JP2012188652A - 射出成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い光沢性と高い透明性を持ち、フローマークの目立ちにくい射出成形体を提供する。
【解決手段】下記のエチレン−α−オレフィン共重合体(A)50〜5重量%および下記のエチレン−α−オレフィン共重合体(B)95〜50重量%を含有し、メルトフローレートが1〜100g/10分である樹脂組成物からなる射出成形体。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A):メルトフローレートが0.4〜5g/10分であり、流動の活性化エネルギーが50〜100kJ/molであり、分子量分布が5〜15であり、25℃から150℃までの融解曲線において、変曲点の数が3個以下である。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B):エチレン−α−オレフィン共重合体(A)以外のエチレン−α−オレフィン共重合体であって、メルトフローレートが1〜100g/10分であり、スウェル比が1.15以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、射出成形体に関するものである。
従来から、ポリエチレンは、コンテナ、パレット、カップ類、容器類等の各種射出成形体の原料に用いられている。例えば、特許文献1には、光沢性の改良を目的として、エチレン−α−オレフィン共重合体に高圧法低密度ポリエチレンを配合した組成物からなる射出成形体が記載されている。
特開2003−246896号公報
しかしながら、エチレン−α−オレフィン共重合体に高圧法低密度ポリエチレンを配合した場合、射出成形体の透明性が十分ではなく、またフローマークが顕著に現れ、外観が大きく損なわれる場合があった。以上の課題に鑑み、本発明は高い光沢性と高い透明性を持ち、フローマークの目立ちにくい射出成形体を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、下記のエチレン−α−オレフィン共重合体(A)50〜5重量%および下記のエチレン−α−オレフィン共重合体(B)95〜50重量%を含有し(ただし、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)およびエチレン−α−オレフィン共重合体(B)の合計の質量を100質量%とする。)、メルトフローレートが1〜100g/10分である樹脂組成物からなる射出成形体である。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A):メルトフローレートが0.4〜5g/10分であり、流動の活性化エネルギーが50〜100kJ/molであり、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定される分子量分布が5〜15であり、示差走査熱量測定により得られる25℃から150℃までの融解曲線において、変曲点の数が3個以下であるエチレン−α−オレフィン共重合体。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B):エチレン−α−オレフィン共重合体(A)以外のエチレン−α−オレフィン共重合体であって、メルトフローレートが1〜100g/10分であり、スウェル比が1.15以下であるエチレン−α−オレフィン共重合体。
本発明によれば、高い光沢性と高い透明性を持ち、フローマークの目立ちにくい射出成形体を提供することができる。
本発明は、下記のエチレン−α−オレフィン共重合体(A)50〜5重量%および下記のエチレン−α−オレフィン共重合体(B)95〜50重量%を含有し(ただし、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)およびエチレン−α−オレフィン共重合体(B)の合計の質量を100質量%とする。)、メルトフローレートが1〜100g/10分である樹脂組成物からなる射出成形体である。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A):メルトフローレートが0.4〜5g/10分であり、流動の活性化エネルギーが50〜100kJ/molであり、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定される分子量分布が5〜15であり、示差走査熱量測定により得られる25℃から150℃までの融解曲線において、変曲点の数が3個以下であるエチレン−α−オレフィン共重合体。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B):エチレン−α−オレフィン共重合体(A)以外のエチレン−α−オレフィン共重合体であって、メルトフローレートが1〜100g/10分であり、スウェル比が1.15以下であるエチレン−α−オレフィン共重合体。
以下、詳細に説明する。
上記樹脂組成物中のエチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを有する共重合体である。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)としては、エチレンと1種類以上の炭素数3〜12のα−オレフィンとを共重合して得られる共重合体が挙げられる。炭素数3〜12のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチルペンテン−1、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられる。このうち、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンを用いることが好ましく、1−ブテン、1−ヘキセンを用いることがより好ましい。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体等が挙げられる。このうち、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体を用いることが好ましく、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体を用いることがより好ましい。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の密度(以下、「d」と記載することがある。)は、好ましくは、900〜940kg/m3であり、得られる射出成形体の衝撃強度を高める観点から、より好ましくは930kg/m3以下である。得られる射出成形体の引張強度を高める観点から、より好ましくは905kg/m3以上であり、さらに好ましくは910kg/m3以上である。エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の密度は、エチレン−α−オレフィン共重合体中のエチレンに基づく単量体単位の含有量により調整することができる。
なお、該密度は、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定される。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)のメルトフローレート(以下、「MFR」と記載することがある。)は、0.4〜5g/10分である。該メルトフローレートは、成形加工性を高める観点、特に流動性を高める観点から、好ましくは0.8/10分以上である。また、得られる射出成形体の機械強度を高める観点から、好ましくは4g/10分以下であり、より好ましくは3g/10分以下である。該メルトフローレートは、JIS K7210−1995に規定された方法において、温度190℃、荷重21.18Nの条件で、A法により測定される値である。なお、該メルトフローレートの測定では、通常、エチレン−α−オレフィン共重合体に予め酸化防止剤を1000ppm程度配合したものを用いる。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)のスウェル比(以下、「SR」と記載することがある。)は、射出成形体の光沢性と透明性を高める観点からは、好ましくは1.0〜1.8であり、より好ましくは1.1〜1.7であり、更に好ましくは1.2〜1.6である。該スウェル比は、メルトフローレート(MFR)を測定する際に、温度190℃、荷重21.18Nの条件でオリフィスから、15〜20mm程度の長さで押出したエチレン−α−オレフィン共重合体のストランドを、空気中で冷却し、得られた固体状のストランドについて、押出し上流側先端から約5mmの位置でのストランドの直径D(単位:mm)を測定し、その直径Dをオリフィス径2.095mm(D0)で除した値(D/D0)である。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の重量平均分子量(以下、「Mw」と記載することがある。)と数平均分子量(以下、「Mn」と記載することがある。)との比(以下、「Mw/Mn」と記載することがある。)は、5〜15である。Mw/Mnが5以上であると、射出成形時の押出負荷が低く好ましく、より好ましくは6以上であり、さらに好ましくは7以上である。Mw/Mnが15以下であると、得られる射出成形体の機械強度が高くなったり、射出成形体のベタツキの原因となる低分子量成分が少なくなったりするため好ましい。なお、ベタツキ成分量は、冷キシレン可溶部割合(CXS)測定などで定量することができる。Mw/Mnは、好ましくは14以下であり、より好ましくは13以下であり、更に好ましくは12以下である。
Mw/Mnは、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、MwをMnで除した値(Mw/Mn)である。また、GPC法での測定条件としては、例えば、次の条件をあげることができる。
(1)装置:Waters製Waters150C
(2)分離カラム:TOSOH TSKgelGMH6−HT
(3)測定温度:140℃
(4)キャリア:オルトジクロロベンゼン
(5)流量:1.0mL/分
(6)注入量:500μL
(7)検出器:示差屈折計
(8)分子量標準物質:標準ポリスチレン
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の流動の活性化エネルギー(以下、「Ea」と記載することがある。)は、射出成形時の押出負荷を低減する観点から、50kJ/mol以上であり、好ましくは60kJ/mol以上である。また、流動の活性化エネルギーは、射出成形体の機械強度を高める観点からは、100kJ/mol以下であり、好ましくは90kJ/mol以下であり、より好ましくは80kJ/mol以下である。
流動の活性化エネルギー(Ea)は、温度−時間重ね合わせ原理に基づいて、190℃での溶融複素粘度(単位はPa・秒である。)の角周波数(単位:rad/秒)依存性を示すマスターカーブを作成する際のシフトファクター(aT)からアレニウス型方程式により算出される数値であって、以下に示す方法で求められる値である。すなわち、130℃、150℃、170℃および190℃夫々の温度(T、単位:℃)におけるオレフィン重合体の溶融複素粘度−角周波数曲線(溶融複素粘度の単位はPa・秒、角周波数の単位はrad/秒である。)を、温度−時間重ね合わせ原理に基づいて、各温度(T)での溶融複素粘度−角周波数曲線毎に、190℃でのオレフィン重合体の溶融複素粘度−角周波数曲線に重ね合わせた際に得られる各温度(T)でのシフトファクター(aT)を求め、夫々の温度(T)と、各温度(T)でのシフトファクター(aT)とから、最小自乗法により[ln(aT)]と[1/(T+273.16)]との一次近似式(下記(II)式)を算出する。次に、該一次式の傾きmと下記式(III)とからEaを求める。
ln(aT) = m(1/(T+273.16))+n (II)
Ea = |0.008314×m| (III)
T :シフトファクター
Ea:流動の活性化エネルギー(単位:kJ/mol)
T :温度(単位:℃)
上記計算は、市販の計算ソフトウェアを用いてもよく、該計算ソフトウェアとしては、Rheometrics社製 Rhios V.4.4.4などがあげられる。
なお、シフトファクター(aT)は、夫々の温度(T)における溶融複素粘度−角周波数の両対数曲線を、log(Y)=−log(X)軸方向に移動させて(但し、Y軸を溶融複素粘度、X軸を角周波数とする。)、190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線に重ね合わせた際の移動量であり、該重ね合わせでは、夫々の温度(T)における溶融複素粘度−角周波数の両対数曲線は、各曲線ごとに、角周波数をaT倍に、溶融複素粘度を1/aT倍に移動させる。また、130℃、150℃、170℃および190℃の4点の値から(II)式を最小自乗法で求めるときの相関係数は、通常、0.99以上である。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の特性緩和時間(以下、「τ」と記載することがある。)は、透明性を高める観点から、好ましくは1秒以上であり、より好ましくは2秒以上、さらに好ましくは2.5秒以上である。射出成形体のフローマークを目立ちにくくするという観点から好ましくは10秒以下であり、より好ましくは9秒以下であり、さらに好ましくは8秒以下である。特性緩和時間は、エチレン−α−オレフィン共重合体が有する長鎖分岐の長さを示す数値であり、長鎖分岐が短いと特性緩和時間は小さな値となり、長鎖分岐が長いと特性緩和時間は大きな値となる。
特性緩和時間は、温度−時間重ね合わせ原理に基づいて作成される、190℃での溶融複素粘度(単位:Pa・秒)の角周波数(単位:rad/秒)依存性を示すマスターカーブから算出される数値である。具体的には、130℃、150℃、170℃および190℃夫々の温度(T、単位:℃)におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の溶融複素粘度−角周波数曲線(溶融複素粘度の単位はPa・sec、角周波数の単位はrad/secである。)を、温度−時間重ね合わせ原理に基づいて、190℃における溶融複素粘度−角周波数曲線に重ね合わせてマスターカーブを作成し、得られたマスターカーブを下記式(I)で近似することにより算出される値である。
η=η0/[1+(τ×ω)n] (I)
η:溶融複素粘度(単位:Pa・秒)
ω:角周波数(単位:rad/秒)
τ:特性緩和時間(単位:秒)
η0:エチレン−α−オレフィン共重合体毎に求まる定数(単位:Pa・秒)
n:エチレン−α−オレフィン共重合体毎に求まる定数
上記計算は、市販の計算ソフトウェアを用いてもよく、該計算ソフトウェアとしては、Rheometrics社製 Rhios V.4.4.4などがあげられる。
溶融複素粘度−角周波数曲線の測定は、粘弾性測定装置(例えば、Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800など。)を用い、通常、ジオメトリー:パラレルプレート、プレート直径:25mm、プレート間隔:1.5〜2mm、ストレイン:5%、角周波数:0.1〜100rad/秒の条件で行われる。なお、測定は窒素雰囲気下で行われ、また、測定試料には予め酸化防止剤を適量(例えば1000ppm。)を配合することが好ましい。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、示差走査熱量測定により得られる25℃から150℃までの融解曲線において、変曲点の数が3個以下である。なお、ここでいう変曲点とは、融解曲線が凹から凸へ、あるいは凸から凹へ推移する境目の点を指す。
エチレン−α−オレフィン共重合体は、通常、前記融解曲線において、少なくとも一つの融解ピークを示すため、通常、前記融解曲線において、変曲点の数は1個以上である。変曲点の数が2個以上あるということは、前記融解曲線において、最大融解ピーク(ピーク高さが最も大きい融解ピーク)とは別の融解ピークやショルダーピークがあるということである。エチレン−α−オレフィン共重合体の組成分布(エチレン−α−オレフィン共重合体に含まれる各重合体成分間での単量体単位の含有割合のばらつき。)が大きいと、最大融解ピーク(ピーク高さが最も大きい融解ピーク)とは別の融解ピークやショルダーピークの数が増加し、前記変曲点の数が増加する。本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、前記変曲点の数が3個以下であるため、組成分布の小さいエチレン−α−オレフィン共重合体である。
エチレン−α−オレフィン共重合体の融解曲線は、示差走査熱量計(例えば、パーキンエルマー社製の示差走査型熱量計DSC−7型)により、例えば、約10mgの資料を封入したアルミニウムパンを、(1)150℃で5分間保持し、(2)5℃/分で150℃から20℃まで降温し、(3)20℃で2分間保持し、(4)5℃/分で20℃から融解終了温度+約20℃(通常150℃程度)まで昇温して、(4)の測定で得られた示差走査熱量測定曲線から得られる。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の製造方法としては、例えば、有機アルミニウム化合物、有機アルミニウムオキシ化合物、ホウ素化合物、有機亜鉛化合物などの助触媒成分を粒子状担体に担持させた固体粒子状の助触媒成分と、アルキレン基やシリレン基等の架橋基で2つのシクロペンタジエニル型アニオン骨格が結合した構造を持つ配位子を有するメタロセン錯体と、からなる重合触媒の存在下、エチレンとα−オレフィンとを共重合する方法が挙げられる。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)は、エチレン基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを有する共重合体であって、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)以外のエチレン−α‐オレフィン共重合体である。例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−デセン共重合体、等が例示される。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)として、好ましくは、流動の活性化エネルギー(Ea)が50/mol未満であるエチレン−α−オレフィン共重合体であり、より好ましくは40/mol未満であるエチレン−α−オレフィン共重合体であり、更に好ましくは35/mol未満であるエチレン−α−オレフィン共重合体である。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)の密度は、好ましくは、850〜940kg/m3であり、得られる射出成形体の衝撃強度を高める観点から、より好ましくは930kg/m3以下である。得られる射出成形体の引張強度を高める観点から、より好ましくは870kg/m3以上であり、更に好ましくは880kg/m3以上であり、特に好ましくは890kg/m3以上であり、特に好ましくは900kg/m3以上である。エチレン−α−オレフィン共重合体(B)の密度は、エチレン−α−オレフィン共重合体中のエチレンに基づく単量体単位の含有量により調整することができる。
なお、該密度は、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定される。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)のメルトフローレートは、1〜100g/10分である。該メルトフローレートは、成形加工性を高める観点、特に流動性を高める観点から、好ましくは1.5g/10分以上であり、より好ましくは2.0g/10分以上である。また、得られる射出成形体の機械強度を高める観点から、好ましくは80g/10分以下、より好ましくは50g/10分以下である。該メルトフローレートは、JIS K7210−1995に規定された方法において、温度190℃、荷重21.18Nの条件で、A法により測定される値である。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)のスウェル比は、射出成形体の光沢性を高める観点からは、1.15以下であり、好ましくは1.10以下である。また、通常、該スウェル比は0.9以上である。該スウェル比は、メルトフローレート(MFR)を測定する際に、温度190℃、荷重21.18Nの条件でオリフィスから、15〜20mm程度の長さで押出したエチレン−α−オレフィン共重合体のストランドを、空気中で冷却し、得られた固体状のストランドについて、押出し上流側先端から約5mmの位置でのストランドの直径D(単位:mm)を測定し、その直径Dをオリフィス径2.095mm(D0)で除した値(D/D0)である。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B)のMw/Mnは、好ましくは2〜10である。Mw/Mnが2以上であると、成形加工時の押出負荷が低くなるため、好ましく、より好ましくは2.5以上である。Mw/Mnが10以下であると、射出成形体の機械強度が高くなるため、好ましく、より好ましくは9以下である。
本発明の樹脂組成物に含まれるエチレン−α−オレフィン共重合体(A)およびエチレン−α−オレフィン共重合体(B)の合計の質量を100質量%とするときに、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の質量が50〜5質量%であり、エチレン−α−オレフィン共重合体(B)の質量が95〜50質量%であり、好ましくは、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の含有量が40〜10質量%であり、エチレン−α−オレフィン共重合体(B)の含有量が90〜60質量%であり、より好ましくは、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)の含有量が35〜15質量%であり、エチレン−α−オレフィン共重合体(B)の含有量が85〜65質量%である。エチレン−α−オレフィン共重合体(A)およびエチレン−α−オレフィン共重合体(B)のそれぞれの質量を、上記のような範囲とすることにより、高い光沢性と高い透明性を両立し、フローマークの目立ちにくい射出成形体を得ることが可能となる。
本発明の樹脂組成物のメルトフローレートは流動性の観点から1〜100g/10分である。該メルトフローレートは、成形加工性を高める観点、特に流動性の観点から、好ましくは1.5g/10分以上であり、より好ましくは、4g/10分以上である。また、得られる射出成形体の機械強度を高める観点から、好ましくは90g/10分以下であり、より好ましくは80g/10分以下、更に好ましくは50g/10分以下である。該メルトフローレートは、得られた射出成形体から切り出したサンプルで、JIS K7210−1995に規定された方法において、温度190℃、荷重21.18Nの条件で、A法により測定される値である。
本発明の樹脂組成物のスウェル比は、射出成形体の光沢性と透明性を高める観点からは、好ましくは1.0〜1.8であり、より好ましくは1.1〜1.7であり、更に好ましくは1.2〜1.6であり、特に好ましくは1.3〜1.5である。該スウェル比は、上記樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)を測定する際に、温度190℃、荷重21.18Nの条件でオリフィスから、15〜20mm程度の長さで押出したストランドを、空気中で冷却し、得られた固体状のストランドについて、押出し上流側先端から約5mmの位置でのストランドの直径D(単位:mm)を測定し、その直径Dをオリフィス径2.095mm(D0)で除した値(D/D0)である。
なお、上記樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、中和剤、滑剤、帯電防止剤、造核剤、紫外線防止剤、可塑剤、分散剤、防曇剤、抗菌剤、顔料等の添加剤を組み合わせて添加することが可能である。
本発明のオレフィン樹脂組成物は、必要に応じ、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)やエチレン−α−オレフィン共重合体(B)とは異なる熱可塑性樹脂を含有してもよい。該熱可塑性樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の金属塩、ポリスチレン、ABS樹脂、スチレン・ブタジエンブロック共重合体およびその水素添加物、スチレン・イソプレンブロック共重合体およびその水素添加物などのスチレン系重合体、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル類、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6・66などのポリアミド類、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、エチレン・プロピレン共重合ゴム、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
樹脂組成物の製造方法はとしては、例えば、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)とエチレン−α−オレフィン共重合体(B)と必要に応じて添加剤等の他の成分とを、ドライブレンドやメルトブレンドする方法等が挙げられる。ドライブレンドする方法としては、例えば、ヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー等の各種ブレンダーを用いる方法が挙げられ、メルトブレンドする方法としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、熱ロール等の各種ミキサーを用いる方法が挙げられる。
本発明の樹脂組成物を用いて射出成形を行うことにより、種々の射出成形体が製造される。該射出成形体としては、機械部品、構造材、日用品やその部品、家電製品・OA機器等の電気電子機器類の部品、玩具遊具類とその部品、スポーツ用品、容器、箱類などが挙げられ、具体的には、蓋、キャップ、中栓、ガスケット、パッキン、バケツ、ボトルなどが挙げられる。
本発明に係る射出成形体は、型締ユニットと射出ユニットからなる射出成形機と金型を用いて加熱溶融させた上記樹脂組成物を金型内に射出注入し、冷却、固化させるという方法によって製造することができる。
射出成形方法としては、スクリュー型、アキュムレーター型などいずれの方法でもよく、トーピッドのあり・なしのどちらでもよい。また、ゲート方式に関し、ホットゲート、コールドゲートのどちらでもよい。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。物性の評価は、以下の方法によって行った。
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重21.18N、温度190℃の条件で、A法により測定した。
(2)スウェル比(SR)
(1)のメルトフローレートの測定において、温度190℃、荷重21.18Nの条件で、オリフィスから15〜20mm程度の長さで押出したエチレン−α−オレフィン共重合体または樹脂組成物のストランドを、空気中で冷却し、固体状のストランドを得た。次に、該ストランドの押出し上流側先端から約5mmの位置でのストランドの直径D(単位:mm)を測定し、その直径Dをオリフィス径2.095mm(D0)で除した値(D/D0)を算出し、スウェル比とした。
(3)密度(d、単位:kg/m3
JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定した。なお、試料には、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った。
(4)分子量分布(Mw/Mn)
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法を用いて、下記の条件(1)〜(8)により、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、Mw/Mnを求めた。クロマトグラム上のベースラインは、試料溶出ピークが出現するよりも十分に保持時間が短い安定した水平な領域の点と、溶媒溶出ピークが観測されたよりも十分に保持時間が長い安定した水平な領域の点とを結んでできる直線とした。
(1)装置:Waters製Waters150C
(2)分離カラム:TOSOH TSKgelGMH6−HT
(3)測定温度:140℃
(4)キャリア:オルトジクロロベンゼン
(5)流量:1.0mL/分
(6)注入量:500μL
(7)検出器:示差屈折計
(8)分子量標準物質:標準ポリスチレン
(5)流動の活性化エネルギー(Ea、単位:kJ/mol)
粘弾性測定装置(Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800)を用いて、下記測定条件で130℃、150℃、170℃および190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線を測定し、次に、得られた溶融複素粘度−角周波数曲線から、Rheometrics社製計算ソフトウェア Rhios V.4.4.4を用いて、190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線のマスターカーブを作成し、活性化エネルギー(Ea)を求めた。
<測定条件>
ジオメトリー:パラレルプレート
プレート直径:25mm
プレート間隔:1.5〜2mm
ストレイン :5%
角周波数 :0.1〜100rad/秒
測定雰囲気 :窒素
(6)特性緩和時間(τ)(秒)
粘弾性測定装置(Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800)を用いて、下記測定条件で130℃、150℃、170℃および190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線を測定し、次に、得られた溶融複素粘度−角周波数曲線から、Rheometrics社製計算ソフトウェア Rhios V.4.4.4を用いて、190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線のマスターカーブを作成し、特性緩和時間(τ)を求めた。
<測定条件>
ジオメトリー:パラレルプレート
プレート直径:25mm
プレート間隔:1.5〜2mm
ストレイン :5%
角周波数 :0.1〜100rad/秒
測定雰囲気 :窒素
(7)Gloss(単位:%)
下記の条件で射出成形を行い、樹脂平板を得た。得られた樹脂平板は、成形後、温度23℃及び湿度50%の条件で48時間以上状態調整を行った。
成形機 :東芝機械製IS100EN−3A射出成形機
金型 :90mm×150mm×2mm
各短辺(90mm辺)の中央部にひとつゲートを有する2点ゲート平板
(ただし、射出成形時にスプルーからわかれる2本あるランナーの1本を塞ぎ、2点ゲートのうち一方のみから溶融樹脂が入るようにして、平板を成形した。)
ゲート径1.0mm
成形条件:成形温度200℃
金型温度 40℃
成形サイクル 射出10秒、冷却20秒
得られた樹脂平板でGloss測定を行った。測定はJIS K7105−1981に規定された45°鏡面光沢度の測定方法に従って測定した。この値が大きいほど光沢が良好であることを示す。
(8)HAZE(単位:%)
(7)で得られた厚み2mmの射出成形シートで測定を行った。測定はASTM D1003に規定された方法に従った。この値が小さいほど透明性が優れることを示す。
(9)フローマーク
(7)で得られた厚み2mmの射出成形シートで評価を行った。評価は目視で行い、フローマークが見られない場合○とし、僅かに見られる場合を△とし、目立つ場合を×とした。
(10)樹脂組成物のメルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
(7)で得られた厚み2mmの射出成形シートから測定用サンプルを切出し、JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重21.18N、温度190℃の条件で、A法により測定した。
(11)樹脂組成物のスウェル比(SR)
(7)で得られた厚み2mmの射出成形シートから測定用サンプルを切出し、(1)のメルトフローレートの測定において、温度190℃、荷重21.18Nの条件で、オリフィスから15〜20mm程度の長さで押出したストランドを、空気中で冷却し、固体状のストランドを得た。次に、該ストランドの押出し上流側先端から約5mmの位置でのストランドの直径D(単位:mm)を測定し、その直径Dをオリフィス径2.095mm(D0)で除した値(D/D0)を算出し、スウェル比とした。
(12)示差走査熱量測定
エチレン−α−オレフィン共重合体を、150℃の熱プレス機により10MPaの圧力で5分間プレスした後、30℃の冷却プレス機で5分間冷却して、厚さ約100μmのシートに成形し、該シートから約10mgの試料を切り出し、アルミニウムパンに封入した。次に、試料を封入したアルミニウムパンを、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製の示差走査型熱量計DSC−7型)にて、(1)150℃で5分間保持し、(2)5℃/分で150℃から20℃まで降温し、(3)20℃で2分間保持し、(4)5℃/分で20℃から150℃まで昇温して、(4)での融解曲線を測定した。得られた融解曲線より、変曲点の数を求めた。
本発明の実施例で使用した各成分は、以下のとおりである。
PE(1):エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体
(1)固体触媒成分の調製
窒素置換した撹拌機を備えた反応器に、窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;50%体積平均粒子径=55μm;細孔容量=1.67ml/g;比表面積=325m2/g)2.8kgとトルエン24kgとを入れて、撹拌した。その後、5℃に冷却した後、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン0.9kgとトルエン1.4kgとの混合溶液を反応器の温度を5℃に保ちながら30分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間撹拌し、次に95℃に昇温し、95℃で3時間撹拌し、ろ過した。得られた固体生成物をトルエン20.8kgで6回、洗浄を行った。その後、トルエン7.1kgを加えスラリーとし、一晩静置した。
上記で得られたスラリーに、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(ジエチル亜鉛濃度:50重量%)1.73kgとヘキサン1.02kgとを投入し、撹拌した。その後、5℃に冷却した後、3,4,5−トリフルオロフェノール0.78kgとトルエン1.44kgとの混合溶液を、反応器の温度を5℃に保ちながら60分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間撹拌し、次に40℃に昇温し、40℃で1時間撹拌した。その後、22℃に冷却し、H2O0.11kgを反応器の温度を22℃に保ちながら1.5時間で滴下した。滴下終了後、22℃で1.5時間撹拌し、次に40℃に昇温し、40℃で2時間撹拌し、更に80℃に昇温し、80℃で2時間撹拌した。撹拌後、室温にて、残量16Lまで上澄み液を抜き出し、トルエン11.6kgを投入し、次に、95℃に昇温し、4時間撹拌した。撹拌後、室温にて、上澄み液を抜き出し、固体生成物を得た。得られた固体生成物をトルエン20.8kgで4回、ヘキサン24リットルで3回、洗浄を行った。その後、乾燥することにより、固体触媒成分を得た。
(2)予備重合触媒成分の調製
予め窒素置換した内容積210リットルの撹拌機付きオートクレーブに、ブタン80リットルを投入した後、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシド34.5mmolを投入し、オートクレーブを50℃まで昇温して撹拌を2時間行った。次にオートクレーブを30℃まで降温して系内が安定した後、エチレンをオートクレーブ内のガス相圧力で0.03MPa分仕込み、(1)に記載の固体触媒成分0.7kgを投入し、続いてトリイソブチルアルミニウム140mmolを投入して重合を開始した。エチレンを0.7kg/時間で連続供給しながら30分経過した後、50℃へ昇温するとともに、エチレンと水素をそれぞれ3.5kg/時間と10.2リットル(常温常圧体積)/時間で連続供給することによって合計4時間の予備重合を実施した。重合終了後、エチレン、ブタン、水素ガスなどをパージして残った固体を室温にて真空乾燥し、上記固体触媒成分1g当り15gのポリエチレンが予備重合された予備重合触媒成分を得た。
(3)エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体(PE(1))の製造
上記で得た予備重合触媒成分を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ブテン、1−ヘキセンの共重合を実施し、重合体パウダーを得た。重合条件としては、重合温度を81.4℃、重合圧力を2MPa、エチレンに対する水素モル比を1.82%、エチレンと1−ブテンと1−ヘキセンとの合計に対する1−ブテンモル比を2.46%、1−ヘキセンモル比をそれぞれ0.76%とした。重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、水素を連続的に供給した。また、上記予備重合触媒成分とトリイソブチルアルミニウムを連続的に供給し、流動床の総パウダー重量80kgを一定に維持した。平均重合時間4時間であった。得られた重合体パウダーを押出機(神戸製鋼所社製 LCM50)を用いて、フィード速度50kg/時間、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度50%、サクション圧力0.1MPa、樹脂温度200〜230℃の条件で造粒することによりエチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体(以下PE(1))を得た。得られた共重合体の物性評価の結果を表1に示した。
PE(2):エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体
(1)エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体の製造
上記PE(1)の(2)で得た予備重合触媒成分を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ブテン、1−ヘキセンの共重合を実施し、重合体パウダーを得た。重合条件としては、重合温度を84℃、重合圧力を2MPa、エチレンに対する水素モル比を1.4%、エチレンと1−ブテンと1−ヘキセンとの合計に対する1−ブテンモル比を2.3%、1−ヘキセンモル比をそれぞれ1.0%とした。重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、水素を連続的に供給した。また、上記予備重合触媒成分とトリイソブチルアルミニウムを連続的に供給し、流動床の総パウダー重量80kgを一定に維持した。平均重合時間4時間であった。得られた重合体パウダーを押出機(神戸製鋼所社製 LCM50)を用いて、フィード速度50kg/時間、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度50%、サクション圧力0.1MPa、樹脂温度200〜230℃の条件で造粒することによりエチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体(以下PE(2))を得た。得られた共重合体の物性評価の結果を表1に示した。
高圧法低密度ポリエチレンとして、以下のポリエチレンを使用した。
G720:住友化学株式会社製、商品名「スミカセン G720」(高圧法低密度ポリエチレン、MFR(190℃)=7g/10分、密度=922kg/m
G201:住友化学株式会社製、商品名「スミカセン G201」(高圧法低密度ポリエチレン、MFR(190℃)=2g/10分、密度=919kg/m
また、以下のエチレン−α−オレフィン共重合体を使用した。
GA701:住友化学株式会社製、商品名「スミカセン−L GA701」(エチレン−α−オレフィン共重合体、MFR(190℃)=8g/10分、密度=920kg/m
GA801:住友化学株式会社製、商品名「スミカセン−L GA801」(エチレン−α−オレフィン共重合体、MFR(190℃)=20g/10分、密度=920kg/m
FV202:住友化学株式会社製、商品名「スミカセンE FV202」(エチレン−α−オレフィン共重合体、MFR(190℃)=2g/10分、密度=925kg/m3)
FV205:住友化学株式会社製、商品名「スミカセンE FV205」(エチレン−α−オレフィン共重合体、MFR(190℃)=2g/10分、密度=922kg/m3)
CW2008:住友化学株式会社製、商品名「スミカセンHi-α CW2008」(エチレン−α−オレフィン共重合体、MFR(190℃)=2.6g/10分、密度=922kg/m3)
〔実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例5〕
成分(A)、成分(B)を表3に記載の割合で、タンブラーミキサーでドライブレンドした後、射出成形機(東芝機械製IS100EN−3A)を用い、平板を作成しGloss測定とHaze測定とフローマーク評価を行った。物性評価結果を表3、表4に示す。
〔実施例1〜実施例4、比較例1〜比較例6〕
成分(A)、成分(B)を表3に記載の割合で、タンブラーミキサーでドライブレンドした後、射出成形機(東芝機械製IS100EN−3A)を用い、平板を作成しGloss測定とHaze測定とフローマーク評価を行った。物性評価結果を表3、表4に示す。
Figure 2012188652
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Claims (1)

  1. 下記のエチレン−α−オレフィン共重合体(A)50〜5重量%および下記のエチレン−α−オレフィン共重合体(B)95〜50重量%を含有し(ただし、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)およびエチレン−α−オレフィン共重合体(B)の合計の質量を100質量%とする。)、メルトフローレートが1〜100g/10分である樹脂組成物からなる射出成形体。
    エチレン−α−オレフィン共重合体(A):メルトフローレートが0.4〜5g/10分であり、流動の活性化エネルギーが50〜100kJ/molであり、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定される分子量分布が5〜15であり、示差走査熱量測定により得られる25℃から150℃までの融解曲線において、変曲点の数が3個以下であるエチレン−α−オレフィン共重合体。
    エチレン−α−オレフィン共重合体(B):エチレン−α−オレフィン共重合体(A)以外のエチレン−α−オレフィン共重合体であって、メルトフローレートが1〜100g/10分であり、スウェル比が1.15以下であるエチレン−α−オレフィン共重合体。
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