JP2012186917A - モータ制御装置及びモータ制御方法 - Google Patents

モータ制御装置及びモータ制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】固定子コイルに相電流を流してモータを温める際に、同期モータにトルクを発生させず、回転子に加わる逆磁界を低減する。
【解決手段】モータ制御部40は、モータの回転子磁束と平行なd軸磁界成分を発生させるd軸電流目標値の瞬時値に所定しきい値よりも正側の値で、かつ、所定期間におけるd軸電流目標値の平均値がゼロより正側となる値を設定し、回転子磁束と直交するq軸磁界成分を発生させるq軸電流目標値に回転子が回転しない値を設定する目標電流設定部45と、d軸電流目標値とq軸電流目標値に基づいて、モータの固定子のコイルに駆動電流を流す制御を行う駆動制御部と、を備える。
【選択図】図3

Description

本明細書で論じられる実施態様は、低温時に減磁する特性をもつ永久磁石が設けられた回転子を有するモータの制御に関する。
モータの制御に関して以下の技術が知られている。温度検出器が検出する温度に基づいてモータジェネレータの永久磁石の温度を推定演算し、その温度が設定温度を下回って減磁する虞が生じた場合に、永久磁石の温度低下による保磁力の大きさの低減割合と同等以上の割合で指令電流を低減させる、モータの制御装置が知られている。
抵抗体を車載用モータに取り付け、抵抗体の発熱によって車載用モータひいては永久磁石モータの温度を高めることが知られている。
ロータの永久磁石の温度が予め定められたしきい温度を下回っていれば、直軸方向に沿って、その強度が時間的に変化する電流磁界を印加し、永久磁石が生じる磁束と直交方向に規定される横軸方向に電流磁界を印加しないことが提案されている。
特開2004−187339号公報 特開2008−43094号公報
フェライト永久磁石は低温時に保磁力が低下する。このためフェライト永久磁石が設けられた回転子を有する同期モータの場合、低温下で高トルクを発生させるために大きな駆動電流を流すと永久磁石の減磁(不可逆減磁)が生じて、以後、常温(例えば20℃)に戻しても磁束密度が元の大きさまで戻らず、所望のモータトルクが得られなくなることがある。
固定子コイルに相電流が流れる際に発生する熱を利用してモータを温め、その熱で回転子の永久磁石を温めることによって保磁力の低下を回避することができる。この場合、本来の駆動電流ではない加熱用の電流によってモータにトルクを発生させないことが望ましい。
また、加熱用の電流によって生じる磁界によって回転子に逆磁界が加わると永久磁石の減磁が助長される恐れがある。このため、加熱用の電流によって生じる逆磁界はゼロであるか、又は低減されることが望ましい。
実施態様に係る装置及び方法は、固定子コイルに相電流を流してモータを温める際に、同期モータにトルクを発生させず、回転子に加わる逆磁界を低減することを目的とする。
装置の一観点によれば、低温時に減磁する特性をもつ永久磁石が設けられた回転子を有するモータの制御を行うモータ制御装置が与えられる。モータ制御装置は、モータの回転子磁束と平行なd軸磁界成分を発生させるd軸電流目標値の瞬時値に、所定しきい値よりも正側の値で、かつ、所定期間におけるd軸電流目標値の平均値がゼロより正側となる値を設定し、回転子磁束と直交するq軸磁界成分を発生させるq軸電流目標値に回転子が回転しない値を設定する目標電流設定部と、d軸電流目標値とq軸電流目標値に基づいて、モータの固定子のコイルに駆動電流を流す制御を行う駆動制御部と、を備える。
方法の一観点によれば、低温時に減磁する特性をもつ永久磁石が設けられた回転子を有するモータの回転子磁束と平行なd軸磁界成分を発生させるd軸電流目標値の瞬時値に、所定しきい値よりも正側の値で、かつ、所定期間におけるd軸電流目標値の平均値がゼロより正側となる値を設定し、回転子磁束と直交するq軸磁界成分を発生させるq軸電流目標値に回転子が回転しない値を設定し、d軸電流目標値とq軸電流目標値に基づいて、モータの固定子のコイルに駆動電流を流すモータ制御方法が与えられる。
本件開示の装置又は方法によれば、固定子コイルに相電流を流してモータを温める際に、同期モータにトルクを発生させず、回転子に加わる逆磁界を低減することができる。
(A)及び(B)は、回転座標系のd軸及びq軸と固定子磁束との関係の一例の説明図である。 電動油圧パワーステアリング装置の構成図である。 モータ制御部の構成図である。 モータ制御部の処理の第1例の説明図である。 昇温運転処理の第1例の説明図である。 (A)〜(C)は、d軸電流目標値の例を示す図である。 昇温運転処理の第2例の説明図である。 フェライト磁石の減磁曲線を示すグラフである。 (A)及び(B)は、モータ制御部の処理の第2例及び第3例の説明図である。
以下、添付する図面を参照して実施例について説明する。図1の(A)は、回転座標系のd軸及びq軸と、固定子コイルにより生じる固定子磁束との関係の説明図である。参照符号90〜92は同期モータの固定子コイルを示し、参照符号93は回転子を示す。また、参照符号94は固定子コイル90〜92に相電流が流れることより生じる固定子磁束を示し、参照符号95は固定子磁束94の回転方向を示す。
いま、回転子93の回転子磁束の方向(すなわち、回転子93のS極からN極へ向かう方向)と平行な方向の座標軸をd軸とし、回転子磁束の方向と同じ方向をd軸正方向とする。また、回転子磁束の方向と直交する方向の座標軸をq軸とする。なお、図1の(A)及び図1の(B)における回転子93及び固定子磁束94の回転角は、電気角によって表されている。
同期モータに負荷が加えられている場合、図1の(A)に示すように、固定子磁束94の回転位置は、回転子磁束の回転位置よりも進むように制御される。固定子磁束94の回転位置が回転子磁束の回転位置よりも進むことによって同期モータにトルクが発生する。
これに対して、実施例では、固定子コイルに相電流を流してモータを温める際に、d軸方向の固定子磁束の瞬時値を所定しきい値よりも正側にするような相電流が固定子コイルに流される。例えば、正の直流成分を有するd軸方向の固定子磁束を生じさせる相電流が固定子コイルに流される。なお、以下の説明において磁束や電流について使用される用語「直流成分」とは、これら磁束や電流の時間平均値を意味する。また磁束や電流について使用される用語「交流成分」とは、これら磁束や電流の値から直流成分を差し引いた残り成分を意味する。
また実施例では、固定子コイルに相電流を流してモータを温める際に、q軸方向の固定子磁束によって回転子が回転しない相電流が固定子コイルに流される。例えば、直流成分を有しないq軸方向の固定子磁束を生じさせる相電流、すなわち時間平均値がゼロであるq軸方向の固定子磁束を生じさせる相電流を固定子コイルに流す。例えば、q軸方向の固定子磁束を生じさせない相電流が流されてもよい。
相電流が固定子コイルに流れることにより、銅損によるヒータ効果でモータが加熱される。その結果として、回転子に設けられた永久磁石も加熱されるため、低温下における保磁力の低下を回避することができる。なお、以下の説明において、モータを温めるための相電流を固定子コイルに流す動作を「昇温運転」と表記することがある。
さらに、d軸方向の固定子磁束の瞬時値が所定しきい値よりも正側になるように制限されるため、大きな逆磁界が回転子磁石に印加されることが防止され、低温下で昇温運転を行っても不可逆減磁が生じにくくなる。また、q軸方向の固定子磁束が回転子を回転させないため、同期モータが昇温運転中に不要なトルクを発生させることを防止する。
例えば、正の直流成分を有するd軸方向の固定子磁束を生じさせ、直流成分を有しないq軸方向の固定子磁束を生じさせる相電流が流された場合に生じる固定子磁束を、図1の(B)に示す。参照符号96は、固定子磁束の直流成分を示す。固定子磁束の直流成分96の回転角度は回転子磁束の回転位置と等しい。このため、同期モータによる定常的なトルクの発生を防止できる。
また、回転子93には、回転子磁束と同じ方向のゼロでない直流成分を有する固定子磁界が加えられる。このため、回転子93に設けられた永久磁石に加わる逆磁界が低減され、永久磁石が減磁されにくくなる。
以下、実施形態によるモータ制御装置及びモータ制御方法が、電動油圧パワーステアリング装置に適用される場合について説明する。但し、実施形態によるモータ制御装置及びモータ制御方法は、例えば電動パワーステアリング装置に適用されてもよい。また、実施形態によるモータ制御装置及びモータ制御方法は、パワーステアリング装置に使用されるモータだけでなく、様々なモータ、例えば、電気自動車等で車両を走行させるために用いているモータにも適用することが可能である。実施形態によるモータ制御装置及びモータ制御方法は、フェライト永久磁石が設けられた回転子を有する同期モータを使用する様々な装置に適用することが可能である。
図2は、電動油圧パワーステアリング装置の構成図である。参照符号4は、車両の前輪を示す。参照符号2、3、5及び6は、それぞれ前輪4の転舵機構のステアリングホイール、コラムシャフト、ラック及びピニオンを示す。また、参照符号23〜27及び30は、それぞれ車速センサ、エンジン制御装置(EFI−ECU:Electric Fuel Injection - Electronic Control Unit)、警報出力部、車両の始動スイッチ(イグニッションスイッチ)、受信部及び電源を示す。
電動油圧パワーステアリング装置1は、制御部10と、トルクセンサ21と、舵角センサ22と、モータ31と、ポンプ32と、パワーシリンダ33と、位置センサ35を備える。
トルクセンサ21及び舵角センサ22は、それぞれステアリングホイール2の操舵力及び操舵角を検出する。車速センサ23は、車両の速度を検出する。また、エンジン制御装置24は、車両に設けられたエンジンを制御する電子制御装置であって、エンジンの制御を行う際にエンジン回転数を検出する。
制御部10は、トルクセンサ21、舵角センサ22、車速センサ23及びエンジン制御装置24によってそれぞれ検出された操舵力、操舵角、車両速度及びエンジン回転数にしたがって、モータ31を駆動する。また、制御部10には、エンジン制御装置24から車両の始動スイッチ26の状態も送られてくる。始動スイッチ26は、例えば車両のエンジンを始動させるスイッチであってよい。ハイブリッド車や電気自動車、燃料電池車の場合には、始動スイッチ26は車両に搭載された電気機器や電子機器を始動するスイッチであってよい。
受信部27は、車両から離れた場所にいるユーザが遠隔操作器28を操作した場合に到来する遠隔操作信号Sを受信する。受信部27は、遠隔操作信号Sに応じて始動スイッチ26をオンする。このような技術の一例として、リモートエンジンスタータがある。遠隔操作器28は、例えば携帯電話や、携帯情報端末又は専用のコントローラであってよい。
モータ31は、負荷としてのポンプ32に動力を供給する三相同期モータ(直流ブラシレスモータ)である。例えばモータ31は、フェライト永久磁石同期モータであってよい。ポンプ32は、パワーシリンダ33の油室に油圧を供給することによって、前輪4の転舵機構のラック5に、運転者の操舵力を補助する補助力を加える。
制御部10は、モータ制御部40と、インバータ50と、プリドライバ51を備える。モータ制御部40は、トルクセンサ21、舵角センサ22、車速センサ23及びエンジン制御装置24によってそれぞれ検出された操舵力、操舵角、車両速度及びエンジン回転数にしたがって、モータ31の制御信号を生成する。
位置センサ35は、モータ31の回転子の回転位置を検出する。位置センサ35は、例えば同期モータの回転子の回転位置を検出するホールセンサやレゾルバであってよい。モータ31の制御信号を生成する際、モータ制御部40は、位置センサ35の検出信号に従って、通電する相コイルを決定する。モータ制御部40は、モータ31の各相コイルへ流れる相電流、すなわち駆動電流を制御するスイッチング素子をオンオフするPWM(Pulse Width Modulation)制御信号を出力する。
プリドライバ51は、モータ制御部40から出力されるPWM制御信号を増幅してインバータ50に供給する。インバータ50は、電源30からモータ31の各相コイルへ流れる駆動電流を制御するスイッチング素子を有する。インバータ50は、プリドライバ51により増幅されたPWM制御信号に従ってスイッチング素子を駆動する。
インバータ50には、インバータ内の温度を検出する温度センサ52と、モータ31の全相電流を検出する電流センサ53が設けられる。モータ制御部40は、温度センサ52により検出される温度及び電流センサ53により検出される電流値に応じて、電動油圧パワーステアリング装置1の異常の発生を検出する。モータ制御部40は、異常を知らせる警報を、警報出力部25を経由して運転者に出力する。警報出力部25は、車両のメータでもよくナビゲーション装置でもよい。
モータ31のいずれかの部位に、温度センサ34が設けられていてよい。モータ制御部40は、温度センサ34の出力信号に基づいて、モータ31について測定された温度の測定値であるモータ温度Tmを決定する。モータ制御部40は、モータ温度Tmが所定の温度Tt1よりも低い場合にモータ31の昇温運転を実施する。
続いて、図2に示すモータ制御部40の構成及び動作について説明する。図3は、モータ制御部40の構成図である。モータ制御部40は、ポンプ流量指令部41と、モータ回転数指令部42と、回転子位置/回転数判定部43と、減算部44と、電流制御部45と、座標変換部46と、PWM制御信号生成部47と、故障判定部48と、昇温制御部49を備える。
ポンプ流量指令部41は、トルクセンサ21、舵角センサ22及び車速センサ23によってそれぞれ検出された操舵力、操舵角及び車両速度にしたがって、ポンプ32から吐出される作動油の流量の指令値を算出する。このポンプ流量指令部41では、操舵力や操舵角によって検出するステアリングホイール2の操舵状態に基づいて流量の基本量を算出し、この算出した流量を車速に基づいて、車速が高くなるほど流量が小さくなるように補正することで、作動油の流量の指令値を算出する。
また、ポンプ流量指令部41は、エンジン制御装置24から送られてくるエンジン回転数から判断したエンジンの駆動状態に基づいて、ポンプ32を駆動させることによる操舵補助制御の実施可否を判断する。詳細には、エンジンが駆動していない状態にあると判断したときには、ポンプ32を駆動するための電力を供給する電源30への充電を行う、図示しないオルタネータが発電を行っていない状態にあると判断し、電源30の充電率の低下を防ぐために操舵補助制御を行わないようにする。なお、作動油の流量の指令値を生成する際に、ステアリングホイール2の操作状態を検出するためのセンサとしては、トルクセンサ21と舵角センサ22の一方のみを用いる構成でも良い。
モータ回転数指令部42は、ポンプ流量指令部41により算出される作動油の流量の指令値に従って、モータ31のモータ回転数の指令値である回転数指令値を算出する。
回転子位置/回転数判定部43は、位置センサ35の出力信号に従って、モータ31の回転子の回転位置と、モータ31のモータ回転数を判定する。減算部44は、回転数指令値と、回転子位置/回転数判定部43により算出されたモータ31の現在のモータ回転数との差分を算出する。
電流制御部45は、モータ回転数の差分に応じて発生トルクを算出し、算出されたトルクを発生させるためのd軸電流目標値Idとq軸電流目標値Iqを算出する。d軸電流目標値Idは、算出されたトルクを生じる固定子磁界のd軸磁界成分を発生させるために固定子コイルに流す電流成分である。以下の説明では、d軸電流目標値が正であるときに発生するd軸磁界成分の向きは、回転子磁束の向きと同一方向である。また、q軸電流目標値Iqは、算出されたトルクを生じる固定子磁界のq軸磁界成分を発生させるために固定子コイルに流す電流成分である。電流制御部45は、目標電流設定部の一例である。
座標変換部46は、モータ31の回転子の回転位置に従って、d軸電流目標値Id及びq軸電流目標値Iqを、相電流目標値Iu、Iv及びIwへ変換する。相電流目標値Iu、Iv及びIwは、モータ31の各相の固定子コイルに流す電流の目標値である。
PWM制御信号生成部47は、相電流目標値Iu、Iv及びIwに従って、インバータ50内のスイッチング素子をオンオフさせるPWM制御信号を生成する。PWM制御信号生成部47は、インバータ50内のスイッチング素子のオンオフを切り替えることにより、電源30からモータ31の各相コイルへ流れる相電流を制御する。座標変換部46、PWM制御信号生成部47及びインバータ50は、駆動制御部の一例である。
故障判定部48は、温度センサ52により検出される温度及び電流センサ53により検出される電流値に応じて、電動油圧パワーステアリング装置1の異常の発生を検出する。また、故障判定部48は、異常を知らせる警報を、警報出力部25を経由して運転者に出力する。
以上のようにして、モータ制御部40は、トルクセンサ21、舵角センサ22、車速センサ23及びエンジン制御装置24によってそれぞれ検出された操舵力、操舵角、車両速度及びエンジン回転数にしたがってモータ31の回転を制御する。このようなモータ制御部40によるモータ31の制御動作を、以下の説明において「通常運転」と表記することがある。
昇温制御部49は、モータ31に設けられた温度センサ34の出力信号に基づいて、モータ温度Tmを決定する。昇温制御部49は、モータ温度Tmが所定の温度Tt1よりも低い場合、モータ31の昇温運転の実行を指示する昇温指示信号を電流制御部45へ出力する。
昇温指示信号を受信した場合、電流制御部45は、d軸電流目標値Idの瞬時値として所定しきい値よりも正側の値、すなわち所定のしきい値よりも高い値を与える。例えば電流制御部45は、d軸電流目標値Idに対し正の直流成分を与えてよい(すなわち、d軸電流目標値Idの時間平均値を正にしてよい)。また、昇温指示信号を受信した場合、電流制御部45は、q軸磁界成分が回転子を回転させないにようにq軸電流目標値Iqを決定する。例えば電流制御部45は、q軸電流目標値Iqの直流成分をゼロにしてよい(すなわち、q軸電流目標値Iqの時間平均値をゼロにしてよい)。また例えば、電流制御部45は、q軸電流目標値Iqをゼロにしてよい。なお、昇温運転時における電流制御部45による、d軸電流目標値Id及びq軸電流目標値Iqの設定例については、後述にさらに説明する。
その後、昇温制御部49は、モータ温度Tmが所定の温度Tt2よりも高くなった場合、昇温指示信号の出力を停止する。温度Tt2は温度Tt1と同じか、Tt1より高い値であってよい。昇温指示信号の出力が停止すると、電流制御部45は通常運転を再開する。もしくは、モータ温度Tmが温度Tt2よりも高くなった場合、モータ制御部40は、昇温運転を停止させて通常運転の再開を指示する再開信号を電流制御部45に指示する。
モータ制御部40は、昇温運転中に、所定のメッセージを含む警報を、警報出力部25を経由して運転者に出力する。所定のメッセージは、例えば低温のため操舵補助が出来ないことを知らせるメッセージであってよい。またメッセージは、例えば操舵補助が可能になるまでの待ち時間を知らせるメッセージであってよい。
本実施例の場合、昇温運転中にモータ31がトルクを発生しないため、電動油圧パワーステアリング装置1は操舵補助を行わない。上記メッセージを出力することによって、操舵補助が出来ない状態での運転をやめることを運転者に促し、運転者が違和感又は不安を感じることを回避する。
続いて、モータ制御部40によって行われる処理を説明する。図4は、モータ制御部40の処理の第1例の説明図である。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションAA〜AEの各オペレーションはステップであってもよい。なお、以下のオペレーションAA〜AEは、車両のエンジン又は動力用モータが始動した直後に実施されてよい。この場合、オペレーションAA〜AEをモータ31の静止中に実施してよい。
オペレーションAAにおいて昇温制御部49は、温度センサ34の出力信号を取得する。オペレーションABにおいて昇温制御部49は、モータ温度Tmを判定する。
オペレーションACにおいて昇温制御部49は、モータ温度Tmが温度Tt1よりも低いか否かを判定する。モータ温度Tmが温度Tt1よりも低い場合(オペレーションAC:Y)には、処理はオペレーションADへ進む。モータ温度Tmが温度Tt1よりも低くない場合(オペレーションAC:N)には、処理はオペレーションAEへ進む。
オペレーションADにおいて昇温制御部49は、昇温指示信号を電流制御部45へ出力する。この結果、以下に説明する昇温運転処理が実施される。昇温運転処理が終了すると、処理はオペレーションAAへ戻る。
オペレーションAEにおいて、昇温制御部49は、昇温指示信号を出力しない。この結果、電流制御部45は通常運転を実施する。その後処理はオペレーションAAへ戻る。
図5は、図4に示す昇温運転処理ADの第1例の説明図である。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションBA〜BFの各オペレーションはステップであってもよい。
オペレーションBAにおいてモータ制御部40は、所定のメッセージを含む警報を、警報出力部25を経由して出力する。
オペレーションBBにおいて電流制御部45は、d軸電流目標値Idとして、瞬時値が所定しきい値よりも正側の値を持つ電流値を指定する。また、電流制御部45は、q軸電流目標値Iqの値をq軸磁界成分が回転子を回転させないにように指定する。電流制御部45は、d軸電流目標値Id及びq軸電流目標値Iqを、座標変換部46へ出力する。
オペレーションBCにおいて回転子位置/回転数判定部43は、モータ31の回転子の回転位置を判定する。座標変換部46は、モータ31の回転子の回転位置に従って、d軸電流目標値Id及びq軸電流目標値Iqを、相電流目標値Iu、Iv及びIwへ変換する。
オペレーションBDにおいてPWM制御信号生成部47は、相電流目標値Iu、Iv及びIwに従って、PWM制御信号を生成する。プリドライバ51を介して出力されるPWM制御信号によってインバータ50が制御される。
オペレーションBEにおいて昇温制御部49は、温度センサ34の出力信号を取得し、モータ温度Tmが温度Tt2より高いか否かを判定する。モータ温度Tmが温度Tt2より高い場合(オペレーションBE:Y)には、処理はオペレーションBFへ進む。
モータ温度Tmが温度Tt2よりも高くない場合(オペレーションBE:N)には、処理はオペレーションBBへ戻る。なお、昇温運転中にd軸電流目標値Id及びq軸電流目標値Iqを変更しない場合には、オペレーションBBを再度実行しなくてよい。以下に説明する他の実施例においても同様である。
オペレーションBFにおいて昇温制御部49は、昇温指示信号の出力を停止し、昇温運転処理を終了する。もしくは、モータ制御部40は、通常運転の再開を指示する再開信号を電流制御部45に指示する。また、昇温制御部49は警報の出力を停止する。
本実施例によれば、固定子コイルに流れる相電流により生じる銅損によってモータを温めることができる。このため、低温下における回転子の永久磁石の保磁力の低下を回避することができる。
本実施例によれば、加熱用の相電流を流す間にモータ31のトルクが発生しない。このため、本来の駆動電流と異なる加熱用電流を流しても、モータが不本意な動作をすることを防止できる。
また本実施例によれば、回転子の永久磁石に大きな逆磁界が印加されることが防止される。このため、低温下で昇温運転を行っても永久磁石が減磁されにくくなる。
続いて、昇温運転中に電流制御部45から出力されるd軸電流目標値Id及びq軸電流目標値Iqの例を説明する。図6の(A)〜図6の(C)は、d軸電流目標値Idの例を示す図である。
例えば図6の(A)に示すように、d軸電流目標値Idは、正の直流成分idcのみを有していてもよい。また、図6の(B)に示すように、d軸電流目標値Idは、正の直流成分idcと交流成分を有していてもよい。d軸電流目標値Idが交流成分を持つことで、永久磁石内に渦電流が発生し、より昇温効果を高めることができる。この場合、電流制御部45は、d軸電流目標値Idの瞬時値が下限しきい値itよりも高い値になるように、d軸電流目標値Idを決定する。図6の(B)に示すように、下限しきい値itの値は、ゼロよりも小さくてもよい。また、電流制御部45は、モータ温度Tmや周囲温度に応じて下限しきい値itを変えてもよい。
図6の(C)に示すように、下限しきい値itの値はゼロよりも大きくてもよい。この場合、回転子の永久磁石に逆磁力が印加されないので減磁防止の観点から望ましい。例えば、電流制御部45は、d軸電流目標値Idの交流成分の振幅Aを、直流成分idcよりも小さく設定する。
一方でq軸電流目標値Iqは、例えばゼロであってよい。また、例えば電流制御部45は、q軸磁界成分が回転子に加える回転力の回転方向を交番することにより回転子が回転しないようにq軸電流目標値Iqを設定してもよい。例えば、電流制御部45は、q軸電流目標値Iqに、モータ31を始動可能な駆動電流の最大周波数よりも高い周波数の交流成分を加えてもよい。このような高周波のq軸電流目標値Iqを与えてもモータ31は回転を始めない。
続いて、図3に示すモータ制御部40が実施する他の昇温運転の例について説明する。昇温制御部49は、例えばインバータ50とモータ31が一体の装置である場合には、インバータ50の過熱検知用に設けられた温度センサ52の出力信号に基づいて、モータ31のモータ温度Tmを推定してよい。
また、モータ31の駆動電流は相コイルの温度に応じて変化するため、昇温制御部49は、モータ31の相電流を検出する電流センサ53の出力信号に基づいて、モータ31のモータ温度Tmを推定してよい。
温度センサ52及び電流センサ53は、モータ31の温度を直接検出するセンサではない。このため、昇温制御部49は例えば、表1に示すようなセンサ出力値とモータ温度Tmとの対応テーブルを予め記憶しておき、センサ出力値に対応するモータ温度Tmの推定値をテーブルから探してもよい。
Figure 2012186917
例えば、表1は、センサ出力値がそれぞれva1、va2、va3、…、vaxであるときのモータ温度の推定値が、tm1、tm2、tm3、…、tmxであることを示す。または、昇温制御部49は、所定の算出式に従って、温度センサ52又は電流センサ53の出力値からモータ温度Tmを推定してもよい。
また、モータ温度Tmを温度Tt1と比較する代わりに、温度センサ52又は電流センサ53の出力値を、所定の基準値と直接比較することにより、昇温運転を開始するか否かを判定してもよい。
モータ31の温度センサ34に代えてインバータ50の温度センサ52を使用する場合、昇温運転によるモータ31及びインバータ50の温まり易さの相違から、温度センサ52の出力信号に基づいて昇温運転の停止条件を判定することが困難な場合もある。この場合、以下の図7を参照して説明するように、昇温運転開始後、所定期間ΔTが経過した場合に昇温運転を終了してよい。
図7は、図4に示す昇温運転処理ADの第2例の説明図である。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションCA〜CHの各オペレーションはステップであってもよい。なお、温度センサ34の出力信号に応じてモータ温度Tmを決定する場合においても、以下に示す昇温運転処理を実施してよい。
オペレーションCAにおいてモータ制御部40は、所定のメッセージを含む警報を出力する。オペレーションCBにおいて所定期間ΔTを決定する。昇温制御部49は、決定したモータ温度Tmに応じて所定期間ΔTを変えてもよい。オペレーションCCにおいて昇温制御部49は、タイマーを始動することによって計時を開始する。
オペレーションCDにおいて電流制御部45は、d軸電流目標値Idとq軸電流目標値Iqの値を指定する。電流制御部45は、d軸電流目標値Id及びq軸電流目標値Iqを、座標変換部46へ出力する。
オペレーションCEにおいて回転子位置/回転数判定部43は、モータ31の回転子の回転位置を判定する。座標変換部46は、d軸電流目標値Id及びq軸電流目標値Iqを、相電流目標値Iu、Iv及びIwへ変換する。
オペレーションCFにおいてPWM制御信号生成部47は、相電流目標値Iu、Iv及びIwに従って、PWM制御信号を生成する。
オペレーションCGにおいて昇温制御部49は、所定期間ΔTが経過したか否かを判定する。所定期間ΔTが経過した場合(オペレーションCG:Y)、処理はオペレーションCHへ進む。所定期間ΔTが経過しない場合(オペレーションCG:N)、処理はオペレーションCDへ戻る。
オペレーションCHにおいて昇温制御部49は、昇温運転処理を終了する。また、昇温制御部49は警報の出力を停止する。
本実施例によれば、インバータ50の過熱検知用の温度センサ52や電流センサ53を使用して昇温運転開始の可否を判定することが可能となる。このため、温度センサ34を備えないモータ31においても上述のモータ制御が可能となる。
次に、昇温運転の開始条件の他の判定方法の例について説明する。フェライト磁石の保磁力は磁石が低温になるにつれて弱くなるが、同じ温度であっても逆磁界の強さに応じて減磁が生じるかどうかが定まる。図8を参照してこの様子を説明する。
図8は、フェライト磁石の減磁曲線を示すグラフである。点線60及び実線61はそれぞれ磁石の温度が20℃及び−60℃の場合のB−H曲線を示す。参照符号62は、磁石の温度が20℃の場合におけるB−H曲線の折れ曲がり箇所を示し、参照符号63は、磁石の温度が−60℃の場合におけるB−H曲線の折れ曲がり箇所を示す。
減磁は、折れ曲がり箇所の磁界よりも強い逆磁界が印加された場合に生じる。例えば、温度20℃で逆磁界Hが印加された場合、磁界と磁束密度はA点で示される。この場合、折れ曲がり箇所の磁界よりも弱い逆磁界が印加されているため減磁は生じない。一方で、温度−60℃で逆磁界Hが印加された場合、磁界と磁束密度はB点で示される。この場合、折れ曲がり箇所の磁界よりも強い逆磁界が印加されているため、常温(例えば20℃)に戻しても磁束密度が元の大きさまで戻らない減磁(不可逆減磁)が発生する。
従って、例えば、回転子の永久磁石に印加される恐れがある逆磁界の最大値を、モータ31が生じる固定子磁界と仮定する。昇温制御部49は、回転子磁石に関する既知の減磁曲線のB−H曲線の折れ曲がり箇所の磁界よりも、固定子磁界が強くなるか否かをモータ温度Tmに応じて判定することにより、昇温運転を開始するか否かを判定してもよい。
昇温制御部49は、モータ31の駆動電流や、d軸電流目標値Id及びq軸電流目標値Iqなどに基づいて、モータ31が生じる固定子磁界を判定してよい。
本実施例によれば、モータ31が発生させる磁界の強度に応じて、昇温運転が実施される温度を調整することができるため、無駄な昇温運転の実施が抑制される。
なお、車両から離れた場所にいるユーザが、遠隔操作器28により始動スイッチ26をオンする場合に昇温運転を行うことで効果的に昇温を行うことができる。すなわち、昇温運転は減磁が発生することを防止することはできるが、昇温運転の間はモータ31を回転駆動させないので、モータ31本来の機能である操舵補助を行うことができない。しかし、遠隔始動が実施される際には、基本的に車両内には乗員がおらず、乗員による操舵が行われないので、上記のような問題はない。
図9の(A)は、始動スイッチ26が遠隔操作でオンにされる場合のモータ制御部40の処理の一例の説明図である。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションDA〜DCの各オペレーションはステップであってもよい。
始動スイッチ26がオンになった場合、オペレーションDAにおいて図3に示す昇温制御部49は、始動スイッチ26が遠隔操作によってオンされたか否かを判定する。例えば、昇温制御部49は、受信部27が始動スイッチ26をオンにする制御信号を受信することによって、始動スイッチ26が遠隔操作によってオンされたか否かを判定してよい。始動スイッチ26が遠隔操作によってオンされた場合(オペレーションDA:Y)には、処理はオペレーションDBへ進む。始動スイッチ26が遠隔操作によってオンされていない場合(オペレーションDA:N)には、処理はオペレーションDCへ進む。
オペレーションDBにおいて昇温制御部49は、昇温運転処理を実施する。昇温運転処理が終了すると、処理はオペレーションDCへ進む。昇温制御部49は、図5を参照して説明した処理と同様に、モータ温度Tmが温度Tt2より高くなったとき昇温運転を終了してよい。また、昇温制御部49は、図7を参照して説明した処理と同様に、所定期間ΔTが経過したとき昇温運転を終了してよい。以下の実施例でも同様である。
オペレーションDCにおいて、始動スイッチ26がオンになることによって始動した車両の各装置がオフになることで、一連の処理が終了する。なお、オペレーションDBの昇温運転において、モータ制御部10は、乗員が始動スイッチ26を手動で操作した場合や、乗員が車両に搭乗した場合に昇温運転を終了する動作モードを有していてよい。このとき、モータ制御部10はそのまま通常運転に移行してよい。例えば、モータ制御部10は、車両のドアの開閉を検出するセンサの検出信号を受信し、ドアが開閉したとき乗員が登場したと判断してよい。ユーザは、始動スイッチ26の手動操作時や乗員の搭乗時に通常運転に移行する動作モード若しくは車両の各装置を一度オフにする動作モードのいずれのモードでモータ制御部10が動作するかを予め選択してよい。モータ制御部10は、ユーザによって選択された動作モードを記憶しておき、始動スイッチ26の手動操作時や乗員の搭乗時に、ユーザが選択した動作モードに従って動作してよい。
図9の(B)は、始動スイッチ26が遠隔操作でオンにされる場合のモータ制御部40の処理の他の例の説明図である。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションEA〜EFの各オペレーションはステップであってもよい。
始動スイッチ26がオンになった場合、オペレーションEAにおいて図3に示す昇温制御部49は、始動スイッチ26が遠隔操作によってオンされたか否かを判定する。始動スイッチ26が遠隔操作によってオンされた場合(オペレーションEA:Y)には、処理はオペレーションEBへ進む。始動スイッチ26が遠隔操作によってオンされていない場合(オペレーションEA:N)には、処理はオペレーションEFへ進む。
オペレーションEBにおいて昇温制御部49は、温度センサ34の出力信号を取得する。オペレーションECにおいて昇温制御部49は、モータ温度Tmを判定する。オペレーションEDにおいて昇温制御部49は、モータ温度Tmが温度Tt1よりも低いか否かを判定する。モータ温度Tmが温度Tt1よりも低い場合(オペレーションED:Y)には、処理はオペレーションEEへ進む。モータ温度Tmが温度Tt1よりも低くない場合(オペレーションED:N)には、処理はオペレーションEFへ進む。
オペレーションEEにおいて昇温制御部49は、昇温運転処理を実施する。昇温運転処理が終了すると、処理はオペレーションEFへ進む。オペレーションEFにおいて、始動スイッチ26がオンになることによって始動した車両の各装置がオフになることで、一連の処理が終了する。なお、オペレーションEEの昇温運転において、モータ制御部10は、乗員が始動スイッチ26を手動で操作した場合や、乗員が車両に搭乗した場合に昇温運転を終了する動作モードを有していてよい。このとき、モータ制御部10はそのまま通常運転に移行してよい。
本実施例によれば、乗員が登場していない間に昇温運転を実施しておくことができるので、昇温運転により乗員の操舵補助ができない期間を低減もしくは防止することができる。
1 電動油圧パワーステアリング装置
2 ステアリングホイール
3 コラムシャフト
4 前輪
5 ラック
6 ピニオン
30 電源
33 パワーシリンダ
34 温度センサ
45 電流制御部
46 座標変換部
47 PWM制御信号生成部
49 昇温制御部

Claims (11)

  1. 低温時に減磁する特性をもつ永久磁石が設けられた回転子を有するモータの制御を行うモータ制御装置であって、
    前記モータの回転子磁束と平行なd軸磁界成分を発生させるd軸電流目標値の瞬時値に、所定しきい値よりも正側の値で、かつ、所定期間におけるd軸電流目標値の平均値がゼロより正側となる値を設定し、前記回転子磁束と直交するq軸磁界成分を発生させるq軸電流目標値に前記回転子が回転しない値を設定する目標電流設定部と、
    前記d軸電流目標値と前記q軸電流目標値に基づいて、前記モータの固定子のコイルに駆動電流を流す制御を行う駆動制御部と、
    を備えることを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記目標電流設定部は、前記d軸電流目標値として正の一定値を設定することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記目標電流設定部は、前記d軸電流目標値として時間とともに変化する値を設定することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  4. 前記所定しきい値が負の値であることを特徴とする請求項3に記載のモータ制御装置。
  5. 前記目標電流設定部は、前記q軸電流目標値をゼロに設定することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  6. 前記目標電流設定部は、前記q軸磁界成分が前記回転子に加える回転力の回転方向を交番することにより前記回転子が回転しない値を前記q軸電流目標値として設定する請求項1に記載のモータ制御装置。
  7. 前記目標電流設定部は、前記モータの温度が第1温度よりも低いと判断した場合、前記d軸電流目標値の瞬時値に前記所定しきい値よりも正側の値を設定し、前記q軸電流目標値に前記回転子が回転しない値を設定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  8. 前記目標電流設定部は、所定時間に亘って、前記d軸電流目標値の瞬時値に前記所定しきい値よりも正側の値を設定し、前記q軸電流目標値に前記回転子が回転しない値を設定することを特徴とする請求項7に記載のモータ制御装置。
  9. 前記目標電流設定部は、前記モータの温度が第2温度よりも高いと判断するまで、前記d軸電流目標値の瞬時値に前記所定しきい値よりも正側の値を設定し、前記q軸電流目標値に前記回転子が回転しない値を設定することを特徴とする請求項7に記載のモータ制御装置。
  10. 前記モータは車両に搭載される車載モータであって、
    前記目標電流設定部は、遠隔操作により前記車両の始動スイッチがオンになった場合に、前記d軸電流目標値の瞬時値に前記所定しきい値よりも正側の値を設定し、前記q軸電流目標値に前記回転子が回転しない値を設定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  11. 低温時に減磁する特性をもつ永久磁石が設けられた回転子を有するモータの回転子磁束と平行なd軸磁界成分を発生させるd軸電流目標値の瞬時値に、所定しきい値よりも正側の値で、かつ、所定期間におけるd軸電流目標値の平均値がゼロより正側となる値を設定し、前記回転子磁束と直交するq軸磁界成分を発生させるq軸電流目標値に、前記回転子が回転しない値を設定し、
    前記d軸電流目標値と前記q軸電流目標値に基づいて、前記モータの固定子のコイルに駆動電流を流す、ことを特徴とするモータ制御方法。
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