JP2012180542A - 非磁性高強度成形品とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 化学成分組成が、C=0.005〜0.08質量%、Si=0.15〜1.00質量%、Mn=0.30〜2.00質量%、P≦0.035質量%、S≦0.015質量%、solAl=0.005〜0.040質量%、Ni=8.00〜10.50質量%、Cr=18.00〜20.00質量%およびCu=0〜4.0質量%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる非磁性高強度成形品であって、透磁率が1.02以下であって、硬さがビッカース硬さで250以上500以下であることを特徴とする。
【選択図】図9
Description
1.化学成分組成の規定
本発明に係る非磁性高強度成形品の化学成分組成の適切な化学成分組成は以下の通りである。
<C>
Cは強力なオーステナイト生成元素であり、強度向上に効果的な元素である。本発明の非磁性高強度成形品の成分組成においてCの含有量は0.005〜0.08質量%である。多量に含まれると固溶強化によってオーステナイト相が硬質化し加工性が低下することがある。そこで、C含有量の下限を0.005質量%に、上限を0.08質量%に規定する。
<Si>
Siは溶製時に脱酸剤として添加される元素である。本発明の非磁性高強度成形品の成分組成においてSiの含有量は0.15〜1.00質量%である。Siの含有量が多くなるにつれ耐食性や冷間加工性の低下を招く場合がある。そこで、Alとの複合脱酸作用として効果が発揮される0.15%を下限とし、耐食性や冷間加工性を確保する上で1.0%を上限に規定する。
<Mn>
Mnはオーステナイト生成元素であり、非磁性のオーステナイト組織を生成する元素であり、透磁率を低く保つためにも重要な元素である。本発明の非磁性高強度成形品の成分組成においてMnの含有量は0.30〜2.00質量%である。しかしMnを過度に添加すると耐食性の低下や加工性を損ねる原因となる場合がある。そこで、下限を0.30質量%に、上限を2.00質量%に規定する。
<P>
Pは粒界に偏析し、粒界腐食感受性を高める他、靱性の低下を招く。本発明の非磁性高強度成形品の成分組成においてPの含有量は0.035質量%以下(但し0含まない)である。Pの含有量は低い方が望ましいが、必要以上の低減はコストの上昇を招く。従って、P含有量は0.035質量%以下、好ましくは0.030質量%以下である。
<S>
本発明の非磁性高強度成形品の成分組成においてSの含有量は0.015質量%以下(但し0含まない)である。SはMnと反応してサルファイドを生成し、これが鋼中に多く存在すると機械的強度の低下やねじの頭部成形試験用の鋼線の製造工程における熱間加工性を低下させる場合がある。従って、Sの含有量は0.015質量%以下、好ましくは0.010質量%以下である。
<solAl>
本発明の非磁性高強度成形品の成分組成においてsolAlの含有量は0.005〜0.040質量%である。
<Ni、Cr、Cu>
オーステナイト系ステンレス鋼として、コスト負担のかかるNi及びCrの含有量を適宜確保することが必要である。本発明では、コスト上昇を抑えること、及びねじの頭部成形試験用の鋼線入手の容易性の観点から、JIS 304の成分系を基本とする。なお、本発明成形品の製造において、特に、一層の圧造性向上と塑性加工後の磁性化抑制を目指す場合にはCuを添加することとし、この場合にはCr含有量の下限値を低く規定する。
<Ni>
本発明の非磁性高強度成形品の成分組成においてNiの含有量は8.00〜10.50質量%である。NiはMnと同様、オーステナイト生成元素であり、非磁性のオーステナイト組織を生成する元素であり、透磁率を低く保つためにも重要な元素である。そのためには8.00質量%以上が必要である。Niは、含有量の増加に従って磁性化及びδフェライト相生成を抑制する作用が大きくなる。しかし、高価な元素であるため、過剰量のNi添加は鋼材コストを上昇させる原因ともなるので、この観点から10.50質量%以下に規定する。
<Cr>
本発明の非磁性高強度成形品の成分組成においてCrの含有量は18.00〜20.00質量%、Cuを複合添加する場合は17.00〜20.00質量%である。Crは耐食性を向上させるために、ステンレス鋼に必要な元素であり、18.00質量%以上含有させることが望ましい。
<Cu>
本発明の非磁性高強度成形品の成分組成においてCuの含有量は0〜4.00質量%である。Cuは加工後の磁性化を抑え、δフェライト相の生成を抑えるために有効であり、また、耐食性の向上にも有効であり、更に、Cuは特に圧造性の向上にも効果がある。
2.透磁率が1.020以下、又はフェライト分率が8体積%以下の規定
これは本発明の非磁性高強度成形品の非磁性の用語の定義に関する。
3.成形品の硬さの規定
本発明の非磁性高強度成形品は、例えば、ねじ製品を対象とした場合には、呼び径が5mm以下(M3以下)といったマイクロねじをも含むものである。このようにサイズが小さな成形品においては、引張試験片を作製することが困難な場合がある。
4.粒界比表面積から計算される平均オーステナイト粒径1ミクロン以下および降伏点0.8GPa以上の規定
本発明の非磁性高強度成形品において重要な性質は、降伏点が0.8GPa以上あることである。オーステナイト系材料は、低降伏比であり、引張強さの高さは、必ずしも、降伏点の高さを示すわけではない。ビッカース硬さは、降伏点と引張強さの中間的値であるため、降伏点をある程度反映している。
d=2/Sv
が知られている。2/Sv<1μmとなることが、高降伏点の指標とできる。さらに、発明者らは、結晶粒の微細化が加工誘起変態の抑制につながるという知見を得た。結晶粒の微細化はオーステナイトを安定にし、加工誘起変態を抑制するからである。その際の結晶粒径も1μmが目安である。ただ、結晶粒径が等軸でなくても、伸長粒でもオーステナイトの安定化には有効である。結晶粒径に相当する指標として、この場合も粒界密度を用いることが可能である。
5.製造方法について
本発明の非磁性高強度成形品の製造方法の特徴は、ねじの頭部成形試験用の鋼線のオーステナイト系ステンレス鋼線又は棒鋼を塑性成形加工する工程において、加工誘起マルテンサイト変態を実質的に起こさせずに、非磁性を維持した状態で高強度の成形品を製造することにある。
6.予備実験
加工誘起マルテンサイト変態を起こさせずに、非磁性を確保するための塑性加工条件を確立するために、以下の予備実験を行なった。その結果、SUS304の成分のねじの頭部成形試験用の鋼線を、100℃以上500℃以下の温度範囲における温間塑性加工によって、加工誘起マルテンサイト変態が実質的に生じなくなり、磁性の発生が抑制されることを知見した。加工温度が200℃以上の場合、加工誘起変態は全く生じなくなる。以下予備実験1及び予備実験2において詳細に説明する。
<予備実験1>
SUS304鋼の温間引張試験における伸び−応力曲線を図4に示す。
市販の線径が6.0mmφのSUS304の非磁性オーステナイトステンレス鋼線を、450〜550℃での温間溝ロール圧延により3mmφとし、非磁性で引張強さが1320MPaと、一段と高強度になった鋼線を調製した。
<予備実験3>
市販の線径が1.5mmφのSUS304非磁性鋼線(引張強さ=520MPa)又は線径が2.0mmφのSUS304非磁性鋼線(引張強さ=520MPa)を用い、各鋼線を室温と120℃の温間温度又は室温と110℃の温間温度とにおいて、圧縮率60%と80%、又は70%と80%との圧縮試験を行ない、荷重を測定した。その試験条件と試験結果を表4に示す。
<スタート材料からねじの頭部成形試験用の鋼線までの調製工程概要>
市販のSUS304の非磁性ステンレス鋼線又は市販のSUSXM7の非磁性ステンレス鋼線を、実施例1、2、3、比較例1、2、3のスタート材料として使用した。
実施例1及び比較例1:鈴木住電ステンレス株式会社製 品名:ナンシツ ステンレスコウセン 規格:GIS G 4309 SUS 304-W1 製鋼番号:E81803
実施例2及び比較例2:鈴木住電ステンレス株式会社製 品名:ナンシツ ステンレスコウセン 規格:GIS G 4309 SUS 304-W1 製鋼番号 :E77164
実施例3及び比較例3:神鋼鋼線ステンレス株式会社製 品名:冷間圧造用ステンレス鋼線 規格:GIS G 4315 WSA (SUS XM7) 鋼番:F26269
スタート材料の化学成分組成及び引張強さは後記の表5に示す。
線径が1.35mmφであるねじの頭部成形試験用の鋼線を用い、実施例1〜3又は比較例1〜3におけるねじの頭部成形加工の工程について説明する。なお、ここにおいてねじの頭部成形加工は全て、塑性成形加工によるものであり、切削加工は一切含んでいない。
(1)ヘッダー加工方法
ヘッダー加工をダブルヘッダーマシンにより、頭部の予備成形と本成形とを行なう。その成形方法を図7を用いて説明する。
(2)なお、本明細書の実施例及び比較例では、ローリング加工までは行なわず、ヘッダー成形体を完成したねじ成形体とみなして各種の確性試験を行なった。その理由は、ローリングによる成形加工は、ヘッダーによる成形加工に比べるとかなり緩やかであり、例えば3次元有限要素法により両者の歪み分布を数値解析しても、ローリング加工による最大ひずみはヘッダー加工による最大ひずみと比較してかなり小さいので、ローリング加工による加工誘起マルテンサイトの生成は無視した。
(3)上記(1)項で得られたヘッダー成形体(9)の軸の材料部分(11)に、ローリング加工によりねじ部(ねじ山)を成形するために、ねじ転造盤(ローリングマシン)にヘッダー成形体(9)を送り込んで、転造ダイスに軸の材料部分(10)を押し付けながら転がすことにより、ダイスのねじ山の先端を軸の材料部分(10)にくい込ませて徐々にねじを揉み出し、形成させる。
<実施例1、比較例1>
ねじの頭部成形試験用の鋼線の調製
実施例1及び比較例1では、表5に示す化学成分組成を有する市販の線径2.0mmφのSUS304非磁性ステンレス鋼線を表面研磨により線径1.35mmφの鋼線に仕上げた。得られた鋼線の引張強さ(TS)は720MPa、絞り(RA)は81%であった。
[鋼線の磁性試験]
上記で得られた頭部成形試験用の鋼線の磁性試験を行なった。鋼線が磁石に付くか否かの試験を行なった結果、磁石には付かなかった。
μ=1+4πχ
χ=M/H
ここでχは磁化率、Mは磁気モーメント、Hは磁界を表す。なお、透磁率測定の試験条件は以下全ての試験で同じである。
[ヘッダー加工温度]
実施例1におけるねじの頭部成形は、次のようにして行ない150〜250℃で成形した。先ず、約300℃の温風を、図7のヘッダーマシンのダイス(4)、第1パンチ(5)及び第2パンチ(6)に当て、これらをその周辺温度も含めて150℃以上になるように加熱を行ないつつ第1パンチ(5)で予備成形を行ない、次いで第2パンチ(6)で本成形を行なった。その結果、接触式熱電対によるパンチ(5)、(6)の周辺温度は、200℃となり、ダイス(4)の周辺温度は160℃であった。なお、この方法により、被加工材の切断された鋼線(1)の温度は150〜250℃となっていることを熱電対により確認した。これに対して、比較例1におけるねじの頭部の成形は、実施例1におけると同様にして行なったが、加工温度は室温で行なった。
[ヘッダー加工の試験結果]
実施例1及び比較例1におけるねじの頭部成形試験結果は次の通りである。
(1)成形性について
ねじの頭部成形には、優れた圧造性が要求される。図9に示すように、実施例1ではヘッダー加工において割れの発生は認められず、ねじの頭部成形性は良好であった。これは、鋼線の絞り(RA)が81%と高延性を有するので、良好な圧造性を示したものである。比較例1では、小さな割れが見いだされる場合があった。
(2)ヘッダー加工時の負荷荷重について
上記ヘッダー加工時の負荷荷重は、小さい方がヘッダーマシーンに対する負荷は軽減され、金型寿命にとっても望ましいことである。ここでは、ヘッダー加工時に、ねじ頭部の予備成形時における荷重と、本成形時における荷重を測定し、温間で加工した実施例1と室温で加工した比較例1との差異を試験した。
(3)ヘッダー成形体の磁性試験について
次に、ヘッダー成形体の磁性試験を行なった。但し、供試体は前記<M1.7ねじの頭部成形加工方法>の第(2)項で述べた理由により、ヘッダー加工によりねじの頭部の成形が完了したところまでの成形体であり、軸の材料部分(前記図7の符号10に相当)に対するローリング加工を施す前のものである、即ちヘッダー成形体であるから、未だねじ山は成形されていないから、ねじ成形体として完成されたものではない。しかし、頭部成形は、ねじ山成形に比べ十分、強加工であり、磁性の発生の有無に関しては十分な情報が得られる。
(4)ねじ頭部の最小破壊トルク試験
ねじ頭部の最小破壊トルクを、JIS B 1058に準拠した方法(但し、ねじの軸部をつかんで固定した状態)によりねじり試験を行ない測定した。
(5)ビッカース硬さ試験
次に、ねじ頭部の十字リセス直下のビッカース硬さを測定した。ビッカース硬さは、ねじを中心部から垂直に切断し、研磨の後、十字リセス直下および軸中心部を測定した。実施例1の十字リセス直下部のビッカース硬さ(HV)は377であり、SAE J 417に掲載の引張強さへの近似的換算値によれば、1194MPaとなり、高強度が確保されている。
<実施例2、比較例2>
実施例2及び比較例2では、表5に示す化学成分組成を有する市販の線径6.0mmφで、引張強さが585MPaのSUS304非磁性ステンレス鋼線を、450〜550℃の温間温度域において、図5に示すように3工程で合計6パスの溝ロール圧延によりC断面形状を変形させて3.0mmφまで圧延した。その結果、オーステナイト結晶粒組織で、方位差角5度以上の粒界の密度が4.0μm/μm2で、相当等軸粒径が0.41μmの微細組織を得た。また、フェライト体積率は、これは、加工誘起マルテンサイトを含むが、5.0%であった。測定は電子線後方散乱回折(EBSD)法を用いた。測定データは、CI値0.01以上のデータを用いた。次いで、表面研磨により1.35mmφまで減径した。こうして得られた鋼線の引張強さ(TS)は1070MPa、絞り(RA)は81%、ビッカース硬さHVは371と高強度となり、絞り(RA)も高く確保された。
[ヘッダー加工の試験結果]
(1)成形性について
実施例2では、ヘッダー加工において割れの発生は認められず、ねじの頭部成形性は良好であった。これに対して、比較例2では、ヘッダー加工において割れが発生した。それぞれの外観写真を、図13に例示する。ヘッダー加工に供した鋼線は実施例2、比較例2のいずれも同じであって、絞り(RA)が81%と高延性を有するものであるが、かかる成形性の差異の発生原因は、実施例2では温間加工であり、比較例2では室温加工であることによると考えられる。
(2)ヘッダー加工時の負荷荷重
上記ヘッダー加工時の負荷荷重は、小さい方がヘッダーマシーンに対する負荷は軽減され、金型寿命にとっても望ましいことである。ここでは、ヘッダー加工時に、ねじ頭部の予備成形時における荷重を測定し、温間で加工した実施例1と室温で加工した比較例1との差異を試験した。その結果を図14に示す。
(3)ヘッダー成形体の磁性試験について
次に、ヘッダー成形体の磁性試験を行なった。磁性試験の対象位置は、ねじの頭部を対象とした場合、及びヘッダー成形体全体を対象とした場合である。
(4)ねじ頭部の最小破壊トルク試験
ねじ頭部の最小破壊トルクを、実施例1及び比較例1と同じように行なった。
(5)ビッカース硬さ試験
次に、ねじ頭部の十字リセス直下のビッカース硬さを測定した。ビッカース硬さは、ねじを中心部から垂直に切断し、研磨の後、十字リセス直下および軸中心部を測定した。
<実施例3、比較例3>
実施例3及び比較例3では、表5に示す化学成分組成を有する市販の線径2.5mmφで、引張強さが513MPaのSUSXM7非磁性ステンレス鋼線を、表面研磨により減径した。
[ヘッダー加工の試験結果]
(1)成形性について
実施例3及び比較例3のいずれにおいても、ヘッダー加工において割れの発生は認められず、ねじの頭部成形性は良好であった。ヘッダー加工に供した鋼線は実施例3、比較例3のいずれも同じであって、絞り(RA)が90%と高延性を有するものであり、成形性は良好であった。
(2)ヘッダー加工時の負荷荷重
予備成形時の最大荷重は、実施例3では2380Nであり、比較例3の2480Nに対して約95.7%に軽減した。一方、本成形時の最大荷重は、最大荷重も、実施例3では4300Nであり、比較例3の8000Nに対して約53.8%に軽減した。
(3)ヘッダー成形体の磁性試験について
次に、ヘッダー成形体の磁性試験を行なった。磁性試験の対象位置は、ねじの頭部を対象とした場合、及びヘッダー成形体全体を対象とした場合である。
(4)ねじ頭部の最小破壊トルク試験
ねじ頭部の最小破壊トルクを、実施例1、2及び比較例1、2と同じように行なった。
(5)ビッカース硬さ試験
次に、ねじ頭部の十字リセス直下のビッカース硬さを測定した。ビッカース硬さは、ねじを中心部から垂直に切断し、研磨の後、十字リセス直下および軸中心部を測定した。
(実施例3と実施例1との相違点について)
実施例3と実施例1との試験条件の主な相違点は、実施例3はSUSXM7系成分であり、実施例1はSUS304系である。両者のヘッダー加工試験結果の相違点についてみると、次のとおり特に磁性に差が現れている。
(比較例3の注目すべき特性)
比較例3は成分としてSUSXM7系を有するものであり、鋼線段階での透磁率は1.003で完全非磁性であったが、ヘッダー加工後においても、透磁率の上昇は小さく、頭部の透磁率は1.013であった。
(ねじ以外の成形品に対する適用の妥当性について)
以上、実施例及び比較例においては、ねじを成形品の代表例として記述したが、本発明における成形品の範疇であるボルト、ナット、シャフト、リベット、ピン、スタッドボルト、ファスナー類、歯車、軸類の全てに対して、本発明に係る高強度オーステナイト系ステンレス鋼並びに非磁性ステンレス鋼の成形品に対して適用され得る。その理由は、次の(1)及び(2)の通りである。
(1)発明を実施するための形態の項において記述した「5.製造方法について」は、ねじ頭部の成形試験用の鋼線が、本発明で規定している化学成分組成及びその他全ての条件を満たしているときには、それを用いて塑性加工により健全なねじを成形加工するときの最大の困難性は、ねじの頭部(図7の符号7)の頂面に形成する十字状のリセスを圧造により成形加工する際に発生し易いねじ頭部の割れ(図9の比較例1及び図13の比較例2に外観例を示した)を発生させずに、上記リセスを圧造により成形加工することである。そして、ねじ頭部の上記リセスの圧造による成形加工は、圧縮加工成形法の代表であると認められている。
(2)上記「5.製造方法について」を具備して製造されたねじは、本発明の高強度オーステナイト系ステンレス鋼の内の少なくとも一つを満たすものである。当該ねじが具備する全ての特徴は、このねじ以外の成形品を製造するときにも、当該ねじの製造条件を全て満たした方法で製造する限り、このねじが具備する全ての特徴が当該ねじ以外の成形品にも具備されることは明らかである。
2 ストッパー
3 ナイフ機構
4 ダイス
5 第1パンチ(予備据込みパンチ)
6 第2パンチ(仕上据込みパンチ)
7 ねじの頭部
8 ノックアウトピン
9 ヘッダー成形体
10 ヘッダー成形体の軸の材料部分
Claims (7)
- 化学成分組成が、C=0.005〜0.08質量%、Si=0.15〜1.00質量%、Mn=0.30〜2.00質量%、P≦0.035質量%、S≦0.015質量%、solAl=0.005〜0.040質量%、Ni=8.00〜10.50質量%、Cr=18.00〜20.00質量%およびCu=0〜4.0質量%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、透磁率が1.02以下であって、硬さがビッカース硬さで250以上500以下であることを特徴とする非磁性高強度成形品。
- 化学成分組成が、C=0.005〜0.08質量%、Si=0.15〜1.00質量%、Mn=0.30〜2.00質量%、P≦0.035質量%、S≦0.015質量%、solAl=0.005〜0.040質量%、Ni=8.00〜10.50質量%、Cr=18.00〜20.00質量%およびCu=0〜4.0質量%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、透磁率が1.02以下であって、硬さがビッカース硬さで250以上500以下であり、5度以上の方位差角の粒界密度が2μm/μm2以上であることを特徴とする非磁性高強度成形品。
- 化学成分組成が、C=0.005〜0.08質量%、Si=0.15〜1.00質量%、Mn=0.30〜2.00質量%、P≦0.035質量%、S≦0.015質量%、solAl=0.005〜0.040質量%、Ni=8.00〜10.50質量%、Cr=18.00〜20.00質量%およびCu=0〜4.0質量%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、平均フェライト体積率が8体積%以下であって、硬さがビッカース硬さで250以上500以下であり、5度以上の方位差角の粒界密度が2μm/μm2以上であることを特徴とする非磁性高強度成形品。
- 化学成分組成が、C=0.005〜0.08質量%、Si=0.15〜1.00質量%、Mn=0.30〜2.00質量%、P≦0.035質量%、S≦0.015質量%、solAl=0.005〜0.040質量%、Ni=8.00〜10.50質量%、Cr=18.00〜20.00質量%およびCu=0〜4.0質量%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、透磁率が1.02以下である非磁性オーステナイト系ステンレス鋼線又は棒鋼を成形品加工用鋼線とし、これを加工温度が100〜500℃の範囲内で塑性成形加工することを特徴とする非磁性高強度成形品の製造方法。
- 化学成分組成が、C=0.005〜0.08質量%、Si=0.15〜1.00質量%、Mn=0.30〜2.00質量%、P≦0.035質量%、S≦0.015質量%、solAl=0.005〜0.040質量%、Ni=8.00〜10.50質量%、Cr=18.00〜20.00質量%およびCu=0〜4.0質量%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、透磁率が1.02以下であり、5度以上の方位差角の粒界密度が2μm/μm2以上である非磁性オーステナイト系ステンレス鋼線又は棒鋼を成形品加工用鋼線とし、これを加工温度が100〜500℃の範囲内で塑性成形加工することを特徴とする非磁性高強度成形品の製造方法。
- 化学成分組成が、C=0.005〜0.08質量%、Si=0.15〜1.00質量%、Mn=0.30〜2.00質量%、P≦0.035質量%、S≦0.015質量%、solAl=0.005〜0.040質量%、Ni=8.00〜10.50質量%、Cr=18.00〜20.00質量%およびCu=0〜4.0質量%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、透磁率が1.02以下であり、降伏点が0.8GPa以上で、5度以上の方位差角の粒界密度が2μm/μm2以上である非磁性オーステナイト系ステンレス鋼線又は棒鋼を成形品加工用鋼線とし、これを加工温度が100〜500℃の範囲内で塑性成形加工することを特徴とする非磁性高強度成形品の製造方法。
- 化学成分組成が、C=0.005〜0.08質量%、Si=0.15〜1.00質量%、Mn=0.30〜2.00質量%、P≦0.035質量%、S≦0.015質量%、solAl=0.005〜0.040質量%、Ni=8.00〜10.50質量%、Cr=18.00〜20.00質量%およびCu=0〜4.0質量%を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなり、フェライト分率が8%以下であり、降伏点が0.8GPa以上で、5度以上の方位差角の粒界密度が2μm/μm2以上である非磁性オーステナイト系ステンレス鋼線又は棒鋼を成形品加工用鋼線とし、これを加工温度が100〜500℃の範囲内で塑性成形加工することを特徴とする非磁性高強度成形品の製造方法。
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