層として厚さが0.5mmのシリコーンゴム層を有し、その外周に厚さが0.03mmのフッ素樹脂層を有しており、フッ素樹脂としては例えばPFA(四フッ化パーフルオロアルキルビニルエーテル樹脂)を用いている。 定着ローラは、鉄やアルミニウム等の芯金(基体)の外周にシリコーンゴムやフッ素樹脂からなる複合表面を有する。定着ローラの複合表面は厚さ10μm以下が好ましく、必要に応じてその内周側(芯金(基体)と複合表面との間)にゴム層が設けられる。
図2及び図3は、実施例1におけるトナーボトル20の構成を示す正面図である。同図において、トナーボトル20は外形円盤状を呈し、トナー収容部20bを備え、トナー収容部20bの内部には、同一平面内での渦巻き状に形成された隔壁20aによって仕切られた空間(渦巻き空間)となっており、トナーボトル20の中央部の円筒部20cの内側の部分にトナー供給口20dが開口している。使用されるトナーの搬送は、トナーボトル20の回転により行われる。すなわち、トナーボトル20を回転させると、トナーが渦巻き状の隔壁20aに沿って中央部に集まり、中央部の円筒部20cの外周に集積され、トナー供給口20dから円筒部20c内に排出される。排出されたトナーはトナー搬送経路21に供給され、後述のトナー搬送オーガ22によって現像装置4側に搬送される。
さらに詳細に説明すると、トナーボトル20の回転方向とトナー29の移動の関係は、図2に示すように、トナーボトル20が図示時計回り方向(矢印CW方向)に回転すると、トナー29は図示反時計回り方向(矢印CCW)に移動し、トナー供給口20d側に集まってくる。この回転方向はトナー供給時の回転方向であり、最終的にトナー残量が少量になったときには図3に示すように中央にトナー29が集まった状態になる。このようにして、トナーボトル20の回転によりトナー残量の過多にかかわらず、トナー供給口20dの開口部20d近傍に一定量のトナー29が集まることになる。トナー供給口20d近傍のトナー量はトナーの多寡により変わらないので、トナー供給口20から供給されるトナー供給量が安定する。
従って、トナーボトルに渦巻き形状のトナー収容空間を設けてトナーを収容すると、トナーボトルの回転によってトナーを中央部に集めることができる。そのため、簡単な構成でトナー残量が少なくても一定のトナー供給量を確保し、供給することができる。
また、図32を参照して、トナー29が多量に供給される場合について説明したが、本実施例では、トナー供給口20d近傍のトナー29がトナー供給口20dから排出される場合、一度に排出される最大量は、図4に示すように、渦巻き空間として形成されたトナー収容部20bの渦巻きの最終部から一巻き目の最終部にトナー供給口20dが位置しているときであり、この位置のトナー供給口20d上部の容積分のトナー29aがトナー供給口20dから排出される。次に排出されるトナー29の最大量も、前記トナー供給口20d上部の容積分だけであるので、1回のトナーの排出量の最大量はトナー供給口20dの上部の容積で規定され、図4で示したように、トナー供給口20dより上のトナーボトル20内のトナーが全量排出されることはない。また、本実施例では、トナーボトル20のトナー供給口20d上部の容積分のトナー29aしか供給されないので、想定外に現像装置内のトナー濃度が上がるということもなく、トナー濃度制御が不安的になることもない。
図5は実施例1に係るトナーボトルの取り付け位置及び取り付け方法の概略を示す図である。図2において、トナーボトル20は装置本体105の左側板の内側にトナーボトル20の円筒部20cを回転中心として取り付けられ、トナー供給口20dと現像装置4若しくはプロセスユニットのトナー供給部と連結される。
そして、この例では、左側板109の内側に沿ってトナーボトル20を上方に取り出すことができるように装置本体105の上面106にスリット105aが設けられている。
このように本実施例ではトナーボトルが円盤状を呈しているので、図5に示すようにトナーボトル20を現像装置4若しくはプロセスユニット11と干渉しない状態で上方へ取り出すことができる。
このような配置にすると、装置本体105の前面から記録媒体の処理、上面から現像装置4あるいはプロ説ユニット11のメンテナンスとトナーボトル20の交換を行うことができる。その結果、側面及び後方にメンテナンススペースをとる必要がなくなるため、設置スペースを小さくできる。さらに現像装置4あるいはプロセスユニット11のメンテナンスの際にトナーボトル20を外す必要なくメンテナンスを行うことができるので、メンテナンス性を損なうこともない。
図6は、実施例2に係るトナーボトルの斜視図である。実施例2に係るトナーボトル20は、実施例1のトナーボトル20の回転方向に対して、略垂直方向に円筒状のトナー搬送経路21を設けた例である。トナー搬送経路21内には、スクリュ状のトナー搬送部材(トナー搬送オーガ)22が設置されており、トナー搬送オーガ22はトナーボトルの回転に伴い回転駆動され、搬送経路21は回転駆動されない。この構成により、トナーボトル20が回転すると、トナー搬送オーガ22が回転し、トナーボトル20の中心部の円筒部20cに排出されたトナー29を、トナー搬送経路21に沿って排出口23まで搬送する。なお、本実施例では、トナーボトル20の円筒部20cの内面に設けられ、トナーを搬出するものを供給口20dと、トナーボトル20の円筒部20cの内面以外、及び搬送経路21に設けられ、トナーを搬出するものを排出口23と称している。
スクリュ状のトナー搬送部材22は、例えば、トナーボトル20と一体に同一回転数で回転するように構成する。その場合、図7に示すように、トナー搬送オーガ22を回転駆動可能に支持する支持部材24をトナーボトル20の外壁20fに設置し、トナーボトル20の回転駆動と同じ回転速度でトナー搬送オーガ22が回転するように構成することができる。外壁20fに設置する手段として、例えばトナーボトル20の外壁20fにネジ穴を作っておき、図8に示すように支持部材24を、外周部にネジ24aが形成された部材から構成し、当該ネジ24aを有する支持部材24をトナーボトル20の外壁20fにネジ込み、固定することも可能である。このときトナーボトル20が回転しても支持部材24がトナーボトル20から外れないようにネジ24aのネジの方向を逆ネジとし、ネジ24aが締まる方向とトナーボトル20の回転方向が逆になるようにすると良い。
本実施例によれば、トナー収容部20bが螺旋空間となっているので、トナーボトル20を回転させると、トナーボトル20の中心側へとトナー29は搬送され、トナーボトル20の中心側へと搬送されたトナー29は円筒部20cからトナー搬送経路21を通ってトナー搬送オーガ22によって現像装置4側に搬送される。
その他、特に説明しない各部は実施例1と同等に構成され、同等に機能するので説明は省略する。
実施例2における図6のトナーボトル20では、トナーの排出口23はトナー搬送経路21の端部に開口しているが、排出口23が常に開口していると、ボトル交換の際にトナー飛散やトナー漏れが生じる虞がある。そこで、本実施例では、排出口23に蓋を設けた構成とした。蓋として一番簡単な構成としては、例えばヒートシールが挙げられる。すなわち、排出口23には、例えばヒートシールのような部材を付けておき、使用直前にユーザが剥がして使用するようにする。
図9は他の例を示す図で、トナーボトル20のトナー搬送経路21の側面に開口と、当該開口を開閉する蓋を設けたものである。図9の例では、トナーの排出口23をトナー搬送経路21の側面、この例では、側面の下側に開口させている。そのままではトナーが下方に溢れ出すので、突起25aが突設されたシャッタ部材25を排出経路21の外周に装着し、蓋の機能を果たすようにしている。
図10はシャッタ部材25を使用したときのシャッタ部材25とトナー搬送経路21と装置本体105のトナー受け入れ口4bとの関係示す図で、図10(a)は装着直後の状態を、図10(b)はトナー供給直後の状態をそれぞれ示す。なお、図10において符号105bはトナーボトル装着部105bであり、図12に示すように上部側が開口105cした溝形状となっており、底部105dが装着位置であり、開口105cはトナーボトル20を上部に引き出すときのトナー搬送経路21のガイド溝として機能する。
シャッタ部材25は初期位置では、図10(a)の状態であり、トナーボトル20を装置本体105のトナーボトル装着部105bに装着した直後は図10(a)のようにシャッタ部材25の開口部25aとトナー搬送経路21の排出口23は一致していないため、トナーの供給は行えない。しかし、トナーボトル20が回転駆動されるのに合わせてシャッタ部材25を図示しない駆動機構により回転させると、図10(b)に示すようトナーボトル装着部105bの内壁に突起25aの先端が当接し、シャッタ部材25の開口部25bとトナー搬送経路21の排出口23が一致するために、トナー供給が行えるようになる。なお、シャッタ部材25の開口部25bは、回転により予め図10(b)の位置に突起25aが位置したときに、シャッタ部材25の開口部25bとトナー搬送経路21の排出口23が一致するような位置に設定されている。
これによりトナーボトル20が装置本体105に装着されて動作することにより開口部25bと排出口23の位置が一致し、装置本体105へのトナー供給が開始されることになる。これにより、トナーボトル20が適正な位置に装着される前のトナー飛散やトナー漏れを防止することができる。
通常、トナーボトル20からトナー搬送経路21が突設されている場合、言い換えれば凸形状に設けられている場合、図11のように、装置本体105の一部側面105eを開けてから装着する必要がある。しかし、図9及び図10に示すようなシャッタ部材25があれば、図12のように、装置本体105に搬送経路21が縦に進入できる溝状のトナーボトル装着部105bを設けておけば、装置本体105の一部側面105eを開けることなく、装置本体105の上面106から縦にトナーボトル20を着脱することが可能である。この構成を適用すると図5に示したようにスリット105aを介してトナーボトル20の脱着が可能となる。
その他、特に説明しない各部は実施例1と同等に構成され、同等に機能するので説明は省略する。
図13は実施例4のトナーボトル20とトナー搬送経路21の関係を示す斜視図である。この実施例4は、トナー搬送経路21とトナー搬送オーガ22は装置本体105に設けられており、トナーボトル20が装置本体に装着されるとトナー搬送経路21とトナー搬送オーガ22がトナーボトル20の円筒部20c内に進入する。搬送経路21には、トナー受け取り口21bが設けられており、トナー搬送経路21が円筒部20c内に進入したときには、トナーボトル20の円筒部20cのトナー供給口22dとトナー受け取り口21bの開口位置が合致し、両者が連通する構成になっている。そして、トナーボトル20が回転するに従いトナー29はトナーボトル20のトナー供給口22dに搬送され、トナー搬送オーガ22によりトナー受け取り口21bからトナーを受け取り、トナー搬送経路21を経て装置本体105の現像装置4へと供給される。
このように構成すると、トナーボトル20には搬送経路21が突出することがなく、実施例2のトナーボトル20に対して厚み方向の寸法が小さくなり、トナーボトル20全体の体積を減らすことが可能となる。その結果、トナーボトル20の保管スペース及び輸送時の容器収納部材を減らすことができる。
その際、トナー29の搬送方向を変更すれば、トナーボトル20の中心側にトナー29を集め、あるいはトナーボトル20の外周側にトナーを集めることができる。図14は集められたトナーの状態を示す図で、図14(a)は中心側に、図14(b)は外周側にそれぞれトナーを集めた状態を示す。
具体的には、図14(a)はトナー29の残量が低下した交換直前のトナーボトル20の状態を示すもので、トナー供給時には図において時計回り方向(矢印CW方向)に回転させて、中央部にトナーを集めていたものを、交換直前に逆の反時計回り方向(矢印CCW方向)に回転させる。すると、図14(b)に示すようにトナー収容部20bの外周部に残った少量の残トナーが集まる。このようにトナー29をトナーボトル20の外周部に集めると、トナーボトル交換時におけるトナー漏れ及びトナー飛散を防止することができる。逆回転させる時間及び回数は、渦巻きの巻数やトナー収容部20bの形状に応じて適宜設定されるが、図13に示したようなトナー搬送経路21が装置本体105側に設置されている場合、トナーボトル20の渦巻きの巻き数(図14であれば3回)以上回転させれば良い。前述のように本実施形態では、反時計回り方向(CW)の回転がトナー供給時のトナーボトル20の回転方向であり、時計回り方向(CCW)の回転がトナーボトル交換時の回転方向である。
ここで、図2及び図3に示したトナーボトル20の中央部の円筒部20cの内側の部分にトナー供給口20dを設け、使用されるトナーの搬送をトナーボトル20の回転により行う構成についてさらに触れておく。
もし、渦巻き状に形成された渦巻き空間であるトナー収容部20bの外周にトナー排出口を設けると、トナーボトルの回転によりトナー排出口の位置も回転するので、回転するトナー排出口からトナー供給を受けるように構成すると、本体側の構成が複雑になってしまう。また、トナーボトル20の外側に回転しない枠を作り、渦部分が回転してもトナー排出口の位置は変わらないように構成することも可能であるが、枠の部品が別に必要になり、その分の部品点数の増加、組み立て工数の増加は否めない。そこで、トナーボトル20の中央部にトナー排出口23を設け、あるいはトナー排出機能を持たせれば、回転しても補給口がいつでも中央にあるため、上記のような不具合は生じない。
トナーボトル20の中央にトナーを送るためには、渦巻き状に形成された隔壁20aの巻方向に対応し、渦巻きの内側から外側へ向かう回転方向(図15:時計回り方向CW)と同じ方向にトナーボトル20を回転させる必要がある。このような回転を加えると、図15においてAの位置にあったトナー29が、図16においてBの位置に移動する。しかし、トナー29には重力が働くため、Bの位置からCの位置へ移動する。この移動を繰り返し、渦巻きの中央部分にトナーが集まっていき、図3に示した状態となる。このようにして、トナーボトル20の回転動作だけでトナー搬送が可能となる。
なお、図15及び図16はトナーの移動状態を示す説明図である。
その他、特に説明しない各部は実施例1と同等に構成され、同等に機能するので重複する説明は省略する。
図17は、このように回転駆動されるトナーボトル20を使用した画像形成装置の一例を示す図である。本実施例における画像形成装置は、所謂間接転写型のタンデム方式のカラープリンタである。
図17に示したカラープリンタでは、最も使用量の多い黒(Bk)の作像プロセスで実施例1に示したトナーボトル20を使用し、シアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)についてはトナー収納部、帯電装置、現像装置、感光体、感光体クリーニング装置、廃トナー収納装置が一体となったプロセスカートリッジ111C,111M,111Yとしている。なお、総括的には、これらを単に符号111で示す。プロセスカートリッジ111については、トナーエンドと同時に感光体、現像装置なども同時に交換する形式のカートリッジでもトナー及び廃トナー収納部のみ交換可能な形式のものでも良い。
装置本体105の上面106を構成する上カバー106aの下部には書き込みユニット3が取り付けられており、上カバー106aを開くとプロセスカートリッジ111及び廃トナータンク112のメンテナンスを行うことができる。
Bkトナーボトル20Bkは実施例1に示したものと同様に装置本体106の左側面109に取り付けられており、現像ユニット4あるいは感光体1を含む感光体ユニットのメンテナンスとトナー交換が互いに干渉することなく実施可能となっている。
Bk,C,M,Y各色のプロセスカートリッジ111の各感光体の下側に中間転写ベルト113及びその駆動機構が配置されている。中間転写ベルト113はPAI(ポリアミドイミド)のベルトで構成され、Bk、C、M、Yのトナー像が中間転写ベルト113上で重ねあわせられ4色のフルカラー画像が形成され、そのフルカラー画像が記録媒体、ここでは、給紙ユニット7から搬送されてくる転写紙に転写される。
転写されずに中間転写ベルト113上に残ったトナーは中間転写ベルトクリーニング装置114で回収される。本実施例ではクリーニング装置として、ブレードを中間転写ベルトに当接させてトナーをかきとるブレードクリーニング方式を使用している。回収されたトナーは図示しない搬送装置によって、廃トナータンクへ回収される。
電装ユニット10は図17のカラープリンタPRでは、中間転写ベルト113と給紙ユニット7の間に配置されている。電装ユニット10には、本カラープリンタPRの各部の制御を司るCPU、その他の制御に必要な電装部品が搭載され、動作制御のみならず、画像処理、他装置との通信制御も実行する。
なお、タンデム方式の間接転写型のカラープリンタ自体は公知であるので、詳細の説明は省略する。
図18は、図17に示したカラープリンタPRの概略構成を示す図で、同図(a)は正面図、同図(b)は側面図である。このカラープリンタPRでは、図18(a)から分かるように装置本体105の両側にそれぞれ本体駆動系110とトナーボトル駆動系120を備えている。両者の間には、プロセスカートリッジ111、中間転写ベルト113、電装ユニット10、給紙ユニット7などを備えている。本体駆動系110は、プロセスカートリッジ111、中間転写ベルト以下113、給紙ユニット7を含む給紙搬送系を駆動し、トナーボトル駆動系120はトナーボトル20を回転駆動し、トナーボトル20内のトナーを供給し、また、トナーボトル交換の際には、前述のようにトナー供給方向と逆方向に回転させてトナー漏れ、あるいはトナーの飛散を防止する。
本実施例5では、トナーボトル20の中心部のトナー供給部分(実施例1の円筒部20cあるいは図6における排出口23対応)がBkの現像ユニット4の現像剤収納部へのトナー搬送経路21と同心に配置され、トナーボトル20の回転によって中央部に集められたトナー29がトナーボトル20の中心部から直接Bkの現像剤ユニット4の現像剤収納部に流入するように構成されている。なお、図18(a)及び(b)において、符号36はトナーボトル20を回転させる駆動部であり、駆動部36はトナーボトル20の外周に設けられたギア20gに噛合する駆動ギア36aとこの駆動ギア36aを駆動する駆動モータ及び動力伝達機構を含む。
このように、トナーボトル20の中心部のトナー排出口23と現像ユニット4の現像剤収納部へのトナー供給口が一致していると、トナー搬送経路21の経路長を最小にすることが可能となり、機構的に最も単純で、省スペースな構成でトナーボトル20を取り付けることができる。
図18に示した例では、トナーボトル20の中心部のトナー供給部分と現像ユニット4の現像剤収納部へのトナー搬送経路21とを同心に配置したので、トナー搬送経路21の経路長を最小にすることが可能となり、機構的に最も単純で、省スペース化することができるが、トナーボトル20の径方向の大きさが、装置本体105の内壁との間の距離で制限される。図18(b)の例では、現像ユニット4の現像剤収納部のトナー受け入れ口4bと装置本体105の上面106の最下部、ここでは排紙トレイの最下端位置との間の距離で決まる。
そこで、トナーボトル20の径方向の大きさを最大に設定すると、図19に示すようにトナーボトル20のトナー排出口23と現像ユニット4側のトナー受け入れ口4bは、ずれてしまう。言い換えれば、トナーボトル20のトナー排出口23と現像ユニット4側のトナー受け入れ口4bをずらすと、トナーボトル20の容量をより大きく設定することができる。
図19は、このようにトナーボトル20の径を最大径に設定したときの例を示す図で、同図(a)は平面図、同図(b)は左側面図である。図19(a)から分かるように、図18の例に対してトナーボトル20の中心部がより装置本体105の後側に移動し、上下方向において装置本体105内に収まる最大径となっている。Bk,C,M,Yの各プロセスカートリッジ111は図17に示したものであることから、この例では、トナーボトル20の中心部のトナー排出口23から現像ユニット4のトナー受け入れ口4bとの間を、湾曲部21aを有するトナー搬送経路21で連結し、トナーボトル20から現像ユニット4の現像剤収納部へのトナー供給を可能としている。
なお、湾曲部21aを有するトナー搬送経路21内には、トナーボトル20と現像ユニット4の現像剤収納部との間に2つの湾曲部21aを通ってトナー搬送オーガ22が配置され、トナーボトル20から現像ユニット4の現像剤収納部へのトナー供給を可能としている。なお、トナー搬送オーガ22の駆動側はトナーボトル20側でも、現像ユニット4の現像剤収納部側でも良い。
このように構成すると、図18の構成では、簡易な構成でトナー供給を実現できる代わりに、本体レイアウトと現像の補給口の位置によってトナーボトル20の外径の大きさが決まってしまう。しかし、図19のように現像ユニット4の現像剤収納部への供給口とトナーボトル20のトナー排出口23の位置をずらすように配置すると、より大容量のトナーボトルを使用することができる。
図20はトナーボトル20の取り付け位置及び取り付け方法の概略を示す図である。同図において、トナーボトル20は装置本体105の左側板の内側にトナーボトル20のトナー排出口23を回転中心として取り付けられる。そして、この例では、左側板109が装置本体105に対して側方にスライド可能に開閉され、トナーボトル交換時には、左側板109を開放して装置本体105の上方から取り出し、取り付けることができる。なお、左側板109は、後述の図21及び図22から分かるように第1及び第2の左側板109a,109bの2枚構造となっている。
図21ないし図23はトナーボトル20の取り付け及び駆動構造を説明するためのもので、図21は正面図、図22は図21の右側面図、図23は取り付け構造を示す分解斜視図である。
これらの図において、左側板109は第1及び第2の左側板109a,109bからなり、両者間に第1オーガ駆動ギア31と第2オーガ駆動ギア32が回転可能に配置されている。第1オーガ駆動ギア31の側面には突起31aとトナー搬送オーガ31bが突設され、トナー搬送オーガ31bの端部は突起31aに取り付けられている。一方、第2の左側板109bには中央部に円筒状突起35がトナーボトル20側に突設され、この円筒状突起35の円筒内に第1の左側板109a側の側面から前記突起31aとトナー搬送オーガ31bが挿入されている。また、第1の左側板109aには第1オーガ駆動ギア31の回転中心を支持する支持部33が設けられ、第1オーガ駆動ギア31は第1及び第2の左側板109a,109b間で回転可能となっている。
第2の左側板109bの下部には切り欠き109b1が形成され、この切り欠き109b1部分にトナー補給を行うための駆動部36が配置されている。駆動部36は図示しない駆動源としてのモータとこのモータによって駆動力伝達機構を介して駆動される駆動ギア36aを備え、この駆動ギア36aに第2オーガ駆動ギア32が噛合し、第1オーガ駆動ギア31はこの第2オーガ駆動ギア32に噛合し、前記モータからの駆動力を得て回転する。なお、第2オーガ駆動ギア32は第1及び第2の左側板109a,109b間に設置された軸32aに回転可能に支持されている。また、トナーボトル20の外周部にはギア20gが切られており、第2の左側板109bの円筒状突起35の外周にトナー供給口20dが開口した円筒部20cが挿入された状態で、前記駆動ギア36aと噛合する。
円筒状突起35の上部には、トナーボトル20のトナー供給口20dと所定の回転位置に位置したときに連通するトナー搬送経路開口部27が設けられている。これにより、両者の開口が一致したときに、トナーボトル20から円筒状突起35内に挿入されたトナー搬送経路21側にトナーが移行する。さらに、突起31aとトナー搬送オーガ31bは円筒状突起35から現像ユニット4の現像剤収納部まで延び、トナーボトル20から供給されるトナーを現像装置側に供給することができる。
このように構成された渦巻きトナーボトルの駆動機構では、駆動部36のモータが回転すると、第2オーガ駆動ギア32と渦巻きトナーボトル20が回転し、渦巻きトナーボトル20の回転によってトナー供給口20dから円筒状突起35内に移行したトナーが回転するトナー搬送オーガ31bによって搬送されることになる。
なお、この例の場合も図11に示したように左側板109を斜めに開放してトナーボトル20を交換することもできる。
実施例1ないし5ではトナーボトル20は渦巻き状の空間をトナー収容部20bとして備え、現像ユニット4側にトナーボトル20の渦巻きの中心の円筒部20cから供給されるようになっている。ところで、長期間プリント動作が実施されない場合には、トナー29がトナーボトル20内に長期間放置され、凝集しやすくなっている。また、トナーボトル20が過度に回転すると、トナー29はトナー収容部20b内で凝集しやすくなる。さらには、トナー収容部20bが渦巻き状の隔壁20aによって渦巻き状に湾曲した空間となっているので、搬送路が長くなること、及びトータルの摩擦力が大きくことなどによりトナーの搬送性が円筒形状のものより劣ることは否めない。
そこで、本実施例では、搬送性を確保し、トナー詰まりを防止するため、渦巻き状の空間であるトナー収容部20bの形状を、渦巻きの内周部(開口部側)になるほどトナー29の搬送面積が大きくなるようにした。トナー29の搬送面積とは、円筒部20cの中心を通り、円盤状の端面に垂直に断面したときの渦巻き状の空間の断面積である。この状態を図24に示す。
図24は実施例6におけるトナーボトル20の形状を示す横断面図である。図24から分かるように渦巻き空間の径方向の内側の寸法L1が外側の寸法L2より大きくなるように構成した。トナーボトル20は円筒形状であり、その横断面図であることから、径方向の寸法が大きい方が、トナーの搬送面積が大きいことは明らかである。このように渦巻き状の空間において、渦巻きの内側の方が外側よりも断面積(口径)が大きくなる形状にすると、図15及び図16を参照して説明したようにトナー29はトナーボトル20の回転とともに自重落下するが、その際、トナー29の通過する面積が大きくなり、その分摩擦力が減少して搬送性が向上する。その結果、トナーボトル20内でトナー29が凝集しにくくなり、トナー29の詰まりを防止することができる。
このように構成すると、渦巻き状の空間を形成する隔壁20aの形状を設定するだけで、特に複雑な機構を導入することなく、トナーボトル20内のトナーの搬送性を向上させることが可能となり、トナー29のトナーボトル20内でのトナー詰まりを防止することができる。
図25は、図24に示したトナーボトル20の変形例を示す図で、トナー収容部20bの複数のリブ20hを設けた例である。すなわち、図25に示すトナーボトル20では、渦巻き空間を形成する隔壁20aの内面にトナー29の過度の搬送を抑制する複数のリブ20hが設けられている。このリブ20hはトナー収容部20bの隔壁20aの内壁から内側に向かって同一高さで垂直に並設されている。その他の構成は図24と同一である。
トナーボトル20は略円盤形に形成され、回転動作によりトナー補給を行うが、その際、前述のようにトナーボトル20が回転する度に、トナー29が内周側に搬送される。しかし、常に内周側に搬送されてしまうため、トナーボトル20の中心部にあるトナー供給口20dにトナーが堆積し、トナー供給口20dが詰まる可能性がある。しかし、トナーボトル20の隔壁20aの内壁に複数のリブ20hを設けると、トナーボトル20が回転したときにリブ20hの内側にトナー29が堆積若しくは滞留するため、トナー29の搬送がリブ20hにより抑制されて、トナー供給口20d近傍のトナー29の堆積を防止することができる。また、リブ20hにより搬送が抑制され、トナーボトル20の回転とともにリブ20hがトナーボトル20の下方に到達し、リブ20h近傍に堆積したトナー29がリブ20hによって上方に移動させられる際に、前述の図2に示したような堆積したトナー29はトナーボトル20内に拡散される。この繰り返しにより、トナー29が過度に補給口20cに集まることがなく搬送させられる。
このようにリブ20hを設けると、トナー29が過度に搬送されることがなく、トナーボトル20内でのトナー29の詰まりを抑制することができる。
図25の例では、リブ20hはトナー収容部20bの隔壁20aの内壁から内側に向かって同一高さで垂直に並設されているが、図26の例では、リブ20hがトナー収容部20bの内周方向に向かうに従って、リブ20hの高さを高くし、面積が大きくなるようにした。すなわち、
内周側のリブ20h2の高さ>外周側のリブ20h1の高さ
とした。このようにすると、トナーボトル20の回転とともに、常に内周側にトナー29が搬送されるが、内周方向のリブ20h2を高くすることにより、内周方向にトナー29が搬送されるに従い、トナーの搬送過多を防止し、ボトル内でのトナーの詰まりを抑制することができる。すなわち、トナーボトルが回転する度に、トナーが内周側に搬送されるため、リブによりトナーの搬送過多をリブ20hによって抑制する。ただし、内周側になるほどトナー29が堆積しやすくなるため、内周側のリブ20h2の面積を外周側のリブ20h1より大きくした。これにより、渦巻き状のトナー収容部20bの内周側のトナー搬送の抑制効果が図25の例の場合よりも大きくなる。その結果、この例においても、トナーボトル20内でのトナー詰まりを抑制することができる。
なお、トナーボトル20は、トナーボトル20からトナー供給のための駆動時間が、ある一定時間経過すると、逆回転させると良い。すなわち、画像形成時に、トナーボトル20のトナー供給方向の回転動作、例えば、図2及び図3におけるCW方向の回転動作により、トナー29を内周部に設けられたトナー供給口20dまで搬送しているが、同方向の回転動作を継続していると、トナー29がトナー供給口22d近傍に堆積してしまい、トナー詰まりが発生する場合がある。そこで、トナーボトル20がある一定時間の供給方向の回転動作を行った後に、逆方向(図2におけるCCW方向)に回転させる。
供給方向及びその逆方向の回転動作は、電装ユニット10に搭載されたCPUを含むコントローラからのトナーの補給信号に基づいて常に前記動作が繰り返され、内周側に搬送される。逆方向の回転動作は、電装ユニット10に搭載されたメモリにトナーボトル20の駆動モータ回転時間を蓄積しておき、このメモリに蓄積された駆動時間がある一定時間になると、コントローラからの信号によりトナーボトルを逆回転動作させる。逆回転動作の終了時にボトルの駆動モータ回転時間のメモリがクリアされる。この逆回転動作はジョブ終了時に行われ、通紙中には行われない。
これにより、内周側に寄りがちであったトナーを外周側に戻し、トナーの搬送過多とトナー詰まりを防止することができる。
この例は、トナーボトル20の駆動時間を基準に設定されているが、実際のトナー29の集積量を基準に逆転させることもできる。集積量の検出には例えば圧電素子を用いた圧電センサを使用する。図27は、トナーボトル20内に圧電センサ20iを設けた例を示す図である。圧電センサ20iは、トナー供給口20dから少し離れた位置に設けられており、圧電センサ20iからは図28に示すように二重構造のボトル内壁部の空隙20jを通じて信号線20kが延び、本体コントローラに検出信号が入力される。
圧電センサ20iは、集積されたトナー29の上限の位置を検出する。図28において、適正量のトナーを符号29aで示し、過剰なトナーを29bで示す。すなわち、トナーボトル20のトナー供給方向の回転動作により、トナー29をトナーボトル20の内周部に設けられたトナー供給口20dに搬送するが、前述のように前記回転動作によりトナー29がトナー供給口20dに堆積してしまい、トナー詰まりが発生する場合がある。そのため、トナーボトル20内に設けられた圧電センサ20iからの信号により、トナーボトル20中心部のトナー29aの量がある一定値を超えた場合に、トナーボトル20を逆回転させる。これにより、内周側に寄りがちであったトナー29bを外周側に戻し(過剰なトナー29b)、トナー29の搬送過多とトナー詰まりを防止することができる。
この動作では、プリント動作中にトナーボトル20が回転し、トナー29が内周部に搬送され、圧電センサ20iによって集積したトナー29の上端が検知されたとき、トナーボトル20を逆回転させる。この動作はジョブ終了時に行われ、圧電センサ20iからの信号により、集積したトナー29を検知しなくなるまで行われる。なお、逆転させると、図14に示したようにトナー29はトナーボトル20の外周方向に搬送される。
なお、本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲により規定される範囲に含まれる。