JP2012183486A - 水処理方法及び水処理システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】軟水を製造する軟化プロセス;陽イオン交換樹脂床の全体を対向流により再生させる再生プロセスを含み、再生プロセスでは、硬度リーク防止床に対し再生レベル1〜6eq/L−Rの再生液量を供給し、軟化プロセスでは、電気伝導率150mS/m以下且つ全硬度500mgCaCO3/L以下の原水を供給し、更にRO膜モジュール5bは、膜表面に架橋全芳香族ポリアミドからなる負荷電性のスキン層が形成され、濃度500mg/L、pH7.0、温度25℃の塩化ナトリウム水溶液を、操作圧力0.7MPa、回収率15%で供給したときの水透過係数が1.5×10−11m3・m−2・s−1・Pa−1以上、且つ塩除去率99%以上の逆浸透膜を有する。
【選択図】図1
Description
まず、本発明の第1実施形態に係る水処理システム1について、図面を参照しながら説明する。水処理システム1は、例えば、淡水から純水を製造する純水製造システムに適用される。図1は、第1実施形態に係る水処理システム1の全体構成図である。図2は、硬水軟化装置3の概略断面図である。図3は、制御部10により実行されるプロセスのフローチャートである。図4(a),(b)は、制御部10により実行される基本プロセスを示す説明図である。
なお、本明細書における「ライン」とは、流路、径路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
本実施形態の水処理システム1において、後述する制御部10は、プロセス制御バルブ32の流路を切り換えることにより、図3に示す以下のプロセスST1〜ST6の運転を実施する。
(ST1)原水W1を陽イオン交換樹脂床311の全体に対して上から下へ通過させる軟化プロセス
(ST2)洗浄水としての原水W1を陽イオン交換樹脂床311の全体に対して下から上へ通過させる逆洗浄プロセス
(ST3)再生液としての塩水W3を陽イオン交換樹脂床311に対して上から下へ通過させると共に、原水W1を陽イオン交換樹脂床311の主に硬度リーク防止床313に対して下から上へ通過させる再生プロセス
(ST4)押出水としての原水W1を陽イオン交換樹脂床311に対して上から下へ通過させると共に、原水W1を陽イオン交換樹脂床311の主に硬度リーク防止床313に対して下から上へ通過させる押出プロセス
(ST5)濯ぎ水としての原水W1を陽イオン交換樹脂床311に対して上から下へ通過させるリンス・プロセス
(ST6)補給水としての原水W1を塩水タンク4へ供給する補水プロセス
後述する再生プロセスST3後の軟化プロセスST1では、電気伝導率が150mS/m以下、且つ全硬度が500mgCaCO3/L以下の原水W1を供給する。
塩水タンク4は、陽イオン交換樹脂床311を再生する塩水W3を貯留する。塩水タンク4には、塩水ラインL3の上流側の端部が接続されている。塩水ラインL3の下流側の端部は、プロセス制御バルブ32と連通し、プロセス制御バルブ32を構成する各種ラインとそれぞれ接続されている。塩水ラインL3には、塩水弁(不図示)が設けられている。塩水弁は、塩水ラインL3を開閉する。塩水弁は、プロセス制御バルブ32に組み込まれており、弁体の駆動部が制御部10と不図示の信号線を介して電気的に接続されている。塩水弁における弁の開閉は、制御部10により制御される。塩水タンク4は、再生プロセスST3において、陽イオン交換樹脂床311を再生する塩水W3を圧力タンク31へ送出する。
塩水タンク4、不図示の塩水弁、不図示のエゼクタ及び塩水流量計は、本実施形態における再生液供給手段を構成する。
回収率とは、RO膜モジュール5bへの供給水(ここでは塩化ナトリウム水溶液)の流量Q1に対する透過水の流量Q2の割合(すなわち、Q2/Q1×100)をいう。
水透過係数は、透過水量[m3/s]を膜面積[m2]及び有効圧力[Pa]で除した値であり、逆浸透膜の水の透過性能を示す指標である。すなわち、水透過係数は、単位有効圧力を作用させたときに単位時間に膜の単位面積を透過する水の量を意味する。有効圧力は、JIS K3802−1995「膜用語」で定義され、操作圧力(平均操作圧力)から浸透圧差及び二次側圧力を差し引いた圧力である。
塩除去率は、膜を透過する前後の特定の塩類の濃度(ここでは塩化ナトリウム濃度)から計算される値であり、逆浸透膜の溶質の阻止性能を示す指標である。塩除去率は、RO膜モジュール5bへの入口濃度(C1)および透過水の濃度(C2)から、(1−C2/C1)×100により求められる。
本実施形態の水処理システム1において、硬水軟化装置3の陽イオン交換樹脂床311は、塩水W3を陽イオン交換樹脂床311の頂部スクリーン321及び底部スクリーン322へそれぞれ配液しながら、中間部スクリーン323で集液することにより塩水W3の対向流を生成して、陽イオン交換樹脂床311の全体を再生させる再生プロセスST3を含んで運転される。そのため、硬度リーク量が十分に低減された高純度の軟水W2を実用的な採水量の範囲で最大限に得ることができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る水処理システム1Aについて、図5を参照しながら説明する。図5は、第2実施形態に係る水処理システム1Aの全体構成図である。なお、第2実施形態では、主に第1実施形態との相違点について説明する。このため、第1実施形態と同一(又は同等)の構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。また、第2実施形態において特に説明しない点については、第1実施形態の説明が適宜に適用される。
本実施形態では、逆浸透膜分離装置5の下流側に、電気脱イオン装置6を備える点が第1実施形態と異なる。その他の構成は第1実施形態と同じであるため、詳細な説明を省略する。
イオン交換樹脂混床塔は、一つの塔内に陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂を混合した状態で収容したものである。イオン交換樹脂混床塔においては、透過水W5に含まれる陽イオン及び陰イオンが同時に除去される。
なお、上述した電気脱イオン装置6において、脱塩室に陽イオン交換樹脂のみを収容した場合にも、陽イオン交換樹脂単床塔を用いた場合と同様に、陰イオン及び陽イオンを段階的に除去することができる。すなわち、電気脱イオン装置6では、逆浸透膜分離装置5を透過した陽イオンが除去される。
次に、本発明の第3実施形態に係る水処理システム1Bについて、図6を参照しながら説明する。図6は、第3実施形態に係る水処理システム1Bの全体構成図である。なお、第3実施形態では、主に第1実施形態との相違点について説明する。このため、第1実施形態と同一(又は同等)の構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。また、第2実施形態において特に説明しない点については、第1実施形態の説明が適宜に援用される。
本実施形態では、第1実施形態の透過水W5を「第1透過水W5」と子、第1実施形態の濃縮水W6を「第1濃縮水W6」とする。また、本実施形態では、第2逆浸透膜分離装置8で製造された透過水を「第2透過水W9」とし、第2逆浸透膜分離装置8で製造された濃縮水を「第2濃縮水W10」とする。
第3実施形態において、第2逆浸透膜分離装置8で製造される第2透過水W9の水質は、RO膜モジュール8bの膜表面のpHに依存する。そのため、RO膜モジュール8bの膜表面のpHが変動すると、第2逆浸透膜分離装置8で製造される第2透過水W9の水質も不安定になる。
3 硬水軟化装置
4 塩水タンク
5 逆浸透膜分離装置(第1逆浸透膜分離装置)
5b RO膜モジュール(逆浸透膜)
6 電気脱イオン装置(電気脱イオンモジュール)
8 第2逆浸透膜分離装置
10 制御部
31 圧力タンク(陽イオン交換樹脂床塔)
32 プロセス制御バルブ(バルブ手段)
311 陽イオン交換樹脂床
313 硬度リーク防止床
321 頂部スクリーン
322 底部スクリーン
323 中間部スクリーン
L1 原水ライン
L2 軟水ライン
L3 塩水ライン
L4 排水ライン
L5,L7 通水ライン
L6,L8 濃縮水ライン
W1 原水
W2 軟水
W3 塩水(再生液)
W4 排水
W5 透過水(第1透過水)
W6 濃縮水(第1濃縮水)
W7 脱イオン水
W8,W10 第2濃縮水
W9 第2透過水
Claims (10)
- 原水を陽イオン交換樹脂床塔で軟化処理して軟水を製造する硬水軟化工程と、
硬水軟化工程で製造された軟水を第1逆浸透膜モジュールで透過水と濃縮水とに分離する第1逆浸透膜分離工程と、を含み、
前記陽イオン交換樹脂床塔においては、深さが300〜1500mmの陽イオン交換樹脂床に対し、原水を下降流で通過させて軟水を製造する軟化プロセス;再生液を前記陽イオン交換樹脂床の頂部及び底部の両側から配液しながら、中間部で集液することにより再生液の対向流を生成して、前記陽イオン交換樹脂床の全体を再生させる再生プロセスを含んで運転され、
再生プロセスでは、前記陽イオン交換樹脂床の底部を基点として深さ100mmに設定された硬度リーク防止床に対し、再生レベルが1〜6eq/L−Rとなる再生液量を供給する一方で、再生プロセス後の軟化プロセスでは、電気伝導率が150mS/m以下、且つ全硬度が500mgCaCO3/L以下の硬水を供給し、
前記第1逆浸透膜モジュールは、膜表面に架橋全芳香族ポリアミドからなる負荷電性のスキン層が形成された逆浸透膜を有し、
当該逆浸透膜は、濃度500mg/L、pH7.0、温度25℃の塩化ナトリウム水溶液を、操作圧力0.7MPa、回収率15%で供給したときの水透過係数が1.5×10−11m3・m−2・s−1・Pa−1以上、且つ塩除去率が99%以上である、
水処理方法。 - 第1逆浸透膜分離工程で得られた透過水を、電気脱イオンモジュール、イオン交換樹脂混床塔又は陽イオン交換樹脂単床塔で脱イオン処理する脱イオン処理工程を含む、
請求項1に記載の水処理方法。 - 第1逆浸透膜分離工程で得られた透過水を、更に第2逆浸透膜モジュールで透過水と濃縮水とに分離する第2逆浸透膜分離工程を含む、
請求項1に記載の水処理方法。 - 第2逆浸透膜分離工程で得られた透過水を、電気脱イオンモジュール、イオン交換樹脂混床塔又は陽イオン交換樹脂単床塔で脱イオン処理する脱イオン処理工程を含む、
請求項3に記載の水処理方法。 - 前記陽イオン交換樹脂床塔においては、再生プロセスの後に、原水を前記陽イオン交換樹脂床の頂部及び底部の両側から配液しながら、中間部で集液することにより原水の対向流を生成して、導入された再生液を押し出す押出プロセスを含んで運転され、
再生プロセスでは、前記陽イオン交換樹脂床に対して再生液を0.7〜2m/hの線速度で通過させると共に、押出プロセスでは、前記陽イオン交換樹脂床に対して原水を0.7〜2m/hの線速度、且つ0.4〜2.5BVの押出量で通過させる、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の水処理方法。 - 原水を陽イオン交換樹脂床塔で軟化処理して軟水を製造する硬水軟化装置と、
前記硬水軟化装置で製造された軟水を第1逆浸透膜モジュールで透過水と濃縮水とに分離する第1逆浸透膜分離装置と、
前記陽イオン交換樹脂床塔に収容された、深さが300〜1500mmの陽イオン交換樹脂床に対し、原水を下降流で通過させて軟水を製造する軟化プロセス;再生液を前記陽イオン交換樹脂床の頂部及び底部の両側から配液しながら、中間部で集液することにより再生液の対向流を生成して、前記陽イオン交換樹脂床の全体を再生させる再生プロセスに切り換え可能なバルブ手段と、
再生プロセスにおいて、前記陽イオン交換樹脂床の底部を基点として深さが100mmに設定された硬度リーク防止床に対し、再生レベルが1〜6eq/L−Rとなる再生液量を供給する再生液供給手段と、
再生プロセス後の軟化プロセスにおいて、電気伝導率が150mS/m以下、且つ全硬度が500mgCaCO3/L以下の原水を供給する原水供給手段と、を備え、
前記第1逆浸透膜モジュールは、膜表面に架橋全芳香族ポリアミドからなる負荷電性のスキン層が形成された逆浸透膜を有し、
当該逆浸透膜は、濃度500mg/L、pH7.0、温度25℃の塩化ナトリウム水溶液を、操作圧力0.7MPa、回収率15%で供給したときの水透過係数が1.5×10−11m3・m−2・s−1・Pa−1以上、且つ塩除去率が99%以上である、
水処理システム。 - 前記第1逆浸透膜分離装置で得られた透過水を脱イオン処理する、電気脱イオンモジュール、イオン交換樹脂混床塔又は陽イオン交換樹脂単床塔を備える、
請求項6に記載の水処理システム。 - 前記第1逆浸透膜分離装置で得られた透過水を、更に第2逆浸透膜モジュールで透過水と濃縮水とに分離する第2逆浸透膜分離装置を備える、
請求項6に記載の水処理方法。 - 前記第2逆浸透膜分離装置で得られた透過水を脱イオン処理する、電気脱イオンモジュール、イオン交換樹脂混床塔又は陽イオン交換樹脂単床塔を備える、
請求項8に記載の水処理システム。 - 前記バルブ手段は、再生プロセスの後に、原水を前記陽イオン交換樹脂床の頂部及び底部の両側から配液しながら、中間部で集液することにより原水の対向流を生成して、導入された再生液を押し出す押出プロセスに切り換え可能に構成され、
前記再生液供給手段は、再生プロセスにおいて、前記陽イオン交換樹脂床に対して再生液を0.7〜2m/hの線速度で通過させるように構成され、
前記原水供給手段は、押出プロセスにおいて、前記陽イオン交換樹脂床に対して原水を0.7〜2m/hの線速度、且つ0.4〜2.5BVの押出量で通過させるように構成された、
請求項6〜9のいずれか一項に記載の水処理システム。
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