JP2012180852A - 多軸駆動装置 - Google Patents

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貴史 平田
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Abstract

【課題】回転式のセレクタ(カム)で動力伝達の経路を選択する際に、動力伝達の状態となる適正位置にセレクタを確実に停止させる。
【解決手段】セレクタ60を回転させて1つのクラッチ機構45が接続状態となるとき、他のクラッチ機構45のクラッチ軸40のピン42にセレクタ60のカム面62に形成したストッパ壁部63sが当接してセレクタ60のそれ以上の回転を規制し、動力伝達の状態となる適正位置にセレクタ60を確実に停止させる。
【選択図】図8

Description

本発明は、例えば車両用電動シート等に適用されて好適な1つのモータで複数の出力軸を駆動する多軸駆動装置に関する。
車両用シートにあっては、全体の前後方向のスライドや座面高さの上下動、あるいはシートバック(背もたれ)のリクライニング等、複数箇所の位置を調節可能として、乗員の体形や姿勢に適合できるようにした形式のものが多い。これらの可動部位の調節は手動でなされるものであったが、より便利なものとして、モータ駆動により調節する電動シートが提供されている。
複数の可動部位をそれぞれ独立して駆動するには、可動部位に連結した各出力軸ごとにモータを1つ1つ連結させる構成が考えられるが、これではモータの数が多くなる。そこで、1つのモータで複数の出力軸を駆動すれば効率的であり、そのために、複数の可動部位に連結した各出力軸に、クラッチを介してモータの動力が伝達されるようにし、クラッチを断接して各可動部位を選択的に駆動するものが提案されている(特許文献1等参照)。このようないわゆる多軸駆動装置としては、複数の出力軸上に軸方向に移動自在にそれぞれ設けた従動側ベベルギヤを、モータ軸上の駆動側ベベルギヤに対して噛み合い可能に付勢した状態で設け、従動側ベベルギヤを押圧するカムによって従動側ベベルギヤを駆動側ベベルギヤに対して離接させて動力伝達の経路を切り換えるものが知られている(特許文献2)。
特開平6−156123号公報 特公昭54−41898号公報
上記特許文献2に記載される多軸駆動装置にあっては、カムが所定角度回転したときに、複数の従動側ベベルギヤのうちの1つが駆動側ベベルギヤに噛み合って動力伝達がなされるようになっており、カムは、モータまたはソレノイドなどによって間欠回転操作されるとしている。ここで、カムを電動ではなく手動で回転させるようにすると構成の簡素化や軽量化等が図られて好ましいが、その場合には、動力伝達される回転角度位置を越えてカムを過回転させてしまい、確実な動作を得ることができないことが懸念される。また、操作者が動力伝達の状態であることを明確に判別することができる構成であることが望ましい。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、回転式のセレクタ(カム)で動力伝達の経路を選択する際に、動力伝達の状態となる適正位置にセレクタを確実に停止させることができるとともに、セレクタが適正位置にあることを操作者が明確に判別することができる多軸駆動装置を提供することを目的としている。
本発明は、車両に具備される複数の可動機構を1つのモータによって選択的に駆動する多軸駆動装置であって、支持部材に回転軸を介して回転自在に支持され、一面がカム部を有するカム面とされたダイヤル式のセレクタと、前記カム面に対して進退自在に設けられ、セレクタ側の先端に当接部を有し、前記モータによって回転させられる複数の入力軸と、この入力軸をセレクタ方向に進出するように付勢して、前記当接部を、セレクタの回転に応じて前記カム面に当接させるか前記カム部に作用させる付勢部材と、これら入力軸に対応して配設され、前記可動機構に伝達部材を介して接続される複数の出力軸と、前記出力軸と、この出力軸に対応する前記入力軸とに設けられ、入力軸の進退動作に応じて入力軸から出力軸への回転伝達を断接するクラッチ機構とを備え、前記セレクタを回転させることにより、少なくとも1つの前記入力軸の前記当接部が前記カム部に作用し、これにより当該入力軸が前記クラッチ機構を介して出力軸に選択的に接続される多軸駆動装置において、前記支持部材に、前記入力軸を介して前記付勢部材の付勢力を受けるセレクタを他面側から押さえ付け、かつ回転自在に保持する保持部が設けられ、前記セレクタのカム面に、セレクタを回転させて任意の前記入力軸が前記クラッチ機構を介して出力軸に接続されたときに、出力軸に接続されていない他の入力軸の前記当接部が当接してセレクタのそれ以上の回転を規制するストッパが形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、セレクタを回転させて任意の入力軸がクラッチ機構を介して出力軸に接続して動力伝達されたとき、他の入力軸の当接部にセレクタのカム面に形成されたストッパが当接することにより、セレクタは過回転せず停止する。このため、動力伝達の状態となる適正位置にセレクタを確実に停止させることができるとともに、セレクタが適正位置にあることを、当接部にストッパが当接した感触を得ることで操作者は明確に判別することができる。セレクタに形成したストッパを入力軸の当接部に当接させる構成であり、セレクタを停止させるための別部材を設ける必要がないため、部品点数およびコストの増加を抑えることができる。
また、カム面とは反対側の他面側を保持部で押さえ付け、付勢部材で付勢されるセレクタを常に保持部で受けるようにして保持するため、セレクタの軸方向のガタつきが抑えられるとともに抜け止めが確実になされる。これにより、出力軸に対する入力軸の相対位置が一定に保持され、クラッチ機構が安定して動作する。
本発明では、前記保持部は、前記入力軸に対応する箇所に設けられていることを好ましい形態とする。この形態によると、付勢部材によってセレクタ側に付勢される入力軸を、セレクタを介して保持部で直接的に押さえ付けるようになり、セレクタに撓みやガタつきが発生しにくくなる。
また、本発明では、前記保持部と前記セレクタのいずれか一方に複数の爪状部材が形成され、他方に、この爪状部材を通過させる切欠きが形成されている形態を含む。この形態によれば、爪状部材を切欠きに対応させて通過させてからセレクタを回転させることによりセレクタが保持され、セレクタを支持部材に容易に組み込むことができるといった利点がある。
また、本発明では、前記クラッチ機構は、前記入力軸と前記出力軸とに設けられ、互いに係合可能なベベルギヤを有する形態を含む。この形態によれば、上記のように出力軸に対する入力軸の相対位置が一定に保持されるためベベルギヤのバックラッシを常に適正な状態に保持することができ、異音発生やギヤの破損等のトラブルを未然に回避することができる。
本発明によれば、回転式のセレクタで動力伝達の経路を選択する際に、動力伝達の状態となる適正位置にセレクタを確実に停止させることができるとともに、セレクタが適正位置にあることを操作者が明確に判別することができる多軸駆動装置が提供されるといった効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る多軸駆動装置を示す斜視図である。 同装置の平面図である。 同装置の上部における図2のIII−III矢視断面図である。 同装置の上部における図2のIV−IV矢視断面図である。 図3のV−V矢視断面図である。 同装置が具備するセレクタの(a)斜視図、(b)裏面図である。 図3のVII−VII矢視に対応する図であって、セレクタを第2ケースに組み込むときの状態を示す図である。 図3のVII−VII矢視に対応する図であって、(a)第1クラッチ機構が接続状態のとき、(b)第3クラッチ機構が接続状態のとき、(c)第2クラッチ機構が接続状態のときを示している。 図8(a)のIX−IX矢視断面図である。 図8(b)のX−X矢視断面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
(1)多軸駆動装置の構成
図1および図2は、車両用電動シートを駆動する一実施形態に係る多軸駆動装置の斜視図および平面図をそれぞれ示している。また、図3および図4は、本装置の上部における図2のIII−III矢視断面およびIV−IV矢視断面をそれぞれ示している。さらに図5は、図3のV−V矢視断面を示している。以下の説明で上下方向は図面上の方向とするが、本装置は図示の姿勢で設置されるとは限られず、設置対象のフレーム等に任意の姿勢で設置される。
図1の符号10は、モータである。このモータ10は、図3に示すように上方に突出するモータ軸11を有しており、このモータ軸11上には平歯車からなるピニオン12が固定されている。ピニオン12はモータ10の稼働により正逆方向に回転駆動される。モータ10の上面には第1ケース21が着脱自在に装着され、第1ケース21の上面には第2ケース(支持部材)22が着脱自在に重ねて装着されている。図3に示すように、第2ケース22の上面には、回転軸61を介して円板状のダイヤル式セレクタ60が回転自在に支持されている。回転軸61はセレクタ60の下面のカム面(一面)62の中心に直交して形成されており、第2ケース22に形成された軸受穴24に回転自在に挿入される。回転軸61は、モータ軸61と同軸に配設される。
図3および図4に示すように、モータ10のピニオン12の周囲には、モータ軸11と平行な複数の入力軸(この場合3つ)30がセレクタ60の回転方向に沿って並列して配置されている。入力軸30は、主軸35と、主軸35に対し上下動自在に支持されたクラッチ軸40とを有している。すなわち入力軸30は、クラッチ軸40が上方のセレクタ60のカム面62に対して進退自在となっている。
主軸35は上方に開口する円筒状であって、下端部の軸部35aを介して第1ケース21に回転自在に支持されている。主軸35の下端部には従動ギヤ36が形成されており、各従動ギヤ36は、ピニオン12に噛み合わされている。クラッチ軸40は下方に開口する円筒状であって、主軸35内に挿入されている。クラッチ軸40は主軸35内にスプライン結合の状態で挿入されており、主軸35に沿って上下方向に摺動自在、かつ主軸35と一体回転する。モータ10が稼働してピニオン12が回転すると、従動ギヤ36が回転し、その回転が主軸35からクラッチ軸40に伝わり、入力軸30全体が回転する。すなわち、モータ10の稼働時にはモータ10の動力がピニオン12から各入力軸30の主軸35の従動ギヤ36に伝わり、各入力軸30が常時回転した状態となる。
クラッチ軸40の上端部には歯面が下方に向く入力側ベベルギヤ41が一体に形成されている。クラッチ軸40内には、圧縮状態のコイルばね(付勢部材)43が収容されている。このコイルばね43は主軸35内の底部をばね座として、クラッチ軸40を上方に付勢している。
入力側ベベルギヤ41の軸心には、上方に突出するピン42が形成されている。このピン42の先端部は半球状に形成されており、この先端部が、コイルばね43でクラッチ軸40が上方に付勢されることにより第2ケース22の上端面から突出するように設定されている。クラッチ軸40は、セレクタ60により、ピン42を介して下方に押さえ付けられた状態となる。
図6に示すように、セレクタ60のカム面62とは反対側の表面(他面)66の中心には、図1および図2に示すように操作軸66aが形成されている。この操作軸66aには、図示せぬダイヤルあるいはレバー等の手動式の操作部材が固定され、セレクタ60はこの操作部材により回転操作される。モータ10をON・OFFし、かつモータ10の回転方向を正逆いずれか一方に選択するスイッチは、この操作部材に好適に設けられる。
また、セレクタ60の表面66側には、操作軸66aと同心状の環状部67が形成され、この環状部67の外周側の外周縁および内周側には、環状部67よりも薄肉の外周側段部68および内周側段部69がそれぞれ形成されている。そして外周側段部68の所定箇所には複数(この場合2つ)の外周側切欠き68aが形成されており、内周側段部69には1つの内周側切欠き69aと、この内周側切欠き69aに連通する円弧状のスリット69bとが形成されている。
セレクタ60が装着される第2ケース22の上端面には、図2に示すように、複数(この場合2つ)の外周側爪部(保持部、爪状部材)28aと、1つの内周側爪部(保持部、爪状部材)29aが形成されている。外周側爪部28aは内周側に向かって延びており、第2ケース22の上端面との間にセレクタ60の外周側段部68を摺動可能に挟み込む隙間が形成されている。また、内周側爪部29aは外周側に向かって延びており、第2ケース22の上端面との間にセレクタ60の内周側段部69を摺動可能に挟み込む隙間が形成されている。外周側爪部28aおよび内周側爪部29aは、入力軸30に対応する箇所に配置されている。
外周側切欠き68aは、セレクタ60の回転軸61を第2ケース22の軸受穴24に挿入してカム面62を第2ケース22の上端面に対向させ、セレクタ60を回転させて内周側切欠き69aを内周側爪部29aに対応させたときに、外周側爪部28aに対応する箇所に形成されている。各爪部28a,29aは、対応する各切欠き68a,69aを通過可能に形成されており、セレクタ60は、外周側切欠き68aを外周側爪部28aに対応させ、かつ内周側切欠き69aを内周側爪部29aに対応させた状態から、回転軸61を軸受穴24にさらに挿入させて各爪部28a,29aを各切欠き68a,69aに通過させ、次いで回転させることにより、第2ケース22の上端面にカム面62が合わせられて装着される。このような方法により、セレクタ60は第2ケース22にねじ等の締結部材を用いることなく容易に装着することができる。
この装着状態で、セレクタ60はクラッチ軸40のピン42を介してコイルばね43の付勢力を受けるが、外周側段部68の表面が外周側爪部28aで押さえ付けられ、内周側段部69の表面が内周側爪部29aで押さえ付けられることにより、回転可能に保持される。すなわち外周側段部68は外周側爪部28aと第2ケース22の上端面との間の隙間に挟まれて摺動し、内周側段部69は内周側爪部29aと第2ケース22の上端面との間の隙間に挟まれて摺動する。セレクタ60は、内周側爪部29aがスリット69bを通過することにより回転が許容され、スリット69bの長さ分だけ回転可能となっている。
このように第2ケース22に装着されるセレクタ60の、カム面62における各クラッチ軸40のピン42に対向する所定箇所には、図6に示すように、上方に付勢されてカム面62に当接しているクラッチ軸40のピン42が嵌り込む複数のカム穴(カム部)63が形成されている。この場合カム穴63は、形成箇所と周方向長さが異なることによって区別される2種類(63aと63b)が2つずつ形成されている。
すなわち、一方の種類のカム穴63aは、ピン42が嵌合するだけの周方向長さが短いものであり、その底部中央にはピン42の上端面の一部が入り込む小さな凹部64が形成されている。また、他方の種類のカム穴63bは、回転軸11と同心状で嵌り込んだピン42が相対的に移動可能な円弧状溝であり、その底部の周方向一端部と他端部には、同様の凹部64が形成されている。各カム穴63の周方向一端側または他端側には、周方向に延びてセレクタ60のカム面62になだらかに連なるガイド斜面65が形成されている。
カム穴63およびガイド斜面65は、ピン42に対応する回転軌跡上であって、環状部67に対応する周上に形成されている。短いカム穴63aに連続するガイド斜面65は、周方向に互いに近接する方向に延びている。一方、長いカム穴63bに連続するガイド斜面65は、周方向に互いに離間する方向に延びている。そして、それぞれのカム穴63a,63bの、ガイド斜面65とは反対側の端部には、内側面がピン42の外周面に沿った内周円筒面状のストッパ壁部(ストッパ)63sが形成されている。
これらストッパ壁部63sには、セレクタ60を回転させてピン42がカム穴63に嵌り込み、凹部64にピン42の上端面の一部が入り込むと同時に、そのピン42が当接する。この状態では、それ以上のセレクタ60の回転、すなわち当接したピン42側へのセレクタ60の回転は、ストッパ壁部63sにピン42が当接することにより規制され不可能となる。
上記のようにセレクタ60を第2ケース22に装着させるにあたって外周側切欠き68aを外周側爪部28aに対応させ、かつ内周側切欠き69aを内周側爪部29aに対応させると、図7に示すように、セレクタ60のカム穴63間のカム面62は、各クラッチ軸40のピン42に対応するようになっている。セレクタ60を第2ケース22に装着する際には、このようにカム穴63間のカム面62で全てのピン42をコイルばね43の付勢力に抗して押し下げ、次いでセレクタ60を回転させて外周側段部68を外周側爪部28aに係合させ、内周側段部69を内周側爪部29aに係合させる。なお、図7のセレクタ60はカム面62を描いている(後述の図8も同様)。
図3に示すように、各入力軸30の周囲には、軸方向がモータ軸11と直交する出力軸50が配設されている。これら出力軸50は、第1ケース21と第2ケース22とが合体して形成される円筒状の軸受部23内に回転自在に支持される。これら出力軸50は略放射状に配設されており、入力軸30に対向する先端には、入力側ベベルギヤ41に噛み合うことが可能な出力側ベベルギヤ51が一体に形成されている。出力側ベベルギヤ51と、出力側ベベルギヤ51に噛み合う入力側ベベルギヤ41を有するクラッチ軸40とにより、本発明のクラッチ機構45が構成される。
各出力軸50は、車両用電動シートの、例えばシート座面の高さを調節する機構、シートバック(背もたれ部)の角度を調節するリクライニング機構、およびシートの前後位置を調節する機構等の可動機構に対し、図示せぬトルクケーブルを介してそれぞれ接続される。トルクケーブルは、出力軸50の後端面に形成された断面矩形状の装着穴52にその一端部が挿入され、出力軸50とともに回転する。
(2)多軸駆動装置の動作
次に、上記多軸駆動装置の動作を説明する。
コイルばね43でセレクタ60方向に付勢されているクラッチ軸40のピン42は、セレクタ60の回転に伴い、カム穴63間のカム面62に当接するクラッチ機構45が接続状態の位置(図4の右側の状態)と、カム穴63に嵌り込んだクラッチ機構45が切断状態の位置(図4の左側の状態)の2位置を往復移動する。
ピン42がセレクタ60のカム穴63に嵌り込んでクラッチ機構45が切断した状態では、ピン42が形成されているクラッチ軸40はコイルばね43で上方に移動させられ、入力側ベベルギヤ41は対応する出力側ベベルギヤ51から上方に離間する。このようにクラッチ機構45が切断した状態では、モータ10を稼働させても動力は入力側ベベルギヤ41までしか伝わらず、出力軸50は回転しない。
この状態からセレクタ60を所定方向に回転させると、ピン42がガイド斜面65を摺接してセレクタ60のカム面62に当接し、カム面62によってクラッチ軸40はコイルばね43の付勢力に抗してクラッチ機構45が接続状態となる位置に押し下げられる。すると、入力側ベベルギヤ41は対応する出力側ベベルギヤ51に噛み合い、クラッチ機構45が接続した状態となる。クラッチ機構45が接続した状態でモータ10を稼働させると、モータ10の動力が入力軸30、入力側ベベルギヤ41を経て出力側ベベルギヤ51に伝わる。これにより出力軸50が回転し、トルクケーブルが回転して上記可動機構が作動する。
入力側ベベルギヤ41が出力側ベベルギヤ51に噛み合ってクラッチ機構45が接続される瞬間には、いずれかのカム穴63に入り込んでいる他のピン42の上端面が、対応するいずれかの凹部64に入り込むことにより、セレクタ60を回転させる操作者はクリック感を得て目的の可動機構が作動可能になることを確認することができるようになっている。
次に、クラッチ機構45が接続している状態からセレクタ60を所定方向に回転させると、ピン42はセレクタ60のカム面62からガイド斜面65に入って摺接し、カム穴63に嵌り込んで再びクラッチ機構45が切断した状態となる。すると出力軸50の回転が停止する。
以上が多軸駆動装置の動作であり、本装置によれば、セレクタ60を回転させて作動させたい出力軸50に対応するクラッチ軸40のピン42にカム穴63を対向させることにより、いずれか1つの出力軸50を作動させることができ、これによって車両用電動シートの上記各可動機構のいずれ1つが選択されて駆動される。
上記のようにモータ10のスイッチをセレクタ60の操作軸66aに固定される操作部材に設けると、作動させる出力軸50の選択に続いてモータ10を稼働させ出力軸50を所望の方向に回転させるといった動作を一連の操作で円滑に行うことができるため、好ましい。
図8(a)および図9は、同図で右上のクラッチ機構45が接続されている状態を示している。ここで図8において、クラッチ機構45を、右上から時計回りに第1クラッチ機構45A、第2クラッチ機構45B、第3クラッチ機構45Cとすると、第1クラッチ機構45Aが接続されている状態では、第2クラッチ機構45Bのピン42と第3クラッチ機構45Cのピン42は、長い方のカム穴63bにそれぞれ嵌り込み、ガイド斜面65に近い側の凹部64にピン42の上端面が入り込んでいる。
次に、図8(a)の状態からセレクタ60が反時計方向に回転すると、図8(b)に示すように、カム面62で第3クラッチ機構45Cのピン42が押され、第3クラッチ機構45Cが接続状態となる。そして、第2クラッチ機構45Bのピン42が嵌り込んでいたカム穴63bの端部のストッパ壁部63sが、そのピン42に当接する(図10参照)。またこれと同時に、第1クラッチ機構45Aのピン42がガイド斜面65を経て一方の短いカム穴63aに嵌り込むとともにストッパ壁部63sがそのピン42に当接する。
このように、切断状態の第1および第2クラッチ機構45A,45Bのピン42にストッパ壁部63sが当接することにより、セレクタ60はそれ以上の回転が規制されて過回転することが防止されるとともに、第3クラッチ機構45Cが確実に接続される位置にセレクタ60が停止する。
次に、図8(a)の状態からセレクタ60が時計方向に回転すると、図8(c)に示すように、カム面62で第2クラッチ機構45Bのピン42が押され、第2クラッチ機構45Bが接続状態となる。そして、第3クラッチ機構45Cのピン42が嵌り込んでいたカム穴63bの端部のストッパ壁部63sが、そのピン42に当接する。またこれと同時に、第1クラッチ機構45Aのピン42がガイド斜面65を経て他方の短いカム穴63aに嵌り込むとともにストッパ壁部63sがそのピン42に当接する。
この場合には、切断状態の第1および第3クラッチ機構45A,45Cのピン42にストッパ壁部63sが当接することにより、セレクタ60はそれ以上の回転が規制されて過回転することが防止されるとともに、第2クラッチ機構45Bが確実に接続される位置にセレクタ60が停止する。
(3)本実施形態の効果
本実施形態の多軸駆動装置によれば、セレクタ60を回転させて任意のクラッチ機構45(本実施形態では第2クラッチ機構45Bと第3クラッチ機構45C)が接続状態になったとき、他のクラッチ機構45のピン42にセレクタ60のストッパ壁部63sが当接することにより、セレクタ60は過回転せず停止する。このため、その場合には動力伝達の状態となる適正位置にセレクタ60を確実に停止させることができる。また、セレクタ60がその適正位置にあることを、ストッパ壁部63sがピン42に当接した感触を得ることで操作者は明確に判別することができる。セレクタ60に形成したストッパ壁部63sをクラッチ軸40のピン42に当接させる構成であり、セレクタ60を停止させるための別部材を設ける必要がないため、部品点数およびコストの増加を抑えることができる。
また、セレクタ60を第2ケース22へ装着した状態においては、セレクタ60の外周側段部68および内周側段部69の表面側を、それぞれ第2ケース22の外周側爪部28aおよび内周側爪部29aで押さえ付け、コイルばね43で付勢されるセレクタ60を常にこれら外周側爪部28aおよび内周側爪部29aで受けるようにして保持しているため、セレクタ60の軸方向のガタつきが抑えられるとともに抜け止めが確実になされる。これにより、入力軸30のクラッチ軸40は出力軸50に対する相対位置が一定に保持され、出力側ベベルギヤ51に入力側ベベルギヤ41が噛み合った際のバックラッシを常に適正な状態に保持することができる。その結果、異音発生やギヤの破損等のトラブルを未然に回避することができる。
また、外周側爪部28aおよび内周側爪部29aがクラッチ軸40のピン42に対応する箇所に配置されている。このため、コイルばね43によってセレクタ60側に付勢されるクラッチ軸40を、セレクタ60を介して外周側爪部28aおよび内周側爪部29aで直接的に押さえ付けることになり、セレクタ60に撓みやガタつきが発生しにくくなる。
なお、上記実施形態では、第2ケース22に爪部28a,29aを形成し、セレクタ60に爪部28a,29aがそれぞれ通過する切欠き68a,69aを形成してセレクタ60を第2ケース22に容易に装着することができるようにしているが、爪部と切欠きはこの逆のパターン、すなわちセレクタ60側に爪部を形成し、第2ケース22側にその爪部が通過する切欠きを形成してもよく、その場合にも同様の効果を得ることができる。
10…モータ
22…第2ケース(支持部材)
28a…外周側爪部(保持部、爪状部材)
29a…内周側爪部(保持部、爪状部材)
30…入力軸
40…クラッチ軸
41…入力側ベベルギヤ
42…ピン(当接部)
43…コイルばね(付勢部材)
45…クラッチ機構
50…出力軸
51…出力側ベベルギヤ
60…セレクタ
61…セレクタの回転軸
62…カム面
63(63a,63b)…カム穴(カム部)
63s…ストッパ壁部(ストッパ)
66…セレクタの表面(他面)
68a…外周側切欠き
69a…内周側切欠き

Claims (4)

  1. 車両に具備される複数の可動機構を1つのモータによって選択的に駆動する多軸駆動装置であって、
    支持部材に回転軸を介して回転自在に支持され、一面がカム部を有するカム面とされたダイヤル式のセレクタと、
    前記カム面に対して進退自在に設けられ、セレクタ側の先端に当接部を有し、前記モータによって回転させられる複数の入力軸と、
    この入力軸をセレクタ方向に進出するように付勢して、前記当接部を、セレクタの回転に応じて前記カム面に当接させるか前記カム部に作用させる付勢部材と、
    これら入力軸に対応して配設され、前記可動機構に伝達部材を介して接続される複数の出力軸と、
    前記出力軸と、この出力軸に対応する前記入力軸とに設けられ、入力軸の進退動作に応じて入力軸から出力軸への回転伝達を断接するクラッチ機構とを備え、
    前記セレクタを回転させることにより、少なくとも1つの前記入力軸の前記当接部が前記カム部に作用し、これにより当該入力軸が前記クラッチ機構を介して出力軸に選択的に接続される多軸駆動装置において、
    前記支持部材に、前記入力軸を介して前記付勢部材の付勢力を受けるセレクタを他面側から押さえ付け、かつ回転自在に保持する保持部が設けられ、
    前記セレクタのカム面に、セレクタを回転させて任意の前記入力軸が前記クラッチ機構を介して出力軸に接続されたときに、出力軸に接続されていない他の入力軸の前記当接部が当接してセレクタのそれ以上の回転を規制するストッパが形成されていること
    を特徴とする多軸駆動装置。
  2. 前記保持部は、前記入力軸に対応する箇所に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の多軸駆動装置。
  3. 前記保持部と前記セレクタのいずれか一方に複数の爪状部材が形成され、他方に、この爪状部材を通過させる切欠きが形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の多軸駆動装置。
  4. 前記クラッチ機構は、前記入力軸と前記出力軸とに設けられて互いに係合可能なベベルギヤを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多軸駆動装置。
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