JP2012179213A - 熱中症予防システム - Google Patents

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Abstract

【課題】熱中症の発症危険性がある場合、作業者の作業を中断させて熱中症の発症を確実に予防することができる熱中症予防システムを提供する。
【解決手段】熱中症予防システムは、複数の作業者に個別に携帯させる携帯装置14と、それら作業者の熱中症の発症危険性を監視する監視装置11とから形成されている。携帯装置14は、作業者の生体機能を測定する測定機構と、測定した生体機能を監視装置11に送信する第1送信機構と、熱中症の発症危険性警告を監視装置11から受信する第1受信機構と、監視装置11から受信した発症危険性警告を作業者に伝達する伝達機構とを有する。監視装置12は、携帯装置11から生体機能を受信する第2受信機構と、受信した生体機能に基づいて熱中症の発症危険性を判断する判断手段と、判断手段によって熱中症の発症危険性が高いと判断した場合、発症危険性警告を携帯装置11に送信する第2送信機構とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、所定の作業環境で作業中の作業者に対して熱中症に発症危険性を伝え、作業者の熱中症の発症を予防する熱中症予防システムに関する。
使用者の外耳道に挿脱可能に挿入される耳栓と、その耳栓につながって作業者の耳殻に位置するケースと、耳栓に設置されて作業者の鼓膜温度を測定する鼓膜温度センサと、耳栓に設置されて作業者の心拍数を測定する心拍数センサとから形成され、ケースが、鼓膜温度センサから送信された鼓膜温度と心拍数センサから送信された心拍数とを用いて熱ストレイン評価を行い、その評価に応じて熱中症の発症警報を発する警報手段を有する耳栓型熱中症警報装置がある(特許文献1参照)。この耳栓型熱中症警報装置は、小型かつ軽量であり、作業者の外耳道と耳殻とで保持され、簡単に使用することができるのみならず、作業者に向けて熱中症発症の危険性を直接警告することができる。
特開2010−131209号公報
前記特許文献1に開示の耳栓型熱中症警報装置は、熱ストレイン評価に応じて熱中症の発症警報を作業者に発するが、警報装置を所持する作業者本人のみに発症警報が知らされ、作業者を管理する管理者等の第三者が発症警報を知ることができないから、作業者の熱中症の発症危険性を第三者が監視することができず、熱中症の発症の可能性の判断が作業者本人に任せられることになり、熱中症に対する予防を作業者が自己管理せざるを得ない。この耳栓型熱中症警報装置は、熱中症の発症警報を発したとしても、その発症警報を作業者が無視して作業を継続することができるから、作業を強制的に中断させることができず、作業中における熱中症の発症を完全に防ぐことができない。
本発明の目的は、作業者の熱中症の発症危険性をその作業者を管理する管理者等の第三者が知ることができ、作業者の熱中症に対する防御を第三者が監視することができる熱中症予防システムを提供することにある。本発明の他の目的は、熱中症の発症危険性がある場合、作業者の作業を中断させることができ、作業中の作業者の熱中症の発症を確実に予防することができる熱中症予防システムを提供することにある。
前記課題を解決するための本発明の前提は、所定の作業環境で作業中の作業者に熱中症の発症危険性を伝え、作業者の熱中症の発症を予防する熱中症予防システムである。
前記前提における本発明の特徴としては、システムが、複数の作業者に個別に携帯させてそれら作業者の着衣に着脱可能に装着させる携帯装置と、それら作業者の熱中症の発症危険性を監視する監視装置とから形成され、携帯装置が、作業者の生体機能を測定する測定機構と、測定した生体機能を監視装置に送信する第1送信機構と、熱中症の発症危険性警告を監視装置から受信する第1受信機構と、監視装置から受信した発症危険性警告を作業者に伝達する伝達機構とを有し、監視装置が、携帯装置から生体機能を受信する第2受信機構と、受信した生体機能に基づいて熱中症の発症危険性が高いと認められる場合、発症危険性警告を携帯装置に送信する第2送信機構とを有することにある。
本発明の一例としては、監視装置が第2受信機構によって受信した生体機能に基づいて熱中症の発症危険性を判断する第1判断手段を含み、第2送信機構が第1判断手段によって熱中症の発症危険性が高いと判断した場合、発症危険性警告を携帯装置に送信する。
本発明の他の一例としては、携帯装置が測定機構によって測定した生体機能に基づいて熱中症の発症危険性を判断する第2判断手段を含み、伝達機構が第2判断手段によって熱中症の発症危険性が高いと判断した場合、発症危険性警告を作業者に伝える。
本発明の他の一例としては、生体機能が作業者の鼓膜温度と心拍数とであり、測定機構が、携帯装置に接続されて作業者の外耳道に挿脱可能に挿入され、その作業者の鼓膜温度を測定する鼓膜温度センサが設置された耳栓と、携帯装置に接続されて作業者の耳たぶに着脱可能に装着され、その作業者の心拍数を測定する心拍数センサが設置されたクリップとから形成され、伝達機構が、携帯装置に接続されて耳栓と一体に作られ、作業者の頭蓋骨に発症危険性警告を伝える骨伝導スピーカーから形成され、第1判断手段と第2判断手段とが測定鼓膜温度と測定心拍数とのうちの少なくとも一方に基づいて熱中症の危険性を判断する。
本発明の他の一例としては、生体機能が作業者の鼓膜温度と心拍数とであり、測定機構が、携帯装置に接続されて作業者の外耳道に挿脱可能に挿入され、その作業者の鼓膜温度を測定する鼓膜温度センサとその作業者の心拍数を測定する心拍数センサとが設置された耳栓から形成され、伝達機構が、携帯装置に接続されて耳栓と一体に作られ、作業者の頭蓋骨に発症危険性警告を伝える骨伝導スピーカーから形成され、第1判断手段と第2判断手段とが測定鼓膜温度と測定心拍数とのうちの少なくとも一方に基づいて熱中症の危険性を判断する。
本発明の他の一例としては、監視装置が熱中症の発症危険性を示す鼓膜温度危険値と心拍数危険値とを記憶する第1記憶手段を含み、第1判断手段が、携帯装置から送信された測定鼓膜温度と鼓膜温度危険値とを比較するとともに、携帯装置から送信された測定心拍数と心拍数危険値とを比較し、測定鼓膜温度と測定心拍数とのうちの少なくとも一方が危険値を超えた場合に熱中症の発症危険性が高いと判断する。
本発明の他の一例としては、携帯装置が熱中症の発症危険性を示す鼓膜温度危険値と心拍数危険値とを記憶する第2記憶手段を含み、第2判断手段が、測定機構によって測定した測定鼓膜温度と鼓膜温度危険値とを比較するとともに、測定機構によって測定した測定心拍数と心拍数危険値とを比較し、測定鼓膜温度と測定心拍数とのうちの少なくとも一方が危険値を超えた場合に熱中症の発症危険性が高いと判断する。
本発明の他の一例としては、生体機能が着衣を装着した作業者の着衣内温度と着衣内湿度とであり、測定機構が、携帯装置に設置され、作業者の肌に対向して着衣内温度を測定する温度センサと、携帯装置に設置され、作業者の肌に対向して着衣内湿度を測定する湿度センサとから形成され、第1判断手段と第2判断手段とが測定着衣内温度と測定着衣内湿度とのうちの少なくとも一方に基づいて熱中症の危険性を判断する。
本発明の他の一例としては、監視装置が熱中症の発症危険性を示す着衣内温度危険値と着衣内湿度危険値とを記憶する第3記憶手段を含み、第1判断手段が、携帯装置から送信された測定着衣内温度と着衣内温度危険値とを比較するとともに、携帯装置から送信された測定着衣内湿度と着衣内湿度危険値とを比較し、測定着衣内温度と測定着衣内湿度とのうちの少なくとも一方が危険値を超えた場合に熱中症の発症危険性が高いと判断する。
本発明の他の一例としては、携帯装置が熱中症の発症危険性を示す着衣内温度危険値と着衣内湿度危険値とを記憶する第4記憶手段を含み、第2判断手段が、測定機構によって測定した測定着衣内温度と着衣内温度危険値とを比較するとともに、測定機構によって測定した測定着衣内湿度と着衣内湿度危険値とを比較し、測定着衣内温度と測定着衣内湿度とのうちの少なくとも一方が危険値を超えた場合に熱中症の発症危険性が高いと判断する。
本発明の他の一例としては、携帯装置の第1送受信機構と監視装置の第2送受信機構とがPHSによる無線通信である。
本発明の他の一例としては、作業環境が放射性物質による汚染の危険がある原子力関連施設における遮蔽された作業環境である。
本発明にかかる熱中症予防システムによれば、作業者の生体機能に基づいてその作業者の熱中症の発症危険性を判断するから、監視装置を管理する管理者等の第三者が作業者の熱中症の発症危険性を知ることができ、作業者の熱中症に対する予防を第三者が客観的に監視することができる。システムは、生体機能に基づいて熱中症の発症危険性が高いと判断した場合、監視装置が発症危険性警告を携帯装置に送信し、携帯装置がその発症危険性警告を作業者に伝えるから、作業者が熱中症の発症危険性を知ることができ、作業者が作業を中断することで、作業中の作業者の熱中症の発症を未然に防ぐことができる。このシステムは、監視装置において発症危険性が高い作業者(携帯装置)を特定することができるから、作業者が発症危険性警告を無視して作業を継続したとしても、熱中症の発症危険性がある作業者の作業を管理責任者が速やかに中断させることができ、作業中の作業者の熱中症の発症を確実に防ぐことができる。
監視装置が第2受信機構によって受信した生体機能に基づいて熱中症の発症危険性を判断する第1判断手段を含み、第2送信機構が第1判断手段によって熱中症の発症危険性が高いと判断した場合、発症危険性警告を携帯装置に送信する熱中症予防システムは、監視装置が作業者の生体機能に基づいてその作業者の熱中症の発症危険性を自動的に判断するから、監視装置を介してそれを管理する管理者等の第三者が作業者の熱中症の発症危険性を知ることができ、作業者の熱中症に対する防御を第三者が客観的に監視することができる。システムは、監視装置が熱中症の発症危険性が高いと判断した場合、監視装置が発症危険性警告を携帯装置に送信し、携帯装置がその発症危険性警告を作業者に伝えるから、作業者が熱中症の発症危険性を知ることができ、作業者が作業を中断することで、作業中の作業者の熱中症の発症を未然に防ぐことができる。このシステムは、監視装置が発症危険性の高い作業者(携帯装置)を特定するから、作業者が発症危険性警告を無視して作業を継続したとしても、熱中症の発症危険性がある作業者の作業を管理責任者が速やかに中断させることができ、作業中の作業者の熱中症の発症を確実に防ぐことができる。
携帯装置が測定機構によって測定した生体機能に基づいて熱中症の発症危険性を判断する第2判断手段を含み、伝達機構が第2判断手段によって熱中症の発症危険性が高いと判断した場合、発症危険性警告を作業者に伝える熱中症予防システムは、携帯装置が作業者の生体機能に基づいてその作業者の熱中症の発症危険性を自動的に判断し、熱中症の発症危険性が高いと判断した場合、伝達機構を介して発症危険性警告を作業者に伝えるから、作業者が携帯装置を介して熱中症の発症危険性を知ることができ、作業者が作業を中断することで、作業中の作業者の熱中症の発症を未然に防ぐことができる。
生体機能が作業者の鼓膜温度と心拍数とであり、測定機構が作業者の鼓膜温度を測定する鼓膜温度センサが設置された耳栓と作業者の心拍数を測定する心拍数センサが設置されたクリップとから形成され、伝達機構が耳栓と一体に作られて作業者の頭蓋骨に発症危険性警告を伝える骨伝導スピーカーから形成され、第1判断手段と第2判断手段とが測定鼓膜温度と測定心拍数とのうちの少なくとも一方に基づいて熱中症の危険性を判断する熱中症予防システムは、監視装置が作業者の測定鼓膜温度と測定心拍数とのうちの少なくとも一方に基づいてその作業者の熱中症の発症危険性を自動的に判断するから、監視装置を管理する第三者が作業者の熱中症の発症危険性を知ることができ、作業者の熱中症に対する防御を第三者が客観的に監視することができる。システムは、監視装置が熱中症の発症危険性が高いと判断した場合、監視装置が発症危険性警告を携帯装置に送信し、携帯装置がその発症危険性警告を作業者に伝えるから、作業者が熱中症の発症危険性を知ることができ、作業者が作業を中断することで、作業中の作業者の熱中症の発症を未然に防ぐことができる。システムは、監視装置において発症危険性が高い作業者(携帯装置)を特定することができるから、作業者が発症危険性警告を無視して作業を継続したとしても、熱中症の発症危険性がある作業者の作業を第三者が速やかに中断させることができ、作業中の作業者の熱中症の発症を確実に防ぐことができる。システムは、携帯装置が作業者の測定鼓膜温度と測定心拍数とのうちの少なくとも一方に基づいてその作業者の熱中症の発症危険性を自動的に判断し、熱中症の発症危険性が高いと判断した場合、伝達機構を介して発症危険性警告を作業者に伝えるから、作業者が携帯装置を介して熱中症の発症危険性を知ることができ、作業者が作業を中断することで、作業中の作業者の熱中症の発症を未然に防ぐことができる。システムは、骨伝導スピーカーを介して発症危険性警告が作業者に伝えられるから、作業者が警告を明瞭に聞き取ることができることはもちろん、骨伝導スピーカーによって作業者の両耳が塞がれることはなく、作業者が作業中に作業箇所の周囲の音を聞くことができ、作業者が周囲の状況を把握しつつ安全に作業を行うことができる。このシステムは、鼓膜温度センサと骨伝導スピーカーとが耳栓において一体となっているから、鼓膜温度センサから測定鼓膜温度が監視装置に送信されることで、骨伝導スピーカーが作業者の耳に確実に装着されていることが分かり、作業中の作業者における骨伝導スピーカーの未装着を未然に防ぐことができ、熱中症の発症危険性警告を骨伝導スピーカーを介して作業者に確実に伝達することができる。
生体機能が作業者の鼓膜温度と心拍数とであり、測定機構が作業者の鼓膜温度を測定する鼓膜温度センサと作業者の心拍数を測定する心拍数センサとが設置された耳栓から形成され、伝達機構が耳栓と一体に作られて作業者の頭蓋骨に発症危険性警告を伝える骨伝導スピーカーから形成され、第1判断手段と第2判断手段とが測定鼓膜温度と測定心拍数とのうちの少なくとも一方に基づいて熱中症の危険性を判断する熱中症予防システムは、監視装置が作業者の測定鼓膜温度と測定心拍数とのうちの少なくとも一方に基づいてその作業者の熱中症の発症危険性を自動的に判断するから、監視装置を管理する第三者が作業者の熱中症の発症危険性を知ることができ、作業者の熱中症に対する防御を第三者が客観的に監視することができる。システムは、監視装置が熱中症の発症危険性が高いと判断した場合、監視装置が発症危険性警告を携帯装置に送信し、携帯装置がその発症危険性警告を作業者に伝えるから、作業者が熱中症の発症危険性を知ることができ、作業者が作業を中断することで、作業中の作業者の熱中症の未然に発症を防ぐことができる。システムは、監視装置において発症危険性が高い作業者(携帯装置)を特定することができるから、作業者が発症危険性警告を無視して作業を継続したとしても、熱中症の発症危険性がある作業者の作業を第三者が速やかに中断させることができ、作業中の作業者の熱中症の発症を確実に防ぐことができる。システムは、携帯装置が作業者の測定鼓膜温度と測定心拍数とのうちの少なくとも一方に基づいてその作業者の熱中症の発症危険性を自動的に判断し、熱中症の発症危険性が高いと判断した場合、伝達機構を介して発症危険性警告を作業者に伝えるから、作業者が携帯装置を介して熱中症の発症危険性を知ることができ、作業者が作業を中断することで、作業中の作業者の熱中症の発症を未然に防ぐことができる。システムは、骨伝導スピーカーを介して発症危険性警告が作業者に伝えられるから、作業者が警告を明瞭に聞き取ることができることはもちろん、骨伝導スピーカーによって作業者の両耳が塞がれることはなく、作業者が作業中に作業箇所の周囲の音を聞くことができ、作業者が周囲の状況を把握しつつ安全に作業を行うことができる。このシステムは、鼓膜温度センサと心拍数センサと骨伝導スピーカーとが耳栓において一体となっているから、それらセンサから測定鼓膜温度や測定心拍数が監視装置に送信されることで、骨伝導スピーカーが作業者の耳に確実に装着されていることが分かり、作業中の作業者における骨伝導スピーカーの未装着を未然に防ぐことができ、熱中症の発症危険性警告を骨伝導スピーカーを介して作業者に確実に伝達することができる。
監視装置が熱中症の発症危険性を示す鼓膜温度危険値と心拍数危険値とを記憶する第1記憶手段を有し、第1判断手段が測定鼓膜温度と鼓膜温度危険値とを比較するとともに測定心拍数と心拍数危険値とを比較し、測定鼓膜温度と測定心拍数とのうちの少なくとも一方が危険値を超えた場合に熱中症の発症危険性が高いと判断する熱中症予防システムは、作業者毎にあらかじめ鼓膜温度危険値と心拍数危険値とを設定することで、その作業者の熱中症発症危険性を監視装置(第三者)が数値を用いて監視することができる。このシステムは、作業者の測定鼓膜温度と測定心拍数とのうちの少なくとも一方が危険値を超えると、監視装置が熱中症の発症危険性が高いと判断するから、発症危険性を客観的かつ具体的に判定することができ、危険値を超えた場合、直ちに作業を中断させることで、作業中の作業者の熱中症の発症を確実に防ぐことができる。
携帯装置が熱中症の発症危険性を示す鼓膜温度危険値と心拍数危険値とを記憶する第2記憶手段を有し、第2判断手段が測定鼓膜温度と鼓膜温度危険値とを比較するとともに測定心拍数と心拍数危険値とを比較し、測定鼓膜温度と測定心拍数とのうちの少なくとも一方が危険値を超えた場合に熱中症の発症危険性が高いと判断する熱中症予防システムは、作業者毎にあらかじめ鼓膜温度危険値と心拍数危険値とを設定することで、その作業者の熱中症発症危険性を携帯装置が数値を用いて監視することができる。このシステムは、作業者の測定鼓膜温度と測定心拍数とのうちの少なくとも一方が危険値を超えると、携帯装置が熱中症の発症危険性が高いと判断するから、発症危険性を客観的かつ具体的に判定することができ、危険値を超えた場合、作業者が作業を中断することで、作業中の作業者の熱中症の発症を未然に防ぐことができる。
生体機能が作業者の鼓膜温度と心拍数とであるとともに、着衣を装着した作業者の着衣内温度と着衣内湿度とであり、測定機構が作業者の鼓膜温度を測定する鼓膜温度センサと作業者の心拍数を測定する心拍数センサと作業者の肌に対向して着衣内温度を測定する温度センサと作業者の肌に対向して着衣内湿度を測定する湿度センサとから形成され、第1判断手段と第2判断手段とが鼓膜温度と心拍数との少なくとも一方に基づくとともに測定着衣内温度と測定着衣内湿度とのうちの少なくとも一方に基づいて熱中症の危険性を判断する熱中症予防システムは、監視装置が鼓膜温度と心拍数との少なくとも一方に基づくとともに測定着衣内温度と測定着衣内湿度とのうちの少なくとも一方に基づいてその作業者の熱中症の発症危険性を自動的に判断するから、監視装置を管理する第三者が作業者の熱中症の発症危険性を知ることができ、作業者の熱中症に対する防御を第三者が客観的に監視することができる。システムは、監視装置が熱中症の発症危険性が高いと判断した場合、監視装置が発症危険性警告を携帯装置に送信し、携帯装置がその発症危険性警告を作業者に伝えるから、作業者が熱中症の発症危険性を知ることができ、作業者が作業を中断することで、作業中の作業者の熱中症の発症を未然に防ぐことができる。システムは、監視装置において発症危険性が高い作業者(携帯装置)を特定することができるから、作業者が発症危険性警告を無視して作業を継続したとしても、熱中症の発症危険性がある作業者の作業を第三者が速やかに中断させることができ、作業中の作業者の熱中症の発症を確実に防ぐことができる。システムは、携帯装置が鼓膜温度と心拍数との少なくとも一方に基づくとともに測定着衣内温度と測定着衣内湿度とのうちの少なくとも一方に基づいてその作業者の熱中症の発症危険性を自動的に判断し、熱中症の発症危険性が高いと判断した場合、伝達機構を介して発症危険性警告を作業者に伝えるから、作業者が携帯装置を介して熱中症の発症危険性を知ることができ、作業者が作業を中断することで、作業中の作業者の熱中症の発症を未然に防ぐことができる。このシステムは、伝達機構が耳栓と一体に作られて作業者の頭蓋骨に発症危険性警告を伝える骨伝導スピーカーである場合、骨伝導スピーカーを介して発症危険性警告が作業者に伝えられるから、作業者が警告を明瞭に聞き取ることができることはもちろん、骨伝導スピーカーによって作業者の両耳が塞がれることはなく、作業者が作業中に作業箇所の周囲の音を聞くことができ、作業者が周囲の状況を把握しつつ安全に作業を行うことができる。
第1記憶手段が熱中症の発症危険性を示す鼓膜温度危険値と心拍数危険値と着衣内温度危険値と着衣内湿度危険値とを記憶し、第1判断手段が測定鼓膜温度と鼓膜温度危険値とを比較するとともに測定心拍数と心拍数危険値とを比較し、測定着衣内温度と着衣内温度危険値とを比較するとともに測定着衣内湿度と着衣内湿度危険値とを比較し、測定鼓膜温度と測定心拍数とのうちの少なくとも一方が危険値を超え、測定着衣内温度と測定着衣内湿度とのうちの少なくとも一方が危険値を超えた場合に熱中症の発症危険性が高いと判断する熱中症予防システムは、作業者毎にあらかじめ鼓膜温度危険値と心拍数危険値と着衣内温度危険値と着衣内湿度危険値とを設定することで、その作業者の熱中症発症危険性を監視装置(第三者)が数値を用いて監視することができる。このシステムは、作業者の測定鼓膜温度と測定心拍数とのうちの少なくとも一方が危険値を超え、作業者の測定着衣内温度と測定着衣内湿度とのうちの少なくとも一方が危険値を超えると、熱中症の発症危険性が高いと判断するから、発症危険性を客観的かつ具体的に判定することができ、危険値を超えた場合、直ちに作業を中断させることで、作業中の作業者の熱中症の発症を確実に防ぐことができる。
第2記憶手段が熱中症の発症危険性を示す鼓膜温度危険値と心拍数危険値と着衣内温度危険値と着衣内湿度危険値とを記憶し、第2判断手段が測定鼓膜温度と鼓膜温度危険値とを比較するとともに測定心拍数と心拍数危険値とを比較し、測定着衣内温度と着衣内温度危険値とを比較するとともに測定着衣内湿度と着衣内湿度危険値とを比較し、測定鼓膜温度と測定心拍数とのうちの少なくとも一方が危険値を超え、測定着衣内温度と測定着衣内湿度とのうちの少なくとも一方が危険値を超えた場合に熱中症の発症危険性が高いと判断する熱中症予防システムは、作業者毎にあらかじめ鼓膜温度危険値と心拍数危険値と着衣内温度危険値と着衣内湿度危険値とを設定することで、その作業者の熱中症発症危険性を携帯装置が数値を用いて監視することができる。このシステムは、携帯装置が鼓膜温度と心拍数との少なくとも一方に基づくとともに測定着衣内温度と測定着衣内湿度とのうちの少なくとも一方に基づいてその作業者の熱中症の発症危険性を自動的に判断し、熱中症の発症危険性が高いと判断した場合、伝達機構を介して発症危険性警告を作業者に伝えるから、作業者が携帯装置を介して熱中症の発症危険性を知ることができ、作業者が作業を中断することで、作業中の作業者の熱中症の発症を未然に防ぐことができる。
携帯装置の第1送受信機構と監視装置の第2送受信機構とがPHSによる無線通信である熱中症予防システムは、監視装置と携帯装置との間の送受信にPHSによる無線通信を利用することで、電波障害に強く、監視装置から携帯装置に発症危険性警告を確実に送信することができ、密閉された作業環境において作業する作業者の熱中症の発症を確実に防ぐことが可能なシステムを構築することができる。
作業環境が放射性物質による汚染の危険がある原子力関連施設における遮蔽された作業環境である熱中症予防システムは、原子力関連施設における作業中に作業者が熱中症を発症すると、原子力関連施設における作業が中断または停滞し、場合によっては放射性物質の漏出等の重大事故につながる場合があるが、熱中症の発症の危険性がある作業者の作業を中断させてその作業者を速やかに交代させることができ、原子力関連施設において作業する作業者の熱中症の発症を防ぐことができるから、原子力関連施設における作業の中断や停滞を防ぐことができ、重大事故の発生を未然に防ぐことができる。
一例として示す熱中症予防システムの概略構成図。 一例として示す携帯装置の斜視図。 図2の携帯装置に接続された耳栓および骨伝導スピーカーの側面図。 作業者が図2の携帯装置を装着した状態の図。 他の一例として示す携帯装置の斜視図。 図5の携帯装置に接続された耳栓および骨伝導スピーカーの側面図。 作業者が図4の携帯装置を装着した状態の図。 システムにおいて実行される各手段の一例を説明するフローチャート。 システムにおいて実行される各手段の他の一例を説明するフローチャート。 他の一例として示す携帯装置の斜視図。 胸ポケットに収納した状態で示す携帯装置の斜視図。
一例として示す熱中症予防システム10の概略構成図である図1等の添付の図面を参照し、本発明にかかる熱中症予防システムの詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、一例として示す携帯装置14aの斜視図であり、図3は、図2の携帯装置14aに接続された耳栓20および骨伝導スピーカー22の側面図である。図4は、作業者12が図2の携帯装置14aを装着した状態の図であり、図5は、他の一例として示す携帯装置14bの斜視図である。図6は、図5の携帯装置14bに接続された耳栓20および骨伝導スピーカー22の側面図であり、図7は、作業者12が図4の携帯装置14bを装着した状態の図である。なお、図1では、4台の携帯装置14を図示しているが、このシステム10では複数台の携帯装置14が使用されており、その台数に特に制限はない。
熱中症予防システム10は、1台の監視装置11と作業者12の作業着13(着衣)に着脱可能に装着させる複数台の携帯装置14とから形成されている。システム10は、それら装置11,14を利用し、放射性物質による汚染の危険がある原子力発電所15(原子力関連施設)における遮蔽された作業環境において所定の作業に従事する作業者12の熱中症の発症を予防する。なお、このシステム10は、原子力発電所15の他に、中間貯蔵施設、再処理工場、MOX燃料工場、高速増殖炉、高速増殖炉用燃料工場、高速増殖炉用再処理工場、高レベル放射性廃棄物最終処分施設等の原子力関連施設において利用することができる。また、このシステムは、原子力関連施設のみならず、他のあらゆる作業環境において利用することができる。
ところで、熱中症発症の発症危険性について、作業者12の鼓膜温度(深部体温)と心拍数との変化をモニタリングすることによって確認できることが知られている。暑熱環境下での作業における管理指数としては、たとえば、「鼓膜温度が38.0℃(暑熱環境に馴化している場合は38.5℃)を超える場合」、「心拍数が数分間継続して(180−年齢)を超える場合」、「作業強度がピークに達した後1分間経過後の心拍数が110以下に戻らない場合」等の兆候により、熱ストレインが許容限界を超えたことを判断することができる。ここで、「熱ストレイン」とは、熱ストレス(労働に伴って体内で産生される熱と体外の環境すなわち温度、相対湿度、輻射熱、及び気流、並びに衣服等の複合効果によって決まる、労働者が曝露される正味の熱負荷)によって生じる生理的な反応の総称である。
監視装置11は、原子力発電所15の中央制御室に設置され、発電所15の管理責任者が管理保管する。監視装置11は、原子力発電所15において作業中の作業者12の熱中症の発症危険性を監視する。監視装置11は、中央処理部(CPUまたはMPU)とメモリ(記憶部)とを有するコンピュータであり、大容量ハードディスクを内蔵し、PHS無線通信機能を有する(PHS無線通信機能を内蔵する場合の他、PHS無線通信装置に接続される場合を含む)。なお、通信方式としては、PHS無線通信のみならず、あらゆる無線通信を利用することができる。監視装置11には、キーボード16やマウス17等の入力装置、ディスプレイ18やプリンタ(図示せず)等の出力装置がインターフェイスを介して接続されている。監視装置11は、PHS無線通信機能を介して携帯装置14に各種データを送信可能かつ携帯装置14から各種データを受信可能である。
監視装置11の中央処理部は、オペレーティングシステムによる制御に基づいて、メモリに格納された熱中症予防アプリケーションを起動し、そのアプリケーションに従って後記する各手段を実行する。中央処理部は、熱中症の発症危険性を示す鼓膜温度危険値を記憶する鼓膜温度危険値記憶手段(第1記憶手段)を実行し、熱中症の発症危険性を示す心拍数危険値を記憶する心拍数危険値記憶手段(第1記憶手段)を実行する。
監視装置11の中央処理部は、測定された鼓膜温度(測定鼓膜温度)が鼓膜温度危険値を超過してから経過した時間である経過時間(鼓膜温度の超過経過時間)の許容タイムを記憶する鼓膜温度超過経過時間許容タイム記憶手段を実行し、測定された心拍数(測定心拍数)が心拍数危険値を超過してから経過した時間である経過時間(心拍数の超過経過時間)の許容タイムを記憶する心拍数超過経過時間許容タイム記憶手段を実行する。中央処理部は、鼓膜温度の測定間隔を記憶する鼓膜温度測定間隔記憶手段を実行し、心拍数の測定間隔を記憶する心拍数測定間隔記憶手段を実行する。
監視装置11の中央処理部は、携帯装置14から測定鼓膜温度(生体機能)を受信する測定鼓膜温度受信手段(第2受信手段)を実行し、携帯装置14から測定心拍数(生体機能)を受信する測定心拍数受信手段(第2受信手段)を実行する。中央処理部は、受信した測定鼓膜温度をハードディスクに時系列に格納する鼓膜温度記憶手段を実行し、受信した測定心拍数をハードディスクに時系列に格納する心拍数記憶手段を実行する。
監視装置11の中央処理部は、受信した測定鼓膜温度や測定心拍数に基づいて熱中症の発症危険性を判断する危険性判断手段(第1判断手段)を実行し、危険性判断手段によって熱中症の発症危険性が高いと判断した場合、発症危険性警告を携帯装置に送信する警告送信手段(第2送信手段)を実行する。中央処理部は、各種のメッセージを携帯装置14に送信するメッセージ送信手段(第2送信手段)を実行する。メッセージには、作業指示や注意事項等のあらゆる伝達事項が含まれる。
監視装置11のハードディスクには、鼓膜温度危険値が携帯装置14毎に区分されて格納され、心拍数危険値が携帯装置14毎に区分されて格納されている。ハードディスクには、測定鼓膜温度が鼓膜温度危険値を超過してから経過した時間である経過時間(鼓膜温度の超過経過時間)の許容タイムが携帯装置14毎に区分されて格納され、測定心拍数が心拍数危険値を超過してから経過した時間である経過時間(心拍数の超過経過時間)の許容タイムが携帯装置14毎に区分されて格納されている。さらに、ハードディスクには、鼓膜温度の測定間隔が携帯装置14毎に区分されて格納され、心拍数の測定間隔が携帯装置14毎に区分されて格納されている。
携帯装置14は、中央処理部(CPUまたはMPU)とメモリ(記憶部)とを有するコンピュータであり、アンテナ(図示せず)を内蔵し、PHS無線通信機能を有する(PHS無線通信機能を内蔵する場合の他、PHS無線通信装置に接続される場合を含む)。なお、携帯装置14には、図示はしていないが、ディスプレイやキーユニットが実装される場合がある。携帯装置14は、作業者12が着用した作業着13(着衣)の胸ポケット19に着脱可能に収容される(PHS無線通信装置がある場合は、その無線通信装置も作業着13の胸ポケット19に収容される)。各携帯装置14には、プライベートIPアドレスやMACアドレスが設定されており、それらアドレス情報に基づいて各携帯装置14を個別に特定することができる。各携帯装置14のプライベートIPアドレスやMACアドレスは、監視装置11のハードディスクに格納されている。各携帯装置14には、電池やバッテリーによって電力が供給されている。
図2に示す携帯装置14a(14)は、作業者12の鼓膜温度を測定する鼓膜温度センサ(図示せず)が内蔵(設置)された耳栓20(測定機構)と、作業者12の心拍数を測定する心拍数センサ(図示せず)が設置されたクリップ21(測定機構)と、作業者12に発症危険性警告や各種のメッセージを伝える骨伝導スピーカー22(伝達機構)とを備えている。骨伝導スピーカー22としては、骨伝導ヘッドホンや骨伝導イヤホンがある。
耳栓20は、インターフェイス23を介して携帯装置14aに着脱可能に接続されている。耳栓20は、作業者12の外耳道に挿脱可能に挿入される。鼓膜温度センサは、赤外放射温度を検出するサーモパイル(熱電堆)であり、作業者12の鼓膜に対向するように耳栓20の先端内部に設置されている。鼓膜温度センサは、作業者12の鼓膜温度を測定し、測定した鼓膜温度をデジタル信号に変換した後、そのデジタル信号を携帯装置14aに転送する。
クリップ21は、インターフェイス24を介して携帯装置14aに着脱可能に接続されている。クリップ21は、作業者12の耳たぶ25に着脱可能に装着される。心拍数センサは、作業者12の耳たぶ25の血管を流れる血流が心拍と同期して変化するのをセンシングし、耳たぶ25の血流量の変動によって微少に変わる光線透過率を検出して心拍数を測定する。心拍数センサは、作業者12の心拍数を測定し、測定した心拍数をデジタル信号に変換した後、そのデジタル信号を携帯装置14aに転送する。骨伝導スピーカー22は、耳栓20と一体に作られている。骨伝導スピーカー22には、作業者12の耳殻26に引っ掛ける耳かけ27が連結されている。骨伝導スピーカー22は、インターフェイス23を介して携帯装置14aに着脱可能に接続されている。骨伝導スピーカー22は、携帯装置14aが受信した発症危険性警告や各種のメッセージを作業者12の頭蓋骨に直接伝える。
図4に示す携帯装置14bは、作業者12の鼓膜温度を測定する鼓膜温度センサ(図示せず)と作業者12の心拍数を測定する心拍数センサ(図示せず)とが内蔵された耳栓20(測定機構)と、作業者12に発症危険性警告や各種のメッセージを伝える骨伝導スピーカー22(伝達機構)とを備えている。鼓膜温度センサは、図2の携帯装置14aと同様に、赤外放射温度を検出するサーモパイルであり、作業者12の鼓膜に対向するように耳栓20の先端内部に設置されている。骨伝導スピーカー22は、図2の携帯装置14aのそれと同一である。
心拍数センサは、赤外線発光ダイオード28(発光素子)とフォトセンサ29(受光素子)とを備えている(図5参照)。ダイオード28とフォトセンサ29とは、作業者12の外耳道の表面に対向するように耳栓20の側壁に並んで設置されている。発光ダイオード28から外耳道の表面に赤外線を照射し、外耳道の皮膚の表面から反射した赤外線あるいは外耳道の皮膚を透過した赤外線の強弱が心臓の鼓動に比例することを利用し、外耳道の表面から反射した赤外線をフォトセンサ29で受光して心拍数を測定する。鼓膜温度センサは、作業者12の鼓膜温度を測定し、測定した鼓膜温度をデジタル信号に変換した後、そのデジタル信号を携帯装置14bに転送する。心拍数センサは、作業者12の心拍数を測定し、測定した心拍数をデジタル信号に変換した後、そのデジタル信号を携帯装置14bに転送する。
それら携帯装置14a,14bの中央処理部は、オペレーティングシステムによる制御に基づいて、メモリに格納された熱中症予防アプリケーションを起動し、そのアプリケーションに従って後記する各手段を実行する。中央処理部は、耳栓20を介して作業者12の鼓膜温度を測定する鼓膜温度測定手段(生体機能測定手段)を実行し、耳栓20またはクリップ21を介して作業者12の心拍数を測定する心拍数測定手段(生体機能測定手段)を実行する。中央処理部は、測定した測定鼓膜温度を監視装置11に送信する鼓膜温度送信手段(第1送信手段)を実行し、測定した測定心拍数を監視装置11に送信する心拍数送信手段(第1送信手段)を実行する。
携帯装置14a,14bの中央処理部は、熱中症の発症危険性警告を監視装置11から受信する警告受信手段(第1受信手段)を実行し、監視装置11から受信した発症危険性警告を作業者12に伝達する警告伝達手段(伝達手段)を実行する。中央処理部は、各種のメッセージを監視装置11から受信するメッセージ受信手段(第1受信手段)を実行し、監視装置11から受信したメッセージを作業者12に伝達するメッセージ伝達手段(伝達手段)を実行する。
図8は、このシステム10において実行される各手段の一例を説明するフローチャートである。図8を参照しつつ、このシステム10の熱中症予防プロセスの一例を説明すると、以下のとおりである。管理責任者は、監視装置11のスイッチを入れ、監視装置11を稼動させ、危険値、許容タイム、測定間隔を設定する(S−10)。監視装置11を稼動させると、初期設定画面(図示せず)がディスプレイ18に表示される。
初期設定画面には、作業者12の属性入力エリア、携帯装置14a,14bの識別名入力エリア、鼓膜温度危険値入力エリア、心拍数危険値入力エリア、鼓膜温度の超過経過時間の許容タイム入力エリア、心拍数の超過経過時間の許容タイム入力エリア、鼓膜温度の測定間隔入力エリア、心拍数の測定間隔入力エリア、データ格納ボタン、クリアボタン、ログアウトボタンが表示される。クリアボタンをクリックすると、各入力エリアに入力されたデータがクリアされる。ログアウトボタンをクリックすると、システムを閉じる。作業者12の属性には、作業者12の氏名およびコード番号、性別、所属部課、伸長、体重、正常時体温、正常時心拍数、作業箇所等があり、その内容を任意に設定することができる。
管理責任者は、作業者12の属性入力エリアに各属性を入力し、携帯装置14a,14bの識別名入力エリアに任意の識別名を入力(識別名のプルダウンリストから識別名を選択)するとともに、鼓膜温度危険値入力エリアに鼓膜温度危険値(たとえば、38.0℃、暑熱環境に馴化している作業者に対しては38.5℃)を入力する。心拍数危険値入力エリアに心拍数危険値(たとえば、180−年齢)を入力し、鼓膜温度の超過経過時間の許容タイム入力エリアに許容タイム(たとえば、0や3分、5分等)を入力するとともに、心拍数の超過経過時間の許容タイム入力エリアに許容タイム(たとえば、0や3分、5分等)を入力する。
さらに、鼓膜温度の測定間隔入力エリアに測定間隔(たとえば、0や30秒間隔、1分間隔等)を入力し、心拍数の測定間隔入力エリアに測定間隔(たとえば、0や30秒間隔、1分間隔等)を入力する。測定間隔が0の場合、鼓膜温度や心拍数が連続して測定される。それら入力エリアにデータを入力した後、格納ボタンをクリックする。格納ボタンをクリックすると、データ確認画面(図示せず)がディスプレイ18に表示される。
なお、複数の異なる鼓膜温度危険値を入力することもでき、複数の異なる心拍数危険値を入力することもできる。また、複数の異なる許容タイムを入力することもできる。この場合の一例として、第1鼓膜温度危険値(たとえば、37.5℃、暑熱環境に馴化している作業者12に対しては38.0℃)を入力し、それに対応する鼓膜温度超過経過時間許容タイム(たとえば、5分)を入力する。第2鼓膜温度危険値(たとえば、38.0℃、暑熱環境に馴化している作業者12に対しては38.5℃)を入力し、それに対応する鼓膜温度超過経過時間許容タイム(たとえば、3分)を入力する。さらに、第1心拍数危険値(たとえば、(180−年齢)×0.9)を入力し、それに対応する心拍数超過経過時間許容タイム(たとえば、5分)を入力する。第2心拍数危険値(たとえば、180−年齢)を入力し、それに対応する心拍数超過経過時間許容タイム(たとえば、3分)を入力する。
データ確認画面には、入力された各データが各入力エリアに表示されるとともに、データ確定ボタン、データ変更ボタン、キャンセルボタンが表示される。キャンセルボタンをクリックすると、初期設定画面に戻る。管理責任者は、ディスプレイ18に表示された各作業者12の属性、各作業者12の鼓膜温度危険値と心拍数危険値とを確認し、鼓膜温度の超過経過時間の許容タイムと心拍数の超過経過時間の許容タイムとを確認するとともに、鼓膜温度の測定間隔や心拍数の測定間隔を確認した後、入力したデータに誤りがない場合、データ確定ボタンをクリックする。
データ確定ボタンをクリックすると、監視装置11は、作業者12の属性を携帯装置14a,14bのプライベートIPアドレスやMACアドレス(以下、アドレスと略す)に関連付けた状態でハードディスクに格納し、識別名を携帯装置14a,14bのそれらアドレスに関連付けた状態でハードディスクに格納する。監視装置11は、鼓膜温度危険値を携帯装置14a,14bのそれらアドレスに関連付けた状態でハードディスクに格納し(鼓膜温度危険値記憶手段)、心拍数危険値を携帯装置14a,14bのそれらアドレスに関連付けた状態でハードディスクに格納する(心拍数危険値記憶手段)。
監視装置11は、鼓膜温度超過経過時間許容タイムを携帯装置14a,14bのそれらアドレスに関連付けた状態でハードディスクに格納し(鼓膜温度超過経過時間許容タイム記憶手段)、心拍数超過経過時間許容タイムを携帯装置14a,14bのそれらアドレスに関連付けた状態でハードディスクに格納する(心拍数超過経過時間許容タイム記憶手段)。監視装置11は、鼓膜温度の測定間隔(たとえば、0や30秒間隔、1分間隔等)を携帯装置14a,14bのそれらアドレスに関連付けた状態でハードディスクに格納し(鼓膜温度測定間隔記憶手段)、心拍数の測定間隔(たとえば、0や30秒間隔、1分間隔等)を携帯装置14a,14bのそれらアドレスに関連付けた状態でハードディスクに格納する(心拍数測定間隔記憶手段)。
なお、初期設定が既に行われている場合、監視装置11は、初期設定画面を表示することなく、データ確認画面をディスプレイ18に表示する。鼓膜温度危険値や心拍数危険値、鼓膜温度の超過経過時間の許容タイム、心拍数の超過経過時間の許容タイムは、各携帯装置14a,14b毎(各作業者12毎)に異なる値やタイムが設定されている。鼓膜温度危険値や心拍数危険値、許容タイム、測定間隔は、入力装置によって変更することができる。
作業者12の属性、携帯装置14a,14bの識別名、危険値、許容タイム、測定間隔を変更する場合は、データ確認画面のデータ変更ボタンをクリックする。データ変更ボタンをクリックすると、データ変更画面(図示せず)がディスプレイ18に表示される。データ変更画面には、初期設定画面と同様に、各入力エリア、変更データ格納ボタン、クリアボタンが表示される。各入力エリアにデータを入力した後、変更データ格納ボタンをクリックすると、監視装置11は、変更されたデータを携帯装置14a,14bのそれらアドレスに関連付けた状態でハードディスクに格納する。
作業者12の属性、携帯装置14a,14bの識別名、鼓膜温度危険値、心拍数危険値、許容タイム、測定間隔を確認し、それらに誤りがない場合やそれらの変更がない場合、管理責任者は、作業者12が原子力発電所15において作業を開始する前に、各作業者12に携帯装置14a,14bを渡す。携帯装置14a,14bは、特定のそれが各作業者12毎に個別に割り当てられている。携帯装置14a,14bを受け取った各作業者12は、携帯装置14a,14bを作業着13(着衣)の胸ポケット19に収容し、耳栓20を外耳道に挿入するとともに、耳かけ27を耳殻26に掛けて耳栓20と骨伝導スピーカー22とを装着した後、クリップ21で耳たぶ25を挟み、クリップ21を装着する。作業者12は、耳栓20や骨伝導スピーカー22、クリップ21を装着し、作業箇所に到着した後、携帯装置14a,14bのスイッチ(図示せず)を入れ、作業箇所において作業を開始する。
携帯装置14a,14bのスイッチを入れると、鼓膜温度の超過経過時間の許容タイム、心拍数の超過経過時間の許容タイム、鼓膜温度や心拍数の測定間隔が監視装置11からそれら携帯装置14a,14bに送信され、携帯装置14a,14bがそれらを受信する。さらに、作業指示や注意事項等のメッセージがある場合は、PHS無線通信を利用してそれらメッセージを携帯装置14a,14bに送信する(メッセージ送信手段)。
なお、鼓膜温度の超過経過時間の許容タイム、心拍数の超過経過時間の許容タイム、鼓膜温度や心拍数の測定間隔を携帯装置14a,14bにおいて個別に設定するようにしてもよい。この場合は、許容タイムや測定間隔が監視装置11から携帯装置14a,14bに送信されることなく、逆に許容タイムや測定間隔(携帯装置14a,14bのプライベートIPアドレスやMACアドレスを含む)が携帯装置14a,14bから監視装置11に送信され、許容タイムや測定間隔が携帯装置14a,14bのアドレスに関連付けられた状態で監視装置11のハードディスクに格納される。
各携帯装置14a,14bは、PHS無線通信を利用して各種のメッセージを監視装置11から受信し(メッセージ受信手段)し、受信したメッセージを作業者12に伝達する(メッセージ伝達手段)(S−11)。メッセージは、骨伝導スピーカー22から作業者12に伝えられる。各携帯装置14a,14bは、測定間隔に従って、作業中の作業者12の鼓膜温度を測定するとともに(鼓膜温度測定手段)(S−12)、作業中の作業者12の心拍数を測定する(心拍数測定手段)(S−12)。携帯装置14a,14bは、プライベートIPアドレスやMACアドレスとともに、測定した測定鼓膜温度(デジタル信号)を監視装置11に送信するとともに(鼓膜温度送信手段)(S−13)、測定した測定心拍数(デジタル信号)を監視装置11に送信する(心拍数送信手段)(S−13)。
監視装置11は、携帯装置14a,14bから測定鼓膜温度を受信し(測定鼓膜温度受信手段)、携帯装置14a,14bから測定心拍数を受信する(測定心拍数受信手段)。監視装置11は、測定鼓膜温度や測定心拍数を受信すると、測定鼓膜温度を携帯装置14a,14bのプライベートIPアドレスやMACアドレスに関連付けた状態でハードディスクに時系列に格納し(鼓膜温度記憶手段)、測定心拍数を携帯装置14a,14bのそれらアドレスに関連付けた状態でハードディスクに時系列に格納する(心拍数記憶手段)。次に、監視装置11は、受信した測定鼓膜温度や測定心拍数に基づいて熱中症の発症危険性を判断する(危険性判断手段)(S−14)。
危険性判断の一例は、以下のとおりである。監視装置11は、測定鼓膜温度が鼓膜温度危険値を超過したか(測定鼓膜温度>鼓膜温度危険値)を判断する。監視装置11は、測定鼓膜温度が鼓膜温度危険値以下(測定鼓膜温度≦鼓膜温度危険値)の場合、発症危険性なしと判断し、作業者12に作業を継続させる(S−15)。測定鼓膜温度が鼓膜温度危険値を超過した場合、監視装置11は、測定鼓膜温度が鼓膜温度危険値を超過してからの超過経過時間が鼓膜温度超過経過時間許容タイムを経過したか(超過経過時間>許容タイム)を判断する。監視装置11は、超過経過時間が許容タイム以下(超過経過時間≦許容タイム)の場合、発症危険性なしと判断し、作業者12に作業を継続させる(S−15)。超過経過時間が許容タイムを経過した場合、監視装置11は、熱中症の発症危険性が高いと判断し、PHS無線通信を利用して発症危険性警告を携帯装置14a,14bに送信する(警告送信手段)。なお、鼓膜温度の超過経過時間の許容タイムが0の場合、監視装置11は、測定鼓膜温度が鼓膜温度危険値を超過した直後に、発症危険性警告を携帯装置14a,14bに送信する(警告送信手段)。
携帯装置14a,14bは、監視装置11から送信された発症危険性警告を受信し(警告受信手段)、受信した警告を作業者12に伝える(警告伝達手段)(S−16)。警告としては、たとえば、(体温が危険値を超えました。作業を直ちに中断してください。休憩所に戻って休息し、水分を補給してください。)等の音声指示を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に伝える。または、危険性が高いことを表す警告音を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に発する。作業者12は、警告に従って作業を中断する(S−17)。
監視装置11のディスプレイ18には、警告内容やその警告が送信された携帯装置14a,14b、その携帯装置14a,14bを装着した作業者12の氏名およびコード番号、その作業者12の作業箇所が表示される。管理責任者は、ディスプレイ18を介して熱中症の発症危険性が高い作業者12を把握することができる。警告を携帯装置14a,14bから作業者12に伝えたにもかかわらず、作業者12が警告による指示に従わず、作業を継続している場合は、管理責任者が作業箇所に行き、作業者12の作業を中断させる(S−17)。
監視装置11は、測定心拍数が心拍数危険値を超過したか(測定心拍数>心拍数危険値)を判断する。監視装置11は、測定心拍数が心拍数危険値以下(測定心拍数≦心拍数危険値)の場合、発症危険性なしと判断し、作業者12に作業を継続させる(S−15)。測定心拍数が心拍数危険値を超過した場合、監視装置11は、測定心拍数が心拍数危険値を超過してからの超過経過時間が心拍数超過経過時間許容タイムを経過したか(超過経過時間>許容タイム)を判断する。監視装置11は、超過経過時間が許容タイム以下(超過経過時間≦許容タイム)の場合、発症危険性なしと判断し、作業者12に作業を継続させる(S−15)。超過経過時間が許容タイムを経過した場合、監視装置11は、熱中症の発症危険性が高いと判断し、PHS無線通信を利用して発症危険性警告を携帯装置14a,14bに送信する(警告送信手段)。なお、心拍数の超過経過時間の許容タイムが0の場合、監視装置11は、測定心拍数が心拍数危険値を超過した直後に、発症危険性警告を携帯装置14a,14bに送信する(警告送信手段)。
携帯装置14a,14bは、監視装置11から送信された発症危険性警告を受信し(警告受信手段)、受信した警告を作業者12に伝える(警告伝達手段)(S−16)。警告としては、たとえば、(心拍数が危険値を超えました。作業を直ちに中断してください。休憩所に戻って休息し、水分を補給してください。)等の音声指示を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に伝える。または、危険性が高いことを表す警告音を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に発する。作業者12は、警告に従って作業を中断する(S−17)。管理責任者は、ディスプレイ18を介して熱中症の発症危険性が高い作業者12を把握することができる。警告を携帯装置14a,14bから作業者12に伝えたにもかかわらず、作業者12が警告による指示に従わず、作業を継続している場合は、管理責任者が作業箇所に行き、作業者12の作業を中断させる(S−17)。
危険性判断の他の一例は、以下のとおりである。監視装置11は、測定鼓膜温度が鼓膜温度危険値を超過したかを判断するとともに、測定心拍数が心拍数危険値を超過したかを判断する。監視装置11は、測定鼓膜温度が鼓膜温度危険値以下または測定心拍数が心拍数危険値以下の場合、発症危険性なしと判断し、作業者12に作業を継続させる(S−15)。測定鼓膜温度が鼓膜温度危険値を超過し、測定心拍数が心拍数危険値を超過した場合、監視装置11は、超過経過時間が鼓膜温度超過経過時間許容タイムを経過するとともに、超過経過時間が心拍数超過経過時間許容タイムを経過したかを判断する。監視装置11は、超過経過時間が許容タイム以下の場合、発症危険性なしと判断し、作業者12に作業を継続させる(S−15)。超過経過時間が許容タイムを経過した場合、監視装置11は、熱中症の発症危険性が高いと判断し、PHS無線通信を利用して発症危険性警告を携帯装置14a,14bに送信する(警告送信手段)。なお、鼓膜温度や心拍数の超過経過時間の許容タイムが0の場合、監視装置11は、測定鼓膜温度が鼓膜温度危険値を超過するとともに測定心拍数が心拍数危険値を超過した直後に、発症危険性警告を携帯装置14a,14bに送信する(警告送信手段)。
携帯装置14a,14bは、監視装置11から送信された発症危険性警告を受信し(警告受信手段)、受信した警告を作業者12に伝える(警告伝達手段)(S−15)。警告としては、たとえば、(体温および心拍数が危険値を超えました。作業を直ちに中断してください。休憩所に戻って休息し、水分を補給してください。)等の音声指示を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に伝える。または、危険性が高いことを表す警告音を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に発する。作業者12は、警告に従って作業を中断する(S−17)。管理責任者は、ディスプレイ18を介して熱中症の発症危険性が高い作業者12を把握することができる。警告を携帯装置14a,14bから作業者12に伝えたにもかかわらず、作業者12が警告による指示に従わず、作業を継続している場合は、管理責任者が作業箇所に行き、作業者12の作業を中断させる(S−17)。
危険性判断の他の一例は、以下のとおりである。監視装置11は、測定鼓膜温度が第1鼓膜温度危険値を超過したか(測定鼓膜温度>第1鼓膜温度危険値)を判断する。測定鼓膜温度が第1鼓膜温度危険値以下(測定鼓膜温度≦第1鼓膜温度危険値)の場合、監視装置11は、発症危険性なしと判断し、作業者12に作業を継続させる(S−15)。測定鼓膜温度が第1鼓膜温度危険値を超過した場合、監視装置11は、測定鼓膜温度が第1鼓膜温度危険値を超過してからの超過経過時間が鼓膜温度超過経過時間許容タイムを経過したか(超過経過時間>許容タイム)を判断する。超過経過時間が許容タイム以下(超過経過時間≦許容タイム)の場合、監視装置11は、発症危険性なしと判断し、作業者12に作業を継続させる(S−15)。超過経過時間が許容タイムを経過した場合、監視装置11は、熱中症の発症危険性が中程度である判断し、PHS無線通信を利用して第1発症危険性警告を携帯装置14a,14bに送信する(警告送信手段)。なお、鼓膜温度の超過経過時間の許容タイムが0の場合、監視装置11は、測定鼓膜温度が第1鼓膜温度危険値を超過した直後に、第1発症危険性警告を携帯装置14a,14bに送信する(警告送信手段)。
携帯装置14a,14bは、監視装置11から送信された第1発症危険性警告を受信し(警告受信手段)、受信した警告を作業者12に伝える(警告伝達手段)(S−15)。警告としては、たとえば、(体温が上昇しています。作業を中断して休息してください。)等の音声指示を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に伝える。または、危険性中程度を表す警告音を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に発する。作業者12は、自己判断によって作業を継続するか、または、中断するかを決定する。監視装置11のディスプレイ18には、警告内容やその警告が送信された携帯装置14a,14b、その携帯装置14a,14bを装着した作業者12の氏名およびコード番号、その作業者12の作業箇所が表示される。管理責任者は、ディスプレイ18を介して熱中症の発症危険性が中程度の作業者12を把握することができる。
監視装置11は、第1発症危険性警告を携帯装置14a,14bに送信した後、測定鼓膜温度が第2鼓膜温度危険値を超過したか(測定鼓膜温度>第2鼓膜温度危険値)を判断する。測定鼓膜温度が第2鼓膜温度危険値以下(測定鼓膜温度≦第2鼓膜温度危険値)の場合、発症危険性が未だ中程度であると判断する。測定鼓膜温度が第2鼓膜温度危険値を超過した場合、監視装置11は、測定鼓膜温度が第2鼓膜温度危険値を超過してからの超過経過時間が鼓膜温度超過経過時間許容タイムを経過したか(超過経過時間>許容タイム)を判断する。超過経過時間が許容タイム以下(超過経過時間≦許容タイム)の場合、発症危険性が中程度であると判断する。超過経過時間が許容タイムを経過した場合、監視装置11は、熱中症の発症危険性が高いと判断し、PHS無線通信を利用して第2発症危険性警告を携帯装置14a,14bに送信する(警告送信手段)。なお、鼓膜温度の超過経過時間の許容タイムが0の場合、監視装置11は、測定鼓膜温度が第2鼓膜温度危険値を超過した直後に、第2発症危険性警告を携帯装置14a,14bに送信する(警告送信手段)。
携帯装置14a,14bは、監視装置11から送信された第2発症危険性警告を受信し(警告受信手段)、受信した警告を作業者12に伝える(警告伝達手段)(S−15)。警告としては、たとえば、(体温が危険値を超えました。作業を直ちに中断してください。休憩所に戻って休息し、水分を補給してください。)等の音声指示を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に伝える。または、危険性が高いことを表す警告音を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に発する。作業者12は、警告に従って作業を中断する(S−17)。
監視装置11のディスプレイ18には、警告内容やその警告が送信された携帯装置14a,14b、その携帯装置14a,14bを装着した作業者12の氏名およびコード番号、その作業者12の作業箇所が表示される。管理責任者は、ディスプレイ18を介して熱中症の発症危険性が高い作業者12を把握することができる。警告を携帯装置14a,14bから作業者12に伝えたにもかかわらず、作業者12が警告による指示に従わず、作業を継続している場合は、管理責任者が作業箇所に行き、作業者12の作業を中断させる(S−17)。
監視装置11は、測定心拍数が第1心拍数危険値を超過したか(測定心拍数>第1心拍数危険値)を判断する。測定心拍数が第1心拍数危険値以下(測定心拍数≦第1心拍数危険値)の場合、監視装置11は、発症危険性なしと判断し、作業者12に作業を継続させる(S−15)。測定心拍数が第1心拍数危険値を超過した場合、監視装置11は、測定心拍数が第1心拍数危険値を超過してからの超過経過時間が心拍数超過経過時間許容タイムを経過したか(超過経過時間>許容タイム)を判断する。超過経過時間が許容タイム以下(超過経過時間≦許容タイム)の場合、監視装置11は、発症危険性なしと判断し、作業者12に作業を継続させる(S−15)。超過経過時間が許容タイムを経過した場合、監視装置11は、熱中症の発症危険性が中程度である判断し、PHS無線通信を利用して第1発症危険性警告を携帯装置14a,14bに送信する(警告送信手段)。なお、心拍数の超過経過時間の許容タイムが0の場合、監視装置11は、測定心拍数が第1心拍数危険値を超過した直後に、第1発症危険性警告を携帯装置14a,14bに送信する(警告送信手段)。
携帯装置14a,14bは、監視装置11から送信された第1発症危険性警告を受信し(警告受信手段)、受信した警告を作業者12に伝える(警告伝達手段)(S−15)。警告としては、たとえば、(心拍数が上昇しています。作業を中断して休息してください。)等の音声指示を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に伝える。または、危険性中程度を表す警告音を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に発する。作業者12は、自己判断によって作業を継続するか、または、中断するかを決定する。監視装置11のディスプレイ18には、警告内容やその警告が送信された携帯装置14a,14b、その携帯装置14a,14bを装着した作業者12の氏名およびコード番号、その作業者12の作業箇所が表示される。管理責任者は、ディスプレイ18を介して熱中症の発症危険性が中程度の作業者12を把握することができる。
監視装置11は、第1発症危険性警告を携帯装置14a,14bに送信した後、測定心拍数が第2心拍数危険値を超過したか(測定心拍数>第2心拍数危険値)を判断する。測定心拍数が第2心拍数危険値以下(測定心拍数≦第2心拍数危険値)の場合、発症危険性が未だ中程度であると判断する。測定心拍数が第2心拍数危険値を超過した場合、監視装置11は、測定心拍数が第2心拍数危険値を超過してからの超過経過時間が心拍数超過経過時間許容タイムを経過したか(超過経過時間>許容タイム)を判断する。超過経過時間が許容タイム以下(超過経過時間≦許容タイム)の場合、発症危険性が中程度であると判断する。超過経過時間が許容タイムを経過した場合、監視装置11は、熱中症の発症危険性が高いと判断し、PHS無線通信を利用して第2発症危険性警告を携帯装置14a,14bに送信する(警告送信手段)。なお、心拍数の超過経過時間の許容タイムが0の場合、監視装置11は、測定心拍数が第2心拍数危険値を超過した直後に、第2発症危険性警告を携帯装置14a,14bに送信する(警告送信手段)。
携帯装置14a,14bは、監視装置11から送信された第2発症危険性警告を受信し(警告受信手段)、受信した警告を作業者12に伝える(警告伝達手段)(S−15)。警告としては、たとえば、(心拍数が危険値を超えました。作業を直ちに中断してください。休憩所に戻って休息し、水分を補給してください。)等の音声指示を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に伝える。または、危険性が高いことを表す警告音を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に発する。作業者12は、警告に従って作業を中断する(S−17)。管理責任者は、ディスプレイ18を介して熱中症の発症危険性が高い作業者12を把握することができる。警告を携帯装置14a,14bから作業者12に伝えたにもかかわらず、作業者12が警告による指示に従わず、作業を継続している場合は、管理責任者が作業箇所に行き、作業者12の作業を中断させる(S−17)。
危険性判断の他の一例は、以下のとおりである。監視装置11は、測定鼓膜温度が第1鼓膜温度危険値を超過するとともに(測定鼓膜温度>第1鼓膜温度危険値)、測定心拍数が第1心拍数危険値を超過したか(測定心拍数>第1心拍数危険値)を判断する。測定鼓膜温度が第1鼓膜温度危険値以下(測定鼓膜温度≦第1鼓膜温度危険値)または測定心拍数が第1心拍数危険値以下(測定心拍数≦第1心拍数危険値)の場合、監視装置11は、発症危険性なしと判断し、作業者12に作業を継続させる(S−15)。測定鼓膜温度が第1鼓膜温度危険値を超過するとともに測定心拍数が第1心拍数危険値を超過した場合、監視装置11は、測定鼓膜温度や測定心拍数が第1鼓膜温度危険値や第1心拍数危険値を超過してからの超過経過時間が許容タイムを経過したか(超過経過時間>許容タイム)を判断する。超過経過時間が許容タイム以下(超過経過時間≦許容タイム)の場合、監視装置11は、発症危険性なしと判断し、作業者12に作業を継続させる(S−15)。
超過経過時間が許容タイムを経過した場合、監視装置11は、熱中症の発症危険性が中程度である判断し、PHS無線通信を利用して第1発症危険性警告を携帯装置14a,14bに送信する(警告送信手段)。なお、超過経過時間の許容タイムが0の場合、監視装置11は、測定鼓膜温度や測定心拍数が第1鼓膜温度危険値や第1心拍数危険値を超過した直後に、第1発症危険性警告を携帯装置14a,14bに送信する(警告送信手段)。
携帯装置14a,14bは、監視装置11から送信された第1発症危険性警告を受信し(警告受信手段)、受信した警告を作業者12に伝える(警告伝達手段)(S−16)。警告としては、たとえば、(体温や心拍数が上昇しています。作業を中断して休息してください。)等の音声指示を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に伝える。または、危険性中程度を表す警告音を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に発する。作業者12は、自己判断によって作業を継続するか、または、中断するかを決定する。監視装置11のディスプレイ18には、警告内容やその警告が送信された携帯装置14a,14b、その携帯装置14a,14bを装着した作業者12の氏名およびコード番号、その作業者12の作業箇所が表示される。管理責任者は、ディスプレイ18を介して熱中症の発症危険性が中程度の作業者12を把握することができる。
監視装置11は、第1発症危険性警告を携帯装置14a,14bに送信した後、測定鼓膜温度が第2鼓膜温度危険値を超過するとともに(測定鼓膜温度>第2鼓膜温度危険値)、測定心拍数が第2心拍数危険値を超過したか(測定心拍数>第2心拍数危険値)を判断する。測定鼓膜温度が第2鼓膜温度危険値以下(測定鼓膜温度≦第2鼓膜温度危険値)または測定心拍数が第2心拍数危険値以下(測定心拍数≦第2心拍数危険値)の場合、発症危険性が未だ中程度であると判断する。測定鼓膜温度が第2鼓膜温度危険値を超過するとともに測定心拍数が第2心拍数危険値を超過した場合、監視装置11は、測定鼓膜温度や測定心拍数が第2鼓膜温度危険値や第2心拍数危険値を超過してからの超過経過時間が許容タイムを経過したか(超過経過時間>許容タイム)を判断する。超過経過時間が許容タイム以下(超過経過時間≦許容タイム)の場合、発症危険性が中程度であると判断する。超過経過時間が許容タイムを経過した場合、監視装置111は、熱中症の発症危険性が高いと判断し、PHS無線通信を利用して第2発症危険性警告を携帯装置14a,14bに送信する(警告送信手段)。なお、超過経過時間の許容タイムが0の場合、監視装置11は、測定鼓膜温度や測定心拍数が第2鼓膜温度危険値や第2心拍数危険値を超過した直後に、第2発症危険性警告を携帯装置14a,14bに送信する(警告送信手段)。
携帯装置14a,14bは、監視装置11から送信された第2発症危険性警告を受信し(警告受信手段)、受信した警告を作業者12に伝える(警告伝達手段)(S−15)。警告としては、たとえば、(体温および心拍数が危険値を超えました。作業を直ちに中断してください。休憩所に戻って休息し、水分を補給してください。)等の音声指示を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に伝える。または、危険性が高いことを表す警告音を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に発する。作業者12は、警告に従って作業を中断する(S−17)。
監視装置11のディスプレイ18には、警告内容やその警告が送信された携帯装置14a,14b、その携帯装置14a,14bを装着した作業者12の氏名およびコード番号、その作業者12の作業箇所が表示される。管理責任者は、ディスプレイ18を介して熱中症の発症危険性が高い作業者12を把握することができる。警告を携帯装置14a,14bから作業者12に伝えたにもかかわらず、作業者12が警告による指示に従わず、作業を継続している場合は、管理責任者が作業箇所に行き、作業者12の作業を中断させる(S−17)。
作業が終了した作業者12が休憩室に戻った後、または、警告によって作業を中断した作業者12が休憩室に戻った後、監視装置11は、そのまま作業を中止させるかを判断する(S−18)。携帯装置14a,14bは、休憩室で休憩中の作業者12の鼓膜温度を測定し(鼓膜温度測定手段)、休憩中の作業者12の心拍数を測定する(心拍数測定手段)。携帯装置14a,14bは、プライベートIPアドレスやMACアドレスとともに、測定した測定鼓膜温度を監視装置11に送信するとともに(鼓膜温度送信手段)、測定した測定心拍数を監視装置11に送信する(心拍数送信手段)。
監視装置11は、携帯装置14a,14bから測定鼓膜温度を受信し(測定鼓膜温度受信手段)、携帯装置14a,14bから測定心拍数を受信する(測定心拍数受信手段)。監視装置11は、測定鼓膜温度や測定心拍数を受信すると、測定鼓膜温度を携帯装置14a,14bのプライベートIPアドレスやMACアドレスに関連付けた状態でハードディスクに時系列に格納し(鼓膜温度記憶手段)、測定心拍数を携帯装置14a,14bのそれらアドレスに関連付けた状態でハードディスクに時系列に格納する(心拍数記憶手段)。次に、監視装置11は、受信した測定鼓膜温度や測定心拍数に基づいて休憩中の作業者12の熱中症の発症危険性を判断する(危険性判断手段)。
監視装置11は、休憩中の作業者12の測定鼓膜温度や測定心拍数が危険値以下になった場合、PHS無線通信を利用して作業再開指示(メッセージ)を携帯装置14a,14bに送信する(メッセージ送信手段)。携帯装置14a,14bは、PHS無線通信を利用して各種のメッセージを監視装置11から受信し(メッセージ受信手段)し、受信したメッセージを作業者12に伝達する(メッセージ伝達手段)。作業者12は、作業再開指示にしたがって作業を再開する(S−19)。なお、休憩中の作業者12の測定鼓膜温度や測定心拍数が所定時間(たとえば、1分、3分、5分等)経過後も危険値を超過している場合は、作業を再開させることなく、作業者12のその日の作業を直ちに中止させる。
熱中症予防システム10は、監視装置11が作業中の作業者12の測定鼓膜温度(生体機能)と測定心拍数(生体機能)とのうちの少なくとも一方に基づいてその作業者12の熱中症の発症危険性を判断するから、監視装置11を管理する管理責任者(第三者)が作業者12の熱中症の発症危険性を知ることができ、作業者12の熱中症に対する防御を管理責任者が客観的に監視することができる。システム10は、熱中症の発症危険性が高いと判断した場合、監視装置11が発症危険性警告を携帯装置14a,14bに送信し、携帯装置14a,14bがその発症危険性警告を作業者に伝えるから、作業者12が熱中症の発症危険性を知ることができ、作業者12が作業を中断することで、作業中の作業者12の熱中症の発症を防ぐことができる。システム10は、監視装置11において発症危険性が高い作業者12(携帯装置14a,14b)を特定することができるから、作業者12が発症危険性警告を無視して作業を継続したとしても、熱中症の発症危険性がある作業者12の作業を管理責任者が速やかに中断させることができ、作業中の作業者12の熱中症の発症を確実に防ぐことができる。
熱中症予防システム10は、監視装置11が測定鼓膜温度と鼓膜温度危険値とを比較するとともに測定心拍数と心拍数危険値とを比較し、測定鼓膜温度と測定心拍数とのうちの少なくとも一方が危険値を超えた場合に熱中症の発症危険性が高いと判断するから、作業者12毎にあらかじめ鼓膜温度危険値と心拍数危険値とを設定しつつ、その作業者12の熱中症発症危険性を管理責任者が数値を用いて客観的かつ具体的に判断することができ、作業者12の熱中症発症危険性を管理責任者が確実に監視することができる。
熱中症予防システム10は、骨伝導スピーカー22を介して発症危険性警告が作業者12に伝えられるから、作業者12が警告を明瞭に聞き取ることができることはもちろん、骨伝導スピーカー22によって作業者12の両耳が塞がれることはなく、作業者12が作業中に片一方の耳で作業箇所の周囲の音を聞くことができ、作業者12が周囲の状況を把握しつつ安全に作業を行うことができる。システム10は、鼓膜温度センサや心拍数センサと骨伝導スピーカー22とが耳栓20において一体となっているから、鼓膜温度センサや心拍数センサから測定鼓膜温度や測定心拍数が監視装置11に送信されることで、骨伝導スピーカー22が作業者12の耳に確実に装着されていることが分かり、作業中の作業者12における骨伝導スピーカー22の未装着を未然に防ぐことができ、熱中症の発症危険性警告を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に確実に伝達することができる。
図9は、このシステム10において実行される各手段の他の一例を説明するフローチャートである。図9を参照しつつ、このシステム10の熱中症予防プロセスの他の一例を説明すると、以下のとおりである。図9の熱中症予防プロセスにおいて、監視装置11の中央処理部は、図8のフローチャートにおいて既に説明した各手段のうち、測定鼓膜温度受信手段、測定心拍数受信手段、鼓膜温度記憶手段、心拍数記憶手段、危険性判断手段(第1判断手段)を実行しない。図9の熱中症予防プロセスにおいて、携帯装置14a,14bは、図8のフローチャートにおいて既に説明した各手段を実行する他(鼓膜温度送信手段、心拍数送信手段は実行しない)、あわせて以下の各手段を実行する。
携帯装置14a,14bの中央処理部は、熱中症の発症危険性を示す鼓膜温度危険値を記憶する鼓膜温度危険値記憶手段(第2記憶手段)を実行し、熱中症の発症危険性を示す心拍数危険値を記憶する心拍数危険値記憶手段(第2記憶手段)を実行する。中央処理部は、測定した鼓膜温度(測定鼓膜温度)が鼓膜温度危険値を超過してから経過した時間である経過時間(鼓膜温度の超過経過時間)の許容タイムを記憶する鼓膜温度超過経過時間許容タイム記憶手段を実行し、測定した心拍数(測定心拍数)が心拍数危険値を超過してから経過した時間である経過時間(心拍数の超過経過時間)の許容タイムを記憶する心拍数超過経過時間許容タイム記憶手段を実行する。
携帯装置14a,14bの中央処理部は、鼓膜温度の測定間隔を記憶する鼓膜温度測定間隔記憶手段を実行し、心拍数の測定間隔を記憶する心拍数測定間隔記憶手段を実行する。中央処理部は、測定した測定鼓膜温度や測定心拍数に基づいて熱中症の発症危険性を判断する危険性判断手段(第2判断手段)を実行し、危険性判断手段によって熱中症の発症危険性が高いと判断した場合、骨伝導スピーカー22を介して発症危険性警告を作業者に伝える警告伝達手段(伝達手段)を実行する。
管理責任者は、監視装置11や携帯装置14a,14bのスイッチを入れ、それら装置11,14a,14bを稼動させ、危険値、許容タイム、測定間隔を設定する(S−20)。携帯装置14a,14bを稼動させると、装置14a,14bに実装されたディスプレイ(図示せず)に初期設定画面(図示せず)が表示される。初期画面は、監視装置11のディスプレイ18に表示されるそれと同一である。管理責任者は、装置14a,14bのキーユニット(図示せず)を利用して各入力エリアに必要データを入力し、各危険値、各許容タイム、各測定間隔を個別に設定する。各危険値や各許容タイム、各測定間隔(携帯装置14a,14bのプライベートIPアドレスやMACアドレスを含む)は、携帯装置14a,14bのメモリに格納されるとともに(各記憶手段)、携帯装置14a,14bから監視装置11に送信され、各危険値や各許容タイム、各測定間隔が携帯装置14a,14bのアドレスに関連付けられた状態で監視装置11のハードディスクに格納される(各記憶手段)。
危険値や許容タイム、測定間隔を設定した後、携帯装置14a,14bや耳栓20、骨伝導スピーカー22を作業者に装着させる。それらを装着した作業者は、作業箇所において作業を開始する。作業指示や注意事項等のメッセージがある場合、各携帯装置14a,14bは、PHS無線通信を利用して各種のメッセージを監視装置11から受信し(メッセージ受信手段)、受信したメッセージを作業者12に伝達する(メッセージ伝達手段)(S−21)。
各携帯装置14a,14bは、測定間隔に従って、作業中の作業者12の鼓膜温度や心拍数を測定する(鼓膜温度測定手段、心拍数測定手段)(S−22)。各携帯装置14a,14bは、測定した測定鼓膜温度や測定心拍数に基づいて熱中症の発症危険性を判断する(危険性判断手段)(第2判断手段)(S−23)。ステップ23(S−23)における危険性判断手段における各判断手法は、図8のフローチャートにおいて説明したように、監視装置11が行うそれらと同一である。各携帯装置14a,14bは、危険性判断手段によって熱中症の発症危険性が高いと判断した場合、骨伝導スピーカー22を介して発症危険性警告を作業者に伝える(警告伝達手段)(S−25)。作業者12は、警告に従って作業を中断する(S−26)。
各携帯装置14a,14bは、発症危険性警告を作業者に伝えた場合、警告伝達メッセージを監視装置11に送信する(警告伝達メッセージ送信手段)。監視装置11は、警告伝達メッセージを携帯装置14a,14bから受信する(警告伝達メッセージ受信手段)。監視装置11は、警告伝達メッセージを受信すると、警告伝達メッセージ(警告が伝達された携帯装置14a,14b、その携帯装置14a,14bを装着した作業者12の氏名およびコード番号、その作業者12の作業箇所を含む)をディスプレイ18に表示するとともに(警告伝達メッセージ出力手段)、警告伝達メッセージを携帯装置14a,14bのアドレスに関連付けた状態でハードディスクに格納する(警告伝達メッセージ記憶手段)。
管理責任者は、ディスプレイ18を介して発症危険性警告が伝達された作業者12を把握することができる。発症危険性警告を携帯装置14a,14bから作業者12に伝えたにもかかわらず、作業者12が警告による指示に従わず、作業を継続している場合は、管理責任者は、監視装置11を介して作業者12に発症危険性メッセージ(管理者の肉声を含む発症危険性警告)を伝えるとともに作業箇所に行き、作業者12の作業を中断させる(S−26)。この場合、監視装置11が発症危険性メッセージ(発症危険性警告)を携帯装置14a,14bに送信し(警告送信手段)、装置14a,14bがそのメッセージを骨伝導スピーカー22を介して作業者12に伝える。なお、携帯装置14a,14bは、危険性判断手段(S−23)において、発症危険性なしと判断した場合、作業者12に作業を継続させる(S−24)。
作業が終了した作業者12が休憩室に戻った後、または、警告によって作業を中断した作業者12が休憩室に戻った後、携帯装置14a,14bは、監視装置11は、そのまま作業を中止させるかを判断する(S−27)。ステップ27(S−27)における判断手法は、図8のフローチャートにおいて説明したように、監視装置11が行うそれらと同一である。携帯装置14a,14bは、休憩中の作業者12の測定鼓膜温度や測定心拍数が危険値以下になった場合、作業再開指示(メッセージ)を伝達する(メッセージ伝達手段)。作業者12は、作業再開指示にしたがって作業を再開する(S−28)。
図9のフローチャートにおいて説明した熱中症予防システム10は、携帯装置14a,14bが作業中の作業者12の測定鼓膜温度(生体機能)と測定心拍数(生体機能)とのうちの少なくとも一方に基づいてその作業者12の熱中症の発症危険性を判断し、熱中症の発症危険性が高いと判断した場合、携帯装置14a,14bがその発症危険性警告を作業者に伝えるから、作業者12が熱中症の発症危険性を知ることができ、作業者12が作業を中断することで、作業中の作業者12の熱中症の発症を防ぐことができる。なお、携帯装置14a,14bの発症危険性警告を無視して作業者が作業を継続している場合であっても、警告伝達メッセージが監視装置11に送信されるから、監視装置11を管理する管理責任者(第三者)が特定の作業者12の熱中症の発症危険性を知ることができ、管理責任者が作業者の作業を強制的に中止させることで、作業中の作業者12の熱中症の発症を確実に防ぐことができる。
図10は、他の一例として示す携帯装置14cの斜視図であり、図11は、胸ポケット19に収納した状態で示す携帯装置14cの斜視図である。システム10では、図2の携帯装置14aと異なる携帯装置14cが使用されている。この携帯装置14cが図2のそれと異なるところは、携帯装置14cがアンテナのみならず、温度センサと湿度センサとを内蔵している点にある。携帯装置14cのその他の構成は図2のそれと同一であるから、図2の携帯装置14aの説明を援用するとともに、図2と同一の符号を付すことで、この携帯装置14cにおけるその他の構成の詳細な説明は省略する。
携帯装置14cは、図2のそれと同様に、中央処理部(CPUまたはMPU)とメモリ(記憶部)とを有するコンピュータであり、アンテナ、温度センサ(測定機構)、湿度センサ(測定機構)を内蔵し、PHS無線通信機能を有する。温度センサは、そのセンサ部30が携帯装置14cの一方の側壁に設置されている。携帯装置14cでは、温度センサが作業者12の着衣内温度を測定し、測定した着衣内温度をデジタル信号に変換する。湿度センサは、そのセンサ部31が携帯装置14cの一方の側壁に設置されている。携帯装置14cでは、湿度センサが作業者12の着衣内湿度を測定し、測定した着衣内湿度をデジタル信号に変換する。
携帯装置14cは、図2のそれと同様に、鼓膜温度センサが内蔵された耳栓20(測定機構)と、心拍数センサが設置されたクリップ21(測定機構)と、骨伝導スピーカー22(伝達機構)とを備えている。携帯装置14cは、作業者12が着用した作業着13(着衣)の胸ポケット19に着脱可能に収容される。各携帯装置14cにはプライベートIPアドレスやMACアドレスが設定されており、それらアドレスは監視装置11のハードディスクに格納されている。
監視装置11は、図8のフローチャートにおいて既に説明した各手段を実行する他、あわせて以下の各手段を実行する。監視装置11の中央処理部は、熱中症の発症危険性を示す着衣内温度危険値を記憶する着衣内温度危険値記憶手段(第1記憶手段)を実行し、熱中症の発症危険性を示す着衣内湿度危険値を記憶する着衣内湿度危険値記憶手段(第1記憶手段)を実行する。中央処理部は、測定された着衣内温度(測定着衣内温度)が着衣内温度危険値を超過してから経過した時間である経過時間(着衣内温度の超過経過時間)の許容タイムを記憶する着衣内温度超過経過時間許容タイム記憶手段を実行し、測定された着衣内湿度(測定着衣内湿度)が着衣内湿度危険値を超過してから経過した時間である経過時間(着衣内湿度の超過経過時間)の許容タイムを記憶する着衣内湿度超過経過時間許容タイム記憶手段を実行する。
監視装置11の中央処理部は、着衣内温度の測定間隔を記憶する着衣内温度測定間隔記憶手段を実行し、着衣内湿度の測定間隔を記憶する着衣内湿度測定間隔記憶手段を実行する。中央処理部は、携帯装置14cから測定着衣内温度(生体機能)を受信する測定着衣内温度受信手段(第2受信手段)を実行し、携帯装置14cから測定着衣内湿度(生体機能)を受信する測定着衣内湿度受信手段(第2受信手段)を実行する。中央処理部は、受信した測定鼓膜温度、測定心拍数、測定着衣内温度、測定着衣内湿度に基づいて熱中症の発症危険性を判断する危険性判断手段を実行する。
監視装置11のハードディスクには、鼓膜温度危険値、心拍数危険値、着衣内温度危険値、着衣内湿度危険値が携帯装置14c毎に区分されて格納されている。ハードディスクには、測定鼓膜温度、測定心拍数、測定着衣内温度、測定着衣内湿度が危険値を超過してから経過した時間である経過時間(超過経過時間)の許容タイムが携帯装置14c毎に区分されて格納されている。さらに、ハードディスクには、鼓膜温度の測定間隔、心拍数の測定間隔、着衣内温度の測定間隔、着衣内湿度の測定間隔が携帯装置14c毎に区分されて格納されている。
携帯装置14cは、図8のフローチャートにおいて既に説明した各手段を実行する他、あわせて以下の各手段を実行する。携帯装置14cの中央処理部は、温度センサを介して作業者12の着衣内温度を測定する着衣内温度測定手段(生体機能測定手段)を実行し、湿度センサを介して作業者12の着衣内湿度を測定する着衣内湿度測定手段(生体機能測定手段)を実行する。中央処理部は、測定した測定着衣内温度を監視装置11に送信する着衣内温度送信手段(第1送信手段)を実行し、測定した測定着衣内湿度を監視装置11に送信する着衣内湿度送信手段(第1送信手段)を実行する。
図8を援用しつつ、携帯装置14cを使用したシステム10の熱中症予防プロセスの一例を説明すると、以下のとおりである。なお、図8のステップ12(S−12)には、「着衣内温度と着衣内湿度とを測定」が加わり、図8のステップ13(S−13)には、「着衣内温度と着衣内湿度とを送信」が加わる。管理責任者は、監視装置11のスイッチを入れ、監視装置11を稼動させ、危険値、許容タイム、測定間隔を設定する(S−20)。監視装置11を稼動させると、初期設定画面(図示せず)がディスプレイ18に表示される。
初期設定画面には、作業者12の属性入力エリア、携帯装置14cの識別名入力エリア、鼓膜温度危険値入力エリア、心拍数危険値入力エリア、着衣内温度危険値入力エリア、着衣内湿度危険値入力エリア、鼓膜温度の超過経過時間の許容タイム入力エリア、心拍数の超過経過時間の許容タイム入力エリア、着衣内温度の超過経過時間の許容タイム入力エリア、着衣内湿度の超過経過時間の許容タイム入力エリア、鼓膜温度の測定間隔入力エリア、心拍数の測定間隔入力エリア、着衣内温度の測定間隔入力エリア、着衣内湿度の測定間隔入力エリア、データ格納ボタン、クリアボタン、ログアウトボタンが表示される。
各入力エリアに各データを入力する。なお、着衣内温度危険値入力エリアには、たとえば、39.0℃(着衣内温度危険値)を入力し、または、暑熱環境に馴化している作業者12に対しては39.5℃(着衣内温度危険値)を入力する。着衣内湿度危険値入力エリアには、たとえば、60%(着衣内湿度危険値)を入力し、暑熱環境に馴化している作業者12に対しては65%(着衣内湿度危険値)を入力する。着衣内温度の測定間隔入力エリアには、たとえば、0や30秒間隔、1分間隔等(測定間隔)を入力し、着衣内湿度の測定間隔入力エリアには、たとえば、0や30秒間隔、1分間隔等(測定間隔)を入力する。測定間隔が0の場合、着衣内温度や着衣内湿度が連続して測定される。それら入力エリアにデータを入力した後、格納ボタンをクリックする。格納ボタンをクリックすると、データ確認画面(図示せず)がディスプレイ18に表示される。
なお、複数の異なる鼓膜温度危険値や複数の異なる心拍数危険値を入力することもでき、複数の異なる着衣内温度危険値や複数の異なる着衣内湿度危険値を入力することもできる。また、複数の異なる許容タイムを入力することもできる。この場合、第1着衣内温度危険値としては、たとえば、38.5℃を入力し、または、暑熱環境に馴化している作業者12に対しては39.0℃を入力し、それに対応する着衣内温度超過経過時間許容タイム(たとえば、5分)を入力する。第2着衣内温度危険値としては、たとえば、39.0℃を入力し、または、暑熱環境に馴化している作業者12に対しては39.5℃を入力し、それに対応する着衣内温度超過経過時間許容タイム(たとえば、3分)を入力する。
第1着衣内湿度危険値としては、たとえば、55%を入力し、または、暑熱環境に馴化している作業者12に対しては60%を入力し、それに対応する着衣内湿度超過経過時間許容タイム(たとえば、5分)を入力する。第2着衣内湿度危険値としては、たとえば、60%を入力し、または、暑熱環境に馴化している作業者12に対しては65%を入力し、それに対応する着衣内湿度超過経過時間許容タイム(たとえば、3分)を入力する。
データ確認画面には、入力された各データが各入力エリアに表示されるとともに、データ確定ボタン、データ変更ボタン、キャンセルボタンが表示される。管理責任者は、ディスプレイ18に表示されたデータ確認画面を確認した後、入力したデータに誤りがない場合、データ確定ボタンをクリックする。データ確定ボタンをクリックすると、監視装置11は、作業者12の属性を携帯装置14cのプライベートIPアドレスやMACアドレス(以下、アドレスと略す)に関連付けた状態でハードディスクに格納し、識別名を携帯装置14cのそれらアドレスに関連付けた状態でハードディスクに格納する。
監視装置11は、鼓膜温度危険値を携帯装置14cのアドレスに関連付けた状態でハードディスクに格納し(鼓膜温度危険値記憶手段)、心拍数危険値を携帯装置14cのアドレスに関連付けた状態でハードディスクに格納する(心拍数危険値記憶手段)。監視装置11は、着衣内温度危険値を携帯装置14cのアドレスに関連付けた状態でハードディスクに格納し(着衣内温度危険値記憶手段)、着衣内湿度危険値を携帯装置14cのアドレスに関連付けた状態でハードディスクに格納する(着衣内湿度危険値記憶手段)。
監視装置11は、鼓膜温度超過経過時間許容タイムを携帯装置14cのアドレスに関連付けた状態でハードディスクに格納し(鼓膜温度超過経過時間許容タイム記憶手段)、心拍数超過経過時間許容タイムを携帯装置14cのアドレスに関連付けた状態でハードディスクに格納する(心拍数超過経過時間許容タイム記憶手段)。監視装置11は、着衣内温度超過経過時間許容タイムを携帯装置14cのアドレスに関連付けた状態でハードディスクに格納し(着衣内温度超過経過時間許容タイム記憶手段)、着衣内湿度超過経過時間許容タイムを携帯装置14cのアドレスに関連付けた状態でハードディスクに格納する(着衣内湿度超過経過時間許容タイム記憶手段)。
監視装置11は、鼓膜温度の測定間隔を携帯装置14cのアドレスに関連付けた状態でハードディスクに格納し(鼓膜温度測定間隔記憶手段)、心拍数の測定間隔を携帯装置14cのアドレスに関連付けた状態でハードディスクに格納する(心拍数測定間隔記憶手段)。監視装置11は、着衣内温度の測定間隔(たとえば、0や30秒間隔、1分間隔等)を携帯装置14cのアドレスに関連付けた状態でハードディスクに格納し(着衣内温度測定間隔記憶手段)、着衣内湿度の測定間隔(たとえば、0や30秒間隔、1分間隔等)を携帯装置14cのアドレスに関連付けた状態でハードディスクに格納する(着衣内湿度測定間隔記憶手段)。
鼓膜温度危険値や心拍数危険値、着衣内温度危険値、着衣内湿度危険値、鼓膜温度の超過経過時間の許容タイム、心拍数の超過経過時間の許容タイム、着衣内温度の超過経過時間の許容タイム、着衣内湿度の超過経過時間の許容タイムは、各携帯装置14c毎(各作業者12毎)に異なる値やタイムが設定されている。鼓膜温度危険値や心拍数危険値、着衣内温度危険値、着衣内湿度危険値、許容タイム、測定間隔は、入力装置によって変更することができる。作業者12の属性、携帯装置14cの識別名、危険値、許容タイム、測定間隔を変更する場合は、データ確認画面のデータ変更ボタンをクリックし、データ変更画面において各データを変更する。
作業者12の属性、携帯装置14cの識別名、鼓膜温度危険値、心拍数危険値、着衣内温度危険値、着衣内湿度危険値、許容タイム、測定間隔を確認し、それらに誤りがない場合やそれらの変更がない場合、管理責任者は、作業者12が原子力発電所15において作業を開始する前に、各作業者12に携帯装置14cを渡す。携帯装置14cを受け取った各作業者12は、携帯装置14cを作業着13(着衣)の胸ポケット19に収容し、耳栓20を外耳道に挿入するとともに、耳かけ27を耳殻26に掛けて耳栓20と骨伝導スピーカー22とを装着した後、クリップ21で耳たぶ25を挟み、クリップ21を装着する。なお、図10に示すように、温度センサのセンサ部30や湿度センサのセンサ部31が作業者12の肌に対向するように、携帯装置14cのそれらセンサ部30,31が設置された側壁を作業者12の肌に対向させる。作業者12は、耳栓20や骨伝導スピーカー22、クリップ21を装着し、作業箇所に到着した後、携帯装置14cのスイッチ(図示せず)を入れ、作業箇所において作業を開始する。
携帯装置14cのスイッチを入れると、鼓膜温度の超過経過時間の許容タイム、心拍数の超過経過時間の許容タイム、着衣内温度の超過経過時間の許容タイム、着衣内湿度の超過経過時間の許容タイム、鼓膜温度や心拍数の測定間隔、着衣内温度や着衣内湿度の測定間隔が監視装置11から携帯装置14cに送信され、携帯装置14cがそれらを受信する。さらに、作業指示や注意事項等のメッセージがある場合は、PHS無線通信を利用してそれらメッセージを携帯装置14cに送信する(メッセージ送信手段)。なお、鼓膜温度や心拍数の超過経過時間の許容タイム、着衣内温度や着衣内湿度の超過経過時間の許容タイム、鼓膜温度や心拍数の測定間隔、着衣内温度や着衣内湿度の測定間隔を携帯装置14cにおいて個別に設定するようにしてもよい。この場合は、許容タイムや測定間隔が監視装置11から携帯装置14cに送信されることなく、逆に許容タイムや測定間隔(携帯装置14cのプライベートIPアドレスやMACアドレスを含む)が携帯装置14cから監視装置11に送信され、許容タイムや測定間隔が携帯装置14cのアドレスに関連付けられた状態で監視装置11のハードディスクに格納される。
各携帯装置14cは、PHS無線通信を利用して各種のメッセージを監視装置11から受信し(メッセージ受信手段)し、受信したメッセージを作業者12に伝達する(メッセージ伝達手段)(S−11)。各携帯装置14cは、測定間隔に従って、作業中の作業者12の鼓膜温度を測定するとともに(鼓膜温度測定手段)(S−12)、作業中の作業者12の心拍数を測定する(心拍数測定手段)(S−12)。さらに、各携帯装置14cは、測定間隔に従って、作業中の作業者12の着衣内温度を測定するとともに(着衣内温度測定手段)(S−12)、作業中の作業者12の着衣内温度を測定する(着衣内湿度測定手段)(S−12)。
携帯装置14cは、プライベートIPアドレスやMACアドレスとともに、測定した測定鼓膜温度(デジタル信号)を監視装置11に送信するとともに(鼓膜温度送信手段)(S−13)、測定した測定心拍数(デジタル信号)を監視装置11に送信する(心拍数送信手段)(S−13)。携帯装置14cは、それらアドレスとともに、測定した測定着衣内温度(デジタル信号)を監視装置11に送信するとともに(着衣内温度送信手段)(S−13)、測定した測定着衣内湿度(デジタル信号)を監視装置11に送信する(着衣内湿度送信手段)(S−13)。
監視装置11は、携帯装置14cから測定鼓膜温度を受信し(測定鼓膜温度受信手段)、携帯装置14cから測定心拍数を受信する(測定心拍数受信手段)。監視装置11は、受信した測定鼓膜温度を携帯装置14cのプライベートIPアドレスやMACアドレスに関連付けた状態でハードディスクに時系列に格納し(鼓膜温度記憶手段)、受信した測定心拍数を携帯装置14cのそれらアドレスに関連付けた状態でハードディスクに時系列に格納する(心拍数記憶手段)。
監視装置11は、携帯装置14cから測定着衣内温度を受信し(測定着衣内温度受信手段)、携帯装置14cのから測定着衣内湿度を受信する(測定着衣内湿度受信手段)。監視装置11は、受信した測定着衣内温度を携帯装置14cのアドレスに関連付けた状態でハードディスクに時系列に格納し(着衣内温度記憶手段)、受信した測定着衣内湿度を携帯装置14cのアドレスに関連付けた状態でハードディスクに時系列に格納する(着衣内湿度記憶手段)。次に、監視装置11は、受信した測定鼓膜温度や測定心拍数、測定着衣内温度、測定着衣内湿度に基づいて熱中症の発症危険性を判断する(危険性判断手段)(S−14)。
危険性判断の一例は、以下のとおりである。監視装置11は、測定鼓膜温度が鼓膜温度危険値を超過したか(測定鼓膜温度>鼓膜温度危険値)を判断し、測定着衣内温度が着衣内温度危険値を超過したかを判断するとともに(測定着衣内温度>着衣内温度危険値)、測定着衣内湿度が着衣内湿度危険値を超過したかを判断する(測定着衣内湿度>着衣内湿度危険値)。監視装置11は、測定鼓膜温度が鼓膜温度危険値以下(測定鼓膜温度≦鼓膜温度危険値)であり、測定着衣内温度が着衣内温度危険値以下(測定着衣内温度≦着衣内温度危険値)であるとともに、測定着衣内湿度が着衣内湿度危険値以下(測定着衣内湿度≦着衣内湿度危険値)である場合、発症危険性なしと判断し、作業者12に作業を継続させる(S−15)。
測定鼓膜温度が鼓膜温度危険値を超過し、測定着衣内温度が着衣内温度危険値を超過するとともに、測定着衣内湿度が着衣内湿度危険値を超過した場合、監視装置11は、測定鼓膜温度や測定着衣内温度、測定着衣内湿度が危険値を超過してからの超過経過時間が許容タイムを経過したか(超過経過時間>許容タイム)を判断する。監視装置11は、超過経過時間が許容タイム以下(超過経過時間≦許容タイム)の場合、発症危険性なしと判断し、作業者12に作業を継続させる(S−15)。超過経過時間が許容タイムを経過した場合、監視装置11は、熱中症の発症危険性が高いと判断し、PHS無線通信を利用して発症危険性警告を携帯装置14cに送信する(警告送信手段)。なお、超過経過時間の許容タイムが0の場合、監視装置11は、測定鼓膜温度や測定着衣内温度、測定着衣内湿度が危険値を超過した直後に、発症危険性警告を携帯装置14cに送信する(警告送信手段)。
携帯装置は、監視装置から送信された発症危険性警告を受信し(警告受信手段)、受信した警告を作業者に伝える(警告伝達手段)(S−16)。警告としては、たとえば、(体温や着衣内温度、着衣内湿度が危険値を超えました。作業を直ちに中断してください。休憩所に戻って休息し、水分を補給してください。)等の音声指示を骨伝導スピーカーを介して作業者に伝える。または、危険性が高いことを表す警告音を骨伝導スピーカーを介して作業者に発する。作業者は、警告に従って作業を中断する(S−17)。
監視装置11のディスプレイ18には、警告内容やその警告が送信された携帯装置14c、その携帯装置14cを装着した作業者12の氏名およびコード番号、その作業者12の作業箇所が表示される。管理責任者は、ディスプレイ18を介して熱中症の発症危険性が高い作業者12を把握することができる。警告を携帯装置14cから作業者12に伝えたにもかかわらず、作業者12が警告による指示に従わず、作業を継続している場合は、管理責任者が作業箇所に行き、作業者12の作業を中断させる(S−17)。
監視装置11は、測定心拍数が心拍数危険値を超過したか(測定心拍数>心拍数危険値)を判断し、測定着衣内温度が着衣内温度危険値を超過したかを判断するとともに(測定着衣内温度>着衣内温度危険値)、測定着衣内湿度が着衣内湿度危険値を超過したかを判断する(測定着衣内湿度>着衣内湿度危険値)。監視装置11は、測定心拍数が心拍数危険値以下(測定心拍数≦心拍数危険値)であり、測定着衣内温度が着衣内温度危険値以下(測定着衣内温度≦着衣内温度危険値)であるとともに、測定着衣内湿度が着衣内湿度危険値以下(測定着衣内湿度≦着衣内湿度危険値)である場合、発症危険性なしと判断し、作業者12に作業を継続させる(S−15)。
測定心拍数が心拍数危険値を超過し、測定着衣内温度が着衣内温度危険値を超過するとともに、測定着衣内湿度が着衣内湿度危険値を超過した場合、監視装置11は、測定心拍数や測定着衣内温度、測定着衣内湿度が危険値を超過してからの超過経過時間が許容タイムを経過したか(超過経過時間>許容タイム)を判断する。監視装置11は、超過経過時間が許容タイム以下(超過経過時間≦許容タイム)の場合、発症危険性なしと判断し、作業者12に作業を継続させる(S−15)。超過経過時間が許容タイムを経過した場合、監視装置11は、熱中症の発症危険性が高いと判断し、PHS無線通信を利用して発症危険性警告を携帯装置14cに送信する(警告送信手段)。なお、超過経過時間の許容タイムが0の場合、監視装置11は、測定心拍数や測定着衣内温度、測定着衣内湿度が危険値を超過した直後に、発症危険性警告を携帯装置14cに送信する(警告送信手段)。
携帯装置14cは、監視装置11から送信された発症危険性警告を受信し(警告受信手段)、受信した警告を作業者12に伝える(警告伝達手段)(S−16)。警告としては、たとえば、(心拍数や着衣内温度、着衣内湿度が危険値を超えました。作業を直ちに中断してください。休憩所に戻って休息し、水分を補給してください。)等の音声指示を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に伝える。または、危険性が高いことを表す警告音を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に発する。作業者12は、警告に従って作業を中断する(S−17)。管理責任者は、ディスプレイ18を介して熱中症の発症危険性が高い作業者12を把握することができる。警告を携帯装置14cから作業者12に伝えたにもかかわらず、作業者12が警告による指示に従わず、作業を継続している場合は、管理責任者が作業箇所に行き、作業者12の作業を中断させる(S−17)。
危険性判断の他の一例は、以下のとおりである。監視装置11は、測定鼓膜温度が第1鼓膜温度危険値を超過したか(測定鼓膜温度>第1鼓膜温度危険値)を判断し、測定着衣内温度が第1着衣内温度危険値を超過したかを判断するとともに(測定着衣内温度>第1着衣内温度危険値)、測定着衣内湿度が第1着衣内湿度危険値を超過したかを判断する(測定着衣内湿度>第1着衣内湿度危険値)。監視装置11は、測定鼓膜温度が第1鼓膜温度危険値以下(測定鼓膜温度≦第1鼓膜温度危険値)であり、測定着衣内温度が第1着衣内温度危険値以下(測定着衣内温度≦第1着衣内温度危険値)であるとともに、測定着衣内湿度が第1着衣内湿度危険値以下(測定着衣内湿度≦第1着衣内湿度危険値)である場合、発症危険性なしと判断し、作業者12に作業を継続させる(S−15)。
測定鼓膜温度が第1鼓膜温度危険値を超過し、測定着衣内温度が第1着衣内温度危険値を超過するとともに、測定着衣内湿度が第1着衣内湿度危険値を超過した場合、監視装置11は、測定鼓膜温度や測定着衣内温度、測定着衣内湿度が危険値を超過してからの超過経過時間が許容タイムを経過したか(超過経過時間>許容タイム)を判断する。超過経過時間が許容タイム以下(超過経過時間≦許容タイム)の場合、監視装置11は、発症危険性なしと判断し、作業者12に作業を継続させる(S−15)。超過経過時間が許容タイムを経過した場合、監視装置11は、熱中症の発症危険性が中程度である判断し、PHS無線通信を利用して第1発症危険性警告を携帯装置14cに送信する(警告送信手段)。なお、超過経過時間の許容タイムが0の場合、監視装置11は、測定鼓膜温度や測定着衣内温度、測定着衣内湿度が危険値を超過した直後に、第1発症危険性警告を携帯装置14cに送信する(警告送信手段)。
携帯装置14cは、監視装置11から送信された第1発症危険性警告を受信し(警告受信手段)、受信した警告を作業者12に伝える(警告伝達手段)(S−15)。警告としては、たとえば、(体温や着衣内温度、着衣内湿度が上昇しています。作業を中断して休息してください。)等の音声指示を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に伝える。または、危険性中程度を表す警告音を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に発する。作業者12は、自己判断によって作業を継続するか、または、中断するかを決定する。監視装置11のディスプレイ18には、警告内容やその警告が送信された携帯装置14c、その携帯装置14cを装着した作業者12の氏名およびコード番号、その作業者12の作業箇所が表示される。管理責任者は、ディスプレイ18を介して熱中症の発症危険性が中程度の作業者12を把握することができる。
監視装置11は、第1発症危険性警告を携帯装置に送信した後、測定鼓膜温度が第2鼓膜温度危険値を超過したか(測定鼓膜温度>第2鼓膜温度危険値)を判断し、測定着衣内温度が第2着衣内温度危険値を超過したかを判断するとともに(測定着衣内温度>第2着衣内温度危険値)、測定着衣内湿度が第2着衣内湿度危険値を超過したかを判断する(測定着衣内湿度>第2着衣内湿度危険値)。監視装置11は、測定鼓膜温度が第2鼓膜温度危険値以下(測定鼓膜温度≦第2鼓膜温度危険値)であり、測定着衣内温度が第1着衣内温度危険値以下(測定着衣内温度≦第1着衣内温度危険値)であるとともに、測定着衣内湿度が第1着衣内湿度危険値以下(測定着衣内湿度≦第1着衣内湿度危険値)である場合、発症危険性が未だ中程度であると判断する。
測定鼓膜温度が第2鼓膜温度危険値を超過し、測定着衣内温度が第2着衣内温度危険値を超過するとともに、測定着衣内湿度が第2着衣内湿度危険値を超過した場合、監視装置11は、測定鼓膜温度や測定着衣内温度、測定着衣内湿度が危険値を超過してからの超過経過時間が許容タイムを経過したか(超過経過時間>許容タイム)を判断する。超過経過時間が許容タイム以下(超過経過時間≦許容タイム)の場合、監視装置11は、発症危険性が中程度であると判断する。超過経過時間が許容タイムを経過した場合、監視装置11は、熱中症の発症危険性が高いと判断し、PHS無線通信を利用して第2発症危険性警告を携帯装置14cに送信する(警告送信手段)。なお、超過経過時間の許容タイムが0の場合、監視装置11は、測定鼓膜温度や測定着衣内温度、測定着衣内湿度が危険値を超過した直後に、第2発症危険性警告を携帯装置14cに送信する(警告送信手段)。
携帯装置14cは、監視装置11から送信された第2発症危険性警告を受信し(警告受信手段)、受信した警告を作業者12に伝える(警告伝達手段)(S−15)。警告としては、たとえば、(体温や着衣内温度、着衣内湿度が危険値を超えました。作業を直ちに中断してください。休憩所に戻って休息し、水分を補給してください。)等の音声指示を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に伝える。または、危険性が高いことを表す警告音を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に発する。作業者12は、警告に従って作業を中断する(S−17)。
監視装置11のディスプレイ18には、警告内容やその警告が送信された携帯装置14c、その携帯装置14cを装着した作業者12の氏名およびコード番号、その作業者12の作業箇所が表示される。管理責任者は、ディスプレイ18を介して熱中症の発症危険性が高い作業者12を把握することができる。警告を携帯装置14cから作業者12に伝えたにもかかわらず、作業者12が警告による指示に従わず、作業を継続している場合は、管理責任者が作業箇所に行き、作業者12の作業を中断させる(S−17)。
監視装置11は、測定心拍数が第1心拍数危険値を超過したか(測定心拍数>第1心拍数危険値)を判断し、測定着衣内温度が第1着衣内温度危険値を超過したかを判断するとともに(測定着衣内温度>第1着衣内温度危険値)、測定着衣内湿度が第1着衣内湿度危険値を超過したかを判断する(測定着衣内湿度>第1着衣内湿度危険値)。監視装置11は、測定心拍数が第1心拍数危険値以下(測定心拍数≦第1心拍数危険値)であり、測定着衣内温度が第1着衣内温度危険値以下(測定着衣内温度≦第1着衣内温度危険値)であるとともに、測定着衣内湿度が第1着衣内湿度危険値以下(測定着衣内湿度≦第1着衣内湿度危険値)である場合、発症危険性なしと判断し、作業者12に作業を継続させる(S−15)。
測定心拍数が第1心拍数危険値を超過し、測定着衣内温度が第1着衣内温度危険値を超過するとともに、測定着衣内湿度が第1着衣内湿度危険値を超過した場合、監視装置11は、測定心拍数や測定着衣内温度、測定着衣内湿度が危険値を超過してからの超過経過時間が許容タイムを経過したか(超過経過時間>許容タイム)を判断する。超過経過時間が許容タイム以下(超過経過時間≦許容タイム)の場合、監視装置11は、発症危険性なしと判断し、作業者12に作業を継続させる(S−15)。超過経過時間が許容タイムを経過した場合、監視装置11は、熱中症の発症危険性が中程度である判断し、PHS無線通信を利用して第1発症危険性警告を携帯装置14cに送信する(警告送信手段)。なお、超過経過時間の許容タイムが0の場合、監視装置11は、測定心拍数や測定着衣内温度、測定着衣内湿度が危険値を超過した直後に、第1発症危険性警告を携帯装置14cに送信する(警告送信手段)。
携帯装置14cは、監視装置11から送信された第1発症危険性警告を受信し(警告受信手段)、受信した警告を作業者12に伝える(警告伝達手段)(S−15)。警告としては、たとえば、(心拍数や着衣内温度、着衣内湿度が上昇しています。作業を中断して休息してください。)等の音声指示を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に伝える。または、危険性中程度を表す警告音を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に発する。作業者12は、自己判断によって作業を継続するか、または、中断するかを決定する。管理責任者は、ディスプレイ18を介して熱中症の発症危険性が中程度の作業者12を把握することができる。
監視装置11は、第1発症危険性警告を携帯装置に送信した後、測定心拍数が第2心拍数危険値を超過したか(測定心拍数>第2心拍数危険値)を判断し、測定着衣内温度が第2着衣内温度危険値を超過したかを判断するとともに(測定着衣内温度>第2着衣内温度危険値)、測定着衣内湿度が第2着衣内湿度危険値を超過したかを判断する(測定着衣内湿度>第2着衣内湿度危険値)。監視装置11は、測定心拍数が第2心拍数危険値以下(測定心拍数≦第2心拍数危険値)であり、測定着衣内温度が第1着衣内温度危険値以下(測定着衣内温度≦第1着衣内温度危険値)であるとともに、測定着衣内湿度が第1着衣内湿度危険値以下(測定着衣内湿度≦第1着衣内湿度危険値)である場合、発症危険性が未だ中程度であると判断する。
測定心拍数が第2心拍数危険値を超過し、測定着衣内温度が第2着衣内温度危険値を超過するとともに、測定着衣内湿度が第2着衣内湿度危険値を超過した場合、監視装置11は、測定心拍数や測定着衣内温度、測定着衣内湿度が危険値を超過してからの超過経過時間が許容タイムを経過したか(超過経過時間>許容タイム)を判断する。超過経過時間が許容タイム以下(超過経過時間≦許容タイム)の場合、監視装置11は、発症危険性が中程度であると判断する。超過経過時間が許容タイムを経過した場合、監視装置11は、熱中症の発症危険性が高いと判断し、PHS無線通信を利用して第2発症危険性警告を携帯装置14cに送信する(警告送信手段)。なお、超過経過時間の許容タイムが0の場合、監視装置11は、測定心拍数や測定着衣内温度、測定着衣内湿度が危険値を超過した直後に、第2発症危険性警告を携帯装置14cに送信する(警告送信手段)。
携帯装置14cは、監視装置11から送信された第2発症危険性警告を受信し(警告受信手段)、受信した警告を作業者12に伝える(警告伝達手段)(S−15)。警告としては、たとえば、(心拍数や着衣内温度、着衣内湿度が危険値を超えました。作業を直ちに中断してください。休憩所に戻って休息し、水分を補給してください。)等の音声指示を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に伝える。または、危険性が高いことを表す警告音を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に発する。作業者12は、警告に従って作業を中断する(S−17)。管理責任者は、ディスプレイ18を介して熱中症の発症危険性が高い作業者12を把握することができる。警告を携帯装置14cから作業者12に伝えたにもかかわらず、作業者12が警告による指示に従わず、作業を継続している場合は、管理責任者が作業箇所に行き、作業者12の作業を中断させる(S−17)。
作業が終了した作業者12が休憩室に戻った後、または、警告によって作業を中断した作業者12が休憩室に戻った後、監視装置11は、そのまま作業を中止させるかを判断する(S−18)。携帯装置14cは、休憩室で休憩中の作業者12の鼓膜温度を測定し(鼓膜温度測定手段)、休憩中の作業者12の心拍数を測定し(心拍数測定手段)、休憩中の作業者12の着衣内温度を測定するとともに(着衣内温度測定手段)、休憩中の作業者12の着衣内湿度を測定する(着衣内湿度測定手段)。携帯装置14cは、プライベートIPアドレスやMACアドレスとともに、測定した測定鼓膜温度を監視装置11に送信し(鼓膜温度送信手段)、測定した測定心拍数を監視装置11に送信し(心拍数送信手段)、測定した測定着衣内温度を監視装置11に送信するとともに(着衣内温度送信手段)、測定した測定着衣内湿度を監視装置11に送信する(着衣内湿度送信手段)。
監視装置11は、携帯装置14cから測定鼓膜温度を受信し(測定鼓膜温度受信手段)、携帯装置14cから測定心拍数を受信し(測定心拍数受信手段)、携帯装置14cから測定着衣内温度を受信するとともに(測定着衣内温度受信手段)、携帯装置14cから測定着衣内湿度を受信する(測定着衣内温度受信手段)。監視装置11は、測定鼓膜温度や測定心拍数、着衣内温度、着衣内湿度を受信すると、測定鼓膜温度を携帯装置14cのプライベートIPアドレスやMACアドレスに関連付けた状態でハードディスクに時系列に格納し(鼓膜温度記憶手段)、測定心拍数を携帯装置14cのアドレスに関連付けた状態でハードディスクに時系列に格納し(心拍数記憶手段)、着衣内温度を携帯装置14cのアドレスに関連付けた状態でハードディスクに時系列に格納するとともに(着衣内温度記憶手段)、着衣内湿度を携帯装置14cのアドレスに関連付けた状態でハードディスクに時系列に格納する(着衣内湿度記憶手段)。次に、監視装置11は、受信した測定鼓膜温度や測定心拍数、着衣内温度、着衣内湿度に基づいて休憩中の作業者12の熱中症の発症危険性を判断する(危険性判断手段)。
監視装置11は、休憩中の作業者12の測定鼓膜温度や測定心拍数、測定着衣内温度、測定着衣内湿度が危険値以下になった場合、PHS無線通信を利用して作業再開指示(メッセージ)を携帯装置14cに送信する(メッセージ送信手段)。携帯装置14cは、PHS無線通信を利用して各種のメッセージを監視装置14cから受信し(メッセージ受信手段)し、受信したメッセージを作業者12に伝達する(メッセージ伝達手段)。作業者12は、作業再開指示にしたがって作業を再開する(S−19)。なお、休憩中の作業者12の測定鼓膜温度や測定心拍数、測定着衣内温度、測定着衣内湿度が所定時間(たとえば、5分、10分等)経過後も危険値を超過している場合は、作業を再開させることなく、作業者12のその日の作業を直ちに中止させる。
熱中症予防システム10は、作業中の作業者12の測定鼓膜温度(生体機能)と測定心拍数(生体機能)とのうちの少なくとも一方に基づくとともに、作業中の作業者12の測定着衣内温度(生体機能)と測定着衣内湿度(生体機能)とに基づいて監視装置11がその作業者12の熱中症の発症危険性を判断するから、監視装置11を管理する管理責任者(第三者)が作業者12の熱中症の発症危険性を知ることができ、作業者12の熱中症に対する防御を管理責任者が客観的に監視することができる。システム10は、熱中症の発症危険性が高いと判断した場合、監視装置11が発症危険性警告を携帯装置14cに送信し、携帯装置14cがその発症危険性警告を作業者に伝えるから、作業者12が熱中症の発症危険性を知ることができ、作業者12が作業を中断することで、作業中の作業者12の熱中症の発症を防ぐことができる。システム10は、監視装置11において発症危険性が高い作業者12(携帯装置14a,14b)を特定することができるから、作業者12が発症危険性警告を無視して作業を継続したとしても、熱中症の発症危険性がある作業者12の作業を管理責任者が速やかに中断させることができ、作業中の作業者12の熱中症の発症を確実に防ぐことができる。
熱中症予防システム10は、監視装置11が測定鼓膜温度と鼓膜温度危険値とを比較し、測定着衣内温度と着衣内温度危険値とを比較するとともに、測定着衣内湿度と測定着衣内湿度危険値とを比較し、それらが危険値を超えた場合に熱中症の発症危険性が高いと判断するから、作業者12毎にあらかじめ鼓膜温度危険値と着衣内温度危険値と着衣内湿度危険値とを設定しつつ、その作業者12の熱中症発症危険性を管理責任者が数値を用いて客観的かつ具体的に判断することができ、作業者12の熱中症発症危険性を管理責任者が確実に監視することができる。システム10は、監視装置11が測定心拍数と心拍数危険値とを比較し、測定着衣内温度と着衣内温度危険値とを比較するとともに、測定着衣内湿度と測定着衣内湿度危険値とを比較し、それらが危険値を超えた場合に熱中症の発症危険性が高いと判断するから、作業者12毎にあらかじめ心拍数危険値と着衣内温度危険値と着衣内湿度危険値とを設定しつつ、その作業者12の熱中症発症危険性を管理責任者が数値を用いて客観的かつ具体的に判断することができ、作業者12の熱中症発症危険性を管理責任者が確実に監視することができる。
熱中症予防システム10は、骨伝導スピーカー22を介して発症危険性警告が作業者12に伝えられるから、作業者12が警告を明瞭に聞き取ることができることはもちろん、骨伝導スピーカー22によって作業者12の両耳が塞がれることはなく、作業者12が作業中に作業箇所の周囲の音を聞くことができ、作業者12が周囲の状況を把握しつつ安全に作業を行うことができる。システム10は、鼓膜温度センサや心拍数センサと骨伝導スピーカー22とが耳栓20において一体となっているから、鼓膜温度センサや心拍数センサから測定鼓膜温度や測定心拍数が監視装置11に送信されることで、骨伝導スピーカー22が作業者12の耳に確実に装着されていることが分かり、作業中の作業者12における骨伝導スピーカー22の未装着を未然に防ぐことができ、熱中症の発症危険性警告を骨伝導スピーカー22を介して作業者12に確実に伝達することができる。
図9を援用しつつ、携帯装置14cを使用したシステム10の熱中症予防プロセスの他の一例を説明すると、以下のとおりである。なお、図9のステップ22(S−22)には、「着衣内温度と着衣内湿度とを測定」が加わる。携帯装置14cを使用したシステム10の図9の熱中症予防プロセスにおいて、監視装置11の中央処理部は、図8のフローチャートを援用して既に説明した各手段のうち、測定鼓膜温度受信手段、測定心拍数受信手段、測定着衣内温度受信手段、測定着衣内湿度受信手段、鼓膜温度記憶手段、心拍数記憶手段、着衣内温度記憶手段、着衣内湿度記憶手段、危険性判断手段(第1判断手段)を実行しない。図9の熱中症予防プロセスにおいて、携帯装置14cは、図8のフローチャートを援用して既に説明した各手段を実行する他(鼓膜温度送信手段、心拍数送信手段、着衣内温度送信手段、着衣内湿度送信手段は実行しない)、あわせて以下の各手段を実行する。
携帯装置14cの中央処理部は、熱中症の発症危険性を示す鼓膜温度危険値を記憶する鼓膜温度危険値記憶手段(第2記憶手段)を実行し、熱中症の発症危険性を示す心拍数危険値を記憶する心拍数危険値記憶手段(第2記憶手段)を実行する。中央処理部は、熱中症の発症危険性を示す着衣内温度危険値を記憶する着衣内温度危険値記憶手段(第2記憶手段)を実行し、熱中症の発症危険性を示す着衣内湿度危険値を記憶する着衣内湿度危険値記憶手段(第2記憶手段)を実行する。
携帯装置14cの中央処理部は、測定した鼓膜温度(測定鼓膜温度)が鼓膜温度危険値を超過してから経過した時間である経過時間(鼓膜温度の超過経過時間)の許容タイムを記憶する鼓膜温度超過経過時間許容タイム記憶手段を実行し、測定した心拍数(測定心拍数)が心拍数危険値を超過してから経過した時間である経過時間(心拍数の超過経過時間)の許容タイムを記憶する心拍数超過経過時間許容タイム記憶手段を実行する。中央処理部は、測定された着衣内温度(測定着衣内温度)が着衣内温度危険値を超過してから経過した時間である経過時間(着衣内温度の超過経過時間)の許容タイムを記憶する着衣内温度超過経過時間許容タイム記憶手段を実行し、測定された着衣内湿度(測定着衣内湿度)が着衣内湿度危険値を超過してから経過した時間である経過時間(着衣内湿度の超過経過時間)の許容タイムを記憶する着衣内湿度超過経過時間許容タイム記憶手段を実行する。
携帯装置14cの中央処理部は、鼓膜温度の測定間隔を記憶する鼓膜温度測定間隔記憶手段を実行し、心拍数の測定間隔を記憶する心拍数測定間隔記憶手段を実行する。中央処理部は、着衣内温度の測定間隔を記憶する着衣内温度測定間隔記憶手段を実行し、着衣内湿度の測定間隔を記憶する着衣内湿度測定間隔記憶手段を実行する。中央処理部は、測定した測定鼓膜温度や測定心拍数に基づいて熱中症の発症危険性を判断する危険性判断手段(第2判断手段)を実行し、危険性判断手段によって熱中症の発症危険性が高いと判断した場合、骨伝導スピーカー22を介して発症危険性警告を作業者に伝える警告伝達手段(伝達手段)を実行する。
管理責任者は、監視装置11や携帯装置14cのスイッチを入れ、それら装置11,14cを稼動させ、危険値、許容タイム、測定間隔を設定する(S−20)。携帯装置14cを稼動させると、装置14cに実装されたディスプレイ(図示せず)に初期設定画面(図示せず)が表示される。初期画面は、監視装置11のディスプレイ18に表示されるそれと同一である。管理責任者は、装置14cのキーユニット(図示せず)を利用して各入力エリアに必要データを入力し、各危険値、各許容タイム、各測定間隔を個別に設定する。各危険値や各許容タイム、各測定間隔(携帯装置14cのプライベートIPアドレスやMACアドレスを含む)は、携帯装置14cのメモリに格納されるとともに(各記憶手段)、携帯装置14cから監視装置11に送信され、各危険値や各許容タイム、各測定間隔が携帯装置14cのアドレスに関連付けられた状態で監視装置11のハードディスクに格納される(各記憶手段)。
危険値や許容タイム、測定間隔を設定した後、携帯装置14cや耳栓20、骨伝導スピーカー22を作業者に装着させる。それらを装着した作業者は、作業箇所において作業を開始する。作業指示や注意事項等のメッセージがある場合、各携帯装置14cは、PHS無線通信を利用して各種のメッセージを監視装置11から受信し(メッセージ受信手段)、受信したメッセージを作業者12に伝達する(メッセージ伝達手段)(S−21)。
各携帯装置14cは、測定間隔に従って、作業中の作業者12の鼓膜温度や心拍数を測定し(鼓膜温度測定手段、心拍数測定手段)(S−22)、作業中の作業者12の着衣内温度や着衣内湿度を測定する(着衣内温度測定手段、着衣内湿度測定手段)(S−22)。各携帯装置14cは、測定した測定鼓膜温度や測定心拍数、着衣内温度、着衣内湿度に基づいて熱中症の発症危険性を判断する(危険性判断手段)(第2判断手段)(S−23)。ステップ23(S−23)における危険性判断手段における各判断手法は、携帯装置14cを使用したシステム10の図8のフローチャートを援用して説明したように、監視装置11が行うそれらと同一である。各携帯装置14cは、危険性判断手段によって熱中症の発症危険性が高いと判断した場合、骨伝導スピーカー22を介して発症危険性警告を作業者に伝える(警告伝達手段)(S−25)。作業者12は、警告に従って作業を中断する(S−26)。
各携帯装置14cは、発症危険性警告を作業者に伝えた場合、警告伝達メッセージを監視装置11に送信する(警告伝達メッセージ送信手段)。監視装置11は、警告伝達メッセージを携帯装置14cから受信する(警告伝達メッセージ送信手段)。監視装置11は、警告伝達メッセージを受信すると、警告伝達メッセージ(警告が伝達された携帯装置14c、その携帯装置14cを装着した作業者12の氏名およびコード番号、その作業者12の作業箇所を含む)をディスプレイ18に表示するとともに、警告伝達メッセージをそれらアドレスに関連付けた状態でハードディスクに時系列に格納する(警告伝達メッセージ記憶手段)。
管理責任者は、ディスプレイ18を介して発症危険性警告が伝達された作業者12を把握することができる。発症危険性警告を携帯装置14a,14bから作業者12に伝えたにもかかわらず、作業者12が警告による指示に従わず、作業を継続している場合は、管理責任者は、監視装置11を介して作業者12に発症危険性メッセージ(管理者の肉声を含む発症危険性警告)を伝えるとともに作業箇所に行き、作業者12の作業を中断させる(S−26)。この場合、監視装置11が発症危険性メッセージ(発症危険性警告)を携帯装置14a,14bに送信し(警告送信手段)、装置14a,14bがそのメッセージを骨伝導スピーカー22を介して作業者12に伝える。なお、携帯装置14a,14bは、危険性判断手段(S−23)において、発症危険性なしと判断した場合、作業者12に作業を継続させる(S−24)。
作業が終了した作業者12が休憩室に戻った後、または、警告によって作業を中断した作業者12が休憩室に戻った後、携帯装置14cは、監視装置11は、そのまま作業を中止させるかを判断する(S−27)。ステップ27(S−27)における判断手法は、図8のフローチャートにおいて説明したように、監視装置11が行うそれらと同一である。携帯装置14cは、休憩中の作業者12の測定鼓膜温度や測定心拍数が危険値以下になった場合、作業再開指示(メッセージ)を伝達する(メッセージ伝達手段)。作業者12は、作業再開指示にしたがって作業を再開する(S−28)。
携帯装置14cを使用したシステム10の図9のフローチャートを援用して説明した熱中症予防システム10は、携帯装置14cが作業中の作業者12の測定鼓膜温度(生体機能)と測定心拍数(生体機能)とのうちの少なくとも一方に基づくとともに、作業中の作業者12の測定着衣内温度(生体機能)と測定着衣内湿度(生体機能)とに基づいてその作業者12の熱中症の発症危険性を判断し、熱中症の発症危険性が高いと判断した場合、携帯装置14cがその発症危険性警告を作業者に伝えるから、作業者12が熱中症の発症危険性を知ることができ、作業者12が作業を中断することで、作業中の作業者12の熱中症の発症を防ぐことができる。なお、携帯装置14cの発症危険性警告を無視して作業者が作業を継続している場合であっても、警告伝達メッセージが監視装置11に送信されるから、監視装置11を管理する管理責任者(第三者)が特定の作業者12の熱中症の発症危険性を知ることができ、管理責任者が作業者の作業を強制的に中止させることで、作業中の作業者12の熱中症の発症を確実に防ぐことができる。
なお、図10の携帯装置14cを使用したシステム10では、測定鼓膜温度と測定着衣内温度と測定着衣内湿度とが危険値を超えた場合に熱中症の発送危険性が高いと判断した例を説明したが、測定鼓膜温度が危険値を超えるとともに、測定着衣内温度または測定着衣内湿度が危険値を超えた場合に発送危険性が高いと判断してもよい。また、図10の携帯装置14cを使用したシステム10では、測定心拍数と測定着衣内温度と測定着衣内湿度とが危険値を超えた場合に熱中症の発送危険性が高いと判断した例を説明したが、測定心拍数が危険値を超えるとともに、測定着衣内温度または測定着衣内湿度が危険値を超えた場合に発送危険性が高いと判断してもよい。あるいは、測定鼓膜温度と測定心拍数と測定着衣内温度と測定着衣内湿度との全てが危険値を超えた場合に熱中症の発送危険性が高いと判断してもよい。
10 熱中症予防システム
11 監視装置
12 作業者
13 作業衣(着衣)
14 携帯装置
14a 携帯装置
14b 携帯装置
14c 携帯装置
15 原子力発電所(原子力関連施設)
20 耳栓
21 クリップ
22 骨伝導スピーカー

Claims (12)

  1. 所定の作業環境で作業中の作業者に熱中症の発症危険性を伝え、作業者の熱中症の発症を予防する熱中症予防システムにおいて、
    前記システムが、複数の前記作業者に個別に携帯させてそれら作業者の着衣に着脱可能に装着させる携帯装置と、それら作業者の熱中症の発症危険性を監視する監視装置とから形成され、前記携帯装置が、前記作業者の生体機能を測定する測定機構と、測定した生体機能を前記監視装置に送信する第1送信機構と、前記熱中症の発症危険性警告を前記監視装置から受信する第1受信機構と、前記監視装置から受信した発症危険性警告を前記作業者に伝達する伝達機構とを有し、前記監視装置が、前記携帯装置から生体機能を受信する第2受信機構と、受信した前記生体機能に基づいて熱中症の発症危険性が高いと認められる場合、前記発症危険性警告を前記携帯装置に送信する第2送信機構とを有することを特徴とする熱中症予防システム。
  2. 前記監視装置が、前記第2受信機構によって受信した前記生体機能に基づいて熱中症の発症危険性を判断する第1判断手段を含み、前記第2送信機構が、前記第1判断手段によって熱中症の発症危険性が高いと判断した場合、前記発症危険性警告を前記携帯装置に送信する請求項1記載の熱中症予防システム。
  3. 前記携帯装置が、前記測定機構によって測定した前記生体機能に基づいて熱中症の発症危険性を判断する第2判断手段を含み、前記伝達機構が、前記第2判断手段によって熱中症の発症危険性が高いと判断した場合、前記発症危険性警告を前記作業者に伝える請求項1または請求項2に記載の熱中症予防システム。
  4. 前記生体機能が、前記作業者の鼓膜温度と心拍数とであり、前記測定機構が、前記携帯装置に接続されて前記作業者の外耳道に挿脱可能に挿入され、その作業者の鼓膜温度を測定する鼓膜温度センサが設置された耳栓と、前記携帯装置に接続されて前記作業者の耳たぶに着脱可能に装着され、その作業者の心拍数を測定する心拍数センサが設置されたクリップとから形成され、前記伝達機構が、前記携帯装置に接続されて前記耳栓と一体に作られ、前記作業者の頭蓋骨に前記発症危険性警告を伝える骨伝導スピーカーから形成され、前記第1判断手段と前記第2判断手段とが、前記測定鼓膜温度と前記測定心拍数とのうちの少なくとも一方に基づいて熱中症の危険性を判断する請求項3記載の熱中症予防システム。
  5. 前記生体機能が、前記作業者の鼓膜温度と心拍数とであり、前記測定機構が、前記携帯装置に接続されて前記作業者の外耳道に挿脱可能に挿入され、その作業者の鼓膜温度を測定する鼓膜温度センサとその作業者の心拍数を測定する心拍数センサとが設置された耳栓から形成され、前記伝達機構が、前記携帯装置に接続されて前記耳栓と一体に作られ、前記作業者の頭蓋骨に前記発症危険性警告を伝える骨伝導スピーカーから形成され、前記第1判断手段と前記第2判断手段とが、前記測定鼓膜温度と前記測定心拍数とのうちの少なくとも一方に基づいて熱中症の危険性を判断する請求項3記載の熱中症予防システム。
  6. 前記監視装置が、前記熱中症の発症危険性を示す鼓膜温度危険値と心拍数危険値とを記憶する第1記憶手段を含み、前記第1判断手段が、前記携帯装置から送信された測定鼓膜温度と前記鼓膜温度危険値とを比較するとともに、前記携帯装置から送信された測定心拍数と前記心拍数危険値とを比較し、前記測定鼓膜温度と前記測定心拍数とのうちの少なくとも一方が前記危険値を超えた場合に前記熱中症の発症危険性が高いと判断する請求項4または請求項5に記載の熱中症予防システム。
  7. 前記携帯装置が、前記熱中症の発症危険性を示す鼓膜温度危険値と心拍数危険値とを記憶する第2記憶手段を含み、前記第2判断手段が、前記測定機構によって測定した測定鼓膜温度と前記鼓膜温度危険値とを比較するとともに、前記測定機構によって測定した測定心拍数と前記心拍数危険値とを比較し、前記測定鼓膜温度と前記測定心拍数とのうちの少なくとも一方が前記危険値を超えた場合に前記熱中症の発症危険性が高いと判断する請求項4ないし請求項6いずれかに記載の熱中症予防システム。
  8. 前記生体機能が、前記着衣を装着した作業者の着衣内温度と着衣内湿度とであり、前記測定機構が、前記携帯装置に設置され、前記作業者の肌に対向して前記着衣内温度を測定する温度センサと、前記携帯装置に設置され、前記作業者の肌に対向して前記着衣内湿度を測定する湿度センサとから形成され、前記第1判断手段と前記第2判断手段とが、前記測定着衣内温度と前記測定着衣内湿度とのうちの少なくとも一方に基づいて熱中症の危険性を判断する請求項4ないし請求項7いずれかに記載の熱中症予防システム。
  9. 前記第1記憶手段が、前記熱中症の発症危険性を示す着衣内温度危険値と着衣内湿度危険値とを記憶し、前記第1判断手段が、前記携帯装置から送信された測定着衣内温度と前記着衣内温度危険値とを比較するとともに、前記携帯装置から送信された測定着衣内湿度と前記着衣内湿度危険値とを比較し、前記測定着衣内温度と前記測定着衣内湿度とのうちの少なくとも一方が前記危険値を超えた場合に前記熱中症の発症危険性が高いと判断する請求項8記載の熱中症予防システム。
  10. 前記第2記憶手段が、前記熱中症の発症危険性を示す着衣内温度危険値と着衣内湿度危険値とを記憶し、前記第2判断手段が、前記測定機構によって測定した測定着衣内温度と前記着衣内温度危険値とを比較するとともに、前記測定機構によって測定した測定着衣内湿度と前記着衣内湿度危険値とを比較し、前記測定着衣内温度と前記測定着衣内湿度とのうちの少なくとも一方が前記危険値を超えた場合に前記熱中症の発症危険性が高いと判断する請求項8または請求項9に記載の熱中症予防システム。
  11. 前記携帯装置の第1送受信機構と前記監視装置の第2送受信機構とが、PHSによる無線通信である請求項1ないし請求項10いずれかに記載の熱中症予防システム。
  12. 前記作業環境が、放射性物質による汚染の危険がある原子力関連施設における遮蔽された作業環境である請求項1ないし請求項11いずれかに記載の熱中症予防システム。
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