JP2012193277A - 変性共役ジエン系ゴムの製造方法、変性共役ジエン系ゴム、及びゴム組成物 - Google Patents

変性共役ジエン系ゴムの製造方法、変性共役ジエン系ゴム、及びゴム組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】タイヤトレッド等の用途に用いられ、低燃費性能を高めることができる架橋ゴムの原料として用いうる共役ジエン系ゴムの製造方法を提供する。
【解決手段】(a)共役ジエン系化合物、又は共役ジエン系化合物と芳香族ビニル化合物を重合して得られるアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属活性末端を有する共役ジエン系重合体と、下記一般式(1)で表される構造を有するポリシロキサン基及びオニウムになり得る基を有するヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させて、変性共役ジエン系重合体を得る工程、を含む変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
Figure 2012193277

(上記一般式(1)中、R、Rはそれぞれ独立に一価の炭素数1〜30の炭化水素基である。nは2〜1000の整数である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、変性共役ジエン系ゴムの製造方法、変性共役ジエン系ゴム、及びゴム組成物に関する。更に詳しくは、引張強度、耐摩耗性、ウェットスキッド抵抗性及び、低ヒステリシスロス特性に優れた架橋ゴムを製造することが可能な変性共役ジエン系ゴムの製造方法、このような製造方法によって得られた形状保持性に優れた変性共役ジエン系ゴム、該変性共役ジエン系ゴムを含むゴム組成物、及び、該ゴム組成物を架橋(例えば、加硫)させてなる架橋ゴム組成物(例えば、加硫ゴム組成物)に関する。
自動車タイヤ用ゴムとして、乳化重合法によって得られる共役ジエン系ゴム(例えば、スチレン−ブタジエン共重合体)が知られている。近年、自動車の低燃費性能の向上が期待される中で、優れた低燃費性能を実現しうる種々の共役ジエン系ゴムが提案されている。
一例として、(1)共役ジオレフィンあるいは共役ジオレフィンと芳香族ビニル化合物の(共)重合ゴムであって、(2)(共)重合体鎖に結合した第1級アミノ基とアルコキシシリル基とを有し、かつ(3)(共)重合体鎖中に2官能性以上のモノマーが共重合されているか、および/または、2官能性以上のカップリング剤で(共)重合体鎖の少なくとも一部がカップリングされている、ことを特徴とする共役ジオレフィン(共)重合ゴムが提案されている(特許文献1)。
他の例として、アルカリ金属触媒の存在下、炭化水素溶媒中で、共役ジエンモノマー、又は、共役ジエンモノマーと芳香族ビニルモノマーとを重合させ、アルカリ金属末端を有する活性重合体を得る工程1と、該活性重合体と、特定の式で表される化合物とを反応させて、変性重合体ゴムを得る工程2から得られる、変性ジエン系重合体ゴムが提案されている(特許文献2)。
また、シリカ及びカーボンブラックとの相互作用を高め、破壊特性、耐摩耗性、低発熱性を向上させることができる変性重合体を製造する方法として、有機金属の活性部位を分子中に有する重合体の該活性部位にヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させる第一次変性反応を行い、その後さらにヒドロカルビルオキシシリル基同士の縮合反応を経由して、ヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させる第二次変性反応を行う方法が提案されている(特許文献3)。
特開2004−18795号公報 特開2005−290355号公報 WO 03/048216 A1
前述のとおり、自動車の優れた低燃費性能を実現しうる種々の共役ジエン系ゴムが提案されている。しかし、ガソリンの価格高騰等の経済事情、二酸化炭素の排出を初めとする環境事情下において、自動車のさらなる低燃費化が期待されている。そこで、本発明は、自動車タイヤ等の用途に用いることができ、自動車等の低燃費性能を高めることができる架橋ゴムの原料として用いうる変性共役ジエン系ゴムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属活性末端を有する共役ジエン系重合体と、特定のヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させることによって、低ヒステリシスロス特性に優れるなどの物性が付与され、その結果、自動車タイヤ等に用いた場合に優れた低燃費性能を与えることが可能な変性共役ジエン系ゴムを製造しうることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[11]を提供するものである。
[1] (a)共役ジエン系化合物、又は共役ジエン系化合物と芳香族ビニル化合物を重合して得られるアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属活性末端を有する共役ジエン系重合体と、下記一般式(1)で表される構造を有するポリシロキサン基及びオニウムになり得る基を有するヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させて、変性共役ジエン系重合体を得る工程、を含む変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
Figure 2012193277
(上記一般式(1)中、R、Rはそれぞれ独立に一価の炭素数1〜30の炭化水素基である。nは2〜1000の整数である。)
[2] 上記一般式(1)中のR及びRが炭素数1〜30のアルキル基である前記[1]に記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
[3] 前記ヒドロカルビルオキシシラン化合物のオニウムになり得る基が、1級アミンの2つの水素原子が2つの保護基によって置換されてなる窒素含有基、2級アミンの1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなる窒素含有基、3級アミノ基、イミノ基、ピリジル基、1級ホスフィンの2つの水素原子が2つの保護基によって置換されてなるリン含有基、2級ホスフィンの1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなるリン含有基、3級ホスフィノ基、及び、チオールの1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなる硫黄含有基、からなる群より選ばれる1種以上である前記[1]または[2]に記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
[4] 前記ヒドロカルビルオキシシラン化合物が、下記一般式(2)で表されるシラン化合物である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
Figure 2012193277
(上記一般式(2)中、Rは炭素数1〜12のアルキル基、又はR10O−で表される基である。ここでR10は一価の炭素数1〜30の炭化水素基、下記一般式(3)で表される基、又は(R11Si−で表される基である。ここでR11は炭素数1〜30の分枝鎖又は非分枝鎖のアルキル基、又はアルケニル基である。Rは一価の炭素数1〜30の炭化水素基である。Rは下記一般式(3)で表される基である。Rは二価の炭素数1〜30の炭化水素基である。Xはオニウムになり得る基であって活性水素を有さないか又は活性水素が保護基により置換された窒素含有基、リン含有基、又は硫黄含有基である。)
Figure 2012193277
(上記一般式(3)中、R、Rはそれぞれ独立に一価の炭素数1〜30の炭化水素基である。R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子、又は一価の炭素数1〜30の炭化水素基である。nは1〜1000の整数である。)
[5] (b)工程(a)で得られた変性共役ジエン系重合体と、オニウム生成剤を混合する工程、を含む前記[1]〜[4]のいずれかに記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
[6] 前記オニウム生成剤が、ハロゲン化ケイ素化合物、ハロゲン化スズ化合物、ハロゲン化アルミニウム化合物、ハロゲン化チタン化合物、ハロゲン化ジルコニウム化合物、ハロゲン化ゲルマニウム化合物、ハロゲン化ガリウム化合物、ハロゲン化亜鉛化合物、硫酸エステル、リン酸エステル、カルボン酸、及び、スルホン酸からなる群より選ばれる1種以上である前記[5]に記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
[7] (c)工程(a)で得られた変性共役ジエン系重合体と水を接触させる工程、
を含む前記[1]〜[6]のいずれかに記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
[8] 前記[1]〜[7]のいずれかに記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法によって得られた変性共役ジエン系ゴム。
[9] 前記[8]に記載の変性共役ジエン系ゴムと、シリカ及び/又はカーボンブラックと、架橋剤を含む、ゴム組成物。
[10] 前記[9]に記載のゴム組成物を架橋させてなる架橋ゴム組成物。
[11] 前記[10]に記載の架橋ゴム組成物からなるタイヤ。
本発明の製造方法によれば、引張強度、耐摩耗性、低ヒステリシスロス特性及びウェットスキッド抵抗性に優れた架橋ゴム組成物を製造することが可能な、形状保持性に優れた変性共役ジエン系ゴムを得ることができる。
該変性共役ジエン系ゴムを用いて製造される架橋ゴム組成物は、自動車タイヤ等の用途に用いることができ、自動車等の低燃費性能を高めることができる。
[工程(a)]
本発明の変性共役ジエン系ゴムの製造方法は、(a)共役ジエン系化合物、又は共役ジエン系化合物と芳香族ビニル化合物を重合して得られるアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属活性末端を有する共役ジエン系重合体と、後述するポリシロキサン基及びオニウムになり得る基を有するヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させて、変性共役ジエン系重合体を得る工程を含むものである。
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属活性末端を有する共役ジエン系重合体としては、共役ジエン系化合物を単独で重合、または、共役ジエン系化合物と芳香族ビニル化合物を共重合させてなるアニオン重合体を挙げることができる。
共役ジエン系重合体の製造方法については、上記したようにアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属系の重合開始剤によってアニオン重合させること以外については特に制限はない。例えば、重合法については、溶液重合法、気相重合法、バルク重合法のいずれも用いることができるが、特に、溶液重合法を用いることが好ましい。また、重合形式は、回分式及び連続式のいずれであってもよい。また、共役ジエン系重合体の分子中に存在する活性部位の金属は、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属であり、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、バリウムであることが好ましく、特にリチウムであることが好ましい。これらのアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属は、ヒドロカルビルオキシシラン化合物と反応可能な金属活性末端を有する共役ジエン系重合体を得ることが可能であると言う観点から、いずれも同様の作用を有するものであり、後述の実施例に記載されていないものであっても、本発明において使用することが可能である。
更には、官能基含有モノマーを混在させ、ポリマー中の官能基をアルカリ金属系開始剤によって活性化することも有効である。例えば、イソブチレン単位、パラメチルスチレン単位及びパラハロゲン化メチルスチレン単位を含む共重合体の官能基部分をリチオ化して活性部位とすることも有効である。
上記共役ジエン系化合物(以下、「共役ジエン系モノマー」ともいう。)としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−ヘプタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン等を好適に用いることができる。これらは単独で用いてもよく、二種以上組み合わせて用いてもよい。これらの化合物の中で、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等を特に好適に用いることができる。これらの共役ジエン系モノマーは、ヒドロカルビルオキシシラン化合物と反応可能な金属活性末端を有する共役ジエン系重合体を得ることが可能であると言う観点から、いずれも同様の作用を有するものであり、後述の実施例に記載されていないものであっても、本発明において使用することが可能である。
上記芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン(例えば、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン)、α−メチルスチレン、ビニルキシレン(例えば、2,4−ジメチルスチレン)、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、tert−ブトキシスチレン、ビニルベンジルジメチルアミン、(4−ビニルベンジル)ジメチルアミノエチルエーテル、N,N−ジメチルアミノメチルスチレン、N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、2−t−ブチルスチレン、3−t−ブチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルピリジン、ジフェニルエチレン、3級アミノ基含有ジフェニルエチレン等を好適に用いることができる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの化合物の中で、スチレンが特に好ましい。これらの芳香族ビニル化合物は、ヒドロカルビルオキシシラン化合物と反応可能な金属活性末端を有する共役ジエン系重合体を得ることが可能であると言う観点から、いずれも同様の作用を有するものであり、後述の実施例に記載されていないものであっても、本発明において使用することが可能である。
更に、共役ジエン系モノマーと芳香族ビニル化合物とを用いて共重合を行う場合、それぞれ1,3−ブタジエンとスチレンとを使用することが好ましい。これらのモノマーは、入手が容易であるとともに、アニオン重合におけるリビング性が高いという点において優れている。また、溶液重合法を用いた場合には、溶媒中のモノマー濃度は、生産性と重合コントロールの容易性のバランスを維持する観点から、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%である。なお、共役ジエン系モノマーと芳香族ビニル化合物を用いて共重合を行う場合、仕込みモノマー混合物中の芳香族ビニル化合物の含量は、得られる架橋ゴム組成物の低ヒステリシスロス特性とウェットスキッド抵抗性のバランスを維持する観点から、3〜55質量%であることが好ましく、5〜50質量%であることが更に好ましい。
上記アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属系の重合開始剤として用いられる化合物としては、アルキルリチウム、アルキレンジリチウム、リチウムアルキレンイミド、リチウムジアルキルアミド、フェニルリチウム、スチルベンリチウム、リチウムナフタレン、ナトリウムナフタレン、カリウムナフタレン、n−ブチルマグネシウム、n−ヘキシルマグネシウム、エトキシカルシウム、ステアリン酸カルシウム、t−ブトキシストロンチウム、エトキシバリウム、イソプロポキシバリウム、エチルメルカプトバリウム、t−ブトキシバリウム、フェノキシバリウム、ジエチルアミノバリウム、ステアリン酸バリウム、ケチルバリウム、ナトリウムビフェニル、カリウム−テトラヒドロフラン錯体、カリウムジエトキシエタン錯体、α−メチルスチレンテトラマーのナトリウム塩等を挙げることができ、アルキルリチウム等の有機リチウム化合物、及びリチウムアルキレンイミド等のリチウムアミド化合物を好適例として挙げることができる。前者の有機リチウム化合物を用いる場合には、重合開始末端に炭化水素基を有し、かつ他方の末端が重合活性部位である共役ジエン系重合体が得られる。また、後者のリチウムアミド化合物を用いる場合には、重合開始末端に窒素含有基を有し、他方の末端が重合活性部位である共役ジエン系重合体が得られる。これらのアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属系の重合開始剤は、ヒドロカルビルオキシシラン化合物と反応可能な金属活性末端を有する共役ジエン系重合体を得ることが可能であると言う観点から、いずれも同様の作用を有するものであり、後述の実施例に記載されていないものであっても、本発明において使用することが可能である。
上記有機リチウム化合物としては、炭素数1〜20の炭化水素基を有するものが好ましく、例えば、メチルリチウム、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、iso−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチル−フェニルリチウム、4−フェニル−ブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応生成物、t−ブチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウム、1,4−ジリチオブタン、1,3,5−トリリチオベンゼン、n−ブチルリチウムと1,3−ブタジエンおよびジビニルベンゼンの反応物、n−ブチルリチウムとポリアセチレン化合物の反応物、4
−シクロペンチルリチウム、1,2−ジリチオメタン、1,4−ジリチオブタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−トリリチオベンゼン等を挙げることができる。これらの中で、n−ブチルリチウム及びsec−ブチルリチウムが好ましい。
一方、リチウムアミド化合物としては、例えば、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピぺリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムモルホリド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジヘプチルアミド、リチウムジヘキシルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチウムジ−2−エチルヘキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム−N−メチルピペラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミド、3−[N,N−ビス(トリメチルシリル)]−1−プロピルリチウム、3−[N,N−ビス(トリメチルシリル)]−2−メチル−1−プロピルリチウム、3−[N,N−ビス(トリメチルシリル)]−2,2−ジメチル−1−プロピルリチウム、4−[N,N−ビス(トリメチルシリル)]−1−ブチルリチウム、5−[N,N−ビス(トリメチルシリル)]−1−ペンチルリチウム、8−[N,N−ビス(トリメチルシリル)]−1−オクチルリチウム、3−(2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1−アザシクロペンタン)−1−プロピルリチウム、2−メチル−3−(2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1−アザシクロペンタン)−1−プロピルリチウム、2,2−ジメチル−3−(2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1−アザシクロペンタン)−1−プロピルリチウム、4−(2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1−アザシクロペンタン)−1−ブチルリチウム、6−(2,2,5,5−テトラメチル−2,5−ジシラ−1−アザシクロペンタン)−1−ヘキシルリチウム等を挙げることができる。これらの中で、カーボンブラックやシリカに対する相互作用効果及び重合開始能の点から、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピぺリジド、リチウムへプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミドなどの環状リチウムアミドが好ましく、特に、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、及びリチウムピペリジドが好適である。
これらのリチウムアミド化合物は、一般に、二級アミンとリチウム化合物とから予め調製したものを重合開始剤として使用することが多いが、重合系中(in−situ)で調製することもできる。また、この重合開始剤の使用量は、好ましくはモノマー100gあたり、0.2〜20ミリモルの範囲で選定される。
前記リチウム化合物を重合開始剤として用い、アニオン重合によって共役ジエン系重合体を製造する際の具体的な方法としては、例えば、反応に不活性な有機溶剤、例えば脂肪族、脂環族もしくは芳香族炭化水素化合物等の炭化水素溶媒中において、共役ジエン系モノマー又は共役ジエン系モノマーと芳香族ビニル化合物を、前記リチウム化合物を重合開始剤として、所望により用いられるランダマイザーの存在下に、アニオン重合させる方法を挙げることができる。このような方法によって、目的の共役ジエン系重合体を得ることができる。
前記炭化水素溶媒としては、炭素数3〜8のものが好ましく、例えば、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−へキサン、シクロへキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンチン、2−ペンチン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ヘプタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、1−ペンテン、2−ペンテン、シクロヘキセン等を挙げることができる。これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、所望により用いられるランダマイザーとは、共役ジエン系重合体のミクロ構造の制御、例えばブタジエン−スチレン共重合体におけるブタジエン部分のビニル結合(1,2結合)、イソプレン重合体におけるビニル結合(1,2結合及び3,4結合)の増加など、あるいは共役ジエン系重合体におけるモノマー単位の組成分布の制御、例えばブタジエン−スチレン共重合体におけるブタジエン単位とスチレン単位とのランダム化などの作用を有する化合物のことである。このランダマイザーとしては、特に制限はなく、従来ランダマイザーとして一般に使用されている公知の化合物の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。具体的には、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、2,2−ジ(テトラヒドロフリル)プロパン、2−(2−エトキシエトキシ)−2−メチルプロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピペリジノエタン、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン、トリメチルアミン、キヌクリジン、カリウム−t−アミラート、カリウム−t−ブチラート、トリフェニルホスフィン、テトラヒドロピラン、ジブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、アニソール、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、キノリンなどのエーテル類及び三級アミン類などを挙げることができる。これらのランダマイザーは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記した重合開始剤の反応性を向上させようとする場合、あるいは重合体中に導入される芳香族ビニル化合物をランダムに配列するか又は芳香族ビニル化合物の単連鎖もしくは長連鎖を付与しようとする場合に、重合開始剤とともにカリウム化合物を添加してもよい。重合開始剤とともに添加されるカリウム化合物としては、例えば、カリウムイソプロポキシド、カリウム−t−ブトキシド、カリウム−t−アミロキシド、カリウム−n−ヘプタオキシド、カリウムベンジルオキシド、カリウムフェノキシドに代表されるカリウムアルコキシドもしくはカリウムフェノキシド;イソバレリアン酸、カプリル酸、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノレイン酸、安息香酸、フタル酸、2−エチルヘキサン酸などのカリウム塩;ドデシルベンゼンスルホン酸、テトラデシルベンゼンスルホン酸、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸、オクタデシルベンゼンスルホン酸などの有機スルホン酸のカリウム塩;亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジイソプロピル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジラウリルなどの有機亜リン酸部分エステルのカリウム塩などが用いられる。
これらのカリウム化合物は、重合開始剤のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属1グラム原子当量あたり、0.005〜0.5モルの量で添加することが好ましい。0.005モル未満では、カリウム化合物の添加効果(重合開始剤の反応性向上、芳香族ビニル化合物のランダム化又は単連鎖もしくは長連鎖付与)が現れないことがあり、一方、0.5モルを超えると、重合活性が低下し、生産性を大幅に低下させることになるとともに、ヒドロカルビルオキシシラン化合物との変性反応における変性効率が低下することがある。
この重合反応における温度は、−20〜150℃であることが好ましく、0〜120℃であることが更に好ましい。重合反応は、発生圧力下で行うことができるが、通常はモノマーを実質的に液相に保つに十分な圧力で操作することが好ましい。すなわち、圧力は重合される個々の物質や、用いる重合媒体及び重合温度にもよるが、所望ならば発生圧力に比べてより高い圧力を用いることができ、このような圧力は重合反応に関して不活性なガスで反応器を加圧する等の適当な方法で得られる。
この重合においては、重合開始剤、溶媒、モノマーなどの、重合に関与する全ての原材料は、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物等の反応阻害物質を除去したものを用いることが望ましい。なお、エラストマーとして重合体を得る場合は、得られる重合体又は共重合体の、示差熱分析法により求めたガラス転移温度(Tg)が−90℃〜0℃であることが好ましい。ガラス転移温度が−90℃未満の重合体を得るのは困難であり、また0℃を超える場合には室温領域で粘度が高くなりすぎ、取り扱いが困難となる場合がある。
本発明においてヒドロカルビルオキシシラン化合物とは、ケイ素原子にヒドロカルビルオキシ基が一つ以上結合した化合物である。ヒドロカルビルオキシ基としては、例えばアルキルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、シクロアルキルオキシ基等が挙げられる。
本発明に用いられるヒドロカルビルオキシシラン化合物のヒドロカルビルオキシシリル基が有するヒドロカルビルオキシ基の数は、1つ以上であり、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属活性末端を有する共役ジエン系重合体との反応性の観点から、好ましくは2つ以上である。好適なヒドロカルビルオキシ基としては、炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコキシ基、炭素数1〜20のアリール基を有するアリールオキシ基、炭素数1〜20のアリル基を有するアリルオキシ基、または炭素数1〜20のアラルキル基を有するアラルキルオキシ基等を挙げることができる。なお、ヒドロカルビルオキシ基が2つ以上存在する場合は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
前記ヒドロカルビルオキシシラン化合物は、下記一般式(1)で表される構造を有するポリシロキサン基を有する。
Figure 2012193277
(上記一般式(1)中、R、Rはそれぞれ独立に一価の炭素数1〜30の炭化水素基である。nは2〜1000の整数である。)
ここで、RおよびRの一価の炭素数1〜30の炭化水素基とは、一価の炭素数1〜30のアルキル基、アリル基、アリール基、又はアラルキル基であり、好ましくはアルキル基である。nは、好ましくは5〜100、より好ましくは10〜60、特に好ましくは10〜30である。
ポリシロキサン基を導入することで、シリカとの相互作用が高まり、得られる架橋ゴム組成物の耐摩耗性が向上し、低ヒステリシスロス特性とウェットスキッド抵抗性のバランスも向上させることができる。
前記ヒドロカルビルオキシシラン化合物のオニウムになり得る基とは、共役ジエン系重合体のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属活性末端から保護される保護基であると共に、脱保護の後に後述するオニウム生成剤の作用によってオニウムになりうる基が分子中に少なくとも1つ以上あればよく、例えば、1級アミンの2つの水素原子が2つの保護基によって置換されてなる窒素含有基、2級アミンの1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなる窒素含有基、3級アミノ基、イミノ基、ピリジル基、1級ホスフィンの2つの水素原子が2つの保護基によって置換されてなるリン含有基、2級ホスフィンの1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなるリン含有基、3級ホスフィノ基、及び、チオールの1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなる硫黄含有基等が挙げられる。このヒドロカルビルオキシシラン化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられるヒドロカルビルオキシシラン化合物とは、例えば、下記一般式(2)で示されるシラン化合物が挙げられる。
Figure 2012193277
(上記一般式(2)中、Rは炭素数1〜12のアルキル基、又はR10O−で表される基である。ここでR10は一価の炭素数1〜30の炭化水素基、下記一般式(3)で表される基、又は(R11Si−で表される基である。ここでR11は炭素数1〜30の分枝鎖又は非分枝鎖のアルキル基、又はアルケニル基である。Rは一価の炭素数1〜30の炭化水素基である。Rは下記一般式(3)で表される基である。Rは二価の炭素数1〜30の炭化水素基である。Xはオニウムになり得る基であって活性水素を有さないか又は活性水素が保護基により置換された窒素含有基、リン含有基、又は硫黄含有基である。)
ここで、Rの一価の炭素数1〜30の炭化水素基とは、例えばメチル基、エチル基、炭素数3〜30の分枝鎖又は非分枝鎖の一価のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アリル基である。R10の一価の炭素数1〜30の炭化水素基とは、例えばメチル基、エチル基、炭素数3〜30の分枝鎖又は非分枝鎖の一価のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基である。Rの二価の炭素数1〜30の炭化水素基とは分枝鎖又は非分枝鎖の飽和又は不飽和の脂肪族、芳香族又は脂肪族と芳香族が混合された二価の炭素数1〜30の炭化水素基である。
Figure 2012193277
(上記一般式(3)中、R、Rはそれぞれ独立に一価の炭素数1〜30の炭化水素基である。R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子、又は一価の炭素数1〜30の炭化水素基である。nは1〜1000の整数である。)
ここで、R、R、Rの一価の炭素数1〜30の炭化水素基とは、例えば非置換か又は置換された炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20の分枝鎖又は非分枝鎖の一価のアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアラルキル基である。
上記一般式(2)で表されるポリシロキサン基及びオニウムになり得る基を有するヒドロカルビルオキシシラン化合物は、より具体的には、例えば上記一般式(3)のR及びRが、それぞれ独立にメチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基からなる群より選ばれる1つであり、R、R、Rが水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基からなる群より選ばれる1つであり、Rがメチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基からなる群より選ばれる1つであり、Rがメチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、ビニル基、フェニル基、ベンジル基からなる群より選ばれる1つであり、Rがメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基からなる群より選ばれる1つであり、XがN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノ基、N,N−ビス(トリエチルシリル)アミノ基、N,N’,N’−トリス(トリメチルシリル)−N−(2−アミノエチル)アミノ基、N,N’,N’−トリス(トリエチルシリル)−N−(2−アミノエチル)アミノ基、2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンチル基、N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミノ基、N,N’−ジメチル−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミノ基、N,N’−ジエチル−N’−トリエチルシリル−エタン−1,2−ジアミノ基、N,N’−ジメチル−N’−トリエチルシリル−エタン−1,2−ジアミノ基、N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−p−フェニレンジアミノ基、N,N’−ジメチル−N’−トリメチルシリル−p−フェニレンジアミノ基、N,N’−ジエチル−N’−トリエチルシリル−p−フェニレンジアミノ基、N,N’−ジメチル−N’−トリエチルシリル−p−フェニレンジアミノ基、3−(トリメチルシリルエチルアミノ)−1−ピロリジニル基、3−(トリメチルシリルプロピルアミノ)−1−ピロリジニル基、N−エチル−N’−(2−エトキシエチル)−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミノ基、N−メチル−N’−(2−エトキシエチル)−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミノ基、N−エチル−N’−(2−メトキシエチル)−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミノ基、N−メチル−N’−(2−メトキシエチル)−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミノ基、N−エチル−N’−(2−エトキシエチル)−N’−トリエチルシリル−エタン−1,2−ジアミノ基、N−メチル−N’−(2−エトキシエチル)−N’−トリエチルシリル−エタン−1,2−ジアミノ基、N−エチル−N’−(2−メトキシエチル)−N’−トリエチルシリル−エタン−1,2−ジアミノ基、N−メチル−N’−(2−メトキシエチル)−N’−トリエチルシリル−エタン−1,2−ジアミノ基、4−メチル−1−ピペラジノ基、4−エチル−1−ピペラジノ基、4−トリメチルシリル−1−ピペラジノ基、4−トリエチルシリル−1−ピペラジノ基、3−トリメチルシリル−1−イミダゾリジニル基、3−トリエチルシリル−1−イミダゾリジニル基、3−トリメチルシリル−1−ヘキサヒドロピリミジニル基、3−トリエチルシリル−1−ヘキサヒドロピリミジニル基、N,N’,N’−トリメチルプロパン−1,3−ジアミノ基、N,N’,N’−トリエチルプロパン−1,3−ジアミノ基、N−エチル−N’,N’−ジメチルプロパン−1,3−ジアミノ基、N’,N’−ジエチル−N−メチルプロパン−1,3−ジアミノ基、N,N’−ジエチル−N’−メチルプロパン−1,3−ジアミノ基、3−ジエチルアミノ基、3−ジメチルアミノ基、3−エチルメチルアミノ基、3−モルホリノ基、3−ピペリジノ基、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−1−プロパンアミノ基、N−(1,3−メチルエチリデン)−1−プロパンアミノ基、N−エチリデン−1−プロパンアミノ基、N−(1−メチルプロピリデン)−1−プロパンアミノ基、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−1−プロパンアミノ基、N−(シクロヘキシリデン)−1−プロパンアミノ基、3−ヘキサメチレンイミノ基、P,P−ビス(トリメチルシリル)ホスフィノ基、P,P−ビス(トリエチルシリル)ホスフィノ基、3−ジメチルフォスフィノ基、3−ジエチルフォスフィノ基、3−エチルメチルフォスフィノ基、3−ジフェニルフォスフィノ基、S−トリメチルシリルメルカプト基、S−トリエチルシリルメルカプト基、S−メチルメルカプト基、S−エチルメルカプト基からなる群より選ばれる1つである化合物が挙げられる。
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属活性末端を有する共役ジエン系重合体と、前記ヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させることによって、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属活性末端の部位と1つのヒドロカルビルオキシ基の部位が結合して、ヒドロカルビルオキシ基、オニウムになり得る基、及び前記一般式(1)で表される構造を有するポリシロキサン基を有する変性共役ジエン系重合体を得ることができる。
また、前記ヒドロカルビルオキシシラン化合物は、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属からなる金属活性末端を有する共役ジエン系重合体と反応可能であると共に、ゴム組成物とした際にいずれも補強剤となるカーボンブラック及び/又はシリカと反応又は相互作用し、架橋ゴム組成物とした際に優れた低ヒステリシスロス特性を与える。この観点から、前記ヒドロカルビルオキシシラン化合物は、後述の実施例に記載されていないものであっても、本発明において使用することが可能である。
このようなヒドロカルビルオキシシラン化合物を、共役ジエン系重合体のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属活性末端に導入させる変性反応は、例えば、溶液反応(ここで用いる溶液は、重合時に使用した未反応モノマーを含んだ溶液でもよい。)で行うことができる。変性反応の形式については特に制限はなく、バッチ式反応器を用いて行ってもよく、多段連続式反応器やインラインミキサなどの装置を用いて連続式で行ってもよい。また、この変性反応は、重合反応終了後、脱溶媒処理、水処理、熱処理、重合体単離に必要な諸操作などを行う前に実施することが好ましい。
この変性反応におけるヒドロカルビルオキシシラン化合物の使用量は、アニオン重合により得られた共役ジエン系重合体の活性部位に対し、好ましくは0.1モル当量以上であり、より好ましくは0.3モル当量以上である。0.1モル当量未満では、変性反応の進行が十分でなく、補強剤の分散性が充分に改良されず、架橋ゴム組成物とした際に引張強度、耐摩耗性、ウェットスキッド抵抗性及び、低ヒステリシスロス特性に劣ることがある。
なお、変性剤であるヒドロカルビルオキシシラン化合物の添加方法は、特に制限されず、一括して添加する方法、分割して添加する方法、あるいは、連続的に添加する方法などが挙げられるが、一括して添加する方法が好ましい。また、ヒドロカルビルオキシシラン化合物は、本明細書の段落0010に例示した共役ジエン系モノマー、段落0011に例示した芳香族ビニル化合物、段落0018に例示した炭化水素溶媒、段落0019に例示したランダマイザー等を溶媒とする溶液で添加しても良い。
変性反応の温度は、共役ジエン系重合体の重合温度をそのまま用いることができる。具体的には0〜120℃が好ましい範囲として挙げられる。更に好ましくは、20〜100℃である。温度が低くなると重合体の粘度が上昇する傾向があり、温度が高くなると重合活性末端が失活し易くなるので、上記数値範囲内の温度が好ましい。また、変性反応における反応時間は、好ましくは1分〜5時間、更に好ましくは2分〜1時間である。
共役ジエン系重合体を製造する際には、ヒドロカルビルオキシシラン化合物と併用してカップリング剤を添加することも可能である。カップリング剤の具体例は、以下のとおりである。なお、このカップリング剤は、上記したヒドロカルビルオキシシラン化合物によって共役ジエン系重合体を変性する段階で添加される。
すなわち、ヒドロカルビルオキシシラン化合物と併用して、重合活性末端に反応させるカップリング剤としては、(a)イソシアナート化合物及び/又はイソチオシアナート化合物、(b)アミド化合物及び/又はイミド化合物、(c)ピリジル置換ケトン化合物及び/又はピリジル置換ビニル化合物、(d)ケイ素化合物、(e)エステル化合物、(f)ケトン化合物並びに(g)スズ化合物、(h)エポキシ化合物、(i)リン酸エステル化合物、(j)酸無水物基含有化合物、(k)アリールビニル基含有化合物、並びに(l)ハロゲン化炭素基含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が挙げられる。
これらの化合物のうち、(a)成分であるイソシアナート化合物又はイソチオシアナート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ジフェニルエタンジイソシアネート、ポリメリックタイプのジフェニルメタンジイソシアナート(C−MDI)、イソホロンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、1,3,5−ベンゼントリイソシアナート、フェニル−1,4−ジイソチオシアナート等を好適例として挙げることができる。
(b)成分であるアミド化合物又はイミド化合物としては、コハク酸アミド、フタル酸アミド、N,N,N’,N’−テトラメチルフタル酸アミド、オキサミド、N,N,N’,N’−テトラメチルオキサミド、アジピン酸ビスジメチルアミド、ポリメタクリル酸ジメチルアミドなどのアミド化合物、コハク酸イミド、N−メチルコハクイミド、マレイミド、N−メチルマレイミド、フタルイミド、N−メチルフタルイミドなどのイミド化合物等を好適例として挙げることができる。
(c)成分であるピリジル置換ケトン化合物又はピリジル置換ビニル化合物としては、ジベンゾイルピリジン、ジアセチルピリジン、ジビニルピリジン等を好適例として挙げることができる。
(d)成分であるケイ素化合物としては、ジブチルジクロロケイ素、メチルトリクロロケイ素、メチルジクロロケイ素、テトラクロロケイ素(四塩化ケイ素)、四臭化ケイ素、四ヨウ化ケイ素、モノクロロトリメトキシシラン、モノブロモトリメトキシシラン、ジクロロジメトキシシラン、ジブロモジメトキシシラン、トリクロロメトキシシラン、トリブロモメトキシシラン、ヘキサクロロジシラン、ビス(トリクロロシリル)メタン、1,2−ビス(トリクロロシリル)エタン、1,3−ビス(トリクロロシリル)プロパン、1,4−ビス(トリクロロシリル)ブタン、1,5−ビス(トリクロロシリル)ペンタン、1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサン、トリエトキシメチルシラン、トリフェノキシメチルシラン、トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、3−アセチルプロポキシトリメトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリブトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、3−クロロプロポキシトリメトキシシラン、4,5−エポキシヘプチルメチルジメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド等を好適例として挙げることができる。
(e)成分であるエステル化合物としては、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジエチル、グルタル酸ジエチル、マレイン酸ジエチル等を好適例として挙げることができる。
(f)成分であるケトン化合物としては、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラエチル(4,4’−ジアミノ)−ベンゾフェノン、N,N−ジメチル−1−アミノベンゾキノン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノベンゾキノン、N,N−ジメチル−1−アミノアントラキノン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ジアミノアントラキノン、4,4’−ジアセチルベンゾフェノン等を好適例として挙げることができる。
(g)成分であるスズ化合物としては、テトラクロロスズ、テトラブロムスズ、トリクロロブチルスズ、トリクロロメチルスズ、トリクロロエチルスズ、トリクロロフェニルスズ、トリクロロオクチルスズ、ジブロムジメチルスズ、ジクロロジメチルスズ、ジクロロジブチルスズ、ジクロロジオクチルスズ、1,2−ビス(トリクロロスタニル)エタン、1,2−ビス(メチルジクロロスタニル)エタン、1,4−ビス(トリクロロスタニル)ブタン、1,4−ビス(メチルジクロロスタニル)ブタン、エチルスズトリステアレート、ブチルスズトリスオクタノエート、ブチルスズトリスステアレート、ブチルスズトリスラウレート、ジブチルスズビスオクタノエート、ジブチルスズビスステアレート、ジブチルスズビスラウレート等を好適例として挙げることができる。
(h)成分であるエポキシ化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルなどの多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ジグリシジル化ビスフェノールAなどの2個以上のフェニル基を有する芳香族化合物のポリグリシジルエーテル、1,4−ジグリシジルベンゼン、1,3,5−トリグリシジルベンゼン、ポリエポキシ化液状ポリブタジエンなどのポリエポキシ化合物、4,4’−ジグリシジル−ジフェニルメチルアミン、4,4’−ジグリシジル−ジベンジルメチルアミンなどのエポキシ基含有3級アミン、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルオルソトルイジン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等のグリシジルアミノ化合物、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、エポキシ変性シリコーン、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油などのエポキシ基と他の官能基を有する化合物等を好適例として挙げることができる。
(i)成分であるリン酸エステル化合物としては、トリクロルフォスフィン、トリブロモフォスフィンなどのポリハロゲン化リン化合物など、さらに、トリスノニルフェニルホスファイト、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイトなどの亜リン酸エステル化合物、トリメチルフォスフェイト、トリエチルフォスフェイト等を好適例として挙げることができる。
(j)成分である酸無水物基含有化合物としては、無水ピロメリット酸、スチレン−無水マレイン酸共重合体等を好適例として挙げることができる。
(k)成分であるアリールビニル基含有化合物としては、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、ジビニルベンゼンオリゴマー等を好適例として挙げることができる。
(l)成分であるハロゲン化炭素基含有化合物としては、トリクロロプロパン、トリブロモプロパン、テトラクロロブタン等を好適例として挙げることができる。
ヒドロカルビルオキシシラン化合物と併用して、重合活性末端に反応させるこれらの化合物は、一種単独で使用することも、あるいは二種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記カップリング剤の使用量は、重合開始剤を構成するアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属1グラム原子当量あたり、カップリング剤中のカップリング可能な置換基の量として1モル以下、好ましくは、0.1〜0.5モルの量である。1モルを超えると、ヒドロカルビルオキシシラン化合物の反応率が低下し、架橋ゴム組成物とした際に優れた低ヒステリシスロス特性等が得られないことがある。
[工程(b)]
本発明の製造方法はさらに、(b)工程(a)で得られた変性共役ジエン系重合体と、オニウム生成剤を混合する工程を含むことができる。
工程(b)で用いられるオニウム生成剤としては、ハロゲン化ケイ素化合物、ハロゲン化スズ化合物、ハロゲン化アルミニウム化合物、ハロゲン化チタン化合物、ハロゲン化ジルコニウム化合物、ハロゲン化ゲルマニウム化合物、ハロゲン化ガリウム化合物、ハロゲン化亜鉛化合物等のハロゲン化金属、硫酸エステル、リン酸エステル、炭酸エステル、硝酸エステル、弗酸、塩酸、臭酸、沃酸、硫酸、硝酸、炭酸、燐酸等の無機酸、フッ化カリウム、フッ化テトラメチルアンモニウム、フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム等の無機酸塩、カルボン酸、スルホン酸等の有機酸等が挙げられる。これらは、一種単独で使用することも、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
オニウム生成剤の化合物の例としては、四塩化ケイ素、四塩化スズ、トリメチルシリルクロライド、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、四塩化チタン、チタノセンジクロライド、四塩化ジルコニウム、ジルコノセンジクロライド、四塩化ゲルマニウム、三塩化ガリウム、塩化亜鉛、硫酸ジエチル、硫酸ジメチル、ラウレス硫酸マグネシウム、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレシル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、ニトロセルロース、ニトログリセリン、ニトログリコール、蟻酸、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、マロン酸、アクリル酸、クロトン酸、コハク酸、グルタル酸、イタコン酸、酒石酸、セバチン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、β−メルカプトプロピオン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、弗酸、塩酸、臭酸、沃酸、硫酸、硝酸、炭酸、燐酸、フッ化カリウム、フッ化テトラメチルアンモニウム、フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム等が挙げられる。
オニウム生成剤と工程(a)で得られた変性共役ジエン系重合体の混合は、例えば、溶液で行うことができる。混合の形式については特に制限はなく、バッチ式混合器を用いて行ってもよく、多段連続式混合器やインラインミキサなどの装置を用いて連続式で行ってもよい。
オニウム生成剤の使用量は、アニオン重合により得られた共役ジエン系重合体の活性部位に対し、1.0モル当量以上であることが好ましく、更に好ましくは、1.5モル当量以上である。1.0モル当量未満では、オニウム化が十分に進行せず、ゴムの形状保持性に劣ることがある。
オニウム生成剤の添加方法は、特に制限されず、一括して添加する方法、分割して添加する方法、あるいは、連続的に添加する方法などが挙げられるが、一括して添加する方法が好ましい。また、オニウム生成剤は、明細書の段落0018に例示した炭化水素溶媒、明細書の段落0019に例示したランダマイザー等を溶媒とする溶液で添加しても良い。
オニウム生成剤と工程(a)で得られた変性共役ジエン系重合体を混合するときの温度は、共役ジエン系重合体の重合温度をそのまま用いることができる。具体的には0〜120℃が好ましい範囲である。更に好ましくは、20〜100℃である。温度が低くなると重合体の粘度が上昇する傾向があり、温度が高くなると重合活性末端が変質し易くなるので、前記の数値範囲外の温度は好ましくない。また、混合時間は、好ましくは1分〜5時間、更に好ましくは2分〜1時間である。
なお、本発明の変性共役ジエン系ゴムの製造方法においては、オニウム生成剤を加えた後、共役ジエン系重合体の製造における公知の脱溶媒(例えば、スチームストリッピング等)及び乾燥の操作により、変性共役ジエン系重合体を回収することができる。
[工程(c)]
また、本発明の製造方法は、(c)工程(a)で得られた変性共役ジエン系重合体に水を接触させる工程をさらに含むことができる。オニウム生成剤と水を接触させることで、オニウム構造を形成し、オニウム構造を有する変性共役ジエン系ゴムを得ることができる。
オニウム生成剤と水を接触させ、オニウム構造を形成させる方法としては、特に制限はなく、例えば、(i)工程(b)の後に重合体溶液中に水を直接添加して混合する方法、(ii)工程(b)の後に、アルコール等の水及び有機溶剤の両方に溶解可能な有機溶剤に水を溶解させてなるものを重合体溶液中に添加して混合する方法、(iii)工程(b)の後のスチームストリッピングの工程で脱溶媒と同時に、重合体溶液及び/又は重合体と、水を混合する方法、が好ましく、中でも、(iii)工程(b)の後のスチームストリッピングの工程で脱溶媒と同時に、重合体溶液及び/又は重合体と、水を混合する方法が、効率的なオニウム構造形成の観点から特に好ましい。
また、反応時の温度は、30〜150℃であることが好ましく、80〜120℃であることが更に好ましい。
この工程で使用される変性共役ジエン系重合体は、変性共役ジエン系重合体を調製する際に得られた重合体溶液を、脱溶媒しないまま、重合体溶液の状態で用いてもよいし、上記重合体溶液を、スチームストリッピング等により脱溶媒を行い、更に乾燥して得られた共役ジエン系重合体を、シクロヘキサン等の溶媒に再度溶解させて用いてもよい。
[変性共役ジエン系ゴム]
本発明の変性共役ジエン系ゴムは、これまでに説明した本発明の変性共役ジエン系ゴムの製造方法によって得られた変性共役ジエン系ゴムである。このような変性共役ジエン系ゴムは、ムーニー粘度が高く、形状安定性に優れ、加工性が良好なものである。本発明の変性共役ジエン系ゴムのムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、30〜150であることが好ましく、40〜120であることが更に好ましい。ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が30未満であると、形状安定性が低下する傾向にある。一方、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が150を超えるものであると、作業性が悪くなり、配合剤とともに混練りすることが困難になることがある。なお、ムーニー粘度が高過ぎる場合は、通常、伸展油で油展して、この範囲内とする。伸展油としては、アロマ油、ナフテン油、パラフィン油、さらに、IP346の方法によるPCA3質量%以下のアロマ代替油が好ましく用いられる。伸展油の使用量は任意であるが、通常は、変性共役ジエン系ゴム100質量部に対し、10〜50質量部である。使用する場合、一般的には20〜37.5質量部の配合量で用いられることが多い。また、オイルの製造工程による分類においては、T−DAE(Treated Distillate Aromatic Extract)油、T−RAE(Treated Residual Aromati Extract)油、MES(Mild Extract Solvate)油、RAE(Residual Aromatic Extract)油などが好適に使用できる。
[ゴム組成物]
本発明のゴム組成物は、ゴム成分として前述の変性共役ジエン系ゴムを含むものである。以下、その詳細について説明する。
[ゴム成分]
本発明のゴム組成物中のゴム成分は、前述の変性共役ジエン系ゴムを含むものである。ゴム成分中の変性共役ジエン系ゴムの含有割合は、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることが更に好ましく、40質量%以上であることが特に好ましい。該含有割合を20質量%以上とすれば、架橋ゴム組成物の引張強さ、引張伸び等の機械的特性、耐亀裂成長性、及び耐摩耗性をより良好なものとすることができる。
また、変性共役ジエン系ゴムには、一種類の変性共役ジエン系ゴムが含有されていても、二種類以上の変性共役ジエン系ゴムが含有されていてもよい。また、変性共役ジエン系ゴム以外にも、他のゴム成分が含有されていてもよい。他のゴム成分としては、天然ゴム、合成イソプレンゴム、ブタジエンゴム、変性ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、変性スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−α−オレフィン共重合ゴム、エチレン−α−オレフィン−ジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、ハロゲン化ブチルゴム、スチレン−イソプレン共重合ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、ランダムスチレン−ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、及び、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合体、並びにこれらの混合物等を挙げることができる。タイヤ用ゴム組成物として使用可能な他の公知のゴム成分が含有されていても、低ヒステリシスロス特性に優れた架橋ゴムを製造することが可能である。
[その他の成分(カーボンブラック、シリカ)]
本発明のゴム組成物は、カーボンブラック及び/又はシリカを更に含有するものであることが好ましい。カーボンブラックの具体例としては、SRF、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF、ISAF−HS、ISAF−LS、IISAF−HS、HAF−HS、HAF−LSに代表されるファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイト、さらに、グラファイト繊維、フラーレン等を挙げることができる。また、ヨウ素吸着量(IA)が60mg/g以上であり、かつジブチルフタレート吸油量(DBP)が80ml/100g以上のカーボンブラックが好ましい。カーボンブラックを用いることにより、架橋ゴム組成物のグリップ性能、及び耐破壊特性の改良効果は大きくなる。なお、耐摩耗性に優れるHAF、ISAF、SAFが特に好ましい。カーボンブラックは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
シリカの具体例としては、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、コロイダルシリカ、沈降シリカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等を挙げることができる。これらのうち、耐破壊特性の改良効果、ウェットグリップ性、及び低ヒステリシスロス特性の両立効果が最も顕著である湿式シリカが好ましい。また、高分散型(High Dispersible Type)のシリカを使用することも、ゴムへの分散性を良好にし、物性、加工性の面で好ましい。シリカは、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分(変性共役ジエン系ゴム及び他のゴム成分の合計)100質量部に対して、カーボンブラック及び/又はシリカを20〜130質量部含有するものであることが好ましく、補強性とそれによる諸物性の改良効果の観点から、25〜110質量部含有するものであることが更に好ましい。なお、カーボンブラック及び/又はシリカの含有割合が少ないと、耐破壊特性等の向上効果が不十分となる傾向にあり、カーボンブラック及び/又はシリカの含有割合が多いと、ゴム組成物の加工性が低下する傾向にあるため、該含有割合は前記数値範囲内であることが好ましい。また、本発明のゴム組成物中にカーボン−シリカ デュアル・フェイズ・フィラー(Dual Phase Filler)を配合することにより、カーボンブラックとシリカを併用したときと同様な優れた利点を得ることができる。カーボン−シリカ デュアル・フェイズ・フィラーは、カーボンブラックの表面にシリカを化学結合させた、いわゆるシリカ・コーティング・カーボンブラックであり、キャボット社から商品名CRX2000、CRX2002、CRX2006として販売されている。カーボン−シリカ デュアル・フェイズ・フィラーの配合量は、ゴム成分の合計100質量部に対して、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは5〜95質量部である。
本発明のゴム組成物に、補強剤としてシリカを含有させる場合、補強効果を更に向上させるために、シランカップリッグ剤を配合することが好ましい。このシランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−オクタチオ−1−プロピル−トリエトキシシラン、γ−トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィド、特開2006−249069号公報に例示されているメルカプトシラン化合物等を挙げることができる。市販品としては、例えば、モメンティブ パーフォーマンス マテリアルズ社製の商品名「NXT シラン」、「NXT−Low−V シラン」、「NXT Ultra Low−V シラン」、デグザ社製の商品名「VP Si363」、gelest社製の商品名「11−MERCAPTOUNDECYLTRIMETHOXYSILANE」などを挙げることができる。これらのうち、補強性の改善効果等の点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィド、特開2006−249069号公報に例示されているメルカプトシラン化合物が好適である。なお、これらのシランカップリング剤は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。シランカップリング剤の配合量は、シランカップリング剤の種類等により異なるが、シリカ100質量部に対して、1〜20質量部とすることが好ましく、3〜15質量部とすることが更に好ましい。1質量部未満であると、カップリング剤としての効果が十分に発揮され難くなる傾向にある。一方、20質量部を超えると、ゴム成分がゲル化し易くなる傾向にある。
本発明のゴム組成物の各種配合剤は、特に限定されない。例えば、混練り時の加工性改良、あるいはウェットスキッド抵抗性、低ヒステリシスロス特性、耐摩耗性のバランスをさらに向上させる目的で、相溶化剤を混練り時に添加することができる。好ましい相溶化剤としては、エポキシ基含有化合物、カルボン酸化合物、カルボン酸エステル化合物、ケトン化合物、エーテル化合物、アルデヒド化合物、水酸基含有化合物およびアミノ基含有化合物から選択される有機化合物、及び、ヒドロカルビルオキシシラン化合物、シロキサン化合物およびアミノシラン化合物から選択されるシリコーン化合物が挙げられる。
相溶化剤としての有機化合物の例として、エポキシ基含有化合物、カルボン酸化合物、カルボン酸エステル化合物、ケトン化合物、エーテル化合物、アルデヒド化合物、アミノ基含有化合物、水酸基含有化合物などが挙げられる。
これら各種の有機化合物の例としては、下記の化合物が挙げられる。
エポキシ基含有化合物としては、ブチルグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、酸化プロピレン、ネオペンチルグリコールシグリシジルエーテル、エポキシ樹脂、エポキシ化大豆油、エポキシ化脂肪酸エステルなどが挙げられる。
カルボン酸化合物としては、アジピン酸、オクチル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
カルボン酸エステル化合物としては、アクリル酸エステル、アクリル酸ジエチレン、メタクリル酸エチル、オルト酢酸エステル、アセト酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、ジメチルカーボネート、p−ヒドロキシフェニル酢酸、ポリエステル系可塑剤、ステアリン酸系可塑剤などが挙げられる。
ケトン化合物としては、メチルシクロヘキサノン、アセチルアセトンなどが挙げられる。
エーテル化合物としては、イソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどが挙げられる。
アルデヒド化合物としては、ウンデシレンアルデヒド、デシルアルデヒド、バニリン、3,4−ジメトキシベンズアルデヒド、クミンアルデヒドなどが挙げられる。
アミノ基含有化合物としては、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、2−エチルヘキシルアミン、イソプロパノールアミン、N−エチルエチレンジアミン、エチレンイミン、ヘキサメチレンジアミン、3−ラウリルオキシプロピルアミン、アミノフェノール、アニリン、3−イソプロポキシアニリン、フェニレンジアミン、アミノピリジン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、塩酸エチルアミン、塩酸−n−ブチルアミンなどが挙げられる。
水酸基含有化合物としては、イソプロピルアルコール、ブタノール、オクタノール、オクタンジオール、エチレングリコール、メチルシクロヘキサノール、2−メルカプトエタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1−オクタデカノール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、ジブチレングリコール、トリエチレングリコールなどが挙げられる。
なかでも、エポキシ基含有化合物、アミノ基含有化合物、水酸基含有化合物が好ましい。
相溶化剤としてのシリコーン化合物の例として、ヒドロカルビルオキシシラン化合物、シロキサン化合物、アミノシラン化合物などが挙げられる。
これら各種のシリコーン化合物の例としては、下記の化合物が挙げられる。
ヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどが挙げられる。
シロキサン化合物としては、ジメチルシロキサンオリゴマー、シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、高級アルコキシ変性シリコーンオイル、高級脂肪酸含有シリコーンオイルなどが挙げられる。
アミノシラン化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、ノナメチルトリシラザン、アニリトリメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジエチルアミノ)ジメチルシラン、トリエチルアミノシランなどが挙げられる。
なかでも、シラザン化合物、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシランが好ましい。
本発明のゴム組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲内で、所望により、ゴム工業界で通常用いられている各種の薬品や添加剤等を配合することができる。本発明のゴム組成物に配合可能な各種薬品や添加剤等としては、例えば、架橋剤(例えば、加硫剤)、加硫助剤、加工助剤、加硫促進剤、プロセス油、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸等を挙げることができる。
架橋剤としては、硫黄、ハロゲン化硫黄、有機過酸化物、キノンジオキシム類、有機多価アミン化合物、メチロール基を有するアルキルフェノール樹脂などが挙げられるが、通常、硫黄が使用される。架橋剤の使用量は、変性共役ジエン系ゴム(原料ゴム;ゴム成分)100質量部に対して、0.1〜5質量部であることが好ましく、0.5〜3質量部であることが更に好ましい。
加硫助剤及び加工助剤としては、一般的にステアリン酸が用いられる。加硫助剤及び加工助剤の使用量は、変性共役ジエン系ゴム100質量部に対して、通常、0.5〜5質量部である。
加硫促進剤は、特に限定されないが、スルフェンアミド系、グアニジン系、チウラム系、チオウレア系、チアゾール系、ジチオカルバミン酸系、キサントゲン酸系の化合物が挙げられ、好ましくは2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジサルファイド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジンなどを挙げることができる。加硫促進剤の使用量は、変性共役ジエン系ゴム100質量部に対して、通常、0.1〜5質量部であり、0.4〜4質量部であることが好ましい。
本発明のゴム組成物は、ロールをはじめとする開放式混練機、バンバリーミキサーをはじめとする密閉式混練機等の混練機を使用し、混練することによって製造することができる。また、成形加工後に架橋(加硫)することによって、各種ゴム製品に適用可能である。本発明の架橋ゴム組成物(架橋後のゴム組成物)は、例えば、タイヤトレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビード部等のタイヤ用途;防振ゴム、防舷材、ベルト、ホース、その他の工業品等の用途に好適である。本発明の架橋ゴム組成物は、特に、タイヤトレッド用ゴムとして好適に使用される。
本発明において、変性共役ジエン系重合体、変性共役ジエン系ゴム、ゴム組成物、架橋ゴム組成物の各々の物性等は、以下のとおりである。
変性前の共役ジエン系重合体の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量は、変性共役ジエン系ゴムの形状安定性とゴム組成物を製造する際の作業性のバランスを維持する観点から、好ましくは1〜150万、より好ましくは5万〜100万、特に好ましくは10万〜80万である。
変性共役ジエン系ゴムのガラス転移温度は、得られる架橋ゴム組成物の低ヒステリシスロス特性とウェットスキッド抵抗性のバランスを維持する観点から、好ましくは0℃以下、より好ましくは−5℃以下、特に好ましくは−10℃以下である。
変性共役ジエン系ゴムのムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、変性共役ジエン系ゴムの形状安定性とゴム組成物を製造する際の作業性のバランスを維持する観点から、好ましくは30〜150、より好ましくは40〜120である。
変性共役ジエン系ゴムのコールドフロー値(mg/分)は、変性共役ジエン系ゴムの形状安定性の観点から、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下、特に好ましくは0.5以下である。
ゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、タイヤを作成する際の作業性の観点から、好ましくは20〜150、より好ましくは30〜130、特に好ましくは40〜110である。
架橋ゴム組成物の引張強度(JIS K 6301、300%モジュラス)の指数は、好ましくは100以上、より好ましくは103以上である。
架橋ゴム組成物の0℃でのtanδの指数は、好ましくは125以上、より好ましくは130以上である。なお、この指数は、数値が大きいほどウェットスキッド抵抗性が大きく良好であることを示す。
架橋ゴム組成物の70℃でのtanδの指数は、好ましくは130以上、より好ましくは135以上である。なお、この指数は、数値が大きいほどヒステリシスロスが小さく、低ヒステリシスロス特性が良好であることを示す。
架橋ゴム組成物の耐摩耗性の指数(JIS K 6264、荷重10N、25℃)は、好ましくは105以上、より好ましくは107以上、特に好ましくは109以上である。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、各種物性値の測定方法を以下に示す。
[結合スチレン含量(%)]:500MHzのH−NMRによって求めた。
[ビニル含量(%)]:500MHzのH−NMRによって求めた。
[ガラス転移温度(℃)]:ASTM D3418に準拠して測定した。
[変性前の重合平均分子量]:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(HLC−8120GPC(商品名(東ソー社製)))を使用して得られたGPC曲線の最大ピークの頂点に相当する保持時間から、ポリスチレン換算で求めた。
(GPCの条件)
カラム;商品名「GMHHXL」(東ソー社製)2本
カラム温度;40℃
移動相;テトラヒドロフラン
流速;1.0ml/分
サンプル濃度;10mg/20ml
[ムーニー粘度(ML1+4,100℃)]:JIS K6300に準拠し、Lローターを使用して、予熱1分、ローター作動時間4分、温度100℃の条件で求めた。
[コールドフロー値]:共重合体を温度50℃に保持し、圧力24.1kPaの条件で、6.35mmのオリフィスから押し出した。押し出された時点から10分後(押し出し速度が一定になった後)に、90分間、共重合体の30分毎の押し出し量(mg)を測定し、その平均値をコールドフロー値(mg/分)とした。数値が大きいほど、ゴムの形状安定性が悪く、取扱いが困難となる。
実施例1〔変性共役ジエン系ゴムAの合成、およびその評価〕
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2,750g、テトラヒドロフラン50.0g、スチレン125g、1,3−ブタジエン365gを仕込んだ。反応器内容物の温度を10℃に調整した後、n−ブチルリチウム(5.80mmol)を含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を開始した。重合は断熱条件で実施し、最高温度は85℃に達した。
重合転化率が99%に達した時点で、1,3−ブタジエン10gを追加し、さらに5分重合させた後、変性前分子量測定用に10gのポリマー溶液をサンプリングし、下記化学式(4)(式中の「Et」はエチル基を表し、「TMS」はトリメチルシリル基を表す。)で表されるポリジメチルシロキサン含有N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルジエトキシシラン(4.96mmol)を含むシクロヘキサン溶液を加えて15分間反応を行った。更に四塩化ケイ素(2.69mmol)を含むシクロヘキサン溶液を加えて5分間混合を行った。次に、得られたポリマー溶液に2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加した。次いで、水酸化ナトリウムでpH=9に調整した熱水を用いてスチームストリッピングを行うことにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールによりゴムを乾燥し、変性共役ジエン系ゴムAを得た。
変性共役ジエン系ゴムAの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムAの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムAを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
Figure 2012193277
(上記化学式(4)中のnは50である。)
実施例2〔変性共役ジエン系ゴムBの合成、およびその評価〕
ポリジメチルシロキサン含有N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルジエトキシシランの代わりにポリジメチルシロキサン含有N,N’,N’−トリス(トリメチルシリル)−N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルジエトキシシランを用い、かつ、四塩化ケイ素の添加量を2.69mmolから3.93mmolに変更した以外は実施例1と同様の方法で、変性共役ジエン系ゴムBを得た。
変性共役ジエン系ゴムBの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムBの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムBを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
実施例3〔変性共役ジエン系ゴムCの合成、およびその評価〕
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2,750g、テトラヒドロフラン10.3g、スチレン50g、1,3−ブタジエン440gを仕込んだ。反応器内容物の温度を10℃に調整した後、n−ブチルリチウム(5.80mmol)を含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を開始した。重合は断熱条件で実施し、最高温度は90℃に達した。
重合転化率が99%に達した時点で、1,3−ブタジエン10gを追加し、さらに5分重合させた後、変性前分子量測定用に10gのポリマー溶液をサンプリングし、ポリジメチルシロキサン含有1−(3−ジエトキシシリルプロピル)−2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン(2.48mmol)を含むシクロヘキサン溶液を加えて15分間反応を行った。反応後の重合体溶液に四塩化ケイ素(2.07mmol)を含むシクロヘキサン溶液を加えて5分間混合を行った。次に、得られたポリマー溶液に2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加した。次いで、硫酸でpH=5に調整した熱水を用いてスチームストリッピングを行うことにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールによりゴムを乾燥し、変性共役ジエン系ゴムCを得た。
変性共役ジエン系ゴムCの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムCの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムCを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
実施例4〔変性共役ジエン系ゴムDの合成、およびその評価〕
ポリジメチルシロキサン含有N,N’,N’−トリス(トリメチルシリル)−N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルジエトキシシランの代わりにポリジメチルシロキサン含有N−〔3−(ジメトキシシリル)−プロピル〕−N,N’−ジエチル−N’−トリメチルシリル−エタン−1,2−ジアミンを用いた以外は実施例2と同様の方法で、変性共役ジエン系ゴムDを得た。
変性共役ジエン系ゴムDの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムDの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムDを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
実施例5〔変性共役ジエン系ゴムEの合成、およびその評価〕
ポリジメチルシロキサン含有N,N’,N’−トリス(トリメチルシリル)−N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルジエトキシシランの代わりにポリジメチルシロキサン含有3−(4−トリメチルシリル−1−ピペラジノ)プロピルジエトキシシランを用いた以外は実施例2と同様の方法で、変性共役ジエン系ゴムEを得た。
変性共役ジエン系ゴムEの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムEの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムEを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
実施例6〔変性共役ジエン系ゴムFの合成、およびその評価〕
ポリジメチルシロキサン含有N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン(4.96mmol)の代わりにポリジメチルシロキサン含有ビス[3−(ジエトキシシリル)プロピル]トリメチルシリルアミン(2.48mmol)を用い、かつ、四塩化ケイ素の添加量を2.69mmolから2.07mmolに変更した以外は実施例1と同様の方法で、変性共役ジエン系ゴムFを得た。
変性共役ジエン系ゴムFの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムFの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムFを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
実施例7〔変性共役ジエン系ゴムGの合成、およびその評価〕
ポリジメチルシロキサン含有N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランの代わりにポリジメチルシロキサン含有3−ジエチルアミノプロピルジエトキシシランを用いた以外は実施例1と同様の方法で、変性共役ジエン系ゴムGを得た。
変性共役ジエン系ゴムGの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムGの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムGを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
実施例8〔変性共役ジエン系ゴムHの合成、およびその評価〕
ポリジメチルシロキサン含有N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランの代わりにポリジメチルシロキサン含有S−トリメチルシリルメルカプトプロピルジエトキシシランを用いた以外は実施例1と同様の方法で、変性共役ジエン系ゴムHを得た。
変性共役ジエン系ゴムHの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムHの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムHを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
実施例9〔変性共役ジエン系ゴムIの合成、およびその評価〕
ポリジメチルシロキサン含有N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランの代わりにポリジメチルシロキサン含有3−ジフェニルフォスフィノプロピルジメトキシシランを用いた以外は実施例1と同様の方法で、変性共役ジエン系ゴムIを得た。
変性共役ジエン系ゴムIの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムIの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムIを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
比較例1〔変性共役ジエン系ゴムSの合成、およびその評価〕
ポリジメチルシロキサン含有N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランの代わりにN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルジエトキシシランを用いた以外は実施例1と同様の方法で、変性共役ジエン系ゴムSを得た。
変性共役ジエン系ゴムSの重合処方を表1に、得られた変性共役ジエン系ゴムSの性質を表2に示す。また、変性共役ジエン系ゴムSを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
比較例2〔共役ジエン系ゴムYの合成、およびその評価〕
窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン2,750g、テトラヒドロフラン50.0g、スチレン125g、1,3−ブタジエン365gを仕込んだ。反応器内容物の温度を10℃に調整した後、n−ブチルリチウム(5.80mmol)を含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を開始した。重合は断熱条件で実施し、最高温度は85℃に達した。
重合転化率が99%に達した時点で、1,3−ブタジエン10gを追加し、さらに5分重合させた後、四塩化ケイ素(1.04mmol)を含むシクロヘキサン溶液を加えて15分間反応を行った。次に、得られたポリマー溶液に2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール2.0gを添加した。次いで、水酸化ナトリウムでpH=9に調整した熱水を用いてスチームストリッピングを行うことにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールによりゴムを乾燥し、共役ジエン系ゴムYを得た。
共役ジエン系ゴムYの重合処方を表1に、得られた共役ジエン系ゴムYの性質を表2に示す。また、共役ジエン系ゴムYを用いて、表3に示す配合処方により調製したゴム組成物を加硫して、物性評価を行った。その結果を表4に示す。
[ゴム組成物の混練り方法、及び特性評価]
温度制御装置を付属したプラストミル(内容量250cc)を使用し、一段目の混練として、充填率72%、回転数60rpmの条件で、表3に示す配合処方に従って、各実施例及び比較例で得られた変性共役ジエン系ゴム、ブタジエンゴム、天然ゴム、伸展油、カーボンブラック、シリカ、シランカップリング剤、ステアリン酸、老化防止剤、亜鉛華を混練した。次いで、二段目の混練として、上記で得た配合物を室温まで冷却後、この配合物に硫黄、加硫促進剤を加えて混練した。これを成型し、160℃で所定時間、加硫プレスにて加硫し、得られた加硫ゴム組成物について、以下のタイヤ性能を表す特性評価を実施した。
(i)ムーニー粘度:加硫前のゴム組成物を測定用試料とし、JIS K6300に準拠し、Lローターを使用して、予熱1分、ローター作動時間4分、温度100℃の条件で測定した。
(ii)引張強度:JISK6301に従って300%モジュラスを測定した。比較例2を100とした指数で表示し、数値が大きいほど、引張強度が大きく、良好である。
(iii)0℃tanδ:加硫ゴムを測定用試料とし、動的スペクトロメーター(米国レオメトリックス社製)を使用し、引張動歪0.14%、角速度100ラジアン毎秒、0℃の条件で測定した。比較例2を100とした指数で表示し、数値が大きいほどウェットスキッド抵抗性が大きく良好である。
(iv)70℃tanδ:加硫ゴムを測定用試料とし、動的スペクトロメーター(米国レオメトリックス社製)を使用し、引張動歪0.7%、角速度100ラジアン毎秒、70℃の条件で測定した。比較例2を100とした指数で表示し、数値が大きいほど低ヒステリシスロス特性が小さく良好である。
(v)耐摩耗性:加硫ゴムを測定用試料とし、DIN摩耗試験機(東洋精機社製)を使用し、JIS K 6264に準拠し、荷重10Nで25℃にて測定した。比較例2を100とした指数で表示し、数値が大きいほど耐摩耗性が良好である。
Figure 2012193277
Figure 2012193277
Figure 2012193277
Figure 2012193277
表4から明らかなように、本発明の変性共役ジエン系ゴムを使用した組成物は、引張強度や耐摩耗性を損なうことなく、ウェットスキッド抵抗性と低ヒステリシスロス特性のバランスが著しく改良されていることが分かる。
比較例1、2の変性共役ジエン系ゴムS、Yの物性評価結果から、本発明の工程(a)がウェットスキッド抵抗性と低ヒステリシスロス特性のバランス改良に重要であることが確認できる。

Claims (11)

  1. (a)共役ジエン系化合物、又は共役ジエン系化合物と芳香族ビニル化合物を重合して得られるアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属活性末端を有する共役ジエン系重合体と、下記一般式(1)で表される構造を有するポリシロキサン基及びオニウムになり得る基を有するヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させて、変性共役ジエン系重合体を得る工程、を含む変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
    Figure 2012193277
    (上記一般式(1)中、R、Rはそれぞれ独立に一価の炭素数1〜30の炭化水素基である。nは2〜1000の整数である。)
  2. 上記一般式(1)中のR及びRが炭素数1〜30のアルキル基である請求項1に記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
  3. 前記ヒドロカルビルオキシシラン化合物のオニウムになり得る基が、1級アミンの2つの水素原子が2つの保護基によって置換されてなる窒素含有基、2級アミンの1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなる窒素含有基、3級アミノ基、イミノ基、ピリジル基、1級ホスフィンの2つの水素原子が2つの保護基によって置換されてなるリン含有基、2級ホスフィンの1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなるリン含有基、3級ホスフィノ基、及び、チオールの1つの水素原子が1つの保護基によって置換されてなる硫黄含有基、からなる群より選ばれる1種以上である請求項1または2に記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
  4. 前記ヒドロカルビルオキシシラン化合物が、下記一般式(2)で表されるシラン化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
    Figure 2012193277
    (上記一般式(2)中、Rは炭素数1〜12のアルキル基、又はR10O−で表される基である。ここでR10は一価の炭素数1〜30の炭化水素基、下記一般式(3)で表される基、又は(R11Si−で表される基である。ここでR11は炭素数1〜30の分枝鎖又は非分枝鎖のアルキル基、又はアルケニル基である。Rは一価の炭素数1〜30の炭化水素基である。Rは下記一般式(3)で表される基である。Rは二価の炭素数1〜30の炭化水素基である。Xはオニウムになり得る基であって活性水素を有さないか又は活性水素が保護基により置換された窒素含有基、リン含有基、又は硫黄含有基である。)
    Figure 2012193277
    (上記一般式(3)中、R、Rはそれぞれ独立に一価の炭素数1〜30の炭化水素基である。R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子、又は一価の炭素数1〜30の炭化水素基である。nは1〜1000の整数である。)
  5. (b)工程(a)で得られた変性共役ジエン系重合体と、オニウム生成剤を混合する工程、を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
  6. 前記オニウム生成剤が、ハロゲン化ケイ素化合物、ハロゲン化スズ化合物、ハロゲン化アルミニウム化合物、ハロゲン化チタン化合物、ハロゲン化ジルコニウム化合物、ハロゲン化ゲルマニウム化合物、ハロゲン化ガリウム化合物、ハロゲン化亜鉛化合物、硫酸エステル、リン酸エステル、カルボン酸、及び、スルホン酸からなる群より選ばれる1種以上である請求項5に記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
  7. (c)工程(a)で得られた変性共役ジエン系重合体と水を接触させる工程、
    を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の変性共役ジエン系ゴムの製造方法によって得られた変性共役ジエン系ゴム。
  9. 請求項8に記載の変性共役ジエン系ゴムと、シリカ及び/又はカーボンブラックと、架橋剤を含む、ゴム組成物。
  10. 請求項9に記載のゴム組成物を架橋させてなる架橋ゴム組成物。
  11. 請求項10に記載の架橋ゴム組成物からなるタイヤ。
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