JP2012184483A - 還元処理方法および還元処理装置 - Google Patents

還元処理方法および還元処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 コストを抑制しつつ粗銅溶湯の還元終点を明確化することができる還元処理方法および還元処理装置を提供する。
【解決手段】 還元処理方法は、精製炉内の粗銅溶湯に還元剤を導入する還元剤導入ステップと、精製炉から排出される排ガスが通過する煙道において、未反応の還元剤を燃焼させるための酸化剤が導入される箇所よりも精製炉側の温度を取得する温度取得ステップと、粗銅溶湯に還元剤が導入された後において、温度取得ステップで取得された温度の時間に対する変動量が所定値以下となった後の低下幅が所定値以上になった場合に、還元剤の導入を停止する停止ステップと、を含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、還元処理方法および還元処理装置に関する。
銅製錬においては、種々の工程が実施されている。代表的なプロセスとして、自溶炉において溶錬によってマットを生成し、マットを転炉で処理することによって粗銅を得て、粗銅を精製してアノードに鋳込んで電解精製するプロセスが挙げられる。転炉から得られた粗銅を精製する方法として、精製炉内に導入された粗銅溶湯に酸素を吹き込んで硫黄を酸化除去する酸化工程と、粗銅溶湯に吸収された酸素を還元除去する還元工程と、が順に行われる。
還元工程においては、炭化水素などの還元剤が用いられる。未反応の還元剤は、シール金具などからのフリーエアによって酸化されて排気される。粗銅溶湯中の酸素量が低下すると、還元剤の未反応量が増加する。この場合、煙道での反応量が増え、排ガス温度が急激に上昇し、過熱により煙道などが損傷するおそれがある。
また、粗銅溶湯中の酸素量が多いと、電解精製時に、非電解的な溶出が発生し、電流効率が悪化し、電解浴の脱銅処理量が増加する。一方で、粗銅溶湯中の酸素量が少ない場合は、還元吹込み剤の使用量が増加し原単位が悪化し、コスト増となる。以上のことから、還元終点を明確化することが望まれる。
特許文献1では、消耗型の酸素プローブを用いて酸素濃度を検出している。特許文献2では、排ガス温度の上昇速度の時間微分値に応じて、還元剤の投入量が調整されている。
特開平01−075631号公報 特開平04−176828号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、消耗型のプローブを用いることによって、コストが増加する。また、特許文献2の技術では、排ガス温度の上昇が続く限り、還元剤の吹込み量の調整が繰り返されることになる。すなわち、還元終点の判断基準が不明確である。
本発明は、上記課題に鑑み、コストを抑制しつつ粗銅溶湯の還元終点を明確化することができる還元処理方法および還元処理装置を提供することを目的とする。
本発明に係る還元処理方法は、精製炉内の粗銅溶湯に還元剤を導入する還元剤導入ステップと、前記精製炉から排出される排ガスが通過する煙道において、未反応の前記還元剤を燃焼させるための酸化剤が導入される箇所よりも前記精製炉側の温度を取得する温度取得ステップと、前記粗銅溶湯に前記還元剤が導入された後において、前記温度取得ステップで取得された温度の時間に対する変動量が所定値以下となった後の低下幅が所定値以上になった場合に、前記還元剤の導入を停止する停止ステップと、を含むことを特徴とするものである。本発明に係る還元処理方法によれば、コストを抑制しつつ粗銅溶湯の還元終点を明確化することができる。
前記停止ステップにおける前記低下幅に係る所定値は、前記粗銅溶湯中の酸素濃度が0.05重量%〜0.20重量%となる値としてもよい。前記温度取得ステップにおいて、前記煙道の外壁温度を取得することによって、前記煙道内の温度を間接的に取得してもよい。前記温度取得ステップは、前記煙道の外壁に沿って設けられた媒体流路を流動する媒体の温度を取得するステップとしてもよい。
前記温度取得ステップは、前記媒体流路から導出される媒体の温度と、前記媒体流路に導入される媒体の温度との差を取得するステップとしてもよい。前記媒体流路は、水冷ジャケットとしてもよい。前記還元剤は、LPGまたはブタンとしてもよい。
本発明に係る他の還元処理方法は、精製炉内の粗銅溶湯に還元剤を導入する還元剤導入ステップと、前記精製炉から排出される排ガスが通過する煙道において、未反応の前記還元剤を燃焼させるための酸化剤が導入される箇所よりも前記精製炉側の温度を取得する温度取得ステップと、前記粗銅溶湯に前記還元剤が導入された後において、前記温度取得ステップで取得された温度の時間に対する変動量が第1所定値以下となった後に第2所定値以上となった時点から所定時間が経過した場合に前記還元剤の導入を停止する停止ステップと、を含むことを特徴とするものである。本発明に係る他の還元処理方法によれば、コストを抑制しつつ粗銅溶湯の還元終点を明確化することができる。
本発明に係る還元処理装置は、精製炉内の粗銅溶湯に還元剤を導入する還元剤導入装置と、前記精製炉から排出される排ガスが通過する煙道において、未反応の前記還元剤を燃焼させるための酸化剤が導入される箇所よりも前記精製炉側の温度を取得する温度取得センサと、前記還元剤導入装置を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記還元剤導入装置から前記粗銅溶湯に前記還元剤が導入された後、前記温度センサで取得される温度の時間に対する変動量が所定値以下となった後の低下幅が所定値以上になった場合に、前記還元剤の導入が停止されるように前記還元剤導入装置を制御することを特徴とするものである。本発明に係る還元処理装置によれば、コストを抑制しつつ粗銅溶湯の還元終点を明確化することができる。
本発明に係る他の還元処理装置は、精製炉内の粗銅溶湯に還元剤を導入する還元剤導入装置と、前記精製炉から排出される排ガスが通過する煙道において、未反応の前記還元剤を燃焼させるための酸化剤が導入される箇所よりも前記精製炉側の温度を取得する温度取得センサと、前記還元剤導入装置を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記還元剤導入装置から前記粗銅溶湯に前記還元剤が導入された後、前記温度センサで取得される温度の時間に対する変動量が第1所定値以下となった後に第2所定値以上となった時点から所定時間が経過した場合に前記還元剤の導入が停止されるように前記還元剤導入装置を制御することを特徴とするものである。本発明に係る他の還元処理装置によれば、コストを抑制しつつ粗銅溶湯の還元終点を明確化することができる。
本発明によれば、コストを抑制しつつ粗銅溶湯の還元終点を明確化することができる還元処理方法および還元処理装置を提供することができる。
精製炉から排出される排ガスが通過する経路について説明するための模式図である。 温度差ΔTの変遷の一例を説明するための図である。 還元終点を判断するためのフローチャートの一例を説明するための図である。 第2の実施形態に係る構成を説明するための模式図である。 還元終点を判断するためのフローチャートの一例を説明するための図である。 還元終点を判断するためのフローチャートの一例を説明するための図である。
以下、本発明を実施するための実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
自溶炉などにおける溶錬工程で得られるマットは、転炉に導入される。マットは、例えば、CuS・FeSなどを主成分とする。転炉においては、造カン期においてCuSを主体とする白カワが生成され、造銅期において粗銅溶湯が生成される。粗銅溶湯の銅含有量は、98.5重量%程度である。転炉で得られた粗銅溶湯は、精製炉に導入される。次に、粗銅溶湯中にエアなどの酸化剤を吹き込むことによって硫黄を酸化除去する酸化工程が実施される。
次に、還元工程が実施される。この還元工程は、転炉で生成された粗銅溶湯中に存在していた酸素および酸化工程で粗銅溶湯中に吸収された酸素を除去する工程である。還元工程は、精製炉内の粗銅溶湯中に気体還元剤を湯面下の羽口から吹き込むことによって行われる。気体還元剤として、ブタンまたはLPGを用いることができる。気体の還元剤を用いることによって、取り扱いが容易となる。また、発熱量制御が容易となるため、還元処理中の排ガス温度の上昇を抑えてほぼ一定値に制御することができる。それにより、還元終点付近での排ガス温度上昇時の反応系の変化を判断しやすくなる。
還元工程の際に、還元剤が粗銅溶湯中の酸素によって酸化する。この酸化で生じる排ガスは、精製炉から排出される。図1は、精製炉から排出される排ガスが通過する経路について説明するための模式図である。図1を参照して、精製炉10の羽口に、還元剤導入装置11が設けられている。還元剤導入装置11は、粗銅溶湯中に気体還元剤を吹き込む装置である。
精製炉10の排ガス出口に、煙道20が接続されている。煙道20を構成する管材は、特に限定されるものではないが、SSレンガ(シャモットレンガ)などの断熱レンガを用いることができる。煙道20の外壁には、水冷ジャケット21が設けられている。水冷ジャケット21の内部を冷却水が流動することによって、冷却水と煙道20を通過する排ガスとの間で熱交換が行われる。それにより、煙道20を通過する排ガスが冷却される。排ガスが冷却されることによって、煙道20の過熱に伴う損傷が抑制される。
水冷ジャケット21の入口および出口の位置は特に限定されるものではないが、排ガスの流動方向下流側に入口が配置され、上流側に出口が配置されていることが好ましい。煙道20内の急激な温度変化が抑制されるからである。なお、水冷ジャケット21内を流動する流体は、冷却水に限られない。他の液体でもよく、気体であってもよい。水冷ジャケット21の入口には、水冷ジャケット21内に導入される冷却水の温度を検出するための温度センサ22が設けられている。また、水冷ジャケット21の出口には、水冷ジャケット21から導出される冷却水の温度を検出するための温度センサ23が設けられている。温度センサ22および温度センサ23は、検出結果を制御部30に与える。
制御部30は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)等から構成される。制御部30は、温度センサ22,23の検出結果に応じて、還元剤導入装置11の動作を制御する。詳細は、後述する。
煙道20の下流端は、シール金具40を介して煙道50が接続されている。シール金具40には、1以上の孔41が形成されている。この孔からフリーエアが煙道50内に導入される。煙道50には、ファン51が介挿されている。それにより、煙道50内に導入されるフリーエア量を一定に保つことができる。ファン51よりも下流側には、鉱石を乾燥させるためのドライヤー52が設けられている。
以上の構成では、水冷ジャケット21は、フリーエアが導入される箇所よりも精製炉10側に設けられている。この場合、水冷ジャケット21は、未反応の還元剤の酸化に伴う発熱の影響を受けない。したがって、温度センサ22,23は、フリーエアで燃焼する前の排ガス温度と相関関係を有する温度を検出することができる。還元工程における還元剤の燃焼に伴って、排ガスは比較的高い温度を有する。したがって、温度センサ23が検出する温度Tと温度センサ22が検出する温度Tとの温度差ΔT(=温度センサ23が検出する温度−温度センサ22が検出する温度)は所定の大きさを有する。
図2は、温度差ΔTの変遷の実測値を説明するための図である。図2において、横軸は還元工程における経過時間を示し、縦軸は温度差ΔTを示す。図2を参照して、温度差ΔTは、還元工程が開始されると急激に大きくなり(期間I)。その後、温度差ΔTの時間に対する変動幅が低下し、ほぼ一定となる(期間II)。したがって、期間IIにおいては、煙道20内の温度がほぼ一定となっていると考えられる。その後、温度差ΔTは急激に低下する(期間III)。したがって、期間IIIにおいては、煙道20内の温度が低下していると考えられる。以下、この現象について考察する。
粗銅溶湯には、所定量の酸素が溶解している。この酸素は、転炉で生成された粗銅溶湯にあらかじめ存在していた酸素および上述した酸化工程で粗銅溶湯に吸収された酸素である。粗銅溶湯中の酸素は、還元剤によって還元される。ここで、一例として、還元剤にC10(ブタン)を用いている。精製炉10内の化学反応について粗銅溶湯、酸素、ブタンの反応を検討すると、反応中の生成物には様々な中間生成物が存在すると考えられるが、ここでは反応そのものを単純化して、以下のように表すことにする。
精製炉10内での粗銅の還元反応は、反応式(1)で表される吸熱反応となる。
(反応式1)CuO(l) → 2Cu(l)+1/2O(g)・・・(吸熱反応)(ΔH=30kcal/mol:1,150℃)
また、ブタンが酸素と反応し、完全燃焼が行われる酸化反応は、反応式(2)で表される発熱反応となる。
(反応式2)C10(g)+13/2O(g)=4CO(g)+5HO(g)・・・(発熱反応)(ΔH=−677kcal/mol:1,150℃)
精製炉10内は、還元雰囲気であることから、吹き込まれたブタンの全てが反応式(2)のように反応しないで、一部、反応式(3)のような不完全燃焼反応が行われる。反応式(3)も反応式(2)と同じ発熱反応であるが、反応熱は反応式(3)の方が、反応式(2)よりも小さくなっている。
(反応式3)C10(g)+9/2O(g)=4CO(g)+5HO(g)・・・(発熱反応)(ΔH=−408kcal/mol:1,150℃)
また、精製炉10内で完全に反応しなかったCOガスは、炉外でフリーエアと反応することで、反応式(4)の発熱反応が起こると考えられる。
(反応式4)CO(g)+1/2O(g)=CO(g)・・・(発熱反応)(ΔH=−67kcal/mol:1,150℃)
期間Iにおいては、精製炉10内では、反応式(1)と反応式(2)と反応式(3)とが同時に起こっていると考えられ、この総括反応は発熱反応となる。炉出口の排ガス温度は高いが、煙道20は冷たいために、排ガスの顕熱は煙道20の温度を上げるために使われていくので、煙道20に配置された温度計の指示値はゆっくりと上昇していく。
期間IIにおいては、煙道20の温度が上昇し、平衡に達し、反応式(1)と反応式(2)と反応式(3)との割合が釣り合う状態となっている。さらに、期間IIIにおいては、溶湯中酸素濃度が低下するに従い、反応式(3)の割合が上昇する。そのため、期間IIIは、精製炉10内から排出される排ガス温度も低下し始める領域である。
このように、粗銅溶湯中の酸素量と煙道20内の温度との間に相関関係が生じると考えられる。したがって、還元終点は、煙道20内の温度に基づいて求めることができる。一例として、煙道20内の温度の時間変動量が所定値以下となった場合のいずれかの温度からの温度低下幅が所定値以上になった場合に、還元終点に至ったと判断することができる。この場合、期間IIを経ることを確認してから還元終点を定めることができることから、還元終点の決定精度が向上する。
本実施形態において、煙道20内の温度として、上記の温度差ΔTを用いる。具体的には、温度差ΔTの時間に対する変動量が所定値以下となった後の低下幅が所定値以上になった時点を、還元終点に設定することができる。還元終点は、粗銅溶湯中の酸素濃度が所定範囲になる時点である。粗銅溶湯中の酸素量が多いと、銅電解精製の工程において、CuO+HSO→CuSO+Cu+HOからなる、銅アノードからの非電解的溶出が起こり易くなる。この場合、電解槽底部に沈殿するスライムの銅品位の上昇や電解液中への銅濃度の上昇の原因となり、電解精製の効率低下および電解液の脱銅処理量の増加に繋がり、問題となる。一方で、粗銅溶湯の還元処理を溶湯中酸素濃度が所定値より少なくなるまで実施すると、吹き込む還元剤の量が増加し、コストが増加する。
本発明者は、粗銅溶湯中の酸素濃度が0.05重量%〜0.20重量%であれば、アノードの内部から表面近傍に放出される酸素ガスにより形成される空孔の表面隆起を抑制できるとともに、所望形状のアノードが得られることを確認した。したがって、粗銅溶湯中の酸素濃度と温度差ΔTとの関係をあらかじめ取得しておくことによって、還元終点における温度差ΔTを定めることができる。温度差ΔTの低下幅を判定するためのしきい値は、酸素濃度0.05重量%〜0.20重量%を実現するための値であることが好ましい。例えば、水冷ジャケット21内の冷却水流量が43L/分(受熱面積0.49m)の際に温度差ΔTの低下幅が2℃〜4℃程度となった場合に、還元終点に至ったと判断することができる。
図3は、還元終点を判断するためのフローチャートの一例を説明するための図である。まず、制御部30は、精製炉10内に還元剤が導入されるように、還元剤導入装置11を制御する(ステップS1)。次に、制御部30は、温度センサ22,23から温度差ΔTを取得する(ステップS2)。次いで、制御部30は、単位時間経過後に、温度センサ22,23から温度差ΔTを取得する(ステップS3)。次に、制御部30は、時間に対する温度差ΔTの変動量Dを取得する(ステップS4)。次いで、制御部30は、温度差ΔTの変動量Dが所定値以下であるか否かを判定する(ステップS5)。この場合の所定として、ゼロに近い値を用いることができる。
ステップS5において温度差ΔTの変動量Dが所定値以下であると判定されなかった場合、制御部30は、ステップS2から再度実行する。ステップS5において温度差ΔTの変動量Dが所定値以下であると判定された場合、制御部30は、温度センサ22,23から温度差ΔTを取得する(ステップS6)。次に、制御部30は、温度差ΔTの低下幅(=ステップS3で取得したΔT−ステップS6で取得したΔT)が所定値以上になったか否かを判定する(ステップS7)。この場合の所定値として、例えば、2℃〜4℃の範囲のいずれかの値を用いてもよい。
ステップS7において低下幅が所定値以上になったと判定された場合、制御部30は、現時点が還元終点であると判定し、還元剤導入装置11による粗銅溶湯中への還元剤の導入を停止する(ステップS8)。その後、フローチャートの実行が終了する。ステップS7において低下幅が所定値以上になったと判定されなかった場合、制御部30は、ステップS6に戻る。
図3のフローチャートによれば、時間に対する温度差ΔTの変動量Dが所定値以下になった後の温度差ΔTの低下幅が所定値以上になった場合に、還元剤の導入が停止される。この場合、上記の期間IIを経ることを確認してから還元終点を定めることができる。それにより、高い精度で、粗銅溶湯中の酸素濃度を適正値に調整することができる。また、未反応の還元剤のフリーエアによる燃焼が抑制される。それにより、煙道などの損傷を抑制することができる。なお、図3のフローチャートでは、制御部30を用いて自動的に還元剤導入装置11を制御したが、ユーザが温度差ΔTの低下幅に基づいて還元剤導入装置11を制御してもよい。
本実施形態によれば、煙道内部に温度センサを設けなくても、煙道外壁の温度を取得することによって排ガス温度を間接的に取得することができる。それにより、煙道内を飛散する溶湯などによる温度センサの損傷が防止される。したがって、温度センサにかかるコストを抑制することができる。なお、本実施形態では、水冷ジャケット21内を流動する冷却水の温度を取得することによって、煙道外壁の温度を間接的に取得している。このように、何らかの手段を用いて煙道外壁の温度を直接的又は間接的に取得することによって、本発明に適用することができる。
なお、フリーエアによる燃焼後の排ガス温度は、フリーエアの導入量に応じて変化してしまう。これに対して、本実施形態においてはフリーエアの導入箇所よりも精製炉10側の排ガスの温度と相関関係を有する温度を取得している。この場合、フリーエアの導入量に依存せずに、還元終点を判断することができる。したがって、還元終点を明確化することができる。
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係る構成を説明するための模式図である。図4を参照して、第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、温度センサ22,23の代わりに、温度センサ24が設けられている点である。温度センサ24は、煙道20の外壁の温度を検出し、検出結果を制御部30に与える。第1の実施形態では温度差ΔTを求めたが、煙道20の外壁温度を取得してもよい。この場合、煙道20内の排ガスの温度を間接的に取得することができる。
図5は、還元終点を判断するためのフローチャートの一例を説明するための図である。まず、制御部30は、精製炉10内に還元剤が導入されるように、還元剤導入装置11を制御する(ステップS11)。次に、制御部30は、温度センサ24から温度T1を取得する(ステップS12)。次に、制御部30は、温度センサ24から、単位時間経過後の温度T2を取得する(ステップS13)。次に、制御部30は、時間に対する温度Tの変動量Dを取得する(ステップS4)。次いで、制御部30は、温度Tの変動量Dが所定値以下であるか否かを判定する(ステップS15)。この場合の所定値として、ゼロに近い値を用いることができる。
ステップS15において温度Tの変動量Dが所定値以下であると判定されなかった場合、制御部30は、ステップS12から再度実行する。ステップS15において温度Tの変動量Dが所定値以下であると判定された場合、制御部30は、温度センサ24から温度T3を取得する(ステップS16)。次に、制御部30は、温度Tの低下幅ΔT(=T2−T3)が所定値以上になったか否かを判定する(ステップS17)。
ステップS17において低下幅が所定値以上になったと判定された場合、制御部30は、現時点が還元終点であると判定し、還元剤導入装置11による粗銅溶湯中への還元剤の導入を停止する(ステップS18)。その後、フローチャートの実行が終了する。ステップS17において低下幅が所定値以上になったと判定されなかった場合、制御部30は、ステップS16に戻る。
図5のフローチャートによれば、時間に対する温度Tの変動量Dが所定値以下になった後の温度Tの低下幅が所定値以上になった場合に、還元剤の導入が停止される。この場合、上記の期間IIを経ることを確認してから還元終点を定めることができる。それにより、高い精度で、粗銅溶湯中の酸素濃度を適正値に調整することができる。また、未反応の還元剤のフリーエアによる燃焼が抑制される。それにより、煙道などの損傷を抑制することができる。なお、図5のフローチャートでは、制御部30を用いて自動的に還元剤導入装置11を制御したが、ユーザが温度Tの低下幅に基づいて還元剤導入装置11を制御してもよい。
本実施形態によれば、煙道内部に温度センサを設けなくても、煙道外壁の温度を取得することによって排ガス温度を間接的に取得することができる。それにより、煙道内を飛散する溶湯などによる温度センサの損傷が防止される。また、フリーエアの導入量に依存せずに、還元終点を判断することができる。以上のことから、コストを抑制しつつ還元終点を明確化することができる。なお、本実施形態においては温度センサ24は煙道20の外壁温度を取得したが、水冷ジャケット21を流動する冷却水の温度を取得してもよい。
(変形例)
なお、温度Tの低下幅ΔTを検出しなくても還元終点を判断することができる。例えば、還元剤導入量と温度センサ24が取得する温度Tとの関係をあらかじめ取得しておくことによって、還元剤が導入された後の経過時間と還元終点との関係を得ることができる。例えば、還元剤を導入した後に温度Tの時間に対する変動量Dが低下した後に上昇に転じた時点から所定時間が経過した場合に、還元終点であると判断して、還元剤の導入を停止してもよい。図6は、この場合に実行されるフローチャートの一例を説明するための図である。
まず、制御部30は、精製炉10内に還元剤が導入されるように、還元剤導入装置11を制御する(ステップS21)。次に、制御部30は、図5のステップS12〜S14と同様の処理により、温度の変動量Dを取得する(ステップS22)。次いで、制御部30は、温度の変動量Dが第1所定値以下であるか否かを判定する(ステップS23)。この場合の第1所定値として、ゼロに近い値を用いることができる。
ステップS23において温度の変動量Dが第1所定値以下であると判定されなかった場合、制御部30は、ステップS22から再度実行する。ステップS23において温度の変動量Dが第1所定値以下であると判定された場合、制御部30は、図5のステップS12〜S14と同様の処理により、温度の変動量Dを再度取得する(ステップS24)。
次に、制御部30は、ステップS24で取得した温度の変動量Dが第2所定値(>第1所定値)以上になったか否かを判定する(ステップS25)。ステップS25において温度の変動量Dが第2所定値以上になったと判定されなかった場合、制御部30は、ステップS25を再度実行する。ステップS25において温度の変動量Dが第2所定値以上になったと判定された場合、制御部30は、所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS26)。この場合の所定時間として、還元剤導入量から求まる還元終点に至る経過時間を用いる。
ステップS26において所定時間が経過したと判定された場合、制御部30は、現時点が還元終点であると判定し、還元剤導入装置11による粗銅溶湯中への還元剤の導入を停止する(ステップS27)。その後、フローチャートの実行が終了する。ステップS26において所定時間が経過したと判定されなかった場合、制御部30は、ステップS26を再度実行する。
図6のフローチャートによれば、還元剤を導入した後に温度Tの変動幅が低下した後に上昇に転じた時点から所定時間が経過した場合に、還元剤の導入が停止される。この場合、上記の期間IIを経ることを確認してから還元終点を定めることができる。それにより、高い精度で、粗銅溶湯中の酸素濃度を適正値に調整することができる。なお、図6のフローチャートでは、制御部30を用いて自動的に還元剤導入装置11を制御したが、ユーザが経過時間に基づいて還元剤導入装置11を制御してもよい。
なお、図6の例では、煙道20の外壁温度に基づいて還元終点を判断したが、上述した温度差ΔTを図6のフローチャートに適用してもよい。また、上記いずれの実施形態においても、煙道20の外壁温度を取得したが、それに限られない。例えば、煙道20内の温度を温度センサなどを用いて直接検出してもよい。
10 精製炉
11 還元剤導入装置
20 煙道
21 水冷ジャケット
22,23,24 温度センサ
30 制御部
40 シール金具
41 孔
50 煙道
51 ファン
52 ドライヤー

Claims (10)

  1. 精製炉内の粗銅溶湯に還元剤を導入する還元剤導入ステップと、
    前記精製炉から排出される排ガスが通過する煙道において、未反応の前記還元剤を燃焼させるための酸化剤が導入される箇所よりも前記精製炉側の温度を取得する温度取得ステップと、
    前記粗銅溶湯に前記還元剤が導入された後において、前記温度取得ステップで取得された温度の時間に対する変動量が所定値以下となった後の低下幅が所定値以上になった場合に、前記還元剤の導入を停止する停止ステップと、を含むことを特徴とする還元処理方法。
  2. 前記停止ステップにおける前記低下幅に係る所定値は、前記粗銅溶湯中の酸素濃度が0.05重量%〜0.20重量%となる値であることを特徴とする請求項1記載の還元処理方法。
  3. 前記温度取得ステップにおいて、前記煙道の外壁温度を取得することによって、前記煙道内の温度を間接的に取得することを特徴とする請求項1または2記載の還元処理方法。
  4. 前記温度取得ステップは、前記煙道の外壁に沿って設けられた媒体流路を流動する媒体の温度を取得するステップであることを特徴とする請求項3記載の還元処理方法。
  5. 前記温度取得ステップは、前記媒体流路から導出される媒体の温度と、前記媒体流路に導入される媒体の温度との差を取得するステップであることを特徴とする請求項4記載の還元処理方法。
  6. 前記媒体流路は、水冷ジャケットであることを特徴とする請求項4または5記載の還元処理方法。
  7. 前記還元剤は、LPGまたはブタンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の還元処理方法。
  8. 精製炉内の粗銅溶湯に還元剤を導入する還元剤導入ステップと、
    前記精製炉から排出される排ガスが通過する煙道において、未反応の前記還元剤を燃焼させるための酸化剤が導入される箇所よりも前記精製炉側の温度を取得する温度取得ステップと、
    前記粗銅溶湯に前記還元剤が導入された後において、前記温度取得ステップで取得された温度の時間に対する変動量が第1所定値以下となった後に第2所定値以上となった時点から所定時間が経過した場合に前記還元剤の導入を停止する停止ステップと、を含むことを特徴とする還元処理方法。
  9. 精製炉内の粗銅溶湯に還元剤を導入する還元剤導入装置と、
    前記精製炉から排出される排ガスが通過する煙道において、未反応の前記還元剤を燃焼させるための酸化剤が導入される箇所よりも前記精製炉側の温度を取得する温度取得センサと、
    前記還元剤導入装置を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記還元剤導入装置から前記粗銅溶湯に前記還元剤が導入された後、前記温度センサで取得される温度の時間に対する変動量が所定値以下となった後の低下幅が所定値以上になった場合に、前記還元剤の導入が停止されるように前記還元剤導入装置を制御することを特徴とする還元処理装置。
  10. 精製炉内の粗銅溶湯に還元剤を導入する還元剤導入装置と、
    前記精製炉から排出される排ガスが通過する煙道において、未反応の前記還元剤を燃焼させるための酸化剤が導入される箇所よりも前記精製炉側の温度を取得する温度取得センサと、
    前記還元剤導入装置を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記還元剤導入装置から前記粗銅溶湯に前記還元剤が導入された後、前記温度センサで取得される温度の時間に対する変動量が第1所定値以下となった後に第2所定値以上となった時点から所定時間が経過した場合に前記還元剤の導入が停止されるように前記還元剤導入装置を制御することを特徴とする還元処理装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9873926B2 (en) * 2014-10-10 2018-01-23 Air Products And Chemicals, Inc. System and method for control of a copper melting furnace

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