JP2012182956A - 電源回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】インパルスノイズによる誤動作を防止しつつ、本来の過電圧保護のみに保護動作を行う電源回路を提供する。
【解決手段】交流を所定の直流に変換する電源回路100において、直流の伝送ラインLdcにおける過電圧を防止する過電圧防止回路70と、過電圧防止回路70が過電圧を検知すると交流の伝送ラインLacを電気的に切断する過電流保護回路30と、を備え、直流の伝送ラインLdcと過電圧防止回路70との間にローパスフィルタ回路80を介挿する。
【選択図】図1
【解決手段】交流を所定の直流に変換する電源回路100において、直流の伝送ラインLdcにおける過電圧を防止する過電圧防止回路70と、過電圧防止回路70が過電圧を検知すると交流の伝送ラインLacを電気的に切断する過電流保護回路30と、を備え、直流の伝送ラインLdcと過電圧防止回路70との間にローパスフィルタ回路80を介挿する。
【選択図】図1
Description
本発明は電源回路に関し、特に交流を所定の直流に変換する電源回路に関する。
電気機器、通信機器、防災機器等においては、雷等によって発生する短時間のサージ電圧をガードし、誤作動や素子破壊を防止する必要がある。
例えば、特許文献1には、サージ電圧が伝送する可能性のある線路に対し、誘導雷の入力される側から順に、アレスタ、バリスタ、フィルタ、ツェナダイオード、を接続した雷保護回路が開示されている。当該回路においてサージ電圧が線路を伝送すると、当該サージ電圧がツェナダイオードへ到達するタイミングをフィルタ回路が遅延させることによりツェナダイオードの降伏タイミングを遅延させ、この遅延時間内にアレスタおよびバリスタが先に動作してサージ電圧を定格電圧以下に下げ、これに追従してツェナダイオードも動作するようになっている。
その他、特許文献2には、定電流ダイオードと容量素子を用いたローパスフィルタ(定電流ダイオードフィルタ)が開示され、特許文献3には、三極放電管とハイパスフィルタをもうけることにより雷害保護する保護装置について開示されている。
例えば、特許文献1には、サージ電圧が伝送する可能性のある線路に対し、誘導雷の入力される側から順に、アレスタ、バリスタ、フィルタ、ツェナダイオード、を接続した雷保護回路が開示されている。当該回路においてサージ電圧が線路を伝送すると、当該サージ電圧がツェナダイオードへ到達するタイミングをフィルタ回路が遅延させることによりツェナダイオードの降伏タイミングを遅延させ、この遅延時間内にアレスタおよびバリスタが先に動作してサージ電圧を定格電圧以下に下げ、これに追従してツェナダイオードも動作するようになっている。
その他、特許文献2には、定電流ダイオードと容量素子を用いたローパスフィルタ(定電流ダイオードフィルタ)が開示され、特許文献3には、三極放電管とハイパスフィルタをもうけることにより雷害保護する保護装置について開示されている。
その一方で、電気機器、通信機器、防災機器等は、適応しないAC商用電源に接続されたときの誤作動や素子破壊を防止する必要もある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、雷等によって発生する短時間のサージ電圧に対する保護動作と、適応しない電源が供給されたときの保護動作とを、適切に実現可能な電源回路を提供を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明にかかる電源回路は、交流を直流に変換する電源回路において、過電圧検知回路と、過電流保護回路と、ローパスフィルタと、を備える構成とされる。当該構成において、過電圧検知回路は、当該電源回路における過電圧を検知可能になっており、過電圧検知回路が過電圧を検知すると過電流保護回路が前記交流の伝送ラインを電気的に切断する。これにより、前記直流の伝送ラインを伝送する過電圧から、過電圧検知回路よりも後段に有る回路素子を保護する。
ここで、前記過電圧検知回路の監視対象となる伝送ライン(直流もしくは交流の伝送ライン)と前記過電圧検知回路との間にはローパスフィルタが介挿されており、前記過電圧検知回路が検知する前記監視対象となる伝送ラインから前記過電圧検知回路へ入力される電圧から、高周波成分を除去している。従って、前記監視対象となる伝送ラインにおいて前記過電圧を超える瞬間的なインパルスノイズが発生しても、当該インパルスノイズはローパスフィルタによって除去されるため、前記過電圧検知回路は当該インパルスノイズに含まれる過電圧を検出しなくなる。
よって、当該電源回路における定常的な過電圧から過電圧検知回路よりも後段に有る回路素子を保護しつつ、当該電源回路に発生する瞬間的なインパルスノイズの過電圧によっては過電圧検知回路や過電流保護回路が動作しないようになる。よってインパルスノイズによる誤動作を防止しつつ、本来の過電圧保護のみに保護動作を行う電源回路を提供することができる。
また、本発明の選択的な一態様においては、前記過電圧検知回路は、前記直流の伝送ラインを監視対象とし、前記直流の伝送ラインにおける過電圧を検知すると前記直流の伝送ラインをグランドに接続し、前記過電流保護回路は、前記直流の伝送ラインがグランドに接続されて前記交流の伝送ラインに過電流が流れると前記交流の伝送ラインを電気的に切断する構成とされる。
当該構成によれば、過電圧を検知したときに前記過電圧検知回路が前記直流の伝送ラインをグランドに接続することにより、当該過電圧検知回路よりも前段側に発生する過電流を前記過電流保護回路が検知し、前記交流の伝送ラインを電気的に切断する。よって、前記過電圧防止回路から前記過電流保護回路へ検知結果を伝送するための構成を特別に設ける必要が無く、シンプルな回路構成で過電圧検知回路や過電流保護回路を構成することができる。
当該構成によれば、過電圧を検知したときに前記過電圧検知回路が前記直流の伝送ラインをグランドに接続することにより、当該過電圧検知回路よりも前段側に発生する過電流を前記過電流保護回路が検知し、前記交流の伝送ラインを電気的に切断する。よって、前記過電圧防止回路から前記過電流保護回路へ検知結果を伝送するための構成を特別に設ける必要が無く、シンプルな回路構成で過電圧検知回路や過電流保護回路を構成することができる。
また、本発明の選択的な一態様においては、前記ローパスフィルタは、マイクロ秒オーダー以下の周期を持つ高周波成分を除去する構成とされる。
当該構成によれば、具体的にローパスフィルタを実現する上で適切なカット周波数を設定することができる。
当該構成によれば、具体的にローパスフィルタを実現する上で適切なカット周波数を設定することができる。
また、本発明の選択的な一態様においては、前記ローパスフィルタは、コイルとコンデンサを備え、前記コイルは、前記過電圧検知回路の監視対象となる伝送ラインと前記過電圧検知回路との間に介挿され、前記コンデンサは、前記過電圧防止回路と前記コイルとの間に一端を接続され他端をグランドに接続される、構成とされる。
当該構成によれば、上述した作用を奏するローパスフィルタを、シンプルな回路構成で効果的に実現することができる。
当該構成によれば、上述した作用を奏するローパスフィルタを、シンプルな回路構成で効果的に実現することができる。
また、本発明の選択的な一態様においては、前記過電圧検知回路は、前記直流の伝送ラインを監視対象とし、前記直流の伝送ラインとグランドとの間をアノードを前記直流の伝送ラインに向けつつカソードをグランドに向けて接続し当該カソードに過電圧を印加されると降伏するツェナダイオードにより構成され、前記過電流保護回路は、前記交流の伝送ライン上に配置されて前記ツェナダイオードが降伏したときに前記交流の伝送ラインに流れる過電流によって溶断するヒューズにより構成され、前記ローパスフィルタは、コイルとコンデンサにより構成され、前記コイルは、前記直流の伝送ラインと前記ツェナダイオードのカソードとの間に介挿され、前記コンデンサは、前記ツェナダイオードと前記コイルとの間に一端を接続され他端をグランドに接続され、前記ツェナダイオードは、前記直流の伝送ラインが過電圧になると降伏して前記直流の伝送ラインをグランドに接続し、前記ヒューズは、前記直流の伝送ラインがグランドに接続されて前記交流の伝送ラインに過電流が流れると溶断して前記交流の伝送ラインを電気的に切断する構成とされる。
当該構成において、ツェナダイオードは、前記直流の伝送ラインが定常的な過電圧になると降伏する。すると、当該ツェナダイオードよりも前段に有る交流ラインに配置されたヒューズに過電流が流れて当該ヒューズが溶断し、回路が保護されることとなる。ただし、前記直流の伝送ラインにおいて前記過電圧を超える瞬間的なインパルスノイズが発生しても、当該インパルスノイズはローパスフィルタによって除去されるため、ツェナダイオードは降伏せず、ヒューズも溶断しない。よって、インパルスノイズによる誤動作を防止しつつ、本来の過電圧保護のみに保護動作を行う電源回路を提供することができる。
以上説明したように本発明によれば、インパルスノイズによる誤動作を防止しつつ、本来の過電圧保護のみに保護動作を行う電源回路を提供することができる。
請求項2にかかる発明によれば、シンプルな回路構成で過電圧検知回路や過電流保護回路を構成することができる。
請求項3にかかる発明によれば、具体的にローパスフィルタを実現する上で適切なカット周波数を設定することができる。
請求項4にかかる発明によれば、ローパスフィルタをシンプルな回路構成で効果的に実現することができる。
請求項5のようなより具体的な構成において、上述した請求項1〜請求項の各発明と同様の作用効果を奏することはいうまでもない。
請求項2にかかる発明によれば、シンプルな回路構成で過電圧検知回路や過電流保護回路を構成することができる。
請求項3にかかる発明によれば、具体的にローパスフィルタを実現する上で適切なカット周波数を設定することができる。
請求項4にかかる発明によれば、ローパスフィルタをシンプルな回路構成で効果的に実現することができる。
請求項5のようなより具体的な構成において、上述した請求項1〜請求項の各発明と同様の作用効果を奏することはいうまでもない。
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)電源回路の構成、作用:
(2)電源回路の動作:
(3)まとめ:
(1)電源回路の構成、作用:
(2)電源回路の動作:
(3)まとめ:
(1)電源回路の構成、作用:
図1は、本発明の一実施形態にかかる電源回路の構成例を示す要部回路図である。
同図において、電源回路100は、AC入力部10、ノイズフィルタ回路20、過電流保護回路30、整流回路40、平滑回路50、ラッシュ制限回路60、過電圧防止回路70と、ローパスフィルタ回路80と、を備えている。
図1は、本発明の一実施形態にかかる電源回路の構成例を示す要部回路図である。
同図において、電源回路100は、AC入力部10、ノイズフィルタ回路20、過電流保護回路30、整流回路40、平滑回路50、ラッシュ制限回路60、過電圧防止回路70と、ローパスフィルタ回路80と、を備えている。
AC入力部10は、外部から電源回路100の電源電圧としての交流ACを入力するための入力端子であり、電源回路100においては交流ACの入力元となる。AC入力部10は、例えば、外部の交流電源(例えば、商用の交流電源等)に接続入力される端子としてのコネクタAC−inで構成することができる。
ノイズフィルタ回路20は、AC入力部10より入力される交流ACから各種のノイズを除去する。ノイズフィルタ回路20は、例えば、コモン・モード・チョーク・コイルL1や、アクロス・ザ・ライン・コンデンサC1と放電抵抗R1、により構成することができる。
過電流保護回路30は、AC入力部10に入力された交流ACの伝送ラインLacに過電流が流れたときに、当該伝送ラインLacを電気的に切断することにより後段の素子を保護する。過電流とは配線に許容量以上の大きな電流が流れることをいい、回路を構成する各素子の定格、耐久性、各種の基準等に基づいて各回路に適切な値が適宜に決定される。
過電流保護回路30は、例えば、伝送ラインLacに直列に介挿されたヒューズF1で構成することができる。本実施形態においては、ヒューズF1が取替え可能になっており、ヒューズF1が溶断した場合には新たなヒューズF1を装着して電源回路100を再び動作させることができる。
過電流保護回路30は、例えば、伝送ラインLacに直列に介挿されたヒューズF1で構成することができる。本実施形態においては、ヒューズF1が取替え可能になっており、ヒューズF1が溶断した場合には新たなヒューズF1を装着して電源回路100を再び動作させることができる。
なお、過電流保護回路30は、過電圧防止回路70において過電圧を検出したときに伝送ラインLacを断線させることができればよく、ヒューズF1に限定されるものではない。例えば、ヒューズF1の代わりにトランジスタ回路やリレー回路等を交流ACの伝送ラインLac上に配置し、後述する過電圧防止回路70における過電圧の検出に応じて、伝送ラインLacを電気的に切断するように構成してもよい。
整流回路40は、AC入力部10に入力された交流ACを直流DCに整流する。整流回路40は、例えば、ダイオードD2〜D5により構成されるダイオードブリッジ回路により構成することができる。ダイオードブリッジ回路は、交流ACを全波整流することにより直流DCを生成して出力する。
平滑回路50は、整流回路40によって整流された直流DCからリップルを除去することにより脈流をより直流に近い状態に平滑化する。平滑回路50は、例えば、平滑コンデンサC2により構成することができる。
ラッシュ制限回路60は、AC入力部10から入力される交流ACに起因する突入電流を制限する。ラッシュ制限回路60は、例えば、整流回路40において整流された後の直流DCを伝送する伝送ラインLdcに直列に介挿されるラッシュ制限抵抗R2により構成することができる。
過電圧防止回路70は、直流DCの伝送ラインLdcにおける過電圧を検出したときに当該直流DCの伝送ラインLdcをグランドGNDに接続することにより後段の素子を保護する。過電圧とは負荷の耐圧を超える電圧をいい、回路を構成する各素子の定格、耐久性、各種の基準等に基づいて各回路に適切な値が適宜に決定される。
過電圧防止回路70は、例えば、伝送ラインLdcとグランドの間に、カソードを伝送ラインLdcに向けつつアノードをグランドに向けて接続されたツェナダイオードD1により構成することができる。ツェナダイオードD1は、伝送ラインLdcの直流DCが過電圧より低いときは降伏せず、伝送ラインLdcに流れる直流DCが過電圧になると降伏して伝送ラインLdcをグランドGNDに接続する。過電圧防止回路70の検出する過電圧は、電源回路を構成する各素子の定格や耐性に応じて適宜に決定されるものであり、当該過電圧ならびに当該過電圧によって電源回路に発生する電流によって各素子が誤作動・破壊しないような値とされる。
すなわち、伝送ラインLdcの直流DCが過電圧を超えると、AC入力部10は過電圧防止回路70を経由してグランドGNDへと過電流が発生する。すると、当該過電流を過電流保護回路30が検知して伝送ラインLacを電気的に切断するため、過電圧ならびに過電流から後段の素子が保護される。
なお、過電圧防止回路70は、必ずしも整流回路40の後段に配置される必要はなく、例えば、交流ACの伝送ラインLacに接続されて交流ACに基づいて過電圧を検出する構成としてもよい。例えば、2つのツェナダイオードをカソードが向かい合わせになるように接続し、一方のツェナダイオードのアノードを交流ACの伝送ラインLacに向けて接続しつつ他方のツェナダイオードのアノードをグランドGNDに向けて接続する。このように構成すれば交流ACに基づいて過電圧を検出することも可能である。
以上のように、本実施形態における過電圧防止回路70、もしくは過電圧防止回路70と整流回路40の組合せは、本発明の過電圧検知回路を構成する。
以上のように、本実施形態における過電圧防止回路70、もしくは過電圧防止回路70と整流回路40の組合せは、本発明の過電圧検知回路を構成する。
ローパスフィルタ回路80は、前記直流DCの伝送ラインLdcと過電圧防止回路70との間に介挿され、伝送ラインLdcから過電圧防止回路70へ印加される電圧から高周波成分を除去する。すなわち、伝送ラインLdcを伝送する電圧の低周波成分のみを過電圧防止回路70へ入力する。ここで、高周波成分とは、いわゆる雷サージ等によって流入するインパルスノイズであり、一般に、マイクロ秒オーダー以下の周期(時間)を有すると共に上述した過電圧以上のピーク値を有するノイズである。インパルスノイズのピーク値は、例えば、キロボルトオーダーを超える。
ローパスフィルタ回路80は、例えば、コイルBC1とコンデンサC3とで構成することができる。コイルBC1は、直流DCの伝送ラインLdcと過電圧防止回路70との間に介挿され、コンデンサC3は、過電圧防止回路70とコイルBC1との間に一端を接続されつつ他端をグランドGNDに接続される。このように構成されたローパスフィルタ回路80は、マイクロ秒オーダーを超える周期の周波数成分については過電圧防止回路70へ通過させ、マイクロ秒オーダー以下の周期の高周波成分については過電圧防止回路70へ通過させないという作用を有する。
(2)電源回路の動作:
次に、図2〜4を参照しつつ、以上の回路構成における動作についてローパスフィルタ回路80がある場合と無い場合とを比較する。図2〜4には、図1におけるA点とB点の電圧波形を場合分けして模式的に示しつつ、各場合において、過電圧防止回路70と過電流保護回路30とがどのように動作するかを示してある。なお、図2〜4に示す例では、本実施形態にかかる電源回路を搭載した電気機器、電子機器の定格電圧をAC100Vとし、AC200Vは過電圧であるものとする。すなわち、定格のAC100Vを大きく超えるAC200Vを入力されたときに電源回路100に発生する電圧は、過電圧となるものとする。
次に、図2〜4を参照しつつ、以上の回路構成における動作についてローパスフィルタ回路80がある場合と無い場合とを比較する。図2〜4には、図1におけるA点とB点の電圧波形を場合分けして模式的に示しつつ、各場合において、過電圧防止回路70と過電流保護回路30とがどのように動作するかを示してある。なお、図2〜4に示す例では、本実施形態にかかる電源回路を搭載した電気機器、電子機器の定格電圧をAC100Vとし、AC200Vは過電圧であるものとする。すなわち、定格のAC100Vを大きく超えるAC200Vを入力されたときに電源回路100に発生する電圧は、過電圧となるものとする。
図2は、コネクタAC−inが100Vの交流電源に接続された場合である。
図2(b)のようにローパスフィルタ回路80が無い場合は、当然ながらA点とB点の電圧波形は、いずれも100Vの交流が整流回路40にて全波整流された直流DCとなる。従って、過電圧防止回路70は過電圧を検出せず、過電流保護回路30に過電流が流れることも無い。
一方、図2(a)のようにローパスフィルタ回路が有る場合は、A点の電圧波形は100Vの交流が整流回路40にて全波整流された直流DCとなり、B点の電圧波形は当該直流DCの高周波成分が除去されて平滑化された直流となる。従って、過電圧防止回路70は過電圧を検出せず、過電流保護回路30に過電流が流れることも無い。
図2(b)のようにローパスフィルタ回路80が無い場合は、当然ながらA点とB点の電圧波形は、いずれも100Vの交流が整流回路40にて全波整流された直流DCとなる。従って、過電圧防止回路70は過電圧を検出せず、過電流保護回路30に過電流が流れることも無い。
一方、図2(a)のようにローパスフィルタ回路が有る場合は、A点の電圧波形は100Vの交流が整流回路40にて全波整流された直流DCとなり、B点の電圧波形は当該直流DCの高周波成分が除去されて平滑化された直流となる。従って、過電圧防止回路70は過電圧を検出せず、過電流保護回路30に過電流が流れることも無い。
図3は、コネクタAC−inが200Vの交流電源に接続された場合である。
図3(b)のようにローパスフィルタ回路80が無い場合は、当然ながらA点とB点の電圧波形は、いずれも200Vの交流が整流回路40にて全波整流された直流DCとなる。従って、過電圧防止回路70はこの直流DCを過電圧として検出し、過電流保護回路30に過電流が流れて、交流ACの伝送ラインLacを電気的に切断することにより後段の素子を保護する。
一方、図3(a)のようにローパスフィルタがある場合は、A点の電圧波形は200Vの交流が整流回路40にて全波整流された直流DCとなり、B点の電圧波形は当該直流DCの高周波成分が除去されて平滑化された直流となる。従って、過電圧防止回路70はこの直流DCを過電圧として検出し、過電流保護回路30に過電流が流れて、交流ACの伝送ラインLacを電気的に切断することにより後段の素子を保護する。
図3(b)のようにローパスフィルタ回路80が無い場合は、当然ながらA点とB点の電圧波形は、いずれも200Vの交流が整流回路40にて全波整流された直流DCとなる。従って、過電圧防止回路70はこの直流DCを過電圧として検出し、過電流保護回路30に過電流が流れて、交流ACの伝送ラインLacを電気的に切断することにより後段の素子を保護する。
一方、図3(a)のようにローパスフィルタがある場合は、A点の電圧波形は200Vの交流が整流回路40にて全波整流された直流DCとなり、B点の電圧波形は当該直流DCの高周波成分が除去されて平滑化された直流となる。従って、過電圧防止回路70はこの直流DCを過電圧として検出し、過電流保護回路30に過電流が流れて、交流ACの伝送ラインLacを電気的に切断することにより後段の素子を保護する。
図4は、コネクタAC−inが100Vの交流電源に接続されているときにサージ等のインパルスノイズが流入した場合である。
図4(b)のようにローパスフィルタ回路80が無い場合は、当然ながらA点とB点の電圧波形は、いずれもインパルスノイズが重畳された100Vの交流が整流回路40にて全波整流された直流DCとなる。従って、過電圧防止回路70はインパルスノイズを過電圧として検出し、過電流保護回路30に過電流が流れて交流ACの伝送ラインLacを電気的に切断することにより後段の素子を保護する。
一方、図4(a)のようにローパスフィルタがある場合は、A点の電圧波形はインパルスノイズが重畳された100Vの交流が整流回路40にて全波整流された直流DCとなり、B点の電圧波形は当該直流DCの高周波成分が除去されて平滑化された直流となる。すなわち、B点の電圧波形からはインパルスノイズが除去され、100Vの交流が整流回路40にて全波整流された直流DCとほぼ同様の電圧波形となる。従って、過電圧防止回路70は過電圧を検出せず、過電流保護回路30に過電流が流れることもない。
図4(b)のようにローパスフィルタ回路80が無い場合は、当然ながらA点とB点の電圧波形は、いずれもインパルスノイズが重畳された100Vの交流が整流回路40にて全波整流された直流DCとなる。従って、過電圧防止回路70はインパルスノイズを過電圧として検出し、過電流保護回路30に過電流が流れて交流ACの伝送ラインLacを電気的に切断することにより後段の素子を保護する。
一方、図4(a)のようにローパスフィルタがある場合は、A点の電圧波形はインパルスノイズが重畳された100Vの交流が整流回路40にて全波整流された直流DCとなり、B点の電圧波形は当該直流DCの高周波成分が除去されて平滑化された直流となる。すなわち、B点の電圧波形からはインパルスノイズが除去され、100Vの交流が整流回路40にて全波整流された直流DCとほぼ同様の電圧波形となる。従って、過電圧防止回路70は過電圧を検出せず、過電流保護回路30に過電流が流れることもない。
以上のように、本実施形態にかかるローパスフィルタ回路80を備えた電源回路100によれば、定常的な過電圧からは過電圧防止回路70と過電流保護回路30の作用により回路を保護しつつ、瞬間的な過電圧については、ローパスフィルタ回路80の作用により過電圧防止回路70の動作を抑制し、ひいては過電流保護回路30の動作も抑制している。よって、瞬間的な雷等のサージ電圧に対して誤作動・破壊しないようにしつつ、コネクタAC−inの接続ミス等に起因する定常的な過電圧に対しては確実に作動して回路素子を保護することができる。
(3)まとめ:
以上説明したように本実施形態にかかる電源回路100は、交流を所定の直流に変換する電源回路100において、直流の伝送ラインLdcにおける過電圧を防止する過電圧防止回路70と、過電圧防止回路70が過電圧を検知すると交流の伝送ラインLacを電気的に切断する過電流保護回路30と、を備え、直流の伝送ラインLdcと過電圧防止回路70との間にローパスフィルタ回路80を介挿してある。よって、インパルスノイズによる誤動作を防止しつつ、本来の過電圧保護のみに保護動作を行うことができる。
以上説明したように本実施形態にかかる電源回路100は、交流を所定の直流に変換する電源回路100において、直流の伝送ラインLdcにおける過電圧を防止する過電圧防止回路70と、過電圧防止回路70が過電圧を検知すると交流の伝送ラインLacを電気的に切断する過電流保護回路30と、を備え、直流の伝送ラインLdcと過電圧防止回路70との間にローパスフィルタ回路80を介挿してある。よって、インパルスノイズによる誤動作を防止しつつ、本来の過電圧保護のみに保護動作を行うことができる。
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
・上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
10…AC入力部、20…ノイズフィルタ回路、30…過電流保護回路、40…整流回路、50…平滑回路、60…ラッシュ制限回路、70…過電圧防止回路、80…ローパスフィルタ回路、100…電源回路、AC−in…コネクタ、BC1…コイル、C1…アクロス・ザ・ライン・コンデンサ、C2…平滑コンデンサ、C3…コンデンサ、D1…ツェナダイオード、D2〜D5…ダイオード、F1…ヒューズ、GND…グランド、L1…コモン・モード・チョーク・コイル、Lac…伝送ライン、Ldc…伝送ライン、R1…放電抵抗、R2…ラッシュ制限抵抗
Claims (5)
- 交流を直流に変換する電源回路において、
当該電源回路の過電圧を検知する過電圧検知回路と、
前記過電圧検知回路が過電圧を検知すると前記交流の伝送ラインを電気的に切断する過電流保護回路と、
を備え、
前記過電圧検知回路の監視対象となる伝送ラインと前記過電圧検知回路との間にローパスフィルタを介挿されることを特徴とする電源回路。 - 前記過電圧検知回路は、前記直流の伝送ラインを監視対象とし、前記直流の伝送ラインにおける過電圧を検知すると前記直流の伝送ラインをグランドに接続し、
前記過電流保護回路は、前記直流の伝送ラインがグランドに接続されて前記交流の伝送ラインに過電流が流れると前記交流の伝送ラインを電気的に切断することを特徴とする請求項1に記載の電源回路。 - 前記ローパスフィルタは、マイクロ秒オーダー以下の周期となる高周波成分を除去することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電源回路。
- 前記ローパスフィルタは、コイルとコンデンサを備え、
前記コイルは、前記過電圧検知回路の監視対象となる伝送ラインと前記過電圧検知回路との間に介挿され、
前記コンデンサは、前記過電圧検知回路と前記コイルとの間に一端を接続され他端をグランドに接続される、
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電源回路。 - 前記過電圧検知回路は、前記直流の伝送ラインを監視対象とし、アノードを前記直流の伝送ラインに向けつつカソードをグランドに向けて前記直流の伝送ラインとグランドとの間を接続し当該カソードに過電圧を印加されると降伏するツェナダイオードにより構成され、
前記過電流保護回路は、前記ツェナダイオードが降伏したときに前記交流の伝送ラインに流れる過電流によって溶断するヒューズにより構成され、
前記ローパスフィルタは、コイルとコンデンサにより構成され、
前記コイルは、前記直流の伝送ラインと前記ツェナダイオードのカソードとの間に介挿され、
前記コンデンサは、前記ツェナダイオードと前記コイルとの間に一端を接続され他端をグランドに接続され、
前記ツェナダイオードは、前記直流の伝送ラインが過電圧になると降伏して前記直流の伝送ラインをグランドに接続し、
前記ヒューズは、前記直流の伝送ラインがグランドに接続されて前記交流の伝送ラインに過電流が流れると溶断して前記交流の伝送ラインを電気的に切断することを特徴とする請求項1に記載の電源回路。
Priority Applications (1)
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JP2011045608A JP2012182956A (ja) | 2011-03-02 | 2011-03-02 | 電源回路 |
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JP2011045608A JP2012182956A (ja) | 2011-03-02 | 2011-03-02 | 電源回路 |
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JP2011045608A Withdrawn JP2012182956A (ja) | 2011-03-02 | 2011-03-02 | 電源回路 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103337832A (zh) * | 2013-06-26 | 2013-10-02 | 国家电网公司 | 一种直流滤波器保护方法 |
WO2024057395A1 (ja) * | 2022-09-13 | 2024-03-21 | 三菱電機株式会社 | ノイズフィルタ及びノイズ除去方法 |
-
2011
- 2011-03-02 JP JP2011045608A patent/JP2012182956A/ja not_active Withdrawn
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