JP2012193134A - ヒアルロニダーゼ阻害剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れたヒアルロニダーゼ阻害活性を有し、しかも経済性、安全性、汎用性に優れたヒアルロニダーゼ阻害剤を提供すること。
【解決手段】低分子化サイリウムシードガムを有効成分とするヒアルロニダーゼ阻害剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、サイリウムシードガムを有効成分とするヒアルロニダーゼ阻害剤に関する。
ヒアルロン酸は、皮膚・関節液などの組織に多く存在するムコ多糖の一種であり、例えば、皮膚においては、細胞の保護・栄養の運搬・組織水分の保持・柔軟性の維持等に、また、関節液としては、組織構造・機能の維持および潤滑性の保持等に重要な役割を果たしている。
皮膚や関節等の生体中のヒアルロン酸量は、老化又は病的状態により減少し、それが皮膚の乾燥、弾力性の低下、シワの増加、肌荒れ、あるいは関節の湿潤性悪化による関節痛等を引き起こす。これ対し、ヒアルロン酸を加水分解する酵素であるヒアルロニダーゼを阻害することにより、ヒアルロン酸の分解を抑制し、生体ヒアルロン酸量の維持に寄与することができる。
一方、ヒアルロニダーゼ阻害剤は、ヒアルロニダーゼに起因する抗炎症・抗アレルギー剤としても利用することができる。これは、ヒアルロニダーゼが炎症時に活性化されることにより、結合組織のマトッリクスを破壊し、炎症系の組織への浸潤・血管の透過性を亢進する可能性があるからである。また、ヒアルロニダーゼがI型アレルギーにおける肥満細胞からのヒスタミンの遊離の過程に介在している可能性が高いからである。
従って、ヒアルロニダーゼ阻害剤は、近年患者数が増加しつつあり、社会問題化しているアトピー性皮膚炎、花粉症、気管支喘息、食物アレルギー等のアレルギー性疾患の予防や改善効果が期待されている。例えば、抗アレルギー剤であるクロモグリク酸ナトリウムやトラニラスト、抗炎症薬であるアスピリンやインドメタシンにはヒアルロニダーゼ活性阻害能が認められ、該阻害能が治療効果の発揮に一定の役割を果たすことが示唆されている(非特許文献1及び2)。
これまでに、天然物から抽出されたヒアルロニダーゼ阻害活性を有する化合物としては、飲用に用いられている茶から抽出される茶ポリフェノール類(特許文献1)、生薬又は飲食物として使用されているチンピ・キジツ・羅漢果の抽出物(特許文献2)、ブナ科の植物であるウラジロガシ抽出物(特許文献3)、カシューナッツ殻油(特許文献4)、ウルシ科植物抽出物(特許文献5)、海藻類(特許文献6)等が見出されているが、安全性が十分に確認されていないこと、作用・効果が不十分なこと、活性を保ったまま製剤に安定に配合することが困難であるというような問題点が残されている。
特開平6−99391号公報 特開平6−80576号公報 特開平6−239757号公報 特開平6−329526号公報 特開平7−10765号公報 特開平9−67266号公報
Chem.Pharm.Bull.,33,642(1985) 掛川寿夫ら、炎症,4,437(1984)
そこで、本発明は、優れたヒアルロニダーゼ阻害活性を有し、しかも安全性に優れたヒアルロニダーゼ阻害剤を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、低分子サイリウムシードガムが優れたヒアルロニダーゼ阻害活性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、低分子サイリウムシードガムを有効成分とするヒアルロニダーゼ阻害剤に関する。
本発明により、安全性の高い高活性なヒアルロニダーゼ阻害剤を提供することができる。
低分子サイリウムシードガム(A)及び未分画(B)サイリウムシードガムのGPC分析結果を示すクロマトグラムである。 低分子及び未分画サイリウムシードガムのIC50を示すグラフである。
(1)サイリウムシードガム
サイリウムシードガムとは、オオバコ科の植物種子の外皮から精製した水溶性の食物繊維である。本発明において、サイリウムシードガムは市販されているものを使用することもできるし、例えば、プランタゴオバタ(Plantago ovata)の種子の外皮から抽出したものを使用することもできる。
サイリウムシードガムの抽出方法は限定されず、例えば、アルコール脱水法等の公知の方法を用いることができる。アルコール脱水法とは、多糖質(サイリウムシードガム)を含む原料を熱水溶解した後、タンパク質、繊維質等の不溶解物質を濾過除去し、濾液に親水性有機溶媒を加えて多糖質を析出させ、この析出物を乾燥、粉砕する方法である。
また、水溶性多糖類(サイリウムシードガム)原料の粉末を、水又は親水性有機溶媒中で酵素によりタンパク質、繊維質等の不溶解物質を分解し、精製する方法(特開昭60−118152号公報、特公平1−5041号公報、特開平1−266101号公報、特開平1−193302号公報);水溶性多糖類の粉末とタンパク質、繊維質等の不溶解物質とを有機溶媒中または空気中にて比重差を利用して分離、精製する方法(特公昭42−14034号公報、特公昭60−17201号公報等);水溶性多糖類の粉末とタンパク質、繊維質等の不溶解物質とを親水性有機溶媒の水溶液中での重力と遠心力との作用を受けて運動する際の挙動の差により、分離し、精製する方法(特公平2−40682号公報)等を使用することもできる。
(2)低分子サイリウムシードガム
本発明で使用する低分子サイリウムシードガムは、ゲル浸透クロマトグラフィー法で測定した時の重量平均分子量が1000〜100,000、好ましくは1000〜50000である。また、本発明で使用する低分子サイリウムシードガムは、B型粘度計(東京計器社製)を用い25℃、30rpm、ローターNo.1の条件下で測定したときの粘度が200mPa・s以下、好ましくは100mPa・s以下である。
本発明低分子サイリウムシードガムは市販品(例えば、エムアールシーポリサッカライド社製)を使用することが可能である。また、公知の方法により取得することもできる。例えば、(1)で述べた精製したサイリウムシードガムを酸、アルカリ、熱、酵素等により加水分解を行って、分子量を下げたり(低分子化したり)粘度を低下させたものを使用することができる。当該加水分解の条件は所望の低分子サイリウムシードガムが得られれば限定されず、適宜選択することができる。例えば、1%サイリウムシードガム水溶液(200mL)に2N塩酸(0.5mL)を加え、80℃で30分間処理することにより低分子サイリウムシードガムを得ることができる。
市販品又はこのように加水分解により得られた低分子サイリウムシードガムを精製(分画)する方法は限定されず、公知の方法により行うことができる。例えば、限外ろ過膜法等の公知の方法を用いることができる。限外ろ過膜法とは、分子量10,000〜3000,000程度の高分子量物質などを対象とした膜による分離方法である。限外ろ過膜は、スキン層とスポンジ層からなる非対称膜で、高分子量物質は透過させずに、水、イオン分子、低分子量物質を透過させる。また、ゲル濾過クロマトグラフィーを用いた分子量分画により、本発明で使用する低分子サイリウムシードガムを調製することも可能である。
(3)ヒアルロニダーゼ阻害剤
本発明者は、上記低分子サイリウムシードガムが高いヒアルロニダーゼ阻害活性を有することを初めて見出した。ヒアルロニダーゼとは、ヒアルロン酸を加水分解する酵素であり、本発明において活性が阻害されるサブタイプ等は限定されない。
ヒアルロニダーゼ活性の測定方法は、限定されず公知の方法を使用することができる。例えば、Morgan−Elson法を応用した方法(J.Biol.Chem.1955,217:959−966)が好ましい。
本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤は、例えば、ヒアルロニダーゼ1mg/mLに対して、0.01〜100mg/mL、好ましくは0.1〜10mg/mLで使用することができる。
本発明の低分子サイリウムシードガムは、抗アレルギー剤として使用することができる。対象となるアレルギーの種類は限定されず、例えば、アトピー性皮膚炎、花粉症、気管支喘息、食物アレルギー等を挙げることができる。また、本発明の低分子サイリウムシードガムは、抗炎症剤としても使用することができる。
(4)医薬品
本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤は、医薬品(医薬品および医薬部外品を含む。)として用いることができる。上記医薬品は、ヒトに用いることもできるし、ヒト以外の動物に用いることも可能である。
本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤は、剤形に応じて適宜選択することができる。適宜配合して製造することができる。本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤に配合しうる添加剤としては、例えば、賦形剤(ブドウ糖、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等)、結合剤(蒸留水、生理食塩水、エタノール水、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等)、崩壊剤(カンテン、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖、ゼラチン、エタノール等)、崩壊抑制剤(白糖、ステアリン、カカオ脂、水素添加油等)、吸収促進剤(第四級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等)、吸着剤(グリセリン、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、硅酸等)、滑沢剤(精製タルク、ステアリン酸塩、ポリエチレングリコール等)などが挙げられる。
本発明によるヒアルロニダーゼ阻害剤の投与方法は、一般的には、錠剤、丸剤、軟・硬カプセル剤、細粒剤、散剤、顆粒剤等の形態で経口投与することができる。また、水溶性製剤は、液剤として経口的に投与することができる。さらに非経口投与であってもよい。非経口剤として投与する場合は、本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤をエタノールや水など適当な可溶化剤に分散させた後、パップ剤、ローション剤、軟膏剤、チンキ剤、クリーム剤などの剤形で適用することができる。また本ヒアルロニダーゼ阻害剤の水溶性製剤は、そのままで、あるいは分散剤、懸濁剤、安定剤などを添加した状態で、パップ剤、ローション剤、軟膏剤、チンキ剤、クリーム剤などの剤形で適用することができる。
本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤を薬品として使用する際の配合比は、剤型によって適宜変更することが可能であるが、通常、経口または粘膜吸収により投与される場合は約0.01〜10wt%、非経口投与による場合は、0.01〜20wt%程度にするとよい。なお、投与量は種々の条件で異なるので、前記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また、範囲を超えて投与する必要のある場合もある。医薬組成物は、前記ヒアルロニダーゼ阻害剤以外に、医薬分野において常用される既知の他の化合物、および経口投与に適した形態に成型するのに必要な化合物を包含していてもよい。そのような化合物としては、例えば、乳糖、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、カオリン、タルク、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤は、皮膚外用剤(化粧品、医薬品および医薬部外品を含む。)として用いても、ヒアルロニダーゼ阻害作用を期待することができる。尚、上記皮膚外用剤は人間に用いても良いし、人間以外の哺乳類動物に用いても良い。本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤を配合しうる皮膚外用剤の形態としては、例えば、乳液、石鹸、洗顔料、入浴剤、クリーム、乳液、化粧水、オーデコロン、ひげ剃り用クリーム、ひげ剃り用ローション、化粧油、日焼け・日焼け止めローション、おしろいパウダー、ファンデーション、香水、パック、爪クリーム、エナメル、エナメル除去液、眉墨、ほお紅、アイクリーム、アイシャドー、マスカラ、アイライナー、口紅、リップクリーム、シャンプー、リンス、染毛料、分散液、洗浄料等が挙げられる。また、本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤を配合しうる医薬品または医薬部外品の形態としては、軟膏剤、クリーム剤、外用液剤等が挙げられる。
上記形態の皮膚外用剤には、本発明によるヒアルロニダーゼ阻害剤の他に、そのヒアルロニダーゼ阻害作用を損なわない範囲で化粧品、医薬部外品などの皮膚外用剤に配合される成分、油分、高級アルコール、脂肪酸、紫外線吸収剤、粉体、顔料、界面活性剤、多価アルコール・糖、高分子、生理活性成分、溶媒、酸化防止剤、香料、防腐剤等を配合することができる。
(2−2)食品等
本発明の組成物は経口摂取することができるため、飲食品として利用することもできる。この場合は、本発明の組成物をそのまま食するか腸溶カプセルに包含して投与することができる。あるいは液体(例えば水)に適切な濃度になるように溶解し、混合、浸漬、塗布、噴霧等の方法で食品等に添加することができる。
本発明の飲食品において、サイリウムシードガムの含有割合は限定されず、各種用途に応じて、適宜設定することができる。また、本発明の飲食品を得る際にも、各種用途に応じた公知の製造方法において、任意の手法又はタイミングでサイリウムシードガムを含有させることができる。当該含有させる際のサイリウムシードガムの形態は限定されるものではなく、スラリー状であっても粉状であってもよく、各種用途に応じて適宜選択すればよい。
本発明の飲食品としては、特に限定されるものではなく、ヒトが食することが可能なあらゆる食品類をあげることができる。例えば、食用油(サラダ油)、菓子類(ガム、キャンディー、キャラメル、チョコレート、クッキー、スナック、ゼリー、グミ、錠菓等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)、乳製品(ミルク、アイスクリーム、ヨーグルト等)、調味料(味噌、醤油等)、スープ類、飲料(ジュース、コーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料等)をはじめとする一般食品や、健康食品(錠剤、カプセル等)、栄養補助食品(栄養ドリンク等)が挙げられる。これらの飲食品に本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤を適宜配合するとよい。
これらの飲食品への本発明の組成物の添加量は、添加の対象となる飲食品の種類に応じて選択することができる。但し、当該添加量が少なすぎると、期待されるヒアルロニダーゼ阻害効果を十分に発揮できない。また、逆に添加量が多すぎると添加の対象となる食品が本来有する風味を損なう場合がある。そこで、これらの事情を考慮して添加量を決定することが好ましい。かかる観点より、上記組成物の添加量は、添加の対象となる飲食品の質量の概ね0.01%〜20%程度、好ましくは0.01%〜5%程度である。
<実施例1>
低分子サイリウムシードガムの調製
サイリウムシードガム(エムアールシーポリサッカライド社製)2gに蒸留水400mL加え、室温(25℃)で溶解した。得られた水溶液400mLを限外ろ過器に入れ、マグネチックスターラーを用いて100rpmの撹拌を加えながら、市販の窒素ガスボンベを用いて、膜間差圧0.1MPaに加圧した。ろ過器には撹拌槽型限外ろ過装置(ADVANTEC‐UHP76K)、膜にはウルトラセルPL(分画分子量:100,000)を用いた。加圧後、積算透過量が300mLとなった時点で限外ろ過を終了した。得られたろ過溶液を真空凍結乾燥に供し、低分子サイリウムシードガム25mgを得た。
低分子サイリウムシードガムの平均分子量測定
上記したように調製した低分子サイリウムシードガム及び未分画のサイリウムシードガム20mgを精密に量り、移動相で正確に10mLとして試料溶液とした。別にプルラン標準品(分子量20,000)20mgを精密に量り、移動相で正確に20mLとして標準溶液とした。試料溶液および標準溶液300μLにつき、次の操作条件でゲル浸透クロマトグラフィー法により試験を行い、試料の平均分子量を算出した。
試験条件
SIL‐20AHT GPCシステム(SHIMAZU)
検出器:示差屈折計、光散乱光度計
カラム:OHpak SB‐806M HQ(Shodex)
カラム温度:40℃
移動相:50mmol/L NaSO水溶液
流量:1.0mL/min。
結果を図1に示す。低分子サイリウムシードガムの重量平均分子量は46966、未分画サイリウムシードガムの重量平均分子量は852950であった。
ヒアルロニダーゼ阻害活性試験
上記低分子サイリウムシードガムについて、ヒアルロニダーゼ阻害活性を測定した。ヒアルロニダーゼ0.1mL(3.5mg/mL)に、濃度の異なるサイリウムシードガム(0.05〜0.3mg/mL)をそれぞれ0.1mL加え、室温で20分間インキュベートした。ヒアルロニダーゼは牛の精巣から分離したもの(シグマ社製)を使用した。
次に、この溶液にヒアルロニダーゼ活性化因子として0.1mg/mL Compound48/80を0.2mL、基質であるヒトのヘソ由来のヒアルロン酸(シグマ社製)0.5mLを加えて、37℃で40分間反応させた。その後、ヒアルロニダーゼを失活させるため0.4NNaOHを0.2mL加え100℃に加熱した後、Morgan−Elson法の変法(J.Bio.Chem.,217,959(1955))で生成したN−アセチルヘキソサミン量を吸光度OD585nmから求めた。また、酵素反応には0.1mM酢酸緩衝液(pH3.5)を用いた。
各試料について、ヒアルロニダーゼを失活させた溶液に、p−ジメチルアミノベンズアルデヒドを溶解させた濃硫酸を10倍希釈したものを加え、37℃で20分間インキュベートした後、この溶液を波長585nmで吸光度を測定して、次式により阻害率を求めた。
A:阻害剤存在時の吸光度
B:阻害剤非存在時の吸光度
C:酵素非存在時の吸光度

限外ろ過を行わない未分画のサイリウムシードガムを対照として同様の阻害試験を行った。
次に、種々の希釈濃度でのサイリウムシードガムの阻害率から50%阻害濃度(IC50)を求め、その結果を図2に示す。低分子サイリウムシードガムのIC50は0.052mg/mL、未分画サイリウムシードガムのIC50は0.081mg/mLであった。結果は5回の実験の平均値である。図2からわかるように低分子サイリウムシードガムに強いヒアルロニダーゼ阻害活性が認められた。従って、この酵素を著しく抑制する効果を持つ低分子サイリウムシードガムには強い抗炎症・抗アレルギー作用を有することがわかる。

Claims (3)

  1. 低分子サイリウムシードガムを有効成分とするヒアルロニダーゼ阻害剤。
  2. 低分子サイリウムシードガムが、ゲル浸透クロマトグラフィー法で測定した重量平均分子量が1000〜100,000である、請求項1記載のヒアルロニダーゼ阻害剤。
  3. 請求項1又は2記載の抗アレルギー剤又は抗炎症剤。
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