JP2012188652A - 射出成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記のエチレン−α−オレフィン共重合体(A)50〜5重量%および下記のエチレン−α−オレフィン共重合体(B)95〜50重量%を含有し、メルトフローレートが1〜100g/10分である樹脂組成物からなる射出成形体。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A):メルトフローレートが0.4〜5g/10分であり、流動の活性化エネルギーが50〜100kJ/molであり、分子量分布が5〜15であり、25℃から150℃までの融解曲線において、変曲点の数が3個以下である。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B):エチレン−α−オレフィン共重合体(A)以外のエチレン−α−オレフィン共重合体であって、メルトフローレートが1〜100g/10分であり、スウェル比が1.15以下である。
【選択図】なし
Description
エチレン−α−オレフィン共重合体(A):メルトフローレートが0.4〜5g/10分であり、流動の活性化エネルギーが50〜100kJ/molであり、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定される分子量分布が5〜15であり、示差走査熱量測定により得られる25℃から150℃までの融解曲線において、変曲点の数が3個以下であるエチレン−α−オレフィン共重合体。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B):エチレン−α−オレフィン共重合体(A)以外のエチレン−α−オレフィン共重合体であって、メルトフローレートが1〜100g/10分であり、スウェル比が1.15以下であるエチレン−α−オレフィン共重合体。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A):メルトフローレートが0.4〜5g/10分であり、流動の活性化エネルギーが50〜100kJ/molであり、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定される分子量分布が5〜15であり、示差走査熱量測定により得られる25℃から150℃までの融解曲線において、変曲点の数が3個以下であるエチレン−α−オレフィン共重合体。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B):エチレン−α−オレフィン共重合体(A)以外のエチレン−α−オレフィン共重合体であって、メルトフローレートが1〜100g/10分であり、スウェル比が1.15以下であるエチレン−α−オレフィン共重合体。
以下、詳細に説明する。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A)としては、エチレンと1種類以上の炭素数3〜12のα−オレフィンとを共重合して得られる共重合体が挙げられる。炭素数3〜12のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチルペンテン−1、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられる。このうち、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンを用いることが好ましく、1−ブテン、1−ヘキセンを用いることがより好ましい。
なお、該密度は、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定される。
(1)装置:Waters製Waters150C
(2)分離カラム:TOSOH TSKgelGMH6−HT
(3)測定温度:140℃
(4)キャリア:オルトジクロロベンゼン
(5)流量:1.0mL/分
(6)注入量:500μL
(7)検出器:示差屈折計
(8)分子量標準物質:標準ポリスチレン
ln(aT) = m(1/(T+273.16))+n (II)
Ea = |0.008314×m| (III)
aT :シフトファクター
Ea:流動の活性化エネルギー(単位:kJ/mol)
T :温度(単位:℃)
上記計算は、市販の計算ソフトウェアを用いてもよく、該計算ソフトウェアとしては、Rheometrics社製 Rhios V.4.4.4などがあげられる。
なお、シフトファクター(aT)は、夫々の温度(T)における溶融複素粘度−角周波数の両対数曲線を、log(Y)=−log(X)軸方向に移動させて(但し、Y軸を溶融複素粘度、X軸を角周波数とする。)、190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線に重ね合わせた際の移動量であり、該重ね合わせでは、夫々の温度(T)における溶融複素粘度−角周波数の両対数曲線は、各曲線ごとに、角周波数をaT倍に、溶融複素粘度を1/aT倍に移動させる。また、130℃、150℃、170℃および190℃の4点の値から(II)式を最小自乗法で求めるときの相関係数は、通常、0.99以上である。
η=η0/[1+(τ×ω)n] (I)
η:溶融複素粘度(単位:Pa・秒)
ω:角周波数(単位:rad/秒)
τ:特性緩和時間(単位:秒)
η0:エチレン−α−オレフィン共重合体毎に求まる定数(単位:Pa・秒)
n:エチレン−α−オレフィン共重合体毎に求まる定数
上記計算は、市販の計算ソフトウェアを用いてもよく、該計算ソフトウェアとしては、Rheometrics社製 Rhios V.4.4.4などがあげられる。
エチレン−α−オレフィン共重合体は、通常、前記融解曲線において、少なくとも一つの融解ピークを示すため、通常、前記融解曲線において、変曲点の数は1個以上である。変曲点の数が2個以上あるということは、前記融解曲線において、最大融解ピーク(ピーク高さが最も大きい融解ピーク)とは別の融解ピークやショルダーピークがあるということである。エチレン−α−オレフィン共重合体の組成分布(エチレン−α−オレフィン共重合体に含まれる各重合体成分間での単量体単位の含有割合のばらつき。)が大きいと、最大融解ピーク(ピーク高さが最も大きい融解ピーク)とは別の融解ピークやショルダーピークの数が増加し、前記変曲点の数が増加する。本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体(A)は、前記変曲点の数が3個以下であるため、組成分布の小さいエチレン−α−オレフィン共重合体である。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、該密度は、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定される。
JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重21.18N、温度190℃の条件で、A法により測定した。
(1)のメルトフローレートの測定において、温度190℃、荷重21.18Nの条件で、オリフィスから15〜20mm程度の長さで押出したエチレン−α−オレフィン共重合体または樹脂組成物のストランドを、空気中で冷却し、固体状のストランドを得た。次に、該ストランドの押出し上流側先端から約5mmの位置でのストランドの直径D(単位:mm)を測定し、その直径Dをオリフィス径2.095mm(D0)で除した値(D/D0)を算出し、スウェル比とした。
JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定した。なお、試料には、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った。
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法を用いて、下記の条件(1)〜(8)により、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、Mw/Mnを求めた。クロマトグラム上のベースラインは、試料溶出ピークが出現するよりも十分に保持時間が短い安定した水平な領域の点と、溶媒溶出ピークが観測されたよりも十分に保持時間が長い安定した水平な領域の点とを結んでできる直線とした。
(1)装置:Waters製Waters150C
(2)分離カラム:TOSOH TSKgelGMH6−HT
(3)測定温度:140℃
(4)キャリア:オルトジクロロベンゼン
(5)流量:1.0mL/分
(6)注入量:500μL
(7)検出器:示差屈折計
(8)分子量標準物質:標準ポリスチレン
粘弾性測定装置(Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800)を用いて、下記測定条件で130℃、150℃、170℃および190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線を測定し、次に、得られた溶融複素粘度−角周波数曲線から、Rheometrics社製計算ソフトウェア Rhios V.4.4.4を用いて、190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線のマスターカーブを作成し、活性化エネルギー(Ea)を求めた。
<測定条件>
ジオメトリー:パラレルプレート
プレート直径:25mm
プレート間隔:1.5〜2mm
ストレイン :5%
角周波数 :0.1〜100rad/秒
測定雰囲気 :窒素
粘弾性測定装置(Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800)を用いて、下記測定条件で130℃、150℃、170℃および190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線を測定し、次に、得られた溶融複素粘度−角周波数曲線から、Rheometrics社製計算ソフトウェア Rhios V.4.4.4を用いて、190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線のマスターカーブを作成し、特性緩和時間(τ)を求めた。
<測定条件>
ジオメトリー:パラレルプレート
プレート直径:25mm
プレート間隔:1.5〜2mm
ストレイン :5%
角周波数 :0.1〜100rad/秒
測定雰囲気 :窒素
下記の条件で射出成形を行い、樹脂平板を得た。得られた樹脂平板は、成形後、温度23℃及び湿度50%の条件で48時間以上状態調整を行った。
成形機 :東芝機械製IS100EN−3A射出成形機
金型 :90mm×150mm×2mm
各短辺(90mm辺)の中央部にひとつゲートを有する2点ゲート平板
(ただし、射出成形時にスプルーからわかれる2本あるランナーの1本を塞ぎ、2点ゲートのうち一方のみから溶融樹脂が入るようにして、平板を成形した。)
ゲート径1.0mm
成形条件:成形温度200℃
金型温度 40℃
成形サイクル 射出10秒、冷却20秒
得られた樹脂平板でGloss測定を行った。測定はJIS K7105−1981に規定された45°鏡面光沢度の測定方法に従って測定した。この値が大きいほど光沢が良好であることを示す。
(7)で得られた厚み2mmの射出成形シートで測定を行った。測定はASTM D1003に規定された方法に従った。この値が小さいほど透明性が優れることを示す。
(7)で得られた厚み2mmの射出成形シートで評価を行った。評価は目視で行い、フローマークが見られない場合○とし、僅かに見られる場合を△とし、目立つ場合を×とした。
(7)で得られた厚み2mmの射出成形シートから測定用サンプルを切出し、JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重21.18N、温度190℃の条件で、A法により測定した。
(7)で得られた厚み2mmの射出成形シートから測定用サンプルを切出し、(1)のメルトフローレートの測定において、温度190℃、荷重21.18Nの条件で、オリフィスから15〜20mm程度の長さで押出したストランドを、空気中で冷却し、固体状のストランドを得た。次に、該ストランドの押出し上流側先端から約5mmの位置でのストランドの直径D(単位:mm)を測定し、その直径Dをオリフィス径2.095mm(D0)で除した値(D/D0)を算出し、スウェル比とした。
エチレン−α−オレフィン共重合体を、150℃の熱プレス機により10MPaの圧力で5分間プレスした後、30℃の冷却プレス機で5分間冷却して、厚さ約100μmのシートに成形し、該シートから約10mgの試料を切り出し、アルミニウムパンに封入した。次に、試料を封入したアルミニウムパンを、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製の示差走査型熱量計DSC−7型)にて、(1)150℃で5分間保持し、(2)5℃/分で150℃から20℃まで降温し、(3)20℃で2分間保持し、(4)5℃/分で20℃から150℃まで昇温して、(4)での融解曲線を測定した。得られた融解曲線より、変曲点の数を求めた。
PE(1):エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体
(1)固体触媒成分の調製
窒素置換した撹拌機を備えた反応器に、窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;50%体積平均粒子径=55μm;細孔容量=1.67ml/g;比表面積=325m2/g)2.8kgとトルエン24kgとを入れて、撹拌した。その後、5℃に冷却した後、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン0.9kgとトルエン1.4kgとの混合溶液を反応器の温度を5℃に保ちながら30分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間撹拌し、次に95℃に昇温し、95℃で3時間撹拌し、ろ過した。得られた固体生成物をトルエン20.8kgで6回、洗浄を行った。その後、トルエン7.1kgを加えスラリーとし、一晩静置した。
予め窒素置換した内容積210リットルの撹拌機付きオートクレーブに、ブタン80リットルを投入した後、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシド34.5mmolを投入し、オートクレーブを50℃まで昇温して撹拌を2時間行った。次にオートクレーブを30℃まで降温して系内が安定した後、エチレンをオートクレーブ内のガス相圧力で0.03MPa分仕込み、(1)に記載の固体触媒成分0.7kgを投入し、続いてトリイソブチルアルミニウム140mmolを投入して重合を開始した。エチレンを0.7kg/時間で連続供給しながら30分経過した後、50℃へ昇温するとともに、エチレンと水素をそれぞれ3.5kg/時間と10.2リットル(常温常圧体積)/時間で連続供給することによって合計4時間の予備重合を実施した。重合終了後、エチレン、ブタン、水素ガスなどをパージして残った固体を室温にて真空乾燥し、上記固体触媒成分1g当り15gのポリエチレンが予備重合された予備重合触媒成分を得た。
上記で得た予備重合触媒成分を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ブテン、1−ヘキセンの共重合を実施し、重合体パウダーを得た。重合条件としては、重合温度を81.4℃、重合圧力を2MPa、エチレンに対する水素モル比を1.82%、エチレンと1−ブテンと1−ヘキセンとの合計に対する1−ブテンモル比を2.46%、1−ヘキセンモル比をそれぞれ0.76%とした。重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、水素を連続的に供給した。また、上記予備重合触媒成分とトリイソブチルアルミニウムを連続的に供給し、流動床の総パウダー重量80kgを一定に維持した。平均重合時間4時間であった。得られた重合体パウダーを押出機(神戸製鋼所社製 LCM50)を用いて、フィード速度50kg/時間、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度50%、サクション圧力0.1MPa、樹脂温度200〜230℃の条件で造粒することによりエチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体(以下PE(1))を得た。得られた共重合体の物性評価の結果を表1に示した。
(1)エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体の製造
上記PE(1)の(2)で得た予備重合触媒成分を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ブテン、1−ヘキセンの共重合を実施し、重合体パウダーを得た。重合条件としては、重合温度を84℃、重合圧力を2MPa、エチレンに対する水素モル比を1.4%、エチレンと1−ブテンと1−ヘキセンとの合計に対する1−ブテンモル比を2.3%、1−ヘキセンモル比をそれぞれ1.0%とした。重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、水素を連続的に供給した。また、上記予備重合触媒成分とトリイソブチルアルミニウムを連続的に供給し、流動床の総パウダー重量80kgを一定に維持した。平均重合時間4時間であった。得られた重合体パウダーを押出機(神戸製鋼所社製 LCM50)を用いて、フィード速度50kg/時間、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度50%、サクション圧力0.1MPa、樹脂温度200〜230℃の条件で造粒することによりエチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体(以下PE(2))を得た。得られた共重合体の物性評価の結果を表1に示した。
G720:住友化学株式会社製、商品名「スミカセン G720」(高圧法低密度ポリエチレン、MFR(190℃)=7g/10分、密度=922kg/m3)
G201:住友化学株式会社製、商品名「スミカセン G201」(高圧法低密度ポリエチレン、MFR(190℃)=2g/10分、密度=919kg/m3)
GA701:住友化学株式会社製、商品名「スミカセン−L GA701」(エチレン−α−オレフィン共重合体、MFR(190℃)=8g/10分、密度=920kg/m3)
GA801:住友化学株式会社製、商品名「スミカセン−L GA801」(エチレン−α−オレフィン共重合体、MFR(190℃)=20g/10分、密度=920kg/m3)
FV202:住友化学株式会社製、商品名「スミカセンE FV202」(エチレン−α−オレフィン共重合体、MFR(190℃)=2g/10分、密度=925kg/m3)
FV205:住友化学株式会社製、商品名「スミカセンE FV205」(エチレン−α−オレフィン共重合体、MFR(190℃)=2g/10分、密度=922kg/m3)
CW2008:住友化学株式会社製、商品名「スミカセンHi-α CW2008」(エチレン−α−オレフィン共重合体、MFR(190℃)=2.6g/10分、密度=922kg/m3)
成分(A)、成分(B)を表3に記載の割合で、タンブラーミキサーでドライブレンドした後、射出成形機(東芝機械製IS100EN−3A)を用い、平板を作成しGloss測定とHaze測定とフローマーク評価を行った。物性評価結果を表3、表4に示す。
成分(A)、成分(B)を表3に記載の割合で、タンブラーミキサーでドライブレンドした後、射出成形機(東芝機械製IS100EN−3A)を用い、平板を作成しGloss測定とHaze測定とフローマーク評価を行った。物性評価結果を表3、表4に示す。
Claims (1)
- 下記のエチレン−α−オレフィン共重合体(A)50〜5重量%および下記のエチレン−α−オレフィン共重合体(B)95〜50重量%を含有し(ただし、エチレン−α−オレフィン共重合体(A)およびエチレン−α−オレフィン共重合体(B)の合計の質量を100質量%とする。)、メルトフローレートが1〜100g/10分である樹脂組成物からなる射出成形体。
エチレン−α−オレフィン共重合体(A):メルトフローレートが0.4〜5g/10分であり、流動の活性化エネルギーが50〜100kJ/molであり、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定される分子量分布が5〜15であり、示差走査熱量測定により得られる25℃から150℃までの融解曲線において、変曲点の数が3個以下であるエチレン−α−オレフィン共重合体。
エチレン−α−オレフィン共重合体(B):エチレン−α−オレフィン共重合体(A)以外のエチレン−α−オレフィン共重合体であって、メルトフローレートが1〜100g/10分であり、スウェル比が1.15以下であるエチレン−α−オレフィン共重合体。
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