JP2012176880A - 快削性セラミックス及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】六方晶系窒化ホウ素を快削性付与剤として含み、比較的低温で、かつ、無加圧下でも製造が可能な快削性セラミックス及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の快削性セラミックスは、快削性付与剤としての六方晶系窒化ホウ素粉体と、焼結助剤としてのアルミノケイ酸塩粉体と、基材としてのセラミックス粉体(ただし六方晶系窒化ホウ素及びアルミノケイ酸塩は除く)との混合物の焼結体からなり、前記六方晶系窒化ホウ素粉体の粒子には表面のみならず内部にも酸素が含まれていることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、快削性を付与するために六方晶系窒化ホウ素を含有させた快削性セラミックス及びその製造方法に関する。
セラミックスは高温特性や機械的特性に優れているものも多く、その特性を活かせる箇所に適用されれば、優れた機能性材料となる可能性を秘めている。しかしながら、製造工程における焼結時の収縮が大きいため、形状や寸法を高精度とするためには、焼結後に研削加工をする必要がある。しかも、セラミックスは一般に硬くて脆いため、切削加工が困難であるという欠点を有しており、これが実用化を阻む理由となっていた。
こうした欠点を克服するため、セラミックスに六方晶系窒化ホウ素(h‐BN)を分散させて劈開性を持たせ、切削加工を容易にした快削性セラミックス(マシナブルセラミックスとも呼ばれる)が開発されている。
例えば特許文献1では、快削性セラミックスの製造方法として、ZrOとh‐BN、Si、焼結助剤(Al、Y等)を湿式で混合し、乾燥させた後、ホットプレスにて窒素雰囲気中1600℃、2時間、30MPaで焼成することが開示されている。
また、特許文献2では、h‐BNとSi、焼結助剤(Al、Y等)を湿式で混合し、これを乾燥させた粉末をホットプレスにて窒素雰囲気中1850℃、2時間、30MPaで焼成することが開示されている。
さらに、特許文献3では、h‐BNとAlN、金属もしくは金属化合物のような焼結助剤を湿式で混合し、これを乾燥させた粉末をホットプレスにて窒素雰囲気中2000℃、3時間、20MPaで焼成することが開示されている。
一方、本発明に関連する技術として、特許文献4に記載の窒化ホウ素焼結体の製造方法が挙げられる。また、本発明者らは、六方晶系窒化ホウ素焼結体の製造方法及び六方晶系窒化ホウ素焼結体について、特許出願を行なっている(特許文献5)。
特開2005−119941号公報 特許第3586784号 特開2008−24530号公報 特開2007−70197号公報 特開2010−042951号公報
上記従来の六方晶系窒化ホウ素を快削性付与剤として分散させた快削性セラミックスでは、窒素雰囲気中で、ホットプレス装置を用いて1600〜2000℃という高温下、20MPa以上という高圧で焼結させなければならない。このため、製造が困難で且つ製造コストが高いものとなっていた。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、六方晶系窒化ホウ素を快削性付与剤として含み、比較的低温で、かつ、無加圧下で製造が可能な快削性セラミックス及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、本発明者らが既に開発している、六方晶系窒化ホウ素焼結体(特許文献5)を快削性セラミックスのマトリックスとして利用できないか検討した。特許文献5に記載の六方晶系窒化ホウ素焼結体では、粒子の表面のみならず、粒子内部まで酸素を含んでいる六方晶系窒化ホウ素粉体を原料とし、ソーダ長石等のアルミノケイ酸塩を焼結助剤として加えて焼結させることにより、比較的低温で六方晶系窒化ホウ素を焼結させることができる。このため、さらにこの六方晶系窒化ホウ素焼結体を焼結させる際に、基材としてのセラミックス(例えばアルミナや窒化ケイ素等)を添加しておけば、快削性セラミックスとなり、上記課題を解決できるのではないかと考えた。そして、鋭意研究を行った結果、本発明の快削性セラミックスを完成するに至った。
すなわち、本発明の快削性セラミックスは、快削性付与剤としての六方晶系窒化ホウ素粉体と、焼結助剤としてのアルミノケイ酸塩粉体と、基材としてのセラミックス粉体(ただし六方晶系窒化ホウ素及びアルミノケイ酸塩は除く)との混合物の焼結体からなり、
前記六方晶系窒化ホウ素粉体の粒子には表面のみならず内部にも酸素が含まれていることを特徴とする。
本発明の快削性セラミックスでは、六方晶系窒化ホウ素粉体を快削性付与剤として用いている。六方晶系窒化ホウ素(h‐BN)は黒鉛に類似の結晶構造を有しており、c面内は強固なπ結合で結びついている一方、c軸方向は結合力の弱いファンデル・ワールス結合で結びついているため、板状結晶で劈開面を有している。このため、六方晶系窒化ホウ素が、快削性付与剤としての性質を発揮することができる。
また、大気中で六方晶系窒化ホウ素の粉体を焼成した場合、六方晶系窒化ホウ素の粒子表面に酸化ホウ素(B)の薄い被膜が形成される。この酸化ホウ素被膜は、焼結助剤として用いられるアルミノケイ酸塩の溶融物に濡れ易いため、酸化ホウ素被膜上に溶解したアルミノケイ酸塩が濡れて広がり、層が形成され、六方晶系窒化ホウ素の粉体とアルミノケイ酸塩とが強固に結合される。しかも、アルミノケイ酸塩の融点は低いため、酸素の存在下で比較的低温で焼結を行うことができる。ここで、アルミノケイ酸塩とは、ケイ酸塩中にあるケイ素原子の一部をアルミニウム原子に置き換えた構造を持つ物質をいう。
さらに、本発明の快削性セラミックスでは、表面のみならず内部にも酸素が含まれている六方晶系窒化ホウ素粉体の粒子を用いるため、六方晶窒化ホウ素粒子と長石を混合工程などの焼結前工程において六方晶窒化ホウ素粒子が破砕されて新生面が現れた場合においても、その新生面には酸化ホウ素が存在する。したがって、酸素供給が不十分となる焼結体内部においてもアルミノケイ酸塩との濡れ性は良好であり、焼結助剤としての効果を十分に発揮することができる。
また、焼結時に溶融物となったアルミノケイ酸塩粉体は、基材としてのセラミックス粉体(ただし六方晶系窒化ホウ素及びアルミノケイ酸塩は除く)との濡れ性も良好であるため、セラミックス粉体との関係においても、焼結助剤としての効果を十分に発揮することができる。
したがって、本発明の快削性セラミックスによれば、基材としてのセラミックス粉体と、快削性付与剤としての六方晶系窒化ホウ素粉体とが、比較的低温で、かつ、無加圧下でも焼結助剤としてのアルミノケイ酸塩粉体の溶融物によって濡れて強固な焼結体となる。
本発明の快削性セラミックスにおいて、六方晶系窒化ホウ素粉体を構成する粒子は、オージェ電子分光分析におけるイオンミリング法を用いた深さ方向の測定において、SiO換算で少なくとも300nmの深さまでは酸素の存在が確認されることが好ましい。
六方晶系窒化ホウ素の粒子の内部に酸素が含まれているか否かについては、オージェ電子分光分析におけるイオンミリング法を用いた深さ方向の測定によって、確認することができる。発明者らは、この方法により、SiO換算で300nmの深さにおいて酸素の存在が確認された六方晶系窒化ホウ素を用いて焼結体を製造することにより、焼結体の相対密度が高くなり、機械的強度も優れたものとなることを確認している。さらに好ましいのは600nmの深さにおいて酸素の存在が確認される六方晶系窒化ホウ素であり、最も好ましいのは900nmの深さにおいて酸素の存在が確認される六方晶系窒化ホウ素である。
また、六方晶系窒化ホウ素の酸素含有量は10質量%以上であることが好ましい。こうであれば、アルミノケイ酸塩の六方晶系窒化ホウ素に対する濡れ性が良好となる。
さらに、アルミノケイ酸塩は加熱溶融によりガラス化されたアルミノケイ酸塩であることが好ましい。
また、焼結用助剤として用いるアルミノケイ酸塩は、加熱溶融によりガラス化されていることが好ましい。こうであれば、ガラス化されていないアルミノケイ酸塩と比較して、より低い温度でアルミノケイ酸塩が溶融するため、焼結温度を低くすることができる。また、アルミノケイ酸塩に含まれている揮発成分をあらかじめ揮発させておくことができるため、焼成時における発泡を防止でき、ひいては相対密度を高めることができる。
本発明の快削性セラミックスにおいて、基材となるのはセラミックス粉体(ただし六方晶系窒化ホウ素及びアルミノケイ酸塩は除く)である。ここで、「基材」とは、本発明における快削性セラミックスに含まれる成分のうち、快削性付与剤としての六方晶系窒化ホウ素粉体と、焼結助剤としてのアルミノケイ酸塩粉体とを除いたセラミックス成分をいう。
基材となるセラミックス粉体は酸化物、窒化物、炭化物及びこれらの複合化合物からなる群の1種又は2種以上からなることが好ましい。セラミックス粉体のうちでも酸化物や窒化物や炭化物からなるセラミックスは、一般に硬度や融点が高く、こうした高度な機能を快削性セラミックスに付与することができるからである。酸化物、窒化物、炭化物及びこれらの複合化合物として、具体的にはAl、Si、TiC、SiC、ZrO及びサイアロン等が挙げられるが、これらを2種以上組み合わせて用いてもよい。
また、本発明の快削性セラミックスにおいて、六方晶系窒化ホウ素粉体の含有量は10〜70容積%であり、アルミノケイ酸塩粉体は10〜70容積%であり、セラミックス粉体は10〜80容積%であることが好ましい。
また、本発明の快削性セラミックスは、相対密度を60%以上とすることができる。
また、得られた焼結体の走査型電子顕微鏡による観察から、焼結体中の六方晶系窒化ホウ素の結晶は、非板状の形態をなすことを確認している。
本発明の快削性セラミックスは、以下の方法によって製造することができる。
すなわち、本発明の快削性セラミックスの製造方法は、
粒子の表面のみならず内部にも酸素が含まれている快削性付与剤としての六方晶系窒化ホウ素粉体と、焼結助剤としてのアルミノケイ酸塩粉体と、基材としてのセラミックス粉体(ただし六方晶系窒化ホウ素及びアルミノケイ酸塩は除く)とを混合して焼結用混合粉とする混合工程と、
該焼結用混合粉を圧力成形してプレ成形体とするプレ成形工程と、
該プレ成形体を焼結する焼結工程と、
を有することを特徴とする。
本発明の快削性セラミックスの製造方法では、混合工程において、快削性付与剤としての六方晶系窒化ホウ素と、粉体焼結助剤としてのアルミノケイ酸塩粉体と、基材としてのセラミックス粉体とが混合されるとき、六方晶系窒化ホウ素はさらに細かい粒子となる。しかしながら、六方晶系窒化ホウ素からなる粉体粒子は、表面のみならず内部にも酸素が含まれているため、細かくされた六方晶系窒化ホウ素粒子の新たに現れた断面部分にも、酸化ホウ素(B)が存在することとなる。このため、焼結工程において溶解したアルミノケイ酸塩は、成形体表面のみならず、内部においても濡れやすくて、浸透し易くなる。このため、焼結体の相対密度が高くなり、機械的強度も優れたものとなるのである。
本発明の快削性セラミックスは、以下の工程によって製造することができる。
(1)準備工程
快削性付与剤として六方晶系窒化ホウ素粉体と、焼結助剤としてのアルミノケイ酸塩と、基材としてのセラミックス粉体と、を用意する。
(2)混合工程
快削性付与剤として六方晶系窒化ホウ素粉体と、焼結助剤としてのアルミノケイ酸塩と、基材としてのセラミックス粉体(ただし六方晶系窒化ホウ素及びアルミノケイ酸塩は除く)とをよく混合して焼結用混合粉とする。
(2)プレ成形工程
焼結用混合粉を圧力成形してプレ成形体とする。
(3)焼結工程
プレ成形体を焼結する。なお、ここで基材としてのセラミックス粉体が、アルミナのように、酸素雰囲気下においても高温で安定に存在しうるものであれば、酸素雰囲気下で焼結しても良いが、窒化ケイ素のように高温下において酸素と化合するものである場合には、窒素雰囲気下や不活性ガス雰囲気下で焼結することが望ましい。
以下、各工程についてさらに詳述する。
<準備工程>
本発明に快削性付与剤として使用する六方晶系窒化ホウ素は、六方晶系窒化ホウ素粒子が含有する酸素が当該六方晶系窒化ホウ素粒子の表面のみならず内部にも分布してなる六方晶系窒化ホウ素であれば、特に制限はない。具体的には、例えば、有限会社オクトム製の窒化ホウ素(SFM、純度40%強、酸素含有量25重量%以上)が挙げられる。六方晶系窒化ホウ素粉末粒子表面の酸素の存在の有無についてはオージェ電子分光測定やXPS測定によって確認できる。またその内部の酸素については、窒化ホウ素粒子をイオンエッチング装置によりエッチングを行いながら、オージェ電子分光測定やXPS測定を行い、深さ方向の酸素分布を測定することにより確認することができる。
本発明において使用する六方晶系窒化ホウ素は、混合工程における分散を良好にするために、混合工程前に予め解砕・粉砕処理を行なっておくことが好ましい。このような処理を行っても、内部にまで酸素が存在しているため、新生面に酸化ホウ素が存在する。このため、酸化処理を特に施さなくても、焼成工程におけるアルミノケイ酸塩との濡れ性は良好となる。
解砕・粉砕処理を行なう場合の方法について得に制限は無いが、処理を充分に行うためには湿式が好ましい。ただし、湿式における媒体として水を用いると、窒化ホウ素に含まれている酸化ホウ素(B)が水に溶出するため、水を含む媒体は避けるべきである。好ましくは、エタノールやイソプロピルアルコール等の有機溶媒中で行う。また解砕・粉砕処理に用いるボールミルは、5mm以下のアルミナ製ボールを用いた遊星ボールミルによる処理が好適であるがこれに制限するものではない。
また、本発明において焼結助剤としての使用するアルミノケイ酸塩とは、ケイ素と酸素が網目状に連なった構造を持つケイ酸塩の中で、Si4+をAl3+で置き換えることにより生じる陰電荷を中和するためにアルカリ金属イオン(M)などのカチオンを含んだ化合物である。自然界では、長石と呼ばれる鉱物で産出しており、その種類は多岐にわたっている。代表的には、Na系、K系、Ca系、またはNa系を中心にNa‐K混合系、Na‐Ca混合系がある。Na系としては、例えばソーダ長石、NaAlSiなどが、K系としては、例えばカリ長石、KAlSiなどが、Ca系としては、灰長石、CaAlSiなどが、混合系としては、例えばNaAlSi−KAlSi、又はNaAlSi−CaAlSiなどが挙げられる。
これらのアルミノケイ酸塩は、産地によって組成が異なり、産地名を冠して呼称されることが多い。例えば、平津長石、福島長石、釜戸長石、三河長石等である。海外の製品としては、中国長石やインド長石、トルコ長石等がある。これらのアルミノケイ酸塩は何れのものも用いることもできる。
また、アルミノケイ酸塩の粒度については特に制限はないが、粉砕・分級等を行い、1μm以下或いは六方晶系窒化ホウ素と同等以下程度の大きさにして用いることが好ましい。
これらアルミノケイ酸塩は通常結晶構造を持っており、そのためそれぞれ融点を有する。また、長石は天然鉱物であるため、数%程度の揮発成分を含んでいる。長石を融点以上に加熱溶融させるとガラス化し、融点は消失する。またその過程で揮発成分が離脱する。このため、焼成時にガスが発生せず、相対密度の高い窒化ホウ素基焼成体を得ることができる。
また、本発明の快削性セラミックスにおいて、基材として用いられるセラミックス粉体としては特に制限は無く、目的とする快削性セラミックスの用途や機能等を考慮して適宜選択すればよい。例えば、酸化物、窒化物、炭化物及びこれらの複合化合物等が挙げられる。さらに、具体的にはAl、Si、TiC、SiC、ZrO及びサイアロン等が挙げられるが、これらを2種以上組み合わせて用いてもよい。
<混合工程>
混合工程においては、快削性付与剤としての窒化ホウ素の粉末と、焼結助剤としてのアルミノケイ酸塩と、基材としてのセラミックス粉体とを遊星ボールミル等を用いてよく混合することが好ましい。
混合工程後における六方晶系窒化ホウ素の平均粒径は10μm以下とされていることが好ましい。平均粒径を10μm以下まで細かくすれば、焼結体が緻密となり、機械的強度の高い焼結体をより低い温度で得ることができるからである。
混合工程を湿式で行うこともできる。ただし、湿式における媒体として水を用いると、窒化ホウ素に含まれている酸化ホウ素(B)が水に溶出するため、水を含む媒体は避けるべきである。好ましくは、エタノールやイソプロピルアルコール等の有機溶媒中で行う。また解砕・粉砕処理に用いるボールミルは、5mm以下のアルミナ製ボールを用いた遊星ボールミルによる処理が好適であるがこれに制限するものではない。
アルミノケイ酸塩の配合割合は、全体の体積に対して10〜70容積%が好ましく、さらに好ましいのは30〜60容積%であり、最も好ましいのは35〜65容積%である。アルミノケイ酸塩が10容積%より少ないと、六方晶系窒化ホウ素や基材としてのセラミックスの表面全体にいきわたらず、焼結助剤としての役割が不十分となる。また、六方晶系窒化ホウ素の酸化が進行し、その結果生成した酸化ホウ素が分解・消失するときに気泡が発生し、多孔体となって焼結が不十分となるという問題が生じる。窒化ホウ素が微細であればアルミノケイ酸塩の配合割合は相対的に増す必要がある。一方、アルミノケイ酸塩が70容積%より多いと、基材としてのセラミックスの機能や、快削性付与剤としての窒化ホウ素の機能の発揮が不十分となる。
混合工程時(あるいは、混合工程前に前処理としての窒化ホウ素粉体を解砕・粉砕する場合にはその時)、窒化ホウ素粒子が粉砕・解砕或いは剥離して新生面が現れる。しかしながら、本発明に用いられる六方晶系窒化ホウ素粉体は、表面のみならず内部にも酸素が含まれているため、新生面にも酸化ホウ素が存在する。
<プレ成形工程>
そして、プレ成形工程において、焼結用混合粉をプレス成形して一定の形状に成形する。
<焼結工程>
さらに、焼結工程として、焼結する。このときアルミノケイ酸塩は液相化しているため、快削性付与剤として六方晶系窒化ホウ素粉体と、基材としてのセラミックス粉体の表面がアルミノケイ酸塩溶融物で覆われ、液相焼結が進行し、緻密な焼成物となる。
また、焼結工程における焼結温度は、原料として用いる六方晶系窒化ホウ素の粒径、酸化ホウ素の含有量、アルミノケイ酸塩の組成や添加量等によって適宜最適な量を決定すればよいが、一般的には800℃以上1400℃以下であることが好ましい。800℃未満では、焼結が不十分となるおそれがある。また、焼結温度が1400℃を超えると、製造のためのエネルギー消費量が多くなるのみならず、酸素存在下で焼結した場合には、六方晶系窒化ホウ素焼結体の酸化反応が促進され、酸化ホウ素となって発泡し、相対密度が低くなるおそれがある。
発明者らは、本発明の六方晶系窒化ホウ素焼結体の製造方法により、相対密度が80%以上の焼結体が得られることを確認している。また、得られた焼結体の走査型電子顕微鏡による観察から、焼結体中の六方晶系窒化ホウ素の結晶は、非板状の形態をなすことを確認している。
本発明において、焼結工程では、特に圧力をかけなくても、焼結を行うことができる。このため、ホットプレス装置等の複雑な装置を用意しなくてもよく、製造装置の設備費が低廉化し、ひいては製造コストを低廉化することができる。
ただし、ホットプレス装置等を用いることにより、さらに密度の大きな快削性セラミックスとすることが可能となる。
なお、上記特許文献4の段落番号0017には、「六方晶系窒化ホウ素(h‐BN)の酸素含有量は、1質量%以下のものでも使用することができるが、ある程度酸化されたもの、例えば酸素含有量が数%のものがより好ましい。」と記載されているが、このことと、本発明の構成要件である「表面のみならず内部にも酸素が含まれていること」ということは、意味が異なり、相対密度や機械的強度に対する効果にも相違がある。すなわち、特許文献4の段落番号0017では、1つの六方晶系窒化ホウ素粒子において、その内部にまで酸素が存在しているか否かについては、何も述べられていない。さらに、それらの違いによる効果の違いを確認すべく、発明者らは、六方晶系窒化ホウ素に酸化ホウ素(B)を10質量%程度混合した原料を用い、アルミノケイ酸塩を混合して焼結させた場合と比較を行なった。その結果、表面のみならず内部にも酸素が含まれているh−BNを用いた場合は、六方晶系窒化ホウ素に酸化ホウ素(B)を10質量%程度混合した原料を用いた場合よりも、相対密度が高く、機械的強度も優れたものとなることを確認している。
(実施例1)
<原 料>
実施例1では、原料として以下のものを用いた。
基材:低温焼結性アルミナ(商品名:TM−DAR、大明化学工業製)
快削性付与剤:酸素含有六方晶系窒化ホウ素(有限会社オクトム製 商品名:SFM、純度40%以上)
焼結助剤:ソーダ長石(商品名:FN−100、協立マテリアル製)
上記酸素含有六方晶系窒化ホウ素を、蛍光X線による定量分析を行ったところ、酸素含有量は25重量%であった。また、オージェ電子分光測定により、この六方晶系窒化ホウ素の深さ方向の元素分析を行った。その結果を図1に示す。図1において200eV、410eV及び540eV付近にあるピークがそれぞれホウ素(B)、窒素(N)及び酸素(O)のピークに相当する。また、イオンエッチングする前の測定結果(すなわちB、N及びOの各プロファイルにおいて、最も手前側のプロファイル)が粒子表面での分析結果である。さらに、イオンエッチング装置によりSiO換算で30nm/1分となるような条件(イオンガンの加速電圧は3kV、イオン生成用のエミッション電流は20mA)で10分間ずつ粉末粒子を表面からエッチングを行って削り取り、粉末内部の分析も行った。その結果、少なくともSiO換算で900nmまでは、相当量の酸素原子が存在していることが分かった。
<混合工程>
上記原料を用いて以下のように混合工程を行った。すなわち、低温焼結性アルミナ粉末と六方晶系窒化ホウ素とソーダ長石とを50:25:25の容積比となるように秤り取り、遊星ボールミルの容器に入れ、さらにイソプロピルアルコール(IPA)を加え、1時間混合した。その後、混合物を乾燥し、焼成用粉末を得た。
<プレ成形工程>
次に、直径16mm、長さ50mmの円筒形の金型に、上記焼成用粉末を充填し、30MPaの圧力で圧粉し、さらにCIP(Cold Isostatic Press)を用いて200MPaでプレ成形を行った。こうして得られたプレ成形体の厚さは約6mmとなった。
<焼成工程>
こうして得られたプレ成形体を電気炉に入れ、大気雰囲気下、昇温速度5℃/minで昇温させ,1300℃で1時間保持した。その後、炉冷し、実施例1の快削性アルミナ基セラミックスを得た。
(比較例1)
比較例1では、「アルミナ粉末と純度99%の六方晶系窒化ホウ素粉末(昭和電工製 UHP)とソーダ長石」とを50:25:25の容積比となるように混合した。その他の条件については実施例1と同様であり、詳細な説明を省略する。
比較例1で用いた純度99重量%の六方晶系窒化ホウ素粉末のオージェ電子分光測定を行い、深さ方向の元素分析を行った。その結果を図2に示す。図2において184eV及び405eV付近にあるピークがそれぞれホウ素(B)及び窒素(N)のピークに相当する。また、酸素は存在していれば540eV付近に出現するはずであるが、認められなかった。イオンエッチングする前の測定結果(すなわちB、N及びOの各プロファイルにおいて、最も手前側のプロファイル)が粒子表面での分析結果である。さらに、イオンエッチング装置によりSiO換算で30nm/1分となるような条件(イオンガンの加速電圧は3kV、イオン生成用のエミッション電流は20mA)で10分間ずつ粉末粒子を表面からエッチングを行って削り取り、粉末内部の分析も行った。その結果、表面から少なくともSiO換算で900nmまでは、酸素原子がほとんど検出されなかった。
−評 価−
(外観観察及び走査電子顕微鏡による観察)
こうして得られた実施例1の快削性アルミナ基セラミックスの外観写真を図3に示す。また、その破断面の走査型電子顕微鏡写真を図4に示す。図3及び図4から、実施例1の快削性アルミナ基セラミックスは、均質に焼結されていることが分かる。なお、図4の破面には、通常の六方晶系窒化ホウ素には認められる、板状結晶が観察されなかった。この原因については、明確には分かっていないが、六方晶系窒化ホウ素の結晶粒の内部にまで酸化ホウ素が存在することに起因するものと考えられる。
また、比較例1の焼結体の外観写真を図5に、破断面を図6に示す。これらの図より、比較例1では一応、均質な焼結体が得られるが、実施例1と異なり、窒化ホウ素に固有の板状結晶が観察された。
(XRD測定)
また、実施例1の快削性アルミナ基セラミックス及び比較例1の焼結体のXRDを測定した。
その結果、実施例1の快削性アルミナ基セラミックスは、図7に示すように、ソーダ長石のピークは消失し、2θ=20〜30度の範囲にガラスに固有なブロードなピークが認められたことから、ソーダ長石は溶融してガラス化し、焼結助剤としての役割を果たしていることが分かった。また、大気中で焼成したにもかかわらず、六方晶系窒化ホウ素の回折ピークは明瞭に認められ、六方晶系窒化ホウ素が酸化されずに残留していることが分かった。これは、ソーダ長石が溶融してガラス化し、粒子の内部にまで酸化ホウ素が含まれている酸化ホウ素含有六方晶系窒化ホウ素の表面をガラス化したソーダ長石がコーティングしたため、酸素との反応するのを防止するからであると考えられる。
また、ホウ酸アルミニウム(Al1833)の回折ピークも確認された。これは、六方晶系窒化ホウ素に多量に存在する酸化ホウ素と酸化アルミニウムとの反応によって生成したものと考えられる。
一方、比較例1のXRD測定結果は、図8に示すように、焼成前には存在していたソーダ長石のピークが焼成後に消失していた。このことから、比較例1ではソーダ長石が溶融してガラス化していることが分かる。また、比較例1では、焼成後においても六方晶系窒化ホウ素の回折ピークが明瞭に認められた。これは、六方晶系窒化ホウ素をガラス化したソーダ長石によってコーティングされて酸素との反応が防止されるため、大気焼成にもかかわらず、六方晶系窒化ホウ素が酸化ホウ素に変化することなく残存したものと考えられる。なお、図8には、実施例1と同様(図7参照)、ホウ酸アルミニウム(Al1833)の回折ピークも確認された。これは、ソーダ長石の溶融物でコーティングされなかった六方晶系窒化ホウ素の一部が酸化して酸化ホウ素が生成し、さらに酸化ホウ素が酸化アルミニウムと反応してホウ酸アルミニウム(Al1833)になったものと推測される。
(相対密度及び3点曲げ試験)
実施例1の快削性アルミナ基セラミックス及び比較例1の焼結体の密度を焼結体の寸法及び重量から算出した。また、それらの3点曲げ試験を行った。結果を表1に示す。
表1から、大気中で焼結した実施例1は、同じく大気中で焼結した比較例1と比較して、相対密度は低いものの、曲げ強度が大きかった。これは、実施例1では、ソーダ長石が溶融して焼結助剤として機能し、アルミナや酸素含有窒化ホウ素と良好に濡れるのに対し、比較例1に含まれる純度99%の六方晶系窒化ホウ素は、アルミナやソーダ長石との濡れ性に劣るためと考えられる。
以上の結果、及び、前述のXRD測定結果から次のことが分かった。
(1)実施例1では、酸素を含有する窒化ホウ素を用いているため、焼結助剤との酸素を含有する窒化ホウ素との濡れ性が良好となる。
(2)酸素を含有する窒化ホウ素の粒子内部の酸化が溶融したソーダ長石のコーティングによって阻止される。
(3)大気中・低温で焼結するには焼結助剤としてソーダ長石の添加が有効で、ソーダ長石と濡れるためには酸素含有窒化ホウ素が有効である。
(実施例2)
実施例2では、原料として以下のものを用いた。
基材:窒化ケイ素粉末(商品名:SN−E10、宇部興産製)
快削性付与剤:酸素含有六方晶系窒化ホウ素(有限会社オクトム製 商品名:SFM、純度40%以上)酸素含有量は25重量%(蛍光X線による定量分析)オージェ分光分析により、この窒化ホウ素粒子は表面のみならず内部にも存在しており、不純物として多量の酸化ホウ素を含む。
焼結助剤:ソーダ長石(商品名:FN−100、協立マテリアル製)
<混合工程>
上記原料を用い、窒化ケイ素粉末と六方晶系窒化ホウ素とソーダ長石とを50:25:25の容積比となるように秤り取り、遊星ボールミルの容器に入れ、さらにイソプロピルアルコール(IPA)を加え、1時間混合した。その後、混合物を乾燥し、焼成用粉末を得た。
<プレ成形工程>
次に、直径16mm、長さ50mmの円筒形の金型に、上記焼成用粉末を充填し、30MPaの圧力で圧粉し、さらにCIP(Cold Isostatic Press)を用いて200MPaでプレ成形を行った。こうして得られたプレ成形体の厚さは約6mmとなった。
<焼成工程>
こうして得られたプレ成形体を大気雰囲気下、昇温速度5℃/minで昇温させ,1300℃で1時間保持した。その後、炉冷し、実施例2の快削性窒化ケイ素基セラミックスを得た。
(実施例3)
実施例3では、雰囲気炉内において窒素雰囲気下で焼成した。その他の条件は実施例2と同様であり、説明を省略する。
−評 価−
(外観観察及び走査電子顕微鏡による観察)
こうして得られた実施例2の快削性窒化ケイ素基セラミックスの外観写真を図9に示す。また、それらの破断面の走査型電子顕微鏡写真を図10に示す。図9及び図10から、実施例2の快削性窒化ケイ素基セラミックスは、均質な快削性窒化ケイ素基セラミックスが得られていることが分かる。また、図10の破面には六方晶系窒化ホウ素に固有の板状結晶が観察されなかった。この原因については、明確には分かっていないが、酸化ホウ素が粒子内部にまで存在することに起因するものと考えられる。
一方、実施例3の焼成体の外観写真を図11に、それらの破断面の走査型電子顕微鏡写真を図12に示す。これらの写真から、実施例3の快削性窒化ケイ素基セラミックスは、均質な快削性窒化ケイ素基セラミックスが得られていることが分かる。
(XRD測定)
また、実施例2の快削性窒化ケイ素基セラミックス及び実施例3の焼結体のXRDを測定した。
その結果、図13に示すように、実施例2では、ソーダ長石のピークは消失し、2θ=20〜30度の範囲にガラスに固有なブロードなピークが認められ、ソーダ長石は溶融してガラス化したことが分かった。また、大気中で焼成したにもかかわらず、窒化ケイ素および六方晶系窒化ホウ素の回折ピークが明瞭に認められた。これは、溶融したソーダ長石が窒化ケイ素基セラミックスの表面を覆い、内部への酸化がこれによって阻止されたからだと考えられる。
また、酸化シリコンの回折ピークが僅かに確認されたことから、窒化ケイ素の一部は、大気中での焼結により、酸化されたものと考えられる。
一方、実施例3の焼結体では、図14に示すように、窒化ケイ素および六方晶系窒化ホウ素の回折ピークが明瞭に認められた。一方、ソーダ長石のピークは消失し、2θ=20〜30度の範囲にガラスに固有なブロードなピークが認められたことから、溶融してガラス化したことが分かった。
(相対密度及び3点曲げ試験)
実施例2の快削性アルミナ基セラミックス及び実施例3の焼結体の密度を焼結体の寸法及び重量から算出した。また、それらの3点曲げ試験を行った。結果を表2に示す。
表2から、大気中で焼結した実施例2では、窒素中で焼結した実施例3と比較して、曲げ強度は劣るものの、極めて酸化しやすいという特質を有する窒化ケイ素であっても、ある程度の強度を有する焼結体を得られることが分かった。
この発明は、上記発明の実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
本発明の方法によれば、比較的低温で、かつ、無加圧下で製造が可能な快削性セラミックス及びその製造方法を提供することができる。
実施例1で使用した酸素含有窒化ホウ素粉末粒子のオージェ電子分光測定による深さ方向の元素分析結果である。 99重量%の高純度窒化ホウ素粉末粒子のオージェ電子分光測定による深さ方向の元素分析結果である。 実施例1の快削性アルミナ基セラミックスの外観写真である。 実施例1の快削性アルミナ基セラミックスの破断面の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例1の焼結体の外観写真である。 比較例1の焼結体の破断面写真である。 実施例1の快削性アルミナ基セラミックスのXRD測定のチャートである。 比較例1の焼結体のXRD測定のチャートである。 実施例2の快削性窒化ケイ素基セラミックスの外観写真である。 実施例2の快削性窒化ケイ素基セラミックスの破断面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例3の焼成体の外観写真である。 実施例3の焼成体の破断面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例2の快削性窒化ケイ素基セラミックスのXRD測定のチャートである。 実施例3の焼成体のXRD測定のチャートである。

Claims (15)

  1. 快削性付与剤としての六方晶系窒化ホウ素粉体と、焼結助剤としてのアルミノケイ酸塩粉体と、基材としてのセラミックス粉体(ただし六方晶系窒化ホウ素及びアルミノケイ酸塩は除く)との混合物の焼結体からなり、
    前記六方晶系窒化ホウ素粉体の粒子には表面のみならず内部にも酸素が含まれていることを特徴とする快削性セラミックス。
  2. 前記六方晶系窒化ホウ素粉体を構成する粒子は、オージェ電子分光分析におけるイオンミリング法を用いた深さ方向の測定において、SiO換算で少なくとも300nmの深さまでは酸素の存在が確認されることを特徴とする請求項1記載の快削性セラミックス。
  3. 前記六方晶系窒化ホウ素粉体の酸素含有量は10質量%以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の快削性セラミックス。
  4. 前記アルミノケイ酸塩は加熱溶融によりガラス化されたアルミノケイ酸塩であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の快削性セラミックス。
  5. 前記セラミックス粉体は酸化物、窒化物、炭化物及びこれらの複合化合物からなる群の1種又は2種以上からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の快削性セラミックス。
  6. 前記セラミックス粉体はAl、Si、TiC、SiC、ZrO及びサイアロンからなる群の1種又は2種以上からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の快削性セラミックス。
  7. 前記セラミックス粉体はAl及び/又はSiからなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の快削性セラミックス。
  8. 前記六方晶系窒化ホウ素粉体の含有量は10〜70容積%であり、前記アルミノケイ酸塩粉体は10〜70容積%であり、前記セラミックス粉体は10〜80容積%であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の快削性セラミックス。
  9. 相対密度が60%以上であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の快削性セラミックス。
  10. 焼結体中の六方晶系窒化ホウ素の結晶が非板状の形態をなすことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項記載の快削性セラミックス。
  11. 粒子の表面のみならず内部にも酸素が含まれている快削性付与剤としての六方晶系窒化ホウ素粉体と、焼結助剤としてのアルミノケイ酸塩粉体と、基材としてのセラミックス粉体(ただし六方晶系窒化ホウ素及びアルミノケイ酸塩は除く)とを混合して焼結用混合粉とする混合工程と、
    該焼結用混合粉を圧力成形してプレ成形体とするプレ成形工程と、
    該プレ成形体を焼結する焼結工程と、
    を有することを特徴とする快削性セラミックスの製造方法。
  12. 前記混合工程後における前記六方晶系窒化ホウ素粉体のメジアン粒径は10μm以下とされていることを特徴とする請求項11記載の快削性セラミックスの製造方法。
  13. 前記混合工程は、有機溶媒中で行なうことを特徴とする請求項11又は12記載の快削性セラミックスの製造方法。
  14. 前記焼結工程は、圧力をかけることなく焼結を行なうことを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項記載の快削性セラミックスの製造方法。
  15. 前記焼結工程における焼結温度は800℃以上1400℃以下であることを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項記載の快削性セラミックスの製造方法。
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