JP2012189187A - 回転センサ付軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸受1の点検時、これを分解することなく、転がり軸受1の内部状態に関する項目等について、データ登録装置90に対するデータの書き込みや読み込みをリーダライタを用いて行える回転センサ付軸受において、転がり軸受1を交換する際、旧軸受1のデータ登録装置90を新軸受1でも活用可能とする。
【解決手段】磁気センサ80及びデータ登録装置90がセンサ収納室部31内に固定されたセンサケース30を、一方の軌道輪10に対して軸回り方向に滑り自在に装着されたセンサ支持基体40の凹部48に合わせる案内構造と、ばね100等を利用した固定補助とにより、軌道輪10に対して再使用可能かつ着脱可能に設けることにより、軸受1の交換履歴を登録したデータ登録装置90、磁気センサ80等が固定された旧軸受1のセンサケース30を、丸ごと新軸受1に再使用することができるようにした。
【選択図】図1

Description

この発明は、転がり軸受と、磁気式回転センサとを備えた回転センサ付軸受に関する。
回転センサ付軸受は、モータ軸、自動車等の回転部材と、これに対して静止するハウジング等の静止部材間に組み込んで使用される。磁気センサがセンサ収納室部内に固定されたセンサケースは、内外輪のうち、一方の軌道輪に装着される。一方の軌道輪は、静止部材に嵌着される方とする。磁気センサとギャップを形成するエンコーダは、回転部材に取り付ける他方の軌道輪と一体に回転させられる。エンコーダは、他方の軌道輪すなわち回転部材の回転運動を磁気センサで検出するバイアス磁界の変化に変換する。磁気センサと組み込み先の外部機器との間で電線を介して入出力の送受信が行われる。磁気センサの検出信号は、外部機器による回転部材の回転速度制御、回転方向制御、回転角度制御等に利用される。例えば、車両では、車輪軸受装置に回転センサ付軸受を含め、その回転センサの検出信号がABS制御やトラクションコントロールなどに使用されている。
転がり軸受の寿命は、確率的に評価された定格寿命に基いて予測されている。転がり軸受の交換は、一般に、軸受の重要度、交換作業の容易性等を考慮し、破損した時点、定格寿命に対する所定割合の運転時間に達した時点、又は、軸受内部の状態等を点検結果を所定の基準に照らして交換を要すると判断された時点で実施されている。いずれにせよ、重要部の軸受については、一定期間運転する毎に軸受内部の状態等を点検することが好ましい。この定期点検が実施されている軸受として、例えば、建設車両に減速機と共に組み込まれた車輪軸受装置が挙げられる(特許文献1)。
近年、RFID技術を用いたICタグに代表されるように、リーダライタを用いてデータ書き込み及び読み取りが可能なデータ登録装置を軸受部品に取り付け、軸受等の管理に利用することが提案されている(特許文献2)。
回転センサ付軸受においても、ICタグを転がり軸受に備え付け、そのICタグのメモリに軸受の識別情報、初期予圧設定量、センサの感度情報といった運転管理に関する項目のデータを記憶したものがある。ICタグは、シールのゴム部に埋め込んだり、磁気センサ部に設けられている。定期点検時、軸受を車軸及び静止部材間から取り外したり、分解したりすることなく、リーダライタを用いてICタグに登録されているデータを読み込み、点検に必要な情報を容易に得ることができ、管理台帳を確認する手間がない。また、点検後、リーダライタを用いてICタグに所定の項目のデータ書き込みを行い、通期の管理に活用することができる(特許文献3)。
特開2009−204016号公報 特開2006−53670号公報 特開2006−38189号公報
特許文献3においては、軸受交換の際、軌道輪に取り付けたICタグをどのように取り扱うかが考慮されていない。シールのゴム部にICタグを埋め込んだ例のように、交換時、用済みの旧軸受ごとICタグを廃棄すると、継続使用が可能なデータ登録装置をも無駄に廃棄することになる。
そこで、この発明が解決しようとする課題は、回転センサ付軸受を交換する際、旧軸受のデータ登録装置を新軸受でも活用可能とすることである。
上記の課題を達成するため、この発明は、内外輪を有する転がり軸受と、磁気センサがセンサ収納室部内に固定され、かつ前記内外輪のうち、一方の軌道輪に装着されるセンサケースと、前記内外輪のうち、他方の軌道輪と一体に回転させられるエンコーダと、リーダライタを用いてデータ書き込み及び読み取りが可能なデータ登録装置とを備えた回転センサ付軸受において、前記データ登録装置が、前記センサ収納室部内に固定されており、前記センサケースが、再使用可能に前記転がり軸受から取り外せるように設けられている構成を採用した。
データ登録装置や磁気センサを構成する素子は、通常、軌道輪や転動体といった軸受の負荷部よりも十分な長寿命を有している。データ登録装置をセンサ収納室部内に固定することにより、軸受交換の際、センサケース丸ごと新軸受への再使用を行えるように、磁気センサ共々に保護することができる。その上で、センサケースを再使用可能に転がり軸受から取り外せるようにしたので、用済みの転がり軸受から新軸受にセンサケース丸ごと再使用することができる。したがって、旧軸受のデータ登録装置を新軸受でも活用することができる。
軸受交換を行う際のデータ更新について検討すると、軸受交換後に確定する情報や、新軸受に固有の情報に関する項目は、再使用したデータ記録装置に新規データとして入力することになる。センサケース丸ごと再使用すれば、登録済みのデータを引き継いだり、その場で履歴を把握して更新したりすることができるので、新軸受への再使用後のデータ書き込み負担を軽減することができる。
例えば、前記データ登録装置に登録する項目として前記転がり軸受の交換履歴を含めることができる。
ここで、「転がり軸受の交換履歴」とは、交換回数、過去の交換年月日等の中の1つ以上の情報を採用することができる。いずれにせよ、交換履歴は、交換時期を跨ぐ時系列情報である。軸受交換の際、センサケース丸ごとの再使用により、登録済みの過去の交換年月日を新軸受側に全て引き継ぐことができ、過去の交換回数を直ぐに読み込んで今回の回数を加算した値を書き込むことができる。
前記データ登録装置と前記リーダライタ間の送受信は、軸受を分解することなくリーダライタを用いたデータ読み書きを行うことができる限り、有線式又は無線式のいずれでもよい。
例えば、前記データ登録装置をICタグから構成すれば、一個の集積回路(IC)を基板に実装するだけで当該装置を構築することができる。
前記磁気センサと前記データ登録装置とを同一の基板に実装すると、前記センサケースのセンサ収納室部内へ固定する基板数を増やす手間がない。
前記データ登録装置を無線式にする場合、当該装置のアンテナを、前記基板のうち、前記磁気センサの半田付け部と反対側の部分に配置し、当該装置を構成する他の素子を、当該半田付け部と当該アンテナとの間に配置することが好ましい。
前記データ登録装置と前記磁気センサとを同一の基板面に実装すれば、当該装置等の裏側の基板部へ電線を接続することで基板をコンパクトにしたり、基板の樹脂封止層の厚みを確保したりすることが容易になる。磁気センサは、バイアス磁界の磁束密度のピーク近くに配置される。その磁気センサの基板面への半田付け部と、データ登録装置のアンテナの配置とを基板の両側に分け、この離間部分をデータ登録装置を構成する他の素子の配置に利用することにより、アンテナをピークから遠ざけて無線通信時のノイズ低減を図ると共に基板のコンパクト化を図ることができる。
特に、前記磁気センサが前記データ登録装置を構成する素子よりも高い端子部を有していると、前記同一の基板面に実装するデータ登録装置と磁気センサとの干渉を避け、コンパクトな基板への片面実装が容易になる。
なお、バイアス磁界が無線送受信を阻害する条件下の場合、バイアス磁界を印加する永久磁石を前記他方の軌道輪側に取り付け、前記センサケースを前記一方の軌道輪から分離してデータ読み書きを実施するようにしたり、永久磁石を着脱可能に設け、データ読み書きを実施する際に永久磁石をセンサケースから遠ざけたり、有線式で送受信を行うようにしたりすればよい。
例えば、前記データ登録装置と、前記磁気センサの検出信号を利用する外部機器とを有線で接続し、前記リーダライタの情報処理及び送受信処理を、前記外部機器で実行することが好ましい。
有線式なので、バイアス磁界に阻害されることなく、データ登録装置とリーダライタ間の送受信を実施することができる。外部機器に備わる情報処理機能、送受信機能等の諸機能を利用してリーダライタを組み込み先に構築することができる。上述のように、回転センサ付軸受は、組み込み先で、前記磁気センサと前記外部機器とを電線で接続するものなので、この電線と同じ取り回しで前記データ登録装置の有線接続用の配線を追加することができる。
前記エンコーダは、前記一方の軌道輪側に固定された永久磁石のバイアス磁界に変化を与えるパルサーリング、又は前記他方の軌道輪側に固定され、N極とS極が軸回り方向に交互に並ぶ永久磁石(バイアス磁界印加の機能を兼ねたもの)のいずれでもよい。
前記の有線式で前記エンコーダをパルサーリングとする場合、前記センサケースの前記センサ収納室部内に、エンコーダにバイアス磁界を印加する永久磁石を固定すればよい。
有線式の前記データ登録装置なので、バイアス磁界の影響を心配することなく、センサケースのセンサ収納室部内に、永久磁石を固定することができる。こうすると、軸受交換の際、センサケース丸ごとの再使用により、永久磁石も無駄に廃棄しなくて済む。
前記転がり軸受を車両の車輪軸受装置に含める場合、前記外部機器を、当該車両のエンジンコントロールユニット(ECU)から構成することができる。
車両の車輪軸受装置に含める転がり軸受で回転センサ付軸受を構成する場合、外部機器は、エンジン出力の制御を行う前記ECUとされ、ECUによるABS制御や、トルクコントロール制御に利用されている。ECUの情報処理能力は、リーダライタに要する情報処理を追加するのに十分なレベルに達し、ECUに対する入出力用のコネクタも車両に備わっているので、ECUを利用してリーダライタを構築することができる。
より具体的には、前記車両の運転室に付属の操作入力部を用いた前記リーダライタへの操作入力、及び当該運転室に付属の運転室モニタを用いた前記リーダライタの出力が可能になっているとよい。
近年、車両運転室の情報システム化が進み、ECUに対して設定、命令等のデータ入力を行うための操作入力部や、これら実行結果や運転状況を表示するための運転室モニタが付属するようになっている。これらECUにリンクした操作入力部及び運転室モニタを利用すれば、前記リーダライタの情報処理及び送受信処理だけでなく、操作入力、読み取ったデータの出力処理も車両側装置で行うことができる。
前記運転室を具備した前記車両として、建設機械を挙げることができる。その建設機械に組み込む前記車輪軸受装置の前記転がり軸受として、減速機と共に組み込まれる円錐ころ軸受を挙げることができる。
前記データ登録装置に登録する項目として、前記転がり軸受の出荷履歴、点検時の軌道面評価、及び運転時間の中の少なくとも1項目を含めることができる。
ここで、「転がり軸受の出荷履歴」として、例えば、新軸受の製造番号、製造ロット番号、製造工場、製造ライン、及び製造年月日等の中の1つ以上を採用することができる。また、「点検時の軌道面評価」として、所定の評価分類の中で前回の点検時に該当した分類を示す記号、前回の点検結果を記述したテキスト等の中の1つ以上を採用することができる。また、「運転時間」として、当該軸受の使用開始後に外部機器が回転検出を行った総時間、当該軸受の交換時からの総経過時間等の中の1つ以上を採用することができる。
前記センサケースを、前記一方の軌道輪に対して軸回り方向に回転自在に装着することが好ましい。
回転センサ付軸受は、前記磁気センサと前記外部機器間で入出力を行うため、これらの間を電線で接続した状態で使用される。また、この発明においては、前記データ登録装置と外部機器間を有線で接続する電線が追加されることもある。回転センサ付軸受の組込み先によっては、回転部材のアンバランスが大きく、軸受運転中、一方の軌道輪がクリープを起こす場合がある。クリープが発生すると断線の恐れがある場合、予め、軸受外部材を利用してセンサケースのみを回り止めすることが可能である。そうすると、クリープが発生したとき、一方の軌道輪に対して軸回り方向に回転自在に装着されたセンサケースは、軸受外部材による規制で回転できず、クリープの回転量に応じて当該軌道輪に対して軸回り方向の滑りを生じる。したがって、外部機器側と接続されている電線が軸回り方向に引っ張られず、クリープで断線する心配はない。クリープで軸受を交換することになっても、センサケースに付いている電線を引き続き使用することができる。
前記センサケースを前記一方の軌道輪に装着する具体的手段として、例えば、前記一方の軌道輪の軌道側周面に支持されるセンサ支持基体を備え、前記軌道側周面が、軸回り方向に亘る周溝部を有し、前記センサ支持基体が、前記軌道側周面を径方向に挟む2個の分割片を連結して環状体に組み立てるようになっており、前記分割片が、前記周溝部に入り込む突部と前記軌道側周面に嵌る滑り面部とを有し、前記センサ支持基体が、前記突部の前記周溝部に対する軸方向の引っ掛かりと、前記軌道側周面及び前記滑り面部の径方向の嵌り合いとにより、当該軌道側周面に対して軸回り方向に滑り自在に装着されるようになっており、前記センサケースが、前記センサ支持基体を介して前記一方の軌道輪に装着される構造を採用することができる。
2個の分割片の突部を周溝部の内側へ径方向から入れ、両分割片を連結すると、センサ支持基体の滑り面部と一方の軌道輪の軌道側周面とが嵌り合うので、当該軌道側周面に支持されたセンサ支持基体が転がり軸受に対して径方向に位置決めされる。これにより、突部と周溝部とが軸方向に引っ掛かり可能な状態に保たれるので、センサ支持基体が軸方向にも位置決めされるようになる。したがって、当該連結により、センサ支持基体は、一方の軌道輪に軸回り方向に滑り自在に装着される。センサケースは、センサ支持基体を介して一方の軌道輪に装着されるので、一方の軌道輪に対して軸回り方向に回転自在に装着される。2個の分割片で軌道側周面を挟み、突部を周溝部に入れ込むので、無端環状に形成されたセンサ支持基体の突部を軸方向から周溝部の溝縁越しに周溝部へ押し込む装着構造と比して、センサ支持基体の装着が容易である。
前記2個の分割片を互いに同形の成形部品から構成すれば、同一形状の金型のみで分割片を量産することができる。
特に、同形の分割片2個を用いる場合、分割片ごとにセンサケースを装着することができるようにしておけば、複数のセンサケースをセンサ支持基体に装着することができる。複数のセンサケースを装着しておけば、片方のセンサケースの磁気センサやデータ登録装置が故障したとしても、残りのセンサケースで使用を継続することができる。
前記センサケースを前記一方の軌道輪に再使用可能に装着する手段として、例えば、前記センサ支持基体が、一方向から合わせる前記センサケースを前記磁気センサの検出位置に対応した組み合わせ位置へ案内するようになっており、前記センサケースが、前記センサ支持基体及び当該センサケース間に介在するばね又はねじ部材で前記合わせ方向と反対方向の変位を防止する固定補助によって当該センサ支持基体に装着される構造を採用することができる。
センサケースをセンサ支持基体に一方向から合わせる構造なので、その合わせ方向と反対方向の相対変位を防止すれば、センサケースをセンサ支持基体に装着することができる。その防止手段として、接着ではなく、ばね又はねじ部材を利用した固定補助を採用すると、ばね操作又はねじ部材の回転操作だけで固定補助を解除することができる。案内構造及びばね力又はねじ部材の締結力による固定補助だけでセンサケースが装着されているので、センサ支持基体から抜き取ったセンサケースの表面には、接着剥離後のような荒れが残らない。したがって、軸受交換の際、旧軸受のセンサ支持基体から分離したセンサケースを新軸受に再使用したり、定期点検時にデータ読み書き等のために分離したセンサケースをセンサ支持基体に再装着したりするとき、分離したセンサケースをそのまま再使用することができる。
上述のように、この発明に係る回転センサ付軸受は、上記構成の採用により、軸受交換の際、センサケースでデータ登録装置及び磁気センサ共々に保護し、そのセンサケースを再使用可能に転がり軸受から取り外せるので、回転センサ付軸受を交換する際、旧軸受のデータ登録装置を新軸受でも活用することができる。
(a)は第1実施形態の(b)に描いたI−I線の断面図、(b)は第1実施形態の一部を切り欠いて描いた部分拡大正面図、(c)は(b)のII−II線の断面図 第1実施形態を軸受中心軸及びセンサケースの筒軸線を含む平面で切断した断面図 第1実施形態を含んだ車輪軸受装置を車軸中心線を含む平面で切断した断面図 図3の車輪軸受装置を備えた車両の正面図 第1実施形態のセンサケースの分解斜視図 (a)は第1実施形態のセンサ支持基体の分解斜視図、(b)は第1実施形態の係止爪部の部分拡大正面図 係止爪部の変更例を示す部分拡大正面図 第1実施形態のセンサケース内の基板と車両側の回路構成を示すブロック図 第2実施形態のセンサ支持基体の連結手段を示す部分拡大正面図 (a)は第3実施形態の図1(a)と同じ切断面の断面図、(b)は第3実施形態の一部を切り欠いて描いた部分拡大正面図 第3実施形態のセンサケースの分解斜視図 第4実施形態の一部を切り欠いて描いた部分拡大正面図
この発明の第1実施形態に係る回転センサ付軸受を添付図面に基づいて説明する。図1、図2に示すように、この回転センサ付軸受は、内外輪10、20を有する転がり軸受1と、センサケース30とセンサ支持基体40とが組み合わされた磁気センサユニットと、エンコーダ50と、外部機器との接続に用いる電線60と、軸受外部に装着される軸受外部材70とを備えている。センサ支持基体40は、内外輪10、20のうち、一方の軌道輪10の軌道側周面11に支持される。センサケース30は、磁気センサ80及びデータ登録装置90がセンサ収納室部31内に固定された状態でセンサ支持基体40に装着される。
一方の軌道輪10は、組込み先の静止部材(図示省略)にすきま嵌めで装着される。他方の軌道輪20は、組込み先の回転部材(図示省略)の内周に装着される。固定部材と回転部材との間に組み込まれた転がり軸受1と、回転部材とは、所定の同軸度をもっている。軸回り方向は、軸受中心軸回りの方向といえる。この発明において、「軸方向」とは、転がり軸受の軸受中心軸に沿った方向をいい、「径方向」とは、当該軸受中心軸に直交する方向をいう。
図3、図4に示すように、転がり軸受1は、車両2の車輪軸受装置3に含まれている。車輪軸受装置3は、ホイール4を車体側に回転自在に支持する装置である。図示例の車輪軸受装置3は、ホイール4の回転中心となる車軸5と、転がり軸受1とからなり、車体側に固定される車軸5に対して転がり軸受1で回転自在に支持するようになっている。車両2は、油圧式の走行装置を備えた建設機械からなる。図示例は、40tを越えるダンプ車両である。転がり軸受1は、減速機6と共にホイール4の内側に組み込まれる円錐ころ軸受からなる。軌道輪10は車軸5に嵌合され、軌道輪20はホイール4に嵌合されている。ホイール4は、前記回転部材に相当する。車軸5は、前記静止部材に相当する。減速機6として、走行モータ7の出力シャフト7aの回転によって回転する太陽ギヤ6aと、太陽ギヤ6aの回転に応じてホイール4を回転させる遊星ギヤ6bと、遊星ギヤ6bを保持するキャリア6cとを含み、出力シャフト7aの回転を減速してホイール4を回転させる遊星減速機構が採用されている。
転がり軸受1として分離形の円錐ころ軸受への適用例を示したが、低負荷で回転精度を優先すべき場合、玉軸受、例えば非分離形の深溝玉軸受を採用することもできる。
図1に示す磁気センサ80及びエンコーダ50は、他方の軌道輪20の回転をバイアス磁界(磁束)の変化に変換し、その磁束の変化を検出信号に変換する磁気式回転センサの構成部品である。この発明において、「回転センサ」とは、回転角度、回転速度、回転方向の少なくとも1種の検出信号を電気信号として出力できるものをいう。
エンコーダ50は、他方の軌道輪20の回転をバイアス磁界の変化に変換する部材からなる。磁気センサ80は、バイアス磁界の変化を検出信号に変換する回路からなる。磁気センサ80として、ホール素子、磁気抵抗素子等の周知のものを適宜に採用することができる。エンコーダ50として、磁性材料で形成されたパルサーリングが採用されている。磁性材料として、低炭素鋼を採用することができる。パルサーリングは、軸回り方向に規則的に(例えば、一定ピッチ)形成された径方向の貫通孔又は凹凸部から構成することができる。パルサーリングは、例えば、他方の軌道輪に固定する別体の環状部品として、又は他方の軌道輪の表面に直接に形成することができる。
図示例のエンコーダ50は、環状部品に貫通孔を形成したものとされ、軌道輪20と一体に回転させられるように、軌道輪20の軌道側周面に圧入嵌合で装着されている。軌道輪10に磁気センサユニットが装着され、軌道輪20にエンコーダ50が装着された状態にすると、磁気センサ80がエンコーダ50と径方向に規定値のギャップをもって対向する検出位置に配置される。磁気センサ80のパッケージに内蔵された永久磁石81が、エンコーダ50にバイアス磁界を印加する。軌道輪20の軸回りの回転により、エンコーダ50の貫通孔、柱部がバイアス磁界を通過することに伴う回転検出信号が磁気センサ80から出力される。
なお、バイアス磁界を印加する永久磁石は、軌道輪10、20のいずれ側に配置してもよい。また、エンコーダとして、軸回り方向にN極とS極が交互に並ぶ磁石を採用し、センサケース30から永久磁石81を無くすこともできる。この種のエンコーダとして、例えば、軌道側周面に嵌着する芯金に加硫接着されたゴム磁石、他方の軌道輪に直接に圧入嵌合で装着するゴム磁石が挙げられる。
図1、図5に示すように、前記センサ支持基体40は、一方向から合わせるセンサケース30を前記の検出位置に対応した組み合わせ位置へ案内するようになっている。前記一方向は、軸方向に軸受外部から内部側へ向う軸方向に設定されている(以下、「合わせ方向」と呼ぶ)。なお、この発明において、「軸受外部」とは、軸受運転中に内外輪10、20によって径方向に挟まれた領域の外部をいう。
センサ支持基体40は、軌道輪10の軌道側周面11に対して軸回り方向に滑り自在に装着される環状体からなる。センサケース30は、センサ支持基体40及びセンサケース30間に介在するばね100で前記合わせ方向と反対方向の変位を防止する固定補助によってセンサ支持基体40に装着され、ばね100を操作して固定補助を解除することができるようになっている。
より具体的には、図1、図6に示すように、センサ支持基体40は、軌道側周面11を径方向に挟む2個の分割片41を連結して環状体に組み立てるようになっている。軌道側周面11は、その軸方向一端部に軸回り方向に亘って形成された周溝部12を有する。分割片41は、周溝部12に入り込む突部42と、軌道側周面11に嵌る滑り面部43と、軸回り方向の一端部に形成された係止爪部44と、軸回り方向の他端部に形成された爪受け部45とを有している。周溝部12と突部42とが径方向に対向する位置に2個の分割片41を配置し、分割片41を動かして、軌道側周面11を径方向に挟むように両分割片41、41を組み合わせる作業を行うと、その間に生じる各分割片41の係止爪部44の弾性変形で互いの係止爪部44と爪受け部45とが掛り合い、また、突部42が周溝部12の内側に入り込む。この掛り合いにより両分割片41、41が連結されてセンサ支持基体40が環状体になる。同時に、前記センサ支持基体40は、突部42の周溝部12に対する軸方向の引っ掛かりと、軌道側周面11及び滑り面部43の径方向の嵌り合いとにより軌道輪10に装着された状態になる。
係止爪部44、爪受け部45が互いに相手側の分割片41の爪受け部45、係止爪部44と掛かり合う連結構造なので、同形の分割片41を2個用いてセンサ支持基体40を構成することができる。分割片41は、射出成形されている。2個の分割片41が互いに同形の成形部品からなるので、同一の金型で分割片41を量産することができる。
図2に示すように、軸受外部材70は、センサ支持基体40と軸回り方向に噛み合う係止部71を有している。係止部71は、側面に開放され、軸方向に凹入した穴部になっている。分割片41は、係止部71への挿入部46を側面に有している。軸受外部材70は、軌道輪10の装着相手である静止部材(図示省略)に装着されるので、軌道輪10に対しても静止する部材となっている。組込み先のハウジング、ハウジングカバー、間座といった軸受組込み用の静止部品が軸受外部材70を兼ねると、部品数の増大を防止することができる。軌道輪10の嵌着後、軸受外部材70を軸方向から接近させることにより、係止部71の内側に挿入部46を入れ込むと、挿入部46と係止部71とが軸回り方向に噛み合った状態になる。その入れ込み位置で軸受外部材70が軌道輪10に対して静止するため、前記の噛み合いが維持され、軸受運転中、センサ支持基体40のみが軌道輪10に対して回り止めされる。したがって、軸受運転中に軌道輪10のクリープが発生したとき、センサ支持基体40は、軸受外部材70による規制で回転できず、クリープの回転量に応じて軌道側周面11との間に軸回り方向の滑りを生じる。
なお、第1実施形態のように、センサ支持基体40と軸受外部材70とを互いの側面の軸方向の凹凸構造で噛合うようにするだけでなく、センサ支持基体40の内周面や外周面と、軸受外部材の周面とを径方向の凹凸構造で噛合うようにすることもできる。
センサ支持基体40が樹脂製なので、軌道輪10の表面と凝着する心配はなく、軌道側周面11に対する滑り性をもたせることができる。センサ支持基体40が温度クリープで変形することを防ぐため、例えば、ポリアミドイミド樹脂の射出成形で分割片41を形成することができる。分割片41は、軌道側周面11に対する軸回り方向の滑り回転が可能な低摩擦性である限り、アルミニウム合金、鉄系合金等の適宜の材料で形成することができる。
図6の例では、係止爪部44が弾性変形する方向を径方向としたが、図7に変更例を示すように、分割片41’には、係止爪部44’が軸方向に弾性変形するように形成することもできる。図6の分割片41の全体形状から明らかなように、挿入部46を側面に形成する場合、径方向の弾性変形を採用すれば、軸方向に二分割の金型で分割片41を成形しても、軸方向に抜ける形状の係止爪部44、爪受け部45にすることができる。図7の例では、爪受け部45’にアンダーカットが生じるので、図6の例の方がよい。
図1、図2に示すように、前記センサケース30は、磁気センサ80の位置を筒壁面で定めるセンサ収納室部31を有している。磁気センサ80は、センサ支持基体40よりも径方向に軌道輪20側へ寄った位置に配置されている。センサケース30及びセンサ支持基体40は、軌道輪10の幅内に収まるので、センサ支持基体40でセンサケース30を中空に支持する必要がなく、センサ支持基体40を径方向にコンパクトにすることができる。センサ支持基体40を径方向に薄くしても、磁気センサ80をセンサ支持基体40よりも径方向に軌道輪20側へ寄った位置に配置することにより、磁気センサ80とエンコーダ50間のギャップを詰めている。エンコーダ側からギャップを詰めることも可能であるが、エンコーダを全周に亘って一方の軌道輪側へ大型化することになる。
センサ収納室部31は、径方向に軌道輪10側へ開放している筒口を閉塞することによって形成されている。センサ収納室部31は、径方向の筒軸線をもち、その内壁面で基板82を支持することにより、基板82の位置を定めている。基板82の同一の基板面のみに、全ての電子部品が実装されている。全電子部品は、磁気センサ80と、データ登録装置90と、保護用電子部品(図示省略のチップ)とからなる。データ登録装置90は、基板82に1装置だけ実装されている。これにより、基板82の面積を抑え、基板82の周縁を受けるセンサ収納室部31の内壁面の拡大を防止している。
電線60は、外部電力供給線61、信号出力線62、通信線63を同じ取り回しにするため、各線61〜63を外装でまとめたケーブルとして構成されている。電線60の一端部を構成する各線61〜63の一端部は、基板82のうち、磁気センサ80及びデータ登録装置90の裏側に接続されている。このようにデータ登録装置90等の裏側を利用した方が、各線61〜63の半田付け部を磁気センサ80及びデータ登録装置90の脇に配置するよりも、基板82のコンパクト化を図り、ひいては、センサ収納室部31のコンパクト化を図ることができる。なお、各線61〜63を個別に電線として接続することもできる。
図8に示すように、電線60の他端部を構成する各線61〜63の他端部は、前記車両のエンジンコントロールユニット(ECU)8側に接続される。外部電力供給線61は、基板82に磁気センサ80の電源となる電力を供給するためのものである。信号出力線62は、磁気センサ80の検出信号をECU8に送信するためのものである。ECU8は、前記外部機器に相当する。信号出力線62でECU8に送信された磁気センサ80の検出信号に基き、ECU8が、ABS制御やトルクコントロール制御を行う制御部8aに制御命令を送る。通信線63は、データ登録装置90とECU8とを有線で接続し、これらの間で送受信を行うためのものである。
データ登録装置90は、基板82に実装されたアンテナ91と、電源回路92と、中央演算処理装置(CPU)93と、不揮発性メモリ94と、送受信回路95とからなるRFID(Radio Frequency IDentification)タグとして機能する。データ登録装置90は、アンテナ91とリーダライタRのアンテナコイルを磁束結合させて、エネルギー・信号を伝達する電磁誘導方式のパッシブタグとして機能することができる。リーダライタRとアンテナ91間の通信環境が許せば、電磁波誘導方式に代えて、アンテナとリーダライタのアンテナで電波をやりとりし、エネルギー・信号を伝達する電波方式のものを採用することもできる。
アンテナ91は、コイルからなる。電源回路92は、リーダライタRからの電波を整流して直流に直す整流回路になっている。その直流を電源としてデータ登録装置90が動作するようになっている。 通常、リーダライタRからの電波は、プリアンブルに続きコマンドbit列で変調されており、この後にさらに無変調のキャリアが続いている。 このプリアンブル部分で、データ登録装置90の初期動作に必要なエネルギーが蓄えられる。 そして、CPU93は、コマンドbit列の復調と解釈とを行い、データ登録装置90に登録すべきデータの不揮発性メモリ94への書き込み処理や、不揮発性メモリ94に記憶されたデータの読み込み処理を行い、無変調キャリアの部分で反射波に返答を乗せて情報をリーダライタRに返す。送受信回路95は、CPU93の入出力信号と、アンテナ91で送受信する電波との変換を行う。データ登録装置90及びリーダライタRがデータを送信する際の変調方式は限定されず、振幅変調、周波数変調等が用いられる。
不揮発性メモリ94は、データ登録装置90に登録する項目の各データを記憶する。その項目として、図3に示した転がり軸受1の交換履歴、転がり軸受1の出荷履歴、前回点検時の軌道面の状態評価、及び転がり軸受1の運転時間を含めることができる。転がり軸受1の交換履歴として、交換回数を採用することができる。転がり軸受1の出荷履歴として、転がり軸受に固有の製造番号を採用することができる。軌道面の状態評価として、転がり軸受1を分解した際、変色、傷付き等の観察結果の評価分類記号を採用することができる。その他の項目として、転がり軸受1を分解して点検した後に登録すべき軸受内部情報に関する項目、例えば、測定した転がり軸受1の予圧量、軌道輪嵌め合い面のクリープの状態、また、軸受内部の潤滑条件に関する項目、例えば、潤滑油の交換時期、また、転がり軸受1の製造工場出荷段階で登録されているべき項目、例えば、出荷年月日や製造年月日や製造ロット番号、これら以外にも特許文献2、3で開示されているような適宜の項目を含めることができる。
また、図8に示すように、データ登録装置90は、ECU8に設けられたリーダライタ8bが用いられた場合、外部電力供給線61から基板82に供給される電力により動作し、リーダライタ8bに返信するようになっている。リーダライタ8bは、ECU8にプログラムを組み込むことにより実現されている。ECU8を構成する情報処理装置、送受信回路等は、前記のプログラムに従って、リーダライタRに相当する情報処理、送受信処理、出力処理等の各種情報処理を実行する。図4に示す運転室9の内部には、図8に示すように、ECU8に対して命令やデータ入力を行うための操作入力部9aや、これら制御の実行結果や運転状況を表示するための運転室モニタ9bが付属している。一般に、操作入力部9aは、入力キー、運転室モニタ9bを利用したタッチパネル等になっており、様々な項目を柔軟にECU8へ入力することができるように構成されている。このため、前記のプログラムによって、リーダライタ8bへの操作入力も操作入力部9aで行い、運転室モニタ9bにリーダライタ8bが出力する機能が追加されている。
このように、ECU8をリーダライタRに代替する情報処理等に利用し、運転室9に付属の操作入力部9a、運転室モニタ9bを用いてリーダライタRの入出力部に代替するリーダライタ8bの入出力を行うことが可能なので、車両2の運転室9でデータ登録装置90との間でデータ読み取りやデータ書き込みを行うことができる。したがって、定期点検時、運転室9から、又はリーダライタRを用いて、図3に示す転がり軸受1を分解することなく、転がり軸受1に関する前回までの点検項目をいつでも確認することができる。
また、図8に示すように、リーダライタ8bを車両側の装置利用のみで構築することができるので、リーダライタR、データ登録装置90のパッシブタグ機能を無くすことができる。逆に、データ登録装置90をパッシブタグ機能のみとし、リーダライタRのみを用いるものに変更し、基板82からデータ登録装置90への電力供給を止め、通信線63を無くすことにより、基板82、電線60を簡素化することもできる。
仮に、バイアス磁界等のノイズや電波遮断物の存在によりデータ登録装置90をパッシブタグにできずとも、リーダライタ8bを用いたデータ登録装置90へのアクセスを実現することができる。
図1(a)、(c)に示すように、前記アンテナ91の全体は、基板82のうち、磁気センサ80の半田付け部83aと反対側の部分に配置されている。磁気センサ80の半田付け部83aは、磁気センサ80の端子部83のうち、基板82に挿入された部分からなる。データ登録装置90を構成する他の素子92〜95は、半田付け部83aとアンテナ91との間に配置されている。磁気センサ80の端子部83がデータ登録装置90を構成する素子91〜95よりも高くなっているので、磁気センサ80と、これら素子91〜95との干渉が生じていない。
バイアス磁界は、図2に示すエンコーダ50と永久磁石81の位置関係から明らかなように、エンコーダ50に径方向から印加される。したがって、バイアス磁界のピークは、永久磁石81の軸方向幅の中央近傍で径方向に生じている。磁気センサ80から軸方向又は軸回り方向に距離を取ると、バイアス磁界の磁束密度が小さくなった領域にアンテナ91を配置することになる。その磁束密度は、磁気センサ80から基板82に沿って数ミリも離れると顕著に低下している。図1(c)に示すように、磁気センサ80の半田付け部83aと反対側の基板部分にアンテナ91が配置され、これらの間を利用して他の素子(92〜95)が配置されているので、前記数ミリの距離を確保してアンテナ91を用いる無線通信時のノイズ低減を図ると共に、基板82のコンパクト化を図ることができる。
電波を整流する電源回路92、アンテナ91と共に送受信に寄与する送受信回路95は、アンテナ91に近い側に配置されている。これらと比して耐ノイズ性に優れたCPU93、不揮発性メモリ94は、半田付け部83aに近い側、つまりバイアス磁界のピークに近い側に配置されている。
図3に示すように転がり軸受1をホイール4と車軸5間に組み込んだ状態では、図8に示すリーダライタRを、図2に示すセンサケース30に軸方向から接近させることになる。図8に示すリーダライタRとアンテナ91との距離を接近させる程、センサ収納室部31内での電波強度を高めることができる。無線通信の条件を良くするため、アンテナ91は、図1(c)、図2に示すように、基板82の軸受外部側に配置されている。
図8に示すデータ登録装置90をパッシブタグ機能のみとする場合、ICタグを基板82に実装するだけで済ますこともできる。ICタグは、アンテナ91、電源回路92、CPU93、不揮発性メモリ94、送受信回路95が1パッケージ内に構築された1チップの集積回路からなる。このため、ICタグを採用すれば、図1(c)に示すように電源回路92等を個々に実装するよりも、アンテナ91と磁気センサ80の半田付け部83aとの間に電源回路92等を配置することが容易になる。
図1、図2に示すように、磁気センサ80等が実装され、電線60の一端部(各線61〜63の一端部)が接続された基板82をセンサ収納室部31の内側に組み込み、筒口を樹脂封止で塞ぐことにより、閉塞部分32が形成される。その結果、電線60の残部が閉塞部分32からセンサ収納室部31の外部に出ている状態になる。この樹脂封止により、基板82のセンサ収納室部31の内壁面に対する固定が完了する。この固定により、磁気センサ80、データ登録装置90のセンサ収納室部31内への固定も完了することになる。
前記樹脂封止は、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂で行うことができる。大きな温度変化や、大きな振動又は衝撃を受ける場合には、シリコーンゴムで樹脂封止することが好ましい。基板82が片面実装なので、センサ収納室部31の外部と基板82の基板面までの間の樹脂封止部分で形成された閉塞部分32を全体的に厚くすることができる。センサ収納室部31の閉塞部分32は、センサ支持基体40で径方向から覆われるので、センサ支持基体40で防護される。このため、閉塞部分32をシリコーンゴム、ウレタン等の柔軟な材料で形成したり、センサケース30を繰り返し再使用したりすることに適している。
図1、図5に示すように、センサケース30は、軸回り方向の部分領域でセンサ支持基体40に合わさるように設けられている。センサケース30は、閉塞部分32の軸回り方向両側に位置した壁面部33から径方向に軌道輪10側へ突き出た脚部34を一対で有している。一対の脚部34、34は、それぞれ壁面部33から筒軸線方向に沿って突き出た部分において、筒軸線方向に直角な弦方向に互いに相反する向きで突き出た形状になっている。電線60は、両側の脚部34、34間で軸方向に向くように設けられている。
センサ支持基体40は、センサケース30の合わせに伴ってセンサ収納室部31の閉塞部分32に径方向に臨む範囲に形成された電線保持溝部47と、両側の壁面部33、33、及び両側の脚部34、34を合わせ方向から内側に挿入可能な凹部48とを有している。前記合わせに伴って、脚部34、34は、凹部48の内側に挿入され、凹部48の内側と筒軸線方向に挟まれるので、センサケース30の径方向位置を定める部分となる。また、壁面部33、33が、凹部48の内側に挿入され、軸回り方向に挟まれるので、センサ収納室部31の軸回り方向位置を定める部分となる。また、電線保持溝部47の両溝側壁が、合わせに伴って両側の脚部34、34間に軸方向に次第に入り込むので、両側の脚部34、34間における前記弦方向の間隔を保つ部分となる。脚部34、34が凹部48の軸受内部側の閉塞壁に軸方向に突き当たると、センサケース30は、センサ支持基体40に対して、磁気センサ80の検出位置に対応した組み合わせ位置になる。このように、センサ支持基体40は、凹部48と電線保持溝部47とを合わせ方向の滑り接触面として、合わせるセンサケース30を組み合わせ位置へ案内するようになっている。センサケース30をセンサ支持基体40に合せる方向は、径方向、軸方向等、使用先に想定するハウジング、蓋等の軸受組み込み構造に応じて適宜に定めることができる。
ここで、前記の組み合わせ位置で、電線保持溝部47の溝側壁がセンサ収納室部31の閉塞部分32を径方向に受ける部分となっている。センサ収納室部31が軌道輪10側に押されても、電線保持溝部47の抵抗でセンサ収納室部31の軌道輪10側への位置ずれが防止される。なお、図1に示すように、凹部48の軸受内部側の閉塞壁が同時にセンサ収納室部31の筒口縁を受けることにより、径方向に受けた際、閉塞部分32に負担が集中しないようになっている。
また、電線60は、前記合わせに伴ってセンサ支持基体40の凹部48との接触によって軸方向に自然と曲げられ、脚部34、34によって電線60の前記弦方向の振れ幅が規制される。このため、センサケース30の合わせ作業で、自然と、電線60を電線保持溝部47の内側に導入することができる。
図1(b)に示すように、電線保持溝部47が脚部34、34間の弦方向間隔を保つので、両側の脚部34、34の接近によるセンサ収納室部31のずれ動き、特に軌道輪20側へのずり上がりを防止することができる。
また、センサ収納室部31の閉塞部分32、壁面部33、33を凹部48が軸回り方向に挟むので、磁気センサ80の位置を定めるセンサ収納室部31の内壁面の変形を防止し、センサ収納室部31をしっかりと軸回り方向に位置決めすることもできる。
図1、図5に示すように、前記ばね100は、互いに独立した第1の鉤部101と第2の鉤部102とを有している。ばね100は、一枚の金属板で形成された板ばねからなる。鉤部101は、平板部103に軸方向に沿ったスリットを平行に形成し、スリットで分離された両端の片部を同側に曲げることで形成されている。鉤部102は、スリットに挟まれた片部を同側に曲げ、さらにその先端部を平板部103側に曲げることで形成されている。センサケース30は、第1の鉤部101、101を押し込んでばね100をセンサケース30に据え付ける溝部35を有している。溝部35は、脚部34の弦方向に突き出た部分の一部として形成されている。溝部35は、軸方向に沿い、軸受内部側で閉塞され、軸受外部側から軸方向に挿入するばね100の平板部103を溝底面、両溝側壁及び閉塞端で受けてばね100の位置を定め、その溝底面と溝蓋面間に第1の鉤部101、101を圧入することができ、その両側の溝蓋面間に第2の鉤部102を挿入することができるようになっている。この圧入により、第1の鉤部101、101が溝部35の溝蓋面に掛ることでばね100がセンサケース30に対して定位置に装着される。図1(b)、図5に示す溝部35に据え付けられたばね100の第2の鉤部102は、図1(a)中に二点鎖線で描くように、自然状態で、図1(b)、図5に示す溝部35のスリット間から筒軸線方向に突出している。
前記合わせに伴って、脚部34が凹部48の内側に挿入される際に第2の鉤部102が凹部48と接触し、平板部103側に撓まされて弾性反発力を蓄積する。第1の鉤部101、101の圧入があるので、第2の鉤部102が撓んでもばね100がずれ動くことはない。前記組み合わせ位置では、第2の鉤部102が、図1(a)中に実線で描くように、蓄積した弾性反発力で溝蓋面を押し、平板部103と非接触の状態で凹部48に掛っている。この掛りにより、図1(a)、(b)に示すように、ばね100がセンサケース30とセンサ支持基体40間に介在させられた状態となり、前記の固定補助が得られる。第2の鉤部102も凹部48の内側に入り込んでいるので、両鉤部101、102に何かが不意に当たることを凹部48で防止することができる。すなわち、ばね100がセンサ収納室部31の閉塞部分32から突き出た脚部34に作用しているため、センサ収納室部31の変形を避けることができる。
前記の固定補助によりセンサケース30がセンサ支持基体40に装着された状態では、凹部48の内側に第2の鉤部102が通った空所が残る。第2の鉤部102が平板部103と非接触の状態にあるので、軸受外部側から凹部48内側の空所を通じて第2の鉤部102の先端部を棒材等で軸方向に突く操作により、さらに鉤部102を平板部103側に撓ませ、第2の鉤部102を凹部48から離すことができる。このばね操作により、固定補助を解除し、この状態でセンサケース30を凹部48の内側から軸方向に抜き取ることができる。
センサケース30は、樹脂の金型成形によって形成されている。センサケース30を形成する材料として、スーパーエンジニアリングプラスチック、繊維強化ポリマー等の機械的強度に優れたものを採用し、センサケース30の繰り返しの再使用に備えることが好ましい。例えば、センサケース30は、ガラス繊維によって強化され、ポリフェニレンサルファイド(PPS)を主体とし、ポリアミドイミド(PAI)を混合させたポリマー材で形成するとよい。
第1実施形態は、上述のようなものであり、軌道輪10のクリープが懸念される使用先では、図2に示すように軸受外部材70を使用することでセンサ支持基体40のみを回り止めすることができる。軸受運転中に軌道輪10のクリープが発生したとき、センサ支持基体40は、軸受外部材70による規制で回転できず、クリープの回転量に応じて軌道側周面11との間に軸回り方向の滑りを生じる。したがって、外部機器側と接続されている電線60が軸回り方向に引っ張られず、クリープで断線する心配はない。クリープで軸受を交換することになっても、センサケース30に付いている電線60を引き続き利用することができる。
さらに、内外輪10、20の軌道面の点検時や、軌道輪10のクリープ発生時や、転がり軸受1が運転寿命到達時などにおいて、転がり軸受1を分解又は交換する際、図1、図2に示す装着状態のセンサケース30をセンサ支持基体40から取り外し、これにより、軌道輪10と分離することができる。具体的には、内輪10の内径と外輪20の外径で決まる軸受内外径間において凹部48、第2の鉤部102が軸方向に軸受外部側へ向かって露出しているので、内外輪10、20が車軸(図示省略)とホイール(図示省略)間に組み込まれた状態で前記のばね操作を行ってセンサケース30を抜き取り、再使用すべきセンサケース30を先に転がり軸受1から取り外して避難させ、それから軸受外しを行うことができる。
センサケース30が前記の案内構造及びばね100の固定補助だけで、センサ支持基体40を介して軌道輪10に装着されているので、軌道輪10から分離したセンサケース30の表面には、接着剥離後のような荒れが残らない。したがって、分離したセンサケース30を、そのまま再使用することができる。このセンサケース30の再使用は、転がり軸受1を分解点検した場合において、継続使用可能なセンサ支持基体40に、又は新品に交換するセンサ支持基体40に装着すること、転がり軸受1を新品の転がり軸受に交換する場合において、新軸受に備わるセンサ支持基体40に装着することのいずれにおいても実施することができる。なお、転がり軸受1の非分解点検時にセンサケース30を外す必要がないことは勿論である。
転がり軸受1の点検時、図8に示すリーダライタRをセンサ収納室部31に接近させるか、図4に示す運転室9から図8に示す操作入力部9aを用いてリーダライタ8bの操作を行うことにより、データ登録装置90から登録済みの前回点検時の軸受内部情報を読み込み、図3に示す転がり軸受1の交換の要否を判断することができる。また、今回の点検時に転がり軸受1を分解した場合、図8に示すリーダライタR、8bを用いて、上述の軸受内部情報等を新にデータ登録装置90に書き込むことができる。或いは、図3に示す転がり軸受1を交換した場合、その交換履歴を図8に示すデータ登録装置90に書き込むことができる。
データ登録装置90や磁気センサ80を構成する素子は、通常、転がり軸受1の負荷部よりも十分な長寿命を有している。図3に示す転がり軸受1を交換する際、用済みの転がり軸受1から新軸受に、図1に示すセンサケース30を丸ごと再使用することができるので、旧軸受1のセンサケース30内の素子や部品(磁気センサ80、データ登録装置90、永久磁石81等)を新軸受1でも活用することができる。また、当該再使用により、登録済みの過去の交換履歴を新軸受1側に全て引き継ぐことができ、今回の交換履歴を、図8に示すリーダライタR、8bの操作で追加するだけでよい。
また、図6(a)に描かれた各分割片41の電線保持溝部47付近の大きさから明らかなように、第1実施形態は、分割片41ごとに、図1(a)、(b)のようにセンサケース30を装着することができる。2個のセンサケース30を装着するため、片方のセンサケース30の磁気センサ80等が故障していても残りのセンサケースで使用を継続することができる。
第2実施形態を図9に基いて説明する。以下、第1実施形態との相違点を中心に述べ、同一に考えられる構成の説明を省略する。図示のように、第2実施形態は、2個の分割片110、110のうち、一方の分割片110の軸回り方向の一端部111と、他方の分割片110の他端部112とで一連のねじ孔部が形成されるようにし、このねじ孔部にねじ込むねじ部材113で2個の分割片を締結することによって連結されるようにした点で相違する。第2実施形態は、第1実施形態のような係止爪部と比して、ねじ部材113を緩め、センサ支持基体を軸受から外すことが容易なため、軸受交換時に、継続使用可能な状態のセンサ支持基体をセンサケースと共に再利用するのに適している。
第3実施形態を図10、図11に基いて説明する。以下、第1実施形態及び第2実施形態との相違点を中心に述べる。図示のように、第3実施形態は、ばね120がセンサケース130の脚部131に掛り、センサ支持基体140にばね120が装着される点で相違するものである。
より具体的には、センサ支持基体140は、ばね120を内側に据え付けるばね受け凹部49を有している。ばね受け凹部49は、凹部48に軸方向溝部を追加することで形成されている。ばね受け凹部49は、凹部48のうち、脚部131を前記筒軸線方向に挟む壁面から同方向に凹んでいる。ばね120は、ばね受け凹部49に拘束される嵌め込み部121と、嵌め込み部121から中空に突き出た自由部122とを有している。嵌め込み部121をばね受け凹部49に軸方向に突き当たるまで圧入すると、ばね受け凹部49に鉤状に沿って着座した状態に安定する。このように据え付けられたばね120の自由部122は、図10(a)中に二点鎖線で描くように、ばね受け凹部49及び嵌め込み部121から筒軸線方向に離れた状態にある。
センサケース130は、前記据え付けられたばね120の嵌め込み部121及び自由部122間の隙間へ前記合わせに伴って進入する先入れ部132、及び先入れ部132に続いて進入する係合部133を有している。先入れ部132、係合部133は脚部131に形成されている。係合部133は、先入れ部132から筒軸線方向に凹んでいる。自由部122は、前記合わせに伴って先入れ部132との接触で弾性反発力を蓄積することによって、図10(a)中に実線で描くように、係合部133に掛り、自由部122が係合部133を合わせ方向に押す状態になる。この掛りにより、ばね120がセンサケース130とセンサ支持基体140間に介在させられ、固定補助が得られる。ばね受け凹部49の内側で自由部122が係合部133に掛るので、自由部122に何かが不意に当たることをばね受け凹部49で防止することができる。なお、脚部131の係合部133と反対側の壁面には、嵌め込み部121に通すための軸方向溝部135が形成されている。
自由部122の先端部分は、ばね受け部49から筒軸線方向に離れ、かつ係合部133から筒軸線方向に突き出るように曲げられている。ばね受け凹部49の内側には自由部122が通った空所が残るため、ばね受け凹部49の内側を通じて自由部122の先端部分を棒材等で軸方向に突くことにより、係合部133から浮く側へ自由部122を撓ませることができる。このばね操作で自由部122を係合部133から離すことにより、固定補助を解除することができる。
第3実施形態は、センサケース130にばね120を装着しないため、第1実施形態のように筒軸線方向にアンダーカットになる溝部をもたず、同方向に二分割の金型で成形することができる。
第4実施形態を図12に基いて説明する。図示のように、第4実施形態は、前記ばねによる固定補助に代えて、センサケース150をセンサ支持基体160にねじ部材170で締結することにより固定補助を行い、ねじ部材170を回して抜き取る操作により固定補助を解除することができるようにした点で相違する。ねじ部材170は、脚部151に形成された孔部152の内側に通され、凹部48に形成されたねじ孔部161にねじ込まれる。脚部151と凹部48とが筒軸線方向に締結されるので、第4実施形態でもねじ部材170が脚部151に作用する。建設機械の車輪軸受装置に組み込むような軸受外径が大きな円錐ころ軸受なので、ねじ部材170を径方向にねじ込む作業スペースを軸受内部に確保することができる。
この発明の技術的範囲は、上述の実施形態に限定されず、特許請求の範囲の記載に基く技術的思想の範囲内での全ての変更を含むものである。例えば、センサケースを外輪に装着し、エンコーダを内輪と一体回転するように装着することもできる。センサ支持基体として、一方の軌道輪の軌道側周面に支持された状態で軸受外部へ中空に突き出る部分にセンサケースを合わせるものを採用することもできる。磁気センサとエンコーダの対向方向を軸方向にすることもできる。特願2007−91926、特願2007−73951に開示されているように、センサケース又はセンサ支持基体を、外輪の軌道側周面に装着する有端環状体とし、これを縮径させて突部を周溝部の内側に入れ込み、その周方向両端間に装着した間隔保持体で弾性回復させた後の縮径を制限することにより、突部を周溝部の内側に保つようにした装着構造を採用することも可能である。有端環状体の縮径防止は、止め輪を有端環状体の内周側に装着することでも可能である。突部や滑り面部に表面処理、潤滑剤の供給、摺動部材の別付け等を行うことにより、断線対策に要する滑り回転性を向上させることもできる。
1 転がり軸受
2 車両
3 車輪軸受装置
4 ホイール
5 車軸
6 減速機
7 走行モータ
7a 出力シャフト
8 エンジンコントロールユニット(外部機器)
8b、R リーダライタ
9 運転室
9a 操作入力部
9b 運転室モニタ
10 内輪(一方の軌道輪)
11 軌道側周面
12 周溝部
20 外輪(他方の軌道輪)
30、130、150 センサケース
31 センサ収納室部
32 閉塞部分
33 壁面部
34、131、151 脚部
35 溝部
40、140、160 センサ支持基体
41、41’、110 分割片
42 突部
43 滑り面部
44、44’ 係止爪部
45、45’ 爪受け部
46 挿入部
47 電線保持溝部
48 凹部
49 ばね受け凹部
50 エンコーダ
60 電線
61 外部電力供給線
62 信号出力線
63 通信線
70 軸受外部材
71 係止部
80 磁気センサ
81 永久磁石
82 基板
83 端子部
83a 半田付け部
90 データ登録装置
91 アンテナ
92 電源回路
93 中央演算装置(CPU)
94 不揮発性メモリ
95 送受信回路
100、120 ばね
101 第1の鉤部
102 第2の鉤部
111 一端部
112 他端部
113 ねじ部材
121 嵌め込み部
122 自由部
132 先入れ部
133 係合部
152 孔部
161 ねじ孔部
170 ねじ部材

Claims (15)

  1. 内外輪(10、20)を有する転がり軸受(1)と、
    磁気センサ(80)がセンサ収納室部(31)内に固定され、かつ前記内外輪(10、20)のうち、一方の軌道輪(10)に装着されるセンサケース(30、130、150)と、
    前記内外輪(10、20)のうち、他方の軌道輪(20)と一体に回転させられるエンコーダ(50)と、
    リーダライタ(R)を用いてデータ書き込み及び読み取りが可能なデータ登録装置(90)とを備えた回転センサ付軸受において、
    前記データ登録装置(90)が、前記センサ収納室部(31)内に固定されており、
    前記センサケース(30、130、150)が、再使用可能に前記転がり軸受(1)から取り外せるように設けられていることを特徴とする回転センサ付軸受。
  2. 前記データ登録装置(90)に登録する項目として、前記転がり軸受(1)の交換履歴を含んでいる請求項1に記載の回転センサ付軸受。
  3. 前記データ登録装置(90)がICタグからなる請求項1又は2に記載の回転センサ付軸受。
  4. 前記磁気センサ(80)と前記データ登録装置(90)とが同一の基板面に実装されており、当該データ登録装置(90)のアンテナ(91)が、基板(82)のうち、前記磁気センサ(80)の半田付け部(83a)と反対側の部分に配置され、当該データ登録装置(90)を構成する他の素子(92〜95)が、当該半田付け部(83a)と当該アンテナ(91)との間に配置されている請求項1から3のいずれか1項に記載の回転センサ付軸受。
  5. 前記磁気センサ(80)が、前記データ登録装置(90)を構成する素子(91〜95)よりも高い端子部(83)を有している請求項4に記載の回転センサ付軸受。
  6. 前記データ登録装置(90)と、前記磁気センサ(80)の検出信号を利用する外部機器(8)とが有線で接続され、前記リーダライタ(8b)の情報処理及び送受信処理が前記外部機器(8)で実行される請求項1から5のいずれか1項に記載の回転センサ付軸受。
  7. 前記エンコーダ(50)がパルサーリングからなり、前記エンコーダ(50)にバイアス磁界を印加する永久磁石(81)が、前記センサ収納室部(31)内に固定されている請求項6に記載の回転センサ付軸受。
  8. 前記転がり軸受(1)が、車両(2)の車輪軸受装置(3)に含まれており、前記外部機器(8)が、当該車両(2)のエンジンコントロールユニット(8)からなる請求項6又は7に記載の回転センサ付軸受。
  9. 前記車両(2)の運転室(9)に付属の操作入力部(9a)を用いた前記リーダライタ(8b)への操作入力、及び当該運転室(9)に付属の運転室モニタ(9b)を用いた当該リーダライタ(8b)の出力が可能になっている請求項8に記載の回転センサ付軸受。
  10. 前記車両(2)が建設機械からなり、前記転がり軸受(1)が、減速機(6)と共に組み込まれる円錐ころ軸受からなる請求項9に記載の回転センサ付軸受。
  11. 前記データ登録装置(90)に登録する項目として、前記転がり軸受(1)の出荷履歴、前回点検時の軌道面の状態評価、及び運転時間の中の少なくとも1項目を含んでいる請求項1から10のいずれか1項に記載の回転センサ付軸受。
  12. 前記センサケース(30、130、150)が、前記一方の軌道輪(10)に対して軸回り方向に回転自在に装着されている請求項1から11のいずれか1項に記載の回転センサ付軸受。
  13. 前記一方の軌道輪(10)の軌道側周面(11)に支持されるセンサ支持基体(40、140、160)を備え、
    前記軌道側周面(11)が、軸回り方向に亘る周溝部(12)を有し、
    前記センサ支持基体(40、140、160)が、前記軌道側周面(11)を径方向に挟む2個の分割片(41、41’、110)を連結して環状体に組み立てるようになっており、
    前記分割片(41、41’、110)が、前記周溝部(12)に入り込む突部(42)と前記軌道側周面(11)に嵌る滑り面部(43)とを有し、
    前記2個の分割片(41、41’、110)が、互いに同形の成形部品からなり、
    前記センサ支持基体(40、140、160)が、前記突部(42)の前記周溝部(12)に対する軸方向の引っ掛かりと、前記軌道側周面(11)及び前記滑り面部(43)の径方向の嵌り合いとにより、当該軌道側周面(11)に対して軸回り方向に滑り自在に装着されるようになっており、
    前記センサケース(30、130、150)が、前記センサ支持基体(40、140、160)を介して前記一方の軌道輪に装着される請求項12に記載の回転センサ付軸受。
  14. 前記分割片(41、41’、110)ごとに前記センサケース(30、130、150)が装着可能になっている請求項13に記載の回転センサ付軸受。
  15. 前記センサ支持基体(40、140、160)が、一方向から合わせる前記センサケース(30、130、150)を前記磁気センサ(80)の検出位置に対応した組み合わせ位置へ案内するようになっており、
    前記センサケース(30、130、150)が、前記センサ支持基体(40、140、160)及び当該センサケース(30、130、150)間に介在するばね(100、120)又はねじ部材(170)で前記合わせ方向と反対方向の変位を防止する固定補助によって当該センサ支持基体(40、140、160)に装着される請求項13又は14に記載の回転センサ付軸受。
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