JP2012193530A - 洗浄タンク装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】洗浄タンク装置Taは、洗浄タンク10内の洗浄水Wを便鉢15側へ排出する排水路16の上流端に排水弁12を設け、排水弁12の開弁時は、洗浄タンク10内の水頭圧により洗浄水Wの一部が排水路16から通水路22Aを通って貯水部21Aに流入する。残留手段30Aは、洗浄タンク10内の洗浄水Wが便鉢15側へ排出されて排水弁12が閉弁した状態で、貯水部21A内に流入した洗浄水Wを残留させておくとともに、排水弁12が閉弁した後に貯水部21A内の洗浄水Wを排水路16側へ排出させる。
【選択図】図1
Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、節水を図ることを目的とする。
排水弁が開弁すると、洗浄タンク内の洗浄水が便鉢側へ排出され始めるとともに、洗浄タンク内の水頭圧によって洗浄水の一部が貯水部内に流入する。その後、排水弁が閉弁しても、閉弁した時点では、残留手段によって貯水部内には洗浄水が残留したままである。この貯水部内の洗浄水は、排水弁が閉弁した後、排水路側へ排出されて排水トラップ部に補給される。
貯水部への洗浄水の流入水量が比較的多いので、貯水部内に所定量の洗浄水を確実に残留させることができる。また、貯水部から排水路側への排出水量が比較的少ないので、排水トラップ部へ補給される洗浄水の流動に起因する異音の発生を抑えることができる。
排水弁が閉弁した時点で貯水部内に残留する洗浄水の水量は、閉弁後における排水トラップ部への補給水量となるのであるが、本発明では、閉弁時の貯水部の水位がほぼ一定となるようにしたので、排水トラップ部への補給水量が無駄に多くならずに済む。
排水弁が開弁すると、洗浄タンクの水頭圧により洗浄水が通水路を通って貯水部内に流入し、洗浄タンク内と貯水部内が同じ水位になった後は、通水路内の洗浄水が洗浄タンク内の洗浄水と概ね同じ水位を保ちながら排水路へ排出される。この間、貯水部内の洗浄水は、絞り部において排水路側への排出水量を絞られるので、排水弁が閉弁するまでの間、貯水部内には洗浄液が残留したままとなる。そして、排水弁が閉弁した後、貯水部内に残留する洗浄水が排水路側へ排出される。
絞り部の開口面積を調節することにより、排水トラップ部への補給に要する時間を適宜に設定することができる。
通水路の下流端の高さを調節することにより、排水弁が閉弁した時点で貯水部に残留する洗浄水の水量を適宜に変更することができる。
貯水部がオーバーフロー管の機能を兼ね備えているので、貯水部とオーバーフロー管を別々に設ける場合に比べると、洗浄タンクの内部の構造を簡素化することが可能である。
通水路の下流端から吐出した洗浄水は、誘導面によって貯水部側へ誘導されるので、貯水部へ所定水量の洗浄水を確実に流入させることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1〜図4を参照して説明する。本実施形態1の洗浄タンク装置Taは、洗浄タンク10と、排水弁12と、排水路16と、補給手段20Aとを備えて構成されている。
洗浄タンク10は、上水に接続されたボールタップの給水弁11と、洗浄レバー(図示省略)とを備えている。給水弁11が開弁すると洗浄タンク10内には洗浄水Wが供給され、洗浄タンク10内が所定の水位まで上昇すると、給水弁11が閉弁して洗浄タンク10への洗浄水Wの供給が停止し、洗浄タンク10内が満水状態となる。洗浄タンク10の底壁部には、弁口13を上方からフロート14で開閉する形態の排水弁12が設けられている。
排水路16は、排水弁12から排出された洗浄水Wを便鉢15に供給するための流路である。上記排水弁12は排水路16の上流端に配置されている。排水路16を通って便鉢15に供給された洗浄水Wは、便鉢15内の汚物を下流側へ押し流し、押し流された汚物と洗浄水Wは、便鉢15に連なる排水トラップ部17を通過して下水へ排出される。この洗浄時における洗浄水Wの便鉢15への供給流量は大きいので、汚物と洗浄水Wは、勢い良く排水トラップ部17を通過する。そのため、排水弁12が閉弁して便鉢15への洗浄水Wの供給が急に停止すると、排水トラップ部17内に貯留すべき水の量が不足して、封水切れが発生する虞がある。
封水切れを防止する手段として、本実施形態1の洗浄タンク装置Taには、排水トラップ部17へ封水用の水を補給するための補給手段20Aが設けられている。補給手段20Aは、貯水部21Aと、通水路22Aと、残留手段30Aとを備えて構成されている。
貯水部21Aは、上面が開放されるとともに下面が底壁部で閉塞された有底筒形状をなし、洗浄タンク10の内部に配置されている。貯水部21Aの上面は、洗浄タンク10の満水時の水位よりも高い位置に開放されている。この貯水部21A内には、排水弁12が閉弁した後に排水トラップ部17へ補給するための補給水が貯留されるようになっている。
通水路22Aは、共通流路23Aと、連通路24Aと、導水路25Aとから構成されている。共通流路23Aの一端部は、排水路16における弁口13(排水弁12)に近い位置であって貯水部21Aの底壁部よりも低い位置に、連通状態で接続されている。共通流路23Aの他方の端部には、洗浄タンク10内に設けたオーバーフロー管26Aの下端部が、連通状態で接続されている。連通路24Aの一方の端部は、共通流路23Aの他方の端部に連通状態で接続されている。したがって、共通流路23Aの他方(排水路16とは反対側)の端部においては、オーバーフロー管26Aと連通路24Aが分岐した状態で連なっている。連通路24Aの他方の端部は、貯水部21Aの底壁部に接続されている。
残留手段30Aは、上述の洗浄水Wが貯水部21Aに流入するときの通水路22Aの下流端(導水路25Aの上端27A)を排水弁12よりも高い位置に配置する形態と、絞り部31Aを設ける形態とを備えて構成されている。貯水部21Aのうち導水路25Aの上端27Aよりも下方の空間は、残留空間32Aとなっている。絞り部31Aは、導水路25Aの下端部、つまり残留空間32A(貯水部21A)の下端部(底壁部の上面とほぼ同じ高さ)に形成され、残留空間32Aの下端部において貯水部21Aと導水路25Aとを連通させている。残留空間32A内の洗浄水Wは、絞り部31Aを通って通水路22A内(排水路16側)へ排出されるようになっている。この絞り部31Aの開口面積は、通水路22Aの流路の断面積よりも小さく設定されている。したがって、絞り部31Aを通って残留空間32Aから排水路16側(通水路22A内)排出される洗浄水Wの流量は、通水路22Aを通って導水路25Aの上端27Aから残留空間32Aに流入する洗浄水Wの流量よりも少ない。
次に、本実施形態1の作用を説明する。図1に示すように、洗浄タンク10内が満水となっている状態で洗浄レバーを大洗浄方向へ操作すると、フロート14が高く持ち上げられて排水弁12が開弁する。排水弁12が開弁すると、図2に示すように、洗浄タンク10内の洗浄水Wが便鉢15側へ排出され始め、洗浄タンク10の水位が低下していくとともに、洗浄タンク10の水頭圧により洗浄水Wの一部が通水路22Aを通って貯水部21A内に流入し、貯水部21A内の水位が次第に上昇していく。この間、オーバーフロー管26A内の水位も貯水部21Aと同様に上昇していく。
次に、本発明を具体化した実施形態2を図5〜図8を参照して説明する。本実施形態2の洗浄タンク装置Tbは、補給手段20Bを上記実施形態1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施形態1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
排水トラップ部17へ封水用の水を補給して封水切れを防止する補給手段20Bは、貯水部21Bと、通水路22Bと、残留手段30Bとを備えて構成されている。
貯水部21Bは、上面が上壁部で閉塞されるとともに下面が底壁部で閉塞された箱状の本体部33Bを有する。本体部33Bは、洗浄タンク10の内部に収容され、洗浄タンク10の満水時の水位よりも低い位置に配置されている。貯水部21Bは、本体部33Bの上壁部から上方へ延出した形態であって本体部33B内と連通するオーバーフロー管26Bを有している。オーバーフロー管26Bの上端は、洗浄タンク10の満水時の水位よりも高い位置で開口している。この貯水部21B内には、排水弁12が閉弁した後に排水トラップ部17へ補給するための補給水(洗浄水W)が貯留されるようになっている。
通水路22Bは、連通路24Bと、導水路25Bとから構成されている。連通路24Bの一端部は、排水路16における弁口13(排水弁12)に近い位置であって貯水部21Bの底壁部よりも低い位置に、連通状態で接続されている。連通路24Bの他方の端部は、貯水部21Bの底壁部に接続されている。導水路25Bは、上下方向に延びていて、本体部33B内に設けられている。導水路25Bの下端部は、貯水部21Bの底壁部において連通路24Bの他方の端部と連通状態に接続されている。導水路25Bの上端27B(洗浄水Wが貯水部21Bに流入するときの通水路22Bの下流端)は、洗浄タンク10の満水時の水位及び本体部33Bの上壁部よりも低い位置で、且つ排水弁12よりも高い位置において上向きに開口されている。
残留手段30Bは、通水路22Bの下流端(導水路25Bの上端27B)を排水弁12よりも高い位置に配置する形態と、絞り部31Bを設ける形態とを備えて構成されている。絞り部31Bは、導水路25Bの下端部、つまり残留空間32B(貯水部21B)の下端部に形成され、残留空間32Bの下端部において貯水部21Bと導水路25Bとを連通させている。残留空間32B内の洗浄水Wは、絞り部31Bを通って通水路22B内(排水路16側)へ排出されるようになっている。この絞り部31Bの開口面積は、通水路22Bの流路の断面積よりも小さく設定されている。したがって、絞り部31Bを通って残留空間32Bから排水路16側(通水路22B内)排出される洗浄水Wの流量は、通水路22Bを通って導水路25Bの上端27Bから貯水部21Bに流入する洗浄水Wの流量よりも少ない。
次に、本実施形態2の作用を説明する。図4に示すように、洗浄タンク10内が満水となっている状態で洗浄レバー(図示省略)を大洗浄方向へ操作すると、フロート14が高く持ち上げられて排水弁12が開弁する。排水弁12が開弁すると、図5に示すように、洗浄タンク10内の洗浄水Wが便鉢15側へ排出され始め、洗浄タンク10の水位が低下していくとともに、洗浄タンク10の水頭圧によって洗浄水Wの一部が通水路22Bを通って貯水部21B内に流入する。洗浄水Wの流入に伴い、貯水部21Bの水位は、次第に上昇し、本体部33Bの上壁部を越えてオーバーフロー管26Bまで達する。
次に、本発明を具体化した実施形態3を図9,10を参照して説明する。本実施形態3の洗浄タンク装置Tcは、通水路22Cを構成する導水路25Cと残留手段30Cを上記実施形態2とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施形態2と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造の説明は省略する。
次に、本発明を具体化した実施形態4を図11を参照して説明する。本実施形態4の洗浄タンク装置Tdは、補給手段20Dを上記実施形態1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施形態1と同じである。同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
実施形態1〜4の洗浄タンク装置Ta,Tb,Tc,Tdは、通水路22A,22B,22C,22Dを介して排水路16と連通し、排水弁12が開弁したときには、洗浄タンク10内の水頭圧により洗浄水Wの一部が排水路16から通水路22A,22B,22C,22Dを通って流入するようになっている貯水部21A,21B,21C,21Dと、洗浄タンク10内の洗浄水Wが便鉢側へ排出されて排水弁12が閉弁した状態で、貯水部21A,21B,21C,21D内に流入した洗浄水Wを残留させておくとともに、排水弁12が閉弁した後に貯水部21A,21B,21C,21D内の洗浄水Wを排水路16側へ排出させる残留手段30A,30B,30C,30Dとを備えている。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態1〜3では、絞り部を通水路に連通させたが、絞り部は、通水路に連通させずに、直接、排水路に連通させてもよい。
(2)上記実施形態1〜3では、排水弁が閉弁した時点で、貯水部の水位が洗浄タンクの水位とほぼ同じ高さとしたが、排水弁が閉弁した時点での貯水部の水位は、洗浄タンクの水位より低くてもよく、洗浄タンクの水位より高くてもよい。
(3)上記実施形態1〜4では、貯水部を洗浄タンクの内部に配置したが、貯水部は洗浄タンクの外部に配置されていてもよい。
(4)上記実施形態2〜4では、貯水部とオーバーフロー管を一体化したが、実施形態2〜4において貯水部とは別にオーバーフロー管を設けてもよい。
(5)上記実施形態3の開口調節手段は、実施形態1に適用してもよい。
(6)上記実施形態3の高さ調節手段は、実施形態1に適用してもよい。
(7)上記実施形態2,3の誘導面は、実施形態1に適用してもよい。
10…洗浄タンク
15…便鉢
17…排水トラップ部
16…排水路
12…排水弁
21A,21B,21C,21D…貯水部
22A,22B,22C,22D…通水路
26A,26B…オーバーフロー管
27A,27B,27C…導水路の上端(洗浄水が貯水部に流入するときの通水路の下流端)
30A,30B,30C,30D…残留手段
31A,31B,31C…絞り部
34B…誘導面
37…高さ調節手段
38…開口調節手段
Claims (8)
- 洗浄水を貯留する洗浄タンクと、
前記洗浄タンク内の洗浄水を、排水トラップ部に連なる便鉢側へ排出させる排水路と、
前記排水路の上流端に設けられた開閉可能な排水弁と、
通水路を介して前記排水路と連通し、前記排水弁が開弁したときには、前記洗浄タンク内の水頭圧により洗浄水の一部が前記排水路から前記通水路を通って流入するようになっている貯水部と、
前記洗浄タンク内の洗浄水が前記便鉢側へ排出されて前記排水弁が閉弁した状態で、前記貯水部内に流入した洗浄水を残留させておくとともに、前記排水弁が閉弁した後に前記貯水部内の洗浄水を前記排水路側へ排出させる残留手段とを備えていることを特徴とする洗浄タンク装置。 - 前記残留手段は、前記貯水部から前記排水路側への洗浄水の排出流量が、前記通水路から前記貯水部内への洗浄水の流入流量よりも少なくなるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の洗浄タンク装置。
- 前記残留手段は、前記排水弁が閉弁した時点での前記貯水部の水位が、前記洗浄タンクの水位と同じかそれよりも少し低くなるように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の洗浄タンク装置。
- 前記残留手段は、
洗浄水が前記貯水部に流入するときの前記通水路の下流端を、前記排水弁よりも高い位置に配置する形態と、
前記通水路の前記下流端よりも低い位置に、前記貯水部内の洗浄水を流入時よりも少ない流量で前記排水路側へ流出させる絞り部を設ける形態とを備えて構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の洗浄タンク装置。 - 前記残留手段は、前記絞り部の開口面積を調節可能な開口調節手段を備えていることを特徴とする請求項4記載の洗浄タンク装置。
- 前記残留手段は、前記通水路の前記下流端の高さを調節可能な高さ調節手段を備えていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の洗浄タンク装置。
- 前記貯水部が、前記洗浄タンクの内部に配置され、上端の開口が前記洗浄タンク内に臨む形態のオーバーフロー管を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の洗浄タンク装置。
- 洗浄水が前記貯水部に流入するときの前記通水路の下流端の近傍には、前記通水路の前記下流端から吐出した洗浄水を、前記貯水部側へ誘導するための誘導面が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の洗浄タンク装置。
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JP2002021144A (ja) * | 2000-07-07 | 2002-01-23 | Isao Yamashita | ロータンクの流量調整装置 |
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