JP2012185131A - 力学量センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】IDTを用いてバースト信号の遅延時間変化より力学量を検地する表面弾性波力学量センサにおける位相誤測定を解決する。
【解決手段】ベース基板103と、前記ベース基板103の一方の面に接合され、前記ベース基板103との間に気密封止されたキャビティを形成する封止基板105と、前記ベース基板103に接合され、前記キャビティ内に配設された面内圧電等方性を有する圧電性基板101と、前記圧電性基板101の前記ベース基板103に接する面と反対の面上に形成されたIDT107と、を備え、前記IDT107は、円弧形状に形成されると共に、各電極指が同心円状に形成され、前記封止基板107¥5は、前記キャビティ側の面上に突起部104を有するとともに、前記突起部104の先端は、前記同心円の中心に接触していることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、表面弾性波(Surface Acoustic Wave)に基づく力学量センサに関し、特にその表面弾性波を励振するための励振電極構造、力学量印加構造及びセンサの実装構造に関する。
この種のセンサは、振動及び電磁ノイズに強い事から、タイヤの空気圧センサ等への応用が強く望まれているセンサとして知られている。
上記センサは、水晶発振器と同様な共振子型発振回路によって励振された発振周波数の変化を力学量として検知する構成である(特許文献1参照)。この方式においては、数十〜数百MHzの高周波の定常的発振状態を維持するために、消費電力が非常に大きくなってしまうという問題があった。
この問題を解決するために、表面弾性波を利用するIDT(Inter Digital Transducer)を用いた遅延線型の力学量センサが提案されている(非特許文献1参照)。この遅延線型の力学量センサは、印加力学量の大きさによって、バースト信号波の遅延時間が変化する現象を利用したセンサである。
英国特許第2386684号明細書
:Shuhei Hashimoto,Jan H.Kuypers,Shuji Tanaka,Masayoshi Esashi、「Design and Fabrication of Passive Wireless SAW sensor for Pressure Measurement」、電気学会論文誌E、2008年、128巻5号、pp230−pp234
図9は表面弾性波素子の励振原理を説明する図である。図9(a)は、表面弾性波素子の平面図であり、図9(b)はその側面図である。
図9(a)において、圧電性基板501上に極性の違う等間隔の電極が形成されている。この等間隔に形成された電極がIDT507である。このIDT507の周期長Pと圧電性基板501の持つ表面弾性波の音速Vとによって、励振周波数Fが次式のとおり決定される。
Figure 2012185131
このとき、励振される振動変位は、IDT507が形成されている圧電性基板501の表面に局在した振動変位となる。この振動変位が図9(b)に示すレイリー波として知られている振動変位504である。
図10は、従来の遅延線型の力学量センサの構成とその原理を説明する図である。図10(a)は、遅延線型のIDTの構成を示す平面図である。
図10(a)において、圧電性基板601の表面に信号を送信する送信用IDT617と信号を受信する受信用IDT627が形成されている。これら送信用IDT617と受信用IDT627との周期長は双方同じである。この周期長と圧電性基板601のもつ表面弾性波の音速とで決定される周波数のバースト波が送信用IDT617に入力されると、圧電性基板601の伝搬部604に、受信用IDT627に向かう進行波613が発生する。この進行波613が受信用IDT627に入力されると、圧電効果によって電気信号に変換される。この進行波613の伝搬する距離が、図10(a)の伝搬距離Lである。
図10(b)は、図10(a)に示す力学量センサに、力学量として圧力が印加された時の圧電性基板601の模式的変形図である。印加圧力Pが、圧電性基板601の伝搬部604に印加されると、圧電性基板601は、図10(b)に示すように、屈曲変位を起こす。このとき、図10(a)に示す伝搬距離Lが、図10(b)に示す伝搬距離L+ΔLに変化する。この伝搬距離変化量ΔLは印加圧力に比例する。伝搬距離がΔLだけ増加すると、伝搬部604を伝搬する進行波623が受信用IDT627に到達する時間は圧力印加前と比較して遅延する。すなわち、この遅延時間の変化を検知する事で、圧力を計測できる。
図11は、図10に示す力学量センサにおけるバースト信号の入出力特性を示す図である。図11において、縦軸は電圧、横軸は時間である。
図10(a)に示す送信用IDT617における信号波形が送信信号波形610である。また、バースト波による信号が送信信号611である。また、受信用IDT627における信号波形が受信信号波形612である。また、送信バースト信号611が伝搬部604を伝搬し、受信用IDT627にて受信された時の信号が、受信バースト信号613である。また、送信バースト信号611と受信バースト信号613との時間差が遅延時間τである。この遅延時間τが、図10(b)に示す印加圧力Pによって変動する。この遅延時間τを計測する方式が、従来の力学量センサの原理である。
図12は、遅延線型の表面弾性波圧力センサに関する特性を模式的に示した図である。図12では、縦軸が遅延時間τ、横軸が印加圧力Pである。図10に示す遅延時間τは、印加圧力Pに対して、直線615にて示すように、ほぼ直線的に変化している。すなわち、図12に示す遅延時間τの変化量Δτを観測する事によって、印加圧力Pの変化量ΔPが検出できる。なお、以下、力学量センサの説明にあたって、力学量として圧力を用いて、説明をしていく事にする。
通常、送信バースト信号と遅延信号の位相差を計測する手法が用いられている(非特許文献1参照)。ところが、この位相差を測定する方式においては、位相の誤測定という大きな問題があった。この問題を図13及び図14を用いて説明する。
図13は、受信信号の遅延時間と位相との関係を説明する図である。図13において、縦方向が電圧、横方向が時間を示す。
図13において、送信するバースト信号の波形が送信信号波形710である。この送信信号波形710は、振幅一定の4周期のバースト信号であり、その周期はτ0である。圧力印加前後における受信信号のうち、圧力印加前の受信信号の波形が受信信号波形712であり、圧力印加後の受信信号の波形が受信信号波形722である。
圧力印加前の遅延時間の測定位置は、受信信号波形712の最大振幅位置である測定点705である。また、圧力印加後の遅延時間の測定位置は、受信信号波形722の最大振幅位置である測定点706である。
また、受信信号波形712の遅延時間がτ1である。また、受信信号波形712の遅延時間がτ2である。これらの遅延時間は、これらの受信信号波形の測定点705と測定点706で計測される時間である。
圧力印加によって、圧力印加後の遅延時間τ2は、圧力印加前の遅延時間τ1と比較して遅延している。このときの遅延時間差は、測定点705と測定点706の測定時間差であり、遅延時間差Δτで示される。この遅延時間差Δτは、図12に示すように、印加圧力Pの変化に対応している。
圧力印加前の受信信号波形712と送信信号波形710との位相差は、図13に示す位相差θ1である。それ対して、圧力印加後の受信信号波計722とバースト波形710との位相差は、図13に示す位相差θ2である。
圧力印加後の受信信号波形722と送信信号波形710との本来の位相差θPは、図13に示すΔτとθ1とを用いて、次式のとおり表せる。
Figure 2012185131
しかし、θPが送信信号波形710の周期τ0よりも大きいと、実際の位相差計測では、このτ0の大きさは考慮されない。すなわち、Nをゼロでない整数として、θPが以下の不等式を満足している場合、次式のとおり表される。
Figure 2012185131
このとき、圧力印加後の受信信号波形722と送信信号波形710との計測上の位相差θは、次式の通り表される。
Figure 2012185131
このため、θは、次式の範囲でしか定義することができない。
Figure 2012185131
従って、実際の位相差θPと大きくかけ離れた値として誤測定されてしまう。図13に示す圧力印加後の受信信号波形722の位相差θ2は、この誤測定による結果の値である。
図14は、位相差θと印加圧力Pとの関係を説明する図である。図14において、縦軸は位相差θ、横軸は印加圧力Pである。位相差θと圧力Pとの関係を示す特性曲線801は、位相差θがバースト波の周期τ0以上の大きさになると式(4)にしたがって、不連続に変化し、特性曲線802、特性曲線803とに遷移してしまう。そのため、特定範囲の圧力変化しか計測できない。
以上のように、位相差計測の誤測定は、従来の測定方法では避けられない問題である。この問題を解決するために各種のアルゴリズムが提案されているが、そのアルゴリズムの複雑さや精度の観点から、非常に大きな問題となっている。本発明は、この遅延線型のIDTを用いた際に生じる位相差の誤測定の問題を解決する力学量センサを提供する。
本発明は上記課題を解決するために、以下の手段を提供する。
本発明に係る力学量センサは、ベース基板と、前記ベース基板の一方の面に接合され、前記ベース基板との間に気密封止されたキャビティを形成する封止基板と、前記ベース基板に接合され、前記キャビティ内に配設された面内圧電等方性を有する圧電性基板と、前記圧電性基板の前記ベース基板に接する面と反対の面上に形成されたIDTと、を備え、前記IDTは、円弧形状に形成されると共に、各電極指が同心円状に形成され、前記封止基板は、前記キャビティ側の面上に突起部を有するとともに、前記突起部の先端は、前記同心円の中心に接触していることを特徴とする。
本実施例の構成を備えることにより、表面弾性波の振幅変化に対して精度のよい計測ができるため、力学量変化を効率的に検出することができる。また、キャビティ内を気密封止する場合、励振される表面弾性波のQ値の低下を抑制することができる。
また、前記IDTは、バースト信号を送信する送信用IDTとバースト信号を受信する受信用IDTとで構成され、前記送信用IDTと前記受信用IDTとは、前記同心円の中心を通る直線に対して互いに鏡面対称に配置されていることを特徴とする。
また、前記圧電性基板には、さらに前記送信用IDTの外周側に送信側反射器が円弧状に形成され、前記送信側反射器は、前記送信用IDTと対向する位置に配置されるとともに、前記送信用IDTと同心円状に形成されることを特徴とする。
このように送信側反射器が形成されているため、送信用IDTの外周に向かう進行波成分を反射させて、受信用IDTに向かわせることができる。
また、前記圧電性基板には、さらに前記受信用IDTの外周側に受信側反射器が円弧状に形成され、前記受信側反射器は、前記受信用IDTと対向する位置に配置されるとともに、前記受信用IDTと同心円状に形成され、前記送信側反射器及び前記受信側反射器は、前記同心円の中心を通る直線に対して互いに鏡面対称に配置されることを特徴とする。
受信側反射器を形成する事で、受信用IDTで受信せず通過してしまう進行波成分を反射させ、受信用で再度、受信させる事ができる。
また、前記圧電性基板には、さらにベース基板に接する面と反対の面上に第1の反射器が形成され、前記第1の反射器は、前記IDTと同心円状に形成されるとともに、前記IDTの交差幅と同一の交差幅に形成され、前記IDTと前記第1の反射器とは、前記同心円の中心を通る直線に対して互いに鏡面対称に配置されることを特徴とする。
このように構成することで、センサに必要な電力を減らすことができるため、パッシブ型の力学量センサとして構成することができる。従って電力供給部が必要ではなくなるため、センサの構成を簡易なものにすることができる。
また、前記圧電性基板には、さらに前記IDTの外周側に第2の反射器が円弧状に形成され、前記第2の反射器は、前記IDTと対向する位置に配置されるとともに、前記IDTと同心円状に形成されることを特徴とする。
このように第2の反射器が形成されているため、IDTの外周に向かう進行波成分を反射させて、受信用IDTに向かわせることができる。
また、前記圧電性基板は、PZTで形成されることを特徴とする。また、前記圧電性基板は、非圧電性かつ等方性を有する非圧電性基板と、前記第1の基板上に形成された面内圧電等方性を有する圧電性薄膜とで構成されることを特徴とする特徴とする。
このように構成することで、表面弾性波のうち、レイリー波が容易に励振することができる。
また、前記ベース基板には、前記圧電性基板に接する面において、前記圧電性基板の少なくとも前記IDTの内周側を開放する凹部が形成されていることを特徴とする。
この構成により、励振される表面弾性波のQ値の低下を抑制することができるため、圧電性基板に圧力が印加したことを計測できる。
本実施例の構成を備えることにより、表面弾性波の振幅変化に対して精度のよい計測ができるため、力学量変化を効率的に検出することができる。また、本発明を採用する事で、センシングシステムの大幅な消費電力の低減ができる。
本発明に係る力学量センサの第一の実施例を示す図である。 第一の実施例に係る力学量センサの製造工程を示す図である。 第一の実施例に係る圧電性基板上の遅延線型のIDTを説明する図である。 第一の実施例に係る圧力測定原理を説明する図である。 第一の実施例に係る集中応力Pcと受信信号の振幅Vpの関係を示す模式図である。 本発明に係る弾性表面波力学量センサの第二の実施例を示す図である。 本発明に係る弾性表面波力学量センサの第三の実施例を示す図である。 第三の実施例に係る送受信される信号の波形を示す図である。 表面弾性波素子の励振原理を説明する図である。 従来の遅延線型の力学量センサの構成とその原理を説明する図である。 従来の力学量センサにおけるバースト信号の入出力特性を示す図である。 遅延線型の力学量センサに関する特性を模式的に示した図である。 力学量センサにおける受信信号の遅延時間と位相との関係を説明する図である。 力学量センサにおける位相差θと印加圧力Pとの関係を説明する図である。
図1は、本発明に係る力学量センサの第一の実施例を示す図である。図1(a)は、力学量センサの断面斜視図を示し、図1(b)は、力学量センサの側面の断面図を示す。図1において、力学量センサ100は、ベース基板103と、ベース基板103の一方の面に接合され、ベース基板103との間に気密封止されたキャビティ106を形成する封止基板105と、ベース基板103に接合され、キャビティ106内に配設された面内圧電等方性を有する圧電性基板101と、圧電性基板101のベース基板103に接する面と反対の面上に形成されたIDT107と、を備えている。また、IDT107は、円弧形状に形成されると共に、各電極指が同心円状に形成されている。また、封止基板105は、キャビティ106側の面上に突起部104を有する。さらに、突起部104の先端は、圧電性基板101におけるIDT107の電極指が配置される同心円の中心102に接触している。また、図示しないが、力学量センサ100は、外部電極と、IDTと外部電極とを電気的に接続する引き出し電極とが形成されている。
また、圧電性基板101は、レイリー波が容易に励振可能なPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)及び酸化亜鉛、窒化アルミ等のいずれかが選択される。また、圧電性基板101として、シリコン基板等の非圧電性かつ等方性基板上に、酸化亜鉛、窒化アルミ等の圧電薄膜が形成された二層構造型の圧電性基板を採用しても良い。
図2は、本実施例に係る力学量センサの製造工程を示す図である。
図2に示すように、圧電性基板上にIDTを形成する(IDT形成工程)。次に圧電性基板101がベース基板に実装される(圧電性基板実装工程)。次に、ベース基板103と封止基板104とを接合する工程を行う(封止基板接合工程)。この接合工程においては、半田接合や熱圧着接合や陽極接合等、周知な接合方法を採用すればよい。
また、圧電性基板実装工程の前に、図示しない外部電極とIDT107を接合する引き出し電極を形成する(引き出し電極形成工程)。この形成工程で形成される引き出し電極は、ベース基板103に形成された貫通電極や、又はベース基板103と封止基板104との間から引き回された引き回し電極などである。
また、キャビティ部106は、IDT107の酸化防止のために、不活性ガスによる充填封止または真空封止されている事が望ましい。
また、封止基板接合工程において、突起部104は、同心円の中心102と接触状態となる。
図3は、圧電性基板101上の遅延線型のIDTを説明する図である。
図3において、圧電性基板101は、面内圧電等方性を有している。そのため、圧電性基板101の持つ圧電テンソルが、圧電性基板101の表面の法線を回転軸とした座標変換に対して不変である。
本実施例において、IDT107は、バースト信号を送信する送信用IDT117とバースト信号を受信する受信用IDT127とで構成されている。また、送信用IDT117と受信用IDT127とは、同心円の中心102を通る直線111に対して互いに鏡面対称に配置されている。また、送信用IDT117と受信用IDT127とは、ともに円弧形状である。
送信用IDT117から送信される進行波113は、表面集中点112に集中する。その後、受信用IDT127にて受信される。
図4は、図3記載の圧電性基板101の斜視図であって、本発明に係る圧力測定原理を説明する図である。図4において、突起部114が、送信用IDT117から送信される進行波113の表面波集中点112に接触している。ここで、表面波集中点112は、同心円の中心102である。さらに、集中圧力Pcが、突起部114を介在して表面波集中点1104に直接的に印加されている。本実施例において、この突起部114は、図1の突起部104である。
図4に示すように、表面波集中点112に接触している突起部114とその接触圧によって、進行波113の伝搬は阻害される。それゆえ、集中圧力Pcの大きさにその伝搬効率は大きく依存する。すなわち、受信用IDT127で受信される受信信号の振幅が集中圧力Pcの大きさによって変化する。
図5は、図4記載の集中応力Pcと受信用IDT127で受信される受信信号の振幅Vpの関係を示す模式図である。図5において、縦軸は受信信号の振幅Vp、横軸は図4記載の集中圧力Pcである。図5に記載のように、振幅Vpは、集中圧力Pcに対して、負の傾きを持つ直線的な相関関係を示す。この直線的な相関関係が、図5に記載の特性曲線115である。すなわち、表面波集中点112に対して集中応力を直接印加する事によって、受信信号の振幅Vpが変化する。この変化を計測することにより、圧力が測定できる。
また、図1に示すように、本実施例では、キャビティ106が形成されている。これにより、圧力が封止基板105に印加されると、該封止基板105は、キャビティ部106との圧力差によって変位することができる。このとき、封止基板105はダイヤフラムとしての機能を有している。すなわち、封止基板105が変位すると、突起部104を介在して表面波集中点112である中心102に対して、集中圧力が印加される。その結果、遅延線信号の振幅が変化し、この振幅変化を圧力変化として計測できる。
本実施例の構成を備えることにより、振幅変化に対して精度のよい計測ができるため、圧力変化を効率的に検出することができる。
また、図1において、圧電性基板101とベース基板103との間にキャビティ106が形成されているが、必ずしも必要ではない。突起部104により、圧電性基板上の進行波が抑制されればよいためである。キャビティ内を気密封止することにより、励振される表面弾性波のQ値の低下を抑制することができる。
また、図1のように、圧電性基板101とベース基板103との間にキャビティ106が形成されていれば、印加圧力が弱い場合でも、進行波を受信用IDTで受信することができる。このとき、圧電性基板が、ベース基板側に反るため、進行波の抑制が減少する。これにより、励振される表面弾性波のQ値の低下を抑制することができるため、圧電性基板に圧力が印加したことを計測できる。
また、圧電性基板103は、突起部による印加圧力を圧電性基板103の突起部104側の表面のみで受けることができる程度厚い方が好ましい。
なお、本実施例において、圧力測定の例であるが、圧力以外で、封止基板105に気圧、荷重、応力、歪み等が印加される場合においても、すべて同一の動作と機能を発揮することができる。
図6は、本発明に係る弾性表面波力学量センサの第二の実施例を示す図である。なお、第一の実施例と同様の構成になる部分については、その詳細な説明を省略する。
第二の実施例において、第一の実施例と異なる点は、圧電性基板101に、さらに送信用IDT117、受信用IDT127の外周側にそれぞれ送信側反射器201、受信側反射器202が円弧状に形成され、送信側反射器201、受信側反射器202は、それぞれ送信用IDT117、受信用IDT127と対向する位置に配置されるとともに、送信用IDT117、受信用IDT127と同心円状に形成され、送信側反射器201、受信側反射器202は、同心円の中心102を通る直線に対して互いに鏡面対称に配置されている点である。
送信用IDT117で励振される表面弾性波は、中心102に向かう進行波成分と、円弧の外周に向かう進行波成分の二種類ある。ここで、本実施例では、送信側反射器201が形成されているため、外周に向かう進行波成分を反射させて、受信用IDT127に向かわせることができる。
また、受信側反射器202を形成する事で、受信用IDT127で受信せず通過してしまう進行波成分を反射させ、受信用IDT127で再度、受信させる事ができる。
図6に記載のIDTと反射器との構成を採用する事で、受信感度を向上させる事ができる。
なお、送信側反射器201と受信側反射器202のどちらか一方のみが配置されているだけでもよい。この構成でも、力学量センサの受信感度を向上させることができる。
図7は、本発明に係る弾性表面波力学量センサの第三の実施例を示す図である。
第三の実施例において、第一の実施例と異なる点は、圧電性基板101には、受信用IDT127が形成されず、信号を送受信する送受信用のIDT307と、ベース基板103に接する面と反対の面上に第1の反射器301とが形成され、第1の反射器301は、IDT307と同心円状に形成されるとともに、IDT307の交差幅と同一の交差幅Wに形成され、IDT307と第1の反射器301とは、同心円の中心102を通る直線111に対して互いに鏡面対称に配置される点である。なお、第一の実施例と同様の構成になる部分については、その詳細な説明を省略する。
この送受信用のIDT307から送信される進行波は、中心102に集中する。その後、反射器307にて反射される。次に、反射された反射進行波が中心102に集中する。その後、再びIDT307に受信される。この進行波と反射進行波が経路313である。
図8は本実施例に係るIDT307において送受信される信号の波形を示す図である。 図8において、縦軸は電圧、横軸は時間を示す。また、バースト波による送信信号の波形が送信信号波形311であり、反射して受信された受信用信号の波形が受信信号波形312である。
このように構成することで、センサに必要な電力を減らすことができるため、パッシブ型の力学量センサとして構成することができる。従って電力供給部が必要ではなくなるため、センサの構成を簡易なものにすることができる。
また、図4及び図5に記載の圧力測定原理は、図7に記載のIDT307と反射器301によって構成された反射型の遅延線素子においても、同様の原理となる。
また、図7に記載の力学量センサにおいてもIDT307の外周に図6に示すような第2の反射器を形成することができる。このとき、圧電性基板101には、さらにIDT307の外周側に第2の反射器が円弧状に形成されることとなり、第2の反射器は、IDT307と対向する位置に配置されるとともに、IDT307と同心円状に形成される。これにより、本実施例の力学量センサにおいても受信感度を向上させる事が可能である。
また、本発明における力学量センサは、圧力、気圧、応力、歪み、荷重のセンシングが可能であるので、自動車のタイヤ空気圧計、気圧計、歪みゲージ、荷重センサ、真空センサなどに利用できる。さらに、励振周波数が高い表面弾性波を利用しているので、ワイヤレスセンサネットワークにも対応できる。本発明を採用する事で、センシングシステムの大幅な消費電力の低減ができる。
101、501、601:圧電性基板
102:同心円の中心
103:ベース基板
104、114:突起部
105:封止基板
106:キャビティ部
107、307、507:IDT
112:表面波集中点
113、613、623:進行波
115:特性曲線
117、617:送信用IDT
127、627:受信用IDT
201:送信側反射器
202:受信側反射器
301:第1の反射器
311、610、710:送信信号波形
312、612、712、722:受信信号波形
313:経路
504:振動変位
604:伝播部
611:送信バースト信号
613:受信バースト信号
705、706:測定点
801、802、803:特性曲線

Claims (9)

  1. ベース基板と、
    前記ベース基板の一方の面に接合され、前記ベース基板との間に気密封止されたキャビティを形成する封止基板と、
    前記ベース基板に接合され、前記キャビティ内に配設された面内圧電等方性を有する圧電性基板と、
    前記圧電性基板の前記ベース基板に接する面と反対の面上に形成されたIDTと、を備え、
    前記IDTは、円弧形状に形成されると共に、各電極指が同心円状に形成され、
    前記封止基板は、前記キャビティ側の面上に突起部を有するとともに、前記突起部の先端は、前記同心円の中心に接触していることを特徴とする力学量センサ。
  2. 前記IDTは、バースト信号を送信する送信用IDTとバースト信号を受信する受信用IDTとで構成され、
    前記送信用IDTと前記受信用IDTとは、前記同心円の中心を通る直線に対して互いに鏡面対称に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の力学量センサ。
  3. 前記圧電性基板には、さらに前記送信用IDTの外周側に送信側反射器が円弧状に形成され、
    前記送信側反射器は、前記送信用IDTと対向する位置に配置されるとともに、前記送信用IDTと同心円状に形成されることを特徴とする請求項2に記載の力学量センサ。
  4. 前記圧電性基板には、さらに前記受信用IDTの外周側に受信側反射器が円弧状に形成され、
    前記受信側反射器は、前記受信用IDTと対向する位置に配置されるとともに、前記受信用IDTと同心円状に形成され、
    前記送信側反射器及び前記受信側反射器は、前記同心円の中心を通る直線に対して互いに鏡面対称に配置されることを特徴とする請求項3に記載の力学量センサ。
  5. 前記圧電性基板には、さらにベース基板に接する面と反対の面上に第1の反射器が形成され、
    前記第1の反射器は、前記IDTと同心円状に形成されるとともに、前記IDTの交差幅と同一の交差幅に形成され、
    前記IDTと前記第1の反射器とは、前記同心円の中心を通る直線に対して互いに鏡面対称に配置されることを特徴とする請求項1に記載の力学量センサ。
  6. 前記圧電性基板には、さらに前記IDTの外周側に第2の反射器が円弧状に形成され、
    前記第2の反射器は、前記IDTと対向する位置に配置されるとともに、前記IDTと同心円状に形成されることを特徴とする請求項5に記載の力学量センサ。
  7. 前記圧電性基板は、PZTで形成されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の力学量センサ。
  8. 前記圧電性基板は、非圧電性かつ等方性を有する非圧電性基板と、前記第1の基板上に形成された面内圧電等方性を有する圧電性薄膜とで構成されることを特徴とする特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の力学量センサ。
  9. 前記ベース基板には、前記圧電性基板に接する面において、前記圧電性基板の前記IDTまで開放する凹部が形成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の力学量センサ。
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