JP2012177164A - 方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】歪取り焼鈍を施した場合であっても、より効果的に、鋼板の鉄損を低減させる溝を形成をした方向性電磁鋼板を提供する。
【解決手段】方向性電磁鋼板の圧延方向に対して交差する方向に、レーザまたは電子ビームを、パルス状に照射して線状溝を形成するに際して、鋼板のエッジ部の一端から他端にわたる1条の照射で形成する溝幅を、最終の溝幅よりも小さな溝幅とし、かつ2条以上の照射で、最終溝幅の線状溝とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、変圧器などの鉄心材料に用いる鉄損特性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法に関するもので、特に、歪取り焼鈍後に磁気特性が劣化しない方向性電磁鋼板を得ようとするものである。
方向性電磁鋼板は、主にトランスの鉄心として利用され、その磁化特性が優れていること、特に鉄損が低いことが求められている。
そのためには、鋼板中の二次再結晶粒を、(110)[001]方位(いわゆる、ゴス方位)に高度に揃えることや、製品鋼板中の不純物を低減することが重要である。しかしながら、結晶方位の制御や、不純物を低減することは、製造コストとの兼ね合い等で限界がある。そこで、鋼板の表面に対して物理的な手法で不均一歪を導入し、磁区の幅を細分化して鉄損を低減する技術、すなわち磁区細分化技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、最終製品板にレーザを照射し、鋼板表層に高転位密度領域を導入し、磁区幅を狭くすることで、鋼板の鉄損を低減する技術が提案されている。また、特許文献2には、プラズマ炎を照射する方法が開示されている。
しかしながら、これらの熱歪みを導入する手法は、歪取り焼鈍を行う際に効果が消失してしまうため、積変圧器には使用できるが巻変圧器には使用できないという問題がある。
歪取り焼鈍により磁区細分化効果が消失しない手法としては、電解エッチングや歯車ロールを用いて、鋼板表面に溝を形成する手法が、特許文献3および4にそれぞれ開示されている。しかしながら、これらの手法は、溝や鋼板が形状不良となる問題が、十分に解決できているとは言い難い。
これに対し、特許文献5には、最終冷延の途中板厚段階で、レーザ光あるいはプラズマ炎を用いて溝形成を行い、ついで、最終板厚まで仕上げることにより鋼板の形状矯正やバリの除去を行う手法が開示されている。
特公昭57−2252号公報 特開昭59-25928号公報 特公平03−69968号公報 特開昭61−117218号公報 特開平09-49024号公報
しかしながら、上述した方向性電磁鋼板では、溝形成後に冷間圧延を行うために、やはり磁区細分化に適正な溝形状を得ることが難しく、鉄損を十分に下げるまでに至っていない。
本発明は、上記の現状に鑑み開発されたもので、溝形成により、磁区構造を制御して鉄損を低下させる方向性電磁鋼板の製造方法において、歪取り焼鈍を施した場合であっても、より効果的に、鋼板の鉄損を低減させる溝を形成することを目的とする。
溝形成による磁区細分化手法においては、溝の断面形状が、いわゆる矩形に近ければ近いほど、溝の側面に現れる磁極の反磁界効果をより有利に利用することができ、磁区細分化効果が大きくなる。しかしながら、レーザ照射により線状に溝形成を行う場合、1条の照射で溝形成を行っても、溝の断面形状を矩形に近づけることは難しい。
図1に、レーザ等の照射により形成される溝の断面形状を模式的に示す。図1(a)に示したように、1条の照射では、溝の断面形状がU字型に形成されてしまうので、溝の壁面は底部に行くほど傾斜し、矩形とはならない。
そこで、発明者らは、レーザの照射条件を変更して、種々の照射パターンで線状溝を形成し、鉄損を低減した方向性電磁鋼板を作製した。図1(b)に示したのように、最終的な溝幅よりも、小さいビーム径のレーザを、複数条照射することにより、矩形に近い溝形状が得られることが分かった。さらに、レーザ照射は連続ではなくパルス照射とすることにより、照射と同時に溝壁面の上部に形成されるバリを抑制することが可能となることが分かった。また、溝形成処理としては電子ビーム照射でも同じ効果が得られることが分かった。
本発明は上記知見に立脚するものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.方向性電磁鋼板の圧延方向に対して交差する方向に、レーザまたは電子ビームを、パルス状に照射して線状溝を形成するに際し、
上記鋼板のエッジ部の一端から他端にわたる1条の照射で形成する溝幅を、最終の溝幅よりも小さな溝幅とし、2条以上の照射で、最終溝幅の線状溝とすることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
2.前記1条の照射で形成する溝幅を、前記最終溝幅に対し、5〜75%とすることを特徴とする前記1に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
本発明によれば、レーザまたは電子ビームを用いた磁区細分化による鉄損低減効果が、歪取り焼鈍を施した場合であっても、効果的に維持されるため、変圧器、特に巻変圧器において優れた低鉄損特性を発現する方向性電磁鋼板を得ることができる。
レーザ等の照射により形成される溝の断面形状を示した模式図である。
以下、本発明に従う方向性電磁鋼板の製造条件に関して具体的に説明する。
ここに、本発明に用いる方向性電磁鋼板用スラブの成分組成は、二次再結晶が生じる成分組成であればよい。
また、インヒビターを利用する場合、例えばAlN系インヒビターを利用する場合であればAlおよびNを、またMnS・MnSe系インヒビターを利用する場合であればMnとSeおよび/またはSを適量含有させればよい。勿論、両インヒビターを併用してもよい。この場合におけるAl、N、SおよびSeの好適含有量はそれぞれ、質量%で、Al:0.01〜0.065%、N:0.005〜0.012%、S:0.005〜0.03%、Se:0.005〜0.03%である。
さらに、本発明は、Al、N、S、Seの含有量を制限した、いわゆるインヒビターレスの方向性電磁鋼板にも適用することができる。
この場合には、Al、N、SおよびSe量はそれぞれ、質量ppmで、Al:100ppm以下、N:50ppm以下、S:50ppm以下、Se:50ppm以下に抑制することが好ましい。
本発明に供して好適な方向性電磁鋼板用スラブの、基本成分および任意添加成分について具体的に述べると次のとおりである。なお、以下、鋼板成分においての%およびppm表示は、特に断らない限り、質量%および質量ppmを意味する。
C:0.08%以下
Cは、熱延板組織の改善のために添加をするが、0.08%を超えると製造工程中に磁気時効の起こらない50ppm以下までCを低減することが困難になるため、0.08%以下とすることが好ましい。なお、下限に関しては、Cを含まない素材でも二次再結晶が可能であるので特に設ける必要はない。
Si:2.0〜4.5%
Siは、鋼の電気抵抗を高め、鉄損を改善するのに有効な元素であるが、含有量が2.0%に満たないと十分な鉄損低減効果が達成できず、一方、4.5%を超えると加工性が著しく低下し、また磁束密度も低下するため、Si量は2.0〜4.5%の範囲とすることが好ましい。
Mn:0.005〜1.0%
Mnは、熱間加工性を良好にする上で必要な元素であるが、含有量が0.005%未満ではその添加効果に乏しく、一方1.0%を超えると製品板の磁束密度が低下するため、Mn量は0.005〜1.0%の範囲とすることが好ましい。
上記の基本成分以外に、磁気特性改善成分として、次に述べる元素を適宜含有させることができる。
Ni:0.03〜1.50%、Sn:0.01〜1.50%、Sb:0.005〜1.50%、Cu:0.03〜3.0%、P:0.03〜0.50%、Mo:0.005〜0.10%およびCr:0.03〜1.50%のうちから選んだ少なくとも1種
Niは、熱延板組織を改善して磁気特性を向上させるために有用な元素である。しかしながら、含有量が0.03%未満では磁気特性の向上効果が小さく、一方1.5%を超えると二次再結晶が不安定になり磁気特性が劣化する。そのため、Ni量は0.03〜1.5%の範囲とするのが好ましい。
また、Sn、Sb、Cu、P、MoおよびCrはそれぞれ磁気特性の向上に有用な元素であるが、いずれも上記した各成分の下限に満たないと、磁気特性の向上効果が小さく、一方、上記した各成分の上限量を超えると、二次再結晶粒の発達が阻害されるため、それぞれ上記の範囲で含有させることが好ましい。
なお、上記成分以外の残部は、製造工程において混入する不可避的不純物およびFeである。
次いで、上記した成分組成を有するスラブは、常法に従い加熱して熱間圧延に供するが、鋳造後、加熱せずに直ちに熱間圧延してもよい。薄鋳片の場合には熱間圧延しても良いし、熱間圧延を省略してそのまま以後の工程に進んでもよい。
さらに、必要に応じて熱延板焼鈍を施す。この時、ゴス組織を製品板において高度に発達させるためには、熱延板焼鈍温度として800〜1100℃の範囲が好適である。熱延板焼鈍温度が800℃未満であると、熱間圧延でのバンド組織が残留し、整粒した一次再結晶組織を実現することが困難になり、二次再結晶の発達が阻害される。一方、熱延板焼鈍温度が1100℃を超えると、熱延板焼鈍後の粒径が粗大化しすぎるために、整粒した一次再結晶組織の実現が極めて困難となる。
熱延板焼鈍後は、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施す。
さらに、再結晶焼鈍(脱炭焼鈍)を行い、焼鈍分離剤を塗布する。焼鈍分離剤を塗布した後に、二次再結晶の形成および必要に応じてフォルステライト被膜の形成を目的として最終仕上げ焼鈍を施す。
最終仕上げ焼鈍後には、平坦化焼鈍を行って形状を矯正することが有効である。なお、本発明では、平坦化焼鈍前または後に、鋼板表面に絶縁被膜を施す。ここに、この絶縁被膜は、鉄損低減のために、鋼板に張力を付与できる被膜(以下、張力コーティングという)を意味する。なお、張力コーティングとしては、シリカを含有する無機系コーティングや物理蒸着法、化学蒸着法等によるセラミックコーティング等が挙げられる。
ここに、本発明では、上記した方向性電磁鋼板に、溝形成による磁区細分化処理(溝形成処理)を施すが、線状溝の形成は、最終冷延後であれば、磁区細分化に理想的な線状溝の断面形状を維持することができるので、二次再結晶を伴う最終仕上げ焼鈍の前でも後でも構わない。
また、鋼板は、上述したように、製品とする直前に絶縁コーティングを施すが、その後で、本発明を適用することも可能である。その場合には、溝形成により部分的に絶縁コーティングが除去されるので再コートが必要となる。
溝形成処理を最終仕上げ焼鈍後に行った場合、鋼板に溝形成処理による熱歪みが導入され、溝形成の効果と熱歪み導入の効果とが組み合わさって、極めて優れた鉄損低減効果が得られる。従って、本発明に従う溝形成処理は、最終仕上げ焼鈍後に行うことが望ましい。
その際、溝の断面形状が、いわゆる矩形に近ければ近いほど、溝の側面に現れる磁極の反磁界効果をより有利に利用することができ、磁区細分化効果が大きくなるのは前述したとおりである。
前掲図1(a)に示したように、1条の照射では、溝の断面形状がU字型に形成されてしまうので、溝の壁面は底部に行くほど傾斜し、矩形とはならない。
そこで、本発明では、図1(b)に示したのように、最終的な溝幅よりも、小さな幅の溝を形成する条件で、レーザを複数条照射することにより、矩形に近い溝形状が得られる。さらに、レーザ照射を、連続ではなくパルス状照射とすることにより、照射と同時に溝壁面の上部に形成されるバリを抑制することができる。また、溝形成処理の手段としては、パルス状の電子ビーム照射でも良い。
すなわち、1条の照射で形成する溝幅を、最終の溝幅よりも小さな溝幅とし、2条以上の照射で、最終溝幅の線状溝とする溝形成処理を行う。なお、1条の照射で形成する溝幅を、前記最終溝幅に対し、5〜75%とすることが好ましい。また、1本の最終溝幅の線状溝を形成するための、照射回数としては、2〜20条の範囲で照射することが好ましい。なお、図1(b)にも示したとおり、本発明における照射は、重なり合って照射しても何ら問題はない。
ここに、上記の1条の照射とは、パルス状の照射であって、鋼板のエッジ部の一端から他端にわたって行う1筋の照射を意味する。
磁区細分化効果は、二次再結晶後の結晶粒の方位が磁化容易軸である<100>方向に集積しているほど大きくなるので、集積度の指標であるB8値が高いほど、鉄損低減効果も大きくなる。
なお、本発明で使用する電子ビーム、レーザ等は、いずれも、パルス状に照射できることが必要である。というのは、前述したように、パルス照射の方が矩形に近い溝形成が可能となるからである。
また、レーザの発振形態は、Qスイッチパルスまたはレーザのパルス状照射のいずれでも良いが、Qスイッチ式はビーム径を細く絞り難いため、精密な溝形状加工には、レーザを用いる方が好ましい。
さらに、レーザの場合は、シングルモードファイバレーザをパルス状照射するのが好適である。一方、電子ビームの場合も、連続照射ではバリが高くなる傾向があり、パルス状に照射する方が好ましい。
本発明において、溝形成方向は、圧延方向に対して90°から45°の範囲が鉄損低減に有効で、溝幅は5〜400μmが好適である。というのは、5μm未満の溝形成は技術的に困難であり、400μmより大きい場合には製造上の負荷が大きくなるからである。また、溝の深さは5〜50μmが最適である。というのは、5μm未満では鉄損低減効果は小さく、50μmより深い場合には磁束密度B8の劣化が大きくなりすぎるからである。
さらに、本発明における線状溝は、直線状だけでなく点状に形成してもよい。但し、点状の場合、点の間隔が1mmより大きいと、磁区細分化効果がほとんど得られないので1mm以下が望ましい。
また、線状溝の間隔は1mm以上20mm以下が好ましく、1mm未満では鉄損劣化が生じ、20mmより大きい場合には鉄損低減効果が得られない。
なお、本発明において、上述した工程や製造条件以外については、従来公知の、レーザーや電子ビームを用いた磁区細分化処理を施す方向性電磁鋼板の製造方法を適用することができる。
(実施例1)
Si=3.25%、C=500ppm、Mn=0.03%、S=20ppm、Al=60ppmおよびN=40ppmを含む鋼スラブを、連続鋳造にて製造し1400℃に加熱した後、熱間圧延により板厚:2.0mmの熱延板に仕上げ、1000℃で熱延板焼鈍を施した。ついで中間焼鈍を含む二回冷延法にて0.23mmの最終冷延板とした。この最終冷延板に、シングルモードファイバレーザを用いて最終溝幅:50μm、溝深さ:20μmの線状溝を、圧延方向と直角方向に7.5mm間隔で、片面のみ形成した。
照射条件は、表1に示すように、通常の連続照射と、波形制御器を用いてON/OFFのデューティ比を変えたパルス照射を行った。ビーム径は10〜50μmとし、複数条の照射で、線状溝を形状した。なお、1条当たりの照射幅/最終溝幅の比率(%)(以下および表中では、溝幅比率という。)を表1に併記する。
その後、850℃で脱炭焼鈍を行い、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布した。ついで、二次再結晶と純化を目的とした最終仕上げ焼鈍を1200℃で実施した。さらに、50%のコロイダルシリカとリン酸マグネシウムからなる絶縁コートを塗布した。
各照射の条件に対し、形成された溝の断面形状の評価と、製品の鉄損値W17/50値について表1に併記する。なお、断面形状の評価は、図1に示される理想的な溝断面形状(矩形)の断面積に対する実際に形成された溝の断面積の比率(%)(表中、矩形度と表記する)を求めることで評価した。
Figure 2012177164
同表に示したとおり、連続照射により溝を形成したNo.1、4、7、9や、さらに1条で溝形成を行ったNo.9、10では鉄損の低減効果が十分に得られていない。これに対し、本発明の条件に従うNo.2、3、5、6、8は、いずれも高い矩形度と共に、優れた鉄損特性が得られている。
(実施例2)
Si=3.30%、C=600ppm、Mn=0.10%、Sb=0.03%、Al=300ppmおよびN=80ppmを含む鋼スラブを、連続鋳造にて製造し1400℃に加熱した後、熱間圧延により板厚:2.0mmの熱延板に仕上げ、1000℃で熱延板焼鈍を施した。ついで中間焼鈍を含む二回冷延法にて0.20mmの冷延板とし、さらに825℃で脱炭焼鈍を行った。
この脱炭焼鈍板に、電子ビームを用いて、溝幅:100μm、溝深さ:15μmの線状溝を圧延方向と直角方向に5mm間隔で片面のみ形成させた。照射条件は、連続照射とパルス照射の二条件で行った。ここに、前者は、照射位置の座標が鋼板を横断するように広く設定することにより、連続ビームで溝形成処理を行った。一方、後者は、照射位置の座標間隔をビーム径程度に小さく設定し、滞留時間を設けることによってパルス的に溝形成処理を行った。
なお、処理時の雰囲気圧力は1Pa、加速電圧は40kVで、ビーム径は同定できないがビーム電流、収束電流値にて、ビーム径を調整し、実際に1条当たりの溝幅を計測し、溝幅比率とした。また、溝形状を整えるために、照射位置をわずかにずらして複数条の照射処理を行った。
溝形成処理後、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布し、二次再結晶と純化を目的とした最終仕上げ焼鈍を1200℃で実施した。ついで50%のコロイダルシリカとリン酸マグネシウムからなる絶縁コートを塗布した。
各照射条件に対し、形成された溝の断面形状の評価と、製品の鉄損値W17/50値について表2に示す。なお、表中の矩形度は、実施例1と同じ定義の数値である。
Figure 2012177164
同表に示したとおり、連続照射により溝を形成したNo.1、4、7や、1条の処理で溝形成を行ったNo.7、8では鉄損の低減効果が十分に得られていない。これに対し、本発明の条件に従うNo.2、3、5、6は、いずれも高い矩形度と共に、優れた鉄損特性が得られている。

Claims (2)

  1. 方向性電磁鋼板の圧延方向に対して交差する方向に、レーザまたは電子ビームを、パルス状に照射して線状溝を形成するに際し、
    上記鋼板のエッジ部の一端から他端にわたる1条の照射で形成する溝幅を、最終の溝幅よりも小さな溝幅とし、2条以上の照射で、最終溝幅の線状溝とすることを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 前記1条の照射で形成する溝幅を、前記最終溝幅に対し、5〜75%とすることを特徴とする請求項1に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
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